JP2001514908A - 成形品の製造方法 - Google Patents

成形品の製造方法

Info

Publication number
JP2001514908A
JP2001514908A JP2000509004A JP2000509004A JP2001514908A JP 2001514908 A JP2001514908 A JP 2001514908A JP 2000509004 A JP2000509004 A JP 2000509004A JP 2000509004 A JP2000509004 A JP 2000509004A JP 2001514908 A JP2001514908 A JP 2001514908A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
prepolymer
segment
mesophase
carbon atoms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000509004A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001514908A5 (ja
JP4271367B2 (ja
Inventor
ハート,トーマス
カールトン バロン,リチャード
ローマン,ディーター
ペーター マイヤー,ヴォルフガング
Original Assignee
ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト filed Critical ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト
Publication of JP2001514908A publication Critical patent/JP2001514908A/ja
Publication of JP2001514908A5 publication Critical patent/JP2001514908A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4271367B2 publication Critical patent/JP4271367B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/04Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of organic materials, e.g. plastics
    • G02B1/041Lenses
    • G02B1/043Contact lenses

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Eyeglasses (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Prostheses (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、下記の工程:a)架橋可能な基を1個以上含む、少なくとも1種類のプレポリマー(ここで、該プレポリマーは、疎水性セグメントAを少なくとも1個、および親水性セグメントBを少なくとも1個含む両親媒性セグメント化コポリマーである)を用意する工程;b)該プレポリマーの、少なくとも部分的に両連続性である中間相を生成させる工程;c)得られた該中間相を、眼科用の成形型の中に導入する工程;d)架橋反応を起こさせる工程;およびe)成形品を取り出せるように型を開く工程を含む、成形品の製造方法に関する。本発明の方法は、膜およびコンタクトレンズのような眼科用成形品の製造に特に適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、生体臨床医学用装置、膜および特に眼用および眼科用技術において
有用な成形品のような成形品の新規な製造方法に広く関する。より具体的には、
本発明は、両親媒性の架橋可能なプレポリマーを、まず両連続性の中間相に転換
し、ついで架橋することによる、コンタクトレンズの新規な製造方法に関する。
【0002】 PCT公報WO96/31792は、両連続性の相、たとえば1種類の酸素透
過を可能にする酸素透過相、および1種類の水またはイオンの透過を可能にする イオン透過相を含む、長期装用目的のコンタクトレンズのような眼科用成形品を
開示している。該眼科用成形品は、たとえば、疎水性の酸素透過性セグメントお
よび親水性のイオン透過性セグメントを有する、両親媒性のブロックコポリマー
である、架橋可能なプレポリマーを架橋させることにより製造される。既知のプ
レポリマーは、ほとんどが水不溶性であるため、架橋は、通常クロロホルムなど
のような有機溶媒中で実施される。したがって、結果として得られる成形品は、
その後、溶媒を除去するために抽出操作を実施しなければならず、そしてそのう
え、たとえば即時使用可能なコンタクトレンズを得るためには、水和させなけれ
ばならない。
【0003】 抽出および水和工程を有する水不溶性の両親媒性セグメント化コポリマーの、
既知の架橋方法は、非常に時間を消費するので、このためコンタクトレンズのよ
うな大量の成形品を、短時間のうちに経済的に生産するには適していない。した
がって、特に抽出および/または水和工程を省いた、眼科用成形品のより簡易な
製造方法が求められている。
【0004】 いまや驚くべきことに、まず架橋可能な基を有する適切な両親媒性セグメント
化コポリマーを、少なくとも部分的に両連続性である中間相に変換し、ついで得
られた中間相を架橋することによって、少なくとも部分的に両連続性のミクロ構
造を有する成形品を、好都合に得られることを見出した。
【0005】 したがって本発明は、下記の工程: a)架橋可能な基を1個以上含む、少なくとも1種類のプレポリマー(ここで、
該プレポリマーは、疎水性セグメントAを少なくとも1個、および親水性セグメ
ントBを少なくとも1個含む両親媒性セグメント化コポリマーである)を用意す
る工程; b)該プレポリマーの、少なくとも部分的に両連続性である中間相を生成させる
工程; c)得られた該中間相を、成形型の中に導入する工程; d)架橋反応を起こさせる工程;および e)成形品を取り出せるように型を開く工程 を含む、成形品の製造方法に関する。
【0006】 この方法は、前述の性質を有する両親媒性セグメント化コポリマーに対して一
般的に適用できることが、本発明によって確認されている。
【0007】 本発明による方法における使用に向けてのプレポリマーの適性を決める決定基
準は、(i)該プレポリマーが溶融状態または水溶液の存在下において光学的に
透明な両連続性の中間相を形成し、そして(ii)架橋性の基を含むことである。
【0008】 ここにおける中間相という用語は、前述の架橋可能な両親媒性物質のような両
親媒性物質、およびそれぞれの場合に自己構成性のミクロ構造を示す前述の架橋
可能な両親媒性ブロックコポリマーの水性溶液または溶融物の、熱力学的に安定
な混合物を意味すると理解してよい。中間相は、代表的には均質で光学的に透明
な混合物であり、その系を構成している成分の状態図の単一相領域に位置する。
これらの単一相は、幾何学的に規則性で繰返し構造をもつ、混合物中で成分の秩
序ある区画化を示す液晶性のもの(たとえば層状、六方晶形または立方晶形)で
あるか、または区画化がランダムで等方性の、非晶性のものであり得る。中間相
の後者の例は、ミクロエマルションで代表される。したがって、多数のミクロ構
造が、一般の種類の中間相の中に出現し得る。本発明では、液晶ミクロ構造を有
する中間相が好ましい。したがって、特許請求をする方法の中間相は、好ましく
は状態図の単一相領域に位置していて、結晶構造を示し、最も好ましくは立方晶
構造を示すものである。
【0009】 それに加えて、本発明の中間相は、少なくとも部分的に両連続性のものであり
、すなわち、その混合物は少なくとも2種類の両連続性の相、たとえば互いに入
り混じった酸素透過相とイオン透過相を有している。
【0010】 ここで用いている「相」とは、不均一なポリマー材料の、別個の物理的に分離
している部分である、実質的に均一な組成を有する領域をいう。しかしながら、
用語「相」は、記載の材料が化学的に純粋な物質であるということではなく、単
にある集合特性が、その材料中のもう一つの別の相の特性とは有意な差があると
いうことを意味している。したがって、レンズのような眼科用成形品の重合体成
分に関しては、イオン透過相とは、実質的にイオン(および水和した場合、水)
透過性ポリマーだけからなる領域をいい、一方、酸素透過相とは、実質的に酸素
(および水和した場合、多分少量の水)透過性ポリマーだけからなる領域をいう
【0011】 ここで用いている「両連続性の相」とは、それぞれが互いに異なる実質的に均
一な組成を有し、そのそれぞれが別個の特性を示す、少なくとも2種の領域をい
う。コンタクトレンズのような眼科用成形品についていえば、レンズの内面から
レンズの外面へ延びる2種の連続通路、または連続通路の組合せをレンズに提供
する、酸素透過性ポリマーおよびイオン透過性ポリマーの両連続性の相を有する
のが極めて望ましいことが見出された。上記の少なくとも2種の連続通路は、レ
ンズ材料が、高い酸素透過性と、イオンまたは水の透過性の両方を備えることを
確実にする。
【0012】 「架橋可能な基」とは、当業者が周知している、たとえば光架橋可能なまたは
熱架橋可能な基のような、在来の架橋可能な基を意味する。コンタクトレンズ材
料の製造のためにすでに提案されている架橋可能な基が、特に適している。これ
らには、限定はされないが、特に炭素−炭素二重結合を含む基が包含される。多
種類の適切な架橋可能な基を説明するために、単なる例として、以下の架橋機構
をここに挙げる:ラジカル重合、2+2付加環化、ディールス−アルダー反応、
ROMP(開環複分解重合)、加硫、カチオン架橋、エポキシ硬化およびレドッ
クス反応である。
【0013】 本発明の両親媒性セグメント化コポリマーは、少なくとも1個の疎水性セグメ
ントAを含み、該セグメントAは、好ましくは以下に例示する酸素透過性ポリマ
ー、すなわちその内部で比較的高い酸素拡散速度を示すポリマーを含む。そのう
え、本発明の本実施態様における材料は、眼科的に適合するものでなければなら
ない。
【0014】 プレポリマーが含んでいてもよい適切な疎水性セグメントAは、たとえば、ポ
リシロキサン類;ペルフルオロポリアルキルエーテル類;特定の不飽和ポリマー
類、たとえば共役脂肪族または脂環式ジエンのポリマー、アルキンまたはジアル
キンのポリマー、共役ジエンと親水性または疎水性ビニルモノマーのコポリマー
、およびまたそれの部分水和誘導体;またはポリスルホン類である。好ましい疎
水性セグメントAは、ペルフルオロポリアルキルエーテル類または特にポリシロ
キサン類を含む。
【0015】 本発明の一つの実施態様によると、セグメントA中の酸素透過性ポリマーは、
式(I):
【0016】
【化4】
【0017】 (式中、nは、5〜700の整数であり;Alkは、炭素原子を20個まで有す るアルキレンであり;R1、R2、R3およびR4基の80〜100%は、互いに独
立にアルキルであり、そしてR1、R2、R3およびR4基の0〜20%は、互いに
独立にアルケニル、アリール、フルオロアルキルまたはシアノアルキルである)
の末端アルキレン基を有するポリシロキサンブロックを含む。
【0018】 好ましい意味においては、nが10〜500、より好ましくは10〜300、
特に好ましくは20〜120、そしてとりわけ20〜80の整数である。
【0019】 好ましい意味においては、R1、R2、R3およびR4基の80〜100%、好ま
しくは85〜100%、とりわけ90〜100%が、互いに独立に、炭素原子を
8個まで有する低級アルキル、特に好ましくは炭素原子を4個まで有する低級ア
ルキル、とりわけ炭素原子を2個まで有する低級アルキルである。R1、R2、R 3 およびR4のさらに特に好ましい意味は、メチルである。
【0020】 好ましい意味においては、R1、R2、R3およびR4の0〜20%、好ましくは
0〜15%、とりわけ0〜10%が、互いに独立に、低級アルキル、非置換また
は低級アルキル−もしくは低級アルコキシ−置換フェニル、フルオロ(低級アル
キル)、たとえばトリフルオロプロピル、またはシアノ(低級アルキル)である
【0021】 本発明の別の一つの実施態様によると、セグメントA中の酸素透過性ポリマー
は、式(II): -(E)k-Z-CF2-(OCF2)x-(OCF2CF2)y-OCF2-Z-(E)k- (II) (式中、x+yは、10〜100の範囲の数であり;各Zは、互いに独立に、炭
素原子を12個まで有する2価の基、または結合であり;各Eは、互いに独立に
、アルコキシ、たとえば−(OCH2CH2)q−であり、式中、qが統計的平均と
して0〜2の値を有し、また式中、結合−Z−E−が、配列−Z−(OCH2CH 2 )q−を表し;そしてkが0〜1である) のペルフルオロアルキル−ポリエ−テルブロックを含む。
【0022】 Zは、好ましくは結合、低級アルキル、または−CO−部分がCF2基に結合 している−CONH−アルキレンである。Zは、特に好ましくは低級アルキレン
、とりわけメチレンである。
【0023】 式(II)の指数xおよびyを有するペルフルオロアルコキシ単位OCF2およ びOCF2CF2は、ランダムな分布を有し得る。指数の合計x+yは、好ましく
は10〜50、特に好ましくは10〜30の範囲の数である。x:yの比率は、
好ましくは0.5〜1.5の範囲、とりわけ0.8〜1.2の範囲である。
【0024】 本発明の他の実施態様においては、セグメントA中の酸素透過性ポリマーは、
不飽和ポリマー、たとえば、ハロゲンまたは低級アルキルで置換されていてもよ
い共役脂肪族もしくは脂環式ジエンのポリマー、低級アルキルまたはトリメチル
シリルで置換されていてもよいアルキンもしくはジアルキンのポリマー、共役ジ
エンと親水性または疎水性ビニルモノマーのコポリマー、あるいは上記化合物の
部分的水和誘導体である。
【0025】 好ましい不飽和ポリマーの具体例は、シス−、トランス−、イソ−またはシン
ジオタクチック−ポリ1,2−ブタジエン、ポリ1,4−ブタジエンまたはポリ
イソプレン;ポリペンテナマー;ポリクロロプレン;ポリピペリレン;アクリロ
ニトリル、スチレン、アクリル酸またはヒドロキシエチルメタクリラートのよう
な親水性または疎水性ビニルモノマーとのブタジエン−またはイソプレン−コポ
リマー;またはポリ1−トリメチルシリルプロピンである。特に好ましい不飽和
ポリマーは、シンジオタクチック−ポリ1,2−ブタジエン、ポリ1,4−ブタ
ジエンおよびポリイソプレンから選択される。特に好ましい不飽和ポリマーは、
ポリ1−トリメチルシリルプロピンである。他の特に好ましいポリマーは、ポリ
1,4−ブタジエンである。
【0026】 本発明のさらなる実施態様においては、セグメントA中の酸素透過性ポリマー
は、構成要素IIIa)〜IIId):
【0027】
【化5】
【0028】 (式中、構成要素IIIa)中のRは、アルキレンまたはアリーレンであり;そし て構成要素IIIb)、IIIc)およびIIId)中のRは、アリーレン、特にフェニ レンである) の少なくとも1種を含むポリスルホンを含む。
【0029】 本発明の一つの実施態様においては、セグメントA中の酸素透過性ポリマーは
、上式に示したポリマーの1種を含んでいてもよい。他の実施態様によれば、セ
グメントA中の酸素透過性ポリマーは、上式に示したポリマーの1種を越える種
類を含むことができ、たとえば、ペルフルオロアルキレンポリエーテルまたはポ
リブタジエンの部分セグメント(a)およびポリシロキサンの部分セグメント(
b)を含んでいてもよい。
【0030】 本発明の好ましい一つの実施態様は、プレポリマー、特に眼科用途のプレポリ
マーに関し、ここではセグメントAが、たとえば約1,000〜約50,000
の範囲、好ましくは約1,500〜約30,000の範囲、そして特に好ましく
は約2,000〜約20,000の範囲の平均分子量を有している。
【0031】 適切な親水性セグメントBは、たとえば: (i)非イオン性セグメント、たとえばポリオキシアルキレン、多糖類、ポリペ
プチド、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリアルキルアクリラートもしくはメタク
リラート、ポリヒドロキシアルキルアクリラートもしくはメタクリラート、ポリ
アシルアルキレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルエーテルまたはポリオール; (ii)多イオン性セグメント、たとえばポリアリルアンモニウム、ポリエチレン
イミン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウム、ポリアニリン、スルホン
化ポリアニリン、ポリピロールもしくはポリピリジニウムセグメントのような多
カチオン性セグメント;あるいはポリアクリル酸もしくはポリメタクリル酸、ポ
リチオフェン酢酸、ポリスチレンスルホン酸またはそれらの適切な塩のような多
アニオン性セグメント である。
【0032】 好ましい親水性セグメントBのいくつかの例は、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(メチルメタクリラ
ート)、ポリ(ヒドロキシエチルアクリラート)、ポリ(ヒドロキシエチルメタ
クリラート)、ポリアクリルアミド、ポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド)
、ポリアクリル酸もしくはポリメタクリル酸、または上記ポリマー2種以上のコ
ポリマー混合物、あるいは式(IV):
【0033】
【化6】
【0034】 (式中、R9は、水素原子、22個までの炭素原子を有し、そして場合によって はエーテル、エステルもしくはウレタン基を含有するアルキル、ヒドロキシアル
キルもしくはアルケニル基、シクロアルキル基、アラルキル基またはアリール基
を表し;そしてtは、2または3である)の環状イミノエーテルから誘導される
ポリアシルアルキレンイミンセグメントである。適切な環状イミノエーテルは、
たとえば2−メチル−2−オキサゾリン、2−アルケニルオキサゾリン、2−(
ヒドロキシアルキル)オキサゾリン、またはそれらの2−イソシアナトエチルメ
タクリラートである。
【0035】 親水性ブロックBの重量平均分子量は、広範囲に変化し得る。本発明の好まし
い一つの実施態様は、プレポリマー、特に眼科用途のプレポリマーに関し、ここ
ではセグメントBが、約200〜約10,000の範囲、好ましくは約350〜
約5,000の範囲、そして特に好ましくは約500〜約1,500の範囲の平
均分子量を有する。
【0036】 セグメントAとBは、直接結合によって結合していてよいが、その結合は好ま
しくは非加水分解性のもので、たとえば
【0037】
【化7】
【0038】 の結合であるか、または架橋員によって結合していてもよい。適切な架橋員は、
たとえばカルボニル、カルボナート、エステル、アミド、尿素もしくはウレタン
官能基であるか、またはたとえば上記官能基を1個以上、好ましくは2個含有す
る、アルキレン、シクロアルキレン、アラルキレン、アリーレンもしくはヘテロ
環状基である。
【0039】 本発明のコポリマーを構成する原料セグメントAおよび/またはBは、架橋可
能な基をすでに含有していてもよく、または前述の架橋可能な基を、コポリマー
の生成の途中で、好ましくは後で、たとえば、アミノ、ヒドロキシなどの基のよ
うなポリマーの反応性基を、これら反応性基と共反応する不飽和化合物と反応さ
せることによって導入してもよい。このような共反応性の不飽和化合物の例は、
たとえばアクリル酸、メタクリル酸、メタクリロイルクロリド、ヒドロキシエチ
ルメタクリラート(HEMA)、2−ビニル−4,4−ジメチルアゾラクトン、
2−イソシアナトエチルアクリラートまたは−メタクリラート(IEM)、アリ
ルイソシアナート、ビニルイソシアナート、ビニルベンジルイソシアナート異性
体またはHEMAと2,4−トリレンジイソシアナート(TDI)もしくはイソ
ホロンジイソシアナート(IPDI)との付加物で、特に1:1付加物である。
架橋可能部分は、セグメントAおよび/またはBに、そして好ましくはセグメン
トBに結合していてもよい。
【0040】 本発明のプレポリマーの構造は、広範囲に変化し得る。これらはしたがって、
一つの実施態様においては、1個のセグメントAおよび1個のセグメントBのみ
(2ブロックコポリマーA−B)からなっていてもよく、または1個のセグメン
トAおよびその両端に結合した2個のセグメントB(3ブロックコポリマーB−
A−B)からなっていてもよく、または数個のセグメントBが1個のセグメント
Aから懸垂しているくし形構造を有していてもよく(もちろん、さらに1個また
は2個の末端セグメントBを有しているくし形のコポリマーA(−B)rでもよい
)、ここでAおよびBは前述の意味を有し、rは>2であり、そしてAとBは、
直接結合によるか、または前述の架橋員によって結合していてもよく、そしてセ
グメントAまたは好ましくはBのいくつかまたは全部が、架橋可能な基、特に架
橋可能なC−C二重結合を有している。
【0041】 他の実施態様においては、本発明の両親媒性セグメント化コポリマーは、1個
のセグメントBおよびその両端に結合した2個のセグメントA(A−B−A形;
3ブロック)からなっていてよく、または数個のセグメントAが1個のセグメン
トBから懸垂しているくし形構造を有していてよい(もちろん、さらに1個また
は2個の末端セグメントAを有しているくし形コポリマーB(−A)rでよい)。
【0042】 本発明の方法に適した好ましいプレポリマー材料のいくつかの例は、PCT出
願WO97/49740に開示されている両親媒性セグメント化コポリマーか、
またはPCT出願WO96/31792に開示されている材料「A」および「C
」である。上記の2文献のそれぞれの部分が、そこに記載された式、定義および
好ましい範囲を含めて、引用によって本明細書に編入されている。
【0043】 好ましいプレポリマーの一つの群は、その中のセグメントAとBが、非加水分
解性の基によって結合しているものである。好ましい方法によって、上記プレポ
リマーは、適切な親水性モノマー(セグメントBを与える)、たとえば2−メチ
ルオキサゾリンのような環状イミノ、ビニルエーテル、エポキシド類を包含する
環状エーテル、環状不飽和エーテル、N−置換アジリジン、β−ラクトン、β−
ラクタム、ケテンアセタール、ビニルアセタールまたはホスホランを、適当に官
能化したセグメントA、たとえば前述のセグメントAの1種を存在させて、親水
性モノマー単位のブロックが、セグメントAの官能化箇所から成長するように重
合することによって形成される。
【0044】 適切な親水性モノマーを、原料セグメントAにグラフトさせることによって得
られるセグメント化コポリマーは、疎水性および/または親水性セグメント中に
重合可能な不飽和基をすでに含有していてもよく、たとえば、疎水性セグメント
Aが、ポリブタジエンもしくはポリイソプレンのようなジエンポリマーを含む場
合、または親水性セグメントを形成させるために用いるモノマーが、不飽和の側
鎖、たとえば2−アリルオキサゾリンを含む場合である。重合可能な不飽和基が
存在しない場合には、またはこのような基が存在する場合でも、適切な反応によ
って、重合可能な不飽和基を、たとえば成長しつつあるセグメントの末端に、ま
たは懸垂状にでも導入することが可能である。この目的のため、成長しつつある
セグメントのグラフト重合を、適切な鎖長に到達したところで停止させてよく、
そして鎖端に存在している活性基を、たとえばヒドロキシスチレン、アリルアル
コール、HEMA、プロパルギルアルコール、アリルアミンまたはプロパルギル
アミンのような特定の試剤を用いるか、あるいはKOH/EtOH、またはOH
もしくは−NHR*基(式中、R*は、たとえば水素、アルキルまたはアリールで
ある)を放出する第一級もしくは第二級アミン、または成長しつつあるセグメン
トの末端の不飽和基を用いることによって不活性化させる。水酸基もまた、グラ
フト共重合の際に、適切なコモノマー、たとえば2−ヒドロキシアルキルオキサ
ゾリンを使用することによって、コポリマー中に導入することができる。水酸基
または−NHR*基は、その後、たとえば重合可能な不飽和基を有するイソシア ナートと反応させてもよい。このような2種類の官能性を有する化合物の好まし
い例として、特に好ましいのが2−イソシアナトエチルメタクリラート(IEM
)であり、そしてビニルイソシアナート、アリルイソシアナート、アクリロイル
イソシアナート、スチレンイソシアナート、ビニルベンジルイソシアナート、プ
ロパルギルイソシアナートおよび無水(メタ)アクリル酸である。
【0045】 本発明の本実施態様の特に好ましい例は、WO97/49740の22ページ
に示されているプレポリマーである。
【0046】 本発明のさらなる実施態様によると、架橋員によって結合したセグメントAお
よびBを有する両親媒性セグメント化コポリマーが、本発明の方法において使用
される。これらのコポリマーは、たとえば前述の2ブロック−、3ブロック−、
くし形ブロック−コポリマー、A−B、B−A−BまたはA(−B)rであり、こ
こでセグメントAおよびBは、たとえばカルボニル、カルボナート、エステル、
アミド、尿素またはウレタン官能基によって、または特に架橋員−X−R−X−
(式中、Xは、前述の官能基であり;Rは、たとえば炭素原子を20個まで有す
る2価の、脂肪族、脂環式、芳香族または芳香脂肪族基、たとえば直鎖状または
分岐状の、C6〜C10アルキレン、シクロヘキシレン−メチレンまたはシクロヘ キシレン−メチレン−シクロヘキシレンであり、それぞれが非置換か、または1
〜3個のメチル基で置換されたものである)によって;あるいは非置換またはメ
チル置換のフェニレンもしくはフェニレン−メチレン−フェニレンによって連結
されている。特に好ましい架橋員は、式:−NH−C(O)−NH−R*−NH −C(O)−NH−または−O−C(O)−NH−R*−NH−C(O)−O− (式中、Rは、それぞれ前記で定義されている)である。
【0047】 後者のプレポリマーの例は、式: CP−PAO−DU−ALK−PDMS−ALK−DU−PAO−CP (V)
(式中、 PDMSは、2価のポリシロキサン、たとえば前述の式(I)のポリシロキサ
ンであり; CPは、イソシアナトアルキルアクリラートまたはメタクリラート、好ましく
はイソシアナトエチルメタクリラートであって、ウレタン基がPAO基の末端炭
素に結合しているものであり; PAOは、2価のポリオキシアルキレン(置換されていてもよい)であり、そ
して好ましくはポリエチレンオキシド、すなわち(−CH2−CH2−O−)m1C H2CH2−であって、m1が約3〜約44、より好ましくは約4〜約24の範囲
であってよく; DUは、ジウレタンであって、好ましくは環状構造、たとえばイソホロンジイ
ソシアナートまたはトルエンジイソシアナートから誘導される2価の基を包含し
、ウレタン結合(1)の酸素がPAO基に結合し、そしてウレタン結合(2)の
酸素がALK基に結合しており; ALKは、炭素原子を少なくとも3個有するアルキレンまたはアルキレンオキ
シ基、好ましくは炭素原子を3〜6個有する分岐状アルキレン基またはアルキレ
ンオキシ基、最も好ましくはs−ブチル(すなわち−CH2CH2CH(CH3) −)基またはエトキシプロポキシ基(たとえば−O−(CH2)2−O−(CH2)3 −)である) の両親媒性セグメント化コポリマーである。
【0048】 本発明の本実施態様によるプレポリマーは、それ自体既知の方法、たとえばP
CT公報WO96/31792に開示された方法によって製造することができる
【0049】 適切なプレポリマーの他の例は、式(VI):
【0050】
【化8】
【0051】 (式中、 (a)は、ポリシロキサンセグメント、たとえば前述の式(I)のセグメント
であり; (b)は、炭素原子を少なくとも4個含有するポリオールセグメントであり; Z1は、X2−R′−X2セグメントまたはX1基であって、 R′は、炭素原子を20個まで有する、有機化合物の2価の基、たとえば炭素
原子を14個まで有するアルキレン、アリーレン、アルキレンアリーレン、また
は炭素原子を6〜14個有する飽和2価脂環式基であり、そして好ましくは炭素
原子を12個まで有するアルキレンもしくはアリーレン、または炭素原子を6〜
14個有する飽和2価脂環式基であり、 各X2は、互いに独立に、カルボニル基を少なくとも1個含有する2価の基で あり、そして好ましくはエステル、アミド、ウレタンまたは尿素基、とりわけア
ミド、ウレタンまたは尿素基であり; X1は、カルボニル基を少なくとも1個含有する2価の基であり、そして好ま しくはエステル、アミド、ウレタンまたは尿素基、とりわけエステルまたはアミ
ド基であり; (d)は、式(VII): X3−L−(Y)k1−P1 (VII) (式中、 P1は、遊離基によって重合され得る基、たとえば炭素原子を12個まで有す るアルケニルまたはアルケニルアリール、より好ましくは炭素原子を8個まで有
するアルケニル、とりわけ炭素原子を4個まで有するアルケニルであり; YおよびX3は、互いに独立に、カルボニル基を少なくとも1個含有する2価 の基であって、Yは、好ましくはカルボニル、エステル、アミドまたはウレタン
基、X3は、好ましくはウレタン、尿素、エステル、アミドまたはカルボナート 基、より好ましくはウレタン、尿素、エステルまたはアミド基、とりわけウレタ
ンまたは尿素基であり; k1は、0または1であり;そして Lは、結合か、または有機化合物の炭素原子を20個まで有する2価の基、た
とえば炭素原子を12まで有するアルキレンもしくはアリーレン、好ましくは炭
素原子を4個まで有するアルキレンである)) のセグメントを少なくとも1個含む両親媒性セグメント化コポリマーである。
【0052】 式(VI)中のZ1がX1である場合、ポリオールセグメントbは、好ましくは炭
水化物、炭水化物モノラクトンまたは炭水化物ジラクトンから誘導されるポリオ
ールを意味すると理解される。炭水化物とは、モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−
、オリゴ−または多糖類を意味すると理解される。炭水化物ラクトンとは、アル
ドン酸またはウロン酸のラクトンを意味すると理解される。アルドン酸またはウ
ロン酸は、たとえば、モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、オリゴ−または多糖類
の酸化により生成するカルボン酸である。アルドン酸ラクトンの例は、グルコノ
ラクトン、ガラクトノラクトン、ラクトビオノラクトンまたはマルトヘプタノラ
クトンである;ウロン酸ラクトンの例は、グルクロン酸ラクトン、マンヌロン酸
ラクトンまたはイズロン酸ラクトンである。炭水化物ジラクトンの例は、D−グ
ルカロ−1,4:6,3−ジラクトンである。
【0053】 ポリオールセグメント(b)は、好ましくは、Z1基がX2−R′−X2基の場 合、ラクトンのないポリオール類から誘導される。このようなポリオール類の例
は1,2−ポリオール、たとえば還元された単糖類で、たとえばマンニトール、
グルシトール、ソルビトールまたはイジトール、1,3−ポリオール、たとえば
部分的または完全に加水分解されたポリビニルアセタートから誘導されるポリビ
ニルアルコール(PVA)、そしてさらにはアミノ末端PVAテロマー類、アミ
ノポリオール類、アミノシクロデキストリン類、アミノモノ−、ジ−、トリ−、
オリゴ−もしくは多糖類またはシクロデキストリン誘導体、たとえばヒドロキシ
プロピルシクロデキストリンである。前述の炭水化物ジラクトンは、たとえば、
好ましくはアミノ末端PVAテロマーの2当量と反応させると、ジラクトンから
誘導された炭水化物化合物を中央部に有するポリオールマクロマーを製造するこ
とができる。この組成を有する該ポリオール類も、同様に適したポリオールであ
ると理解される。
【0054】 式(VI)に示すように、セグメント(b)は、ビニル性の重合可能なセグメン
ト(d)を少なくとも1個有しており、その2価のX3基を介する、水素原子に よって還元された、セグメント(b)のアミノ基または水酸基へのセグメント(
d)の結合を意図している。
【0055】 本発明によれば、ビニル性の重合可能なセグメント(d)の、マクロマー分子
当たり、好ましくは1〜20個、より好ましくは2〜15個、そしてとりわけ2
〜6個を、末端または懸垂状のいずれかに結合させる。
【0056】 ビニル性の重合可能なセグメント(d)は、たとえば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、メタクリロイルクロリド、2−イソシアナトエチルメタクリラート(IE
M)、アリルイソシアナート、ビニルイソシアナート、ビニルベンジルイソシア
ナート異性体、またはヒドロキシエチルメタクリラート(HEMA)と2,4−
トリレンジイソシアナート(TDI)もしくはイソホロンジイソシアナート(I
PDI)の付加物、特に1:1付加物である。
【0057】 式(VI)によるマクロマー中のセグメント(a)と(b)の数の比は、好まし
くは(a):(b)=3:4、2:3、1:2、1:1、1:3または1:4の
範囲にある。
【0058】 セグメント(a)および(b)の数の合計は、2〜50、好ましくは3〜30
の範囲、特に3〜12の範囲である。
【0059】 式(VI)によるプレポリマーは、それ自体既知の方法、たとえばPCT公報N
o.WO96/31792に開示された方法によって製造できる。
【0060】 本発明の方法で使用されるプレポリマーの分子量は、広い範囲にあり、臨界的
ではない。しかしながら、このプレポリマーは、おおよそ500〜200,00
0、好ましくは800〜100,000、より好ましくは1,000〜50,0
00、最も好ましくは3,000〜25,000の重量平均分子量を有するのが
好ましい。
【0061】 プレポリマーは、好ましくは純粋な形態、特に、望ましくない成分が実質的に
存在しない形態、たとえばプレポリマーの製造に使用されるモノマー性、オリゴ
マー性またはポリマー性の原料化合物が存在しない形態、および/またはプレポ
リマーの製造中に形成される二次生成物が存在しない形態で、本発明の工程に導
入される。純粋形態の該プレポリマーは、それ自体既知の方法、たとえば適切な
溶媒を用いる沈殿、濾過と洗浄、適切な溶媒中での抽出、透析、逆浸透(RO)
または限外濾過により、プレポリマーをあらかじめ精製することによって好都合
に得られ、逆浸透または限外濾過が特に好ましい。
【0062】 本発明のプレポリマーの好ましい精製方法である逆浸透および限外濾過は、そ
れ自体既知の方法で実施可能である。限外濾過および逆浸透は、繰返し、たとえ
ば2〜10回実施することも可能である。代わりに、限外濾過および逆浸透を、
予定の純度が達成されるまで連続的に実施してもよい。純度の選択された度合は
、原則的に高いほど望ましい。
【0063】 少なくとも部分的に両連続性である中間相の製造
【0064】 本発明の方法によって、前述のプレポリマーを、少なくとも部分的に両連続性
である中間相に転換する。
【0065】 中間相は、上述の特性を有する1種以上の異なるプレポリマー、および場合に
よってはさらなる成分の溶融物から、または、好ましくは、1種以上の異なるプ
レポリマー、水溶液および場合によってはさらなる成分から製造してもよい。
【0066】 (1)水溶液: 中間相を形成させるために添加する水溶液は、純水か、または水と1種以上の
水混和性溶媒および/または塩の混合物であってよい。
【0067】 (i)水混和性有機溶媒: 中間相に添加してもよい適切な溶媒の例は、1価または多価アルコール、たと えばn−ブタノール、n−プロパノール、エタノールもしくはメタノールのよう
なC1〜C18アルコール、またはグリセリンもしくはグリコールのような多価ア ルコール;ブチルセロソルブ(登録商標)、ブチルカルビトール(登録商標)、
ヘキシルセロソルブ(登録商標)またはヘキシルカルビトール(登録商標)のよ
うなポリエーテル;カルボン酸アミド、たとえばN,N−ジメチルホルムアミド
;アセトン、アセトニトリル;ジメチルスルホキシド;あるいはこれらの混合物
である。好ましくは、水溶液は、いかなる追加の有機溶媒も含まないか、または
1〜C4アルコール、たとえばエタノールもしくはメタノールを追加の有機溶媒
として含む。本発明の特に好ましい実施態様においては、該水溶液は、追加の有
機溶媒を含まない。
【0068】 (ii)塩: 本発明の中間相を形成させるために用いる水溶液に含まれてよい塩は、限定さ
れるものではないが、コンタクトレンズ保守の分野で一般に使用されている緩衝
塩で、たとえばリン酸塩のように生理的に許容できる塩、またはハロゲン化アル
カリで、たとえば塩化ナトリウムのようにコンタクトレンズ保守の分野で一般に
使用されている等張化剤、あるいはそれらの混合物を包含する。
【0069】 塩を添加する場合、塩の水溶液は、たとえば1,000ml中約200〜450
ミリオスモル(単位:mOsm/l)の浸透圧モル濃度、好ましくは200〜350mO
sm/l、とりわけ約300mOsm/lの浸透圧モル濃度を有するのがよい。
【0070】 本発明の特に適した塩水溶液の例は、人工の、好ましくは緩衝化した涙液で、
pH値および浸透圧モル濃度を自然の涙液に適合させたものであり、たとえば緩
衝化されないか、またはたとえばリン酸緩衝剤により緩衝化された、ヒトの涙液
の浸透圧モル濃度に相当する浸透圧モル濃度を有するものである。
【0071】 本発明の中間相の形成のために使用される水溶液は、好ましくは、望ましくな
い成分が存在しない、または実質的に存在しないという意味での、純粋な溶液で
ある。このような溶液の特に好ましい例は、純水または上記で定義した人工涙液
である。
【0072】 (2)場合によってはさらなる成分: 本発明の中間相の製造に用いる場合によってはさらなる成分は、架橋性ブロッ
クコポリマーおよび水溶液以外では、たとえば以下のようなものである。
【0073】 (i)光開始剤: 本発明の中間相を光架橋する場合、ラジカル架橋反応を開始できる光開始剤を
添加するのが好ましい。これの例は、当業者には周知のものである。有用な光開
始剤には、たとえば、4−トリメチルアミノメチルベンゾフェノン塩酸塩もしく
はベンゾフェノン4−メタンスルホン酸ナトリウムのような、イオン性部分、親
水性部分またはその両方で置換されたベンゾフェノン類;ベンゾインメチルエー
テルのようなベンゾインC1〜C4アルキルエーテル;3−(2−ヒドロキシ−3
−トリメチルアミノプロポキシ)チオキサントン塩酸塩、3−(3−トリメチル
アミノプロポキシ)チオキサントン塩酸塩、チオキサントン3−(2−エトキシ
スルホン酸)ナトリウム塩もしくはチオキサントン3−(3−プロポキシスルホ
ン酸)ナトリウム塩のような、イオン性部分、親水性部分またはその両方で置換
されたチオキサントン類;または1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
、(2−ヒドロキシ−2−プロピル)(4−ジエチレングリコールフェニル)ケ
トン、(2−ヒドロキシ−2−プロピル)(フェニル−4−ブタンカルボキシラ
ート)ケトンのようなフェニルケトン類;あるいはDarocure(登録商標)もしく
はIrgacure(登録商標)の系統、たとえばDarocure 1173またはIrgacure 2959の
ような市販製品が包含される。
【0074】 光開始剤は、本発明の中間相に添加する場合、たとえば、それぞれの場合のプ
レポリマー含有量を基準にして0.05〜約1.5質量%、好ましくは0.1〜
1.0質量%、そして特に好ましくは0.08〜0.5質量%の量で存在させる
【0075】 (ii)熱開始剤: 本発明の中間相の架橋反応を熱的に誘起させる場合、熱に暴露した際にラジカ
ル架橋反応を開始できる熱開始剤を添加するのが好ましい。その例は、当業者に
周知のものである。有用な熱開始剤は、これに限定されるものではないが、アゾ
ジイソブチロニトリル、および過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナ
トリウム、またはそれらの混合物のような、過硫酸塩類を包含する。
【0076】 (ii)レドックス開始剤: 電気化学的に中間相の架橋反応を誘起させる場合、中間相を形成する混合物に
レドックス開始剤を添加するのが好ましい。その例は、当業者に周知のものであ
り、たとえばTiCl3、RhCl3、H22/Fe2+またはジアシルペルオキシ
ド/Cu+を含む。
【0077】 (iv)界面活性剤: 中間相は、追加的な界面活性剤、好ましくは非重合性の界面活性剤、たとえば
非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の界面活性剤を含んでもよい。
【0078】 適切な非イオン性界面活性剤は、高級脂肪族アルコールとエチレンオキシドの
縮合生成物、たとえばC8〜C20脂肪族アルコールとエチレンオキシドの約3〜 100モル、好ましくは5〜40モル、そして最も好ましくは5〜20モルとの
縮合生成物(たとえばUnion Carbide製のTergitol(登録商標)15−S界面活 性剤、ICI製のBrij(登録商標)界面活性剤);アルキルフェノール1モルの
ポリエチレンオキシド縮合物、たとえばC6〜C12アルキルフェノールとエチレ ンオキシドの約3〜100モル、好ましくは5〜40モル、そして最も好ましく
は5〜20モルとの縮合物(たとえばRhone-Poulenc製のIgepal(登録商標)C OまたはCA界面活性剤で、ノニルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノー
ルまたはオクチルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール);エチレンオ
キシドとプロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドとのブロックコポ
リマー(たとえばBASF製のPluronic(登録商標)またはTetronic(登録商標
)界面活性剤);ソルビタン酸またはステアリン酸と脂肪族アルコールまたはポ
リエチレンオキシドからのエステルのような脂肪酸エステル類(たとえばICI
製のSpan(登録商標)、Tween(登録商標)またはMyrj(登録商標)界面活性剤 )である。
【0079】 適切なアニオン性界面活性剤の例は、アルキルアリール硫酸またはスルホン酸
、たとえばラウリル硫酸ナトリウムまたはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムのようなC6〜C20アルキルもしくはアルキルアリール硫酸;またはリン酸の ポリオキシエチレン(約C6〜C20)アルキルもしくはアルキルフェノキシポリ (エチレンオキシ)モノエステルおよびジエステル、およびそれらの塩で、その
界面活性剤中には好ましくは約30単位未満、そして最も好ましくは20単位未
満のエチレンオキシド繰返し単位を有しているものである。
【0080】 適切なカチオン性界面活性剤の例は、共通の窒素原子に、より高い分子量の基
を少なくとも1個と、より低い分子量の基の2個または3個が結合してカチオン
を形成しており、そして電気的に相殺するアニオンは、たとえばハロゲンイオン
、酢酸イオン、亜硝酸イオンまたは低級アルキル硫酸イオン(たとえばメチル硫
酸イオン)である、第四級アンモニウム塩でである。窒素上のより高い分子量の
置換基は、たとえば炭素原子を約10〜20個含有する高級アルキル基であり、
そしてより低い分子量の置換基は、メチルまたはエチルのような、炭素原子が約
1〜4個の低級アルキルであり、たとえば水酸基で置換されていてもよい。置換
基の1個以上がアリール部分を含有してもよく、またはベンジルもしくはフェニ
ルのようなアリールもしくはアラルキルによって置換されてもよい。可能なより
低い分子量の置換基としては、一般式−R20(CH2CH2−O)c-1CH2CH2O H(式中、R20は、窒素に結合した2価のC1〜C4アルキレン基であり;cは、
約1〜15の整数を表す)に該当する、水酸基を有するポリオキシエチレン部分
のような低級ポリアルコキシ部分によって置換された、炭素原子が約1〜4個の
低級アルキルもある。代替として、末端水酸基を有するこのような低級ポリアル
コキシ部分が、上記の低級アルキルを介して結合する代わりに、第四級窒素に直
接結合していてもよい。当該第四級アンモニウム塩の例は、メチルビス(2−ヒ
ドロキシエチル)ココアンモニウムクロリド、オレイルアンモニウムクロリドま
たはメチルポリオキシエチレン(15)オクタデシルアンモニウムクロリド(た
とえばAkzo製のEthoquad(登録商標)界面活性剤)である。
【0081】 適切なカチオン性界面活性剤のさらなる一群は、式:
【0082】
【化9】
【0083】 (式中、 R21、R22、R23およびR24の少なくとも1個が、付加重合可能な基を有する
ことを前提として、R21およびR22は、同一か、または異なっていてもよく、C 1 〜C4アルキル基、好ましくはメチルまたはエチル基であり; R23およびR24は、同一か、または異なっていてもよく、C1〜C30炭素基で あり;そして An-は、適切な対イオン、たとえばハロゲンイオンである) を有する。この付加重合可能なカチオン性界面活性剤の例は:
【0084】
【化10】 である。
【0085】 リン脂質は、適切な両性界面活性剤の一例である。
【0086】 中間相、特にリオトロピック結晶相で、追加の界面活性剤を含まないものが好
ましい。
【0087】 (v)疎水性または親水性コモノマーまたはコマクロマー: 本発明による中間相が含有するコモノマーまたはコマクロマーは、親水性もし
くは疎水性、またはその両者の混合物であり得る。
【0088】 適切なコモノマーには、特に、コンタクトレンズおよび生物医学用材料の製造
に通常用いられるものが包含される。
【0089】 疎水性コモノマー(a)は、ホモポリマーであれば、水に不溶性で、10質量
%未満の水を吸収できるポリマーを典型的に形成するモノマーを意味すると理解
される。
【0090】 同様に、親水性コモノマーは、ホモポリマーであれば、水溶性か、または少な
くとも10質量%の水を吸収できるポリマーを典型的に形成するモノマーを意味
すると理解される。
【0091】 適切な疎水性コモノマーは、ここに挙げるものがすべてではないが、C1〜C1 8 アルキルおよびC3〜C18シクロアルキルアクリラートおよびメタクリラート、
3〜C18アルキルアクリルアミドおよび−メタクリルアミド、アクリロニトリ ル、メタクリロニトリル、ビニルC1〜C18アルカノアート、C2〜C18アルケン
、C2〜C18ハロアルケン、スチレン、低級アルキルスチレン、低級アルキルビ ニルエーテル、C2〜C10ペルフルオロアルキルアクリラートおよびメタクリラ ート、または相当する部分フッ素化アクリラートおよびメタクリラート、C3〜 C12ペルフルオロアルキルエチルチオカルボニルアミノエチルアクリラートおよ
びメタクリラート、アクリロキシ−およびメタクリロキシアルキルシロキサン、
N−ビニルカルバゾールならびにマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン
酸のC1〜C12アルキルエステルなどを包含する。好ましいコモノマーは、たと えば、アクリロニトリル、炭素原子を3〜5個有するビニル性不飽和カルボン酸
のC1〜C4アルキルエステル、または炭素原子を5個まで有するカルボン酸のビ
ニルエステルである。
【0092】 適切な疎水性コモノマーの例は、メチルアクリラート、エチルアクリラート、
プロピルアクリラート、イソプロピルアクリラート、イソブチルアクリラート(
IBA)、イソオクチルアクリラート(OA)、イソデシルアクリラート(DA
)、シクロヘキシルアクリラート、2−エチルヘキシルアクリラート(EHA)
、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート、プロピルメタクリラート、ブ
チルアクリラート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニ
ル、スチレン、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル
、1−ブテン、ブタジエン、メタクリロニトリル、ビニルトルエン、ビニルエチ
ルエーテル、ペルフルオロヘキシルエチルチオカルボニルアミノエチルメタクリ
ラート、イソボルニルメタクリラート、トリフルオロエチルメタクリラート、ヘ
キサフルオロイソプロピルメタクリラート、ヘキサフルオロブチル(メタ)アク
リラート(HFBMAおよびHFBA)、トリス(トリメチルシロキシシリル)
プロピルメタクリラート(TRIS)、3−メタクリロキシプロピルペンタメチ
ルジシロキサンおよびビス(メタクリロキシプロピル)テトラメチルジシロキサ
ン)を包含する。
【0093】 疎水性コモノマーの好ましい例は、メチルメタクリラート、IBA、HFBA
、HFBMA、OA、EHA、DA、TRISおよびアクリロニトリルである。
【0094】 適切な親水性コモノマーは、ここに挙げるものがすべてではないが、ヒドロキ
シル置換低級アルキルアクリラートおよびメタクリラート、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、低級アルキルアクリルアミドおよび−メタクリルアミド、ポリ
オキシエチレンアクリラートおよびメタクリラート、ヒドロキシル置換低級アル
キルアクリルアミドおよび−メタクリルアミド、ヒドロキシル置換低級アルキル
ビニルエーテル、ビニルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム
、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−ビニルピロール、
N−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−ビニル−4,4′
−ジアルキルオキサゾリン−5−オン、2−および4−ビニルピリジン、炭素原
子を合計3〜5個有するビニル性不飽和カルボン酸、アミノ低級アルキル(ここ
で、用語「アミノ」は、第四級アンモニウムも包含する)、モノ低級アルキルア
ミノ低級アルキルおよびジ低級アルキルアミノ低級アルキルアクリラートおよび
メタクリラート、アリルアルコールなどを包含する。好ましいコモノマーは、た
とえば、N−ビニル−2−ピロリドン、アクリルアミド、メタクリルアミド、ヒ
ドロキシル置換低級アルキルアクリルアミド、および−メタクリルアミド、なら
びに炭素原子を合計3〜5個有するビニル性不飽和カルボン酸である。
【0095】 適切な親水性コモノマーの例は、ヒドロキシエチルメタクリラート(HEMA
)、ヒドロキシエチルアクリラート、ヒドロキシプロピルアクリラート、トリメ
チルアンモニウム−2−ヒドロキシプロピルメタクリラート塩酸塩(たとえば日
本石油製のBlemer(登録商標)QA)、ジメチルアミノエチルメタクリラート(
DMAEMA)、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、アリルアルコー
ル、ビニルピリジン、グリセリンメタクリラート、N−(1,1−ジメチル−3
−オキソブチル)アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)、ア
クリル酸、メタクリル酸などを包含する。
【0096】 好ましい親水性コモノマーは、2−ヒドロキシエチルメタクリラート、ジメチ
ルアミノエチルメタクリラート、トリメチルアンモニウム−2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリラート塩酸塩、N,N−ジメチルアクリルアミドおよびN−ビニル
−2−ピロリドンである。
【0097】 適切な親水性または疎水性コマクロマーは、ビニル官能性オリゴマー類、たと
えばビニル官能性ポリアルキレングリコールまたはビニル官能性ポリシロキサン
のような、前述のセグメントAまたはBを含む、ビニル官能性オリゴマーを包含
する。
【0098】 好ましくは、工程b)による中間相は、いかなるコモノマーまたはコマクロマ
ーも含んでいない。
【0099】 (vi)製薬学的に有効な試剤: 本発明の中間相は、製薬学的に有効な適切な試剤、たとえばタンパク質、酵素
、ビタミン、消毒剤、殺菌剤などを含有してもよい。
【0100】 本発明の好ましい一つの実施態様においては、中間相は、1種以上の異なる本
発明のプレポリマー;生理的に許容される塩を含有してもよい水;および場合に
よっては光開始剤および/または1価もしくは多価アルコール、カルボン酸アミ
ド、アセトニトリルおよびジメチルスルホキシドからなる群より選ばれる追加の
溶媒から製造され、したがってこれらを含んでいる。さらにより好ましくは、中
間相が1種以上の異なるプレポリマー、水、および場合によっては光開始剤から
製造され、したがってこれらからなる。
【0101】 本発明の中間相は、望ましくない成分が少なくとも実質的に存在しない状態、
たとえばプレポリマーの製造に使用されるモノマー性、オリゴマー性またはポリ
マー性の原料化合物が存在しない状態;プレポリマーの製造中に形成される二次
生成物が存在しない状態;および/または塩が存在しない状態であることが好ま
しい。
【0102】 少なくとも部分的に両連続性である中間相を製造する工程b)は、たとえば下
記の工程を含むことで、特徴づけることができる: (i)少なくとも部分的に両連続性であるミクロ構造を与えることになる、プレ
ポリマー、水溶液および場合によってはさらなる成分の比率を選択する工程;お
よび (ii)両連続性のミクロ構造を形成させ、または形成を可能にする工程 である。
【0103】 両連続性であるミクロ構造を与える、プレポリマー、水溶液および場合によっ
てはさらなる成分の適切な比率は、簡単な実験で決めることができる。たとえば
、中間相を構成する成分を、均一な透明相が形成されるように混合し、ついでそ
の相を偏光顕微鏡下で、またはSAXS(小角X線散乱)もしくはSANS(小
角中性子線散乱)法を用いて観察する。それに加えて、まず、その中間相構成成
分の混合物の状態図を決定することができる。該状態図は、与えられた混合物の
均一な中間相領域が存在するか否かを示すので、目的とする両連続性ミクロ構造
の製造に適した組成を確立するために用いることができる。
【0104】 本発明の中間相は、適切な量のプレポリマー、水溶液および場合によってはさ
らなる成分を、いかなる順序ででも、たとえば0〜100℃、好ましくは10〜
50℃、より好ましくは15〜40℃の温度で、単に混合するだけで製造するこ
とができる。中間相は、自然に、もしくは撹拌および/もしくは適切な期間放置
することによって形成される。たとえば、本発明によって直ちに次の加工ができ
る状態にある中間相を形成させるために、中間相を構成する成分を、約1分間〜
1週間、好ましくは30分間〜5日間、最も好ましくは2時間〜3日間混合して
おく。
【0105】 本発明のさらなる実施態様によれば、中間相は、プレポリマー、場合によって
はさらなる成分、および過剰の水溶液を原料にしてエマルションを製造し、その
後、均一な透明中間相が形成されるまで、高温で水を蒸発させることによって得
られる。
【0106】 本発明の他の一つの実施態様によれば、中間相は、水溶液の存在なしに、プレ
ポリマーおよび場合によってはさらなる成分を溶融物にするだけで得ることがで
き、これは、融点またはガラス転移点の低いプレポリマーに特に適している。
【0107】 本発明の両連続性中間相は、たとえば、プレポリマーを10〜100質量%、
水溶液を0〜90質量%およびさらなる成分を0〜40質量%含む。好ましくは
、本発明の両連続性中間相は、プレポリマーを30〜85質量%、水溶液を15
〜70質量%およびさらなる成分を0〜10質量%含む。特に好ましい中間相は
、プレポリマーを30〜75質量%、水溶液を25〜70質量%含む。
【0108】 本発明による中間相は、特に、通常の定量注入、たとえば圧入のような、それ
自体既知の方法によって眼科用成形型中に導入することができる。適した成形型
は、一般には在来の技術で既知の、通常のコンタクトレンズの成形型である。し
たがって、本発明によるコンタクトレンズを、それ自体既知の方法、例示すると
通常の、たとえばUS−A−3408429記載の「スピン注型法」、または、
たとえばUS−A−4347198記載の、静止型中でのいわゆるFull-Mold法 によって製造することができる。適した成形型は、たとえばポリプロピレンから
作製される。たとえば、石英、サファイヤガラスおよび金属は、繰返し使用でき
る成形型用に適した材料である。
【0109】 架橋反応は、型の中で、たとえばUV光のような光化学線によって、または、
たとえばガンマ線、電子線もしくはX線のような電離線によって開始させること
ができる。架橋反応はまた、適切な場合には、熱的または電気化学的に開始させ
ることも可能である。注意すべきことは、本発明による架橋反応は、極めて短時
間、たとえば≦60分、好ましくは≦20分、より好ましくは≦5分、さらによ
り好ましくは≦1分、とりわけ30秒以内に実施できることであり、特に好まし
くは、例中に開示しているとおりである。
【0110】 反応条件は、架橋反応中に両連続性中間相の形状が少なくとも部分的に保持さ
れるよう、適宜選択される。したがって、得られた成形品は、大部分が透明であ
り、少なくとも部分的には両連続性の相を包含する形態を有している。
【0111】 成形型から成形品を取り出せるように型を開くことは、それ自体既知の方法で
実施することができる。従来の状態で提案されてきた方法では、得られた成形品
の、特にコンタクトレンズの場合は、この後に続く精製工程、たとえば抽出、さ
らにまた水和のための工程が、この時点で通常は必要であるのに対して、このよ
うな工程は、可能ではあるが、本発明による方法においては、好ましくは不要で
ある。
【0112】 これは、本発明の好ましい実施態様においては、中間相が、いかなる望ましく
ない低分子成分も含んでいないからである。したがって、架橋した製品もまた、
この種の成分を含んでおらず、そのため、引続いての抽出は必要がない。架橋が
、実質的に水を含む中間相内で実施されるので、後の水和は必要ない。これらの
二つの利点は、なかでも、生成した成形品、特にコンタクトレンズの複雑な後処
理が省略できることを意味する。したがって、本発明の方法によって得られるコ
ンタクトレンズは、有利な実施態様によれば、抽出工程を経ずに意図する用途に
適合するという事実によって特色づけられる。ここでの「意図する用途」は、特
にコンタクトレンズがヒトの目の中で使用できるということを意味している。本
発明の方法によって得られるコンタクトレンズは、有利な実施態様によれば、意
図する用途に水和工程なしで適しているという事実によっても特色づけられる。
【0113】 本発明による方法は、したがって、コンタクトレンズのような多数の成形品を
短時間で経済的に製造することに、きわめてよく適合している。成形品のさらな
る例は、生物医学用の物品、特に眼科用成形品、たとえば人工角膜、眼内レンズ
または眼帯である。本特許請求の方法によって得られる、またさらなる成形品は
、心臓弁、人工血管などのような外科で使用できる成形品;触媒;およびさらに
は被膜剤、フィルムまたは膜、たとえば拡散調節用の膜、情報記録用の光構成可
能なフィルム、または光レジスト材料、たとえばエッチングレジスト用もしくは
スクリーン印刷レジスト用の膜もしくは成形品、さらには粒子、特にミクロ粒子
、カプセル、特にマイクロカプセル、薬物送達システム用のフィルムおよびプラ
スターである。
【0114】 本発明の方法は、たとえば1ヵ月、1週またはただの1日限りの使用で、後は
新品レンズに換えるといった、短期間使用するコンタクトレンズのような、大量
生産物品の製造に特に適している。これは、特に本発明によって製造されるコン
タクトレンズが、抽出または水和のような後処理工程なしに、意図する用途に使
用できることによる。それに加え、本発明の方法によって得られるコンタクトレ
ンズは、並はずれたきわめて有利な特性をいろいろ有しており、したがって、長
期間の装用(真の長期連続装用、すなわち7日またはそれ以上)に適している。
これらの特性の中には、もし必要であれば、適切な表面処理(たとえばコーティ
ング)をした後、ヒトの角膜および涙液に対する優れた適合性があるが、これは
、含水量、酸素透過性および機械的、吸収的性質の間の均衡のとれた比率に基づ
いている。その結果、優れた装着感が得られ、刺激やアレルギー作用がない。気
体(CO2およびO2)、各種の塩、栄養物、水、および涙液の他の多様な成分に
関する良好な透過性のため、本発明の方法によって製造したコンタクトレンズは
、角膜中の自然の代謝過程に対して無作用であるか、または実際上無作用である
。そのうえ、本方法によって得られるコンタクトレンズは、光学的に澄明で透明
であり、優れた保存寿命、およびたとえば弾性率、破断伸びまたは寸法安定性に
関して良好な機械的特性を有している。上述の有利な点のすべてが、コンタクト
レンズだけでなく、本発明による他の成形品にももちろん適用される。
【0115】 下記の例においては、他の表示のない限り、量は質量、そして温度は℃である
【0116】 マクロ開始剤の製造
【0117】 例1 還流冷却器および第二のすり合わせジョイント上の隔壁をもつソックスレー抽
出器を設け、ソックスレー抽出器にモレキュラーシーブ(4Å)を充填した25
0ml丸底二口フラスコ中で、α,ω−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ポリジメ
チルシロキサン(Wacker Chemie, Munich, Germany製のIM15を薄膜型蒸発器
で精製したもので、0.43ミリ当量OH/g、Mn=4,651)29.5g (6.34mmol)をヘキサン90mlに溶解し、そして窒素雰囲気中で還流下に1
7時間蒸留した。その後、該溶液は、なお水21ppmを含有していた。続いて溶 液を、ヘキサンが60mlになるまで濃縮して、0℃に冷却し、そしてピリジン3
.60g(45.5mmol)を加えた。ついでトリフルオロメタンスルホン酸無水
物(Fluka Chemie AG, Buchs, Switzerland)12.4g(43.9mmol)を1 5分かけて添加し、そして混合物を、温度0℃でさらに30分間撹拌した。クロ
ロホルム20ml(含水量<10ppm)を加えた後、懸濁液を、G4ガラスフィル ター漏斗を用いて減圧濾過し、ついで高真空(0.6〜2mbar)で蒸発させた。
収量は、オレンジ色の油状物18gであった。次に、この油状物を乾燥ヘキサン (含水量<10ppm)40ml中に溶解し、活性炭を加え、ついでその混合物を約 2分間撹拌して、再び濾過した。溶液から溶媒を揮発させた後、生成物は、澄明
で無色の油状物15.8gであった。1 H−NMR(CDCl3、250MHz):0ppm(CH3−Si)、0.5ppm(− CH2−CH2−Si−)、1.8ppm(−CH2−CH2−CH2−)、4.4ppm (CF3SO3CH2−CH2−) 官能性:>95%(1H−NMRデータに基づく)、すなわち、>0.40ミリ 当量トリフルオロメタンスルホン酸エステル/g
【0118】 両親媒性セグメント化コポリマーの製造
【0119】 例2 2−メチル−2−オキサゾリン2.22g(26.1mmol)および例1で製造 したマクロ開始剤6.94g(1.4mmol)を、1,2−ジクロロエタン(含水
量5ppm)15ml中に室温で加えた。溶液を室温で1.5時間撹拌した後、40 ℃に昇温した。48時間後、溶液を室温に冷却し、そして0.5NのKOH/E
tOH溶液5.5mlを加えた。ついで溶液を1時間撹拌し、続いて高真空(0.
6〜2mbar)で溶媒を揮発させた。1 H−NMR:0ppm(CH3−Si)、2.0〜2.1ppm(CH3CON<)、 3.3〜3.5ppm(>N−CH2−CH2−N<) 官能性:OH滴定値:0.4ミリ当量/g 残留カチオン性末端基の滴定値:0.02ミリ当量/g THF中のGPC:低分子量領域以外に、肩のあるピークが1個、極大ピークは
ポリスチレンを基準にして約6,500。
【0120】 官能化した両親媒性セグメント化コポリマーの製造
【0121】 例3 丸底フラスコ中で、例2で得た両親媒性セグメント化ポリマー6.62g(2
.64ミリ当量)を、乾燥酢酸エチル(含水量<10ppm)20mlに室温で溶解 し、そして2−イソシアナトエチルメタクリラート(IEM)420mg(2.7
mmol)およびジブチルスズジラウラート約40mgを加えた。溶液を遮光下で48
時間撹拌し、ついで高真空(0.6〜2mbar)下、温度0℃で5時間、溶媒を揮
発させた。式:
【0122】
【化11】
【0123】 に合致すると信じられる無色の固体マクロマー6.89gを得た(x=13、y
=63)。 官能性:OH滴定値:0.11ミリ当量/g(OHの27.5%が未反応) THF中のGPC:ピークが2個で、極大ピークは、ポリスチレンを基準にして
400(小ピーク)および6,500。
【0124】 例4〜14 用いた出発材料の量を変化させ、またα,ω−ビス(3−ヒドロキシプロピル
)ポリジメチルシロキサンの代わりにα,ω−ビス(2−ヒドロキシエトキシプ
ロピル)ポリジメチルシロキサン(信越化学)を使用した以外は例1〜3の手順
によって、さらなる両親媒性セグメント化コポリマー(ASC)を製造した。組
成を、表1にまとめた。
【0125】
【表1】
【0126】 眼科用成形品の製造
【0127】 例15 例5によるASCの1.11gを、脱イオン水1.09g、および水の量に対
して1質量%のIrgacure 2959と混合した。混合して4日後に、この混合物を遠 心分離し、ポリプロピレン型に充填して、強度2.4mW/cm2のUV光で15分間
硬化させた。硬化後、得られた成形品をイソプロパノール中で60時間抽出し、
水中で再平衡化させ、120℃でオートクレーブ処理した。成形品は澄明で、高
いイオン透過値および酸素透過値(測定については、たとえばPCT公報WO9
6/31792参照)、ならびに同時に良好な機械的安定性を有していた。
【0128】 例16〜27 表2に示すような、ASC、脱イオン水、光開始剤(Irgacure 2959)および 場合によってはさらなる成分をそれぞれの量で混合し、その混合物をポリプロピ
レン型に充填し、強度2mW/cm2の310nmUV光によって90秒間硬化させ、生
成した成形品を型から取り出すことによって、さらなる成形品を得た。
【0129】
【表2】
【0130】 得られた成形品を、それぞれイソプロパノール中で一夜抽出し、水中で再平衡
化させ、121℃で30分間オートクレーブ処理した。成形品は、それぞれ澄明
であり、高い酸素透過値、ならびにイオン透過値および同時に良好な機械的安定
性を有していた。
【0131】 例28〜29 成形品を、それぞれの場合に抽出および再平衡化を省略したこと以外は、例1
9または20によって製造した。生成した成形品は、同様に澄明であり、そして
高い酸素透過値およびイオン透過値を有していた。
【0132】 例30 ASCを以下のようにあらかじめ精製した以外は例17によって、成形品を製
造した。すなわち、例10のASC4.5gを、メタノール370mlに溶解した
。得られた溶液の105mlを、ポリプロピレン支持材上の再生セルロース膜(分
子量カット値1,000)(Millipore Corp.)を装着した逆浸透濾過装置(Mil
lipore Corp.)に注入した。濾過を80psiで実施した。約10時間後、収率は 66%であり、低分子量成分はマクロマーから除去されていた。ついで成形品を
、後に続く抽出および再平衡化なしに製造し;これは澄明であって、高い酸素透
過値およびイオン透過値を有していた。
【0133】 例31 (i)マクロマーの製造:ポリエチレングリコールメタクリラート(Mn=4 00、Polyscience)10.0gと乾燥塩化メチレン17.5mlの混合物を、1 ,2−ジクロロエタン21.6gおよびジブチルスズジラウラート(DBTDL
)5滴(0.07g)中のイソホロンジイソシアナート(IPDI)16.7g に、1.5時間かけて滴下した。20時間後に反応を停止させ、生成物を乾燥ヘ
キサンで2回抽出した。得られたPEG−メタクリラート−IPDI生成物を、
その後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)2,400ppmで 安定化した。
【0134】 α,ω−ビス(2−ヒドロキシエトキシプロピル)ポリジメチルシロキサン(
n=2,000、信越化学)5.0gを、塩化メチレン中で共沸蒸留により乾 燥した。その後、前記のPEG−メタクリラート−IPDIの3.6gおよびD
BTDLの25滴を加えた。混合物を、40℃で約1日間放置した。ついで、塩
化メチレン1g中のフェノチアゾール0.0008gを加え、溶媒を揮発させた
【0135】 (ii)眼科用成形品の製造:上記で製造したマクロマー1.3gを、脱イオン 水0.70g、および水の量に対して0.035質量%のIrgacure 2959と混合 した。混合物をポリプロピレン型に充填し、マカムランプ(400W)を用い、 強度2mW/cm2の310nmUV光により45秒間硬化させた。得られた成形品は光
学的に澄明であった。
【0136】 例32 (i)マクロマーの製造:塩化メチレン20g中のα,ω−ビス(2−ヒドロ
キシエトキシプロピル)ポリジメチルシロキサン(Mn=2,000、信越化学 )5.0gを、IPDPの1.0g、塩化メチレン5.0gおよびDBTDLの
10滴の混合物中に、35分かけて滴下した。反応を40℃で4.5時間続けた
(IPDI−PDMS−IPDI)。ついで、ポリエチレングリコールアクリラ
ート(PEG−アクリラート、Mn=375、Aldrich)1.93gと塩化メチレ
ン20mlの混合物を、IPDI−PDMS−IPDI溶液にDBTDLの20滴
を追加したものの中に滴下した。室温で反応を続けながら、16.5時間後に、
DBTDLの10滴を追加し、また24時間後に、PEG−アクリラート0.4
gをDBTDLの5滴とともに追加し、さらにまたその65時間後に、PEG−
アクリラート0.1gをDBTDLの5滴とともに追加した。反応混合物を室温
でさらに2時間放置し、ついで溶媒を蒸発させた。
【0137】 (ii)眼科用成形品の製造:上記で製造したマクロマー1.3gを、脱イオン
水0.71g、よび水の量に対して0.035質量%のIrgacure 2959を混合し た。混合物をポリプロピレン型に充填し、マカムランプ(400W)を用い、強 度2mW/cm2の310nmUV光により、30秒間硬化させた。得られた成形品は澄
明であり、高いイオン透過値および酸素透過値を有していた。
【0138】 例33 例14または例31のポリマー0.3gを、それぞれ石英板の間に挟んで、1
01℃で10分間加熱した。その後、澄明できれいに広がったポリマー溶融物に
、マカムランプ(400W)を用い、2mW/cm2で3分間310nmのUVを照射し た。得られた澄明なフィルムを水中で水和したが、それぞれが澄明性を保持して
いた。
【0139】 例34 例16および例19の眼科用成形品を、小角X線散乱法(SAXS)によって
解析した。それらの回折像によると、例16の成形品は、層状形態を有し、そし
て例19のそれは、六方晶形態を有していた。
【0140】 例35 例11で得られたACS70質量%、300mOsm/lのリン酸塩緩衝塩水28.
9質量%およびIrgacure 2959の0.2質量%を混合した。混合物をポリプロピ レン型に充填して、強度2mW/cm2の310nmUV光により、90秒間硬化させ、
そして得られた成形品を型から取り出した。成形品は澄明であり、高いイオン透
過値および酸素透過値を有していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ローマン,ディーター スイス国 ツェーハー−4142 ミュンヘン シュタイン ミッテルヴェーク 56 (72)発明者 マイヤー,ヴォルフガング ペーター スイス国 ツェーハー−4053 バーゼル ヤーコップスベルガーホルツヴェーク 4 Fターム(参考) 2H006 BB03 BB04 BB05 BB06 4C097 AA24 EE03 EE06 EE09 EE11 EE12 EE13 MM04 4F213 AA32 AA33 AA44 AB04 AH74 WA02 WB01

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の工程: a)架橋可能な基を1個以上含む、少なくとも1種類のプレポリマー(ここで、
    該プレポリマーは、疎水性セグメントAを少なくとも1個、および親水性セグメ
    ントBを少なくとも1個含む両親媒性セグメント化コポリマーである)を用意す
    る工程; b)該プレポリマーの、少なくとも部分的に両連続性である中間相を生成させる
    工程; c)得られた該中間相を、眼科用の成形型の中に導入する工程; d)架橋反応を起こさせる工程;および e)成形品を取り出せるように型を開く工程 を含む、成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 成形品が、眼科用の成形品、膜、触媒および外科に有用な成
    形品からなる群より選ばれる、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 プレポリマーが、重量平均分子量1,000〜50,000
    を有する、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 プレポリマーの疎水性セグメントAが、ポリシロキサンまた
    はペルフルオロアルキルエーテルである、請求項1〜3のいずれか1項記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 プレポリマーの親水性セグメントBが、ポリオキシアルキレ
    ン、多糖類、ポリペプチド、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリアルキルアクリラ
    ートおよび−メタクリラート、ポリヒドロキシアルキルアクリラートおよび−メ
    タクリラート、ポリアシルアルキレンイミン、ポリアクリルアミド、ポリビニル
    アルコール、ポリビニルエーテルおよびポリオールからなる群より選ばれる非イ
    オン性セグメントであるか、あるいはポリアリルアンモニウム、ポリエチレンイ
    ミン、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウム、ポリアニリン、スルホン化
    ポリアニリン、ポリピロールおよびポリピリジニウムセグメントからなる群より
    選ばれる多カチオン性セグメントであるか、またはポリアクリル酸およびポリメ
    タクリル酸、ポリチオフェン酢酸、ポリスチレンスルホン酸ならびにそれらの適
    切な塩からなる群より選ばれる多アニオン性セグメントである、請求項1〜4の
    いずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 プレポリマーのセグメントAおよびBが、カルボニル、カル
    ボナート、エステル、アミド、尿素またはウレタン官能基、および上記の官能基
    を1個または2個を含有する、アルキレン、シクロアルキレン、アラルキレン、
    アリーレンまたはヘテロ環状基である、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法
  7. 【請求項7】 プレポリマーが、非加水分解性結合によって連結したセグメ
    ントAおよびBを含有し、そしてセグメントAが、式(I): 【化1】 (式中、nは、5〜700の整数であり;Alkは、炭素原子を20個まで有す
    るアルキレンであり;R1、R2、R3およびR4基の80〜100%は、互いに独
    立にアルキルであり、そしてR1、R2、R3およびR4基の0〜20%は、互いに
    独立にアルケニル、アリール、フルオロアルキルまたはシアノアルキルである)
    の、末端アルキレン基を有するポリシロキサンブロックを含む、請求項1〜6の
    いずれか1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 プレポリマーの親水性セグメントBが、式(IV): 【化2】 (式中、R9は、水素原子、22個までの炭素原子を有し、そして場合によって はエーテル、エステルもしくはウレタン基を含有する、アルキル、ヒドロキシア
    ルキルもしくはアルケニル基、シクロアルキル基、アラルキル基またはアリール
    基を表し;そしてtは、2または3である) の環状イミノエーテルから誘導されるポリアシルアルキレンイミンセグメントで
    ある、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 環状イミノエーテルが、2−メチル−2−オキサゾリン、2
    −アルケニルオキサゾリン、2−(ヒドロキシアルキル)オキサゾリン、または
    それらの2−イソシアナトエチルメタクリラートである、請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 プレポリマーが、式(V): CP−PAO−DU−ALK−PDMS−ALK−DU−PAO−CP (V)
    (式中、 PDMSは、2価のポリ(2置換シロキサン)であり; CPは、イソシアナトアルキルアクリラートまたはメタクリラート(ここで、
    そのウレタン基がPAO基の末端炭素に結合している)であり; PAOは、2価のポリオキシアルキレンであり; DUは、ジウレタン(ここで、ウレタン結合(1)の酸素は、PAO基に結合
    し、そしてウレタン結合(2)の酸素は、ALK基に結合している)であり;そ
    して ALKは、炭素原子を少なくとも3個有するアルキレンまたはアルキレンオキ
    シ基である) の構造を有する、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  11. 【請求項11】 プレポリマーが、式(VI): 【化3】 (式中、 (a)は、ポリシロキサンセグメントであり; (b)は、炭素原子を少なくとも4個含有するポリオールセグメントであり; Z1は、X2−R′−X2セグメントまたはX1基であり、 R′は、炭素原子を20個まで有する、有機化合物の2価の基であり、そして X1およびX2のそれぞれは、互いに独立に、カルボニル基を少なくとも1個含
    有する2価の基であり;そして (d)は、式(VII): X3−L−(Y)k1−P1 (VII) (式中、 P1は、遊離基によって重合され得る基であり; YおよびX3は、互いに独立に、カルボニル基を少なくとも1個含有する2価 の基であり; k1は、0または1であり;そして Lは、結合、または有機化合物の炭素原子20個までを有する2価の基である
    )の基である) のセグメントを少なくとも1個含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  12. 【請求項12】 中間相を、1種以上のプレポリマー、水溶液および場合に
    よってはさらなる成分から製造する、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法
  13. 【請求項13】 水溶液が、純水か、または水と水混和性溶媒および/もし
    くは塩との混合物を含む、請求項1〜12のいずれか1項記載の方法。
  14. 【請求項14】 任意のさらなる成分が、光開始剤、熱開始剤、レドックス
    開始剤、界面活性剤、コモノマー、コマクロマーおよび製薬学的に有効な試剤か
    らなる群より選ばれる、請求項12または13記載の方法。
  15. 【請求項15】 中間相が、1種以上の異なるプレポリマー;生理的に許容
    される塩を含有してよい水;および場合によっては光開始剤および/または1価
    もしくは多価アルコール、ポリエーテル、カルボン酸アミド、アセトン、アセト
    ニトリルおよびジメチルスルホキシドからなる群より選ばれる追加的溶媒から製
    造される、請求項1〜14のいずれか1項記載の方法。
  16. 【請求項16】 中間相が、1種以上の異なるプレポリマー、水および場合
    によっては光開始剤から製造される、請求項1〜15のいずれか1項記載の方法
  17. 【請求項17】 中間相の製造が、工程: (i)少なくとも部分的に両連続性であるミクロ構造を与えるであろうプレポリ
    マー、水溶液および場合によってはさらなる成分の比率を選択する工程;および (ii)両連続性のミクロ構造を形成させ、または形成を可能にする工程 を含む、請求項1〜16のいずれか1項記載の方法。
  18. 【請求項18】 プレポリマー、水溶液および場合によってはさらなる成分
    を混合し、その混合物を場合によっては撹拌のもとに、0〜100℃の温度で1
    分〜1週間の期間保持することによって、両連続性のミクロ構造を形成させる、
    請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 中間相の形成が、1種以上のプレポリマーおよび場合によ
    ってはさらなる成分の溶融物を製造することを含む、請求項1〜11のいずれか
    1項記載の方法。
  20. 【請求項20】 工程b)によって得られる中間相が、結晶構造、好ましく
    は層状、六方晶または立方晶構造、特に好ましくは立方晶構造である、請求項1
    〜19のいずれか1項記載の方法。
  21. 【請求項21】 架橋反応を≦60分の期間で実施する、請求項1〜20の
    いずれか1項記載の方法。
  22. 【請求項22】 成形品がコンタクトレンズである、請求項1〜21のいず
    れか1項記載の方法。
  23. 【請求項23】 請求項1〜21のいずれか1項記載の方法によって得られ
    る、眼科用成形品、特にコンタクトレンズ。
  24. 【請求項24】 成形品が膜である、請求項1〜21のいずれか1項記載の
    方法。
  25. 【請求項25】 請求項1〜21のいずれか1項記載の方法によって得られ
    る膜。
JP2000509004A 1997-09-02 1998-08-31 成形品の製造方法 Expired - Fee Related JP4271367B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US5786597P 1997-09-02 1997-09-02
US60/057,865 1997-09-02
PCT/EP1998/005520 WO1999012059A1 (en) 1997-09-02 1998-08-31 Process for the manufacture of a molding

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2001514908A true JP2001514908A (ja) 2001-09-18
JP2001514908A5 JP2001514908A5 (ja) 2006-01-05
JP4271367B2 JP4271367B2 (ja) 2009-06-03

Family

ID=22013200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000509004A Expired - Fee Related JP4271367B2 (ja) 1997-09-02 1998-08-31 成形品の製造方法

Country Status (17)

Country Link
EP (1) EP1018037B1 (ja)
JP (1) JP4271367B2 (ja)
KR (1) KR20010023518A (ja)
CN (1) CN1269889A (ja)
AR (1) AR017033A1 (ja)
AT (1) ATE238568T1 (ja)
AU (1) AU733503B2 (ja)
BR (1) BR9811740A (ja)
CA (1) CA2300810A1 (ja)
CO (1) CO5040213A1 (ja)
DE (1) DE69813851T2 (ja)
ID (2) ID24312A (ja)
IL (1) IL134715A0 (ja)
NO (1) NO20001050L (ja)
PE (1) PE65999A1 (ja)
WO (1) WO1999012059A1 (ja)
ZA (1) ZA987952B (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002533503A (ja) * 1998-12-21 2002-10-08 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 両親媒性ブロック共重合体
JP2003506503A (ja) * 1999-08-02 2003-02-18 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 有機ポリマー
JP2010512546A (ja) * 2006-12-11 2010-04-22 アルコン リサーチ, リミテッド 眼科用組成物におけるpeo−pboブロックコポリマーの使用
JP2013513822A (ja) * 2009-12-14 2013-04-22 ノバルティス アーゲー 水ベースのレンズ調製物からシリコーンハイドロゲルレンズを製造するための方法

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6444776B1 (en) 1998-12-21 2002-09-03 Novartis Ag Organic polymers
EP1238293B1 (en) * 1999-10-12 2013-11-27 Johnson & Johnson Vision Care, Inc. Contact lens coating selection and manufacturing process
US6916488B1 (en) * 1999-11-05 2005-07-12 Biocure, Inc. Amphiphilic polymeric vesicles
JP2001201723A (ja) * 2000-01-18 2001-07-27 Asahi Kasei Aimii Kk 連続装用ソフトコンタクトレンズ
US7521519B1 (en) 2000-03-14 2009-04-21 Novartis Ag Organic compounds
AU2001264623A1 (en) * 2000-05-16 2001-11-26 Biocure, Inc. Membranes formed from amphiphilic copolymers
SE0403092D0 (sv) 2004-12-20 2004-12-20 Amo Groningen Bv Amphiphilic block copolymers and their use
KR101646222B1 (ko) * 2014-12-02 2016-08-05 한국표준과학연구원 고분자 기반 인공 안구 제작 방법 및 장치
CN108832057A (zh) * 2018-06-20 2018-11-16 湖南辰砾新材料有限公司 一种锂电池用隔膜及其制备方法
CN110819224B (zh) * 2018-08-09 2021-06-25 江苏百赛飞生物科技有限公司 一种涂料组合物、基于其的保护涂层和涂覆制品

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5760100B1 (en) * 1994-09-06 2000-11-14 Ciba Vision Corp Extended wear ophthalmic lens
US5807944A (en) * 1996-06-27 1998-09-15 Ciba Vision Corporation Amphiphilic, segmented copolymer of controlled morphology and ophthalmic devices including contact lenses made therefrom

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002533503A (ja) * 1998-12-21 2002-10-08 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 両親媒性ブロック共重合体
JP2003506503A (ja) * 1999-08-02 2003-02-18 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 有機ポリマー
JP4850376B2 (ja) * 1999-08-02 2012-01-11 ノバルティス アーゲー 有機ポリマー
JP2010512546A (ja) * 2006-12-11 2010-04-22 アルコン リサーチ, リミテッド 眼科用組成物におけるpeo−pboブロックコポリマーの使用
JP2013065026A (ja) * 2006-12-11 2013-04-11 Alcon Research Ltd 眼科用組成物におけるpeo−pboブロックコポリマーの使用
JP2013513822A (ja) * 2009-12-14 2013-04-22 ノバルティス アーゲー 水ベースのレンズ調製物からシリコーンハイドロゲルレンズを製造するための方法

Also Published As

Publication number Publication date
ID24311A (id) 2000-07-13
PE65999A1 (es) 1999-07-27
ATE238568T1 (de) 2003-05-15
AU733503B2 (en) 2001-05-17
WO1999012059A1 (en) 1999-03-11
CA2300810A1 (en) 1999-03-11
NO20001050D0 (no) 2000-03-01
IL134715A0 (en) 2001-04-30
AR017033A1 (es) 2001-08-22
CO5040213A1 (es) 2001-05-29
DE69813851D1 (de) 2003-05-28
ZA987952B (en) 1999-03-02
CN1269889A (zh) 2000-10-11
JP4271367B2 (ja) 2009-06-03
EP1018037B1 (en) 2003-04-23
NO20001050L (no) 2000-03-22
KR20010023518A (ko) 2001-03-26
ID24312A (id) 2000-07-13
BR9811740A (pt) 2000-09-26
AU9740298A (en) 1999-03-22
EP1018037A1 (en) 2000-07-12
DE69813851T2 (de) 2004-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6039913A (en) Process for the manufacture of an ophthalmic molding
JP5242876B2 (ja) 架橋結合性または重合性プレポリマー
EP0793541B1 (de) Nco-terminale vinyltelomere
US8071696B2 (en) Amphiphilic block copolymers
JP4144902B2 (ja) 眼用成形品
JP2001514908A (ja) 成形品の製造方法
JP4489975B2 (ja) 有機化合物
CN101490099A (zh) 用于制备隐形眼镜的可光化交联的共聚物
JP3441024B2 (ja) 親水性含フッ素シロキサンモノマー及びその樹脂からなる眼科用レンズ材料
JP2002533503A (ja) 両親媒性ブロック共重合体
DE60014658T2 (de) Organische polymere
MXPA00002163A (en) Process for the manufacture of a molding

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050825

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050825

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080610

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080910

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090224

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090225

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120306

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130306

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130306

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140306

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees