JP2001511718A - インクジェット記録シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明のインク受容組成物は、ａ）式（Ｉ） または式 （式中、ｘは４０〜２００の整数であり、ｙは３〜１５の整数であり、ＰＥは式

Description

【発明の詳細な説明】 インクジェット記録シート 技術分野 本発明は、インクジェット記録媒体として使用するために好適な組成物と、こ のような組成物が被覆されてから架橋され、インクジェットプリンターにおいて 画像形成するために好適な記録シートとに関する。 背景技術 インク−ジェットプリンターおよびペンプロッターなどの画像形成装置は、ラ ベルおよび多色図形を含む種々の情報をプリントするための確立された方法であ る。このような情報の発表は図面のオーバーレイとして、およびオーバーヘッド プロジェクションのためのスライドとして使用される透明なインク受容画像形成 可能なレセプターの需要を生み出している。インクジェットプリンターまたはペ ンプロッターのどちらかを用いた画像形成は、これらの透明なレセプターの表面 にインクを付着させることを含む。これらの画像形成装置は、従来、完全に乾燥 することなく、長期間空気に暴露されたままになることがあるインクを使用する 。これらのレセプターの面は画像形成直後、かなりの量の液体が吸収されたあと でも、乾燥し、接触しても粘着しないことが望ましいので、画像形成のための透 明な材料は、かなりの量の液体を吸収できると同時に、ある程度の耐久性と透明 性を維持することができることが望ましい。 インク−ジェットプリンターによる画像の作製により、大量の溶媒、一般にグ リコールと水とのブレンドが画像形成後の面に残存する。画像未形成領域へのこ の溶媒の拡散により、画像が「にじむ」ことがあり、そのとき染料が溶媒と共に 移動される。 米国特許第５，３５６，８５９号は、ポリオキシアルキレン修飾ジメチルシロ キサングラフトコポリマーを含む受容層を有する支持体を含む、熱的染料転写印 刷に有用な染料受容要素について開示している。好ましい実施態様において、ポ リマーが構成要素のオーバーコート層に存在する。このように組込む目的は、印 刷工程中に染料受容要素が染料供与体に付着する傾向を低下することである。 米国特許第５，１４１，７９７号は、水溶性ポリマー結合剤、チタンキレート 架橋剤および例えばシリカのような吸収能力が大きい無機フィラーを含むインク ジェット記録シートについて開示している。フィラーはポリマー結合剤に対する 比が２：１〜７：１で存在する。紙基材が好ましい。１層コーティングだけが開 示されている。 米国特許第５，１３４，１９８号の液体吸収材料は、乾燥を改善し、乾燥時間 を短縮する１つの方法について開示している。これら材料は液体吸収性半相互貫 入ポリマー網目構造の連続材料を形成することができる架橋ポリマー組成物を含 む。これらの網目構造はポリマーのブレンドであり、ポリマー成分の少なくとも １つはブレンド後に架橋されて、材料の大半にわたって連続した網目構造を形成 し、それにより、巨視的に均質な組成物を形成する方法で未架橋のポリマー成分 が絡み合わされる。このような組成物は、上記の材料の欠点を生ずることなく、 耐久性で、インク吸収性で、透明な記録用材料を形成するのに有用である。 国際公開公報第８８０６５３２号は、記録シートと水溶性調製方法とについて 開示している。シートにはヒドロキシエチルセルロースポリマーまたはポリマー 混合物が被覆されている。被覆溶液は水平化および表面との接着性を促進するた めの界面活性剤並びに表面に鉛筆歯を与えるために酸化アルミニウム三水和物を 含有してもよい。 米国特許第５，２７７，９６５号は、１つの面にインク受容層、もう一方の面 に熱吸収層、熱吸収層の面に被覆された巻き付き防止層を有するベースシートを 含む記録媒体について開示している。インク受容層に好適な材料は、ポリエチレ ンオキサイドと例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(登録商標メトセ ル(Ｍｅｔｈｏｃｅｌ))、ヒドロキシエチルセルロース、水溶性エチルヒドロキ シエチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピル セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ビニルメ チルエーテル／マレイン酸コポリマー;アクリルアミド／アクリル酸コポリマー 、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース塩、酢酸セルロース；セルロー ス アセテートヒドロゲンフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレ ート；セルロースサルフェート、ＰＶＡ；ＰＶＰ、ビニルアルコール／ビニルア セテートコポリマー等との２成分系ブレンドなどの親水性材料を含んでもよい。 米国特許第５，０６８，１４０号は、支持基材および巻き付き防止またはコー ティングを含むシートについて開示している。１つの具体的な実施態様において 、巻き付き防止コーティングは２層を有する。１つの実施態様におけるインク受 容層は、ポリ（エチレンオキサイド）のブレンド、ポリ（エチレンオキサイド） とカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシメチルセルロースなどの セルロースとの混合物、（１）ビニルメチルエーテル／マレイン酸コポリマー； (２)ヒドロキシプロピルセルロース；(３)アクリルアミド／アクリル酸コポリマ ー、（４）カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースナトリウム；(５)ヒド ロキシエチルセルロース；(６)水溶性エチルヒドロキシエチルセルロース；(７) セルロースサルフェート；(８)ポリ(ビニルアルコール)；(９)ポリビニルピロリ ドン；(１０)ポリ(アクリルアミド２−メチルプロパンスルホン酸)；(１１)ポリ (ジエチレントリアミン−コ−アジピン酸)；(１２)ポリ（イミダゾリン）第４級 化物；(１３)ポリ（Ｎ，Ｎ−メチル−３−Ｓ ジメチレンピペリジニウム）クロ ライド；(１４)ポリ（エチレン イミン）エピクロロヒドリン修飾化物；(１５) ポリ（エチレンイミン）エトキシレート化物からなる群から選択される成分：ポ リ（α−メチルスチレン）と塩素化化合物を有する成分とのブレンドを含む。 米国特許第４，１４１，７９７号は架橋結合剤と不透明シートを有するインク −ジェット紙について開示している。不透明さは、ペーパーストックを使用し、 無機フィラーを被覆層に組み入れることによって達成されている。チタンキレー ト架橋剤についても開示している。登録商標チゾール（Ｔｙｚｏｒ）ＴＥが詳細 に記述されている。これらの他の特許、すなわち米国特許第４，６０９，４７９ 号、同第３，６８２，６８８号および同第４，６９０，４７９号は架橋剤として のチタン化合物の一般的な使用について開示している。ゼラチン材料を含む結合 剤ポリマーは媒染剤の用途であると開示されている。 米国特許第５，４２９，８６０号はインク／媒体組み合わせ物について開示し ており、その目的はフィルムにマッチするようにインクを設計したり、またはそ の逆でもあるように設計することによって、優れた最終複写物に到達することで ある。インクが媒体と接触させられたら、外部エネルギー源を使用して固定段階 を実施する。少なくとも１種の多価金属塩である登録商標チゾール(Ｔｙｚｏｒ) １３１は一般的な有機チタン酸塩であると開示されている。 欧州特許第０５８３１６８Ａ２号は、インクジェットのインクが回転ロールに 付着され、次いで回転中の受容シートの次の点に転写される、オフセット印刷方 法について開示している。ロールは界面活性剤が被覆され、付着および放出を助 ける。シリコーン界面活性剤を含む広範囲の界面活性剤が開示されている。 米国特許第５，０７５，１５３号は、プラスチック基材とヒドロキシプロピル セルロース、ポリ(ビニルアルキルエーテル)、ビニルピロリドン−ビニルアセテ ートポリマー、ビニルピロリドン−ジアルキルアミノエチルメタクリレートコポ リマー第４級化物、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ（エチレンイミン）およびそ れらの混合物から選択されるコポリマーを含む結合剤層；顔料およびインク受容 ポリマー層を有する「裂けにくさ」を被覆した紙について開示している。 米国特許第３，５６２，７８６号は、シリコーン界面活性剤と界面活性剤を製 造する方法とについて開示している。シリコーンの水溶性は陽イオン洗剤と混合 することにより改善される。 本発明は本明細書において、所与の非イオン性シリコーン界面活性剤を含むイ ンク受容組成物を使用したインクジェットフィルム、インク受容ポリマーおよび セルロースポリマーは粘着性がなく永久的で、実質的に色のにじみがないが非常 に早く乾燥する永久的な高密度画像を提供する。 発明の開示 本発明は、インクジェット記録シートに使用するために好適な組成物と、少な くとも１つの主要面に前記組成物を被覆させたインクジェット記録シートと、１ 層または２層コーティング構造を有するインクジェット記録シートとを提供する 。 本発明のインク受容組成物は、 ａ）以下の式 （式中、ｘは４０〜２００の整数であり、ｙは３〜１５までの整数であり 、ＰＥは式 （式中、ｍは１〜４０の整数であり、ｎは０〜４−ｍの整数であり、Ｚは水素ま たは炭素原子数１〜１０のアルキル基である）を示す）を有する、少なくとも１ 種の非イオンポリオキシアルキレン修飾ポリメチルシロキサン界面活性剤と、 ｂ）ヒドロキシセルロースおよび置換ヒドロキシセルロースポリマーからなる 群から選択される少なくとも１種のポリマーと を含み、 このような組成物は、基材に被覆され、少なくとも９０℃の温度に曝された場合 に架橋可能である。 別の実施態様において、本発明のインク受容組成物は、 ａ）式 （式中、ｘは４０〜２００の整数であり、ｙは３〜１５までの整数であり 、ＰＥは式 （式中、ｍは１〜４０の整数であり、ｎは０〜４−ｍの整数であり、Ｚは水素ま たは炭素原子数１〜１０のアルキル基である）を示す）を有する、少なくとも１ 種の非イオンポリオキシアルキレン修飾ポリメチルシロキサン界面活性剤と、 ｂ）ヒドロキシセルロースおよび置換ヒドロキシセルロースポリマーからなる 群から選択される少なくとも１種のポリマーと を含み、 このような組成物は、基材に被覆され、少なくとも９０℃の温度に曝された場合 に架橋可能である。 本発明のインクジェット記録シートは、２つの主要面を有するフィルム基材を含 み、少なくとも１つの主要面は、式 （式中、ｘは４０〜２００の整数であり、ｙは３〜１５までの整数であり 、ＰＥは式 （式中、ｍは１〜４０の整数であり、ｎは０〜４−ｍの整数であり、Ｚは水素ま たは炭素原子数１〜１０のアルキル基である）を示す）を有する０．０５％〜６ ％の少なくとも１種のポリオキシアルキレン修飾シリコーンと、 ヒドロキシセルロースおよび置換ヒドロキシセルロースポリマーからなる群か ら選択される１４％〜９３％の少なくとも１種のポリマーと、０〜１０％の追加 のインク受容ポリマーとを含むインク受容組成物が被覆され、前記組成物は加熱 によって前記基材に架橋されている。 本発明の別のインクジェット記録シートは、上記の直鎖界面活性剤の代わりに 式 （式中、ｘは４０から２００の整数であり、ｙは３〜１５の整数である）を有す る分岐鎖シリコーン界面活性剤を含む。 本発明の好ましいインクジェット記録シートは、 ａ）少なくとも１つの架橋可能なポリマー成分を含む吸収性底面層と、 ｂ）以下の式 （式中、ｘは４０〜２００の整数であり、ｙは３〜１５の整数であり、Ｐ Ｅは式 （式中、ｍは１〜４０の整数であり、ｎは０〜４０−ｍであり、Ｚは水素または 炭素原子数１〜１０のアルキル基である）を示す）を有する）少なくとも１種の ポリオキシアルキレン修飾ジメチルシロキサン界面活性剤を含む光学的に透明な 上面層と を含む２層の画像形成可能なコーティングを有し、 前記上面層は加熱によって前記基材に架橋されている、 インクジェットシートを含む。 特に好ましいインクジェット記録シートは、 ａ）ｉ）少なくとも１種の架橋可能なポリマー成分と、 ｉｉ）水吸収性ポリマーを含有する少なくとも１種の液体吸収性成分と、 ｉｉｉ）０〜５％の架橋剤と を含むモノマーから形成される吸収性底面層と、 ｂ）ｉ）式 （式中、ｘは４０〜２００の整数であり、ｙは３〜１５の整数であ り、ＰＥは式 （式中、ｍは１〜４０の整数であり、ｎは０〜４０−ｍであり、Ｚは水素または 炭素原子数１〜１０のアルキル基である）を示す）を有する０．０５％〜６％の 少なくとも１種のシリコーン界面活性剤と、 ｉｉ）１４％〜９４％のヒドロキシセルロースまたは置換ヒドロキシセル ロースポリマーと を含む光学的に透明な上面層と を含む２層コーティングを含み、 前記層の少なくとも１層が、０．５％〜１０％の追加のインク受容ポリマーを含 み、 前記コーティングは熱の適用によって基材に架橋されている。 １つの好ましい実施態様において、２層コーティングは、 ａ）ｉ）少なくとも１種の架橋可能なポリマー成分と、 ｉｉ）水吸収性ポリマーを含有する少なくとも１種の液体吸収性成分と、 ｉｉｉ）０〜５％の架橋剤と を含むモノマーから形成される吸収性底面層と、 ｂ）ｉ）式 （式中、ｘは４０〜２００の整数であり、ｙは３〜１５の整数であり、ＰＥは式 （式中、ｍは１〜４０の整数であり、ｎは０〜４０−ｍであり、Ｚは水素または 炭素原子数１〜１０のアルキル基である）を示す）を有する０．０５％〜６％の 少なくとも１種のシリコーン界面活性剤と、 ｉｉ）１４％〜９４％のヒドロキシセルロースまたは置換ヒドロキシセル ロースポリマーと、 ｉｉｉ）チタン、アルミニウムおよびジルコニアからなる群から選択され る、０〜８０％の金属キレートと を含む光学的に透明な上面層と を含み、 前記コーティングは熱の適用によって基材に架橋されている。 以下の用語は本明細書においてこのような意味を持って使用されている： １．「半−相互貫入網目構造」という用語は、ホモ架橋ポリマーと直鎖未架橋ポ リマーとの絡み合いを意味する。 ２．「ＳＩＰＮ」という用語、半相互貫入網目構造をいう。 ３．「媒染剤」という用語は、組成物中に存在するとき、染料と相互作用して組 成物中での拡散を防止する化合物を意味する。 ４．「架橋可能な」という用語は、その化合物自体と、または本発明の目的のた めに添加された別の薬品と共有結合または強力なイオン結合を形成することがで きることを意味する。 ５．「親水性」という用語は、材料の表面が水で濡れることができるという意味 、または材料の大半が大量の水を吸収することができるという意味のどちらかに おいて、一般に水を受容する材料を記載するために使用される。 水による表面濡れを示す材料は親水性面を有する。モノマー単位１モルあたり少 なくとも１モルの水を吸収する能力をモノマー単位が有する場合、モノマー単位 は親水性単位といわれる。 ６．「疎水性」という用語は、水によって容易に濡れない表面を有する材料をい う。モノマー単位が自己自体で重合するとき、ごく少量の水しか吸収することが できない水不溶性ポリマーを形成する場合、モノマー単位は疎水性といわれる。 ７．「界面活性剤」という用語は表面張力を低下し、それによって表面のぬれを 増す化合物を意味する。 ８．「シリコーン界面活性剤」という用語は、少なくとも１つのＳｉ原子を有す る界面活性剤を意味する。 ９．「光学的に透明な」という用語は、通過光線の大半が散乱しないことを意味 する。 １０．「キレート」という用語は、中心の金属イオンが配位結合によって２つ以 上の非金属配位子に結合し、金属イオンが各環の一部である複素環を形成する配 位化合物を意味する。 １１．「相分離」という用語は、少なくとも２つの物理的に別個な領域を有する 溶液または混合物をいう。 本明細書の全ての部、パーセントおよび比は、特に明記しない限り、重量によ る。 発明の詳細な説明 本発明の組成物はインクジェット記録シートのコーティングに好適である。こ のような組成物は熱を適用することにより架橋可能であり、親水性部分と疎水性 部分を有する少なくとも１種のシリコーン界面活性剤と、ヒドロキシセルロース および置換ヒドロキシセルロースポリマーからなる群から選択される少なくとも １種のセルロース材料とを含み、このような組成物は、基材に被覆され、少なく とも約９０℃の温度に曝されると架橋可能である。相はまた少量の追加のインク 受容ポリマーを含有する。 本発明の組成物に有用なシリコーン界面活性剤は少なくとも１つの弱い親水性 部分と疎水性部分とを有するものである。有用な界面活性剤は２つの異なる構造 のポリアルキレンオキサイド修飾ポリジメチルシロキサンを含む。有用な界面活 性剤には、以下の式 （式中、ｘは４０〜２００の整数であり、ｙは３〜１５までの整数であり、ＰＥ は式 （式中、ｍは１〜４０の整数であり、ｎは０〜４−ｍの整数であり、Ｚは水素ま たは炭素原子数１〜１０のアルキル基である）を示す）を有する直鎖型界面活性 剤が含まれる。このように、界面活性剤はエチレンオキサイド基、プロピレンオ キサイド基またはこれらの混合物だけを有してもよい。 式 （式中、ｘ、ｙ、ｍ、ｎ、ＺおよびＰＥは直鎖界面活性剤と同じに規定される） を有する分岐鎖界面活性剤も有用である。 購入可能なシリコーン界面活性剤には、ユニオンカーバイド（ＵｎｉｏｎＣａ ｒｂｉｄｅ）社製の商品名登録商標シルウェット(Ｓｉｌｗｅｔ)、例えば登録商 標シルウェット（Ｓｉｌｗｅｔ）Ｌ−７７、登録商標シルウェット（Ｓｉｌｗｅ ｔ）Ｌ−７２０、登録商標シルウェット（Ｓｉｌｗｅｔ）Ｌ−７２２並びに登録 商標シルウェット（Ｓｉｌｗｅｔ）７６１４などの「７６００」シリーズおよび 例えば登録商標シルウェット（Ｓｉｌｗｅｔ）Ｌ−７００１、７００２、７２０ ０、７２１０等のような「７０００」シリーズとして購入可能なものが含まれ、 これらは全てポリアルキレンオキシド修飾ポリジメチルシロキサンと記載されて いることがある。 好ましいシリコーン界面活性剤は強力な親水性末端と強力な疎水性末端を有す るものである。疎水性末端は被覆層の面を効果的に乳白化し、親水性末端は水性 インクと相互作用して均一な付着を形成し、それによってより大きい画像密度、 すなわちより鮮明な画像を提供する大きい表面エネルギー部分を提供する。エチ レンオキサイド基だけを含有するシリコーン界面活性剤、すなわちｎが０である 上記の式の界面活性剤も好ましい。これらの界面活性剤には、「７６００」シリ ーズとして購入可能なものが含まれる。 微視的および巨視的にみた画像の均一性は重要な特徴であると考えられる。単 位面積あたりの顔料または染料が所定量の場合には、前記顔料または染料がその 面積に均一に分布すると、光の吸収が最大になることを示すことができる。（光 の吸収は通常、密度で示され、２つの測定値は同じ方法で算出される。すなわち 、Log₁₀（入射光／透過光）−測定装置の幾何学に関する特定の命名の選択。） 極めて少量のシリコーン界面活性剤が使用されるだけでも、組成物は画像密度 の改善を示す。さらに、１０％までの量でも改善が常に見られる；しかし、比較 的大量の界面活性剤を使用すると曇りを生ずることがある。従って、本発明の組 成物は、一般に０．０１％〜１０％、好ましくは０．０５％〜６％の界面活性剤 を含む。 理論に結びつけられたくはないが、非イオン性シリコーン界面活性剤は被覆後 表面を乳白化すると考えられている。これは光学密度特性の改善を提供するだけ でなく、界面活性剤の親水性部分がインクジェット画像形成に使用される大きい インク滴を吸収層に搬送することを可能にする。組成物が被覆前に架橋される場 合には、界面活性剤は架橋後の網目構造内に捕獲され、どのような界面活性剤で あっても表面に存在するためにはかなり高濃度を必要とする。 組成物は少なくとも１４％〜９４％の少なくとも１種のヒドロキシセルロース ポリマーを含む。有用なヒドロキシセルロース材料には、ヒドロキシメチル−セ ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチル−セルロース等が 含まれる。 本発明の組成物は１種以上の追加の吸水性、親水性ポリマー材料を含んでもよ い。種々のモノマー単位の吸収能力が例えば、ホフティザー（Ｐ．Ｊ．Ｈｏｆｔ ｙｚｅｒ）の共同研究者であるクレベリン（Ｄ．Ｗ．Ｖaｎ Ｋｒｅｖｅｌｉｎ ）著、ポリマーの特性(Ｐｒｏｐｅｒｔｉｅｓ ｏｆ Ｐｏｌｙｍｅｒｓ)：化学構 造との関係(Ｃｏｒｒｅｌａｔｉｏｎｓ ｗｉｔｈ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｓｔｒｕｃ ｔｕｒｅ)、エルセビアパブリッシングカンパニー（Ｅｌｓｅｖｉｅｒ Ｐｕｂｌ ｉｓｈｉｎｇ Ｃｏｍｐａｎｙ）(アムステルダム、ロンドン、ニューヨーク、１ ９７２年)、２９４〜２９６ページ。 このような追加が望まし場合には、有用な追加のインク受容ポリマーは、好ま しくは、ヒドロキシセルロースまたはヒドロキシメチル−セルロースポリマーと 少なくとも幾分かは相溶性でない。これには、ほとんどではないにしても、多数 の可溶性ポリマーが含まれる。有用な例にはポリ（ビニルアルコール）およびポ リ(ビニルピロリドン)、部分的に加水分解されたポリ（ビニルアルコール）ポリ (ビニルピロリドン−コ−ビニルアセテート)、ポリビニルピリジニウムハライド 、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリルアミド、ゼラチン、それらのポリマ ー乳化物およびそれらの混合物が含まれる。市販の例にはジーエーエフ コーポ レーション（ＧＡＦ Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）製の共にポリ（ビニルアルコー ル）である登録商標エアーボール（Ａｉｒｖｏｌ）および登録商標ゴフセフノー ル（Ｇｏｈｓｅｈｎｏｌ）ＫＰＯ、並びにポリ（ビニルピロリドン／ジメチルア ミノエチルメタクリレート）である「コポリマー９５８」が含まれる。 理論に結びつけたくはないが、追加のポリマーは不均質性を促進すると考えら れており、画像特性に実質的に影響を与えない少量を添加した場合も相分離が生 じる。 ポリマーブレンドは、好ましくは酸官能基を有するモノマー単位と共重合した アクリル単位または他の疎水性エチレン系不飽和モノマー単位の組み合わせから 誘導された疎水性ポリマー材料を含む。疎水性モノマー単位は、単独で重合した とき、水不溶性ポリマーを形成することができ、炭素原子数が１０より多いアル キル側基を持たない。それらはまた、少なくとも１種の酸官能性モノマー単位と 共重合することができる。 存在する場合には、好ましい疎水性モノマー単位は好ましくは、ある種のアク リレートおよびメタクリレート、例えばメチル（メタ）アクリレート、エチル（ メタ）アクリレート、アクリロニトリル、スチレンまたはａ−メチルスチレンお よびビニルアセテートから選択される。疎水性モノマー単位と重合するための好 ましい酸官能性モノマー単位は２％〜２０％のアクリル酸およびメタクリル酸で ある。 コーティングは半−相互貫入網目構造（ＳＩＰＮ）の形態であってもよい。Ｓ ＩＰＮは連続した網目構造で、米国特許第５，３８９，７２３号、同第５，２４ １，００６号、同第５，３７６，７２７号に記載されているように、架橋ポリマ ーは連続マトリックスを形成する。 組成物はシートに被覆される前には架橋されないが、上記の未架橋組成物とし て被覆され、被覆後加熱して乾燥するとき架橋する。これは一般に乾燥オーブン または他の温度制御装置内で実施される。 １つの層または２つの層系は金属キレートを含んでもよい。有用な金属キレー トには、チタン酸塩キレート、ジルコニウム酸塩キレートおよびアルミニウムキ レートが含まれる。このようなキレートは一般に架橋可能な材料と混合したとき 、速やかな加水分解を受けないが、キレート構造の破壊を開始させる昇温によっ て活性化されない限り、未反応のままである。必要な正確な温度はキレートに混 合されている他の成分の活性および金属キレート上の官能基に依存する。有用な 官能基にはエステル、アミン、アセトネート等、例えばトリエタノールアミン金 属キレートおよびアセチルアセトネートキレートが含まれる。アルミニウムおよ びチタン酸塩を含有するキレートが好ましく、トリエタノールアミンチタネート キ レートが特に好ましい。 金属キレートは、他の成分と合わせたとき加溶媒分解を受けず、フィルム乾燥 の際に加熱すると、架橋を開始すると考えられている。キレートはチタン酸塩金 属イオンを提供し、ついでヒドロキシセルロース材料と錯形成し、セルロースマ トリックス中で対応する金属酸化物または水酸化物に変換される。次いで、金属 イオンはアルカノールアミンとの反応をさらに受けて、ヒドロキシレート形態の チタン酸塩アルカノールアミンキレートを再生する。加溶媒分解プロフィールを 以下に示す： 市販のキレートには、イー アイ デュポン デ ネモアーズ(E．I.DuPont de Nemours)（デュポン（ＤｕＰｏｎｔ）製の登録商標チゾール（Ｔｙｚｏｒ） ＴＥとして購入可能なトリエタノールアミンチタネートキレート；登録商標チゾ ール（Ｔｙｚｏｒ）ＤＣとして購入可能なエチルアセトアセテートチタネートキ レート；登録商標チゾール（Ｔｙｚｏｒ）ＬＡ乳酸チタネートキレートおよび登 録商標チゾール（Ｔｙｚｏｒ）ＧＢＡアセチルアセトネートチタネートキレート が含まれる。 使用する場合には、本発明の１層コーティング、すなわち２層コーティング系 の上面層が５％〜８０％、好ましくは５％〜３５％の金属キレートを含む。 本発明の組成物は、インクの退色およびにじみを少なくするために媒染剤を含 有してもよい。存在する場合には、媒染剤は好ましくは１重量部〜２０重量部、 好ましくは３重量部〜１０重量部の固形分を含有する。有用な媒染剤には、少な くとも１つのグアニジン官能基を有するポリマー媒染剤が含まれる。 このような１層コーティングは媒染剤、ポリマー微小球、ポリエチレングリコ ール等などの巻き付き防止剤を含んでもよい。 １つの実施態様において、本発明のインクジェット記録シートは、少なくとも １つの主要面に本発明の組成物の本質的な成分を含有する１つの層が被覆された 基材を含む。すなわち、１層組成物は親水性部分と疎水性部分とを有する少なく とも１種のシリコーン界面活性剤と、ヒドロキシセルロースおよび置換ヒドロキ シセルロースポリマーからなる群から選択される少なくとも１種のセルロース材 料と、少なくとも１種の追加のインク受容ポリマーを含む組成物である。追加の インク受容ポリマーは比較的少量、例えば０．５％〜１０％、好ましくは５％未 満で使用される。 本発明の好ましい１層インクジェット記録シートは０．０５％〜６％パーセン トのシリコーン界面活性剤と、ヒドロキシセルロースおよびヒドロキシエチルセ ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等などの置換ヒドロキシセルロ ースポリマーから選択される、１４％〜９３％の少なくとも１種のセルロースポ リマーと、５％〜３５％の金属キレートと、０．５％〜１０％の追加のインク受 容ポリマーを含む。 本発明の特に好ましいインクジェット記録シートは、光学的に透明な上面層と インク吸収性の下層を含む２層コーティング系を含む。 このような系では、吸収性の下層は少なくとも１種の吸水性親水性ポリマー材 料を含み、好ましくは少なくとも１つの架橋可能な材料を含む。吸水性親水性ポ リマー材料は、ビニルラクタム、アルキル第３級アミノアルキルアクリレートま たはメタクリレート、アルキル第４級アミノ（メタ）アクリレート、２−ビニル ピリジンおよび４−ビニルピリジンから選択されるモノマー単位のホモポリマー またはコポリマーを含む。これらのモノマーの重合は周知のフリーラジカル技法 によって実施することができる。 疎水性ポリマー材料は、好ましくは、酸官能基を有するモノマーと共重合する アクリル単位または他の疎水性エチレン系不飽和モノマー単位の組み合わせから 誘導される。疎水性モノマー単位は水不溶性ポリマーを形成することができなけ ればならず、炭素原子数が１０より多いアルキル側基を持たない。それらは単独 で重合されても、少なくとも１つの種類の酸官能性モノマー単位と共重合しても よい。 好ましい実施態様において、下層は半−相互貫入網目構造である。本発明のＳ ＩＰＮは、性質が疎水性または親水性であり、アクリルモノマーなどの酸性基を 有するエチレン系不飽和モノマー単位の共重合またはすでにエステル側基が存在 する場合には加水分解より誘導することができる架橋可能なポリマーを含む。米 国特許第５，３８９，７２３号および同第５，３７６，７２７号に開示されるよ うに、ＳＩＰＮは、架橋ポリマーが連続マトリックスを形成する連続網目構造で ある。 本発明の下層を形成するために有用なＳＩＰＮは２５〜９９重量パーセント、 好ましくは３０〜６０重量パーセントの架橋可能なポリマーを含む。従って、液 体吸収性成分は１〜７５重量パーセント、好ましくは４０〜７０重量パーセント の総ＳＩＰＮを含むことができる。 このようなＳＩＰＮ層のための架橋剤は、好ましくは、トリメチロールプロパ ン−トリス−（β−（Ｎ−アジリジニル）プロピオネート） ペンタエリスリトール−トリス(β−（Ｎ−アジリジニル）プロピオネート)、 トリメチロールプロパン−トリス−（β−（Ｎ−メチルアジリニジルプロピオネ ート）等などの、１分子あたり少なくとも２つの架橋部位を有する多官能性アジリジン の群から選択される。使用する場合には、架橋剤は、一般に、０．５〜６．０パ ーセント、好ましくは１．０〜４．５パーセントの架橋剤を含む。 上面層は、親水性部分と疎水性部分を有する少なくとも１種のシリコーン界面 活性剤と、ヒドロキシセルロースおよび置換ヒドロキシセルロースポリマーから 選択される少なくとも１種のセルロース材料を含む光学的に透明な薄い層である 。この上面層は０．０５％〜１０％の非イオン界面活性剤を含み、１層コーティ ングについて記載したものと同じ界面活性剤が好ましい。 上面層は、少なくとも１４％〜９４％の少なくとも１種のヒドロキシセルロー スポリマーをさらに含む、(追加のインク受容ポリマーがこの層に含有される場 合には、９３％)。有用なヒドロキシセルロース材料はヒドロキシメチルセルロ ース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチル−セルロース等を含む 。このような材料は、例えばダウ ケミカル カンパニー（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉ ｃａｌ Ｃｏｍｐａｎｙ）製の、Ａ、Ｅ、Ｆ、Ｊ、Ｋと示される登録商標メトセ ル（Ｍｅｔｈｏｃｅｌ）シリーズ、例えば登録商標メトセル（Ｍｅｔｈｏｃｅｌ ）Ｆ−５０、登録商標メトセル（Ｍｅｔｈｏｃｅｌ）Ａ４Ｍ等として購入可能で ある。 上記のように、系の少なくとも１層は０．５％〜１０％、好ましくは５％未満 の１種以上の追加のインク受容ポリマーを含んでもよい。 上面層は、取り扱い性および可撓性を改善する目的のために、中空または固体 であってもよいポリマー微小球またはビーズなどの粒子を含んでもよい。好まし い粒子材料は、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ（ステアリルメタクリレート ）ヘキサンジオールジアクリレートコポリマー、ポリ(テトラフルオロエチレン) 、ポリエチレンなどのポリマー材料；デンプンおよびシリカから形成される。ポ リ（メチルメタクリレート）ビーズが最も好ましい。粒子の量は、ＡＳＴＭ Ｄ １００３−６１（１９７９年に再承認）により測定したとき、最終的なコーティ ングが曇り程度１５％以下の透明でなければばらないという要件によって限定さ れる。粒子材料の好ましい平均粒子径は５〜４０マイクロメーターで、粒子の少 なくとも２５％は１５マイクロメーター以上の系を有する。最も好ましくは、粒 子材料の少なくとも５０％は２０マイクロメーター〜４０マイクロメーターの系 を有する。 普通の溶媒に成分を溶解することによって組成物を調製することができる。米 国特許第４，９３５，３０７号に記載されているように、普通の溶媒を選択する ための周知の方法は、ハンセン（Ｈａｎｓｅｎ）パラメータを使用する。 どのような従来のコーティング技法によっても、例えばメイヤー(Ｍｅｙｅｒ) バーコーティング、ナイフコーティング、リバースロールコーティング、グラビ アコーティング等などの方法によって、溶液からの付着または溶媒もしくは水性 媒体もしくはこれらのブレンド中への樹脂の分散により、１層または２層コーテ ィングをフィルム基材に適用することができる。ベース層は、好ましくは厚さ０ ． ５μｍ〜２０μｍに被覆され、上面層は、好ましくは、厚さが０．５μｍ〜１０ μｍである。 層の乾燥は従来の乾燥技法、例えば選択した具体的なフィルム基材に適当な温 度のホットエアーオーブン中で加熱することによって、実施することができる。 しかし、金属キレートをヒドロキシセルロースと共に架橋してコロイド状ゲルを 形成するために、乾燥温度は少なくとも約９０℃、好ましくは少なくとも約１２ ０℃でなければならない。 キサンタンガム、触媒、増粘剤、接着性促進剤、グリコール、泡消剤、静電防 止材料等を含む追加の添加剤をどちらかの層に組み入れて処理性を改善してもよ い。同様に、媒染剤などの添加剤はベース層または両方の層よりも上面層に存在 することができる。下層に存在して巻き付きを制御することができる添加剤は可 塑性化合物である。有用な化合物には、例えば低分子量ポリエチレングリコール 、ポリプロピレングリコールまたはポリエーテル；例えばＰＥＧ６００、登録商 標ピカル（Ｐｙｃａｌ）９４および登録商標カルボワックス（Ｃａｒｂｏｗａｘ ）６００が含まれる。 フィルム基材は自己支持シートを形成することができるどのようなポリマーか らでも形成することができ、例えば、セルローストリアセテートまたはジアセテ ート、ポリスチレン、ポリアミド、塩化ビニルポリマーおよびコポリマー、ポリ オレフィンおよびポリアロマポリマーおよびコポリマー、ポリスルホン、ポリカ ーボネート並びにポリエステルなどのセルロースエステルのフィルムがある。好 適なポリエステルフィルムは、１種以上のジカルボン酸またはアルキル基が６ま での炭素原子を有するそれらの低級アルキルジエステル、例えばテレフタル酸、 イソフタル酸、フタル酸、２，５−、２，６−および２，７−ナフタレンジカル ボン酸、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸とエチレングリコー ル、１，３−プロパンジオール、１，４−ブタンジオール等などの１種以上のグ リコールと縮合させることによって得られたポリエステルから作成することがで きる。 好ましいフィルム基材はセルローストリアセテートまたはセルロースジアセテ ート、ポリエステルであり、特にポリ（エチレンテレフタレート）およびポリス チレンフィルムである。ポリ（エチレンテレフタレート）が最も好ましい。フィ ルム基材は５０マイクロメーター〜１２５マイクロメーターの範囲のキャリパス を有することが好ましい。約５０マイクロメーター未満のキャリパスを有するフ ィルム基材は、記録材料のための従来の方法を使用したとき取り扱いが困難であ る。１２５マイクロメーターを上回るキャリパスを有するフィルム基材は非常に 堅く、ある種の市販のインクジェットプリンターおよびペンプロッターでは供給 が困難となる。 ポリエステルまたはポリスチレンフィルム機材を使用する場合は、それらは好 ましくは２方向に配向し、画像を支持体に融合する際の形態安定性のために熱硬 化してもよい。これらのフィルムは、フィルムを２方向に延伸して分子の配向性 を与え、熱硬化することによって形態的に安定化するいかなる従来の方法によっ ても作成することができる。 下層とフィルム基材との接着性を促進するために、１層または２層のフィルム 基材の表面を１種以上のプライマーで処理することが望ましいことがある。有用 なプライマーには、フィルム基材ポリマーに対して膨潤効果を有することが周知 のものが含まれる。その例には、ハロゲン化フェノールを有機溶媒に溶解したも のが含まれる。または、フィルム基材の表面はコロナ処理またはプラズマ処理な どの処理により改良されてもよい。 使用する場合には、プライマー層は比較的薄くなければならず、好ましくは２ マイクロメーター未満で、最も好ましくは１マイクロメーター未満であり、従来 の被覆方法で被覆することができる。 本発明の透明性は、例えばオーバーヘッドプロジェクターと関連において、転 送方式で見るための、画像形成後の透明性を形成する際に特に有用である。 以下の実施例は例示目的であり、本発明の範囲を限定するものではなく、本発 明の範囲は請求の範囲によって規定されるものである。 試験方法 画像密度 転送画像密度は望ましい色を画像形成し、金とステータスＡを用いたマクベス （Ｍａｃｂｅｔｈ）ＴＤ９０３濃度計を使用して測定することによって測定され る。黒色画像密度は中実充填黒色矩形画像を測定することにより測定される。 乾燥時間 この試験の環境条件は７０℃で、相対湿度（ＲＨ）５０％である。プリントパ ターンは色が隣り合わせになった中実充填カラムである。カラムは幅０．６４ｃ ｍ〜１．２７ｃｍで、長さ１５〜２３センチメーターである。プリント後、材料 を平坦な面におき、次いでボンド紙に接触させる。次いで幅６．３ｃｍ、２ｋｇ のゴムローラーを２回紙の上で通過させた。次いで紙を除去し、以下の式を使用 して乾燥時間D_rを算出する： D_T=T_D+(L_T/L_P)T_P (式中、Ｔ_Dは、プリント終了から画像をボンド紙に接触させておくまでの時間で あり、Ｌ_Tは画像を紙に転写する長さであり、Ｌ_Pはプリント後のカラムの長さで あり、Ｔ_Pはプリント時間である)。 モデルでの密度実験 以下に引用するモデル実験は画像密度均一性の重要性を説明する。 モデルでの密度実験１ 光吸収層は入射光の全てを吸着するのに十分な顔料を有し、顔料は均一に分布 される。ここで、少量の顔料が、１０％だとして、再分布されて面積の１０％に 顔料を含ませない場合、層は入射光の１０％を透過する。これは大きな割合であ る。密度または光線の吸収は非常に大きい（５より大きいまたは無限であったり する）値から１．０に低下した。密度が１．０の値を有する領域は人間の目によ り無限の密度を有する領域から容易に識別することができるので、オーバーヘッ ドプロジェクターで使用するためにはこれは大きい値であると考えられないだろ う。 モデルでの密度実験２ 光吸収層は、波長５５０ｎｍで密度１．０を与えるのに十分であり、均質に分 布された染料を有する。すなわち、波長５５０ｎｍの入射光の９０％が吸収され 、１０％が透過される。単位面積あたり同じ染料を有する第２の層はその領域の 半分だけが被覆されている。未被覆領域は密度０．０であり、単位面積あたりの 染料濃度が均一に分布された第１の層の２倍の被覆領域は密度２．０である。面 積全体を評価すると、面積の半分は光線の１００％を通過させ、面積の半分は光 線のわずか１．０％だけを通過させる。従って、透過した総光線は（０．５^★１ ．０）＋（０．５^★０．０１）＝０．５０５であり、結果として得られる密度は Log₁₀（１．０／０．５０５）=０．２９７(入射光は１．０と考える)。従って、 染料を再分布することによって、密度は前の値の３０％に低下した。 実施例 １〜１２、１４〜１６並びに比較例Ｃ１３およびＣ１４ 表１に掲載した下層組成物を有する層を塩化ポリビニリジエンを下塗りしたポ リエステル基材（基材厚さ−１００μｍ）に連続スロットコーティングにより被 覆して、乾燥重量８ｇ／ｍ²のコーティングを得た。そして２分間乾燥させた後 。コポリマー９５８はＰＶＰ／ＤＭＡＥＭＡ組成物である。登録商標パイカル（ Ｐｙｃａｌ）９４はポリ（オキシ−１，２−エタンジイル）フェニルエーテルで 、ＣＡＳ登録番号第６２０４６−６６−６号である。登録商標メトセル（Ｍｅｔ ｈｏｃｅｌ）Ｆ５０はダウ ケミカル カンパニー（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｍｐａｎｙ）製のヒドロキシプロピルメチルセルロースである。ポリビニル アルコール（ＰＶＡ）ブレンドは登録商標エアーボル（Ａｉｒｖｏｌ）５２０登 録商標ゴフセフノール（Ｇｏｈｓｅｈｎｏｌ）ＫＰＯ−６の混合物であり、両者 共にポリビニルアルコールである。登録商標ＸＡＭＡ７はペンタエリスリトール トリス（３−アジリジノプロピオネート）であり、ＣＡＳ登録番号第５７１１６ −４５−７号で、媒染剤は化学式 （式中、ｎは２以上である）を有する。 上記の組成物を被覆重量０．２〜０．５ｇ／平方フィートまで過剰被覆するこ とによって一連のコーティングを作成した。過剰被覆の組成物は９９．８％の登 録商標メトセル（Ｍｅｔｈｏｃｅｌ）Ｆ５０および０．２％界面活性剤であった 。最初の密度のあつ程度の変化はより均一な製品のコーティング方法ではなく、 手作業でのコーティング方法によることがある。使用した界面活性剤は以下の表 ２のカラム１に示す。試験の結果はカラム２〜３に示す。 エプソン スチルス カラー プリンター（Ｅｐｓｏｍ Ｓｔｙｌｕｓ Ｃｏｌ ｏｒ Ｐｒｉｎｔｅｒ）型番ＥＳＣ「Ｐ２」で各シートに別個に画像形成するこ とによってコーティングを試験した。カラム２および３に形成した結果は、それ ぞれ、画像形成直後（カラム２）および２４時間の保存後（カラム３）の白色光 線に対する光学的な透過密度を示す。各データ採取地点は、試料の異なる地点で 採取した３カ所の別の密度測定の平均である。登録商標シルウェット（Ｓｉｌｗ ｅｔ）範囲の界面活性剤の添加は、界面活性剤が存在しない対照よりも、密度の 顕著な改善を生じることは明らかである。 登録商標シルウェット（Ｓｉｌｗｅｔ）範囲に加えて、ある種の他の界面活性 剤をスクリーニング試験に加えた。ダウ（Ｄｏｗ）「ＸＵＲ」は特許のある界面活 性剤で、ダウ ケミカル カンパニー（Ｄｏｗ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｍｐａｎ ｙ）製である。ＣＡＳ名はＲＮ ７７３２−１８−５である。登録商標マイクロ ボンド（Ｍｉｃｒｏｂｏｎｄ）１０１０はケンタッキー州ハロッズバーグのデタ ーカンパニー（Ｄｅ Ｔｅｒ Ｃｏｍｐａｎｙ）により供給され、ＣＡＳ登録番 号は第６８４３９−５７−６号であり、非イオン界面活性剤とアニオン界面活性 剤の混合物である。これらの界面活性剤を含むこれらのコーティングは対照より 改善を示さなかったことに注目すること。密度測定の実験誤差は＋または−０． ０２であった。 実施例１７ 界面活性剤登録商標シルウェット（Ｓｉｌｗｅｔ）Ｌ−７６０７を選択してさ らに調査を行った。上記の実施例１に概略した方法で試験した。この成分の濃度 は対照の０から第２のコーティングの乾燥重量の１０％まで異なった。 これらのコーティングを試験した結果は表３に示す。カラム１は第２のコーテ ィングの界面活性剤の乾燥重量％を示し、カラム２、３および４は、表２の対応 するカラムと同じ方法で行った測定値を示す。 平均では、与えた範囲のシリコーン界面活性剤のどの量も、対照と比較したと き、最終的な画像密度に有用な影響を生じることがわかるだろう。これらの材料 が有用な影響を生じるだけでなく、非常に少量で有用な影響を生じるはずで、か なりの経済性を伴う有用な結果を示している。 界面活性剤を含まない場合の最初の値と比較したとき、最初の報告密度のかな りの改善がみられることも観察されるべきである。この改善の平均は０．０９密 度単位であり、２４時間間隔をおいた最初の最後の評価よりさらに０．０４得ら れた。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，Ｍ Ｗ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，Ｅ Ｓ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＧＷ，ＨＵ，ＩＤ ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ， ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，Ｍ Ｇ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ， ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ，Ｙ Ｕ，ＺＷ (72)発明者 ファルーク，オマール アメリカ合衆国55133―3427ミネソタ州セ ント・ポール、ポスト・オフィス・ボック ス33427 (72)発明者 トゥウィーテン，デイビッド・ダブリュー アメリカ合衆国55133―3427ミネソタ州セ ント・ポール、ポスト・オフィス・ボック ス33427

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．インク受容組成物であって、 ａ）以下の式 （式中、ｘは４０〜２００の整数であり、ｙは３〜１５までの整数であり、ＰＥ は式 （式中、ｍは１〜４０の整数であり、ｎは０〜４−ｍの整数であり、Ｚは水素ま たは炭素原子数１〜１０のアルキル基である）を示す）を有する、０．０５％〜 ６％の少なくとも１種の非イオン性シリコーン界面活性剤と、 ｂ）ヒドロキシセルロースおよび置換ヒドロキシセルロースポリマーからなる 群から選択される、１４％〜９３％の少なくとも１種のポリマーと、 ｃ）０〜１０％の少なくとも１種の追加のインク受容ポリマーと を含み、 基材に被覆され、少なくとも９０℃の温度に曝された場合に架橋可能である組成 物。 ２．ｎが０である請求項１に記載のインク受容組成物。 ３．前記ヒドロキシセルロースがヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび ヒドロキシプロピルエチルセルロースからなる群から選択される請求項１に記載 のインク受容組成物。 ４．ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ゼラチンおよびポリ（ビ ニルピロリドン）ポリ（ビニルアルコール）およびポリ(ビニルピロリドン)、部 分的に加水分解されたポリ（ビニルアルコール）ポリ(ビニルピロリドン−コ一 酢酸ビニル)、ポリビニルピリジニウムハライド、ポリビニルメチルエーテル、 それらのポリマー乳化物並びにそれらのブレンドからなる群から選択される少な くとも１種の追加の水溶性ポリマーをさらに含む請求項１に記載のインク受容組 成物。 ５．金属キレートをさらに含み、前記金属がチタン、アルミニウムおよびジル コニウムからなる群から選択される請求項１に記載のインク受容組成物。 ６．インク受容組成物であって、 ａ）以下の式 （式中、ｘは４０〜２００までの整数であり、ｙは３〜１５までの整数であり、 ＰＥは式 （式中、ｍは１〜４０の整数であり、ｎは０〜４−ｍの整数であり、Ｚは水素ま たは炭素原子数１〜１０のアルキル基である）を示す）を有する少なくとも１種 の非イオン性シリコーン界面活性剤と、 ｂ）ヒドロキシセルロースおよび置換ヒドロキシセルロースポリマーからなる 群から選択される少なくとも１種のポリマーと、 を含み、 基材に被覆され、少なくとも９０℃の温度に曝された場合に架橋可能である組成 物。 ７．少なくとも１つの主要面に、 ａ）ｉ）２５％〜９９％の１種の架橋可能なポリマー成分と、 ｉｉ）水吸収性ポリマーを含有する、１％〜７５％の少なくとも１種の液 体吸収性成分と、 ｉｉｉ）０〜５％の多官能性アジリジン架橋剤と を含む吸収性底面層と、 ｂ）ｉ）式（式中、ｘは４０〜２００の整数であり、ｙは３〜１５の整数であり、ＰＥは式 （式中、ｍは１〜４０の整数であり、ｎは０〜４０−ｍであり、Ｚは水素または 炭素原子数１〜１０のアルキル基である）を示す）を有する０．０５％〜６％の 少なくとも１種のシリコーン界面活性剤と、 ｉｉ）１４％〜９３％のヒドロキシセルロースまたは置換ヒドロキシセル ロースポリマーと、 ｉｉｉ）ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ゼラチンおよび ポリ（ビニルピロリドン）ポリ（ビニルアルコール）およびポリ(ビニルピロリ ドン)、部分的に加水分解されたポリ（ビニルアルコール）ポリ(ビニルピロリド ン−コ−酢酸ビニル)、ポリビニルピリジニウムハライド、ポリビニルメチルエ ーテル、それらのポリマー乳化物並びにそれらのブレンドからなる群から選択さ れる、０〜６％の少なくとも１種の追加のインク受容ポリマーと、 を含む光学的に透明な上面層と を含む２層コーティングが被覆されている基材を含む請求項１に記載のインク− ジェット記録シート。 ８．前記フィルム基材が透明である請求項１に記載のインク−ジェット記録シ ート。