JP2001510885A - 燃焼設備用特にガスタービン燃焼器用のバーナ装置 - Google Patents

燃焼設備用特にガスタービン燃焼器用のバーナ装置

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JP2001510885A JP2000503365A JP2000503365A JP2001510885A JP 2001510885 A JP2001510885 A JP 2001510885A JP 2000503365 A JP2000503365 A JP 2000503365A JP 2000503365 A JP2000503365 A JP 2000503365A JP 2001510885 A JP2001510885 A JP 2001510885A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、主バーナ（１）と、この主バーナ（１）を点火しおよび／又は安定化させるためのパイロットバーナとを備え、このパイロットバーナが常時あるいは時々予混合バーナとして運転され、パイロットバーナに燃料および燃焼空気を導入するために槍形構造の導入装置（６、７、８、９）が存在し、この導入装置が横断面ほぼ円環状の少なくとも１つの空気通路（６）を有し、この空気通路（６）に燃料入口（１０、１１）が配置された燃焼設備用、特にガスタービン燃焼器用のバーナ装置に関する。燃料入口（１０、１１）は、空気通路（６）の円周にわたって特に一様に分布して配置される。空気通路（６）内に、空気流れ方向においてこの燃焼入口（１０、１１）の手前に、旋回発生器（１２）が配置される。空気通路（６）はその燃焼設備に開口する終端部位がディフューザ（１３）として形成される。このディフューザ（１３）は、特に空気通路（６）の終端部位（１３）における横断面積を徐々に増大することにより形成され、これもまた冷却できる。燃料入口（１０、１１）の手前に旋回発生器（１２）を配置したことにより、パイロットバーナは安定して確実に運転され、ＮＯｘの発生量が減少する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明は、燃焼設備用、特にガスタービン燃焼器用のバーナ装置に関する。こ
のようなバーナ装置は、しばしば種々の燃料および種々の運転様式に対応するよ
うに設計されている。その場合、世界的に益々厳しくなっている有害物発生規制
について大いに努力が払われ、その配置構造および運転様式は、有害物の発生が
減少するように改良せねばならない。本発明は、特に窒素酸化物（以後ＮＯｘと
呼ぶ）の発生を減少することを問題としている。
【０００２】 ＮＯｘ発生が少なく環境に優しいバーナは、ヨーロッパ特許第０１０８３６１
号明細書および同第０１９３８３８号明細書で知られている。これらの明細書か
ら、バーナ装置が拡散バーナとしてではなく、予混合バーナとして運転されると
き、ＮＯｘ発生が著しく減少することが推察できる。拡散バーナの場合、燃料は
多かれ少なかれ一様に分布して空気流の中に直接噴射され、空気と燃料との境界
範囲において燃焼する。予混合バーナの場合、空気および燃料はまずできるだけ
一様に混合され、その後ではじめて一緒に燃焼室の火炎範囲において燃焼される
。その場合予め一様に混合されることによって、燃焼温度が全体として燃料と空
気との境界範囲におけるより低くされ、同時にまた望ましい空燃比が一定に保た
れる。これは有害物、特にＮＯｘの発生を僅かにさせる。
【０００３】 しかし予混合バーナは、燃焼が全負荷状態において安定して保たれず、予混合
バーナの調整範囲が大抵は拡散バーナのそれよりも小さいという欠点がある。
【０００４】 その調整範囲を拡大するために、いわゆるパイロットバーナが採用されている
。このパイロットバーナは、通常主バーナの中央に配置され、その小さいが安定
した火炎で主バーナの燃焼を安定させる。また主バーナを点火する際に、これを
支援するためにもパイロットバーナが使用される。
【０００５】 ヨーロッパ特許第０１９３８３８号明細書において、そのようなパイロットバ
ーナが拡散バーナとして運転されるとき、これが総有害物質発生に関してかなり
の分量のＮＯｘを発生することも知られている。従ってそこでは、パイロットバ
ーナを同様に予混合バーナとして構成することが提案されている。これは、たと
え主バーナが別の運転範囲で運転されても、安定運転範囲内に保たれる。この処
置は有害物質の発生をかなり減少させる。
【０００６】 本発明の課題は、上述のヨーロッパ特許第０１９３８３８号明細書から出発し
て、そこに記載されたバーナ装置を、パイロットバーナが予混合運転中に、ほん
の僅かなＮＯｘ発生で確実に運転されるように改良することにある。即ち公知の
バーナ装置は、燃焼室への出口に火炎安定器を兼ねる旋回発生羽根を配置した予
混合領域を有する。この公知のバーナ装置では、空気と、燃料、特に可燃性ガス
とが最良に混合されず、それに加えて、運転にある変調が生じた際、パイロット
火炎が予混合領域に逆流してしまい、これは好ましいことではない。
【０００７】 本発明の課題は、特許請求の範囲の請求項１に記載の手段により解決される。
本発明の有利な実施態様は従属請求項に記載されている。
【０００８】 主バーナと、この主バーナを点火しおよび／又は安定化させるために使用する
パイロットバーナとを備えた本発明に基づく燃焼設備用、特にガスタービン燃焼
器用のバーナ装置は、その基本構造がヨーロッパ特許第０１９３８３８号明細書
におけるバーナ装置に酷似している。パイロットバーナは常にあるいは時々予混
合バーナとして運転され、パイロットバーナへの燃料および燃焼空気の導入は、
互いに同心的に入り組んで配置されたほぼ横断面円環状の通路を備えた槍形構造
の導入装置によって行われる。これらの通路の下側に、特にパイロットバーナ用
の燃焼空気を導入するための空気通路が存在している。この空気通路に燃料入口
が配置され、その燃料は空気通路に同心的に位置する内側通路あるいは外側通路
を通して導入される。基本的にはまた、個々の配管を通しての燃料入口への導入
も可能である。本発明に基づいて、空気通路の中に空気流れ方向において燃料入
口の手前に旋回発生器が配置されている。このようにして、既に旋回している空
気が燃料入口に到達するので、燃料入口で直ぐに空気と燃料が激しく旋回し混合
する。その混合経路の長さを増大するために、燃料入口を空気力学的に最適な旋
回発生要素に組み入れることもできる。
【０００９】 パイロットバーナは代表的には可燃性ガスによる予混合運転に対して設計され
、その場合には空気通路に、円周方向にほぼ一様に分布された多数の可燃性ガス
燃料の入口が設ける。
【００１０】 空気通路は、燃料入口の下流側において、組込み物のない、特に火炎安定器の
ない自由空間として形成されている。場合によっては混合作用を改善するために
、燃料入口の手前に乱流発生要素を組み込むことができる。
【００１１】 本発明の有利な実施態様に基づいて、パイロットバーナの槍形構造の導入装置
は、互いに同心的に配置された２つ以上の環状通路から構成され、その場合、空
気通路のすぐ内側および／又は外側の環状通路が燃料特に可燃性ガスを導入する
ために使われる。空気通路と内側環状通路ないし外側環状通路との間の中間壁に
ある燃料入口を通して、燃焼空気より高い圧力の燃料が空気通路に到達し、そこ
で旋回発生器で発生された旋回流の中に非常に一様に分配される。その燃料入口
は、火炎が旋回発生器まで逆流することを確実に防止するために、旋回発生器か
ら或る間隔を隔てて配置されねばならない。その正確な間隔は、空気通路内を流
れる空気の流速と空気通路内における幾何学的状態に左右される。
【００１２】 旋回発生器は、軸方向および／又は半径方向および／又は接線方向の旋回を発
生し、その旋回強さおよび燃料との混合に利用される予混合領域の長さは、火炎
の逆流を防止するために子午線流速が大きく、且ついわゆるハブ剥離が生じない
ように、即ち流れが空気通路の壁から剥がれることがないように選定される。
【００１３】 パイロット火炎の安定性を十分に高めるために、空気通路はその燃焼設備に開
口する終端部位に、本発明の有利な実施態様においてディフューザを有している
。このディフューザは、特に終端部位において長手方向に横断面積が徐々に増大
するように広げることによって形成されている。
【００１４】 パイロット火炎が、従来とは異なって火炎保持器によってもはや保持されてい
ないので、終端部位における空気通路の壁が強く加熱されることがあり、これは
その壁を冷却することによって限界内に保たれる。その場合、特に空気通路に対
して同心的に配置された冷却装置が利用される。この冷却装置において、空気、
空気燃料混合気および／又は蒸気によって、空気通路の終端部位が冷却される。
【００１５】 本発明の特に有利な実施態様において、燃料入口はパイロットバーナの空気通
路内における混入要素として形成される。これは、例えば多数の入口開口で燃料
を非常に細かく空気通路内に分配する小管の形で形成される。また、燃料入口開
口を備えた補助的な旋回発生器羽根を配置することもできる。
【００１６】 以下図を参照して本発明の有利な実施例を詳細に説明するが、本発明はこの実
施例に限定されるものではない。
【００１７】 図には、ヨーロッパ特許第０１９３８３８号明細書で原理的構成が知られたバ
ーナが示されている。従ってこの明細書で知られている構成要素は、ここでは概
略的にしか図示されず、また一部は省かれている。このバーナの負荷運転時、主
バーナ１に主燃焼空気２が供給される。この主燃焼空気２の中に、主可燃性ガス
入口３および主可燃性ガス注入ノズル２０を介して可燃性ガスがおよび／又は主
燃料油入口４および主燃料油注入ノズル２１を介して燃料油が、細かく分配して
注入される。これは特に斜め格子の形をした主旋回発生器５の範囲で行われる。
このようにして燃料が主燃焼空気と予め混合されて、有害物の発生が少ない燃焼
が達せられる。主バーナ１の中心に、それ自体公知のように、主火炎を点火し安
定化させるためのパイロットバーナが存在している。このパイロットバーナの燃
焼空気は空気通路６を通して導入される。このパイロットバーナを拡散バーナと
して運転するために、中央燃料通路７が存在している。しかしパイロットバーナ
を拡散バーナとして運転すると多量のＮＯｘを発生するので、この中央燃料通路
７は本発明の根本思想に基づいて、できるだけ利用しないようにしなければなら
ない。多量のＮＯｘの発生を防止するために、空気通路６は燃料入口１０、１１
を有し、これらの燃料入口１０、１１を通して、パイロットバーナ用の燃焼空気
に燃料が混入される。この燃料は、バーナが同心的な槍形（棒状）構造をしてい
ることによって、外側燃料通路８および外側燃料入口１０を通しておよび／又は
内側燃料通路９および内側燃料入口１１を通して導入することができる。空気通
路６の壁にある単純な燃料入口開口の代わりに、燃料を一様に分配するために、
この実施例においては孔開きの小管の形をした混入構成要素１５を利用すること
もできる。燃料として基本的には燃料油あるいは可燃性ガスが考えられ、それに
応じて燃料入口ないし混入構成要素は適切に寸法づけられねばならない。
【００１８】 本発明にとって正に重要なことは、空気通路６内において燃料入口１０、１１
の上側に、これと間隔を隔てて旋回発生器１２が配置されていることである。こ
のことによって、燃料が混入される前に既に旋回を発生することができ、これに
よって有害物を発生しない一様な燃焼が生ずる。流れ方向において燃料入口の手
前に旋回発生器を配置したことによって、運転に変調が生じた際、パイロットバ
ーナの火炎が決して旋回発生器１２迄逆流しないという利点も得られる。
【００１９】 パイロット火炎を一層安定化させるために、空気通路６はその終端部位がディ
フューザ１３として構成される。このディフューザ１３の壁の過熱を防止するた
めに、これに冷却装置１４を装備するのが望ましい。この冷却装置１４は、特に
ディフューザの周囲に同心的に位置し、空気、空気燃料混合気あるいは蒸気で冷
却される。
【００２０】 本発明に基づくバーナは、それ自体公知のように適当な制御弁を介して、その
空気入口１６が空気供給源に接続され、中央燃料通路７、外側燃料通路８ないし
内側燃料通路９に対する燃料入口１７、１８、１９が燃料供給源に接続される。
【００２１】 本発明に基づくバーナは、広い負荷範囲にわたって有害物の発生の少ない安定
した運転を可能にし、特にガスタービン設備の燃焼器に対して適している。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に基づくバーナ装置の概略断面図。
【符号の説明】
１ 主バーナ ６ 空気通路 ７ 燃料通路 ８ 外側燃料通路 ９ 内側燃料通路 １０ 外側燃料入口 １１ 内側燃料入口 １２ 旋回発生器 １３ ディフューザ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｆ２３Ｄ 17/00 Ｆ２３Ｄ 17/00 Ｆ２３Ｒ 3/14 Ｆ２３Ｒ 3/14 3/34 3/34 【要約の続き】 り、パイロットバーナは安定して確実に運転され、ＮＯ ｘの発生量が減少する。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 主バーナ（１）と、この主バーナ（１）を点火しおよび／又
    は安定化させるために使用するパイロットバーナとを備え、このパイロットバー
    ナが常時あるいは時々予混合バーナとして運転され、パイロットバーナに燃料お
    よび燃焼空気を導入するために棒状構造の導入装置（６、７、８、９）が存在し
    、この導入装置が横断面ほぼ円環状の少なくとも１つの空気通路（６）を有し、
    この空気通路（６）に燃料入口（１０、１１）が配置されているような燃焼設備
    用特にガスタービン燃焼器用のバーナ装置において、空気通路（６）内に、空気
    流れ方向において燃料入口（１０、１１）の手前に旋回発生器（１２）が配置さ
    れていることを特徴とする燃焼設備用特にガスタービン燃焼器用のバーナ装置。
  2. 【請求項２】 空気通路（６）に、円周方向にほぼ一様に分布して多数の可
    燃性ガス燃料の入口（１０、１１）が存在していることを特徴とする請求項１記
    載のバーナ装置。
  3. 【請求項３】 空気通路（６）が、流れ方向において燃料入口（１０、１１
    ）の下流側が組込み物のない自由空間となっていることを特徴とする請求項１又
    は２記載のバーナ装置。
  4. 【請求項４】 燃料を導入するために、空気通路（６）に対してほぼ同心的
    に配置された内側環状通路（９）および／又は外側環状通路（８）が存在し、こ
    の環状通路が燃料入口（１０、１１）を介して空気通路（６）に接続されている
    ことを特徴とする請求項１ないし３のいずれか１つに記載のバーナ装置。
  5. 【請求項５】 燃料入口（１０、１１）が旋回発生器（１２）から間隔を隔
    てて、特に旋回発生器（１２）まで火炎が逆流することが防止されるような間隔
    を隔てて配置されていることを特徴とする請求項１ないし４のいずれか１つに記
    載のバーナ装置。
  6. 【請求項６】 旋回発生器（１２）が、特に空気通路（６）の壁における流
    れの剥離を防止した状態で、軸方向および／又は半径方向および／又は接線方向
    の旋回を発生することを特徴とする請求項１ないし５のいずれか１つに記載のバ
    ーナ装置。
  7. 【請求項７】 空気通路（６）がその燃焼設備に開口する終端部位がディフ
    ューザ（１３）として形成され、特に横断面積が徐々に増大する終端部位（１３
    ）を有していることを特徴とする請求項１ないし６のいずれか１つに記載のバー
    ナ装置。
  8. 【請求項８】 空気通路の終端部位（１３）が同心的に配置され、空気、空
    気燃料混合気および／又は蒸気により冷却される壁冷却装置（１４）を備えてい
    ることを特徴とする請求項１ないし７のいずれか１つに記載のバーナ装置。
  9. 【請求項９】 燃料入口（１０、１１）が、空気通路内に配置された混入要
    素（１５）として、特に多数の入口開口を備えた小管あるいは旋回発生器羽根と
    して形成されていることを特徴とする請求項１ないし８のいずれか１つに記載の
    バーナ装置。
JP2000503365A 1997-07-17 1998-07-07 燃焼設備用特にガスタービン燃焼器用のバーナ装置 Pending JP2001510885A (ja)

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