JP2001508065A - ジヒドロフランからジハロテトラヒドロフランを製造する方法 - Google Patents

ジヒドロフランからジハロテトラヒドロフランを製造する方法

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JP2001508065A JP53100498A JP53100498A JP2001508065A JP 2001508065 A JP2001508065 A JP 2001508065A JP 53100498 A JP53100498 A JP 53100498A JP 53100498 A JP53100498 A JP 53100498A JP 2001508065 A JP2001508065 A JP 2001508065A
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Abstract

(57)【要約】 第4級オニウムハライド化合物の存在下に2,5−又は2,3−ジヒドロフランを塩素又は臭素と反応させることによって、3,4−ジクロロテトラヒドロフラン、3,4−ジブロモテトラヒドロフラン、2,3−ジクロロテトラヒドロフラン及び2,3−ジブロモテトラヒドロフランを製造する方法を開示する。この反応は、好ましくは、第4級オニウムハライド化合物及び塩素又は臭素を含む有機ハロゲン化溶剤にジヒドロフラン及び塩素又は臭素を添加することにより実施する。

Description

【発明の詳細な説明】 ジヒドロフランからジハロテトラヒドロフランを製造する方法 本発明は塩素又は臭素とジヒドロフランとの反応によってジハロテトラヒドロ フランを製造する方法に関する。更に詳しくは、本発明は不活性溶剤及びオニウ ムハライドの存在下にジヒドロフランの塩素化又は臭素化に関する。 ジハロテトラヒドロフラン、特に2,3−ジクロロテトラヒドロフラン及び2 ,3−ジブロモテトラヒドロフラン、は広範囲の製品の合成に中間体として有用 な価値のある化合物である。例えば、L.Crombie,et al.,J .Chem.Soc.,136( 1956),A.Nersasian,I.Eng .Chem.Prod.Res.Dev.,2,138(1963)及びこれ らに引用された引用文献に記載の使用参照。 W.Reppe,et al.,Annalen.,596,1,138(1955)は温度10℃未満で2,5− ジヒドロフランを塩素化し、次いで14トル(1.862kPa)において59〜61℃で蒸留 することによって3,4−ジクロロテトラヒドロフランを製造することを報告し ている。酢酸中での塩素化で3,4−ジクロロテトラヒドロフラン及び3−クロ ロ−4−アセトキシテトラヒドロフランを生ずることは英国特許第616,762号、C hem .Abstr .,43,54259(1949)に開示している。H.R.Buys,et aI.,Tetrahedro n ,24,3019(1968)は塩化スルフリルを用いて2,5−ジヒドロフランの塩素化 を記載している。2,5−ジヒドロフランの臭素化により3,4−ジブロモテト ラヒドロフランを生ずることは、H.R.Buys,et al.,Tetrahedron,24,3019(19 68),R.Pa 950)及びS.Olsen,Acta Chem .Scand.,4,473(1950)の文献に報 告されている。W.Reppe,et al.,ibid、もテトラヒドロフランと塩素ガスとの 反応による2,3−ジクロロテトラヒドロフランの製造を記載している。L.Crom bie,et al.,ibid、は2,3−ジヒドロフラン又はテトラヒドロフランと乾燥 塩素による塩素化による2,3−ジクロロテトラヒドロフランの製造を報告して いる。A.Nersasian,ibid、はテトラヒドロフランと塩化スルフリルとから2, 3−ジクロロテトラヒドロフランを製造した。同様な方法並びに2,3−ジヒド ロフランの2,3−ジブロモテトラヒドロフランへの臭素化は、Crombie,et al .,J .Chem.Soc.PerkinTrans.,1,1971(1985)によって刊行されている。 ジクロロメタン中の2,5−ジヒドロフランの13%溶液に−5℃〜5℃の化学 量論量より僅かに過剰の塩素を添加する、従来のハロゲン化方法に従った2,5 −ジヒドロフランの塩素化は3,4−ジクロロテトラヒドロフランを製造した。 しかしながら、2,5−ジヒドロフランの約22%は高沸点オリゴマー化合物に転 化されていた。これらの副生物からの生成物の蒸留は不可能であった。粗生成物 のガスクロマトグラフ分析は78%の3,4−ジクロロテトラヒドロフランを示し たに過ぎなかった。 第4級オニウムハライドの存在下におけるジヒドロフランと塩素又は臭素との 反応によって良好な収率及び高純度でジハロテトラヒドロフランを好都合に製造 することができることを見出した。 従って、本発明は、第4級オニウムハライド化合物の存在下にジヒドロフラン をX2と反応させることを含んでなるジハロテトラヒドロフランを製造する方法 であって、ジハロテトラヒドロフランが3,4−ジクロロテトラヒドロフラン、 3,4−ジブロモテトラヒドロフラン、2,3−ジクロロテトラヒドロフラン又 は2,3−ジブロモテトラヒドロフランであり、ジヒドロフランが2,5−又は 2,3−ジヒドロフランであり、そしてX2が塩素又は臭素であるジハロテトラ ヒドロフランの製造方法を提供する。 本プロセスは、一般的なハロゲン化溶剤の存在下に実施することができる。 本プロセスに使用される第4級オニウムハライド化合物は広範囲のテトラ置換 アンモニウム、ホスホニウム及びアルソニウム化合物から選ばれる。オニウム化 合物及び特定のオニウム化合物の両方のタイプの多くの例が米国特許第5,082,95 6号に記載されている。好ましいオニウムハライドは、式: (式中、各Rはヒドロカルビル基であり、Yは窒素又はリン原子であり、Z-はC l-,Br-及びI-のようなハライドである) を有するテトラヒドロカルビルアンモニウム及びテトラヒドロカルビルホスホニ ウムハライドである。 テトラヒドロカルビルアンモニウム及びテトラヒドロカルビルホスホニウムハ ライド化合物は合計4〜60の炭素原子、好ましくは8〜32の炭素原子を含むこと ができるが、勿論オニウムハライド化合物は使用する特定のハロゲン化溶剤に十 分な溶解度を示すものである。好ましいハロゲン化溶剤の一つ、例えば塩素化炭 化水素を用いる場合には、特に好ましいオニウムハライドはテトラ−n−ブチル ホスホニウムハライド及びテトラエチルアンモニウムハライドである。これらの 特定のオニウムハライドは触媒的に有効な量で使用することを可能にするのに十 分に好ましいハロゲン化溶剤に可溶性であり、そしてジハロテトラヒドロフラン 生成物を水洗することによってそれらを除去することを可能にするのに十分に水 溶性である。 しかしながら、オニウムハライド触媒を除去することなく、ジハロテトラヒドロ フラン生成物を利用することが可能である。オニウムハライドのハライドアニオ ンZ-は普通には当該プロセスにおいて使用するハロゲンX2と同じものとする。 オニウムハライド化合物の触媒有効量は典型的にはハロゲン化溶剤リットル当り 0.001〜0.1モルの範囲である。 本発明のプロセスにおいて普通に使用される有機ハロゲン化溶剤は種々の脂肪 族、脂環族及び芳香族炭化水素並びにそれらのハロゲン化誘導体から選択される 。塩素化アルカン及びハロベンゼンなどのようなハロゲン化炭化水素は、例えば ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、テトラ クロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、4−クロロベンゾトリフルオ ライド、3,4−ジクロロベンゾトリフルオライド、クロロベンゼン並びにジ− 及びトリ−クロロベンゼンの異性体が好ましい。これは、非ハロゲン化炭化水素 は低品質の生成物を生じ、そして/又はプロセス中に溶剤のハロゲン化を生じる からである。(1)テトラ−n−ブチルホスホニウムクロライド又はブロマイド と4−クロロベンゾトリフルオライド、クロロベンゼン又はジクロロメタン及び (2)テトラエチルアンモニウムクロライド又はブロマイドと4−クロロベンゾ トリフルオライド又はジクロロメタンからなる触媒/溶剤の組み合せの使用が特 に好ましい。 本発明のハロゲン化プロセスは一般に−20℃〜70℃の温度で実施することがで きる。ジヒドロフランを本発明に従って塩素化する場合には−10℃〜20℃の反 応温度が好ましく、一方臭素化には0〜50℃の範囲が好ましい。 最良の結果は塩素又は臭素反応体を、本質的にすべてのプロセスの間にジヒド ロフランに対して過剰に維持した場合に達せられる。 即ち、本発明の好ましい態様は、有機、ハロゲン化溶剤中の塩素又は臭素と第4 級アンモニウム又はホスホニウムハライド、好ましくはクロライド又はブロマイ ド、の溶液にジヒドロフランを添加することに関する。本プロセスの運転開始に あたっては、ハロゲン化溶剤が溶解した塩素又は臭素を含み、そして次に塩素又 は臭素とジヒドロフランを、反応混合物中の溶解塩素又は臭素を維持する速度又 はインクレメントで添加する。連続又はバッチ製造の終りにおいて、塩素の添加 を停止し、溶解している塩素又は臭素の全てを消費させるためにジヒドロフラン を添加することができ、または未反応のハロゲンを蒸留するかもしくはチオ硫酸 ナトリウムのような水性還元剤で洗浄することによって除去することができる。 本明細書に記載の好ましい態様は、ジヒドロフラン及びX2を有機ハロゲン化 溶剤中のX2及び式: (式中、各Rはヒドロカルビル基であり、Yは窒素又はリン原子であり、Z-はC l-又はBr-である) を有する第4級窒素又はリンオニウムハライド化合物の溶液へ添加することを含 んで成り、ジハロテトラヒドロフランが3,4−ジクロロテトラヒドロフラン、 3,4−ジブロモテトラヒドロフラン、2,3−ジクロロテトラヒドロフラン又 は2,3−ジブロモテトラヒドロフランであり、ジヒドロフランが2,5−又は 2,3−ジヒドロフランであり、そしてX2が塩素又は臭素であるジハロテトラ ヒドロフラン化合物の製造方法からなる。 3,4−ジクロロテトラヒドロフラン又は3,4−ジブロモテトラヒドロフラ ンを製造するのには2,5−ジヒドロフランの使用が 特に好ましい。前述の如く、ジヒドロフラン及びハロゲンX2は同時に又は間欠 的に及び/又は別々に添加して、プロセス時間の殆んどの間、反応に溶解ハロゲ ンを維持することができる。溶解ハロゲンの存在は反応混合物の色から明きらか である。塩素は淡緑色であり、そして臭素は橙色である。本プロセスの終点では 反応混合物は水性処理されて触媒及び過剰ハロゲンを除去する。 本発明のハロゲン化プロセスを以下の実施例で更に例示する。 ガスクロマトグラフ(GC)分析(面積%で報告)は、フィルム厚0.25μmで30 メートルDB−5の0.32mm内径の毛細管のヒューレット−パッカード(Hewlett-Pa ckard)5890Aガスクロマトグラフで分析した。温度プログラムは35℃(4.5分)、2 0℃/分で280℃まで昇温し5分間保持した。得られた生成物の構造は核磁気共鳴 及び質量分析で確認した。実施例1 500ml、4つ口、丸底フラスコは、ガス添加管、サーモカップル、機械的攪拌 機、コンデンサー、添加ロート(2,5−ジヒドロフラン用)及び冷却浴を備え たものであった。このフラスコに、テトラエチルアンモニウムクロライド1.0g( 6.0ミリモル)及びジクロロメタン200mlを添加した。この溶液を−5℃〜5℃に 冷却し、次いで塩素ガス添加を開始した。この溶液が淡緑色に変った後、2,5 −ジヒドロフラン及び塩素を−5℃〜5℃で約1時間にわたって同時に添加した 。合計38ml(0.50モル)の2,5−ジヒドロフランは滴下し、そして塩素添加は 反応溶液を緑色に保持するように制御した。すべての2,5−ジヒドロフランを 添加し、そして塩素添加を停止した後、溶液は淡緑色を有していた。合計40g( 0.56モル)の塩素を混合物に添加した。この混合物をチオ硫酸ナトリウムの10% 水溶液100mlで1回、蒸留水100mlで2回、そして水性重炭酸ナ トリウム100ml(水50ml及び飽和水性重炭酸ナトリウム50ml)で1回洗浄した。こ の混合物を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして溶剤を濾液から真空 ロータリーエバポレータによって除去した(35℃以下の温度で約30トル(3.99kPa ))。得られた粗黄色生成物(77.2g)は10トル(1.33kPa)で真空蒸留し、49〜50 ℃でトランス−3,4−ジクロロテトラヒドロフランを得た。この淡黄色生成物 は56.4g(理論量71.4g,78.9%)で、GC分析は99.0%であった。実施例2 500ml、4つ口、丸底フラスコは、サーモカップル、機械的攪拌機、コンデン サー、液体供給ポンプ(2,5−ジヒドロフラン用)添加ロート(臭素用)及び 冷却浴を備えたものであった。このフラスコに、ジクロロメタン200ml、テトラ エチルアンモニウムブロマイド1.0g(4.8ミリモル)及び数滴の臭素を添加した。 この橙色溶液に38ml(0.50モル)の2,5−ジヒドロフラン及び26ml(0.488モル )の臭素を添加した。2,5−ジヒドロフランは2.4ml/分の速度でポンプで供給 し、臭素の添加は反応溶液を橙色に保持するように制御した。溶液温度は添加の 間26〜40℃に保持した。最終混合物はチオ硫酸ナトリウムの10%水溶液100mlで 1回、蒸留水100mlで1回、そして水性重炭酸ナトリウム100ml(水50ml及び飽和 水性重炭酸ナトリウム50ml)で1回洗浄した。この混合物を無水硫酸マグネシウ ムで乾燥し、濾過し、そして溶剤を濾液から真空ロータリーエバポレータによっ て除去した(35℃以下の温度で約30トル(3.99kPa))。得られた粗黄色生成物は9 .0トル(1.197kPa)で真空蒸留し、77〜81℃でトランス−3,4−ジブロモテト ラヒドロフランを得た。この淡黄色生成物は83.8g(理論量114.8g,73.0%) で、GC分析は99.7%であった。実施例3 500ml、4つ口、丸底フラスコは、サーモカップル、機械的攪拌機、コンデン サー、2個の添加ロート及び冷却浴を備えたものであった。このフラスコに、ジ クロロメタン200ml、テトラエチルアンモニウムブロマイド1.0g(4.8ミリモル) 及び数滴の臭素を添加した。この橙色溶液に38ml(0.50モル)の2,3−ジヒド ロフラン及び26ml(0.488モル)の臭素を添加した。2,3−ジヒドロフランは約4 5分間にわたって橙色溶液に滴下し、そして臭素は反応溶液を橙色に保持するよ うな速度で添加した。溶液温度は添加の間0〜5℃を保持した。添加を完了した 後、約2mlの2,3−ジヒドロフランを添加して溶液を脱色し、その後室温に戻 した。溶液のGC分析は溶剤を無視して91.2%の2,3−ジブロモテトラヒドロフ ランを示した。濃縮試料のNMRはトランス−2,3−ジブロモテトラヒドロフラ ンの予測値通りであった。比較例1 この例はオニウムハライド化合物を使用せず、塩素を2,5−ジヒドロフラン の塩素化においてハロゲン化溶剤中の2,5−ジヒドロフラン溶液に添加する場 合に得られる結果を例示する。 500ml、4つ口、丸底フラスコは、ガス添加管、サーモカップル、機械的攪拌 機、コンデンサー及び冷却浴を備えたものであった。このフラスコに、35.2g(0 .502モル)の2,5−ジヒドロフラン及び200mlのジクロロメタンを添加した。こ の溶液を−5℃〜5℃に冷却し、次いで塩素ガス添加を開始した。塩素(41.9g ,0.591モル)を−5℃〜5℃で溶液が緑色に変り、そして暫らくの間緑色を保 持するようになるまで添加した。この時点でGCが2,5−ジドロフランがないこ とを示し、それで塩素添加を停止した。この混合物をチオ硫酸ナトリウムの10% 水溶液100mlで1回、蒸留水100mlで 2回、そして水性重炭酸ナトリウム100ml(水50ml及び飽和水性重炭酸ナトリウム 50ml)で1回洗浄した。この混合物を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、 そして溶剤を濾液から真空ロータリーエバポレータによって除去した(35℃以下 の温度で約30トル(3.99kPa))。得られた粗黄色生成物は92.8g(理論量70.4g )でガスクロマトグラフ分析で78.4%であった。高沸点夾雑物(汚染物)のため に蒸留による精製は不成功に終った。比較例2 この例はオニウムハライド化合物を使用せず、臭素を2,5−ジヒドロフラン の臭素化においてハロゲン化溶剤中の2,5−ジヒドロフラン溶液に添加する場 合に得られる結果を例示する。 500ml、4つ口、丸底フラスコは、サーモカップル、機械的攪拌機、コンデン サー、添加ロート及び冷却浴を備えたものであった。このフラスコに、ジクロロ メタン200ml及び2,5−ジヒドロフラン38ml(0.50モル)を添加した。混合物 に合計26ml(0.488モル)の臭素を添加した。この溶液は臭素添加の間26〜40℃に 保持した。臭素の添加は反応溶液を橙色に保持するように制御した。添加の開始 時は臭素色が急速に消えて反応が速いことを示した。臭素添加の半ばでは橙色は 淡緑色に変り、最後には濃青色になった。この混合物をチオ硫酸ナトリウムの10 %水溶液100mlで1回、蒸留水100mlで1回、そして水性重炭酸ナトリウム100ml( 水50ml及び飽和水性重炭酸ナトリウム50ml)で1回洗浄した。チオ硫酸ナトリウ ムの洗浄後に、かすんだ(hazy)溶液は淡琥珀色に変化した。この混合物を無水 硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして溶剤を濾液から真空ロータリーエバ ポレータによって除去した(30℃以下の温度で約30トル(3.99kPa))。得られた 粗琥珀色生成物は96.5g(理論114.8g)であった。粗生成物のGC分析は以下の 結果を示した。 2,5−ジヒドロフラン 2.9% ジクロロメタン 16.6% 低沸点物 5.1% 3,4−ジブロモテトラヒドロフラン 64.3% 高沸点物 11.1% この物質は非常に不安定(黒色に変化し、そして固形分が堆積)であるため蒸 留は行えなかった。比較例3 この例はオニウムハライド化合物を使用せず、臭素を2,5−ジヒドロフラン の臭素化においてハロゲン化溶剤中の2,5−ジヒドロフラン溶液に、反応温度 5〜10℃を保持しながら、添加する場合に得られる結果を例示する。 500ml、4つ口、丸底フラスコは、サーモカップル、機械的攪拌機、コンデン サー、添加ロート及び冷却浴を備えたものであった。このフラスコに、ジクロロ メタン200ml及び2,5−ジヒドロフラン38ml(0.50モル)を添加した。この混 合物に合計26ml(0.488モル)の臭素を添加した。臭素の添加の間、溶液は5〜10 ℃に保持した。臭素の添加は反応溶液を橙色に保持するように制御した。添加の 初期には、臭素の色が急速に消えて反応が迅速に起っていることを示した。臭素 の添加を完了した後、混合物は淡緑色に変り、次いで青色に変った。この混合物 をチオ硫酸ナトリウムの10%水溶液50mlで1回、蒸留水50mlで1回、そして水性 重炭酸ナトリウム50ml(水25ml及び飽和水性重炭酸ナトリウム25ml)で1回洗浄 した。チオ硫酸ナトリウム洗浄の後、溶液は淡橙色に変化した。この混合物を無 水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして溶剤を濾液から真空ロータリーエ バポレータによって除去した(30℃以下の温度で約30トル(3.99kPa))。粗物質 のGC分析は以下の結果を示した。 低沸点物 21.3% 高沸点物 7.6% 3,4−ジブロモテトラヒドロフラン 71.1% 濾過後の試料の色は黒であり、更なる蒸留は試みなかった。 以上、本発明をその好ましい態様に基いて特に説明して来たが、本発明の精神 及び範囲内でその変形や修正がなし得ることはいうまでもない。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.第4級オニウムハライド化合物の存在下にジヒドロフランをX2と反応さ せることを含んでなるジハロテトラヒドロフランを製造する方法であって、ジハ ロテトラヒドロフランが3,4−ジクロロテトラヒドロフラン、3,4−ジブロ モテトラヒドロフラン、2,3−ジクロロテトラヒドロフラン又は2,3−ジブ ロモテトラヒドロフランであり、ジヒドロフランが2,5−又は2,3−ジヒド ロフランであり、そしてX2が塩素又は臭素であるジハロテトラヒドロフランの 製造方法。 2.第4級オニウムハライドが式: (式中、各Rはヒドロカルビル基であり、Yは窒素又はリン原子であり、Z-は ハライドである) を有する請求の範囲第1項に記載の方法。 3.合計炭素数が8〜32で式: (式中、各Rはヒドロカルビル基であり、Yは窒素又はリン原子である) を有する第4級窒素又はリンオニウムクロライド化合物及び有機ハロゲン化溶剤 の存在下に−10℃〜20℃の温度でジヒドロフランとCl2とを反応させることを含 んでなるジクロロテトラヒドロフランの製造方法であって、ジクロロテトラヒド ロフランが3,4−ジクロ ロテトラヒドロフラン又は2,3−ジクロロテトラヒドロフランであり、そして ジヒドロフランが2,5−又は2,3−ジヒドロフランである請求の範囲第1項 に記載の方法。 4.オニウムクロライドがテトラ−n−ブチルホスホニウムクロライド又はテ トラエチルアンモニウムクロライドであり、溶剤が4−クロロベンゾトリフルオ ライド、クロロベンゼン又はジクロロメタンである請求の範囲第3項に記載の方 法。 5.オニウムクロライドがテトラ−n−ブチルホスホニウムクロライド又はテ トラエチルアンモニウムクロライドであり、溶剤が4−クロロベンゾトリフルオ ライド、クロロベンゼン又はジクロロメタンであり、ジクロロテトラヒドロフラ ンが3,4−ジクロロテトラヒドロフランであり、そしてジヒドロフランが2, 5−ジヒドロフランである請求の範囲第3項に記載の方法。 6.合計炭素数が8〜32で式: (式中、各Rはヒドロカルビル基であり、Yは窒素又はリン原子である) を有する第4級窒素又はリンオニウムブロマイド化合物及び有機ハロゲン化溶剤 の存在下に0〜50℃の温度でジヒドロフランとBr2とを反応させることを含んで なるジブロモテトラヒドロフランの製造方法であって、ジブロモテトラヒドロフ ランが3,4−ジブロモテトラヒドロフラン又は2,3−ジブロモテトラヒドロ フランであり、そしてジヒドロフランが2,5−又は2,3−ジヒドロフランで ある請求の範囲第6項に記載の方法。 7.オニウムブロマイドがテトラ−n−ブチルホスホニウムブロ マイド又はテトラエチルアンモニウムブロマイドであり、溶剤が4−クロロベン ゾトリフルオライド、クロロベンゼン又はジクロロメタンである請求の範囲第6 項に記載の方法。 8.オニウムブロマイドがテトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド又はテ トラエチルアンモニウムブロマイドであり、溶剤が4−クロロベンゾトリフルオ ライド、クロロベンゼン又はジクロロメタンであり、ジブロモテトラヒドロフラ ンが3,4−ジブロモテトラヒドロフランであり、そしてジヒドロフランが2, 5−ジヒドロフランである請求の範囲第6項に記載の方法。 9.ジヒドロフラン及びX2を有機ハロゲン化溶剤中のX2及び第4級オニウム ハライドの溶液へ添加することを含んで成り、ジハロテトラヒドロフランが3, 4−ジクロロテトラヒドロフラン、3,4−ジブロモテトラヒドロフラン、2, 3−ジクロロテトラヒドロフラン又は2,3−ジブロモテトラヒドロフランであ り、ジヒドロフランが2,5−又は2,3−ジヒドロフランであり、そしてX2 が塩素又は臭素であるジハロテトラヒドロフランの製造方法。 10.有機ハロゲン化溶剤中のCl2及び式 (式中、各Rはヒドロカルビル基であり、Yは窒素又はリン原子である) を有する合計炭素数が8〜32の第4級窒素又はリンオニウムクロライド化合物の 溶液にジヒドロフラン及びCl2を−10℃〜20℃の温度で添加することを含んでな り、ジクロロテトラヒドロフランが3,4−ジクロロテトラヒドロフラン又は2 ,3−ジクロロテトラヒドロフランであり、そしてジヒドロフランが2,5−又 は2,3−ジ ヒドロフランである請求の範囲第9項に記載のジクロロテトラヒドロフラン化合 物の製造方法。 11.前記オニウムクロライドがテトラ−n−ブチルホスホニウムクロライド又 はテトラエチルアンモニウムクロライドであり、溶剤が4−クロロベンゾトリフ ルオライド、クロロベンゼン又はジクロロメタンであり、ジクロロテトラヒドロ フランが3,4−ジクロロテトラヒドロフランであり、そしてジヒドロフランが 2,5−ジヒドロフランである請求の範囲第10項に記載の方法。 12.有機ハロゲン化溶剤中のBr2及び式 (式中、各Rはヒドロカルビル基であり、Yは窒素又はリン原子である) を有する合計炭素数が8〜32の第4級窒素又はリンオニウムブロマイド化合物の 溶液にジヒドロフラン及びBr2を0〜50℃の温度で添加することを含んでなり、 ジブロモテトラヒドロフランが3,4−ジブロモテトラヒドロフラン又は2,3 −ジブロモテトラヒドロフランであり、そしてジヒドロフランが2,5−又は2 ,3−ジヒドロフランである請求の範囲第9項に記載のジブロモテトラヒドロフ ラン化合物の製造方法。 13.前記オニウムブロマイドがテトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド又 はテトラエチルアンモニウムブロマイドであり、溶剤が4−クロロベンゾトリフ ルオライド、クロロベンゼン又はジクロロメタンであり、ジブロモテトラヒドロ フランが3,4−ジブロモテトラヒドロフランであり、そしてジヒドロフランが 2,5−ジヒドロフランである請求の範囲第12項に記載の方法。
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