JP2001507592A - 腰部補綴手術を実行する方法と装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 腰部手術を実行する方法と装置とが、骨セメント材料から形成され、開口３３を有し、空洞に位置した予め形成されたスリーブ３０を利用している。新しい骨セメントが加圧されて開口３３と予め形成されたスリーブと空洞の壁との間の空間すなわち空隙を含む大腿部空洞を充填するよう注入される。幹部分２４を有する大腿部補綴Ｐがその中に移植される。スリーブ３０の内壁はスリーブ３０によって囲まれた幹の外側壁部分２４より大きく、そのため新しい骨セメントはスリーブの内壁３５と幹２４との間に入る。

Description

【発明の詳細な説明】 腰部補綴手術を実行する方法と装置 背景技術 本発明は腰部の手術を実行する方法と、その方法で使用する装置とを指向する 。本発明の広義の概念は一次腰部手術と、大腿骨の髄内管に以前に移植された幹 部分を有する腰部補綴が取り替えられる修正手術との双方に適用可能である。 腰部修正手術の過程において、大腿骨の髄内管からその幹を含む大腿部構成要 素を除去することが必要である。髄内管内で幹を固定するために骨セメント材料 が使用されていたとすれば、それも新しい補綴を移植する前に除去することが必 要でる。セメント材料の除去は穿孔、リーマ加工および（または）いずれかの膜 あるいは粒体の破片と共に漸次除去することによって達成される。そのような穿 孔あるいはリーマ加工による過程の間、補綴の適正な位置決めを保証し、大腿骨 の皮質の偶発的な穿孔を排除するためにドリルあるいはリーマを適度に整合させ 、かつ案内することが重要である。残りの骨との最適な移植に望まれる気密性を 保証し、一方同時に適当な量の骨セメントと共に新しい補綴を受け入れるための 所望の形状および寸法の新しい空洞を形成する装置は従来技術において周知であ る。ドリルあるいはリーマを適正に整合する方法が、本発明者も共同発明者であ る以下の米国特許、すなわち第５，０４７，０３５号および同第５，１０８，４ ０５号に記載されている。修正手術において使用される骨移植片材料を固める場 合、外科医は、本発明者が共同発明者である米国特許第５，１９２，２８３号お よび同第５，４７０，３３６号に記載のカニューレ挿入突き固め手段（tamp）お よび案内ワイヤとを使用することが出来る。更に、本発明者は大腿骨に移植され た腰部股関節の幹に使用する穿孔したセメントマントルを予め形成することに指 向する下記の米国特許、すなわち第５，０８０，６８０号、同第５，１７１，２ ８８号、同第５，３１４，４９３号および同第５，４４３，５２３号の発明者あ るいは共同発明者である。そのような特許を参考文献として、本明細書に援用す る。発明の開示 本発明は、骨セメントを使用して補綴が移植される腰部外科に向けられている 。理想的には、髄内管に移植された補綴の幹の全ての部分が移植された幹を骨か ら分離している約２から３ミリの骨セメントを有することが望ましい。本発明は 一次並びに修正手術に適用可能である。 本発明によれば、開口を有するポリメチルメタアクリレート（ＰＭＭＡ）のよ うな骨セメントから成る予め形成されたスリーブが大腿骨の髄内管において調製 された過大寸法の空洞に位置づけられ、次いで、追加の骨セメントが加圧されて 前記の調製された空洞中へ注入され、該空洞を概ね充填する。追加の骨セメント はスリーブの開口を通過し、予め形成されたスリーブと骨との間のいずれかの空 隙を充填して、修正手術の場合は固められた格子状の骨移植片中へ、一次手術の 場合は調製された過大寸法の空洞を画成する大腿骨皮質を裏打ちする格子状海綿 質の骨中へ短い距離だけ進入する。 股関節手術の場合、古いセメントや、使用ずみでありうるいずれかのセメント 抑止材即ちプラグを除去するとそれに引続き、大腿骨に残っている空洞は新しい 大腿部股間補綴を受け入れるのに必要なものより、あるいは望ましいものより著 しく大きい。従って、拡大した空洞あるいは大腿部の髄内管に押しつぶした格子 状骨移植片を位置づけることが一般的に受け入れられている方法である。この理 由は骨移植片材料から再生された骨は長期に亘り生物学的に健全なものであり、 かつ補綴を支持するために大きな空洞を充填するのに極めて厚い骨セメントを単 に使用するよりも好ましいからである。このように、もしも、骨セメントが約６ ミリよりも厚いとすれば、亀裂が起き易い。対照的に、緊密に固められた骨移植 片を組み込んだ、あるいは該移植片から再生された骨は長期の生存性と強力な耐 久性とを備えた生物学的骨の再生を提供する。 圧潰した格子状骨移植片が使用されるような場合には、それは固めるために突 き固められ、新規の大腿部髄内管に緊密に詰め込まれる。本発明の発明者による 先行の米国特許第５，１９２，２８３号および同第５，４７０，３３６号におい ては、カニューレ状の突き固め手段が使用され、先に移植されていた大腿部補綴 やいずれかの古い骨セメントを除去することから生じた大きな空洞に位置する潰 された格子状の骨移植片を固めるために使用される。 患者が一次手術あるいは修正手術を受けているか否かには関係なく、一旦空洞 が調製されると、開口が形成されたスリーブがその中に位置づけられ、次いで、 適切な近位側大腿部シールを使用して追加の骨セメントが加圧されて導入される 。追加の骨セメントを加圧して導入した後、股関節補綴は全体的にスリーブに対 して離隔関係で新しい骨セメント内に移植される。スリーブと新しい骨セメント とは例えばＰＭＭＡのような、同じ材料から作られることが好ましいので、新し い骨セメントは血液、骨髄脂肪あるいはその他の流体媒体がスリーブと新しいセ メントとの間に無い限りスリーブと均一に接着する。 予め形成されたセメントのマントルが関連の股関節補綴の幹と軽く係合するよ う設計されていた本発明の発明者の先行する特許とは対照的に、本発明は厚さが １／２から２ミリで、内部寸法が股関節補綴よりも、骨セメントを用いて調製さ れた空洞に移植された補綴の幹がスリーブの内側表面から約２から３ミリ離され ることによって新鮮な骨セメントが幹を囲むことが出来るようにするような量だ け大きなスリーブを利用している。スリーブの外面は調製された空洞の内壁と接 触しており、加圧して骨セメントを挿入し、補綴の幹を挿入している間前記空洞 の内壁を安定し易くしている。スリーブは修正手術で使用される固められた骨移 植片を安定化する上で特に、有利である。しかしながら、それはまた、腰部の一 次手術において、特に骨多孔症を患っている人の海綿状の骨の調製された空洞の 内壁を安定化する上で有用である。それは、加圧されて注入される骨セメントが 空洞の内壁における海綿状骨が反対にずれたりしないように保証する。スリーブ における孔即ち***は加圧された新鮮なセメントが腰部の一次手術においては格 子状の骨に、腰部修正手術においては骨の移植片に進入しうるようにする。スリ ーブと、該スリーブの***を通過するセメントを含む新鮮なセメントとが幹を囲 み、該幹をセメントの欠陥や、その結果としての最終的に緩みや幹の不具合を伴 う骨溶解に対して保護する分離不可能なセメントマントルを形成する。スリーブ を含むセメントマントルの全体の厚さは約２から３ミリである。 本発明は、添付図面と関連した以下の詳細説明から完全に理解され、かつ本発 明のその他の目的や利点が明らかとなる。 図面の簡単な説明 図１は予め形成されたスリーブと大腿部股関節補綴とを受け入れる寸法とされ た空洞を形成するよう骨移植片材料を突き固めたのに続き修正手術において使用 する過大サイズの突き固め手段あるいは試験用大腿部要素を示す、部分的に断面 の側面図、 図２は図１の線２−２に沿って見た断面図、 図３はテーパ状の予め形成されたスリーブに挿入しようとする突き固め手段を 示す分解図、 図４は図３の線４−４に沿って見たテーパ状の予め形成されたスリーブの断面 図、 図５はカニューレ状の突き固め手段と案内ワイヤとを使用して、調製された空 洞に予め形成されたスリーブを配置した状態を示す、部分的に断面の側面図、 図６は図５の線６−６に沿って見た断面図、 図７は調製された空洞内に位置づけられた予め形成されたスリーブを示す断側 面図、 図８はスリーブがその中に位置づけられた調製された大腿部空洞と新鮮な骨セ メントを加圧して調製された空洞に注入する装置とを示す、断側面図、 図９は空洞に移植された大腿部股関節補綴を示す部分的に断面の側面図、 図１０は図９の線１０−１０に沿って見た断面図、 図１１は近位側フランジを有する修正スリーブを調製された大腿部空洞に移植 した大腿部股関節補綴を示す部分的に断面の破断側面図、 図１２は修正されたスリーブの破断斜視図、 図１３は移植した大腿部股関節補綴と遠位端形状を修正したスリーブとの破断 断面図、 図１４は一次手術において、事前形成のスリーブと、新鮮な加圧された骨セメ ントとを移植した大腿部股関節補綴を部分的に断面で示す側面図、 図１５は図１４の線１５−１５に沿って見た断面図である。 発明を実施する最良の態様 図１と図２とを参照すれば、以前に移植した股関節補綴を除去した、全体的に 文字Ｆで示す大腿骨が示されている。図１と図２とに示すように、大腿骨Ｆは、 切断された近位端１０から遠位端（図示せず）まで延びており、皮層１５の内面 １４によって画成された拡大空洞１２を形成している。空洞１２は近位端１０か ら遠位端まで移植すべき大腿部の股関節補綴の長さを上回る距離だけ延びている 。空洞１２は、以前に移植した補綴を除去したのに続いて古い骨セメントおよび （または）皮層をリーマで孔を開けて形成する。空洞１２のリーマ加工が完了す ると、空洞１２の遠位端に栓セメント抑止材１６が位置される。その後、米国特 許第５，１９２，２８３号と同第５，４７０，３３６号とに記載された発明によ れば、案内ワイヤ１８をセメント抑止材１６とねじ係合させることが出来る。 格子状の骨移植片材料２０が空洞１２に位置づけられ、通路２２を有するカニ ューレ状の突き固め手段Ｔによって適当な密度まで固められる。突き固め手段Ｔ が案内ワイヤ１８上に位置づけられ、空洞１２中へ挿入されるにつれて案内ワイ ヤ１８が前記通路２２を通過し、骨移植片２０を図８に示す新しい大腿部の股関 節補綴Ｐを受け入れる適当な密度と形状に固める。 図９と図１０とを参照すれば、補綴Ｐは幹２４が遠位端２５から大腿骨の近位 端１０に、そして幹２４に対して鈍角に配置された拡大肩部２６と首部２７とま で延びている。 図１および図２を図９および図１０に比較すれば判るように、突き固め手段Ｔ は特定の患者に移植する予定の補綴Ｐの寸法より大きな寸法である。このように 、突き固め手段Ｔは、スリーブによって囲まれた移植した幹２４の全部分の周り で全体厚さが２から３ミリの骨セメントを提供するような量だけ移植予定の補綴 のサイズより大きな突き固め手段Ｔの外面によって画成された、固めた空洞を形 成する。けづめ状領域の中間での骨セメントは５から６ミリとなりうる。突き固 め手段は対応する幹２４より約２０ミリ長い。 図３と図４とを参照すれば、近位端３１から遠位端３２まで延び、複数の開口 ３３を形成しており、例えばＰＭＭＡのような適切な骨セメントから作られた事 前形成のスリーブ３０が示されている。開口３３は円形で、直径が１から３ミリ 程度であることが好ましい。スリーブ３０は１／２から２ミリ程度の厚さを有し 、近位端３１から遠位端３２までの固められた空洞２９に軽く受け入れられうる ようにした外側サイズと形状とを有している。 代替の一実施例においては、スリーブは近位端３１として指示された領域より も高く延び、図３と図５とにおいて点線で示す延長部３９を形成している。 スリーブ３０を固められた空洞２９内に位置づけるために、位置決めし易くす るよう案内ワイヤ１８を利用可能なカニューレを有している突き固め手段にスリ ーブ３０を位置づけることが望ましい。突き固め手段は研磨した金属であること が好ましい。スリーブ３０の外面は固められた空洞２９と緊密に合致接触するよ うにしているので、スリーブは近位端から遠位端２５まで突き固め手段Ｔの外面 に合致した形状並びに寸法とされる。スリーブ３０の肉厚が１／２から２ミリで あるため、内面３５は突き固め手段Ｔのそれと僅かに異なる形状および寸法とさ れる。従って、スリーブ３０の内面３５の全ての部分が突き固め手段Ｔ’の外面 と係合するようにスリーブ３０を受け入れる形状と寸法とされた外面３８とを有 する僅かにより小さい突き固め手段Ｔ’を利用することが望ましい。 図５を見れば判るように、スリーブ３０の長さは、遠位端３２が固められた空 洞２９の遠位端３４から離隔されるようなものである。この理由は、スリーブ３ ０の遠位端３２において図９に示すような求心手段５０を挿入可能とするに十分 な開口をスリーブ３０の遠位端３２において設けるためである。 固められた空洞２９にスリーブ３０を位置づけると、突き固め手段Ｔ’と案内 ワイヤ１８とは取り外され、スリーブ３０と栓セメント抑止材１６とを所定位置 に残す（図７参照）。もしもスリーブ３０が延長部３９を備えた代替実施例によ って形成されていたとすれば、延長部３９は外科医によって切除され、スリーブ ３０の近位端３１が調製された大腿骨補綴Ｆの近位端１０と面一とされる。前記 延長部は、突き固め手段Ｔ’が依然として大腿骨内に位置している間にナイフを 使用して切除され、外科医がナイフで圧力をかけると内方に撓まないようスリー ブ３０を支持することが好ましい。 さて、図８を参照すれば、突き固められた空洞２９は、補綴Ｐがその中に移植 される新しい骨セメントを受け入れる状態とされている。骨セメント４２はスリ ーブをその中に位置づけた後固められた空洞２９中へ加圧されて注入される。新 しい骨セメントを注入する前に、スリーブ３０は、該スリーブ３０と新しい骨セ メント４２との間に何ら流体媒体は介在せず、新しい骨セメントがスリーブ３０ にしっかりと接着し事実上単一の分離不可能な層を形成するように、血液、骨髄 脂肪、あるいはその他の流体を除去し、乾燥させる必要がある。調製された空洞 中への骨セメントの注入は当該技術分野において広く知られている多数の方法に よって実行可能である。米国特許第４，８１５，４５４号および同第４，８９６ ，６６２号は骨セメントを注入する各種タイプのシール装置を示している。 図８に示すように、シール装置４４はスリーブ３０の近位端３１とシール可能 に密封係合しうるような形状とされている。シール装置４４は弾性ゴムから形成 することが好ましく、注入装置は、骨セメント４２を入れたカートリッジ４８を 装着可能なチューブ状ノズル４６を含む。チューブ状ノズルはポート４７を含み 、該ポートを通してカートリッジ４８から固められた空洞２９中へ骨セメント４ ２が加圧されて注入可能である。 シール装置４４と、図８に示すように固められた空洞２９とスリーブ３０とを その中に位置づけた調製された大腿骨の近位端１０との間でシールが形成される と、骨セメント４２は加圧されてカートリッジ４８から空洞中へ注入される。加 圧された状態でのそのような骨セメント４２の注入の結果、骨セメントは全ての 開口部や空隙領域を充填する。このように、骨セメントは矢印５５で示すように 開口３３を通過し、スリーブ３０と固められた空洞２９を形成している骨移植片 ２０との間に介在しうるいずれかの空隙中へ入る。圧力は、骨セメント４２がま た骨移植片２０中へ進入し固められた空洞２９内で骨セメントをしっかりと保持 する骨／セメントの境界面を提供するような程度のものである。図８から判るよ うに、骨セメントはまた、案内ワイヤ１８を取り外すとそこに残された孔４９中 へにも流入する。 さて図９と図１０とを参照すれば、固められた空洞２９中への骨セメントの注 入に続いて、シール装置４４、ノズル４６およびカートリッジ４８とが取り外さ れ、骨セメントが固定し、固まる時間を有する前に、先立って股関節補綴Ｐが迅 速に挿入される。セメントを充填した、固められた空洞２９に補綴Ｐを挿入する 前に、ＰＭＭＡあるいはその他のプラスチックあるいは生物学的に相容性の材料 から作られた求心手段５０が補綴Ｐの遠位端２５に固定される。求心手段５０は スリーブ３０の遠位端３２における開口部を通して導入可能な半径方向サイズと された外面５１を有している。当該技術分野において周知のように、求心手段５ ０は閉鎖された遠位端５２と、前記の閉鎖された遠位端５２と補綴Ｐの遠位端２ ５との間にあって骨セメント４２内で補綴Ｐが沈下しうるようにする空間を許す 空洞５３とを含む。 図９および図１０から判るように、補綴Ｐの幹２４は、骨セメント４２内に適 度に移植されると、近位端３１から遠位端３２までスリーブの長さに亘って前記 幹２４とスリーブ３０の内面３５との間に２から３ミリ程度の骨セメントの厚さ となる寸法とされている。前述のように、スリーブの遠位端３２は求心手段５０ が通過しうるようにするに十分大きな開口を遠位端３２に形成するように十分な 距離だけ補綴Ｐの遠位端２５から離隔されている。 さて、図１１と図１２とを参照すれば、近位端において外向きに延びているフ ランジ６１を備えていること以外はスリーブ３０に類似の修正されたスリーブ６ ０が示されている。スリーブ６０は内面６２と、後面６３と、中間面６４と、横 面６５とを有し、前記横面は移植されると当該技術分野において周知のごとく大 腿骨Ｆの対応する部分と対面する。フランジ６１は前記スリーブ６０の内面６２ 、後面６３および中間面６４とから外向きに延びる。図１１と図１２とから判る ように、スリーブ６０の横面６５は該横面６５から外向きに延びるフランジを有 していない。フランジ６１は切り取り可能で、従って外科医によって特定の患者 に最適位置させるよう切り取り可能である。従来技術の実施例におけると同様、 スリーブ６０には骨セメントが加圧されてそこを貫流しうるサイズとされた開口 ６６が形成されている。 図１３を参照すれば、遠位端７１に１個、好ましくは一連のＶ字形のノッチ７ ２が形成されているスリーブ７０の修正実施例が示されている。１個以上のＶ字 形ノッチが存在することによって、半径方向により大きな求心手段７５によって ノッチ７２間でスリーブ７０の遠位部分が撓みうるようにするので、そのような Ｖ字形ノッチ７２が無い場合よりも半径方向の範囲がより大きな求心手段７５の 挿入を可能とする。以前の実施例と同様に、求心手段７０は開口７６を有してい る。図１３において、補綴の幹７８はその遠位端が、骨セメント７９が前記幹を 囲んだ状態で求心手段７０に受け入れられた状態で示されている。 さて、図１４と図１５とを参照すれば、修正手術ではなくむしろ一次手術の一 部として大腿骨Ｆ’に移植された補綴Ｐが示されている。図３から図１０までに 示す実施例において利用されているのと同じスリーブ３０を使用することが可能 である。大腿骨Ｆ’は修正手術ではなく、一次手術のために準備されていたので 、過大寸法のブローチを使用する手術によって調製された空洞８１はスリーブ３ ０と、骨セメント４２と求心手段８０とを備えた補綴Ｐとを受け取るのに適した 寸法である。従って、格子状骨移植片を導入する必要はなく、スリーブ３０は空 洞８１に挿入されると、大腿部の皮層１５を裏当てする、保存され安定した格子 状の骨と直接接触する。安定した格子状骨は完全に除去するのでなく、少なくと も幾らかが加圧されて導入された骨セメントと骨一体化するよう保存される。 空洞８１の調製、栓セメント抑止材１６とスリーブ３０の挿入、空洞８１とス リーブ３０との洗浄、乾燥に続いて、骨セメント４２が先の実施例と同様に加圧 されて空洞８１中へ注入される。このため、骨セメント４２が、スリーブ３０の 開口３３およびスリーブ３０と大腿骨皮層との間のいずれの空洞空間を含む全て の開口と空洞中へ流入する。骨セメント４２の導入に続いて、遠位端に求心手段 ８０を装着した補綴Ｐが移植のために挿入可能である。求心手段８０は翼８２を 有するようにしうる。先の実施例と同様、約２から３ミリの新しい骨セメント４ ２は補綴の幹２４の外面をスリーブ３０の内面から分離する。 本発明は、広範囲の幹構造、材質、および形状を有し、カラー無し、あるいは カラー付き、（例えばハイドロキシアパタイトをコーテイングした幹あるいはＰ ＭＭＡをコーテイングした幹のような）プリコーテイングあるいは非コーテイン グの、研磨したあるいはきめを出したもののような股関節補綴に対して使用可能 である。スリーブは幹よりも大きくなるように構成されているので、特定サイズ および構成のスリーブを多数の種々サイズの幹とか僅かに異なる形状の幹に対し て使用可能である。更に、多くの患者、特に骨粗しょう症の患者は湾曲した、あ るいは二重に曲がった大腿部を有している。前述のスリーブを利用することによ り、湾曲した、あるいは二重に曲がった大腿部を有する患者の場合であったとし ても最小２から３ミリの骨セメントが移植した幹の周りに来るように保証する。 多様な修正が直ちに明らかとなる。本発明の範囲は付属の請求の範囲によって のみ規定されるべきである。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１０年６月１２日（１９９８．６．１２） 【補正内容】 請求の範囲 1. 遠位端まで延びている幹を有する大腿部股関節補綴を移植する方法におい て、 （ａ）近位端から遠位端まで延びている空洞を大腿部の髄内管において調製す る段階と、 （ｂ）調製された前記空洞に位置可能な寸法を有する予め形成されたスリーブ であって、近位端から遠位端まで延びおり、開口と内面とを有する壁部分を有し ているスリーブを提供する段階と、 （ｃ）前記スリーブを前記空洞に位置づける段階と、 （ｄ）加圧した骨セメントを前記空洞中および前記内面に対してへ注入し、前 記骨セメントが前記開口を通して流れ、該開口の全ての部分を概ね充填するよう にする段階と、 （ｅ）前記補綴を前記骨セメント内に位置づける段階とを含むことを特徴とす る大腿部股関節補綴を移植する方法。 2. 前記開口のサイズが１から３ミリであり、前記スリーブの壁の厚さが０． ５から１．５ミリの範囲であることを特徴とする請求の範囲第１項に記載の方法 。 3. 前記予め形成されたスリーブが前記骨セメントと概ね同じ材料から形成さ れ、前記（ｄ）の段階の前に前記スリーブを洗浄し、概ね乾燥させる段階を更に 含んでいることを特徴とする請求の範囲第１項に記載の方法。 4. 前記幹が前記スリーブと離隔関係にあることを特徴とする請求の範囲第３ 項に記載の方法。 5. 幹を有する大腿部股関節補綴を移植する方法において、 （ａ）近位端から遠位端まで延びている壁によって画成される空洞を大腿部の 髄内管に調製する段階と、 （ｂ）調製された前記空洞に位置可能とする寸法を有する予め形成されたスリ ーブであって、近位端から遠位端まで延びる壁部分を有し、前記壁部分の各々が 外面と、内面と、前記壁部分を貫通する開口とを有している予め形成されたスリ ーブを提供する段階と、 （ｃ）前記外面の一部を前記空洞の壁と接触させて、かつ他の部分を前記空洞 の壁から離隔させて前記スリーブを前記空洞内に位置づける段階と、 （ｄ）加圧した骨セメントを前記空洞中および前記内面に対してへ注入させ、 前記骨セメントが前記開口を貫流して前記スリーブと前記空洞の壁との間の空隙 を概ね充填するようにさせる段階と、 （ｅ）前記幹を前記内面と概ね離隔関係として前記骨セメント内に前記補綴を 位置づける段階とを含むことを特徴とする大腿部股関節補綴を移植する方法。 6. 前記開口の寸法が１から３ミリであり、前記スリーブの壁の厚さが０．５ から2ミリの範囲であることを特徴とする請求の範囲第５項に記載の方法。 7. 前記予め形成されたスリーブが前記骨セメントと概ね同じ材料から形成さ れ、前記骨セメントを導入する前に前記スリーブを洗浄し、概ね乾燥させる段階 を更に含むことを特徴とする請求の範囲第５項に記載の方法。 8. （ａ）遠位端まで延びた細長い幹を有し、大腿部の髄内管に移植するよう にされた大腿部股関節補綴と、（ｂ）前記幹と離隔関係に配置されたスリーブで あって、近位端から遠位端まで延びた壁部分を有し、骨セメントから形成され、 開口部を形成しているスリーブと、（ｃ）前記スリーブと前記幹との間にあって 、前記開口を貫通している骨セメントであって、前記スリーブの概ね全ての部分 が前記細長い幹と離隔関係にある骨セメントとの組み合わせ。 9. 前記スリーブが０．５から２ミリの厚さの壁部分を有していることを特徴 とする請求の範囲第８項に記載の組み合わせ。 10．前記スリーブが前記骨セメントと概ね同じ材料から作られており、かつ前 記骨セメントに接着されていることを特徴とする請求の範囲第８項に記載の組み 合わせ。 11．前記スリーブと前記スリーブの遠位端領域での接着された骨セメントとの 厚さが２から３ミリの範囲にあることを特徴とする請求の範囲第１０項に記載の 組み合わせ。 12．前記スリーブが前記近位端において前記壁部分から外向きに延びているフ ランジを有していることを特徴とする請求の範囲第８項に記載の組み合わせ。 13．前記スリーブの遠位端が開口部を形成し、前記補綴の幹が前記開口部を貫 通していることを特徴とする請求の範囲第８項に記載の組み合わせ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. 遠位端まで延びている幹を有する大腿部股関節補綴を移植する方法におい て、 （ａ）近位端から遠位端まで延びている空洞を大腿部の髄内管において調製す る段階と、 （ｂ）調製された前記空洞に位置可能な寸法を有する予め形成されたスリーブ であって、近位端から遠位端まで延びおり、開口と内面とを有する壁部分を有し ているスリーブを提供する段階と、 （ｃ）前記スリーブを前記空洞に位置づける段階と、 （ｄ）加圧した骨セメントを前記空洞中へ注入し、前記骨セメントが前記開口 を通して流れ、該開口の全ての部分を概ね充填するようにする段階と、 （ｅ）前記補綴を前記骨セメント内に位置づける段階とを含むことを特徴とす る大腿部股関節補綴を移植する方法。 2. 前記開口のサイズが１から３ミリであり、前記スリーブの壁の厚さが０． ５から１．５ミリの範囲であることを特徴とする請求の範囲第１項に記載の方法 。 3. 前記予め形成されたスリーブが前記骨セメントと概ね同じ材料から形成さ れ、前記（ｄ）の段階の前に前記スリーブを洗浄し、概ね乾燥させる段階を更に 含んでいることを特徴とする請求の範囲第１項に記載の方法。 4. 前記幹が前記スリーブと離隔関係にあることを特徴とする請求の範囲第３ 項に記載の方法。 5. 前記骨セメントと前記スリーブの厚さとが２から３ミリの範囲にあること を特徴とする請求の範囲第４項に記載の方法。 6. 前記（ｃ）の段階での位置づけによって前記スリーブの一部を前記近位端 の近傍で前記空洞から延びるようにし、更に前記部分を除去する段階を含むこと を特徴とする請求の範囲第１項に記載の方法。 7. 前記スリーブが前記近位端において前記壁部分から外向きに延びているフ ランジを有しており、前記（ｃ）の段階での位置づけが行われると、前記フラン ジが前記空洞の前記近位端の近傍にあることを特徴とする請求の範囲第１項に記 載の方法。 8. 前記スリーブの遠位端が開口部を形成し、前記補綴の幹が前記開口部を通 して延びていることを特徴とする請求の範囲第１項に記載の方法。 9. 前記幹の遠位端に求心手段が位置づけられ、前記補綴を位置づけると前記 スリーブの開口部を通過することを特徴とする請求の範囲第８項に記載の方法。 10．前記求心手段が前記開口部より大きな寸法を有しており、前記スリーブの 前記遠位端近傍にノッチが形成され、前記ノッチの間の前記スリーブの部分が前 記求心手段が通過すると外向きに広がることを特徴とする請求の範囲第９項に記 載の方法。 11．前記スリーブの内面に適合する外面部分を有する突き固め手段を提供する 段階を更に含み、前記スリーブが前記（ｃ）の段階の間前記突き固め手段に固定 されることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。 12．幹を有する大腿部股関節補綴を移植する方法において、 （ａ）近位端から遠位端まで延びている壁によって画成される空洞を大腿部の 髄内管に調製する段階と、 （ｂ）調製された前記空洞に位置可能とする寸法を有する予め形成されたスリ ーブであって、近位端から遠位端まで延びる壁部分を有し、前記壁部分の各々が 外面と、内面と、前記壁部分を貫通する開口とを有している予め形成されたスリ ーブを提供する段階と、 （ｃ）前記外面の一部を前記空洞の壁と接触させて、かつ他の部分を前記空洞 の壁から離隔させて前記スリーブを前記空洞内に位置づける段階と、 （ｄ）加圧した骨セメントを前記空洞中へ注入させ、前記骨セメントが前記開 口を貫流して前記スリーブと前記空洞の壁との間の空隙を概ね充填するようにさ せる段階と、 （ｅ）前記幹を前記内面と概ね離隔関係として前記骨セメント内に前記補綴を 位置づける段階とを含むことを特徴とする大腿部股関節補綴を移植する方法。 13．前記開口の寸法が１から３ミリであり、前記スリーブの壁の厚さが０．５ から2ミリの範囲であることを特徴とする請求の範囲第１２項に記載の方法。 14．前記予め形成されたスリーブが前記骨セメントと概ね同じ材料から形成さ れ、前記骨セメントを導入する前に前記スリーブを洗浄し、概ね乾燥させる段階 を更に含むことを特徴とする請求の範囲第１２項に記載の方法。 15．前記骨セメントと前記スリーブの厚さが２から３ミリの範囲にあることを 特徴とする請求の範囲第１２項に記載の方法。 16．前記（ｃ）の段階の位置づけが行われると前記近位端の近傍の前記スリー ブの部分を前記空洞から延びた状態に残し、前記部分を除去する段階を更に含む ことを特徴とする請求の範囲第１２項に記載の方法。 17．前記スリーブが前記壁部分から外向きに延びているフランジを前記近位端 において有し、前記（ｃ）の段階の位置づけが行われると、前記フランジが前記 空洞の近位端の近傍に位置することを特徴とする請求の範囲第１２項に記載の方 法。 18．前記スリーブの遠位端が開口部を形成し、前記補綴の幹が前記開口部を貫 通することを特徴とする請求の範囲第１２項に記載の方法。 19．前記幹の遠位端に求心手段が位置づけられ、前記補綴を位置づけると前記 スリーブの開口部を通過することを特徴とする請求の範囲第１８項に記載の方法 。 20．前記求心手段が前記開口部よりも大きな寸法を有し、前記スリーブの前記 遠位端近傍にノッチが形成され、前記ノッチの間の前記スリーブの部分が前記求 心手段が通過すると外向きに広がることを特徴とする請求の範囲第１９項に記載 の方法。 21．前記スリーブの内面と適合する突き固め手段を提供する段階を更に含み、 前記スリーブが前記（ｃ）の段階の間前記突き固め手段に固定されていることを 特徴とする請求の範囲第１２項に記載の方法。 22．（ａ）遠位端まで延びた細長い幹を有し、大腿部の髄内管に移植するよう にされた大腿部股関節補綴と、（ｂ）前記幹と離隔関係に配置されたスリーブで あって、近位端から遠位端まで延びた壁部分を有し、骨セメントから形成され、 開口部を形成しているスリーブと、（ｃ）前記スリーブと前記幹との間の骨セメ ントとの組み合わせ。 23．前記骨セメントが前記開日を貫通することを特徴とする請求の範囲第２２ 項に記載の組み合わせ。 24．前記スリーブが０．５から２ミリの厚さの壁部分を有していることを特徴 とする請求の範囲第２２項に記載の組み合わせ。 25．前記スリーブが前記骨セメントと概ね同じ材料から作られており、かつ前 記骨セメントに接着されていることを特徴とする請求の範囲第２２項に記載の組 み合わせ。 26．前記スリーブと前記スリーブの遠位端領域での接着された骨セメントとの 厚さが２から３ミリの範囲にあることを特徴とする請求の範囲第２５項に記載の 組み合わせ。 27．前記スリーブが前記近位端において前記壁部分から外向きに延びているフ ランジを有していることを特徴とする請求の範囲第２２項に記載の組み合わせ。 28．前記スリーブの遠位端が開口部を形成し、前記補綴の幹が前記開口部を貫 通していることを特徴とする請求の範囲第２２項に記載の組み合わせ。 29．求心手段が前記幹の遠位端に位置していることを特徴とする請求の範囲第 ２８項に記載の組み合わせ。 30．前記求心手段が前記開口部より大きな寸法を有し、前記スリーブの前記遠 位端近傍にノッチが形成され、前記ノッチの間の前記スリーブの部分が前記求心 手段が通過すると外向きに広がるようにされていることを特徴とする請求の範囲 第２８項に記載の組み合わせ。