JP2001503601A - 前立腺特異的膜抗原の細胞外ドメインに対して特異的なモノクローナル抗体 - Google Patents

前立腺特異的膜抗原の細胞外ドメインに対して特異的なモノクローナル抗体

Info

Publication number
JP2001503601A
JP2001503601A JP53466797A JP53466797A JP2001503601A JP 2001503601 A JP2001503601 A JP 2001503601A JP 53466797 A JP53466797 A JP 53466797A JP 53466797 A JP53466797 A JP 53466797A JP 2001503601 A JP2001503601 A JP 2001503601A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
psma
binding
antigen
hybridoma
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP53466797A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001503601A5 (ja
JP4295826B2 (ja
Inventor
マーフィー,ジェラルド,ピー.
ボイントン,アールトン,エル.
ホルムス,エリック,エイチ.
ティノ,ウィリアム,ティー.
Original Assignee
パシフィック ノースウエスト キャンサー ファウンデーション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=24490004&utm_source=***_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2001503601(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by パシフィック ノースウエスト キャンサー ファウンデーション filed Critical パシフィック ノースウエスト キャンサー ファウンデーション
Publication of JP2001503601A publication Critical patent/JP2001503601A/ja
Publication of JP2001503601A5 publication Critical patent/JP2001503601A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4295826B2 publication Critical patent/JP4295826B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P13/00Drugs for disorders of the urinary system
    • A61P13/08Drugs for disorders of the urinary system of the prostate
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/30Immunoglobulins specific features characterized by aspects of specificity or valency
    • C07K2317/34Identification of a linear epitope shorter than 20 amino acid residues or of a conformational epitope defined by amino acid residues
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2799/00Uses of viruses
    • C12N2799/02Uses of viruses as vector
    • C12N2799/021Uses of viruses as vector for the expression of a heterologous nucleic acid
    • C12N2799/026Uses of viruses as vector for the expression of a heterologous nucleic acid where the vector is derived from a baculovirus

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、前立腺特異的膜抗原(PSMA)の細胞外ドメインに結合するモノクローナル抗体、該抗体を産生するハイブリドーマ細胞系、ならびに癌を診断し治療するための該抗体の使用方法に関する。特に、本発明は、細胞表面上に発現されたPSMAおよび前立腺癌患者の血清中のPSMAと反応する3種類のモノクローナル抗体に関する。さらに、本発明は、本発明の抗体により検出されるPSMAの新規なタンパク質変異体(PSM')に関する。PSMAおよびPSM'がヒドロラーゼ活性を有するため、それらを検出するために免疫酵素アッセイを使用することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】 前立腺特異的膜抗原の細胞外ドメインに対して特異的な モノクローナル抗体 本出願は、1996年3月25日に出願された同時係属出願第08/621,399号の一部継 続出願であり、その開示内容全体は参考として本明細書に援用される。 1.発明の分野 本発明は、前立腺特異的膜抗原(PSMA)の細胞外ドメインに結合するモノクロー ナル抗体、該抗体を生産するハイブリドーマ細胞系、並びにそのような抗体を癌 の診断および治療に使用する方法に関する。特に本発明は、PSMAのカルボキシ末 端領域の一部と実質的に相同である合成ペプチドに対して産生され、前立腺癌患 者の腫瘍細胞表面上および血清中で発現するPSMAと反応するモノクローナル抗体 に関する。さらに本発明は、前立腺癌の膜調製物に対して産生され、やはり細胞 表面上で発現するPSMAと反応する2つのモノクローナル抗体に関する。本発明は また、上記抗体により検出されるPSMAの新規のタンパク質変異型(PSM')に関する 。 2.発明の背景 前立腺癌は男性における癌による死亡原因の第2位を占める。実際、前立腺癌 はアメリカ人男性において診断される最も一般的な皮膚以外に関わる癌である。 高齢男性の人口の増加および前立腺癌に対する認識の広がリによる早期診断の結 果、前立腺癌と診断される男性の数は着実に増加している(Parkerら、1997、CA Cancer J.for Clin.47:5-28)。1997年には334,500人を越える男性が前立腺癌 と診断され、この病気によりおよそ41,800人が死亡すると予測された。男性が一 生のうちに前立腺癌に罹る危険性は、白人では5人中約1人、アフリカ系アメリ カ人では6人中1人 である。高い危険性を有するグループは、家系に前立腺癌患者もしくはアフリカ 系アメリカ人がいるグループに代表される。前立腺癌と診断された男性のうちの 3分の2以上が一生のうちにこの病気が原因で死亡する(Wingoら、1996、CA Can cer J.for Clin.46:113-25)。また、前立腺癌で死亡していない患者の多くが 、疼痛、出血、および尿路閉鎖などの症状を緩和するための継続的な治療を必要 とする。つまり、前立腺癌はまた、苦痛および健康維持にかかる出費上昇の主な 原因でもある(Catalona、1994、New Eng.J.Med.331:996-1004)。 PSMAは、前立腺組織で発現する分子量120kDaのタンパク質であり、従来7E11-C 5と称されるモノクローナル抗体との反応性によって同定されていた(Horoszewic zら、1987、Anticancer Res.7:927-935;米国特許第5,162,504号)。PSMAは、精 製された形態で入手でき(Wrightら、1990、Antibody Immunoconjugates and Rad io Pharmaceuticals 3:要約193)、トランスフェリン受容体(Israeliら、1994、C ancer Res.54:1807−1811)およびNAALADase活性(Carterら、1996、Proc.Natl .Acad.Sci.U.S.A.93:749-753)と配列同一性を有するII型膜貫通タンパク質と して特徴づけられる。さらに重要なことに、PSMAは前立腺癌においてより多く発 現し、またこれらの患者の血清においても高い量のPSMAが検出される(Horoszewi czら、1987、同上;Rochonら、1994、Prostate 25:219-223;Murphyら、1995、P rostate 26:164-168;およびMurphyら、1995、Anticancer Res.15:1473-1479) 。PSMAをコードするcDNAがクローニングされ(Israeliら、1993、Cancer Res .53:227-230)、このcDNAは、2つの選択的にスプライシングされたmRN A種、即ち、PSMAをコードする2,653ヌクレオチドを含むmRNA種、およびPSM 'と称される2,387ヌクレオチドを含む第2のmRNA種を産生する(Suら、1995 、Cancer Res.55:1441-1443)。本発明以前には、PSM'タンパク質産物は一度も 検出されなかったために、PSM'がタンパク質産物をコードするのかそ れとも単に未翻訳mRNA種として存在するだけなのか知られていなかった。 Carterらによる最近の報告(1996、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、93:749-7 53)は、PSMAcDNAの一部に相当する1428塩基と、タンパク質N-アセチル化α 結合酸性ジペプチダーゼ(NAALADase)のcDNA配列との間に高い同一性がある ことを示している。NAALADaseは、神経ペプチドN-アセチルアスパルチルグルタ ミン酸に対する酵素活性を有し、グルタミン酸とN-アセチルアスパラギン酸を 生成する。この報告によれば、PSMAタンパク質固有のNAALADase活性は実証され ているが、PSMAの触媒部分は同定されていない。NAALADase活性は、PSMAを発現 したLNCaP細胞において認められたが、PSMAを発現しないPC3細胞においては認め られなかった。PSMAcDNAをPC3細胞にトランスフェクトすることにより、こ れらの細胞にNAALADase活性およびPSMAの存在が生じた。 PSMAおよびPSM'のcDNAの違いは、ヌクレオチド#1〜171またはアミノ酸#1 〜57を含む膜貫通、細胞内コード領域の欠損である。PSMAはII型膜タンパク質と されており、II型膜タンパク質の機能的触媒ドメインは分子のC-末端細胞外領 域にあることが知られている(DeVriesら、1995、J.Biol.Chem.、270:8712-8722) 。 良性の過形成または前立腺癌を患う患者の前立腺組織よりも正常な前立腺組織 においてより多くのPSM' mRNAが認められた(Suら、1995、同上)。逆に、PSM A mRNAは、前立腺癌を患っていない患者よりも前立腺癌を患っている患者に おいてより高いレベルで認められた(Suら、1995、同上)。この観察された違いは 、先に記載されたPSMAの血清タンパク質量と一致している(Horoszewiczら、1987 、同上;Rochonら、1994、同上;Murphyら、1995、同上;およびMurphyら、1995 、同上)。これに関連して、前立腺癌患者の血清中のPSMAの上昇量は、病気の進 行対緩解に相関しており、予後マーカーとして用い得る(Murphyら、1995、同上) 。 モノクローナル抗体7E11-C5によって認識されるエピトープは、PSMAの細胞内 N-末端領域の最初の6個のアミノ酸にマッピングされた(Troyerら、1995、Urol .Oncol.1:29-37)(図1)。7E11-C5を用いた電子免疫細胞化学によって、この抗体 に対するエピトープは細胞質と、特に原形質膜の内葉に局在化していた(Troyer ら、1994、Proc.Am.Assoc.Cancer Res.35:283、要約1688)。さらに、モノクロー ナル抗体7E11-C5は、in vitro検査において、固定および透過した細胞のみを染 色し(Horoszewiczら、1987、同上)、この結果、PSMAのN-末端または細胞内ドメ インへの7E11-C5エピトープのマッピングと一致する。おそらく壊死および/また はアポトーシスを通じてそのエピトープを露呈すると考えられる前立腺癌をin v ivoで検出するのに7E11-C5が有用であるのに対し、PSMAの細胞外ドメインに特異 的なモノクローナル抗体は、癌細胞表面上のPSMAをより効率的に検出することを 可能にする。また、PSM'はPSMAの細胞内ドメインを欠くために、モノクローナル 抗体7E11-C5はPSM'のmRNA転写体の配列に基づいてPSM'を認識しない。 本節または本願のその他の全ての節における全参考文献を引用または列挙する ことにより、それらの参考文献が本発明の先行技術にあたると認めるものではな い。 3.発明の要旨 本発明は、PSMAの細胞外ドメインに特異的なモノクローナル抗体、該抗体を生 産するハイブリドーマ細胞系、該抗体を前立腺癌の診断および治療に使用する方 法、並びにそのような抗体により認識されるPSM'として知られるPSMAの変異型タ ンパク質に関する。 本発明の一部は、出願人がPSMAの細胞外ドメインを認識する3つのモノクロー ナル抗体を発見したことに基づいている。抗体のうちの1つは、アミノ酸配列ES KVDPSK(配列番号1)を有するPSMAのC-末端ペプチドでマウスを免疫することに より産生した。この抗体は、前立腺癌患者の腫瘍 細胞溶解物および血清中のPSMAおよびPSM'タンパク質と反応する。また、この抗 体は、無傷の腫瘍生細胞を染色し、PSMAまたはPSM'タンパク質の細胞外ドメイン に対する特異性が確認された。この抗体はまた、ヒト***中のPSM'も検出し、こ のヒト***中のPSM'はNAALADase活性を示す。2つの他のモノクローナル抗体は 、前立腺癌の膜調製物に対して産生した。これらの抗体もまた、イムノアフィニ ティー精製により単離された天然PSMAおよび組換えDNA技術により生産された 組換えPSMAを含むPSMAおよびPSM'の細胞外ドメインと反応する。これらの抗体は 、PSMAの細胞内ドメインに対する抗体と組み合わせて、二部位捕捉アッセイにお いて検査サンプル中のPSMAの存在を検出するのに有用となる。さらに、本明細書 において開示する3つの抗体全てが、検査サンプル中のPSM'の存在を検出するた めの二部位捕捉アッセイにおいて使用され得る。 本発明は、広範にわたる様々な使用を包含するものであり、以下に限定されな いが、患者における前立腺癌の検出または病期分類のためにイムノアッセイを開 発および使用すること、一次および/または転移前立腺癌をin vivoで画像化する こと、細胞障害剤または化学療法剤に結合した抗体を使用する等抗体を治療に使 用すること、並びに、抗体断片、キメラ抗体、ヒト化抗体、または二価抗体を構 築および使用することを含む。 4.図面の簡単な説明 図1 PSMAおよびPSM'抗原の推定アミノ酸配列(配列番号2)(Israeliら、1994、 Cancer Res.54:1807-1811)。PSM' mRNAは、初めの57個のアミノ酸(一行目 のアミノ酸配列)をコードするPSMAの5’末端を含まないためアミノ酸58から開 始すると考えられる。しかし、本発明以前は、PSM'はタンパク質形態で同定され たことはなかった。下線領域は推定される膜貫通ドメインであり、太字領域(ア ミノ酸#716〜723)はモノクローナル抗体開発のために選択されたペプチドである 。 図2モノクローナル抗体3F5.4G6(一次ハイブリドーマ3F5から誘導され たサブクローン)、およびPSMAに対応する分子量120kDaのLNCaP溶解物中に存在す るタンパク質とのその反応性の実例。HRP-抗IgG二次抗体を用いてウェスタンブ ロットを発色した。1列目は7E11-C5でプローブしたLNCaP溶解物、2列目は3F5. 4G6でプローブしたLNCaP溶解物である。 図3モノクローナル抗体3F5.4G6(3列目および4列目)、並びに対照として7E11-C 5(1列目および2列目)を用いた、前立腺癌患者(D2病期)の血清中のPSMAのウェ スタンブロットによる実例。 図4モノクローナル抗体7E11-C5(1列目)および3F5.4G6(2列目)を使用し、HRP- 抗IgM二次抗体を用いて発色したLNCaP溶解物のウェスタンブロットアッセイ。7E 11-C5および3F5.4G6の両方が分子量120kDaのタンパク質を認識した。さらに、3F 5.4G6はまた、PSM'のタンパク質形態と予測されるものに対応する分子量105〜11 0kDaのタンパク質も認識した。PSM'中に7E11-C5モノクローナル抗体のエピトー プは認められなかったため、7E11-C5はPSM'を認識しなかったことに留意すべき である。抗体3F5.4G6は、PSMAおよびPSM'の細胞外ドメインに対応するタンパク 質のC-末端部分(アミノ酸#716〜723)を認識する。 図5モノクローナル抗体7E11-C5および3F5.4G6が同じタンパク質を認識したが、 3F5.4G6がさらにPSM'に対応するタンパク質を認識した実例。LNCaP溶解物をまず 7E-11C5モノクローナル抗体で免疫沈降し、免疫沈降した物質をSDSゲル上で分離 し、ウエスタンブロットアッセイにおいて7E11-C5(1〜4列目)もしくは3F5.4G6 (5〜8列目)モノクローナル抗体のいずれかでプローブした。1列目および5列 目は粗LNCaP溶解物;2列目および6列目は予め濁りを除いたLNCaP溶解物;3列 目および7列目は7E11-C5モノクローナル抗体で免疫沈降した物質;そして4列 目および8列目は先に免疫沈降したLNCaP溶解物中に残留したタンパク質であっ た。抗体7E11-C5は120kDaのタンパク質を免疫沈降し(3列目)、このタンパク質 はまた3F5.4G6によっても認識された(7列目)。しかし、7E11-C5免 疫沈降後、7E11-C5によって免疫沈降されなかった(4列目)第2のタンパク質は3 F5.4G6によって認識され(8列目)、このタンパク質はPSM'に相当していた。つま り、7E11-C5はPSM'を認識しない。 図6モノクローナル抗体7E11-C5および3F5.4G6が同じ120kDaタンパク質を認識し た実例。LNCaP溶解物由来のPSMAをモノクローナル抗体3F5.4G6で免疫沈降し、免 疫沈降物中のタンパク質をSDSゲル上で分離し、Immobilon Pに転写し、ウエスタ ンブロットにおいてモノクローナル抗体7E11-C5でプローブした。1列目は7E11- C5でプローブしたLNCaP溶解物対照、2列目は3F5.4G6免疫沈降物である 図7Aおよび7B PSMAの細胞外ドメインへの抗体結合を示した、3F5.4G6モノクロ ーナル抗体によるLNCaP生細胞の認識についてのFACS分析の実例。図7Aは一次抗 体のない対照を表し、図7BはFACS分析前に100μg/mlの3F5.4G6と共にインキュ ベートしたLNCaP細胞を表す。右方向へのシフトはLNCaP生細胞に対する抗体の結 合を示す。 図8***から単離、精製したPSM'とモノクローナル抗体3F5.4G6との反応性の実 例。1列目はLNCaP溶解物、そして2列目は***から精製したPSM'である。SDSポ リアクリルアミドゲル上でタンパク質を分離し、Immobilon P紙に転写し、ウェ スタンブロット法によりモノクローナル抗体3F5.4G6でプローブした。***から 精製した2列目に該当するタンパク質は分子量が90kDaであり、おそらく分子量1 05〜110kDaのグリコシル化されていないまたは部分的にグリコシル化されたPSM' 産物と考えられる。 図9天然PSMAおよび3つのPSMA断片とモノクローナル抗体3D7-1.1および4E10-1. 14との反応性の実例。マイクロタイター96ウェルプレートを天然PSMAかまたはPS MAの3つの細菌発現されたポリペプチド断片の内の1つで被覆し、ELISAにおい てハイブリドーマ上清と反応させた。3つの検査抗体の全てが天然PSMAと同等の 結合を示したのに対して、3D7-1.1および4E10-1.14はPSMAの細胞外ドメイン中の エピトープに対応する断 片と強く反応した。 図10モノクローナル抗体3D7-1.1を用いたPSMAのウェスタンブロット分析。1列 目はLNCaP溶解物、2列目はPC-3溶解物、3列目はイムノアフィニティーによっ て精製されたPSMAである。 図11全長バキュロウィルスで発現されたPSMAのウェスタンブロット分析。組換え PSMAをSDS-PAGEゲル上で電気泳動し、エレクトロブロッティングし、種々の抗体 調製物でプローブした。1列目はブランク;2列目は対照培地(20%FCS含有RPMI 1640);3列目は3D7-1.1モノクローナル抗体;4列目は3D7-1.2モノクローナル 抗体;5列目は3D7-1.3モノクローナル抗体;6列目は3D7-1.7モノクローナル抗 体;7列目は3D7-2.7モノクローナル抗体;8列目は4E10(親)モノクローナル抗 体;9列目は4E10-1.3モノクローナル抗体;10列目は4E10-1.14モノクローナル 抗体;11列目はブランク;12列目はブランク;13列目は7E11-C5モノクローナル 抗体である。 図12A〜DPSMAの細胞外ドメインとの抗体結合を例示した、3D7-1.1および4E10-1. 14モノクローナル抗体によるLNCaP生細胞の認識についてのFACS分析による実例 。図12Aは4E10-1.14と共にインキュベートしたLNCaP細胞を示す。図12Bは4E10-1 .14と共にインキュベートしたPC-3細胞を示す。図12Cは3D7-1.1と共にインキュ ベートしたLNCaP細胞を示す。図12Dは3D7-1.1と共にインキュベートしたPC-3細 胞を示す。図12Aおよび12Cにおける右へのシフトのパターンの違いは、2つの抗 体がPSMAの異なるエピトープを認識しうることを示している。 図13PSMAのエピトープを区別するために2つのモノクローナル抗体を用いた二部 位捕捉ELISAによるPSMAの検出。連続希釈したイムノアフィニティ精製PSMAを7E1 1-C5で被覆された96ウェルプレートに加え、3D7-1.1または4E10-1.14上清と共に インキュベートすることによって検出し 図143D7-1.1および4E10-1.14モノクローナル抗体を用いた二部位捕捉ELISAによ る、種々の生物学的サンプル中のPSMAの検出。 図153D7-1.1および4E10-1.14モノクローナル抗体を用いた二部位捕捉ELISAによ る、正常なヒト血清で連続希釈したイムノアフィニティー精製PSMAの検出。 図16代替の二部位捕捉ELISAによるPSMAの検出。連続希釈したイムノアフィニテ ィー精製PSMAを3D7-1.1で被覆された96ウェルプレートに加え、ビオチニル化7E1 1-C5(40μg/ml)次いで西洋ワサビペルオキシダーゼ結合ストレプトアビジンと 共にインキュベートすることにより検出した。マイクロプレートリーダで405nm の吸収を測定した。7E11-C5をE-Z結合ビオチニル化キット(Pierce)を用いて製造 元の使用説明書に従ってビオチニル化した。 図17LNCaP細胞溶解物、および4E10-1.14ハイブリドーマ由来の組織培養上清を用 いてプローブした半精製PSMA断片(バキュロウィルス発現系で1.9kbインサートと して発現された全長PSMAのアミノ酸134〜750に対応する)の種々の画分のウェス タンブロット分析。1.9kb構築物(PSMAのアミノ酸134〜750)に由来するタンパク 質産物の同定を矢印で示す。 1列目はマーカー;2列目はLNCaP細胞粗溶解物;3列目はウィルスペレット(即 ち、1.9kb PSMA断片を発現するバキュロウィルスに感染させた100,000×gペレッ トの溶解SF9細胞);4列目は1.9kb PSMA断片を発現するバキュロウィルスに感染 させた溶解SF9細胞由来の100,000×g上清画分;5列目はNi-NTAマトリックスを 通過させた後の4列目に示す画分の素通り分;6列目はNi-NTAマトリックスの0. 5M NaCl溶出;7列目はNi-NTAマトリックスの1Mイミダゾール(pH7.6)溶出;8列 目はNi-NTAマトリックスを通過させた後の4列目に示す画分の素通り分;9列目 はNi-NTAマトリックスの0.5M NaCl溶出;そして10列目はNi-NTAマトリック スの1Mイミダゾール(pH7.6)溶出を示す。また、2列目において、LNCaP細胞で発 現された天然全長PSMAと4E10-1.14モノクローナル抗体との反応性にもふれてお く。 図18関連性のないインサート、またはPSMAの一部(全長PSMAのアミノ酸134〜750) をコードする1.9kbインサートのいずれかを含むバキュロウィルスに感染させたS F9細胞の粗溶解物を抗体7E11-C5でプローブしたウェスタンブロット。1、2列 目はMWマーカー;3列目は関連性のないウィルスで感染させたSF9細胞溶解物; 4列目はSF9細胞溶解物;そして5列目はウィルスに感染させたSF9溶解物を含む 1.9kb PSMAインサートである。SF9細胞またはいずれかのウィルスに感染させた いずれのタンパク質産物でも7E11-C5陽性バンドが観察されなかったことにふれ ておく。 図19モノクローナル抗体3D7-1.1を用いてプローブした、LNCaP細胞、ヒト***、 およびヒト血清から得たPSMAおよびPSM'のウェスタンブロット。 1列目はLNCaP細胞溶解物;2列目は7E11-C5イムノアフィニティー精製されたLN CaP細胞由来PSMA;3列目はヒト***;そして4列目はヒト男性血清。PSMAおよ びPSM'の位置を示している。 5.発明の詳細な説明 本発明は、PSMAの細胞外ドメインに特異的なモノクローナル抗体、そのような 抗体の使用方法、およびそのような抗体により同定される末端切断型タンパク質 変異体であるPSM'に関する。本明細書に記載の特定の手順および方法は、マウス を免疫するためのC末端ペプチドまたはPSMA発現性腫瘍膜調製物を用いて例示さ れるが、それらは本発明の実施を説明するためのものにすぎない。類似の手順お よび技法が、タンパク質、ペプチド、細胞表面抗原および粗製膜調製物の形態の PSMAに対して免疫された種々の動物宿主に対して同じように適用可能である。 5.1 ハイブリドーマ細胞系および抗体産生 第6節(後記)の実施例による特定の実施態様では、PSMAのC末端領域から誘 導される合成ペプチドを免疫原として用いた。その結果、3F5.4G6と命名された 1つの抗体が、PSMAの細胞外ドメインに結合しており、これは生きている前立腺 癌細胞の細胞表面上および前立腺癌患者の血清中に露出していることが示される 。さらに、第7節(後記)の第2の実施例では、PSMA発現性腫瘍膜調製物を用い て動物を免疫した後で、PSMAの細胞外ドメインに対する2つのモノクローナル抗 体を産生させることが示されている。これに関連して、PSMAの細胞外ドメインに 特異的なモノクローナル抗体を産生するために動物宿主内で免疫応答を生起させ る免疫原としては、PSMAを発現するLNCaPのような癌細胞、PSMAコード配列でト ランスフェクトした宿主細胞、精製PSMA、PSM'またはPSMA細胞外ドメインペプチ ドが使用可能である。 抗体を産生する可能性のある体細胞、特にBリンパ球は、B細胞ミエローマ系 との融合に好適である。***中の形質芽球期(dividing plasmablast stage)にあ る抗体産生細胞が優先的に融合する。体細胞は、抗原感作動物のリンパ節、脾臓 および末梢血から得ることが可能であり、選択されるリンパ細胞は、特定の融合 系における経験に基づく有用性に大きく依存する。一次感作または超免疫された 動物が、抗体産生リンパ 球の供給源として使用できる。マウス・リンパ球は、以下に記載するマウスミエ ローマ系との安定な融合を高比率でもたらす。それらの中でも、BALB/cマウスが 好ましい。しかし、他のマウス系統、ウサギ、ハムスター、ヒツジおよびカエル もまた、抗体産生細胞を調製するための宿主として使用可能である。Godingによ り概説されているように(Monoclonal Antibodies:Principles and Practice, 第2版、60〜61頁、Orlando,Fla,Acadcmic Prcss,1986)、ラット・リンパ球を 使用すると幾つかの利点がもたらされることがある。 あるいは、抗体の産生能を有するヒト体細胞(特に、Bリンパ球)が、ミエロ ーマ細胞系との融合に好適である。個体の生検した脾臓、扁桃またはリンパ節か らのBリンパ球が使用可能であるが、さらに容易に入手可能な末梢血Bリンパ球 が好ましい。このリンパ球は、前立腺癌種と診断された患者から誘導され得る。 さらに、ヒトB細胞は、エプスタインーバーウイルス(Epstein-Barr virus)によ り直接不死化してもよい(Coleら,1995,Monoclonal Antibodies and Cancer Thc rapy,Alan R.Liss,Inc.77〜96頁)。 ハイブリドーマ産生融合法での使用に適するミエローマ細胞系は、好ましくは 、非抗体産生性であり、高い融合効率を有し、かつ所望のハイブリドーマの増殖 を維持する特定の選択培地で該細胞系を増殖不能にする酵素欠損体である。本発 明の融合細胞ハイブリッドの産生に使用可能なそのようなミエローマ細胞系の例 としては、P3-X63/Ag8、X63-Ag8.653、NS1/1.Ag4.1、Sp210-Ag14、FO、NSO/U、M PC-11、MPC11-X45-GTG1.7、S194/5XXO Bul(これらは全てマウス由来);R210.R CY3、Y3-Ag1.2.3.、IR983Fおよび4B210(ラット由来);ならびにU-266、GM1500 -GRG2、LICR-LON-HMy2、UC729-6(これらは全てヒト由来)が挙げられる(Godin g,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice,第2版,65〜66頁,Orlando, Fla,Academic Press,1986;Campbell,Monoclonal Antibody Technology,Labora tory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology第13巻,Burdenおよび Von Knippenberg編,75〜 83頁,Amsterdam,Elseview,1984)。 抗体産生脾臓またはリンパ節細胞とミエローマ細胞とのハイブリッドの作製方 法は、一般に、細胞膜の融合を促進する(化学的または電気的)作用因子(agent )の存在下で体細胞とミエローマ細胞とを各々2:1の比率(但し、この比率は 約20:1〜約1:1の間で変えることが可能である)で混合することを含む。こ の融合手法で用いられる体細胞およびミエローマ細胞の供給源としては、同じ種 の動物を用いることが好ましい場合が多い。融合方法は、KohlerおよびMilstein (1975,Nature256:495-497;1976,Eur.J.Immunol.6:511-519)ならびにGefterら (1977,Somatic Cell Genet.3:231-236)により記載されている。それらの研究 者が用いた融合促進剤は、それぞれセンダイウイルスおよびポリエチレングリコ ール(PEG)であった。Godingが概説している融合方法(1986,Monoclonal Antibod ies:Principles and Practice,第2版,71〜74頁,Orlando,Fla,Academic Press) は上記の融合方法ならびに電気的に誘導される融合を包含しており、これもまた 本発明のモノクローナル抗体の作製に好適である。 融合手順により、一般に、生存可能なハイブリッドが非常に低い頻度(約1× 10-6〜1×10-8個の体細胞)で作製される。生存可能なハイブリッドはこのよう に低頻度で得られるので、融合細胞ハイブリッドを残りの未融合細胞(特に、未 融合ミエローマ細胞)から選別する手段を有することが必須である。さらに、所 望の抗体産生ハイブリドーマを他の残りの融合細胞ハイブリッドから検出する手 段も必要である。 一般に、融合細胞は、選択培地、例えば、ヒポキサンチン、アミノプテリンお よびチミジンを含有するHAT培地で培養する。HAT培地は、ハイブリッド細胞の増 殖(proliferation)を可能にし、通常は無限に***し続ける未融合ミエローマ細 胞の増殖(growth)を阻止する。アミノプテリンは、テトラヒドロ葉酸塩の生成を 阻害することによりプリンおよびピリミジンのde novo合成を遮断する。チミジ ンの添加によりピリミジン合成の遮断が回避され、一方、ヒポキサンチンが培地 に含まれることに より阻害された細胞がヌクレオチド再利用経路を用いてプリンを合成するように なる。用いられるミエローマ細胞は、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフ ェラーゼ(HPRT)が欠如しており、そのためにその再利用経路を利用できない変 異体である。生存ハイブリッドでは、Bリンパ球は、この酵素を産生するための 遺伝情報を提供する。Bリンパ球自体は培養下で有限の寿命(約2週間)を有す るので、HAT培地で増殖できる細胞だけが、ミエローマ細胞と脾臓細胞とから形 成されるハイブリッドである。 上記ハイブリッドにより分泌される抗体のスクリーニングを容易にするために 、そして個々のハイブリッドが他のものよりも過剰増殖しないようにするために 、融合したミエローマおよびBリンパ球の混合物をHAT培地に希釈し、マイクロ タイタープレートの複数のウエル中で培養する。2〜3週間で、ハイブリッドク ローンが顕微鏡観察下で見えるようになったら、ハイブリッドクローンを含有す る個々のウエルの上清液を、特定の抗体についてアッセイする。このアッセイは 、高感度で、簡易で、かつ迅速なものでなければならない。アッセイ技術として は、ラジオイムノアッセイ、酵素免疫アッセイ、細胞障害性アッセイ、プラーク アッセイ、ドット免疫結合(dot immunobinding)アッセイなどが挙げられる。 所望の融合細胞ハイブリッドを選択し個々の抗体産生細胞系にクローニングし たら、各細胞系は、2つの標準的な方法のいずれかにより増殖させてもよい。ハ イブリドーマのサンプルは、最初の融合のための体細胞およびミエローマ細胞を 供給するのに用いた種類の組織適合性動物に注射することができる。注射した動 物は、融合細胞ハイブリッドにより産生される特定のモノクローナル抗体を分泌 する腫瘍を生ずる。この動物の体液(例えば、血清または腹水)を抜き取ること により、高濃度のモノクローナル抗体が得られる。あるいはまた、個々の細胞系 を、実験室用培養容器内でin vitroで増殖させることも可能である。この培養培 地も単一の特定のモノクローナル抗体を高濃度で含有しており、これ はデカンテーション、濾過または遠心分離により採取できる。 モノクローナル抗体または抗原結合領域の少なくとも一部を有する該モノクロ ーナル抗体の精製断片[例えば、Fv、F(ab')2、Fab断片](HarlowおよびLane,1 988,Antibody,Cold Spring Harbor)、一本鎖抗体(米国特許第4,946,778号)、 キメラまたはヒト化抗体(Morrisonら、1984,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851 ;Newubergerら、1984,Nature,81:6851)および相補性決定領域(CDR)は、慣用の 手法により調製可能である。これらの抗体または断片の精製は、例えば、硫酸ア ンモニウムまたは硫酸ナトリウムにより沈殿させた後で、食塩水への透析、イオ ン交換クロマトグラフィー、アフィニティまたはイムノアフィニティクロマトグ ラフィー、ならびにゲル濾過、ゾーン電気泳動などを行う、当業者に公知の種々 の方法により達成できる(Goding、Monoclonal Antibodies:Principles and Pra ctice,第2版、104〜126頁、Orlando,Fla,Academic Press参照)。 5.2 モノクローナル抗体およびPSM'の特性決定 第5.1節(前記)に概略的に説明した技術および第6節および第7節(後記) で説明する技術を用いて、PSMAの細胞外ドメインの特異的なモノクローナル抗体 の産生に基づいて、3つのハイブリドーマ細胞系を選択した。本発明は、35F.4G 6、3D7-1.1および4E10-1.14抗体、ならびに、PSMAおよびPSM'の細胞外ドメイン に特異的に結合する他のモノクローナル抗体を包含するものであり、特に、酵素 免疫アッセイ、放射線免疫アッセイまたは他の任意の競合結合免疫アッセイで評 価された際に、上記3つの抗体のうちの任意の1つ以上の抗体がPSMAに結合する のを競合的に阻害する全ての抗体を含む。 抗体3F5.4G6は、前立腺癌細胞溶解物中および前立腺癌細胞の細胞表面上なら びに前立腺癌種患者から得た血清中に発現されるPSMAに特異的に結合するIgMの イソ型抗体である。さらに、3F5.4G6はPSM'にも特異的に結合する。3F5.4G6反応 性PSMAエピトープは細胞外でC 末端であり、細胞の細胞質で膜結合している7E11-C5により認識されるもの(Hor oszewiczら、Anticancer Res.7:927-936)とは異なる。抗体3D7-1.1および4E10- 1.14もまたIgM抗体であり、前立腺癌細胞溶解物中および細胞表面上で発現され るPSMAに結合する。これらの抗体は、原発性前立腺癌および転移性腫瘍(例えば 、前立腺癌の骨への転移)の双方を検出するのに使用可能である。 抗体応答が生じる際に、抗体産生細胞はまず最初にIgMイソ型を分泌し、これ は最終的にIgGにスイッチされる。そのようなクラススイッチ事象は、同じ抗原 特異性が保持されるような定常領域遺伝子のDNA再編成により生じるものであ る。異なる抗体のイソ型は、異なるエフェクター機能を有する。例えば、IgMお よびIgG4以外の全てのIgGサブクラスは、抗原結合の際に補体を固定する。これ に対して、IgEはアレルギー反応において肥満細胞に結合してヒスタミンの放出 を誘発する。 ハイブリドーマ細胞系も、長期培養の間にクラススイッチ変異体を産生する。 特に、IgMからIgGまたはIgG1からIgG2nへとスイッチするモノクローナル抗体は プロテインAに対する高い親和性に基づいて選択されて、これにより、それら抗 体の精製が促進される。任意のクラススイッチ変異体を特定の所望のエフェクタ ー機能について選択することができる(Spiraら、1985,Hybridoma Technology i n the Biosciences and Medicine,Springer編、77〜88頁,Plenum Press,NY;Harl owおよびLane,1988 Antibodies,Cold Spring Harbor Laboratory)。例示した抗 体の場合、それらはIgMのイソ型なので、同じ抗原特異性を有するIgG変異体を選 択することも望ましく、これは、in vitroまたはin vivoにおける特定の目的に はさらに有用である場合がある。本発明は、3F5.4G6、3D7-1.1および4E10-1.14 を含む本発明のモノクローナル抗体のIgG変異体を包含する。 第6節および第7節(後記)では、例示の抗体が120kDaの分子量のタンパク質 を認識することが示されている。特に、3F5.4G6はまた、前立腺腫瘍細胞溶解物 中の105〜110kDaの分子量のタンパク質を認識す る。この120kDaのタンパク質は抗体7E11-C5によっても認識されるが、その低分 子量の方のタンパク質は抗体3F5.4G6、3D7-1.1および4E10-1.14によってのみ検 出される。したがって、その105〜110kDaのタンパク質は、PSM'として知られる mRNAの産物を提示する。しかしながら、本発明以前には、PSM'タンパク質は いっさい報告されておらず、それは未翻訳のmRNAであると考えられていた。 PSM'のアミノ酸配列は、そのRNA配列から推定されるように、PSMAの細胞質領 域および膜貫通領域が欠如していると予想されるので、7E11-C5が、その細胞内 エピトープに対する特異性のために、この産物と反応しないであろうことは確実 である。これに対して、PSMAの細胞外ドメインに特異的な抗体3F5.4G6、3D7-1.1 および4E10-1.14はPSM'も認識する。 5.3 PSMA 特異的モノクローナル抗体のコード配列 本発明の別の実施態様では、例示のハイブリドーマ細胞系を用いて、抗原結合 部位または抗体変異体を含む組成物を製造することが可能であり、該抗体変異体 は、ネズミの可変領域または超可変領域をヒトの定常領域もしくは定常および可 変フレームワーク領域と組合せたもの、すなわち、キメラまたはヒト化抗体、な らびに患者の抗体由来の抗原結合CDRのみをヒト・フレームワーク領域と結合さ せて保持するヒト化抗体である(Waldmann,1991,Science 252:1657,1662,特に16 58-59、ならびにそこに引用されている文献を参照)。ネズミ抗体の結合特異性 を保持しているそのようなキメラまたはヒト化抗体は、本発明による診断、予防 または治療の用途のためにin vivoで投与した場合、低下した免疫原性を有する と予想される。 さらに別の実施態様では、本発明は、再編成された活性化免疫グロブリン遺伝 子をコードするDNAまたはmRNAの供給源としてハイブリドーマ細胞系を使 用することを包含するものであり、この免疫グロブリン遺伝子は単離し、公知の 組換えDNA技術によりクローニングし、そしてPSMAの細胞外ドメインに特異的 な抗原結合断片の作製のため に他の細胞へ移送することが可能である。本発明のハイブリドーマ細胞系の再編 成DNAの単離または該ハイブリドーマ細胞系のmRNAからのcDNAの調製 により、イントロンを含まない配列が得られる可能性がある。 説明のために(しかし限定しようとするものではないが)、以下のようにして 免疫発現ライブラリーを作製し、PSMAおよびPSM'に対する抗体結合断片をスクリ ーニングすることができる(Huscら,1989,Sci.246:1275-1281;Mullinaxら,1 990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:8045-8099参照)。全RNAが精製でき(例え ば、市販のキットを用いることによる)、軽(L)鎖のためのオリゴ(dT)プライマ ーおよび重(H)鎖のための特定のプライマーを用いて逆転写酵素を用いてcDN Aに変換できる。免疫グロブリンH鎖およびL鎖の配列のポリメラーゼ連鎖反応 (PCR)増幅は、プライマー対の組を用いて別々に行われる。上流プライマー はリーダーの部分的に保存された配列および/またはVHもしくはVLのフレーム ワーク領域にハイブリダイズするように設計でき、下流プライマーは定常ドメイ ン配列にハイブリダイズするように設計できる。そのようなプライマーは、完全 長L鎖を維持し、IgGのFdに対応しH−Lジスルフィド結合を保存しているH鎖 を付与するであろう。PCR増幅したLおよびH DNA断片を次いで消化し、それ ぞれHおよびL鎖ベクターに連結する。そのようなベクターはpelBリーダー配列 、リボソーム結合部位および終止コドンを含有する。大腸菌(E.coli)中での発現 に適切なλファージベクターは、市販のベクター(ImmunoZAPL、ImmunoZAP H;S tratacytc,La Jolla,Ca)から調製できる。連結した組換えファージDNAをin vitroパッケージング抽出物(in vitro packaging extract)と共にバクテリオフ ァージに組み込み、大腸菌を感染させるのに用いる。このようにして作製された 免疫発現ライブラリーを、PSMA、PSM'またはそれらの特定のペプチドを用いて抗 原結合断片についてスクリーニングする。陽性のクローンは、Mullinaxら(前掲 )により記載されているようにしてスクリーニングおよび同定できる 5.4 PSMA 細胞外ドメイン特異的抗体および抗体組成物の使用 本明細書に記載する特定の手法および方法は、本発明のモノクローナル抗体を 用いて例示されるが、それらは本発明を実施するための説明にしかすぎない。本 発明による以下に記載の手法および方法では、抗原結合領域の少なくとも一部を 有するモノクローナル抗体の精製断片(例えば、Fv、F(ab')2、Fab断片)、一本 鎖抗体、キメラまたはヒト化抗体またはCDRが使用できる。 5.4.1 免疫組織学的および免疫細胞学的適用 本発明のモノクローナル抗体は、組織学的および細胞学的検体中の前立腺癌腫 細胞の検出、特に正常組織および非悪性腫瘍からの悪性腫瘍を識別するのに使用 することができる。組織検体は該抗体により染色可能であり、それらの結合は、 ペルオキシダーゼ、フルオロセイン、アルカリホスファターゼなどの標識に結合 した二次抗体により検出し得る。 さらに、免疫蛍光法で本発明のモノクローナル抗体を用いて、ヒト組織、細胞 および体液の検体を調べることができる。典型的なプロトコールでは、凍結した 非固定化組織生検サンプルのクリオスタット切片を含むスライドガラスまたは細 胞学的スミアを風乾し、ホルマリンまたはアセトンで固定し、モノクローナル抗 体調製物と共に給湿チャンバー内で室温にてインキュベートする。 次に、そのスライドガラスを洗浄し、上記モノクローナル抗体に対する抗体の 調製物と共にさらにインキュベートする。この抗体は、使用するモノクローナル 抗体がマウス脾臓リンパ球とマウスミエローマ細胞系との融合物に由来する場合 には、通常は或る特定のタイプの抗-マウス免疫グロブリンである。この抗-マウ ス免疫グロブリンは、特定の波長で蛍光発光する化合物(例えば、ローダミンま たはフルオロセインイソチオシアナート)でタグ付けする。次いで、サンプル中 の染色パターンおよび強度を蛍光顕微鏡により測定し、場合によっては写真に記 録す る。 さらに別の実施態様として、本発明のモノクローナル抗体を用いて組織検体ま たは剥脱細胞(すなわち、前立腺腫瘍の吸引生検から得られる単一細胞調製物) を試験するために、コンピューターで画質向上させた(computer cnhanced)蛍光 画像分析またはフローサイトメトリーを用いることができる。本発明のモノクロ ーナル抗体は、コンピューターで画質向上させた蛍光画像アナライザーによる、 またはフローサイトメーターを用いる生きている腫瘍細胞(すなわち、前立腺腫 瘍の吸引生検から得られる単一細胞調製物)の定量に特に有用である。そのよう なアッセイにおいて抗体3F5.4G6、3D7-1.1および4E10-1.14を用いることは、良 性の前立腺腫瘍と悪性の前立腺腫瘍とを区別するのに有用である。何故ならば、 該モノクローナル抗体が結合するPSMAは、悪性腫瘍によリ増大した量で発現され るからである。さらに、PSMA陽性細胞集団の割合は、それ単独で、もしくはこれ らの細胞のDNA倍数性の測定と共に、疾患の進行の初期の指標を提供すること により、非常に有用な予後の情報を提供し得る。 さらに別の実施態様では、本発明のモノクローナル抗体は、他の既知の前立腺 抗体と組合せて使用して、前立腺癌腫の悪性表現型に関するさらなる情報を提供 することができる。 5.4.2 免疫血清学的適用 本発明のモノクローナル抗体は、その使用を、認識される特異的抗原決定基の 存在についてヒト生物学的体液のスクリーニングへも広げることができる。患者 から集めた生物学的体液のin vitro免疫血清学的評価によって、非侵襲的に癌を 診断することができる。例示として、前立腺液、***、全血、血清あるいは尿の ようなヒト体液を患者から採取し、標準的なラジオイムノアッセイまたは酵素結 合(enzyme-linked)イムノアッセイ、競合的結合酵素結合イムノアッセイ、ドッ トブロットあるい はウェスタンブロット、または当業界で公知の他の測定法において、PSMAおよび PSM'の細胞外ドメインに特異的なモノクローナル抗体を用い、サンプル液中の放 出された抗原または細胞膜に結合した抗原として、特異的エピトープについてア ッセイすることができる。 さらに、PSMAおよびPSM'上の重複していないエピトープに対するモノクローナ ル抗体を使用することによって、より感度の高いPSMAまたはPSM'タンパク質の診 断アッセイを開発することができる。7E11-C5、3F5.4G6、3D7-1.1または4E10-1. 14のようなPSMAの反対末端に特異的な抗体は、特に、このようなアッセイに使用 するのに適している。この点に関し、一つの抗体は生物学的液体中のPSMAまたは PSM'を捕捉する基質に固定させておいてもよく、もう1つの抗体を使用して抗体 結合抗原を検出する。また、PSMAおよびPSM'の発現は前立腺癌および正常前立腺 組織のそれぞれにおいて増大するので、これら二つの形態を識別する抗体を使用 して、処置後の腫瘍の退行対進行をモニターするさらに精確な方法を提供しても よい。3F5.4G6、3D7-1.1および4E10-1.14は両方の形態を認識するが、7E11-C5の ほうはPSMAだけと結合するので、患者における各形態の正確なレベルを測定する のにこれらの抗体を共同して使ってもよい。そうすれば、腫瘍負荷(tumor burde n)とその量とを相関させることができる。例えば、7E11-C5は、二サイト捕捉ア ッセイのアンカー抗体として使用することができ、他の三つの抗体のいずれか一 つをPSMA定量用の検出抗体として使用することができる。一方、同様な二サイト 捕捉アッセイに、この三つのPSMA細胞外ドメイン特異的抗体の中の2つの任意の 組合せを使用して、全PSM'+PSMA濃度を特異的に測定することもできる。全PSM' +PSMA濃度から単純にPSMAを差し引けば、PSM'を具体的に定量することができる 。 組織および体液中の細胞外ドメインのPSMAおよびPSM'をモノクローナル抗体に よって検出することに加えて、NAALADase酵素活性測定を利用して、組織および/ または体液中の細胞外ドメインのPSMAおよび/ま たはPSM'を定量することができる。 例えば、ホモジネートした組織を界面活性剤で可溶化し、遠心分離により不溶 性物質をペレット化し、残留上清中のNAALADase活性を測定することによって、 組織レベルを測定することができる。同様にして、まず遠心分離により細胞性物 質をペレット化し、上清についてNAALADase活性の典型的なエンザイムアッセイ を行うことによって、体液中のNAALADase活性を測定することもできる。 抗体結合の特異性を利用するNAALADaseアッセイプロトコールもまた適用する ことができる。例えば、7E11-C5、3F5.4G6、3D7-1.1または4E10-1.14抗体のいず れかを塗布した固体表面は、NAALADaseエンザイムアッセイを用いる検出用のPSM AまたはPSM'を捕捉するのに使用することができるであろう。従ってこれは、細 胞外ドメイン特異的抗体がPSMAおよびPSM'の両方に結合するが7E11-C5はPSMAだ けに結合するのであれば、所与の検体中の全長PSMAタンパク質およびPSM'を示差 的に検出し定量するのに使うことができる。 グルタミン酸デヒドロゲナーゼの反応特性を利用して、さらに簡便なNAALADas eエンザイムアッセイを適用することもできる(Frieden,1959,J.Biol.Chem. ,234:2891)。このアッセイ法では、NAALADase酵素の反応生成物はグルタミン 酸である。これは、N-アセチルアスパラギン酸とグルタミン酸を生ずるN-アセチ ルアスパルチルグルタミン酸の酵素触媒分解から誘導される。NAD(P)+を必要と する工程において、グルタミン酸は、グルタミン酸デヒドロゲナーゼによつて触 媒される反応で、2-オキソグルタル酸とNAD(P)Hを生ずる。この反応の進行は、N AD(P)+からNAD(P)Hへの変換による340nmの吸収変化によって容易かつ簡便に測定 することができる。こうして、固定化した捕捉抗体を用いる固相フォーマットに 適用可能なNAALADase活性のアッセイを改良することができる。このようにして 、NAD+またはNAD(P)+の添加前および添加後の340nmにおける吸収変化に基づき、 マイクロプレートリーダーに おいて、多重アッセイを同時に実施することができる。これは固相アッセイだけ に限定されるものではない。何故ならば、このタイプのNAALADaseアッセイを用 いて、例えば、血清のような溶液アッセイも可能だからである。 本発明のモノクローナル抗体またはその断片を含有するキットは、上記の免疫 組織学的、免疫細胞学的および免疫血清学的方法による、in vitro診断、予後お よび/または前立腺癌のモニター用に誂えることができる。キット成分は、水性 媒体か、または凍結乾燥形式にパッケージすることができる。酵素や放射性金属 イオンのような標識部分が付いたコンジュゲートの形でモノクローナル抗体(ま たはその断片)を上記キットに使用する場合、そのようなコンジュゲートの成分 は、完全にコンジュゲートした形か、中間体の形、またはキット使用者によりコ ンジュゲートされる別々の部分として供給することができる。 キツトは、試験管やバイアル、フラスコ、瓶、注射器などの、一またはそれ以 上の容器手段または容器セット手段をコンパクトに収容するようにコンパートメ ント化したキャリアを含んでもよい。上記容器手段または容器セット手段の第一 のものは、モノクローナル抗体(またはその断片)あるいはPSMAまたはPSM'を含 んでいてもよい。第二の容器手段または容器セット手段は、第一抗体(またはそ の断片)PSMAまたはPSM'と結合することができる標識またはリンカー標識中間体 を含んでいてもよい。 5.4.3 in vivo での診断、予防および治療への使用 本発明のモノクローナル抗体またはその断片は、in vivoでの前立腺癌細胞の ターゲッティングに特に有用である。これらは、検出およびモニター用の腫瘍局 在化ならびに原発性前立腺癌および転移の治療に使用することができる。これら をin vivoで適用するには、精製モノクローナル抗体または、Fv、F(ab')2、Fab 断片のような抗原結合領域の少な くとも一部をもつモノクローナル抗体の精製断片(HarlowおよびLane,1988,An tibody,Cold Spding Harbor)、単一鎖抗体(米国特許第4,946,778号)、キメ ラ抗体またはヒト化抗体(Morrison et al.,1984,Proc.Natl.Acad.Sci.US A 81:6851;Newuberger et al.,1984,Nature,81:6851)、相補性決定領域(CD R)等を使用することが望ましい。上記抗体またはその断片の精製は、当業者に 公知の様々な方法によって行うことができ、そのような公知方法としては、硫酸 アンモニウムまたは硫酸ナトリウムにより沈澱させた後で生理食塩水に対する透 析、イオン交換クロマトグラフィ、アフィニティあるいは免疫アフィニティクロ マトグラフィ、ならびにゲル濾過、ゾーン電気泳動などがある(Goding,Monocl onal Antibodies:Principles and Practice,第2版、104-126頁、Orlando,Fla ,Academic Press参照)。 in vivoでの前立腺癌の検出および/またはモニターに使用するには、精製モノ クローナル抗体は、コンジュゲートまたは複合体の投与および局在化(loca;liza tion)後、特定の組織または臓器の画像化を可能にするリポーター群(a reporte r group)として役立つ化合物に、直接またはリンカーを介して共有結合させる ことができる。種々の異なるタイプの物質をリポーター群として役立てることが でき、そのような物質には、放射線不透過性染料、放射性金属および非金属同位 元素、蛍光原性化合物、発蛍光性化合物、陽電子発生性同位元素、非常磁性金属 などがある。 前立腺癌のin vivo治療での使用の場合、精製モノクローナル抗体を単独で、 あるいは、上記コンジュゲートの投与および局在化後、悪性細胞または組織を死 滅および/または増殖抑制する化合物に、直接またはリンカーを介して共有結合 させて、使用することができる。抗体をそれ自体で使用する場合、抗体は、補体 の固定化または抗体依存細胞の細胞障害性によって腫瘍破壊を媒介してもよい。 あるいは、前記抗体は、相乗的な治療効果を与えるために化学療法剤と併用投与 することもできる(BaslyaおよびMendelsohn,1994,Breast Cancer Res.and T reatmen t,29:127-138)。治療の目的で、放射性金属および非金属同位元素、化学療法 剤、毒素などを含む、種々の異なるタイプの物質を該抗体と直接コンジュゲート することができる(VitettaおよびUhr,1985,Annu.Rev.Immunol.,3:197)。 別の態様によれば、前立腺癌のin vivo治療のために、本発明のモノクローナ ル抗体は、二官能性または二重特異的抗体、すなわち、前立腺特異的膜抗原の細 胞外ドメインに対して特異的な抗原結合領域および殺腫瘍活性または腫瘍抑制活 性をもつエフェクター細胞に特異的な抗原結合領域をもつ抗体の形に改変するこ とができる。二重特異的抗体の二つの抗原結合領域は化学的に結合されているか 、または二重特異的抗体を産生するように遺伝子工学的に操作された細胞によっ て発現することができる(一般に、Fanger et al.,1995,Drug News & Perspec .,8(3):133-137参照)。殺腫瘍活性を有する適切なエフェクター細胞としては 、細胞障害性T細胞(主としてCD8+細胞)、ナチュラルキラー細胞などを例示す ることができるが、これらには限定されない。本発明による二重特異的抗体の有 効量を、前立腺癌患者に投与すると、この二重特異的抗体は、PSMAをもつ原発性 または転移性腫瘍の部位に局在化後、悪性細胞を死滅させるか、および/または その増殖を阻害する。 検出、モニターおよび/または治療に有用な、本発明の抗体(またはその断片 )の抗体コンジュゲートの作製方法は、米国特許第4,671,958号、4,741,900号お よび4,867,973号に記載されている。 上記のタイプの物質のいずれかとコンジュゲートしたモノクローナル抗体(ま たはその断片)を含む、そのようなin vivo腫瘍局在化および治療法と共に用い るためのキットは以下のように作ることができる。キットの成分は、水性媒体か 、または凍結乾燥形態にパッケージすることができる。このモノクローナル抗体 (またはその断片)を上記キットの中で放射性金属イオンや治療剤部分のような 標識または治療部分が結合したコンジュゲートの形でに使用する場合、そのよう なコンジュゲート の成分は、完全にコンジュゲートした形態、中間体の形態、またはキットの使用 者がコンジュゲートを生成する別々の部分として供給することができる。 6. 実施例:PSMA ペプチドに対するモノクローナル抗体の産生 6.1 材料と方法 6.1.1免疫用ペプチドの調製 Pierce(Rockford,IL)のEDC方法を用いて、PSMAペプチド#716〜723(NH2-ES KVDPSK-)を、キャリアとしてキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)と共役 結合させた。このペプチド-KLH複合体を、1mg/mlのムラミルジペプチド(MDP、 Pierce,Rockford,IL)を含有する不完全フロインドアジュバント(シグマ社、 ミズーリ州セントルイス)に最終濃度250μg/mlで乳化した。乳化抗原調製物を 4℃で保存した。 6.1.2 免疫 0.1mlの乳化ペプチドキャリア-複合体を6週間にわたって14日毎に皮下注して 、雌のBALB/cマウスを免疫した。マウスから採血し、その血清を抗ペプチド抗体 の存在について調べるペプチド特異的ラジオイムノアッセイ(RIA)にて試験し た。1:1,000またはそれ以上の力価で抗ペプチド抗体が陽性と出たマウスを融 合プロトコルのドナーとして使用した。融合3日前に、生理食塩水に溶かしたペ プチド-KLH複合体50μgを腹腔内に投与してマウスを免疫した。 6.1.3 細胞融合 同じペプチド-KLH複合体による最終免疫した3日後に、BALB/cマウスの脾臓を 無菌的に摘出し、単一細胞懸濁液を作った。浸透ショックにより赤血球を溶解し 、残ったリンパ球をRPMI-1640培地に懸濁させた。牌臓細胞を10:1の割合でP3X63 Ag8U.1(X63)ミエローマ細胞(CRL 15 97、ATCC、Rockville,MD)と混合した(脾臓細胞100x106:X63ミエローマ細胞 10x106)。X63細胞に対する脾臓細胞の融合はGalfreおよびMilsteinの方法によ って行った(1981,Methods in Enzymology,Vol.73,Immunochemical Techniq ues,Part B)。細胞培養培地(RPMI-1640-20%ウシ胎児血清)中アミノプテリン のインクルージョンによってハイブリドーマ細胞を選択した。 6.1.4 一次ハイブリドーマのスクリーニング 各ハイブリドーマ培養液から細胞培養上清50μlを取り、ペプチド特異的抗体 が存在するかどうかをペプチド特異的RIAによって試験した。簡単に説明すると 、ウシ血清アルブミン(BSA)と共役結合させたペプチドを50μg/mlを予め塗布 した96ウェルプロバインド(Pro-Bind)プレート(ファルコン社)のウェルに前記 上清を加える。4℃で一夜インキュベーションした後、プレートをPBS-0.1% BSA で4回洗浄する。ウサギ抗マウスIgMとIgG(ICN)の1:500希釈液50μlを各ウェ ルに加え、プレートを室温で1時間インキュベーションする。プレートを上記の ように4回洗浄し、各ウェルに125I-プロテインAを50μl加える。プレートを 室温で1時間インキュベーションし、上記のように4回洗浄する。プレートをオ ートラドフィルム(コダック、X-OMAT)に一夜曝露して現像する。陽性のウェル を選択し、さらなる試験を行うために細胞を細胞培地に広げた。 6.1.5 ウェスタンブロットスクリーニング 広げた陽性のウェルから上清を得、これを抗PSMA抗体についてウェスタンブロ ットアッセイで試験した。PSMAを発現する前立腺腫瘍であるLNCaP腫瘍細胞系(C RL 1740、ATCC、Rockville,MD)の溶解物を90分間175ボルトのSDSポリアクリル アミドゲルにかける。電気泳動タンパク質をイモビロン(Immobilon)-P(商標) メンブランに対してエレク トロブロッティングし、そのメンブランを、トリス緩衝生理食塩水中5%のBLOTTO で一夜インキュベーションすることによりブロックした。メンブランをバイオラ ッド(Bio-Rad)マルチスクリーン装置(バイオラッド社)に置き、ハイブリドー マ上清約650μlをそれぞれのレーンにピペットで加えた。メンブランを室温で9 0分間インキュベーションし、ブロットをトリス緩衝生理食塩水-0.5% Tween-20 (TBS-T)で5回洗浄した。洗浄したブロットを、ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗 マウスIgG(Kirkegaard and Perry Laboratories,Gaithersburg,MD)の1:5,00 0希釈液と共に室温で1時間インキュベーションした。このブロットを上記のよ うに5回洗浄し、2mlのLumiGLO(商標)化学発光基質(KPL,Gaithersburg,MD )と共に1分間インキュベーションした。このブロットをオートラドフィルムに 曝露し現像した。陽性のハイブリドーマウェル(抗PSMA反応性)を同定し、さら なる発育(development)用として選択した。 6.1.6 限界希釈クローニング 上記のウェスタンブロットアッセイにおいてPSMAに対する反応性によって同定 した陽性一次ハイブリドーマウェルを限界希釈法によりクローニングした。クロ ーニングした細胞を、フィーダー細胞集団としての相乗的な胸腺細胞を含有する 完全細胞培地の1mlにつき1個となるよう調整する。細胞懸濁液を96ウェルプレ ートのウェルに加えて200μlずつのアリコートを作る。7〜10日間培養した後、 細胞のコロニーが見えてくる。単一コロニーを含むウェルを取り、その細胞を24 ウェルプレートに広げる(1.5ml培養液)。クローン細胞の上清を得て、上記ウ ェスタンブロットアッセイにより抗PSMA抗体について試験を行う。陽性クローン を拡大増殖(expand)し液体窒素で凍結する。 6.1.7 腹水液の発生と抗体精製 10x106のハイブリドーマ細胞を注入する7〜8日前に、プリスタン0.4mlを腹 腔内注射することによりBALB/cマウスを初回抗原刺激を行った。モノクローナル 抗体を含有する腹水液を一定時間毎に抜き取って4℃で保存する。ピアース社( Rockford,IL)のImmunoPureTMIgM精製キットを用いて、腹水液からモノクロー ナル抗体を精製した。 6.1.8 PSMA の免疫沈降 約10x106のLNCaP腫瘍細胞を、4℃で30分間、1mlのNP-40細胞融解緩衝液(1 50mM NaCl、1% NP-40、50mM Tris)と共にインキュベーションした。細胞溶解物 を12,000rpmで遠心分離し、得られた上清を正常マウス血清50μlと共に30分間 インキュベーションした後で抗マウスIgMアガロースビーズの20%懸濁液60μl を添加することによって予め澄明にした(precleared)。4℃で1時間インキュ ベーションを行った後、この調製物を遠心分離してビーズを除き、得られた上清 を3F5.4G6モノクローナル抗体と反応させた。3F5.4G6モノクローナル抗体の量を 変えて(2.5、5および10μg)3個の複製細胞溶解物(replicate lysate)に加 え、4℃で1時間インキュベーションした。抗マウスIgMアガロースビーズ(シ グマ社)の10%懸濁液100μlを加え、細胞溶解物をさらに1時間4℃でインキュ ベーションした。12,000rpmで溶解物を遠心分離して、アガロースビーズをNP-40 細胞融解緩衝液で3回洗浄する。電気泳動サンプル緩衝液30μlを該sビーズに 加え、95℃で10分間加熱する。1,200rpmでビーズを簡単に遠心分離して、サンプ ル緩衝液をSDSポリアクリルアミドゲルに流した。電気泳動後、サンプルを上記 のようにエレクトロブロッティングに付し、リポート抗体としてPSMA特異的モノ クローナル抗体7E11-C5を使用してウェスタンブロットを行った。 6.1.9 フローサイトメトリーによる分析 まず細胞を燐酸緩衝化生理食塩水(PBS)で濯いだ。Versene(0.2g EDTA.4Na /L)溶液(75cm2フスコにつき2ml)を加えた。Versene溶液の大部分は、室温で 5分間インキュベーションする前にアスピレーションにより除去した。PBSを加 えて、ピペッティングにより細胞を移した(dislodge)。細胞をPBSで2回洗浄し た後計数した。50万個〜100万個の細胞を、50μlの一次抗体と共に30分間氷上 でインキュベーションした後、PBSで2回洗浄した。次いで細胞を、50μlのFIT C標識二次抗体(7E11-C5に対するヤギ抗マウスIgGまたは4G6に対するヤギ抗マウ スIgG)と共に30分間氷上でインキュベーションした。過剰の二次抗体をPBSで細 胞を洗い流す。フローサイトメーター(FACScan,Becton Dickinson,San Jose ,CA)を使って蛍光を分析した。その前散乱プロファイルおよび横散乱プロファ イルに基づいて分析した細胞集団から細胞破片を除いた。 6.1.10 ウェスタンブロットによる血清分析 血清サンプルを細胞融解緩衝液(1%トリトンX-100、50mM HEPES、10%グリセロ ール、15mM MgCl2、1mM AEBSF、1mM EGTA)で1:7に希釈した。LNCaP溶解物を 溶解緩衝液で1:35に希釈した。次いで希釈したサンプルをサンプル緩衝液(SDS 還元緩衝液)と2:3の割合で合せた。サンプル(20μl)を8.5%のSDS-PAGE(Bio -Rad Protein Assayを用いて測定した場合、最終タンパク質濃度93mg/サンプル )にかけ、分離したタンパク質を90ボルトで1時間、PVDFメンブラン上にブロッ トした。次いでメンブランを5%ミルク-TBS中で一夜ブロックした。翌日、TBS-T 中1時間メンブランを3μg/mlの7E11-C5抗体でプローブし、TBS-T中で5分間 5回洗浄し、TBS-T中30分間167ng/mlのヒツジ抗マウス西洋ワサビペルオキシダ ーゼ標識二次抗体でプローブした。再びメンブランをそれぞれTBS-T中各5分間 5回洗浄し、化学発光基質キット(Kirkegaard & Perry Laboratories,Inc.,G aithersburg,MD)(Roc hon et al.,1994,The Prostate 25:219-223)を用いて、メンブランを展開(d evelop)した。 X線フィルムを曝露することによりブロットを可視化し、約120kDのタンパク質 バンドを見えるようにした。ブロット像をマイクロテックスキャンメーカーIIHR スキャナーでスキャンし、「公共領域の国立衛生研究所(NIH)画像プログラム(W ayne Rasbandが米国立衛生研究所で書いたもので、zippy.nimh.nih.govから作者 不明のftpによりインターネットから、またはNTIS,5285 Port Royal Rd.,Spri ngfield,VA22161,part number PB93-504868からのフロッピーディスクで入手 可能)を使うマッキントッシュクアドラ(Micintosh Quadra)605コンピューター で行う分析」によって、バンド強度を測定した。全患者サンプルを、健常者の正 常ドナーサンプルおよび、標準対照として同じウェスタンブロットから、高いPS MAをもつ前立腺癌患者サンプルに対して評価した。 6.1.11 PSM ’酵素活性の検出 妊娠試験のためのWHOガイドラインに従って報酬を支払ったドナーからヒト精 液100mlを採取した。10,000rpmで30分間遠心分離して細胞物質をペレット化し、 上清を注意深く除いて、2回取り替えたpH7.6の20mM Tris緩衝液に対して一夜透 析した。透析液を再び10,000rpmで遠心分離し、予めpH7.6の20mM Tris緩衝液で 洗浄しておいたDEAEセファクリルカラムに流した。次いでこのカラムを再び500m lの同じ緩衝液で洗浄し、pH7.6で20mM〜200mMのTris緩衝液勾配を適用してタン パク質を分離した。5mlの画分を集めた。モノクローナル抗体7E11-C5を使って 、各画分におけるPSMAの存在をウェスタンドットブロットにより測定した。7E11 -C反応性タンパク質バンドを含有する画分をプールし、70%硫酸アンモニウムを 用いて沈澱させた。沈澱したタンパク質を10,000rpmで30分間遠心分離してペレ ット化した後、 200mMのTris緩衝液、pH7.6、1リットルの再懸濁させた。次いで、溶解したタン パク質を、2回取り替えたpH7.6の20mM Tris緩衝液に対して一夜透析した。透析 物を次いで予め洗浄しておいたセファクリルカラムに流してタンパク質を溶出し 、3mlの画分を集めた。モノクローナル抗体3F5.4G6を使って、溶出タンパク質 についてウェスタンドットブロットを行った。画分88-96が陽性であり、これら 画分のそれぞれは、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動により、その純度につ いて試験した。 6.2.結果 PSMAの細胞外ドメインに対するモノクローナル抗体を生成するために、このタ ンパク質のいくつかの領域をそれらの相対親水性に関してHopp & Woods法(1983 ,Mol.Immunol.20:483-489)に基づいて分析した。 以下の表1は、試験した数種類のペプチドの相対親水性を示す。特に、PSMAの C末端領域中のアミノ酸残基番号716-723に対応するESKVDPSK(Glu-Ser-Lys-Val -Asp-Pro-Ser-Lys)(配列番号1)の配列をもつペプチドを合成した。さらに、細 胞外ドメインに対する抗体を産生するために、表1に示した細胞外ドメインの他 の部分や全細胞外ドメインそのものも使用できるだろう。これとは対照的に、残 基#44-58および#196-213に対応する2つのアミノ酸ペプチドは、天然PSMAと結 合しない抗ペプチド抗体応答をもたらした。 表1. PSMAペプチドの相対親水性 免疫を行う前に、最初に担体としてのKLHにペプチドESKVDPSK(配列番号1) を結合させた。次に、マウスをこの結合体で免疫し、同じ結合体を用いて週1回 の間隔で追加免疫した。検出可能な抗ペプチド血清力価を示した動物の脾臓を摘 出し、ミエローマ細胞に融合させた。 抗原としてペプチド結合BSAを用いて結合アッセイにより初期スクリーニング を実施した。個々のハイブリドーマ培養物から細胞培養上清50μlを分離し、ペ プチド特異的ラジオイムノアッセイでペプチド特異的抗体の存在について試験し た。簡単に述べると、ウシ血清アルブミン(BSA)に結合させたペプチドを予め コーティングしておいた96ウェルのPro-Bindプレートのウェルに上清を添加した 。4℃で一夜インキュベーションした後、プレートをPBSで洗った。1:500の希釈 度のウサギ抗マウスIgMおよびIgG 50μlを各ウェルに添加し、プレートを室温 で1時間インキュベートした。その後プレートを4回洗浄し、125I標識プロテ インAを各ウェルに添加した。プレートを室温で1時間インキュベートし、上記 のように4回洗浄した。プレートをオートラッドフィルムに一夜露光して現像し た。陽性のウェルを選択し、以後の試験のために細胞を培地中で増やした。同定 された陽性ウェルのうち、3F5と称する一つのハイブリドーマをウェスタンブロ ットアッセイでさらに試験したところ、その分泌抗体はLNCaP溶解物中に含まれ るPSMAと反応することがわかった。LNCaP細胞をHoroszewiczら(1983,Cancer Re s.43:1809-1818)が記載したとおりに培養し、細胞溶解物をRochonら(1994,Pro state 25:219-223)が記載したとおりに調製した。3F5ハイブリドーマ細胞を限界 希釈法によりクローニングし、細胞数を増やし、ウェスタンブロットアッセイで 再試験した。3F5.4G6と称する抗体のサブクローンはLNCaP溶解物中の分子量120k Daのタンパク質と反応した(図2)。この抗体はIgMとしてアイソタイピングさ れた。3F5.4G6のアイソタイプの決定には、Boehringer Mannheimから得られた、 マウスモノクローナル抗体のアイソタイピング用のISOStripを用いた。モノクロ ーナル抗体をPBSで1:100に希釈し、希釈サンプル(150μl)をこのキットと共に 供給された展開チューブに添加し、室温で30秒インキュベートした後しばらく攪 拌した。次いでチューブの中にアイソタイプストリップを挿入し、5分間展開し た。このストリップのラムダまたはカッパセクションおよびクラスまたはサブク ラスセクションの一つに青色のバンドが出現した。モノクローナル抗体3F5.4G6 はIgMアイソタイプであると同定された。 さらに、モノクローナル抗体3F5.4G6は、対照としてモノクローナル抗体7E11- C5を用いて、ステージD2の進行中の前立腺癌患者から採取した血清に対して試験 した(図3)。両抗体とも約120kDa分子量のバンドを同定した(図3)。3F5.4G 6モノクローナル抗体を用いるLNCaP細胞の追加のウェスタンブロットアッセイを 、IgMに特異的な二次抗体を用いて行った(図4)。モノクローナル抗体7E11-C5 は約120kDaの単一バンド(すなわち、PSMA)を認識したが、3F5.4G6は同様の分 子量バンドだけでなく約105-110kDaのバンドも認識した。このバンドはPSM'の想 定されたタンパク質形態に一致しており、PSMAとPSM'の両 方の細胞外ドメインを特異的に認識する抗体の有用性を示す。 7E11-C5と前立腺癌患者の血清中の120kDaのタンパク質との反応性は抗体特異 的であり、一般的な血清タンパク質と二次抗体との非特異的な反応性によるもの でなかった。ウェスタンブロットアッセイでは、血清サンプル由来の分離したタ ンパク質を含むImmobilon P紙を、7E11-C5モノクローナル抗体+HRPに結合させ た二次抗体と、またはHRPに結合させた二次抗体のみと反応させた。フィルムを 1分間露光し、また、二次抗体と血清中の120kDaのタンパク質との非反応性を実 証するために45分にわたり過度に露光した。さらに、この二次抗体を3F5.4G6と 共に使用して同抗原を検出した。したがって、3F5.4G6モノクローナル抗体はPSM AとPSM'に特異的であった。 図5から、7E11-C5により同定されたタンパク質はモノクローナル抗体3F5.4G6 によっても認識されたことが裏づけられる。さらに、モノクローナル抗体3F5.4G 6は、モノクローナル抗体7E11-C5により検出されない105-110kDaのタンパク質を も認識した。この比較的速く泳動するタンパク質はPSM'に相当する。溶解物を最 初に7E11-C5で沈殿させ、残りのタンパク質を7E11-C5と反応させたとき、この抗 体はどのようなタンパク質も検出しなかった(レーン4)。これに対して、7E11 -C5で前処理した溶解物を3F5.4G6と反応させたときには、この抗体は約110kDaの タンパク質を検出した。図6は、3F5.4G6により免疫沈降された120kDaタンパク 質(すなわち、PSMA)が7E11-C5によっても認識されたことを示す。 図7AおよびBは、FACS分析でモノクローナル抗体3F5.4G6が生存LNCaP細胞を認 識したことを示しており、これにより3F5.4G6はPSMAの細胞外ドメインを認識す ることが確認される。PSMAの細胞外ドメインを認識する抗体は前立腺癌における 診断および/または治療ツールとして特に有用である。 ヒト***をPSMA特異的抗体と反応させて、酵素活性についてアッセイした。図 8は、レーン2のモノクローナル抗体3F5.4G6により認識されたタンパク質はお よその分子量が90kDaであることを示す。PSM'はLNCaP溶解物中で105-110kDaの分 子量をもつことがわかったが、***中の90kDaタンパク質はPSM'の非グリコシル 化または部分グリコシル化産物であるらしかった。PSM'はいくつかのグリコ シル化部位を含むので、この低い分子量は***中のグリコシダーゼ活性の結果で あった。PSMAがこの精製調製物中に存在しないことは、3F5.4G6がLNCaP細胞の溶 解物中に存在する分子量120kDaのタンパク質(すなわち、PSMA)を認識した(レ ーン1)が、レーン2ではこの分子量のタンパク質を認識しなかったという事実 から明らかである。さらに、抗体7E11-C5は***中の90kDaバンドを認識しなかっ た。 その後、モノクローナル抗体3F5.4G6により認識されたPSM'のこの精製調製物 をNAALADase活性についてアッセイした。LNCaP溶解物から調製した高速上清を陽 性対照として用いた。3F5.4G6モノクローナル抗体と陽性に反応するタンパク質 であって、それがPSM'であることと一致するタンパク質は、Robinsonら(1987,J .Biol.Chem.262:14498-14506)により記載されたアッセイを行ったところ、16 .9nmol/min./mgタンパク質の固有のNAALADase活性を含んでいた。 7.実施例:PSMA 含有腫瘍細胞膜調製物に対するモノクローナル抗体の産生 7.1 材料と方法 7.1.1 免疫 2枚の150mmプレートからLNCaP膜を調製するにあたり、versene溶液中に細胞 を分離し、遠心して細胞をペレットとした。細胞ペレットに蒸留水を添加し、Do unce型ホモジナイザーを用いて細胞をホモジナイズした。ホモジナイズした懸濁 液を30,000×gで遠心し、ペレット化した膜画分を免疫用に用いた。 完全フロイントアジュバントで乳化したLNCaP前立腺癌細胞膜調製物を用いて 成熟雌BALB/cマウスを4回、腹腔内投与により免疫した。細胞融合を行う5日前 に、イムノアフィニティーで精製したPSMA(PBS中)50μgを用いてマウスを追 加免疫した。細胞融合は上記の第6.1.3節に記載のとおり行った。 7.1.2 一次ハイブリドーマのスクリーニング 固相ELISA法をベースとするアッセイ法によりPSMA特異的抗体の検出を行った 。イムノアフィニティーで精製したPSMA、バキュロウイルスで発現させた完全長 のPSMA、あるいは細菌で発現させたPSMA断片をMaxi-Sorp(NuncImmuno)96ウェル プレート上にコートし、4℃で一晩インキュベートした。プレートをPBS-0.2% T ween-20で洗い、残存したサイトを5% BSA溶液を用い1時間室温でブロックした 。ハイブリドーマ培養物からの上清50μlをPSMAをコートしたウェルに添加し、 そのプレートを室温で2時間インキュベートした。プレートを上述の方法で洗い 、1:600希釈したウサギ抗マウスIgG及びウサギ抗マウスIgMを50μl各ウェルに 添加した。室温で1時間インキュベートした後、プレートを上述の方法で洗い、 1:400希釈のHRPを結合させたProtein-A 50μlを各ウェルに添加した。室温で1 時間インキュベートした後、プレートを上述の方法で洗い、100μlのABTS(2,2 -アジノ-ビス(3-エチルベンズチアゾリン)-6-スルホン酸150m gを0.1Mのクエン酸500ml,pH4.35中に含有する)/過酸化水素(10mlのABTS溶液あ たり10μlの30%H2O2を含有)色原体/基質溶液を各ウェルに添加した。プレート をマイクロプレートリーダーで読みとり、OD405を測定した。OD値がバックグラ ウンド値より0.05高い値を示した上清を産生するハイブリドーマを限界希釈法で クローン化し、それ以後の分析に用いた。 PSMAの固相への捕捉のために上述のアッセイ法を次のように改変した:40μg /mlの7E11-C5抗PSMAモノクローナル抗体溶液(0.1M NaHCO3結合緩衝液pH8.2中) 50μlを、Maxi-Sorpプレートのウェルに添加し、4℃で一晩付着させた。プレ ートを上述の方法で洗い、ブロックした。階段希釈したイムノアフィニティー精 製PSMA50μlを、7E11-C5をコートしたウェルに添加し、室温で2時間インキュ ベートした。十分に洗った後、3D7-1.1あるいは4E10-1.14ハイブリドーマクロー ンから得た50μlの無希釈の組織培養上清をウェルに添加し、プレートを室温で 90分間インキュベートした。上述の方法で洗った後、ウェルを1:1000希釈のペル オキシダーゼを結合させたヤギ抗マウスIgM 50μlと反応させ、室温で1時間イ ンキュベートした。十分洗った後、ABTS/H2O2を100μl各ウェルに添加し、プレ ートをマイクロプレートリーダーで上述の方法で読み取った。 7.1.3 PSMA のイムノアフィニティーによる精製 パックされたLNCaP細胞16mlを、5倍容量の25mM Tris-HCl,pH7.4、150mM NaC l、1% NP-40中でPotter-Elvehjem型ホモジナイザーを2往復させてホモジナイズ した後、4℃で一晩攪拌した。抽出液を100,000×gで1時間遠心し、さらにペレ ットから初回同様に再抽出を行った。上清をあわせ、冷室で一晩7E11-C5-Immuno beads(Pierce)(3-5ml樹脂ベッド容積)と混合した。ビーズを遠心し、ホモジナイ ズ用緩衝液で十分洗い、カラムに注入した。ビーズを再度1%NP-40含有のホモジ ナイズ用緩衝液で洗った後、1%Triton X-100R含有の緩衝液で再度洗 った。洗浄後のビーズを100mMのグリシン緩衝液pH2.5、150mM NaCl、1% Triton X-100Rで溶出し、2ml画分を集めた。タンパク質の溶出はOD280でモニターした。 タンパク質を含有する画分をSDS-PAGEゲルで銀染色及びウエスタンブロッティ ング法を用いて分析した。典型的な調製物においては、ウエスタンブロッティン グ法で7E11-C5反応性の120kDaのタンパク質のバンドは60-80%の純度であった。 パックされた細胞16mlからのおよその収率は、PSMAタンパク質1mgであった。PSM A調製物中の界面活性剤は、溶液をExtractigelカラム(Pierce)に通すことによっ て除去した。 7.1.4 フローサイトメトリー分析 PSMAの外部つまり細胞外にあるエピトープに対するモノクローナル抗体の認識 能をフローサイトメトリーで評価した。LNCaP(PSMA発現)及びPC-3細胞(PSMA 非発現)を組織培養フラスコから新たに採取し、単細胞懸濁液を調製した。約10 0万個の細胞を、3D7-1.1あるいは4E10-1.14ハイブリドーマクローンから得た無 希釈組織培養上清1ml中に再懸濁し、氷上で2時間インキュベートした。細胞をP BS-0.1% BSA,0.01%アジ化ナトリウムで2回洗い、1:100希釈のFITCを結合させ たウサギ抗マウスIgM 100μl中に再懸濁し、氷上でさらに30分間インキュベー トした。細胞を上述の方法で2回洗い、500μlの洗浄用緩衝液に再懸濁し、蛍 光染色をFACSCalibur(Becton-Dickinson)を用い、CellQuest acquisitionソフト ウエアで分析した。 7.1.5 ウエスタンブロット分析 3D7-1.1及び4E10-1.14ハイブリドーマクローンから得た組織培養上清のPSMA反 応性をウエスタンブロット分析で調べた。ウエスタンブロット分析はPelleti erとBoyntonのプロトコール(1994,J.Cell.Physiol.158:427-434)に従って行 った。その概略は次のとおりである。LNCaP細胞及びPC-3細胞から得た溶解物、 イムノアフィニティー精製PSMA、あるいはバキュロウイルス発現完全長PSMAを8. 5% SDS-PAGEゲル上で電気泳動させ、分離したタンパク質をPVDF膜上に90ボルト で1時間電気的にブロッティングした。その膜を5% BLOTTO中で一晩ブロックし 、適切なクローンから得た無希釈組織培養上清20mlと90分間インキュベートした 。上清を除去し、ブロットをTBS-0.5% Tween-20(TBS-T)で5回洗い、1:5000希釈 のペルオキシダーゼを結合させたヤギ抗マウスIgM二次抗体(Jackson)と室温で1 時間反応させた。その膜をTBS-Tで5回洗い、Chemiluminescent Substrate Kit( KPL)を用いて展開し、X線フィルム(Kodak)に露光させることによって可視化し た。 7.1.6 バキュロウイルス発現系を用いた組換えPSMAの調製 PSMAの完全長コード配列(Israeliら,1993,CancerRes.53:227-230)を含むイ ンサートを、Lambda pDR2ヒトライブラリー(Clonetech)からその遺伝子配列に特 異的なプローブを用いてクローン化した。インサートはこのベクターからSmaI及 びSspI消化によって切り出し、トランスファーベクターpAcHLT-C(Pharmingen)中 に、製造者の説明書に従ってクローン化した。このトランスファーベクターとBa cPAK6直線化ウイルスDNA(Clonetech)の同時トランスフェクションは製造者の 説明書に従って行い、その結果、Ni-NTAカラムとの結合によってタンパク質単離 に用いうるポリヒスチジンテールをタンパク質のN末端に持つ完全長PSMAタンパ ク質をコードするウイルスが得られた。PSMAタンパク質を産生させるために、プ ラーク精製した組換えバキュロウイルス粒子を単離、増幅し、5%FBS(Hyclone)を 補給したSFM II培地(Gibco-BRI)の存在下でSf9細胞に、感染の多重度を約1:2と して感染させた。48時間インキュベーションした後、感染 細胞を採取し、1%CHAPSで溶解し、Ni-NTA-アガロース(Quiagen)を通し、製造者 の説明書に従ってイミダゾールで溶出させることにより回収した。最終産物を1L のPBSに対して3回透析した。 7.2 結果 PSMA含有前立腺癌細胞膜に対するモノクローナル抗体を作製した。LNCaP細胞 からイムノアフィニティー精製した天然PSMA、及びアミノ酸配列の1-175、134-4 37、438-750の領域に対応する細菌で発現させたPSMAの断片を用いて固相イムノ アッセイで、2種のハイブリドーマクローン、3D7-1.1及び4E10-1.14を選択した 。天然PSMAとの結合性において、3D7-1.1及び4E10-1.14ハイブリドーマクローン から得た上清は7E11-C5抗体と比肩しうるものであった(図9)。バックグラウン ドのBSAに対する非特異的結合は基本的には3種の抗体調製物とも同様であった 。 エピトープとの結合の特異性を調べると、7E11-C5モノクローナル抗体は、PSM AのN末端で細胞内ドメインに対応するアミノ酸断片1-175に結合した。3D7-1.1及 び4E10-1.14はこの断片に対して中等度の結合しか示さなかったが、これら2種 のモノクローナル抗体はPSMAのアミノ酸断片134-437(この断片はPSMAの細胞外 ドメインの一部である)に最も強い結合性を示した。この断片はPSM'の一部であ るので、これらの抗体はPSM'とも反応する。 さらに、3D7-1.1ハイブリドーマクローンから得た上清について、LNCaP細胞及 びPC-3細胞の溶解物、及びイムノアフィニティー精製PSMAに対してのウエスタン ブロット分析を行った。図10は3D7-1.1ハイブリドーマクローンがLNCaP細胞(レ ーン1)に存在する120kDaバンドとは反応するが、PC-3細胞(レーン2)とは反応し ないことを示している。レーン1及び2のどちらも、おそらくは二次抗体試薬の 非特異的結合のためと思われる反応性を示している。イムノアフィニ ティー精製PSMAを含むレーン3は3D7-1.1モノクローナル抗体と反応させたとき1 20kDaに主要なバンドを示している。同様なウエスタンブロットデータが、ブロ ットの非特異的バックグラウンドは3D7-1.1の場合よりはるかに大きいとはいえ 、4E10-1.14クローンの上清でも得られている。このように、3D7-1.1及び4E10-1 .14のどちらも、LNCaP細胞に存在する120kDaバンド及びイムノアフィニティー精 製PSMAと反応する。 バキュロウイルスで発現させた完全長のPSMAをSDS-PAGEゲル上で電気泳動し、 PVDF膜に電気的にブロッティングした。ブロットをMini-Protean II Multi-Scre en装置(Bio-Rad)に挿入し、各種の抗体調製物と反応させ、ウエスタンブロット として発現させた。図11は3D7-1.1及び4E10-1.14モノクローナル抗体が、7E11-C 5モノクローナル抗体が結合するのと同じバンドに対応するタンパク質のバンド と反応したことを示している。 LNCaP細胞及びPC-3細胞を3D7-1.1及び4E10-1.14ハイブリドーマクローンから 得た上清で染色し、フローサイトメトリーで分析した。2種の抗体のどちらも非 固定のLNCaP生細胞を染色したが、PC-3細胞は染色しなかった(図12A-D)。これら の結果から、2種の抗体がPSMA分子の細胞外ドメインのエピトープと反応するこ とを確認した。さらに、LNCaP染色において、3D7-1.1で見られたショルダーと比 較して、4E10-1.14モノクローナル抗体では明らかなシフトが認められたが、こ れは2種の抗体がPSMA分子の特定の領域の異なるエピトープを認識することを示 唆している。 PSMAのための二部位捕捉ELISA(two-site capture ELISA)を、7E11-C5モノクロ ーナル抗体をPSMA捕捉試薬として、3D7-1.1及び4E10-1.14モノクローナル抗体を レポーターあるいは検出抗体として用いて開発した。これらの抗体はPSMA分子の 異なるエピトープを認識するため(7E11-C5はN末端の6個のアミノ酸と反応し、 3D7-1.1及び4E10-1.14は134-475アミノ酸領域内の一つの配列と反 応する)、二部位捕捉アッセイにおいては効果的な組み合わせとなる。イムノア フィニティー精製PSMAを階段希釈したものを試験抗原として用いたとき、3D7-1. 1と4E10-1.14のどちらの上清も、7E11-C5をコートした96ウェルプレート上での 捕捉後、PSMAを検出し得た(図13)。さらに、LNCaP細胞及び***から精製したP SMA及びバキュロウイルスで発現させた完全長PSMAの粗調製物を試験した(図14) 。PSMA対照抗原、***、及びバキュロウイルスPSMA調製物では有意に大きいOD40 5 値が得られた。精製PSMAを正常ヒト女性の血清で希釈し、サンプルを二部位捕 捉アッセイで調べると、上記と同じ抗体がPSMAを検出した(図15)。PSMAの異なる 部分に対するモノクローナル抗体を用いて開発した二部位捕捉アッセイは多様な ソースから抗原特異的な様式でPSMAを検出した。 PSMA用の二部位捕捉ELISAとしてもう一つ別の方法を3D7-1.1モノクローナル抗 体をPSMA捕捉試薬として、7E11-C5モノクローナル抗体をレポーター又は検出試 薬として開発した。階段希釈したイムノアフィニティー精製PSMAを試験抗原とし て用い、3D7-1.1をコートしたプレートで捕捉させ、ビオチン化した7E11-C5モノ クローナル抗体を用いて検出した。結果は図16に示す。 図16は3D7-1.1や4E10-1.14などのPSMAの細胞外ドメインと特異的に結合するモ ノクローナル抗体が、PSMAの二部位捕捉ELISAに有用であることを示している。 PSMAの捕捉に3D7-1.1が有用であることは、PSMAタンパク質の細胞外ドメイン のみに依存したもう一つ別のイムノアッセイが使用しうることを示している。そ のような2種の細胞外ドメイン特異的抗体を捕捉及び検出に用いるアッセイは、 PSM'のエピトープのタンパク質内での位置からみてPSM'を検出しうるであろう。 7E11-C5を捕捉又は検出のどちらかに用いたアッセイはどんなものでも特異的にP SM'を除外する。PSM'に特異的なアッセイの1例としては、3D7-1.1又はPSMAの細 胞外ドメインに特異的なモノクローナル抗体のうちの1種の抗体をPSMA及 びPSM'の捕捉に用いて平行試験を行うものが挙げられる。それに引き続き、4E10 -1.14をPSMAとPSM'を合計したものの検出に用い、7E11-C5をPSMAのみの検出に用 いることにより、PSM'の量は単純な引き算によって得られる。このデータからPS M'とPSMAの比率が求められ、それはSuら(Cancer Res.55:1141-1443,1995)の観 点によれば診断に用いうるものとなろう。 SuはPSMAをコードする転写物が前立腺癌患者で選択的によく検出される(正常 男性と比べて)ことを示しているが、SuらはPSMA転写物がこれらの患者の体内で 実際にタンパク質に翻訳されているかどうかは示していない。さらに、SuはPSM' タンパク質を検出してはいないが、PSM'をコードする転写物が正常男性に選択的 によく検出される(前立腺癌患者に比べて)ことを示している。本発明者らは、 本出願において、PSMAタンパク質が前立腺癌患者の体の組織及び/又は体液中で (正常男性と比べ)増加していること、及びPSM'タンパク質が正常男性の体の組 織及び/又は体液中で(前立腺癌患者と比べ)増加していることを示している。 従って、本発明によれば、PSM'のPSMAに対する比は、前立腺癌患者の臨床的評価 にあたって、診断上及び/又は予後判定での有用性を有することとなるであろう 。 完全長PSMAのアミノ酸34-750に対応するPSMA断片を、バキュロウイルス発現系 で1.9kbのインサートとして発現させた。バキュロウイルスで発現させたPSMA断 片は、その断片のN末端からPSMA細胞外ドメインのさらに76アミノ酸が欠失して いることを除けば、PSM'(完全長PSMAの残基58-750に対応している)と非常に類 似している。各種のバキュロウイルス発現させた半精製PSMA断片及びLNCaP細胞 溶解物のウエスタンブロット分析を4E10-1.14モノクローナル抗体をプローブと して用いて行つた。結果を図17に示す。 1.9kbのPSMA断片(すなわち完全長PSMAのアミノ酸134-750)をコードするイン サートあるいは無関係のインサートのどちらかを含むバキュロウイルスを感 染させたSF9細胞の粗溶解物のウエスタンブロット分析を、7E11-C5モノクローナ ル抗体をプローブとして行った。結果を図18に示す。 図17は、PSMAの細胞外ドメインに特異的な4E10-1.14などの抗体が、PSM'に非 常に類似したバキュロウイルス発現タンパク質にも結合しうることを示している 。これに対して図18は、7E11-C5モノクローナル抗体はそのエピトープ特異性の 故にそのような性質を有していないことを示している(図18に示すようにバキュ ロウイルス発現PSMA断片と7E11-C5との陰性の反応性に注目されたい)。バキュ ロウイルス発現PSMA断片は、N末端から追加の76アミノ酸(その全てが細胞外ド メインにある)が欠失していることを除けばPSM'(完全長PSMAのアミノ酸58-750 に対応)と同一である。3D7-1.1及び4E10-1.14のエピトープ特異性は、PSM'及び PSMAの134-750アミノ酸断片(図9参照)のいずれにも含まれる細胞外ドメイン の領域にマップされるので、これらの抗体が双方とも天然のPSM'と結合する固有 の特性を持っているであろうと考えられ、これは7E11-C5には無いものである。 LNCaP細胞由来のPSMA、及びPSMAを含むことが知られたヒト血清及び***のウ エスタンブロットのプローブとして3D7-1.1モノクローナル抗体を用いた。結果 を図19に示す。 約120Kdに移動するPSMAに対応するバンドが全画分に存在した。さらに、抗体3 D7-1.1で現出させた場合には、血清及び***中に、2番目に速く移動する分子量 90から100Kdのバンドが認められた。この速く移動するバンドは血清を7E11-C5抗 体を用いた場合のウエスタンブロットには認められなかった(Holmesら,The Pr ostate,Supple.7:25-29(1996)参照)。この速く移動する、3D7-1.1と反応する タンパク質のバンドはおそらく体液中に存在するPSM'であろう。 8.細胞系の寄託 次のハイブリドーマ細胞系は1996年3月12日、及び1997年3月11日にAmerican Type Culture Collection,12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland 2085 2,U.S.A.に寄託され、下記の受託番号の指定を受けた。ハイブリドーマ ATCC 受託番号 3F5.4G6 HB12060 3D7-1.1 HB12309 4E10-1.14 HB12310 本発明は、本発明の個々の態様の説明を意図して例示した実施態様に示される 範囲に限定されるものではない。事実、ここに示し、記述した事柄に加えて本発 明に種々の改変を加えることは、上記の詳細な説明及び添付図面から当業者であ れば自明なことであろう。そのような改変は本発明の特許請求の範囲に包含され るものとする。 本明細書中に引用された全ての公表文献は参照としてその全文を本明細書中に 組み込むこととする。 国際出願番号:PCT/ PCT/RO/134 (続き) アメリカン タイプ カルチャー コレクション アメリカ合衆国 20852 メリーランド州 ロックビル,パークローン ドライブ 12301受託番号 寄託日 HB−12309 1997年 3月11日 HB−12310 1997年 3月11日
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 C07K 16/30 C07K 16/30 G01N 33/53 D C12N 5/10 33/577 B G01N 33/53 C12N 5/00 B 33/577 A61K 43/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CU, CZ,EE,GE,GH,HU,IL,IS,JP,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LT,LV ,MD,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL, RO,RU,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,T T,UA,UZ,VN,YU (72)発明者 ホルムス,エリック,エイチ. アメリカ合衆国 98021 ワシントン州, ボセル,212ティーエイチストリート エ ス.イー.4116 (72)発明者 ティノ,ウィリアム,ティー. アメリカ合衆国 98052 ワシントン州, レッドモンド,エヌ.イー.106ティーエ イチ ストリート 16115

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.前立腺特異的膜抗原(PSMA)の細胞外ドメインに対して特異的な抗原結合領 域を有するモノクローナル抗体。 2.PSMAの細胞外ドメインが図1(配列番号2)に示した残基番号44から750ま でのアミノ酸配列を含んでなる、請求項1に記載の抗体。 3.アミノ酸配列ESKVDPSK(配列番号1)に結合する、請求項2に記載の抗体。 4.前記抗体の抗原結合領域がATCC受託番号HB12060を有するハイブリドーマ3F 5.4G6により産生されたモノクローナル抗体のその標的エピトープへの免疫特 異的結合を競合的に阻害する、請求項3に記載の抗体。 5.前記抗体の抗原結合領域がATCC受託番号HB12309を有するハイブリドーマ3D 7-1.1により産生されたモノクローナル抗体のその標的エピトープへの免疫特 異的結合を競合的に阻害する、請求項1に記載の抗体。 6.前記抗体の抗原結合領域がATCC受託番号HB12310を有するハイブリドーマ4E 10-1.14により産生されたモノクローナル抗体のその標的エピトープへの免疫 特異的結合を競合的に阻害する、請求項1に記載の抗体。 7.ATCC受託番号HB12060を有するハイブリドーマ細胞系。 8.ATCC受託番号HB12309を有するハイブリドーマ細胞系。 9.ATCC受託番号HB12310を有するハイブリドーマ細胞系。 10.生物学的検体中のPSMAの存在を検出する方法であって、検体をPSMAの細胞外 ドメインに対して特異的な抗原結合領域を有するモノクローナル抗体と接触さ せ、該抗体に結合したPSMAを検出することを含んでなる方法。 11.前記抗体の抗原結合領域がATCC受託番号HB12060を有するハイブリドーマ3F 5.4G6により産生されたモノクローナル抗体のその標的エピトープへの免疫特 異的結合を競合的に阻害する、請求項10に記載の方法。 12.前記抗体の抗原結合領域がATCC受託番号HB12309を有するハイブリドーマ3D 7-1.1により産生されたモノクローナル抗体のその標的エピトープへの免疫特 異的結合を競合的に阻害する、請求項10に記載の方法。 13.前記抗体の抗原結合領域がATCC受託番号HB12310を有するハイブリドーマ 4E10-1.14により産生されたモノクローナル抗体のその標的エピトープへの免 疫特異的結合を競合的に阻害する、請求項10に記載の方法。 14.前記検体が生検材料である、請求項10に記載の方法。 15.前記検体が体液である、請求項10に記載の方法。 16.前記体液が全血である、請求項15に記載の方法。 17.前記体液が血清である、請求項15に記載の方法。 18.前記体液が***である、請求項15に記載の方法。 19.前記検体が尿または尿中の細胞である、請求項10に記載の方法。 20.前記抗体に結合したPSMAの検出を、PSMAに特異的な二次抗体により行う、請 求項10に記載の方法。 21.前記抗体に結合したPSMAの検出を、PSMAの酵素活性により行う、請求項10に 記載の方法。 22.前記酵素活性がNAALADaseの活性である、請求項21に記載の方法。 23.NAALADase活性がNAD(P)Hの増加により検出される、請求項22に記載の方法。 24.癌細胞により発現されたPSMAの存在を検出する方法であって、細胞のサンプ ルをPSMAの細胞外ドメインに対して特異的な抗原結合領域を有するモノクロー ナル抗体と接触させ、該抗体に結合したPSMAを検出することを含んでなる方法 。 25.前記抗体の抗原結合領域がATCC受託番号HB12060を有するハイブリドーマ3F 5.4G6により産生されたモノクローナル抗体のその標的エピトープへの免疫特 異的結合を競合的に阻害する、請求項24に記載の方法。 26.前記抗体の抗原結合領域がATCC受託番号HB12309を有するハイブリドーマ3D 7-1.1により産生されたモノクローナル抗体のその標的エピトープへの免疫特 異的結合を競合的に阻害する、請求項24に記載の方法。 27.前記抗体の抗原結合領域がATCC受託番号HB12310を有するハイブリドーマ4E 10-1.14により産生されたモノクローナル抗体のその標的エピトープへの免疫 特異的結合を競合的に阻害する、請求項24に記載の方法。 28.癌細胞が患者の体内にある、請求項24に記載の方法。 29.前記抗体がラジオアイソトープに結合されている、請求項24に記載の方法。 30.ATCC受託番号HB12060を有するハイブリドーマ3F5.4G6により産生されたモ ノクローナル抗体のその標的エピトープへの免疫特異的結合を競合的に阻害す る、モノクローナル抗体の抗原結合部位をコードする単離されたヌクレオチド 配列。 31.ATCC受託番号HB12309を有するハイブリドーマ3D7-1.1により産生されたモノ クローナル抗体のその標的エピトープへの免疫特異的結合を競合的に阻害する 、モノクローナル抗体の抗原結合部位をコードする単離されたヌクレオチド配 列。 32.ATCC受託番号HB12310を有するハイブリドーマ4E10-1.14により産生されたモ ノクローナル抗体のその標的エピトープへの免疫特異的結合を競合的に阻害す る、モノクローナル抗体の抗原結合部位をコードする単離されたヌクレオチド 配列。 33.ATCC受託番号HB12060を有するハイブリドーマにより産生されるモノクロー ナル抗体の抗原結合部位をコードする単離されたヌクレオチド配列。 34.ATCC受託番号HB12309を有するハイブリドーマにより産生されるモノクロー ナル抗体の抗原結合部位をコードする単離されたヌクレオチド配列。 35.ATCC受託番号HB12310を有するハイブリドーマにより産生されるモノクロー ナル抗体の抗原結合部位をコードする単離されたヌクレオチド配列。 36.図l(配列番号2)に示した残基番号58から750までのアミノ酸配列からな る単離されたタンパク質。 37.生物学的検体中のPSM'タンパク質の存在を検出する方法であって、該検体を PSMAの細胞外ドメインに対して特異的な抗原結合領域を有するモノクローナル 抗体と接触させ、該抗体に結合したPSM'を検出することを含んでなる方法。 38.前記抗体の抗原結合領域がATCC受託番号HB12060を有するハイブリドーマ3F 5.4G6により産生されたモノクローナル抗体のその標的エピトープへの免疫特 異的結合を競合的に阻害する、請求項37に記載の方法。 39.前記抗体の抗原結合領域がATCC受託番号HB12309を有するハイブリドーマ3D 7-1.1により産生されたモノクローナル抗体のその標的エピトープへの免疫特 異的結合を競合的に阻害する、請求項37に記載の方法。 40.前記抗体の抗原結合領域がATCC受託番号HB12310を有するハイブリドーマ 4E10-1.14により産生されたモノクローナル抗体のその標的エピトープへの免 疫特異的結合を競合的に阻害する、請求項37に記載の方法。 41.前記検体が生検材料である、請求項37に記載の方法。 42.前記検体が体液である、請求項37に記載の方法。 43.前記体液が全血である、請求項42に記載の方法。 44.前記体液が血清である、請求項42に記載の方法。 45.前記体液が***である、請求項42に記載の方法。 46.前記検体が尿または尿中の細胞である、請求項37に記載の方法。 47.前記抗体に結合したPSM'の検出を、PSM'に特異的な二次抗体により行う、請 求項37に記載の方法。 48.前記抗体に結合したPSM'の検出を酵素活性により行う、請求項47に記載の方 法。 49.前記酵素活性がNAALADaseの活性である、請求項48に記載の方法。 50.NAALADase活性がNAD(P)Hの増加により検出される、請求項49に記載の方法。 51.生物学的検体中のPSM'タンパク質の存在を検出する方法であって、該検体を 基質と接触させ、該検体における酵素活性を測定することを含んでなる方法。 52.前記検体が生検材料である、請求項51に記載の方法。 53.前記検体が体液である、請求項51に記載の方法。 54.前記体液が全血である、請求項53に記載の方法。 55.前記体液が血清である、請求項53に記載の方法。 56.前記体液が***である、請求項53に記載の方法。 57.前記検体が尿または尿中の細胞である、請求項51に記載の方法。 58.前記酵素活性がNAALADaseの活性である、請求項51に記載の方法。 59.NAALADase活性がNAD(P)Hの増加により検出される、請求項51に記載の方法。 60.前立腺癌の患者に、前立腺特異的膜抗原の細胞外ドメインに対して特異的な 抗原結合領域を有するモノクローナル抗体を有効な量で投与することを含んで なる、前立腺癌の治療方法。 61.前記抗体の抗原結合領域がATCC受託番号HB12060を有するハイブリドーマ3F 5.4G6により産生されたモノクローナル抗体のその標的エピトープへの免疫 特異的結合を競合的に阻害する、請求項60に記載の方法。 62.前記抗体の抗原結合領域がATCC受託番号HB12309を有するハイブリドーマ3D 7-1.1により産生されたモノクローナル抗体のその標的エピトープへの免疫特 異的結合を競合的に阻害する、請求項60に記載の方法。 63.前記抗体の抗原結合領域がATCC受託番号HB12310を有するハイブリドーマ4E 10-1.14により産生されたモノクローナル抗体のその標的エピトープへの免疫 特異的結合を競合的に阻害する、請求項60に記載の方法。 64.前記抗体が薬剤と結合している、請求項60に記載の方法。 65.前記抗体がトキシンと結合している、請求項60に記載の方法。 66.前記抗体がラジオアイソトープと結合している、請求項60に記載の方法。 67.前記のモノクローナル抗体が二重特異的抗体であり、殺腫瘍または腫瘍抑制 活性を有するエフェクター細胞に対して特異的な抗原結合領域をさらに含む、 請求項60に記載の方法。 68.請求項1に記載のモノクローナル抗体またはその結合性断片を含んでなる、 前立腺癌を診断、予後判定またはモニターするためのキット。 69.請求項2に記載のモノクローナル抗体またはその結合性断片を含んでなる、 前立腺癌を診断、予後判定またはモニターするためのキット。 70.請求項3に記載のモノクローナル抗体またはその結合性断片を含んでなる、 前立腺癌を診断、予後判定またはモニターするためのキット。 71.請求項4に記載のモノクローナル抗体またはその結合性断片を含んでなる、 前立腺癌を診断、予後判定またはモニターするためのキット。 72.前記抗体またはその断片が水性媒体中にまたは凍結乾燥形態でパッケージさ れている、請求項67、68、69または70に記載のキット。 73.PSMAに特異的な二次抗体をさらに含む、請求項67、68、69または70に記載の キット。 74.グルタミン酸デヒドロゲナーゼをさらに含む、請求項67、68、69または70に 記載のキット。
JP53466797A 1996-03-25 1997-03-25 前立腺特異的膜抗原の細胞外ドメインに対して特異的なモノクローナル抗体 Expired - Lifetime JP4295826B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US62139996A 1996-03-25 1996-03-25
US08/621,399 1996-03-25
PCT/US1997/005214 WO1997035616A1 (en) 1996-03-25 1997-03-25 Monoclonal antibodies specific for the extracellular domain of prostate specific membrane antigen

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2001503601A true JP2001503601A (ja) 2001-03-21
JP2001503601A5 JP2001503601A5 (ja) 2004-12-02
JP4295826B2 JP4295826B2 (ja) 2009-07-15

Family

ID=24490004

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP53466797A Expired - Lifetime JP4295826B2 (ja) 1996-03-25 1997-03-25 前立腺特異的膜抗原の細胞外ドメインに対して特異的なモノクローナル抗体

Country Status (10)

Country Link
EP (1) EP0914155B1 (ja)
JP (1) JP4295826B2 (ja)
AT (1) ATE318147T1 (ja)
AU (1) AU725583B2 (ja)
CA (1) CA2250141C (ja)
DE (1) DE69735294T2 (ja)
DK (1) DK0914155T3 (ja)
ES (1) ES2260788T3 (ja)
IL (1) IL126314A (ja)
WO (1) WO1997035616A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002308900A (ja) * 2001-04-04 2002-10-23 Dai Ichi Pure Chem Co Ltd 抗ヒト肝性トリグリセリドリパーゼ抗体
JP2005524385A (ja) * 2001-07-19 2005-08-18 パーラン セラピューティクス, インコーポレイテッド Icam−1に対するヒト化抗体、それらの生成および使用
JP2008541711A (ja) * 2005-05-27 2008-11-27 ユニベルシテーツクリニクム フライブルグ 細胞表面の前立腺特異的膜抗原に対するモノクローナル抗体および単鎖抗体フラグメント
JP2022025130A (ja) * 2015-07-31 2022-02-09 リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド 抗psma抗体、psma及びcd3と結合する二重特異性抗原結合分子、ならびにその使用

Families Citing this family (49)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7105159B1 (en) 1992-11-05 2006-09-12 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Antibodies to prostate-specific membrane antigen
US6953668B1 (en) 1992-11-05 2005-10-11 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Prostate-specific membrane antigen
US7070782B1 (en) 1992-11-05 2006-07-04 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Prostate-specific membrane antigen
US6569432B1 (en) 1995-02-24 2003-05-27 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Prostate-specific membrane antigen and uses thereof
US7037647B1 (en) 1995-02-24 2006-05-02 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Prostate-specific membrane antigen and uses thereof
US7381407B1 (en) 1996-03-25 2008-06-03 Medarex, Inc. Monoclonal antibodies specific for the extracellular domain of prostate-specific membrane antigen
US6150508A (en) * 1996-03-25 2000-11-21 Northwest Biotherapeutics, Inc. Monoclonal antibodies specific for the extracellular domain of prostate-specific membrane antigen
US6962981B1 (en) 1996-03-25 2005-11-08 Medarex, Inc. Monoclonal antibodies specific for the extracellular domain of prostate-specific membrane antigen
US6107090A (en) 1996-05-06 2000-08-22 Cornell Research Foundation, Inc. Treatment and diagnosis of prostate cancer with antibodies to extracellur PSMA domains
US6136311A (en) 1996-05-06 2000-10-24 Cornell Research Foundation, Inc. Treatment and diagnosis of cancer
US6207805B1 (en) 1997-07-18 2001-03-27 University Of Iowa Research Foundation Prostate cell surface antigen-specific antibodies
GB2328871A (en) * 1997-09-05 1999-03-10 Merck & Co Inc Compositions for inhibiting platelet aggregation
WO1999043710A1 (en) * 1998-02-26 1999-09-02 Beckman Coulter, Inc. Prostate-specific membrane antigens and methods of making and using
EP2080802B1 (en) * 1998-06-01 2017-03-29 Agensys, Inc. Novel serpentine transmembrane antigens expressed in human cancers and uses thereof
SE9900495D0 (sv) * 1999-02-12 1999-02-12 Pharmatrix Ab Vaccine composition
WO2000050457A1 (en) * 1999-02-22 2000-08-31 Beckman Coulter, Inc. Prostate-specific membrane antigens and methods of making and using
EP1710256A1 (en) * 1999-07-29 2006-10-11 Medarex, Inc. Human monoclonal antibodies to prostate specific membrane antigen
EP1210374B1 (en) * 1999-07-29 2006-10-11 Medarex, Inc. Human monoclonal antibodies to prostate specific membrane antigen
FR2797743B1 (fr) * 1999-08-23 2003-08-08 Urogene Lignee cellulaire prostatique et son utilisation pour l'obtention d'une tumeur prostatique etablie chez l'animal
WO2001019956A2 (en) * 1999-09-13 2001-03-22 Bander Neil H A method for isolation of prostatic epithelial cells from semen
EP2277542B1 (en) 2001-06-01 2014-04-16 Cornell Research Foundation Inc. Modified antibodies to prostrate-specific membrane antigen and uses thereof
AU2002305767B2 (en) 2001-09-20 2008-04-10 Cornell Research Foundation, Inc. Methods and compositions for treating and preventing skin disorders using binding agents specific for PSMA
AU2002356844C1 (en) 2001-10-23 2010-03-04 Amgen Fremont Inc. PSMA antibodies and protein multimers
US20050215472A1 (en) 2001-10-23 2005-09-29 Psma Development Company, Llc PSMA formulations and uses thereof
US20040161776A1 (en) * 2001-10-23 2004-08-19 Maddon Paul J. PSMA formulations and uses thereof
ATE408712T1 (de) 2003-01-10 2008-10-15 Millennium Pharm Inc Verfahren zur bestimmung des wiederauftretens von prostata krebs
EP1851251A2 (en) 2005-02-18 2007-11-07 Medarex, Inc. Monoclonal antibodies against prostate specific membrane antigen (psma) lacking in fucosyl residues
JP2009509510A (ja) 2005-09-26 2009-03-12 メダレックス インコーポレーティッド Cd70に対するヒトモノクローナル抗体
ES2363891T3 (es) 2006-03-20 2011-08-18 The Regents Of The University Of California Anticuerpos contra el antígeno de células troncales de la próstata (psca) modificados genéticamente para el direccionamiento al cáncer.
WO2009032949A2 (en) 2007-09-04 2009-03-12 The Regents Of The University Of California High affinity anti-prostate stem cell antigen (psca) antibodies for cancer targeting and detection
EP2255188B1 (en) * 2008-02-29 2016-08-24 Imec Biosensor for the detection of neurotransmitters
DK2326350T3 (da) 2008-09-08 2013-12-16 Psma Dev Company L L C Forbindelser til at dræbe psma-udtrykkende, taxanresistente cancerceller
EP2398504B1 (en) 2009-02-17 2018-11-28 Cornell Research Foundation, Inc. Methods and kits for diagnosis of cancer and prediction of therapeutic value
WO2011069019A2 (en) 2009-12-02 2011-06-09 David Ho J591 minibodies and cys-diabodies for targeting human prostate specific membrane antigen (psma) and methods for their use
TWI636793B (zh) 2011-04-21 2018-10-01 西雅圖遺傳學公司 新穎結合劑-藥物接合物(ADCs)及其用途(二)
CA2833019A1 (en) 2011-04-22 2012-10-26 Emergent Product Development Seattle, Llc Prostate-specific membrane antigen binding proteins and related compositions and methods
BR112016014830A2 (pt) 2013-12-23 2017-09-19 Bayer Pharma AG Conjugados de fármaco de anticorpo (adcs) com inibidores de ksp
CA2990076A1 (en) 2015-06-22 2016-12-29 Bayer Pharma Aktiengesellschaft Antibody drug conjugates (adcs) and antibody prodrug conjugates (apdcs) with enzymatically cleavable groups
KR20180050321A (ko) 2015-08-07 2018-05-14 이미지냅 인코포레이티드 분자를 표적화하기 위한 항원 결합 구조체
WO2017053469A2 (en) 2015-09-21 2017-03-30 Aptevo Research And Development Llc Cd3 binding polypeptides
WO2017060322A2 (en) 2015-10-10 2017-04-13 Bayer Pharma Aktiengesellschaft Ptefb-inhibitor-adc
SG11201808167VA (en) 2016-03-24 2018-10-30 Bayer Pharma AG Prodrugs of cytotoxic active agents having enzymatically cleavable groups
US11001636B2 (en) 2016-06-15 2021-05-11 Bayer Pharma Aktiengesellschaft Specific antibody-drug-conjugates (ADCs) with KSP inhibitors and anti-CD123-antibodies
IL310558A (en) 2016-12-21 2024-03-01 Bayer Pharma AG Drug-antibody conjugates with enzymatically cleavable groups
WO2018114804A1 (de) 2016-12-21 2018-06-28 Bayer Pharma Aktiengesellschaft Spezifische antikörper-wirkstoff-konjugate (adcs) mit ksp-inhibitoren
KR20190099250A (ko) 2016-12-21 2019-08-26 바이엘 악티엔게젤샤프트 효소적으로 절단가능한 기를 갖는 세포독성 활성제의 전구약물
KR20200130709A (ko) 2018-03-06 2020-11-19 더 트러스티스 오브 더 유니버시티 오브 펜실바니아 전립선-특이 막 항원 car 및 이의 사용 방법
CA3103936A1 (en) * 2018-06-18 2019-12-26 Eureka Therapeutics, Inc. Constructs targeting prostate-specific membrane antigen (psma) and uses thereof
HUE061078T2 (hu) 2018-07-31 2023-05-28 Heidelberg Pharma Res Gmbh PSMA elleni humanizált ellenanyagok

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69334071T2 (de) * 1992-11-05 2007-10-25 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Prostata-spezifisches membranantigen
US5541087A (en) * 1994-09-14 1996-07-30 Fuji Immunopharmaceuticals Corporation Expression and export technology of proteins as immunofusins
US7037647B1 (en) * 1995-02-24 2006-05-02 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Prostate-specific membrane antigen and uses thereof

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002308900A (ja) * 2001-04-04 2002-10-23 Dai Ichi Pure Chem Co Ltd 抗ヒト肝性トリグリセリドリパーゼ抗体
JP2005524385A (ja) * 2001-07-19 2005-08-18 パーラン セラピューティクス, インコーポレイテッド Icam−1に対するヒト化抗体、それらの生成および使用
JP2008541711A (ja) * 2005-05-27 2008-11-27 ユニベルシテーツクリニクム フライブルグ 細胞表面の前立腺特異的膜抗原に対するモノクローナル抗体および単鎖抗体フラグメント
JP2012197278A (ja) * 2005-05-27 2012-10-18 Universitaetsklinikum Freiburg 細胞表面の前立腺特異的膜抗原に対するモノクローナル抗体および単鎖抗体フラグメント
JP2014141491A (ja) * 2005-05-27 2014-08-07 Universitaetsklinikum Freiburg 細胞表面の前立腺特異的膜抗原に対するモノクローナル抗体および単鎖抗体フラグメント
JP2016190839A (ja) * 2005-05-27 2016-11-10 ユニベルシテーツクリニクム フライブルグ 細胞表面の前立腺特異的膜抗原に対するモノクローナル抗体および単鎖抗体フラグメント
JP2022025130A (ja) * 2015-07-31 2022-02-09 リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド 抗psma抗体、psma及びcd3と結合する二重特異性抗原結合分子、ならびにその使用
JP7271637B2 (ja) 2015-07-31 2023-05-11 リジェネロン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド 抗psma抗体、psma及びcd3と結合する二重特異性抗原結合分子、ならびにその使用

Also Published As

Publication number Publication date
EP0914155A1 (en) 1999-05-12
EP0914155B1 (en) 2006-02-22
AU2555297A (en) 1997-10-17
IL126314A (en) 2003-07-31
DE69735294T2 (de) 2006-09-21
IL126314A0 (en) 1999-05-09
ATE318147T1 (de) 2006-03-15
ES2260788T3 (es) 2006-11-01
DE69735294D1 (de) 2006-04-27
DK0914155T3 (da) 2006-06-26
EP0914155A4 (en) 2001-05-16
WO1997035616A1 (en) 1997-10-02
CA2250141C (en) 2008-07-29
JP4295826B2 (ja) 2009-07-15
CA2250141A1 (en) 1997-10-02
AU725583B2 (en) 2000-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001503601A (ja) 前立腺特異的膜抗原の細胞外ドメインに対して特異的なモノクローナル抗体
JP4229591B2 (ja) 前立腺特異的膜抗原の細胞外ドメインに対して特異的なモノクローナル抗体
US7201900B2 (en) Monoclonal antibodies specific for the extracellular domain of prostate-specific membrane antigen
US7476513B2 (en) Monoclonal antibody specific for the extracellular domain of prostate specific membrane antigen
JP5028635B2 (ja) Fzd10に対する腫瘍標的化モノクローナル抗体とその使用
JP4813661B2 (ja) 癌を診断するための方法および組成物
JPH10505749A (ja) ヒトの結腸がん腫結合抗原に対するモノクローナル抗体とその用法
US20030082188A1 (en) Treatment of prostate cancer by inhibitors of NCAM2
AU1424801A (en) Antobody to human gastrointestinal epithelial tumor antigen related to alpha 6 beta 4 integrin
JP5847755B2 (ja) 細胞を検出する方法、およびこれに有用な薬剤
KR100249294B1 (ko) 사람 mdr1 다중약물 내성 유전자 생성물에 대한 단클론성 항체, 및 그것의 사용방법
WO2012008494A1 (ja) 子宮体がんの検査方法、子宮体がんの検査薬、並びに子宮体がん抗原に対する抗体
JPH08506801A (ja) Cd44エキソン6に対応するペプチド、そのペプチドに特異的な抗体、および、腫瘍診断にそれらの抗体を使用する方法
JP2020532572A (ja) 癌の診断に有用な抗体
JPH08280383A (ja) 細胞核の増殖関連抗原に対するモノクローナル抗体の作製方法
CA2342963A1 (fr) Anticorps monoclonaux anti-proteine ozf et leurs applications dans le domaine diagnostic et therapeutique

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040325

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040325

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20040514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070306

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070606

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080805

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20081127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090324

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090413

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120417

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120417

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130417

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130417

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140417

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term