JP2001503396A - 治療用リポソーム組成物および方法 - Google Patents

治療用リポソーム組成物および方法

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Abstract

(57)【要約】 哺乳動物被験体のためのリポソームベースの治療法が開示されている。この方法は、この治療が目指す生物学的表面に特異的に結合するのに有効な親和性部分、およびこの標的表面との相互作用からこの親和性部分を遮蔽するのに有効な親水性重合体コーティングを含む外面を有するリポソームを使用する。この親水性重合体コーティングは、遊離可能結合によってこのリポソーム中の表面脂質成分に共有結合された重合体鎖から構成されている。所望のリポソームの生体内分布が達成された後、遊離剤が投与されて、このリポソーム中の遊離可能結合の実質的部分の切断が起こり、この親水性試薬がこの標的表面に露出される。

Description

【発明の詳細な説明】 治療用リポソーム組成物および方法発明の分野 本発明は、送達ビヒクルとして、リポソーム外面上に親和性部分を有するリポ ソームを使用する治療用組成物および方法に関する。この部分は、親水性重合体 の表面コーティングにより、このリポソームが、この表面コーティングを取り除 くのに効果的な遊離剤と接触するまで、遮蔽されている。参考文献 発明の背景 リポソームは、種々の治療目的、特に、リポソームの全身投与によって治療剤 を標的細胞に運ぶのに使用される。 リポソームを全身投与する場合、リポソームを、親水性薬剤、例えば、親水性 重合体鎖(例えば、ポリエチレングリコール)でコーティングして、リポソームの 血液循環寿命を延ばすのが望ましい。リポソームが注射部位から標的領域、細胞 または部位に到達するには、しばしば、長い循環時間が必要である。 このような長期循環リポソーム、すなわち、親水性重合体鎖(例えば、ポリエ チレングリコール(PEG)鎖)の表面コーティングを有するリポソームを標的化に使 用することが提案されている(Allenら、1995年;DeFreesら、1996年;Blumeら、 1993年;Klibanovら、1992年;Woodle、1991年;Zalipsky、1993年;Zalipsky、 1994年;Zalipsky、1995年)。1つのアプローチでは、リポソームを標的化する リガンド(例えば、抗体)が、このリポソームを形成する脂質の極性ヘッド基に結 合している。このアプローチの問題点は、このリガンドが、このPEG鎖で被覆さ れていて、リガンドの標的との相互作用を妨害し、標的剤としてのその有効性を 低下させることにある。 別のアプローチでは、この標的リガンドは、この親水性重合体コーティングを 形成するPEG鎖の遠位端に結合される(Klibanovら、1992年;Kirpotinら、1992年 )。このアプローチは、標的化を改善するものの、その標的部分がさらに露出さ れるので、このアプローチは、このPEG鎖がリポソームを安定化するように作用 して、標的部位でのリポソーム内容物の遊離を困難にする点、および結合部分が 、親水性重合体鎖の表面コーティングにより得られる長い血液循環寿命を損ない 得る点で、欠点がある(Klibanovら、1992年)。 種々の理由のために、リポソームに結合した標的部分の全てまたは少なくとも 一部を、リポソームの所望の生体内分布が達成されるまで遮蔽することが望まれ 得る。高密度の部分が望ましい場合、そして全ての標的部分がリポソーム表面で 露出状熊にある場合、これらの部分の存在は、リポソームの血液循環時間を制限 し得る。遮蔽を解かれた標的部分の別の問題点には、この部分が、所望の生体内 分布に達する前に、非標的表面または細胞にリポソームを導き得ることである。 従って、親和性部分(例えば、標的部分)を含む治療用リポソーム組成物であっ て、これらの部分の全部または少なくとも一部が最初は標的表面との相互作用か ら遮蔽されているが、所望の生体内分布に達する場合、遮蔽を解かれ得る組成物 を提供することが望ましい。発明の要旨 1局面では、本発明は、哺乳動物被験体のためのリポソームベースの治療法を 含み、この方法は、被験体に、(i)治療が目指す標的表面に特異的に結合するの に効果的な親和性部分、および(ii)標的表面との相互作用から親和性部分を遮蔽 するのに効果的な親水性重合体コーティングを含む外面を有するリポソームを全 身投与することを包含する。この親水性重合体コーティングは、遊離可能な結合 によって、このリポソーム中の表面脂質成分と共有結合した重合体鎖から構成さ れる。投与したリポソームは、リポソームの所望の生体内分布が達成されるまで 、全身的に循環され、次いで、遊離剤は、投与したリポソーム中の遊離可能結合 の実質的部分を遊離するのに有効な量で、この被験体に、投与され、それにより 、この親和性試薬がこの標的表面に曝露される。 この方法の1実施態様では、この遊離可能結合は、還元可能な化学結合(例え ば、ジスルフィド結合、エステル結合またはペプチド結合)である。好ましい実 施態様では、この遊離可能結合は、ジスルフィド結合であり、この遊離剤は、シ ステイン、グルタチオンまたはアスコルベートである。 別の実施態様では、この遊離可能結合は、pH感受性結合、熱感受性結合または 光感受性結合である。 このリポソーム表面コーティングを形成する親水性重合体は、ポリビニルピロ リドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリメチルオキサゾリン、ポリエチルオキ サゾリン、ポリヒドロキシプロピルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピル-メ タクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリジメチル-アクリルアミド、ポリ ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒド ロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコー ルおよびポリアスパルトアミドからなる群から選択される。 好ましい実施態様では、この親水性重合体鎖は、500〜10,000ダルトンの範囲 の分子量を有するポリエチレングリコール鎖である。 1実施態様では、標的領域に治療剤を投与する場合には、この親和性部分は、 この標的領域において、レセプターと特異的に結合するのに有効なリガンドであ り、そしてこのリポソームは、捕捉された(entrapped)形態で、この治療剤を含 む。 この実施態様の一例には、固形腫瘍の処置があり、この場合、この親和性部分 は、腫瘍特異的な抗原に特異的に結合するのに効果的であり、そしてこのリポソ ームは、30〜400nmの間の平均サイズを有し、捕捉された薬物を含有し、この遊 離剤は、このリポソームがこの腫瘍に遊出した後、この被験体に投与される。 別の実施態様では、本発明の方法は、炎症部位における処置用であり、ここで 、この親和性部分は、感染細胞に特異的に結合するのに効果的であり、そしてこ のリポソームは、30〜400nmの間の平均サイズを有し、そして捕捉された治療剤 を運び、そしてこの遊離剤は、このリポソームがこの炎症部位で遊出した後、投 与される。 別の実施態様では、この親和性部分は、病原性細胞結合事象、すなわち、第一 結合メンバー(例えば、血流中の病原菌または細胞)と第二結合メンバー(例えば 、標的細胞または細胞マトリックス)との間の結合を阻害できるポリペプチドま たは多糖類エフェクター分子である。好ましくは、この分子は、以下のうちの1 個である: (a)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による感染に対して、被験体を処置するのに使 用するためのCD4糖タンパク質: (c)好中球の漸増および組織浸潤に関連した炎症を処置する際に使用するため の、内皮白血球接着分子(ELAM)に結合する多糖類; (d)被験体の敗血症性ショックを処置するためのポリミキシンBまたはポリミ キシンBデカペプチド;または (e)ペプチド。 好ましい実施熊様では、この方法は、被験体の敗血症性ショックを処置する際 に使用し、この親和性部分は、ポリミキシンBである。 他の局面では、本発明は、被験体を親和性部分で治療する際に使用するリポソ ーム組成物を包含し、この親和性部分は、第一結合メンバー(これは、血流中の 病原菌または細胞である)と第二結合メンバー(これは、標的細胞または細胞マト リックスである)との間の結合を阻害できる。このリポソームは、(i)遊離可能な 結合によって、このリポソーム中の表面脂質成分と共有結合した重合体鎖から構 成される親水性重合体コーティング、および(ii)このリポソームの外面に結合し た親和性部分を含む外面を有し、その結果、この親和性部分は、この親水性重合 体コーティングによって、このような結合メンバーとの相互作用から遮蔽され、 そしてこの親水性重合体が遊離する場合、このような結合メンバーとの相互作用 に晒される。 本発明のこれらのおよび他の目的および特徴は、添付の図面と関連して、以下 の発明の詳細な説明を読めば、より充分に理解される。図面の簡単な説明 図1は、遊離可能親水性重合体鎖の表面コーティングおよび親和性部分を有す る本発明のリポソームを示す。 図2は、いくつかのジスルフィド結合、および求核試薬によるそれらの切断(c leavage)に対する相対的感受性を示す。 図3は、ペプチド結合(図3A)、エステル結合(図3B)およびジスルフィド結合( 図3C)によってポリエチレングリコールで誘導体化したベシクル形成脂質を示す 。 図4は、遊離可能ペプチド結合によってポリエチレングリコールで誘導体化し たホスファチジルエタノールアミン(PE)を調製するための反応スキームを示す。 図5は、遊離可能ジスルフィド結合によってポリエチレングリコールで誘導体 化したPEを調製するための反応スキームを示す。 図6A〜6Bは、マウスへのリポソーム/プラスミド複合体のインビボ投与後の肺( 図6A)および肝臓(図6B)中のタンパク質1mgあたりの相対的ルシフェラーゼ単位( RLU)のプロットであり、この場合、このリポソームは、このリポソーム中に、DS PE(「PEG」)に共有結合したPEGを2.5モルパーセント、DSPEに共有結合したPEGを 1モルパーセント、遊離可能結合(「PEG+R-PEG」)によりDSPEに結合したPEGを 1モルパーセントまたは遊離可能結合(「R-PEG」)によりDSPEに結合したPEGを2. 5モルパーセント含有させることにより、ポリエチレングリコールの外面コー ティングを有する。発明の詳細な説明 I.リポソーム組成物 本発明に従って、リポソームベースの治療法で使用するリポソームを、図1に 例示する。この図は、外面14を有するリポソーム12の外部二重層10の一部を示す 。このリポソームはさらなる二重層を含有できるが、簡単のために、その外部二 重層のみを示していることが分かる。 この外部二重層は、向かい合った脂質層10aおよび10bから構成され、これらは 、それぞれ、この二重層の内部脂質層および外部脂質層であり、各層は、典型的 には、ジアシル疎水性脂質尾部および極性ヘッド基を有するベシクル形成脂質( 例えば、リン脂質およびコレステロール)から構成される。リポソーム12は、主 として、このようなベシクル形成脂質から構成され、代表的な脂質を以下に示す 。 リポソーム12の外面は、このリポソームベース療法の治療が目指す標的、例え ば、生物学的表面(例えば、細胞膜、細胞マトリックス、組織または標的表面ま たは領域)に特異的に結合するのに有効な親和性部分(例えば、部分16)を含む。 この親和性部分は、記述のように、このリポソーム中の表面脂質成分に共有結合 することにより、その外部リポソーム表面に結合する。好ましい実施態様では、 この部分は、ベシクル形成脂質のヘッド基への共有結合により、表面脂質成分に 直接結合する。あるいは、鎖20を介して結合した短い重合体鎖(例えば、部分18) による、リポソーム脂質への結合によって、このリポソームには、そのリガンド が結合する。あるいはまたはさらに、親和性部分は、遊離可能親水性重合体鎖の 遠位端に結合する。 この親和性部分は、以下で記述するように、この標的上に運ばれたリガンド結 合分子に高い親和性で特異的に結合するのに有効なリガンドである。例えば、1 実施態様では、この親和性部分は、固形腫瘍中の腫瘍特異的な抗原に結合するの に有効であり、他の実施態様では、この親和性部分は、炎症部位の細胞に結合す るのに有効である。他の実施態様では、この親和性部分は、細胞結合事象を阻害 する(すなわち、第一結合メンバーと第二結合メンバーとの間の結合を妨害する) のに有効なポリペプチドまたは多糖類エフェクターである。適切な部分のこれら の実施熊様および他の実施態様を、以下に記述する。 引き続き図1を参照すると、リポソーム12は、親水性重合体鎖(例えば、鎖26 、28)の外面コーティング24を有し、これらの鎖は、好ましくは、密に充填され て、リポソーム表面成分を遮蔽するのに効果的なブラシ様コーティングを形成す る。本発明の重要な特徴によれば、この親水性重合体鎖は、化学的に遊離可能な 結合(例えば、鎖26上の結合30)により、このリポソーム脂質に連結されている。 この遊離可能結合は、典型的には、以下でさらに記述するように、適切な切断剤 (例えば、還元剤、pHの増減、加水分解酵素、温度変化、または光分解性刺激)に より遊離できる共有化学結合である。代表的な親水性重合体および遊離可能結合 は、以下に記述する。 本発明の重要な特徴によれば、この親水性表面コーティングは、その標的(す なわち、この親和性部分が結合する生物学的表面)との相互作用から、この親和 性部分を遮蔽するのに効果的である。この親水性重合体コーティングが遊離され る場合、記述のように、この親和性部分は、その標的との相互作用に晒される。 本発明の1実施態様では、標的細胞または領域に投与する治療剤は、リポソー ム12内に捕捉されている。本明細書中で使用する、治療剤、化合物、および薬剤 は、交換可能に用いられる。この化合物は、この化合物の性質に依存して、この リポソームの内部水性コンパートメントまたは脂質二重層に捕捉され得る。代表 的な化合物を、以下に記述する。 A.ベシクル形成脂質成分 本発明のリポソーム組成物は、主として、ベシクル形成脂質から構成される。 このようなベシクル形成脂質は、(a)リン脂質で代表される、水中で自然に二重 層ベシクルに形成できるもの、または(b)その内部と接触する疎水性部分、二重 層膜の疎水性領域、この膜の外部極性表面に向けて配向されるヘッド基部分を有 する脂質二重層に安定に組み込まれるものがある。 このタイプのベシクル形成脂質は、好ましくは、2つの炭化水素鎖(典型的に は、アシル鎖)、およびヘッド基(極性または非極性のいずれか)を有するもので ある。種々の合成ベシクル形成脂質および天然に生じるベシクル形成脂質があり 、これらには、リン脂質(例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタ ノ ールアミン、ホスファチジン酸、ホスファチジルイノシトールおよびスフィンゴ ミエリン)が含まれ、この場合、その2個の炭化水素鎖は、典型的には、約14個 と22個の間の炭素原子長を有し、そして種々の不飽和度を有する。上記脂質およ びリン脂質であって、そのアシル鎖が種々の飽和度を有するものは、市販に得ら れるか、または公開された方法に従って調製できる。他の適切な脂質には、糖脂 質およびステロール(例えば、コレステロール)が挙げられる。 本発明で使用するのに好ましいジアシル鎖脂質には、ジアシルグリセロール、 ホスファチジルエタノールアミン(PE)およびホスファチジルグリセロール(PG)が 挙げられる。これらの脂質は、このベシクル形成脂質(主要リポソーム成分)とし て使用するのに好ましく、また、以下で記述する誘導体化脂質中で使用するのに 好ましい。 加えて、このベシクル形成脂質は、血清中のリポソームの安定性を制御するた め、およびリポソーム中に捕捉された試薬の遊離速度を制御するために、特定の 流動度または剛性度を達成するように選択される。このリポソームの剛性は、こ のベシクル形成脂質によって決まるが、また、記述のように、標的細胞へのリポ ソームの融合において、重要な役割を果たし得る。 より堅い脂質二重層または液晶二重層を有するリポソームは、比較的に堅い脂 質(例えば、比較的に高い相転移温度(例えば、60℃まで)を有する脂質)を組み込 むことにより、達成される。堅い(すなわち、飽和の)脂質は、その脂質二重層に おいて、より高い膜剛性に寄与する。他の脂質成分(例えば、コレステロール)も また、この脂質二重層構造において、膜剛性に寄与することが知られている。 他方、脂質流動性は、比較的に流動性の脂質(例えば、比較的に低い液体−液 晶相転移温度(例えば、室温またはそれ以下)を備えた脂質相を有するもの)を組 み込むことにより、達成される。 この二重層ベシクル(すなわち、リポソーム)を形成する脂質はまた、親油性部 分(例えば、ステロール、アシル鎖またはジアシル鎖)を有するカチオン性脂質で あり得、この場合、この脂質は、全体的な正味の正電荷を有する。好ましくは、 この脂質のヘッド基は、この正電荷を有する。代表的なカチオン性脂質には、1, 2-ジオレイルオキシ-3-(トリメチルアミノ)プロパン(DOTAP);N-[1-(2,3-ジテト ラデシルオキシ)プロピル]-N,N-ジメチル-N-ヒドロキシエチルアンモニウムブロ マイド(DMRIE);N-[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N-ジメチル-N-ヒド ロキシエチルアンモニウムブロマイド(DORIE);N-[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プ ロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロライド(DOTMA);3β[N-(N',N'-ジ メチルアミノエタン)カルバモイル]コレステロール(DC-Chol);およびジメチル ジオクタデシルアンモニウム(DDAB)が挙げられる。 このカチオン性ベシクル形成脂質はまた、中性脂質(例えば、ジオレオイルホ スファチジルエタノールアミン(DOPE))または両親媒性脂質(例えば、カチオン性 脂質(例えば、ポリリシンまたは他のアミン脂質)で誘導体化したリン脂質)であ り得る。例えば、この中性脂質(DOPE)は、カチオン性脂質を形成するために、ポ リリシンで誘導体化できる。 B.親水性重合体コーティング 上記のように、本発明のリポソームは、遊離可能結合によってリポソーム表面 脂質成分に結合した重合体鎖から構成される親水性重合体コーティングを含有す る。このような親水性重合体鎖は、約1〜20モルパーセントの間の遊離可能に結 合した親水性重合体−脂質結合体にれは、以下で記述のように調製した)を含有 させることにより、このリポソームに組み込まれる。 この重合体コーティングで使用するのに適当な親水性重合体には、ポリビニル ピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリメチルオキサゾリン、ポリエチル オキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピル メタクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリ ヒドロキシプロビルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒド ロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコー ルおよびポリアスパルトアミドが挙げられる。 好ましい実施態様では、この親水性重合体は、ポリエチレングリコール(PEG) であり、そのPEG鎖は、、好ましくは、500〜10,000ダルトンの間の分子量、さら に好ましくは、2,000〜10,000ダルトンの間の分子量、最も好ましくは、1,000〜 5,000ダルトンの間の分子量を有する。 この親水性重合体鎖により得られるリポソーム上の表面コーティングは、コロ イド安定性を与え、このリポソームを細網内皮系による取り込みから保護するの に役立ち、その有機体内で分布するリポソームに対して、長い血液循環寿命を与 える。血液循環時間の向上の程度は、好ましくは、本出願人が共同所有している 米国特許第5,013,556号に記述のような重合体コーティングのない状態で達成さ れるものの数倍である。 この親水性重合体鎖はまた、その表面に結合した親和性部分を遮蔽して、リポ ソームが被験体中に分布するまで、この親和性部分を、その標的との相互作用か らマスクする。この親和性部分は、脂質と親水性重合体鎖との間の切断可能結合 を遊離することにより、露出される。この親和性部分の露出により、記述のよう に、この標的との相互作用が可能となり、このリポソームおよび/またはその内 容物の部位特異的な送達が促進されるか、または細胞結合事象が阻害される。 本発明を支持するように実施した以下で記述の研究では、PEG鎖の遊離可能コ ーティングを有するリポソームを調製し、インビボで投与した。リポソーム投与 後に遊離剤を注射して、このPEG鎖をリポソームと繋ぐ結合を切断して、この親 水性鎖を遊離し、そして特定の標的組織領域でのリポソームの保持が達成された 。 C.遊離可能結合 上記のように、本発明のリポソームは、遊離可能結合によってリポソームに結 合した親水性重合体鎖の外面コーティングを含む。 1実施態様では、この遊離可能結合は、適当な遊離剤の投与または選択した生 理学的条件下(例えば、酵素または還元剤の存在下)で切断される化学的遊離可能 結合である。例えば、エステル結合およびペプチド結合は、エステラーゼ酵素ま たはペプチダーゼ酵素により切断される。ジスルフィド結合は、還元剤(例えば 、グルタチオンまたはアスコルベート)の投与により、またはインビボで存在す る還元剤(例えば、システインにれは、血漿中または細胞内に存在する))により 、切断される。 他の遊離可能結合には、pH感受性結合、およびグルコース、光または熱に晒す と切断する結合が挙げられる。 例えば、この親水性重合体鎖は、pH感受性結合によりリポソームに結合され、 このリポソームは、この結合を切断してその親水性鎖を遊離するのに効果的なpH を有する部位(例えば、腫瘍領域)に標的化される。代表的なpH感受性結合には、 アシルオキシアルキルエーテル結合、アセタール結合およびケタール結合が挙げ られる。 好ましい実施態様では、この切断可能結合は、ジスルフィド結合であり、これ は、本明細書中では、広義に、イオウ含有結合(例えば、図2で示すもの)を意味 することを意図している。これらのイオウ含有結合は、図面で示すように、選択 した不安定度が得られるように合成され、これには、ジスルフィド結合、混合ス ルフィド−スルホン結合およびスルフィド−スルホキシド結合が挙げられる。こ れらの3個の結合のうち、ジスルフィド結合は、チオ切断を最も受けにくく、ス ルフィド−スルホキシド結合は、チオ切断を最も受けやすい。 このような結合は、リポソーム表面からの親水性重合体セグメントの遊離速度 を変更するのに、有用である。例えば、血球または内皮細胞を標的にしているリ ポソームに対しては、非常に安定なジスルフィド結合が好ましい。なぜなら、こ れらの細胞が容易に到達でき、また、より短いリポソーム血液循環寿命しか必要 としないからである。他の極端な例では、そのリポソーム標的が腫瘍組織、炎症 部位または感染部位、皮膚または他の器官、および末梢リンパ組織のときには、 長時間持続する頑強なジスルフィド結合が好ましい。これらの場合には、一般に 、このリポソームが所望の標的に達するのに、より長いリポソーム血液循環寿命 が必要である。 この親水性重合体鎖をリポソームに結合させる遊離可能結合は、典型的には、 環境変化の結果として(例えば、このリポソームが、僅かに低いpHを有する特定 部位(例えば、腫瘍組織の領域)、または還元状態の部位(例えば、低酸素腫瘍)に 達するとき)、インビボで切断される。インビボでの還元状態はまた、還元剤(例 えば、アスコルビン酸、システインまたはグルタチオン)の投与により、達成で きる。この切断可能結合はまた、外部刺激(例えば、光または熱)に応答して、破 壊してもよい。 本発明を支持するように実施した以下で記述の研究では、ポリエチレングリコ ールの遊離可能な表面コーティングを有するリポソームを調製し、この場合、こ のポリエチレングリコール鎖は、不安定なジスルフィド結合により、このリポソ ームに結合させた。このリポソームは、マウスに投与して分配させた。還元剤を 投与して、この重合体鎖の遊離を行った。このマウスの肺および肝臓を組織分析 することにより、この親水性重合体コーティングは、これらの器官中のリポソー ムの保持により証明されるように、遊離されたことが明らかとなった。 D.親和性部分 このリポソーム組成物の親和性部分は、一般に、標的化、すなわち、生体表面 (例えば、標的細胞表面または膜、細胞マトリックス、プラーク領域など)に特異 的に結合するのに効果的である。この親和性部分は、記述するように、リポソー ム脂質への直接結合によるか、または短い重合体鎖を介した結合により、このリ ポソーム表面に結合される。 1実施態様では、この親和性部分は、標的領域でのレセプターを用いて特異的 に結合するのに効果的なリガンド(特に、標的細胞上のレセプターに結合するた めのリガンド)である。この目的に適当なリガンドの非限定的な例を、表1に挙 げる。 表1 リガンド−レセプター対および関連する標的細胞 表1で挙げたリガンドは、本発明の1実施態様にて、この親水性重合体コーテ ィングの遊離後、このリポソームを特定の標的細胞に標的化するのに使用される 。例えば、このリポソームには、DSPEのヘッド基またはDSPEに誘導体化した短PE G鎖の遠方末端に結合された葉酸リガンドを組み込むことができる。本明細書中 で使用する「短」PEG鎖は、このリガンドが、それがリポソームに組み込まれた とき、図1で示すように、親水性重合体鎖の表面コーティングによりマスクまた は遮蔽されるように選択された長さ(分子量)を有するPEG鎖を特定することを意 味する。このリポソームに組み込まれた表面結合葉酸リガンドは、捕捉した治療 剤の標的細胞への投与、例えば、上皮癌腫の治療のための新生物剤の投与のため に、上皮細胞上の葉酸レセプターに結合するのに効果的である。 本発明の方法および組成物で使用するのに適当な親和性部分の他の例には、サ イトカイン(例えば、表2で列挙したもの)が挙げられる。このようなサイトカイ ンの治療用途は、文献(Abbasら、1991年)に記述されており、これらには、身体 の自然免疫応答の刺激の間接的な治療に応答する病態の処置が含まれる。このよ うな状態には、免疫不全疾患(例えば、AIDS)、慢性的な感染およびあるタイプの 癌が挙げられる。いくつかのサイトカインエフェクターは、弱い免疫原性応答ま たは弱い微生物応答を高めるために、短期間のベースで、投与できる。これらの エフェクターは、癌またはAIDSの治療法の一部として、長期間のベースで投与で きる(Waldmann、1992年)。このようなサイトカインは、公開された方法に従って 、組み換え製造法により得られ、典型的には、血流中で、約0.1〜1マイクロモ ル濃度の効果的なサイトカイン濃度を達成する量で、投与される。 表2 この親和性部分はまた、IL-1活性のインヒビターでもあり得、ここで、この部 分は、IL-1インヒビターまたはIL-1レセプターアンタゴニスト(IL1RA)であり、 これは、リンパ球細胞表面上のレセプターへのIL-1の結合を妨害する(Stylianou ら、1992年)。 IL-1産生は、エンドトキシン(これは、敗血症性ショックを引き起こす)および エキソトキシン(これは、毒素ショック症候群を引き起こす)の両方により、刺激 される(Dinarello、1991年)。敗血症性ショックまたは毒素ショック中のIL-1の 産生は、患者に認められる臨床的な症状を悪化させる場合がある。従って、IL-1 インヒビターの親和性部分を使用して、毒素ショックまたは敗血症性ショックの いずれかに付随した臨床的な症状を少なくすることは、有益であり得る。 IL-1インヒビターは、52〜66Kdのポリペプチドであり、これは、IL-1に特異的 に結合して、その免疫刺激性の応答を阻害する。IL1RAは、23〜25KDのポリペプ チドであり、これは、IL-1のその細胞表面レセプターへの結合と競合して、IL-1 の免疫刺激性の応答を阻害する。 本発明で使用が考慮される親和性部分の他の例には、ペプチドホルモン(例え ば、副甲状腺ホルモン)がある。副甲状腺ホルモンは、長さが84個のアミノ酸で あり、骨芽細胞の***を阻害し得る。ある種の骨癌は、制御できない骨芽細胞の ***により特徴づけられ(Kanoら、1991年)、このホルモンの投与は、このような 状態には、有益であり得る。ペプチドホルモンとしての親和性部分はまた、リポ ソームを、特定のペプチドホルモンに対するレセプターを含有する細胞に標的化 するのに使用できる。 本発明の好ましい1実施態様では、この親和性部分は、細胞結合事象を阻害す るのに効果的なポリペプチドまたは多糖類エフェクター分子である。すなわち、 この親和性部分は、第一結合メンバーと第二結合メンバーとの間の結合を阻害す ることができる。典型的には、このような親和性部分は、血流にて遊離形状で循 環されるとき、薬理学的試薬として効果的であるが、典型的には、1〜2時間以 内に、腎クリアランスにより、血流から急速に取り除かれる。代表的なエフェク ターには、CD4糖タンパク質、好中球のELAM-1への結合を阻害するためのシアリ ル-ルイスxのような多糖類、ポリミキシンB、およびYIGSRまたはRGDSのような ペプチド配列が挙げられる。このような例は、以下で記述する。 1.CD4 糖タンパク質 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染および後天性免疫不全 症候群(AIDS)を防止しそして処置する多数の療法が提案されている。これらの療 法は、ウイルス感染のプロセスにおける異なる段階を標的にしている。しばしば 、この療法は、ウイルスの複製を妨害する薬剤(例えば、AZTおよびDDI)の投与を 包含する。これらの薬剤の投与は、正常細胞の複製プロセスも影響を受けるので 、毒性のある副作用を伴う。 療法が目指しているウイルス感染のプロセスにおける他の段階には、細胞への ウイルスの結合がある。HIVは、CD4+T細胞のCD4レセプターに特異的に結合する 。いまだに完全には理解されていない機構によって、このCD4+細胞は、最終的に は、HIVに感染できる。HIVに感染した患者に対して、患者のCD4+T細胞集団のそ れ以上のHIV感染を防止するために、可溶性CD4レセプターポリペプチドが静脈注 射で投与されている。従来、CD4レセプターフラグメントが血流の循環から急速 に取り除かれて阻害血漿濃度が維持できないので、この療法は、効果的ではなか った(CaponおよびWard)。 本実施態様でのエフェクター分子は、HIVのCD4+T細胞への結合を防止するため に、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のgp120糖タンパク質に結合できる可溶性CD4レ セプターポリペブチドである。このエフェクターは、公知の組み換え法に従って 、産生され得る(Maniatisら)。好ましい実施態様では、CD4の共有結合は、過ヨ ウ素酸で酸化されたCD4を、ヒドラジド基で活性化した重合体鎖とカップリング させることにより、達成される。 リポソーム組成物として投与されたCD4は、長期間にわたって、血流中に残留 する。このCD4エフェクター組成物は、最も有益には、AIDS治療で使用されてい る他の薬剤と組み合わせて、HIV感染の初期段階または後期段階中に、静脈注射 で投与でき、その結果、このリポソームに結合たHIV粒子はまた、これらが感染 細胞により取り込まれる範囲まで、一定用量の抗ウイルス剤を感染細胞に送達す る。AZTおよびDDIは、このリポソーム組成物にカプセル化できる抗HIV剤の例で ある。 このリポソーム組成物は、1〜10マイクロモルの有効血流CD4濃度に等しい用 量で、静脈注射で投与すべきである。5〜40mg/体重1kgのCD4の用量が、典型的 には、治療間にて、2〜14日の間隔で投与でき、血流中に存在するHIVのレベ ルは、標準的なアッセイ法により、処置中にモニターされる。 この組成物の主な利点には、この親水性重合体鎖が遊離した後における、血流 中のCD4エフェクターの高い循環時間およびリポソーム表面のこのエフェクター の多価提示がある。多価CD4提示の改良された親和性は、最近、記載されている( Chenら)。上記のように、CD4レセプターフラグメントは、腎濾過により、急速に 取り除かれる。このCD4ポリペプチドのリポソーム担体への共有結合は、腎クリ アランスを妨害し、そして血流中において、24〜48時間にわたり、このポリペプ チドエフェクター組成物の循環を可能にする。 加えて、この多価CD4保持リポソームは、そのCD4糖タンパク質がT細胞リンパ 球の表面を模倣する疎水性表面上に提示されている点で、CD4+T細胞リンパ球に 類似する。この提示は、健常なCD4+リンパ球が節約されるように、デコイ結合HI V粒子およびgp120を発現するHIV感染細胞として役立つ。 2.多糖類エフェクター 炎症により、炎症部位に隣接した血管の内皮細胞の 表面にて、ポリペプチドである内皮細胞白血球結合分子-1(ELAM-1)の発現が起こ る。次に、ELAM-1は、好中球および白血球の表面にて、多糖類部分であるシアリ ル−ルイスxを認識し、そして結合して、このような細胞を炎症部位に補充する 。ELAM-1による好中球の認識および結合を防止することにより、再灌流損傷、敗 血症性ショックおよび慢性炎症性疾患のような状態に起因する過剰な炎症応答が 回避され得る。 本実施態様では、この親和性部分は、血流中での炎症部位への好中球の過剰な 補充を防止する際の治療用途のために、ELAM-1により認識される四糖類であるシ アリル−ルイスxである(Phillipsら、1990年)。シアリル−ルイスxは、チャイニ ーズハムスター卵巣(CHO)細胞のグリコシル化変異体により生成され、そして培 養した細胞から精製形状で得ることができる(Phillipsら、1990年)。あるいは、 この親和性部分は、化学合成および/または酵素合成により生成される(Borman、 1992年;Ichikawaら、1992年)。シアリル−ルイスx-PEG-DSPE結合体の調製は、 記載されている(DeFreesら、1996年)。 3.ポリミキシンB 本実施態様では、このエフェクターは、敗血症性ショッ クを防止および治療するのに有用な化合物である。敗血症性ショックの原因因子 は、全身的なグラム陰性細菌感染中に蓄積するエンドトキシンである(Jawetz)。 重篤な敗血症の急速な開始のために、処置は、しばしば、敗血症の重大な段階に 至るまで、開始されない。 敗血症性ショックの症例に対して、敗血症性ショックを処置する際に最も首尾 良く使用される抗菌剤は、ポリミキシンBである。ポリミキシンBは、グラム陰 性細菌エンドトキシン、具体的には、E.coli ○111:B4リポポリサッカライド( liposaccharide)(LPS)と反応し、そして中和する(Baldwinら、1991年)。ポリミ キシンBは、胞子形成グラム陰性桿菌(例えば、Bacillus polymyxa)から化学合 成または単離され得る。この化合物は急速に排出されるために、効果的な処置に は、高用量のポリミキシンBが必要である。高用量によって、重篤な腎毒性が生 じ得る。 本発明では、ポリミキシンBは、本明細書中に記載のカップリング法により、 リポソームに結合されている。リポソームに結合したポリミキシンBの投与は、 その血液循環寿命を延ばす。その親和性部分は、最初は、このリポソーム結合親 水性重合体鎖により遮蔽されており、そして遊離剤の投与により、分配後に露出 される。 このようなリポソーム組成物は、急性の敗血症性ショックの危険があるかまた はそれに罹っている人の予防薬として、0.1〜0.5mg/kg体重のポリミキシンB用 量で、短期間のベースで投与される。 4.ペプチド 本実施態様では、この親和性部分は、細胞結合活性を有し、そ してレセプター部位に対するリガンドと競合するのに有効な小ペプチドである。 このリガンド−レセプター細胞結合事象の阻害により、感染プロセスが制止され る。 一般に、有用なペプチドは、ペプチド末端以外の配列の部分に起因して、細胞 結合活性を有する。このようにして、このリポソーム上の重合体鎖への結合後、 このペプチドは、活性のまま残る。有用なペフチドの別の一般的な特徴は、それ らの小さなサイズである。約4個と20個の間のアミノ酸のペプチドが好ましい。 1つの代表的なペプチドであるYIGSRは、腫瘍の転移を妨害するのに有用であ る(Kawasakiら、1991年)。YIGSRは、糖タンパク質の結合特性に応答性のラミニ ンのB1鎖中のペプチド配列の1つであり、ラミニンレセプターに結合することが 知られている。ラミニンは、YIGSR配列を生じるタンパク質であるが、基底膜の 構成要素である。ラミニンレセプターを過剰発現する循環転移性細胞は、基底膜 において、ラミニン分子に達する経路を見出し得、この場合、それらは結合して 転移性腫瘍を定着し得る。外来性のYIGSRを導入することにより、循環転移性細 胞のラミニンレセプターは妨害され、それにより、腫瘍の定着が阻害される。 同様に、ペプチド、アルギニン-グリシン-アスパラギン酸-セリン(RGDS)は、 腫瘍細胞のフィブロネクチンへの結合を妨害することにより、転移性腫瘍の定着 を阻害することが、実験的に示されている(Humphriesら)。YIGSRと同様に、RGDS は、基底膜への腫瘍細胞の結合に関与したペプチド配列である。 このようなペプチドは、天然源から得ることができるか、またはペプチド模倣 物を生じる有機源から合成できる。 E.治療剤 本発明の1実施態様では、このリポソームは、治療剤を標的に投与する際に使 用され、そしてこれには、リポソーム内に捕捉された治療剤が挙げられる。 この捕捉治療剤は、脂質ベシクル内に捕捉し得る多数の治療剤のいずれかであ り得、これには、ベシクルの水性区画内に安定にカプセル化され得る水溶性薬剤 、ベシクルの脂質相に安定に分画される親油性化合物、または、例えば、ベシク ル外部表面への静電結合により安定に結合され得る試薬が含まれる。代表的な水 溶性化合物には、小さな水溶性有機化合物、ペプチド、タンパク質、DNAプラス ミド、オリゴヌクレオチドおよび遺伝子フラグメントが挙げられる。 本発明の好ましい実施態様では、このリポソームは、固形状腫瘍の処置のため の捕捉薬剤(例えば、ドキソルビシン、ダウノマイシンまたはビンクリスチン)を 含有する。 この捕捉薬剤はまた、インビトロ診断アッセイで使用するためのレポーター分 子(例えば、酵素または蛍光団)であり得る。捕捉したレポーター分子を有するこ のようなリポソームは、標的細胞またはレセプター含有リポソームのいずれかに 、融合により送達され得る。 捕捉試薬を含有する脂質ベシクルは、周知方法、例えば、上記の方法(代表的 には、脂質フィルムの水和、逆相エバポレーションおよび溶媒注入)に従って、 調製される。送達される化合物は、親油性化合物の場合には、この脂質フィルム 中に含有されるか、または水溶性治療剤の場合には、水和媒体に含有されるかの いずれかである。あるいは、この治療剤は、例えば、pH勾配に対してイオン化可 能な化合物を充填することにより、予備形成したベシクルに充填され得る。 I.リポソーム調製物 A.遊離可能重合体被覆の調製 この親水性重合体鎖は、遊離可能結合、すなわち、選択した刺激に応答して切 断する結合により、このリポソームに結合される。 1実施態様では、この遊離可能結合は、ペプチド結合、エステル結合またはジ スルフィド結合であり、そして図3は、ペプチド(図3A)、エステル(図3B)および ジスルフィド(図3C)含有結合によって連結される例示的な脂質を示す。 ペプチド結合化合物は、例えば、図4に示すように、ポリアルキルエーテル( 例えば、PEG)と脂質アミンとをカップリングすることにより、調製される。末端 キャップ化PEGは、カルボニルジイミダゾールカップリング試薬で活性化されて 、図4で示した活性化イミダゾール化合物が形成される。次いで、この活性化PE Gは、この図で示した代表的なトリペプチドのN-末端アミンとカップリングされ る。次いで、このペプチドカルボキシル基を使用して、通常のカルボジイミドカ ップリング試薬(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC))を通じて脂質 アミン基をカップリングさせ得る。 このエステル結合化合物(図3B)は、例えば、無水物カップリング剤を介して、 アルコールを用いて、脂質酸(例えば、ホスファチジン酸)をポリアルキルエーテ ルの末端アルコール基とカップリングすることにより、調製され得る。あるいは 、アミド結合またはカルバメート結合を通じてこのポリアルキルエーテルをこの ベシクル形成脂質にカップリングさせるために、内部エステル結合および適切な 末端基(例えば、第一級アミン基)を含有する短い連結フラグメントが使用され得 る。 好ましい実施態様では、この遊離可能結合は、実施例1で記載し図5で示すよ うに調製したジスルフィド結合である。実施例1Aで詳述するように、中間体mPEG -DTP-OSuは、メトキシポリ(エチレングリコール)アミンを、ジメチルホルムアミ ド(DMF)に溶解した過剰のジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)(DTSP) と反応させることにより、調製される。これらの条件下では、所望生成物である mPEG-DTP-OSuは、この反応混合物から回収した重合体の大部分(NMRにより、70〜 80%)を構成していた。少量の生成物であるN-(mPEG)-メルカプトプロピオンアミ ドの対称ジスルフィドは、このDSPE-カップリング反応を妨害しなかった。回収 した重合体は、後者が完全に消費されるまで、DSPEと反応させた。結合物である mPEG-DTP-DSPEは、過剰のPEG試薬を透析で除去することにより、精製した。この 結合物のチオリシス不安定性は、それを過剰のDTTにインキュベーションして、T LC上のもとのスポット(Rf=0.55)の消失および2個の新しいスポットの出現(そ れぞれ、PEGおよび脂質成分に対して、Rf=0.68および0.23)を得ることにより、 確認した。 別の実施態様では、この遊離可能結合は、pH感受性結合、光感受性結合または 熱感受性結合である。 pH感受性結合には、好ましくは、身体の低pH標的部位(局在化した酸性のこの ような領域は、腫瘍で見られる)に応答して取り除かれる結合がある。代表的なp H感受性結合には、アシルオキシアルキルエーテル、アセタール結合およびケタ ール結合が挙げられる。 光感受性結合には、適切な波長の光(紫外光)を照射すると切断するものがある 。例えば、光照射に曝すとトランス−シス異性化を受ける結合が、適切であり得 る。あるいは、このリポソームは、光を吸収し、そして切断を起こし得る様式に 結合を変える感光剤を取込み得る。臨床的な用途では、その標的処置部位(例え ば、新生物)は、適切な光源(例えば、光ファイバーバンドルに取り付けた散光器 先端を有する内視鏡)により、照射される。レーザー(例えば、アルミニウム/ガ リウム/ヒ素レーザー)は、標的(特に、小さな腫瘍または微小転移巣)を照射する のに使用され得る。別の適切な照射源には、濾過したタングステン、キセノンま たは水銀光源、およびポンプレーザーが挙げられる。 B.親和性部分の結合 上記のように、本発明のリポソームは、PEG被覆リポソームの表面に結合した 親和性部分を含有する。この親和性部分は、この部分の性質に依存して、リポソ ーム脂質表面部分への直接的な結合により、または短いスペーサーアームまたは つなぎ鎖を通じて、結合される。 分子(例えば、親和性部分)を脂質ベシクルの表面に結合させるための種々の方 法が利用可能である。1つの好ましい方法では、この親和性部分は、下記のカッ プリング反応により、この脂質にカップリングされて、親和性部分−脂質結合体 が形成される。この結合体は、記載のように、リポソームを形成するための脂質 溶液に添加される。別の方法では、親和性部分の共有結合のために活性化したベ シクル形成脂質が、リポソームに組み込まれる。形成したリポソームは、この親 和性部分に曝されて、この親和性部分の活性化脂質への結合が達成される。 親和性部分およびベシクル形成脂質から構成される結合体を調製するためには 、種々の方法が利用可能である。例えば、水溶性のアミン含有親和性部分は、こ のアミン含有親和性部分を、N-ヒドロキシスクシンイミドの活性化エステルを含 有するように誘導体化した脂質と反応させることにより、脂質(例えば、ホスフ ァチジルエタノールアミン)と共有結合できる。 別の例としては、報告された方法に従って、脂質には、生体分子(そして、特 に、タンパク質のような大きな生体分子)がカップリングされ得る。1方法は、 脂質(代表的には、リン脂質)上のアルデヒド基と親和性部分上の第一級アミノ酸 との間のシッフ塩基形成を包含する。このアルデヒド基は、好ましくは、この脂 質の過ヨウ素酸塩酸化により、形成される。このカップリング反応は、この酸化 剤の除去後、Heath(1981年)により記載のように、還元剤(例えば、ジチオスレイ トール)の存在下にて、行うことができる。この方法に適切な代表的なアルデヒ ド−脂質前駆体には、ラクトシルセラミド、トリヘキソシルセラミン、ガラクト セレブドシド、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシノールおよ びガングリオシドが挙げられる。 チオール含有ベシクル形成脂質部には、第二の一般的なカップリング方法が適 用可能であり、そしてこれは、脂質と親和性部分との間でのジスルフィド結合ま たはチオエーテル結合の形成を包含する。このジスルフィド反応では、脂質アミ ン(例えば、ホスファチジルエタノールアミン)は、この親和性部分中の露出チオ ール基と反応し得るピリジルジチオ(dithio)誘導体を含有するように、改変さ れる。このような方法のための反応条件は、Martin(1981年)に見られる。Martin (1982年)が記載したチオエーテルカップリング方法は、スルフヒドリル反応性 リン脂質(例えば、[N-(4)P-マレイミド−フェニル(ブチリル)ホスファチジルエ タノールアミン])を形成し、そしてこの脂質をチオール含有親和性部分と反応さ せることにより、行われる。 親和性部分を脂質と反応させる別の方法は、この親和性部分を、N-ヒドロキシ スクシンイミドの活性化エステルを含有するように誘導体化した脂質と反応させ ることを包含する。この反応は、代表的には、緩和な界面活性剤(例えば、デオ キシコール酸塩)の存在下にて、行われる。上記反応と同様に、このカップリン グ反応は、好ましくは、この脂質をリポソームに組み込む前に、実施される。 上記カップリング法は、代表的なものであり、別の適切な方法は、当該技術分 野で公知であり、そして例えば、米国特許第6,605,630号、同第4,731,324号、同 第4,429,008号、同第4,622,294号および同第4,483,929号に記載されている。 短いスペーサーアームを通じて、親和性部分をこのリポソームに結合する方法 は、例えば、米国特許第4,762,915号に記載されている。一般に、ある部分のス ペーサーアームへの結合は、ベシクル形成脂質(代表的には、DSPE)を、親和性部 分を結合するための反応性末端基を有する親水性重合体(例えば、PEG)で誘導体 化することにより、達成できる。活性化PEG鎖にリガンドを結合する方法は、当 該技術分野で記載されている(Allenら、1995;Zalipsky、1993;Zalipsky、1994 ;Zalipsky、1995a;Zalipsky、1995b)。これらの方法では、mPEGの不活性末端 メトキシ基は、結合体化反応に適切な反応性官能基(例えば、アミノ基またはヒ ドラジド基)と置換される。この末端官能化PEGは、脂質(代表的には、DSPE)に結 合される。官能化PEG-DSPE誘導体は、リポソーム形成に使用され、そして所望の リガンドが、リポソーム形成の前または後に、このPEG鎖の反応性末端に結合さ れる。 具体例として、このリガンドであるシアリル−ルイスxのPEG-DSPE結合体への 結合が記載されている(DeFreesら、1996年)。 C.リポソーム調製 リポソームは、種々の方法(例えば、Szokaら、1980年に詳述する方法)により 、 調製され得る。多層膜ベシクル(MLVs)は、簡単な脂質フィルム水和法により、形 成され得る。この操作では、適切な有機溶媒に溶解した、上記で詳述したタイプ のリポソーム形成脂質の混合物を、容器中で蒸発させて、薄膜を形成させ、これ は、次いで、水性媒体で被覆される。この脂質フィルムは水和して、代表的には 、約0.1〜10ミクロンの間の大きさのMLVsが形成される。 本発明の紡錘状(fusogenic)リポソームを形成する際に使用する脂質成分は、 好ましくは、ベシクル形成脂質約70〜90%、遊離可能親水性重合体鎖で誘導体化 した脂質1〜20%、および結合した親和性部分を有する脂質0.1〜5%のモルパ ーセントで存在する。1つの代表的な処方物は、80〜90モルパーセントのホスフ ァチジルエタノールアミン、1〜20モルパーセントのPEG-DTP-DSPE、および0.1 〜5モルパーセントの親和性部分−DSPEを含有する。この処方物には、約1〜50 モルパーセントの間で、コレステロールを含有させ得る。代表的なリポソーム調 製物は、実施例2で記載されている。 本発明の紡錘状リポソームを調製するのに適切な別の方法は、Usterら(1996年 )に記載されている。この方法では、捕捉治療剤を有するリポソームが、ベシク ル形成脂質から調製される。予備形成したリポソームは、親和性部分−DSPE結合 体および/またはPEG誘導体化脂質結合体のミセルの濃縮分散体を含有する溶液に 添加され、そしてこのミセル状脂質結合体をこの予備形成リポソームに挿入する のに効果的な条件下にて、インキュベートされる。 本発明のリポソームを調製するのに適切なさらに別のリポソーム調製手順には 、溶媒注入法がある。この手順では、溶媒(好ましくは、エタノールまたはDMSO) に溶解した脂質の混合物が、攪拌しつつ、水性媒体に注入されて、リポソームが 形成される。この溶媒は、適切な方法(例えば、透析)により除去され、次いで、 このリポソームは、所望の大きさにされる。この方法によれば、比較的に高いカ プセル化効率が達成される。 親水性治療剤は、この治療剤を水性水和混合物に含有させることにより、この リポソームに捕捉される。疎水性治療剤は、薄膜の形成前に、この試薬をこの脂 質に含有させることにより、捕捉されるか、または水性媒体への注入前に、脂質 溶媒に溶解される。 このリポソームは、好ましくは、選択したサイズ範囲(代表的には、約0.03〜0 .5ミクロンの間)で、実質的に均一なサイズを有するように、調製される。REVs およびMLVsに対する1つの有効なサイズ調整法は、0.03〜0.2ミクロン(代表的に は、0.05、0.08、0.1または0.2ミクロン)の範囲の選択した均一な細孔範囲を有 する一連のポリカーボネート膜を通して、これらのリポソームの水性懸濁液を押 し出すことを包含する。この膜の細孔サイズは、特に、この調製物を同じ膜で2 回以上押し出す場合には、大体、その膜を通した押出により生成されるリポソー ムの最大サイズに相当する。リポソームを100nm以下のサイズに小型化するには 、均質化法もまた、有用である(Martin、1990年)。 III.処置の方法 本発明は、1つの局面では、哺乳動物の被験体に対するリポソームベースの治 療法を含み、この方法は、この被験体に、表面結合した親和性部分および親水性 重合体コーティングを有するリポソームを全身的に投与すること(例えば、静脈 投与すること)を包含する。この親水性重合体コーティングは、遊離可能に結合 した重合体鎖から構成されるが、その親和性部分をその標的との相互作用から遮 蔽するのに効果的である。投与したリポソームは、このリポソームの所望の生体 内分布が達成されるまで、全身的に循環させる。上記のような遊離剤は、投与し たリポソーム中の遊離可能結合のかなりの部分、例えば、約50%より多い部分、 より好ましくは、約70%より多い部分の切断を引き起こすのに効果的な量で、こ の被験体に投与される。この親水性部分は、その標的との相互作用のために、こ の親水性重合体鎖が遊離すると、露出される。 好ましい実施態様では、このリポソームは、固形腫瘍の処置に使用される。こ れらのリポソームは、捕捉された形態での抗腫瘍薬剤を含有し、腫瘍特異的な抗 原に特異的に結合するのに効果的な親和性部分により、その腫瘍領域に標的化さ れる。例えば、リポソームは、増殖している腫瘍内皮細胞上で発現したFlk-1,2 レセプターへの選択的な結合のために、このリポソームにVEGFリガンドを含有さ せることにより、腫瘍の血管内皮細胞に標的化され得る。 この実施態様では、これらのリポソームは、約30〜400nmの間の大きさにされ る。このサイズの範囲内のリポソームは、腫瘍血管系の内皮細胞ライニング中に 存在する「ギャップ」を介して腫瘍を導入し得ることが明らかになっている(Yua n、1995年)。 このリポソームの投与(例えば、静脈投与)後、およびこれらのリポソームを被 験体に分配し、そして腫瘍内に遊出させるのに充分な時間が経過した後、この被 験体に、遊離剤が投与されて、このリポソームから、この親水性表面コーティン グが遊離される。この表面コーティングの遊離は、この親水性部分を露出して、 このリポソームの標的細胞への結合を行うのに効果的である。1つの実施態様で は、この親水性表面コーティングは、pH感受性結合により、このリポソームに結 合され、これらの結合は、この腫瘍領域の低酸素的な性質のために、このリポソ ームが腫瘍中に遊出した後、遊離される。 別の実施態様では、これらのリポソームは、炎症部位での処置用である。これ らのリポソームは、この領域(例えば、シアリル−ルイスx)での感染細胞に特異 的に結合するのに効果的な親和性部分を含有する。 このリポソーム組成物は、好ましい実施態様では、細胞結合事象を競争的に妨 害するのに使用される。本明細書で、このリポソーム表面に結合した親和性部分 は、第一結合メンバー(例えば、血液内の病原体または細胞)と第二結合メンバー (これは、標的細胞または細胞マトリックスである)との間の結合を妨害するのに 効果的である。上で示した例では、この親和性部分は、HIVのCD4+T細胞への結合 を阻害するための可溶性CD4糖タンパク質;または炎症部位での好中球のELAM-1 発現細胞の結合を阻害するためのシアリル−ルイスx;または敗血症を制止する ためにリポ多糖のその標的への結合を阻害するためのポリミキシンB;または循 環している転移性細胞に結合してそれらの細胞マトリックスへの結合を阻害する ためのYIGSRのようなペプチドである。このリポソーム組成物は、投与され、そ して分配される。この親水性重合体鎖を遊離するのに効果的な試薬が、静脈注射 によって全身的か、またはカテーテルまたは他の手段で配置することによる局所 的かいずれかで、このリポソームと接触されて、この親和性部分がその標的に曝 される。このようにして、化合物の特定の投与および/または特定領域での細胞 結合事象の妨害が達成される。 上記の処置方法のいずれかにおけるリポソームは、捕捉された治療剤を含有し 得る。これらのリポソームは、投与され、そして分配され、その後、遊離剤が投 与されて、結合した親和性部分を露出させ結合を開始するために、その親水性表 面コーティングが遊離される。このようにして、捕捉された治療化合物は、この 標的に、特異的かつ局所的に投与される。 A.インビボ投与 本発明を支持して実施した研究では、実施例1で記述のように、PEGの遊離可 能コーティングを有するリポソームを調製し、そしてマウスへ投与した。PEGの 遊離可能コーティングは、チオ的に(thiolytically)切断可能なジスルフィド結 合によりDSPEに結合したPEG(PEG-DTP-DSPE)(これは、図5に示したスキームに従 って調製した)を、このリポソーム中に含有させることにより、形成した。 実施例3に記述のように、PEG鎖の遊離可能コーティングおよびルシフェラー ゼ保持プラスミドを備えたカチオン性リポソーム含有複合体を調製した。これら の複合体は、カチオン性リポソーム縮合プラスミド複合体を形成し、そしてこの 複合体を、PEG-DTP-DSPEのミセルまたはPEG-DSPEのミセルとともにインキュベー トすることにより、調製したが、この場合、PEGは、従来の結合(例えば、非遊離 可能結合)により、DSPEに結合される(Zalipskyら、1992年)。PEG-DSPEおよびPEG -DTP-DSPEのミセルは、室温でインキュベーションし、そして5分間穏やかにボ ルテックスされて、このカチオン性リポソームに入る。 実施例3に記述のようにして、3個のリポソーム処方物を調製した。第一の処 方物では、そのPEGコーティングは遊離可能ではなく、すなわち、そのPEGは、DS PEに不可逆的に結合したPEGとして、そのリポソームに含有された。第二の処方 物では、そのリポソームは、そのPEG鎖の半分がリポソーム表面に遊離可能に結 合したPEG表面コーティングを有し、他の半分は、遊離可能には結合していなか った。第三の処方物では、そのリポソーム上のPEG表面コーティングは、遊離可 能であった。これらの処方物は、図6A〜6Bにて、それぞれ、「PEG」、「PEG+R- PEG」および「R-PEG」として示されている。 これらのリポソーム複合体を、マウスに、静脈注射で投与した。投与後5分間 で、還元剤であるシステインを添加して、そのジスルフィド結合を還元し、それ により、その遊離可能PEGをリポソームから遊離した。注射後24時間で、ルシフ ェラーゼ活性について、肺および肝臓を分析した。 図6A〜6Bは、遊離可能PEG鎖を有するリポソームについて、ルシフェラーゼ活 性がより高いこと、例えば、組織内に、より多くのリポソームが保持されている ことを示している。重要なことに、このデータは、遊離可能結合の減少によるPE G鎖のインビボ遊離を実証している。このPEG鎖の遊離により、このカチオン性リ ポソームの正のリポソーム表面電荷が露出し、遊離可能PEGリポソーム処方物に 対するより高いルシフェラーゼ活性により立証されるように、負の細胞膜との結 合が増強されて、組織内におけるリポソームの保持が改良される。 B.生体内分布研究 上記PEGコーティングカチオン性リポソームを、テキサスレッド標識化を用い て調製し、投与後のリポソームの生体内分布を研究した。PEG鎖の遊離可能表面 コーティングを有する一定用量のカチオン性リポソームを、背面の皮膚を折り畳 んで透明アクセスチャンバに入れたマウスに、尾静脈注射を介して投与した。注 射直後に、蛍光顕微鏡写真を撮り、そしてこれらのリポソームが、この被験体を 通る分配のために血流に入り、そしてこのリポソームが皮膚血管系に分配される のに充分な時間にわたって、循環において保持されることを示す。対照的に、PE Gの表面コーティングのないカチオン性リポソームは、短い血液循環半減期のた めに、この皮膚血管系に達するように効果的には分配され得ない。 上述のことから、本発明の種々の特徴および目的が、いかにして達成されるか を理解され得る。本発明のリポソームは、リポソームを標的化する方法を提供し 、この場合、その標的部分は、遊離可能親水性重合体鎖の表面コーティングによ り、遮蔽される。親水性表面コーティングは、リポソームの取り込みを減少し、 それによってリポソームの分配のための長期の血液循環生存期間を達成する。分 配後、この親水性表面コーティングは、このリポソームから遊離され、多価プレ ゼンテーションのためのリポソーム結合親和性部分を露出し、そしてこの標的に 結合する。 IV.実施例 以下の実施例は、本発明のリポソームを調製し、特徴付けし、そして使用する 方法を例示する。これらの実施例は、いずれの様式でも、本発明の範囲の限定を 意図しない。 実施例1 mPEG-DTS-DSPE の調製 F.N-スクシンイミジル-(2-(ωメトキシポリ-(オキシエチレン)-α-アミノカ ルボニル)-エチル-ジチオプロピオネート中間体、(mPEG-DTS-OSu)の調製 この合成図式を、図3に例示する。Kirpotinら(1996年)の方法に従って、N-ス クシンイミジル-(2-(ω-メトキシポリ(オキシエチレン)-α-アミノカルボニル) エチル-ジチオプロピオネート(化合物III)を調製する。 ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)(873mg、2mmol)(DTSP、化合物 II)(これは、ジチオジプロピオン酸(Aldrich、Milwaukee、WI)から調製した)の 溶液をジメチルホルムアミド(10ml)に溶解し、そしてメトキシポリ(エチレング リコール)アミン(2g、1mmol)、mPEG-NH2(化合物I)(これは、Zalipsky(1983) の方法に従って、調製した)、およびトリエチルアミン(140ml)で処理する。得ら れたN-スクシンイミジルエステル重合体中間体であるN-スクシンイミジル-(2-( ω-メトキシ-ポリ(オキシエチレン)-α-アミノカルボニル)エチル-ジチオプロピ オネート(mPEG-DTP-Osu、化合物III)を、次いで、イソプロパノールからの2回 の再結晶に続いて、真空中にて五酸化リンで乾燥して残留水を除去することによ り、精製する。この中間体を、溶媒として重水素メタノールを用いて、1H NMRに より特徴付ける。1H NMR(CD3OD):δ2.6(m、SCH2CH2CON)、2.85(s、Su、4H)、 3.0(重なりm、SCH2CH2CO2-SuおよびSCH2CH2CON)、3.38(s、CH3、#h)、3.64(s 、PEG、〜180H)。生成物混合物の組成、すなわち、ジ-PEG-レートジチオジプロ パノエート生成物(mPEG)2DTPに対するモノ-PEG-レート(mPEG-DTP-OSu)の相対量 は、TMSから低磁場の2.6ppmおよび2.85ppmでのピーク(これらは、所望のスクシ ネートに対応する)対3.0ppmの共鳴(これは、(mPEG)2DTPに対応する)の相対積分 を比較することにより、決定される。 G.脂質結合 実施例1Aで上述のようにして、mPEG-DTP-OSuを調製し、そしてCHCl3に溶解す る。回収した重合体(600mg)およびトリエチルアミン(240μl)のCHCl3溶液に、 固形状DSPE(100mg)を添加した。この懸濁液を、透明になるまで、45℃でインキ ュベートした。完全な消費を、TLCにより確認した。この重合体脂質結合体(mPEG -DTP-DSPE)を、透析により精製した。収量269mg(70%)。 実施例2 リポソーム調製 リポソームを、以下の脂質をクロロホルムに溶解することにより、標準的な手 順に従って、調製する:ジステアリルホスファチジルグリセロール(DSPG)85モル パーセント、実施例1で記述のようにして調製したジスルフィド結合PEG-DSPE結 合体10モルパーセント、親和性部分−DSPE結合体1モルパーセント、およびコレ ステロール4モルパーセント。これらの脂質を、減圧下での回転により、薄いフ ィルムとして乾燥する。この脂質フィルムを、水相の添加により水和して、リポ ソームを形成し、これを、超音波処理によるか、または0.4μm、0.2μm、0.1 μmおよび0.5μmの孔サイズを有するNucleoporeポリカーボネート膜に通す連 続押出により、大きさを調整して、100〜150nmのサイズのリポソームを得る。 実施例3 遊離可能PEGリポソームのインビボ投与 A.リポソーム処方物 PEGの表面コーティングを有し、そしてルシフェラーゼ保持プラスミドに複合 化したカチオン性リポソームを、以下のようにして調製した。 B.カチオン性リポソーム/プラスミド複合体の調製 標準的な手順に従って、DDAB(10μmole)およびCHOL(10μmole)を、主としてCH Cl3を含有する有機溶媒に溶解させることにより、脂質であるジメチルジオクタ デシルアンモニウムおよびコレステロール(DDAB:CHOL)からなるカチオン性リポ ソームを調製した。この脂質溶液を、減圧下での回転により、薄膜として乾燥し た。この脂質フィルムを、所望の水相(例えば、水、生理食塩水、または緩衝液) を添加することにより水和して、(20μmole/mlの全脂質濃度で)リポソームを形 成し、これを、超音波処理によるか、または0.4μm、0.2μm、0.1μmおよび0 .05μmの孔サイズを有するNucleoporeポリカーボネート膜に通す連続押出によ り、大きさを調整して、100〜150nmのサイズのリポソームを得た。 レポート遺伝子として、ルシフェラーゼプラスミドを使用した。このプラスミ ドを、水性媒体中に1mg/mlの全ヒストンを含有する溶液100μlを、可溶化プラ スミド400μl(1mgプラスミド/ml)に添加することにより、このカチオン性リポ ソームで複合化するために、濃縮した。縮合したプラスミドは、動的光散乱によ り測定したところ、およそ150nmの平均直径を有していた。 カチオン性リポソーム/縮合プラスミド複合体は、このカチオン性リポソーム 懸濁液(20μmole/ml)280μlを、ヒストン縮合プラスミド粒子500μlに添加す ることにより、調製した。このリポソーム−プラスミド複合体は、動的光散乱に より測定したところ、約200nmの平均直径を有していた。 C.PEG の挿入 ジステアロールホスファチジルエタノールアミン(DSPE)を、Zalipsky(1992年a )に記述のようにして、PEGで誘導体化した。PEG-DSPEミセルを、PEG-DSPEから、 その1mMを水に溶解して超音波処理することにより、調製した。 PEG-DTP-DSPEのミセル、すなわち、切断可能ジスルフィド結合によりDSPEに結 合したPEG(化合物XV;これは、実施例2Bで上記のように調製した)は、1mMのPEG -DTP-DSPEを水に溶解して超音波処理することにより、調製した。 PEG-DSPEミセル懸濁液140μl(1μmole脂質/ml)を、このカチオン性脂質−プ ラスミド複合体の脂質5.6μmoleに添加することにより、2.5モルパーセントのPE G-DSPEを含有するリポソームを調製した。このミセル−複合体懸濁液を、穏やか にボルテックスしながら、室温で5分間インキュベートして、PEG-DSPEのこのカ チオン性リポソームへの挿入を達成した(Usterら、1996年)。このリポソーム処 方物は、図6A〜6Bにて、「PEG」として示す。 カチオン性リポソーム−プラスミド複合体をPEG-DSPEおよびPEG-DTP-DSPEのミ セルとインキュベートして、PEG鎖の表面コーティングを有するリポソームを形 成したこと以外は、2.5% PEG-DSPEリポソーム組成物について上述のように、1 モルパーセントのPEG-DSPEおよび1モルパーセントのPEG-DTP-DSPEを含有するリ ポソームを調製したが、この場合、そのPEG鎖の半分は、このリポソーム表面に 遊離可能に結合していた。このリポソーム処方物を、図6A〜6Bにて、「PEG+R-P EG」として示す。 含有させるPEGの全量がPEG-DTP-DSPEであったこと以外は、上述のように、2.5 モルパーセントのPEG-DTP-DSPEを含有するリポソームを調製した。このリポソー ム処方物を、図6A〜6Bにて、「R-PEG」として示す。 D.インビボ投与 このPEGコーティングしたカチオン性リポソーム−プラスミド複合体を、約100 nmolesの脂質を0.2〜0.25mlで(およそ100μgのプラスミド)3匹のマウスの尾静 脈に注射することにより、Simonsen Laboratories(Gilroy、CA)から得たBALB/C マウスに投与した。リポソームの投与後5分で、各マウスに、尾静脈を介して、 100mMのシステイン250μlを注射した。注射後24時間で、麻酔下にてこれらのマ ウスを殺し、そしてヘパリン処理したPBS(4℃)を用いた灌流に続いて組織(肺、 肝臓)を集めた。 0.4℃の間の温度で、各組織に、細胞溶解試薬(Promega、Madison、WI)0.75ml を添加し、そしてこの組織を、20,000rpmで、1分間ホモジナイズした。その上 清を、微小遠心管に取り出し、そして10,000gで5分間遠心した。その上清を、 ルシフェラーゼおよびタンパク質アッセイ用に集めた。各試料20μlを、照度計 (100μlのルシフェリンおよびATPを含有するアッセイ緩衝液、10秒間の測定)に より、直ちに測定した。相対的な光単位は、この抽出物中のタンパク質の量によ り、正規化した。 これらの結果を、図6A〜6Bに示す。 本発明は、特定の実施態様に関して記述しているものの、本発明から逸脱する ことなく、種々の変更および改変をなし得ることは、当業者に明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ファン,シ クン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94546, カストロ バリー,マディソン アベニュ ー 18798

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.哺乳動物被験体のためのリポソームベースの治療法であって、該方法は、 以下を包含する: 該被験体に、(i)該治療が目指す標的表面に特異的に結合するのに有効な親和 性部分、および(ii)該標的表面との相互作用から該親和性部分を遮蔽するのに有 効な親水性重合体コーティングを含む外面を有するリポソームを全身投与する工 程であって、該親水性重合体コーティングは、遊離可能結合によって該リポソー ム中の表面脂質成分に共有結合された重合体鎖から構成されている工程、 投与したリポソームを、該リポソームの所望の生体内分布が達成されるまで、 全身的に循環させる工程、および 投与したリポソーム中の該結合の実質的部分を遊離するのに有効な量で、該被 験体に、遊離剤を投与し、それにより、該親和性部分を該標的表面に露出する工 程。 2.前記遊離可能結合が、ジスルフィド、エステルおよびペプチドからなる群 から選択される還元可能な化学結合である、請求項1に記載の方法。 3.前記遊離可能結合が、ジスルフィド結合であり、そして前記遊離剤が、シ ステイン、グルタチオンおよびアスコルベートからなる群から選択される、請求 項2に記載の方法。 4.前記遊離可能結合が、pH感受性結合、熱感受性結合および光感受性結合か らなる群から選択される、請求項1に記載の方法。 5.前記親水性重合体が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル 、ポリメチルオキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピル オキサゾリン、ポリヒドロキシプロピル-メタクリルアミド、ポリメタクリルア ミド、ポリジメチル-アクリルアミド、ポリヒドロキシプロピルメタクリレート 、 ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシ エチルセルロース、ポリエチレングリコールおよびポリアスパルトアミドからな る群から選択される、請求項1に記載の方法。 6.前記親水性重合体鎖が、500〜10,000ダルトンの範囲の分子量を有するポ リエチレングリコール鎖である、請求項5に記載の方法。 7.標的細胞に治療剤を投与するための請求項1に記載の方法であって、前記 親和性部分が、該標的細胞において、細胞表面レセプターと特異的に結合するの に有効なリガンドであり、そして前記リポソームが、捕捉された形態で、治療剤 をさらに含有する、方法。 8.前記親和性部分が、腫瘍特異的な抗原に特異的に結合するのに有効であり 、前記リポソームが、30〜400nmの間の平均サイズを有し、そして前記遊離剤が 、該リポソームが腫瘍に遊出した後、前記被験体に投与される、固形腫瘍の処置 のための請求項7に記載の方法。 9.前記親和性部分が、感染細胞に特異的に結合するのに有効であり、前記リ ポソームが、30〜400nmの間の平均サイズを有し、そして前記遊離剤が、該リポ ソームが炎症部位で遊出した後、投与される、炎症部位における処置のための請 求項7に記載の方法。 10.前記親和性部分が、血流中の病原菌または細胞である第一結合メンバー と、標的細胞または細胞マトリックスである第二結合メンバーとの間の結合を阻 害できるポリペプチドまたは多糖類エフェクターである、請求項1に記載の方法 。 11.前記親和性部分が、以下からなる群から選択される、請求項10に記載 の方法: (a)CD4糖タンパク質; (b)内皮白血球接着分子(ELAM)に結合する多糖類; (c)ポリミキシンBまたはポリミキシンBデカペプチド;および (d)ペプチド。 12.前記リポソームが、さらに、前記親水性重合体コーティングを形成する 、前記親水性重合体鎖の部分の遠位端に結合されたこのような親和性部分を含む 、請求項1に記載の方法。 13.被験体を親和性部分で治療する際に使用するリポソーム組成物であって 、該親和性部分は、血流中の病原菌または細胞である第一結合メンバーと、標的 細胞または細胞マトリックスである第二結合メンバーとの間の結合を阻害でき、 該リポソーム組成物は、以下を含有する: (i)遊離可能な結合によって、該リポソーム中の表面脂質成分に共有結合する 重合体鎖から構成される親水性重合体コーティング、および(ii)該リポソームの 外面に結合した該親和性部分を含み、その結果、該親和性部分は、該親水性重合 体コーティングによって、このような結合メンバーとの相互作用から遮蔽され、 そして該親水性重合体コーティングが遊離される場合、このような結合メンバー との相互作用に曝される、外面を有するリポソーム。 14.前記遊離可能結合が、ジスルフィド、エステルおよびペプチドからなる 群から選択される還元可能な化学結合である、請求項13に記載の組成物。 15.前記遊離可能結合が、ジスルフィド結合であり、そして前記遊離剤が、 システイン、グルタチオンおよびアスコルベートからなる群から選択される、請 求項14に記載の組成物。 16.前記遊離可能結合が、pH感受性結合、熱感受性結合および光感受性結合 からなる群から選択される、請求項13に記載の組成物。 17.前記親和性部分が、以下からなる群から選択される、請求項13に記載 の組成物: (a)CD4糖タンパク質; (b)内皮白血球接着分子(ELAM)に結合する多糖類; (c)ポリミキシンBまたはポリミキシンBデカペプチド;および (d)ペプチド。 18.前記親水性重合体が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテ ル、ポリメチルオキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピ ルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメタクリルア ミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリヒドロキシプロピルメタクリレート、 ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシ エチルセルロース、ポリエチレングリコールおよびポリアスパルトアミドからな る群から選択される、請求項13に記載の組成物。 19.前記親水性重合体鎖が、500〜10,000ダルトンの範囲の分子量を有する ポリエチレングリコール鎖である、請求項18に記載の組成物。
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