JP2001503190A - 光ガイドプレート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は透明なプラスチック、例えばポリカーボネート又はポリメタクリレートからなる光ガイドプレートに関する。この場合、透明なプラスチックＡからなるプレート（１）は、プラスチックＢからなる複数の薄い帯状体（２）が挿入されており、その際、ＡとＢとは相容性でなく、プラスチックＢからなる帯状体（２）は引き続き引き抜かれる。プラスチックＡからなるプレート（１）中に生じた中空室（４）は光変向素子として用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】 光ガイドプレート 発明の分野 本発明は、昼光を用いて室内の照明を改善するために利用する透明なプラスチ ックからなる光ガイドプレートに関する。 課題及び解決手段 エネルギーの節約もしくは現存する資源の保護は、工業の大変重大な関心事で ある。これに関する研究は化石エネルギー資源の節約の他に、電気エネルギーに 関する消費の減少にも向けられている。 比較的奥行きのある室内を昼光で照明する際に、特に急勾配の太陽光の場合、 室内の後方の、窓側とは反対の領域が適切に証明されない（図１参照）という問 題がある。この状況は、室内の一部が昼の間でも人工光で照明しなければならな い状態をもたらし、これはエネルギー的にも、人間工学的にも欠点を有する。図 １は典型的な室内空間を示す。図１について、次の符号が付けられている： Ｓ＝入射する太陽光 Ｈ＝比較的明るい区域 Ｆ＝窓 Ｄ＝比較的暗い区域 Ｔ＝ドア 本発明の課題は、この場合の欠点を解消することで ある。この課題を解消するために、いわゆる光ガイド素子が使用される。この光 ガイド素子は窓面の一部分で、昼光を集め、この昼光を室内の深部又は天井部へ 変向させる（図２）。この光ガイド素子は、従って室外から急勾配で入射する昼 光を室内へ変向させる。 図２は、窓面の一部に本発明による光ガイド素子が設置された図１で示された 室を表す。符号ＬＬＰは光ガイドプレートを表す。残りの符号は例１に用いたと 同様のものを示す。 所望の変向を達成するために、次の構造を有する光ガイドプレートＬＬＰが提 案される（図３）： 屈折率ｎ_Aを有する透明なプラスチックＡからなる原則として平らなプレート 中に、屈折率ｎ_Bを有するプラスチックＢからなる薄い帯状体が挿入されて、有 利に押出成形により埋め込まれており、その際、プラスチックＡはプラスチック Ｂとは相容性でなく、プラスチックＡはプラスチックＢと分離している。この分 離はプラスチックＢにおいて降伏点の存在により助長される。 プラスチックＢとして例えば次のプラスチックが挙げられる： フルオロポリマー、例えば熱可塑性フルオロポリマー、例えば３Ｍ社の製品TH V 500 Ｇ、 ポリプロピレン−タイプ、例えばBASF社のLupolenタイプ、 ポリエチレン−タイプ、 イプ。 この双方の互いに異なる特徴により、光ガイド効果を達成することができる。 この場合、材料の分離面もしくは材料移行部は、それに応じて、屈折率の相違に 基づき認識できるか又は分離間隙の形成の場合に鏡面として明確に認識すること ができる。 プラスチックＢからなる押出成形により埋め込まれた帯状体は、冷却の間又は 冷却後にプラスチックＡからなるプレートから剥離し、このプレートから容易に 引き出すことができる。 プラスチックＢからなる帯状体は、プレート表面に対して垂直でも、プレート 表面に対して＜９０°の角度γでも設置することができる。 前記した種類の光ガイドプレートＬＬＰに光線が入射する場合、プラスチック Ａと空隙空気との間の界面で全反射の法則が通用する。全反射の界面角α_Gは両 方のプラスチックの屈折率に依存するだけである。 α_G＝ａｒｃ ｓｉｎ ｎ_A／ｎ_B プラスチックＢがプラスチックＡから剥離し、それにより帯状体とそれを取り 巻くマトリックスとの間の間隙が存在する場合、次の式が通用する： α_G＝ａｒｃ ｓｉｎ ｎ_A／ｌ この界面上へ光線が入射する角α_Eが界面角α_Gよ りも小さい場合、全反射が起こる（図４中のＩのケース）。急勾配で入射する光 線は平らな帯状体上へ又は上方向へ屈折する。ドイツ国特許（ＤＥ）第１９５４ ３６８７．３号明細書に記載された、プラスチックＡとは空気により異なる屈折 率を有するプラスチックＢからなるプラスチック帯状体の使用により、屈折率に おける可能な最大の差異が達成される。 角α_Eがα_Gよりも大きい場合（図４中のＩＩのケース）、入射する光線は界面 を透過する。光ガイドプレートＬＬＰの有利な製造方法は、埋め込まれる薄い帯 状体と一緒にプレートを同時押出することであるため、第１に、プレートのプラ スチックＡと相容性でない、同時押出可能な透明な熱可塑性プラスチックが考慮 される。屈折率の差異が大きければそれだけ、角α_Gが大きくなり、ひいてはこ のシステムの効果が増大する。このシステムの十分な効果はプラスチックからな る帯状体を傾斜（γ＜９０°）させることにより達成することもできる。帯状体 の傾斜により界面αＥへの入射角は小さくなる（図４中のケースＩＩ）。 この種のプラスチックＡとして、例えばポリメチルメタクリレート（ＰＭＭＡ 及びコポリマー）又はポリカーボネート（ＰＣ）を使用することができ、プラス チックＢとして前記のポリマーが挙げられる。前記したような光ガイドプレート の製造試験の際に、もう一つの特徴が予期されない光ガイド効果をもたらすこと が示された。プラスチックＢとプラスチックＡとが非相容性である場合、つまり 、プラスチックＢからなる薄い帯状体はマトリックスであるプラスチックＡと付 着しておらず、かつプラスチックＡから僅かな間隙で分離していることが判明し た。プラスチックＢからなるプラスチック帯状体がマトリックスポリマーＡから 分離しているということは、プラスチック帯状体が鏡面のように見えることによ り光学的に容易に認識できる。このことは、帯状体の表面に沿った狭い間隙が顕 著な全反射を引き起こすことによって示される。空気及びマトリックス−プラス チックＡの屈折率は、上記した式に従って、プラスチックＢ及びマトリックス− プラスチックＡの屈折率よりも著しく強く、このことは高い全反射により裏付け られる。 間隙が本来空気で満たされているかどうか又は程度に差があるが真空であるか どうかは今まで確認することができなかった。この間隙は、プラスチックＢがプ ラスチックＡから剥離した後に、時間の経過と共に空気の後拡散によりプラスチ ックＡを通して空気で満たされると考えられる。 双方のプラスチックＡとＢとの剥離は、熱的膨張率が異なることによって助長 される。この剥離は押出成型物の冷却の際に行われる。この場合、帯状体は有利 にマトリックスよりも著しく収縮し、つまりプラスチックＢはプラスチックＡよ りも熱膨張率がより高いの が好ましい。≧０．００１％程度の熱膨張率の僅かな差でも、本発明の効果が生 じる。 プラスチックＡ及びＢとの間の間隙の形成は、両方のプラスチックが冒頭に記 載した意味でなお屈折率において異なっているかどうかはあまり関係ない。プラ スチックＡの屈折率は、プラスチックＢの屈折率よりも高いのが有利であるが、 同じであるか又はそれより低くてもよい。剥離点の形成により引き起こされる全 反射は、各場合において、印象深い光ガイド効果を生じさせるために全く十分で ある。剥離間隙の幅は、１μｍよりも大きくなければならない。 光ガイドプレートＬＬＰの厚さは、一般に２〜２０ｍｍの範囲内にある。挿入 された、有利に押出成形により埋め込まれたプラスチックＢからなる帯状体は、 一般に０．０５〜０．５ｍｍの厚さ及びＡからなるプレートの厚さに対して５０ 〜９５％の幅を有する。一般に、プラスチックＢからなる帯状体はプラスチック プレートＡ中で相互に２〜４０ｍｍの間隔で配置されている。 光ガイドプレートＬＬＰの残りの寸法は、有利に窓ガラスユニット、特に窓の 規格又はドアの規格に適合する。適用される押出技術による寸法の制限は、一般 に見込まれない。 多成分ノズルを用いた押出装置中での押出を用いる製造技術は先行技術に該当 する（ＤＥ−Ａ４３２６２ ３２）。 本発明による光ガイドプレートＬＬＰを図３により詳説する。この場合、符号 は次のものを意味する： （１）＝プラスチックＡからなる光ガイドプレートＬＬＰ （２）＝プラスチックＢからなる挿入された薄い帯状体 （３）＝プラスチックを引き出すことにより生じた中空室の間の間隔 （４）＝中空室 本発明による光ガイドプレートを支持するために、有機ガラスからなるプレー ト用の公知の留め具異形材を用いることができる。 有利な効果 本発明による光ガイドプレートは室内、特に作業場、ホール、地下室、アーチ 、シャフト、場合により乗り物、例えば船舶等の照明の改善のために有利に使用 することができる。その適用は、エネルギーの節約のためだけでなく、作業部屋 の人間工学的造形の改善のためにも寄与することができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，Ｓ Ｄ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，Ｇ Ｂ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ， ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，Ｎ Ｚ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ， ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 ミヒャエル マイアー―カイザー ドイツ連邦共和国 Ｄ―64665 アルスバ ッハ―ヘーンライン リンデンシュトラー セ 11アー (72)発明者 ハンス ローレンツ ドイツ連邦共和国 Ｄ―64291 ダルムシ ュタット ブレンタノシュトラーセ 16 (72)発明者 フォルカー メンデ ドイツ連邦共和国 Ｄ―64297 ダルムシ ュタット ハイデルベルガー―ラントシュ トラーセ 303 (72)発明者 ヘルムート ヘーリング ドイツ連邦共和国 Ｄ―64354 ラインハ イム キルヒシュトラーセ 36 (72)発明者 ベルトルト シェーニッヒ ドイツ連邦共和国 Ｄ―64380 ロスドル フ リングシュトラーセ 80

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 透明なプラスチックからなる光ガイドプレートにおいて、屈折率ｎ_Aを有 する透明なプラスチックＡからなるプレート中に屈折率ｎ_Bを有するプラスチッ クからなる複数の薄い帯状体が挿入されており、その際、プラスチックＡとプラ スチックＢとは相互に相容性でなく、プラスチックＢからなる帯状体はプレート から離れていることを特徴とする光ガイドプレート。 ２． プラスチックＢからなる帯状体がプレート表面に対して垂直に配置されて いる、請求項１記載の光ガイドプレート。 ３． プラスチックＢからなる帯状体がプレート表面に対してγ＜９０°の角度 で配置されている、請求項１記載の光ガイドプレート。 ４． プラスチックＡ及びＢが熱可塑性材料からなる、請求項１から３までのい ずれか１項記載の光ガイドプレート。 ５． 同時押出法によって製造された、請求項１から４までのいずれか１項記載 の光ガイドプレート。 ６． ２〜３０ｍｍの範囲内の厚さを有する、請求項１から５までのいずれか１ 項記載の光ガイドプレート。 ７． 帯状の中空室が、０．０５〜０．５ｍｍの厚さ を有する、請求項１から６までのいずれか１項記載の光ガイドプレート。 ８． 寸法が現存の窓ガラスユニットの規格に適合している、請求項１から７ま でのいずれか１項記載の光ガイドプレート。 ９． 請求項１から８までのいずれか１項記載の光ガイドプレートを有する窓ガ ラスユニット。 １０． 光ガイドプレートの同時押出の後に、プラスチックＢからなる薄い帯状 体を、プラスチックＡからなるマトリックスから隔てることを特徴とする、請求 項１から７までのいずれか１項記載の光ガイドプレートの製造方法。 １１． プラスチックＡとしてポリメタクリレート又はポリカーボネートを使用 する、請求項１から７までのいずれか１項記載の光ガイドプレート。 １２． プラスチックＢとしてポリカーボネート又はポリメタクリレートと相容 性でないプラスチックを使用する、請求項１から７までのいずれか１項記載の光 ガイドプレート。 １３． プラスチックＢとして熱可塑性フルオロポリマー、ポリプロピレン、ポ リエチレン又はポリアミドを使用する、請求項１から７までのいずれか１項記載 の光ガイドプレート。