JP2001502896A - イヌ糸状虫感染を検出する方法 - Google Patents

イヌ糸状虫感染を検出する方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、宿主動物の体液中の抗イヌ糸状虫Di33抗体を検出するのにイヌ糸状虫Di33たんぱく質を用いることで、その動物のイヌ糸状虫感染を検出する方法を含む。さらにその動物の体液中のDi33たんぱく質を検出するためにイヌ糸状虫抗Di33たんぱく質を用いることで、宿主動物のイヌ糸状虫感染を検出する方法も含まれる。本発明はさらに、Di33たんぱく質又は抗Di33抗体のいずれかを含むイヌ糸状虫検出キットに関連するものであるが、このようなキットにはさらに、この抗Di33抗体とイヌ糸状虫Di33たんぱく質との間の免疫錯体を検出するための組成物が含まれる。また本発明は、Di33たんぱく質、このようなたんぱく質をコードしている核酸分子や、このような核酸分子を含む組換え分子及び組換え細胞、並びに抗Di33抗体をさらに含む。さらにこのようなたんぱく質、核酸分子及び抗体を作成するための方法も含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】 イヌ糸状虫感染を検出する方法 発明の分野 本発明は動物、特にネコのイヌ糸状虫感染を検出するための新規な方法に関す る。本発明はさらに、イヌ糸状虫感染を検出するための新規なキット、及びその 検出用試薬を精製するための方法を含む。 発明の背景 寄生性の蠕虫であるイヌ糸状虫はイヌに感染してイヌ糸状虫を生むことが長ら く知られている。イヌ糸状虫はさらにその他の動物、例えばネコ及びフェレット にも、このような動物は基本的にはこの感染にとって非適合性の宿主であるにも 関わらず、感染することが最近明らかになった。つまり、イヌ糸状虫と適合動物 との間の寄生関係がよく適合しており、蠕虫による負荷があまり大きくない限り 臨床徴候がほとんどないのである。対照的に、非適合性の動物、例えばネコ及び フェレットのイヌ糸状虫との寄生関係にはあまり適合性がないために、その動物 の疾患、さらにひいては死に至るのである。ネコなどの非適合動物における糸状 虫感染は診断が難しいが、それは、様々な臨床徴候があるがその中には他の疾患 に関連があるものがあるからである。糸状虫による疾患は急性であったり慢性で あったりし、また呼吸困難、咳及び嘔吐、昏睡、及び/又は食欲低下を伴うこと がある。このように、動物の糸状虫をはっきりと検出する方法が必要とされてい る。 イヌ糸状虫の生命サイクルはそれが感染したあらゆる動物において複雑であり 、またこの生物は、特に成虫に糸状虫が成熟するまでは検出が困難である。蠕虫 による負荷が大変低い非適合性の宿主では検出は特に難しい。例えばネコは平均 して二匹又は三匹の蠕虫しか宿していないために、イヌ糸状虫特異抗原又は抗体 の検出が困難になっている。 性的に成熟した成虫は交配後にミクロフィラリアを生むが、このミクロフィラ リアは宿主の毛細血管床を移動して血管系を循環する。イヌにおいて感染を実証 する方法の一つは、例えば、この血中のミクロフィラリアを検出する方法である 。 もう一つの方法は、血液中でイヌ糸状虫血中寄生中抗原を検出することであるが 、これらの抗原は成虫のメスの蠕虫及びミクロフィラリアに関連するものである (例えばウェイル氏による1989年6月13日発行の米国特許第4,839, 275号を参照されたい)。しかしながら非適合性の宿主では、イヌ糸状虫に感 染しても一匹の蠕虫しか成熟に至らないことが多くあり、このような場合には繁 殖が起きる機会がないために卵及びミクロフィラリアは生まれない。加えて、こ の一匹の蠕虫はしばしばオスの蠕虫である。 感染した動物が昆虫のいない環境に維持された場合、この寄生性物のライフサ イクルが進行する可能性はない。しかしながら、感染した動物からメスの蚊が血 液を吸うときにミクロフィラリアを取り込んだ場合、この蚊の体内でミクロフィ ラリアが幼虫に成長する。ミクロフィラリアは二つの幼虫段階(L1及びL2) を経て最終的には成熟した第三段階の幼虫(L3)へとなるが、この第三段階の 幼虫が次に、蚊に噛まれた宿主動物に戻る可能性がある。従って、最初の感染の 原因はこの第三段階にあるのである。感染後三日という早い時点でL3は四番目 の幼虫(L4)段階に脱皮し、次に第五段階へ、又は未成熟の成虫へとなる。こ の未成熟の成虫は心臓及び肺動脈へと移動してそこで成熟及び繁殖を行い、血液 中にミクロフィラリアを生じる。宿主における糸状虫感染の「神秘」は、ミクロ フィラリアは全く検出できないのにその他の方法によれば成虫の糸状虫の存在が 確認できるということとされている。 糸状虫を検出するもう一つの方法は生薬の利用であり、例えばグリーブ氏らに よる1987年4月14日発行の米国特許第4,657,850号を参照された い。しかしながらこれらの検定法は、特に非適合性の宿主における検出を行う際 に望まれる感受性及び特異性に欠けるものである。 ホン氏らは1995年のProc Heartworm Symposium,p.33でイヌ糸状虫抗原D iT33をコードしている遺伝子のクローン形成を報告している。ホン氏らによ る1994年のAbstracts of Amer.Soc.Trop Med Hyg.Meeting,p191-192も参照 されたい。ホン氏らはまた1995年の同書で、DiT33をマルトース結合た んぱく質に連結したものから成る組換え融合たんぱく質により、11週でイヌの イヌ糸状虫感染を検出できたと報告しているが、ネコ又はフェレットなど、 非適合性の宿主のイヌ糸状虫感染を検出するのにこのたんぱく質を用いたとは報 告していない。以前、何人かの研究者が、関連するたんぱく質Onchocerca volvu lus Ov33をO.volvulus又はイヌ糸状虫感染を検出するために利用することや 、O.volvulusOv33をコードしている遺伝子のクローン形成を報告したことが ある。 例えば、Santiago Mejia et al,1994,Parasite Immunol 16,297-303;Ogunrinade et al,1993,J Clin Microbiol 31,1741-1745;Lucius et al.,1992,Trop Med Pa rasitol 43,139-145;Lucius et al,1988,J Exp Med 168,1199-1204;Lucius et a l,1988,J.Exp.Med 167,1505-1510を参照されたい。Av33をコードした関連す る遺伝子はAcanthocheilonema viteaeから分離されている。例えばWillenbucher et al,1993,Mol.Biochem.Parasitol.57,349-351を参照されたい。再び言うが、 このたんぱく質が、蠕虫による負荷が低い動物において蠕虫が成虫へ成熟する前 でも感染を検出できるかどうかを言及したものはない。 イヌ糸状虫感染を検出する正確かつ簡単な方法が依然、求められている。特に 求められるのは、幼虫が糸状虫成虫へ成熟する前のイヌ糸状虫感染を検出できる が、満期の感染に進まない初期感染、つまり、宿主の免疫反応により成虫への発 達を妨げることができるような感染、は検出しないような方法である。 発明の概要 本発明は、幼虫が成熟した成虫の糸状虫に成熟する前のイヌ糸状虫感染を検出 しながら、満期の感染に発展しない初期感染(即ち成熟した糸状虫への成長に至 らない感染)は検出しない検出方法及びキットを含む。 本発明は、非適合性の宿主のイヌ糸状虫を検出する方法であって、(a)宿主 から採取した体液を、分離されたイヌ糸状虫Di33たんぱく質を含む製剤に、 Di33たんぱく質と抗Di33抗体との間に免疫錯体が形成されるのに充分な 条件下で接触させるステップと、(b)体液中に存在するDi33たんぱく質と 抗Di33抗体との間の免疫錯体形成を測定するステップであって、このような 免疫錯体の存在は、宿主がイヌ糸状虫に感染している又は最近感染したことの指 標となるものである、ステップとを含む方法を含む。 本発明はさらに、宿主動物中のイヌ糸状虫を検出する方法であって、(a)そ の動物から採取された体液を、分離されたイヌ糸状虫Di33たんぱく質を含む 製剤に、Di33たんぱく質と抗Di33IgE抗体との間に免疫錯体が形成さ れるのに充分な条件下で接触させるステップと、(b)体液中に存在するDi3 3たんぱく質と抗Di33IgE抗体との間の免疫錯体形成であって、このよう な免疫錯体の存在は、その動物がイヌ糸状虫に感染している又は最近感染したこ との指標となるものである、免疫錯体形成とを含む方法を含む。 本発明にはさらに、非適合性宿主のイヌ糸状虫感染を感染後10週以内で検出 する方法が含まれ、同方法は、宿主から採取された体液中に抗Di33抗体を検 出するステップを含む。 本発明はまた、非適合性の宿主のイヌ糸状虫を検出する方法であって、(a) 宿主から採取した体液を、分離された抗Di抗体を含む製剤に、この抗Di33 抗体とイヌ糸状虫Di33たんぱく質との間に免疫錯体が形成されるのに充分な 条件下で接触させるステップと、(b)体液中に存在する抗Di33抗体とイヌ 糸状虫Di33たんぱく質との間の免疫錯体形成を測定するステップであって、 このような免疫錯体の存在は、宿主がイヌ糸状虫に感染している又は最近感染し たことの指標となるものである、ステップとを含む方法を含む。 本発明の一実施例は、分離されたイヌ糸状虫Di33たんぱく質と、このDi 33たんぱく質と免疫鉗体を形成することのできる抗体を検出する組成物とを含 む、イヌ糸状虫感染を検出するためのキットである。もう一つの実施例は、分離 された抗Di33抗体と、抗Di33抗体及びイヌ糸状虫Di33たんぱく質間 の免疫錯体を検出する組成物とを含む、イヌ糸状虫感染を検出するためのキット である。 本発明はさらに、Di33たんぱく質と、このようなたんぱく質をコードして いる核酸分子と、このような核酸分子を含む組換え分子及び組換え細胞と、抗D i33抗体とを含む。Di33たんぱく質の例には、PHIS−PDi33234 及びPDi33217があるが、これらに限定されるものではない。Di33核酸 分子の例には、nDi33346、nDi33750、nDi33702、nDi33708 、及びnDi33651があるが、これらに限定されるものではない。さらにDi 33核酸分子、Di33核酸分子含有組換え分子、Di33核酸分子含有組換え 細胞、 Di33たんぱく質及び抗Di33抗体を作成するための方法が含まれる。 本発明のある実施例は、分離されたイヌ糸状虫Di33たんぱく質を作成する 方法であって、(a)イヌ糸状虫Di33核酸分子で形質転換させたバクテリア を培養してイヌ糸状虫Di33たんぱく質含有培養株を作成するステップと、( b)この培養株からDi33たんぱく質を含む不溶性の物質を回収するステップ と、この不溶性の物質からDi33たんぱく質を精製するステップとを含む方法 である。さらに、イヌ糸状虫Di33たんぱく質生成組換え細胞の培養株から得 た不溶性物質を破砕して陽イオン交換クロマトグラフィを行うことでDi33た んぱく質を回収するステップを含む、イヌ糸状虫Di33たんぱく質を精製する ための方法が含まれる。 図面の簡単な説明 図1は、本発明の糸状虫検出用試薬を用いて、イヌ糸状虫に感染したネコの抗 Di33IgG抗体を検出しようとするELISAの結果である。 図2は、本発明の糸状虫検出用試薬を用いて、イヌ糸状虫に感染したネコの抗 Di33IgG抗体を検出しようとするELISAの結果である。 図3は、本発明の糸状虫検出用試薬を用いて、イヌ糸状虫に感染したネコの抗 Di33IgE抗体を検出しようとするELISAの結果である。 図4は、本発明の糸状虫検出用試薬を用いて、イヌ糸状虫に感染したネコの抗 Di33IgE抗体を検出しようとするELISAの結果である。 発明の詳細な説明 本発明は、イヌ糸状虫Di33たんぱく質を基にした検出(例えば診断的な、 スクリーニング)法及びキットにより、イヌ糸状虫の幼虫がL4からL5に成熟 する時点で、非適合性の宿主(即ち、イヌ糸状虫が寄生関係を確立しない、イヌ 糸状虫感染に感受性のある動物)のイヌ糸状虫感染を、このような宿主における 蠕虫による負荷が大変低いにもかかわらず検出することができるという驚くべき 発見に関するものである。従って、本発明のイヌ糸状虫検出法及びキットは、非 適合性の宿主において、イヌ糸状虫が成虫糸状虫に成熟する前にイヌ糸状虫を検 出することができる。このように、産卵に関連する試薬の検出にのみ基づいた検 定法とは異なり、本発明の方法及びキットは、成虫の糸状虫が性的に活発になる 前にイヌ糸状虫感染を検出するものである。糸状虫は通常、感染後約6.5カ月 で繁殖上活発になる。本発明のイヌ糸状虫検出法及びキットは、非適合性の宿主 のイヌ糸状虫を、その宿主がイヌ糸状虫に感染してから(即ちその後)少なくと も約10週で、場合によっては約8週という早い時期に検出することができる。 イヌ糸状虫感染は、成虫の糸状虫を宿した非適合性の宿主においても検出できる 。従って、イヌ糸状虫感染は、糸状虫の成虫寿命段階、例えばネコの場合では約 2から3年の間に渡って、感染後約8から10週のいかなる時点でも検出が可能 である。このように、イヌ糸状虫は感染後約12週、16週、20週、及び24 週(例えば約6カ月)の時点や、その中間の時点やもっと遅い段階でも検出が可 能である。しかしながら、約4から約6週未満のイヌ糸状虫感染はDi33たん ぱく質を用いては一般的には検出されない。本発明の検出方法及びキットは、こ れらが僅かに一匹の蠕虫を持つ(即ち維持している、ある一定期間持っている、 感染している)非適合性宿主において感染を検出することができるという点で、 特に有用である。さらに、本発明の検出方法及びキットは、一匹のオス蠕虫又は 一匹のメス蠕虫に至る感染を検出することができる。もちろん、本発明によるイ ヌ糸状虫Di33を基にした方法及びキットはさらに、2、3、4又は5匹の蠕 虫を含む、しかしこれらに限らず、蠕虫によるより大きな負荷も検出することが できることは留意されたい。従って、本発明の方法及びキットは、あらゆる感染 した非適合性の宿主におけるイヌ糸状虫感染を、自己消散する可能性の高いごく 初期の段階の感染や、抗蠕虫薬の毎月の投与で治療することができ、従って満期 の感染に発展しないようなごく初期段階の感染(成熟した糸状虫への成長に至ら ない感染)を除き、検出することができる。本発明の検出方法は感受性が大変高 いだけでなく、イヌ糸状虫感染に対して特異的な方法である。 本発明のもう一つの発見は、イヌ糸状虫感染により、抗イヌ糸状虫Di33免 疫グロブリンE抗体(抗Di33IgE抗体)の生成だけでなく、抗イヌ糸状虫 Di33抗体のその他のイソタイプ、例えば抗イヌ糸状虫Di33免疫グロブリ ンG抗体(抗Di33IgG抗体)の生成が刺激されるということである。この ように、本発明には、抗Di33IgE抗体の検出に基づくイヌ糸状虫検出方法 及びキットと共に、抗Di33IgG抗体など、抗Di33抗体のその他のイソ タイプの検出に基づく方法及びキットも含まれる。理論に縛られるわけではない が、抗Di33IgEに基づく方法及びキットは、抗Di33IgGに基づく方 法及びキットに比べて特異性が高いと考えられ、一方、抗Di33IgGを基に した方法及びキットは、抗Di33IgEを基にした方法及びキットよりも感受 性が高いと考えられる。 本発明は、非適合性の宿主におけるイヌ糸状虫(即ち糸状虫感染)を、このよ うな宿主から採取された体液中に存在する何らかの抗Di33抗体を、分離され たイヌ糸状虫Di33たんぱく質を用いて検出することで、検出する方法を含む 。本発明はまた、分離されたイヌ糸状虫Di33たんぱく質を用いて抗Di33 IgE抗体を検出することで、イヌ糸状虫感染に感染可能なあらゆる動物におい てイヌ糸状虫を検出するための方法を含む。もう一つの実施例は、イヌ糸状虫感 染を検出するための抗Di33抗体の利用である。さらに本発明には、イヌ糸状 虫感染をこのような方法に基づいて検出するためのキットと、イヌ糸状虫Di3 3たんぱく質を生成する組換え分子及び組換え細胞と、このようなたんぱく質を 精製する方法とが含まれる。 「ある(原語:a)」実体又は「ある(原語:an)」実体という術語は、一つ 又はそれ以上のその実体を言うものであることに留意されたい。例えば、あるた んぱく質とは、一つ又はそれ以上のたんぱく質あるいは少なくとも一つのたんぱ く質を言うものである。従って、「ある(原語:a)(又は「ある(原語:an) 」、「一つ又はそれ以上の」及び「少なくとも一つの」という術語はここでは互 換可能に用いられていることがある。さらに、「含む(原語:comprising)」、 「含む(原語:including)」及び「有する(原語:having)という術語は互換 可能に用いられていることがある。 本発明によれば、分離された、又は生物学的に純粋なイヌ糸状虫Di33たん ぱく質はその天然ミリューから取り出されたたんぱく質である。従って、「分離 された」及び「生物学的に純粋な」とは、必ずしもそのたんぱく質が精製された 程度を反映するものではない。本発明による分離されたイヌ糸状虫Di33たん ぱく質はその天然源(即ちイヌ糸状虫)から得ても、組換えDNA技術を用いて 作成しても、又は化学合成により作成してもよい。 ここで用いられる場合の、分離されたイヌ糸状虫Di33たんぱく質(ここで はDi33たんぱく質、又は約33キロダルトン(kd)のイヌ糸状虫たんぱく 質とも言及されている)は、全長たんぱく質でも、このようなたんぱく質のいか なる相同体でもよい。本発明による分離されたDi33たんぱく質は、相同体も 含め、ここでは抗Di33抗体とも言及される抗イヌ糸状虫Di33抗体と免疫 錯体を形成するというDi33たんぱく質の能力により、簡単な方法で同定が可 能である。抗Di33抗体については、ここでは他の箇所でより詳細に説明する こととする。Di33相同体の例には、アミノ酸が削除された(例えばペプチド など、このたんぱく質の切断形)り、挿入されたり、反転したり、置換及び/又 は誘導されたり(例えばグリコシレーション、リン酸化、アセチル化、ミリスト イレーション(原語:myristoylation)、プレニレーション、パルミトイレーシ ョン(原語:palmitoylation)、アミド化及び/又はグリセロホスファチジルイ ノシトールの付加により)した結果、その相同体が、抗Di33抗体と免疫錯体 を形成することのできるエピトープを少なくとも一つ含むようになったDi33 たんぱく質が含まれる。 Di33たんぱく質の相同体は、自然的なアレル変異又は自然的な突然変異の 結果によるものでもよい。本発明のDi33相同体はさらに、このたんぱく質へ の直接的改変を行うか、又は、このたんぱく質をコードしている遺伝子を、例え ば伝統的な又は組換えDNA技術を用いてランダムな又は標的を定めた突然変異 誘発を行って改変する方法を含め、しかしこれらに限らず、当業において公知の 技術を用いて作成してもよい。本発明の見かけ上の全長Di33たんぱく質をコ ードしているcDNAのコドン鎖の核酸配列をここでは配列同定番号第2番で表 す。配列同定番号第2番を有するコドン鎖と、相補の非コドン鎖(その核酸配列 は当業者には容易に判断可能である)の両方を含む二本鎖の核酸分子を、ここで はDi33核酸分子nDi33750と呼ぶこととする。配列同定番号第2番を翻 訳すると、核酸分子nDi33750は、配列同定番号第3番で表される、ここで はPDi33234と呼ばれる、約234アミノ酸から成る全長イヌ糸状虫Di3 3たん ぱく質をコードしていることが分かるが、ただしこのとき配列同定番号第2番の 約ヌクレオチド24から約ヌクレオチド26の間に開始(スタート)コドン、そ して配列同定番号第2番の約ヌクレオチド726から約ヌクレオチド728に終 了(停止)コドンを有する開放読み取り枠を想定している。停止コドンを除く、 PDi33234をコードしているコドン領域は、ここでは配列同定番号第4番と して表される核酸配列をコドン鎖に持つ核酸分子nDi33702で表される。配 列同定番号第4番は、約17のアミノ酸のシグナルペプチドと、ここではPDi 33217と表される、約217のアミノ酸から成る見かけ上の成熟たんぱく質と をコードしているように思われ、この見かけ上の成熟たんぱく質のアミノ酸配列 をここでは配列同定番号第7番に表しておく。この見かけ上の成熟たんぱく質を コードしている核酸分子はnDi33651と言及されるが、この核酸分子のコド ン鎖の核酸配列をここでは配列同定番号第6番に記載しておく。これらの核酸配 列及びアミノ酸配列の知識があれば、当業者であれば、各核酸分子及びたんぱく 質に改変を加えることで、例えば、可溶性の増したDi33たんぱく質を開発し たり、及び/又はイヌ糸状虫Di33感染を検出することのできる切断形たんぱ く質(例えばペプチド)を開発することができる。例えば、可溶性のより高いた んぱく質を生じることになるであろうPHIS−PDi33234(これの作成に ついては実施例で説明することとする)の改変方法としては、推定上のシグナル 配列の削除及び/又はたんぱく質ヨードアセトアミド化があるが、これに限定さ れるものではない。 本発明にはさらに、イヌ糸状虫感染を検出するためにDi33ミメトープを利 用することが含まれる。本発明に基づくと、「ミメトープ」とは、抗Di33抗 体に結合するDi33たんぱく質の能力を模倣することのできるあらゆる化合物 を言う。ミメトープは、ペプチドを、分解しやすい傾向が低下するよう、しかし 抗体結合活性は維持しているように改変したものでもよい。その他のミメトープ の例には、炭水化物を基にした化合物、脂質を基にした化合物、核酸を基にした 化合物、天然の有機化合物、合成により得られた有機化合物、抗イディオタイプ 抗体及び/又は触媒抗体、又はこれらのフラグメントが含まれるが、これらに限 定されることはない。ミメトープは例えば、合成化合物のライブラリをスクリー ニングして抗Di33抗体に結合することのできる化合物を探すことで得てもよ い。ミメトープはさらに、例えば合理的なドラッグデザインにより得てもよい。 合理的なドラッグデザインの手法においては、本発明による化合物の三次元構造 を例えば核磁気共鳴法(NMR)又はX線クリスタログラフィにより分析するこ とができる。次にこの三次元構造を用いて、例えばコンピュータ・モデリングを 行うことにより、ミメトープとして可能性のある物質の構造を予測してもよい。 こうして、予測されたミメトープの構造を、例えば化学合成、組換えDNA技術 により、又は天然源からミメトープを分離することにより作成することができる 。 さらに本発明には、抗Di33抗体としても言及される、抗イヌ糸状虫Di3 3抗体が含まれる。このような抗体は本発明のDi33たんぱく質に選択的に結 合することができるものである。ここで用いられる場合の「選択的に結合する」 という術語は、このような抗体が、本発明のDi33たんぱく質に選択的に結合 することができるが、その他のたんぱく質には概ね結合できないことを言う。結 合は当業者に公知の様々な方法で測定することができるが、その中には免疫ブロ ット検定法、免疫沈降検定法、酵素免疫検定法(例えばELISA)、放射免疫 検定法、免疫蛍光抗体検定法及び免疫電子顕微鏡法が含まれる。例えばSambrook et al.,1989,Molecular Clonlng:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor La bs Pressを参照されたい。本発明の抗体は、多クローン抗体又は単クローン抗体 のいずれでもよい。本発明の抗体には、抗体フラグメント、一本鎖の抗体を含む 遺伝子操作された抗体や、抗体を得るために用いられるDi33たんぱく質又は Di33ミメトープのエピトープの少なくとも一つに選択的に結合することので きる抗体ミメトープなど、機能的等価物が含まれる。好ましくは、本発明の抗体 が、本発明のDi33たんぱく質に対し、約103-1から約1012-1の単一 部位結合親和性を有しているとよい。本発明の抗体を作成するのに好適な方法に は、動物に対し、抗体を生じるのに有効量のDi33たんぱく質又はそのミメト ープを投与して、その抗体を回収する方法がある。規定の生成物又はミメトープ に対して生じた抗体は、このような抗体が、診断的検定において干渉を起こした り、治療用組成物中に用いた場合に副作用を生じたりしかねないその他の物質に 対する抗体で大きく汚染されていないため、有利である。 本発明のある一つの実施例は、非適合性の宿主におけるイヌ糸状虫感染を検出 する方法であって、(a)このような宿主から採取した体液を、分離されたイヌ 糸状虫Di33たんぱく質を含む製剤に、Di33たんぱく質と抗Di33抗体 との間に免疫鉗体が形成されるのに充分な条件下で接触させるステップと、(b )体液中に存在するDi33たんぱく質と抗Di33抗体との間の免疫錯体形成 を測定するステップとを含む方法である。このようなDi33たんぱく質:抗D i33抗体(Di33:抗Di33)免疫錯体の存在は、宿主がイヌ糸状虫に感 染している又は最近感染した(例えば、最近感染し、その後抗Di33抗体がま だ存在する時点で化学療法を受けた)ことの指標となるものである。ここで用い られる場合の非適合性宿主とは、糸状虫への感染可能性はあるがイヌ糸状虫が良 好に適応した寄生関係を確立しないようなあらゆる動物を言う。非適合性宿主の 例には、ネコ、フェレット、及びその他のイタチ科の仲間があるが、これらに限 定されるものではない。ここで用いられる場合のネコとは、家ネコ、野生のネコ 、及び動物園のネコを含め、あらゆるネコ科(即ちネコ科)の仲間を言う。ネコ の例には、家ネコ、ライオン、トラ、ヒョウ、クロヒョウ(原語:panther)、 クーガー、ボブキャット、オオヤマネコ、ジャガー、チータ、及びサーバルが含 まれるが、これらに限定されるものではない。イヌ糸状虫感染を検査するのに好 適なネコは家ネコである。 体液とは、動物から採取できる(即ち得られる)あらゆる流体を言い、その例 には、血液、血清、血漿、尿、涙液、唾液、リンパ液、鼻分泌液、及び糞が含ま れるが、これらに限定されるものではない。 分離されたイヌ糸状虫Di33たんぱく質を含む製剤とは、少なくともDi3 3たんぱく質を含んだ組成物を言う。このような製剤にはさらに、例えばDi3 3たんぱく質が可溶化された緩衝液、及び/又は担体が含まれていてもよいが、 必ずしもこれらが含まれている必要はない。適した緩衝液及び担体は当業者には 公知である。適した緩衝液の例には、あるたんぱく質又は抗体が、例えばリン酸 緩衝生理食塩水、水、生理食塩水、リン酸緩衝液、重炭酸緩衝液、HEPES緩 衝液(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N‘−2−エタンスルホン酸緩衝 生理食塩水)、TES緩衝液(Tris−EDTA緩衝生理食塩水)、Tris 緩 衝液及びTAE緩衝液(Tris−アセテート−EDTA)など、そのパートナ ーに選択的に結合すべくその中で働くことのできるあらゆる緩衝液が含まれるが 、緩衝液の例はこれらに限られるものではない。担体の例には、ポリマー・マト リックス、トキソイド、及び、ウシ血清アルブミンなどの血清アルブミンがある がこれらに限定されるものではない。担体は、Di33たんぱく質が抗Di33 抗体に選択的に結合する能力に大きく干渉しない態様であれば、Di33たんぱ く質に混合されていても、Di33たんぱく質に結合して(即ち付着して)いて もよい。本発明の製剤には、さらに、Di33たんぱく質又は抗Di33抗体だ けでなく、イヌ糸状虫感染を検出するのに有用な一つ又はそれ以上のイヌ糸状虫 抗原又は抗体がさらに含まれていてもよい。このような抗原及び抗体の例には、 イヌ糸状虫P22U(グリーブ氏らによる1994年7月21日公開のPCT公 報WO94/15593号を参照されたい)、イヌ糸状虫P39(同書WO94 /15593号を参照されたい)、イヌ糸状虫Gp29(トリップ氏らによる1 995年9月14日公開のPCT公報WO95/24198号を参照されたい) 、イヌ糸状虫シスタチン(原語:cystatin)、イヌ糸状虫梯子型たんぱく質、イ ヌ糸状虫血中抗原(例えば上述の米国特許第4,839,275号を参照された い、及びこれらの抗原に対する抗体が含まれるが、これらに限定されることはな い。 ここで用いられる場合の「接触させる」という術語は、この場合は体液を、分 離されたDi33たんぱく質に配合又は混合することを言う。Di33たんぱく 質と抗Di33抗体との間の免疫錯体の形成とは、測定(即ち検出)の可能な安 定した錯体を形成すべく、Di33たんぱく質が抗Di33抗体に選択的に結合 することのできる能力を言う。ここで用いられる場合の抗Di33抗体に選択的 に結合するという術語は、本発明のDi33たんぱく質が、その他の抗体にほぼ 結合できない状態で抗Di33抗体に選択的に結合できるという能力を言う。D i33たんぱく質と抗Di33抗体との間の結合は、免疫錯体が形成されるのに 充分な条件下で行われるが、このような条件(例えば適切な濃度、緩衝液、温度 、反応時間)や、このような条件を最適化するための方法は当業者には公知であ り、いくつかの例がここに開示されている。免疫錯体形成条件の例はさらに、上 述のSambrook et al.による文献に開示されているが、このSambrook et al.に よる文 献全体を参考文献としてここに編入しておく。 ここで用いられる場合の「免疫錯体形成を測定する」という術語は、何らかの 免疫錯体が形成されているかを判断すること、即ち免疫錯体の存在を検定するこ とを言う。免疫錯体が形成されていれば、形成された免疫錯体の量を調べてもよ いが、必ずしも調べなくともよい。「体液中の抗Di33抗体」という文言は、 その動物が感染しているか、又は感染が大変初期か、あるいは抗Di33抗体の 形成より前に消散したかに応じて、このような抗体が存在する又は存在していな い可能性を言う。体液中のDi33と何らかの抗Di33抗体との間の免疫錯体 形成又は選択的結合は当業において標準的な様々な方法(例えば上述のSambrook et al.による文献を参照されたい)を用いて測定(即ち検出、判定)が可能で あり、このような方法の例をここで開示しておく。 本発明によると、Di33たんぱく質は、IgG、IgE、IgM、及びIg A抗体を含め、体液中のあらゆる抗Di33抗体と免疫錯体を形成することがで きる。検出をするために好適な抗体には、IgG、IgE及びIgM抗体がある が、IgG及びIgE抗体がより好ましい。抗Di33IgE抗体を検出しよう とするある実施例では、採取された体液を予処理して、アルブミンなど、体液中 に存在するその他のイソタイプの免疫グロブリン及び/又はその他のたんぱく質 の少なくともいくつかを除去しておく。このような除去法には、体液を例えばた んぱく質Gなどの物質に接触させてIgG抗体を除去したり、及び/又は、体液 を例えばコンカナバリンAに暴露することで身体のその他の成分からIgE抗体 を親和性精製する方法が含まれるが、これらに限定されるものではない。 免疫錯体は、以下の方法を含む、しかしそのうちの一つ又はそれ以上の利用に 限らず、様々な方法で測定が可能である。即ち、酵素結合免疫検定法、ラジオイ ムノアッセイ、蛍光免疫検定法、ラテラル・フロー(原語:lateral flow)検定 法、凝集反応検定法、微粒子を基にした検定法(例えば磁気粒子や、ラテックス ・ビード又はポリスチレン・ビードなどの樹脂ポリマなど、微粒子を用いたもの )、免疫沈降検定法、及び免疫ブロット検定法(例えばウェスタン・ブロット法 )である。このような検定法は当業者には公知である。検定法を用いれば、それ らがどのように用いられるかに応じ、定性的結果又は定量的結果を出すことが可 能で ある。凝集法、微粒子分離法及び免疫沈降法など、いくつかの検定法は、検出可 能なマーカを必要とせずに(例えば肉眼や、濃度計又は分光光電光度計などの機 械により)視覚的に観察することができる。その他の検定法では、検出可能なマ ーカを、検出しようとする抗体に選択的に結合するDi33たんぱく質又は組成 物に(以下に詳述する)結合させると、免疫錯体形成を測定するのに役立つ。検 出可能なマーカをDi33たんぱく質又はこの組成物のいずれかに結合させる際 には、Di33たんぱく質又は組成物が、検出しようとする抗体に結合する能力 を遮断しないような態様で結合させる。検出可能なマーカの例には、酵素標識( 例えば西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼなど)、放射性標 識、蛍光標識、化学発光標識、色素産生標識(例えば比色標識)、及びリガンド (例えばビオチン、アビジン、ストレプタビジン、及び関連する化合物など)が 含まれるが、これらに限られるものではない。 ある一つの実施例では、免疫錯体は、Di33たんぱく質に接触させた体液( 即ち体液をDi33たんぱく質に接触させた結果のもの)を、以下の抗体イソタ イプのうちの一つに選択的に結合する組成物に接触させることで測定される。即 ち、IgG抗体、IgE抗体、IgM抗体又はIgA抗体のうちの一つである。 このような組成物の例には、抗イソタイプ抗体である第二抗体(例えば抗ネコ免 疫グロブリン抗体など、Di33に結合した宿主抗体の定常領域に選択的に結合 する抗体)、抗体結合バクテリア表面たんぱく質(例えばたんぱく質A又はたん ぱく質G)、抗体結合細胞(例えばB細胞、T細胞、又はマクロファージ)、抗 体結合真核細胞表面たんぱく質(例えばFcレセプタ)、及び抗体結合補体系た んぱく質などがあるが、これらに限定されることはない。好適な組成物には、抗 IgG抗体、抗IgE抗体、抗IgM抗体、抗IgA抗体、Fcγレセプタ分子 、Fcεレセプタ分子、Fcμレセプタ分子、及びFcαレセプタ分子がある。 ここで用いられる場合のFcレセプタ分子には、完全なFcレセプタだけではな く、抗体のH鎖定常領域に選択的に結合することのできるあらゆるそのサブユニ ット又は部分が含まれる。例えば、Fcεレセプタ分子は完全なFcεレセプタ (細胞に結びついていても、細胞から分離されていてもよい)でも、又は、Ig E抗体のH鎖定常領域に選択的に結合することができれば、Fcεレセプタα鎖 又はFcεレ セプタα鎖のいかなる部分でもよい。Di33たんぱく質に結合した、体液から 得られた抗体の量は、第二抗体又はその他の結合化合物による一つ又はそれ以上 の層及び/又は種類を利用して決定できることは、本発明の範囲内である。例え ば、標識を付けていない第二抗体を、体液から得た抗Di33抗体に結合させて おき、次にこの標識のない第二抗体を、標識の付いた第三抗体に結合させてもよ い。 ある実施例では、免疫錯体を溶液中で形成させ、かつ測定することができる。 別の実施例では、抗Di33抗体に結合させるのに用いるDi33たんぱく質又 は組成物のいずれかを基質上に固定(例えば被膜するなど)してもよい。固定技 術は当業者には公知である。Di33たんぱく質又は一組成物をその上に固定す るのに適した基質材料の例には、ラテックス、ポリスチレン、ナイロン、ニトロ セルロース、アガロース、PVDF(フッ化ビニリデン樹脂)及び磁気樹脂など 、合成樹脂、ガラス、ゲル、セルロイド、紙、及び微粒子材料があるが、これら に限定されるものではない。適した基質には、ウェル(例えばマイクロタイタ皿 のウェル)、プレート、ディップスティック、ビード、ラテラル・フロー装置、 膜、フィルタ、チューブ、シャーレ、セルロイド型マトリックス、磁気粒子、及 びその他の微粒子があるが、これらに限らない。ある一つの実施例としては、微 粒子などの基質に検出可能なマーカが含まれていてもよい。 イヌ糸状虫感染を検出するのに好適な方法は免疫吸着検定法である。ある一つ の実施例では、Di33たんぱく質をマイクロタイタ皿のウェル又はディップス ティックなどの基質上に固定する。動物から採取した体液をこの基質に付着させ 、免疫錯体が形成されるのに充分な条件下でインキュベートする。余分な体液が あればこれを取り除き、Di33たんぱく質に結合した抗Di33抗体に選択的 に結合できる組成物を、検出可能なマーカ(好ましくは酵素標識、比色標識、蛍 光標識、放射性同位元素、又はビオチン又はアビジン系のリガンド)に結合させ たものをこの基質に加えてインキュベートし、この組成物と免疫錯体との間で錯 体を形成させる。余分な組成物を取り除き、必要に応じて現像主薬を加え、基質 を検出装置にかけて分析する。あるいは選択に応じ、上述したような抗体結合組 成物を基質上に固定し、体液をこの基質と共にインキュベートして免疫錯体を形 成させる。こうしてマーカを結合させたDi33たんぱく質をこの免疫錯体に付 着 させると、免疫錯体の検出を行うことができる。 イヌ糸状虫感染を検出するためのもう一つの好適な方法はラテラル・フロー検 定法であるが、この方法の例がいくつか、プロノボスト氏らの1995年6月1 3日発行の米国特許第5,424,193号、イムリッチ氏らの1995年5月 16日発行の米国特許第5,415,994号、ミラー氏らの1994年12月 22日公開のWO94/29696号、及びポーラク氏らによる1994年1月 20日公開のWO94/01775号に開示されており、これらの特許公報をそ れぞれ、全文を参考文献としてここに編入しておく。ある一つの実施例では、体 液試料を、以下の成分を含んだラテラル・フロー装置に配する。即ち(a)流路 を規定する支持構造、(b)Di33たんぱく質に結合させたビードを含む標識 試薬、この標識試薬は支持構造内の標識域に含浸させてある、(c)抗体結合組 成物を含む捕獲試薬、である。捕獲試薬は、標識試薬が標識域から捕獲域に流れ られるよう、標識域に流体的に接続する捕獲域内の標識試薬下流に配置される。 支持構造は、ビードが標識域から捕獲域に流れるのを妨げない物質を含む。この ような物質の例には、ニトロセルロース及びPVDFがあるが、これらに限定さ れるものではない。支持構造は横方向の流路を規定するが、この流路は標識域及 び捕獲域という、複数域に分割される。この装置には、さらに、流路に沿って配 置される試料受容域が含まれていてもよいが、この試料受容域は好ましくは標識 試薬の上流に配置されているとよい。支持構造内の流路は、好ましくは流路の終 点にある、捕獲域下流の支持構造部分を、標識域及び捕獲域から余分な液体を吸 収することのできる吸収剤に接触させることで作り出される。 この実施例では、体液は、支持構造の一部を含む試料受容域に施される。標識 域が試料受容域から試料を受け取ると、この試料は前記の流路により下流に向け られる。標識域は、抗Di33抗体に結合する標識試薬を含む。好適な標識試薬 は、ラテックスのビードなどの樹脂製ビードの基質に直接又はリンカを介して結 合させたDi33たんぱく質である。基質にはまた、検出可能なマーカ、好まし くは比色マーカが含まれる。典型的には、標識試薬を乾燥又は凍結乾燥により支 持構造に含浸させる。試料構造はまた、標識域の下流に捕獲域を含む。捕獲域が 標識域から標識試薬を受け取ると、この試薬は流路により下流に向けられる。捕 獲域は上述したように、免疫錯体を含有する標識試薬(即ち標識試薬のDi33 たんぱく質部分と錯体形成させた抗Di33)を捕獲域内に固定する捕獲試薬、 この場合は抗体結合組成物を含有する。捕獲試薬は好ましくは乾燥又は凍結乾燥 により支持構造に固定されているとよい。標識試薬は捕獲域内で蓄積するが、こ の蓄積を視覚的に又は光学的検出装置により評価する。 別の実施例では、イヌ糸状虫感染を検出するために用いるラテラル・フロー装 置には、(a)流路を規定する支持構造、(b)上述したように抗体結合組成物 を含んだ標識試薬、ただしこの標識試薬は支持構造内の標識域に含浸される、及 び(c)Di33たんぱく質を含む捕獲試薬、ただしこの捕獲試薬は、標識試薬 が標識域から捕獲域に流れられるよう、標識域に流体的に接続する捕獲域内の標 識試薬下流に配置される、が含まれる。この装置は好ましくは、流路に沿って配 置される、好ましくは標識試薬の上流に配置される試料受容域をさらに含むとよ い。この装置はまた、流路の終点に配置された吸収剤をさらに含むことが好まし い。 本発明のもう一つの実施例は宿主動物においてイヌ糸状虫を検出する方法であ る。当該方法は、(a)その動物から採取された体液を、分離されたイヌ糸状虫 Di33たんぱく質を含む製剤に、Di33たんぱく質と抗Di33IgE抗体 との間に免疫錯体が形成されるのに充分な条件下で接触させるステップと、(b )体液中に存在するDi33たんぱく質と抗Di33IgE抗体との間の免疫錯 体形成を測定するステップとを含む。このようなDi33たんぱく質:抗Di3 3IgE抗体の免疫錯体の存在は、その動物がイヌ糸状虫に感染している又は最 近感染したことの指標となるものである。ここで用いられる場合の宿主動物とは 、イヌ糸状虫感染の可能性のある、従って適合性又は非適合性の宿主(即ちそれ ぞれ、イヌ糸状虫が寄生関係を確立する又は確立しない動物)の両方を含むあら ゆる動物を言う。宿主動物の例には、ネコ、イヌ、フェレットや、その他のイタ チ科の仲間、アシカやその他のひれあし目の海洋ほ乳類、及びヒト並びにその他 の霊長類を含め、しかしこれらに限らず、イヌ糸状虫に感染する可能性のあるあ らゆる動物が含まれる。イヌという術語は、家イヌ、野生のイヌ、キツネ、オオ カミ、ジャッカル、及びコヨーテを含む、しかしこれらに限らずあらゆるイヌ科 の 仲間を言うことに留意されたい。上述したように、ネコはいかなるネコ科の仲間 でもよい。検査をするのに好適な動物には家ネコ、家イヌ、及びフェレットがあ る。免疫錯体の形成及び測定法は上述した通りであるが、抗体結合組成物はIg EH鎖定常領域に結合するような組成物、例えば、しかしこれらに限らず、抗I gE抗体及びFcεレセプタ分子、例えばIgEH鎖定常領域に結合する完全な Fcεレセプタ、Fcεレセプタα鎖、又はFcεレセプタα鎖の一部分など、 に限定される。抗Di33IgE抗体は上述したような試験管内技術により検出 可能であるだけでなく、抗Di33抗体はさらに、例えば皮膚検査などの生体内 技術によっても検出が可能である。IgE抗体を検出するための生体内法は当業 者には公知であるが、このような方法の例はフランク氏らによる1996年4月 18日公開のPCT特許公報WO96/11271号にも開示されており、この 公報をその全文のまま、ここに参考文献として編入しておく。 本発明のさらに別の実施例は、非適合性の宿主中のイヌ糸状虫を検出する方 法であるが、当該方法は、(a)宿主から採取した体液を、分離された抗Di3 3抗体を含む製剤に、前記抗Di33抗体とイヌ糸状虫Di33たんぱく質との 間に免疫錯体が形成されるのに充分な条件下で接触させるステップと、(b)体 液中に存在するこの抗Di33抗体とイヌ糸状虫Di33たんぱく質との間の免 疫錯体形成を測定するステップとを含む。このような免疫錯体の存在は、宿主が イヌ糸状虫に感染している又は最近感染したことの指標となるものである。本発 明による抗Di33抗体を、同抗体を生じさせる方法と共にここで開示する。免 疫錯体を形成させる方法、及び、免疫錯体形成を測定する方法は、ここの他の場 所で開示されたものと同様であるが、例外として、この場合に分離された抗体を 用いて検出しようとするのは天然Di33たんぱく質である。当業者であれば、 この実施例を実施する際には、開示された方法に調節を行うことができる。 本発明はさらに、開示された検出方法の各々に基づいてイヌ糸状虫感染を検出 するためのキットを含む。ある一つの実施例は、分離されたイヌ糸状虫Di33 たんぱく質と、このDi33たんぱく質と免疫錯体を形成することのできる抗体 を検出する組成物とを含む、イヌ糸状虫感染を検出するためのキットである。も う一つの実施例は、分離された抗Di33抗体と、抗Di33抗体及びイヌ糸状 虫Di33たんぱく質の間の免疫錯体を検出する組成物とを含むキットである。 両方の実施例について、このような組成物の例をここで開示するが、このような 組成物はIgG、IgE、IgM又はIgA抗体を検出することができるもので ある。好適なキットには、Di33たんぱく質又は抗Di33抗体がそれぞれ基 質に固定されたものがある。キットにはさらに、イヌ糸状虫感染の一つ又はそれ 以上の診断試薬が含まれていてもよく、この診断試薬の一方は分離されたDi3 3たんぱく質又は分離された抗Di33抗体であり、他方はここで開示するよう な、さらなる分離されたイヌ糸状虫抗原及び/又は抗体である。さらに、抗体結 合組成物が基質に固定されたキットも好ましい。特に好適なのは、免疫吸着検定 法又はラテラル・フロー検定法の形式で用いられるキットである。 本発明はまた、本発明のDi33たんぱく質を作成する方法をも含む。本発明 のDi33たんぱく質はイヌ糸状虫から分離されても、組換えにより作成されて も、又は化学合成されてもよい。Di33たんぱく質を作成するためのある好適 な方法は組換えDi33たんぱく質生成である。 本発明の一実施例はDi33たんぱく質を作成する方法であり、当該方法は( a)Di33たんぱく質を発現する組換え細胞を培養してこのたんぱく質を生成 させるステップと、(b)このたんぱく質を回収するステップとを含む。このよ うに、本発明は、本発明のDi33たんぱく質をコードしている分離されたDi 33核酸分子と、このようなDi33核酸分子を含んだ組換え分子及び組換え細 胞とを含む。分離されたDi33核酸分子とは、その天然ミリューから取り出さ れた核酸分子を言う。従って、「分離された」及び「生物学的に純粋な」とは、 必ずしも、その核酸分子が精製された程度を反映するものではない。本発明によ る分離されたイヌ糸状虫Di33核酸分子はその天然源から(即ちイヌ糸状虫か ら)得られても、組換えDNA技術を用いて作成されても、又は化学合成により 作成されてもよい。分離されたイヌ糸状虫Di33核酸分子は、本発明のDi3 3たんぱく質をコードしているあらゆる分子である。Di33核酸分子の例には 、nDi33346、nDi33750、nDi33702、nDi33708、及びnDi 33651があるが、これらに限定されるものではなく、その作成法は実施例で開 示する。 本発明の一実施例には組換えベクタが含まれるが、この組換えベクタは、この 核酸分子を宿主の細胞内に送達することのできるベクタに挿入された、本発明に よる分離された核酸分子を少なくとも一つ含むものである。このようなベクタは 異種の核酸配列を含んでいるが、この異種の核酸配列は、天然では本発明の核酸 分子に隣接して見られるものではないと共に、好ましくはその核酸分子の由来と なった種以外の種を由来とするものであるとよい。ベクタはRNAでもDNAで もよく、原核性でも真核性でもよいが、典型的にはウィルス又はプラスミドであ る。本発明のDi33核酸分子のクローン形成、配列決定、及び/又は操作には 組換えベクタを用いることができる。 ここでは組換え分子と呼ばれる、ある種類の組換えベクタは、発現ベクタに有 効に(原語:operatively)連結させた本発明による核酸分子を含む。この「有 効に(原語:operatively)連結させたという文言は、ある核酸分子を、宿主の 細胞内に形質転換させたときにその細胞が発現可能であるような態様で発現ベク タへ挿入することを言う。ここで用いられる場合の発現ベクタは、宿主の細胞を 形質転換させて特定の核酸分子を発現させることのできるDNA又はRNAベク タである。好ましくは、この発現ベクタがさらに、宿主の細胞内で複製が行える ものであるとよい。発現ベクタは原核性又は真核性のいずれでもよいが、典型的 にはウィルス又はプラスミドである。本発明の発現ベクタには、バクテリア、真 菌、寄生生物、昆虫、その他の動物、及び植物の細胞を含め、本発明の組換え細 胞内で機能する(即ち遺伝子発現を命令する)あらゆるベクタが含まれる。本発 明において好適な発現ベクタは、バクテリア、酵母、蠕虫又はその他の寄生虫、 昆虫及びほ乳類の細胞内、より好ましくはバクテリア内で遺伝子発現を命令でき るものである。 具体的には、本発明の発現ベクタは、転写調節配列、翻訳調節配列、複製開始 点、及びその他の調節配列など、組換え細胞と適合性があると共に本発明の核酸 分子の発現を制御する調節配列を含む。具体的には、本発明の組換え分子には転 写調節配列が含まれる。転写調節配列とは、転写の開始、延長、及び終了を制御 する配列である。特に重要な転写調節配列は、プロモータ、エンハンサ、オペレ ータ、及びリプレッサ配列など、転写の開始を調節するものである。適した転写 調節配列には、本発明の組換え細胞のうちの少なくとも一つで機能することので きるあらゆる転写調節配列が含まれる。様々なこのような転写調節配列が当業者 には公知である。好適な転写調節配列には、バクテリア、酵母、蠕虫又はその他 の寄生虫、昆虫及びほ乳類の細胞内で機能するものが含まれる。より好適な転写 調節配列には、例えばtac、lac、trp、trc、oxy-pro、omp/lpp、rrnB、バクテリ オファージラムダ(例えばラムダPL及びラムダPR並びに、このようなプロモー タを含む融合株)、バクテリオファージT7、T7lac、バクテリオファージT 3、バクテリオファージSP6、バクテリオファージSP01、及び抗生物質耐 性遺伝子転写調節配列などの、しかしこれらに限らず、バクテリア内で働くもの が含まれる。 本発明による組換えベクタ内に含めるのに適した及び好適な核酸分子をここに 開示する。組換えベクタ、特に組換え分子に含めるのに好適な核酸分子には、n Di33346、nDi33750、nDi33702、nDi33708、及びnDi33651 がある。本発明にとって特に好適な組換え分子には、pλPR−nDi337 08 及びpλPR−nDi33651があるが、その作成法は実施例の章で述べるこ ととする。 本発明の組換え分子は、さらに(a)発現された本発明の寄生蠕虫たんぱく質 を、このたんぱく質を生成する細胞が分泌できるようにする分泌シグナル(即ち シグナル部分の核酸分子)を含んでいる、及び/又は(b)本発明の核酸分子を 融合たんぱく質として発現させることにつながる融合配列を含んでいてもよい。 適したシグナル部分の例には、本発明のあるたんぱく質の分泌を命令することの できるあらゆるシグナル部分が含まれる。本発明に用いるのに適した融合部分に は、あるたんぱく質の安定性を高めることのできる、及び/又は、(例えば親和 性クロマトグラフィによる)Di33たんぱく質の精製に役立てることのできる 部分が含まれるが、これに限定されるものではない。適した融合部分は所望の機 能(例えば安定性を増加させる、及び又は、あるたんぱく質の精製を容易にする )を有するいかなる大きさの一ドメインでもよい。融合部分はそのたんぱく質の Di33ドメインのアミノ及び/又はカルボキシル端に接合させてよく、またあ るDi33たんぱく質を簡単に回収できるよう、切断しやすいものにしてもよい 。 融合たんぱく質は好ましくは、あるドメインのカルボキシル及び/又はアミノ端 のいずれかに付着させた融合部分を含むあるたんぱく質をコードしている融合核 酸分子で形質転換させた組換え細胞を培養することにより、作成するとよい。好 適な融合部分には、金属結合ドメイン(例えばポリ−ヒスチジン部分)、免疫グ ロブリン結合ドメイン(例えばたんぱく質A、たんぱく質G、T細胞、B細胞、 Fcレセプタ又は補体系たんぱく質抗体結合ドメイン)、糖結合ドメイン(例え ばマルトース結合ドメイン)、及び/又は「標識」ドメイン(例えばβガラクト シダーゼの少なくとも一部分、連鎖球菌標識ペプチドや、例えば単クローン抗体 など、そのドメインに結合する化合物を用いて精製可能なその他のドメイン)が 含まれる。より好適な融合部分は金属結合ドメインである。本発明において特に 好適な融合たんぱく質の例にはPHIS−PDi33234があるが、その生成法 をここに開示する。 本発明のもう別の実施例には、本発明による一つ又はそれ以上の組換え分子で 形質転換させた宿主細胞を含む組換え細胞がある。ある細胞内への核酸分子の形 質転換は、核酸分子を細胞内に挿入することができればいかなる方法でも達成が 可能である。形質転換技術には、トランスフェクション、エレクトロポレーショ ン、マイクロインジェクション、リポフェクション、吸着、及びプロトプラスト 融合があるが、これらに限定されるものではない。形質転換させた本発明の核酸 分子は染色体外のままでも、又は、形質転換された(即ち組換え)細胞の染色体 内の一つ又はそれ以上の部位にそれらの発現能力が維持されるような態様で組み 込まれてもよい。ある細胞を形質転換させるのに好適な核酸分子には、ここで開 示したようなDi33核酸分子が含まれる。ある細胞を形質転換させるのに特に 好適な核酸分子にはnDi33346、nDi33750、nDi33702、nDi3 3708、及びnDi33651がある。 形質転換するのに適した宿主細胞には、本発明の核酸分子により形質転換す ることが可能なあらゆる細胞が含まれる。宿主の細胞は未形質転換の細胞でも、 又は既に少なくとも一つの核酸分子で形質転換された細胞でもよい。本発明の宿 主細胞は本発明の少なくとも一つのたんぱく質を生成することができればいかな る細胞でもよく、バクテリア、真菌(酵母を含む)、寄生生物(蠕虫、原虫及び 外部寄生虫を含む)、その他の昆虫、その他の動物及び植物の細胞がこれに含ま れる。好適な宿主細胞には、バクテリア細胞があるが、サルモネラ菌、エシェリ キア菌、及びバチルス菌がより好ましく、大腸菌が特に好ましい。組換え細胞は 、宿主細胞を、転写調節配列を含んだ発現ベクタに有効に連結された本発明のD i33核酸分子を含む組換え分子で形質転換させることで作成されると好ましい 。有効に連結されたという文言は、ある核酸分子を、宿主細胞内に形質転換され たときにその分子が発現可能であるような態様で発現ベクタ内に挿入することを 言う。特に好適な組換え分子にはpλPR−nDi33708及びpλPR−nD i33651がある。特に好適な組換え細胞には、大腸菌:pλPR−nDi337 08 及び大腸菌:pλPR−nDi33651が含まれる。これらの組換え細胞の作 成法の詳細をここに開示しておく。 組換えDNA技術を用いれば、例えば宿主内におけるその核酸分子のコピー数 、それらの核酸分子が転写される効率、その結果得られる写しが翻訳される効率 、及び翻訳後の改変の効率などを操作することにより、形質転換させた核酸分子 の発現を向上させることができる。本発明の核酸分子の発現を増加させるのに有 用な組換え技術には、核酸分子を高コピー数のプラスミドに有効に連結すること 、この核酸分子を一つ又はそれ以上の宿主細胞染色体に組み込むこと、ベクタの 安定性配列をプラスミドに加えること、転写調節シグナル(例えばプロモータ、 オペレータ、エンハンサ)の置換又は改変、翻訳調節シグナル(例えばリボソー ム結合部位、シャイン−ダルガルノ配列)の置換又は改変、宿主細胞のコドン利 用に対応する本発明の核酸分子の改変、写しを不安定にする配列の削除、及び、 発酵の間、組換え酵素生成から組換え細胞の成長を一時的に切り離す調節シグナ ルの利用があるが、これらに限られることはない。本発明による発現された組換 えたんぱく質の活性は、このようなたんぱく質をコードしている核酸分子をフラ グメント化する、改変する、又は誘導することにより、向上するかも知れない。 本発明の分離されたDi33たんぱく質は、PHIS−PDi33234及びP Di33217を含め、しかしこれらに限らず、様々な方法で作成が可能であるが 、その中には天然たんぱく質の生成及び回収、組換えたんぱく質の生成及び回収 、及びこのたんぱく質の化学合成がある。ある実施例では、本発明の分離された た んぱく質は、そのたんぱく質を発現可能な細胞を、そのたんぱく質を生成するの に効果的な条件下で培養し、同たんぱく質を回収することで作成される。培養す るのに適した細胞は本発明の組換え細胞である。効果的な培養条件には、たんぱ く質生成が可能な効果的な培地、バイオリアクタ、温度、pH及び酸素条件が含 まれるが、これらに限定されるものではない。効果的な培地とは、細胞が培養さ れると、本発明のDi33たんぱく質が生成されるようなあらゆる培地を言う。 このような培地は典型的には、同化可能な炭素、窒素及びリン酸塩の源を有する 水性培地や、適した塩、鉱物、金属及びその他の栄養素、例えばビタミンを含む ものである。本発明の細胞は通常の発酵バイオリアクタ、振盪フラスコ、試験管 、マイクロタイタ皿、及びペトリ皿内で培養してよい。培養は組換え細胞にとっ て適切な温度、pH、及び酸素含有量で行ってよい。このような培養条件は当業 者の知見の範囲にある。適した条件の例は実施例の章に含まれている。 生成に用いたベクタ及び宿主系に応じ、その結果得られる本発明のたんぱく質 は組換え細胞内に留められても、発酵培地に分泌されても、大腸菌のペリプラス ム間隙などの二つの細胞膜間の間隙に分泌されても、又は細胞の外表面又はウィ ルス膜上に留められてもよい。 「たんぱく質を回収する」という文言や同様の文言は、たんぱく質を含有する 発酵培地全体を採取することを言い、必ずしも分離又は精製するためのさらなる ステップを意味するものではない。本発明のたんぱく質は、例えば、しかしこれ らに限らず、親和性クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、濾過、電 気泳動法、疎水性相互作用クロマトグラフィ、ゲル濾過クロマトグラフィ、逆相 クロマトグラフィ、コンカナバリンAクロマトグラフィ、クロマトフォーカシン グ及び吸収率較差法など、様々な標準的たんぱく質精製技術を用いて精製するこ とができる。本発明のたんぱく質は好ましくは「概ね純粋な」形で取り出される とよい。ここで用いられる場合の「概ね純粋な」とは、検出試薬としてそのたん ぱく質を効果的に用いることのできる純度を言う。 本発明のある一つの実施例はDi33たんぱく質を精製するための方法であり 、同方法は(a)イヌ糸状虫Di33核酸分子で形質転換させたバクテリアを培 養してイヌ糸状虫Di33たんぱく質含有培養株を作成するステップと、(b) D i33たんぱく質を含む不溶性の物質(光屈折小体であると考えられる)をこの 培養株から回収するステップと、(c)この不溶性の物質からDi33たんぱく 質を精製するステップとを含む。精製ステップは好ましくは、(a)不溶性の物 質を破砕してDi33たんぱく質を含む溶液を形成するステップと、(b)この 溶液に陽イオン交換クロマトグラフィを行うステップと、(c)Di33たんぱ く質を回収するステップとを含むとよい。このような方法を用いると、少なくと も約80%純粋な、そして好ましくは約90%純粋なたんぱく質が得られる。こ の回収されたたんぱく質にさらに疎水性相互作用クロマトグラフィを行ってから このたんぱく質を回収すると、その結果得られるたんぱく質は少なくとも約95 %純粋、そして好ましくは少なくとも約99%純粋となる。本発明はさらに、こ れらの方法に基づいて精製されたたんぱく質を含むものである。これらの方法の 詳細は実施例で述べることとする。これらの方法に基づいて精製するのに好適な たんぱく質はPHIS−PDi33234である。PHIS−PDi33234は、例 えば8Mの尿素又は150mMのソルビトールを除く大半の溶液中で大変低い可 溶性を有する。従って、精製プロトコルの開発は大変難しく、結果得られたプロ トコルも明白なものではなかった。尿素は疎水性環境にある成分ではないために 、疎水性相互作用クロマトグラフィを達成できたことは特に驚くべきことであっ た。 以下の実施例は実例を挙げることを目的として提供されるものであり、本発明 の範囲を限定するものとしては意図されてはいない。 実施例 実施例1 本実施例は、本発明のnDi33核酸分子のクローン形成及び配列決定を説く ものである。本実施例には、当業者に公知と考えられる数多くの分子生物学、微 生物学、免疫学、生化学、及び検定技術が含まれていることに留意されたい。こ のような技術の開示は、例えば上述したSambrook et al.の文献及び関連する文 献に見ることができる。 Onchocerca volvulusOv33(例えばLucius et al.1988,J.Exp.Med.168,119 9-1204を参照されたい)及びAcanthocheilonema viteaeAv33(例えば Willenbucher et al,1993,Mol.Biochem Parasitol.57,349-351を参照されたい )のコドン領域の核酸配列を比較することで設計されたプライマを用いて成虫の オス及びメスのイヌ糸状虫Di33のcDNAライブラリをPCR増幅すること で、イヌ糸状虫Di33核酸分子を分離した。設計されたプライマは、核酸配列 5‘GCTGGATGTGTIGTIGTIGATAATAAACTGTTTG C3’(ここでは配列同定番号第8番と呼ぶ)を有するDi33−Sと、核酸配 列5‘ATATTTCTGATAIGCTGTCATTTT3’(ここでは配列 同定番号第9番と呼ぶ)を有するDi33−Aであった。この約405塩基対の PCR生成物に対し、核酸配列分析を行った。分析の結果、ここではnDi33346 と呼ばれるこのPCR生成物は大きさが約346塩基対であり、ここでは配 列同定番号第1番と呼ばれる核酸配列を有するコドン鎖を有することが示された 。 核酸分子nDi3334632P混合−ヘキサマーの標識をし、これを用いて緊 縮交雑条件によりイヌ糸状虫の成虫メスcDNAライブラリを(例えば上述した Sambrook et al.の文献に開示されたように)プローブした。14の陽性プラー クをPCR分析して全長コドン領域を見かけ上含むものを判別した。見かけ上全 長コドン領域を含有する核酸分子の核酸配列決定の結果、配列同定番号第2番を 得た。配列同定番号第2番のコドン鎖及びその相補鎖(当業者であればその配列 は容易に判定される)を有する核酸分子をここではnDi33750と表す。配列 同定番号第2番はGenBank受け入れ番号U31450番を有する。 配列同定番号第2番の翻訳の結果、核酸分子nDi33750は、配列同定番号 第3番で表される、ここではPDi33234と呼ばれる、約234のアミノ酸か ら成る全長イヌ糸状虫Di33たんぱく質をコードしていることが分かるが、こ のとき、開放読み取り枠の開始(スタート)コドンは配列同定番号第2番の約ヌ クレオチド24から約ヌクレオチド26にあり、終了(停止)コドンは配列同定 番号第2番の約ヌクレオチド726から約ヌクレオチド728にあるものと想定 している。PDi33234をコードしている、停止コドンを除くコドン領域は、 ここでは配列同定番号第4番で核酸配列が表されるコドン鎖を有する核酸分子n Di33702により表される。配列同定番号第4番は約17のアミノ酸から成る シグナルペプチドと、ここではPDi33217で表される、約217のアミノ酸 から成る 見かけ上の成熟たんぱく質とをコードしていると思われるが、この見かけ上の成 熟たんぱく質のアミノ酸配列をここでは配列同定番号第7番で表す。この見かけ 上の成熟たんぱく質をコードしている核酸分子をnDi33651と呼ぶこととす るが、そのコドン鎖の核酸配列をここでは配列同定番号第6番で表す。 推定されたアミノ酸配列、配列同定番号第3番は、分子量が約26.4キロダ ルトン、そして推定pIが約8.55のたんぱく質であることを示す。配列同定 番号第3番は、O.volvulusOv33のアミノ酸配列に対して約82%同一である と共にA.viteaeAv33のアミノ酸配列に対して約75%同一である。配列同 定番号第4番はO.volvulusOv33のコドン領域の核酸配列に対して約81%同 一であると共にA.viteaeAv33のコドン領域の核酸配列に対して約78%同 一である。 実施例2 本実施例は本発明による組換え分子及び組換え細胞の作成を開示するものであ る。 ラムダファージ転写調節配列と、ポリ−ヒスチジン部分をコードする融合配列 とに有効に連結させたイヌ糸状虫Di33核酸分子を含有する組換え分子pλP R−nDi33708を以下の方法で作成した。ここではnDi33708と表される 、配列同定番号第1番の約24から約731までのヌクレオチドを含有する約7 08のヌクレオチドDNAフラグメント(そのコドン鎖の核酸配列はここでは配 列同定番号第5番と表される)を、実施例1で述べたように作成された核酸分子 nDi33750から、プライマDi33-sen5‘GAAGGGATCCTATG AAAATTCTTTTCTGTTTCG3’(ここでは配列同定番号第10番 と表す、太字はBamHI部位)と、プライマDi33-ant5‘GGACGAATT CTGTTTAATAAATTGCAATACAGAAATGTG3’(ここで は配列同定番号第11番と表す、太字はEcoRI部位)とを用いてPCR増幅した 。組換え分子pλPR−nDi33708は、nDi33708を含有するPCR生成 物をBamHI及びEcoRI制限エンドヌクレアーゼで分解し、その結果生じたフラグメ ントをゲル精製し、これを、BamHI及びEcoRIで切断された発現ベクタλPRcro /T2ori/RSET−B中に定方向的にサブクローン形成し、ゲル精製するこ とで作成された。発現ベクタλPRcro/T2ori/RSET−Bは以下のヌクレ オチド部分を含む。アンピリシン耐性遺伝子及び大腸菌の複製を含むpUC19 から得た約1990塩基対のPvuIIからAatIIフラグメント;(cItsをコードし ている遺伝子、プロモータPR、及びcroたんぱく質の22個のアミノ酸をコード している配列を含む)ラムダ転写調節領域を含むpRK248clts(メリーラン ド州、ロックビル、アメリカンタイプ・カルチャー・コレクション社から入手可 能)から得た約1000塩基対のPvuIIからBgIIIまでのフラグメント;T7プロ モータを含むpGEMEX−1(ウィスコンシン州、マジソン、プロメガ社から 入手可能)から得た約60塩基対のBgillからXbalまでのフラグメント;T7− S10翻訳エンハンサ、His6融合、14アミノ酸S10リーダ融合、及びエンテ ロキナーゼ切断部位並びに複数のクローニング部位をコードした配列を含むpR SET−B(カリフオルニア州、サンディエゴ、インビトロゲン社から入手可能 )から得た約166塩基対のXbalからEcoRIまでのフラグメント;及び、三つの 読み取り枠すべてのT1翻訳終了暗号を含む合成翻訳及び転写終了シグナルと、B acillus thurengiensis結晶たんぱく質から得たRNA安定化配列と、trpAオペ ロンから得たT2rho−独立転写終了暗号とを含んだ約210塩基対のEcoRIから AatlIまでのフラグメント。 組換え分子pλPR−nDi33708を、上述したSambrook et al.が開示した ような標準的枝術を用いて大腸菌内に形質転換させて組換え細胞Ecoli:pλP R−nDi33708を形成させた。 実施例3 本実施例は、本発明のDi33たんぱく質の原核細胞内での生成と抗Di33 抗体の生成とを開示するものである。 実施例2で説明したように作成した組換え細胞Ecoli:pλPR−nDi3370 8 を、0.1mg/mlのアンピシリン及び1%のグルコースを含有する濃縮さ れたバクテリア成長培地を容れた振盪フラスコ内で約32℃で培養した。細胞が 約0.6のOD600に達した時点で、温度を素早く42℃まで調節し、細胞培養 を約2時 間続行することでイヌ糸状虫nDi33708の発現を誘導した。たんぱく質生成 を、組換え細胞の溶解産物のSDSPAGE、続いて標準的技術を用いた免疫ブ ロット分析法により観察した。組換え細胞Ecoli:pλPR−nDi33708は、 ここでPHIS−PDi33234と表される融合たんぱく質を生成し、この融合 たんぱく質は約35キロダルトンの見かけ上の分子量で移動した。 組換え細胞Ecoli:pλPR−nDi33708の溶解産物の免疫ブロット分析の 結果、この約35キロダルトンのたんぱく質は、組換えPHIS−PDi3323 4 融合たんぱく質の融合部分に向けられたT7標識単クローン抗体(ウィスコン シン州、マジソン、ノバゲン社から入手可能)に結合することができることが示 された。 ニッケル・キレーション・クロマトグラフィ及びpH勾配により、大腸菌たん ぱく質からPHIS−PDi33234ヒスチジン融合たんぱく質を分離した。た んぱく質の精製を、SDSPAGE、続いてカラム溶出液留分のクーマシー・ブ ルー染色により観察した。Ecoli:pλPR−nDi33708の溶解産物、カラム 溶出液、及びカラムのボイド容量の免疫ブロット分析の結果、ニッケルカラムク ロマトグラフィを用いて分離されたこのPHIS−PDi33234の35キロダ ルトンのたんぱく質はT7標識単クローン抗体に選択的に結合可能であることが 示された。 キレーション・クロマトグラフィで精製されたPHIS−PDi33234でウ サギを4回、免疫処置した。このウサギから採取された抗血清を抗PHIS−P Di33234抗血清で表した。 実施例4 本実施例では、原核細胞から組換えDi33たんぱく質を生成させることを述 べる。 実施例2で説明したように作成した組換え細胞Ecoli:pλPR−nDi3365 1 を実施例3で説明したのと同じような方法で培養した。PHIS−PDi332 34 たんぱく質を含有する、見かけ上光屈折小体である不溶性の物質を以下のよう にして得た。細胞ペレットを標準的技術(例えば遠心分離)を用いて培養株から 得た。このペレットを緩衝液A(50ミリモル(mM)のリン酸塩、150mM のNaCl、10mMのEDTA、1mMのPMSF、pHは5.75)中に再 懸濁させて、もとの細胞ペーストのグラム(g)重量の10倍のミリリットル( ml)最終液量にして均質な懸濁液を得た。懸濁液中の細胞を、リゾチーム処理 (最終濃度は1ml容量当り約0.2ミリグラム(mg)のリゾチーム)して音 波破砕するか、又はマイクロ流動化(例えば動的フレンチプレスを用いるなどし て)することにより、破砕した。その結果得られた溶解産物を遠心分離により( 例えばソーバル(原語:Sorval)3B遠心分離器、GSAロータ、で20K×g 、25℃で30分間など、清澄させた。その結果得られたペレットは不溶性の物 質を含んでいた。この不溶性の物質を含んだペレットを以下のように洗剤を含有 する溶液中で二回、洗浄した。ペレットを緩衝液B(50mMのリン酸塩、15 0mMのNaCl、pHは5.75、に1%のトリトンX−100及び1%のデ オキシコール酸塩を加えたもの)中で緩衝液Aで用いた容量に等しい容量で再懸 濁させた。均質な懸濁液を得るまで混合した後、この懸濁液を上述したように遠 心分離してペレットを回収した。5Mの尿素でペレットを分画抽出して洗剤を除 くと、汚染物質は可溶化したがPHIS−PDi33234は可溶化しなかった。 この混合液を遠心分離してペレットを回収した。 不溶性の物質は以下のような溶液を含んでいた。回収されたペレットを緩衝液 D(8Mの尿素、50mMのリン酸塩、150mMのNaCl、pHは5.75 )中で緩衝液Aに用いたのと等しい容量で再懸濁させた。ジチオスレイトールを 最終濃度10mMまで加えた。均質な懸濁液になるまで混合した後、懸濁液を遠 心分離して清澄させた。緩衝液Dで抽出した上澄み液(即ちPHIS−PDi3 3234たんぱく質を含有する溶液)を採取してそのpHをpH5.75±0.2 5に、必要に応じてリン酸又は水酸化ナトリウムを用いて調節した。 陽イオン交換クロマトグラフィにより、このPHIS−PDi33234たんぱ く質含有溶液からPHIS−PDi33234たんぱく質を回収、又は精製した。 ある実施例ではこの溶液を、緩衝液Dで予め平衡させたSPセファロースカラム に施した。このカラムを、(a)緩衝液D、(b)緩衝液Dから15%緩衝液E (8Mの尿素、50mMのリン酸塩、1MのNaCl、pHは5.75)までの 勾配、 及び(c)15%緩衝液E/D(即ち15%の緩衝液E/85%の緩衝液D)で 順に洗浄した。50%の緩衝液E/DでこのカラムからPHIS−PDi3323 4 たんぱく質を溶出させた。PHIS−PDi33234含有溶出液を限外濾過によ り濃縮し、100%の緩衝液Dに調節した。あるいは選択に応じ、この溶出液を 150mMのソルビトールに調節し、限外濾過により濃縮し、多段階の50%希 釈段階により、緩衝液G(50mMのリン酸塩、150mMのNaCl、150 Mのソルビトール)にゆっくりと緩衝液交換した。いずれの方法でも、回収され たPHIS−PDi33234たんぱく質は少なくとも約80%の純度であった。 即ち、およそ1グラムのDi33たんぱく質が、約10リットルの培養培地から 得られたことになる。この標本は少なくとも診断試薬として用いるには充分純粋 である。 PHIS−PDi33234をさらに精製するために、SPセファロースカラム から回収したPHIS−PDi33234に疎水性相互作用クロマトグラフィを行 った。SPセファロースカラムからのこのPHIS−PDi33234溶出液を限 外濾過により濃縮して緩衝液F(8Mの尿素、50mMのリン酸塩、150mM のNaCl、0.75MのNH4SO4、pHは5.75)に緩衝液交換するか、 又は緩衝液Fx(8Mの尿素、50mMのリン酸塩、150mMのNaCl、1 .5MのNH4SO4、pHは5.75)でゆっくりと希釈(1:1)した後、緩 衝液Fで予め平衡させたブチルセファロースカラムに施した。試料を施した後、 このカラムを(a)緩衝液F、(b)15%緩衝液Dへの逆勾配、及び(c)1 5%の緩衝液D/Fで順に洗浄した。50%の緩衝液D/FでこのカラムからP HIS−PDi33234たんぱく質を溶出させた。PHIS−PDi33234含有 溶出液を限外濾過により濃縮し、緩衝液Dへ緩衝液交換した。回収されたPHI S−PDi33234たんぱく質は少なくとも約95%純粋であり、ゲル分析では 99%を越える純度があるように見られた。 PHIS−PDi33234の可溶性が、例えば8Mの尿素又は150mMのソ ルビトールを除く大半の溶液中で大変低いことに注目されたい。従って、精製プ ロトコルの開発は大変難しく、また結果として得られたプロトコルも明白なもの ではない。尿素は疎水性環境にある成分ではないため、疎水性相互作用クロマト グラフィを行えることは、特に驚くべきことであった。 実施例5 本実施例は、本発明によるもう一つの組換え分子、組換え細胞及び組換えたん ぱく質の作成法を説くものである。 ラムダファージ転写調節配列に有効に連結させたイヌ糸状虫Di33核酸分子 を含有する組換え分子pλPR−nDi33651を以下の方法で作成した。ここ ではnDi33651と表される、配列同定番号第1番の約75から約725まで のヌクレオチドを含有する約651のヌクレオチドDNAフラグメント(そのコ ドン鎖の核酸配列はここでは配列同定番号第6番と表される)を、実施例1で述 べたように作成された核酸分子nDi33750から、適切な発現ベクタ内にクロ ーン形成するのに適切な制限エンドヌクレアーゼ部位を含んだ適切なプライマを 用いてPCR増幅する。適切な制限エンドヌクレアーゼでこのnDi33651 を含有するPCR生成物を分解し、その結果得られたフラグメントをゲル精製し 、このフラグメントを、nDi33651が転写調節配列に有効に連結されるよう 、λPRcro/T2ori/RSET−Bにあるものと同様なラムダ転写調節配列を 含む、適切に制限された発現ベクタ内に定方向的にサブクローン形成することで 、組換え分子pλPR−nDi33651を作成する。 上述のSambrook et al.が開示した標準的な技術を用い、組換え分子pλPR −nDi33651を大腸菌内に形質転換させ、組換え細胞E.coli:pλPR−nD i33651を形成させる。 組換え細胞E.coli:pλPR−nDi33651を実施例3で述べたように発現さ せ、また実施例4に述べたものなどの方法を用いて精製することで、ここでPD i33217と呼ぶ見かけ上成熟したイヌ糸状虫Di33たんぱく質を生成させる ことができる。 実施例6 本実施例は、Di33が感染後8週という早期にネコの糸状虫感染を検出する ことができることを説明するものである。 ELISAを以下のように行った。マイクロタイタ皿のウェルに、CBC緩衝 液(50mMの炭酸塩/重炭酸塩緩衝液、pHは9.6)1ml当り約100μ lの100ngのPHIS−PDi33234を各ウェルで一晩、約4℃でインキ ュベートすることで、実施例4で説明したように作成したPHIS−PDi33234 で被膜した。ウェル内に残った溶液を廃棄し、このウェルを、0.05%のT een−20、pH7.4(PBST)と一緒の10mMのリン酸緩衝食塩水(P BS)で4回洗浄した。約100μlの1:50に希釈されたネコ血清試料(P BSTで希釈されたもの)を各ウェルに加えた。各血清試料を二対又は三対のウ ェルに施した。陽性及び陰性対照試料もこの検定の比較対照を設けるために施し た。Di33で被膜したウェル中でこれら試料を30分間、室温でインキュベー トした後、ウェル内に残った溶液を廃棄した。ウェルをPBSTで4回洗浄した 。ネコ抗Di33IgG抗体のDi33への結合を検出するために、約100μ lの1:5000に希釈されたヤギ抗ネコIgG(H+L):HRP(即ち西洋 ワサビペルオキシダーゼに結合したヤギ抗ネコIgGH鎖及びL鎖;メリーラン ド州、ガイザーズバーグ、カークガード&ペリー・ラブズ社(KPL)から入手 可能、カタログ番号14−20−26番)(PBSTで希釈されたもの)を各ウ ェルに加え、30分間室温でインキュベートした。ウェル内に残った溶液を廃棄 し、ウェルをPBSTで4回洗浄した。約200μlのTMB(3,3‘5’5 ‘テトラメチルベンジジン)ミクロウェル・ペルオキシダーゼ・基質システム( KPL社から入手可能;カタログ番号50−76−04番)を各ウェルに加えて 5分間、室温でインキュベートした。約50μlの2.5N硫酸を各ウェルに加 えた。自動ELISA読み取り器により450nm(A[450nm])で吸収 度を調べた。 一番目の研究では、11匹のネコのそれぞれに40匹のイヌ糸状虫の第三段階 幼虫(L3)を0日目に感染させた。感染後27、55、83、111、139 及び167日目に各ネコから血清を採取した。実施例3及び4で説明したように 作成された組換えイヌ糸状虫Di33たんぱく質を用いて、採取された血清中で 抗Di33抗体を検出できるかを、ELISAで測定した。ネコを部検して各ネ コの心臓にいる成虫の数を調べた。11匹のネコから採取した血清を経時的に評 価したELISAの結果を表1及び図1に示す。表1ではさらに、部検で各ネコ の心臓に見つかった蠕虫の数を示す。 表1.イヌ糸状虫L3に感染したネコ 二番目の研究では、12匹のネコのそれぞれに100匹のイヌ糸状虫の第三 段階幼虫(L3)を0日目に感染させた。感染より6日前と、感染後1、29、 57、93、102、117、及び145日目に各ネコから血清を採取した。実 施例3及び4で説明したように作成された組換えイヌ糸状虫Di33たんぱく質 を用いて、採取された血清中で抗Di33抗体を検出できるかを、ELISAで 測定した。ネコを部検して各ネコの心臓にいる成虫の数を調べた。12匹のネコ から採取した血清を経時的に評価したELISAの結果を表2及び図2に示す。 表2ではさらに、部検で各ネコの心臓に見つかった蠕虫の数を示す。 表2.イヌ糸状虫L3に感染したネコ これらの研究の結果は、抗Di33IgG抗体が、感染後8週という早い時期 に、そして10から12週では高濃度で、イヌ糸状虫ネコから検出可能であるこ とを示すものである。この結果はさらに、抗Di33抗体は、イヌ糸状虫が成虫 へと成長している段階の動物や、成虫の糸状虫を宿している動物でも検出可能で あることを示している。 実施例7 本実施例は、一匹のオス又はメスの蠕虫に感染したネコにおいて糸状虫感染を 検出するPDi33の能力を実証するものである。 一番目の研究では、10匹のネコのそれぞれを蚊に噛ませてイヌ糸状虫を感 染させた。感染前0日目、そして感染後約2、4及び6カ月目にネコのそれぞれ から血清を採取した。実施例3及び4で説明したように作成された組換えイヌ糸 状虫Di33たんぱく質を用いて、採取された血清中で抗Di33抗体を検出で きるかを、実施例6で述べたようにELISAで測定した。この研究では、吸収 度は1ml単位の吸収度単位(AbU/ml)で出した。AbU/mlは、標準 曲線に対して表にしたデータ点の二次多項式回帰分析によるA[450nm]か ら得られている。この場合、カットオフ値は約4AbU/mlと約6AbU/m lとの間である。ネコを部検して各ネコの心臓にいる成虫の数を調べた。10匹 のネコから採取した血清を経時的に評価したELISAの結果を表3に示すが、 この表ではさらに、部検で各ネコの心臓に見つかった蠕虫の数も示す。 表3.蚊の吸血により糸状虫に感染したネコ 二番目の研究では、その寿命の何らかの段階でイヌ糸状虫に自然に感染した ことのある8匹のネコのそれぞれから血清を採取した。実施例3及び4で説明し たように作成された組換えイヌ糸状虫Di33たんぱく質を用いて、採取された 血清中で抗Di33抗体を検出できるかを、実施例6で述べたようにELISA で測定し、吸収度は1ml単位の吸収度単位(AbU/ml)で出した。ネコを 部検して各ネコの心臓にいる成虫の数を調べた。8匹のネコから採取した血清を 評価したELISAの結果を表4に示すが、この表ではさらに、各ネコの心臓に 見つかった蠕虫の数も示す。 表4.自然感染したネコ これらの結果は、Di33たんぱく質を用いて、自然感染した又は蚊にかまれ て感染したネコのイヌ糸状虫感染を検出できるだけでなく、イヌ糸状虫感染の結 果一匹の蠕虫のみが成熟するようなネコの感染も検出できることを示すものであ る。さらに、メスの蠕虫の感染しか検出できない血中抗原検査(例えば上述した 米国特許第4,839,275号を参照されたい)とは違って、このDi33を 基にした検定では一匹のオスの蠕虫を検出することが可能である。 実施例8 本実施例は、糸状虫感染を認識する上でのDi33の特異性を実証するもので ある。具体的には、Di33は、それぞれネコの胃腸管に感染する寄生生物であ るTaenia taeniaeformis、Toxocara cati及びAncylostoma tubaeformeと交差反 応しない。 T taeniaeformis、T cati及びA tubaeformeに感染した5匹のネコのそれぞれ から、感染前0日及び感染後約3、4、7及び10週目に血清を採取した。実施 例3及び4で説明したように作成された組換えイヌ糸状虫Di33たんぱく質を 用いて、T taeniaeformis、T cati及び/又はA tubaeformeの感染を検出できる かを、実施例6で述べたようにELISAで測定し、吸収度をAbU/mlで出 した。これら5匹のネコから採取した血清を経時的に評価したELISAの結果 を表5に示す。その結果は、組換えDi33たんぱく質が、ネコがT.taeniaefor mis、T cati及びA tubaeformeに感染したときに生する抗体とは交差反応しない ことを実証するものである。 表5.その他の胃腸管寄生虫に感染したネコ 実施例9 本実施例は、イヌ糸状虫感染が、ネコ及びイヌの抗Di33IgE抗体の生成 を刺激することを実証するものである。本実施例はさらに、PDi33により、 抗Di33IgE抗体を検出することによりネコ及びイヌの糸状虫感染を検出す ることが可能であることも示す。 ELISAを以下のように行った。イムロンIIプレート(ヴァージニア州、 チャンティリー、ダイナテック社から入手可能)のマイクロタイタ皿ウェルに、 一晩かけて4℃で1ウェル当り約1μgの実施例4で説明したように作成したP HIS−PDi33234か、又は1ウェル当り約1μgのHWAgのいずれかの 被膜を施したが、このHWAgとは、PBS中に均質にした成虫の糸状虫の、成 長した上澄み液である糸状虫抗原のプレパラートである。この被膜形成は、ウェ ルに対し、1mlのCBC緩衝液(50mMの炭酸塩/重炭酸塩緩衝液、pHは 9.6)当り約100μlの10μgPHIS−PDi33234か、又は1ml のCBC緩衝液当り約100μlの10μgHWAgを加えることで行った。ウ ェル内に残った溶液を廃棄し、PBSTでウェルを4回洗浄した。約100μl の1:10に希釈したネコ又はイヌ血清(0.25%のBSAと共にPBST中 に希釈)を各ウェルに加えた。各血清試料を二対のウェルに施した。陽性及び陰 性対照試料もこの検定の比較対照を設けるために施した。Di33又はHWAg で被膜したウェル中でこれら試料を1時間、室温でインキュベートした後、ウェ ル内に残った溶液を廃棄し、ウェルをPBSTで4回洗浄した。ネコ又はイヌI gE抗体のDi33又はHWAgへの結合を検出するために、0.25%のBS Aと共にPBST中に希釈した、約100μlの1:4000に希釈されたビオ チニル化Fcεレセプタアルファ鎖(例えばレーダー氏らによる、1990年1 0月9日に発行された米国特許第4,962,035号を参照されたい)を各ウ ェルに加え(1ウェル当り約1ngのたんぱく質)、1時間、室温でインキュベ ートした。ウェル内に残った溶液を廃棄し、ウェルをPBSTで4回洗浄した。 0.25%のBSAと共にPBST中に1:4000に希釈したストレプタビジ ン−ペルオキシダーゼ錯体溶液(KPL社から入手可能;カタログ番号14−3 0−00番)を約100μl、各ウェルに加えて(1ウェル当り約0.125μ g)室温で1時間インキュベートした。ウェル内に残った溶液を廃棄し、ウェル をPBSTで4回洗浄した。TMB基質(KPL社から入手可能、カタログ番号 0−76−04番)を10分間加え、停止溶液(KPL社から入手可能)を加え た。自動ELISA読み取り器により450nmで光学密度(OD)を調べた。 以下の血清を抗Di33抗体又は抗HWAgIgE抗体の存在についてELI SAで調べた。糸状虫感染前90日のネコAXH3から採取した血清(出血前ネ コAXH3血清)及び糸状虫感染後168日のネコから採取した血清(HWネコ AXH3血清);糸状虫感染前90日のネコMGC2から採取した血清(出血前 ネコMGC2血清)及び糸状虫感染後168日のネコから採取した血清(HWネ コMGC2血清):及び少なくとも200日間糸状虫に感染した6匹のイヌから プールされた血清(HWイヌ・プール)。図3は、糸状虫感染後に採取された血 清のみが検出可能なレベルの抗Di33又は抗HWAgIgE抗体を有していた ことを示すものである。このような抗体はイヌ糸状虫に感染したイヌだけでなく ネコにも見られた。さらにこのDi33プレパラートはIgE抗体を検出する上 でHWAgプレパラートよりも感受性が高いように思われる。 検出されている抗体がIgE抗体(例えばIgG又はIgA抗体ではなくて) であったことをさらに実証するために、(a)糸状虫に感染したネコからプール した血清、(b)糸状虫に感染したイヌからプールした血清、又は(c)糸状虫 に感染したネコMGC2から得た血清の当量の血清試料を、ELISA前4時間 56℃に加熱するか、又はELISA前に加熱せずにおいたが、このとき実験の ELISAプレートは上述したようにPHIS−PDi33234で予め被膜した 。(IgEとそのレセプタとの間の結合は非耐熱性である、即ちFcεレセプタ は熱処理されたIgEに結合しないことに留意されたい)図4はこの結合反応の 非耐熱性を示しており、Di33を用いれば、抗Di33IgE抗体を検出する ことにより動物のイヌ糸状虫感染を検出することができることをここでも実証し ている。 配列表 以下の配列表を37CFR§1.821に則り提出する。コンピュータで読み 取り可能な形式の写しもここに提出する。 出願人は、37CFR§1.821(f)に則り、ここに提出された本書類と 配列同定番号第1番から配列同定番号第11番までのコンピュータ読み取り可能 な写しとが同じ内容であることを申請するものである。 (配列表)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12N 1/21 5/10 C12P 21/02 C C12P 21/02 G01N 33/53 D G01N 33/53 33/569 A 33/569 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 モンデザイア ロイ アール. アメリカ合衆国 80301 コロラド州 ボ ルダー、パインハーストコート 5343 (72)発明者 ポーター ジェームズ ピー. アメリカ合衆国 80526 コロラド州 フ ォートコリンズ、サウスオーバーヒルドラ イブ 5016 (72)発明者 ウィスネウスキー ナンシー アメリカ合衆国 80526 コロラド州 フ ォートコリンズ、ビーバークリークドライ ブ 4219

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 非適合性宿主内のイヌ糸状虫を検出する方法であって、 (a)前記宿主から採取された体液を、分離されたイヌ糸状虫Di33たんぱ く質を含む製剤に、Di33たんぱく質と抗Di33抗体との間に免疫錯体が形 成されるのに充分な条件下で接触させるステップと、 (b)前記体液中に存在する前記Di33たんぱく質と抗Di33抗体との間 の免疫錯体形成を測定するステップであって、前記免疫錯体の存在は、前記宿主 がイヌ糸状虫に感染している又は最近感染したことの指標となるものである、ス テップと を含む方法。 2. 前記方法が、前記イヌ糸状虫が成虫糸状虫へ成熟する前の前記宿主中のイ ヌ糸状虫を検出する、請求項1に記載の方法。 3. 前記方法が、前記宿主がイヌ糸状虫に感染してから少なくとも約10週以 内に前記宿主中のイヌ糸状虫を検出する、請求項1に記載の方法。 4. 前記方法が、成虫糸状虫を宿している非適合性宿主のイヌ糸状虫感染を検 出する、請求項1に記載の方法。 5. 前記方法が、一匹の成虫糸状虫の成熟に至るイヌ糸状虫感染を検出する、 請求項1に記載の方法。 6. 前記方法が、一匹の成虫オス糸状虫の成熟に至るイヌ糸状虫感染を検出す る、請求項1に記載の方法。 7. 前記方法が、一匹の成虫メス糸状虫の成熟に至るイヌ糸状虫感染を検出す る、請求項1に記載の方法。 8. 前記免疫鉗体中の前記抗体が、IgG、IgM、及びIgA抗体のうちの いずれかから選択される、請求項1に記載の方法。 9. 前記免疫錯体中の前記抗体がIgE抗体である、請求項1に記載の方法。 10. 前記宿主がネコ及びフェレットのうちのいずれかから選択される、請求 項1に記載の方法。 11. 前記ネコが家ネコである、請求項10に記載の方法。 12. 前記免疫錯体が、前記Di33たんぱく質に接触させた体液を、IgG 抗体、IgE抗体、IgM抗体、及びIgA抗体のうちのいずれかから選択され るある一つの抗体に選択的に結合する組成物に接触させることで測定される、請 求項1に記載の方法。 13. 前記組成物が、抗IgG抗体、抗IgE抗体、抗IgM抗体、抗IgA 抗体、Fcγレセプタ分子、Fcεレセプタ分子、Fcμレセプタ分子、及びF cαレセプタ分子のいずれかから選択される、請求項12に記載の方法。 14. 前記組成物が検出可能なマーカに結合される、請求項12に記載の方法 。 15. 前記検出可能なマーカが酵素標識、放射性標識、蛍光標識、化学発光標 識、色素産生標識、及びリガンドのいずれかから選択される、請求項14に記載 の方法。 16. 前記組成物が基質上に固定される、請求項12に記載の方法。 17. 前記基質が、合成樹脂、ガラス、ゲル、セルロイド、紙、及び微粒子材 料のうちのいずれかから選択される材料を含む、請求項16に記載の方法。 18. 前記基質が、ウェル、プレート、ディップスティック、ビード、ラテラ ル・フロー装置、膜、フィルタ、試験管、皿、セルロイド型のマトリックス、及 び磁気粒子のうちのいずれかから選択される、請求項16に記載の方法。 19. 前記Di33たんぱく質が基質上に固定される、請求項1に記載の方法 。 20. 前記基質が、合成樹脂、ガラス、ゲル、セルロイド、紙及び微粒子材料 のうちのいずれかから選択される材料を含む、請求項19に記載の方法。 21. 前記基質が、ウェル、プレート、ディップスティック、ビード、ラテラ ル・フロー装置、膜、フィルタ、試験管、皿、セルロイド型のマトリックス、及 び磁気粒子のうちのいずれかから選択される、請求項19に記載の方法。 22. 前記基質が検出可能なマーカをさらに含む、請求項19に記載の方法。 23. 前記基質が検出可能なマーカに結合される、請求項19に記載の方法。 24. 前記免疫錯体が溶液中で形成する、請求項1に記載の方法。 25. 前記測定するステップが、酵素結合免疫検定法、放射免疫検定法、蛍光 免疫検定法、ラテラル・フロー検定法、凝集反応検定法、微粒子を基にした検定 法、免疫沈降検定法、及び免疫ブロット検定法のうちのいずれかから選択される 検定法を含む、請求項1に記載の方法。 26. 前記Di33たんぱく質が検出可能なマーカに結合される、請求項1に 記載の方法。 27. 前記体液が、血液、血清、血漿、尿、涙液、唾液、リンバ液、鼻分泌液 、及び糞のうちのいずれかから選択される、請求項1に記載の方法。 28. 前記製剤が担体をさらに含む、請求項1に記載の方法。 29. 前記製剤が前記Di33たんぱく質以外のイヌ糸状虫抗原をさらに含む 、請求項1に記載の方法。 30. 前記製剤が、イヌ糸状虫抗原に対して生じた抗体をさらに含む、請求項 1に記載の方法。 31. 前記イヌ糸状虫抗原が血中寄生虫抗原を含む、請求項1に記載の方法。 32. 宿主動物のイヌ糸状虫を検出する方法であって、 (a)前記動物から採取された体液を、分離されたイヌ糸状虫Di33たんぱ く質を含む製剤に、Di33たんぱく質と抗Di33IgE抗体との間に免疫錯 体が形成されるのに充分な条件下で接触させるステップと、 (b)前記体液中に存在する前記Di33たんぱく質と抗Di33IgE抗体 との間の免疫錯体形成を測定するステップであって、前記免疫錯体の存在は、前 記動物がイヌ糸状虫に感染している又は最近感染したことの指標となるものであ る、ステップと を含む方法。 33. 前記動物がネコ、イヌ及びフェレットのうちのいずれかから選択される 、請求項32に記載の方法。 34. 前記方法が、前記動物がイヌ糸状虫に感染してから少なくとも約10週 以内に前記動物のイヌ糸状虫を検出する、請求項32に記載の方法。 35. 前記方法が、一匹の成虫糸状虫の成熟に至るイヌ糸状虫感染を検出する 、請求項32に記載の方法。 36. 前記成虫糸状虫がオスである、請求項35に記載の方法。 37. 前記成虫糸状虫がメスである、請求項35に記載の方法。 38. 非適合性宿主のイヌ糸状虫感染を感染後10週以内で検出する方法であ って、前記宿主から採取された体液中で抗Di33抗体を検出するステップを含 む、方法。 39. 前記方法が、一匹の成虫糸状虫の成熟に至るイヌ糸状虫感染を検出する 、請求項38に記載の方法。 40. 前記成虫糸状虫がオスである、請求項39に記載の方法。 41. 前記成虫糸状虫がメスである、請求項39に記載の方法。 42. 分離されたイヌ糸状虫Di33たんぱく質と、前記Di33たんぱく質 と免疫錯体を形成することのできる抗体を検出する組成物とを含む、イヌ糸状虫 感染を検出するためのキット。 43. 前記抗体がIgG、IgE、IgM、及びIgA抗体のうちのいずれか から選択される、請求項42に記載のキット。 44. 前記Di33たんぱく質を上に固定することのできる基質をさらに含む 、請求項42に記載のキット。 45. 前記Di33たんぱく質が基質上に固定される、請求項42に記載のキ ット。 46. 前記組成物を上に固定することのできる基質をさらに含む、請求項42 に記載のキット。 47. 前記組成物が基質上に固定される、請求項42に記載のキット。 48. 前記組成物が、抗IgG抗体、抗IgE抗体、抗IgM抗体、抗IgA 抗体、Fcγレセプタ分子、Fcεレセプタ分子、Fcμレセプタ分子、及びF cαレセプタ分子のうちのいずれかから選択される、請求項42に記載のキット 。 49. (a)流路を規定する支持構造と、 (b)前記Di33たんぱく質に結合されたビードを含む標識試薬であって、 該支持構造の標識域内に含浸される、標識試薬と、 (c)前記組成物を含む捕獲試薬であって、前記標識試薬が前記標識域から捕 獲域に流れられるような態様で、前記標識域に流体的に接続する、前記標識試薬 の下流にある前記捕獲域内に配置される、捕獲試薬と を含む装置をさらに含む、請求項42に記載のキット。 50. 前記装置が、前記流路に沿って配置される試料受容域をさらに含む、請 求項49に記載のキット。 51. 前記試料受容域が前記標識試薬の上流に配置される、請求項50に記載 のキット。 52. 前記装置が、前記流路の末端に配置された吸収剤をさらに含む、請求項 49に記載のキット。 53. 前記支持構造が、前記ビードが前記標識域から前記捕獲域に流れること を妨げない物質を含む、請求項49に記載のキット。 54. 前記ビードがラテックス・ビードを含む、請求項49に記載のキット。 55. 前記ビードが検出可能なマーカを含む、請求項49に記載のキット。 56. 前記Di33たんぱく質が検出可能なマーカに結合される、請求項49 に記載のキット。 57. (a)流路を規定する支持構造と、 (b)前記組成物を含む標識試薬であって、該支持構造の標識域内に含浸され る、標識試薬と、 (c)前記Di33たんぱく質を含む捕獲試薬であって、前記標識試薬が前記 標識域から前記捕獲域に流れられるような態様で、前記標識域に流体的に接続す る、前記標識試薬の下流にある前記捕獲域内に配置される、捕獲試薬と を含む装置をさらに含む、請求項42に記載のキット。 58. 前記装置が、前記流路に沿って配置される試料受容域をさらに含む、請 求項57に記載のキット。 59. 前記試料受容域が前記標識試薬の上流に配置される、請求項58に記載 のキット。 60. 前記キットが前記Di33たんぱく質以外のイヌ糸状虫抗原をさらに含 む、請求項42に記載のキット。 61. 分離されたイヌ糸状虫Di33たんぱく質を作成する方法であって、 (a)イヌ糸状虫Di33核酸分子で形質転換させたバクテリアを培養してイ ヌ糸状虫Di33たんぱく質含有培養株を作成するステップと、 (b)前記培養株から前記Di33たんぱく質を含む不溶性の物質を回収する ステップと、 (c)前記不溶性の物質から前記Di33たんぱく質を精製するステップと を含む方法。 62. 前記精製するステップが、 (a)ステップ(b)の不溶性の物質を破砕してDi33たんぱく質を含む溶 液を形成させるステップと、 (b)前記溶液に陽イオン交換クロマトグラフィを行うステップと、 (c)前記Di33たんぱく質を回収するステップと を含む、請求項61に記載の方法。 63. 前記精製するステップが、 (a)ステップ(b)の不溶性の物質を破砕してDi33たんぱく質を含む溶 液を形成させるステップと、 (b)前記溶液に陽イオン交換クロマトグラフィを行ってDi33たんぱく質 含有留分を得るステップと、 (c)前記留分に疎水性相互作用クロマトグラフィを行うステップと、 (d)前記Di33たんぱく質を回収するステップと を含む、請求項61に記載の方法。 64. 請求項61の方法により作成された、分離されたイヌ糸状虫Di33た んぱく質。 65. イヌ糸状虫Di33たんぱく質を生成する組換え細胞の培養株から得た 破砕された不溶性の物質の陽イオン交換クロマトグラフィからDi33たんぱく 質を回収するステップを含む、イヌ糸状虫Di33たんぱく質を精製するための 方法。 66. 請求項65の方法により作成された、分離されたイヌ糸状虫Di33た んぱく質。 67. PHIS−PDi33234及びPDi33217のうちのいずれかから選択 されるたんぱく質。 68. nDi33346、nDi33750、nDi33702、nDi33708、及び nDi33651のうちのいずれかから選択される核酸分子。 69. 請求項68の核酸分子を含む組換え分子。 70. 請求項69の組換え分子であって、pλPR−nDi33708及びpλ PR−nDi33651のうちのいずれかから選択される、組換え分子。 71. 請求項68の核酸分子を含む組換え細胞。 72. 請求項68の核酸分子を含む組換え細胞を培養するステップと、前記た んぱく質を回収するステップとを含む、分離されたイヌ糸状虫Di33たんぱく 質を作成するための方法。 73. 非適合性宿主内のイヌ糸状虫を検出する方法であって、 (a)前記宿主から採取された体液を、分離された抗Di33抗体を含む製剤 に、前記抗Di33抗体とイヌ糸状虫Di33たんぱく質との間に免疫錯体が形 成されるのに充分な条件下で接触させるステップと、 (b)前記体液中の前記抗Di33抗体とイヌ糸状虫Di33たんぱく質との 間の免疫錯体形成を測定するステップであって、前記免疫錯体の存在は、前記宿 主がイヌ糸状虫に感染している又は最近感染したことの指標となるものである、 ステップと を含む方法。 74. 分離された抗Di33抗体と、前記抗Di33抗体及びイヌ糸状虫Di 33たんぱく質の間の免疫錯体を検出するための組成物とを含む、イヌ糸状虫感 染を検出するためのキット。
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