JP2001501206A - 非天然性リポタンパク質粒子 - Google Patents

非天然性リポタンパク質粒子

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JP2001501206A JP10515401A JP51540198A JP2001501206A JP 2001501206 A JP2001501206 A JP 2001501206A JP 10515401 A JP10515401 A JP 10515401A JP 51540198 A JP51540198 A JP 51540198A JP 2001501206 A JP2001501206 A JP 2001501206A
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Abstract

(57)【要約】 少なくとも1のペプチド成分から成る非天然性のレセプター受容性LDL粒子であって、前記ペプチド成分は少なくとも1のApo Bタンパク質レセプター用の結合部位及び少なくとも1の親脂質性の置換基を含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】 非天然性リポタンパク質粒子 発明の背景 本発明はリポタンパク質粒子、該粒子の製造方法及びその使用法に関する。本 発明は特に、非天然性の低密度リポタンパク質粒子、その製造方法及びその使用 法に関する。 低密度リポタンパク質(LDL)は、コレステロールエステルの形態をしたコ レステロールの体内への輸送に関わっている血漿の天然成分である。天然由来の LDLはほぼ球形の粒子(直径20−22nm)として生ずることが知られてお り、この粒子は少量のトリグリセリド(TG)を含む約1500のコレステロー ルエステルから成る内核を包含している。内核は一般的に約800のリン脂質分 子から成る可溶性単層と少量の遊離コレステロール(約500分子)によって取 り巻かれている。単層中に存在するのは、大型のリセプタータンパク質、およそ 500,000ダルトンのアポタンパク質B(Apo B)であり、これはLD L重量の約20%を占めている。 天然由来のLDLは他分野での利用が見出されており、例えばアテローム性動 脈硬化や脂質代謝研究における利用がある。LDLはまた癌治療における薬物標 的ベクターとしての利用も見出されている。ある種の癌細胞は、正常細胞より高 率のリセプター介在のLDL取り込みを示しており、LDLはまた抗ガン剤の標 的ベクターとしての利用も見出されている。 現在、天然LDLは新鮮な血漿サンプルから分離することが必要である。この 分離方法は冗長であり(例えば48時間に及ぶ)、ドナーの血漿LDLレベルに 依存しており、LDLの収量は健康な人の血漿の場合で約100mg(ApoB )/100ml(血漿)以下の量である。このように収量は通常低いものである 。 分離された天然LDLは不安定であることが知られている。天然LDLに類似 したサイズ及び脂質組成の概してマイクロエマルジョン形態をしたLDL様粒子 を製造する試みが行われているが、このような粒子にはレセプター受容能が欠け ている。Apo Bは前記マイクロエマルジョン粒子上に移植させることができ るが、その移植方法には、なお、新鮮な血漿から得られるある種のタンパク質が 必要とされる。 Apo Bは形が大きく、その両親媒性ゆえに凝集する傾向をもつため、これ をマイクロエマルジョン上に部分的に移植するのは容易ではない。上記のように 、マイクロエマルジョン粒子上へのApo Bの移植は、とりわけ移植方法に関 連した生来的問題とApo B成分の不安定性ゆえに満足できるものではない。 実質的に全Apo Bあるいは実質的にその全類縁体の使用を未だ必要とせず 、LDLリセプター受容能をもつ、非天然性LDLを製造し得ることが現在見い 出されている。さらに、LDL由来の血漿及び/又はApo B由来の血漿の使 用を必要としない非天然性LDLの製造方法が開発されている。 発明の開示 本発明の目的は、Apo Bレセプター受容能をもつ非天然性LDLを提供す ることである。 本発明の他の目的は、非天然性LDL粒子の製造方法を提供することである。 本発明の上記の及び他の目的については以下の説明及び実施例によって明らか になろう。 本発明の第一の目的によって、少なくとも1のペプチド成分から成る非天然性 のレセプター受容性LDL粒子が与えられ、前記ペプチド成分は少なくとも1の Apo Bタンパク質レセプター用の結合部位及び少なくとも1の親脂質性の置 換基を含んでいる。 非天然性LDL粒子は生体内で自然に生ずるとは認められないものである。非 天然的に生成されるLDLはレセプター受容性であり、つまりApo Bレセプ ターへ結合でき及び/又は結合時及び/又は結合後にApo Bタンパク質様の 生理的効果を引き出すことができるものである。それゆえ、非天然性LDL粒子 は少なくともApo Bとの結合能をもつタンパク質、ポリペプチド、ペプチド 等のアミノ酸の配列から成るものであり、そのポリペプチドはApo B結合部 位(例えばApo B100結合部位あるいは生理的機能のあるそのペプチド類 縁体)のアミノ酸配列とその結合部分に関して同一であっても同一でなくてもよ い。当然、当業者は、Apo Bレセプターを発現する癌細胞等の標的細胞にお いてApo Bレセプターと結合できるポリペプチドは、結合時及び/又は結合 後にApo Bタンパク質様の生理的効果を引き出すこと、すなわち受容性であ ることが可能なことを認識している。 LD1粒子は、少なくとも二成分、脂質成分(L成分)及びペプチド成分(P 成分)から成る。L成分は通常核状のコレステロールエステル類、例えばオレイ ン酸コレステリル、リノレン酸コレステロール、ステアリン酸コレステロール等 の核状の親脂質性分子を含む脂質エマルジョンから成っている。他の適当な親脂 質性核分子としては、トリグリセロイド類、例えばトリオレイン、大豆油等の植 物油、さらに親脂質性薬物、例えばエストラムスティン、プレドニムスティン、 及び既知医薬を親脂質性へと修飾 した抗ガン剤、例えばメソトレキゼートのコレステリル・エステル等を含むもの が挙げられる。L成分の核は通常荷電状態の基あるいは親水性基を含む両親媒性 の脂質等の脂質によって可溶性になっている。このような両親媒性の脂質には、 ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、ホスファチジルグリセロール等の リン脂質のみならず、エステル化されていないコレステロール、適当な非イオン 性サーファクタントも含まれる。好ましい場合、コレステロールエステルは単層 のリン脂質によって可溶性とされる。L成分の調製法は当業者には既知であり、 本明細書中に引用文献として記載しているGinsburg,G.S.et a l(1982)J.Biol.Chem.257(14)pp 8216−82 27;Owens M.D.及びHalbert G.W.(1993)J.P harm.Pharmacol.45(Suppl.)p68P:Owens M.D.及びHalbert G.W.(1995)Eur.J.Pharm. Biopharm 41(2)pp 120−126等の論文中に記載された多 数の方法を用いて実施することが可能である。 前記L成分は少なくとも二つの生物学的に許容される成分から構成されること が好ましい。第一の成分はリン脂質等の生物学的に許容される飽和あるいは不飽 和の鎖長の長い荷電極性成分とすることができる。適当な荷電極性成分の例とし ては、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスフ ァチジルグリセロール(PG)、スフィンゴミエリン及びエステル化されていな いコレステロール等が含まれる。第二の成分は生物学的に許容できるコレステロ ールエステル、例えばオレイン酸コレステリル等の親脂質性成分とすることがで きる。生物学的に許容できる成分とは、試験管内あるいは生体内で細胞へ投与で きるものであり、実質的に細胞の生存に有害な影響のないものである。L成分は 一定比、例えばモル比にある3成分あるいはそれ以上の成分、例えばリン脂質: トリオレイン:コレステリルエステル(P:T:C)から成るものであってもよ い。モル比は、その成分が本発明の非天然性LDL粒子の調製において使用に適 するL成分を生成するのに適するものであればどのようなモル比でもよい。リン 脂質(PL)、スフィンゴミエリン(SM)、ホスファチジルコリン(PC)及 びエステル化されていないコレステロール(UC)等の外核可溶性脂質のコレス テリルエステル(CE)、トリオレイン(TO)、オレイン酸コレステリル(C O)あるいは親脂質性薬物等の核脂質に対するモル比は、約0.7:1から5: 1、デザインによっては、好ましくは1:1から3:1までの範囲内であるのが 望ましい。PL:CEの好ましい比率は約2:1である。第三のL成分が用いら れない場合、PL:CEの比率は約1:1から約2:1の範囲内であればよい。 ホス ファチジルコリン:トリオレイン:オレイン酸コレステリル等の3成分系に適当 なモル比は、3:2:1である。 3つの外核脂質と2つの核脂質から成る5成分系に適するモル比は、0.7− 65:0−2:0−1(外核脂質):0−5:0−2.5(核脂質)の範囲内であ ろう。好ましくは、前記モル比は2.5−4.5:1−2:0.5−1(外核脂 質)、2−4.5:1−2.5(核脂質)の範囲内にあるのがよい。さらに好ま しくは、前記モル比は4−4.5:1.5−2:0.7−0.9(外核脂質): 4−4.5:1.8−2.2(核脂質)の範囲内にあるのがよい。適する外核脂 質はPC,SM,UC及びPLから選択されよう。適する核脂質はTO,CE及 びCOから選択することができる。当業者は他の適当な外核脂質及び核脂質も本 発明において使用可能なことを認識するに至るであろう。5成分系の例としては 、PC:SM:UC(外核脂質):TO:CO(核脂質)が挙げられる。このよ うな5成分系の成分は前記したモル比で存在するものと考えられる。 一般的に、本発明の非天然性リポタンパク質中に使用される脂質マイクロエマ ルジョンの滴径は生体内、生体外、あるいは試験管内でリポタンパク質として機 能できなければならないものである。非天然性LDL粒子の粒径はほぼ50nm 以下であり、調製方法及び/又はPL:CEモル比等の使用したモル比に依存し て、約10nmから約35nmの範囲内であることが好ましい。 本発明のLDL粒子の生成に使用するペプチド成分は、L成分へペプチドを固 定するための「アンカー」として働くことができる少なくとも1の親脂質性置換 基あるいは部分を含むものである。親脂質性部分あるいは置換基は、生物学的に 親和性のコレステロール、レチノイン酸、ステアリン酸(C18)のようなC10−C22 脂肪酸、その他の親脂質性化合物から得られよう。親脂質性の部分/置換基は 、当業分野で既知の共有結合あるいはイオン結合等の化学的手段を介してペプチ ドのアミノ基末端及び/又はカルボキシル基末端と接触させて配置させることが できる。当業者は、本発明のペブチドがMerrifieldの固相合成法の標 準Fmocプロトコルを用いて組み立てられることを認識するであろう。レチノ イン酸等の親脂質性置換基を活性化し、標準的なペプチドカプリング・サイクル を用いてペプチドN−末端へ付加することが可能である。まず最初に、3-メトキ シ−4−ヒドロキシメチルフェノキシ酢酸等の不安定な結合の酸が樹脂サポート へ付加され、標的ペプチドの最初のアミノ酸(C−末端)へエステル結合される 。ペプチドの構成が完了したら、結合部へ繋がったエステルを加水分解し、例え ばトリフルオロ酢酸(TFA)を用いて(例として1%TFA)、後に留出可能 なジクロロメタン中で完全に保護されたペプチドを取り除くことが可能 である。かかるステージにおいて、有効な官能基はペプチドカルボキシルであり 、これは、例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)中1当量のジシクロヘキシ ルカルボジイミド(DCC)を用いて活性化させ、コレステロール(10当量) 等の親脂質性分子へカプリングさせてエステルを生成することができる。溶媒の 蒸発及びTFA(例えば95%TFA)による処理は、アミノ酸側鎖の保護を解除 して合成を完了させる。完全なペプチドを次いで濃縮し、例えばジエチルエーテ ルを用いて沈殿させて固体を得、これを必要に応じて水洗して残存する保護基断 片及び過剰のコレステロールを除去する。 レチノイン酸等のN−末端修飾体及び第一級アミンを標的としたステアリン酸 付加は、当業者に既知の技法を用いて本発明の変形ペプチド合成に用いることが できる。好ましい場合、本発明において使用することができるペプチドは、性質 上両親媒性、即ち親脂質性基及び親水性基をもつものである。適当な親水性基と しては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アミノ基が含まれる。ペプチドが性質 上両親媒性である場合、適当な側鎖を介して疎水基と親水基をペプチド上の適当 な位置に配置することが可能である。疎水基と親水基はペプチドのアミノ基末端 とカルボキシル基末端にそれぞれ、あるいはその逆の組み合わせで配置されるこ とが好ましい。 本発明の目的の1つにより、ペプチドから構成される非天然性LDL粒子が提 供されているが、前記ぺプチドの結合部位のアミノ酸配列は、塩基性の側鎖を有 するアミノ酸、脂肪酸側鎖を有するアミノ酸、及び脂肪族水酸基側鎖を有するア ミノ酸から成るグループから選ばれるものである。 本発明のこの観点において、本発明の非天然性LDLのペプチドは、実質的に 殆どあろいは全くApo B結合部分のアミノ酸配列と類似性及び/又は同一性 を示すものではないかもしれない。しかし、本発明のペプチドは、Apo B結 合部分のアミノ酸配列と実質的な類似性あるいは同一性を示すことが好ましい。 本発明のLDLの脂質成分上に移植できるペプチドを形成しているアミノ酸配 列は、リジン、アルギニン及びヒスチジン等の塩基性側鎖を有するアミノ酸、グ リシン、アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシン等の脂肪族側鎖を有する アミノ酸、セリン及びスレオニン等の脂肪族水酸基側鎖を有するアミノ酸、及び それらの類縁体から成るグループから選ぶことが出来る。 結合部分のアミノ酸配列が、そこへ組み込まれているアミノ酸の順序に関し実 質的にApo Bの結合部位配列と類似しない場合、アミノ酸配列の結合部分へ 包含するために選ぶアミノ酸は、Apo B結合部分配列を構成するものと実質 的に同一のアミノ酸から選ぶことが可能である。当然、当業者はここで述べる伝 統的な置換及び/ 又は代用がこのような結合部分にも適用できることを理解するであろう。 本発明は、Apo Bレセプターと相互作用が可能なApo B結合部分を含 む少なくとも1のアミノ酸配列から成る非天然性LDL粒子を提供するものであ る。 当然、当業者は、本発明での使用に適する機能的ペプチドあるいはポリペプチ ドを構成するかかるアミノ酸配列が、本文中で定義するレセプター受容性でなけ ればならないことを理解するであろう。このように、Apo Bレセプターへ結 合可能な合成あるいは半合成ペプチド及び/又はポリペプチド及びその類縁体が 本発明に包含される。 本発明において、好ましくは、前記アミノ酸配列は、同一ペプチド中、あるい は二量体中、又は異なるペプチド中の下記に描かれたApo B結合部位配列の いずれか又は双方が; (1) Lys Ala Glu Tyr Lys Lys Asn Lys His Arg His; 又は (2) Thr Thr Arg Leu Thr Arg Lys Arg Gly Leu Lys; 及びApo B100レセプター部位に結合できるそれらの類縁体を含むこと が可能である。 アミノ酸配列は、ここに記載された移植条件の下で脂質成分上に移植されるの であれば、いかなる長さであってもよい。アミノ酸配列は、上記配列(1)及び /又は(2)を含む約500のアミノ酸残基までの配列を包含することができる 。配列(1)及び(2)は、Knott T.J.ら,Nature Vol.323,October 1986 P 735に記載されたヒトApo−100タンパク質から同定されたApo B結合部位配列として知られている。例えば、アミノ酸配列には、図1の、p 735(Knottら,前出)のアミノ酸3079から約3380位置までの配 列を含ませることができる。アミノ酸配列は、少なくとも単一のApo B結合 部位配列を含むことができ、また長さで約8−200からのアミノ酸残基であっ てもよく、あるいは長さで約8−50からのアミノ酸残基が短い配列であっても いいが、長さで約9−30からのアミノ酸残基であることが好ましい。適当なペ プチド配列の例には本文図7に記載のものも含まれる。レセプターへ結合するア ミノ酸配列の能力やペプチド配列を合成する能力等を実際に考慮した場合、一般 的に短い配列が好ましいことは当業者が当然に認識するところである。アミノ酸 の置換、欠失及び/又は交換を含むアミノ酸配列における天然の変形も本発明に 包含されることは専門家の認識するところである。さらに、アミノ酸の置換、欠 失及び/又は交換は、かかる変形が結合部位へ結合して生理的反応を引き出すア ミノ酸配列の能力を実質的に妨げない限りアミノ酸配列に対して行い得るもので あるこ とも当業者は同様に理解するであろう。例えば、伝統的交換は、ペプチドの生理 的機能が実質的に損なわれない限り、おそらく以下のグループ中のアミノ酸間で 行われ得る: (i) リジンとアルギニン (ii) アラニン、セリンとスレオニン (iii)グルタミンとアスパラギン (iv) スレオニン、フェニルアラニンとトリプトファン (v) ロイシン、イソロイシン、バリンとメチオニン 本発明には、本発明ペプチドに実質的に類似の活性/機能を有し、光学的に並 べた場合に上記ペプチド(1)及び/又は(2)の配列に少なくとも70%の類 似性、つまり同一なアミノ酸配列を有する実質的に分離されたタンパク質がさら に含まれろ。かかる程度の類似性つまり同一性は、少なくとも80%であること が好ましいが、90%あるいはそれ以上であることがより好ましい。本発明の脈 絡において、相互に少なくとも70%の類似性を有する二つのアミノ酸配列は、 BLAST及びFASTA等の当業者に周知のコンピューター・プログラムを用 いて光学的に並べた場合、好ましい位置の少なくとも70%が同一であるか、あ るいは伝統的に交換されているかのアミノ酸残基を有するものである。 本発明のさらなる目的は、薬物標的ベクターとしての非天然性LDL粒子の使 用を提供することである。かかる薬物標的ベクターはガン細胞等の治療に使用す ることができる。本発明の他の目的において、 (i)親脂質性分子と両親媒性脂質分子から脂質成分を生成し、及び (ii)少なくとも1のタンパク質を、少なくとも1のペプチドが少なくとも親 脂質性の置換基と少なくともアポタンパク質Bレセプターと相互作用できる結合 部分から構成されている(i)において生成した脂質成分と接触させることから 構成される、Apo Bレセプター受容性を有する非天然性のレセプター受容性 LDL粒子の製造方法が提供されている。 本発明のさらなる目的において、nLDL粒子の薬物標的ベクターとしての使 用、特に患者体内のApo Bタンパク質レセプターを含むガン細胞治療におけ る使用を提供するものである。 さらに本発明の他の目的において、病気、特にガン治療用の医薬の製造におけ るnLDL粒子の使用を提供するものである。従って、Apo Bタンパク質レ セプターを含むガン細胞の治療用のベクター中に医薬を包含する薬物標的ベクタ ーの製造 におけるnLDL粒子の使用を提供するものである。 本発明に係る非天然性レセプター受容性LDL粒子は、医薬品で一般的に用い られている慣用の賦形剤又はキャリア、水・生理学的に許容できる塩溶液・バッ ファー等の水疱物とともに患者へ投与できるものであることを、当業者は理解す るであろう。 本発明のさらなる目的において、非天然性レセプター受容性LDLと医薬的に 許容できるキャリアから成る医薬製剤を提供するものである。医薬的に許容でき るキャリアは、当業者において通常使用されている慣用的キャリアから選ぶこと が出来る。 さらに、臨床的有効量の抗癌性薬物を含む非天然性LDL粒子を癌患者へ投与 すろことから成る癌患者の冶療方法を提供するものである。 この脂質成分は上記したものと同様なタイプの使用可能なペプチドである。 以下の図は本発明について説明するものであるが、本発明の範囲を限定するも のと解釈されてはならない。 図1:異なる脂質源で補充されたRPMI中のU937細胞の増殖。 脚注:平均値±標準偏差(n=3)。RPMI 25mlを含む75cm2の フラスコ中へ細胞を1×105の濃度で植え付け、□血漿10%(v/v)、■脂質を 除いた子牛血清5%(v/v)、▲無添加、◆LDL、●対称マイクロエマルジョン 、をそれぞれ補充している。LDL及び対称マイクロエマルジョンは、当量のコ レステロール濃度(0.08mmol/l)で子牛血漿へ添加した。24時間間 隔で0.5mlの細胞懸濁液を除去し計測した。 図2:異なる脂質源によって誘起されたU937の増殖。 脚注:平均値±標準偏差(n=3)。結果は無添加の対称区培地の平均値に対 する72時間後の細胞数の増加で表した。無ペプチドのマイクロエマルジョン( ME)。コレステロール濃度0.08mmol/l、ペプチド濃度0.03mo l/mol(オレイン酸コレステロール)。本実験ではDFCSは使用しなかっ た。。+:有意差なし。p>0.05。#:有意差p<0.05。 図3:nLDLで補充されたU937細胞の成長に対するコレステロール濃度及 び脂質を除いた血清の影響。 脚注:平均値(n=2)。結果は無添加の対称区培地の平均値に対する72時 間 後の細胞数の増加で表した。開いた記号はDFCS無添加{ペプチドD}nLD L、詰まった記号はDFCS5%(v/v)を補充した{ペプチドD}nLDL。ペ プチド濃度は0.03mol/mol(オレイン酸コレステロール)。 図4a:異なるnLDL標品で誘起されたU937細胞の成長。 脚注:図4a。平均値±標準偏差(n=8)。結果は無添加の対称区培地の平 均値に対する72時間後の細胞数の増加で表した。ペプチド濃度は0.03mo l/mol(オレイン酸コレステロール)。□マイクロエマルジョン無処理;◇ {ペ {ペプチドD}nLDL;★{ペプチドE}nLDL;●LDL。すべて5%(v /v)DFCSで補充した。 図4b:図4aに関して標準偏差をプロットしなかったものである。 図5:異なるnLDL標品によって誘起したU937細胞の成長に対する抗LD Lレセプター抗体の影響。 脚注:平均値±標準偏差(n=4)。結果は無添加の対称区培地の平均値に対 する72時間後の細胞数の増加で表した。すべて5%(v/v)DFCSで補充した 。コレステロール濃度は0.026mmol/l、ペプチド濃度は0.03mo l/mol(オレイン酸コレステロール)。#:抗体無処理より有意に少ない( p<0.05)。 図6:{ペプチドB}nLDLによって誘起されたU937細胞の成長に対する 抗LDLレセプター抗体の濃度増加の影響。 脚注:平均値±標準偏差(n=4)。結果は無添加の対称区培地の平均値に対 する72時間後の細胞数の増加で表した。すべて5%(v/v)DFCSで補充した 。コレステロールは濃度0.033mmol/l、ペプチド濃度は0.03mo l/mol(オレイン酸コレステロール)。#:有意差(p<0.05)。 図7:Apo−B 100の合成ペプチド類縁体結合部位(ぺプチドA〜Eを含 む)。 図8(a)及び8(b):種々のnLDL標品の平均径数及びゼータ電位に対するペ プチド濃度増加の効果。 脚注:図8(a)及び8(b)。開いた記号は平均径数、閉じた記号はゼータ電位 。□{ペプチドA}−nLDL(PC:TO:CO,3:2:1);○{ペプチドB} −nLDL(PC:UC:TO:CO,6.2:1:4.2:2.1);△{ペ プチドC}−nLDL(PC:UC:TO:CO,6.2:1:4.2:2.1) 。平均値±標準偏差(n=10)。 図9(a):種々の{ペプチドA}−nLDL標品のゼータ電位測定値に対する pHの効果。 脚注:図9(a)。すべての標品PC:TO:CO,3:2:1。■DMSO 処理の対称;□0.02molペプチドA/mol CO;◇0.039mol ペプチドA/mol CO;○0.106molペプチド/mol CO;△0 .532molペプチドA/mol CO。平均値±標準偏差(n=10)。 図9(b):種々のnLDL標品のゼータ電位測定値に対するpHの影響。 脚注:図9(b)。すべての標品PC:TO:CO,3:2:1。■DMSO 処理の対称;□{ペプチドA}−nLDL0.119mol/mol CO;◇ {ペプチドB}−nLDL0.112mol/mol CO;○{ペプチドC} −nLDL0.111mol/mol CO。平均値±標準偏差(n=10)。 図10(a):{ペプチドA}−nLDL標品の平均径数及びゼータ電位測定値 に対するマイクロエマルジョン製剤の影響。 脚注:図10(a)。開いた記号は平均径数、閉じた記号はゼータ電位。□P C:TO:CO,3:2:1;○PC:SM:TO:CO,2.5:1:2.4 :1.2;△PC:SM:UC:TO:CO,4.4:1.8:1:4.2:2 .1。平均値±標準偏差,n=10。 図10(b):{ペプチドB}−nLDL標品の平均径数及びゼータ電位測定値 に対するマイクロエマルジョン製剤の影響。 脚注:図10(b)。開いた記号は平均径数、閉じた記号はゼータ電位。□P C:UC:TO:CO,6.2:1:4.2:1;○PC:SM:UC:TO: CO,4.4:1.8:1:4.2:2.1。平均値±標準偏差,n=10。 図10(c):{ペプチドC}−nLDL標品の平均径数及びゼータ電位測定値 に 対するマイクロエマルジョン製剤の影響。 脚注:図10(c)。開いた記号は平均径数、閉じた記号はゼータ電位。□P C:UC:TO:CO,6.2:1:4.2:1;○PC:SM:UC:TO: CO,4.4:1.8:1:4.2:2.1。平均値±標準偏差,n=10。 図11:試験管内4℃でのB16細胞への種々14C−nLDL標品の全結合曲 線。 脚注:図11。細胞を一晩血清飢餓状態に置き、DFCSを補充したnLDL 標品をコレステロール濃度として0.08mmol/l含む培地(4℃に冷却し たもの)へ添加する前に4℃で冷却した。すべてのペプチド濃度は0.03mo l/molコレステロール。□[NP]−nLDL;◇[ペプチドA]−nLD L;○ nLDL;+[ペプチドE]−nLDL。 図12(a)及び12(b):試験管内4℃でのB16細胞への種々12C−nLD L標品の非特異的(12a)及び特異的(12b)結合曲線。 脚注:図12(a)及び12(b)。細胞を一晩血清飢餓状態に置き、DFCS を補充したnLDL標品をコレステロール濃度として0.08mmol/l含む 培地(4℃に冷却したもの)へ添加する前に4℃に冷却した。すべてのペプチド 濃度は0.03mol/mol(コレステロール)であった。非特異的結合に関 する値は、過剰のラベル化なしのnLDLを用いて測定し、特異的結合値は全結 合から特異的結合を減じて算出した。□[NP]−nLDL;◇[ペプチドA] −nLDL;〇 nLDL;+[ペプチドE]−nLDL。 図13:試験管内4℃でのB16細胞への種々14C−nLDL標品の全結合デ ータの二重相互プロット。 脚注:図13。実験条件は図12(a)及び12(b)に同じ。直線は一次回帰に よって決定し、数値は表1に示されたデータから算出した。□[NP]−nLD L;◇[ペプチドA]−nLDL;○[ペプチドB]−nLDL;△[ペプチド C]− 図14:ウシ血清アルブミンで培養後のDioラベル化nLDLのクロマトグラ フイー。 脚注:図14。■Dio;○ウシ血清アルブミン,セファクリルs−300カ ラム(ベッド容積9.1ml)。Dioラベル化を行ったnLDLをPBS/B SA(2mg/ml)と混合し、PBSで予め平衡に至らしめたカラムヘ加える 前に37℃で培養した。溶出した分各画について方法中に記載されたDio及び タンパク質含量を分析した。数値は各分画の単一回測定値である。 図15:B16細胞へ結合するDioラベル化nLDLの薬量反応 脚注:図15.細胞を4℃で3時間培養した(n=5、観察結果は16%以下 で変動した)。非特異的結合は考慮しなかった。■対称マイクロエマルジョン; ●{ペプチドA}−nLDL;▲{ペプチドC}−nLDL。 図16:4℃でのB16細胞へのDioラベル化マイクロエマルジョン及びnL DLの結合特性。 脚注:図16。細胞を4℃で3時間培養した(n=5、観察結果は16%以下 で変動した)。特異的高親和性結合は、全結合から非特異的結合(100倍過剰 の無ラベルリガンドを用いて測定した)を減じて測定した。■マイクロエマルジ ョン全 合;●{ペプチドA}nLDL全結合;○{ペプチドA}nLDL非特異的結合 ; 図17:37℃でのB16細胞へのDioラベル化マイクロエマルジョン及びn LDLの結合及びインターナリゼーション。 脚注:図17。細胞を37℃で3時間培養した。平均(n=5,観察結果は1 6%以下で変動した)。特異的高親和性結合は、全結合から非特異的結合(10 0倍過剰の無ラベルリガンドを用いて測定した)を減じて測定した。■マイクロ エマルジョン全結合;△マイクロエマルジョンインターナリゼーション;●{ペ プチドA}nLDL全結合;▲{ペプチドA}nLDLインターナリゼーション 。 図18(a)及び18(b):4℃でのB16細胞へのDioラベル化マイクロ エマルジョン及びnLDL結合のスキャッチャード及び二重交互プロット。 脚注:図18(a)。4℃、3時間後の全結合のスキャッチャード分析、平均 (n=5)。■マイクロエマルジョン;●{ペプチドA}nLDL:▲{ペプチ ドC}nLDL。 脚注:図18(b)。4℃、3時間後の全結合の二重交互分析、平均(n=5 )。記号は図18(a)と同じ。 図19:[ペプチド]nLDLU937細胞増殖に対するエチニルエストラジオ ールの影響。 脚注:図19。平均値±標準偏差n=4。結果は無添加の対称区培地の平均値 に対する72時間後の細胞数の増加で表した。開いた記号はエチニルエストラジ オール無添加、閉じた記号はエチニルエストラジオール添加(2μg/ml)。□ [ペプチドA]nLDL;○[ペプチドB]nLDL。コレステロール濃度は0 .08mmol/l。 ここで、本発明につき以下の非限定の実施例を用いて説明する。 実施例1 材料及び方法 (材料) 卵黄ホスファチジルコリンを英国SurreyのLipid Product sから購入し、精製せずに使用した(純度>99%)。トリス(ヒドロキシメチ ル)−メチルアミン(トリス)、塩酸(HCl)、ジメチルスルホキサイド(D MSO)及びt−ブタノール(すべてアナラー・グレード)は英国Glasgo wのMerck Ltdから入手した。トリオレイン(純度99%、TO)、オ レイン酸コレステリル(純度98%,CO)、リン酸緩衝塩類(PBS)の錠剤 及びコレステロール試験用に用いる試薬は、英国DorsetのSigma C hemical Companyから購入した。押し出し行程で使用したポリカ ーボネート・フィルターは、英国BuckinghamshireのCosta r Corporationから入手した。フィルター殺菌に使用した殺菌済・ 使い捨て用の0.2μmポリスルホン・フィルターは、英国Maidstone のWhatman Ltdから購入した。欧州薬局方の注射モノグラフ用の水に 適合した殺菌蒸留水は、英国RuncornのSteripak Ltdから購 入した。すべての合成ポリペプチドは、グラスゴー大学生化学学部にあるThi stle Peptide Services(従前のBioMac)で合成した 。ペプチド構造は図7に図示した通りであり、材料は純度90%以上で供給され 、受け取ると同時に使用した。すべての組織培養用の材料(培地、血清、培養フ ラスコ、ピペット、多壁プレート)は、英国Pai sleyのLife Technologies Ltdから入手した。U937 細胞は、英国SalisburyのEuropean Collectiion of Animal Cell Culturesから入手した。DFCSは Rothblatら6の方法によりFCSから調製した。モノクロナール抗LD Lレセプター抗体(クローンC7,コード番号RPN.537)はAmersh am Internationalから購入し、使用直前に殺菌水で元に戻して 使用した。 (方法)nLDL粒子の調製 ホスファチジルコリン:トリオレイン:オレイン酸コレステリル(PC:TO :CO)の3:2:1モル混合物をクロロホルム/メタノール溶液(2:1v/v )中に溶解し、窒素を通しながら溶媒を除去した。次いで脂質を再溶解し、24 時間かけてt−ブタノールから凍結乾燥し(EF4,Modulyo Free ze Dryer,Edwards High Vacuum,Crawley, U.K.)、次いで0.01Mのトリス・HCl緩衝液(pH8.0)中に再懸 濁して押し出し用に最終濃度を7−8%(w/v)とした。窒素を流しながら250 Wのソニケーターを用いて脂質分散液に超音波処理を行い、10,000rpm で60分遠心分離し(MSE Superspeed 75超遠心分離機,MSE Ltd,London,U.K.を使用)、次いで常時50−55℃に維持さ れた押し出し機(Lipex Biomembranes Inc,Vancou ver,Canada)の容器へ分散液を移した。脂質混合物を二つの組み合わ せフィルターを用いて孔のサイズが0.1と0.05μmのポリカーボネート・ フィルターを通して連続的に押し出し、窒素源(N)によって与えられた60p sigの圧力下で少なくとも4回押し出しを行った。脂質マイクロエマルジョン のサンプルをトリス−HCl緩衝液を用いて希釈し、コレステロール濃度をおよ そ1mmol/lとし、攪拌水浴中で55℃に加熱した。DMSO中に溶解した ペプチドの等分を攪拌下にあるマイクロエマルジョンの表面下へ加え、対称区の 試験はDMSOのみを用いて行った。各場合において加えるDMSOの容量はマ イクロエマルジョン混合液として20μl/ml以下とした。ペプチド−マイク ロエマルジョン混合物を55℃で15分間恒温器中に保ち、次いで一晩5リット ルのPBSに対して透析した。生じた非天然性LDL(nLDL)をフィルター (0.2μm)を用いて除菌し、使用するまでN2ガス下に4℃で貯蔵した。コレステロール含量分析 マイクロエマルジョンを分析し、コレステリルエステル含量をAllainら [9]の方法によって測定した。コレステロール試薬(コレステロール・オキシダ ーゼ、コレステロール・エステラーゼ、ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ 、4−アミノアンチピリン、p−ヒドロキシベンゼンスルホン酸塩及び緩衝液) を水浴中で30℃に温めた。本試薬1.0mlに0.01mlのサンプル、ブラ ンク(蒸留水)あるいは標準液(コレステロール・キャリブレーター,200m g/100ml)を加えた。試薬−サンプル混合物を30℃で10分間保温した 。各サンプルの吸光度を分光光度計を用いて500nmで測定した(Cecil CE272紫外線分光光度計を使用)。保温終了から30分以内にすべてにつ いて吸光度を読み取った。標準品コレステロールをリファレンスとしてオレイン 酸コレステリル含量を算出した。細胞培養 U937ストックカルチャーをグルタミン(10mM)、ジェンタマイシン( 50μg/ml)、フンギゾン(0.5μg/ml)及び10%(v/v)牛血清( FCS)を補充したRPMI 1640培地中37℃で生育させた。細胞は加湿 した5%CO2大気中、1−8×105cell/mlの濃度範囲内で培養維持し 、週2回植え継いだ。生長解析 すべての生長解析は、特に記載がない限り、24−ウェル・プレート中で72 時間以上に渡って行われた。各生長試験の1日前に、セルを1500rpmで5 分間遠心分離し、脱脂質された5%(v/v)子牛血清(DFCS)を含有するRP MI培地中に再懸濁してコレステロール飢餓状態を開始させ、またLDLレセプ ターの調節を行った。細胞を遠心分離により集め、ウェル当たり1×105個植 え付けた。濾過(フィルター0.2μm)後、コレステロールの適当量(LDL 、マイクロエマルジョンあるいはnLDLのいずれか)を加え、5%(v/v)D FCSを含むRPMIを用いてウェル容量を1mlとした。72時間後に各ウェ ルの等分をPBSを用いて希釈し、存在する細胞数をクルター・カウンターを用 いて3反復測定した。実験によっては、異なる濃度について4回あるいは8回反 復した。均一な細胞密度が得られているかを確認するため、保温開始前に実験ご とに3個のウェルを無作為にチェックした。このチェックが分析結果の再現性に 寄与する要因となることは先に 示されている通りである[7]。すべての場合において、対称区のウェルの平均開 始細胞密度は0.95と1.05×105cells/mlの範囲内であった。結果及び考察 図1に示された結果は、U937の生長はFCS含有培地及び程度はやや少な いがLDLにより支えられているが、脱脂質されたFCSあるいはLDLに類似 の脂質組成をもつマイクロエマルジョンによっては支えられないことを明らかに している。この結果は、U937にはコレステロールの合成能力はなく、レセプ ターを介したLDL取り込みによりこの能力の欠陥を克服していることを証明す る公表の研究報告と一致している[3]。 非天然性LDL(nLDL)が細胞生長を支えられるかどうかを調べるため、 U937細胞を{A}nLDLとともに最大細胞生長を起こす最適LDL濃度に 匹敵するコレステロール濃度(0.08mmol/l)において保温した。図2 に示した結果は、{A}nLDLがU937細胞の試験管内での増殖を支えてい ることを示すものである。この生長増加は、マイクロエマルジョンだけによって ひき起こされた生長よりも有意に大きいものであったが(p<0.05)、LD Lにより支えられた結果と統計上相違するものではなかった(p>0.05)。 これはLDLに類似した形かつ細胞増殖を許容するU937のnLDL取り込み を強く示すものである。この結果は、対称のマイクロエマルジョンがこのような 性質を示していないので、粒子上のレセプター・ペプチドの存在によるものであ る。 LDLによって誘起されたU937の増殖は、薬量依存型かつ飽和し得るもの であり[3]、この事実がLDLについても正しいかどうかを調べるために実験を 行った。図3では、nLDLコレステロール濃度の増加とDFCSの培地への添 加の両影響を示すものである。これによれば、最適コレステロール濃度があるこ と、及びDFCSがU937細胞による{ペプチドD}nLDLの増殖を増大さ せていることが明らかである。DFCSが誘起さた細胞数の最大増加数は、血清 を含まない培地の細胞数の3倍であった。DFCS(0.032mmol/l) を含む培地中での{ペプチドD}nLDLの最適コレステロール濃度は、LDL (0.026mmol/l)で成長したU937細胞のそれに匹敵するものであ る[5]。しかし、LDLを用いた初期の知見に従えば、高濃度のnLDLは無処 理と比較して細胞数の減少を生じている。最適nLDLコレステロール濃度(最 大の増殖を起こした濃度)がDFCSによって4倍増大したこと(0.008m mol/lから0.032mmol/l)は、血清がnLDLの取り込みをより 効率的に促進したことを示している。 U937のnLDL取り込みに対するペプチド配列の影響を判定するため、5 つのnLDL系を使用して増殖検定試験を行った。各ペプチドの詳細については 図7を参照。すべてのnLDL系が、マイクロエマルジョン単独と比較した場合 、試験した範囲のコレステロール濃度に渡って明らかな増殖をもたらしていた( U937細胞のp<0.05)(図4)。高濃度のポリペプチドを含まないマイ クロエマルジョンによる支持が認められた若干の増殖は、非特異的な食細胞活性 によるものと思われる[10]。しかし、5種の異なるnLDL系(ペプチドA−E )によって支えられた細胞数の増加は、粒子上へのレセプター・ペプチドの包摂 が取り込みを増大させたことを強く示唆している。ペプチドB,C及びD系は増 殖で最大の増加を示しており、これらにはC−末端脂質アンカー(ペプチドB及 びD)も22のアミノ酸残基鎖中に埋め込まれたApo Bの結合部分も含まれ ていない。系間の相違は、ペプチド配列及びC−末端の親脂質性アンカーの存在 が増殖の程度を調節していることを示すものである。最も効果の低い系であるペ プチドA及びEは、C及びN−末端脂質アンカー(ペプチドA)の双方を持つ最 も鎖長の短いものか、あるいは非Apo B結合部分アミノ酸配列(ペプチドE )のいずれかを含むものである。 LDLはペプチドA,D及びEを含むnLDL標品に類似する増加を支えたが 、それは{ペプチドB}及び{ペプチドC}nLDLよりも3倍小さいものであ った(図4参照)。これはおそらく商業的に入手できるLDLの生存力に起因す るものであろう。測定された増加は、Frostagardらによってコレステ ロール濃度0.03mmol/lで行った報告[3]、20μg/mlのLDLコレス テロールを用いたScheweらの報告[4]及び培養基中に10μg/mlを含ませ たSellsとBarakatの報告[5]よりも10倍小さいものであった。こ の結果は、試験管内あるいは生体内試験用に新鮮なLDLを分離する現状の必要 性にわる間題点を例証するものである。 nLDLが誘起したU937細胞増殖は、レセプターを介在する取り込みのた めであることをさらに明らかにするため、細胞を種々のnLDL標品(コレステ ロール濃度0.026mmol/l)及び商業的に入手したヒト抗LDLレセプ ター抗体とともに保温した。先にLDL(0.150mmol/l)が支えたU 937の成長を殆どゼロまで減少させたことがあるため、抗体濃度は10μg/m lとした[3]。抗体とともに保温した場合、nLDL標品及びマイクロエマルジ ョンのそれぞれを含む培地中でのU937細胞の成長は少し減少した(図5参照 )。{ペプチドA}nLDL,[ペプチドC]nLDLについての減少は統計上 有意であったが、細胞数は対称のマイクロエマルジョンのレベルまでは減少しな かった。 U937のnLDL取り込みに対する抗LDLレセプター抗体の効果について さらに研究するため、一定範囲の抗体濃度について[ペプチドB]nLDL(0 .033mmol/l)を含む培地中で72時間をかけて試験を行った。[ペプ チドB]nLDLがU937の成長促進に関して最も効果的なnLDLであると いう事実は、最も効果の高いレセプター相互作用を示すものである(図4参照) 。低濃度(5μg/ml)の抗体は増殖に影響はないが(図6参照)、高濃度は 薬量依存性で飽和点のある阻害効果を生み出す。抗体飽和状態(15μg/ml )でさえ、細胞増殖は脂質なしの対称区ウェルより明らかに多い(p<0.05 )。本研究で観察された抗体飽和状態(15μg/ml)での細胞成長の大きな 阻害(74%、p<0.05)は、nLDLが誘起する細胞増殖はLDLレセプ ターによる取り込みを介したものであるという推測をさらに強化するものである 。 本研究で示されたnLDL粒子は濃度依存性であり、また試験管内でU937 細胞の細胞増殖を誘起する飽和能を有することが示された。この効果は培地中に DFCSが存在すれば刺激され、また抗LDLレセプター抗体によって阻害され る。これらの結果は、nLDLがU937細胞増殖検定試験において天然のLD Lの効果をまねるものであることを示しており、またnLDLがレセプター受容 性であることを明らかにしている。nLDL系での比較により、ペプチド配列の 変更によって、また脂質アンカーの数と位置を変えることによって、レセプター 相互作用の調節が可能であることも明らかにされている。 実施例2 材料及び方法 材料、nLDL粒子の適当な標品及びコレステロール含量の分析については、 上記実施例1の概要に準ずる。光量子相関分光法 粒子サイズの分析を光量子相関分光機(Zetasizer,Model 4 ,Malvern Instruments,U.K.)を用いて実施した。分 析前に、サンプルはトリス・HCl緩衝液(0.01M)を用いて希釈し、濾過 (0.2μmフィルターを使用)した。サイズ測定は入射ビームに対して90° の固定角度で行った。より正確なサイズ分布測定を可能とするため、コリレータ ーを並行的に作動させた。散乱光の強度に従って重量測定したサンプルの平均サ イズ(z−平均粒径)をキュムランツ分析法によって算出した。この粒径は大形 粒子に偏って測定さ れるため、レイリー理論によって強度分布を数分布に変換した[12]。このサイズ 計算には、純水の粘度及び屈折率を使用した。引用されたすべての結果は、少な くとも10回の測定値の平均及び標準偏差である。ゼータ電位測定 サンプルを0.01Mトリス緩衝液(pH8.0)5に対して1の割合で希釈 し、Zetasizer 4(Malvern Instruments)を用いて 25℃でゼータ電位を測定した。各場合とも与えた電圧は150Vであり、細胞 電流を20mAに制限するため反復使用を行った。引用されたすべての結果は少 なくとも10回の測定値の平均及び標準偏差である。結果及び考察 粒径及びゼータ電位双方に対するペプチド濃度増加の影響について図8に示し た。すへてのペプチドは測定されたゼータ電位を負値から正値へと変えようとす るが、粒径に対しては著しく異なる影響を与える。0.5mol/mol以下で は、COペプチドAはサイズには何ら影響を与えないが、濃度にともなってゼー タ電位の直線的増加を引き起こす。高濃度においては、サイズの増大を生ずるが 、ゼータ電位は+17mV付近でプラトーとなる。低濃度のペプチドBは、大き さには何ら変化はないが−15mVから+15mVへのゼータ電位の急激な反転 を起こす。濃度をさらに増加しても、ゼータ電位を増大させず、+15mVの一 定値に留まらせ、電位の大きさも一定に維持される。0.1mol/mol CO 付近のペプチドCも、測定された粒径に影響せずにゼータ電位の反転を起こすが 、一方では、より高濃度では粒径がほぼ倍となり、またゼータ電位は正値のまま だが減少する。 ゼータ電位は表面電荷の計測法であり、観察された結果によれば、ペプチドは 自発的にマイクロエマルジョンの小滴表面に位置を取ることが示される。 粒径が変化しない留まるペプチドの低濃度(0.2mol/mol CO以下 )においては、ペプチドA及びBによってひき起こされるゼータ電位の増加は大 まかには等しく、他方ペプチドCの場合はその効果を倍に高める。 両アンカー(ペプチドA及びC)を含むペプチドは低濃度(それぞれ0.5及 び0.2mol/mol CO)で粒径の増大を生じる一方、1アンカーのみ持つ ペプチドBはいずれの濃度においても影響がない。 類似の影響は天然LDLで知られており、その場合、サーファクタントが誘起 したサイズの増加は親脂質性部分の分子サイズとの相関がある[13]。コレステロ ール・ アンカーの欠失は、ペプチドA及びBについて得られたゼータ電位が類似してい ることから、粒子へのペプチド挿入を妨げるとは思われない。ペプチドC中の増 大されたペプチド鎖の長さも小滴の径に影響があるようであり、ペプチドAより も低い濃度で増大を起こす。 結果によれば、脂質アンカーはマイクロエマルジョン小滴の外側にあるリン脂 質層中に埋もれる一方、比較的親水性のペプチドは外側表面上に留まったままで ある。 図9(a)には、種々の[ペプチドA]−nLDL系について測定されたゼー タ電位に対するpH変化の影響が示されている。すべての場合、pHの増加につ れて負値への移行を示している。 [NP]−nLDL(ペプチドなし)も同様に、このような傾向を示しており (3つのpHユニットに渡って10mV)、この傾向は水酸化ナトリウムでのp H調整による緩衝液のイオン強度の変化に相関している。0.532molペプ チドA/mol COの濃度におけるゼータ電位変化は−20mVであり、また0 .106molペプチドA/molCOでは−16mVであり、双方とも対称区の 電位変化より大きかった。 試験を行った極端にアルカリ性のpHでは、最も高いペプチド濃度の例外を除 き、すべての系で同等なゼータ電位が認められた。このことは、ペプチドのイオ ン化が抑制され、測定された値はマイクロエマルジョンの電位であることを示し ている。 この結果は、ペプチドが粒子表面上に晒されていることを示すものである。類 似のペプチド濃度での3種の異なるnLDL標品が図9(b)中に示されている が、すべて図9(a)中において示された傾向を表している。 図9(b)は種々のnLDL標品について測定されたゼータ電位に対するpH の影響を示している。 マイクロエマルジョンの表面脂質成分の変更による測定された平均径数及びゼ ータ電位の変化に関する結果が図10に示されている。使用された両親媒性脂質 混合物は、天然のLDL中に見出されたそれら混合物に比例していた[11]。 ペプチドA及びBの双方とも、径の多少の変化を伴なったゼータ電位の反転を 示した一方、ペプチドCは両パラメーターについて大きな変化を引き起こした。 異なるnLDL系の中で、混合前にはすべてが同様な値を示していたが、ペプチ ドAだけが脂質製剤間でのゼータ電位の有意な相違を示した。 ここに示された結果は、Apo−B100からのレセプター結合配列を含んだ LDLの完全合成類似体が製造可能なことを説明するものである。この用いられ た合成ペプチドは濃度に依存する形で脂質マイクロエマルジョンの表面へ混ぜ込 まれた。 生成した粒子は天然LDLに相当する物理化学性を有し、粒径は少し大きいが調 節可能なゼータ電位を持つものである。 実施例3 材料及び方法 B16細胞をWestern Infirmary,Glasgow,U.K .の皮膚科部より入手した。 他の材料、nLDL粒子の調製及びコレステロール含量分析については前記実 施例1及び2における概略に準ずる。14C−オレイン酸コレステリルの混合 必要量の14C−オレイン酸コレステリル(0.5μCi/mmol CO,トル エン溶液で供給)を必要な場合10倍量のDMSOと混合し、次いで水浴中55 ℃で加熱攪拌しておいたnLDL中へ加えた。5時間保温状態に置いた後、混合 液をセファデックスG−25Mゲル押し出しクロマトグラフィーカラム(ベッド 容量10ml)へPBSを溶出液として用いて通過させた。分液(1ml)を採 取し、その吸光度(300nm)及び14C−オレイン酸コレステリル活性を測 定した。ラベル化した標品をフィルター(0.2μm)除菌し、使用までN2ガ ス下4℃に保管した。組織培養 B16細胞は、10%(v/v)FCSを補充したRPMI 1640培地中、5% 炭酸ガスを大気に加えて37℃に維持した。集密培養はトリプシン処理を行い、 採取し、新鮮な培地20部に対し1部の割合で再度植え付けを行った。細胞結合検定 B16細胞を対数成育期に採取し、遠心分離して洗浄し、10(v/v)DFCS を含んだ培地を入れた24ウェル・プレート中に1×105cells/mlの 濃度で再植え付けした。一晩保温した後、細胞を4℃で1時間冷却し、培地を吸 引し、10%(v/v)DFCSを含み、コレステロール濃度0.08mmol/l で14C−nLDLを補充した氷冷培地と置き換えた。各濃度についてウェルは 4反復使用した。次いで細胞を4℃で時々揺らして4時間保温し、培地を吸引し て細胞を3回氷冷したPBS/BSA緩衝液(PBSml当たりBSA2mg)を 用いて洗浄し、 次いで氷冷したPBS/BSAによって10分間2回保温した。その後で、最終 的に氷冷したPBSを用いて3回洗浄を行った。14C−オレイン酸コレステリ ルをヘキサン/イソプロパノール溶液で室温下30分間抽出し、吸引し、計数前 にシンチレーション用液3mlと混合した。抽出後ウェル中に残った細胞タンパ ク質についてローリー法のピーターソンによる変法を用いて検定を行った[14]。 デオキシコール酸ナトリウム(1.5mg/ml)を加えてタンパク質を可溶化 し、トリクロロ酢酸(72%w/v)を加えてこのタンパク質を沈殿させ、遠心 分離(5,000rpm,10分間)してペレット化し、上清を捨て、前記ペレ ットをローリー試薬中に室温で20分掛けて可溶化した。Folin Cioc alteu試薬を加え、溶液を混合し、その色をプレート・リーダーを用いて6 90nmで吸光度を測定する前に30分間発色させた。BSA標品の20〜20 0μg/mlの濃度範囲に渡って校正曲線をプロットした。結果及び考察 nLDLがレセプターに依存した形で結合するかどうかを確認するため、増量 した放射性物質でラベルした[ペプチドX}nLDLを試験管内でB16へ加え 、その結果を図11に示した。[ペプチドX}nLDL粒子(ペプチドB,C, D及びE)の4つについて、レセプター・リガンド相互作用の典型である全結合 中の可飽和増加分の値を得た。[NP]nLDL(ペプチドを含まないnLDL (NP))も可飽和結合を示した一方、[ペプチドA]nLDLは試験を行った 濃度で直線的反応を与えた。[ペプチドD]nLDLはレセプターの飽和状態で [ペプチドC]nLDLのほぼ2倍の結合性をもつため、nLDL中に混合され るペプチドの選択はB16細胞との相互作用に大きな影響をもつことは明らかで ある。明らかに、結果は[ペプチドX]nLDL及びB16細胞間に相互作用が起 こっていること、及び組み込まれたペプチドによってこの相互作用が和らげられ ていることを示すものである。 LDLレセプター結合は二つの構成要素、高親和性特異的結合及び非特異的結 合(過剰の非ラベル化リガンドの存在下でのリガンド結合として定義される)か ら成るものである[16]。前者は親和性定数の計算に通常使用され、全結合から非 特異的結合を減じて測定される。 種々の[ペプチドX]nLDL標品について測定した非特異的及び特異的結合 は図12(a)及び12(b)に示されている。これらの結果は、試験されたす べての濃庶について、「ペプチドB],「ペプチドD]及び[ペプチドE]nL DLの 特異的結合は、[NP]又は[ペプチドC]nLDLのいずれかについて得られ た結合より高かったことを説明するものである。さらに、[ペプチドB],[ペ プチドD]及び[ペプチドE]nLDLは非特異的結合よりもより特異的である ことを示している。 二重交互プロットは図13に、また計算された定数は表1に示した。すべての 標品についての直線回帰分析により、統計的に有意な相関計数が得られた(表1 参照)。残りの[ペプチドX]nLDL標品には結合定数の等級があり、[ペプ チドE]>[ペプチドB]>[ペプチドD]となっている。[NP]nLDLは 飽和結合曲線を与えているので、それは[ペプチドD]nLDLに非常に類似し た値の結合定数をも与えている。 これらの結果は、nLDLがB16細胞と試験管内4℃で、混合されたペプチ ドの構造によって決まる限度で飽和結合速度論を提示することを明らかにしてい る。二つの脂質アンカーをもつ11のアミノ酸ペプチドは[ペプチドA]との結 合を生ずるが、C−末端のコレステロールの除去は著しく[ペプチドB]の機能 性を向上させる。22のアミノ酸から成るペプチドは、[ペプチドC]の結合を さらに強め、コレステロールアンカーの同様な除去は[ペプチドD]の結合受容 性をさらに増大させている。このような性能の改善は、従前のペプチド中に存在 するアミノ酸に基づく[ペプチドE]のランダム配列を用いて調整することがで きる。このことは、測定された結合が、単純な物理的影響よりもむしろペプチド とその構造(長さ、脂質アンカー及び配列)に関わっていることを強く示唆する ものである。 表1:全結合の二重交互プロットから測定した[ペプチドx]nLDLの結合定数 計算値は一次回帰式によって算出した。すべての直線が統計的に有意であった(p <0.05)。 * 切片が正値であるため計算できなかった。 実質例4 材料及び方法 材料、マイクロエマルジョン及びnLDL粒子の調製、コレステロール含量の 分析はし937細胞に変えB16細胞を用いたことを例外とする他は実施例1に 準ずる。マイクロエマルジョン、nLDLの蛍光ラベル化 LDL、nLDL及びマイクロエマルジョンを、(以下に記載するが)Stephan とYuracheck[18]の方法の変法によってラベル化した。蛍光プローブ保存液(3m g/5mlDMSO)を濃度300μg/mg(LDLタンパク質)でLDL溶液中、ある いは同一容量かつ同等のコレステロール濃度(1mmol/l)を含有するマイクロエ マルジョンあるいはnLDL懸濁液中へ加えた。脂質Dio混合物を暗黒下37 ℃で5時間保温し、PBSを溶出液に用いてセファデックスG-25Mカラム(ベッド容 量9.1ml)中へ通過させた。生じたラベル化されたnLDLをフィルター(0 .2μm)で除菌し、使用まで窒素ガス下4℃で保管した。マイクロエマルジョン のDio濃縮液を、484nm及び587nmの励起及び放射波長のぞれぞれに ついて蛍光分光光度計(Perkin Elmer 203,Xenon Model 150 Lamp)を用いて測定 した。Dioでラベル化された材料(200μl)をメタノール(3ml)中へ加え、 蛍光度を測定し、濃度を標準曲線と照合して算出した。細胞培養 対数成長期のB16細胞をトリプシン処理し、10%v/vFCSを補充したR PMI 1640(1ml)を含む24-ウェル・プレート中へ5×104cells/ウェ ルの濃度で接種して保温した。細胞を24時間そのまま生育させ、次いでさらに2 4時間5%(v/v)DFCSを補充したRPMI 1640中で血清飢餓状態 に置いた。Dioでラベルしたマイクロエマルジョン及びnLDLをフィルター (0.2μm)へ通し、既知の濃度でウェル中へ加えた。プレートを、結合を測定 するためなら4℃、細胞に結合したDio濃度を測定すろためなら37℃に3時 間保温した。脂質を加える前に、4℃に保温したプレートを30分間冷却した。 保温後、残存培地を吸引し、解離を防ぐため細胞を注意深く洗浄し、次いで各ウ ェルへメタノール(1ml)を加え、静かに攪拌しながら30分間室温で保温した。 メタノール抽出液を5,000rpmで5分間遠心分離し、吸引し、メタノール (2ml)中へ加え、次いで前記した蛍光定量法でDio濃度を測定した。保温した Dio-無ラベル化細胞についても自然蛍光発色を考慮 してメタノール抽出を行った。プレート当り3ウェルについて、2M NaOH を加え、Lowry法[15]のPeterson変法[14]を用いてルーチン的にタンパク質濃度 を分析した。B16細胞は接触を阻止され、実験期間中はほぼ融合状態であり、 この測定で得た平均値を用いた。特異的に結合及び会合したDioは、各濃度測 定について、2ウェル中に無ラベル化リガンドの100倍過剰量を含ませて測定 した。特異的結合は、全結合(過剰分なし)から非特異的結合(過剰分含む)を減じ て計算した。データはスキャチャード及び二重交互分析を用いて処理し結合定数 を算出した。結果 レセプター結合研究においてnLDLがラベル化可能か否かを調べるため、サ ンプルをセファデックスG-25Mカラム(PD−10)を用いてクロマトグラフィ ーにかけた。分画についてDio及びコレステロール濃度をモニターし、結果を 表2に示した。 Dioが確実にnLDLに結合しているか否かを確認するため、サンプルを子 牛血清アルブミン(BSA,2mg/ml)を含有する同一量のPBSとともに37℃で3 0分間保温し、次いでセファクリルS-300カラムを用いてクロマトグラフィー を行った。蛍光の80%以上が粒子に結合し(図14参照)、少量のみがタンパク 質とともに溶出された。 Dio等のカルボシアニン色素は、特にコレステロールが同時に存在する場合 、リン脂質層へ挿入された後殆ど移動しないことが知られている。 データによれば、nLDL懸濁液はLDLのため先に案出された方法の変法を 用いてDioでラベルすることが可能である[1718]。 B16細胞へのDio-ラベル化nLDLの結合に関する最初の研究は過剰の 無ラベル化リガンドなしに行われている。最初に製造されたnLDLは少量の培 養ウェルへ加えるのに十分な過剰量(ラベル化されたnLDLの100倍量)を得 るのに十分なほど濃縮されていなかった。[ペプチドA]nLDL及びマイクロエ マルジョンは類似の結合態様を示したが(図15参照)、[ペプチドC]nLDLは 添加されたリガンドのより高いレベルで飽和した。Dio-ラベル化nLDLの 4℃でのB16細胞への全結合曲線が薬量依存的であり飽和するようであること は、レセプター介在の相互作用を示唆するものである。 図16はコレステロール濃度増加の、ラベル化された[ペプチドA]nLDL及 びマイクロエマルジョンのB16細胞への4℃下での結合(特異的結合、非特異的 結合及び全結合)に対する影響を示している。両者は類似の全結合曲線をもつが 、マイクロエマルジョンは[ペプチドA]nLDLと比べた場合、非特異的成分を 示し増加させる。[ペプチ ドA]nLDLの非特異的結合は加えた量に直線的に比例するが、計算による特異 的結合より大きいものであった。[ペプチドA]nLDLの特異的結合は、濃度依 存的と見られるが、試験を行った濃度では飽和に至るものではなかった。 37℃で3時間で内面化されたnLDLの量は結合された全細胞から全結合を 減じて算出することができる(図17参照)。[ペプチドA]nLDLは3パラメー ターのすべてについて0〜25μmol/lのコレステロール範囲に渡って直線 的薬量反応を与えるが、このことは最高濃度であっても[ペプチドA]nLDLの レセプター依存的取り込みを飽和状態にまで至らしめなかったことを示唆するも のである。 これらの結果は[ペプチドA]nLDLが直ちにLDLレセプターへ結合できる ことを示している。 レセプター結合定数は、スキャチャード及び二重交互プロット(図18(a) 及び18(b))から算出され表3に示されている。これら両タイプの分析法は 、マイクロエマルジョンと比べた場合、[ペプチドA]nLDL及び[ペプチドC]n LDLに関してはずっと高い会合定数を生ずる。 これら結果は、ペプチドを伴うか伴わないかでの相違、あるいはペプチド間の 相違を強調するものである。特異的結合はペプチドの存在によって与えられ、結 合の程度はペプチドの構造によっている。 この結果は、Apo Bレセプター配列を含む両親媒性のペプチドnLDL粒 子上への包摂が細胞表面レセプターへ高い親和性結合を与えること、及び結合親 和性はペプチドの長さによって影響されることを示している。ペプチドの長さを 11から22のアミノ酸へと倍にすれば測定される親和性もほぼ倍になる。 実施例1に示されたデータと連関しているこの結果は、[ペプチドX]nLDL 粒子がB16細胞上の低密度リポタンパク質レセプターと相互作用していること を示している。この相互作用は、両親媒性ペプチドの全長及び親脂質性アンカー によって調整されており、二つのアンカーは単一アンカーの場合より低い結合力 を与える。 表2:LDL及びnLDLのPD−10溶出液からのコレステロール及びDio の回収 表3:スキャチャード及び二重交互分析から測定されたレセプター結合定数 実施例5 材料、nLDL粒子の調製方法、コレステロール含量の分析、細胞培養及び細 胞成長あるいは増殖検定は実施例1の記載に準ずる。光量子相関分光法及びゼー タ電位測定は実施例2の記載に準ずる。結果 いくつかの研究において、エストロゲンはLDLレセプター数の上方制御と後 続して増加する血漿LDLクリアランスを介して次亜脂質様効果を働かせること が示唆されている[19]。もしnLDLが誘起したU937の増殖がLDLレセプ ターを介して起こるのであれば、エストロゲンの培地への添加はこの効果を強め る筈である。増殖誘起に対するエストロゲン処理の結果は図19に示している。 エストロゲンはペプチドがない場合、対称区の系には何ら影響はないが、同様な ペプチド濃度において[ペプチドA]nLDL及び[ペプチドB]nLDLに関して増 殖の劇的な増加を生ずる。高濃度のペプチドにおけるエストロゲンにより刺激さ れる[ペプチドB]nLDLの増殖は少なく、試験された最高濃度では完全に消失 した。U937の増殖の有意な増加が達成されたことは、これらの系がLDLレ セプター経路を利用していることを示唆するものである。[NP]nLDLに対し てはエストロゲン刺激を与えていないので、その影響を食作用の増大あるいは類 似する他の非特異的メカニズムのせいにできないことは明らかである。 増殖へのエストロゲン刺激はさらに、LDLの取り込みがLDLレセプター経 路を介するものであることを示すものである。nLDL系は、薬物を標的とする 仕事への応用で調節可能なLDL代替物として有用であることが示される。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】平成10年9月12日(1998.9.12) 【補正内容】 補正後の請求の範囲 12.前記少なくとも1のペブチド成分が、 (1)Lys Ala Glu Tyr Lys Lys Asn Lys His Arg His又はその二量体、及び (2)Thr Thr Arg Leu Thr Arg Lys Arg Gly Leu Lys又はその二量体、 から選ばれるいずれかの結合配列を含むことを特徴とする前記請求項のいずれ かに記載の粒子。 13.前記ペプチド成分が、図7に示されるペプチドA、ペプチドB、ペプチド C、ペプチドD及びペプチドEから成るグルーブから選ばれることを特徴とす る前記請求項のいずれかに記載の粒子。 14.配列(1)又は(2)あるいはそれらの二量体から選ばれるいずれかのApo Bタンパク質結合部位と少なくとも70%のアミノ酸同一性があるApo Bタンパク質結合配列を含有することを特徴とする合成ペプチド。 15.配列(1)又は(2)あるいはそれらの二量体から選ばれるいずれかのApo Bタンパク質結合部位と少なくとも80%のアミノ酸同一性があるApo Bタンパク質結合配列を含有することを特徴とする請求項14に記載の合成ペ プチド。 16.配列(1)又は(2)あるいはそれらの二量体から選ばれるいずれかのApo Bタンパク質結合部位と少なくとも90%のアミノ酸同一性があるApo Bタンパク質結合配列を含有することを特徴とする請求項14又は15に記載 の合成ペプチド。 17.(1)Lys Ala Glu Tyr Lys Lys Asn Lys His Arg His又はその二量体、 及び (2)Thr Thr Arg Leu Thr Arg Lys Arg Gly Leu Lys又はその二量体、 から選ばれるいずれかのApo Bタンパク質結合部位を含有することを特 徴とする合成ペプチド。 18.8〜500個長のアミノ酸残基を有する請求項14〜17のいずれかに記 載の合成ペプチド。 19.8〜200個長のアミノ酸残基を有する請求項14〜18のいずれかに記 載の合成ペプチド。 20.8〜50個長のアミノ酸残基を有する請求項14〜19のいずれかに記載 の合成ペプチド。 21.図7に示されるペプチドA、ペブチドB、ペブチドC、ペプチドD及びペ プチドEから成るグループから選ばれる合成ペプチド。 22.患者におけるApo Bタンパク質レセプター含有癌細胞の治療に使用す る薬 物標的ベクターとしての請求項1〜13のいずれかに記栽の非天然性レセプタ ー受容性LDL粒子。 23.癌細胞の治療において使用する薬物標的ベクターの製造に用いる、請求項 1〜13のいずれかに記載の非天然性レセプター受容性LDL粒子。 24.抗癌剤を含有する請求項1〜13のいずれかに記載の非天然性LDL粒子 の臨床的有効量を患者へ投薬することから構成される癌患者の治療方法。 25.i) 親脂質性分子及び両親媒性脂質分子から脂質成分を生成し、 ii) 少なくとも1の親脂質性置換基と少なくとも1のApo Bタンパ ク質レセプターと相互作用可能な結合部分とを含有する少なくとも1の ペプチドを前記生成された脂質と接触させる ことから構成される請求項1〜13のいずれかに記載のApo Bレセプ ター受容性を有する非天然性レセプター受容性LDL粒子の製造方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ベイリー ジョージ イギリス国 ケイエー4 8ジェイイー キルマーノック ガルストン ブレア・ス トリート 15

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 少なくとも1のApo Bタンパク質レセプターとの結合部位と少 なくとも1の親脂質性置換基とを含む少なくとも1のペプチド成分を含有する ことを特徴とする非天然性レセプター受容性LDL粒子。 2. 前記少なくとも1のペプチド成分が、リジン、アラニン、グルタミ ン、チロシン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、スレオニン、ロイシ ン、グリシン及びその類縁体から成るグループから選ばれるアミノ酸残基から 成る少なくとも1のApo Bタンパク質レセプター結合部位を含むことを特 徴とする請求項1に記載の粒子。 3. 前記少なくとも1のペプチド成分が8〜500個長のアミノ酸残基 がら成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の粒子。 4. 前記ペプチド成分が8〜200個長のアミノ酸残基から成ることを 特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粒子。 5. 前記ペプチド成分が8〜50個長のアミノ酸残基から成ることを特 徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の粒子。 6. 前記ペプチド成分が9〜30個長のアミノ酸残基から成ることを特 徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の粒子。 7. 前記ペプチド成分の親脂質性置換基が、コレステロール、レチノイ ック酸及びC10−C22の脂肪酸から成るグループから選ばれるいずれかである ことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の粒子。 8. 前記ペプチド成分がさらに水酸基、カルボキシル基及びアミノ基か ら成るグループから選ばれるいずれかの親水性置換基を含むことを特徴とする 請求項7に記載の粒子。 9. 前記ペプチド成分の結合配列がApo Bタンパク質の結合配列と 少なくとも70%のアミノ酸同一性を有することを特徴とする請求項7に記載 の粒子。 10. 前記ペプチド成分の結合配列がApo Bタンパク質の結合配列と 少なくとも80%のアミノ酸同一性を有することを特徴とする請求項9に記載 の粒子。 11.前記ペプチド成分の結合配列がApo Bタンパク質の結合配列と少なく とも90%のアミノ酸同一性を有することを特徴とする請求項9又は10に記 載の 粒子。 12.前記少なくとも1のペプチド成分が、 (1)Lys Ala Glu Tyr Lys Lys Asn Lys His Arg His又はその二量体、及 び (2)Thr Thr Arg Leu Thr Arg Lys Arg Gly Leu Lys又はその二量体、 から選ばれるいずれかの結合配列を含むことを特徴とする前記請求項のいずれ かに記載の粒子。 13.前記ペプチド成分が、ペプチドA、ペプチドB、ペプチドC、ペプチドD 及びペプチドEから成るグループから選ばれることを特徴とする前記請求項の いずれかに記載の粒子。 14.配列(1)又は(2)あるいはそれらの二量体から選ばれるいずれかのA po Bタンパク質結合部位と少なくとも70%のアミノ酸同一性があるAp o Bタンパク質結合配列を含有することを特徴とするペプチド。 15.配列(1)又は(2)あるいはそれらの二量体から選ばれるいずれかのA po Bタンパク質結合部位と少なくとも80%のアミノ酸同一性があるAp o Bタンパク質結合配列を含有することを特徴とする請求項14に記載のペ プチド。 16.配列(1)又は(2)あるいはそれらの二量体から選ばれるいずれかのA po Bタンパク質結合部位と少なくとも90%のアミノ酸同一性があるAp o Bタンパク質結合配列を含有することを特徴とする請求項14又は15に 記載のペプチド。 17. (1)Lys Ala Glu Tyr Lys Lys Asn Lys His Arg His又はその二量体 、及び (2)Thr Thr Arg Leu Thr Arg Lys Arg Gly Leu Lys又はその二量体 、 から選ばれるいずれかのApo Bタンパク質結合部位を含有することを特 徴とするペプチド。 18.8〜500個長のアミノ酸残基を有する請求項14〜17のいずれかに記 載のペプチド。 19.8〜200個長のアミノ酸残基を有する請求項14〜18のいずれかに記 載のペプチド。 20.8〜50個長のアミノ酸残基を有する請求項14〜19のいずれかに記載 のペプチド。 21.ペプチドA、ペプチドB、ペプチドC、ペプチドD及びペプチドEから成 るグループから選ばれるペプチド。 22.患者におけるApo Bタンパク質レセプター含有癌細胞の治療に薬物標 的ベクターとしての請求項1〜13のいずれかに記載のnLDL粒子の使用。 23.Apo Bタンパク質レセプター含有癌細胞の治療用に内包する薬剤を特 徴とする薬物標的ベクターの製造に用いるnLDL粒子の使用。 24.抗癌剤を含有する請求項1〜13のいずれかに記載の非天然性LDL粒子 の臨床的有効量を患者へ投薬することから構成される癌患者の治療方法。 25. i) 親脂質性分子及び両親媒性脂質分子から脂質成分を生成し、 ii) 少なくとも1の親脂質性置換基と少なくとも1のApo Bタン パク質レセプターと相互作用可能な結合部分とを含有する少なくとも1 のペプチドを前記生成された脂質と接触させる ことから構成されるApo Bレセプター受容性を有する非天然性レセプ ター受容性LDL粒子の製造方法。 26.外核性可溶性脂質及び核脂質から前記脂質成分を生成する方法であって、 外核性可溶性脂質及び核脂質の相対比が0.7:1〜5:1の範囲内にあるこ とを含む請求項25に記載の製造方法。 27.前記相対比が1:1〜3:1の範囲内であることを特徴とする請求項25 又は26に記載の製造方法。 28.前記相対比が1:1〜2:1の範囲内であることを特徴とする請求項25 又は26に記載の製造方法。 29.外核性可溶性脂質と2種の核脂質の相対比が3(外核請求項脂質):2( 核脂質1):1(核脂質2)である外核性可溶性脂質及び核脂質から前記脂質 成分を生成することを特徴とする請求項25に記載の製造方法。 30.3種の外核性脂質及び2種の核脂質の相対モル比が0.7〜6.5:0〜 2:0〜1(外核性脂質):0〜5:0〜2〜5(核脂質)の範囲内にある外 核性可溶性脂質及び核脂質から前記脂質成分を生成することを特徴とする請求 項25に記載の製造方法。 31.前記モル比が2.5〜4.5:1〜2:0.5〜1(外核性脂質):2〜 4.5:1〜2.5(核脂質)である請求項30に記載の製造方法。 32.前記モル比が4〜4.5:1.5〜2:0.7〜0.9(外核性脂質): 4〜4.5:1.8〜2.2(核脂質)である請求項30又は31に記載の製 造方法。 33.請求項1〜13のいずれかに記載の非天然性レセプター受容性ldlと医 薬的に許容可能なキャリアとを含んで成る医薬組成物。 34.細胞培養培地中への請求項1〜13のいずれかに記載の非天然性レセプタ ー受容性LDLの使用。 35.前記粒子を細胞成長のための補充要素として使用することを特徴とする請 求項34に記載の使用方法。
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