JP2001500383A - 結核診断用の化合物および方法 - Google Patents

結核診断用の化合物および方法

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ヴェドヴィック,トーマス,エス.
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Abstract

(57)【要約】 結核を診断するための化合物および方法を開示する。提供される化合物は、1種以上の結核菌(M.tuberculosis)タンパク質の少なくとも1つの抗原性部分を含有するポリペプチド、およびこうしたポリペプチドをコードするDNA配列を含む。前記ポリペプチドまたはDNA配列、および好適な検出試薬を含有する診断キットは、患者および生物学的試料中の結核菌感染の検出に使用できる。こうしたポリペプチドに対する抗体も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 結核診断用の化合物および方法 技術分野 本発明は、一般的に、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)感染の検出に関す る。本発明は、より詳しくは、結核菌抗原、またはその一部もしくはその他の変 異体を含むポリペプチド、ならびに結核菌感染の血清診断のための前記ポリペプ チドの使用に関する。 発明の背景 結核は、慢性の感染症であり、一般的に結核菌の感染によって引き起こされる 。結核は、1年に約8百万の新たな発症例があり、3百万人死亡しているために 、開発途上国においては主要な病気であり、先進国においては問題が増えつつあ る。その感染は相当の期間無症候性であり得るが、この病気は最も一般的には肺 の急性炎症として現れ、熱および痰を伴わない咳が生じる。治療しないまま放置 すると、典型的には重篤な合併症および死に至る。 結核は、一般的に長期にわたる抗生物質療法を用いて管理され得るが、そのよ うな治療はこの病気の蔓延を予防するには十分ではない。感染者は、しばらくの 間は無症候性であり得るが、保菌者であり得る。さらに、治療レジメに従うこと が絶対に重要であるが、患者の行動を監視することは困難である。何人かの患者 は治療の過程を終了せず、治療を効果の無いものにし、薬剤耐性を発生させ得る 。 結核の蔓延を抑制するには、有効なワクチン接種と病気の正確な早期診断が必 要である。現在、生菌のワクチン接種が防護免疫を誘導するための最も効率的な 方法である。この目的に用いられる最も一般的なミコバクテリアは、ウシ型結核 菌(Mycobacterium bovis)の無毒性株のカルメット−ゲラン杆菌(BCG)であ る。しかしながら、BCGの安全性および有効性は論争の源であり、合衆国など のいくつかの国は一般大衆にワクチン接種していない。診断は、通常、皮膚検査 を用いて行われ、ツベルクリンPPD(タンパク質精製誘導体)への皮内曝露を 含むものである。抗原特異的T細胞応答の結果、注射後48〜72時間のうちに注射 部位に測定可能な硬変が生じ、これはミコバクテリア抗原への曝露を示すもので ある。しかしながら、感度および特異性がこの検査についての問題であり、BC Gを接種された個人は、感染した個人と区別することができない。 マクロファージは結核菌免疫の主要なエフェクターとして作用することが分か っており、T細胞はかかる免疫の有力なインデューサーである。結核菌感染の防 御におけるT細胞の必須の役割は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染に関連 したCD4 T細胞の枯渇による、AIDS患者における結核菌の頻発によって 説明される。ミコバクテリア反応性CD4 T細胞はγ-インターフェロン(I FN-γ)の有力な産生細胞であることが分かっており、そしてマウスのマクロ ファージの抗ミコバクテリア効果を引き出すことが分かっている。ヒトにおける IFN-γの役割はあまり明確ではないが、研究によって1,25-ジヒドロキシ−ビ タミンD3が、単独で、またはIFN-γもしくは腫瘍壊死因子αとの組み合わ せで、ヒトマクロファージを活性化して結核菌感染を阻止するということがわか った。さらに、IFN-γはヒトマクロファージを刺激して1,25-ジヒドロキシ− ビタミンD3を産生させることが知られている。同様に、IL-12は結核菌感 染に対する抵抗性を刺激するうえである役割を果たすことが分かっている。結核 菌感染の免疫学の概説については、ChanおよびKaufmann,Tuberculosis:Pathoge nesis,Protection and Control,Bloom(編),ASM Press,Washington,DC,1 994を参照されたい。 したがって、当技術分野においては、結核を検出するための改良された診断方 法が必要とされている。本発明は、この要求を実現するものであり、さらに、そ の他の関連した利点を提供するものである。 発明の概要 簡単に述べると、本発明は、結核を診断するための組成物および方法を提供す る。一つの面においては、可溶性結核菌抗原の抗原性部分、または保存的置換お よび/または修飾においてのみ異なる前記抗原の変異体の抗原性部分を含むポリ ペプチドが提供される。この面の一つの実施形態においては、可溶性抗原は、下 記のN末端配列:(ここで、Xaaは任意のアミノ酸であり得る) の一つを有する。 関連した面においては、結核菌抗原の免疫原性部分、または保存的置換および /または修飾においてのみ異なる前記抗原の変異体の免疫原性部分を含むポリペ プチドであって、抗原が下記のN末端配列: (ここで、Xaaは任意のアミノ酸であり得る) の一つを有するものが提供される。 別の実施形態においては、可溶性結核菌抗原は、配列番号1、2、4〜10、 13〜25、52、94および96に記載された配列、前記配列の相補的配列、 ならびに配列番号1、2、4〜10、13〜25、52、94および96に記載 された配列またはその相補的配列に中程度のストリンジエント条件下でハイブリ ダイズするDNA配列からなる群から選択されるDNA配列によってコードされ るアミノ酸配列を含む。 関連した面においては、ポリペプチドは、結核菌抗原の抗原性部分、または保 存的置換および/または修飾においてのみ異なる前記抗原の変異体の抗原性部分 を含み、ここで、抗原は、配列番号26〜51、133、134、158〜17 8および196に記載された配列、前記配列の相補的配列、ならびに配列番号2 6〜51、133、134、158〜178および196に記載された配列また はその相補的配列に中程度のストリンジェント条件下でハイブリダイズするDN A配列からなる群から選択されるDNA配列によってコードされるアミノ酸配列 を含む。 関連した面においては、上記ポリペプチドをコードするDNA配列、これらの DNA配列を含む組換え発現ベクターおよび前記発現ベクターで形質転換または トランスフェクトされた宿主細胞も提供される。 別の面においては、本発明は、第1および第2の本発明のポリペプチド、また は本発明ポリペプチドと既知の結核菌抗原を含む融合タンパク質を提供する。 本発明のさらなる面においては、患者の結核を検出するための方法および診断 キットが提供される。この方法は、(a)生物学的試料に1種以上の前記ポリペ プチドを接触させ、(b)少なくとも1種のポリペプチドに結合する抗体の存在 を試料中で検出し、それによって生物学的試料における結核菌感染を検出する、 ことを含む。適当な生物学的試料としては全血、痰、血清、血漿、唾液、脳脊髄 液および尿が含まれる。診断キットは、1種以上の前記ポリペプチドと検出試薬 との組み合わせを含む。 本発明はまた、結核菌感染を検出するための方法を提供し、この方法は、(a )患者から生物学的試料を採取し、(b)該試料をポリメラーゼ連鎖反応におい て少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーと接触させ、該オリゴヌクレ オチドプライマーは上記ポリペプチドをコードするDNA配列に特異的であり、 そして(c)第一および第二オリゴヌクレオチドプライマーの存在下で増幅する DNA配列を試料中で検出することを含む。一実施形態において、オリゴヌクレ オチドプライマーは前記DNA配列の少なくとも約10個の連続ヌクレオチドを 含む。 さらなる面において、本発明は患者の結核菌感染を検出するための方法を提供 し、この方法は、(a)患者から生物学的試料を採取し、(b)該試料を前記ポ リペプチドをコードするDNA配列に特異的なオリゴヌクレオチドプローブと接 触させ、そして(c)該オリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイズするDN A配列を試料中で検出することを含む。一実施形態において、オリゴヌクレオチ ドプローブは前記DNA配列の少なくとも約15個の連続ヌクレオチドを含む。 さらに別の面において、本発明は前記ポリペプチドに結合するポリクローナル およびモノクローナルの両方の抗体、ならびに結核菌感染の検出におけるそれら の使用法を提供する。 本発明のこれらの面およびその他の面は、下記の詳細な説明および添付の図面 を参照することによって明らかになるであろう。本明細書中に開示した参考文献 はすべて、それぞれを個々に組み入れるかのように、参考としてその全体を本明 細書に組み入れることにする。 図面の簡単な説明および配列識別名 図1AおよびBは、第1および第2の結核菌−免疫ドナーから誘導されたT細 胞の増殖およびインターフェロン-γ産生の、それぞれ、実施例1に記載した14K d、20Kdおよび26Kd抗原による刺激を示す。 図2A〜Dは、分泌結核菌タンパク質、既知の結核菌抗原85bならびに本発 明の抗原Tb38−1およびTbH−9に対する抗血清の、それぞれ、結核菌溶 解物(レーン2)、結核菌分泌タンパク質(レーン3)、組換えTb38−1( レーン4)、組換えTbH−9(レーン5)および組換え85b(レーン5)と の反応性を示す。 図3Aは、TbH−9特異的T細胞クローンの増殖の、分泌結核菌タンパク質 、組換えTbH−9および対照抗原TbRa11による刺激を示す。 図3Bは、TbH−9特異的T細胞クローンのインターフェロン-γ産生の、 分泌結核菌タンパク質、PPDおよび組換えTbH−9による刺激を示す。 図4は、2種の代表的ポリペプチドと、結核菌感染個体および未感染個体由来 の血清との反応性を、細菌溶解物の反応性と比較して示す。 図5は、4種の代表的ポリペプチドと、結核菌感染個体および未感染個体由来 の血清との反応性を、38kD抗原の反応性と比較して示す。 図6は、組換え38kDおよびTbRa11抗原と、結核菌患者、PPD陽性 ドナーおよび正常ドナー由来の血清との反応性を示す。 図7は、抗原TbRa2Aと38kD陰性血清との反応性を示す。 図8は、配列番号60の抗原と、結核菌患者および正常ドナー由来の血清との 反応性を示す。 図9は、組換え抗原TbH−29(配列番号137)と、結核菌患者、PPD 陽性ドナーおよび正常ドナー由来の血清との、間接ELISAで測定した反応性 を示す。 図10は、組換え抗原TbH−33(配列番号140)と、結核菌患者由来お よび正常ドナー由来の血清との、および結核菌患者由来の血清のプールとの、直 接および間接ELISAで測定した反応性を示す。 図11は、組換え抗原TbH−33(配列番号140)と、結核菌患者由来お よび正常ドナー由来の血清との、ELISAで測定した反応性を示す。 配列番号1は、TbRa1のDNA配列である。 配列番号2は、TbRa11のDNA配列である。 配列番号3は、TbRa11のDNA配列である。 配列番号4は、TbRa12のDNA配列である。 配列番号5は、TbRa13のDNA配列である。 配列番号6は、TbRa16のDNA配列である。 配列番号7は、TbRa17のDNA配列である。 配列番号8は、TbRa18のDNA配列である。 配列番号9は、TbRa19のDNA配列である。 配列番号10は、TbRa24のDNA配列である。 配列番号11は、TbRa26のDNA配列である。 配列番号12は、TbRa28のDNA配列である。 配列番号13は、TbRa29のDNA配列である。 配列番号14は、TbRa2AのDNA配列である。 配列番号15は、TbRa3のDNA配列である。 配列番号16は、TbRa32のDNA配列である。 配列番号17は、TbRa35のDNA配列である。 配列番号18は、TbRa36のDNA配列である。 配列番号19は、TbRa4のDNA配列である。 配列番号20は、TbRa9のDNA配列である。 配列番号21は、TbRaBのDNA配列である。 配列番号22は、TbRaCのDNA配列である。 配列番号23は、TbRaDのDNA配列である。 配列番号24は、YYWCPGのDNA配列である。 配列番号25は、AAMKのDNA配列である。 配列番号26は、TbL−23のDNA配列である。 配列番号27は、TbL−24のDNA配列である。 配列番号28は、TbL−25のDNA配列である。 配列番号29は、TbL−28のDNA配列である。 配列番号30は、TbL−29のDNA配列である。 配列番号31は、TbH−5のDNA配列である。 配列番号32は、TbH−8のDNA配列である。 配列番号33は、TbH−9のDNA配列である。 配列番号34は、TbM−1のDNA配列である。 配列番号35は、TbM−3のDNA配列である。 配列番号36は、TbM−6のDNA配列である。 配列番号37は、TbM−7のDNA配列である。 配列番号38は、TbM−9のDNA配列である。 配列番号39は、TbM−12のDNA配列である。 配列番号40は、TbM−13のDNA配列である。 配列番号41は、TbM−14のDNA配列である。 配列番号42は、TbM−15のDNA配列である。 配列番号43は、TbH−4のDNA配列である。 配列番号44は、TbH−4−FWDのDNA配列である。 配列番号45は、TbH−12のDNA配列である。 配列番号46は、Tb38−1のDNA配列である。 配列番号47は、Tb38−4のDNA配列である。 配列番号48は、TbL−17のDNA配列である。 配列番号49は、TbL−20のDNA配列である。 配列番号50は、TbL−21のDNA配列である。 配列番号51は、TbH−16のDNA配列である。 配列番号52は、DPEPのDNA配列である。 配列番号53は、DPEPの推定アミノ酸配列である。 配列番号54は、DPV N末端抗原のタンパク質配列である。 配列番号55は、AVGS N末端抗原のタンパク質配列である。 配列番号56は、AAMK N末端抗原のタンパク質配列である。 配列番号57は、YYWC N末端抗原のタンパク質配列である。 配列番号58は、DIGS N末端抗原のタンパク質配列である。 配列番号59は、AEES N末端抗原のタンパク質配列である。 配列番号60は、DPEP N末端抗原のタンパク質配列である。 配列番号61は、APKT N末端抗原のタンパク質配列である。 配列番号62は、DPAS N末端抗原のタンパク質配列である。 配列番号63は、TbM−1ペプチドの推定アミノ酸配列である。 配列番号64は、TbRa1の推定アミノ酸配列である。 配列番号65は、TbRa10の推定アミノ酸配列である。 配列番号66は、TbRa11の推定アミノ酸配列である。 配列番号67は、TbRa12の推定アミノ酸配列である。 配列番号68は、TbRa13の推定アミノ酸配列である。 配列番号69は、TbRa16の推定アミノ酸配列である。 配列番号70は、TbRa17の推定アミノ酸配列である。 配列番号71は、TbRa18の推定アミノ酸配列である。 配列番号72は、TbRa19の推定アミノ酸配列である。 配列番号73は、TbRa24の推定アミノ酸配列である。 配列番号74は、TbRa26の推定アミノ酸配列である。 配列番号75は、TbRa28の推定アミノ酸配列である。 配列番号76は、TbRa29の推定アミノ酸配列である。 配列番号77は、TbRa2Aの推定アミノ酸配列である。 配列番号78は、TbRa3の推定アミノ酸配列である。 配列番号79は、TbRa32の推定アミノ酸配列である。 配列番号80は、TbRa35の推定アミノ酸配列である。 配列番号81は、TbRa36の推定アミノ酸配列である。 配列番号82は、TbRa4の推定アミノ酸配列である。 配列番号83は、TbRa9の推定アミノ酸配列である。 配列番号84は、TbRaBの推定アミノ酸配列である。 配列番号85は、TbRaCの推定アミノ酸配列である。 配列番号86は、TbRaDの推定アミノ酸配列である。 配列番号87は、YYWCPGの推定アミノ酸配列である。 配列番号88は、TbAAMKの推定アミノ酸配列である。 配列番号89は、Tb38−1の推定アミノ酸配列である。 配列番号90は、TbH−4の推定アミノ酸配列である。 配列番号91は、TbH−8の推定アミノ酸配列である。 配列番号92は、TbH−9の推定アミノ酸配列である。 配列番号93は、TbH−12の推定アミノ酸配列である。 配列番号94は、DPASのDNA配列である。 配列番号95は、DPASの推定アミノ酸配列である。 配列番号96は、DPVのDNA配列である。 配列番号97は、DPVの推定アミノ酸配列である。 配列番号98は、ESAT−6のDNA配列である。 配列番号99は、ESAT−6の推定アミノ酸配列である。 配列番号100は、TbH−8−2のDNA配列である。 配列番号101は、TbH−9FLのDNA配列である。 配列番号102は、TbH−9FLの推定アミノ酸配列である。 配列番号103は、TbH−9−1のDNA配列である。 配列番号104は、TbH−9−1の推定アミノ酸配列である。 配列番号105は、TbH−9−4のDNA配列である。 配列番号106は、TbH−9−4の推定アミノ酸配列である。 配列番号107は、Tb38−IF2INのDNA配列である。 配列番号108は、Tb38−2F2RPのDNA配列である。 配列番号109は、Tb37−FLの推定アミノ酸配列である。 配列番号110は、Tb38−INの推定アミノ酸配列である。 配列番号111は、Tb38−IF3のDNA配列である。 配列番号112は、Tb38−IF3の推定アミノ酸配列である。 配列番号113は、Tb38−IF5のDNA配列である。 配列番号114は、Tb38−IF6のDNA配列である。 配列番号115は、DPVの推定N末端アミノ酸配列である。 配列番号116は、AVGSの推定N末端アミノ酸配列である。 配列番号117は、AAMKの推定N末端アミノ酸配列である。 配列番号118は、YYWCの推定N末端アミノ酸配列である。 配列番号119は、DIGSの推定N末端アミノ酸配列である。 配列番号120は、AEESの推定N末端アミノ酸配列である。 配列番号121は、DPEPの推定N末端アミノ酸配列である。 配列番号122は、APKTの推定N末端アミノ酸配列である。 配列番号123は、DPASの推定アミノ酸配列である。 配列番号124は、DPPDN末端抗原のタンパク質配列である。 配列番号125〜128は、4つのDPPD臭化シアン断片のタンパク質配列 である。 配列番号129は、XDS抗原のN末端タンパク質配列である。 配列番号130は、AGD抗原のN末端タンパク質配列である。 配列番号131は、APE抗原のN末端タンパク質配列である。 配列番号132は、XYI抗原のN末端タンパク質配列である。 配列番号133は、TbH−29のDNA配列である。 配列番号134は、TbH−30のDNA配列である。 配列番号135は、TbH−32のDNA配列である。 配列番号136は、TbH−33のDNA配列である。 配列番号137は、TbH−29の予測アミノ酸配列である。 配列番号138は、TbH−30の予測アミノ酸配列である。 配列番号139は、TbH−32の予測アミノ酸配列である。 配列番号140は、TbH−33の予測アミノ酸配列である。 配列番号141〜146は、TbRa3、38kDおよびTb38−1を含む 融合タンパク質の調製に使用したPCRプライマーである。 配列番号147は、TbRa3、38kDおよびTb38−1を含む融合タン パク質のDNA配列である。 配列番号148は、TbRa3、38kDおよびTb38−1を含む融合タン パク質のアミノ酸配列である。 配列番号149は、結核菌抗原38kDのDNA配列である。 配列番号150は、結核菌抗原38kDのアミノ酸配列である。 配列番号151は、XP14のDNA配列である。 配列番号152は、XP24のDNA配列である。 配列番号153は、XP31のDNA配列である。 配列番号154は、XP32の5'DNA配列である。 配列番号155は、XP32の3'DNA配列である。 配列番号156は、XP14の予測アミノ酸配列である。 配列番号157は、XP14の逆相補的配列によってコードされる予測アミノ 酸配列である。 配列番号158は、XP27のDNA配列である。 配列番号159は、XP36のDNA配列である。 配列番号160は、XP4の5'DNA配列である。 配列番号161は、XP5の5'DNA配列である。 配列番号162は、XP17の5'DNA配列である。 配列番号163は、XP30の5'DNA配列である。 配列番号164は、XP2の5'DNA配列である。 配列番号165は、XP2の3'DNA配列である。 配列番号166は、XP3の5'DNA配列である。 配列番号167は、XP3の3'DNA配列である。 配列番号168は、XP6の5'DNA配列である。 配列番号169は、XP6の3'DNA配列である。 配列番号170は、XP18の5'DNA配列である。 配列番号171は、XP18の3'DNA配列である。 配列番号172は、XP19の5'DNA配列である。 配列番号173は、XP19の3'DNA配列である。 配列番号174は、XP22の5'DNA配列である。 配列番号175は、XP22の3'DNA配列である。 配列番号176は、XP25の5'DNA配列である。 配列番号177は、XP25の3'DNA配列である。 配列番号178は、TbH4−XP1の全長DNA配列である。 配列番号179は、TbH4−XP1の予測アミノ酸配列である。 配列番号180は、TbH4−XP1の逆相補的配列によってコードされる予 測アミノ酸配列である。 配列番号181は、XP36によってコードされる第1の予測アミノ酸配列で ある。 配列番号182は、XP36によってコードされる第2の予測アミノ酸配列で ある。 配列番号183は、XP36の逆相補的配列によってコードされる予測アミノ 酸配列である。 配列番号184は、RDIF2のDNA配列である。 配列番号185は、RDIF5のDNA配列である。 配列番号186は、RDIF8のDNA配列である。 配列番号187は、RDIF10のDNA配列である。 配列番号188は、RDIF11のDNA配列である。 配列番号189は、RDIF2の予測アミノ酸配列である。 配列番号190は、RDIF5の予測アミノ酸配列である。 配列番号191は、RDIF8の予測アミノ酸配列である。 配列番号192は、RDIF10の予測アミノ酸配列である。 配列番号193は、RDIF11の予測アミノ酸配列である。 配列番号194は、RDIF12の5'DNA配列である。 配列番号195は、RDIF12の3'DNA配列である。 配列番号196は、RDIF7のDNA配列である。 配列番号197は、RDIF7の予測アミノ酸配列である。 配列番号198は、DIF2−1のDNA配列である。 配列番号199は、DIF2−1の予測アミノ酸配列である。 配列番号200〜207は、TbRa3、38kD、Tb38−1およびDP EPを含む融合タンパク質(以下、TbF−2という)の調製に使用したPCR プライマーである。 配列番号208は、融合タンパク質TbF−2のDNA配列である。 配列番号209は、融合タンパク質TbF−2のアミノ酸配列である。 発明の詳細な説明 上述のように、本発明は、一般には、結核を診断するための組成物及び方法に 関する。本発明の組成物は、結核菌(M.tuberculosis)抗原の少なくとも1つの 抗原性部分、又は保存的置換及び/又は修飾(modifications)においてのみ異 なるような抗原の変異体を含むポリペプチドを含有する。本発明の範囲内にある ポリペプチドには可溶性結核菌抗原が含まれるが、これに限定されるものではな い。“可溶性結核菌”は、結核菌の培養物濾液中に存在する結核菌起源のタンパ ク質である。本明細書中で用いられる“ポリペプチド”という用語は完全長のタ ンパク質(すなわち、抗原)を含むあらゆる長さのアミノ酸鎖を包含し、これら のアミノ酸残基は共有ペプチド結合により結合する。したがって、上述の抗原の うちの1つの抗原性部分を含むポリペプチドは、完全に抗原性部分からなるもの であっても、さらなる配列を有するものであってもよい。このさらなる配列は本 来の結核菌抗原に由来するものであっても、異種のものであってもよく、(その 必要はないが)そのような配列が抗原性であってもよい。 抗原(可溶性であってもなくてもよい)の“抗原性部分”は、結核菌感染個体 から得られた血清と反応することが可能である(すなわち、本明細書に記載され る代表的なELISA検定において、非感染個体からの血清を用いて得られた吸光度 を超える少なくとも3つの標準偏差である感染個体からの血清を用いて読み取る 吸光度を発生する)部分である。“結核菌感染個体”とは、結核菌に感染された (たとえば、少なくとも0.5cmの直径のPPDに対する内皮皮膚試験応答を有する) ヒトである。感染個体は、結核の症状を示していてもよいし、病気の症状がなく てもよい。本明細書に記載される1以上の結核菌抗原の少なくとも1つの抗原性 部分を含むポリペプチドは、一般に、単独でまたは組み合わせて用いて患者の結 核を検出することができる。 また、本発明の組成物及び方法は上記ポリペプチドの変異体をも包含する。本 明細書で用いられる“変異体”は、上記ポリペプチドの抗原性が保持されるよう に、保存的置換及び/又は修飾においてのみ本来の抗原と異なるポリペプチドで ある。このような変異体は、一般に、上記ポリペプチド配列のうちの1つを修飾 し、例えば本明細書に記載される代表的な手順を用いて、その修飾ポリペプチド の抗原性を評価することにより同定することができる。 “保存的置換”は、ペプチド化学の当業者が実質的に変化しないポリペプチド の二次構造及びヒドロパシー性を予想するように、アミノ酸が同様の特性を有す る他のアミノ酸で置換されていることである。一般には、以下のアミノ酸群が保 存的変化を表す:(1)ala、pro、gly、glu、asp、gln、asn、ser、thr;(2)cys、 ser、tyr、thr;(3)val、ile、leu、met、ala、phe;(4)lys、arg、his;及び(5 )phe、tyr、trp、his。 同様に(もしくは、その代わりに)、例えば、ポリペプチドの抗原性、二次構 造及びヒドロパシー性に与える影響が最小であるアミノ酸を欠失又は付加するこ とにより変異体を修飾することもできる。例えば、ポリペプチドを、そのタンパ ク質のN末端で、翻訳と同時に、もしくは翻訳後にそのタンパク質を移動させる シグナル(すなわちリーダー)配列と結合させることができる。また、ポリペプ チドをリンカー、あるいはそのポリペプチドの合成、精製もしくは同定を容易に し又はそのポリペプチドの固体支持体への結合を強化するための他の配列(例え ば、ポリHis)に結合させることができる。例えば、ポリペプチドを免疫グロブリ ンFc領域に結合させることができる。 関連する態様において、組み合わせポリペプチドが開示されている。“組み合 わせポリペプチド”は、少なくとも1つの上記抗原性部分及び1つ以上のさらな る抗原性結核菌配列を含み、それらがペプチド結合により結合して単一のアミノ 酸鎖を形成するポリペプチドである。これらの配列は直接結合しても(すなわち 、介在アミノ酸を含まない)、その成分ポリペプチドの抗原性を大きく低下させ ることのないリンカー配列(例えば、Gly−Cys−Gly)によって結合していても よい。 一般には、結核菌抗原、及びそのような抗原をコードするDNA配列は様々な 手順のいずれを用いても調製することができる。例えば、アニオン交換及び逆相 クロマトグラフィーを含む当業者に公知の手順により、可溶性抗原を結核菌培養 物濾液から単離することができる。次に、精製した抗原を、所望の特性、例えば 結核菌感染個体から得られた血清と反応する能力について評価することができる 。そのようなスクリーニングは本明細書に記載される代表的方法を用いて行うこ とができる。その後、例えば伝統的なエドマン化学のような技術を用いて、抗原 を 部分的に配列決定することができる。Edman及びBerg,Eur.J.Biochem.80:116-132 ,1967を参照のこと。 また、抗原は、その抗原をコードし、発現ベクターに挿入されていて適切な宿 主において発現するDNA配列を用いて、組換えにより産生させることもできる 。可溶性抗原をコードするDNA分子は、可溶性結核菌抗原に対して特異的に生 じた抗血清(例えば、ウサギ)を用いて適切な結核菌発現ライブラリーをスクリ ーニングすることにより単離することができる。可溶性であろうとなかろうと、 抗原をコードするDNA配列は適切な結核菌ゲノムもしくはcDNA発現ライブ ラリーを結核菌に感染した患者から得られた血清でスクリーニングすることによ リ同定することができる。このようなスクリーニングは、一般には、当業者に周 知の技術、例えば、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratories,Cold Spring Harbor,NY,1989に記載されるものを 用いて行うことができる。 また、可溶性抗原をコードするDNA配列は、適切な結核菌cDNAもしくは ゲノムDNAライブラリーを、単離された可溶性抗原の部分的アミノ酸配列に基 いて誘導される縮重オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするDNA配列につい てスクリーニングすることにより得ることもできる。このようなスクリーニング において用いられる縮重オリゴヌクレオチド配列は、(例えば)Sambrookら,Mo lecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratories,Cold Spring Harbor,NY(及びそこに引用される参考文献)に記載されるように設計 し、かつ合成することができ、スクリーニングもそこに記載される通りに行うこ とができる。また、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を当該技術分野で公知の方 法において上記オリゴヌクレオチドを用いて行い、cDNA又はゲノムライブラ リーから核酸プローブを単離することもできる。次に、この単離されたプローブ を用いてライブラリーのスクリーニングを行うことができる。 調製方法に拘らず、本明細書に記載される抗原は“抗原性”である。より具体 的には、これらの抗原は、結核菌感染個体から得られる血清と反応する能力を有 する。反応性は、例えば本明細書に記載される代表的ELISA検定を用いて評価す ることができ、この場合、非感染個体からの血清を用いて得られた吸光度を超 える少なくとも3つの標準偏差である感染個体からの血清を用いて読み取った吸 光度が、陽性であると考えられる。 結核菌抗原の抗原性部分は、周知の技術、例えば例えば、Paul,FundamentalIm munology,3d ed.,Raven Press,1993,pp.243-247及びそこで引用される参考文献 に要約されるものを用いて調製及び同定することができる。このような技術には 、本来の抗原のポリペプチド部分を抗原性についてスクリーニングすることが含 まれる。本明細書に記載される代表的ELISAが一般にこれらのスクリーニングで 使用することができる。ポリペプチドの抗原性部分とは、そのような代表的検定 において、完全長の抗原によって生じるものと実質的に同様のシグナルをこのよ うな検定で生じさせる部分をいう。換言すると、結核菌抗原の抗原性部分は、本 明細書に記載されるモデルELISAにおいて完全長抗原によって誘導されるシグナ ルの少なくとも約20%、好ましくは約100%を生じさせる。 結核菌抗原の一部及び他の変異体は合成又は組換え手段により産生させること ができる。約100個未満のアミノ酸、一般には約50個未満のアミノ酸を有する合 成ポリペプチドは、当業者に周知の技術を用いて産生させることができる。例え ば、そのようなポリペプチドは、成長するアミノ酸鎖にアミノ酸を連続的に付加 する市販の固相技術のいずれか、例えば、メリフィールド固相合成法を用いて合 成することができる。Merrifield,J.Am.Chem.Soc.85:2149-2146,1963を参照の こと。ポリペプチドの自動合成のための機器はアプライド・バイオシステムズ社 (Applied BioSystems,Inc.)、フォスターシティー、CAのような供給者から市 販されており、製造者の指示に従って稼働させることができる。本来の抗原の変 異体は、一般に、標準的な突然変異誘発技術、例えば、オリゴヌクレオチド指向 性部位特異的突然変異誘発を用いて調製することができる。また、DNA配列の 区画を標準技術を用いて除去して切り詰められたポリペプチドを調製することも できる。 本来の抗原の一部及び/又は変異体を含む組換えポリペプチドは、当業者に公 知の様々な技術を用いて、そのポリペプチドをコードするDNA配列から容易に 調製することができる。例えば、培養培地に組換えタンパク質を分泌する適切な 宿主/ベクター系に由来する上清を、まず、市販のフィルターを用いて濃縮する ことができる。濃縮後、その濃縮物を適切な精製マトリックス、例えば、アフィ ニティマトリックス又はイオン交換樹脂に適用することができる。最後に、1回 以上の逆相HPLC工程を用いて組換えタンパク質をさらに精製することができ る。 当業者に公知の様々な発現ベクターのうちのいずれをも本明細書に記載の組換 えポリペプチドの発現に用いることができる。発現は、組換えポリペプチドをコ ードするDNA分子を含む発現ベクターで形質転換又はトランスフェクトした適 切な宿主細胞において達成することができる。適切な宿主細胞には原核生物、酵 母及び高等真核細胞が含まれる。好ましくは、用いられる宿主細胞は大腸菌、酵 母又は哺乳動物細胞系、例えば、COSもしくはCHOである。この方法で発現 するDNA配列は天然の抗原、天然の抗原の一部、又はそれらの他の変異体をコ ードし得る。 一般に、調製方法に関係なく、本明細書に開示されるポリペプチドは実質的に 純粋な形態で調製される。好ましくは、これらのポリペプチドは少なくとも約80 %の純度であり、好ましくは少なくとも約90%の純度であり、最も好ましくは少 なくとも約99%の純度である。しかしながら、本明細書に記載される方法で使用 するときには、そのような実質的に純粋なポリペプチド類を組み合わせて使用し てもよい。 特定の実施態様において、本発明は、下記N末端配列のうちの1つを有する可 溶性結核菌抗原の少なくとも1つの抗原性部分(またはそのような抗原の変異体 )を含むポリペプチドを開示する: (ここで、Xaaはいかなるアミノ酸であってもよく、好ましくはシステイン残基で ある。) 上記(g)として同定される抗原をコードするDNA配列は配列番号52に示され ており、その推定アミノ酸配列は配列番号53に示されている。上記(a)として 確定される抗原をコードするDNA配列は配列番号96に示されている;その推定 アミノ酸配列は配列番号97に示されている。上記抗原(d)に対応するDNA配 列は配列番号24に示され、抗原(c)に対応するDNA配列は配列番号25に示さ れ、かつ抗原(i)に対応するDNA配列は配列番号94に記載されており、その 推定アミノ酸配列は配列番号95に示されている。 さらなる特定の実施態様において、本発明は、下記N末端配列のうちの1つを 有する結核菌抗原の少なくとも1つの免疫原性部分、又は保存的置換及び/又は 修飾においてのみ異なるそれらの変異体を含むポリペプチドを開示する: (ここで、Xaaはいかなるアミノ酸であってもよく、好ましくはシステイン残基で ある。) 別の特定の実施態様において、本発明は、(a)配列番号1、2、4〜10、13〜25 、52、94および96のDNA配列、(b)そのようなDNA配列の相補的配列、又 は(c)(a)もしくは(b)の配列と実質的に相同であるDNA配列、によって コードされる1つ以上のアミノ酸配列を含む可溶性結核菌抗原(又はそのような 抗原の変異体)の少なくとも1つの抗原性部分を含むポリペプチドを開示する。 さらなる特定の実施態様において、本発明は、(a)配列番号26〜51、133、134 、158〜178及び196のDNA配列、(b)そのようなDNA配列の相補的配列、又は (c)(a)もしくは(b)の配列と実質的に相同であるDNA配列、によってコ ードされる1つ以上のアミノ酸配列を含む、可溶性であってもなくてもよい結核 菌抗原(又はそのような抗原の変異体)の少なくとも1つの抗原性部分を含むポ リペプチドを開示する。 上で論じられる特定の実施態様において、結核菌抗原には、本明細書で具体的 に説明される1つ以上のDNA配列と実質的に相同であるDNA配列によってコ ードされる変異体が含まれる。本明細書で用いられる“実質的に相同”とは、中 等度にストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることが可能なDNA配列 を指す。適切な中等度にストリンジエントな条件は、5×SSC、0.5%SDS、 1.0mM EDTA(pH8.0)の溶液で予備洗浄し;50℃−65℃、5×SSCで 一晩、又は、交雑種(cross-species)相同性の事象においては45℃、0.5×SS Cでハイブリダイズさせ:次いで、65℃で20分間、0.1%SDSを含む2×、0.5 ×及び0.2×SSCの各々で2回洗浄することを含む。このようなハイブリダイ ズするDNA配列も、これらが、コード縮重のために、ハイブリダイズするDN A配列によってコードされる免疫原性ポリペプチドをコードするヌクレオチド配 列であることから、本発明の範囲内にある。 関連する態様において、本発明は、第1及び第2発明のポリペプチドあるいは 本発明のポリペプチド及び既知結核菌抗原、例えば上記の38kD抗原またはESAT-6 (配列番号98および99)、を含む融合タンパク質を、そのような融合タンパク質 の変異体と共に提供する。本発明の融合タンパク質は、これらの第1及び第2ポ リペプチドの間にリンカーペプチドを含んでいてもよい。 本発明の融合タンパク質をコードするDNA配列は、公知の組換えDNA技術 を用いて第1及び第2ポリペプチドをコードする別々のDNA配列を適切な発現 ベクターに組み立てるように構築する。第1ポリペプチドをコードするDNA配 列の3'末端を、ペプチドリンカーを用いて、もしくは用いることなく、第2ポリ ペプチドをコードするDNA配列の5'末端に連結し、それによりこれらの配列の 読取り枠が同位相内(in phase)にあって、第1及び第2ポリペプチドの両者の 生物学的活性を保持する単一の融合タンパク質へのこれら2つのDNA配列のm RNA翻訳が可能となるようにする。 各ポリペプチドがその二次及び三次構造へ確実に折り畳むのに十分な距離だけ 第一と第二のポリペプチドを隔離するため、ペプチドリンカー配列を用いること ができる。かかるペプチドリンカー配列は、当業界で周知の標準的な技術を使っ て融合タンパタ質に結合されている。適切なペプチドリンカー配列は、次の因子 に基づいて選択することができる:(1)フレキシブルな伸展コンホメーション をとることができること;(2)第一及び第二ポリペプチドの機能的エピトープ と相互作用可能な二次構造をとることができないこと;及び(3)ポリペプチド の機能的エピトープと反応し得る疎水性残基または荷電残基が存在しないこと。 好ましいペプチドリンカー配列は、Gly、Asn及びSer残基を有する。Thr及びAla 等の他の中性に近いアミノ酸もリンカー配列に用いることができる。リンカーと して有利に用いることができるアミノ酸配列としては、Marateaら,Gene 40:39- 46,1985;Murphyら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:8258-8262,1986;米国特許第4 ,935,233号及び米国特許第4,751,180号に開示されたものが挙げられる。リンカ ー配列は長さで1〜約50アミノ酸であってよい。第一及び第二ポリペプチドが、 機能的ドメインを分離し立体妨害を避けるために使用し得る非必須N末端アミノ 酸領域を有する場合は、ペプチドリンカー配列は必要でない。 また別の態様においては、本発明は上述のポリペプチドを結核の診断に用いる 方法を提供する。この態様においては、上記のポリペプチドの内の1種あるいは それ以上を、単独であるいは組み合わせて用いて、生物サンプル中の結核菌感染 を検出する方法を提供する。複数のポリペプチドを用いる実施態様においては、 本明細書に特に記載した以外のポリペプチド、例えばAndersenとHansen,Infect .Immun.57:2481-2488,1989に記載されている38kD抗原などを含めてもよい。 ここで用いている「生物サンプル」とは、患者から得られる、抗体を含有するい かなるサンプルをも意味する。好ましくは、サンプルは全血、喀痰、血清、血漿 、唾液、脳脊髄液あるいは尿である。より好ましくは、サンプルは患者あるいは 輸血用血液より得た血液、血清、あるいは血漿サンプルである。それらのポリペ プチドは、下記に示すとおり、サンプル中にそれらのポリペプチドに対する抗体 が存在するか否かを、所定のカットオフ値と比較して決めるためのアッセイに用 いられる。そのような抗体が存在することは、それ以前に結核の指標であるマイ コ バクテリア抗原に対する感作があったことを示している。 2以上のポリペプチドが用いられる実施態様においては、用いられるポリペプ チドは相補的(すなわちアッセイ法を構成するポリペプチドの一つが、他のポリ ペプチドでは検出されないと考えられるサンプル中の感染を検出する傾向のある もの)であることが好ましい。相補的ポリペプチドは、通常は、結核菌に感染し ていることが知られている一連の患者から得た血清サンプルを各ポリペプチドを 個々に用いて評価することにより特定される。各ポリペプチドでどのサンプルが 陽性であるか(下記に示すとおりに)を決めた後、供試サンプルの大多数あるいは 全ての感染を検出する能力のある2種あるいはそれ以上のポリペプチドの組み合 わせを配合することができる。例えば、結核に感染した個体から得た血清の約25 -30%は、単一のタンパク質、例えば上記の38kD抗原に対する抗体に対しては陰性 を示す。それ故、相補的ポリペプチドは38kD抗原と組み合わせて診断テストの感 度を改善するために用いうる。 サンプル中の抗体を検出するために1種又はそれ以上のポリペプチドを用いる 様々なアッセイフォーマットが当業者に知られている。例えばHarlowとLane,An tibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1988を参照 すればよいが、これは参考として本明細書に組み込まれている。好ましい実施態 様においては、アッセイ法はサンプルに含まれる抗体を結合及び放出しうるよう に固相支持体上に固定化したポリペプチドを用いることを含む。結合した抗体は リポーター基を含む検出試薬を用いて検出しうる。それに適した検出試薬として は、抗体/ポリペプチド複合体に結合する抗体、及びリポーター基で標識したフ リーのポリペプチド(例えば半競合的アッセイにおいて)を含む。また別のやリ方 として、競合的アッセイも用いることができ、そのアッセイでは、ポリペプチド に結合する抗体をリポーター基で標識し、固定化した抗原とサンプルをインキュ ベートした後にその抗原に結合しうるようにする。標識した抗体のポリペプチド への結合をサンプル中の成分が阻害する程度が、サンプルの固定化ポリペプチド に対する反応性を示すこととなる。 固相支持体としては、抗原を付着させうるものとして当業者に知られているい かなる固体材料をも用いうる。例えば、固相支持体としては、マイクロタイター プレートの試験用ウエルまたはニトロセルロースもしくはその他の適当な膜を用 いることができる。また別のものとして、該支持体は、例えば、ガラス、繊維ガ ラス、ラテックスあるいはポリスチレンやポリ塩化ビニルなどのプラスチック物 質のビーズまたはディスクであってもよい。また、支持体として、例えば米国特 許No.5,359,681で開示されているものなどの磁性粒子あるいは光ファイバーセン サーなどを用いてもよい。 ポリペプチドを固相支持体に結合させるには、当業者であれば既知の各種の手 法を用いることができ、それらは特許や科学文献中に多数述べられている。本発 明の文脈において、「結合」という用語は、例えば吸着などの非共有結合及び共 有結合(それは抗原と支持体上の官能基との直接的なつながり又は架橋剤を介し てのつながりがあり得る)の双方を示す。マイクロタイタープレートのウエルあ るいは膜との吸着による結合が好ましい。そのような場合には、適当な緩衝液中 でポリペプチドを固相支持体と適当な時間接触させることによって吸着を行いう る。接触時間は温度によって異なるが、典型的には1時間から1日の間である。通 常は、プラスチックマイクロタイタープレート(例えば、ポリスチレンまたはポ リ塩化ビニル)のウエルと、約10ngから約1μgの、好ましくは約100ngのポリペ プチドを接触させることで、適量の抗原を結合させるには十分である。 ポリペプチドを固相支持体と共有結合させるためには、通常は、まず、ポリペ プチド上の例えばヒドロキシル基又はアミノ基などの官能基および該支持体の両 者と反応する二価性試薬と該支持体とを反応させることによって行いうる。例え ば、ポリペプチドはポリマーコーティングを施した支持体と、ベンゾキノンで、 あるいは支持体上のアルデヒド基をアミン及びポリペプチド上の活性水素で縮合 することによって結合させうる(例えば、Pierce Immunotechnology Catalog and Handbook,1991のA12-A13を参照せよ)。 いくつかの実施態様においては、アッセイは固相酵素免疫検定法(ELISA)で ある。このアッセイでは、まず固相支持体上(通常はマイクロタイタープレート のウエル)に固定化されたポリペプチド抗原をサンプルと接触させることによっ て、サンプル中に存在するポリペプチドに対する抗体が固定化ポリペプチドと結 合しうるようにして行いうる。結合しなかったサンプルは固定化ポリペプチドか ら除去され、固定化された抗体-ポリペプチド複合体に結合することのできる検 出試薬が添加される。次いで、固相支持体に結合したまま残った検出試薬の量は 、その検出試薬に特異的な適当な方法を用いて測定する。 より特定して述べれば、上述のように一旦ポリペプチドが支持体上に固定化さ れれば、該支持体上の残りのタンパク質結合部位は通常はブロックされる。当業 者に公知の、例えばウシ血清アルブミンやTween 20TM(Sigma Chemical Co.,St. Louis,米国ミズーリ州)などの適当なブロッキング剤はいかなるものも用いうる 。次いで、固定化ポリペプチドをサンプルとインキキュベートして、抗体を抗原 と結合させる。サンプルは、例えばリン酸緩衝化食塩水(PBS)などの適当な希釈 剤でインキュベーション前に希釈することができる。通常、適当な接触時間(す なわちインキュベーション時間)は、結核菌に感染したサンプル中の抗体の存在 を検出するのに十分な長さの時間である。好ましくは、接触時間は、結合した抗 体と未結合の抗体が平衡に達したときにできる結合の少なくとも95%の結合が出 来上がるのに十分な時間である。当業者であれば、平衡に達するために必要な時 間は、時間が経過するにつれて生ずる結合レベルをアッセイすることによって容 易に求められることを理解するであろう。室温では約30分間のインキュベーショ ン時間で通常は十分である。 未結合サンプルは、固相支持体を、例えば0.1%Tween 20TM含有のPBSなどの適 当な緩衝液で洗うことにより除去しうる。次いで検出試薬を固相支持体に添加し うる。適当な検出試薬としては、固定化抗体-ポリペプチド複合体と結合し、当 業者に公知の各種の方法で検出しうるいかなる化合物であっても良い。好ましく は、検出試薬はリポーター基にコンジュゲートされた結合剤(例えばプロテイン A、プロテインG、免疫グロブリン、レクチンあるいはフリーの抗原など)を含 有する。好ましいリポーター基としては、酵素(西洋ワサビペルオキシダーゼな ど)、基質、補因子、阻害剤、染料、放射性核種、蛍光基、発光基及びビオチン などがある。結合剤のリポーター基へのコンジュゲーションは、当業者に公知の 標準的な方法で行いうる。一般的な結合剤は多種類の官能基と結合させた形で、 多数の会社から市販されている(例えばZymed Laboratories,San Francisco,米 国カリフォルニア州、及びPierce,Rockford,米国イリノイ州)。 次いで、検出試薬を固定化された抗体-ポリペプチド複合体と、結合した抗体 を検出するのに十分な時間インキュベートする。どのくらいの長さの時間が適当 であるかは、通常は製造者の使用説明書から、あるいは一定時間内に起こる結合 のレベルをアッセイすることによって定めうる。未結合の検出試薬を除去し、結 合した検出試薬をリポーター基を用いて検出する。リポーター基を検出するため に用いる方法はそのリポーター基の性質によって異なる。放射性基についてはシ ンチレーションカウンターを用いるかあるいはオートラジオグラフ法が通常は適 当である。分光学的方法は、染料、発光基、及び蛍光基の検出に用いうる。ビオ チンは別のリポーター基(一般的には放射性基または蛍光基、あるいは酵素)を結 合させたアビジンを用いて検出しうる。酵素をリポーター基として用いるときは 、通常は、基質を添加し(通常はある特定の時間)、その反応産物を分光学的ある いはその他の分析法によって検出しうる。 サンプル中に抗結核菌抗体が存在しているか否かは、固相支持体に結合したま ま残ったリポーター基から検出されるシグナルを、通常は所定のカットオフ値に 対応するシグナルと比較することによって決定する。好ましい実施態様において は、カットオフ値は、固定化抗原を非感染患者からのサンプルとインキュベート して得たシグナルの平均値とする。通常は、所定のカットオフ値より標準偏差の 3倍高い値のシグナルを発生するサンプルを結核陽性とする。また別の好ましい 実施態様においては、カットオフ値はROC曲線(Receiver Operator Curve)を用い て定められるが、それはSackettら,CliniCal Epidemiology;A Basic Science f or Clinical Medicine,Little Brown and Co.,1985,pp.106-107の方法に従っ て行う。簡単に記せば、この実施態様においては、カットオフ値は、診断テスト 結果に対するそれぞれのとりうるカットオフ値に対応する真の陽性率(すなわち 感度)と偽陽性率(100%−特異度)とのペアをプロットして求めうる。上部左側の 角に最も近いプロット上のカットオフ値(すなわち最も大きな領域を包含しうる 値)が最も正確なカットオフ値であり、この方法で求めたカットオフ値より高い 値を示したシグナルを発生させたサンプルを陽性とすることができる。また別の やり方として、偽陽性率を低下させるためにカットオフ値をそのプロットに沿っ て左側に移動させることができ、また、偽陰性率を低下させるために右に 移動させることができる。通常は、この方法で求めたカットオフ値より高いシグ ナルを生じたサンプルを結核陽性とする。 一つの関連実施態様においては、アッセイはラピッドフロースルー法(rapid f low-through)又はストリップテストフォーマット(strip test format)で行われ 、その場合は抗原はニトロセルロースなどの膜の上に固定化される。フロースル ー法においては、サンプル中に含まれる抗体は、サンプルが膜を通過するにつれ て固定化されたポリペプチドと結合する。次いで、検出試薬を含有する溶液が膜 を通過するにつれて検出試薬(例えばプロテインA-金コロイド)が抗体-ポリペプ チド複合体と結合する。結合した検出試薬の検出は上記に示すとおり行いうる。 ストリップテストフォーマットにおいては、ポリペプチドを結合させた膜の一端 を、サンプルを含有している溶液に浸漬する。サンプルは膜に沿って検出試薬を 含有する部分を通って固定化ポリペプチドのエリアまで移動する。ポリペプチド の位置での検出試薬の濃度がサンプル中の抗結核菌抗体の存在を示す。典型的に は、その位置での検出試薬の濃度は、あるパターン、例えば線状のパターンを生 じ、肉眼で見ることができる。そのようなパターンが認められなければ、それは 陰性の結果であることを示す。通常、膜上に固定化されるポリペプチドの量は、 生物サンプルが上記に示すようなELISAで陽性シグナルを生じるのに十分と思わ れるレベルの抗体を含んでいるときには、肉眼で識別しうるパターンを生じるよ うに選択する。好ましくは、膜上に固定化するポリペプチドの量は約25ng〜約1 μgであり、より好ましくは約50ng〜約500ngである。このような試験は典型的 には非常に少量(例えば1滴)の患者血清又は血液で行うことができる。 当然ながら、本発明のポリペプチドを用いるのに適したその他の多数のアッセ イプロトコールもある。上述の説明は好例のみを示すことを意図している。 別の態様においては、本発明は本発明のポリペプチドに対する抗体を提供する 。抗体は当業者に公知の多様な技法のいかなるものを用いて調製してもよい。例 えば、HarlowとLane,Antibodies:A laboratory Manual,Cold Spring Harbor L aboratory,1988を参照せよ。そのような技法の一つにおいては、抗原ポリペプ チドを含む免疫原を多種類の哺乳動物のいずれか(例えばマウス、ラット、ウサ ギ、ヒツジ、及びヤギ)に注射する。この工程では、本発明のポリペプチドは修 飾を加えることなく免疫原として用いうる。また別のやり方として、特に比較的 短いポリペプチドの場合、ポリペプチドを例えばウシ血清アルブミン又はkeyhol e limpet(笠形貝類の一種)のヘモシアニンなどのキャリアータンパク質と結合さ せればより良い免疫応答を引き出しうる。免疫原を宿主動物に、好ましくは1回 ないしそれ以上のブースター免疫感作を含む所定のスケジュールに従って注射し 、その動物から定期的に採血する。そのポリペプチドに特異的なポリクローナル 抗体を、例えば適当な固相支持体に結合させたポリペプチドを用いたアフィニテ ィークロマトグラフィーによって、抗血清から精製しうる。 目的の抗原ポリペプチドに対して特異的なモノクローナル抗体は、例えば、Ko hlerとMilstein,Eur.J.Immunol.6:511-519,1976に記載の技法及びそれを改 善した技法を用いて調製しうる。簡単に記せば、これらの方法は、望ましい特異 性(すなわち目的のポリペプチドとの反応性)を有する抗体を産生することができ る不死化した細胞系統の調製を含む。そのような細胞系統は、例えば、上記に示 す方法で免疫した動物から得た脾細胞から調製しうる。脾細胞は例えば骨髄腫細 胞の融合パートナー、好ましくは免疫した動物と同系であるようなものと融合さ せることにより不死化される。各種の融合技法を用いうる。例えば、脾細胞と骨 髄腫細胞を組み合わせて非イオン性界面活性剤で2-3分間処理し、次いでハイブ リッド細胞は増殖させるが、骨髄腫細胞は増殖させない選択的培地上に低密度で プレーティングする。好ましい選択技法としてはHAT(ヒポキサンチン、アミノプ テリン、チミジン)選択法がある。十分な時間、通常は1週間から2週間置いた後 、ハイブリッド体のコロニーを観察する。単一のコロニーを選び、ポリペプチド に対する結合活性を調べる。高い反応性と特異性を有するハイブリドーマが好ま しい。 モノクローナル抗体はハイブリドーマコロニー増殖の上清から単離しうる。さ らに、収率を向上させるために、ハイブリドーマ細胞系統を適当なマウスなどの 脊椎動物の腹腔に注入するなどの各種の技法を行いうる。モノクローナル抗体は その腹水あるいは血液から採取しうる。夾雑物はクロマトグラフィー、ゲルろ過 、沈殿、及び抽出などの従来法で抗体から除去しうる。本発明のポリペプチドは 、例えばアフィニティークロマトグラフィーにおける精製工程に用いうる。 抗体は、上記に詳述したものと同様なアッセイ法及びその他の当業者にはよく 知られた技法を用いて結核菌抗原の存在を検出するための診断試験に用いること ができ、それによって患者の結核菌感染を検出する方法を提供する。 また、本発明の診断用試薬は、上記のポリペプチドの1種あるいはそれ以上を コードするDNA配列、あるいはその1つ又はそれ以上の部分を含みうる。例え ば、生物サンプルから得た結核菌特異的cDNAを増幅するためのポリメラーゼ 連鎖反応(PCR)をベースとしたアッセイ法では、少なくとも1つのオリゴヌク レオチドプライマーが本発明のポリペプチドの一つをコードするDNA分子に対 して特異的であるような少なくとも2つのオリゴヌクレオチドプライマーを用い うる。増幅されたcDNAの存在は当業界でよく知られた技法、例えばゲル電気 泳動などを用いて検出される。同様にして、本発明のポリペプチドをコードする DNA分子に対して特異的なオリゴヌクレオチドプローブも、生物サンプル中の 本発明のポリペプチドの存在を検出するためのハイブリダイゼーシションアッセ イで用いうる。 ここで用いられている「あるDNA分子に特異的なオリゴヌクレオチドプライ マー/プローブ」とは、対象のDNA分子と少なくとも80%、好ましくは少なくと も90%、より好ましくは少なくとも95%の同一性を有するオリゴヌクレオチド配列 を意味する。本発明の診断法で用いるのに有用なものとなりうるオリゴヌクレオ チドプライマー及び/又はプローブは、少なくともヌクレオチド約10-40個である ことが好ましい。好ましい実施態様においては、オリゴヌクレオチドプライマー は、ここで開示したポリペプチドの内の一つをコードするDNA分子の連続する 少なくとも10個のヌクレオチドからなるものである。好ましくは、本発明の診断 法に用いるためのオリゴヌクレオチドプローブは、ここで開示したポリペプチド の内の一つをコードするDNA分子の連続する少なくとも15個のオリゴヌクレオ チドからなる。PCRベースのアッセイ法及びハイブリダイゼーションアッセイ 法は当業界ではよく知られたものである(例えばMullisら,Ibid; Ehrlich,Ibid を参照せよ)。プライマーあるいはプローブはこのように生物サンプル中の結核 菌特異的な配列を検出するために用いうる。上述のオリゴヌクレオチド配列を含 むDNAプローブあるいはプライマーは、単独で、あるいはそれぞれを組み合わ せて、あるいは上述の38kD抗原などのあらかじめ同定されている配列と共に用い うる。 次の実施例は説明を行うためのものであり、限定を意図するものではない。 実施例 実施例1 結核菌培養濾液由来のポリペプチドの精製および特性決定 本実施例は培養濾液からの結核菌可溶性ポリペプチドの調製を例示する。特に 記載しない限り、以下の実施例のパーセンテージは全て重量/容積である。 結核菌(H37Ra、ATCC No.25177、またはH37Rv、ATCC No.25618のいずれか)を 滅菌GAS培地にて37℃で14日間培養した。その後、該培地を0.45μフィルターを 通して滅菌2.5Lボトル中に真空濾過した(細胞のバルクは残す)。該培地は次 に0.2μフィルターを通して滅菌4Lボトル中に濾過し、NaN3を培養濾液に添加し て濃度0.04%にした。その後、ボトルを4℃冷所においた。 培養濾液を濃縮し、該濾液をオートクレーブ処理した12L受容器に移し、該濾 液を、エタノールでリンス洗いし10,000kDa MWCO膜を含む400mlアミコン(A micon)攪拌式セルに供給した。圧力は窒素ガスを使い60psiに維持した。この方 法により12Lの容積はほぼ50mlに減少した。 培養濾液を、8,000kDa MWCOセルロースエステル膜を使い0.1%重炭酸アン モニウム中に透析し、重炭酸アンモニウム溶液を2回交換した。タンパク質濃度 をその後、市販のBCAアッセイ(Pierce,Rockford,IL)で定量した。 透析した培養濾液をその後、凍結乾燥し、ポリペプチドを蒸留水中に再懸濁し た。該ポリペプチドを再び0.01mMの1,3ビス[トリス(ヒドロキシメチル) −メチルアミノ]プロパン、pH7.5(ビス−トリスプロパン緩衝液)(これは アニオン交換クロマトグラフィー用初期条件である)に対して透析した。0.01mM のビス−トリスプロパン緩衝液pH7.5に平衡させたPOROS 146 II Q/Mアニオン交 換カラム4.6mm x 100mm(Perceptive BioSystems,Framingham,MA) 上のゲル大量使用(profusion)クロマトグラフィーを使って、分画を実施した 。ポリペプチドを、上記緩衝液系中で直線的な0〜0.5M NaCl勾配で溶出した。カ ラム溶出物は220nmの波長で監視した。 イオン交換カラムから溶出するポリペプチドのプールを蒸留水に対して透析し 、凍結乾燥した。得た物質をpH1.9の水中0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)に溶解 し、該ポリペプチドを、Delta-Pak C18カラム(Waters,Milford,MA)300オング ストローム孔径、5ミクロン粒子径(3.9 x 150mm)上で精製した。該ポリペ プチドを、直線勾配0〜60%の希釈緩衝液(アセトニトリル中0.1%TFA)でカラ ムから溶出させた。流速は0.75ml/分であり、HPLC溶出液を214nmで監視した。 個々のサンプルの純度を最大化するように溶出ポリペプチドを含有する画分を回 収した。おおよそ200の精製ポリペプチドを得た。 その後、精製ポリペプチドを、PBMC調製物中でT細胞増殖を誘導する能力につ いてスクリーニングした。PPD皮膚試験で陽性であることが知られておりそのT 細胞がPPDおよびMTB由来の粗可溶性タンパク質に応答して増殖することが示され ている供与者からのPBMCを、10%のプールしたヒト血清および50μg/mlゲンタ マイシンを補ったRPMI 1640を含む培地中で培養した。精製ポリペプチドを0.5〜 10μg/mLの濃度で二つに分けて添加した。200μlの容積の96ウェル丸底プレ ート中で6日間培養した後、50μlの培地を各ウェルから取出して、下記のよう にIFN-γレベルを定量した。その後、該プレートを1μCi/ウェルのトリチウム 化チミジンで更に18時間パルスをかけ、収穫し、トリチウム摂取をガスシンチレ ーションカウンタを使って測定した。培地のみで培養した細胞中に観察された増 殖より3倍以上の増殖を両方の複製において生じた画分を陽性と考えた。 IFN-γを酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)を使い測定した。ELISA プレートを、ヒトIFN-γを指向するマウスモノクローナル抗体(Chemicon)を含 むPBSで4時間室温でコーティングした。その後、ウェルを5%(W/V)無脂肪ドラ イミルクを含有するPBSで1時間室温でブロックした。その後、プレートを6回、 PBS/0.2%TWEEN-20中で洗浄し、そして、ELISAプレート中の培養培地に1:2で 希釈したサンプルを一夜室温でインキュベーションした。プレ ートを再び洗浄し、PBS/10%正常ヤギ血清中に1:3000で希釈したポリクローナ ルウサギ抗ヒトIFN-γ血清を各ウェルに添加した。その後、プレートを2時間室 温でインキュベーションし、洗浄し、西洋ワサビペルオキシダーゼを結合した抗 ウサギIgG(Jackson Labs.)をPBS15%無脂肪ドライミルク中に1:2000で希釈 し添加した。更に2時間の室温インキュベーション後、プレートを洗浄しTMB基質 を添加した。反応は20分後に1N硫酸で停止した。光学濃度を570nmを参照波長と して、450nmで測定した。培地のみで培養した細胞の平均ODおよび3つの標準偏 差より2倍も大きいODを与える両方の複製において生じた画分を陽性と考えた。 配列決定のため、ポリペプチドを個々にBiobreneTM(Perkin Elmer/Applied B ioSystems Division,Foster City,CA)処理ガラス繊維フィルター上で乾燥し た。ポリペプチドを伴なうフイルターをPerkin Elmer/Applied BioSystems Divi sion Precise 492タンパク質シーケンサー上にかけた。ポリペプチドは、アミノ 酸末端から、伝統的なEdman化学を使って配列決定された。アミノ酸配列は、適 切なPTH誘導体標準とPTHアミノ酸誘導体の保持時間を比較して、各ポリペプチド について決定した。 上記の方法を使い、以下のN末端配列を有する抗原を単離した: (配列中、Xaaはいずれのアミノ酸であってもよい)。 上記の方法に加えて、追加の抗原をミクロボアHPLC精製工程を用いて単離した 。詳細には、上記のクロマトグラフィー精製工程からの抗原混合物を含む画分の 20μlを、孔径7ミクロン、カラムサイズ1mm x 100mm、のアクアポア(Aq uapore)C18カラム(Perkin Elmer/Applied BioSystems Division,Foster City, CA)上で、Perkin Elmer/Applied BioSystems Division Model 172 HPLCを使っ て精製した。画分を、水(0.05%TFAを含有)中の直線勾配1%/分のアセトニト リル(0.05%TFAを含有)により、流速80μl/分でカラムから溶出させた。溶 出液は250nmで監視した。元の画分を4つの主なピークおよび他の小成分に分離 し、分子量12.054Kd(質量分析計による)で以下のN末端配列を有するポリペ プチドを得た; このポリペプチドは、上記のアッセイを使いPBMC調製物中の増殖とIFN-γ産生 を誘導することを示した。 追加の可溶性抗原を結核菌培養濾液から次の通り単離した。結核菌培養濾液を 上記のごとく調製した。ビス−トリスプロパン緩衝液pH5.5に対して透析した 後、ビス−トリスプロパン緩衝液pH5.5で平衡したPoros QEカラム4.6 x 100 mm(Perspective Biosystems)上でアニオン交換クロマトグラフィーを使って 分画を実施した。ポリペプチドを上記緩衝液系中の直線で0〜1.5M NaCl勾配によ り、10ml/分の流速で溶出させた。カラム溶出物は214nmの波長で監視した。 イオン交換カラムから溶出する画分をプールし、Poros R2カラム4.6 x 100m m(Perspective Biosystems)を使って逆相クロマトグラフイーにかけた。ポリ ペプチドを、直線勾配0〜100%のアセトニトリル(0.1%TFA)により、流速5ml /分で、カラムから溶出させた。溶出物を214nmで監視した。 溶出したポリペプチドを含有する画分を凍結乾燥し、80μlの0.1%TFA水溶液 に再懸濁し、更に、Vydac C4カラム4.6 x 150mm(Western Analytical,Temec ula,CA)上で、直線勾配0〜100%のアセトニトリル(0.1%TFA)により、流速2m l/分で、逆相クロマトグラフィーにかけた。溶出物を214nmで監視した。 生物活性を持つ画分を主なピークおよび他の小成分に分離した。PVDF膜へのこ のピークのウエスタンブロットは、3つの主な分子量バンド、14Kd、20Kdお よび26Kdを示した。これらのポリペプチドはそれぞれ以下のN末端配列を有す ると決定した。 (配列中、Xaaはいずれのアミノ酸であってもよい)。 上記のアッセイを使い、これらのポリペプチドはPBMC調製物中の増殖とIFN-γ産 生を誘導することを示した。図1AおよびBは、それぞれ第一および第二の供与者 由来のPBMC調製物を使ったこのアッセイの結果を示す。 上記(a)、(c)、(d)および(g)に記述した抗原をコードするDNA配列 を、該N末端配列に対応し結核菌コドンバイアスを有する32P末端標識をした変 性オリゴヌクレオチドを使い、結核菌ゲノムライブラリーをスクリーニングして 取得した。上記抗原(a)に対応するプローブを使って実施したスクリーニング は、配列番号96に示す配列を有するクローンを同定した。配列番号96によりコー ドされたポリペプチドは配列番号97に示す。上記抗原(g)に対応するプローブ を使って実施したスクリーニングは、配列番号52に示す配列を有するクローンを 同定した。配列番号52によりコードされたポリペプチドは配列番号53に示す。上 記抗原(d)に対応するプローブを使って実施したスクリーニングは、配列番号2 4に示す配列を有するクローンを同定し、上記抗原(c)に対応するプローブで実 施したスクリーニングは、配列番号25に示す配列を有するクローン を同定した。 上記アミノ酸配列を、DNA STARシステムを使ってジーンバンク(gene bank) の公知アミノ酸配列と比較した。サーチしたデータベースはほぼ173,000タンパ ク質を含有し、スイス、PIRデータベースと翻訳されたタンパク質配列(バージ ョン87)との組み合わせである。抗原(a)〜(h)および(l)のアミノ酸配列 に有意な相同性は検出されなかった。 抗原(i)に対するアミノ酸配列はライ菌(M.leprae)由来の配列と相同であ ることを見出した。全長ライ菌(M.leprae)配列を、GENBANKから取得した配列 を使ってゲノムDNAから増幅した。その後、この配列を使って結核菌ライブラ リーをスクリーニングし、結核菌相同体の全長コピーを取得した(配列番号94) 。 抗原(j)に対するアミノ酸配列は、DNA配列から翻訳した公知の結核菌タ ンパク質と相同であることを見出した。本発明者の知る限りでは、このタンパク 質は未だかってT細胞剌激活性を所持することが示されてない。抗原(k)のア ミノ酸配列はライ菌(M.leprae)由来の配列に関係していることを見出した。 PPD陽性の3供与者を使った上記の増殖とIFN-γアッセイにおいて、上に得られ た代表的な抗原に対する結果を表1に示す: 表1 PBMC 増殖とIFN-γアッセイの結果 表1において、2〜4の刺激指数(SI)(培地のみで培養した細胞と比較して) を与える応答を+と採点し、4〜8または1μg以下の濃度で2〜4のSIを++と採点 し、8以上のSIを+++と採点した。配列(i)の抗原は、増殖およびIFN-γアッセ イの両方において、1供与者に高いSI(+++)を、他の2供与者にそれより低い (++および+)SIを有することを見出した。これらの結果は、これらの抗原は増 殖および/またはインターフェロン−γ産生を誘導する能力のあることを示す。 実施例2 結核菌抗原を単離するための患者血清の使用 本実施例では、結核菌感染者由来の血清を用いたスクリーニングによる結核菌 溶解物からの抗原の単離を説明する。 乾燥した結核菌H37Ra(Difco Laboratories)を2%NP40溶液に添加し、交互に ホモジナイズと超音波処理を3回行った。生成した懸濁液をマイクロ遠心チュー ブに入れて13,000rpmで遠心分離し、上清を0.2ミクロンのシリンジフィルターに 通した。濾液をMacro Prep DEAEビーズ(BioRad,Hercules,CA)に結合させた。 ビーズを20mM Tris pH7.5で洗浄し、結合したタンパク質を1M NaClで溶出した 。1M NaCl溶出液を、一晩、10mM Tris pH7.5に対して透析した。透析した溶液を DNase及びRNaseにより0.05mg/mlで30分間室温で、その後、α−D−マンノシダ ーゼにより0.5U/mg、pH4.5で3〜4時間室温で処理した。pH7.5に戻した後、 該物質をBio Scale-Q-20カラム(BioRad)でFPLCによって分画した。画分を9プ ールに組み合わせ、Centriprep 10Amicon,Beverley,MA)内で濃縮し、その後、ウ エスタンブロットにより、本発明の他の抗原に対して免疫反応性の無い結核菌感 染患者由来の血清プールを使って血清学的活性をスクリーニングした。 最も反応性の高い画分をSDS-PAGEにかけ、PVDFに移した。およそ85Kdのバン ドを切り出し次の配列を得た: この配列を上記のジーンバンクの配列と比較したところ、公知配列への有意な 相同性はみられなかった。 上記(m)に記述された抗原をコードするDNA配列は、配列番号137のN末 端配列に対応する標識縮重オリゴヌクレオチドを用いてゲノム結核菌Erdman株ラ イブラリーをスクリーニングニングして得られた。配列番号198に与えられるD NA配列を有するクローンを同定した。この配列は配列番号199に与えられるア ミノ酸をコードすることを見出した。これら配列をジーンバンクの配列と比較す ると、先に結核菌及びウシ型結核菌(M.bovis)で同定された配列といくつかの 類似性が示された。 実施例3 結核菌抗原をコードするDNA配列の調製 本実施例は、結核菌感染患者の血清または可溶性結核菌抗原に対する抗血清で 結核菌発現ライブラリーをスクリーニングすることによって結核菌抗原をコード するDNA配列を調製する手順を示すものである。A .結核菌上清に対するウサギ抗血清を用いる結核菌可溶性抗原の調製 結核菌H37Ra株からゲノムDNAを単離した。このDNAをランダムにせん断し、λZ AP発現系(Stratagcnc,LaJolla,CA)を用いて発現ライブラリーを構築するため に使用した。ウサギを結核菌培養液の濃縮上清で免疫することにより、結核菌H3 7Ra、H37RvおよびErdman株の分泌タンパク質に対するウサギ抗血清を作った。具 体的には、まずムラミルジペプチド(Calbiochem,LaJolla,CA)100μgと不完全 フロイントアジュバント1mlを含有する総量2ml中タンパク質抗原200μgを皮下 注してウサギを免疫した。4週間後さらに不完全フロイントアジュバント中の抗 原100μgをウサギに皮下注して再免疫を行った(boosted)。最後に、4週間後 タンパク質抗原50μgをウサギに静注して免疫した。Sambrookら、Molecular Cl oning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratorics,Cold Spring Ha rbor,NY,1989の記載に従い、抗血清を用いて発現ライブラリーのスクリーニング を行った。免疫反応性抗原を発現するバクテリオファージ・プラークを精製した 。プラークからpファージミドを得て結核菌クローンのヌクレオチド配列を推定 した。 32個のクローンを精製した。そのうち25個はこれまで結核菌で同定されたこと のない配列である。Skcikyら、J.Exp.Mcd.181:1527-1537,1995記載のように、 IPTGによりタンパク質を誘導しゲル溶出によって精製した。このスクリーニング で同定されたDNA分子の代表的な配列を配列番号1-25に示す。対応する推定アミ ノ酸配列を配列番号64-88に示す。 上記データベースを用い、これらの配列を遺伝子バンク中の公知の配列と比較 したところ、以下TbRA2A、TbRA16、TbRA18およびTbRA29(配列番号77,69,71,76 )と称するクローンは、らい菌で先に同定された配列とはある程度の相同性を示 すが結核菌で同定された配列との相同性は示さないことがわかった。TbRA11、Tb RA26、TbRA28およびTbDPEP(配列番号66,74,75,53)は結核菌では既に同定され ている。TbRA1、TbRA3、TbRA4、TbRA9、TbRA10、TbRA13、TbRA17、TbRa19、TbRA 29、TbRA32、TbRA36および重複クローンTbRA35、TbRA12(配列番号64,78,82,83, 65,68,76,72,76,79,81,80,67)に対する有意な相同性は見出されなかった。クロ ーンTbRa24はクローンTbRa29と重複している。B .結核菌抗原をコードするDNA配列を同定するための肺結核患者またはらい患者 血清の使用 発症している結核患者から得られた血清プールを用いて、上記のゲノムDNAラ イブラリー、さらにH37Rvライブラリーのスクリーニングを行った。H37Rvライブ ラリーを作るために、結核菌H37Rv株のゲノムDNAを単離し、部分的Sau3A分解に かけ、λZap発現系(Stratagene,La Jolla,Ca)を用いて発現ライブラリーを構 築するのに使用した。三つの異なる血清プールはそれぞれ発症している肺結核ま たはらい患者3名から得られた血清を含有するもので、これらを発現スクリーニ ングに使用した。プールは、ELISAおよびイムノブロット法両方におけるH37Ra溶 解物との相対的反応性を参照して、それぞれTbL、TbM、TbHとした(すなわち、T bL=低反応性、TbM=中程度の反応性、TbH=高反応性)。発症している肺結核患 者7名から得られた4番目の血清プールも使用した。これら血清には全部、組換 え38kD結核菌H37Raリン酸結合タンパク質との増大した反応性がなかった。 全プールを予め大腸菌溶解物(lysate)に吸着させて、H37RaおよびH37Rv発現 ライブラリーのスクリーニングに使用した。手順はSambrookら、Molecular Clon ing:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratories,Cold Spring Harb or, NY,1989の記載に従った。免疫反応性抗原を発現するバクテリオファージプラー クを精製した。プラークから得られたファージミドを回収し、結核菌クローンの ヌクレオチド配列を推定した。 32個のクローンを精製した。そのうち31個はこれまでヒト結核菌で同定された ことのない配列であった。同定されたDNA分子の代表的な配列を配列番号26-51お よび100に示す。このうちTbH-8-2(配列番号100)はTbH-8の部分的クローンであ り、TbH-4(配列番号43)とTbH-4-FWD(配列番号44)は同クローンの非連続配列 である。以下にTb38-1、TbH-4、TbH-8、TbH-9、TbH-12と称する抗原のアミノ酸 配列を配列番号89-93に示す。上記の同定されたデータベースを用い、これらの 配列を遺伝子バンクで公知の配列と比較したところ、TbH-4、TbH-8、TbH-9およ びTbM-3に対しては有意な相同性が見られなかったが、TbH-9には弱い相同性のも のが見出された。TbH-12は先にM.paratuberculosis(Acc.No.S28515)において 同定された34kDの抗原タンパク質と相同であることが見出された。Tb38-1は先に M.bovis(Acc.No.U34848)およびM.tuberculosis(Sorensenら,Infec.Immun.63:171 0-1717,1995)において同定された抗原ESAT-6のオープンリーディングフレームの 上流の34塩基対に位置することがわかった。 Tb38-1とTbH-9は両方ともH37Raライブラリーから単離されたものであるが、こ れらから誘導されたプローブを用いてH37Rvライブラリーのクローンを同定した 。Tb38-1はTb38-1F2、Tb38-1F3、Tb38-1F5およびTb38-1F6(配列番号107,108,11 1,113,114)にハイブリダイズした(配列番号107と108はクローンTb38-1F2の非 連続配列である)。Tb38-1F2において二つのオープンリーディングフレームを推 定した。一つはTb37FL(配列番号109)に対応し、第二の部分配列はTb38-1の相 同体であり、Tb38-IN(配列番号110)とよぶ。推定したTb38-1F3のアミノ酸配列 を配列番号112に示す。TbH-9プローブによって、H37Rvライブラリーで3個のクロ ーン、TbH-9(H37Ra)の相同体であるTbH-9-FL(配列番号101)、TbH-9-1(配列番 号103)、およびTbH-8-2(配列番号105)(TbH-8の部分的クローンである)が同 定された。これら3種のクローンの推定アミノ酸配列を配列番号102、104、106に 示す。 上記の手順により、さらに結核菌ゲノムDNAライブラリーのスクリーニングを 行って、7個の相異なる遺伝子を示すさらに10個の反応性クローンを回収した。 これら遺伝子のうちの一つは、上記の38kD抗原として同定されたものであり、一 つは結核菌に存在することが先に示された14Kdのαクリスタリン熱ショックタン パク質と同一であることが決定され、また第三のものは上記抗原TbH-8と同一で あることが決定された。残り5個のクローン(以下TbH-29、TbH-30、TbH-32およ びTbH-33という)について決定したDNA配列をそれぞれ、配列番号133-136に示し 、同時に対応する推定アミノ酸配列をそれぞれ配列番号137-140に示す。これら の抗原のDNA配列およびアミノ酸配列を上記遺伝子バンクの配列と比較した。( 反応性オープンリーディングフレームを含む)TbH-29の5'末端に対する相同は見 られなかったが、TbH-29の3'末端は結核菌のコスミドY227と同一であることが分 かった。TbH-32とTbH-33はそれぞれ、先に同定された結核菌挿入エレメントIS61 10、結核菌コスミドY50と同一であることが判明した。TbH-30に対する有意な相 同はなかった。 この更なるスクリーニングで得られた陽性ファージミドを用いて、上記Sambro okらに記載の通り、大腸菌XL-1 Blue MRF'に感染させた。組換えタンパク質の誘 導はIPTGを添加することによって行った。誘導された溶解物と誘導されない溶解 物を二重に(in duplicate)SDS-PAGEにかけ、ニトロセルロースフィルターに移 した。フィルターをTbH反応性のヒト結核菌血清(1:200希釈)およびlacZのN末 端4Kd部分と反応性のウサギ血清(1:200または1:250希釈)と反応させた。室温 で2時間血清のインキュベーションを行った。125I標識プロテインAを添加した 後、フィルムに16時間から11日間の間の様々な時間暴露して、結合した抗体を検 出した。イムノブロットの結果を表2に示す。 表2 ヒト結核菌血清および抗lacZ血清両方に対する組換えヒト結核菌抗原の陽性反 応は、ヒト結核菌血清の反応性が融合タンパク質に対するものであるこを示して いる。抗lacZ血清には反応性であるがヒト結核菌血清には反応しない抗原はコン ホメーションエピトープを認識するヒト結核菌血清の結果であろう。あるいは、 その抗原−抗体結合速度論はイムノブロットにおける2時間の血清暴露が不十分 なせいかもしれない。 抗原TbH-9とTb38-1が細胞タンパク質を提示するのか、あるいは結核菌培地中 に分泌されるのかを決定する実験を行った。第一の実験では、実質的に実施例3A に記載された方法を使用して、A)結核菌の分泌タンパク質、B)公知の分泌組換 え結核菌抗原85b、C)組換えTb38-1およびD)組換えTbH-9に対してウサギ血清を 作った。総結核菌溶解物、結核菌培養液の濃縮上清、組換え抗原85b、TbH-9およ びTb38-1を変性ゲル上で分解(resolve)してニトロセルロース膜上に固定化し た後、上記のウサギ血清を用いて重複ブロットを探した。 対照血清(パネルI)と分泌タンパク質、組換え85b、組換えTb38-1および組換 えTbH-9に対する抗血清(パネルII)を用いるこの分析の結果をそれぞれ図2A〜3 Dに示す。図中のレーンは以下の通りである。1)分子量タンパク質標準、2)結核 菌溶解物5μg、3)分泌タンパク質5μg、4)組換えTb38-1 50ng、5)組換えTbH-9 50ng、6)組換え85b 50ng。これら組換え抗原を、6個の末端ヒスチジン残基で処 理し(engineered)、従って天然のタンパク質よりも約1kD大きい移動度で移動 すると 予想される。図2Dにおいて、組換えTbH-9は全長42kDの抗原のうち約10kDがなく 、従って溶解物レーン(矢印で示す)における免疫反応性天然TbH-9抗原のサイ ズと顕著な差がある。これらの結果は、Tb38-1とTbH-9が細胞内抗原であり、結 核菌により活発に分泌されるものではないことを示している。 TbH-9が細胞内抗原であるとの知見は、組換えTbH-9、分泌性結核菌タンパク質 およびPPDに対するTbH-9特異的ヒトT細胞クローンの反応性を測定することによ って確認された。TbH-9特異的T細胞クローン(131TbH-9とよぶ)は健康なPPD陽 性ドナーのPBMCから得られた。分泌タンパク質、組換えTbH-9および対照の結核 菌抗原TbRallに対する131TbH-9の増殖応答は、実施例1に記載のように、トリチ ウム標識チミジンの取り込みを測定することによって決定した。図3Aに示すよ うに、クローン131TbH-9はTbH-9に特異的に応答し、このことはTbH-9が結核菌分 泌タンパク質の重要な成分ではないことを示す。図3Bは、第二のTbH-9T特異的 細胞クローン(PPD 800-10と称する)を健康なPPD陽性ドナーのPBMCから調製し 、次いでT細胞クローンを分泌タンパク質、PPDまたは組換えTbH-9で刺激するこ とによりIFN-γを作ることを示す。これらの結果もまた、TbH-9は結核菌によっ て分泌されないことを証明するものである。C .結亥菌抗原をコードするDNA配列を同定するための肺結核以外の結核患者血清 の使用 結核菌Erdman株からゲノムDNAを単離してランダムにせん断し、λZAP発現系( Stratagene,La Jolla,CA)を用いて発現ライブラリーを構築するために使用した 。得られたライブラリーを、上記実施例3Bの記載通り、肺結核以外の結核患者か ら得られた血清プールを用いてスクリーニングした。二次抗体はアルカリ性ホス フアターゼ結合ヤギ抗ヒトIgG+A+M(H+L)である。 18個のクローンを精製した。そのうち4個のクローン(以下XP14,XP24,XP31,XP 32とよぶ)は公知の配列とある程度の類似性があることが分かった。XP14,XP24 およびXP31について決定したDNA配列をそれぞれ、配列番号151-153に示し、XP32 の5'および3'末端のDNA配列をそれぞれ配列番号154および155に示す。XP14の推 定アミノ酸配列は配列番号156に示す。XP14の逆相補配列は配列番号157のア ミノ酸配列をコードすることが判明した。 残り14個のクローン(以下XP1-XP6,XP17-XP19,XP22,XP25,XP27,XP30およびXP3 6という)の配列を上記の遺伝子バンクの配列と比較したところ、XP2とXP6の3' 末端を除いて相同性はないことがわかった。XP2とXP6の3'末端は公知の結核菌コ スミドとある程度の相同性をもつことが分かった。XP27とXP36のDNA配列をそれ ぞれ配列番号158と159に示す。XP4,XP5,XP17およびXP30の5'末端の配列はそれぞ れ配列番号160-163に、XP2,XP3,XP6,XP18,XP19,XP22およびXP25の5'末端および3 '末端の配列はそれぞれ、配列番号164と165;166と167;168と169;170と171;1 72と173;174と175;そして176と177に示す。XP1は上記に開示したTbH4のDNA配 列と重複することが判明した。TbH4-XP1の全長DNA配列を配列番号178に示す。こ のDNA配列は、配列番号179に示すアミノ酸配列をコードするオープンリーディン グフレームを含んでいることが分かった。TbH4-XP1の逆相補配列は配列番号180 に示すアミノ酸配列をコードするオープンリーディングフレームを含んでいるこ とが分かった。XP36のDNA配列は、配列番号181と182に示すアミノ酸配列をコー ドする2個のオープンリーディングフレームを含み、その逆相補配列は配列番号 183に示すアミノ酸配列をコードするオープンリーディングフレームを含んでい ることが分かった。 組換えXP1タンパク質を上記実施例3B記載の通りに調製した。精製には金属イ オンアフィニティクロマトグラフィカラムを使用した。組換えXP1は結核菌免疫 ドナーから単離したT細胞における細胞増殖とIFN-γ産生を刺激することが明ら かになった。D .結核菌分画タンパク質に対するウサギ抗血清を用いる結核菌可溶性抗原の調 上記実施例2に記載のごとく結核菌溶解物を調製した。得られた物質をHPLCに より分画し、各画分に対し、本発明の他の抗原とは殆どあるいはまったく免疫反 応性を示さない結核菌感染患者の血清プールを用いて、血清学的活性についてウ エスタンブロットによりスクリーニングした。上記実施例3Aに記載の方法を用い て、最も反応性の高い画分に対するウサギ抗血清を作成した。この抗血清を使い 、 上記のように調製した結核菌Erdman株ゲノムDNA発現ライブラリーのスクリーニ ングを行った。免疫反応性抗原を発現するバクテリオファージプラークを精製し た。これらのプラークから得られたファージミドを回収し、結核菌クローンのヌ クレオチド配列を決定した。 10個の異なるクローンを精製した。これらクローンのうちの一つは、上記のTb Ra35であることが判明し、一つは先に同定された結核菌抗原HSP60であることが 分かった。残り8個のクローンのうち6個(以下RDIF2,RDIF5,RDIF8,RDIF10,RDIF1 1,RDIF12という)は先に同定された結核菌配列とある程度類似性をもつことが分 かった。RDIF2,RDIF5,RDIF8,RDIF10およびRDIF11について決定されたDNA配列は それぞれ配列番号184-188に示す。対応する推定アミノ酸配列はそれぞれ配列番 号189-193に示す。RDIF12の5'および3'DNA配列は、それぞれ配列番号194と195に 示す。抗原RDIF-7に対する有意な相同性は見出されなかった。RDIF7について決 定したDNA配列と推定アミノ酸配列はそれぞれ配列番号196と197に示す。RDIF6と 称するクローンがさらに1個単離されたが、これはRDIF5と同一であることが分か った。 上記に従って組換えRDIF6,RDIF8,RDIF10およびRDIF11を調製した。これらの抗 原は結核菌免疫ドナーから単離されたT細胞における細胞増殖およびIFN-γ産生 を刺激することが判明した。実施例4 ツベルクリン精製タンパク質誘導体由来のポリペプチドの精製および特性決定 結核菌(M.tuberculosis)ポリペプチドはツベルクリン精製タンパク質誘導 体(PPD)から次のようにして単離した。 PPDは公表されているもの(Seibert,F.ら、Tuberculin purified protein d erivative.Preparation and analyses of a large quantity for standard.Th e American Review of Tuberculosis 44:9-25,1941)に若干の改変を加えて調 製した。結核菌Rv株をローラービン中で合成培地中37℃で6週間増殖させた。細 菌増殖物を含有するビンを次に水蒸気中100℃に3時間加熱した。培養物を0.22 μのフィルターを用いて滅菌濾過し液相を3kDカットオフメンブランを用いて20 倍濃縮した。タンパク質を50%硫酸アンモニウム溶液を用いて1回そして25%硫 酸アンモニウム溶液を用いて8回沈殿させた。得られたタンパク質(PPD)をBioca d HPLCシステム(Perseptive Biosystems,Framingham,MA)中でC18カラム(7. 8×300mM;Waters,Milford,MA)を用い逆相液体クロマトグラフィー(RP-HPLC )により分別した。フラクションを0-100%バッファー(アセトニトリル中0.1%TF A)の直線勾配を用いてカラムから溶離した。流速は毎分10mlであり、溶離液を2 14nmおよび280nmで監視した。 6つのフラクションを集め、乾燥し、PBS中に懸濁し、そして遅延型過敏症(DT H)反応の誘導に関して結核菌感染モルモットでそれぞれに検査した。1つのフラ クションが強いDTH反応を誘導することが判明し、これを次にPerkin Elmer/Appl ied Biosystems Division Model 172 HPLC中ミクロボア(Microbore)Vydac C18カ ラム(カタログNo.218TP5115)上のRP-HPLCによりさらに分別した。フラクション を毎分80μlの流速で5-100%バッファー(アセトニトリル中0.05%TFA)の直線勾 配で溶離した。溶離液を215nmでモニターした。8つのフラクションを集めて結 核菌感染モルモットにおけるDTHの誘導に関して検査した。1つのフラクション が約16mmの硬結の強いDTHを誘導することが判明した。他のフラクションは検出 可能なDTHを誘導しなかった。陽性フラクションをSDS-PAGEゲル電気泳動にかけ て、およそ12kD分子量の単一のタンパク質バンドを含有することが判明した。 以後DPPDと呼ばれるこのポリペプチドを前記したPerkin Elmer/Applied Biosy stems Division Procise 492タンパク質シークエンサーを用いてアミノ末端から 配列決定して配列番号124に示されるN-末端配列を有することが判明した。この 配列を前記した遺伝子バンクの既知配列と比較したが既知相同物はなかった。DP PDの4つのシアノーゲンブロマイド断片を単離し、配列番号125-128に示す配列 を有することが判った。 実施例5 合成ポリペプチドの合成 ポリペプチドはHPTU(O−ベンゾトリアゾール-N,N,N',N'−テトラメチルウロニ ウムヘキサフルオロホスフェート)活性化を用いるFMOC化学によりMillipore9050 ペプチドシンセサイザー上で合成できる。Gly-Cys-G1y配列をペプチドのアミノ 末端に結合してペプチドの結合法または標識法を提供できる。固形支持体からの ペプチドの切断は下記切断混合物:トリフルオロ酢酸:エタンジチオール:チオ アニソール:水:フェノール(40:1:2:2:3)を用いて実施できる。2時間切断し た後、ペプチドを冷メチル−t-ブチル−エーテル中に沈殿させることができる。 ペプチドペレットを次に0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)を含有する水中に溶解させ 、凍結乾燥し、次にCl8逆相HPLCにより精製できる。ペプチドの溶離には水(0.1 %TFA含有)中の0%-60%アセトニトリル(0.1%TFA含有)の勾配を用いることがで きる。純粋なフラクションの凍結乾燥に続き、エレクトロスプレー質量分光測定 を用いそしてアミノ酸分析によりペプチドを特性決定できる。 この手法を用いて、TbM-1配列の1.5倍の反復配列を含むTbM-1ペプチドを合 成した。TbM-1ペプチドは配列:GCGDRSGGNLDQIRLRRDRSGGNL(配列番号63)を有 する。 実施例6 結核の血清診断のための代表的な抗原の使用 本実施例はいくつかの代表的な抗原の診断用としての特性を説明するものであ る。 200ngの抗原を炭酸コーティング緩衝液,pH9.6で希釈して50μlとした液でコ ートした96ウエルのプレートでアッセイを行った。ウエルを4℃で一晩(あるいは 37℃で2時間)コートした。次いでプレートの内容物を除去しウエルを200μlのP BS/1%BSAで2時間ブロックした。ブロッキングステップの後、ウエルをPBS/0.1%T ween 20TMで5回洗った。PBS/0.1%Tween 20TM/0.1%BSAで1:100に希釈して50μl とした血清を各ウエルに添加し、室温で30分間インキュベートした。その後プレ ートを再度、PBS/0.1%Tween 20TMで5回洗った。 次いで、酵素コンジュゲート(西洋ワサビペルオキシダーゼープロテインA,Zy med,San Francisco,米国カリフォルニア州)をPBS/0.1%Tween 20TM/0.1%BSAで1 :10000に希釈し、希釈したコンジュゲートの50μlを各ウエルに添加し、室温で 30分間インキュベートした。インキュベート後、ウエルをPBS/0.1%Tween 20TMで 5回洗った。100μlのテトラメチルベンジジンペルオキシダーゼ(TMB)基質(Kir kegaard and Perry Laboratories,Gaithersburg,米国メリーランド州)を添加し 、希釈せず、約15分間インキュベートした。100μlの1N硫酸を各ウエルに添加 することにより反応を停止させ、プレートを450nmで読み取った。 図4は、結核菌陽性及び陰性の患者から得た血清と、実施例3のA法を用いて 単離した2つの組換え抗原(TbRa3及びTbRa9)とのELISAの反応性を示す。これらの 抗原の反応性を、結核菌H37Ra株(Difco,Detroit,米国ミネソタ州)から単離し た細菌溶解物の反応性と比較した。どちらの場合も、組換え抗原は陽性と陰性の 血清を区別し得た。ROC曲線(receiver-operator curve)から得られたカットオフ 値に基づくと、TbRa3は87検体の陽性血清の内の56検体を検出し、TbRa9は165検 体の陽性血清の内の111検体を検出した。 図5は実施例3のB法を用いて単離された代表的な抗原のELISA反応性を示す 。組換え抗原TbH4,TbH12,Tb38-1及びペプチドTbM-1(実施例4に記載)の反応性 を、AndersenとHansen,Infect.Immun.57:2481-2488,1989に記載の38kD抗原 の反応性と比較した。ここでも、試験したポリペプチドは全て陽性と陰性の血清 を区別し得た。ROC曲線から得られたカットオフ値に基づくと、TbH4は126検体の 陽性血清の内の67検体を検出し、TbH12は125検体の陽性血清の内の50検体を検出 し、38-1は101検体の陽性血清の内の61検体を検出し、TbM-1ペプチドは30検体の 陽性血清の内の25検体を検出した。 4種の抗原(TbRa3,TbRa9,TbH4及びTbH12)と、喀痰の抗酸菌染色(Smithwickと David,Tubercle 52:226 1971)では異なる反応性を示す結核菌感染患者の一群か ら得た血清との反応性も調べ、結核菌溶解物及び38kD抗原の反応性と比較した。 結果を下記の表3に示す。 表3 結核菌患者から得た血清と抗原との反応性 ROC曲線から得られたカットオフ値に基づくと、TbRa3は27検体の陽性血清の内 の23検体、TbRa9は27検体の陽性血清の内の22検体、TbH4は27検体の陽性血清の 内の18検体、TbH12は27検体の陽性血清の内の15検体を検出した。組み合わせて 用いれば、これらの4種の抗原は理論的には27陽性検体中27検体を検出する感度 を持つであろうが、このことはこれらの抗原が結核菌感染の血清学的検出に際し てそれぞれが補完的な働きをするはずであることを示している。さらに、組換え 抗原のいくつかは38kD抗原では検出し得ない陽性血清を検出したが、このことは これらの抗原が38kD抗原に対して補完的な働きをしうることを示している。 38kD抗原で陰性を示した結核菌患者から得た血清、及びPPD陽性ドナー及び正 常のドナーから得た血清と、組換え抗原TbRallとの反応性を上述のELISAで測定 した。結果を図6に示すが、その図は、TbRallはPPD陽性ドナー及び正常なドナ ーから得た血清では陰性であったが、38kD抗原で陰性であった血清を検出しうる ことを示している。試験した13検体の38kD陰性の血清の内、9検体がTbRallで陽 性であったが、これはこの抗原が38kD抗原陰性血清のサブグループと反応しうる ことを示している。これに対して、TbRallに反応性の38kD陽性血清群においては 、TbRallの平均OD 450は38kD抗原のそれよりも低かった。このデータは、TbRall 活性の存在と38kD陽性度との間には反比例の関係があることを示している。 1:100に希釈した血清50μlを室温で30分間置いた後、PBS/Tweenで洗い、1:10 ,000希釈したビオチン化プロテインA(Zymed,San Francisco,米国カリフォル ニア州)と30分間インキュベートしたものを用いて、抗原TbRa2Aを間接ELISAで試 験した。洗った後、50μlのストレプトアビジン-西洋ワサビペルオキシダーゼ( Zymed)の1:10,000希釈を添加し、混合物を30分間インキュベートした。洗った後 、上述のTMB基質でアッセイを発色させた。TbRa2Aの結核菌患者及び正常なドナ ーから得た血清との反応性を表4に示す。結核菌患者から得た血清とTbRa2Aとの 反応性の平均値は0.444で標準偏差は0.309であった。正常なドナーから得た血清 との反応性の平均値は0.109で標準偏差は0.029であった。また、38kD陰性血清の 試験(図7)でもTbRa2A抗原がこのカテゴリーの血清を検出しうることが示された 。表4 結核菌患者及び正常なドナーから得た血清とTbRa2Aとの反応性 組換え抗原(g)(配列番号60)と、結核菌患者及び正常なドナーから得た血清 との反応性を上述のやり方に従ってELISAで求めた。図8は抗原(g)と、38kD抗 原と全て反応した結核菌陽性血清4検体、及び正常ドナー血清4検体とのタイトレ ーション結果を示す。陽性血清4検体はいずれも抗原(g)と反応した。 組換え抗原TbH-29(配列番号137)と結核菌患者、PPD陽性ドナー及び正常ド ナーから得た血清との反応性を上述の間接ELISA法で求めた。結果は図9に示す 。TbH-29は結核菌陽性血清60検体中30検体、PPD陽性血清8検体中2検体、正常血 清27検体中2検体を検出した。 図10は、抗原TbH-33(配列番号140)と、結核菌患者から得た血清、正常 ドナーから得た血清、及び結核菌患者から得た血清をプールしたものとのELISA 試験(直接及び間接の双方)の結果を示す。結核菌患者から得た血清ではOD 450の 平均値が正常ドナーのものより高く、間接ELISAでのOD 450の平均値は直接ELISA の値より有意に高かった。図11は組換えTbH-33と結核菌患者及び正常ドナーか ら得た血清との反応性のタイトレーション曲線で、これは抗原濃度の増加につれ てOD 450の増加が起こることを示している。 組換え抗原RDIF6,RDIF8及びRDIF10(それぞれ配列番号184-187)と結核菌患者 及び正常ドナーから得た血清との反応性を上述のELISA法で求めた。RDIF6は結核 菌血清32検体中6検体、正常血清15検体中0検体を検出し、RDIF8は結核菌血清32 検体中14検体、正常血清15検体中0検体を検出し、RDIF10は結核菌血清27検体中4 検体、正常血清15検体中1検体を検出した。さらにRDIF10はPPD陽性ドナーから得 た5検体の血清では全検体とも検出しなかった。 実施例7 結核菌融合タンパク質の調製および特性決定 TbRa3,38kD抗原およびTb38-1を含有する融合タンパク質は次のようにして調 製した。 DNA構築物TbRa3、38kDおよびTb38-1のそれぞれを、それらの融合および続 く融合タンパク質TbRa3-38kD-Tb38-1の発現を容易にするためにPCRにより修飾 した。プライマーPDM-64およびPDM-65(配列番号141および142)、PDM-57およびPD M-58(配列番号143および144)、およびPDM-69およびPDM-60(配列番号145および14 6)をそれぞれ使用し、TbRa3、38kDおよびTb38-1DNAを用いてPCRを実施した。 それぞれの場合に、10μlの10X Pfuバッファー、2μlの10mM dNTP、それぞれ 2μlの10μM濃度のPCRプライマー、81.5μlの水、1.5μlのPfuDNAポリ メラーゼ(Stratagene,La Jolla,CA)および、70ng/μl(TbRa3の場合)または 50ng/μl(38kDおよびTb38-1の場合)の濃度の1μlDNAを用いてDNA増 幅を行った。TbRa3に関しては、94℃で2分間変性を行い、続いて96℃で15秒間 および72℃で1分間の40サイクルを行い、最後に72℃で4分間行った。38kDに関 しては、96℃で2分間変性を行い、続いて96℃で30秒間、68℃で15秒間および72 ℃で3分間の40サイクルを行い、最後に72℃で4分間行った。Tb38-1に関しては 、94℃で2分間変性し、続いて96℃で15秒間、68℃で15秒間および72℃で1.5分 間の10サイクル、96℃で15秒間、64℃で15秒間および72℃で1.5の30サイクル、 そして最後に72℃で4分間行った。 TbRa3 PCR断片をNdeIおよびEcoRIで消化し、そしてNdeIおよびEcoRI部位を用 いてpT7 L2 IL 1ベクター中に直接クローン化した。38k DPCR断片はSse8387Iで 消化し、T4DNAポリメラーゼで処理して平滑末端となし、そして次に、StuIお よびEcoRIで消化しておいたpT7 L2Ra3-1ベクタ ー中に直接クローン化するため にEcoRIで消化した。Tb38-IPCR断片はEco47IIIおよびEcoRIで消化し、そして同 じ酵素で消化しておいたpT7 L2Ra3/38kD-17中に直接サブクローン化した。全融 合物を次にNdeIおよびEcoRI部位を用いてpET28bに移入した。この融合構築物を DNAシークエンシングにより確認した。 この発現構築物をBLR pLys S E.coli(Novagen,Madison,WI)中に形質転換し 、カナマイシン(30μg/ml)およびクロラムフェニコール(34μg/ml)を含有 するLBブロス中で一夜増殖させた。この培養物(12ml)を用いて同じ抗生物質を含 有する500mlの2XYTを接種し、そして培養物をOD560 0.44でIPTGを用いて最終濃 度1.2mMとなるまで誘導した。誘導4時間後、細菌を収穫し、そして20mMトリス( 8.0),100mM NaCl,0.1% DOC,20μg/ml Leupeptin,20mM PMSF中で音波処理し 続いて26,000Xgで遠心した。生成したペレットを8M尿素,20mMトリス(8.0),100 mM NaCl中に再懸濁し、そしてPro-bondニッケル樹脂(Invitrogen,Carlsbad,CA )に結合させた。カラムを前記バッファーで数回洗浄し次にイミダゾール勾配(8 M尿素,20mMトリス(8.0),100mM NaCl中に50mM,100mM,500mMイミダゾールを添 加)で溶離した。当該タンパク質を含有する溶出液を10mMトリス(8.0)で透析した 。 得られた融合タンパク質(以下、TbRa3-38kD-Tb38-1と呼ぶ)のDNAおよび アミノ酸配列を配列番号147および148にそれぞれ示す。 ヒンジ配列を有しない2つの抗原TbH-9およびTb38-1を含有する融合タンパク 質(以下TbH-9-Tb38-1と呼ぶ)を前記したと同様の操作で調製した。TbH-9-Tb38 -1融合タンパク質のDNA配列を配列番号151に示す。 TbRa3,抗原38kD,Tb38-1およびDPEPを含有する融合タンパク質を次のようにし て調製した。 DNA構築物TbRa3,38kDおよびTb38-1のそれぞれを実質的に前記したように してPCRにより修飾し、ベクター中にクローン化した。Tb38-1A断片の増幅にはプ ライマーPDM-69(配列番号145)およびPDM-83(配列番号200)を使用した。Tb38-1A は最終的なアミノ酸を完全無欠に保持する一方で読み取り枠中にある平滑制限部 位を創成しているコード領域の3'末端にあるDraI部位がTb38-1とは異なる。TbRa 3/38kD/Tb38-1A融合物を次にNdeIおよびEcoRI部位を用いてpET28b中に移入した 。 プライマーPDM-84およびPDM-85(配列番号それぞれ201および202)および50ng/ μlのDNA1μlを用い、DPEPDNAを用いてPCRを実施した。94℃での変性 2分間、続いて96℃で15秒間、68℃で15秒間そして72℃で1.5分間の10サイクル 、96℃で15秒間、64℃で15秒間そして72℃で1.5分間の30サイクルを行い、最後 に72℃で4分間行った。DPEP PCR断片をEcoRIおよびEco72Iで消化し、DraIおよ びEcoRIで消化したpET28Ra3/38kD/38-1A構築物中に直接クローン化した。融合タ ンパク質はDNA配列決定により正確であると確認された。組換えタンパク質は 前記したようにして調製した。得られた融合タンパク質(以下TbF-2と呼ぶ)の DNAおよびアミノ酸配列を配列番号203および204にそれぞれ示す。実施例8 結核の血清診断への結核菌融合タンパク質の使用 上述の方法で調製した融合タンパク質TbRa3-38kD-Tb38-1の結核感染の血清診 断における有効性をELISAで調べた。 ELISAのプロトコールは上述の実施例6に記載のとおり行い、融合タンパク質 は200ng/ウエルをコートした。ELISAあるいはウエスタンブロット分析で3種の抗 原のそれぞれと単独であるいはそれらを組み合わせたものと反応することが前も って示されている結核患者の一群から血清のパネルを選んだ。そのようなパネル の使用によって、3種のエピトープが全てその融合タンパク質中で機能するかど うかを調べるために融合タンパク質の血清学的反応性を詳細に分析することが可 能となった。図5に示すとおり、TbRa3のみと反応した4検体の血清は全て融合タ ンパク質で検出可能であった。Tb38-1のみと反応した3検体の血清も融合タンパ ク質で検出可能であり、38kDのみと反応した2検体の血清も同様であった。残り の15検体の血清は、陰性の平均値プラス標準偏差の3倍をこのアッセイでのカッ トオフ値としたとき、融合タンパク質で全て陽性であった。このデータは融合タ ンパク質中での3種のエピトープ全てが機能し活性を有することを示している。表5 結核菌患者から得た血清とのトリペプチド融合タンパク質の反応性 結核菌感染患者からの血清とこの融合タンパク質TbF-2との反応性を前記した プロトコルを用いてELISAにより検査した。これらの研究の結果(表6)は、4 つの抗原すべてが融合タンパク質中で独立して機能することを示している。表6 TBおよび正常血清とのTbF-2融合タンパク質の反応性 当業者であれば、エピトープのそれぞれがなお機能的に利用可能であるならば 融合タンパク質内の個々の抗原の順序を変更できること、および同等の活性が予 想されようことが理解されよう。さらに、活性エピトープを含有するこのタンパ ク質の末端切断型も融合タンパク質の構築に使用できる。 上記に記載したように、本発明の具体的な態様が説明の目的で本明細書中に記 載されているが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく種々の改変をなす ことができることが理解されよう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12Q 1/68 A C12Q 1/68 G01N 33/53 D G01N 33/53 33/569 F 33/569 C12N 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,UZ,VN,YU (72)発明者 ディロン,ダヴィン,シー. アメリカ合衆国 98053 ワシントン州, レッドモンド,エヌ.イー.24ティーエイ チ ストリート 21607 (72)発明者 カンポス―ネト,アントニオ アメリカ合衆国 98021 ワシントン州, バインブリッジ アイランド,ミッドシッ プ コート エヌ.イー.9308 (72)発明者 ホウトン,レイモンド アメリカ合衆国 98021 ワシントン州, ボスエル,242エヌディー プレース エ ス.イー.2636 (72)発明者 ヴェドヴィック,トーマス,エス. アメリカ合衆国 98003 ワシントン州, フェデラル ウェイ,サウス 300ティー エイチ プレース 124 (72)発明者 トワードジック,ダニエル,アール. アメリカ合衆国 98110 ワシントン州, バインブリッジ アイランド,サウス ビ ーチ ドライブ 10195 (72)発明者 ロッジス,マイケル,ジェイ. アメリカ合衆国 98126 ワシントン州, シアトル,36ティーエイチ アベニュー エス.ダブリュ.9223

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.可溶性結核菌(M.tuberculosis)抗原の抗原性部分、または保存的置換およ び/または修飾においてのみ異なる該抗原の変異体の抗原性部分を含有するポリ ペプチドであって、該抗原が下記(a)〜(j)からなる群から選択されるN末 端配列を有するポリペプチド。 [式中Xaaはいずれのアミノ酸であっても良い] 2.結核菌抗原の免疫原性部分、または保存的置換および/または修飾において のみ異なる該抗原の変異体の抗原性部分を含有するポリペプチドであって、該抗 原が下記(a)〜(b)からなる群から選択されるN末端配列を有するポリペプ チド。 [式中Xaaはいずれのアミノ酸であっても良い] 3.可溶性結核菌抗原の抗原性部分、または保存的置換および/または修飾にお いてのみ異なる該抗原の変異体の抗原性部分を含有するポリペプチドであって、 該抗原が配列番号1、2、4〜10、13〜25、52、94および96の配列 からなる群から選択されるDNA配列、これらの配列の相補的配列、および中程 度のストリンジェント条件下で配列番号1、2、4〜10、13〜25、52、 94および96の配列またはその相補的配列にハイブリダイズするDNA配列に よってコードされるアミノ酸配列を有するポリペプチド。 4.結核菌抗原の抗原性部分、または保存的置換および/または修飾においての み異なる該抗原の変異体の抗原性部分を含有するポリペプチドであって、該抗原 が配列番号26〜51、133、134、158〜178および196の配列か らなる群から選択されるDNA配列、これらの配列の相補的配列、および中程度 のストリンジェント条件下で配列番号26〜51、133、134、158〜1 78および196の配列またはその相補的配列にハイブリダイズするDNA配列 によってコードされるアミノ酸配列を有するポリペプチド。 5.請求項1から4のいずれかに記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド 配列を含有するDNA分子。 6.請求項5に記載のDNA分子を含有する組換え発現ベクター。 7.請求項6に記載の発現ベクターで形質転換した宿主細胞。 8.大腸菌、酵母および哺乳動物細胞からなる群から選択される請求項7に記載 の宿主細胞。 9.以下の段階を含む、生物学的試料中の結核菌感染を検出する方法。 (a)生物学的試料を請求項1から4のいずれかに記載の1種以上のポリペプチ ドと接触させ、 (b)少なくとも1種のポリペプチドに結合する抗体の存在を試料中で検出し、 それによって生物学的試料における結核菌感染を検出する。 10.以下の段階を含む、生物学的試料中の結核菌感染を検出する方法。 (a)生物学的試料を配列番号129および130に与えられる配列からなる群 から選択されるN末端配列を有するポリペプチドと接触させ、 (b)少なくとも1種のポリペプチドに結合する抗体の存在を試料中で検出し、 それによって生物学的試料における結核菌感染を検出する。 11.以下の段階を含む、生物学的試料中の結核菌感染を検出する方法。 (a)生物学的試料を、配列番号3、11、12、135、136、151〜1 55、184〜188、194〜195および198からなる群から選択される DNA配列、これらの配列の相補的配列、および配列番号3、11、12、13 5、136、151〜155、184〜188、194〜195および198の 配列にハイブリダイズするDNA配列によってコードされる1種以上のポリペプ チドと接触させ、 (b)少なくとも1種のポリペプチドに結合する抗体の存在を試料中で検出し、 それによって生物学的試料における結核菌感染を検出する。 12.段階(a)が、更に生物学的試料を38kDの結核菌抗原と接触させるこ とを含み、段階(b)が、更に38kDの結核菌抗原に結合する抗体の存在を試 料中で検出することを含む、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。 13.ポリペプチドが固相支持体に結合している請求項9〜11のいずれか1項 に記載の方法。 14.固相支持体がニトロセルロース、ラテックスまたはプラスチック材料から 構成される請求項13に記載の方法。 15.生物学的試料が全血、血清、血漿、唾液、脳脊髄液および尿からなる群か ら選択される、請求項9−11のいずれか1項に記載の方法。 16.生物学的試料が全血または血清である、請求項15に記載の方法。 17.以下の段階を含む、生物学的試料中の結核菌感染を検出する方法。 (a)試料をポリメラーゼ連鎖反応において少なくとも2種のオリゴヌクレオチ ドプライマーと接触させ、このオリゴヌクレオチドプライマーの少なくとも1種 は請求項5に記載のDNA分子に特異的であり、 (b)オリゴヌクレオチドプライマーの存在下で増幅するDNA配列を試料中で 検出し、それによって結核菌感染を検出する。 18.少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマーが請求項5に記載のDN A分子の少なくとも約10個の連続ヌクレオチドを含有する、請求項17に記載 の方法。 19.以下の段階を含む、生物学的試料中の結核菌感染の検出方法。 (a)試料をポリメラーゼ連鎖反応において少なくとも2種のオリゴヌクレオチ ドプライマーと接触させ、このオリゴヌクレオチドプライマーの少なくとも1種 は配列番号3、11、12、135、136、151〜155、184〜188 、194〜195および198からなる群から選択されるDNA配列に特異的で あり、 (b)第一および第二のオリゴヌクレオチドプライマーの存在下で増幅するDN A配列を試料中で検出し、それによって結核菌感染を検出する。 20.少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマーが配列番号3、11、1 2、135、136、151〜155、184〜188、194〜195および 198からなる群から選択されるDNA配列の少なくとも約10個の連続ヌクレ オチドを含有する、請求項19に記載の方法。 21.生物学的試料が全血、痰、血清、血漿、唾液、脳脊髄液および尿からなる 群から選択される、請求項17または19に記載の方法。 22.以下の段階を含む、生物学的試料中の結核菌感染の検出方法。 (a)試料を、請求項5に記載のDNA分子に特異的な1種以上のオリゴヌクレ オチドプローブと接触させ、 (b)オリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイズするDNA配列を試料中で 検出し、それによって結核菌感染を検出する。 23.プローブが請求項5に記載のDNA分子の少なくとも約15個の連続ヌク レオチドを含有する、請求項22に記載の方法。 24.以下の段階を含む、生物学的試料中の結核菌感染の検出方法。 (a)試料を、配列番号3、11、12、135、136、151〜155、1 84〜188、194〜195および198からなる群から選択されるDNA配 列に特異的な1種以上のオリゴヌクレオチドプローブと接触させ、 (b)オリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイズするDNA配列を試料中で 検出し、それによって結核菌感染を検出する。 25.オリゴヌクレオチドプローブが、配列番号3、11、12、135、13 6、151−155、184−188、194−195および198からなる群 から選択されるDNA配列の少なくとも約15個の連続ヌクレオチドを含有する 、請求項24に記載の方法。 26.生物学的試料が全血、痰、血清、血漿、唾液、脳脊髄液および尿からなる 群から選択される、請求項22または24に記載の方法。 27.以下の段階を含む、生物学的試料中における結核菌感染の検出方法。 (a)生物学的試料を、請求項1から4のいずれか1項に記載のポリペプチドに 結合し得る結合剤と接触させ、 (b)結合剤に結合するタンパク質またはポリペプチドを試料中で検出し、それ によって生物学的試料中の結核菌感染を検出する。 28.以下の段階を含む、生物学的試料中の結核菌感染の検出方法。 (a)生物学的試料を、配列番号129および130に与えられる配列からなる 群から選択されるN末端配列を有するポリペプチドに結合し得る結合剤と接触さ せ、 (b)結合剤に結合するタンパク質またはポリペプチドを試料中で検出し、それ によって生物学的試料中の結核菌感染を検出する。 29.以下の段階を含む、生物学的試料中の結核菌感染の検出方法。 (a)生物学的試料を、配列番号3、11、12、135、136、151〜1 55、184〜188、194〜195および198からなる群から選択される DNA配列、該配列の相補的配列、配列番号3、11、12、135、136、 151〜155、184〜188、194〜195および198の配列にハイブ リダイズするDNA配列によってコードされるポリペプチドに結合し得る結合剤 と接触させ、 (b)結合剤に結合するタンパク質またはポリペプチドを試料中で検出し、それ によって生物学的試料中の結核菌感染を検出する。 30.結合剤がモノクローナル抗体である、請求項27から29のいずれか1項 に記載の方法。 31.結合剤がポリクローナル抗体である、請求項27から29のいずれか1項 に記載の方法。 32.(a)請求項1から4のいずれか1項に記載の1種以上のポリペプチド、 および (b)検出試薬 を含有する診断キット。 33.(a)配列番号129および130に与えられる配列からなる群から選択 されるN末端配列を有する1種以上のポリペプチド、および (b)検出試薬 を含有する診断キット。 34.配列番号3、11、12、135、136、151〜155、184〜1 88、194〜195および198からなる群から選択されるDNA配列、該配 列の相補的配列、配列番号3、11、12、135、136、151〜155、 184〜188、194〜195および198の配列にハイブリダイズするDN A配列によってコードされる1種以上のポリペプチド、および (b)検出試薬 を含有する診断キット。 35.ポリペプチドが固相支持体上に固定されている、請求項32から34のい ずれか1項に記載のキット。 36.固相支持体がニトロセルロース、ラテックスまたはプラスチック材料から 構成される、請求項35に記載のキット。 37.検出試薬が検出剤に結合したリポーター基を含有する、請求項32から3 4のいずれか1項に記載のキット。 38.結合剤が、抗免疫グロブリン、プロテインG、プロテインAおよびレクチ ンからなる群から選択される、請求項37に記載のキット。 39.リポーター基が、放射性同位体、蛍光性基、発光性基、酵素、ビオチンお よび染料粒子からなる群から選択される、請求項37に記載のキット。 40.少なくとも2種のオリゴヌクレオチドプライマーを含有する診断キットで あって、少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマーが請求項5に記載のD NA分子に特異的である、診断キット。 41.少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマーが請求項5に記載のDN A分子の少なくとも約10個の連続ヌクレオチドを含有する、請求項40に記載 の診断キット。 42.少なくとも2種のオリゴヌクレオチドプライマーを含有する診断キットで あって、該プライマーの少なくとも1種が配列番号3、11、12、135、1 36、151−155、184−188、194−195および198からなる 群から選択されるDNA配列に特異的である診断キット。 43.少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプライマーが、配列番号3、11、 12、135、136、151−155、184−188、194−195およ び198からなる群から選択されるDNA配列の少なくとも約10個の連続ヌク レオチドを含有する、請求項42に記載の診断キット。 44.請求項5に記載のDNA分子に特異的な少なくとも1種のオリゴヌクレオ チドプローブを含有する診断キット。 45.オリゴヌクレオチドプローブが請求項5に記載のDNA分子の少なくとも 約15個の連続ヌクレオチドを含有する、請求項44に記載のキット。 46.配列番号3、11、12、135、136、151−155、184−1 88、194−195および198からなる群から選択されるDNA配列に特異 的である少なくとも1種のオリゴヌクレオチドプローブを含有する診断キット。 47.オリゴヌクレオチドプローブが、配列番号3、11、12、135、13 6、151−155、184−188、194−195および198からなる群 から選択されるDNA配列の少なくとも約15個の連続ヌクレオチドを含有する 、請求項46に記載のキット。 48.請求項1から4のいずれか1項に記載のポリペプチドに結合するモノクロ ーナル抗体。 49.請求項1から4のいずれか1項に記載のポリペプチドに結合するポリクロ ーナル抗体。 50.請求項1から4のいずれか1項に記載の2種以上のポリペプチドを含有す る融合タンパク質。 51.請求項1から4のいずれか1項に記載の1種以上のポリペプチドおよびES AT−6(配列番号99)を含有する融合タンパク質。 52.配列番号129および130に与えられる配列の群から選択されるN末端 配列を有するポリペプチドを含有する融合タンパク質。 53.請求項1から4のいずれか1項に記載の1種以上のポリペプチドおよび結 核菌抗原38kD(配列番号150)を含有する融合タンパク質。 54.(a)請求項50から53のいずれか1項に記載の1種以上の融合タンパ ク質、および (b)検出試薬 を含有する診断キット。
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