JP2001354945A - 近赤外光吸収性組成物及び光学材料 - Google Patents

近赤外光吸収性組成物及び光学材料

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JP2001354945A JP2001010552A JP2001010552A JP2001354945A JP 2001354945 A JP2001354945 A JP 2001354945A JP 2001010552 A JP2001010552 A JP 2001010552A JP 2001010552 A JP2001010552 A JP 2001010552A JP 2001354945 A JP2001354945 A JP 2001354945A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 優れた近赤外光吸収特性を有しつつ、従来に
比して可視光透過特性を向上できる近赤外光吸収性組成
物及び光学材料を提供することを目的とする。 【解決手段】 一般式1、例えば式7−bのリン酸エス
テルと銅イオンを含む近赤外光吸収組成物。Rはアリー
ル基を示し、一般式2、3、2−aを含む。R〜R
はハロゲン、C1〜40の置換基を、Rは水素、メチ
ル基を、Rは水素、ハロゲン、アルコキシ基、フェニ
ル基、C1〜40のアルキル基を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、近赤外光吸収性組
成物に関し、特に、銅イオンに特有な特定波長の光(特
定波長光)に対する吸収特性を有する近赤外光吸収性組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、銅イオンが発現する特定波長光の
吸収特性を利用した近赤外光吸収性の光学材料として
は、例えば、本出願人による特開平6−118228号
公報に記載の光学フィルターを構成する材料等が挙げら
れる。この光学材料は、リン酸エステル化合物と銅イオ
ンとを含有しており、近赤外光吸収特性を有するもので
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の近赤
外光吸収特性を有する光学フィルターは、優れた可視光
透過特性をも有するものである。近年、このような光学
フィルターに対し、優れた近赤外光吸収特性を維持しつ
つ、更なる可視光透過特性の改善が望まれている。具体
的には、可視光の透過波長領域(範囲)の更なる拡大、
及び/又は、可視光透過率の更なる向上等が要求されて
いる。そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたものであり、優れた近赤外光吸収特性を有しつつ、
従来に比して可視光透過特性を向上できる近赤外光吸収
性組成物及び光学材料を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、銅イオンと共
に用いるリン酸エステル化合物として、特定の分子構造
を有するものを用いて得られる近赤外光吸収性組成物
が、可視光透過特性に極めて優れるものであることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明による光学材料は、式
(1)で表されるリン酸エステル化合物と銅イオンとを
含有して成ることを特徴とする。このような近赤外光吸
収性組成物について分光吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、従来に比して; 1)近赤外波長領域における最大吸収率を示す波長(以
下、「λmax」という)が長波長側に移動すること、 2)このλmaxにおける吸光度に対する可視光透過波長
領域の長波長部(例えば波長650nm)における吸光
度が低下すること、 が確認された。
【0006】また、銅イオン1モルに対するリン酸エス
テル化合物中の水酸基又はその水酸基由来の酸素原子の
含有割合が好ましくは2モル以上、より好ましくは3モ
ル以上、更に好ましくは6モル以上であると好適であ
る。このような近赤外光吸収性組成物では、同様の成分
組成を有する従来のものに比して、λmaxの長波長側へ
の移動がより顕著となり、且つ、近赤外光吸収性に対す
る可視光透過性がより高められる。
【0007】より好ましくは、リン酸エステル化合物
は、式(1)におけるRが式(2)又は式(3)で表さ
れる基のものである。ここで、式(2)及び式(3)に
おけるR1、R2及びR3は、ハロゲン原子、又は、炭素
数が1〜40の基(置換基)を示し、この置換基は不飽
和結合を有しても有さなくてもよく、kが1〜5の整数
であり、mが1〜3の整数であり、pが1〜4の整数で
あると好適である。なお、R1、R2及びR3は、互い
に、又は、k、m若しくはpが2以上のときにそれぞれ
同一でも異なっていてもよい。
【0008】さらに、R1、R2及びR3が、ハロゲン原
子、炭素数が1〜10の置換又は未置換のアルキル基、
炭素数が2〜20であり且つ不飽和結合を少なくとも一
つ有する基、又は、フェニル基(但し、少なくとも一つ
の水素原子が、ハロゲン原子、炭素数が1〜10のアル
キル基、若しくは、炭素数が2〜20であり且つ不飽和
結合を少なくとも一つ有する基で置換されていてもよ
く、未置換でもよい)であると一層好ましい。より具体
的には、式(1)におけるRが、式(2)−aで表され
るものであると好適である。
【0009】また、本発明による光学材料は、本発明の
近赤外光吸収性組成物が樹脂に含有されて成るもの、つ
まり、上記のリン酸エステル化合物及び銅イオンが樹脂
中に含有されて成るものである。こうすれば、樹脂に応
じた特性及び性質が近赤外光吸収性組成物に付与され
る。これにより、樹脂を適宜選択することによって、各
種用途に好適な光学材料を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の近赤外光吸収性組
成物及び光学材料の好適な実施形態について説明する。 〈銅イオン〉本発明の近赤外光吸収性組成物は銅イオン
と式(1)で表されるリン酸エステル化合物とを含有す
るものである。銅イオンを供給するための銅塩の具体例
としては、酢酸銅、酢酸銅一水和物、蟻酸銅、ステアリ
ン酸銅、安息香酸銅、エチルアセト酢酸銅、ピロリン酸
銅、ナフテン酸銅、クエン酸銅等の有機酸の銅塩無水
物、水和物若しくは水化物、或いは、塩化銅、硫酸銅、
硝酸銅、塩基性炭酸銅等の無機酸の銅塩の無水物、水和
物若しくは水化物、又は、水酸化銅が挙げられる。これ
らのなかでは、酢酸銅、酢酸銅一水和物、安息香酸銅、
水酸化銅、塩基性炭酸銅が好ましく用いられる。
【0011】また、本発明の近赤外光吸収性組成物に
は、銅イオン以外の金属イオン(以下、「他の金属イオ
ン」という)が含有されていてもよいこのような他の金
属イオンとしては、特に限定されず、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、又は、遷移金属等のイオンが挙げら
れ、より具体的には、ナトリウム、カリウム、カルシウ
ム、鉄、マンガン、マグネシウム、ニッケル等のイオン
を列挙できる。
【0012】近赤外光吸収性組成物にこのような他の金
属イオンが含まれる場合、銅イオンと他の金属イオンと
の好適な含有割合は、例えば、好ましくは銅イオンが全
金属イオンの50質量%以上、より好ましくは70質量
%以上である。こうすることにより、本発明の近赤外光
吸収性組成物は、銅イオンに特有な光学特性、すなわち
近赤外光吸収特性を十分に発現できる。 〈リン酸エステル化合物〉本発明の近赤外光吸収性組成
物を構成するリン酸エステル化合物は、下記式(1)で
表されるものであり、式中のRは、置換又は未置換のア
リール基、具体的には置換若しくは未置換のフェニル
基、同ナフチル基、同アントリル基を示し、nは1又は
2であり、nが1のときにRは同一であっても異なって
いてもよい。
【0013】
【化4】
【0014】また、式(1)で表されるリン酸エステル
化合物(以下、「特定のリン酸エステル化合物」とい
う)のうち、より好ましいものとしては、式(1)にお
けるRが下記式(2)又は式(3)で表されるものが挙
げられる。
【0015】
【化5】
【0016】ここで、式中のR1、R2及びR3は、ハロ
ゲン原子、又は、炭素数が1〜40の置換基を示し、こ
の置換基は不飽和結合を有しても有さなくてもよく、k
は1〜5の整数を示し、mは1〜3の整数を示し、pは
1〜4の整数を示し、R1、R2及びR3は互いに、又
は、k、m若しくはpが2以上のときにそれぞれ同一で
も異なっていてもよい。
【0017】また、R1、R2及びR3が、ハロゲン原
子、炭素数が1〜10の置換又は未置換のアルキル基、
炭素数が2〜20であり且つ不飽和結合を少なくとも一
つ有する基、又は、置換若しくは未置換のフェニル基で
あると好適である。特に、置換フェニル基としては、少
なくとも一つの水素原子が、ハロゲン原子、炭素数が1
〜10のアルキル基、又は、炭素数が2〜20であり且
つ不飽和結合を少なくとも一つ有する基(例えば、(メ
タ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシアル
キル基等)で置換されていると一層好ましい。これらの
うち、(メタ)アクリロイルオキシアルキル基を有する
基Rの具体例としては、下記式(2)−a;
【0018】
【化6】
【0019】で表されるものが挙げられる。ここで、式
(2)−a中、R4は、水素原子叉はメチル基を示し、
5は、水素原子、炭素数が1〜10のアルキル基、ハ
ロゲン原子、アルコキシ基、叉はフェニル基を示し、R
6は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、叉は環状のアル
キレン基を示し、qは0〜4の整数を示し、rは1〜5
の整数を示し、q+rは1〜5の整数を示す。
【0020】これらのリン酸エステル化合物は、例え
ば、以下の第1の方法、第2の方法、第3の方法等のい
ずれかによって製造される。 〔第1の方法〕:この第1の方法は、無溶媒又は適宜の
有機溶剤中で、下記式(4)で表される化合物と五酸化
リンとを反応させる方法である。なお、式(4)におけ
るRは、上記式(1)におけるRと同じ基を示す。
【0021】
【化7】
【0022】式(4)で表される化合物は、フェノール
性水酸基を有する置換又は未置換の芳香族化合物であ
り、ここでは、以下、「特定のアリールアルコール」と
いう。これらのなかでは、Rがフェニル基であるフェノ
ール、又は、下記式(5)又は式(6);
【0023】
【化8】
【0024】で表されるものを用いると好ましい。な
お、式中のR1、R2及びR3は、上記式(2)及び式
(3)におけるR1、R2及びR3とそれぞれ同じ基を示
す。式(5)又は式(6)で表されるリン酸エステル化
合物を用いると、式(2)又は式(3)で表される好ま
しいリン酸エステル化合物を得ることができる。
【0025】ここで、式(5)で表されるアリールアル
コールのうち、R1がハロゲン原子であるものの好適な
具体例としては、2−フルオロフェノール、4−フルオ
ロフェノール、3−クロロフェノール、4−クロロフェ
ノール等が挙げられる。また、R1が不飽和結合を少な
くとも一つ含む基であるものの好適な具体例としては、
2−(メタ)アクリロイルフェノール、3−(メタ)ア
クリロイルフェノール、4−(メタ)アクリロイルフェ
ノール、2−アリルフェノール、3−アリルフェノー
ル、4−アリルフェノール等が挙げられる。或いは、下
記式(5)−a;
【0026】
【化9】
【0027】で表される置換フェノール、例えば、4−
(メタ)アクリロイルオキシエチルフェノール等が好適
である。
【0028】さらに、R1が置換又は未置換のフェニル
基であるものの好適な具体例としては、2−フェニルフ
ェノール、3−フェニルフェノール、4−フェニルフェ
ノール等が挙げられる。またさらに、式(6)で表され
るものの具体例としては、α−ナフトール又はβ−ナフ
トール等が挙げられる。
【0029】なお、上記( )で囲まれた「メタ」の意
味は、アクリル酸若しくはその誘導体、及び、メタクリ
ル酸若しくはその誘導体の両方を記載する必要があると
きに、記載を簡潔にするため便宜上使用されている記載
方法であり、本明細書においても採用したものである
(以下同様)。
【0030】特定のアリールアルコールと五酸化リンと
の反応に用いられる有機溶剤としては、五酸化リンと反
応しない有機溶剤であって、例えば、ヘキサン、シクロ
ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、
キシレン、石油スピリット等の炭化水素系溶剤、クロロ
ホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン
等のハロゲン化炭化水素系溶剤、ジエチルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒド
ロフラン等のエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチル
ケトン、ジブチルケトン等のケトン系溶剤等が挙げら
れ、これらの中では、トルエン、キシレンが好ましい。
【0031】この第1の方法において、特定のアリール
アルコールと五酸化リンとの反応条件は、反応温度が0
〜100℃、好ましくは40〜80℃であり、反応時間
が1〜96時間、好ましくは4〜72時間である。ま
た、例えば、特定のアリールアルコール及び五酸化リン
をモル比で3:1となる割合で用いることにより、式
(1)に示す水酸基の数が2(式(1)に示すnが2)
であるリン酸モノエステル化合物(以下、「モノエステ
ル」という)と、式(1)に示す水酸基の数が1(式
(1)に示すnが1)であるリン酸ジエステル化合物
(以下、「ジエステル」という)との割合が略1:1の
混合物が得られる。
【0032】さらに、特定のアリールアルコールと五酸
化リンとの割合及び反応条件を適宜選択することによ
り、モノエステルとジエステルとの割合は、モル比で9
9:1〜40:60となる範囲内で調整される。
【0033】〔第2の方法〕:この第2の方法は、無溶
媒又は適宜の有機溶剤中で、特定のアリールアルコール
とオキシハロゲン化リンとを反応させ、得られる生成物
に水を添加して加水分解する方法である。オキシハロゲ
ン化リンとしては、オキシ塩化リン、オキシ臭化リンを
用いることが好ましく、特に好ましくはオキシ塩化リン
である。
【0034】また、特定のアリールアルコールとオキシ
ハロゲン化リンとの反応に用いられる有機溶剤として
は、オキシハロゲン化リンと反応しない有機溶剤であっ
て、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、石油スピリッ
ト等の炭化水素系溶剤、クロロホルム、四塩化炭素、ジ
クロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素
系溶剤、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、
ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤が挙げられ、これ
らの中では、トルエン、キシレンが好ましい。
【0035】そして、特定のアリールアルコールとオキ
シハロゲン化リンとの反応条件は、反応温度が0〜11
0℃、好ましくは40〜80℃であり、反応時間が1〜
20時間、好ましくは2〜8時間である。また、この第
2の方法においては、例えば、特定のアリールアルコー
ル及びオキシハロゲン化リンをモル比で1:1となる割
合で用いることにより、モノエステルを得ることができ
る。さらに、特定のアリールアルコールとオキシハロゲ
ン化リンとの割合及び反応条件を選択することにより、
モノエステルとジエステルとの混合物が得られ、このと
き、その割合はモル比で99:1〜1:99となる範囲
で調整される。
【0036】〔第3の方法〕:この第3の方法は、無溶
媒又は適宜の有機溶剤中で、特定のアリールアルコール
と三ハロゲン化リンとを反応させることにより、ホスホ
ン酸エステル化合物を合成し、その後、得られたホスホ
ン酸エステル化合物を酸化する方法である。三ハロゲン
化リンとしては、三塩化リン、三臭化リンを用いること
が好ましく、特に好ましくは三塩化リンである。
【0037】また、特定のアリールアルコールと三ハロ
ゲン化リンとの反応に用いられる有機溶剤としては、三
ハロゲン化リンと反応しない有機溶剤であって、例え
ば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、
ベンゼン、トルエン、キシレン、石油スピリット等の炭
化水素系溶剤、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエ
タン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶剤、
ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチル
エーテル等のエーテル系溶剤が挙げられ、これらの中で
は、ヘキサン、ヘプタンが好ましい。そして、特定のア
リールアルコールと三ハロゲン化リンとの反応条件は、
反応温度が0〜90℃、好ましくは40〜75℃であ
り、反応時間が1〜10時間、好ましくは2〜5時間で
ある。
【0038】さらに、上記ホスホン酸エステル化合物を
酸化する手段としては、ホスホン酸エステル化合物に、
例えば、塩素ガス等のハロゲンを反応させることにより
ホスホロハロリデート化合物を合成し、このホスホロハ
ロリデート化合物を加水分解する手段を利用することが
できる。ここで、ホスホン酸エステル化合物とハロゲン
との反応温度は0〜40℃が好ましく、特に好ましくは
5〜25℃である。また、ホスホン酸エステル化合物を
酸化する前に、このホスホン酸エステル化合物を蒸留し
て精製してもよい。
【0039】この第3の方法においては、例えば、特定
のアリールアルコール及び三ハロゲン化リンをモル比で
3:1となる割合で用いることにより、ジエステルが高
い純度で得られる。また、特定のアリールアルコールと
三ハロゲン化リンとの割合及び反応条件を選択すること
により、モノエステルとジエステルとの混合物が得ら
れ、このとき、その割合はモル比で99:1〜1:99
となる範囲で調整される。
【0040】以上の第1〜第3の方法で得られるリン酸
エステル化合物の好ましい具体例としては、下記の式
(7)−a、式(7)−b、式(8)−a〜h、式
(9)−a〜l、式(10)−a〜fで表される化合物
が挙げられる。これらリン酸エステル化合物は、単独で
又は二種以上組み合わせて、或いは、従来の近赤外光吸
収性組成物に用いられ得る芳香環を有しないリン酸エス
テル化合物と混合して使用できる。
【0041】
【化10】
【0042】
【化11】
【0043】
【化12】
【0044】
【化13】
【0045】
【化14】
【0046】なお、上述したように、特定のリン酸エス
テル化合物としては、モノエステルかジエステルが用い
られるが、式(1)において水酸基が結合していないト
リエステルは、銅イオン等の金属イオンと配位結合及び
/又はイオン結合が可能な水酸基を有しないため、樹脂
組成物とする場合等に銅イオン等の金属イオンを樹脂中
に分散させることが困難である。
【0047】ここで、式(2)と式(3)における
1、R2及びR3は、上述の如く、ハロゲン原子、又
は、炭素数が1〜40の置換基(但し、不飽和結合を有
しても有さなくてもよい)であると好ましい。この置換
基の炭素数が40を超えると、リン酸エステル化合物を
後述する樹脂中に含有させた場合に、樹脂との相溶性が
顕著に低下することがあり、これにより、樹脂中に銅イ
オン等の金属イオンを分散させ難くなる傾向にある。
【0048】また、式(2)と式(3)におけるR1
2及びR3が置換又は未置換のアルキル基のとき、その
炭素数は、好ましくは1〜10である。この炭素数が1
0を超えるリン酸エステル化合物を後述する樹脂中に含
有させた場合には、樹脂との相溶性が低下することがあ
り、これにより、樹脂中に銅イオン等の金属イオンを分
散させ難くなる傾向にある。
【0049】さらに、R1、R2及びR3が不飽和結合を
少なくとも一つ有する基のとき、その炭素数は、好まし
くは2〜20である。このときの炭素数が20を超えた
場合にも、リン酸エステル化合物と樹脂との相溶性が低
下することがあり、これにより、樹脂中に銅イオン等の
金属イオンを分散させ難くなる傾向にある。またさら
に、R1、R2及びR3が置換フェニル基の場合に、その
置換基がアルキル基又は不飽和二重結合を少なくとも一
つ有する基であるときにも略同様のことが言える。
【0050】またさらに、本発明による近赤外光吸収性
組成物では、銅イオン1モルに対するリン酸エステル化
合物中の水酸基(式(1)に示す水酸基)又はその水酸
基由来の酸素原子の含有割合が、好ましくは2モル以
上、より好ましくは3モル以上、更に好ましくは6モル
以上である。さらにまた、リン酸エステル化合物が、式
(2)に示すR1がハロゲン原子のものであるときに
は、この割合が、より好ましくは2〜9、特に好ましく
は2〜6であると好適である。
【0051】このような本発明の近赤外光吸収性組成物
によれば、式(1)で表されるリン酸エステル化合物の
リン酸基が配位結合及び/又はイオン結合により銅イオ
ンに結合し、この銅イオンはリン酸エステルに囲まれた
状態で近赤外光吸収性組成物中に溶解又は分散される。
これにより、銅イオンのd軌道間の電子遷移によって近
赤外光が選択的に吸収され、優れた近赤外光吸収特性が
発現される。
【0052】また、式(1)で表されるリン酸エステル
化合物を用いることにより、従来に比して、近赤外波長
領域における最大吸収率を示す波長(λmax)を長波長
側へシフトさせることが可能となる。これにより、吸収
光波長範囲が全体的に長波長側へ移動し、これに伴って
可視光透過波長領域が長波長側へ拡大される。つまり、
言うなれば「可視窓」が広くなる。したがって、従来に
比して、より広い波長範囲における可視光透過特性が得
られる。さらに、式(1)で表される特定のリン酸エス
テル化合物を用いることにより、λmaxにおける吸光度
に対する可視光透過波長領域の長波長部、例えば波長6
50nm近傍における吸光度を低下させることができ
る。したがって、近赤外光吸収性に対するその長波長部
における可視光透過性を一段と高めることが可能とな
る。
【0053】ところで、このような効果が奏される作用
機構は未だ詳しく解明されていないものの、例えば、以
下のように推定される。すなわち、式(1)で表される
リン酸エステル化合物は、従来の芳香環を有しないリン
酸エステル化合物に比して、分子の嵩高さが増大してい
る。これにより、分子内又は分子間の立体障害が大きく
なり、銅イオンとの結合距離が長くなると考えられる。
その結果、他の原子又はイオンが銅イオンの価電子状態
に与える影響(相互作用)が軽減され、銅イオンの電子
エネルギー準位におけるレベル構造が従来と異なり、吸
光及び透過特性が改善されることが一因と考えられる。
ただし、作用機構はこれに限定されるものではない。
【0054】また、リン酸エステル化合物として、式
(1)におけるRが式(2)で表されるものを用いる
と、可視光透過波長領域における短波長部、例えば波長
450nm近傍における吸光度を低下させることが可能
となる。一方、リン酸エステル化合物として、式(1)
におけるRが式(3)で表されるものを用いると、可視
光透過波長領域における長波長部における吸光度を低下
させることが可能となる。これらのことにより、近赤外
光吸収性組成物の可視光透過特性を更に向上できる。
【0055】さらに、本発明による近赤外光吸収性組成
物では、銅イオン1モルに対するリン酸エステル化合物
中の水酸基又はその水酸基由来の酸素原子の割合を2モ
ル以上、好ましくは3モル以上、より好ましくは6モル
以上とすると、上述したλmaxの長波長側へのシフトが
顕著となる。したがって、可視光透過特性を更に一層向
上できる。特に、リン酸エステル化合物が、式(2)に
示すR1がハロゲン原子のものであるときには、この割
合をより好ましくは2〜9、特に好ましくは2〜6とす
ることにより、可視光透過波長領域における短波長部に
おける吸光度を一層低下させることができる。
【0056】一方、リン酸エステル化合物として式
(1)におけるRが式(3)で表されるもの、好ましく
は置換又は未置換のナフチル基のものを用いると、可視
光透過波長領域における長波長部における吸光度を一層
顕著に低下させることができる。
【0057】またさらに、式(2)又は式(3)におけ
るR1、R2及びR3が、不飽和結合を少なくとも一つ含
む基であるRを有するリン酸エステル化合物を用いる
と、近赤外光吸収性組成物をこのリン酸エステル化合物
と共重合可能な樹脂に含有させて重合できる。このと
き、リン酸エステル化合物は、言わば化学的に樹脂中に
分散せしめられた状態となり得る。よって、リン酸エス
テル化合物が樹脂中に良好に溶解又は分散しない場合の
分散性、ひいては銅イオンの分散性を改善できる。 〈光学材料〉本発明による光学材料は、本発明の近赤外
光吸収性組成物を含むものであり、例えば、以下に示す
形態を有するものが挙げられる。 [第1実施形態]:近赤外光吸収性組成物そのもの [第2実施形態]:近赤外光吸収性組成物を含有する液
状組成物 [第3実施形態]:近赤外光吸収性組成物を含有する樹
脂組成物 [第4実施形態]:近赤外光吸収性組成物を含有する粘
着性組成物 このような光学材料は、組成物という観点からみれば、
近赤外光吸収性組成物と捉えることもできる。以下、こ
れらの各形態について説明する。 〈第1実施形態:近赤外光吸収性組成物そのもの〉近赤
外光吸収性組成物は、特定のリン酸エステル化合物と銅
イオン源となる上述の銅塩とを、適宜の条件下で接触さ
せて反応させることにより製造される。具体的には、以
下の第4の方法、第5の方法等を用いることができる。
なお、他の金属イオン源となる金属塩を混合して用いて
もよい。以下、銅塩を含む金属塩を単に「金属塩」とい
う。 〔第4の方法〕:特定のリン酸エステル化合物と金属塩
とを混合して両者を反応させる方法。 〔第5の方法〕:適宜の有機溶剤中において特定のリン
酸エステル化合物と金属塩とを反応させる方法。
【0058】第5の方法において用いられる有機溶剤と
しては、用いられる特定のリン酸エステル化合物を溶解
又は分散し得るものであれば、特に限定されず、例え
ば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチル
セロソルブ等のグリコールエーテル類、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエ
ーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、酢酸エチル等のエステル類、ヘキサン、ケロシン、
石油エーテル等が挙げられる。また、(メタ)アクリレ
ート等の(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、α
−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物等の重合性を
有する有機溶剤も用いられる。 〈第2実施形態:液状組成物〉この液状組成物は、特定
のリン酸エステル化合物と金属塩との反応により得られ
る近赤外光吸収性組成物が、溶剤中に含有されて成るも
のである。液状組成物としては、溶剤を蒸発させて生成
される薄膜や薄層が、銅イオン等による吸収波長以外の
波長光に対して透明なものであると好ましく、液状組成
物自体は、透明なもの、半透明なもの、又は、不透明な
ものであってもよい。
【0059】溶剤としては、水又は有機溶媒を用いるこ
とができ、有機溶媒としては、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコ
ール等のアルコール類、メチルセルソルブ、エチルセル
ソルブ等のグリコールエーテル類、ジエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピ
ル、酢酸ブチル、酢酸ブチルセルソルブ等のエステル
類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、
ヘキサン、ケロシン、石油エーテル等が用いられる。ま
た、他の溶剤として、例えば、(メタ)アクリレート等
の(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン、α−メチ
ルスチレン等の芳香族ビニル化合物等の有機溶媒を用い
ることもできる。
【0060】この液状組成物は、溶剤として有機溶媒を
用いる場合、前述した〔第5の方法〕又は〔第6の方
法〕によって好ましく製造される。また、予め製造した
近赤外光吸収性組成物を溶剤中に溶解又は分散させるこ
とによっても調製可能である。この液状組成物に含まれ
る近赤外光吸収性組成物の含有割合は、使用される溶剤
の種類や、光学材料の用途や使用目的によって異なる
が、調合後の粘度の観点から、通常、溶剤100重量部
に対して、0.1〜1900重量部、好ましくは1〜9
00重量部、特に好ましくは5〜400重量部となる範
囲で調整される。 〈第3実施形態:樹脂組成物〉この樹脂組成物は、近赤
外光吸収性組成物が樹脂中に含有されて成るものであ
る。樹脂としては、特定のリン酸エステル化合物及び/
又はリン酸エステル金属化合物との相溶性又は分散性に
優れる樹脂であれば特に限定されるものではなく、例え
ば、以下に示すアクリル系樹脂等の樹脂を好ましく用い
ることができる。
【0061】アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体又はそれから得られる重合体が好
ましく用いられる。(メタ)アクリル酸エステル系単量
体のうち単官能基のものの具体例としては、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−
プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)ア
クリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシ
ャリーブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メ
タ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート
等のアルキル(メタ)アクリレート類、グリシジル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロシキエチル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロシキプロピル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソボル
ニル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレン(メ
タ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート等
の変性(メタ)アクリレート類、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリレー
ト、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロキシエトキシ
フェニル〕プロパン、2−ヒドロキシ−1−(メタ)ア
クリロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパン、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリトリットトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリト
リットテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)
アクリレート類等が挙げられる。
【0062】また、別の樹脂としては、上記の(メタ)
アクリル酸エステル系単量体と、この(メタ)アクリル
酸エステル系単量体との共重合が可能な他の共重合性単
量体も用いられる。このような共重合性単量体の具体例
としては、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロ
イルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイル
オキシエチルフタル酸等の不飽和カルボン酸、N,N−
ジメチルアクリルアミド等のアクリルアミド類、スチレ
ン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、ジブロムス
チレン、メトキシスチレン、ビニル安息香酸、ヒドロキ
シメチルスチレン等の芳香族ビニル化合物等が挙げられ
る。
【0063】さらに、特定のリン酸エステル化合物との
相溶性が高い他の樹脂重合体としては、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネイト等、更には、ス
チレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、ジブロ
ムスチレン、メトキシスチレン、ビニル安息香酸、ヒド
ロキシメチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビ
ニル化合物の重合体が挙げられる。
【0064】ここで、樹脂を構成する単量体として単官
能性のもののみを用いる場合には、重合した成形体とし
て熱可塑性のものが得られ、単量体の一部又は全部とし
て多官能性のものを用いる場合には、熱硬化性の成形体
が得られる。よって、これら樹脂を適宜選択することに
より、使用目的、用途及び加工成形方法等に応じた光学
材料の成形体を得ることが可能となる。これらのうち、
熱可塑性のものを用いれば、重合後の再成形が容易とな
るので、成形加工性が向上される。
【0065】この樹脂組成物を調製するための具体的な
方法は、特に限定されるものではないが、以下に示す第
7の方法、第8の方法等によると好適である。
【0066】〔第7の方法〕:この第7の方法は、単量
体中に、特定のリン酸エステル化合物及び金属塩、又
は、両者の反応によって得られた近赤外光吸収性組成物
を含有させて単量体組成物を調製する方法である。この
単量体組成物は、重合せずにそのまま光学材料として用
いることができる。或いは、この単量体組成物を更にラ
ジカル重合処理して重合体組成物としてもよい。
【0067】ここで、先に述べたように、特定のリン酸
エステル化合物として式(2)又は式(3)におけるR
1、R2及びR3が、不飽和結合を少なくとも一つ含む基
であるRを有するリン酸エステル化合物を用いると、こ
のリン酸エステル化合物と単量体との共重合により、リ
ン酸エステル化合物及び銅イオン等の金属イオンを樹脂
中に十分に分散させることが可能である。
【0068】単量体組成物のラジカル重合処理の具体的
な方法としては、特に限定されるものではなく、通常の
ラジカル重合開始剤を用いるラジカル重合法、例えば、
塊状(キャスト)重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶
液重合法等の公知の方法を利用することができる。
【0069】また、単量体組成物の重合によって得られ
る光学材料の成形体の耐候性や耐熱性を向上させる観点
からは、この単量体組成物に、紫外線吸収剤や光安定剤
等の各種の高分子用添加剤を添加すると好適である。ま
た、光学材料の色調を整えるために、各種着色剤を添加
することも可能である。
【0070】紫外線吸収剤としては、例えば、p−te
rt−ブチルフェニルサリシレート等のサリシレート
系、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン
系、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル
−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−オクチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、エ
チル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等
のシアノアクリレート系等の紫外線吸収剤が挙げられ
る。
【0071】また、光安定剤としては、例えば、ビス
(1,2,2,6,6ペンタメチル−4−ピペリジル)
セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)セバケート、ジ(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル)−ブチル(3’,5’
−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロ
ネート、1−(2−(3−(3,5−ジtert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エ
チル)−4−(3−(3,5−ジtert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン、ポリ{(6−
{1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ}−
1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)(1,6−
{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル}
アミノヘキサメチレン)}、ポリ{{6−(モルフォリ
ノ)−S−トリアジン−2,4−ジイル}{1,6−
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ア
ミノ}ヘキサメチレン}、4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチル−1−ピペリジネタノールとのジ
メチルサクシネートポリマー等の各種ヒンダードアミン
系の光安定剤を用いることができる。
【0072】さらに、ラジカル重合開始剤としては、通
常の有機過酸化物系重合開始剤を用いることができ、t
ert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert
−ブチルパーオキシデカネート、tert−ブチルパー
オキシピバレート、tert−ブチルパーオキシベンゾ
エート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキ
サノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、
tert−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチ
ルヘキサノエート等のパーオキシエステル、ラウロイル
パーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイル
パーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、1,1−
ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,5,5−ト
リメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール等が好
ましく用いられる。
【0073】或いは、2,2−アゾビス(イソブチロニ
トリル)や2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−
2−カルボニトリル)等のアゾ系ラジカル重合開始剤も
好ましく用いられる。
【0074】〔第8の方法〕:この第8の方法は、樹脂
中に、特定のリン酸エステル化合物及び金属塩、又は、
両者の反応によって得られた近赤外光吸収性組成物を加
えて混合する方法である。この方法は、樹脂として熱可
塑性樹脂を用いるときに利用できる。具体的には、溶
融させた樹脂中に、特定のリン酸エステル化合物及び金
属塩、又は、近赤外光吸収性組成物を加えて混練する方
法、樹脂を適宜の有機溶剤に溶解、分散又は膨潤さ
せ、この溶液に特定のリン酸エステル化合物及び金属
塩、又は、近赤外光吸収性組成物を加えて混合した後、
この溶液から有機溶剤を除去する方法がある。
【0075】上記の方法における混練手段としては、
熱可塑性樹脂の溶融混練法として一般に用いられている
手段、例えば、ミキシングロールによって溶融混練する
手段、ヘンシェルミキサー等によって予備混合した後、
押出機によって溶融混練する手段が挙げられる。一方、
上記の方法で用いられる有機溶剤としては、樹脂を溶
解、分散又は膨潤し得るものであれば、特に限定される
ものではなく、その具体例としては、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のア
ルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類、塩化メチレン等の塩素系炭化水素類、ジメチルアク
リルアミド、ジメチルフォルムアミド等のアミド化合物
等が挙げられる。
【0076】ここで、光学材料としての樹脂組成物にお
ける近赤外光吸収性組成物の含有割合は、光学材料の用
途又は使用目的によって異なるが、成形性の観点から、
通常、樹脂100質量部に対して、0.1〜400質量
部、好ましくは0.3〜200質量部、特に好ましくは
1〜100質量部となる範囲で調整される。また、樹脂
組成物における金属イオンの含有割合は、樹脂組成物全
体に対して、好ましくは2〜60質量%となるように調
整される。
【0077】〈第4実施形態:粘着性組成物〉この粘着
性組成物は、樹脂組成物の一形態であって、特定のリン
酸エステル化合物と金属塩との反応により得られる近赤
外光吸収性組成物が、粘着性を有する樹脂(以下、「粘
着性樹脂」という)に含有されて成るものである。この
ような粘着性樹脂としては、例えば、粘着性を有するア
クリル系樹脂、ポリビニルブチラール、エチレン−酢酸
ビニル共重合体又はその部分鹸化物等が挙げられる。
【0078】また、この粘着性組成物には、ベンゾトリ
アゾール系、ベンゾフェノン系又はサリチル酸系の紫外
線吸収剤、その他の抗酸化剤、安定剤等を更に含有させ
てもよい。またさらに、種々の可塑剤を含有させること
もできる。このような可塑剤としては、リン酸トリクレ
ジル、リン酸トリフェニル等のリン酸エステル系可塑
剤、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート等のフ
タル酸系可塑剤、ジブチルセバケート、ブチルリシノレ
ート、メチルアセチルリシノレート、ブチルサクシネー
ト等の脂肪酸系可塑剤、ブチルフタリルブチルグリコレ
ート、トリエチレングリコールジブチレート、トリエチ
レングリコールジ−2−エチルブチラート、ポリエチレ
ングリコール等のグリコール系可塑剤等が挙げられる。
【0079】以上説明した各形態の光学材料によれば、
本発明の近赤外光吸収性組成物を含有するので、優れた
近赤外光吸収特性と、従来に比べて高められた可視光透
過特性が得られる。そして、用いる樹脂に特有な特性及
び性質が近赤外光吸収性組成物に付与される。したがっ
て、樹脂を適宜選択することによって、各種用途に好適
な光学材料を簡易に得ることができる。
【0080】〈光学部材〉本発明による近赤外光吸収性
組成物又はそれを含む光学材料を用いると、種々の用途
に好適な光学部材を形成できる。なお、以下では、近赤
外光吸収性組成物を含めて「光学材料」という。光学部
材の形態としては、光学材料そのもの、透光性材料等と
組み合わせたもの、成形加工したもの等が挙げられ、具
体的には、粉体状、液状、粘着状、塗料状、フィルム
状、板状、筒状、レンズ状等の種々の形態とすることが
できる。
【0081】このような光学部材は、その優れた光学特
性、汎用性、耐久性、耐候性、経済性等により、例え
ば、CCD用、CMOS用又は他の受光素子用の視感度
補正部材、測光用部材、熱線吸収用部材、複合光学フィ
ルタ、レンズ部材(眼鏡、サングラス、ゴーグル、光学
系、光導波系)、ファイバ部材(光ファイバ)、ノイズ
カット用部材、プラズマディスプレイ前面板等のディス
プレイカバー又はディスプレイフィルタ、プロジェクタ
前面板、光源熱線カット部材、色調補正部材、照明輝度
調節部材、光学素子(光増幅素子、波長変換素子等)、
ファラデー素子、アイソレータ等の光通信機能デバイ
ス、光ディスク用素子等を構成するものとして好適であ
る。
【0082】
【実施例】以下、本発明に係る具体的な実施例について
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0083】〈実施例1〉酢酸銅一水和物0.08gと
式(7)−bで表されるリン酸エステル化合物(以下、
「DIPHP」という)の所定量をメチルエチルケトン
(以下、「MEK」という)中で二時間攪拌し、液状の
近赤外光吸収性組成物を得た。DIPHPの所定量とし
ては、銅イオンに対するリン酸エステル化合物中の水酸
基のモル比(以下、「OH/Cu」で表す)が1〜15
となる範囲で変化させた。一例として、OH/Cuが4
のときのDIPHPの添加量は0.4067gであっ
た。
【0084】〈実施例2〉酢酸銅一水和物0.04gと
式(8)−aで表されるリン酸エステル化合物及び式
(8)−bで表されるリン酸エステル化合物の混合物
(以下、「3ClPHP」という)の所定量をMEK中
で二時間攪拌し、液状の近赤外光吸収性組成物を得た。
3ClPHPの所定量としては、OH/Cuが1〜15
となる範囲で変化させた。一例として、OH/Cuが4
のときの3ClPHPの添加量は0.2553gであっ
た。
【0085】〈実施例3〉酢酸銅一水和物0.04gと
式(8)−cで表されるリン酸エステル化合物及び式
(8)−dで表されるリン酸エステル化合物の混合物
(以下、「4ClPHP」という)の所定量をMEK中
で二時間攪拌し、液状の近赤外光吸収性組成物を得た。
4ClPHPの所定量としては、OH/Cuが1〜10
となる範囲で変化させた。一例として、OH/Cuが4
のときの4ClPHPの添加量は0.2553gであっ
た。
【0086】〈実施例4〉酢酸銅一水和物0.08gと
式(8)−eで表されるリン酸エステル化合物及び式
(8)−fで表されるリン酸エステル化合物の混合物
(以下、「2FPHP」という)の所定量をMEK中で
二時間攪拌し、液状の近赤外光吸収性組成物を得た。2
FPHPの所定量としては、OH/Cuが1〜10とな
る範囲で変化させた。一例として、OH/Cuが4のと
きの2FPHPの添加量は0.4067gであった。
【0087】〈実施例5〉酢酸銅一水和物0.04gと
式(8)−gで表されるリン酸エステル化合物及び式
(8)−hで表されるリン酸エステル化合物の混合物
(以下、「4FPHP」という)の所定量をMEK中で
二時間攪拌し、液状の近赤外光吸収性組成物を得た。4
FPHPの所定量としては、OH/Cuが1〜15とな
る範囲で変化させた。一例として、OH/Cuが4のと
きの4FPHPの添加量は0.2033gであった。
【0088】〈実施例6〉酢酸銅一水和物0.04gと
式(10)−cで表されるリン酸エステル化合物及び式
(10)−dで表されるリン酸エステル化合物の混合物
(以下、「NAPHP」という)の所定量をMEK中で
二時間攪拌し、液状の近赤外光吸収性組成物を得た。N
APHPの所定量としては、OH/Cuが1.5〜2.
5となる範囲で変化させた。一例として、OH/Cuが
2.5のときのNAPHPの添加量は0.1752gで
あった。
【0089】〈実施例7〉酢酸銅一水和物0.04gと
式(10)−aで表されるリン酸エステル化合物及び式
(10)−bで表されるリン酸エステル化合物の混合物
(以下、「2PHPHP」という)の所定量をMEK中
で二時間攪拌し、液状の近赤外光吸収性組成物を得た。
2PHPHPの所定量としては、OH/Cuが1〜15
となる範囲で変化させた。一例として、OH/Cuが4
のときの2PHPHPの添加量は0.3219gであっ
た。
【0090】〈比較例1〉酢酸銅一水和物0.08gと
下記式(11)−aで表されるリン酸エステル化合物、
及び、式(11)−bで表されるリン酸エステル化合物
の混合物(以下、「PMOE」という)の所定量をME
K中で二時間攪拌し、液状の近赤外光吸収性組成物を得
た。PMOEの所定量としては、OH/Cuが1〜15
となる範囲で変化させた。一例として、OH/Cuが4
のときのPMOEの添加量は0.2903gであった。
【0091】
【化15】
【0092】〈分光透過率測定1〉実施例1〜7及び比
較例1で調製した近赤外光吸収性組成物について、分光
光度計「U−4000」((株)日立製作所製)を用い
て、分光吸光度測定を行った。測定結果の一例として、
OH/Cuが6における実施例及び比較例の各近赤外光
吸収性組成物の分光吸光スペクトルを図1まとめてに示
す。図中、曲線L0、曲線L1〜L5及びL7は、それ
ぞれ比較例1、実施例1〜5及び実施例7の近赤外光吸
収性組成物の分光吸光曲線を示す(実施例6については
OH/Cuが6のデータがないので図示せず)。
【0093】図より、実施例及び比較例共に、波長約4
00から約650nmにかけて透過領域(可視光透過波
長領域)を有しており、且つ、近赤外光の吸光特性を有
することが確認された。また、その吸光度のピーク波長
λmaxは、波長約800〜900nmの範囲にあること
がわかる。そして、実施例の近赤外光吸収性組成物にお
けるλmaxは、比較例に比して長波長側にあること、及
び、近赤外領域における吸光度が比較例に比して大き
く、近赤外光吸収特性が改善されていることが判明し
た。
【0094】さらに、OH/Cuに対するλmaxの傾向
に着目してデータの評価を行った。図2は、OH/Cu
に対する実施例及び比較例のλmax(nm)の変化を示
すグラフである。また、数値データを表1に示す。図
中、各OH/Cuのデータ採取点におけるλmaxを実施
例毎にシンボルを変えてプロットした。同一のシンボル
を結ぶ各曲線L10及びL11〜17は、それぞれ比較
例1及び実施例1〜7のデータに対する目安線であり、
平滑(スムージング)処理を施したものである(以下、
図3〜6においても、平滑化した目安線を示す)。
【0095】
【表1】
【0096】図表より、OH/Cuの広い範囲(1〜1
5)にわたり、実施例(曲線L11〜L17)は、比較
例1(曲線L10)に比して、λmaxが同等又はそれ以
上であることが判明した。特に、OH/Cuが約2以上
であると、このλmaxの長波長側へのシフトが顕著とな
ることが確認された。
【0097】次に、図3は、実施例及び比較例のλmax
における吸光度に対する可視光透過波長領域(図1に示
す波長約400〜650nm)の長波長部である波長6
50nmにおける吸光度の比(%)(以下及び図表中、
「A650/Aλmax」と記す)について、OH/Cuに対
する変化を示すグラフである。また、図4は、図3にお
けるOH/Cuが2〜16に相当する部分の縦軸拡大図
であり、比の値が30%を超えるデータのプロットを省
略したものである。さらに、数値データを表2に示す。
【0098】この比の値は、近赤外光吸収性に対して規
格化された可視光透過性を示すものであり、近赤外光吸
収特性と可視光透過特性とを併せ持つ近赤外光吸収性組
成物の特質を評価する一つの指標であると考えられる。
この比の値が小さいほど、近赤外光をよく吸収すると共
に、可視光透過波長領域の長波長部において可視光をよ
く透過することを示す。なお、図中の曲線L20及びL
21〜L27は、それぞれ比較例1及び実施例1〜7の
データを平滑に結ぶ曲線である。
【0099】
【表2】
【0100】この結果より、図示のOH/Cuの全範囲
にわたり、実施例の近赤外光吸収性組成物のA650/A
λmaxは、比較例に比して概ね小さい値を示し、特に、
OH/Cuが2以上であると、この傾向が顕著となるこ
とが確認された。
【0101】次に、図5は、OH/Cuに対する実施例
1〜5の波長400nmにおける吸光度(絶対値)の変
化を示すグラフである。なお、図中の曲線L31〜L3
5は、それぞれ実施例1〜5のデータを平滑に結ぶ曲線
である。また、数値データを表3に示す。波長400n
mは先述の可視光透過波長領域の短波長部であり、この
波長における吸光度の大小は、可視光透過波長領域の短
波長側への拡大を示す一つの指標であると考えられる。
【0102】
【表3】
【0103】図表より、OH/Cuが2〜9の範囲にお
いて、実施例2〜5の近赤外光吸収性組成物は、実施例
1に比して、波長400nmにおける吸光度が同等又は
より小さいことが確認された(ただし、実施例2及び3
では、OH/Cuが2〜6の範囲において良好な傾向を
示した)。実施例2〜5で用いたリン酸エステル化合物
は、ハロゲン置換されたフェニル基を有するものであ
り、この結果はハロゲン置換の効果を示すものと言え
る。
【0104】また、図6は、実施例1〜5のλmaxにお
ける吸光度に対する可視光透過波長領域(図1に示す波
長約400〜650nm)の短波長部である波長400
nmにおける吸光度の比(%)(以下及び図表中、「A
400/Aλmax」と記す)について、OH/Cuに対する
変化を示すグラフである。さらに、数値データを表4に
示す。
【0105】
【表4】
【0106】この比の値は、近赤外光吸収性に対して規
格化された可視光透過特性を示すものであり、近赤外光
吸収特性と可視光透過特性とを併せ持つ近赤外光吸収性
組成物の特質を評価する一つの指標であると考えられ
る。この比の値が小さいほど、近赤外光をよく吸収する
と共に、可視光透過波長領域の短波長部において可視光
をよく透過することを示す。なお、図中の曲線L41〜
L45は、それぞれ実施例1〜5のデータを平滑に結ぶ
曲線である。その結果、実施例1〜5におけるA 400
Aλmaxに関しても、図5に示すのと同様の傾向にある
ことが確認された。
【0107】さらに、図7は、OH/Cuに対する比較
例1、実施例1、6及び7の波長650nmにおける吸
光度(絶対値)の変化を示すグラフである。なお、図中
の曲線L50,L51,L56,L57は、それぞれ比
較例1、実施例1、6及び7のデータを平滑に結ぶ曲線
である。また、数値データを表5に示す。波長650n
mは先述の可視光透過波長領域の長波長部であり、この
波長における吸光度の大小は、可視光透過波長領域の長
波長側への拡大を示す一つの指標であると考えられる。
【0108】
【表5】
【0109】図表より、図示のOH/Cuの全範囲にわ
たり、実施例7の近赤外光吸収性組成物は、実施例1に
比して、波長650nmにおける吸光度がより小さいこ
とが確認された。実施例7で用いたリン酸エステル化合
物は、フェニル基置換されたフェニル基を有するもので
あり、この結果はフェニル基置換の効果を示すものと言
える。
【0110】また、実施例6に関し、OH/Cuが1.
5〜2.5のときに、実施例1に比して波長650nm
における吸光度がより小さいことが確認された。この結
果と分子構造における立体障害の効果とを併せて考える
と、実施例6のようにナフチル基を有するリン酸エステ
ル化合物を用いても、OH/Cuの広い範囲で波長65
0nmにおける吸光度をより低減できると類推される。
なお、OH/Cuが7以上の場合には、実施例1、6及
び7の近赤外光吸収性組成物は、比較例1に比してもよ
り小さい吸光度を示すことが確認された。
【0111】〈実施例8〉上述した式(10)−e及び
式(10)−fで表されるリン酸エステル化合物(以
下、「PP2MP」という)を以下の手順で合成した。
まず、メチレンクロライド300mlを収容した容器内
に、下記式(12);
【0112】
【化16】
【0113】で表される4−(2−ハイドロキシルエチ
ル)フェノール(化合物1)40gと、トリエチルアミ
ン64.46gを添加し、室温で10分間攪拌した。
【0114】この溶液を0℃に冷却し、滴下ロートを用
いてメタクリロイルクロライド(90g)を30分かけ
て滴下した後、この状態で一時間保持し、上記式(1
2)で表される化合物1とメタクリロイルクロライドと
を反応させて下記式(13);
【0115】
【化17】
【0116】で表される化合物(化合物2)を含む溶液
を得た。
【0117】次いで、この溶液をろ過し、ろ液に酢酸エ
チルを添加した。このろ液を減圧蒸留させてメチレンク
ロライドのみを除去した。さらに、このろ液に水を添加
して酢酸エチルで式(13)で表される化合物を抽出し
た。この抽出液を1%塩酸、飽和塩化ナトリウム溶液で
洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを添加して水分を除去
した。この溶液を減圧濃縮した後、この濃縮液を、酢酸
エチルとn−ヘキサンとが体積比で1:3となるように
調製されたキャリア溶液を用いたカラムクロマトグラフ
ィーで精製し、化合物2を得た。精製された化合物2
は、78.8gであり、収率は92.2%であった。
【0118】次に、化合物2(20.17g)を、水8
0ml及びメタノール320mlに添加し室温で20分
間攪拌し、更に炭酸水素ナトリウムを添加し、室温で1
0分攪拌した。その後、この溶液を70℃に加熱し、9
時間かけて化合物2と炭酸水素ナトリウムとを反応さ
せ、下記式(14);
【0119】
【化18】
【0120】で表される化合物3を得た。この溶液を冷
却後、1%塩酸を加え、酢酸エチルで化合物3を抽出し
た。そして、この有機層を飽和塩化ナトリウムで洗浄
後、無水硫酸ナトリウムを添加した。次いで、有機層を
更に減圧濃縮した後、この濃縮液を、酢酸エチルとn−
ヘキサンとが体積比で1:3となるように調製されたキ
ャリア溶液を用いたカラムクロマトグラフィーで精製
し、白色粉末を得た。得られた白色粉末を石油エーテル
で洗浄し、ろ過した。この白色粉末を減圧乾燥して化合
物3を得た。精製された化合物3は、11.61gであ
り、収率は76.6%であった。
【0121】次に、化合物3(45.39g)を、ピリ
ジン17.42g及びトルエン90mlに添加し、この
溶液を室温で攪拌して溶解させた。一方、オキシ塩化リ
ン16.88g及びトルエン45mlを混合し、室温で
10分間攪拌した。この溶液に先に調製した化合物3を
含む溶液を滴下ロートを用いて1時間かけて滴下し混合
した後、この混合溶液を6.5時間還流した。さらに、
この混合溶液を冷却した後、水900mlを加えた。そ
の後、これを85℃で5時間加熱し、化合物3とオキシ
塩化リンとを反応させ、式(10)−e及び式(10)
−fで表されるリン酸エステル化合物(以下、「PP2
MP」という)39.91gを得た。
【0122】次に、安息香酸銅0.8gと、上記で得た
PP2MPの所定量をMEK中で二時間攪拌し、液状の
近赤外光吸収性組成物を得た。PP2MPの所定量とし
ては、OH/Cuが2、3、4、5となるように変化さ
せた。一例としてOH/Cuが2のときのPP2MPの
添加量は、2.48gであった。
【0123】〈分光透過率測定2〉実施例8で調製した
近赤外光吸収性組成物について、上述の〈分光透過率測
定1〉と同様にして分光吸光度測定を行った。その結
果、波長約400から約650nmにかけて透過領域
(可視光透過波長領域)を有しており、且つ、近赤外光
の吸光特性を有することが確認された。また、その吸光
度のピーク波長λmaxは、波長約800〜900nmの
範囲にあることも確認された。
【0124】〈実施例9〉 (1)モノマー調製:実施例8で調製したPP2MPの
所定量をメチルメタクリレート(MMA)6.6gに溶
解混合後、α−メチルスチレン0.5gを加え、更に安
息香酸銅0.8gを加え、室温で48時間攪拌し、近赤
外光吸収性組成物としてのモノマー溶液を得た。このと
き、室温での安息香酸銅の溶解性は十分であった。PP
2MPの所定量としては、OH/Cuが2、3、4、5
となるように変化させた。次いで、このモノマー溶液か
ら安息香酸を除去するために、冷凍庫で所定時間冷蔵し
たところ、保存後に沈殿物は認められなかった。
【0125】(2)重合用ガラスモールドの組立:直径
81mmのガラス製モールド板を二枚用意した。このガ
ラス製モールド板の一方の周縁部に環状の軟質塩ビ製パ
ッキンを配置し、更にその上から他方のガラス製モール
ド板を載せて対向配置し、両者のガラス製モールド板を
外方からクランプで押さえて保持して重合用ガラスモー
ルド(型)を組み立てた。
【0126】(3)樹脂板成形:上記(1)で調製した
OH/Cuが異なる各モノマー溶液にt−ブチルパーオ
キシデカネート0.5gをそれぞれ添加し、メンブラン
フィルターにてろ過した後、これらのろ液を上記(2)
で組み立てた重合用ガラスモールド内に注入した。次い
で、これらをそれぞれオーブン内に収容し、40℃の一
定温度で3時間、40℃から100℃の昇温に2時間、
100℃の一定温度で2時間、100℃から70℃の降
温に2時間と順次異なる温度に制御しながら重合固化を
行った。重合終了後、重合用ガラスモールドをオーブン
から取り出し、クランプ、ガラス製モールド板を取り外
し、本発明の光学材料としての厚さ2mmの青色透明な
各樹脂板を得た。なお、表6に各処方を示す。
【0127】〈比較例2〉PP2MPの代りに、比較例
1でも使用したPMOEを用いたこと以外は、実施例9
と同様にして、モノマー溶液の調製及び樹脂板の成形を
行った。各処方を表6に併せて示す。なお、モノマー溶
液の調製において、室温での安息香酸銅の溶解性は概ね
良好であったが、一部の溶液については、溶解を更に促
進させるためオイルバスを用いて攪拌溶解を実施した。
また、安息香酸除去のために冷凍庫に保存した後、沈殿
の析出が認められた。この沈殿物はろ過により取り除い
た。
【0128】
【表6】
【0129】〈分光透過率測定3〉実施例9及び比較例
2で得た各樹脂板について、分光光度計「U−400
0」((株)日立製作所製)を用いて、分光透過度測定
及び分光吸光度測定を実施した。その結果、波長約40
0から約650nmにかけて透過領域(可視光透過波長
領域)を有しており、且つ、近赤外光の吸光特性を有す
ることが確認された。それらの吸光度のピーク波長(透
過度の逆ピーク波長)λmax、及び、透過度が50%と
なる近赤外光側の波長λT50%を、それぞれ表6に併せて
示す。
【0130】次に、これらの各樹脂板をメタノールに5
日間浸漬した後、乾燥させた。各樹脂板について、上記
と同様にして分光透過度測定及び分光吸光度測定を行っ
た結果、実施例9で得た各樹脂板は、λmax及びλT50%
が共に長波長側へシフトし、特にOH/Cuが3〜5の
樹脂板では、これらの波長が比較例2で得た同じOH/
Cuを有する樹脂板よりも大きくなることが確認され
た。
【0131】このことから、実施例9の樹脂板は、メタ
ノール溶液へ浸漬することにより、可視光の透過波長域
が拡大されることが判明した。この作用機構の詳細は、
未だ十分に解明されてはいないが、エタノールに浸漬す
ることにより、樹脂板中に僅かに残存する安息香酸等の
成分が樹脂板から有効に除去されることによると推定さ
れる。ただし、作用はこれに限定されない。
【0132】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、特
定のリン酸エステル化合物と銅イオンとを用いることに
より、優れた近赤外光吸収特性を有し、且つ、従来に比
して可視光透過特性を向上できる近赤外光吸収性組成物
及び光学材料を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】OH/Cuが6における実施例及び比較例の各
近赤外光吸収性組成物の分光吸光スペクトルを示すグラ
フである。
【図2】OH/Cuに対する実施例及び比較例のλmax
の変化を示すグラフである。
【図3】OH/Cuに対する実施例及び比較例のA650
/Aλmaxの変化を示すグラフである。
【図4】図3におけるOH/Cuが2〜16に相当する
部分の縦軸拡大図である。
【図5】OH/Cuに対する実施例1〜5の波長400
nmにおける吸光度の変化を示すグラフである。
【図6】OH/Cuに対する実施例1〜5のA400/A
λmaxの変化を示すグラフである。
【図7】OH/Cuに対する比較例1、実施例1、6及
び7の波長650nmにおける吸光度の変化を示すグラ
フである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/004 505 G03F 7/004 505 7/027 502 7/027 502 (72)発明者 庄司 益宏 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工業 株式会社錦工場内 (72)発明者 町田 克一 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工業 株式会社錦工場内 Fターム(参考) 2H025 AB14 BC13 BC42 CC11 2H048 CA04 CA05 CA12 CA17 CA18 CA19 CA20 4J002 BB061 BE061 BF031 BG001 EW046 FD206 GP00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1); 【化1】 (式中、Rは、置換又は未置換のアリール基を示し、n
    は1又は2であり、nが1のときにRは同一であっても
    異なっていてもよい。)で表されるリン酸エステル化合
    物と、銅イオンとを含有して成ることを特徴とする近赤
    外光吸収性組成物。
  2. 【請求項2】 前記銅イオン1モルに対する前記リン酸
    エステル化合物中の水酸基又は該水酸基由来の酸素原子
    の含有割合が2モル以上である、ことを特徴とする請求
    項1記載の近赤外光吸収性組成物。
  3. 【請求項3】 前記リン酸エステル化合物は、前記式
    (1)におけるRが下記式(2)又は式(3); 【化2】 (式中、R1、R2及びR3は、ハロゲン原子、又は、炭
    素数が1〜40の置換基を示し、該置換基は不飽和結合
    を有しても有さなくてもよく、kは1〜5の整数を示
    し、mは1〜3の整数を示し、pは1〜4の整数を示
    し、R1、R2及びR3は互いに、又は、k、m若しくは
    pが2以上のときにそれぞれ同一でも異なっていてもよ
    い。)で表される基のものであることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の近赤外光吸収性組成物。
  4. 【請求項4】 前記リン酸エステル化合物は、前記式
    (2)におけるR1並びに前記式(3)におけるR2及び
    3が、それぞれ独立に、 ハロゲン原子、 炭素数が1〜10の置換又は未置換のアルキル基、 炭素数が2〜20であり且つ不飽和結合を少なくとも一
    つ有する基、 未置換のフェニル基、又は、 少なくとも一つの水素原子が、ハロゲン原子、炭素数が
    1〜10のアルキル基、若しくは、炭素数が2〜20で
    あり且つ不飽和結合を少なくとも一つ有する基で置換さ
    れたフェニル基である、ことを特徴とする請求項3記載
    の近赤外光吸収性組成物。
  5. 【請求項5】 前記リン酸エステル化合物は、前記式
    (1)におけるRが、下記式(2)−a; 【化3】 (式中、R4は、水素原子叉はメチル基を示し、R5は、
    水素原子、炭素数が1〜10のアルキル基、ハロゲン原
    子、アルコキシ基、叉はフェニル基を示し、R6は炭素
    数1〜10の直鎖状、分岐状、叉は環状のアルキレン基
    を示し、qは0〜4の整数を示し、rは1〜5の整数を
    示し、q+rは1〜5の整数を示す。)で表されるもの
    である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項
    に記載の近赤外光吸収性組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の近
    赤外光吸収性組成物が樹脂中に含有されて成ることを特
    徴とする光学材料。
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