JP2001353420A - 化合物半導体の製造装置から生ずる排気ガスから半導体特殊材料ガスの回収 - Google Patents

化合物半導体の製造装置から生ずる排気ガスから半導体特殊材料ガスの回収

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JP2001353420A
JP2001353420A JP2000140588A JP2000140588A JP2001353420A JP 2001353420 A JP2001353420 A JP 2001353420A JP 2000140588 A JP2000140588 A JP 2000140588A JP 2000140588 A JP2000140588 A JP 2000140588A JP 2001353420 A JP2001353420 A JP 2001353420A
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exhaust gas
semiconductor
material gas
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Masakazu Nakamura
雅一 中村
Masahiro Omoto
雅裕 大本
Taiji Hashimoto
泰司 橋本
Takahiko Kijima
貴彦 来島
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Osaka Oxygen Industries Ltd
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Osaka Oxygen Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化合物半導体製造に係わる各プロセスにお
いて消費されずに排出される排気ガスからV族系半導体
特殊材料ガスを回収 【解決手段】 化合物半導体製造に係わる各プロセス
において消費されずに排出される排気ガスからV族系半
導体特殊材料ガスを回収する装置において、その装置
は、その排気ガス中に含有されるIIA、IIB及び/
又はIIIB族元素を実質上除去する装置、その排気ガ
スからV族系半導体特殊材料ガスを濃縮する装置ならび
に濃縮されたV族系半導体特殊材料ガスを充填回収する
ならびに更に濃縮するシリンダーを含むことを特徴とす
るV族系半導体特殊材料ガスの回収装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の産業上利用分野】本発明は、化合物半導体の製
造装置から生ずる排気ガスからV族系半導体製造ガス半
導体特殊材料ガスの回収に関する。
【0002】化合物半導体は、直接遷移型半導体として
Siでは得られない物性をカバーする電子デバイスとし
てその応用範囲は広く今後更なる発展が望まれる。しか
しその発展・繁栄を阻止するものとして、半導体製造用
ガスとしてアルシン及びホスフィンのような半導体特殊
材料ガス自体のコスト及び排気ガスの処理コスト及び製
造の際の環境問題やアルシンやホスフィンの廃棄のため
環境問題が重くのしかかっている。
【0003】
【従来の技術】従来の排気ガス処理装置や回収装置とし
ては、次の技術が知られている。 (1) 排気ガス処理装置としては、大別すると中和反
応もしくは酸化除去である薬液処理除害型、反応剤除害
型は中和反応タイプであり、燃焼除害は酸化タイプに分
類される。重金属を含まないガス種では、燃焼除害型が
実施されている。図1に示す排気ガス除去装置は、排気
ガスを過マンガン酸カリで酸化処理される。図1に示す
薬液処理除害型においては、その廃液は重金属を含むも
のとして処分され、図2に示す反応剤除害型は使い捨て
が多く、使用済み後、十分な養生が施された後に土中に
埋設される。図3に示す燃焼除害型としては、一般的な
タイプとしては空気と可燃性ガスを用いて火炎を生成し
その中に排気ガスを導入し酸化物として処理し廃棄す
る。 (2) 回収装置としては、半導体プロセスなどを代表
にして排出される地球温暖化ガスを対象に限定し深冷分
離、膜分離などの方法により回収を行っている。従来の
技術には以下のような問題がある。 (i)現在の排気ガス処理装置である、薬液処理除害
型、反応剤除害型、燃焼害型のいずれもが、安定した反
応生成物へと形を変えてしまうため、有効利用したいV
族系ガスに再変換するためには設備投資と相当のエネル
ギー量が必要となる。また求められるV族半導体材料ガ
スが高純度な場合は、又更に膨大なエネルギー量を用い
て精製が必要となりゼロエミッションは必然的不可能と
なり、現状排気ガスは反応性生物として廃棄処分されて
いる。 (ii)またこれらの反応性生物の中には重金属が含ま
れており、これについては養生を施した上で土中に埋設
されるが、環境保全を考慮した場合に問題が依然として
残っている。 (iii)現在の回収装置は、地球温暖化防止を対象と
したものであり、対象として取り扱っているガス種はC
2、CF4、C26など安定なガスに限られており、極
論を言えばCF4、C26程度であり、化合物半導体材
料など毒性、可燃性、分解し化合物を生成する不安定で
あるなどの物性を兼ねた材料を克服できる技術のレベル
ではない。
【0004】
【発明が解決すべき課題】現在我が国では、特にアルシ
ンは製造されていない。全量米国からの輸入に頼ってい
る。しかし米国においても環境上の問題のためアルシン
やホスフィンの製造設備の拡張は、環境上から極めて困
難な状況にある。又化合物半導体の製造において、アル
シン及びホスフィンのような半導体特殊材料ガスは10
−30%しかプロセスで消費されず、残りは、破棄され
ている。利用されない半導体特殊材料ガスは,中和して
破棄されているがどうしても土壌汚染を免れない。。
【0005】
【課題を解決するための手段】従来破棄されている半導
体特殊材料ガスの回収が、責務となってきている。本発
明は、その解決策として排気ガス中の未反応である有効
な物質を回収し資源として有効活用していく技術であ
り、現状の排気ガス処理のあり方をゼロエミッションへ
と方向転換を図った半導体材料回収装置に係わる。また
本発明は資源の再利用であることは言うまでもなく、環
境への負荷低減にも大きく係わる。
【0006】本発明は、化合物半導体製造に係わる各プ
ロセスにおいて消費されずに排出されている排気ガスか
らV族系半導体特殊材料ガスを回収する装置において、
その装置は、その排気ガス中に含有されるIIA、II
B及び/又はIIIB族元素を実質上除去する装置、そ
の排気ガスからV族系半導体特殊材料ガスを濃縮する装
置ならびに濃縮されたV族系半導体特殊材料ガスを充填
回収するシリンダーと伴に更に濃縮する機能を有したシ
リンダーとそのシリンダーを納めたシリンダーキャビネ
ットを含むことを特徴とするV族元素の化合物の回収装
置に関する。回収された資源を有効活用することでゼロ
エミッションを狙ったものである。資源の有効活用や枯
渇化防止だけでなく環境への配慮を果たした化合物半導
体材料回収装置を提供することである。
【0007】本発明は、又化合物半導体製造に係わる各
プロセスにおいて消費されずに排出されている排気ガス
からV族系半導体特殊材料ガスを回収する方法におい
て、その方法は、その排気ガス中に含有されるIIA、
IIB及び/又はIIIB族元素を実質上除去する工程
(a)、その排気ガスからV族系半導体特殊材料ガスを
濃縮する工程(b)そして濃縮されたV族系半導体特殊
材料ガスをシリンダー充填回収し更に濃縮する工程
(c)を含むことを特徴とするV族系半導体特殊材料ガ
スの回収方法を提供することである。
【0008】本発明は、又化合物半導体製造に係わる各
プロセスにおいて消費されずに排出される排気ガスから
IIA,IIB及び/又はIIIB族元素を除去する吸
着塔において、その吸着塔にモレキュラーシーブ3A、
モレキュラーシーブ13X等のモレキュラーシーブス、
アルミナ又は水で飽和されたシリカが充填されている吸
着塔を提供することである。
【0009】本発明は、又化合物半導体製造に係わる各
プロセスにおいて消費されずに排出される排気ガスから
IIA,IIB及び/又はIIIB族元素を除去する方
法において、その方法はその排出ガスを水で飽和された
シリカ層を通し、次いでその排出ガスをモレキュラーシ
ーブ3A又は13X等のモレキュラーシーブス層を通す
ことを含む方法を提供することである。。
【0010】本発明は、又化合物半導体製造に係わる各
プロセスにおいて消費されずに排出される排気ガスから
分離されたアルシン及び窒素を含む混合ガスからアルシ
ンを回収するシリンダーにおいて、そのシリンダーに用
いるバルブはその混合ガス用の入口と濃縮操作が可能に
せしめるために吸着性の弱いガスを排出するための出口
と濃縮すなわち吸着したV族系半導体材料ガスの出口を
有し、該出口への通路中にフィルターが設置されている
シリンダーキャビネットを提供することである。
【0011】V族系半導体特殊材料ガスを濃縮する装置
はTPSA(温度−圧力スウィング吸着)で行うことが
好ましい。PSA(圧力スウィング吸着)は吸着塔を高
圧にしてガス中のある成分を選択的に吸着させ、その吸
着塔を低圧にしてその吸着剤に吸着された成分を脱着さ
せて混合ガスの分離を行う。又TSA(温度スウィング
吸着)は吸着塔を低温にしてガス中のある成分を選択的
に吸着させ、その吸着塔を高温にしてその吸着剤に吸着
された成分を脱着させて混合ガスの分離を行う。
【0012】TPSAとは温度及び圧力を上下させて、
混合ガスの分離を行うものである。本発明のTPSAの
操作では室温で吸着塔の圧力を上昇させ(好ましくは2
〜8kg/cm2・Gまで)上昇させて、V族系半導体
特殊材料ガスの吸着を行う。次いで圧力を降下させその
ガスの脱着を行う。次いで温度を上昇させてそのガスを
脱着させる。その温度上昇の際に窒素を導入すると、そ
のガスの脱着は促進される。
【0013】11A、11B及び/又は111B族元素
の除去はAl、Ni、CaO又はステンレス鋼等の触媒
を使用して行っても良く、又は吸着剤により吸着により
除去できる。その吸着剤の例は、アルミナ、モレキュラ
シーブ等である。特に吸着塔の前段に、水で飽和したシ
リカを使用する場合、吸着塔の後段にはモレキュラシー
ブ3A又は13Xを使用することが好ましい。この場合
前段で11A、11B及び/又は111B族元素は、除
去され、後段でガス中の水分は、除去される。
【0014】[作用]本発明では、化合物半導体製造に係
わる各プロセスにおいて消費されずに排出されている排
気ガス中に含有されている有機金属化合物中の各元素を
回収する装置を、V族系半導体材料ガスを濃縮の前段に
設けたことにより、排気ガス中の有機金属化合物中II
A,IIBならびIIIB族元素を選択的に前段で回収
し、これにより極めて不安定な有機金属化合物によるV
族系半導体材料ガスを濃縮装置の性能劣化を防止するこ
とが可能となり、化合物半導体製造に係わる各プロセス
において消費されずに排出されている排気ガス中に含ま
れる有機金属化合物中IIA、IIならびにIIIB族
元素ならびにV族系半導体材料ガスなどの化合物半導体
材料が回収でき資源の再利用、環境への配慮が可能とな
った。
【0015】[実施例]以下に本発明の好ましい実施例を
説明する。以下アルシンの回収について説明するが、同
じようにホスフィンも回収できる。 (実施例1)図4は、化合物半導体製造に係わる各プロ
セスにおいて消費されずに排出されている排気ガス1中
から化合物半導体材料回収装置の構成を示す。その排気
ガス中の組成は、有機金属数ppm,アルシン数%、窒
素30−70%そして残りは、水素である。窒素は、排
気ガスの希釈又はポンプのシールなどの目的に、水素
は、半導体製造において、使用された担体ガスである。
【0016】排気系配管2には酸素濃度計3、塩素系や
フッ素系などの支燃性や腐食性ガスに対する検知器4が
装備されている。酸素、塩素系、フッ素系ガスは、排気
ガスが可燃性ガス、分解や化合物を生成するなどの不安
定な物性であるため安全にかつ性能一定に維持するため
に必要な施策となる。酸素、塩素系、フッ素系ガスが検
出された場合は、ダンパー5が動作し、排気ガス1は従
来の除害設備6へと排出される。またその間は、化合物
半導体材料回収装置は緊急停止し、装置全体の安全性、
性能、プロセス状態などがマイクロプロセッサーにて確
認され、任意の安全性が確認された後に、再起動する。
定常運転時には、 排気ガスは11A、11B及び/又
は111B族元素(以下MO(有機金属化合物)とい
う)の除去のため触媒又は吸着剤床8を通り、MOは除
去され、コンプレッサー9で加圧される。
【0017】次いで排気ガスは好ましい吸着剤としてゼ
オライトが充填されている吸着塔10に導入され、図4
では5個の吸着塔を示したが、吸着塔の数は任意であっ
ても良い。吸着塔10でTPSAにより排気ガス中のア
ルシンは濃縮される。11は弁である。12はアルシン
濃度計である。アルシン濃度計12により吸着塔に入る
前の排気ガス中のアルシン濃度及び吸着塔から出た後の
排気ガス中のアルシン濃度が測定される。15のライン
は何らかの異常が起きた時、安全のため従来のアルシン
除外装置6に送られる。
【0018】吸着塔でのTPSAによるアルシンの濃縮
の好ましい操作は1つの吸着塔で、常温で0.99MP
aまで昇圧される。次いで圧力を降下してアルシンの脱
着を行う。次いで吸着塔の温度を上限170℃に上昇さ
せて、そのアルシンを更に脱着させる。その際、窒素を
導入するとさらにアルシンの脱着が促進される。排気ガ
スは、回収装置の導入口7に導入され、コンプレッサ9
にて0.99MPaまで昇圧され、有機金属化合物中の
IIB、IIAならびにIIIB族元素を回収する装置
8に導入され、その後にV族系半導体材料ガスを濃縮す
る装置10を介してV族系半導体材料ガスの濃縮を行
い、脱離操作をサポートする真空ポンプと圧力緩衝バッ
ファタンク18及びコンプレッサー19により圧力を上
昇させ充填回収ならびに更に濃縮するシリンダー14に
おいて高濃度なV族系半導体材料ガスが充填される。
尚、有機金属化合物を回収する装置8は、V族系半導体
材料ガスを濃縮する装置10より前段にあればよいた
め、コンプレッサ9の前の位置に設置してもよい。 (実施例2)第5図は、有機金属化合物中IIA,II
BならびにIIIB族元素を回収する装置20を示す。
半導体製造装置からの昇圧された排気ガスは、21aか
ら導入される。バルブ22及び23を介して充填塔24
へ導入され、バルブ26及び28を介してV族系半導体
材料ガスを濃縮する装置35に導入するためバルブ28
へと流れていく。吸着能力が低下した場合は、再生また
は交換が必要となる。現地での再生も不可能ではない。
吸着剤36を含む充填塔24を再生又は交換する場合に
は、不活性ガスによるガス置換が必要である。この場合
不活性ガスは、バルブ37から導入される。不活性ガス
は、バルブ25,23,26,27を介して除害装置
(図示せず)に破棄される。充填塔24でのMO元素の
吸着の際は、バルブ21a,22.23,26,28
は、開とする。充填塔24の再生又は交換の場合には、
その窒素ガス等の再生用ガスは、バルブ22を閉め、バ
ルブ23,充填塔24、バルブ26,27を通り除害装
置に送られる。この場合、バルブ28は、閉となり、充
填塔38が使用される。パージ終了後、有機金属化合物
中のIIA,IIBならびにIIIB族元素を回収する
装置より切り離しあらかじめ用意された新品または再生
化された同仕様のものと交換する。使用済みのものは、
工場にて再生し、重金属を再出し再利用する。その後、
充填塔24は、交換される。その間充填塔39を使用し
て同様な操作がおこなれる。
【0019】充填塔24及び39に含まれる吸着剤36
及び38としては、アルミナ、シリカゲル、炭化珪素、
活性炭などの無機系多孔質体及びモレキュラーシーブを
採用した。 (実施例3)吸着剤36には、実効表面積が大きく、排
気ガス中の有機金属化合物材料とV族系半導体材料ガス
が共存した中において、有機金属化合物中のIIA,I
IBならびにIIIB族元素とV族系半導体材料ガスの
吸着特性において選択性を持つことが求められる。図6
にシリカゲルとアルミナの評価結果を示す。II族系有
機金属化合物ガスとしDMZn、III族系有機金属化
合物ガスとしてTMGa、TMAl、TMInがそれぞ
れ200ppm(volumn%以下同じ)含まれる1
%V族系半導体材料ガスAsH3+約24%水素+75
%窒素雰囲気の4種類のガスを線速毎秒10cmで供給
し、シリカゲル、アルミナに対する有機金属化合物の吸
着・破過特性より、各有機金属化合物とAsH3の吸着
量を求めたものである。AsH3の替わりにPH3につい
ても評価を実施したが、PH3自体の吸着量が若干増加
したが有機金属化合物中の吸着量はほとんど変化するこ
とはなかった。このことから、吸着剤36としてアルミ
ナやシリカゲルが効果的であることが判明した。 (実施例4)又、吸着剤36の有機金属化合物、ならび
に1%V族系半導体材料ガスの吸着量計測としては、G
C−MS(ガスクロマトグラフィーマススペクトロスコ
ピー)を用いて、有機金属化合物とその2量体、メタ
ン、エタン、AsH3に注目し検出量を観測した。計測
開始後、有機金属化合物は観測されないが、メタン、エ
タンが観測される。しばらくしてAsH3が観測され、
続いて十分な時間を経た後にTMGaが観測され同時に
2量体も観測された。図7に吸着剤36にアルミナを用
いてTMGaを計測した結果を示す。TMGaを供給し
たにも係わらずにメタン、エタンが観測されていること
より、初期からTMGaは分解し、Gaが吸着している
ことは明らかであり化学的吸着であることが判る。又併
せて化学的吸着を確定するために破過後の吸着剤の表面
をX線光電子分光法で計測したところアルミナ上にGa
の化学的結合が観測されており、化学吸着であることが
判明した。 (実施例5)有機金属化合物は極めて反応性が富んでお
り不安定であり、効率的にV族系半導体材料ガスを回収
するためには、有機金属化合物中のIIA、IIB、I
IIB系元素を回収する装置の配置場所を十分検討する
必要がある。排気ガス中の有機金属化合物が除去された
残渣は、微量のメタン、水素、窒素などの半導体プロセ
スのキャリアガスとV族系半導体材料ガスになるため、
V族系半導体材料ガスを効率的に回収するためにはある
一定濃度まで選択的にV族系半導体材料ガスを貯め、高
濃度に貯蔵したあとで放出するような濃縮操作が必要と
なる。すなわちプロセスキャリアガス中に含まれた低濃
度のV族系半導体材料ガスを選択的に吸着し、可能なだ
け容易に脱離する吸着剤を選定しなければならない。吸
着と脱離は相反するためある一定レベルでの妥協が必要
となる。この理由よりV族系半導体材料ガスを濃縮する
装置10の吸着剤には合成ゼオライトを選択した。ゼオ
ライトは、アルカリイオンまたはアルカリ土類金属イオ
ンを用いてアルミナとシリカゲルを母体とした結晶性の
アルミノケイ酸塩であるため、有機金属化合物との反応
性が危惧される。すなわち有機金属化合物中のIIA,
IIBならびにIIIB族元素を回収するMO除去装置
8に使用する吸着剤とV族系半導体材料ガスを濃縮する
装置10に使用する吸着剤の基本的物性が近似している
ため、実施例4の結果から類推できるように有機金属化
合物中の金属を除去しておかなければ、IIA,IIB
ならびにIIIB族元素がV族系半導体材料ガスを濃縮
する装置10の吸着剤に化学吸着し性能を劣化すると考
えられる。調査した結果を図8示す。前段に有機金属化
合物中のIIA、IIB、IIIB系元素を回収する装
置の有・無によるV族系半導体材料ガスを濃縮する装置
10の性能を計測した結果を示す。計測に用いたガスは
II系ガスとしDMZn+III族系ガスとしてTMG
a+TMAl+TMInが各濃度200ppmを含くむ1
%PH3+約24%水素+75%窒素である。吸着は
0.5Mpa(絶対圧力以降同じ)で、脱離は大気圧ま
で室温にて行い、大気圧以降は温度を70℃に昇温しな
がら0.05MPaまで真空排気し、コンプレッサー9
で昇圧し、容器に0.3MPa充填し計測した。吸着と
脱離の工程を1サイクルとして、繰り返し吸着・脱離サ
イクルを実施し、経時変化に伴うV族系半導体材料ガス
であるPH3濃度の変化を計測した。この結果から、前
段に有機金属化合物からIIA、IIB、IIIB系元
素を回収する装置を設置する必要性が判明した。又、V
族系半導体材料ガスを濃縮する装置10の吸着剤に活性
炭を選択した場合は、脱離に時間を要するが濃縮濃度は
より高濃度になるため活性炭を用いてもよい。また有機
金属化合物からIIA、IIB、IIIB系元素を回収
するMO除去装置8は、V族系半導体材料ガスを濃縮す
る装置10の前段であればよい。 (実施例6)コンプレッサー9の前に有機金属化合物中
のIIA、IIB、IIIB系元素を回収する装置8を
設置する場合は、コンプレッサ9の廃熱が利用できない
ので、II、III族有機金属化合物の分解を促進させ
ためにNiやAlなどを触媒材料として用いて約100
℃程度に加熱し有機金属化合物を分解させ、有機金属化
合物中のIIA、IIB、IIIB系元素を回収する装
置8にて回収することが可能である。
【0020】図9及び図10は窒素導入によるアルシン
の脱離効果(濃縮効果)を示す。アルシン濃度が高い領
域面積が多い程、多くのアルシンが放出されていること
を示す。
【0021】図9はTPSAの操作に加えて窒素を吸着
塔に導入した場合のグラフであり、図10はTPSAの
操作のみでアルシンを脱着させた場合である。
【0022】アルシンの脱着に窒素を導入した場合、窒
素は脱離工程の温度領域においては吸着せず、物理的又
は濃度拡散的効果を発揮し高濃度のアルシンを放出可能
となる。
【0023】次にアルシンと一緒に放出された窒素は、
アルシンを回収充填するシリンダーへと圧送される。 (実施例7)図11はシリンダー42を示す。
【0024】本発明の吸着塔から得られたガス(アルシ
ン90%+窒素10%)を活性炭41が充填されている
シリンダー42に大気圧以上で充填した。その場合窒素
の活性炭への吸着は極微量で、出口43から放出してい
く。44は金属メッシュ等のフィルターである。活性炭
に充填されたアルシン濃度は99%以上であった。フィ
ルター44は活性炭の粉末がアルシンと一緒に外部に出
るのが防止される。金属メッシュが活性炭の粉末で詰ま
れば、出口から高圧で窒素を吹き込むと、粉末は除去で
きる。フィルターを入れることによってバルブシートは
保護される。
【0025】
【発明の効果】本発明では従来廃棄されていた残留アル
シンを含む半導体製造装置から生ずる排気ガスからV族
系半導体特殊材料ガスを回収することができ、環境上の
問題、例えばアルシンの原料の不足な状況がすべて解決
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】薬液処理除害型の排気ガス処理システムの概略
【図2】反応除害剤を用いた排気ガス処理システムの概
略図
【図3】燃焼除害型の処理システムの概略
【図4】化合物半導体材料回収装置の構成概略
【図5】有機金属化合物中のIIA、IIB、IIIB
系元素を回収する装置
【図6】有機金属化合物回収装置装置の有機金属化合物
中のIIA、IIB、IIIAとV族系半導体材料ガス
の選択吸着性能を示す表。
【図7】有機金属化合物回収装置のTMGaとAsH3
の吸着特性例を示すグラフ。
【図8】有機金属化合物回収装置をV族系半導体材料ガ
ス濃縮装置の前段に設置する必要性を示すグラフ。
【図9】TPSAの操作に加えて窒素を吸着塔に導入し
た場合のアルシンの排出を示すグラフ。
【図10】TPSAの操作のみの場合のアルシンの排出
を示すグラフ。
【図11】V族系半導体材料ガスの充填並びに濃縮のた
めのシリンダーの構成概略。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 21/02 ZAB B01D 53/36 Z 23/755 B01J 23/74 321A (72)発明者 大本 雅裕 大阪府大阪市淀川区宮原4丁目1番14号 住友生命新大阪北ビル 大阪酸素工業株式 会社内 (72)発明者 橋本 泰司 大阪府大阪市淀川区宮原4丁目1番14号 住友生命新大阪北ビル 大阪酸素工業株式 会社内 (72)発明者 来島 貴彦 大阪府大阪市淀川区宮原4丁目1番14号 住友生命新大阪北ビル 大阪酸素工業株式 会社内 Fターム(参考) 4D002 AA40 AC10 BA04 CA07 DA41 DA45 DA46 DA70 EA07 4D012 CA12 CA20 CB16 CB20 CD03 CD07 CH05 CJ02 4D048 AA17 AB03 BA03X BA38X CD01 4G069 AA08 BC16B BC68B CA02 CA10 CA11 DA05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化合物半導体製造に係わる各プロセスにお
    いて消費されずに排出される排気ガスからV族系半導体
    特殊材料ガスを回収する装置において、その装置は、そ
    の排気ガス中に含有されるIIA、IIB及び/又はI
    IIB族元素を実質上除去する装置、その排気ガスから
    V族系半導体特殊材料ガスを濃縮する装置ならびに濃縮
    されたV族系半導体特殊材料ガスを充填回収すると伴に
    更に濃縮する機能を有したシリンダーとそのシリンダー
    を納めたシリンダーキャビネットを含むことを特徴とす
    るV族系半導体特殊材料ガスの回収装置。
  2. 【請求項2】前記V族系半導体特殊製造ガスを濃縮する
    装置は、TPSAである、請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】前記IIA,IIB及び/又はIIIB族
    元素を実質上除去する装置は、触媒を含有する装置であ
    る請求項1記載の装置。
  4. 【請求項4】前記IIA,IIB及び/又はIIIB族
    元素を実質上除去する装置は、吸着剤を含有する装置で
    ある請求項1記載の装置。
  5. 【請求項5】化合物半導体製造に係わる各プロセスにお
    いて消費されずに排出されている排気ガスからV族系半
    導体特殊材料ガスを回収する方法において、その方法
    は、その排気ガス中に含有されるIIA、IIB及び/
    又はIIIB族元素を実質上除去する工程(a)、その
    排気ガスからV族系半導体特殊材料ガスを濃縮する工程
    (b)そして濃縮されたV族系半導体特殊材料ガスをシ
    リンダーに充填回収し更に濃縮する工程(c)を含むこ
    とを特徴とするV族系半導体特殊材料ガスの回収方法。
  6. 【請求項6】前記工程(b)は、TPSAで行われる、
    請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】工程(a)は、触媒を使用して行われる請
    求項5記載の方法。
  8. 【請求項8】工程(a)は、吸着剤を使用して行われ
    る、請求項5記載の方法。
  9. 【請求項9】工程(b)において、TPSA装置でV族
    系半導体特殊材料ガスを吸着させ、圧力及び温度の操作
    でそのガスを脱着させ、その後窒素を使用してそのガス
    をさらに脱着させる請求項5又は6項に記載の方法。
  10. 【請求項10】化合物半導体製造に係わる各プロセスに
    おいて消費されずに排出される排気ガスからIIA,I
    IB及び/又はIIIB族元素を除去する吸着塔におい
    て、その吸着塔にはモレキュラーシーブス、アルミナ又
    は水で飽和されたシリカが充填されている吸着塔。
  11. 【請求項11】化合物半導体製造に係わる各プロセスに
    おいて消費されずに排出される排気ガスからIIA,I
    IB及び/又はIIIB族元素を除去する方法におい
    て、その方法はその排出ガスを水で飽和されたシリカ層
    を通し、次いでその排出ガスをモレキュラーシーブスを
    通すことを含む方法。
  12. 【請求項12】化合物半導体製造に係わる各プロセスに
    おいて消費されずに排出される排気ガスから分離された
    V族系半導体材料ガス並びに窒素等を含む混合ガスから
    V族系半導体材料ガスを回収するシリンダーにおいて、
    そのシリンダーに用いるバルブはその混合ガス用の入口
    と濃縮操作が可能にせしめるために吸着性の弱いガスを
    排出するための出口を設けて濃縮を可能にしており、こ
    の出口は、吸着したV族系半導体材料ガスの放出出口に
    も利用でき、該出口への通路中にフィルターが設置され
    ている、シリンダー。
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