JP2001350034A - 光ファイバ回折格子を有する光学装置 - Google Patents

光ファイバ回折格子を有する光学装置

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JP2001350034A
JP2001350034A JP2000166302A JP2000166302A JP2001350034A JP 2001350034 A JP2001350034 A JP 2001350034A JP 2000166302 A JP2000166302 A JP 2000166302A JP 2000166302 A JP2000166302 A JP 2000166302A JP 2001350034 A JP2001350034 A JP 2001350034A
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JP
Japan
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optical fiber
optical
fixed
diffraction grating
base material
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JP2000166302A
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English (en)
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Mitsuaki Tamura
充章 田村
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回折格子が形成された光ファイバを基材に複
数固定する場合において、回折格子での反射中心波長の
ずれ等の光学特性を変化させることなく、また、温度補
償機能を損なうことなく、装置の小型化を図ることが可
能な光ファイバ回折格子を有する光学装置を提供するこ
と。 【解決手段】 夫々の光ファイバ11は、回折格子部1
3の中心波長をモニターしながら回折格子部13に所定
の張力が与えられた状態で、回折格子部13の両側にお
いて接着剤15(たとえば、エポキシ系接着剤等)によ
り基材10に固定される。基材10には、光ファイバ1
1の光軸方向に直交する基材10の平面方向に見て各光
ファイバ11が固定される基材部分10a間の位置にス
リット17が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバのコア
部の屈折率を光軸に沿って周期的に変化させた回折格子
が形成されている光ファイバ回折格子を有する光学装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ回折格子は、入射光に対して
特定の反射波長の光を出射することができるため、波長
の異なる光信号を1本の光ファイバを介して多重伝送す
る波長分割多重伝送(Wavelength Division Multiple
xing)方式の光通信システム等における重要な光部品と
して注目されている。
【0003】光ファイバ回折格子では、一般に、クラッ
ド部の周囲に設けられ樹脂からなる被覆層を軸方向の所
定長さにわたって除去し、クラッド部を露出させた状態
で紫外線を照射することにより、露出したクラッド部の
内側に位置するコア部の光軸方向に沿った所定領域に回
折格子を形成している。このように構成した光ファイバ
回折格子は、使用温度範囲では光ファイバが正の熱膨張
係数を有しているため、周囲温度が変化すると、光ファ
イバが伸縮し格子間隔が変化する。また、温度により光
ファイバガラス部の屈折率が変化するため、回折格子に
よる反射中心波長が変化することになる。この回折格子
による反射中心波長の温度依存性を無くすためには、回
折格子が形成された光ファイバに加わる張力を低温時に
は増加させ、高温時には低下させる必要がある。
【0004】このため、温度補償用部材に回折格子が形
成された光ファイバを固定し温度補償することが行われ
ている。例えば、熱膨張係数の小さいアンバーから成る
基材の両端にそれぞれ熱膨張係数の比較的大きいAlブ
ラケットを取り付け、このAlブラケットに回折格子が
形成された光ファイバを所定の張力を付与した状態で固
定した構造のものが提案されている。この構造では、ブ
ラケット上の2つの固定部の間の距離が高温時には収縮
し、低温時には拡大するので、回折格子が形成された光
ファイバに加わる張力を低温時には増加させ、高温時に
は低下させることができる。このようにして、反射中心
波長の温度依存性を実質的に無くすことができる。
【0005】また、回折格子が形成された光ファイバを
負の熱膨張係数を有する基材に固定することで、反射中
心波長がほぼ温度に依存しなくなるようにし、上述した
光ファイバ回折格子における温度変化に対する反射波長
の不安定性に関する問題を解決した構造のものも提案さ
れている。(特開平10−96827号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、波長分割多
重伝送方式の光通信システムにおいては、1本の光ファ
イバから波長の異なる光信号を分波して切り出す必要が
あり、このために切り出し波長に応じた光ファイバ回折
格子を複数本使用する必要がある。
【0007】光ファイバ回折格子を複数本使用する場
合、以下のような問題点を有していることが判明した。
まず、各光ファイバ回折格子毎に温度補償用部材を設
け、各温度補償用部材同士を接着又は機械的に連結して
一体と成し、筐体等に収納した場合には、一見コンパク
トな収納が可能そうに見えるが、接着又は機械的連結に
よる応力が各光ファイバの張力に変化を生じさせ、各光
ファイバ回折格子の光学特性に悪影響を及ぼす。また、
各光ファイバ回折格子毎に温度補償用部材を設け、各光
ファイバ回折格子及び各温度補償用部材毎に筐体等に収
納(パッケージ実装)したのでは、装置の大型化を招
き、高密度実装の実現は困難である。
【0008】一方、同一の温度補償用部材に複数の光フ
ァイバ回折格子を一括して固定することにより、装置の
小型化は可能となる。しかしながら、光ファイバ回折格
子を温度補償用部材に固定するときには、必ずしも張力
のない状態で固定する訳ではなく、僅かな張力を与える
必要がある。この張力は、通常使用温度範囲で光ファイ
バの張力が負とならない値を選択する。また張力は、各
光ファイバ回折格子に所定のブラッグ波長を設定する目
的で、僅かに異なる場合がある。光ファイバ回折格子を
1本づつ固定する場合、光ファイバに与える所定の張力
に起因して温度補償用部材が徐々に歪み、既にこの温度
補償用部材に固定された別の光ファイバ回折格子の張力
が変化することになる。
【0009】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、回折格子が形成された光ファイバを基材に複数固定
する場合において、回折格子での反射中心波長のずれ等
の光学特性を変化させることなく、また、温度補償機能
を損なうことなく、装置の小型化を図ることが可能な光
ファイバ回折格子を有する光学装置を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明による光ファイバ
回折格子を有する光学装置は、光軸方向の所定長さにわ
たって回折格子が形成された複数の光ファイバと、光フ
ァイバの使用温度範囲で所定の熱膨張係数を有した1つ
の基材と、を備え、各光ファイバは所定の張力が与えら
れた状態で基材に固定されており、基材は、各光ファイ
バが固定された基材部分において微小変形が複数の光フ
ァイバうちの異なる光ファイバが固定された基材部分に
伝わるのを緩和する変形緩和部を有していることを特徴
としている。
【0011】本発明による光ファイバ回折格子を有する
光学装置では、回折格子が形成された複数の光ファイバ
が、夫々の光ファイバに所定の張力が与えられた状態で
1つの基材に固定されるので、装置の小型化を図ること
ができると共に、装置のハンドリング性が向上する。ま
た、複数の光ファイバが固定される基材は、各光ファイ
バが固定された基材部分において所定の張力に起因する
微小変形が複数の光ファイバうちの異なる光ファイバが
固定された基材部分に伝わるのを緩和する変形緩和部を
有しているので、光ファイバ回折格子に与えられた所定
の張力により基材が微小変形した場合でも、この微小変
形が複数の光ファイバうちの異なる光ファイバが固定さ
れた基材部分に伝わるのが緩和されることになる。これ
により、各光ファイバに形成された回折格子での中心波
長がずれるのを抑えることができ、回折格子の光学特性
の悪化を抑制することができる。また、この変形緩和部
は、光ファイバ回折格子を有する光学装置が温度変化を
受けた場合にも有効に作用する。すなわち、温度変化に
より光ファイバや基材に伸縮を生じるが、この長さ変化
により基材が微小変化した場合でも、異なる光ファイバ
が固定された基材部分への影響が抑えられる。
【0012】また、変形緩和部として、基材には各光フ
ァイバが固定される基材部分間の位置にスリットが設け
られていることが好ましい。このように、変形緩和部と
して、基材に各光ファイバが固定される基材部分間の位
置にスリットが設けられることにより、上述した微小変
形が伝わるのを緩和するための変形緩和部を基材に配設
し得る構造を簡易且つ低コストで実現することが可能と
なる。
【0013】また、光ファイバの光軸方向に見てスリッ
トが設けられ光ファイバが固定された両端部の略中間に
位置する基材中央部分にて他の部材に固定されることが
好ましい。このように、光ファイバの光軸方向に見てス
リットが設けられ光ファイバが固定された両端部の略中
間に位置する基材中央部分にて他の部材に固定されるこ
とにより、基材の熱による伸縮変形が阻害されず、また
他の部材が変形してもこの変化が基材にほとんど影響し
ないようにできる。すなわち、基材中央部分において本
光ファイバ回折格子を有する光学装置を他の部材に固定
した結果、温度補償機能が有効に作用し光学特性に対す
る影響を少なくすることができる。
【0014】また、基材は、所定の熱膨張係数を有し、
回折格子が形成された光ファイバ部分の両側部のうちの
少なくとも一方に位置して各光ファイバ毎に独立して設
けられ、対応する各光ファイバが固定される複数の第1
基材と、第1基材よりも小さい所定の熱膨張係数を有
し、各第1基材が固定される1つの第2基材と、を含ん
でいることが好ましい。このように、基材が第1基材と
第2基材とを含んでおり、第1基材を各光ファイバ毎に
独立して設けることにより、第1基材間に変形緩和部が
入ることになり、上述した微小変形が伝わるのを緩和す
るための変形緩和部を基材に配設し得る構造を簡易且つ
低コストで実現することが可能となる。
【0015】また、第2基材は、第1基材が固定されて
いない位置において、他の部材に固定されることが好ま
しい。このように、第2基材が、第1基材が固定されて
いない位置において、他の部材に固定されることによ
り、基材の熱による伸縮変形が阻害されず、また他の部
材が変形してもこの変化が基材にほとんど影響しないよ
うにできる。すなわち、本光ファイバ回折格子を有する
光学装置を他の部材に固定した結果、温度補償機能が有
効に作用し光学特性に対する影響を少なくすることがで
きる。
【0016】また、変形緩和部として、更に第2基材に
は、各第1基材が固定される第2基材部分間の位置及び
又は各光ファイバが固定される第2基材部分間の位置に
スリットが設けられていることが好ましい。このよう
に、変形緩和部として、更に第2基材に、各第1基材が
固定される第2基材部分間の位置及び又は各光ファイバ
が固定される基材部分間の位置にスリットが設けられる
ことにより、上述した微小変形が伝わるのをより一層緩
和することができると共に、変形緩和部を基材に配設し
得る構造を簡易且つ低コストで実現することが可能とな
る。
【0017】また、光ファイバの光軸方向に見てスリッ
トが設けられ各第1基材及び又は光ファイバが固定され
た両端部の略中間に位置する第2基材中央部分にて他の
部材に固定されることが好ましい。このような構成とし
た場合、光ファイバの光軸方向に見てスリットが設けら
れ各第1基材及び又は光ファイバが固定された両端部の
略中間に位置する第2基材中央部分が、本光ファイバ回
折格子を有する光学装置を他の部材に固定する部分とし
て使用されることにより、固定によって基材の熱による
伸縮変形が阻害されず、また他の部材が変形してもこの
変化が基材にほとんど影響しないようにできる。すなわ
ち、第2基材中央部分において本光ファイバ回折格子を
有する光学装置を他の部材に固定した結果、温度補償機
能が有効に作用し光学特性に対する影響を少なくするこ
とができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
による光ファイバ回折格子を有する光学装置の好適な実
施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明にお
いて同一の要素には同一の符号を付しており、重複する
説明は省略する。
【0019】(第1実施形態)まず、図1〜図3に基づ
いて、本発明の第1実施形態に係る光ファイバ回折格子
を有する光学装置を説明する。図1は、第1実施形態に
係る光ファイバ回折格子を有する光学装置を示す斜視図
であり、図2は、同じく光ファイバ回折格子を有する光
学装置を示す平面図であり、図3は、同じく光ファイバ
回折格子を有する光学装置を示す側面図である。
【0020】光学装置1は、温度補償用部材として、負
の熱膨張係数を有する1つの基材10を有している。こ
の基材10には複数(本実施形態においては、6本)の
光ファイバ11が並列に固定されている。光ファイバ1
1には、光ファイバ11の光軸方向に沿って光ファイバ
11の少なくともコア部の屈折率が変化する回折格子部
13が所定領域形成されている。各光ファイバ11の回
折格子部13の中心波長は互いに異なる値に設定されて
いる。
【0021】回折格子部13は、例えば、クラッド部の
周囲に設けられた被覆層が所定長さにわたって除去され
てクラッド部が露出している露出部分に対して、光ファ
イバに張力を印加した状態で紫外線を照射することによ
り形成される。また、被覆層を除去することなく回折格
子部13を形成することも可能である。なお、紫外線の
照射は、公知のホログラフィック法や位相格子法等によ
って行われる。
【0022】基材10は、たとえばLiO2−Al2O
3−SiO2系結晶化ガラスにBaOを添加したもので
あって、(−83〜−94)E−7/Kの熱膨張係数を
有するものを使用している。BaOを添加するのは、基
材10の熱膨張係数を調整するためである。これによ
り、光ファイバ11の使用温度範囲にわたって、温度変
化に対する反射中心波長の安定性を確保することが可能
となる。
【0023】夫々の光ファイバ11は、回折格子部13
の中心波長をモニターしながら回折格子部13に所定の
張力が与えられた状態で、回折格子部13の両側におい
て接着剤15(たとえば、エポキシ系接着剤等の熱硬化
性接着剤、ハンダ、低融点ガラス等)により基材10に
固定される。光ファイバ11を固定する際には、基材1
0及び光ファイバ11の回折格子部13は所定の温度に
加熱している。このようにして光ファイバ11を取り付
けることにより、光ファイバ11の使用温度範囲におい
て、基材10の熱変位が光ファイバ11に適切に伝えら
れることになり、回折格子部13での温度変化に対する
中心波長の安定性を保つことが可能となる。
【0024】基材10には、図2に示されるように、光
ファイバ11の光軸方向に直交する基材10の平面方向
に見て各光ファイバ11が固定される基材部分10a間
の位置にスリット17が設けられている。
【0025】複数の光ファイバ11が固定された基材1
0は、筐体又は装置取付け部等に設けられる固定部19
に取り付けられる。基材10の取付けは、図3に示され
るように、光ファイバ11の光軸方向に見てスリット1
7が設けられている基材部分10a間に位置する、スリ
ット17が設けられていない基材中央部分10bを接着
剤21(たとえば、エポキシ系接着剤等)により固定部
19に接着固定することにより行われる。
【0026】このように、光学装置1にあっては、回折
格子部13が形成された複数の光ファイバ11が、夫々
の光ファイバ11に所定の張力が与えられた状態で1つ
の基材10に固定されるので、装置の小型化及び低コス
ト化を図ることができると共に、装置のハンドリング性
が向上する。
【0027】また、複数の光ファイバ11が固定される
基材10には、各光ファイバ11が固定される基材部分
10a間の位置にスリット17が設けられており、各光
ファイバ11が固定される基材部分10a間が一部分離
されることになるので、このスリット17が、各光ファ
イバ11が固定された基材部分10aにおいて光ファイ
バ11(回折格子部13)に与えられた所定の張力に起
因する微小変形が複数の光ファイバ11うちの異なる光
ファイバ11が固定された基材部分10aに伝わるのを
緩和する変形緩和部として機能する。このため、光ファ
イバ11(回折格子部13)に与えられた所定の張力に
起因して基材部分10aが微小変形した場合でも、この
微小変形が異なる基材部分10aに伝わるのが緩和され
ることになる。また、光学装置1が温度変化を受けた場
合にも、各基材部分10aが独立して温度伸縮を受け
る。この結果、各光ファイバ11に形成された回折格子
部13での中心波長がずれるのを抑えることができ、回
折格子部13の光学特性の変動を抑制することができ
る。
【0028】また、光学装置1にあっては、変形緩和部
として機能するスリット17を基材10に設けており、
上述した微小変形が伝わるのを緩和するための変形緩和
部を基材10に配設し得る構造を簡易且つ低コストで実
現することが可能となる。
【0029】また、光ファイバ11の光軸方向に見てス
リット17が設けられている基材部分10a間に位置す
る、スリット17が設けられていない基材中央部分10
bが接着剤21により固定部19に固定されているの
で、基材10を固定部19に固定した場合においても、
基材10(光ファイバ11が固定された基材部分10
a)の熱変位が回折格子部13に伝わる際に阻害される
ことがなくなる。この結果、各回折格子部13に対する
温度補償性能のばらつきを抑制した状態で基材10を固
定することができる。
【0030】(第2実施形態)次に、図4〜図6に基づ
いて、本発明の第2実施形態に係る光ファイバ回折格子
を有する光学装置を説明する。図4は、第2実施形態に
係る光ファイバ回折格子を有する光学装置を示す斜視図
であり、図5は、同じく光ファイバ回折格子を有する光
学装置を示す平面図であり、図6は、同じく光ファイバ
回折格子を有する光学装置を示す側面図である。
【0031】光学装置31は、温度補償用部材としての
1つの基材40を有している。この基材40は、熱膨張
係数の異なる二種類の材質からなる複合部材で構成され
ている。基材40は、複数(本実施形態においては、6
本)の光ファイバ11毎に設けられる複数(本実施形態
においては、6×2体)の第1基材41と、1体の第2
基材42とにより構成されており、第2基材42の両端
部に夫々の第1基材41が固定されている。夫々の第1
基材41は、石英ガラスより大きい熱膨張係数を有する
Alからなる。また、第2基材42は、正の熱膨張係数
を有する石英ガラスからなる。
【0032】夫々の第1基材41はほぼ直角に屈曲され
たアングル状に形成されており、第1基材41の一端が
第2基材42の端部に接着剤43(たとえば、紫外線硬
化型接着剤又は嫌気性接着剤等)により接着固定されて
いる。第1基材41の他端は、第1基材41が第2基材
42に固定された状態において、第2基材42に対して
ほぼ平行に、かつ、その先端が第2基材41の中央部方
向に向けられた状態とされている。第1基材41には光
ファイバ11が接着剤15(たとえば、エポキシ系接着
剤等)により固定される。第1基材41と第2基材42
との固定は、接着剤43による接着の他に、焼嵌め又は
圧入等の手法を用いるようにしてもよい。
【0033】基材40は、石英ガラスからなる第2基材
42よりもAlからなる第1基材41の熱膨張係数が大
きいために、温度上昇時に第2基材42の膨張量よりも
第1基材41の膨張量が大きくなる。この結果、基材4
0は接着剤15が塗布された二点間に関して負の熱膨張
係数を有することになる。
【0034】光ファイバ11は、第1実施形態と同様
に、回折格子部13の中心波長をモニターしながら回折
格子部13に所定の張力が与えられた状態で、回折格子
部13の両側において接着剤15により第1基材41に
固定される。光ファイバ11を固定する際には、基材4
0及び光ファイバ11の回折格子部13は所定の温度に
加熱している。このようにして光ファイバ11を取り付
けることにより、光ファイバ11の使用温度範囲におい
て、基材40(第1基材41)の熱変位が光ファイバ1
1に適切に伝えられることになり、回折格子部13での
温度変化に対する中心波長の安定性を保つことが可能と
なる。
【0035】第2基材42には、図5に示されるよう
に、光ファイバ11の光軸方向に直交する第2基材42
の平面方向に見て各第1基材41が固定される第2基材
部分42a間の位置にスリット17が設けられている。
【0036】複数の光ファイバ11が固定された基材4
0は、固定部19に取り付けられる。基材40の取付け
は、図6に示されるように、光ファイバ11の光軸方向
に見てスリット17が設けられている第2基材部分42
a間に位置する、スリット17が設けられていない第2
基材中央部分42bを接着剤21(たとえば、エポキシ
系接着剤等)により固定部19に接着固定することによ
り行われる。
【0037】このように、光学装置31にあっては、回
折格子部13が形成された複数の光ファイバ11が、夫
々の光ファイバ11に所定の張力が与えられた状態で1
つの基材40に固定されるので、装置の小型化及び低コ
スト化を図ることができると共に、装置のハンドリング
性が向上する。
【0038】また、複数の第1基材41が固定される第
2基材42には、各第1基材41が固定される第2基材
部分42a間の位置にスリット17が設けられており、
各第1基材41が固定される第2基材部分42a間が一
部分離されることになるので、このスリット17が、各
第1基材41が固定された第2基材部分42aにおいて
光ファイバ11(回折格子部13)に与えられた所定の
張力に起因する微小変形が各第1基材41を介して異な
る第1基材41が固定された第2基材部分42aに伝わ
るのを緩和する変形緩和部として機能する。このため、
光ファイバ11(回折格子部13)に与えられた所定の
張力に起因して第2基材部分42aが微小変形した場合
でも、この微小変形が異なる第2基材部分42aに伝わ
るのがより一層緩和されることになる。また、光学装置
31が温度変化を受けた場合にも、各第1基材41と第
2基材42とが一体となり、かつ異なる光ファイバ11
の各第1基材41と第2基材42からは独立して温度伸
縮を受ける。この結果、各光ファイバ11に形成された
回折格子部13での中心波長がずれるのを抑えることが
でき、回折格子部13の光学特性の変動を抑制すること
ができる。
【0039】また、光学装置31にあっては、変形緩和
部として機能するスリット17を第2基材42に設けて
おり、上述した微小変形が伝わるのを緩和するための変
形緩和部を基材10に配設し得る構造を簡易且つ低コス
トで実現することが可能となる。
【0040】また、光ファイバ11の光軸方向に見てス
リット17が設けられている第2基材部分42a間に位
置する、スリット17が設けられていない第2基材中央
部分42bが接着剤21により固定部19に固定されて
いるので、基材40を固定部19に固定した場合におい
ても、基材40(第1基材41及び第2基材)の熱変位
が回折格子部13に伝わる際に阻害されることがなくな
る。この結果、各回折格子部13に対する温度補償性能
のばらつきを抑制した状態で基材40を固定することが
できる。
【0041】本発明は、前述した実施形態に限定される
ものではなく、基材10,40に固定される光ファイバ
11の数、基材10,40の形状等も上述したものに限
られるものではない。また、基材10,40と固定部1
9との固定を螺子等により行うようにしてもよい。更
に、本発明は、波長分割多重伝送方式の光通信システム
における波長分割多重伝送フィルター以外の光機能部品
にも適用することができる。
【0042】また、第2実施形態においては、第2基材
42にスリット17を設けることなく、各光ファイバ1
1毎に対応する独立した第1基材41を第2基材42に
固定する構成としてもよい。このように構成した場合、
スリット17は設けられていないものの、第1基材41
が独立して設けられているので、光ファイバ11(回折
格子部13)に与えられた所定の張力に起因して第2基
材部分42aが微小変形した場合でも、この微小変形が
異なる第2基材部分42aに伝わるのが緩和されること
になる。また、上述した微小変形が伝わるのを緩和する
ための変形緩和部を基材10に配設し得る構造を簡易且
つ低コストで実現することが可能となる。
【0043】また、第2実施形態においては、基材40
を、第2基材42と、この第2基材42の両端に固定さ
れる第1基材41とで構成したものに本発明を適用して
いるが、基材40の構成はこれに限られることない。た
とえば、一方の第1基材41に相当する部分と第2基材
42に相当する部分とを同じ材料(たとえば石英ガラ
ス)にて一体に形成した基材部分に、異なる材料(たと
えばAl)からなる他方の第1基材41に相当する基材
部分を固定するようにした構成のものにも、本発明を適
用することができる。この場合、スリット17は、光フ
ァイバ11の光軸方向に直交する第2基材42の平面方
向に見て各第1基材41が固定される第2基材部分42
a間の位置と、同じく光ファイバ11の光軸方向に直交
する第2基材42の平面方向に見て各光ファイバ11が
固定される第2基材部分間の位置と、に設けられること
になる。
【0044】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、回折格子が形成された光ファイバを基材に複数
固定する場合において、回折格子での反射中心波長のず
れ等の光学特性を変化させることなく、また、温度補償
機能を損なうことなく、装置の小型化を図ることが可能
な光ファイバ回折格子を有する光学装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る光ファイバ回折格
子を有する光学装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る光ファイバ回折格
子を有する光学装置を示す平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る光ファイバ回折格
子を有する光学装置を示す側面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る光ファイバ回折格
子を有する光学装置を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る光ファイバ回折格
子を有する光学装置を示す平面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る光ファイバ回折格
子を有する光学装置を示す側面図である。
【符号の説明】
1,31…光学装置、10,40…基材、11…光ファ
イバ、13…回折格子部、15…接着剤、17…スリッ
ト、19…固定部、21…接着剤、41…第1基材、4
2…第2基材、43…接着剤。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光軸方向の所定長さにわたって回折格子
    が形成された複数の光ファイバと、 前記光ファイバの使用温度範囲で所定の熱膨張係数を有
    した1つの基材と、を備え、 前記各光ファイバは所定の張力が与えられた状態で前記
    基材に固定されており、 前記基材は、前記各光ファイバが固定された基材部分に
    おいて微小変形が前記複数の光ファイバうちの異なる光
    ファイバが固定された基材部分に伝わるのを緩和する変
    形緩和部を有していることを特徴とする光ファイバ回折
    格子を有する光学装置。
  2. 【請求項2】 前記変形緩和部として、前記基材には前
    記各光ファイバが固定される基材部分間の位置にスリッ
    トが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の
    光ファイバ回折格子を有する光学装置。
  3. 【請求項3】 前記光ファイバの光軸方向に見て前記ス
    リットが設けられ前記光ファイバが固定された両端部の
    略中間に位置する基材中央部分にて他の部材に固定され
    ることを特徴とする請求項2に記載の光ファイバ回折格
    子を有する光学装置。
  4. 【請求項4】 前記基材は、 所定の熱膨張係数を有し、前記回折格子が形成された光
    ファイバ部分の両側部のうちの少なくとも一方に位置し
    て前記各光ファイバ毎に独立して設けられ、対応する前
    記各光ファイバが固定される複数の第1基材と、 前記第1基材よりも小さい所定の熱膨張係数を有し、前
    記各第1基材が固定される1つの第2基材と、を含んで
    いることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ回折
    格子を有する光学装置。
  5. 【請求項5】 前記第2基材は、前記第1基材が固定さ
    れていない位置において、他の部材に固定されることを
    特徴とする請求項4に記載の光ファイバ回折格子を有す
    る光学装置。
  6. 【請求項6】 前記変形緩和部として、更に前記第2基
    材には、前記各第1基材が固定される第2基材部分間の
    位置及び又は前記各光ファイバが固定される第2基材部
    分間の位置にスリットが設けられていることを特徴とす
    る請求項4に記載の光ファイバ回折格子を有する光学装
    置。
  7. 【請求項7】 前記光ファイバの光軸方向に見て前記ス
    リットが設けられ前記各第1基材及び又は前記光ファイ
    バが固定された両端部の略中間に位置する第2基材中央
    部分にて他の部材に固定されることを特徴とする請求項
    6に記載の光ファイバ回折格子を有する光学装置。
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