JP2001348602A - 粉末焼結用材料としての組成物とその焼結製品の製造方法 - Google Patents

粉末焼結用材料としての組成物とその焼結製品の製造方法

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JP2001348602A JP2000171730A JP2000171730A JP2001348602A JP 2001348602 A JP2001348602 A JP 2001348602A JP 2000171730 A JP2000171730 A JP 2000171730A JP 2000171730 A JP2000171730 A JP 2000171730A JP 2001348602 A JP2001348602 A JP 2001348602A
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Yoshimitsu Sagawa
喜光 寒川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属粉末等の焼結製品を得るための成形、脱
脂、焼結等の工程において物理的欠陥を生ずることな
く、短時間で製造しようとする。 【解決手段】 無機粉末又は金属粉末、もしくはそれら
の混合物からなる焼結用粉末100重量部と、主鎖がポ
リプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体から選ばれる化合物か
らなり、側鎖がポリスチレン、ポリメチルメタクリレー
ト、又はポリブチルメタクリレートから選ばれる化合物
からなる10〜50vol%のグラフト重合ポリマー、
及び融点が40℃〜100℃であって120℃における
溶融粘度が1000mPa・S 以下である少なくとも1
種類の有機化合物であって合計量30〜70vol%の
ものを必須成分として含有する有機バインダ5〜25重
量部と、を配合したものからなる組成物を用いて粉末焼
結製品を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種セラミックス等の
無機粉末、又は金属粉末等の焼結可能な粉末とバインダ
とからなる粉末焼結用材料としての組成物、及びその組
成物を用いた焼結製品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、焼結可能な粉末を用いて複
雑形状の製品を得るためには射出成形法が利用され、こ
の射出成形法の実施においては粉末に流動性を持たせる
ため種々の有機化合物、特に熱可塑性樹脂が添加されて
加熱混練される。かくして混練後物質を成形用原料とし
て射出成形し、その成形体を脱脂・焼結することにより
焼結体製品を得ることができる。
【0003】例えば、金属粉末を用いた射出成形用組成
物では、従来、高分子量の有機化合物としてポリエチレ
ン、ポリプロピレン、メタクリル酸エステル共重合体、
及びエチレン−酢酸ビニル共重合体を用い、低分子量化
合物としてパラフィンワックス、カルナバワックス等を
用いてバインダを構成していたもの(特開昭59−22
93403号)、ポリスチレン、ポリブチルメタクリレ
ート及びエチレン−酢酸ビニル共重合体を必須成分とし
てバインダを構成していたもの(特公平7−68567
号)などがある。
【0004】しかしながら、これらの有機化合物をバイ
ンダとして用いた場合、昇温速度が速いとバインダが溶
融及び熱分解する際に、成形体の膨れ、割れ及び変形が
発生しやすく、しかも完全に有機バインダを除去するた
めには高温で長時間の加熱を必要とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記のよ
うな成形体の脱脂・焼結において生ずる物理的欠陥をな
くし、その熱処理時間を短縮すべく鋭意検討した結果、
次のような成形用組成物及びそれを用いた焼結体の製造
方法の発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、A.無機粉末
又は金属粉末、もしくはそれらの混合物からなる焼結用
粉末100重量部と、B.主鎖がポリプロピレン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体から選ばれる化合物からなり、側鎖がポリ
スチレン、ポリメチルメタクリレート、又はポリブチル
メタクリレートから選ばれる化合物からなる10〜50
vol%のグラフト重合ポリマー(b1)、及び融点が
40℃〜100℃であって120℃における溶融粘度が
1000mPa・S 以下である少なくとも1種類の有機
化合物であって合計量30〜70vol%のもの(b
2)を必須成分として含有する有機バインダ5〜25重
量部と、を配合したものからなることを特徴とする粉末
焼結用材料としての組成物、を構成したものである。
【0007】上記の組成物は成形され、その成形体は熱
処理炉に入れて脱脂・焼結されることにより焼結製品と
なる。組成物中、Aの焼結用粉末とBの有機バインダと
の配合比について、焼結用粉末100重量部に対するバ
インダ量が最少値の5重量部より少ないと、成形時に必
要な組成物としての流動性は著しく低下し、成形困難と
なる。またバインダ量が最多値の25重量部を越えると
成形時にひびと内部気泡が生じやすく、また脱脂時のバ
インダ分解によって生ずるガスが割れ、膨れ等の原因と
なることが、脱脂後に観察される。
【0008】上記Bの有機バインダ中において、10〜
50vol%を占めるグラフト重合ポリマー(又は「グ
ラフトコポリマー」)は、成形体の強度を高めるととも
に、脱脂の際の変形を防止し且つ脱脂後の焼結工程にお
いて残留することがないために欠かすことができない要
素である。従って、グラフト重合ポリマーが10vol
%未満のときは、成形体の強度が小さく、また脱脂時の
変形が大きくなる。逆に50vol%を越えると成形時
の温度が高くなり、成形欠陥が生じやすくなるととも
に、脱脂時における急激な熱分解により、割れ及び膨れ
が生じることになる。
【0009】グラフト重合ポリマーの主鎖成分はポリオ
レフィンからなるポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体もしくはエチレン−エチルアクリレート共重
合体より構成されているため、ワックス類との相溶性に
富むものであり、本発明において、グラフト重合ポリマ
ーの主鎖と側鎖の最良の割合は、主鎖化合物50〜90
vol%、側鎖化合物10〜50vol%とされる。
【0010】すなわち、グラフト重合ポリマーの主鎖成
分が50vol%未満で側鎖成分が50vol%以上の
場合、ワックス類との相溶性がなくなり、成形体が脆く
なる。逆に主鎖成分が90vol%を越え、側鎖成分が
10vol%未満になると相溶したワックス類が加熱昇
温過程で揮発し難くなり、成形品に膨れや割れを生じや
すい。
【0011】本発明において、有機バインダ中30〜7
0vol%を占める有機化合物であり、融点が40℃〜
100℃で、120℃における溶融粘度が1000mP
a・S以下である少なくとも1種類の有機化合物として
は、パラフィンワックス、カルナバワックス、ウレタン
化ワックス、硬化ひまし油、脂肪酸エステル、フタル酸
エステルのいずれか1種類以上が採用される。この有機
化合物の特性条件のうち、融点については、それが40
℃未満であると成形時にこれらの化合物が分離して成形
体に不具合をもたらし、100℃を上回ると成形温度が
上昇し且つ冷却固化が速くなるため成形体に気泡等の欠
陥が生じやすい。また120℃における溶融粘度が10
00mPa・S を上回ると、脱脂時にこれらの有機化合
物が容易に分解できず、脱脂途中での膨れや割れが生じ
やすくなる。
【0012】更に、これら有機化合物のバインダ中占有
率については、それが30vol%を下回ると成形時の
溶融粘度が上昇し成形体にウエルドやクラックが生じや
すく、70vol%を上回ると脱脂時に変形しやすくな
る。
【0013】本発明の有機バインダの成分は、以上の通
り好ましく設定されたものであるが、各成分量の範囲を
守った上で成形体の強度や成形時の流動性を高めるた
め、所望に応じてアモルファスポリオレフィン、ポリビ
ニルブチラール、ポリブチルメタクリレート等の熱可塑
性樹脂を加えることができる。
【0014】本発明の焼結用粉末としては、金属ではス
テンレス、鉄系材料、チタン、銅、ニッケル等の粉末を
用い、無機材料では酸化物セラミックス、窒化物セラミ
ックスもしくは炭化物セラミックスを用いることができ
る。これらの粉末の平均粒径は0.1〜30μmである
ことが望ましい。粉末の平均粒径が0.1μm以下にな
ると成形に必要なバインダ量が多くなるため、脱脂時に
変形及び割れ、膨れ等の欠陥が生じやすい。また粉末の
平均粒径が30μm以上になると、成形時に粉末とバイ
ンダが分離しやすく、しかも焼結後の密度が低くなり、
焼結体の強度も低下する。
【0015】次に、上記組成物を用いた本発明の焼結体
製造方法について述べる。まず、加圧ニーダーにおい
て、焼結可能な粉末に有機バインダを添加したものを均
一に分散するまで加熱混練を行い、その混練物を粉砕す
るか又は押出機により数ミリ径の棒状又はペレット状と
して成形材料を得る。成形材料はインラインスクリュー
タイプもしくはプランジャタイプの射出成形機又は押出
成形機を用いて、目的形状の成形体に仕上げる。この成
形体は処理炉において脱脂・焼結され、最終目的物とし
ての粉末焼結製品が得られる。なお、脱脂及び焼結は一
体の処理炉で行えるが、各専用の炉で順次個別に行って
も、あるいはコンベアを用いる連続炉で行ってもよい。
【0016】処理炉内では、常温を過ぎて50℃〜40
0℃に昇温されるときの昇温速度が5℃/hr以下であ
ると、その間に70時間以上を要して脱脂までの時間が
長くなり、最終的に製品が完成するまでに極めて長時間
を要することになる。また、昇温速度が100℃/hr
以上の場合には、脱脂時における急激な温度上昇により
割れ、膨れ等の欠陥が生じやすい。従って、昇温速度は
15〜50℃/hr程度の範囲内にあることが望まし
い。
【0017】また炉内圧力は、炉内温度が50℃〜25
0℃の間には、減圧状態とすることにより、添加された
パラフィンワックス等、低融点の有機化合物の滲み出
し、気化及び蒸発が促進され、それ以後の、より高い温
度において脱脂処理される有機バインダ成分がスムーズ
に分解できるため、厚肉の成形体においても脱脂時の割
れ、膨れ等の欠陥が生じない。減圧は、好ましくは0.
1torr〜500torrとすべきであり、0.1t
orrより低い場合、特に0.01torr以下ではワ
ックスの分解が急激に促進されるため、成形体の厚みが
大きいものであれば割れ、膨れ等の欠陥を生じることに
なる。また、圧力が500torrを越えると大気圧に
近くなり、前述したパラフィンワックス等の滲出、気化
及び蒸発が促進されず、それ以後の有機バインダ成分も
スムーズに分解しないため、成形体脱脂時の割れ、膨れ
等が生じることになる。
【0018】以上のような本発明の枠内における射出成
形用組成物とその処理方法により、従来は粉末成形・焼
結体を製造する上で問題となってきた長時間の脱脂工程
を短縮するとともに、脱脂時の変形、割れ、膨れ等の欠
陥をなくし、脱脂・焼結後の物理的且つ外見的欠陥がな
く寸法精度の優れた焼結体を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例及び比較例
について説明する。
【0020】
【実施例】実施例1 原材料には次のものを用いた。 SUS316L粉末(焼結用粉末) 100重量部 全バインダ量 5.8重量部
【0021】バインダ組成は次の通りである。 グラフト重合ポリマー 20.0vol% (主鎖:ポリプロプレン70wt%、側鎖ポリスチレン30wt%) グラフトコポリマー 20.0vol% (主鎖:エチレン酢酸ビニル共重合体70wt%、側鎖:ポリスチレン30wt %) パラフィンワックス(融点63℃) 50.0vol% ポリブチルメタクリレート 10.0vol%
【0022】160℃に加熱した加圧ニーダー内に、ま
ず、グラフト重合ポリマーとして主鎖がポリプロピレン
からなり、側鎖がポリスチレンからなる樹脂と、主鎖が
エチレン酢酸ビニル共重合体からなり、側鎖がポリスチ
レンからなる樹脂を投入し、溶融させた後、SUS31
6L粉末(平均粒径:10μm)、パラフィンワックス
(融点63℃)、ポリブチルメタクリレートを投入し、
40分間混練して取り出した後、その混練物を粉砕し、
成形用組成物を得た。次に、成形温度150℃の条件で
厚さ4mm、幅10mm、長さ60mmの直方体状の成
形体を得た。
【0023】実施例2 原材料には次のものを用いた。 SUS316L粉末(焼結用粉末) 100重量部 全バインダ量 5.8重量部
【0024】バインダ組成は次の通りである。 グラフト重合ポリマー 20.0vol% (主鎖:ポリプロプレン70wt%、側鎖ポリスチレン30wt%) グラフトコポリマー 20.0vol% (主鎖:エチレン酢酸ビニル共重合体70wt%、側鎖:ポリメチルメタクリレ ート30wt%) パラフィンワックス(融点63℃) 50.0vol% ポリブチルメタクリレート 10.0vol%
【0025】160℃に加熱した加圧ニーダー内に、ま
ず、グラフト重合ポリマーとして主鎖がポリプロピレン
からなり、側鎖がポリスチレンからなる樹脂と、主鎖が
エチレン酢酸ビニル共重合体からなり、側鎖がポリメチ
ルメタクリレートからなる樹脂を投入し、溶融させた
後、SUS316L粉末(平均粒径:10μm)、パラ
フィンワックス(融点63℃)、ポリブチルメタクリレ
ートを投入し、40分間混練して取り出した後、その混
練物を粉砕し、成形用組成物を得た。次に、成形温度1
50℃の条件で厚さ4mm、幅10mm、長さ60mm
の直方体状の成形体を得た。
【0026】実施例3 原材料には次のものを用いた。 ジルコニア粉末(焼結用粉末) 100重量部 全バインダ量 5.8重量部
【0027】バインダ組成は次の通りである。 グラフ重合コポリマー 20.0vol% (主鎖:ポリプロプレン70wt%、側鎖ポリスチレン30wt%) グラフト重合ポリマー 20.0vol% (主鎖:エチレン酢酸ビニル共重合体70wt%、側鎖:ポリスチレン30wt %) パラフィンワックス(融点63℃) 40.0vol% ポリブチルメタクリレート 10.0vol% ステアリン酸 5.0vol% ジブチルフタレート 5.0vol%
【0028】160℃に加熱した加圧ニーダー内に、ま
ず、グラフト重合ポリマーとして主鎖がポリプロピレン
からなり、側鎖がポリスチレンからなる樹脂と、主鎖が
エチレン酢酸ビニル共重合体からなり、側鎖がポリスチ
レンからなる樹脂を投入し、溶融させた後、ジルコニア
粉末(酸化イットリウム5.4%添加、平均粒径:0.
5μm)、パラフィンワックス(融点46℃)、ポリブ
チルメタクリレート、ステアリン酸、ジブチルフタレー
トを投入し、40分間混練して取り出した後、その混練
物を粉砕し、成形用組成物を得た。次に、成形温度15
0℃の条件で厚さ4mm、幅10mm、長さ60mmの
直方体状の成形体を得た。
【0029】比較例1 原材料には次のものを用いた。 SUS316L粉末(焼結用粉末) 100重量部 全バインダ量 5.8重量部
【0030】バインダ組成は次の通りである。 エチレン酢酸ビニル共重合体 20.0vol% ポリスチレン 15.0vol% ポリブチルメタクリレート 15.0vol% パラフィンワックス(融点46℃) 50.0vol%
【0031】160℃に加熱した加圧ニーダー内に、ま
ず、熱可塑性樹脂であるエチレン酢酸ビニル共重合体、
ポリスチレンおよびポリブチルメタクリレートを投入
し、溶融させた後、SUS316L粉末(平均粒径:1
0μm)、パラフィンワックス(融点46℃)を40分
間混練して取り出した後、その混練物を粉砕し、成形用
組成物を得た。次に、成形温度140℃の条件で厚さ4
mm、幅10mm、長さ60mmの直方体状の成形体を
得た。
【0032】比較例2 原材料には次のものを用いた。 ジルコニア粉末(焼結用粉末) 100重量部 全バインダ量 20重量部
【0033】バインダ組成は次の通りである。 エチレン酢酸ビニル共重合体 20.0vol% ポリスチレン 15.0vol% ポリブチルメタクリレート 15.0vol% パラフィンワックス(融点46℃) 50.0vol%
【0034】160℃に加熱した加圧ニーダー内に、ま
ず、熱可塑性樹脂であるエチレン酢酸ビニル共重合体、
ポリスチレンおよびポリブチルメタクリレートを投入
し、溶融させた後、ジルコニア粉末(酸化イットリウム
5.4%添加、平均粒径:10μm)、パラフィンワッ
クス(融点46℃)を40分間混練して取り出した後、
その混練物を粉砕し、成形用組成物を得た。次に、成形
温度140℃の条件で厚さ4mm、幅10mm、長さ6
0mmの直方体状の成形体を得た。
【0035】実施例1、2および比較例1より得られた
射出成形体を炉内に設置し、50℃から260℃までを
昇温速度30℃/hr 、窒素雰囲気下5torrの圧
力で加熱し、260℃から400℃までを昇温速度50
℃/hrで脱脂を行った。脱脂後の成形体の欠陥の有無
を確認した。その結果は表1に示す通りである。
【0036】
【表1】
【0037】比較例1では良好な成形体が得られなかっ
たため更なる熱処理(焼結)は行わず、実施例1及び2
による成形体のみの焼結を行った。結果は表2に示す通
り良好であった。
【0038】
【表2】
【0039】実施例3および比較例2より得られた射出
成形体を炉内に設置し、50℃から400℃までを昇温
速度20℃/hr、空気、大気中の条件下で加熱し脱脂
を行った。脱脂後の成形体の欠陥の有無を確認した。そ
の結果は表3に示す通りである。
【0040】
【表3】
【0041】比較例1では良好な成形体が得られなかっ
たため更なる熱処理(焼結)は行わず、実施例1〜3に
よる成形体のみの焼結を行った。結果は表4に示す通り
良好であった。
【0042】
【表4】
【0043】次に、主鎖がポリプロピレンからなり、側
鎖がポリスチレンからなるグラフト重合ポリマーと、グ
ラフト重合を行っていないポリプロピレンおよびポリス
チレンを用いて検討を行った。
【0044】実施例4 原材料には次のものを用いた。 SUS304L粉末(焼結用粉末) 100重量部 全バインダ量 6.0重量部
【0045】バインダ組成は次の通りである。 グラフト重合ポリマー 20.0vol% (主鎖:ポリプロプレン70wt%、側鎖ポリスチレン30wt%) グラフトコポリマー 20.0vol% (主鎖:エチレン酢酸ビニル共重合体70wt%、側鎖:ポリスチレン30wt %) パラフィンワックス(融点63℃) 40.0vol% カルナバワックス 10.0vol% ポリブチルメタクリレート 10.0vol%
【0046】160℃に加熱した加圧ニーダー内に、ま
ず、グラフト重合ポリマーとして主鎖がポリプロピレン
からなり、側鎖がポリスチレンからなる樹脂と、主鎖が
エチレン酢酸ビニル共重合体からなり、側鎖がポリスチ
レンからなる樹脂を投入し、溶融させた後、SUS30
4L粉末(平均粒径:10μm)、パラフィンワックス
(融点63℃)、ポリブチルメタクリレートを投入し、
40分間混練して取り出した後、その混練物を粉砕し、
成形用組成物を得た。
【0047】比較例3 原材料には次のものを用いた。 SUS316L粉末(焼結用粉末) 100重量部 全バインダ量 6.0重量部
【0048】バインダ組成は次の通りである。 ポリスチレン 20.0vol% ポリプロピレン 20.0vol% パラフィンワックス(融点63℃) 40.0vol% カルナバワックス 10.0vol% ポリブチルメタクリレート 10.0vol%
【0049】160℃に加熱した加圧ニーダー内に、ま
ず、ポリプロピレンとポリスチレンからなる樹脂を投入
し、溶融させた後、SUS316L粉末(平均粒径:1
0μm)、パラフィンワックス(融点63℃)、カルナ
バワックス、ポリブチルメタクリレートを投入し、40
分間混練して取り出した後、その混練物を粉砕し、成形
用組成物を得た。
【0050】実施例4および比較例3からなる成形体組
成物を用いて、図1に示すように直方体の長さ方向の半
部に二段差を設け、角部が多く先端の薄い成形体を射出
成形により作成した。結果は表5に示す通り通りであ
り、本発明に基づく実施例4の優秀性を示している。
【0051】
【表5】
【0052】
【発明の効果】以上のことから明らかな通り、本発明
は、素成形体に割れ、膨れ等の欠陥を生じることなく、
且つ脱脂後においても割れ、膨れ等の欠陥を生じること
のない健全な脱脂成形体を得ることができ、結果とし
て、欠陥のない良好な焼結体を短時間で製造する技術を
提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例において組成物を射出成形して得られ
た成形体の側面(A)及び裏面(B)を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A.無機粉末又は金属粉末、もしくはそ
    れらの混合物からなる焼結用粉末100重量部と、 B.主鎖がポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重
    合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体から選ば
    れる化合物からなり、側鎖がポリスチレン、ポリメチル
    メタクリレート、又はポリブチルメタクリレートから選
    ばれる化合物からなる10〜50vol%のグラフト重
    合ポリマー(b1)、及び融点が40℃〜100℃であ
    って120℃における溶融粘度が1000mPa・S 以
    下である少なくとも1種類の有機化合物であって合計量
    30〜70vol%のもの(b2)を必須成分として含
    有する有機バインダ5〜25重量部と、を配合したもの
    からなることを特徴とする粉末焼結用材料としての組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記グラフト重合ポリマーの主鎖と側鎖
    の割合を、主鎖化合物50〜90vol%、側鎖化合物
    10〜50vol%としたことを特徴とする請求項1記
    載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記融点が40℃〜100℃であって1
    20℃における溶融粘度が1000mPa・S 以下であ
    る有機化合物が、パラフィンワックス、カルナバワック
    ス、ウレタン化ワックス、硬化ひまし油、脂肪酸エステ
    ル、フタル酸エステルのうち少なくとも1種類のものか
    らなることを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載した
    組成物を用いて射出成形もしくは押出成形を行い、得ら
    れた成形体を熱処理炉に入れて脱脂及び焼結を行うこと
    により焼結品を得ることを特徴とする粉末焼結製品の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103846429A (zh) * 2012-12-05 2014-06-11 上海持吉五金制品有限公司 添香金属制品加工工艺

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