JP2001348332A - 可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質分泌促進剤 - Google Patents

可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質分泌促進剤

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JP2001348332A
JP2001348332A JP2001108395A JP2001108395A JP2001348332A JP 2001348332 A JP2001348332 A JP 2001348332A JP 2001108395 A JP2001108395 A JP 2001108395A JP 2001108395 A JP2001108395 A JP 2001108395A JP 2001348332 A JP2001348332 A JP 2001348332A
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Mitsuru Kakihana
満 垣花
Kaneyoshi Katou
金芳 加藤
Masaaki Mori
森  正明
Toshiro Yamashita
敏郎 山下
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強力な可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質
分泌促進作用を有し、神経栄養因子様作用を有する分泌
された可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質を介して、
細胞の、特に神経細胞の機能障害やアポトーシスを抑制
する医薬組成物等を提供する。 【解決手段】 可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質分
泌促進作用およびアポトーシス阻害作用を有する化合物
もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有する医薬
組成物、および、式(I) 【化1】 [式中、R1およびR2は、水素原子、低級アルキル基
等、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環、Xは
酸素原子等、YはCHまたはNを示す。]で表される化
合物若しくはその塩またはそのプロドラッグ、その使
用、及びその製造方法等。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、特にアルツ
ハイマー病、パーキンソン病、ダウン症、筋萎縮性側索
硬化症、プリオン病(クロイツフェルト-ヤコブ病)、
ハンチントン舞踏病、ニューロパチー(好ましくは、糖
尿病性ニューロパチー等)等の神経変性疾患さらに脳血
管障害時の神経細胞障害の治療に有効な、可溶性ベータ
・アミロイド前駆蛋白質分泌促進剤、および可溶性ベー
タ・アミロイド前駆蛋白質分泌促進作用およびアポトー
シス阻害作用の両作用を有する医薬組成物等に関する。
【0002】
【従来の技術】神経変性疾患であるアルツハイマー病や
パーキンソン病などにおける神経細胞死を抑制し、病気
の進行を食い止める薬剤は開発されていない。アルツハ
イマー病は、神経細胞変性・脱落と共に、老人斑の形成
および神経原線維変化を特徴とする疾患である。本疾患
の最も特徴的な脳病理像である老人斑はベータ・アミロ
イド前駆蛋白質(βamyloid precursor protein、以下
βAPPと略すこともある)の代謝産物であるベータ・ア
ミロイド蛋白(以下Aβと略すこともある)が細胞外に
沈着した物である(Biochem. Biophys. Res. Commun.
122, 1131 (1984); Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 82,
4245 (1985); J. Neurochem. 46, 1820 (1986); Neuron
6, 487 (1991))。アミノ酸40あるいは42個からなるA
βは、神経細胞に対して毒性を示すこと(Science 250,
279 (1990); Brain Res. 563, 311 (1991); J. Neurosc
i. 12, 376 (1992))、神経原線維変化を惹起する(Proc.
Natl. Acad. Sci. USA. 90, 7789-7793 (1993))ことが
知られている。βAPPはAβへ代謝されるだけではなく、
Aβが生成されない様にも代謝され、代謝産物である可
溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質(soluble APP、sAPP
と略する時もある)は細胞外へ分泌される(Science 24
8, 492 (1990);Science 248, 1122(1990))。このsAPPが
神経栄養因子作用、すなわち神経線維の伸長を促進した
り、神経細胞死を抑制することが、初代培養神経細胞あ
るいは神経芽細胞腫PC12細胞などを用いて数多く報告さ
れている(Neuron 9, 129 (1992); Neuron 10, 243(199
3); Physiol. Rev. 77, 1081 (1997))。アルツハイマー
病患者の脳脊髄液中のsAPP量が低下していることも報告
されている(Lancet 340, 453 (1992); Ann. Neurol. 3
2, 215 (1992); Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89, 2551
(1992); Alzheimer Disease and Associated Disorder
s 11, 201 (1997))ことから、アルツハイマー病ではβ
APPの代謝がsAPPではなくAβの産生へ傾いていること、
すなわち細胞毒であるAβの増加と細胞外への蓄積、神
経栄養因子であるsAPPの低下が病気の発症に極めて重要
な働きをしていることが推察される。従って、神経系組
織においてsAPP産生・分泌量を増大させる化合物は、sA
PPの神経栄養因子作用を介して、種々の原因による神経
細胞の損傷を軽減したり神経細胞死を抑制することか
ら、種々の神経変性疾患の予防治療薬として期待されて
いると同時に、神経毒のAβの産生を抑制することも可
能であり、特に、アルツハイマー病の予防治療薬として
期待されている(J. Biol. Chem. 268, 22959 (1993); A
nn. New York Acad. Sci.777, 175 (1997))。実際に、
蛋白リン酸化酵素C(protein kinase C, PKCと略する
こともある)の活性化剤、ホルボ−ルエステルは強力な
sAPP 分泌促進作用のみならずAβの産生・分泌を抑制す
ることが知られている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA.
87, 6003 (1990); Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 90, 9
195 (1993); J. Neurochem. 61, 2326 (1993); J. Bio
l. Chem. 269, 8376 (1994))。そこで、各種細胞や脳
組織切片を用いて、sAPPを増加させる方策が試みられて
いる。例えば、上記ホルボールエステル以外にも、M1
ムスカリニックリセプタ-アゴニスト (Science 258, 30
4 (1992); Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 89, 10075 (1
992); J. Neurosci. 15, 7442 (1995))、グルタミン酸
アゴニスト(Proc.Natl. Acad. Sci. USA. 92, 8083 (19
95)、さらにセロトニンアゴニスト(J. Biol. Chem. 23,
4188 (1996)などによるsAPP分泌促進作用が報告されて
おり、各アゴニストが各々のレセプタ−を介してPKCや
チロシンリン酸化酵素(tyrosine kinase)あるいはリン
脂質分解酵素A2(phospholipase A2)を活性化することに
よると考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような観点から、
上記化合物に代わりうるsAPP分泌促進剤を発掘すること
が期待されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行い、テトラヒドロ−4−キノリナミン誘導体が強力
なsAPP分泌促進作用および神経細胞死抑制作用を有する
ことを見出した。さらに、式(I)
【化27】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
水素原子または置換基を有していてもよい低級アルキル
基を示すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子と
ともに4ないし7員環を形成し、Ar1およびAr2はそ
れぞれ置換基を有していてもよい芳香族基を示し、A環
は置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、Xは酸
素原子、CR34またはNR5(R3、R4、R5はそれぞ
れ同一または異なって、水素原子または置換基を有して
いてもよい低級アルキル基を示す。)を示し、YはCH
またはNを示す。]で表される化合物若しくはその塩ま
たはそのプロドラッグが、予想外にも可溶性ベータ・ア
ミロイド前駆蛋白質分泌促進作用を有することを見出
し、これら化合物等が優れたアポトーシス阻害作用、神
経機能障害改善作用を有することを見出した。即ち、可
溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質分泌促進作用とアポ
トーシス阻害作用を併せ持つ医薬組成物の存在を見いだ
した。さらに、本発明者らは該化合物等がこれらの作用
により、アルツハイマー病、パーキンソン病、プリオン
病またはニューロパチー(好ましくは、糖尿病性ニュー
ロパチー等)等の神経変性疾患、脳血管性痴呆、脳血管
障害時の神経細胞障害の予防・治療剤として有用である
ことをも見出し、これらの知見に基づき本発明を完成し
た。
【0005】即ち本発明は、(1)可溶性ベータ・アミ
ロイド前駆蛋白質分泌促進作用およびアポトーシス阻害
作用を有する化合物もしくはその塩またはそのプロドラ
ッグを含有する医薬組成物、(2)式(a)
【化28】 [式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を
示し、YはCHまたはNを示す。]で表される部分構
造、 式(b)
【化29】 、[式中、Ar2は置換基を有していてもよい芳香族基
を示す。]で表される部分構造、または 式(c)
【化30】 [式中、Ar1は置換基を有していてもよい芳香族基を
示し、Xは酸素原子、CR34またはNR5(R3
4、R5はそれぞれ同一または異なって、水素原子また
は置換基を有していてもよい低級アルキル基を示す。)
を示し、Yは上記と同意義を示す。]で表される部分構
造を有する化合物もしくはその塩またはそのプロドラッ
グを含有する上記(1)記載の医薬組成物、(3)式
(I)
【化31】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
水素原子または置換基を有していてもよい低級アルキル
基を示すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子と
ともに4ないし7員環を形成し、Ar1およびAr2はそ
れぞれ置換基を有していてもよい芳香族基を示し、A環
は置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、Xは酸
素原子、CR34またはNR5(R3、R4、R5はそれぞ
れ同一または異なって、水素原子または置換基を有して
いてもよい低級アルキル基を示す。)を示し、YはCH
またはNを示す。]で表される化合物もしくはその塩ま
たはそのプロドラッグを含有する可溶性ベータ・アミロ
イド前駆蛋白質分泌促進剤、(4)R1が水素原子であ
る上記(3)記載の剤、(5)R2が水素原子または置
換基を有していてもよい低級アルキル基である上記
(3)記載の剤、(6)R2が水素原子またはC1-6アル
キル基である上記(3)記載の剤、(7)Ar1が置換
基を有していてもよいフェニル基または置換基を有して
いてもよいキノリル基である上記(3)記載の剤、
(8)Ar1が置換基を有していてもよいフェニル基で
ある上記(3)記載の剤、(9)Ar1がハロゲン原
子、C1-3アルキレンジオキシ基、ハロゲン化されてい
てもよいC1-6アルキル基またはハロゲン化されていて
もよいC1-6アルコキシ基で置換されていてもよいフェ
ニル基である上記(3)記載の剤、(10)Ar2が置
換基を有していてもよい単環式芳香族基である上記
(3)記載の剤、(11)Ar2がそれぞれ置換基を有
していてもよいフェニル基、フリル基、チエニル基また
はピリジル基である上記(3)記載の剤、(12)Ar
2がハロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ基、ハロゲ
ン化されていてもよいC1-6アルキル基またはハロゲン
化されていてもよいC1-6アルコキシ基でそれぞれ置換
されていてもよいフェニル基、フリル基、チエニル基ま
たはピリジル基である上記(3)記載の剤、(13)A
環が無置換のベンゼン環である上記(3)記載の剤、
(14)XがNR5(R5は上記(3)と同意義を示
す。)で、YがCHである上記(3)記載の剤、(1
5)R1が水素原子であり、R2がメチル基であり、Ar
1が置換基を有していてもよいフェニル基であり、Ar2
が3,4−ジメトキシフェニル基であり、A環が無置換の
ベンゼン環であり、XがNR5(R5は上記(3)と同意
義を示す。)、YがCHである上記(3)記載の剤、
(16)式(I)
【化32】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
水素原子または置換基を有していてもよい低級アルキル
基を示すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子と
ともに4ないし7員環を形成し、Ar1およびAr2はそ
れぞれ置換基を有していてもよい芳香族基を示し、A環
は置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、Xは酸
素原子、CR34またはNR5(R3、R4、R5はそれぞ
れ同一または異なって、水素原子または置換基を有して
いてもよい低級アルキル基を示す。)を示し、YはCH
またはNを示す。]で表される化合物もしくはその塩ま
たはそのプロドラッグを含有するアポトーシス阻害剤、
(17)神経機能障害改善剤である上記(3)または上
記(16)記載の剤、(18)神経変性疾患予防・治療
剤である上記(3)または上記(16)記載の剤、(1
9)神経変性疾患がアルツハイマー病、パーキンソン
病、プリオン病またはニューロパチーである上記(1
8)記載の剤、
【0006】(20)神経機能障害改善作用を有する医
薬を製造するための、可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋
白質分泌促進作用およびアポトーシス阻害作用を有する
化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグの使用、
(21)神経変性疾患の予防・治療剤を製造するため
の、可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質分泌促進作用
およびアポトーシス阻害作用を有する化合物もしくはそ
の塩またはそのプロドラッグの使用、(22)アルツハ
イマー病、パーキンソン病、プリオン病またはニューロ
パチーの予防・治療作用を有する医薬を製造するための
可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質分泌促進作用およ
びアポトーシス阻害作用を有する化合物もしくはその塩
またはそのプロドラッグの使用、(23)可溶性ベータ
・アミロイド前駆蛋白質分泌促進作用およびアポトーシ
ス阻害作用を有する医薬を製造するための、式(a)
【化33】 [式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を
示し、YはCHまたはNを示す。]で表される部分構
造、 式(b)
【化34】 、[式中、Ar2は置換基を有していてもよい芳香族基
を示す。]で表される部分構造、または 式(c)
【化35】 [式中、Ar1は置換基を有していてもよい芳香族基を
示し、Xは酸素原子、CR34またはNR5(R3
4、R5はそれぞれ同一または異なって、水素原子また
は置換基を有していてもよい低級アルキル基を示す。)
を示し、Yは上記と同意義を示す。]で表される部分構
造を有する化合物もしくはその塩またはそのプロドラッ
グの使用、(24)可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白
質分泌促進作用および/またはアポトーシス阻害作用を
有する医薬を製造するための、式(I)
【化36】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
水素原子または置換基を有していてもよい低級アルキル
基を示すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子と
ともに4ないし7員環を形成し、Ar1およびAr2はそ
れぞれ置換基を有していてもよい芳香族基を示し、A環
は置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、Xは酸
素原子、CR34またはNR5(R3、R4、R5はそれぞ
れ同一または異なって、水素原子または置換基を有して
いてもよい低級アルキル基を示す。)を示し、YはCH
またはNを示す。]で表される化合物もしくはその塩ま
たはそのプロドラッグの使用、(25)可溶性ベータ・
アミロイド前駆蛋白質分泌促進作用およびアポトーシス
阻害作用を有する化合物もしくはその塩またはそのプロ
ドラッグを哺乳動物に投与することを特徴とする神経機
能障害改善方法、(26)可溶性ベータ・アミロイド前
駆蛋白質分泌促進作用およびアポトーシス阻害作用を有
する化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを哺
乳動物に投与することを特徴とする神経変性疾患の予防
・治療方法、(27)神経変性疾患がアルツハイマー
病、パーキンソン病、プリオン病またはニューロパチー
である上記(26)記載の予防・治療方法、(28) 式(a)
【化37】 [式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を
示し、YはCHまたはNを示す。]で表される部分構
造、 式(b)
【化38】 、[式中、Ar2は置換基を有していてもよい芳香族基
を示す。]で表される部分構造、または 式(c)
【化39】 [式中、Ar1は置換基を有していてもよい芳香族基を
示し、Xは酸素原子、CR34またはNR5(R3
4、R5はそれぞれ同一または異なって、水素原子また
は置換基を有していてもよい低級アルキル基を示す。)
を示し、Yは上記と同意義を示す。]で表される部分構
造を有する化合物もしくはその塩またはそのプロドラッ
グを哺乳動物に投与することを特徴とする可溶性ベータ
・アミロイド前駆蛋白質分泌促進および/またはアポト
ーシス阻害方法、(29)式(I)
【化40】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
水素原子または置換基を有していてもよい低級アルキル
基を示すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子と
ともに4ないし7員環を形成し、Ar1およびAr2はそ
れぞれ置換基を有していてもよい芳香族基を示し、A環
は置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、Xは酸
素原子、CR34またはNR5(R3、R4、R5はそれぞ
れ同一または異なって、水素原子または置換基を有して
いてもよい低級アルキル基を示す。)を示し、YはCH
またはNを示す。]で表される化合物もしくはその塩ま
たはそのプロドラッグを哺乳動物に投与することを特徴
とする可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質分泌促進お
よび/またはアポトーシス阻害方法、(30)式(I
I)
【化41】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
水素原子または置換基を有していてもよい低級アルキル
基を示すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子と
ともに4ないし7員環を形成し、Ar1およびAr2はそ
れぞれ置換基を有していてもよい芳香族基を示し、A環
は置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。]で表
される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグ、
(31)R1が水素原子であり、R2がメチル基であり、
Ar1が置換基を有していてもよいフェニル基であり、
Ar2が3,4−ジメトキシフェニル基であり、A環が無
置換のベンゼン環である上記(30)記載の化合物もし
くはその塩またはそのプロドラッグ、(32)上記(3
0)記載の化合物もしくはその塩またはそのプロドラッ
グを含有してなる医薬組成物、(33)式
【化42】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
水素原子または置換基を有していてもよい低級アルキル
基を示すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子と
ともに4ないし7員環を形成し、Ar2は置換基を有し
ていてもよい芳香族基を示し、A環は置換基を有してい
てもよいベンゼン環を示す。]で表される化合物または
その塩に、式 Ar1OH [式中、Ar1は置換基を有していてもよい芳香族基を
示す。]で表される化合物またはその塩を縮合反応させ
ることを特徴とする、式(II)
【化43】 [式中、R1、R2、Ar1、Ar2及びA環は上記と同意
義を示す。]で表される化合物もしくはその塩またはそ
のプロドラッグの製造方法、(34)式(III)
【化44】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
水素原子または置換されていてよい低級アルキル基を示
すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子とともに
4ないし7員環を形成し、Ar1は置換基を有していて
もよい芳香族基を示し、A環は置換基を有していてもよ
いベンゼン環を示し、B環はハロゲン化されていてもよ
いC1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基またはC1-3アルキ
レンジオキシ基で置換されていてもよいベンゼン環を示
し、XはCR34またはNR5(R3、R4、R5はそれぞ
れ同一または異なって、水素原子または置換基を有して
いてもよい低級アルキル基を示す。)を示し、YはCH
またはNを示す(ただし、XがNH、YがCHかつAr1
が無置換のフェニル基である場合を除く)。]で表され
る化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグ、(3
5)R1が水素原子である上記(34)記載の化合物も
しくはその塩またはそのプロドラッグ、(36)R2
水素原子または置換基を有していてもよい低級アルキル
基である上記(34)記載の化合物もしくはその塩また
はそのプロドラッグ、(37)Ar1が置換基を有して
いてもよい単環式芳香族基である上記(34)記載の化
合物もしくはその塩またはそのプロドラッグ、(38)
Ar1が置換基を有していてもよいフェニル基である上
記(34)記載の化合物もしくはその塩またはそのプロ
ドラッグ、(39)A環が無置換のベンゼン環である上
記(34)記載の化合物もしくはその塩またはそのプロ
ドラッグ、(40)XがNR5(R5は上記(34)と同
意義を示す。)で、YがCHである上記(34)記載の
化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグ、(4
1)R1が水素原子であり、R2がメチル基であり、Ar
1が置換基を有していてもよいフェニル基であり、A環
が無置換のベンゼン環であり、XがNR5(R5は上記
(34)と同意義を示す。)、YがCHである(ただ
し、XがNH、YがCHかつAr1が無置換のフェニル
基である場合を除く) 上記(34)記載の化合物もしく
はその塩またはそのプロドラッグ、(42)上記(3
4)記載の化合物もしくはその塩またはそのプロドラッ
グを含有してなる医薬組成物、(43)式
【化45】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
水素原子または置換されていてよい低級アルキル基を示
すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子とともに
4ないし7員環を形成し、A環は置換基を有していても
よいベンゼン環を示し、B環はハロゲン化されていても
よいC1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基またはC1-3アル
キレンジオキシ基で置換されていてもよいベンゼン環を
示す。]で表される化合物またはその塩を、式 Ar1―NR5H [式中、R5は、水素原子または置換基を有していても
よい低級アルキル基を示し、Ar1は置換基を有してい
てもよい芳香族基を示す(ただし、R5がHかつAr1
無置換のフェニル基である場合を除く)。]で表される
化合物またはその塩で置換することを特徴とする、式
【化46】 [式中、R1、R2、R5、A環、B環、及びAr1は上記
と同意義を示す。]で表される化合物もしくはその塩ま
たはそのプロドラッグの製造方法、(44)式
【化47】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
水素原子または置換されていてよい低級アルキル基を示
すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子とともに
4ないし7員環を形成し、Ar1は置換基を有していて
もよい芳香族基を示し、A環は置換基を有していてもよ
いベンゼン環を示し、B環はハロゲン化されていてもよ
いC1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基またはC1-3アルキ
レンジオキシ基で置換されていてもよいベンゼン環を示
す。]で表される化合物またはその塩に、式 R5Z [式中、R5は、水素原子または置換基を有していても
よい低級アルキル基を示し、Zは、反応性置換基を示
す。]で表される化合物またはその塩を反応させること
を特徴とする、式
【化48】 [式中、R1、R2、R5、A環、B環、及びAr1は上記
と同意義を示す(ただし、R5がHかつAr1が無置換の
フェニル基である場合を除く)。]で表される化合物も
しくはその塩またはそのプロドラッグの製造方法、(4
5)式
【化49】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
水素原子または置換されていてよい低級アルキル基を示
すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子とともに
4ないし7員環を形成し、Ar1は置換基を有していて
もよい芳香族基を示し、A環は置換基を有していてもよ
いベンゼン環を示し、XはCR34またはNR5(R3
4、R5はそれぞれ同一または異なって、水素原子また
は置換基を有していてもよい低級アルキル基を示す。)
を示し、YはCHまたはNを示す(ただし、XがNH、
YがCHかつAr1が無置換のフェニル基である場合を
除く)。]で表される化合物またはその塩に、式
【化50】 [式中、B環はハロゲン化されていてもよいC1-6アル
コキシ基、ヒドロキシ基またはC1-3アルキレンジオキ
シ基で置換されていてもよいベンゼン環を示す。]で表
される化合物またはその塩を反応させることを特徴とす
る、式(III)
【化51】 [式中、R1、R2、Ar1、X、Y、A環およびB環は
上記と同意義を示す。]で表される化合物もしくはその
塩またはそのプロドラッグの製造方法、(46)式
【化52】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
水素原子または置換されていてよい低級アルキル基を示
すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子とともに
4ないし7員環を形成し、A環は置換基を有していても
よいベンゼン環を示し、B環はハロゲン化されていても
よいC1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基またはC1-3アル
キレンジオキシ基で置換されていてもよいベンゼン環を
示す。]で表される化合物またはその塩に、式 Ar1CR34Z [式中、Ar1は置換基を有していてもよい芳香族基を
示し、R3、R4は、それぞれ同一または異なって、水素
原子または置換基を有していてもよい低級アルキル基を
示し、Zは、反応性置換基を示す。]で表される化合物
またはその塩を反応させることを特徴とする、式
【化53】 [式中、R1、R2、R3、R4、A環、B環、及びAr1
は上記と同意義を示す。]で表される化合物もしくはそ
の塩またはそのプロドラッグの製造方法等に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の医薬組成物は、可溶性ベ
ータ・アミロイド前駆蛋白質分泌促進作用およびアポト
ーシス阻害作用を有する化合物もしくはその塩またはそ
のプロドラッグを含有する。上記化合物としては、好ま
しくは、上記式(a)、(b)および(c)で表される
部分構造を有する化合物が用いられる。上記式(c)で
表される部分構造において、R3、R4およびR5で示さ
れる置換基を有していてもよい低級アルキル基の「低級
アルキル基」としては、例えば、C1-6アルキル(例、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ
ソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチ
ル、ヘキシルなど)などが挙げられる。好ましくはメチ
ル、エチル、プロピルである。R3、R4およびR5とし
て好ましくは水素原子が用いられる。
【0008】上記式中、R3、R4およびR5で示される
「置換基を有していてもよい低級アルキル基」の「置換
基」としては、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素など)、C1-3アルキレンジオキシ
(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシなど)、ニ
トロ、シアノ、C1-6アルキル−C6-10アリール−C2-6
アルケニル(例、メチルフェニルエテニルなど)、ハロ
ゲン化されていてもよいC3-6シクロアルキル、ハロゲ
ン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化さ
れていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、置換
基を有していてもよいC6-10アリールオキシ、C6-10
リール−C7-16アラルキルオキシ(例、フェニルベンジ
ルオキシなど)、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ
(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、
イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、ジ−C1-6
アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、エチルメチル
アミノなど)、置換基を有していてもよい5ないし7員
飽和環状アミノ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ
などが挙げられ、なかでもハロゲン原子、C1-3アルキ
レンジオキシ、C1-6アルキル−C6-10アリール−C2-6
アルケニル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコ
キシ、ヒドロキシ、置換基を有していてもよいC6-10
リールオキシ、アシル、アシルオキシなどが好ましい。
【0009】R3、R4およびR5で表わされる「置換基
を有していてもよい低級アルキル基」の「低級アルキル
基」は、例えば、上記置換基を、低級アルキル基の置換
可能な位置に1ないし13個、好ましくは1ないし5個
有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換
基は同一または異なっていてもよい。
【0010】前記「置換基を有していてもよいC6-10
リールオキシ」の「C6-10アリールオキシ」としては、
例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシなどが挙げら
れる。「置換基を有していてもよいC6-10アリールオキ
シ」の「置換基」としては、それぞれ、例えば、ハロゲ
ン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C
1-3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチ
レンジオキシなど)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化され
ていてもよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていても
よいC3-6シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよ
いC1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6
アルキルチオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アル
キルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピ
ルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、
ジ−C1-6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエ
チルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、エチ
ルメチルアミノなど)、ホルミル、カルボキシ、カルバ
モイル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル−
カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル(例、メト
キシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカル
ボニル、tert−ブトキシカルボニルなど)、モノ−
1-6アルキル−カルバモイル(例、メチルカルバモイ
ル、エチルカルバモイルなど)、ジ−C1-6アルキル−
カルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカ
ルバモイル、エチルメチルカルバモイルなど)、ハロゲ
ン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニル、ホル
ミルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキ
ル−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミ
ド(例、メトキシカルボキサミド、エトキシカルボキサ
ミド、プロポキシカルボキサミド、ブトキシカルボキサ
ミドなど)、C1-6アルキルスルホニルアミノ(例、メ
チルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノな
ど)、C1-6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセト
キシ、プロパノイルオキシなど)、C1-6アルコキシ−
カルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エ
トキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキ
シ、ブトキシカルボニルオキシなど)、モノ−C1-6
ルキル−カルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイル
オキシ、エチルカルバモイルオキシなど)、ジ−C1-6
アルキル−カルバモイルオキシ(例、ジメチルカルバモ
イルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシなど)などが
1ないし5個挙げられる。
【0011】前記「置換基を有していてもよい5ないし
7員飽和環状アミノ」の「5ないし7員飽和環状アミ
ノ」としては、例えば、モルホリノ、チオモルホリノ、
ピペラジン−1−イル、ピペリジノ、ピロリジン−1−
イル、ヘキサメチレンイミン−1−イルなどが挙げられ
る。「置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状
アミノ」の「置換基」としては、例えば、C1-6アルキ
ル、置換基を有していてもよいC6-14アリール、置換基
を有していてもよいC7-19アラルキル、置換基を有して
いてもよい5ないし10員芳香族複素環基、置換基を有
していてもよいC6-10アリール−カルボニル、ハロゲン
化されていてもよいC1-6アルキル−カルボニル、ハロ
ゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニルなど
が1ないし3個挙げられる。「置換基を有していてもよ
いC6-14アリール」の「C6-14アリール」としては、例
えば、フェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチルなど
のナフチル、2−インデニルなどのインデニル、2−ア
ンスリルなどのアンスリルなどが挙げられる。好ましく
はフェニルなどである。「置換基を有していてもよいC
7-19アラルキル」の「C7-19アラルキル」としては、例
えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリ
フェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメ
チル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピ
ル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチルなどが
挙げられる。好ましくはベンジルなどである。「置換基
を有していてもよい5ないし10員芳香族複素環基」の
「5ないし10員芳香族複素環基」としては、例えば2
−,3−または4−ピリジルなどのピリジル、1−,2
−または3−インドリルなどのインドリル、2−または
3−チエニルなどのチエニルなどが挙げられる。好まし
くは、2−,3−または4−ピリジルなどのピリジルな
どである。「置換基を有していてもよいC6-10アリール
−カルボニル」の「C6-10アリール−カルボニル」とし
ては、例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフ
トイルなどである。
【0012】これらの「置換基を有していてもよいC
6-14アリール」、「置換基を有していてもよいC7-19
ラルキル」、「置換基を有していてもよい5ないし10
員芳香族複素環基」および「置換基を有していてもよい
6-10アリール−カルボニル」がそれぞれ有していても
よい「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子(例、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-3アルキレン
ジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシな
ど)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC
1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロ
アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキ
シ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、
ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ
(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、
イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、ジ−C1-6
アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、エチルメチル
アミノなど)、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、
ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル−カルボニ
ル、C1 -6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、
tert−ブトキシカルボニルなど)、モノ−C1-6
ルキル−カルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチ
ルカルバモイルなど)、ジ−C1-6アルキル−カルバモ
イル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイ
ル、エチルメチルカルバモイルなど)、ハロゲン化され
ていてもよいC1-6アルキルスルホニル、ホルミルアミ
ノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル−カル
ボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド(例、
メトキシカルボキサミド、エトキシカルボキサミド、プ
ロポキシカルボキサミド、ブトキシカルボキサミドな
ど)、C1-6アルキルスルホニルアミノ(例、メチルス
ルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノなど)、C
1-6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセトキシ、プ
ロパノイルオキシなど)、C1-6アルコキシ−カルボニ
ルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカ
ルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキ
シカルボニルオキシなど)、モノ−C1-6アルキル−カ
ルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイルオキシ、エ
チルカルバモイルオキシなど)、ジ−C1-6アルキル−
カルバモイルオキシ(例、ジメチルカルバモイルオキ
シ、ジエチルカルバモイルオキシなど)などが1ないし
5個挙げられる。
【0013】前記R3、R4およびR5で示される「置換
基を有していてもよい低級アルキル基」の「置換基」と
しての「アシル」、「アシルアミノ」および「アシルオ
キシ」における「アシル」としては、ホルミル、カルボ
キシ、カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC
1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニ
ル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プ
ロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルな
ど)、置換基を有していてもよいC6-10アリール−カル
ボニル、置換基を有していてもよいC6-10アリールオキ
シ−カルボニル、置換基を有していてもよいC7-16アラ
ルキルオキシ−カルボニル、置換基を有していてもよい
5〜6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カ
ルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル(例、
ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチル
メチルカルバモイルなど)、置換基を有していてもよい
6- 10アリール−カルバモイル、置換基を有していても
よい5〜6員複素環カルバモイル、ハロゲン化されてい
てもよいC1-6アルキルスルホニル、置換基を有してい
てもよいC6-10アリールスルホニルなどであり、なかで
もハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル−カルボ
ニル、C1-6アルコキシ−カルボニル(例、エトキシカ
ルボニルなど)、置換基を有していてもよいC6-10アリ
ール−カルボニル、置換基を有していてもよいC6-10
リールスルホニルなどが挙げられる。
【0014】前記「置換基を有していてもよいC6-10
リール−カルボニル」の「C6-10アリール−カルボニ
ル」としては、例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、
2−ナフトイルなどが挙げられる。前記「置換基を有し
ていてもよいC6-10アリールオキシ−カルボニル」の
「C 6-10アリールオキシ−カルボニル」としては、例え
ば、フェノキシカルボニルなどが挙げられる。前記「置
換基を有していてもよいC7-16アラルキルオキシ−カル
ボニル」の「C7-16アラルキルオキシ−カルボニル」と
しては、例えば、ベンジルオキシカルボニル、フェネチ
ルオキシカルボニルなどが挙げられる。前記「置換基を
有していてもよい5〜6員複素環カルボニル」の「5〜
6員複素環カルボニル」としては、例えば、ニコチノイ
ル、イソニコチノイル、2−テノイルまたは3−テノイ
ルなどのテノイル、2−フロイルまたは3−フロイルな
どのフロイル、モルホリノカルボニル、ピペリジノカル
ボニル、ピロリジン−1−イルカルボニルなどが挙げら
れる。前記「置換基を有していてもよいC6-10アリール
−カルバモイル」の「C6-10アリール−カルバモイル」
としては、例えば、フェニルカルバモイル、1−ナフチ
ルカルバモイル、2−ナフチルカルバモイルなどが挙げ
られる。前記「置換基を有していてもよい5〜6員複素
環カルバモイル」の「5〜6員複素環カルバモイル」と
しては、例えば、2−ピリジルカルバモイル、3−ピリ
ジルカルバモイルまたは4−ピリジルカルバモイルなど
のピリジルカルバモイル、2−チエニルカルバモイルま
たは3−チエニルカルバモイルなどのチエニルカルバモ
イルなどが挙げられる。前記「置換基を有していてもよ
いC6-10アリールスルホニル」の「C6-10アリールスル
ホニル」としては、例えば、ベンゼンスルホニル、1−
ナフタレンスルホニル、2−ナフタレンスルホニルなど
が挙げられる。
【0015】これら「置換基を有していてもよいC6-10
アリール−カルボニル」、「置換基を有していてもよい
6-10アリールオキシ−カルボニル」、「置換基を有し
ていてもよいC7-16アラルキルオキシ−カルボニル」、
「置換基を有していてもよい5〜6員複素環カルボニ
ル」、「置換基を有していてもよいC6-10アリール−カ
ルバモイル」、「置換基を有していてもよい5〜6員複
素環カルバモイル」および「置換基を有していてもよい
6-10アリールスルホニル」の「置換基」としては、ハ
ロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シア
ノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロ
ゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化
されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、ア
ミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキル
アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、ハロゲ
ン化されていてもよいC1-6アルキル−カルボニル、C
1-6アルコキシ−カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カ
ルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、ハロ
ゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニル、ホ
ルミルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アル
キル−カルボキサミド、C1 -6アルコキシ−カルボキサ
ミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル
−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオ
キシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシおよ
びジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシから選ばれ
る置換基1ないし5個、好ましくは1ないし3個が挙げ
られ、なかでも、ハロゲン原子、ハロゲン化されていて
もよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC
1-6アルコキシなどが好ましい。
【0016】前記R3、R4およびR5で示される「置換
基を有していてもよい低級アルキル基」の「置換基」と
しての「アシルアミノ」としては、例えば、前記「置換
基を有していてもよい芳香族基」の「置換基」において
詳述した「アシル」で1ないし2個置換されたアミノが
挙げられ、好ましくは、ホルミルアミノ、ハロゲン化さ
れていてもよいC1-6アルキル−カルボキサミド、置換
基を有していてもよいC6-10アリール−カルボキサミド
(例、フェニルカルボキサミド、ナフチルカルボキサミ
ドなど)、C1-6アルコキシ−カルボキサミド(例、メ
トキシカルボキサミド、エトキシカルボキサミド、プロ
ポキシカルボキサミド、ブトキシカルボキサミドな
ど)、C1-6アルキルスルホニルアミノ(例、メチルス
ルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノなど)などが
挙げられる。
【0017】前記R3、R4およびR5で示される「置換
基を有していてもよい低級アルキル基」の「置換基」と
しての「アシルオキシ」としては、例えば、前記「置換
基を有していてもよい芳香族基」の「置換基」において
詳述した「アシル」1個で置換されたオキシが挙げら
れ、好ましくは、C1-6アルキル−カルボニルオキシ
(例、アセトキシ、プロパノイルオキシなど)、置換基
を有していてもよいC6-10アリール−カルボニルオキシ
(例、ベンゾイルオキシ、1−ナフトイルオキシ、2−
ナフトイルオキシなど)、C1-6アルコキシ−カルボニ
ルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカ
ルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキ
シカルボニルオキシなど)、モノ−C1-6アルキル−カ
ルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイルオキシ、エ
チルカルバモイルオキシなど)、ジ−C1-6アルキル−
カルバモイルオキシ(例、ジメチルカルバモイルオキ
シ、ジエチルカルバモイルオキシなど)、置換基を有し
ていてもよいC6-10アリール−カルバモイルオキシ
(例、フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモ
イルオキシなど)、ニコチノイルオキシなどが挙げられ
る。
【0018】上記式(b)で表される部分構造おけるA
2および上記式(c)で表される部分構造におけるA
1で示される「置換基を有していてもよい芳香族基」
の「芳香族基」としては、例えば単環式芳香族基、環集
合芳香族基、縮合芳香族基などが挙げられる。前記、
「単環式芳香族基」としては、例えば、ベンゼン環、5
または6員芳香族複素環から任意の1個の水素原子を除
いて形成される1価基などが挙げられる。「5または6
員芳香族複素環」としては、例えば、炭素原子以外に窒
素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原
子1個以上(例えば1〜3個)を含む5または6員芳香
族複素環などが挙げられる。具体的には、チオフェン、
フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾ
ール、オキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジ
ン、ピリダジンなどが挙げられる。「単環式芳香族基」
の具体例としては、フェニル、2−または3−チエニル
などのチエニル、2−または3−フリルなどのフリル、
1−,2−または3−ピロリルなどのピロリル、2−ま
たは4−イミダゾリルなどのイミダゾリル、3−または
4−ピラゾリルなどのピラゾリル、2−,4−または5
−チアゾリルなどのチアゾリル、2−,4−または5−
オキサゾリルなどのオキサゾリル、2−,3−または4
−ピリジルなどのピリジル、2−ピラジニルなどのピラ
ジニル、2−,4−または5−ピリミジニルなどのピリ
ミジニル、3−または4−ピリダジニルなどのピリダジ
ニルなどが挙げられる。
【0019】前記、「環集合芳香族基」としては、2個
以上(好ましくは2または3個)の芳香環が単結合で直
結していて、環を直結している結合の数が環系の数より
1個少ない芳香環集合体から任意の水素原子1個を除い
て形成される基などが挙げられる。「芳香環」として
は、芳香族炭化水素、芳香族複素環などが挙げられる。
「芳香族炭化水素」としては、例えば、炭素数6ないし
14個の単環式または縮合多環式(2または3環式)芳
香族炭化水素(例、ベンゼン、ナフタレン、インデン、
アントラセンなど)などが挙げられる。「芳香族複素
環」としては、例えば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄
原子および酸素原子から選ばれるヘテロ原子1個以上
(例えば1〜4個)を含む5ないし14員、好ましくは
5ないし10員の芳香族複素環などが挙げられる。具体
的には、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラ
ン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンゾ
チアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト[2,3−
b]チオフェン、フラン、フェノキサチイン、ピロー
ル、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオ
キサゾール、1,2,4−オキサジアゾールまたは1,
3,4−オキサジアゾールなどのオキサジアゾール、
1,2,4−チアジアゾールまたは1,3,4−チアジ
アゾールなどのチアジアゾール、ピリジン、ピラジン、
ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドー
ル、1H−インダゾール、プリン、4H−キノリジン、
イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、
キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾー
ル、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、
フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチア
ジン、フラザン、フェノキサジン、フタルイミドなどの
芳香族複素環、またはこれらの環(好ましくは単環)が
1ないし複数個(好ましくは1または2個)の芳香環
(例、ベンゼン環等)と縮合して形成された環などが挙
げられる。これらの芳香環が単結合で直結した芳香環集
合体としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環およ
び5ないし10員(好ましくは5または6員)芳香族複
素環から選ばれる2または3個(好ましくは2個)で形
成される芳香環集合体などが挙げられる。芳香環集合体
の好ましい例としては、ベンゼン、ナフタレン、ピリジ
ン、ピリミジン、チオフェン、フラン、チアゾール、イ
ソチアゾール、オキサゾール、1,2,4−オキサジア
ゾールまたは1,3,4−オキサジアゾールなどのオキ
サジアゾール、1,2,4−チアジアゾールまたは1,
3,4−チアジアゾールなどのチアジアゾール、キノリ
ン、イソキノリン、インドール、ベンゾチオフェン、ベ
ンズオキサゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾフラ
ンから選ばれる2または3個の芳香環からなる芳香環集
合体である。具体例としては、2−,3−または4−ビ
フェニリルなどのビフェニリル、3−(1−ナフチル)
−1,2,4−オキサジアゾール−5−イルまたは3−
(2−ナフチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5
−イルなどのナフチル置換オキサジアゾリル、3−(2
−ベンゾフラニル)−1,2,4−オキサジアゾール−
5−イルなどのベンゾフラニル置換オキサジアゾリル、
3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イ
ルまたは5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール
−2−イルなどのフェニル置換オキサジアゾリル、3−
(2−ベンズオキサゾリル)−1,2,4−オキサジア
ゾール−2−イルなどのベンズオキサゾリル置換オキサ
ジアゾリル、3−(3−インドリル)−1,2,4−オ
キサジアゾール−2−イルまたは3−(2−インドリ
ル)−1,2,4−オキサジアゾール−2−イルなどの
インドリル置換オキサジアゾリル、4−フェニルチアゾ
ール−2−イルなどのフェエニル置換チアゾリル、4−
(2−ベンゾフラニル)チアゾール−2−イルなどのベ
ンゾフラニル置換チアゾリル、4−フェニル−1,3−
オキサゾール−5−イルまたは5−フェニルオキサゾー
ル−2−イルなどのフェニル置換オキサゾリル、5−フ
ェニル−イソチアゾール−4−イルなどのフェニル置換
イソチアゾリル、4−(2−チエニル)フェニルまたは
4−(3−チエニル)フェニルなどのチエニル置換フェ
ニル、3−(3−ピリジル)フェニルまたは4−(3−
ピリジル)フェニルなどのピリジル置換フェニル、6−
フェニル−3−ピリジルなどのフェニル置換ピリジル、
4−(2−ナフチル)フェニルなどのナフチル置換フェ
ニル、4−(2−ベンゾフラニル)フェニルなどのベン
ゾフラニル置換フェニル、4,4’−テルフェニリルな
どのテルフェニリルなどが挙げられる。
【0020】前記「縮合芳香族基」としては、例えば、
縮合多環式(好ましくは2ないし4環式、好ましくは2
または3環式)芳香環から任意の1個の水素原子を除い
て形成される1価基などが挙げられる。該「縮合多環式
芳香環」としては、縮合多環式芳香族炭化水素、縮合多
環式芳香族複素環などが挙げられる。「縮合多環式芳香
族炭化水素」としては、例えば、炭素数9ないし14個
の縮合多環式(2または3環式)芳香族炭化水素(例、
ナフタレン、インデン、アントラセンなど)などが挙げ
られる。「縮合多環式芳香族複素環」としては、例え
ば、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子
から選ばれるヘテロ原子を1個以上(例えば1〜4個)
を含む9ないし14員、好ましくは9または10員の縮
合多環式芳香族複素環などが挙げられる。具体的には、
ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾー
ル、ベンゾチアゾール、ベンズイソチアゾール、ナフト
[2,3−b]チオフェン、イソキノリン、キノリン、
インドール、キノキサリン、フェナントリジン、フェノ
チアジン、フェノキサジン、フタルイミドなどの芳香族
複素環などが挙げられる。前記「縮合芳香族基」の具体
例としては、1−ナフチルまたは2−ナフチルなどのナ
フチル、2−キノリル、3−キノリルまたは4−キノリ
ルなどのキノリル、2−ベンゾフラニルなどのベンゾフ
ラニル、2−ベンゾチアゾリルなどのベンゾチアゾリ
ル、2−ベンズイミダゾリルなどのベンズイミダゾリ
ル、1−インドリル、2−インドリルまたは3−インド
リルなどのインドリルなどが挙げられる。
【0021】上記したなかでも、Ar1およびAr2で示
される芳香族基としては、例えば、(1)フェニル、2
−または3−チェニルなどのチエニル、2−または3−
フリルなどのフリル、2−,3−または4−ピリジルな
どのピリジルなどの単環式芳香族基、(2)2−,3−
または4−ビフェニリルなどのビフェニリル、3−(1
−ナフチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イ
ルまたは3−(2−ナフチル)−1,2,4−オキサジ
アゾール−5−イルなどのナフチル置換オキサジアゾリ
ル、3−(2−ベンゾフラニル)−1,2,4−オキサ
ジアゾール−5−イルなどのベンゾフラニル置換オキサ
ジアゾリル、3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾ
ール−5−イルなどのフェニル置換オキサジアゾリル、
3−(2−ベンズオキサゾリル)−1,2,4−オキサ
ジアゾール−2−イルなどのベンズオキサゾリル置換オ
キサジアゾリル、3−(3−インドリル)−1,2,4
−オキサジアゾール−2−イルまたは3−(2−インド
リル)−1,2,4−オキサジアゾール−2−イルなど
のインドリル置換オキサジアゾリル、4−フェニルチア
ゾール−2−イルなどのフェニル置換チアゾリル、4−
(2−ベンゾフラニル)チアゾール−2−イルなどのベ
ンゾフラニル置換チアゾリル、4−フェニル−1,3−
オキサゾール−5−イルなどのフェニル置換オキサゾリ
ル、4−(2−チエニル)フェニルなどのチエニル置換
フェニル、4−(3−ピリジル)フェニルなどのピリジ
ル置換フェニル、4−(2−ナフチル)フェニルなどの
ナフチル置換フェニル、4,4’−テルフェニリルなど
のテルフェニリルなどの環集合芳香族基、(3)2−,
3−または4−キノリルなどのキノリル、1−,2−ま
たは3−インドリルなどのインドリルなどの縮合芳香族
基などが好ましい。Ar1で示される芳香族基として
は、例えば、フェニル、2−,3−または4−キノリル
などのキノリルなどがより好ましく、特にフェニルが好
ましく用いられる。Ar2で示される芳香族基として
は、例えば、フェニル、2−または3−チェニルなどの
チエニル、2−または3−フリルなどのフリル、2−,
3−または4−ピリジルなどのピリジルなどの単環式芳
香族基などがより好ましい。
【0022】本明細書中、「ハロゲン化されていてもよ
いC1-6アルキル」としては、例えば、1ないし5個、
好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC1-6
ルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−
ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)が挙げられる。具体
例としては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチ
ル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、
2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、
ペンタフルオロエチル、プロピル、3,3,3−トリフ
ルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4−
トリフルオロブチル、イソブチル、sec−ブチル、t
ert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチ
ル、5,5,5−トリフルオロペンチル、ヘキシル、
6,6,6−トリフルオロヘキシルなどが挙げられる。
【0023】本明細書中、「ハロゲン化されていてもよ
いC3-6シクロアルキル」としては、例えば、1ないし
5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC
3-6シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)などが挙げ
られる。具体例としては、シクロプロピル、シクロブチ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4,4−ジクロ
ロシクロヘキシル、2,2,3,3−テトラフルオロシ
クロペンチル、4−クロロシクロヘキシルなどが挙げら
れる。
【0024】本明細書中、「ハロゲン化されていてもよ
いC1-6アルコキシ」としては、例えば、1ないし5
個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC
1-6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシ、ペンチルオキシなど)などが挙げられ
る。具体例としては、例えば、メトキシ、ジフルオロメ
トキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2
−トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ、ブトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、イ
ソブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキ
シルオキシなどが挙げられる。
【0025】本明細書中、「ハロゲン化されていてもよ
いC1-6アルキルチオ」としては、例えば、1ないし5
個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子(例、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していてもよいC
1-6アルキルチオ(例、メチルチオ、エチルチオ、プロ
ピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec−ブ
チルチオ、tert−ブチルチオなど)などが挙げられ
る。具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチ
オ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチ
オ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4−トリ
フルオロブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオなど
が挙げられる。
【0026】本明細書中、「ハロゲン化されていてもよ
いC1-6アルキル−カルボニル」としては、例えば、1
ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していて
もよいC1-6アルキル−カルボニル(例、アセチル、プ
ロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル
など)などが挙げられる。具体例としては、例えば、ア
セチル、モノクロロアセチル、トリフルオロアセチル、
トリクロロアセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペン
タノイル、ヘキサノイルなどが挙げられる。
【0027】本明細書中、「ハロゲン化されていてもよ
いC1-6アルキルスルホニル」としては、例えば、1な
いし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有していて
もよいC1-6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニ
ル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロ
ピルスルホニル、ブチルスルホニル、sec−ブチルス
ルホニル、tert−ブチルスルホニルなど)などが挙
げられる。具体例としては、メチルスルホニル、ジフル
オロメチルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニ
ル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロ
ピルスルホニル、ブチルスルホニル、4,4,4−トリ
フルオロブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキ
シルスルホニルなどが挙げられる。
【0028】本明細書中、「ハロゲン化されていてもよ
いC1-6アルキル−カルボキサミド」としては、例え
ば、1ないし5個、好ましくは1ないし3個のハロゲン
原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を有して
いてもよいC1-6アルキル−カルボキサミド(例、アセ
トアミドなど)などが挙げられる。具体例としては、ア
セトアミド、トリフルオロアセトアミド、プロパンアミ
ド、ブタンアミドなどが挙げられる。
【0029】上記式中、Ar1およびAr2で示される
「置換基を有していてもよい芳香族基」、「置換基を有
していてもよい単環式芳香族基」、「置換基を有してい
てもよいフェニル基」、Ar1で示される「置換基を有
していてもよいフェニル基または置換基を有していても
よいキノリル基」、Ar2で示される「置換基を有して
いてもよいフェニル基、フリル基、チエニル基またはピ
リジル基」およびA環で示される「置換基を有していて
もよいベンゼン環」の「置換基」としては、例えば、ハ
ロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、
1-3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エ
チレンジオキシなど)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化さ
れていてもよいC1-6アルキル、C6-10アリールオキシ
−C1-6アルキル(例、フェノキシメチルなど)、C1-6
アルキル−C6-10アリール−C2-6アルケニル(例、メ
チルフェニルエテニルなど)、ハロゲン化されていても
よいC 3-6シクロアルキル、置換基を有していてもよい
7-16アラルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6
アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキ
ルチオ、ヒドロキシ、置換基を有していてもよいC6-10
アリールオキシ、C6-10アリール−C7-16アラルキルオ
キシ(例、フェニルベンジルオキシなど)、アミノ、モ
ノ−C1-6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチル
アミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチル
アミノなど)、ジ−C1-6アルキルアミノ(例、ジメチ
ルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチ
ルアミノ、エチルメチルアミノなど)、置換基を有して
いてもよい5ないし7員飽和環状アミノ、アシル、アシ
ルアミノ、アシルオキシなどが挙げられ、なかでもハロ
ゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ハロゲン化され
ていてもよいC1-6アルキル、C 6-10アリールオキシ−
1-6アルキル、C1-6アルキル−C6-10アリール−C
2-6アルケニル、置換基を有していてもよいC7-16アラ
ルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキ
シ、ヒドロキシ、置換基を有していてもよいC6-10アリ
ールオキシ、アシル、アシルオキシなどが好ましい。
【0030】Ar1およびAr2で表わされる「置換基を
有していてもよい芳香族基」の「芳香族基」は、例え
ば、上記置換基を、芳香族基の置換可能な位置に1ない
し5個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置
換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっ
ていてもよい。また、置換基が環状の場合は、芳香族基
の芳香環と置換基とはスピロ結合によって結合されてい
てもよい。また、A環で表わされる「置換基を有してい
てもよいベンゼン環」の「ベンゼン環」は、例えば、上
記置換基を、芳香族基の置換可能な位置に1ないし4
個、好ましくは1ないし2個有していてもよく、置換基
数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なってい
てもよい。また、置換基が環状の場合は、ベンゼン環と
置換基とはスピロ結合によって結合されていてもよい。
【0031】前記「置換基を有していてもよいC7-16
ラルキル」の「C7-16アラルキル」としては、例えば、
ベンジル、フェネチル、ナフチルメチルなどが挙げられ
る。前記「置換基を有していてもよいC6-10アリールオ
キシ」の「C6-10アリールオキシ」としては、例えば、
フェニルオキシ、ナフチルオキシなどが挙げられる。こ
れら「置換基を有していてもよいC7-16アラルキル」、
「置換基を有していてもよいC6-10アリールオキシ」の
「置換基」としては、それぞれ、例えば、ハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-3アル
キレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオ
キシなど)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていても
よいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6
シクロアルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6
ルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル
チオ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミ
ノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミ
ノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、ジ−C
1-6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、エチルメチ
ルアミノなど)、ホルミル、カルボキシ、カルバモイ
ル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル−カル
ボニル、C1-6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシ
カルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニ
ル、tert−ブトキシカルボニルなど)、モノ−C
1-6アルキル−カルバモイル(例、メチルカルバモイ
ル、エチルカルバモイルなど)、ジ−C1-6アルキル−
カルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカ
ルバモイル、エチルメチルカルバモイルなど)、ハロゲ
ン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニル、ホル
ミルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキ
ル−カルボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミ
ド(例、メトキシカルボキサミド、エトキシカルボキサ
ミド、プロポキシカルボキサミド、ブトキシカルボキサ
ミドなど)、C1-6アルキルスルホニルアミノ(例、メ
チルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノな
ど)、C1-6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセト
キシ、プロパノイルオキシなど)、C1-6アルコキシ−
カルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エ
トキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキ
シ、ブトキシカルボニルオキシなど)、モノ−C1-6
ルキル−カルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイル
オキシ、エチルカルバモイルオキシなど)、ジ−C1-6
アルキル−カルバモイルオキシ(例、ジメチルカルバモ
イルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシなど)などが
1ないし5個挙げられる。
【0032】前記「置換基を有していてもよい5ないし
7員飽和環状アミノ」の「5ないし7員飽和環状アミ
ノ」としては、例えば、モルホリノ、チオモルホリノ、
ピペラジン−1−イル、ピペリジノ、ピロリジン−1−
イル、ヘキサメチレンイミン−1−イルなどが挙げられ
る。「置換基を有していてもよい5ないし7員飽和環状
アミノ」の「置換基」としては、例えば、C1-6アルキ
ル、置換基を有していてもよいC6-14アリール、置換基
を有していてもよいC7-19アラルキル、置換基を有して
いてもよい5ないし10員芳香族複素環基、置換基を有
していてもよいC6-10アリール−カルボニル、ハロゲン
化されていてもよいC1-6アルキル−カルボニル、ハロ
ゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニルなど
が1ないし3個挙げられる。「置換基を有していてもよ
いC6-14アリール」の「C6-14アリール」としては、例
えば、フェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチルなど
のナフチル、2−インデニルなどのインデニル、2−ア
ンスリルなどのアンスリルなどが挙げられる。好ましく
はフェニルなどである。「置換基を有していてもよいC
7-19アラルキル」の「C7-19アラルキル」としては、例
えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリ
フェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメ
チル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピ
ル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチルなどが
挙げられる。好ましくはベンジルなどである。「置換基
を有していてもよい5ないし10員芳香族複素環基」の
「5ないし10員芳香族複素環基」としては、例えば2
−,3−または4−ピリジルなどのピリジル、1−,2
−または3−インドリルなどのインドリル、2−または
3−チエニルなどのチエニルなどが挙げられる。好まし
くは、2−,3−または4−ピリジルなどのピリジルな
どである。「置換基を有していてもよいC6-10アリール
−カルボニル」の「C6-10アリール−カルボニル」とし
ては、例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフ
トイルなどである。
【0033】これらの「置換基を有していてもよいC
6-14アリール」、「置換基を有していてもよいC7-19
ラルキル」、「置換基を有していてもよい5ないし10
員芳香族複素環基」および「置換基を有していてもよい
6-10アリール−カルボニル」がそれぞれ有していても
よい「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子(例、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-3アルキレン
ジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシな
ど)、ニトロ、シアノ、ハロゲン化されていてもよいC
1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC3-6シクロ
アルキル、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキ
シ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルチオ、
ヒドロキシ、アミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ
(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、
イソプロピルアミノ、ブチルアミノなど)、ジ−C1-6
アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、エチルメチル
アミノなど)、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、
ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル−カルボニ
ル、C1 -6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、
tert−ブトキシカルボニルなど)、モノ−C1-6
ルキル−カルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチ
ルカルバモイルなど)、ジ−C1-6アルキル−カルバモ
イル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイ
ル、エチルメチルカルバモイルなど)、ハロゲン化され
ていてもよいC1-6アルキルスルホニル、ホルミルアミ
ノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル−カル
ボキサミド、C1-6アルコキシ−カルボキサミド(例、
メトキシカルボキサミド、エトキシカルボキサミド、プ
ロポキシカルボキサミド、ブトキシカルボキサミドな
ど)、C1-6アルキルスルホニルアミノ(例、メチルス
ルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノなど)、C
1-6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセトキシ、プ
ロパノイルオキシなど)、C1-6アルコキシ−カルボニ
ルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカ
ルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキ
シカルボニルオキシなど)、モノ−C1-6アルキル−カ
ルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイルオキシ、エ
チルカルバモイルオキシなど)、ジ−C1-6アルキル−
カルバモイルオキシ(例、ジメチルカルバモイルオキ
シ、ジエチルカルバモイルオキシなど)などが1ないし
5個挙げられる。
【0034】前記Ar1およびAr2で示される「置換基
を有していてもよい芳香族基」、およびA環で示される
「置換基を有していてもよいベンゼン環」の「置換基」
としての「アシル」、「アシルアミノ」および「アシル
オキシ」における「アシル」としては、ホルミル、カル
ボキシ、カルバモイル、ハロゲン化されていてもよいC
1-6アルキル−カルボニル、C1-6アルコキシ−カルボニ
ル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プ
ロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルな
ど)、置換基を有していてもよいC6-10アリール−カル
ボニル、置換基を有していてもよいC6-10アリールオキ
シ−カルボニル、置換基を有していてもよいC7-16アラ
ルキルオキシ−カルボニル、置換基を有していてもよい
5〜6員複素環カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カ
ルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル(例、
ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチル
メチルカルバモイルなど)、置換基を有していてもよい
6-10アリール−カルバモイル、置換基を有していても
よい5〜6員複素環カルバモイル、ハロゲン化されてい
てもよいC1-6アルキルスルホニル、置換基を有してい
てもよいC6-10アリールスルホニルなどであり、なかで
もハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル−カルボ
ニル、C1-6アルコキシ−カルボニル(例、エトキシカ
ルボニルなど)、置換基を有していてもよいC6-10アリ
ール−カルボニル、置換基を有していてもよいC6-10
リールスルホニルなどが挙げられる。
【0035】前記「置換基を有していてもよいC6-10
リール−カルボニル」の「C6-10アリール−カルボニ
ル」としては、例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、
2−ナフトイルなどが挙げられる。前記「置換基を有し
ていてもよいC6-10アリールオキシ−カルボニル」の
「C 6-10アリールオキシ−カルボニル」としては、例え
ば、フェノキシカルボニルなどが挙げられる。前記「置
換基を有していてもよいC7-16アラルキルオキシ−カル
ボニル」の「C7-16アラルキルオキシ−カルボニル」と
しては、例えば、ベンジルオキシカルボニル、フェネチ
ルオキシカルボニルなどが挙げられる。前記「置換基を
有していてもよい5〜6員複素環カルボニル」の「5〜
6員複素環カルボニル」としては、例えば、ニコチノイ
ル、イソニコチノイル、2−テノイルまたは3−テノイ
ルなどのテノイル、2−フロイルまたは3−フロイルな
どのフロイル、モルホリノカルボニル、ピペリジノカル
ボニル、ピロリジン−1−イルカルボニルなどが挙げら
れる。前記「置換基を有していてもよいC6-10アリール
−カルバモイル」の「C6-10アリール−カルバモイル」
としては、例えば、フェニルカルバモイル、1−ナフチ
ルカルバモイル、2−ナフチルカルバモイルなどが挙げ
られる。前記「置換基を有していてもよい5〜6員複素
環カルバモイル」の「5〜6員複素環カルバモイル」と
しては、例えば、2−ピリジルカルバモイル、3−ピリ
ジルカルバモイルまたは4−ピリジルカルバモイルなど
のピリジルカルバモイル、2−チエニルカルバモイルま
たは3−チエニルカルバモイルなどのチエニルカルバモ
イルなどが挙げられる。前記「置換基を有していてもよ
いC6-10アリールスルホニル」の「C6-10アリールスル
ホニル」としては、例えば、ベンゼンスルホニル、1−
ナフタレンスルホニル、2−ナフタレンスルホニルなど
が挙げられる。
【0036】これら「置換基を有していてもよいC6-10
アリール−カルボニル」、「置換基を有していてもよい
6-10アリールオキシ−カルボニル」、「置換基を有し
ていてもよいC7-16アラルキルオキシ−カルボニル」、
「置換基を有していてもよい5〜6員複素環カルボニ
ル」、「置換基を有していてもよいC6-10アリール−カ
ルバモイル」、「置換基を有していてもよい5〜6員複
素環カルバモイル」および「置換基を有していてもよい
6-10アリールスルホニル」の「置換基」としては、ハ
ロゲン原子、C1-3アルキレンジオキシ、ニトロ、シア
ノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル、ハロ
ゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ、ハロゲン化
されていてもよいC1-6アルキルチオ、ヒドロキシ、ア
ミノ、モノ−C1-6アルキルアミノ、ジ−C1-6アルキル
アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、ハロゲ
ン化されていてもよいC1-6アルキル−カルボニル、C
1-6アルコキシ−カルボニル、モノ−C1-6アルキル−カ
ルバモイル、ジ−C1-6アルキル−カルバモイル、ハロ
ゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニル、ホ
ルミルアミノ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アル
キル−カルボキサミド、C1 -6アルコキシ−カルボキサ
ミド、C1-6アルキルスルホニルアミノ、C1-6アルキル
−カルボニルオキシ、C1-6アルコキシ−カルボニルオ
キシ、モノ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシおよ
びジ−C1-6アルキル−カルバモイルオキシから選ばれ
る置換基1ないし5個、好ましくは1ないし3個が挙げ
られ、なかでも、ハロゲン原子、ハロゲン化されていて
もよいC1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC
1-6アルコキシなどが好ましい。
【0037】前記Ar1およびAr2で示される「置換基
を有していてもよい芳香族基」、およびA環で示される
「置換基を有していてもよいベンゼン環」の「置換基」
としての「アシルアミノ」としては、例えば、前記「置
換基を有していてもよい芳香族基」の「置換基」におい
て詳述した「アシル」で1ないし2個置換されたアミノ
が挙げられ、好ましくは、ホルミルアミノ、ハロゲン化
されていてもよいC1- 6アルキル−カルボキサミド、置
換基を有していてもよいC6-10アリール−カルボキサミ
ド(例、フェニルカルボキサミド、ナフチルカルボキサ
ミドなど)、C 1-6アルコキシ−カルボキサミド(例、
メトキシカルボキサミド、エトキシカルボキサミド、プ
ロポキシカルボキサミド、ブトキシカルボキサミドな
ど)、C1- 6アルキルスルホニルアミノ(例、メチルス
ルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノなど)などが
挙げられる。
【0038】前記Ar1およびAr2で示される「置換基
を有していてもよい芳香族基」、およびA環で示される
「置換基を有していてもよいベンゼン環」の「置換基」
としての「アシルオキシ」としては、例えば、前記「置
換基を有していてもよい芳香族基」の「置換基」におい
て詳述した「アシル」1個で置換されたオキシが挙げら
れ、好ましくは、C1-6アルキル−カルボニルオキシ
(例、アセトキシ、プロパノイルオキシなど)、置換基
を有していてもよいC6-10アリール−カルボニルオキシ
(例、ベンゾイルオキシ、1−ナフトイルオキシ、2−
ナフトイルオキシなど)、C1-6アルコキシ−カルボニ
ルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカ
ルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキ
シカルボニルオキシなど)、モノ−C1-6アルキル−カ
ルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイルオキシ、エ
チルカルバモイルオキシなど)、ジ−C1-6アルキル−
カルバモイルオキシ(例、ジメチルカルバモイルオキ
シ、ジエチルカルバモイルオキシなど)、置換基を有し
ていてもよいC6-10アリール−カルバモイルオキシ
(例、フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモ
イルオキシなど)、ニコチノイルオキシなどが挙げられ
る。
【0039】上記化合物中、Ar1としては、置換基を
有していてもよいフェニル基または置換基を有していて
もよいキノリル基が好ましく、置換基を有していてもよ
いフェニル基がより好ましく、ハロゲン原子、C1-3
ルキレンジオキシ基、ハロゲン化されていてもよいC
1-6アルキル基またはハロゲン化されていてもよいC1-6
アルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基が特に
好ましい。Ar2としては、置換基を有していてもよい
単環式芳香族基が好ましく、それぞれ置換基を有してい
てもよいフェニル基、フリル基、チエニル基またはピリ
ジル基がより好ましく、ハロゲン原子、C1-3アルキレ
ンジオキシ基、ハロゲン化されていてもよいC1-6アル
キル基またはハロゲン化されていてもよいC1-6アルコ
キシ基でそれぞれ置換されていてもよいフェニル基、フ
リル基、チエニル基またはピリジル基が特に好ましく、
3,4−ジメトキシフェニル基が最も好ましい。A環とし
ては、無置換のベンゼン環が好ましい。Xとしては、N
5(R5は上記と同意義を示す。)が好ましい。Yとし
ては、CHが好ましい。
【0040】上記化合物の塩としては薬学的に許容され
る塩が好ましく、例えば、無機塩基との塩、有機塩基と
の塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性
アミノ酸との塩などが挙げられる。無機塩基との塩の好
適な例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩な
どのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩な
どのアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウム塩、ア
ンモニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適
な例としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチル
アミン、ピリジン、ピコリン、エタノ−ルアミン、ジエ
タノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミン、ジシクロヘキ
シルアミン、N',N'-ジベンジルエチレンジアミンなどと
の塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、
例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などと
の塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、
例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマ−ル酸、
シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、
リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-
トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性ア
ミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニ
ン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性ア
ミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギ
ン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
【0041】上記化合物のプロドラッグは、生体内にお
ける生理条件下で酵素や胃酸等による反応により上記化
合物に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、
加水分解等を起こして上記化合物に変化する化合物、胃
酸等により加水分解などを起こして上記化合物に変化す
る化合物をいう。上記化合物のプロドラッグとしては、
上記化合物のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸
化された化合物(例、上記化合物のアミノ基がエイコサ
ノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、
(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4
−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル
化、テトラヒドロピラニル化、ピロリジルメチル化、ピ
バロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化
合物など);上記化合物の水酸基がアシル化、アルキル
化、りん酸化、ほう酸化された化合物(例、上記化合物
の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル
化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニ
ル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化、テトラヒド
ロピラニル化された化合物など);上記化合物のカルボ
キシル基がエステル化、アミド化された化合物(例、上
記化合物のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニ
ルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチル
アミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエス
テル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、
フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−
1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、
シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メ
チルアミド化された化合物など);等が挙げられる。こ
れらの化合物は公知の方法によって上記化合物から製造
することができる。また、上記化合物は、同位元素
(例、3H, 14C, 35S,125Iなど)などで標識されていて
もよい。さらに、上記化合物は、無水物であっても、水
和物であってもよい。
【0042】上記化合物の製造法について以下に述べ
る。以下の製法説明は、上記化合物のみならず、その塩
およびそのプロドラッグにも適用されるが、以下の説明
では単に上記化合物と略称することもある。また、上記
化合物の製造において用いられる各化合物についても、
例えば、化合物(II)と略称した場合であっても、その
塩も含むものとする。上記化合物は、公知の手段を用い
て、例えば以下の製造法で示される方法などにより製造
できる。このようにして得られる上記化合物は、反応混
合物から公知の手段、例えば、溶媒抽出、濃縮、中和、
濾過、結晶化、再結晶、カラムクロマトグラフィー、高
速液体クロマトグラフィー、再結晶などによって目的物
を高純度で反応溶液から単離・精製できる。
【0043】上記化合物は水和物であっても無水和物で
あってもよい。該水和物としては1水和物、0.5水和
物、2水和物などがあげられる。また、上記化合物は同
位元素(例、3H、14C、35S、125Iなど)などで標識
されていてもよい。本発明の上記化合物またはその塩が
不斉炭素を有する場合、得られた光学活性体の混合物
(ラセミ体)は慣用の光学分割手段、例えば、光学活性
酸(例、カンファースルホン酸など)または光学活性塩
基(例、1−メチルベンジルアミンなど)との塩を生成
させる方法や、各種クロマトグラフィー(例、光学活性
カラムを用いる液体クロマトグラフィーなど)、分別再
結晶などの分離手段によってそれぞれの光学活性体に分
割することができる。
【0044】「室温」は通常0ないし30℃を示す。製
造法に記載されている化学構造式中の各記号は、特記し
ない限り前記と同意義を示す。本明細書中、「脱離基」
は、ハロゲン原子(例、クロロ、ブロモ、ヨードな
ど)、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスル
ホニルオキシ(例、メタンスルホニルオキシ、エタンス
ルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ
など)、置換基を有していてもよいC6-10アリールスル
ホニルオキシ、ヒドロキシなどを示す。該「置換基を有
していてもよいC6-10アリールスルホニルオキシ」の
「置換基」としては、ハロゲン原子、ハロゲン化されて
いてもよいC1-6アルキルまたはC1-6アルコキシなどが
1ないし3個挙げられる。「置換基を有していてもよい
6-10アリールスルホニルオキシ」の具体例としては、
ベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオ
キシ、1−ナフタレンスルホニルオキシ、2−ナフタレ
ンスルホニルオキシなどが挙げられる。
【0045】本明細書中、「塩基」は、 1)例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水
素化物(例、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素
化カリウム、水素化カルシウムなど)、アルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属のアミド類(例、リチウムアミ
ド、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミ
ド、リチウムジシクロヘキシルアミド、リチウムヘキサ
メチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジ
ド、カリウムヘキサメチルジシラジドなど)、アルカリ
金属またはアルカリ土類金属の低級アルコキシド(例、
ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウ
ム tert−ブトキシドなど)などの強塩基; 2)例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水
酸化物(例、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウム、水酸化バリウムなど)、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸セシウムなど)、アルカリ金属または
アルカリ土類金属の炭酸水素塩(例、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウムなど)などの無機塩基;または、 3)例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミン、N−メチルモルホリン、ジメチルアミノピリジ
ン、DBU(1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウ
ンデス−7−エン)、DBN(1,5−ジアザビシクロ
〔4.3.0〕ノン−5−エン)などのアミン類、例え
ばピリジン、イミダゾール、2,6−ルチジンなどの塩
基性複素環化合物などの有機塩基などを示す。本明細書
記載の反応、例えば、アルキル化反応、加水分解反応、
アミノ化反応、エステル化反応、アミド化反応、エステ
ル化反応、エーテル化反応、酸化反応、還元反応などは
公知の方法を用いる。その例としてはオーガニック フ
ァンクショナル グループ プレパレーションズ(OR
GANIC FUNCTIONAL GROUP PR
EPARATIONS)第2版、アカデミックプレス社
(ACADEMIC PRESS, INC.)198
9年刊等に記載の方法などが挙げられる。
【0046】また、本発明では、上記式(I)で示され
る化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグが用い
られる。R1、R2、R3、R4およびR5で示される置換
基を有していてもよい低級アルキル基の「低級アルキル
基」としては、例えば、C1-6アルキル(例、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘ
キシルなど)などが挙げられる。好ましくはメチル、エ
チル、プロピルである。
【0047】上記式(I)で示される化合物もしくはそ
の塩またはそのプロドラッグにおいて、上記式(I)
中、R1、R2、R3、R4およびR5で示される「置換基
を有していてもよい低級アルキル基」の「置換基」の説
明は、上記の可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質分泌
促進作用およびアポトーシス阻害作用を有する化合物も
しくはその塩またはそのプロドラッグの説明において、
3、R4およびR5で示される「置換基を有していても
よい低級アルキル基」の「置換基」として説明したのと
同様である。
【0048】上記式(I)中、R1およびR2が結合して
隣接する炭素原子とともに4ないし7員環を形成したも
のとしては、式
【化54】 [式中、各記号は前記と同義を表す。]で表わされる化
合物などが挙げられる。R1としては水素原子が好まし
く、R2としては水素原子または置換基を有していても
よい低級アルキル基が好ましく、より好ましくはC1-6
アルキル基、さらに好ましくはメチル基などが用いられ
る。Xとしては好ましくはNR5(R5は上記と同意義を
示す。)が、Yとしては好ましくはCHが用いられる。
【0049】Ar1およびAr2はそれぞれ置換基を有し
ていてもよい芳香族基を示す。上記式(I)で示される
化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグにおい
て、上記式(I)中、Ar1およびAr2で示される「置
換基を有していてもよい芳香族基」の「芳香族基」の説
明は、上記の可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質分泌
促進作用およびアポトーシス阻害作用を有する化合物も
しくはその塩またはそのプロドラッグの説明において、
Ar1およびAr2で示される「置換基を有していてもよ
い芳香族基」の「芳香族基」として説明したのと同様で
ある。
【0050】上記したなかでも、Ar1およびAr2で示
される芳香族基としては、例えば、(1)フェニル、2
−または3−チェニルなどのチエニル、2−または3−
フリルなどのフリル、2−,3−または4−ピリジルな
どのピリジルなどの単環式芳香族基、(2)2−,3−
または4−ビフェニリルなどのビフェニリル、3−(1
−ナフチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イ
ルまたは3−(2−ナフチル)−1,2,4−オキサジ
アゾール−5−イルなどのナフチル置換オキサジアゾリ
ル、3−(2−ベンゾフラニル)−1,2,4−オキサ
ジアゾール−5−イルなどのベンゾフラニル置換オキサ
ジアゾリル、3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾ
ール−5−イルなどのフェニル置換オキサジアゾリル、
3−(2−ベンズオキサゾリル)−1,2,4−オキサ
ジアゾール−2−イルなどのベンズオキサゾリル置換オ
キサジアゾリル、3−(3−インドリル)−1,2,4
−オキサジアゾール−2−イルまたは3−(2−インド
リル)−1,2,4−オキサジアゾール−2−イルなど
のインドリル置換オキサジアゾリル、4−フェニルチア
ゾール−2−イルなどのフェニル置換チアゾリル、4−
(2−ベンゾフラニル)チアゾール−2−イルなどのベ
ンゾフラニル置換チアゾリル、4−フェニル−1,3−
オキサゾール−5−イルなどのフェニル置換オキサゾリ
ル、4−(2−チエニル)フェニルなどのチエニル置換
フェニル、4−(3−ピリジル)フェニルなどのピリジ
ル置換フェニル、4−(2−ナフチル)フェニルなどの
ナフチル置換フェニル、4,4’−テルフェニリルなど
のテルフェニリルなどの環集合芳香族基、(3)2−,
3−または4−キノリルなどのキノリル、1−,2−ま
たは3−インドリルなどのインドリルなどの縮合芳香族
基などが好ましい。Ar1で示される芳香族基として
は、例えば、フェニルなどの単環式芳香族基など、2−
キノリル、3−キノリルまたは4−キノリルなどのキノ
リルなどの縮合芳香族基がより好ましく、特にフェニル
が好ましく用いられる。Ar2で示される芳香族基とし
ては、例えば、フェニル、2−または3−チエニルなど
のチエニル、2−または3−フリルなどのフリル、2
−,3−または4−ピリジルなどのピリジルなどの単環
式芳香族基などがより好ましい。
【0051】上記式(I)で示される化合物もしくはそ
の塩またはそのプロドラッグにおいて、上記式(I)
中、Ar1およびAr2で示される「置換基を有していて
もよい芳香族基」、「置換基を有していてもよい単環式
芳香族基」、「置換基を有していてもよいフェニル
基」、Ar2で示される「置換基を有していてもよいフ
ェニル基、フリル基、チエニル基またはピリジル基」お
よびA環で示される「置換基を有していてもよいベンゼ
ン環」の「置換基」の説明は、上記の可溶性ベータ・ア
ミロイド前駆蛋白質分泌促進作用およびアポトーシス阻
害作用を有する化合物もしくはその塩またはそのプロド
ラッグの説明において、Ar1およびAr2で示される
「置換基を有していてもよい芳香族基」、「置換基を有
していてもよい単環式芳香族基」、「置換基を有してい
てもよいフェニル基」、Ar1で示される「置換基を有
していてもよいフェニル基または置換基を有していても
よいキノリル基」、Ar2で示される「置換基を有して
いてもよいフェニル基、フリル基、チエニル基またはピ
リジル基」およびA環で示される「置換基を有していて
もよいベンゼン環」の「置換基」として説明したのと同
様である。
【0052】上記式(I)で表される化合物中、R1
しては、水素原子が好ましい。R2としては、水素原子
または置換基を有していてもよい低級アルキル基が好ま
しく、水素原子またはC1-6アルキル基がより好まし
く、メチル基が特に好ましい。Ar1としては、置換基
を有していてもよいフェニル基または置換基を有してい
てもよいキノリル基が好ましく、置換基を有していても
よいフェニル基がより好ましく、ハロゲン原子、C1-3
アルキレンジオキシ基、ハロゲン化されていてもよいC
1-6アルキル基またはハロゲン化されていてもよいC1-6
アルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基が特に
好ましい。Ar2としては、置換基を有していてもよい
単環式芳香族基が好ましく、それぞれ置換基を有してい
てもよいフェニル基、フリル基、チエニル基またはピリ
ジル基がより好ましく、ハロゲン原子、C1-3アルキレ
ンジオキシ基、ハロゲン化されていてもよいC1-6アル
キル基またはハロゲン化されていてもよいC1-6アルコ
キシ基でそれぞれ置換されていてもよいフェニル基、フ
リル基、チエニル基またはピリジル基が特に好ましく、
3,4−ジメトキシフェニル基が最も好ましい。A環とし
ては、無置換のベンゼン環が好ましい。Xとしては、N
5(R5は上記と同意義を示す。)が好ましい。Yとし
ては、CHが好ましい。また、上記式(I)で表される
化合物中、特に、R1が水素原子、R2がメチル基、Ar
1が置換基を有していてもよいフェニル基、Ar2が3,4
−ジメトキシフェニル基、A環が無置換のベンゼン環、
XがNR5(R5は上記と同意義を示す。)、YがCHで
ある化合物が好ましく用いられる。
【0053】上記式(I)で表わされる化合物(以下、
化合物(I)と略称する場合がある)の塩としては薬学
的に許容される塩が好ましく、例えば、無機塩基との
塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩
基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。無機
塩基との塩の好適な例としては、例えば、ナトリウム
塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、
マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにア
ルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。有機
塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノ
−ルアミン、ジエタノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミ
ン、ジシクロヘキシルアミン、N',N'-ジベンジルエチレ
ンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好
適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫
酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好
適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢
酸、フマ−ル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエ
ン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などとの塩が挙げ
られる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例
えば、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙
げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例え
ば、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げら
れる。
【0054】化合物(I)のプロドラッグは、生体内に
おける生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合
物(I)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還
元、加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合
物、胃酸等により加水分解などを起こして化合物(I)
に変化する化合物をいう。化合物(I)のプロドラッグ
としては、化合物(I)のアミノ基がアシル化、アルキ
ル化、りん酸化された化合物(例、化合物(I)のアミ
ノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノ
カルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジ
オキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラ
ヒドロフラニル化、テトラヒドロピラニル化、ピロリジ
ルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブ
チル化された化合物など);化合物(I)の水酸基がア
シル化、アルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物
(例、化合物(I)の水酸基がアセチル化、パルミトイ
ル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、
フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボ
ニル化、テトラヒドロピラニル化された化合物など);
化合物(I)のカルボキシル基がエステル化、アミド化
された化合物(例、化合物(I)のカルボキシル基がエ
チルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチ
ルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバ
ロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオ
キシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−
メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イ
ル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニ
ルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物な
ど);等が挙げられる。これらの化合物は公知の方法に
よって化合物(I)から製造することができる。また、
化合物(I)は、同位元素(例、3H, 14C, 35S,125Iな
ど)などで標識されていてもよい。さらに、化合物
(I)は、無水物であっても、水和物であってもよい。
【0055】化合物(I)の製造法について以下に述べ
る。以下の製法説明は、化合物(I)のみならず、その
塩にも適用されるが、以下の説明では単に化合物(I)
と略称することもある。また、化合物(I)の製造にお
いて用いられる各化合物についても、例えば、化合物
(I')と略称した場合であっても、その塩も含むものと
する。化合物(I)は、公知の手段を用いて、例えば以
下の製造法で示される方法などにより製造できる。この
ようにして得られる化合物(I)は、反応混合物から公
知の手段、例えば、溶媒抽出、濃縮、中和、濾過、結晶
化、再結晶、カラムクロマトグラフィー、高速液体クロ
マトグラフィー、再結晶などによって目的物を高純度で
反応溶液から単離・精製できる。
【0056】化合物(I)は水和物であっても無水和物
であってもよい。該水和物としては1水和物、0.5水
和物、2水和物などがあげられる。また、化合物(I)
は同位元素(例、3H、14C、35S、125Iなど)などで
標識されていてもよい。本発明の化合物(I)またはそ
の塩が不斉炭素を有する場合、得られた光学活性体の混
合物(ラセミ体)は慣用の光学分割手段、例えば、光学
活性酸(例、カンファースルホン酸など)または光学活
性塩基(例、1−メチルベンジルアミンなど)との塩を
生成させる方法や、各種クロマトグラフィー(例、光学
活性カラムを用いる液体クロマトグラフィーなど)、分
別再結晶などの分離手段によってそれぞれの光学活性体
に分割することができる。
【0057】「室温」は通常0ないし30℃を示す。製
造法に記載されている化学構造式中の各記号は、特記し
ない限り前記と同意義を示す。
【0058】以下に化合物(I)の具体的な製造法を示
す。 製造法1 化合物(I)は通常、下記の製造法1の方法にて製造可能
である。化合物(I') は公知の方法、例えば、Bulletin
of the Chemical Society of Japan, 42巻 2885-2894
頁(1969)やCan. J. CHEM. 52巻(1974年)記載の方法ある
いは該報告引用の方法により製造出来る。
【化55】 [式中、各記号は前記と同義を表す。] 製造法1記載の反応はアミド化反応であり、脱水縮合剤
を用いる方法とカルボンキシを一旦その反応性誘導体に
変換後に縮合させる方法などにより行うことができる。
【0059】i) 脱水縮合剤を用いる方法 化合物(I')またはその塩、1当量〜5当量の、式 Ar2−COOH (I'') [式中、Ar2は前記と同義を表す。]で表わされる化
合物、および1当量〜2当量の脱水縮合剤を不活性溶媒
中、室温下、10時間〜24時間反応させる。必要に応じ、
1当量〜1.5当量の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HO
BT)、および/または触媒量〜5当量の塩基(例、トリエ
チルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなど)を添加し
て反応を行ってもよい。該「脱水縮合剤」としては、例
えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル
−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩
酸塩(WSC)などが挙げられる。中でもWSCが好ましい。不
活性溶媒としては、例えば、ニトリル系溶媒(好ましく
はアセトニトリル)、アミド系溶媒(好ましくはジメチル
ホルムアミド(DMF))、 ハロゲン化炭化水素系溶媒(好
ましくはジクロロメタン)、エーテル系溶媒(好ましくは
テトラヒドロフラン(THF))などの単独またはこれらの
二種以上を混合して用いることができる。
【0060】ii)カルボキシの反応性誘導体を用いる方
法 化合物(I'')の反応性誘導体および1当量〜5当量(好まし
くは1当量〜3当量)の化合物(I')を不活性溶媒中、−20
℃〜50℃(好ましくは室温)、5分間〜40時間(好ましくは
1時間〜18時間)反応させる。必要に応じ、1当量〜10当
量、好ましくは1当量〜3当量の塩基を共存させて反応を
行ってもよい。化合物(I'')の「反応性誘導体」として
は、酸ハライド(例、酸クロリド、酸ブロミドなど)、混
合酸無水物(例、C1-6アルキル−カルボン酸、C6-10アリ
ール−カルボン酸またはC1-6アルキル炭酸との酸無水物
など)、活性エステル(例、置換基を有していてもよいフ
ェノール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールまたはN−
ヒドロキシスクシンイミドとのエステルなど)などが挙
げられる。該「置換基を有していてもよいフェノール」
の「置換基」としては、ハロゲン原子、ニトロ、ハロゲ
ン化されていてもよいC1-6アルキルまたはハロゲン化さ
れていてもよいC1 -6アルコキシが1ないし5個挙げられ
る。「置換基を有していてもよいフェノール」の具体例
としては、フェノール、ペンタクロロフェノール、ペン
タフルオロフェノール、p−ニトロフェノールなどが挙
げられる。反応性誘導体として、酸ハライドが好まし
い。「塩基」として、水素化ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、トリエチ
ルアミン、ピリジンなどが好ましい。不活性溶媒として
は、例えばエーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶
媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、ケ
トン系溶媒、スルホキシド系溶媒、水などを単独または
これらの二種以上を混合して用いることができる。中で
も、ピリジン、アセトニトリル、THF、ジクロロメタ
ン、クロロホルムなどが好ましい。中でも、ピリジン、
THF 、アセトニトリルなどがさらに好ましい。
【0061】製造法2 XがNR5、YがCHである化合物(Ia)は、化合物(IV)
を例えば文献記載の方法(テトラヘドロンレターズ 38(1
5) 2673(1997))などにより、ヒドロキシ基を一旦反応性
置換基に変換した後、塩基存在下、化合物(IX)で置換し
て製造することができる。
【化56】 [式中、各記号は前記と同義を表す。] 反応性置換基としては、例えばハロゲン原子(例、塩
素、臭素、ヨウ素など)、ハロゲン化されていてもよい
1-6アルキルスルホニルオキシ(例、メタンスルホニ
ルオキシ、エタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタ
ンスルホニルオキシなど)、置換基を有していてもよい
6-10アリールスルホニルオキシなどが挙げられる。該
「置換基を有していてもよいC6-10アリールスルホニル
オキシ」における「置換基」としては、例えばハロゲン
原子(例、塩素、臭素、ヨウ素など)、ハロゲン化され
ていてもよいC1-6アルキルまたはC1-6アルコキシなど
が挙げられる。置換基の数は、例えば1ないし3個であ
る。「置換基を有していてもよいC6- 10アリールスルホ
ニルオキシ」の具体例としては、ベンゼンスルホニルオ
キシ、p−トルエンスルホニルオキシ、1−ナフタレン
スルホニルオキシ、2−ナフタレンスルホニルオキシな
どが挙げられる。該「反応性置換基」は、好ましくは、
ハロゲン原子(例、塩素、臭素、ヨウ素など)、メタン
スルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキ
シ、p−トルエンスルホニルオキシなどである。ハロゲ
ン化反応は、例えば化合物(IV)と1ないし10当量のハロ
ゲン化剤を、不活性溶媒中で反応させることにより行わ
れる。該ハロゲン化剤としては、例えばチオニルクロリ
ド、チオニルブロミド、三塩化リン、五塩化リン、オキ
シ塩化リンなどの無機酸ハロゲン化物;塩化水素酸、臭
化水素酸などのハロゲン化水素酸、あるいはヨードトリ
メチルシランなどのシリルハロゲン化物が挙げられ、好
ましくはヨードトリメチルシランが使用される。「不活
性溶媒」としては、例えば、エーテル系溶媒、ハロゲン
化炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒、ア
ミド系溶媒、スルホキシド系溶媒などが挙げられる 反応温度は-20℃ないし200℃、好ましくは0℃ないし100
℃である。反応時間は0.1時間ないし48時間、好ましく
は1ないし24時間である。スルホニル化反応は、例えば
化合物(IV)と1ないし5当量の対応するスルホニルハライ
ドとを、塩基の存在下に不活性溶媒中で反応させること
により行われる。塩基は、好ましくは、炭酸カリウム、
炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、N−メチルモ
ルホリン、ピリジンなどである。塩基の使用量は、好ま
しくは1ないし10当量である。「不活性溶媒」として
は、例えば、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶
媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、ケ
トン系溶媒、スルホキシド系溶媒などが挙げられる 反応温度は-20℃ないし200℃、好ましくは0℃ないし100
℃である。反応時間は0.1時間ないし48時間、好ましく
は1ないし24時間である。化合物(IX)は市販のアニリン
類、あるいは新実験化学講座14巻(III)、オーガニッ
ク ファンクショナル グループ プレパレーションズ
(ORGANICFUNCTIONAL GROUP
PREPARATIONS)第2版、アカデミックプレ
ス社(ACADEMIC PRESS, INC.)1
989年刊;コンプリヘンシブ・オーガニック・トラン
スフォーメーション (Comprehensive Organic Transfor
mations) VCH Publishers Inc.,1989年刊等に記載の方
法で合成されたアニリン類などが使用される。使用量
は、好ましくは1ないし10当量である。塩基は、前記
のものが使用されるが、好ましくは、炭酸カリウム、炭
酸バリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、
N−メチルモルホリン、ピリジンなどである。塩基の使
用量は、好ましくは1ないし10当量である。本反応は不
活性溶媒中で行なわれる。「不活性溶媒」としては、例
えば、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、芳
香族系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系
溶媒、スルホキシド系溶媒などが挙げられる反応温度は
-20℃ないし200℃、好ましくは0℃ないし50℃である。
反応時間は0.1時間ないし48時間、好ましくは1ないし24
時間である。
【0062】化合物(IV)は、化合物(V)を不活性溶媒
中、適当な還元剤で還元して製造することができる。
「不活性溶媒」としては、例えば、アルコール系溶媒、
エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、芳香族系
溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、有機酸系溶媒な
どが挙げられる。これらは、二種以上を適宜の割合で混
合して用いてもよい。なかでも、メタノール、エタノー
ル、などが好ましい。還元剤としては、例えば水素化ホ
ウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウ
ム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウ
ムリチウムなどが用いられる。還元剤の使用量は、通常
1ないし20当量、好ましくは1ないし5当量である。反応
温度は、通常−20℃ないし150℃、好ましくは0ないし50
℃である。反応時間は、通常5分間ないし24時間、好ま
しくは1ないし12時間である。化合物(V)は化合物(VI)を
製造法1と同様の方法でアシル化して製造することがで
きる。化合物(VI)は公知の方法(例えばバイオオーガニ
ック アンド メデイシナルケミストリーレターズ
1009(1999)に記載の方法など)により製造
することができる。
【0063】製造法3 化合物(Ia)は、製造法1ないし2で得られた化合物(Ib)
を不活性溶媒中、適当な塩基の存在下、化合物R5Z(VI
I)[式中、Zは前記反応性置換基]と反応して製造するこ
とができる。
【化57】 [式中、各記号は前記と同義を表す。] 反応性置換基としては、製造法1記載のものが使用され
るが、好ましくはハロゲン原子、アルキルスルホニル
基、アリ−ルスルホニル基などである。「塩基」として
は、前記と同様のものが用いられるが、好ましくは、炭
酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどで
ある。塩基の使用量は、好ましくは1ないし10当量であ
る。化合物(VII)は例えば市販の塩化アルキル、臭化
アルキル、ヨウ化アルキル、あるいは新実験化学講座14
巻(I)、オーガニック ファンクショナル グループ
プレパレーションズ(ORGANIC FUNCTI
ONAL GROUP PREPARATIONS)第
2版、アカデミックプレス社(ACADEMIC PR
ESS, INC.)1989年刊;コンプリヘンシブ
・オーガニック・トランスフォーメーション (Comprehe
nsive Organic Transformations) VCHPublishers In
c.,1989年刊等に記載の方法などにより合成されたもの
が使用される。使用量は、好ましくは1ないし20当量で
ある。「不活性溶媒」としては、例えば、アルコール系
溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、芳
香族系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系
溶媒、スルホキシド系溶媒、などが挙げられる。これら
は、二種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。な
かでも、アセトニトリル、DMF、DMSO、アセトンなど
が好ましい。反応温度は、通常約−20℃ないし100
℃、好ましくは室温ないし80℃である。反応時間は、
例えば約0.5時間ないし48時間である。
【0064】製造法4 XがO、YがCHである化合物(Ic)は、製造法2で得ら
れた化合物(IV)と化合物(VIII)を縮合反応に付して製造
することができる。該縮合反応としては、例えば光延反
応(シンセシス 1 (1980)に記載の方法)などがある。
【化58】 [式中、各記号は前記と同義を表す。] 化合物Ar1OHは市販のフェノール類、あるいは新実験化
学講座14巻(I)、オーガニック ファンクショナル
グループ プレパレーションズ(ORGANICFUN
CTIONAL GROUP PREPARATION
S)第2版、アカデミックプレス社(ACADEMIC
PRESS, INC.)1989年刊;コンプリヘ
ンシブ・オーガニック・トランスフォーメーション (Co
mprehensive Organic Transformations) VCH Publisher
s Inc.,1989年刊等に記載の方法で製造されるフェノー
ル類が使用される。該光延反応では、化合物(IV)と0.5
ないし5当量(好ましくは1ないし1.5当量)の化合物(VII
I)とを、0.5ないし5当量(好ましくは1ないし1.5当量)の
アゾジカルボン酸ジエステルとトリアリルホスフィンも
しくはトリアルキルホスフィンの共存下に、不活性溶媒
中で反応させる。アゾジカルボン酸ジエステルとして
は、好ましくはアゾジカルボン酸ジメチル、アゾジカル
ボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピルなど
が使用される。ホスフィン類は好ましくはトリフェニル
ホスフィン、トリブチルホスフィンなどが使用される。
不活性溶媒としては、例えばエーテル系溶媒、ハロゲン
化炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒、ア
ミド系溶媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒などが
挙げられる。これらは、二種以上を適宜の割合で混合し
て用いてもよい。なかでも、THF、アセトニトリル、ジ
クロロメタン、クロロホルムなどが好ましい。反応温度
は、通常−20℃ないし50℃、好ましくは室温である。反
応時間は、通常5分間ないし40時間、好ましくは1ないし
18時間である。
【0065】製造法5 XがCR34、YがNである化合物(Id)は、化合物(X)
と化合物(XI)[式中、Zは反応性置換基]から製造法3と
同様にして、製造することができる。
【化59】 [式中、各記号は前記と同義を表す。] 化合物(XI)は例えば市販の塩化アルキル、臭化アルキ
ル、ヨウ化アルキル、あるいは新実験化学講座14巻
(1)、オーガニック ファンクショナル グループ
プレパレーションズ(ORGANIC FUNCTIO
NAL GROUPPREPARATIONS)第2
版、アカデミックプレス社(ACADEMIC PRE
SS, INC.)1989年刊;コンプリヘンシブ・
オーガニック・トランスフォーメーション (Comprehens
ive Organic Transformations) VCH Publishers Inc.,
1989年刊等に記載の方法により合成されたものが使用さ
れる。化合物(X)は化合物(XII)を製造法1と同様の方法
でアシル化して製造することができる。化合物(X)は公
知の方法(例えばジャーナル オブ ファーマーシュー
チカル ブレタン 32(6) 2421(1984))に記載の方
法など)により製造することができる。
【0066】また、本発明では、上記式(II)で示さ
れる化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグが用
いられる。R1およびR2で示される置換基を有していて
もよい低級アルキル基の「低級アルキル基」としては、
例えば、C1-6アルキル(例、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなど)など
が挙げられる。好ましくはメチル、エチル、プロピルで
ある。
【0067】上記式(II)で示される化合物もしくは
その塩またはそのプロドラッグにおいて、上記式(I
I)中、R1およびR2で示される「置換基を有していて
もよい低級アルキル基」の「置換基」の説明は、上記の
可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質分泌促進作用およ
びアポトーシス阻害作用を有する化合物もしくはその塩
またはそのプロドラッグの説明において、R3、R4およ
びR5で示される「置換基を有していてもよい低級アル
キル基」の「置換基」として説明したのと同様である。
【0068】上記式(II)中、R1およびR2が結合し
て隣接する炭素原子とともに4ないし7員環を形成した
ものとしては、式
【化60】 [式中、各記号は前記と同義を表す。]で表わされる化
合物などが挙げられる。R1としては水素原子が好まし
く、R2としては水素原子または置換基を有していても
よい低級アルキル基が好ましく、より好ましくはC1-6
アルキル基、さらに好ましくはメチル基などが用いられ
る。
【0069】Ar1およびAr2はそれぞれ置換基を有し
ていてもよい芳香族基を示す。上記式(II)で示され
る化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグにおい
て、上記式(II)中、Ar1およびAr2で示される
「置換基を有していてもよい芳香族基」の「芳香族基」
の説明は、上記の可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質
分泌促進作用およびアポトーシス阻害作用を有する化合
物もしくはその塩またはそのプロドラッグの説明におい
て、Ar1およびAr2で示される「置換基を有していて
もよい芳香族基」の「芳香族基」として説明したのと同
様である。
【0070】上記したなかでも、Ar1およびAr2で示
される芳香族基としては、例えば、(1)フェニル、2
−または3−チェニルなどのチエニル、2−または3−
フリルなどのフリル、2−,3−または4−ピリジルな
どのピリジルなどの単環式芳香族基、(2)2−,3−
または4−ビフェニリルなどのビフェニリル、3−(1
−ナフチル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イ
ルまたは3−(2−ナフチル)−1,2,4−オキサジ
アゾール−5−イルなどのナフチル置換オキサジアゾリ
ル、3−(2−ベンゾフラニル)−1,2,4−オキサ
ジアゾール−5−イルなどのベンゾフラニル置換オキサ
ジアゾリル、3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾ
ール−5−イルなどのフェニル置換オキサジアゾリル、
3−(2−ベンズオキサゾリル)−1,2,4−オキサ
ジアゾール−2−イルなどのベンズオキサゾリル置換オ
キサジアゾリル、3−(3−インドリル)−1,2,4
−オキサジアゾール−2−イルまたは3−(2−インド
リル)−1,2,4−オキサジアゾール−2−イルなど
のインドリル置換オキサジアゾリル、4−フェニルチア
ゾール−2−イルなどのフェニル置換チアゾリル、4−
(2−ベンゾフラニル)チアゾール−2−イルなどのベ
ンゾフラニル置換チアゾリル、4−フェニル−1,3−
オキサゾール−5−イルなどのフェニル置換オキサゾリ
ル、4−(2−チエニル)フェニルなどのチエニル置換
フェニル、4−(3−ピリジル)フェニルなどのピリジ
ル置換フェニル、4−(2−ナフチル)フェニルなどの
ナフチル置換フェニル、4,4’−テルフェニリルなど
のテルフェニリルなどの環集合芳香族基、(3)2−,
3−または4−キノリルなどのキノリル、1−,2−ま
たは3−インドリルなどのインドリルなどの縮合芳香族
基などが好ましい。Ar1で示される芳香族基として
は、例えば、フェニルなどの単環式芳香族基など、2−
キノリル、3−キノリルまたは4−キノリルなどのキノ
リルなどの縮合芳香族基がより好ましく、特にフェニル
が好ましく用いられる。Ar2で示される芳香族基とし
ては、例えば、フェニル、2−または3−チエニルなど
のチエニル、2−または3−フリルなどのフリル、2
−,3−または4−ピリジルなどのピリジルなどの単環
式芳香族基などがより好ましい。
【0071】上記式(II)で示される化合物もしくは
その塩またはそのプロドラッグにおいて、上記式(I
I)中、Ar1およびAr2で示される「置換基を有して
いてもよい芳香族基」、「置換基を有していてもよい単
環式芳香族基」、「置換基を有していてもよいフェニル
基」、Ar2で示される「置換基を有していてもよいフ
ェニル基、フリル基、チエニル基またはピリジル基」お
よびA環で示される「置換基を有していてもよいベンゼ
ン環」の「置換基」の説明は、上記の可溶性ベータ・ア
ミロイド前駆蛋白質分泌促進作用およびアポトーシス阻
害作用を有する化合物もしくはその塩またはそのプロド
ラッグの説明において、Ar1およびAr2で示される
「置換基を有していてもよい芳香族基」、「置換基を有
していてもよい単環式芳香族基」、「置換基を有してい
てもよいフェニル基」、Ar1で示される「置換基を有
していてもよいフェニル基または置換基を有していても
よいキノリル基」、Ar2で示される「置換基を有して
いてもよいフェニル基、フリル基、チエニル基またはピ
リジル基」およびA環で示される「置換基を有していて
もよいベンゼン環」の「置換基」として説明したのと同
様である。
【0072】上記式(II)で表される化合物中、R1
としては、水素原子が好ましい。R2としては、水素原
子または置換基を有していてもよい低級アルキル基が好
ましく、水素原子またはC1-6アルキル基がより好まし
く、メチル基が特に好ましい。Ar1としては、置換基
を有していてもよいフェニル基または置換基を有してい
てもよいキノリル基が好ましく、置換基を有していても
よいフェニル基がより好ましく、ハロゲン原子、C1-3
アルキレンジオキシ基、ハロゲン化されていてもよいC
1-6アルキル基またはハロゲン化されていてもよいC1-6
アルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基が特に
好ましい。Ar2としては、置換基を有していてもよい
単環式芳香族基が好ましく、それぞれ置換基を有してい
てもよいフェニル基、フリル基、チエニル基またはピリ
ジル基がより好ましく、ハロゲン原子、C1-3アルキレ
ンジオキシ基、ハロゲン化されていてもよいC1-6アル
キル基またはハロゲン化されていてもよいC1-6アルコ
キシ基でそれぞれ置換されていてもよいフェニル基、フ
リル基、チエニル基またはピリジル基が特に好ましく、
3,4−ジメトキシフェニル基が最も好ましい。A環とし
ては、無置換のベンゼン環が好ましい。また、上記式
(II)で表される化合物中、特に、R1が水素原子、
2がメチル基、Ar1が置換基を有していてもよいフェ
ニル基、Ar2が3,4−ジメトキシフェニル基、A環が
無置換のベンゼン環である化合物が好ましく用いられ
る。
【0073】上記式(II)で表わされる化合物(以
下、化合物(II)と略称する場合がある)の塩として
は薬学的に許容される塩が好ましく、例えば、無機塩基
との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との
塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられ
る。無機塩基との塩の好適な例としては、例えば、ナト
リウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウ
ム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;なら
びにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられ
る。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリ
ン、エタノ−ルアミン、ジエタノ−ルアミン、トリエタ
ノ−ルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N',N'-ジベン
ジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸
との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素
酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機
酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、ト
リフルオロ酢酸、フマ−ル酸、シュウ酸、酒石酸、マレ
イン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸など
との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例
としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチンな
どとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例と
しては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸などと
の塩が挙げられる。
【0074】化合物(II)のプロドラッグは、生体内にお
ける生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物
(II)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、
加水分解等を起こして化合物(II)に変化する化合物、胃
酸等により加水分解などを起こして化合物(II)に変化す
る化合物をいう。化合物(II)のプロドラッグとしては、
化合物(II)のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸
化された化合物(例、化合物(II)のアミノ基がエイコサ
ノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、
(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4
−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル
化、テトラヒドロピラニル化、ピロリジルメチル化、ピ
バロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化
合物など);化合物(II)の水酸基がアシル化、アルキル
化、りん酸化、ほう酸化された化合物(例、化合物(II)
の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル
化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニ
ル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化、テトラヒド
ロピラニル化された化合物など);化合物(II)のカルボ
キシル基がエステル化、アミド化された化合物(例、化
合物(II)のカルボキシル基がエチルエステル化、フェニ
ルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチル
アミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエス
テル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、
フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−
1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、
シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メ
チルアミド化された化合物など);等が挙げられる。こ
れらの化合物は公知の方法によって化合物(II)から製造
することができる。また、化合物(II)は、同位元素
(例、3H, 14C, 35S,125Iなど)などで標識されていて
もよい。さらに、化合物(II)は、無水物であっても、水
和物であってもよい。
【0075】化合物(II)の製造法について以下に述
べる。以下の製法説明は、化合物(II)のみならず、
その塩にも適用されるが、以下の説明では単に化合物
(II)と略称することもある。また、化合物(II)
の製造において用いられる各化合物についても、例え
ば、化合物(II’)と略称した場合であっても、その
塩も含むものとする。化合物(II)は、公知の手段を
用いて、例えば以下の製造法で示される方法などにより
製造できる。このようにして得られる化合物(II)
は、反応混合物から公知の手段、例えば、溶媒抽出、濃
縮、中和、濾過、結晶化、再結晶、カラムクロマトグラ
フィー、高速液体クロマトグラフィー、再結晶などによ
って目的物を高純度で反応溶液から単離・精製できる。
【0076】化合物(II)は水和物であっても無水和
物であってもよい。該水和物としては1水和物、0.5
水和物、2水和物などがあげられる。また、化合物(I
I)は同位元素(例、3H、14C、35S、125Iなど)な
どで標識されていてもよい。本発明の化合物(II)ま
たはその塩が不斉炭素を有する場合、得られた光学活性
体の混合物(ラセミ体)は慣用の光学分割手段、例え
ば、光学活性酸(例、カンファースルホン酸など)また
は光学活性塩基(例、1−メチルベンジルアミンなど)
との塩を生成させる方法や、各種クロマトグラフィー
(例、光学活性カラムを用いる液体クロマトグラフィー
など)、分別再結晶などの分離手段によってそれぞれの
光学活性体に分割することができる。
【0077】「室温」は通常0ないし30℃を示す。製
造法に記載されている化学構造式中の各記号は、特記し
ない限り前記と同意義を示す。
【0078】以下に化合物(II)の具体的な製造法を
示す。
【0079】製造法6 化合物(II)は、上記製造法2で得られた化合物(IV)と化
合物(VIII)を縮合反応に付して製造することができる。
該縮合反応としては、例えば光延反応(シンセシス 1 (1
980)に記載の方法)などがある。
【0080】
【化61】 [式中、各記号は前記と同義を表す。] 化合物Ar1OHは市販のフェノール類、あるいは新実験化
学講座14巻(I)、オーガニック ファンクショナル
グループ プレパレーションズ(ORGANICFUN
CTIONAL GROUP PREPARATION
S)第2版、アカデミックプレス社(ACADEMIC
PRESS, INC.)1989年刊;コンプリヘ
ンシブ・オーガニック・トランスフォーメーション (Co
mprehensive Organic Transformations) VCH Publisher
s Inc.,1989年刊等に記載の方法で製造されるフェノー
ル類が使用される。
【0081】該光延反応では、化合物(IV)と0.5ないし5
当量(好ましくは1ないし1.5当量)の化合物(VIII)とを、
0.5ないし5当量(好ましくは1ないし1.5当量)のアゾジカ
ルボン酸ジエステルとトリアリルホスフィンもしくはト
リアルキルホスフィンの共存下に、不活性溶媒中で反応
させる。アゾジカルボン酸ジエステルとしては、好まし
くはアゾジカルボン酸ジメチル、アゾジカルボン酸ジエ
チル、アゾジカルボン酸ジイソプロピルなどが使用され
る。ホスフィン類は好ましくはトリフェニルホスフィ
ン、トリブチルホスフィンなどが使用される。不活性溶
媒としては、例えばエーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水
素系溶媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶
媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒などが挙げられ
る。これらは、二種以上を適宜の割合で混合して用いて
もよい。なかでも、THF、アセトニトリル、ジクロロメ
タン、クロロホルムなどが好ましい。反応温度は、通常
−20℃ないし50℃、好ましくは室温である。反応時間
は、通常5分間ないし40時間、好ましくは1ないし18時間
である。
【0082】また、本発明では、上記式(III)で示
される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグが
用いられる。R1、R2、R3、R4およびR5で示される
置換基を有していてもよい低級アルキル基の「低級アル
キル基」としては、例えば、C1-6アルキル(例、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、
ヘキシルなど)などが挙げられる。好ましくはメチル、
エチル、プロピルである。
【0083】上記式(III)で示される化合物もしく
はその塩またはそのプロドラッグにおいて、上記式(I
II)中、R1、R2、R3、R4およびR5で示される
「置換基を有していてもよい低級アルキル基」の「置換
基」の説明は、上記の可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋
白質分泌促進作用およびアポトーシス阻害作用を有する
化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグの説明に
おいて、R3、R4およびR5で示される「置換基を有し
ていてもよい低級アルキル基」の「置換基」として説明
したのと同様である。
【0084】上記式(III)中、R1およびR2が結合
して隣接する炭素原子とともに4ないし7員環を形成し
たものとしては、式
【化62】 [式中、各記号は前記と同義を表す。]で表わされる化
合物などが挙げられる。R1として好ましくは水素原子
が、R2として好ましくは水素原子または置換基を有し
ていてもよい低級アルキル基、より好ましくはC1-6
ルキル基、さらに好ましくはメチル基などが用いられ
る。Xとしては好ましくはNR5(R5は上記と同意義を
示す。)が、Yとしては好ましくはCHが用いられる。
【0085】Ar1は置換基を有していてもよい芳香族
基を示す。上記式(III)で示される化合物もしくは
その塩またはそのプロドラッグにおいて、上記式(II
I)中、Ar1で示される「置換基を有していてもよい
芳香族基」の「芳香族基」の説明は、上記の可溶性ベー
タ・アミロイド前駆蛋白質分泌促進作用およびアポトー
シス阻害作用を有する化合物もしくはその塩またはその
プロドラッグの説明において、Ar1およびAr2で示さ
れる「置換基を有していてもよい芳香族基」の「芳香族
基」として説明したのと同様である。
【0086】上記したなかでも、Ar1で示される芳香
族基としては、例えば、(1)フェニル、2−または3
−チェニルなどのチエニル、2−または3−フリルなど
のフリル、2−,3−または4−ピリジルなどのピリジ
ルなどの単環式芳香族基、(2)2−,3−または4−
ビフェニリルなどのビフェニリル、3−(1−ナフチ
ル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イルまたは
3−(2−ナフチル)−1,2,4−オキサジアゾール
−5−イルなどのナフチル置換オキサジアゾリル、3−
(2−ベンゾフラニル)−1,2,4−オキサジアゾー
ル−5−イルなどのベンゾフラニル置換オキサジアゾリ
ル、3−フェニル−1,2,4−オキサジアゾール−5
−イルなどのフェニル置換オキサジアゾリル、3−(2
−ベンズオキサゾリル)−1,2,4−オキサジアゾー
ル−2−イルなどのベンズオキサゾリル置換オキサジア
ゾリル、3−(3−インドリル)−1,2,4−オキサ
ジアゾール−2−イルまたは3−(2−インドリル)−
1,2,4−オキサジアゾール−2−イルなどのインド
リル置換オキサジアゾリル、4−フェニルチアゾール−
2−イルなどのフェニル置換チアゾリル、4−(2−ベ
ンゾフラニル)チアゾール−2−イルなどのベンゾフラ
ニル置換チアゾリル、4−フェニル−1,3−オキサゾ
ール−5−イルなどのフェニル置換オキサゾリル、4−
(2−チエニル)フェニルなどのチエニル置換フェニ
ル、4−(3−ピリジル)フェニルなどのピリジル置換
フェニル、4−(2−ナフチル)フェニルなどのナフチ
ル置換フェニル、4,4’−テルフェニリルなどのテル
フェニリルなどの環集合芳香族基、(3)2−,3−ま
たは4−キノリルなどのキノリル、1−,2−または3
−インドリルなどのインドリルなどの縮合芳香族基など
が好ましい。Ar1で示される芳香族基としては、例え
ば、フェニルなどの単環式芳香族基など、2−キノリ
ル、3−キノリルまたは4−キノリルなどのキノリルな
どの縮合芳香族基がより好ましく、特にフェニルが好ま
しく用いられる。
【0087】上記式(III)で示される化合物もしく
はその塩またはそのプロドラッグにおいて、上記式(I
II)中、Ar1で示される「置換基を有していてもよ
い芳香族基」、「置換基を有していてもよい単環式芳香
族基」、「置換基を有していてもよいフェニル基」およ
びA環で示される「置換基を有していてもよいベンゼン
環」の「置換基」の説明は、上記の可溶性ベータ・アミ
ロイド前駆蛋白質分泌促進作用およびアポトーシス阻害
作用を有する化合物もしくはその塩またはそのプロドラ
ッグの説明において、Ar1およびAr2で示される「置
換基を有していてもよい芳香族基」、「置換基を有して
いてもよい単環式芳香族基」、「置換基を有していても
よいフェニル基」、Ar1で示される「置換基を有して
いてもよいフェニル基または置換基を有していてもよい
キノリル基」、Ar2で示される「置換基を有していて
もよいフェニル基、フリル基、チエニル基またはピリジ
ル基」およびA環で示される「置換基を有していてもよ
いベンゼン環」の「置換基」として説明したのと同様で
ある。
【0088】上記式(III)で表される化合物中、R
1としては、水素原子が好ましい。R2としては、水素原
子または置換基を有していてもよい低級アルキル基が好
ましく、水素原子またはC1-6アルキル基がより好まし
く、メチル基が特に好ましい。Ar1としては、置換基
を有していてもよいフェニル基または置換基を有してい
てもよいキノリル基が好ましく、置換基を有していても
よいフェニル基がより好ましく、ハロゲン原子、C1-3
アルキレンジオキシ基、ハロゲン化されていてもよいC
1-6アルキル基またはハロゲン化されていてもよいC1-6
アルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基が特に
好ましい。A環としては、無置換のベンゼン環が好まし
い。B環としては、C1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基
またはC1-3アルキレンジオキシ基で置換されていても
よいベンゼン環が好ましい。Xとしては、NR5(R5
上記と同意義を示す。)が好ましい。Yとしては、CH
が好ましい。また、上記式(III)で表される化合物
中、特に、R1が水素原子、R2がメチル基、Ar1が置
換基を有していてもよいフェニル基、A環が無置換のベ
ンゼン環、XがNR5(R5は上記と同意義を示す。)、
YがCH (ただし、XがNH、YがCHかつAr1が無
置換のフェニル基である場合を除く)である化合物が好
ましく用いられる。
【0089】上記式(III)で表わされる化合物(以
下、化合物(III)と略称する場合がある)の塩とし
ては薬学的に許容される塩が好ましく、例えば、無機塩
基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との
塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩などが挙げられ
る。無機塩基との塩の好適な例としては、例えば、ナト
リウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウ
ム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;なら
びにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられ
る。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリ
ン、エタノ−ルアミン、ジエタノ−ルアミン、トリエタ
ノ−ルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N',N'-ジベン
ジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸
との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素
酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機
酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、ト
リフルオロ酢酸、フマ−ル酸、シュウ酸、酒石酸、マレ
イン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸など
との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例
としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチンな
どとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例と
しては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸などと
の塩が挙げられる。
【0090】化合物(III)のプロドラッグは、生体内に
おける生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合
物(III)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還
元、加水分解等を起こして化合物(III)に変化する化合
物、胃酸等により加水分解などを起こして化合物(III)
に変化する化合物をいう。化合物(III)のプロドラッグ
としては、化合物(III)のアミノ基がアシル化、アルキ
ル化、りん酸化された化合物(例、化合物(III)のアミ
ノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノ
カルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジ
オキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラ
ヒドロフラニル化、テトラヒドロピラニル化、ピロリジ
ルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブ
チル化された化合物など);化合物(III)の水酸基がア
シル化、アルキル化、りん酸化、ほう酸化された化合物
(例、化合物(III)の水酸基がアセチル化、パルミトイ
ル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、
フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボ
ニル化、テトラヒドロピラニル化された化合物など);
化合物(III)のカルボキシル基がエステル化、アミド化
された化合物(例、化合物(III)のカルボキシル基がエ
チルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチ
ルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバ
ロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオ
キシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−
メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イ
ル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニ
ルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物な
ど);等が挙げられる。これらの化合物は公知の方法に
よって化合物(III)から製造することができる。また、
化合物(III)は、同位元素(例、3H, 14C, 35S,125Iな
ど)などで標識されていてもよい。さらに、化合物(II
I)は、無水物であっても、水和物であってもよい。
【0091】化合物(III)の製造法について以下に
述べる。以下の製法説明は、化合物(III)のみなら
ず、その塩にも適用されるが、以下の説明では単に化合
物(III)と略称することもある。また、化合物(I
II)の製造において用いられる各化合物についても、
例えば、化合物(III')と略称した場合であっても、そ
の塩も含むものとする。化合物(III)は、公知の手
段を用いて、例えば以下の製造法で示される方法などに
より製造できる。このようにして得られる化合物(II
I)は、反応混合物から公知の手段、例えば、溶媒抽
出、濃縮、中和、濾過、結晶化、再結晶、カラムクロマ
トグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、再結晶な
どによって目的物を高純度で反応溶液から単離・精製で
きる。
【0092】化合物(III)は水和物であっても無水
和物であってもよい。該水和物としては1水和物、0.
5水和物、2水和物などがあげられる。また、化合物
(III)は同位元素(例、3H、14C、35S、125Iな
ど)などで標識されていてもよい。本発明の化合物(II
I)またはその塩が不斉炭素を有する場合、得られた光
学活性体の混合物(ラセミ体)は慣用の光学分割手段、
例えば、光学活性酸(例、カンファースルホン酸など)
または光学活性塩基(例、1−メチルベンジルアミンな
ど)との塩を生成させる方法や、各種クロマトグラフィ
ー(例、光学活性カラムを用いる液体クロマトグラフィ
ーなど)、分別再結晶などの分離手段によってそれぞれ
の光学活性体に分割することができる。
【0093】「室温」は通常0ないし30℃を示す。製
造法に記載されている化学構造式中の各記号は、特記し
ない限り前記と同意義を示す。
【0094】以下に化合物(III)の具体的な製造法
を示す。 製造法7 化合物(III)は通常、下記の製造法7の方法にて製造可
能である。化合物(III') は公知の方法、例えば、Bulle
tin of the Chemical Society of Japan, 42巻2885-289
4頁(1969)やCan. J. CHEM. 52巻(1974年)記載の方法あ
るいは該報告引用の方法により製造出来る。
【化63】 [式中、各記号は前記と同義を表す。] 製造法7記載の反応はアミド化反応であり、脱水縮合剤
を用いる方法とカルボンキシを一旦その反応性誘導体に
変換後に縮合させる方法などにより行うことができる。
【0095】i) 脱水縮合剤を用いる方法 化合物(III')またはその塩、1当量〜5当量の、式(II
I'')
【化64】 [式中、B環は前記と同義を表す。]で表わされる化合
物、および1当量〜2当量の脱水縮合剤を不活性溶媒中、
室温下、10時間〜24時間反応させる。必要に応じ、1当
量〜1.5当量の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOB
T)、および/または触媒量〜5当量の塩基(例、トリエチ
ルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなど)を添加して
反応を行ってもよい。該「脱水縮合剤」としては、例え
ばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−
3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸
塩(WSC)などが挙げられる。中でもWSCが好ましい。不活
性溶媒としては、例えば、ニトリル系溶媒(好ましくは
アセトニトリル)、アミド系溶媒(好ましくはジメチルホ
ルムアミド(DMF))、 ハロゲン化炭化水素系溶媒(好ま
しくはジクロロメタン)、エーテル系溶媒(好ましくはテ
トラヒドロフラン(THF))などの単独またはこれらの二
種以上を混合して用いることができる。
【0096】ii)カルボキシの反応性誘導体を用いる方
法 化合物(III'')の反応性誘導体および1当量〜5当量(好ま
しくは1当量〜3当量)の化合物(III')を不活性溶媒中、
−20℃〜50℃(好ましくは室温)、5分間〜40時間(好まし
くは1時間〜18時間)反応させる。必要に応じ、1当量〜1
0当量、好ましくは1当量〜3当量の塩基を共存させて反
応を行ってもよい。化合物(III'')の「反応性誘導体」
としては、酸ハライド(例、酸クロリド、酸ブロミドな
ど)、混合酸無水物(例、C1-6アルキル−カルボン酸、C
6-10アリール−カルボン酸またはC1-6アルキル炭酸との
酸無水物など)、活性エステル(例、置換基を有していて
もよいフェノール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
またはN−ヒドロキシスクシンイミドとのエステルなど)
などが挙げられる。該「置換基を有していてもよいフェ
ノール」の「置換基」としては、ハロゲン原子、ニト
ロ、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルまたはハ
ロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシが1ないし5個
挙げられる。「置換基を有していてもよいフェノール」
の具体例としては、フェノール、ペンタクロロフェノー
ル、ペンタフルオロフェノール、p−ニトロフェノール
などが挙げられる。反応性誘導体として、酸ハライドが
好ましい。「塩基」として、水素化ナトリウム、炭酸カ
リウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、トリ
エチルアミン、ピリジンなどが好ましい。不活性溶媒と
しては、例えばエーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系
溶媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、
ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒、水などを単独また
はこれらの二種以上を混合して用いることができる。中
でも、ピリジン、アセトニトリル、THF、ジクロロメ
タン、クロロホルムなどが好ましい。中でも、ピリジ
ン、THF 、アセトニトリルなどがさらに好ましい。
【0097】製造法8 XがNR5、YがCHである化合物(II1a)は、化合物(I
V')を例えば文献記載の方法(テトラヘドロンレターズ 3
8(15) 2673(1997))などにより、ヒドロキシ基を一旦反
応性置換基に変換した後、塩基存在下、化合物(IX)で置
換して製造することができる。
【化65】 [式中、各記号は前記と同義を表す。] 反応性置換基としては、例えばハロゲン原子(例、塩
素、臭素、ヨウ素など)、ハロゲン化されていてもよい
1-6アルキルスルホニルオキシ(例、メタンスルホニ
ルオキシ、エタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタ
ンスルホニルオキシなど)、置換基を有していてもよい
6-10アリールスルホニルオキシなどが挙げられる。該
「置換基を有していてもよいC6-10アリールスルホニル
オキシ」における「置換基」としては、例えばハロゲン
原子(例、塩素、臭素、ヨウ素など)、ハロゲン化され
ていてもよいC1-6アルキルまたはC1-6アルコキシなど
が挙げられる。置換基の数は、例えば1ないし3個であ
る。「置換基を有していてもよいC6- 10アリールスルホ
ニルオキシ」の具体例としては、ベンゼンスルホニルオ
キシ、p−トルエンスルホニルオキシ、1−ナフタレン
スルホニルオキシ、2−ナフタレンスルホニルオキシな
どが挙げられる。該「反応性置換基」は、好ましくは、
ハロゲン原子(例、塩素、臭素、ヨウ素など)、メタン
スルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキ
シ、p−トルエンスルホニルオキシなどである。ハロゲ
ン化反応は、例えば化合物(IV')と1ないし10当量のハロ
ゲン化剤を、不活性溶媒中で反応させることにより行わ
れる。該ハロゲン化剤としては、例えばチオニルクロリ
ド、チオニルブロミド、三塩化リン、五塩化リン、オキ
シ塩化リンなどの無機酸ハロゲン化物;塩化水素酸、臭
化水素酸などのハロゲン化水素酸、あるいはヨードトリ
メチルシランなどのシリルハロゲン化物が挙げられ、好
ましくはヨードトリメチルシランが使用される。「不活
性溶媒」としては、例えば、エーテル系溶媒、ハロゲン
化炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒、ア
ミド系溶媒、スルホキシド系溶媒などが挙げられる 反応温度は-20℃ないし200℃、好ましくは0℃ないし100
℃である。反応時間は0.1時間ないし48時間、好ましく
は1ないし24時間である。スルホニル化反応は、例えば
化合物(IV')と1ないし5当量の対応するスルホニルハラ
イドとを、塩基の存在下に不活性溶媒中で反応させるこ
とにより行われる。塩基は、好ましくは、炭酸カリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、N−メチ
ルモルホリン、ピリジンなどである。塩基の使用量は、
好ましくは1ないし10当量である。「不活性溶媒」とし
ては、例えば、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系
溶媒、芳香族系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、
ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒などが挙げられる 反応温度は-20℃ないし200℃、好ましくは0℃ないし100
℃である。反応時間は0.1時間ないし48時間、好ましく
は1ないし24時間である。化合物(IX)は市販のアニリン
類、あるいは新実験化学講座14巻(III)、オーガニッ
ク ファンクショナル グループ プレパレーションズ
(ORGANICFUNCTIONAL GROUP
PREPARATIONS)第2版、アカデミックプレ
ス社(ACADEMIC PRESS, INC.)1
989年刊;コンプリヘンシブ・オーガニック・トラン
スフォーメーション (Comprehensive Organic Transfor
mations) VCH Publishers Inc.,1989年刊等に記載の方
法で合成されたアニリン類などが使用される。使用量
は、好ましくは1ないし10当量である。塩基は、前記
のものが使用されるが、好ましくは、炭酸カリウム、炭
酸バリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、
N−メチルモルホリン、ピリジンなどである。塩基の使
用量は、好ましくは1ないし10当量である。本反応は不
活性溶媒中で行なわれる。「不活性溶媒」としては、例
えば、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、芳
香族系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系
溶媒、スルホキシド系溶媒などが挙げられる 反応温度は-20℃ないし200℃、好ましくは0℃ないし50
℃である。反応時間は0.1時間ないし48時間、好ましく
は1ないし24時間である。
【0098】化合物(IV')は、化合物(V')を不活性溶媒
中、適当な還元剤で還元して製造することができる。
「不活性溶媒」としては、例えば、アルコール系溶媒、
エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、芳香族系
溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、有機酸系溶媒な
どが挙げられる。これらは、二種以上を適宜の割合で混
合して用いてもよい。なかでも、メタノール、エタノー
ル、などが好ましい。還元剤としては、例えば水素化ホ
ウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウ
ム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウ
ムリチウムなどが用いられる。還元剤の使用量は、通常
1ないし20当量、好ましくは1ないし5当量である。反応
温度は、通常−20℃ないし150℃、好ましくは0ないし50
℃である。反応時間は、通常5分間ないし24時間、好ま
しくは1ないし12時間である。化合物(V')は化合物(VI)
を製造法1と同様の方法でアシル化して製造することが
できる。化合物(VI)は公知の方法(例えばバイオオーガ
ニック アンド メデイシナルケミストリーレターズ
1009(1999)に記載の方法など)により製
造することができる。
【0099】製造法9 化合物(IIIa)は、製造法7ないし8で得られた化合物(I
IIb)を不活性溶媒中、適当な塩基の存在下、化合物R5
Z(VII)[式中、Zは前記反応性置換基]と反応して製造
することができる。
【化66】 [式中、各記号は前記と同義を表す。] 反応性置換基としては、製造法7記載のものが使用され
るが、好ましくはハロゲン原子、アルキルスルホニル
基、アリ−ルスルホニル基などである。「塩基」として
は、前記と同様のものが用いられるが、好ましくは、炭
酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどで
ある。塩基の使用量は、好ましくは1ないし10当量であ
る。化合物(VII)は例えば市販の塩化アルキル、臭化
アルキル、ヨウ化アルキル、あるいは新実験化学講座14
巻(I)、オーガニック ファンクショナル グループ
プレパレーションズ(ORGANIC FUNCTI
ONAL GROUP PREPARATIONS)第
2版、アカデミックプレス社(ACADEMIC PR
ESS, INC.)1989年刊;コンプリヘンシブ
・オーガニック・トランスフォーメーション (Comprehe
nsive Organic Transformations) VCHPublishers In
c.,1989年刊等に記載の方法などにより合成されたもの
が使用される。使用量は、好ましくは1ないし20当量で
ある。「不活性溶媒」としては、例えば、アルコール系
溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、芳
香族系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系
溶媒、スルホキシド系溶媒、などが挙げられる。これら
は、二種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。な
かでも、アセトニトリル、DMF、DMSO、アセトンなど
が好ましい。反応温度は、通常約−20℃ないし100
℃、好ましくは室温ないし80℃である。反応時間は、
例えば約0.5時間ないし48時間である。
【0100】製造法10 XがCR34、YがNである化合物(IIId)は、化合物
(X')と化合物(XI)[式中、Zは反応性置換基]から製造法
9と同様にして、製造することができる。
【化67】 [式中、各記号は前記と同義を表す。] 化合物(XI)は例えば市販の塩化アルキル、臭化アルキ
ル、ヨウ化アルキル、あるいは新実験化学講座14巻
(1)、オーガニック ファンクショナル グループ
プレパレーションズ(ORGANIC FUNCTIO
NAL GROUPPREPARATIONS)第2
版、アカデミックプレス社(ACADEMIC PRE
SS, INC.)1989年刊;コンプリヘンシブ・
オーガニック・トランスフォーメーション (Comprehens
ive Organic Transformations) VCH Publishers Inc.,
1989年刊等に記載の方法により合成されたものが使用さ
れる。化合物(X')は化合物(XII)を製造法1と同様の方
法でアシル化して製造することができる。化合物(XII)
は公知の方法(例えばジャーナル オブ ファーマーシ
ューチカル ブレタン 32(6) 2421(1984))に記載
の方法など)により製造することができる。
【0101】以上説明した本発明の化合物(以下、本発
明化合物ともいう)若しくはその塩またはそのプロドラ
ッグは、優れた可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質分
泌促進作用を有し、かつ毒性が低く、ヒトおよび哺乳動
物(例えば、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、イ
ヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジ、サル、チンパンジーな
ど)に対する安全な可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白
質分泌促進剤として使用することができ、アポトーシス
阻害剤、神経機能障害改善剤として使用することができ
る したがって、本発明化合物若しくはその塩またはそのプ
ロドラッグは、アルツハイマー病、パーキンソン病、プ
リオン病またはニューロパチー(好ましくは、糖尿病性
ニューロパチー等)等の神経変性疾患、脳血管性痴呆、
脳血管障害時の神経細胞障害に対する予防・治療薬とし
て、ヒトおよび哺乳動物に対して安全に使用できる。
【0102】本発明化合物若しくはその塩またはそのプ
ロドラッグを医薬として用いる場合には、それ自体ある
いは適宜の薬理学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤
などと混合し、経口投与剤(例、散剤、顆粒剤、錠剤、
カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含
む)、シロップ剤など)、非経口投与剤(例、注射剤、
外用剤(例、経鼻投与製剤、経皮投与製剤など)、坐剤
(例、直腸坐剤、膣坐剤など)、ペレットなど)の医薬
組成物として経口的または非経口的に安全に投与するこ
とができる。
【0103】これらの製剤は、例えば、製剤の製造にお
いて通常一般に用いられる公知の方法を適用することに
より製造することができる。製剤中の本発明化合物の配
合割合は、その形態によっても異なるが、例えば前記し
た経口投与剤においては約10ないし95重量%が好ま
しく、例えば前記した非経口投与剤では約0.001な
いし95重量%が好ましい。
【0104】例えば注射剤は、本発明化合物を可溶化剤
(例、β−シクロデキストリン類など)、分散剤(例、
ツイーン(Tween)80(アトラスパウダー社製、米
国)、HCO60(日光ケミカルズ製)、カルボキシメ
チルセルロース、アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤
(例,メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルア
ルコール、クロロブタノールなど)、等張化剤(例、塩
化ナトリウム、グリセリン、ソルビトール、ブドウ糖な
ど)などとともに常法に従って水性注射剤にすることも
でき、あるいは植物油(例、オリーブ油、ゴマ油、ラッ
カセイ油、綿実油、コーン油など)、プロピレングリコ
ールなどに、適宜溶解、懸濁あるいは乳化して油性注射
剤に成形することもできる。経口投与製剤は、本発明化
合物に、例えば、賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプンな
ど)、崩壊剤(例、デンプン、炭酸カルシウムなど)、
結合剤(例、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチ
ルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロ
ピルセルロースなど)または滑沢剤(例、タルク、ステ
アリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000な
ど)などを適宜添加して圧縮成形し、次いで必要に応じ
て、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のた
めの公知の方法でのコーティングなどを施すことにより
製造することもできる。コーティング剤としては、例え
ばヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロ
ース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、ツイー
ン80、プルロニック F68、セルロースアセテートフタレ
ート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレー
ト、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネー
ト、オイドラギッド(ローム社製、西ドイツ、メタアク
リル酸、アクリル酸共重合)、色素(例、酸化チタン、
ベンガラなど)などが適宜用いられる。
【0105】本発明化合物は、固状、半固状あるいは液
状の外用剤としても用いることができる。例えば、固状
の外用剤は、本発明化合物をそのまま、あるいは賦形剤
(例、グリコール、マンニトール、デンプン、微結晶セ
ルロースなど)、増粘剤(例、天然ガム類、セルロース
誘導体、アクリル酸重合体など)などを添加、混合し、
粉状の組成物とすることにより製造されることもでき
る。半固状の外用剤は、常法に従って製造し、水性また
は油性のゲル剤、あるいは軟膏剤として用いることが好
ましい。液状の外用剤は、注射剤の製造に用いる手段あ
るいはそれに準じた手段により、油性あるいは水性の懸
濁剤とすることにより製造されることもできる。また、
固状、半固状または液状の外用剤に、pH調節剤(例、
炭酸、リン酸、クエン酸、塩酸、水酸化ナトリウムな
ど)、防腐剤(例、パラオキシ安息香酸エステル類、ク
ロロブタノール、塩化ベンザルコニウムなど)などを適
宜加えてもよい。具体的には、例えばワセリン、ラノリ
ンなどを基剤として、1gあたり本発明化合物を通常約
0.1乃至約100mg含有する軟膏剤として、用いるこ
ともできる。本発明化合物は、油性または水性の固状、
半固状あるいは液状の坐剤とすることもできる。坐剤を
製造する際の油性基剤としては、例えば高級脂肪酸のグ
リセライド(例、カカオ脂、ウィテップゾール類(ダイ
ナマイトノーベル社製)など)、中級脂肪酸(例、ミグ
リオール酸(ダイナマイトノーベル社製)など)、ある
いは植物油(例、ゴマ油、大豆油、綿実油など)などが
適宜用いられる。また水性基剤としては、例えばポリエ
チレングリコール類、プロピレングリコールなどが用い
られ、水性ゲル基剤としては、例えば天然ガム類、セル
ロース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重合体など
が適宜用いられる。
【0106】本発明化合物またはその塩の投与量は、対
象疾患、対象のヒトまたは哺乳動物、症状、年齢、体
重、症状、剤形、投与方法、投与期間などにより異なる
が、例えば、アルツハイマー病の治療において経口投与
の場合、ヒトまたは哺乳動物60kg体重あたり、通
常、本発明化合物またはその塩として約0.1ないし100m
g、好ましくは約0.1ないし50mg、より好ましくは約1な
いし50mg、なかでも約2.5ないし50mgであり、これを1日
1〜3回に分けて投与する。もちろん、前記したように投
与量は種々の条件で変動するので、前記投与量より少な
い量で十分な場合もあり、また範囲を超えて投与しても
よい場合もある。
【0107】
【実施例】以下、本発明をさらに詳しく説明するために
実施例および実験例を記載するが、本発明はこれら実施
例、実験例により限定されるものではない。 実施例1 cis-(4-アニリノ-2-メチル-3,4-ジヒドロ-1(2H)-キノリ
ニル)(2-チエニル)メタノン
【化68】 cis-N-(2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリニル)
-N-フェニルアミン(0.66 g)のTHF(20 ml)溶液に氷冷
下、酸クロリド(0.42 g)を滴下し、さらにトリエチルア
ミン(0.5 ml) を加えた。室温で終夜撹拌後、反応液に
水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗し、乾
燥後、濃縮した。残さをIPEから再結晶し、標題化合物
(0.7 g)を得た。同様の方法にて、実施例化合物1−2
から1−5を合成した。
【化69】 実施例 Ar1 Ar2 R1 R2 立体化学 融点 再結晶番号 (℃) 溶媒 1-1 Ph 2-thienyl H Me cis 172-173 IPE 1-2 Ph 2-furyl H Me cis 128-129 IPE 1-3 Ph 3,4-dimethoxyphenyl H Me cis 110-111 IPE 1-4 Ph 2-benzothienyl H Me cis 122-123 IPE1-5 Ph 3,5-dimethoxyphenyl H Me cis 202-203 Hex/EtOAc IPEはイソプロピルエーテルを示し、Hexはヘキサンを示
し、EtOAcは酢酸エチルを示し、立体化学はNHAr1とR2
立体化学を示す。
【0108】実施例2 (4-アニリノ-2-メチル-3,4-ジヒドロ-1(2H)-キノリニ
ル)(4-クロロフェニル)メタノン
【化70】 trans-N-(2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリニ
ル)-N-フェニルアミン(0.46g)のピリジン溶液(15ml)に
氷冷下、p-クロロベンゾイルクロリド(0.35g)を加え
た。室温で終夜撹拌後、反応液に酢酸エチルを加え、水
洗、乾燥後濃縮した。残さをIPE/酢酸エチルから再結晶
し、標題化合物(0.4g)を得た。同様の方法にて、実施例
化合物2−2から2−9を合成した。
【化71】 実施例Ar1 Ar2 R1 R2 立体化学 融点 再結晶番号 (℃) 溶媒 2-1 Ph 4-chlorophenyl H Me trans 173-175 IPE/EtOAc 2-2 Ph 2-furyl H Me trans 122-123 IPE 2-3 Ph 2-thienyl H Me trans 138-139 Hex/EtOAc 2-4 Ph 3,4-dimethoxyphenyl H Me trans 208-209 Hex/THF 2-5 Ph 3,5-dimethoxyphenyl H Me trans 166-167 IPE/EtOAc 2-6 Ph 4-bromophenyl H Me trans 170-171 IPE/EtOAc 2-7 Ph 3-methoxyphenyl H Me trans 156-157 IPE/EtOAc 2-8 Ph 1-methylindol-2-yl H Me trans 194-195 Hex/EtOAc2-9 Ph isooxazol-5-yl H Me trans 82-83 Hex/EtOAc IPEはイソプロピルエーテルを示し、Hexはヘキサンを示
し、EtOAcは酢酸エチルを示し、立体化学はNHAr1とR2
立体化学を示す。
【0109】参考例1 シス-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-メチル-1,2,3,4
-テトラヒドロ-4-キノリノール
【化72】 1) 1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-メチル-2,3-ジヒ
ドロ-4 (1H)-キノリノン文献既知の方法(バイオオーガ
ニック アンド メデイシナルケミストリーレターズ
1009(1999))で合成した2-メチル2,3-ジ
ヒドロ-4(1H)-キノロン1.19g(7.38mmol)をピリジン15m
lに溶解し、3,4-ジメトキシベンゾイルクロリド1.63g
(8.12mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液を濃
縮し、酢酸エチルと水を加え抽出した。有機層を乾燥後
濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/2)に付し、溶
出物を酢酸エチル-ヘキサンより再結晶し、目的物であ
るシス-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-メチル-2,3-
ジヒドロ-4 (1H)-キノリノン1.57g(収率65%)を白色結
晶として得た。 元素分析値 C19H19NO4として 計算値:C, 70.14; H, 5.89; N, 4.31 実験値:C, 70.18; H, 5.86; N, 4.46 2) シス-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-メチル-1,2,
3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール 1)で得られたシス-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-メ
チル-2,3-ジヒドロ-4 (1H)-キノリノン4.65g (14.3mmol)を、メタノール40mlとTHF80mlの混合溶液に
溶解し、水素化ホウ素ナトリウム540mg(14.3mmol)を
加え、室温で2時間撹拌した。反応液を水にあけ酢酸エ
チルで抽出した。有機層を乾燥後濃縮し、残査をTHF-ヘ
キサンから再結晶し、目的物であるシス-1-(3,4-ジメト
キシベンゾイル)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キ
ノリノール3.84g(収率82%)を白色結晶として得た。 元素分析値 C19H21NO4として 計算値:C, 69.71; H, 6.47; N, 4.28 実験値:C, 69.88; H, 6.51; N, 4.18
【0110】参考例2 1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-
4-キノリノール
【化73】 1) 1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)- 2,3-ジヒドロ-4
(1H)-キノリノン 2,3-ジヒドロ-4(1H)-キノロン2.60g(16.54mmol)から参
考例1-1)と同様にして、1-(3,4-ジメトキシベンゾイ
ル)-2,3-ジヒドロ4(1H)-キノリノン4.42g(収率86
%)を白色結晶として得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 2.90(2H, t, J=6.3Hz), 3.80(3H,
s), 3.90(3H, s), 4.35(2H, t, J=6.3Hz), 6.76 (1H,
d, J=8.4Hz), 6.95(1H, d, J=7.5Hz), 7.03-7.29(4H,
m), 8.01(1H, dd, J=1.2Hz, 7.8Hz)。 2)1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒ
ドロ-4-キノリノール 1)で得られた1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)- 2,3-ジ
ヒドロ-4(1H)-キノリノン2.00g(14.3mmol)から 参考
例1-2)と同様にして1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-
1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール1.54g(収率77
%)を白色結晶として得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 2.05-2.13(1H, m), 2.21-2.27(1H,
m), 3.76(3H, s), 3.76-3.84(1H, m), 3.88(3H, s), 4.
09-4.20(1H, m), 4.89-4.90(1H, m), 6.74 (1H,d, J=7.
8Hz), 6.88(1H, d, J=7.8Hz), 6.96-7.12(4H, m), 7.45
(1H, d, J= 6.0Hz)。
【0111】参考例3 1-(2-フロイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール
【化74】 1) 1-(2-フロイル)- 2,3-ジヒドロ-4(1H)-キノリノ
ン 2,3-ジヒドロ-4(1H)-キノロン2.00g(12.7mmol)、2-フロ
イルクロリド3.32g(0.025mmol)から参考例1-1)と同様
にして、1-(2-フロイル)-2,3-ジヒドロ4(1H)-キノリ
ノン2.90g(収率95%)を白色結晶として得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 2.88(2H, t, J=6.0Hz), 4.37(2H,
t, J=6.0Hz), 6.48-6.50(1H, m), 7.02-7.05(2H, m),
7.20-7.26(1H, m), 7.36-7.42(2H, m), 8.04(1H, dd, J
=1.8Hz, 7.8Hz)。 2)1-(2-フロイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノ
ール 1)で得られた1-(2-フロイル)- 2,3-ジヒドロ-4(1H)
-キノリノン1.00g(4.14mmol)から 参考例1-2)と同様
にして1-(2-フロイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリ
ノール0.90g(収率89%)を無色油状物として得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 2.04-2.11(1H, m), 2.22-2.27(1H,
m), 3.76-3.85(1H, m),4.17-4.26(1H, m), 4.86-4.88(1
H, m), 6.42-6.44 (1H, m), 6.84(1H, d, J=3.6Hz), 7.
04-7.17(3H, m), 7.37(1H, m), 7.46-7.49(1H,m)。
【0112】参考例4 1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ
キノキサリン
【化75】 文献既知の方法(ジャーナル オブ ファーマーシュー
チカル ブレタン 32(6)2421(1984))により合成し
たテトラヒドロキノキサリン660mg(4.92mmol)をピリジ
ン(20ml)に溶解し、3,4-ジメトキシベンゾイルクロリド
987mg(4.92mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。反応
液を濃縮後、酢酸エチル、水を加えて抽出した。有機層
を乾燥後濃縮し、残査をアルミナカラムクロマトグラフ
ィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/1)に付
し、溶出物を酢酸エチル-ヘキサンより再結晶し、目的
物である1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テト
ラヒドロキノキサリン780mg(収率53%)を白色結晶とし
て得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 3.55-3.60(2H, m), 3.76(3H, s),
3.88(3H, s), 3.97-4.01(2H, m), 4.06 (1H, brs), 6.3
6-6.41 (1H, m), 6.58-6.61(2H, m), 6.76(1H, d,J=8.4
Hz), 6.84-6.90(1H, m), 7.02-7.07(2H,m)。
【0113】参考例5 6-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テト
ラヒドロ-4-キノリノール
【化76】 1) 6-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)- 2,3-ジ
ヒドロ-4(1H)-キノリノン 6-クロロ-2,3-ジヒドロ-4(1H)-キノロン3.00(16.5mmo
l)から参考例1-1)と同様にして、6-クロロ-1-(3,4-ジ
メトキシベンゾイル)-2,3-ジヒドロ-4(1H)-キノリノン
5.80g(収率100%)を淡黄色結晶として得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 2.89(2H, t, J=6.6Hz), 3.85(3H,
s), 3.91(3H, s), 4.33(2H, t, J=6.6Hz), 6.78(1H, d,
J=8.4Hz), 6.87(1H, d, J=8.7Hz), 7.01(1H, dd,J=8.
4,2.1Hz), 7.11(1H, d, J=1.8Hz), 7.23(1H, dd, J=8.
7,2.1Hz), 7.97(1H,d, J=1.8Hz)。 2)6-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4
-テトラヒドロ-4-キノリノール 1)で得られた6-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベンゾイ
ル)- 2,3-ジヒドロ-4(1H)-キノリノン5.00g(14.5mmo
l)から 参考例1-2)と同様にして6-クロロ-1-(3,4-ジ
メトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリ
ノール4.50g(収率89%)を淡黄色結晶として得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 2.01-2.09(1H, m), 2.23-2.30(1H,
m), 3.73-3.81(2H, m),3.81(3H, s), 3.89(3H, s), 4.0
8-4.16(1H, m), 4.82-4.87(1H,m), 6.75(1H, d,J=8.4H
z), 6.85(1H, d, J=9.0Hz), 6.92-7.03(3H, m), 7.45(1
H, d, J=2.7Hz)。
【0114】参考例6 7-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テ
トラヒドロ-4-キノリノール
【化77】 1) 7-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)- 2,3-ジ
ヒドロ-4(1H)-キノリノン 7-クロロ-2,3-ジヒドロ-4(1H)-キノロン2.00g(11.0mmo
l)から参考例1-1)と同様にして、7-クロロ-1-(3,4-ジ
メトキシベンゾイル)-2,3-ジヒドロ-4(1H)-キノリノン
3.50g(収率92%)を淡黄色結晶として得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 2.86(2H, t, J=6.3Hz), 3.86(3H,
s), 3.92(3H, s), 4.31(2H, t, J=6.3Hz), 6.82(1H, d,
J=8.1Hz), 7.03-7.14(4H, m), 7.95(1H, d, J=8.4Hz) 2)7-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4
-テトラヒドロ-4-キノリノール 1)で得られた7-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベンゾイ
ル)- 2,3-ジヒドロ-4(1H)-キノリノン3.00g(8.70mmo
l)から 参考例1-2)と同様にして、7-クロロ-1-(3,4-
ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノ
リノール2.20g(収率73%)を淡黄色結晶として得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 2.01-2.09(1H, m), 2.14-2.23(1H,
m), 3.72-3.83(2H, m),3.83(3H, s), 3.91(3H, s), 4.0
6-4.14(1H, m), 4.82-4.87(1H,m), 6.79(1H, d,J=8.4H
z), 6.99-7.09(4H, m), 7.38(1H, d, J=7.8Hz)
【0115】参考例7 1-(5-ブロモ-2-フロイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キ
ノリノール
【化78】 1) 1-(5-ブロモ-2-フロイル)- 2,3-ジヒドロ-4(1H)-
キノリノン 2,3-ジヒドロ-4(1H)-キノロン1.00g(6.8mmol)、5-ブロ
モ-2-フロイルクロリド1.42g(6.8mmol)から参考例1-1)
と同様にして、1-(5-ブロモ-2-フロイル)-2,3-ジヒドロ
4(1H)-キノリノン1.00g(収率46%)を白色結晶とし
て得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 2.88(2H, t, J=6.3Hz), 4.36(2H,
t, J=6.3Hz), 6.43(1H, d, J=3.3Hz), 6.96(1H, d, J=
3.3Hz), 7.10(1H, d, J=8.1Hz), 7.23-7.28(2H, m), 7.
39-7.45(1H, m), 8.03(1H, dd, J=8.1,1.5Hz) 2)1-(5-ブロモ-2-フロイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4
-キノリノール 1)で得られた1-(5-ブロモ-2-フロイル)- 2,3-ジヒド
ロ-4(1H)-キノリノン900mg(2.8mmol)から 参考例1-
2)と同様にして1-(5-ブロモ-2-フロイル)-1,2,3,4-テ
トラヒドロ-4-キノリノール0.81g(収率90%)を無色油
状物として得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 2.00-2.10(1H, m), 2.21-2.26(1H,
m), 3.76-3.85(1H, m),4.16-4.23(1H, m), 6.36(1H, d,
J=3.3Hz), 6.76(1H, d, J=3.3Hz), 7.09-7.21(3H, m),
7.23-7.28(2H, m), 7.46-7.49(1H, m)
【0116】参考例8 シス-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-エチル-1,2,3,4
-テトラヒドロ-4-キノリノール
【化79】 1)1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-エチル-2,3-ジヒ
ドロ-4(1H)-キノリノン2-エチル-2,3ジヒドロ-4(1H)-キ
ノリノン 401mg(2.29mmol)から参考例1-1)と同様にし
て、1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-エチル-2,3-ジヒ
ドロ-4(1H)-キノリノン565mg(収率73%)を白色結晶
として得た。 融点:157-158 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキサ
ン) FABMS(pos) 340.2 [M+H+] 2)シス-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-エチル-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール 1)で得られた1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-エチ
ル-2,3-ジヒドロ-4(1H)-キノリノン520mg(1.53mmol)か
ら 参考例1-2)と同様にしてシス-1-(3,4-ジメトキシ
ベンゾイル)-2-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリ
ノール447mg(収率86%)を白色結晶として得た。 融点:168-169 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキサ
ン)
【0117】実施例3 シス-1-イソニコチノイル-2-メチル-N-フェニル-1,2,3,
4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化80】 イソニコチン酸500mg(2.10mmol)、DMF(0.1ml)をTHF(1
0ml)に溶解し、氷冷下、オキサリルクロリド0.55ml(6.3
mmol)を滴下した。室温で2時間撹拌後、濃縮し、残査
にシス-2-メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-
キノリナミン500mg(2.10mmol)のピリジン溶液(20ml)
を氷冷下で加えた。室温で一晩撹拌後、反応液を酢酸エ
チルで希釈し、水洗、乾燥後濃縮した。残査をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/
ヘキサン=1/1)に付し、溶出物をTHF-ヘキサンより再
結晶し、目的物であるシス-1-イソニコチノイル-2-メチ
ル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン1
78mg(収率24%)を白色結晶として得た。 元素分析値 C22H21N3O・0.25H2Oとして 計算値:C, 75.95; H, 6.23; N, 12.08 実験値:C, 76.12; H, 6.15; N, 12.23 融点: 210 ℃ (結晶化溶媒:テトラヒドロフラン−
ヘキサン)
【0118】実施例4 シス-2-メチル-N-フェニル-1-(2-ピリジニルカルボニ
ル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化81】 シス-2-メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キ
ノリナミン500mg(2.1 mmol)をピリジン溶液(20ml)に溶
解し、氷冷下、ピコリノイルクロリド塩酸塩411mg(2.31
mmol)を加えた。室温で一晩撹拌後、酢酸エチルで希釈
し、水洗、乾燥後濃縮した。残査をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=
1/1)に付し、溶出物を酢酸エチル-ヘキサンより再結晶
し、目的物であるシス-2-メチル-N-フェニル-1-(2-ピリ
ジニルカルボニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナ
ミン134mg(収率19%)を白色結晶として得た。 融点: 157 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキサ
ン) FABMS(pos) 343.1 [M+H+]
【0119】実施例5 シス-1-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルカルボニル)-
2-メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリ
ナミン
【化82】 シス-2-メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キ
ノリナミン500mg(2.1mmol)、3,4-メチレンジオキシベン
ゾイルクロリド453.5mg(2.73mmol)から実施例4と同様
にして目的物であるシス-1-(1,3-ベンゾジオキソール-
5-イルカルボニル)-2-メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テト
ラヒドロ-4-キノリナミン537mg(収率66%)を白色結晶
として得た。 融点: 175 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキサ
ン) 元素分析値 C24H22N2O3・0.5H2Oとして 計算値:C, 72.89; H, 5.86; N, 7.08 実験値:C, 73.07; H, 6.01; N, 7.04
【0120】実施例6 シス-2-メチル-N-フェニル-1-(3,4,5-トリメトキシベン
ゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化83】 シス-2-メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キ
ノリナミン800mg(3.36mmol)、3,4,5-トリメトキシ安息
香酸898mg(4.23mmol)から実施例3と同様にして、目的
物であるシス-2-メチル-N-フェニル-1-(3,4,5-トリメト
キシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミ
ン1.07g(収率74%)を白色結晶として得た。 融点: 300 ℃ 以上 (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘ
キサン) FABMS(pos) 433.2 [M+H+]
【0121】実施例7 トランス-1-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イルカルボニ
ル)-2-メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キ
ノリナミン
【化84】 トランス-2-メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-
4-キノリナミン800mg(3.36mmol)、3,4-メチレンジオキ
シベンゾイルクロリド726mg(4.37mmol)から実施例4と
同様にして、目的物であるトランス-1-(1,3-ベンゾジ
オキソール-5-イルカルボニル)-2-メチル-N-フェニル-
1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン637mg(収率49
%)を白色結晶として得た。 融点: 175 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキサ
ン) 元素分析値 C24H22N2O3として 計算値:C, 74.59; H, 5.74; N, 7.25 実験値:C, 74.49; H, 5.62; N, 7.36
【0122】実施例8 トランス-2-メチル-N-フェニル-1-(3,4,5-トリメトキシ
ベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化85】 トランス-2-メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-
4-キノリナミン800mg(3.36mmol)、3,4,5-トリメトキシ
安息香酸898mg(4.23mmol)から実施例3と同様にして、
目的物であるトランス-2-メチル-N-フェニル-1-(3,4,5-
トリメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キ
ノリナミン745mg(収率51%)を白色結晶として得た。 融点: 205 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキサ
ン) 元素分析値 C26H28N2O4として 計算値:C, 72.20; H, 6.53; N, 6.48 実験値:C, 72.28; H, 6.68; N, 6.65
【0123】実施例9 1-(2-フロイル)- N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-
キノリナミン
【化86】 参考例3で得られた1-(2-フロイル)- 1,2,3,4-テトラヒ
ドロ-4-キノリノール200mg(0.82mmol)をクロロホルム(1
0ml)に溶解し、氷冷下ヨードトリメチルシラン576mg(2.
88mmol)を加え、3時間撹拌した。反応液を濃縮し、残
査にTHF(10ml)を加え、アニリン153mg(1.64mmol)、炭酸
バリウム324mg(1.64mmol)を加えて室温で48時間撹拌し
た。不溶物をろ去後濃縮し、残査をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=
1/3)に付し、目的物である1-(2-フロイル)- N-フェニ
ル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン120mg(収率4
6%)を無色油状物として得た。 FABMS(pos) 318.1 [M+]
【0124】実施例10 1-(2-フロイル)- 4-フェノキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ
キノリン
【化87】 参考例3で得られた1-(2-フロイル)-1,2,3,4-テトラヒ
ドロ-4-キノリノール200mg(0.82mmol)、フェノール77mg
(0.82mmol)、トリフェニルホスフィン216mg(0.82mmol)
をTHF (5ml)に溶解し、アゾジカルボン酸ジエチル143mg
(0.82mmol)を加え、室温で16時間撹拌した。反応液を濃
縮し、残査をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=2/8)に付し、目的物で
ある1-(2-フロイル)- 4-フェノキシ-1,2,3,4-テトラヒ
ドロキノリン72mg(収率27%)を無色油状物として得
た。 FABMS(pos) 320.1 [M+H+]
【0125】実施例11 トランス-1-イソニコチノイル-2-メチル-N-フェニル-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化88】 イソニコチン酸284mg(2.31mmol)、 DMF(0.1ml)をTHF
(10ml)に溶解し、氷冷下、オキサリルクロリド0.88ml(1
0.1mmol)を滴下した。室温で1時間撹拌後、濃縮し、残
査にTHF(15ml)を加え溶解し、トリエチルアミン(15m
l)、トランス-2-メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒ
ドロ-4-キノリナミン500mg(2.1mmol)を加え、室温で一
晩撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水洗、乾燥
後濃縮した。残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/1)に付し、
溶出物を酢酸エチル-ヘキサンより再結晶し、目的物で
あるシス-1-イソニコチノイル-2-メチル-N-フェニル-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン284mg(収率25%)
を白色結晶として得た。 融点: 121 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキサ
ン) FABMS(pos) 344.1 [M+H+]
【0126】実施例12 N-(4-ブロモフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-
2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化89】 参考例1で得られたシス-1-(3,4-ジメトキシベンゾイ
ル)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール20
0mg(0.61mmol)をクロロホルム(10ml)に溶解し、氷冷下
ヨードトリメチルシラン427mg(2.14mmol)を加え2時間撹
拌した。反応液を濃縮し、残査にTHF(10ml)を加え溶解
し、パラブロモアニリン315mg(1.83mmol)、炭酸バリウ
ム241mg(1.22mmol)を加え室温で24時間撹拌した。不溶
物をろ去後濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/3)に
付し、溶出物をジエチルエーテルーヘキサンより再結晶
し、目的物であるN-(4-ブロモフェニル)-1-(3,4-ジメト
キシベンゾイル)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キ
ノリナミン80mg(収率27%)を白色結晶として得た。
(シス-トランス=1:6) 融点: 173-175 ℃ (結晶化溶媒:ジエチルエーテル
−ヘキサン) FABMS(pos) 480.1 [M+H+]
【0127】実施例13 トランス-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-メチル-N-
(6-メチル-2-ピリジニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キ
ノリナミン
【化90】 参考例1で得られたシス-1-(3,4-ジメトキシベンゾイ
ル)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール20
0mg(0.61mmol)、2-アミノ-6-メチルピリジン198mg(1.8
3mmol)から実施例12と同様にして目的物であるトラン
ス-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-メチル-N-(6-メチ
ル-2-ピリジニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミ
ン20mg(収率8%)を白色結晶として得た。 融点: 184-186 ℃ (結晶化溶媒:ジエチルエーテル
−ヘキサン) FABMS(pos) 418.2 [M+H+]
【0128】実施例14 N-(4-クロロフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-
1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化91】 参考例2で得られた1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,
3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール300mg(0.96mmol)、4
−クロロアニリン367mg(2.88mmol)から実施例12と同
様にして目的物であるN-(4-クロロフェニル)-1-(3,4-ジ
メトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリ
ナミン174mg(収率43%)を白色結晶として得た。 融点: 131 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキサ
ン) FABMS(pos) 445.1 [M+H+]
【0129】実施例15 1-(2-フロイル)- N-メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラ
ヒドロ-4-キノリナミン
【化92】 参考例3で得られた1-(2-フロイル)- 1,2,3,4-テトラヒ
ドロ-4-キノリノール122mg(0.50mmol)をクロロホルム(1
0ml)に溶解し、氷冷下ヨードトリメチルシラン350mg(1.
75mmol)を加え、3時間撹拌した。反応液を濃縮し、残
査にTHF(10ml)を加え、N-メチルアニリン429mg(2.00mmo
l)、炭酸バリウム197mg(1.00mmol)を加えて室温で30時
間撹拌した。不溶物をろ去後濃縮し、残査をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘ
キサン=3/7)に付し、目的物である1-(2-フロイル)-N-
メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナ
ミン110mg(収率66%)を無色油状物として得た。 FABMS(pos) 333.2 [M+H+]
【0130】実施例16 1-(2-フロイル)- N-エチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラ
ヒドロ-4-キノリナミン
【化93】 参考例3で得られた1-(2-フロイル)- 1,2,3,4-テトラヒ
ドロ-4-キノリノール300mg(1.23mmol)とN-エチルアニリ
ン447mg(3.69mmol)から実施例15と同様の方法で、目
的物である1-(2-フロイル)- N-エチル-N-フェニル-1,2,
3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン240mg(収率56%)を
無色油状物として得た。 FABMS(pos) 347.2 [M+H+]
【0131】実施例17 1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)- N-フェニル-1,2,3,4-
テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化94】 参考例2で得られた1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール300mg(0.96mmol)と
アニリン267mg(2.87mmol)から実施例12と同様の方法
で、目的物である1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)- N-フ
ェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン260mg
(収率70%)を白色結晶として得た。 融点: 155-6 ℃ (結晶化溶媒:ジイソプロピルエー
テル-ヘキサン) 元素分析値 C24H24N2O3として 計算値:C, 74.21; H, 6.23; N, 7.21 実験値:C, 73.71; H, 6.21; N, 7.21
【0132】実施例18 1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)- N-メチル-N-フェニル-
1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化95】 参考例2で得られた1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール300mg(0.96mmol)と
N-メチルアニリン308mg(2.87mmol)から実施例12と同様
の方法で、目的物である1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)
- N-メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノ
リナミン250mg(収率65%)を白色結晶として得た。 融点: 143-4 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ジイソ
プロピルエーテル) 元素分析値 C25H26N2O3として 計算値:C, 74.60; H, 6.51; N, 6.96 実験値:C, 74.32; H, 6.52; N, 6.80
【0133】実施例3〜18までの表題化合物について
表1にまとめた。ただし、立体化学はXAr1とR2の立体化
学を示す。
【表1】
【0134】実施例19 4-(4-ブロモフェノキシ)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイ
ル)- 1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化96】 参考例2で得られた1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール250mg(0.80mmol)と
4-ブロモフェノール138mg(0.80mmol)から実施例10と同
様の方法で、目的物である4-(4-ブロモフェノキシ)-1-
(3,4-ジメトキシベンゾイル)- 1,2,3,4-テトラヒドロ-4
-キノリナミン248mg(収率66%)を白色粉末として得
た。 融点: 56-7 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキサ
ン) 元素分析値 C24H22NO4Brとして 計算値:C, 61.55; H, 4.73; N, 2.99 実験値:C, 61.66; H, 4.90; N, 2.92
【0135】実施例20 1-ベンジル-4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)- 1,2,3,4-
テトラヒドロキノキサリン
【化97】 参考例4で合成した1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,
2,3,4-テトラヒドロキノキサリン200mg(0.67mmol)をDMF
(10ml)に溶解し、60%水素化ナトリウム54mg(1.34mmol)
を加え、60℃で20分間攪拌した。ベンジルブロミド344m
g(2.01mmol)を加え2時間攪拌後、酢酸エチル、水を加え
て抽出した。有機層を乾燥後、濃縮し、残査をアルミナ
カラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘ
キサン=3/7)に付し、溶出物を酢酸エチル-ジイソプロ
ピルエーテルより再結晶し、目的物である1-ベンジル-4
-(3,4-ジメトキシベンゾイル)- 1,2,3,4-テトラヒドロ
キノキサリン182mg(収率70%)を白色結晶として得
た。 融点: 111-2 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル-ジイソ
プロピルエーテル) 元素分析値 C24H24N2O3として 計算値:C, 74.21; H, 6.23; N, 7.21 実験値:C, 73.97; H, 6.18; N, 7.15
【0136】実施例21 1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-N-(6-キノリニル)--1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化98】 参考例2で得られた1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール400mg(1.28mmol)、
6-アミノキノリン554mg(3.84mmol)から実施例12と同
様にして目的物である1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-N
-(6-キノリニル)--1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミ
ン122mg(収率22%)を白色結晶として得た。 融点: 116-118 ℃ (結晶化溶媒:THF−ヘキサン) FABMS(pos) 440.2 [M+]
【0137】実施例22 1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-N-(2-ピリジニル) -1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化99】 参考例2で得られた1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール400mg(1.28mmol)、
2-アミノピリジン361mg(3.84mmol)から実施例12と同
様にして目的物である1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-N
-(2-ピリジニル) -1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミ
ン131mg(収率26%)を白色結晶として得た。 融点: 156-157 ℃ (結晶化溶媒:ジエチルエーテル
−ヘキサン) 元素分析値 C23H23N3O3として 計算値:C, 70.93; H, 5.95; N, 10.79 実験値:C, 70.64; H, 6.00; N, 10.79
【0138】実施例23 N-(2-クロロフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-
1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化100】 参考例2で得られた1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール300mg(0.957mmo
l)、2-クロロアニリン367mg(2.87mmol)から実施例12
と同様にして目的物であるN-(2-クロロフェニル)-1-(3,
4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キ
ノリナミン227mg(収率56%)を白色結晶として得た。 融点: 92-93 ℃ (結晶化溶媒:ジエチルエーテル−
ヘキサン) 元素分析値 C24H23N2O3Cl・0.4H2Oとして 計算値:C, 67.02; H, 5.58; N, 6.51 実験値:C, 67.32; H, 5.86; N, 6.22
【0139】実施例24 1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-N-(2-フルオロフェニ
ル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化101】 参考例2で得られた1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール300mg(0.957mmo
l)、オルトフルオロアニリン213mg(1.92mmol)から実施
例12と同様にして目的物である1-(3,4-ジメトキシベ
ンゾイル)-N-(2-フルオロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒ
ドロ-4-キノリナミン160mg(収率41%)を白色結晶とし
て得た。 融点:133-134 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキサ
ン) 元素分析値 C24H23N2O3Fとして 計算値:C, 70.92; H, 5.70; N, 6.89 実験値:C, 70.80; H, 5.71; N, 6.61
【0140】実施例25 1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-N-メチル-N-(2-メチル
フェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化102】 参考例2で得られた1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール300mg(0.957mmo
l)、N-メチル-2-トルイジン233mg(1.92mmol)から実施例
12と同様にして目的物である1-(3,4-ジメトキシベン
ゾイル)-N-メチル-N-(2-メチルフェニル)-1,2,3,4-テト
ラヒドロ-4-キノリナミン157mg(収率39%)を白色結晶
として得た。 融点:170-171 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキサ
ン) 元素分析値 C26H28N2O3として 計算値:C, 74.97; H, 6.78; N, 6.73 実験値:C, 75.10; H, 6.81; N, 6.58
【0141】実施例26 N-(2,6-ジクロロフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイ
ル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化103】 参考例2で得られた1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール300mg(0.957mmo
l)、2,6-ジクロロアニリン311mg(1.92mmol)から実施例
12と同様にして目的物であるN-(2,6-ジクロロフェニ
ル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒ
ドロ-4-キノリナミン142mg(収率32%)を白色結晶とし
て得た。 融点:154-156 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキサ
ン) 元素分析値 C24H22N2O3Cl2として 計算値:C, 63.03; H, 4.85; N, 6.13 実験値:C, 62.81; H, 4.84; N, 5.91
【0142】実施例27 N-(2-クロロフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-
2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化104】 参考例1で得られたシス-1-(3,4-ジメトキシベンゾイ
ル)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール40
0mg(0.61mmol)、オルトクロロアニリン467mg(3.66mmol)
から実施例12と同様にして目的物であるN-(2-クロロ
フェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-メチル-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン216mg(収率41%)
を白色結晶として得た。(シス:トランス=1:1) 融点:148-150 ℃ (結晶化溶媒:ジエチルエーテル−
ヘキサン) FABMS(pos) 437.2 [M+H+]
【0143】実施例28 シス-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-N,2-ジメチル-N-
フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化105】 実施例1-3で得られたシス-1-(3,4-ジメトキシベンゾイ
ル)-2-メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キ
ノリナミン1.20g(2.98mmol)をDMF(50ml)に溶解し、60%
水素化ナトリウム1.20g(29.8mmol)を加え、室温で1時間
撹拌した。反応液にヨウ化メチル(3.6ml)を加え、室温
で24時間撹拌後、酢酸エチル、水を加え抽出した。有機
層を水洗乾燥後、濃縮し、残査を酢酸エチルーヘキサン
より再結晶し、目的物であるシス-1-(3,4-ジメトキシベ
ンゾイル)-2,N-ジメチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒ
ドロ-4-キノリナミン849mg(68%)を白色結晶として得
た。 融点: 180-181 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキ
サン) FABMS(pos) 416.2 [M+]
【0144】実施例29 (+)-シス-1-(3,4ジメトキシベンゾイル)-N,2-ジメチル-
N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化106】 実施例28で得られたラセミ体のシス-1-(3,4-ジメトキ
シベンゾイル)-N,2-ジメチル-N-フェニル-1,2,3,4-テト
ラヒドロ-4-キノリナミン548mgを、HPLC( CHIRALPAK A
D、展開溶媒:ヘキサン/EtOH=1/1、UV254nm detection)
分取による光学分割を行ない、目的物である(+)-シス-1
-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-N,2-ジメチル-N-フェニ
ル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン234mgを白色
粉末として得た。 [α]D=+456.2°(0.5% EtOH)
【0145】実施例30 (-)-シス-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-N,2-ジメチル
-N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化107】 実施例28で得られたラセミ体のシス-1-(3,4-ジメトキ
シベンゾイル)-N,2-ジメチル-N-フェニル-1,2,3,4-テト
ラヒドロ-4-キノリナミン548mgをHPLC(CHIRALPAKAD、展
開溶媒:ヘキサン/EtOH=1/1、UV254nm detection)分取
による光学分割を行ない、目的物である(-)-シス-1-(3,
4-ジメトキシベンゾイル)-N,2-ジメチル-N-フェニル-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン201mgを白色粉末と
して得た。 [α]D=-456.2°(0.5% EtOH)
【0146】実施例31 N-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-1-(3,4-ジメトキ
シベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化108】 参考例2で得られた1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール300mg(0.957mmo
l)、3,4-メチレンジオキシアニリン395mg(2.88mmol)か
ら実施例12と同様にして、目的物であるN-(1,3-ベン
ゾジオキソール-5-イル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイ
ル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン214mg(収率
49%)を黄色結晶として得た。 融点: 135-136 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキ
サン) 元素分析値 C25H24N2O5・0.25H2Oとして 計算値:C, 68.72; H, 5.65; N, 6.41 実験値:C, 68.51; H, 5.52; N, 6.21
【0147】実施例32 N-(3-クロロフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-
1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化109】 参考例2で得られた1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール300mg(0.957mmo
l)、3-クロロアニリン367mg(2.88mmol)から実施例12
と同様にして、目的物であるN-(3-クロロフェニル)-1-
(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-
キノリナミン227mg(収率56%)を白色結晶として得
た。 融点: 160 ℃ (結晶化溶媒:ジエチルエーテル−ヘ
キサン) 元素分析値 C24H23N2O3Clとして 計算値:C, 68.16; H, 5.48; N, 6.62 実験値:C, 67.95; H, 5.46; N, 6.53
【0148】実施例33 1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-N-(4-メチルフェニル)-
1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化110】 参考例2で得られた1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール280mg(0.89mmol)、
4-トルイジン286mg(2.67mmol)から実施例12と同様に
して、目的物である1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-N-
(4-メチルフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナ
ミン227mg(収率56%)を白色結晶として得た。 融点: 97-99 ℃ (結晶化溶媒:ジエチルエーテル−
ヘキサン) FABMS(pos) 400.2 [M+]
【0149】実施例34 N-(4-ブロモフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-
1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化111】 参考例2で得られた1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール600mg(1.91mmol)、
4-ブロモアニリン986mg(5.73mmol)から実施例12と同
様にして、目的物であるN-(4-ブロモフェニル)-1-(3,4-
ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノ
リナミン193mg(収率22%)を白色結晶として得た。 融点: 130 ℃ (結晶化溶媒:ジエチルエーテル−ヘ
キサン) 元素分析値 C24H23N2O3Br・0.4H2Oとして 計算値:C, 60.74; H, 5.05; N, 5.90 実験値:C, 60.96; H, 5.31; N, 5.61
【0150】実施例19〜34までの表題化合物につい
て表2にまとめた。ただし、立体化学はXAr1とR2の立体
化学を示す。
【表2】
【0151】実施例35 N-(2-クロロフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-
N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化112】 実施例23で得られたN-(2-クロロフェニル)-1-(3,4-ジ
メトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリ
ナミン132mg(0.312mmol)をDMF(8ml)に溶解し、水素化ナ
トリウム125mg(3.12mmol)を加え、室温で45分間撹拌し
た。反応液にヨウ化メチル(0.38ml)を加え、室温で18時
間撹拌した後、水、酢酸エチルを加え抽出した。有機層
を水洗乾燥後、濃縮し、残査をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/
1)に付し、溶出物を酢酸エチルーヘキサンより再結晶
し、目的物であるN-(2-クロロフェニル)-1-(3,4-ジメト
キシベンゾイル)-N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キ
ノリナミン105mg(収率77%)を白色結晶として得た。 融点: 146-147 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキ
サン) FABMS(pos) 459.1 [M+Na+]
【0152】実施例36 N-(4-クロロフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-
N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化113】 参考例2で得られた1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール300mg(0.957mmo
l)、4-クロロ-Nメチルアニリン408mg(2.88mmol)から
実施例12と同様にして、目的物であるN-(4-クロロフ
ェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-N-メチル-1,2,
3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン145mg(収率35%)を
黄色結晶として得た。 融点: 72-74 ℃ (結晶化溶媒:ジエチルエーテル−
ヘキサン) FABMS(pos) 436.2 [M+]
【0153】実施例37 N-(4-ブロモフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-
N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化114】 実施例34で得られたN-(4-ブロモフェニル)-1-(3,4-ジ
メトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリ
ナミン150mg(0.33mmol) から実施例35と同様にして目
的物であるN-(4-ブロモフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベ
ンゾイル)-N-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナ
ミン85mg(収率52%)を白色結晶として得た。 融点: 73-74 ℃ (結晶化溶媒:ジエチルエーテル−
ヘキサン) FABMS(pos) 480.0 [M+]
【0154】実施例38 N-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベ
ンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化115】 参考例2で得られた1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール400mg(1.28mmol)、
4-アミノ-2-クロロトルエン544mg(3.84mmol)から実施例
12と同様にして目的物であるN-(3-クロロ-4-メチルフ
ェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テト
ラヒドロ-4-キノリナミン205mg(収率37%)を白色結晶
として得た。 融点: 94-96 ℃ (結晶化溶媒:ジエチルエーテル−
ヘキサン) FABMS(pos) 459.0 [M+Na+]
【0155】実施例39 6-クロロ-N-(2-クロロフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベ
ンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化116】 参考例5で得られた6-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベン
ゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール400mg
(1.15mmol)、2-クロロアニリン440mg(3.45mmol)から実
施例12と同様にして、目的物である6-クロロ-N-(2-
クロロフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,
3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン 232mg(収率44%)
を淡黄色結晶として得た。 融点: 87-89 ℃ (結晶化溶媒:ジエチルエーテル−
ヘキサン) FABMS(pos) 479.0 [M+Na+]
【0156】実施例40 1-(5-ブロモ-2-フロイル)- N-フェニル-1,2,3,4-テトラ
ヒドロ-4-キノリナミン塩酸塩
【化117】 参考例7で得られた1-(5-ブロモ-2-フロイル)- 1,2,3,4
-テトラヒドロ-4-キノリノール400mg(1.24mmol)、アニ
リン346mg(3.72mmol)から、実施例9と同様の方法で1-
(5-ブロモ-2-フロイル)- N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒ
ドロ-4-キノリナミンを得た。得られた目的物をジエチ
ルエーテルに溶解し、4規定塩化水素-酢酸エチル溶液
0.5mlを加えて攪拌した。晶出物をろ取し、1-(5-ブロモ
-2-フロイル)- N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キ
ノリナミン塩酸塩271mg(収率50%)を白色結晶として
得た。 FABMS(pos) 419.0 [M+Na+]
【0157】実施例41 トランス-1-(5-ブロモ-2-フロイル)- 2-メチル-N-フェ
ニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化118】 トランス-2-メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-
4-キノリナミン、5-ブロモ-2-フロイルクロリドから実
施例4と同様にして、目的物であるトランス-1-(5-ブロ
モ-2-フロイル)- 2-メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラ
ヒドロ-4-キノリナミンを白色結晶として得た。 融点: 117-118 ℃ (結晶化溶媒:ジエチルエーテル
−ヘキサン) 元素分析値 C21H19N2O2Brとして 計算値:C, 61.33; H, 4.66; N, 6.81 実験値:C, 61.39; H, 4.60; N, 6.75
【0158】実施例42 1-( [1,1'-ビフェニル]-4-イルメチル) -4-(3,4-ジメト
キシベンゾイル)- 1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン
【化119】 参考例4で合成した1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,
2,3,4-テトラヒドロキノキサリン75mg(0.25mmol)、4-ブ
ロモメチルビフェニル247mg(1.00mmol)から、実施例2
0と同様の方法で、目的物である1-( [1,1'-ビフェニ
ル]-4-イルメチル)-4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)- 1,
2,3,4-テトラヒドロキノキサリン32mg(収率28%)を白
色結晶として得た。 融点: 133-4 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル-ジイソ
プロピルエーテル) 元素分析値 C30H28N2O3として 計算値:C, 77.56; H, 6.08; N, 6.03 実験値:C, 77.29; H, 5.89; N, 5.93
【0159】実施例43 N-(2,4-ジクロロフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイ
ル)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化120】 参考例1で得られたシス-1-(3,4-ジメトキシベンゾイ
ル)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール20
0mg(0.61mmol)、2,4-ジクロロアニリン593mg(3.66mmol)
から実施例12と同様にして目的物であるN-(2,4-ジク
ロロフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-メチ
ル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン302mg(収率5
3%)を白色結晶として得た。(シス/トランス=1/1.6) 融点: 165-167 ℃ (結晶化溶媒:ジエチルエーテル
−ヘキサン) FABMS(pos) 493.0 [M+Na+]
【0160】実施例44 1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-N-(2-イソプロピルフェ
ニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン塩酸塩
【化121】 参考例2で得られた1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,
2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール300mg(0.957mmo
l)、オルトイソプロピルアミン260mg(1.92mmol)から実
施例12と同様にして、1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-N
-(2-イソプロピルフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-
キノリナミンを得た。得られた目的物をジエチルエーテ
ルに溶解し、4規定塩化水素-酢酸エチル溶液0.5mlを加
えて攪拌した。晶出物をろ取し、1-(3,4-ジメトキシベ
ンゾイル)-N-(2-イソプロピルフェニル)-1,2,3,4-テト
ラヒドロ-4-キノリナミン塩酸塩57mg(収率8%)を白色
結晶として得た。 融点:93-96 ℃ (結晶化溶媒:ジエチルエーテル) FABMS(pos) 453.1 [M+Na+]
【0161】実施例45 1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-N-エチル-2-メチル-N-
フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン塩酸塩
【化122】 参考例1で得られたシス-1-(3,4-ジメトキシベンゾイ
ル)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール25
0mg(0.76mmol)、N-エチルアニリン368mg(3.04mmol)か
ら実施例44と同様にして目的物である1-(3,4-ジメト
キシベンゾイル)-N-エチル-2-メチル-N-フェニル-1,2,
3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン塩酸塩76.7mg(収率2
2%)を白色結晶として得た。(シス/トランス=3/2) FABMS(pos) 453.1 [M+Na+]
【0162】実施例46 N-(2-クロロフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-
N,2-ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化123】 参考例1で得られたシス-1-(3,4-ジメトキシベンゾイ
ル)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール40
0mg(1.22mmol)、2-クロロ-N-メチルアニリン518mg(3.6
6mmol)から実施例12と同様にして、目的物であるN-(2
-クロロフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-N,2-
ジメチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン80mg
(収率15%)を得た。(シス/トランス=3/1) FABMS(pos) 473.2 [M+Na+]
【0163】実施例47 6-クロロ-N-(4-クロロフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベ
ンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化124】 参考例5で得られた6-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベンゾ
イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール400mg(1.1
5mmol)、4-クロロアニリン440mg(3.45mmol)から実施例
12と同様にして、目的物である6-クロロ-N-(4-クロ
ロフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-
テトラヒドロ-4-キノリナミン250mg(収率48%)を淡黄
色結晶として得た。 融点: 176-178 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキ
サン) FABMS(pos) 479.1 [M+Na+]
【0164】実施例48 6-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)- N-フェニル
-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化125】 参考例5で得られた6-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベンゾ
イル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール400mg(1.1
5mmol)、アニリン321mg(3.45mmol)から実施例12と同
様にして、目的物である6-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベ
ンゾイル) -N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノ
リナミン188mg(収率34%)を淡黄色結晶として得た。 融点: 188-189 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキ
サン) FABMS(pos) 445.1 [M+Na+]
【0165】実施例49 7-クロロ-N-(4-クロロフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベ
ンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化126】 参考例6で得られた7-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベン
ゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール400mg
(1.15mmol)、4-クロロアニリン440mg(3.45mmol)から実
施例12と同様にして、目的物である7-クロロ-N-(4-
クロロフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,
3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン168mg(収率32%)を
淡黄色結晶として得た。 FABMS(pos) 479.1 [M+Na+]
【0166】実施例35〜49までの表題化合物につい
て表3にまとめた。ただし、立体化学はXAr1とR2の立体
化学を示す。
【表3】
【0167】実施例50 7-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)- N-フェニル
-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化127】 参考例6で得られた7-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベン
ゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール400mg
(1.15mmol)、アニリン321mg(3.45mmol)から実施例12
と同様にして、目的物である7-クロロ-1-(3,4-ジメト
キシベンゾイル) -N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4
-キノリナミン230mg(収率44%)を淡黄色結晶として得
た。 融点: 125-126 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキ
サン) FABMS(pos) 445.1 [M+Na+]
【0168】実施例51 7-クロロ-N-(2-クロロフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベ
ンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン 塩
酸塩
【化128】 参考例6で得られた7-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベン
ゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール400mg
(1.15mmol)、2-クロロアニリン440mg(3.45mmol)から実
施例12と同様にして、目的物である7-クロロ-N-(2-
クロロフェニル)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,
3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミンを得た。得られた目
的物をジエチルエーテルに溶解し、4規定塩化水素-酢
酸エチル溶液0.5mlを加えて攪拌した。晶出物をろ取
し、7-クロロ-N-(2-クロロフェニル)-1-(3,4-ジメトキ
シベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
塩酸塩29mg(収率5%)を淡黄色結晶として得た。 融点: 74-76 ℃ (結晶化溶媒:ジエチルエーテル−
ヘキサン) FABMS(pos) 479.1 [M+Na+]
【0169】実施例52 シス-1-[(4'-クロロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)カルボ
ニル]-2-メチル-N-フェニル1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キ
ノリナミン
【化129】 シス-2-メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キ
ノリナミン477mg(2.00mmol)、4'-クロロビフェニルカル
ボン酸233mg(1.00mmol)から実施例2と同様の方法で、
シス-1-[(4'-クロロ[1,1'-ビフェニル]-4-イル)カルボ
ニル]-2-メチル-N-フェニル1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キ
ノリナミン240mg(収率45%)を白色結晶として得た。 融点:193-194 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキサ
ン) 元素分析値 C29H25N2OClとして 計算値:C, 76.89; H, 5.56; N, 6.18 実験値:C, 76.87; H, 5.58; N, 6.14
【0170】実施例53 トランス-1-(2,4-ジフルオロベンゾイル)- 2-メチル-N-
フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化130】 トランス-2-メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-
4-キノリナミン、2,4-ジフルオロベンゾイルクロリドか
ら実施例2と同様の方法で、トランス-1-(2,4-ジフルオ
ロベンゾイル)- 2-メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラ
ヒドロ-4-キノリナミンを白色結晶として得た。 融点:143.6 ℃ (結晶化溶媒:酢酸エチル−ヘキサ
ン)
【0171】実施例54 1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-エチル-N-メチル-N-
フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化131】 参考例8で得られたシス-1-(3,4-ジメトキシベンゾイ
ル)-2-エチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール40
0mg(1.17mmol)とN-メチルアニリン376mg(3.51mmol)から
実施例12と同様の方法で、目的物である1-(3,4-ジメト
キシベンゾイル)-2-エチル-N-メチル-N-フェニル-1,2,
3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン190mg(収率38%)を
白色結晶として得た(シス/トランス=1/3)。 融点: 146-148 ℃ (結晶化溶媒:ジエチルエーテル
-ヘキサン) FABMS(pos) 453.2 [M+Na+]
【0172】実施例55 6-(4-[[1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-メチル-1,2,
3,4-テトラヒドロ-4-キノリニル]アミノ]フェノキシ)ヘ
キサン酸エチル
【化132】 参考例1で得られたシス-1-(3,4-ジメトキシベンゾイ
ル)-2-メチル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリノール50
0mg(1.60mmol)、6-(4-アミノフェノキシ)ヘキサン酸エ
チル1.50g(6.40mmol)から実施例12と同様にして、目
的物である6-(4-[[1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-メ
チル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリニル]アミノ]フェ
ノキシ)ヘキサン酸エチル337mg(収率39%)を得た。
(シス/トランス=3/1)1 H-NMR(CDCl3) δ: 1.23-1.41(9H, m), 1.47-1.55(2H,
m), 1.63-1.83(3H, m), 2.33(2H, t, J=7.2Hz), 2.55
(0.25H, m), 2.61(0.75H, m), 3.18(0.75H, s), 3.67
(2.25H, s), 3.82-3.93(2H, m), 3.85(3H,s), 4.13(2H,
q, J=7.2Hz), 4.39(0.75H, m), 4.58(0.25H, m), 4.89
(1H, m), 6.57-7.10(10H, m), 7.34-7.43(1H, m)
【0173】実施例56 トランス-2-メチル-1-(3-メチル-2-フロイル)-N-フェニ
ル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン
【化133】 トランス-2-メチル-N-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-
4-キノリナミン953mg(4.00mmol)、3-メチル-2-フランカ
ルボン酸500mg(4.00mmol)から実施例2と同様の方法
で、トランス-2-メチル-1-(3-メチル-2-フロイル)-N-フ
ェニル-1,2,3,4-テトラヒドロ-4-キノリナミン535mg(収
率39%)を白色結晶として得た。1 H-NMR(CDCl3) δ: 1.35(3H, d, J=6.6Hz), 1.93-2.00
(1H, m), 2.25(3H, s), 2.43-2.52(1H, m), 4.06(1H, b
rs.), 4.72-4.78(2H,m), 6.26(1H, s), 6.64-6.79(4H,
m), 7.06-7.43(6H, m)
【0174】実施例50〜56までの表題化合物につい
て表4にまとめた。ただし、立体化学はXAr1とR2の立体
化学を示す。
【表4】
【0175】実験例1 ラット由来フェオクロムサイト
−マPC12h細胞におけるsAPP分泌促進作用 (1)実験材料 ラット由来フェオクロムサイト−マPC12細胞の亜株PC12
h細胞(Brain Res., 222 (1981) p.225-233)は、大阪
大学/畠中 寛教授より分与された。ダルベッコ改変イ
−グル培地(Dulbecco's modified Eagle's medium: DME
M)は日水製薬、HEPES(N-2-hydroxyethylpiperazine-N'-
2-ethanesulfonic acid)緩衝液(pH 7.4)、馬血清(Horse
serum: HS)、ペニシリン(5000 U/ml)/ストレプトマイ
シン(5 mg/ml)混合液はGibco、牛胎児血清(Fetal calf
serum: FCS)はBioWhittaker社から購入した。培養用フ
ラスコはファルコン社、コラ−ゲンコ−ト済み6穴マル
チウェルプレ−トは岩城硝子社製を用いた。抗βAPP、2
2C11抗体はRoche Diagnostics社より購入した。他の試
薬は市販の特級品を用いた。
【0176】(2)実験方法 PC12h細胞を10% FCS/ 5% HS/ ペニシリン・ストレプト
マイシン/DMEM培養液中で増殖させた後、ピペッティン
グで細胞をはがした。コラ−ゲンコ−ト済み6ウェルプ
レ−トに50-70 %コンフレントになるようにまき、1日静
置した。翌日、10mM HEPES/DMEM 1 mlでウェルを2度洗
浄し、0.5 ml の10 mM HEPES/DMEM培養液に交換し、化
合物を添加した。3時間後に培養上清を回収した。培養
上清はMicrocon 10(Amicon社)を用いた限外濾過によ
り濃縮した。SDS-PAGEサンプルバッファー(第一化学)
を加え、5分間煮沸した。サンプルをSDS-PAGE(10/20%ゲ
ル、ATTO)にかけ、PVDFメンブレン(Bio-Rad Laborator
ies)に転写(2 mA/cm2 60 min)した。 5%スキムミ
ルクを含む0.1%Tween 20/20 mM Tris-buffered saline
(pH 7.4)で4℃、一晩ブロッキングを行った。抗βAPP 2
2C11抗体を30倍希釈で添加し1時間反応させた。2次抗体
はHRP(horse-radish peroxidase)結合抗マウス抗体
(Vector社)を1万倍に希釈し用いた。検出にはECL Plu
s(Amersham社)を用い、Fluor-S max (Bio-Rad Labora
tories)でデジタル化し、NIH-imageで定量化を行った。
【0177】(3)実験結果 表5、図1および図2に、化合物1−2、化合物2−
2、化合物1−3および化合物2−3添加3時間後のsA
PP分泌促進作用を示した。図1には各化合物3 μMを添
加した場合の代表的なウェスタンブロッティングの結果
を示した。各化合物共に対照群に比し培養液中のsAPP量
が増加していた。図2には画像をNIH imageを用いて定
量化し、各化合物3ウェルのsAPP分泌量に関して、対照
群に対する相対値の平均値を示した。sAPP分泌量は化合
物1-2により対照群の約1.4倍に、化合物2-2により対照
群の2.8倍に、化合物1-3により対照群の3.3倍に、化合
物2-3により対照群の3倍にそれぞれ増加していた。
【表5】
【0178】実験例2 ラット由来フェオクロムサイト
−マPC12h細胞における細胞死抑制作用 (1)実験材料 ラット由来フェオクロムサイト−マPC12細胞の亜株PC12
h細胞は、大阪大学/畠中 寛教授より分与された。ダ
ルベッコ改変イ−グル培地(Dulbecco's modified Eagl
e's medium: DMEM) およびリン酸/生理食塩水緩衝液(p
hosphate buffered saline: PBS)は日水製薬、HEPES (N
-2-hydroxyethylpiperazine-N'-2- ethanesulfonic aci
d) 緩衝液(pH 7.4)、馬血清(Horse serum: HS)、ペニシ
リン(5000U/ml)/ストレプトマイシン(5 mg/ml)混合液は
Gibco、牛胎児血清(Fetal calf serum: FCS)はBioWhitt
aker社、transferrin、insulinおよびprogesteroneはSi
gma社から購入した。培養用フラスコはファルコン社、
コラ−ゲンコ−ト済み96穴マルチウェルプレ−トは岩城
硝子社製を用いた。LDH cytotoxic test Wakoは和光純
薬より購入した。他の試薬は市販の特級品を用いた。
【0179】(2)実験方法 PC12h細胞を2x104 cells/cm2に96 ウェルプレートにま
いた。翌日、5 mg/ml transferrin、5 mg/ml insulinお
よび20 nM progesterone を含むHEPES/DME培地に交換す
るとともに、グルタミン酸1 mM及び化合物を添加した。
72時間後に生存する細胞数を測定した。細胞数は、培養
液を除いた後Tween20を含むPBSで生存細胞を可溶化し、
LDH活性で測定することから求めた。
【0180】(3)実験結果 PC12h細胞において、培養液中のグルタミン酸は、グル
タチオンの原料であるシスチンの細胞内への取り込みを
妨害する。従って、培養液中に1mM以上のグルタミン
酸を添加して3日間以上培養すると、PC12h細胞は、細
胞内グルタチオン量の低下に伴い、アポトーシスにより
死滅することが知られている。実験例1で使用した本発
明の化合物はいずれも1mMグルタミン酸添加によるこ
の細胞死を0.1-3 μMの範囲で濃度依存的に抑制し、そ
のEC50値は0.3-1 μMであった。測定した化合物の中で
は化合物2-3が最も強く1 μMで最大の抑制作用が認めら
れ、約90%の生存率であった(表6および図3)。
【表6】
【0181】
【発明の効果】本発明の化合物は強力な可溶性ベータ・
アミロイド前駆蛋白質分泌促進作用を有し、神経栄養因
子様作用を有する分泌された可溶性ベータ・アミロイド
前駆蛋白質を介して、細胞の、特に神経細胞の機能障害
やアポトーシスを抑制する。有用な対象疾患名として
は、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、プリオ
ン病、ニューロパチー(好ましくは、糖尿病性ニューロ
パチー等)、老年性痴呆、脳血管障害時の神経細胞障
害、脳血管性痴呆、脳血管障害時の神経細胞障害などが
挙げられ、これらの疾患の予防または治療に用いること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、発明化合物の可溶性ベータ・アミロイ
ド前駆蛋白質分泌促進作用をウェスタンブロッティング
により測定した結果を示す。図中、レーン1は化合物無
添加群を、レーン2は化合物1−2添加群を、レーン3
は化合物2−2添加群を、レーン4は化合物1−3添加
群を、レーン5は化合物2−3添加群をそれぞれ示す。
【図2】図2は、発明化合物の可溶性ベータ・アミロイ
ド前駆蛋白質分泌促進作用の結果(3ウェルの平均値)
を示すグラフである。図中、X軸の数字は、図1の各レ
ーンに対応する。
【図3】図3は、発明化合物のPC12h細胞における
グルタミン酸誘発細胞死抑制作用(3ウェルの平均値)の
濃度依存性を示すグラフである。図中、-●-は化合物1
−2添加群を、-○-は化合物2−2添加群を、-▼-は化
合物1−3添加群を、-▽-は化合物2−3添加群を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/16 A61P 25/16 25/28 25/28 43/00 105 43/00 105 111 111 C07D 401/06 C07D 401/06 401/12 401/12 405/06 405/06 405/12 405/12 409/06 409/06 // C07D 215/44 215/44 241/42 241/42 (72)発明者 山下 敏郎 茨城県つくば市春日1丁目7番地9 武田 春日ハイツ702号 Fターム(参考) 4C031 LA05 4C063 AA01 BB03 BB09 CC14 CC75 CC81 CC92 DD12 DD14 EE01 4C084 AA17 NA14 ZA02 ZA15 ZA16 ZA18 ZB21 ZC02 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 BC28 BC52 GA02 GA07 GA08 MA01 MA04 NA14 ZA02 ZA15 ZA16 ZA18 ZB21 ZC02

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質分泌
    促進作用およびアポトーシス阻害作用を有する化合物も
    しくはその塩またはそのプロドラッグを含有する医薬組
    成物。
  2. 【請求項2】式(a) 【化1】 [式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を
    示し、YはCHまたはNを示す。]で表される部分構
    造、 式(b) 【化2】 、[式中、Ar2は置換基を有していてもよい芳香族基
    を示す。]で表される部分構造、または 式(c) 【化3】 [式中、Ar1は置換基を有していてもよい芳香族基を
    示し、Xは酸素原子、CR34またはNR5(R3
    4、R5はそれぞれ同一または異なって、水素原子また
    は置換基を有していてもよい低級アルキル基を示す。)
    を示し、Yは上記と同意義を示す。]で表される部分構
    造を有する化合物もしくはその塩またはそのプロドラッ
    グを含有する請求項1記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】式(I) 【化4】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
    水素原子または置換基を有していてもよい低級アルキル
    基を示すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子と
    ともに4ないし7員環を形成し、Ar1およびAr2はそ
    れぞれ置換基を有していてもよい芳香族基を示し、A環
    は置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、Xは酸
    素原子、CR34またはNR5(R3、R4、R5はそれぞ
    れ同一または異なって、水素原子または置換基を有して
    いてもよい低級アルキル基を示す。)を示し、YはCH
    またはNを示す。]で表される化合物もしくはその塩ま
    たはそのプロドラッグを含有する可溶性ベータ・アミロ
    イド前駆蛋白質分泌促進剤。
  4. 【請求項4】R1が水素原子である請求項3記載の剤。
  5. 【請求項5】R2が水素原子または置換基を有していて
    もよい低級アルキル基である請求項3記載の剤。
  6. 【請求項6】R2が水素原子またはC1-6アルキル基であ
    る請求項3記載の剤。
  7. 【請求項7】Ar1が置換基を有していてもよいフェニ
    ル基または置換基を有していてもよいキノリル基である
    請求項3記載の剤。
  8. 【請求項8】Ar1が置換基を有していてもよいフェニ
    ル基である請求項3記載の剤。
  9. 【請求項9】Ar1がハロゲン原子、C1-3アルキレンジ
    オキシ基、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキル
    基またはハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキシ
    基で置換されていてもよいフェニル基である請求項3記
    載の剤。
  10. 【請求項10】Ar2が置換基を有していてもよい単環
    式芳香族基である請求項3記載の剤。
  11. 【請求項11】Ar2がそれぞれ置換基を有していても
    よいフェニル基、フリル基、チエニル基またはピリジル
    基である請求項3記載の剤。
  12. 【請求項12】Ar2がハロゲン原子、C1-3アルキレン
    ジオキシ基、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキ
    ル基またはハロゲン化されていてもよいC1-6アルコキ
    シ基でそれぞれ置換されていてもよいフェニル基、フリ
    ル基、チエニル基またはピリジル基である請求項3記載
    の剤。
  13. 【請求項13】A環が無置換のベンゼン環である請求項
    3記載の剤。
  14. 【請求項14】XがNR5(R5は請求項3と同意義を示
    す。)で、YがCHである請求項3記載の剤。
  15. 【請求項15】R1が水素原子であり、R2がメチル基で
    あり、Ar1が置換基を有していてもよいフェニル基で
    あり、Ar2が3,4−ジメトキシフェニル基であり、A
    環が無置換のベンゼン環であり、XがNR5(R5は請求
    項3と同意義を示す。)であり、YがCHである請求項
    3記載の剤。
  16. 【請求項16】式(I) 【化5】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
    水素原子または置換基を有していてもよい低級アルキル
    基を示すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子と
    ともに4ないし7員環を形成し、Ar1およびAr2はそ
    れぞれ置換基を有していてもよい芳香族基を示し、A環
    は置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、Xは酸
    素原子、CR34またはNR5(R3、R4、R5はそれぞ
    れ同一または異なって、水素原子または置換基を有して
    いてもよい低級アルキル基を示す。)を示し、YはCH
    またはNを示す。]で表される化合物もしくはその塩ま
    たはそのプロドラッグを含有するアポトーシス阻害剤。
  17. 【請求項17】神経機能障害改善剤である請求項3また
    は請求項16記載の剤。
  18. 【請求項18】神経変性疾患予防・治療剤である請求項
    3または請求項16記載の剤。
  19. 【請求項19】神経変性疾患がアルツハイマー病、パー
    キンソン病、プリオン病またはニューロパチーである請
    求項18記載の剤。
  20. 【請求項20】神経機能障害改善作用を有する医薬を製
    造するための、可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質分
    泌促進作用およびアポトーシス阻害作用を有する化合物
    もしくはその塩またはそのプロドラッグの使用。
  21. 【請求項21】神経変性疾患の予防・治療剤を製造する
    ための、可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質分泌促進
    作用およびアポトーシス阻害作用を有する化合物もしく
    はその塩またはそのプロドラッグの使用。
  22. 【請求項22】アルツハイマー病、パーキンソン病、プ
    リオン病またはニューロパチーの予防・治療作用を有す
    る医薬を製造するための可溶性ベータ・アミロイド前駆
    蛋白質分泌促進作用およびアポトーシス阻害作用を有す
    る化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグの使
    用。
  23. 【請求項23】可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質分
    泌促進作用およびアポトーシス阻害作用を有する医薬を
    製造するための、式(a) 【化6】 [式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を
    示し、YはCHまたはNを示す。]で表される部分構
    造、 式(b) 【化7】 、[式中、Ar2は置換基を有していてもよい芳香族基
    を示す。]で表される部分構造、または 式(c) 【化8】 [式中、Ar1は置換基を有していてもよい芳香族基を
    示し、Xは酸素原子、CR34またはNR5(R3
    4、R5はそれぞれ同一または異なって、水素原子また
    は置換基を有していてもよい低級アルキル基を示す。)
    を示し、Yは上記と同意義を示す。]で表される部分構
    造を有する化合物もしくはその塩またはそのプロドラッ
    グの使用。
  24. 【請求項24】可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質分
    泌促進作用および/またはアポトーシス阻害作用を有す
    る医薬を製造するための、式(I) 【化9】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
    水素原子または置換基を有していてもよい低級アルキル
    基を示すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子と
    ともに4ないし7員環を形成し、Ar1およびAr2はそ
    れぞれ置換基を有していてもよい芳香族基を示し、A環
    は置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、Xは酸
    素原子、CR34またはNR5(R3、R4、R5はそれぞ
    れ同一または異なって、水素原子または置換基を有して
    いてもよい低級アルキル基を示す。)を示し、YはCH
    またはNを示す。]で表される化合物もしくはその塩ま
    たはそのプロドラッグの使用。
  25. 【請求項25】可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質分
    泌促進作用およびアポトーシス阻害作用を有する化合物
    もしくはその塩またはそのプロドラッグを哺乳動物に投
    与することを特徴とする神経機能障害改善方法。
  26. 【請求項26】可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質分
    泌促進作用およびアポトーシス阻害作用を有する化合物
    もしくはその塩またはそのプロドラッグを哺乳動物に投
    与することを特徴とする神経変性疾患の予防・治療方
    法。
  27. 【請求項27】神経変性疾患がアルツハイマー病、パー
    キンソン病、プリオン病またはニューロパチーである請
    求項26記載の予防・治療方法。
  28. 【請求項28】式(a) 【化10】 [式中、A環は置換基を有していてもよいベンゼン環を
    示し、YはCHまたはNを示す。]で表される部分構
    造、 式(b) 【化11】 、[式中、Ar2は置換基を有していてもよい芳香族基
    を示す。]で表される部分構造、または 式(c) 【化12】 [式中、Ar1は置換基を有していてもよい芳香族基を
    示し、Xは酸素原子、CR34またはNR5(R3
    4、R5はそれぞれ同一または異なって、水素原子また
    は置換基を有していてもよい低級アルキル基を示す。)
    を示し、Yは上記と同意義を示す。]で表される部分構
    造を有する化合物もしくはその塩またはそのプロドラッ
    グを哺乳動物に投与することを特徴とする可溶性ベータ
    ・アミロイド前駆蛋白質分泌促進および/またはアポト
    ーシス阻害方法。
  29. 【請求項29】式(I) 【化13】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
    水素原子または置換基を有していてもよい低級アルキル
    基を示すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子と
    ともに4ないし7員環を形成し、Ar1およびAr2はそ
    れぞれ置換基を有していてもよい芳香族基を示し、A環
    は置換基を有していてもよいベンゼン環を示し、Xは酸
    素原子、CR34またはNR5(R3、R4、R5はそれぞ
    れ同一または異なって、水素原子または置換基を有して
    いてもよい低級アルキル基を示す。)を示し、YはCH
    またはNを示す。]で表される化合物もしくはその塩ま
    たはそのプロドラッグを哺乳動物に投与することを特徴
    とする可溶性ベータ・アミロイド前駆蛋白質分泌促進お
    よび/またはアポトーシス阻害方法。
  30. 【請求項30】式(II) 【化14】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
    水素原子または置換基を有していてもよい低級アルキル
    基を示すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子と
    ともに4ないし7員環を形成し、Ar1およびAr2はそ
    れぞれ置換基を有していてもよい芳香族基を示し、A環
    は置換基を有していてもよいベンゼン環を示す。]で表
    される化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグ。
  31. 【請求項31】R1が水素原子であり、R2がメチル基で
    あり、Ar1が置換基を有していてもよいフェニル基で
    あり、Ar2が3,4−ジメトキシフェニル基であり、A
    環が無置換のベンゼン環である請求項30記載の化合物
    もしくはその塩またはそのプロドラッグ。
  32. 【請求項32】請求項30記載の化合物もしくはその塩
    またはそのプロドラッグを含有してなる医薬組成物。
  33. 【請求項33】式 【化15】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
    水素原子または置換基を有していてもよい低級アルキル
    基を示すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子と
    ともに4ないし7員環を形成し、Ar2は置換基を有し
    ていてもよい芳香族基を示し、A環は置換基を有してい
    てもよいベンゼン環を示す。]で表される化合物または
    その塩に、式 Ar1OH [式中、Ar1は置換基を有していてもよい芳香族基を
    示す。]で表される化合物またはその塩を縮合反応させ
    ることを特徴とする、式(II) 【化16】 [式中、R1、R2、Ar1、Ar2及びA環は上記と同意
    義を示す。]で表される化合物もしくはその塩またはそ
    のプロドラッグの製造方法。
  34. 【請求項34】式(III) 【化17】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
    水素原子または置換されていてよい低級アルキル基を示
    すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子とともに
    4ないし7員環を形成し、Ar1は置換基を有していて
    もよい芳香族基を示し、A環は置換基を有していてもよ
    いベンゼン環を示し、B環はハロゲン化されていてもよ
    いC1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基またはC1-3アルキ
    レンジオキシ基で置換されていてもよいベンゼン環を示
    し、XはCR34またはNR5(R3、R4、R5はそれぞ
    れ同一または異なって、水素原子または置換基を有して
    いてもよい低級アルキル基を示す。)を示し、YはCH
    またはNを示す(ただし、XがNH、YがCHかつAr1
    が無置換のフェニル基である場合を除く)。]で表され
    る化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグ。
  35. 【請求項35】R1が水素原子である請求項34記載の
    化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグ。
  36. 【請求項36】R2が水素原子または置換基を有してい
    てもよい低級アルキル基である請求項34記載の化合物
    もしくはその塩またはそのプロドラッグ。
  37. 【請求項37】Ar1が置換基を有していてもよい単環
    式芳香族基である請求項34記載の化合物もしくはその
    塩またはそのプロドラッグ。
  38. 【請求項38】Ar1が置換基を有していてもよいフェ
    ニル基である請求項34記載の化合物もしくはその塩ま
    たはそのプロドラッグ。
  39. 【請求項39】A環が無置換のベンゼン環である請求項
    34記載の化合物もしくはその塩またはそのプロドラッ
    グ。
  40. 【請求項40】XがNR5(R5は請求項34と同意義を
    示す。)で、YがCHである請求項34記載の化合物も
    しくはその塩またはそのプロドラッグ。
  41. 【請求項41】R1が水素原子であり、R2がメチル基で
    あり、Ar1が置換基を有していてもよいフェニル基で
    あり、A環が無置換のベンゼン環であり、XがNR
    5(R5は請求項34と同意義を示す。)、YがCHであ
    る(ただし、XがNH、YがCHかつAr1が無置換のフ
    ェニル基である場合を除く)請求項34記載の化合物も
    しくはその塩またはそのプロドラッグ。
  42. 【請求項42】請求項34記載の化合物もしくはその塩
    またはそのプロドラッグを含有してなる医薬組成物。
  43. 【請求項43】式 【化18】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
    水素原子または置換されていてよい低級アルキル基を示
    すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子とともに
    4ないし7員環を形成し、A環は置換基を有していても
    よいベンゼン環を示し、B環はハロゲン化されていても
    よいC1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基またはC1-3アル
    キレンジオキシ基で置換されていてもよいベンゼン環を
    示す。]で表される化合物またはその塩を、式 Ar1―NR5H [式中、R5は、水素原子または置換基を有していても
    よい低級アルキル基を示し、Ar1は置換基を有してい
    てもよい芳香族基を示す(ただし、R5がHかつAr1
    無置換のフェニル基である場合を除く)。]で表される
    化合物またはその塩で置換することを特徴とする、式 【化19】 [式中、R1、R2、R5、A環、B環、及びAr1は上記
    と同意義を示す。]で表される化合物もしくはその塩ま
    たはそのプロドラッグの製造方法。
  44. 【請求項44】式 【化20】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
    水素原子または置換されていてよい低級アルキル基を示
    すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子とともに
    4ないし7員環を形成し、Ar1は置換基を有していて
    もよい芳香族基を示し、A環は置換基を有していてもよ
    いベンゼン環を示し、B環はハロゲン化されていてもよ
    いC1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基またはC1-3アルキ
    レンジオキシ基で置換されていてもよいベンゼン環を示
    す。]で表される化合物またはその塩に、式 R5Z [式中、R5は、水素原子または置換基を有していても
    よい低級アルキル基を示し、Zは、反応性置換基を示
    す。]で表される化合物またはその塩を反応させること
    を特徴とする、式 【化21】 [式中、R1、R2、R5、A環、B環、及びAr1は上記
    と同意義を示す(ただし、R5がHかつAr1が無置換の
    フェニル基である場合を除く)。]で表される化合物も
    しくはその塩またはそのプロドラッグの製造方法。
  45. 【請求項45】式 【化22】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
    水素原子または置換されていてよい低級アルキル基を示
    すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子とともに
    4ないし7員環を形成し、Ar1は置換基を有していて
    もよい芳香族基を示し、A環は置換基を有していてもよ
    いベンゼン環を示し、XはCR34またはNR5(R3
    4、R5はそれぞれ同一または異なって、水素原子また
    は置換基を有していてもよい低級アルキル基を示す。)
    を示し、YはCHまたはNを示す(ただし、XがNH、
    YがCHかつAr1が無置換のフェニル基である場合を
    除く)。]で表される化合物またはその塩に、式 【化23】 [式中、B環はハロゲン化されていてもよいC1-6アル
    コキシ基、ヒドロキシ基またはC1-3アルキレンジオキ
    シ基で置換されていてもよいベンゼン環を示す。]で表
    される化合物またはその塩を反応させることを特徴とす
    る、式(III) 【化24】 [式中、R1、R2、Ar1、X、Y、A環およびB環は
    上記と同意義を示す。]で表される化合物もしくはその
    塩またはそのプロドラッグの製造方法。
  46. 【請求項46】式 【化25】 [式中、R1およびR2はそれぞれ同一または異なって、
    水素原子または置換されていてよい低級アルキル基を示
    すか、R1およびR2は結合し隣接する炭素原子とともに
    4ないし7員環を形成し、A環は置換基を有していても
    よいベンゼン環を示し、B環はハロゲン化されていても
    よいC1-6アルコキシ基、ヒドロキシ基またはC1-3アル
    キレンジオキシ基で置換されていてもよいベンゼン環を
    示す。]で表される化合物またはその塩に、式 Ar1CR34Z [式中、Ar1は置換基を有していてもよい芳香族基を
    示し、R3、R4は、それぞれ同一または異なって、水素
    原子または置換基を有していてもよい低級アルキル基を
    示し、Zは、反応性置換基を示す。]で表される化合物
    またはその塩を反応させることを特徴とする、式 【化26】 [式中、R1、R2、R3、R4、A環、B環、及びAr1
    は上記と同意義を示す。]で表される化合物もしくはそ
    の塩またはそのプロドラッグの製造方法。
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