JP2001347356A - 引け巣が無く表面が滑らかで皺の無い銅または銅合金インゴットの製造方法および装置 - Google Patents
引け巣が無く表面が滑らかで皺の無い銅または銅合金インゴットの製造方法および装置Info
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22D—CASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
- B22D27/00—Treating the metal in the mould while it is molten or ductile ; Pressure or vacuum casting
- B22D27/04—Influencing the temperature of the metal, e.g. by heating or cooling the mould
- B22D27/045—Directionally solidified castings
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- Mechanical Engineering (AREA)
- Continuous Casting (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】引け巣が無く表面が滑らかで皺の無い銅または
銅合金インゴットを製造する方法および装置、特に引け
巣が無く表面が滑らかで皺の無い純度：９９．９９９９
重量％以上の高純度銅インゴットを製造する方法および
装置を提供する。 【解決手段】モールドの側壁が底部から上方向に向かっ
て高温となる温度勾配を持つように加熱されておりかつ
底部に冷却台座を設けたモールドに、銅または銅合金溶
湯を注入し、該溶湯を一方向凝固させる方法、および冷
却台座４と、冷却台座４の上に載置したモールド１と、
モールド１の周囲に設けた加熱炉２とを有し、前記加熱
炉２はモールドの底部から上方に向かって高温になるよ
うに温度勾配を持たせるように加熱制御できる。
銅合金インゴットを製造する方法および装置、特に引け
巣が無く表面が滑らかで皺の無い純度：９９．９９９９
重量％以上の高純度銅インゴットを製造する方法および
装置を提供する。 【解決手段】モールドの側壁が底部から上方向に向かっ
て高温となる温度勾配を持つように加熱されておりかつ
底部に冷却台座を設けたモールドに、銅または銅合金溶
湯を注入し、該溶湯を一方向凝固させる方法、および冷
却台座４と、冷却台座４の上に載置したモールド１と、
モールド１の周囲に設けた加熱炉２とを有し、前記加熱
炉２はモールドの底部から上方に向かって高温になるよ
うに温度勾配を持たせるように加熱制御できる。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、引け巣が無く表面が
滑らかで皺の無い銅または銅合金インゴットを製造する
方法および装置に関するものであり、特に引け巣が無く
表面が滑らかで皺の無い純度：９９．９９９９重量％以
上の高純度銅インゴットを製造する方法および装置に関
するものである。
滑らかで皺の無い銅または銅合金インゴットを製造する
方法および装置に関するものであり、特に引け巣が無く
表面が滑らかで皺の無い純度：９９．９９９９重量％以
上の高純度銅インゴットを製造する方法および装置に関
するものである。
【０００２】
【従来の技術】一般に、銅または銅合金インゴットを製
造するには、溶解して得られた銅または銅合金溶湯を通
常のモールドに鋳造したり、または連続鋳造モールドに
鋳造したりして製造している。
造するには、溶解して得られた銅または銅合金溶湯を通
常のモールドに鋳造したり、または連続鋳造モールドに
鋳造したりして製造している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかし、通常のモール
ドに鋳造して得られたインゴットは、インゴットの頭部
表面に大きな引け巣が形成され、このインゴットの引け
巣は、切除しなければならず、歩留まりが大幅に低下す
る。さらに銅または銅合金溶湯を連続鋳造鋳型により製
造すると、インゴット表面に皺が発生し、皺の発生した
インゴットは加工前に面削する必要があった。インゴッ
トの頭部表面の引け巣およびインゴット表面の皺は、特
に純度：９９．９９９９重量％以上の高純度銅インゴッ
トに発生しやすく、引け巣および表面皺のない高純度銅
インゴットの製造方法の提供が求められていた。
ドに鋳造して得られたインゴットは、インゴットの頭部
表面に大きな引け巣が形成され、このインゴットの引け
巣は、切除しなければならず、歩留まりが大幅に低下す
る。さらに銅または銅合金溶湯を連続鋳造鋳型により製
造すると、インゴット表面に皺が発生し、皺の発生した
インゴットは加工前に面削する必要があった。インゴッ
トの頭部表面の引け巣およびインゴット表面の皺は、特
に純度：９９．９９９９重量％以上の高純度銅インゴッ
トに発生しやすく、引け巣および表面皺のない高純度銅
インゴットの製造方法の提供が求められていた。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
引け巣が無く表面が滑らかで皺の無い純度：９９．９９
９９重量％以上の高純度銅インゴットを工業的に製造す
べく研究を行っていたところ、（ａ）底部に冷却台座を
設けかつモールド側壁の温度をモールド底部から上方向
に向かって高温となるように温度勾配を持たせて加熱し
たモールドに純度：９９．９９９９重量％以上の高純度
銅溶湯を注入して得られたインゴットは、内部組織が一
方向凝固組織となるとともに引け巣が無く、インゴット
表面が滑らかで皺の発生が無い、（ｂ）前記モールド側
壁の上部の温度は、前記高純度銅の融点未満から融点よ
りも１５０℃低い温度範囲内に保持することが好まし
い、（ｃ）この方法は、その他の銅または銅合金インゴ
ットの製造に対しても適用でき、その場合のモールド側
壁の上部の温度は、前記銅または銅合金の融点未満から
融点よりも１５０℃低い温度範囲内に保持することが好
ましい、という知見を得たのである。
引け巣が無く表面が滑らかで皺の無い純度：９９．９９
９９重量％以上の高純度銅インゴットを工業的に製造す
べく研究を行っていたところ、（ａ）底部に冷却台座を
設けかつモールド側壁の温度をモールド底部から上方向
に向かって高温となるように温度勾配を持たせて加熱し
たモールドに純度：９９．９９９９重量％以上の高純度
銅溶湯を注入して得られたインゴットは、内部組織が一
方向凝固組織となるとともに引け巣が無く、インゴット
表面が滑らかで皺の発生が無い、（ｂ）前記モールド側
壁の上部の温度は、前記高純度銅の融点未満から融点よ
りも１５０℃低い温度範囲内に保持することが好まし
い、（ｃ）この方法は、その他の銅または銅合金インゴ
ットの製造に対しても適用でき、その場合のモールド側
壁の上部の温度は、前記銅または銅合金の融点未満から
融点よりも１５０℃低い温度範囲内に保持することが好
ましい、という知見を得たのである。
【０００５】この発明は、かかる知見にもとづいてなさ
れたものであって、（１）モールドの側壁が底部から上
方向に向かって高温となる温度勾配を持つように加熱さ
れておりかつ底部に冷却台座を設けたモールドに、銅ま
たは銅合金溶湯を注入する、引け巣が無く表面が滑らか
で皺の無い銅または銅合金インゴットの製造方法、に特
徴を有するものである。
れたものであって、（１）モールドの側壁が底部から上
方向に向かって高温となる温度勾配を持つように加熱さ
れておりかつ底部に冷却台座を設けたモールドに、銅ま
たは銅合金溶湯を注入する、引け巣が無く表面が滑らか
で皺の無い銅または銅合金インゴットの製造方法、に特
徴を有するものである。
【０００６】前記（１）記載の引け巣が無く表面が滑ら
かで皺の無い銅または銅合金インゴットの製造方法にお
いて、前記モールド側壁上部の温度は、銅または銅合金
の融点未満から融点よりも１５０℃低い温度範囲内に保
持することことが好ましい。前記モールド側壁上部の温
度は、銅または銅合金の融点未満から融点よりも９０℃
低い温度範囲内に保持することことが一層好ましい。前
記モールド側壁上部の温度を銅または銅合金の融点未満
から融点よりも１５０℃低い温度範囲内に限定したの
は、前記モールド側壁上部の温度を銅または銅合金の融
点以上に加熱すると、インゴット頭部がいつまでも溶融
状態を保って最終的に凝固したインゴットが得られず、
一方、前記モールド側壁上部の温度を融点よりも１５０
℃を越えて低い温度にすると、インゴット上部に引け巣
が発生するので好ましくない理由によるものである。
かで皺の無い銅または銅合金インゴットの製造方法にお
いて、前記モールド側壁上部の温度は、銅または銅合金
の融点未満から融点よりも１５０℃低い温度範囲内に保
持することことが好ましい。前記モールド側壁上部の温
度は、銅または銅合金の融点未満から融点よりも９０℃
低い温度範囲内に保持することことが一層好ましい。前
記モールド側壁上部の温度を銅または銅合金の融点未満
から融点よりも１５０℃低い温度範囲内に限定したの
は、前記モールド側壁上部の温度を銅または銅合金の融
点以上に加熱すると、インゴット頭部がいつまでも溶融
状態を保って最終的に凝固したインゴットが得られず、
一方、前記モールド側壁上部の温度を融点よりも１５０
℃を越えて低い温度にすると、インゴット上部に引け巣
が発生するので好ましくない理由によるものである。
【０００７】したがって、この発明は、（２）モールド
の側壁が底部から上方向に向かって高温となる温度勾配
を持つように加熱されておりかつ底部に冷却台座を設け
たモールドに、銅または銅合金溶湯を注入する銅合金イ
ンゴットの製造方法であって、前記モールド側壁上部の
温度は、銅または銅合金の融点未満から融点よりもより
も１５０℃低い温度範囲に保持する引け巣が無く表面が
滑らかで皺の無い高純度銅インゴットの製造方法、に特
徴を有するものである。
の側壁が底部から上方向に向かって高温となる温度勾配
を持つように加熱されておりかつ底部に冷却台座を設け
たモールドに、銅または銅合金溶湯を注入する銅合金イ
ンゴットの製造方法であって、前記モールド側壁上部の
温度は、銅または銅合金の融点未満から融点よりもより
も１５０℃低い温度範囲に保持する引け巣が無く表面が
滑らかで皺の無い高純度銅インゴットの製造方法、に特
徴を有するものである。
【０００８】この発明の引け巣が無く表面が滑らかで皺
の無い高純度銅インゴットの製造方法を実施するための
装置を図面を用いて具体的に説明する。図１は、この発
明の引け巣が無く表面が滑らかで皺の無い高純度銅イン
ゴットを製造するための装置を模型的に示した断面説明
図である。図１において、１はインゴットを作るための
モールドであり、このモールド１は黒鉛製である。モー
ルド１は加熱炉２の空間に装入できるようになってお
り、加熱炉２の胴部内部にはヒータ３が設けられてい
る。一方、モールド１の底部には、純銅製の冷却台座４
が設けられており、冷却台座４の空洞６には冷却水を供
給し常に冷却することができるようになっている。モー
ルド１に注入された溶湯はモールド１の底部から凝固を
始め、モールド１の側壁に形成された温度勾配により一
方向凝固組織５が形成されるようになっている。モール
ド１の開口部には蓋７が設けられており、加熱炉２の空
間およびモールド１の内部は不活性ガス雰囲気に保たれ
ている。
の無い高純度銅インゴットの製造方法を実施するための
装置を図面を用いて具体的に説明する。図１は、この発
明の引け巣が無く表面が滑らかで皺の無い高純度銅イン
ゴットを製造するための装置を模型的に示した断面説明
図である。図１において、１はインゴットを作るための
モールドであり、このモールド１は黒鉛製である。モー
ルド１は加熱炉２の空間に装入できるようになってお
り、加熱炉２の胴部内部にはヒータ３が設けられてい
る。一方、モールド１の底部には、純銅製の冷却台座４
が設けられており、冷却台座４の空洞６には冷却水を供
給し常に冷却することができるようになっている。モー
ルド１に注入された溶湯はモールド１の底部から凝固を
始め、モールド１の側壁に形成された温度勾配により一
方向凝固組織５が形成されるようになっている。モール
ド１の開口部には蓋７が設けられており、加熱炉２の空
間およびモールド１の内部は不活性ガス雰囲気に保たれ
ている。
【０００９】前述のように、ヒータ３はモールド底部か
ら上部に向かって高温となるように温度勾配を形成する
ことができるようになっており、図１では加熱炉２の胴
部内部にに設けられているヒータ３は加熱体Ａ〜Ｃで構
成されている。加熱体Ａ〜Ｃは加熱炉２の胴部上方に設
けられた加熱体ほど高温に加熱制御できるようになって
いる。すなわち、加熱体Ａを最も高温に制御することが
でき、加熱体Ｃが最も低温に制御することができ、加熱
体Ａ〜Ｃの温度をそれぞれＴA、ＴB、ＴCとすると、ＴA
＞ＴB＞ＴCとなるように制御し、モールド壁の温度が下
から上に向かって高温となるように温度勾配が付けられ
るようになっている。加熱炉２に設けられる加熱体は数
多く設けることにより一層滑らかな温度勾配を形成する
ことができるので、加熱体の数は多く設けるほど好まし
い。このように加熱炉２のヒータ３の加熱体Ａ〜Ｃに温
度勾配が付くように供給電力を制御して加熱し、温度勾
配がつくように加熱されたモールド１にストッパー１３
を引き上げて坩堝８内の溶湯１２を注入すると、モール
ド１に注入された溶湯１２はモールド１の下端から上端
に向かって凝固し、それによって一方向凝固組織を有す
るとともに引け巣が無く表面が滑らかで皺の無い銅また
は銅合金インゴットが得られる。この発明の方法による
と、従来の連続鋳造のように、モールドを加熱炉から抜
き出しながら上から下に向かって溶湯を凝固させる操作
を行なう必要はなく、したがって溶湯に振動を与えるこ
とがなく、また鋳込んだままの状態で良好な一方向凝固
組織を得ることができるところから、引け巣が無く表面
が滑らかで皺の無い銅または銅合金インゴットが得られ
るものと考えられる。
ら上部に向かって高温となるように温度勾配を形成する
ことができるようになっており、図１では加熱炉２の胴
部内部にに設けられているヒータ３は加熱体Ａ〜Ｃで構
成されている。加熱体Ａ〜Ｃは加熱炉２の胴部上方に設
けられた加熱体ほど高温に加熱制御できるようになって
いる。すなわち、加熱体Ａを最も高温に制御することが
でき、加熱体Ｃが最も低温に制御することができ、加熱
体Ａ〜Ｃの温度をそれぞれＴA、ＴB、ＴCとすると、ＴA
＞ＴB＞ＴCとなるように制御し、モールド壁の温度が下
から上に向かって高温となるように温度勾配が付けられ
るようになっている。加熱炉２に設けられる加熱体は数
多く設けることにより一層滑らかな温度勾配を形成する
ことができるので、加熱体の数は多く設けるほど好まし
い。このように加熱炉２のヒータ３の加熱体Ａ〜Ｃに温
度勾配が付くように供給電力を制御して加熱し、温度勾
配がつくように加熱されたモールド１にストッパー１３
を引き上げて坩堝８内の溶湯１２を注入すると、モール
ド１に注入された溶湯１２はモールド１の下端から上端
に向かって凝固し、それによって一方向凝固組織を有す
るとともに引け巣が無く表面が滑らかで皺の無い銅また
は銅合金インゴットが得られる。この発明の方法による
と、従来の連続鋳造のように、モールドを加熱炉から抜
き出しながら上から下に向かって溶湯を凝固させる操作
を行なう必要はなく、したがって溶湯に振動を与えるこ
とがなく、また鋳込んだままの状態で良好な一方向凝固
組織を得ることができるところから、引け巣が無く表面
が滑らかで皺の無い銅または銅合金インゴットが得られ
るものと考えられる。
【００１０】モールド１に注入される溶湯１２は、図１
に示される底注式溶解炉１０により溶解し製造する。底
部にノズル９を設けた坩堝８と加熱装置（図示せず）を
有する底注式溶解炉１０により溶解したのち、溶湯に脱
水素の目的でパイプ１１から不活性ガスを吹き込んで溶
湯１２を脱水素処理する。不活性ガスを吹き込んで溶湯
１２を脱水素処理した後、ストッパー１３を上昇させて
溶湯１２をノズル９からモールド１に注入する。
に示される底注式溶解炉１０により溶解し製造する。底
部にノズル９を設けた坩堝８と加熱装置（図示せず）を
有する底注式溶解炉１０により溶解したのち、溶湯に脱
水素の目的でパイプ１１から不活性ガスを吹き込んで溶
湯１２を脱水素処理する。不活性ガスを吹き込んで溶湯
１２を脱水素処理した後、ストッパー１３を上昇させて
溶湯１２をノズル９からモールド１に注入する。
【００１１】図１に示されるこの発明の装置を用いて引
け巣が無く表面が滑らかで皺の無い純度：９９．９９９
９重量％以上の高純度銅インゴットを製造するには、温
度：１１５０〜１３００℃（好ましくは１２００〜１２
５０℃）で溶解し高純度銅の溶湯を作製する。前記高純
度銅の溶解雰囲気は、高純度Ａｒガスなどの高純度不活
性ガス雰囲気、ＣＯガスを２〜３％含む窒素ガスなどの
還元ガス雰囲気または真空雰囲気である。前記高純度不
活性ガス雰囲気および還元ガス雰囲気の露点は−５℃以
下であることが好ましい。かかる条件で溶解して得られ
た溶湯に高純度不活性ガスを吹き込んで脱水素処理した
後、図１に示される高純度カーボン製モールド１に注入
し一方向凝固させて製造する。純度：９９．９９９９重
量％以上の高純度銅インゴット以外の銅または銅合金イ
ンゴットを製造するには、銅または銅合金の種類に応じ
て溶解温度、雰囲気を選んで溶解し、銅または銅合金の
融点に応じてモールドの上部温度を設定し、温度勾配を
持たせて加熱したモールドに銅または銅合金の溶湯を注
入すればよい。
け巣が無く表面が滑らかで皺の無い純度：９９．９９９
９重量％以上の高純度銅インゴットを製造するには、温
度：１１５０〜１３００℃（好ましくは１２００〜１２
５０℃）で溶解し高純度銅の溶湯を作製する。前記高純
度銅の溶解雰囲気は、高純度Ａｒガスなどの高純度不活
性ガス雰囲気、ＣＯガスを２〜３％含む窒素ガスなどの
還元ガス雰囲気または真空雰囲気である。前記高純度不
活性ガス雰囲気および還元ガス雰囲気の露点は−５℃以
下であることが好ましい。かかる条件で溶解して得られ
た溶湯に高純度不活性ガスを吹き込んで脱水素処理した
後、図１に示される高純度カーボン製モールド１に注入
し一方向凝固させて製造する。純度：９９．９９９９重
量％以上の高純度銅インゴット以外の銅または銅合金イ
ンゴットを製造するには、銅または銅合金の種類に応じ
て溶解温度、雰囲気を選んで溶解し、銅または銅合金の
融点に応じてモールドの上部温度を設定し、温度勾配を
持たせて加熱したモールドに銅または銅合金の溶湯を注
入すればよい。
【００１２】
【発明の実施の形態】実施例１ 図１に示される底注式溶解炉１０を用いて純度：９９．
９９９９重量％の電気銅を、露点：−５℃以下の高純度
Ａｒガス雰囲気中で溶解し、得られた溶湯にＡｒガスを
吹き込んで脱水素処理を施し、この溶湯を１２５０℃に
保持した。
９９９９重量％の電気銅を、露点：−５℃以下の高純度
Ａｒガス雰囲気中で溶解し、得られた溶湯にＡｒガスを
吹き込んで脱水素処理を施し、この溶湯を１２５０℃に
保持した。
【００１３】一方、図１に示されるように、加熱炉２の
空間にモールド１を底部が冷却水により冷却されている
水冷台座４に載置するように装入し、加熱炉２の空間を
露点：−５℃以下の高純度Ａｒガス雰囲気中に保持し、
加熱炉のヒータ３の加熱体Ａによるモールド１の側壁加
熱温度が１０８０℃、加熱体Ｂによるモールド１の側壁
加熱温度が９５０℃、加熱体Ｃによるモールド１の側壁
加熱温度が８００℃となるようにモールド側壁の温度を
制御してモールド下部からモールド上部に向かって高温
となる温度勾配を形成するように温度調整した。
空間にモールド１を底部が冷却水により冷却されている
水冷台座４に載置するように装入し、加熱炉２の空間を
露点：−５℃以下の高純度Ａｒガス雰囲気中に保持し、
加熱炉のヒータ３の加熱体Ａによるモールド１の側壁加
熱温度が１０８０℃、加熱体Ｂによるモールド１の側壁
加熱温度が９５０℃、加熱体Ｃによるモールド１の側壁
加熱温度が８００℃となるようにモールド側壁の温度を
制御してモールド下部からモールド上部に向かって高温
となる温度勾配を形成するように温度調整した。
【００１４】このようにモールド下部から上部に向かっ
て高温となる温度勾配が形成されるように加熱したモー
ルドに、先に用意した溶湯をモールドに注入し、下部か
ら上部に向かって凝固させ、最後にモールド上部の溶湯
が凝固するように制御して直径：１４０ｍｍ、長さ：２
５０ｍｍの寸法を有する一方向組織の高純度銅インゴッ
トを製造した。このようにして得られた高純度銅インゴ
ットの鋳肌の組織写真を図２の（ａ）に示し、さらにこ
のインゴットの断面組織写真を図２の（ｂ）に示した。
図２の（ａ）及び（ｂ）から明らかなように、この発明
の方法で作ったインゴットの内部にはブローホール、気
泡、引け巣が無く、また表面が滑らかな皺のないインゴ
ットを得ることができることが分かる。
て高温となる温度勾配が形成されるように加熱したモー
ルドに、先に用意した溶湯をモールドに注入し、下部か
ら上部に向かって凝固させ、最後にモールド上部の溶湯
が凝固するように制御して直径：１４０ｍｍ、長さ：２
５０ｍｍの寸法を有する一方向組織の高純度銅インゴッ
トを製造した。このようにして得られた高純度銅インゴ
ットの鋳肌の組織写真を図２の（ａ）に示し、さらにこ
のインゴットの断面組織写真を図２の（ｂ）に示した。
図２の（ａ）及び（ｂ）から明らかなように、この発明
の方法で作ったインゴットの内部にはブローホール、気
泡、引け巣が無く、また表面が滑らかな皺のないインゴ
ットを得ることができることが分かる。
【００１５】従来例１ 一方、比較のために、実施例１で作製した脱水素処理を
施した温度：１２５０℃の溶湯を、９００℃に均一加熱
したモールドにＡｒガス雰囲気中で鋳造して高純度銅イ
ンゴットを作製した。このようにして得られた高純度銅
インゴットの鋳肌の組織写真を図３の（ａ）に示し、さ
らにこのインゴットの断面組織写真を図３の（ｂ）に示
した。図３の（ａ）及び（ｂ）から明らかなように、従
来例１で作製したインゴットの内部にはブローホール、
気泡、引け巣があり、インゴットの表面には皺が発生し
ていることができることが分かる。
施した温度：１２５０℃の溶湯を、９００℃に均一加熱
したモールドにＡｒガス雰囲気中で鋳造して高純度銅イ
ンゴットを作製した。このようにして得られた高純度銅
インゴットの鋳肌の組織写真を図３の（ａ）に示し、さ
らにこのインゴットの断面組織写真を図３の（ｂ）に示
した。図３の（ａ）及び（ｂ）から明らかなように、従
来例１で作製したインゴットの内部にはブローホール、
気泡、引け巣があり、インゴットの表面には皺が発生し
ていることができることが分かる。
【００１６】
【発明の効果】この発明によると、引け巣が無く表面が
滑らかで皺の無い銅または銅合金インゴットを作製する
ことができるので、インゴット頭部の引け巣部分の切断
および皺を除去するための表面研削などを行なう必要が
無く、製造工程の省略ができてコストを下げることがで
きるなど優れた効果が得られる。
滑らかで皺の無い銅または銅合金インゴットを作製する
ことができるので、インゴット頭部の引け巣部分の切断
および皺を除去するための表面研削などを行なう必要が
無く、製造工程の省略ができてコストを下げることがで
きるなど優れた効果が得られる。
【図１】この発明の引け巣が無く表面が滑らかで皺の無
い高純度銅インゴットの製造方法を実施するための装置
の断面説明図である。
い高純度銅インゴットの製造方法を実施するための装置
の断面説明図である。
【図２】この発明の方法で製造した高純度銅インゴット
の断面および鋳肌表面の組織写真である。
の断面および鋳肌表面の組織写真である。
【図３】従来の方法で製造した高純度銅インゴットの断
面および鋳肌表面の組織写真である。
面および鋳肌表面の組織写真である。
１ モールド ２ 加熱炉 ３ ヒータ ４ 冷却台座 ５ 一方向凝固組織 ６ 空洞 ７ 蓋 ８ 坩堝 ９ ノズル １０ 底注式溶解炉 １１ パイプ １２ 溶湯 １３ ストッパー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古柴 豊 東京都千代田区大手町１−５−１ 三菱マ テリアル株式会社非鉄材料カンパニー銅加 工製品部内 (72)発明者 野上 敬司 東京都千代田区大手町１−５−１ 三菱マ テリアル株式会社非鉄材料カンパニー銅加 工製品部内 (72)発明者 柿本 明廣 東京都千代田区大手町１−５−１ 三菱マ テリアル株式会社非鉄材料カンパニー銅加 工製品部内
Claims (3)
- 【請求項１】モールドの側壁が底部から上方向に向かっ
て高温となる温度勾配を持つように加熱されておりかつ
底部に冷却台座を設けたモールドに、銅または銅合金溶
湯を注入することを特徴とする引け巣が無く表面が滑ら
かで皺の無い銅または銅合金インゴットの製造方法。 - 【請求項２】前記モールド側壁上部の温度は、銅または
銅合金の融点未満から融点よりもよりも１５０℃低い温
度範囲内に保持することを特徴とする請求項１記載の引
け巣が無く表面が滑らかで皺の無い高純度銅インゴット
の製造方法。 - 【請求項３】冷却台座と、冷却台座の上に設置したモー
ルドと、モールドの周囲を加熱できる加熱炉とを有する
銅または銅合金インゴットの製造装置であって、前記加
熱炉はモールドの底部から上方に向かって高温になるよ
うに温度勾配を持たせるように加熱制御できる加熱炉で
あることを特徴とする引け巣が無く表面が滑らかで皺の
無い銅または銅合金インゴットの製造装置。
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