JP2001343069A - 車両の自動変速装置 - Google Patents
車両の自動変速装置Info
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Abstract
シフトビジーの問題を解消する。 【解決手段】 変速機と、変速機の変速を制御するコン
トロールユニットと、コントロールユニットの信号に基
づき変速を実行するアクチュエータとを備え、所定のマ
ップに従って自動変速を実行する自動変速モードを有し
た自動変速装置であって、上記自動変速モード中、変速
後所定時間tが経過する前に、上記マップから所定段数
内の変速が必要と判断された場合は変速を禁止する。所
定段数内の変速は1段のシフトダウンであるのが好まし
い。また変速後、上記所定時間tが経過する前であって
も上記マップから上記所定段数を越える変速が必要と判
断された場合は変速を許可する。
Description
大型車両に適用される車両の自動変速装置に関する。
め、トラクタやトラック等の大型車両においても自動変
速装置を採用する例が多く見られる。この場合、車速に
応じた最適ギヤ段がマップに従って定められ、車両の加
速・減速に合わせて自動的にシフトアップ・シフトダウ
ンがなされる。
変速装置では以下のような問題が起こり得る。即ち、登
坂加速走行中にシフトアップしたとき、シフトアップの
過程でクラッチが切られるので車両が失速する。すると
シフトアップしたにも拘らず、マップ上では1段低いギ
ヤ段、つまり元のギヤ段に戻すべきという変速要求が出
され、シフトアップ直後元のギヤ段にシフトダウンして
しまうという所謂シフトビジーの問題が発生する。この
後、元のギヤ段に戻して再加速したとしても、次のシフ
トアップでまた失速して再度シフトダウンを繰り返すと
いうような問題が生ずる。
トビジーの問題を解消することにある。
速機の変速を制御するコントロールユニットと、コント
ロールユニットの信号に基づき変速を実行するアクチュ
エータとを備え、所定のマップに従って自動変速を実行
する自動変速モードを有した自動変速装置であって、上
記自動変速モード中、変速後所定時間が経過する前に、
上記マップから所定段数内の変速が必要と判断された場
合は変速を禁止するようにしたものである。
フトダウンであるのが好ましい。
であっても上記マップから上記所定段数を越えた変速が
必要と判断された場合は変速を許可するのが好ましい。
を添付図面に基づいて詳述する。
置を示す。ここでは車両がトレーラを牽引するトラクタ
であり、エンジンがディーゼルエンジンである。図示す
るように、エンジン1にクラッチ2を介して変速機3が
取り付けられ、変速機3の出力軸4(図3参照、アウト
プットシャフトともいう)が図示しないプロペラシャフ
トに連結されて後輪(図示せず)を駆動するようになっ
ている。エンジン1はエンジンコントロールユニット
(ECU)6によって電子制御される。即ち、ECU6
は、エンジン回転センサ7とアクセル開度センサ8との
出力から現在のエンジン回転速度及びエンジン負荷を読
取り、主にこれらに基づいて燃料噴射ポンプ1aを制御
し、燃料噴射時期及び燃料噴射量を制御する。
にフライホイール1bが取り付けられ、フライホイール
1bの外周にリングギヤ1cが形成され、リングギヤ1
cの歯が通過する度にエンジン回転センサ7がパルスを
出力し、ECU6が単位時間当たりのパルス数をカウン
トしてエンジン回転数を算出する。
変速機3とがトランスミッションコントロールユニット
(TMCU)9の制御信号に基づいて自動制御される。
ECU6とTMCU9とは互いにバスケーブル等を介し
て接続され、相互に連絡可能である。
2は機械式摩擦クラッチであり、入力側をなすフライホ
イール1b、出力側をなすドリブンプレート2a、及び
ドリブンプレート2aをフライホイール1bに摩擦接触
或いは離反させるプレッシャプレート2bから構成され
る。そしてクラッチ2は、クラッチブースタ10により
プレッシャプレート2bを軸方向に操作し、基本的には
自動断接され、ドライバの負担を軽減し得るものとなっ
ている。一方、微低速バックに際しての微妙なクラッチ
ワークや、非常時のクラッチ急断を可能とするため、こ
こではクラッチペダル11によるマニュアル断接も可能
となっている。所謂セレクティブオートクラッチの構成
である。クラッチ自体のストローク(即ちプレッシャプ
レート2bの位置)を検知するクラッチストロークセン
サ14と、クラッチペダル11の踏込みストロークを検
知するクラッチペダルストロークセンサ16とが設けら
れ、それぞれTMCU9に接続される。
スタ10は実線で示す二系統の空圧通路a,bを通じて
エアタンク5に接続され、エアタンク5から供給される
空圧で作動する。一方の通路aがクラッチ自動断接用、
他方の通路bがクラッチマニュアル断接用である。一方
の通路aが二股状に分岐され、そのうちの一方に自動断
接用の電磁弁MVC1,MVC2が直列に設けられ、他
方に非常用の電磁弁MVCEが設けられる。分岐合流部
にダブルチェックバルブDCV1が設けられる。他方の
通路bに、クラッチブースタ10に付設される油圧作動
弁12が設けられる。両通路a,bの合流部にもダブル
チェックバルブDCV2が設けられる。ダブルチェック
バルブDCV1,DCV2は差圧作動型の三方弁であ
る。
はTMCU9によりON/OFF制御され、ONのとき上流側を
下流側に連通し、OFF のとき上流側を遮断して下流側を
大気開放する。まず自動側を説明すると、電磁弁MVC
1は単にイグニッションキーのON/OFFに合わせてON/OFF
されるだけである。イグニッションキーOFF 、つまり停
車中はOFF となり、エアタンク5からの空圧を遮断す
る。電磁弁MVC2は比例制御弁で、供給又は排出エア
量を自由にコントロールできる。これはクラッチの断接
速度制御を行うためである。電磁弁MVC1,MVC2
がともにONだとエアタンク5の空圧がダブルチェックバ
ルブDCV1,DCV2をそれぞれ切り換えてクラッチ
ブースタ10に供給される。これによりクラッチが分断
される。クラッチを接続するときはMVC2のみがOFF
され、これによりクラッチブースタ10の空圧がMVC
2から排出されてクラッチが接続される。
MVC1又はMVC2に異常が生じ、いずれかがOFF と
なると、ドライバの意思に反してクラッチが急接されて
しまう。そこでこのような異常がTMCU9の異常診断
回路で検知されたら、即座に電磁弁MVCEをONする。
すると電磁弁MVCEを通過した空圧がダブルチェック
バルブDCV1を逆に切り換えてクラッチブースタ10
に供給され、クラッチ分断状態が維持され、クラッチ急
接が防止される。
ダル11の踏込み・戻し操作に応じてマスタシリンダ1
3から油圧が給排され、この油圧が破線で示す油圧通路
13aを介して油圧作動弁12に供給される。これによ
って油圧作動弁12が開閉され、クラッチブースタ10
への空圧の給排が行われ、クラッチ2のマニュアル断接
が実行される。油圧作動弁12が開くと、これを通過し
た空圧がダブルチェックバルブDCV2を切り換えてク
ラッチブースタ10に至る。なお、クラッチの自動断接
とマニュアル断接とが干渉した場合はマニュアル断接を
優先させるようになっている。
的に常時噛み合い式のいわゆる多段変速機で、前進16
段、後進2段に変速可能である。変速機3は入力側と出
力側とにそれぞれ副変速機としてのスプリッタ17及び
レンジギヤ19を備え、これらの間に主変速機としての
メインギヤ18を備えている。そして、入力軸15に伝
達されてきたエンジン動力をスプリッタ17、メインギ
ヤ18、レンジギヤ19へと順に送って出力軸4に出力
する。
ットGSUが設けられ、これはスプリッタ17、メイン
ギヤ18、レンジギヤ19それぞれの変速を担当するス
プリッタアクチュエータ20、メインアクチュエータ2
1及びレンジアクチュエータ22から構成される。これ
らアクチュエータもクラッチブースタ10同様空圧作動
され、TMCU9によって制御される。各ギヤ17,1
8,19の現在ポジションはギヤポジションスイッチ2
3(図2参照)で検知される。カウンタシャフト32の
回転速度がカウンタシャフト回転センサ26で検知さ
れ、出力軸4の回転速度が出力軸回転センサ28で検知
される。これら検知信号はTMCU9に送られる。
ドの他、マニュアルモードが設定され、ドライバのシフ
トチェンジ操作に基づくマニュアル変速が可能である。
この場合、図2に示すように、クラッチ2の断接制御及
び変速機3の変速制御は運転席に設けられたシフトレバ
ー装置29からの変速指示信号を合図に行われる。即
ち、ドライバが、シフトレバー装置29のシフトレバー
29aをシフト操作すると、シフトレバー装置29に内
蔵されたシフトスイッチが作動し、変速指示信号がTM
CU9に送られ、これを基にTMCU9はクラッチブー
スタ10、スプリッタアクチュエータ20、メインアク
チュエータ21及びレンジアクチュエータ22を適宜作
動させ、一連の変速操作(クラッチ断→ギヤ抜き→ギヤ
入れ→クラッチ接)を実行する。そしてTMCU9は現
在のシフト段をモニター31に表示する。
ース、Nはニュートラル、Dはドライブ、UPはシフト
アップ、DOWNはシフトダウンをそれぞれ意味する。
シフトスイッチはこれら各ポジションに対応した変速指
示信号を出力する。また運転席に、変速モードを自動又
はマニュアルに切り換えるためのモードスイッチ24
と、変速を1段ずつ行うか(通常モード)、所定段数飛
ばしで行うか(スキップモード)を切り換えるためのス
キップスイッチ25とが設けられる。これらスイッチは
手動スイッチである。
aをDレンジに入れておけば車速に応じて自動的に変速
が行われる。またこの自動変速モードでも、ドライバが
シフトレバー29aをUP又はDOWNに操作すれば、
マニュアルでのシフトアップ又はシフトダウンが可能で
ある。この自動変速モードにおいて、スキップスイッチ
25がOFF (通常モード)なら変速は1段ずつ行われ
る。これはトレーラ牽引時等、積載荷重が比較的大きい
ときに有効である。またスキップスイッチ25がON(ス
キップモード)なら変速は所定段数飛ばし、ここでは1
段飛ばしで行われる。これはトレーラを牽引してないと
きや荷が軽いときなどに有効である。
速は完全にドライバの意思に従う。シフトレバー29a
がDレンジのときは変速は行われず、現在ギヤが保持さ
れ、ドライバの積極的な意思でシフトレバー29aをU
P又はDOWNに操作したときのみ、シフトアップ又は
シフトダウンが可能である。このときも前記同様、スキ
ップスイッチ25がOFF なら変速は1段ずつ行われ、ス
キップスイッチ25がONなら変速は1段飛ばしで行われ
る。このモードではDレンジは現ギヤ段を保持するH
(ホールド)レンジとなる。
設けられ、GSUの電磁弁等が故障したときはスイッチ
27の手動切換により変速できるようになっている。
入力軸15、メインシャフト33及び出力軸4が同軸上
に配置され、カウンタシャフト32がそれらの下方に平
行配置される。入力軸15がクラッチ2のドリブンプレ
ート2aに接続され、入力軸15とメインシャフト33
とが相対回転可能に支持される。
成を説明する。入力軸15にスプリットハイギヤSHが
回転可能に取り付けられる。またメインシャフト33に
も前方から順にギヤM4,M3,M2,M1,MRが回
転可能に取り付けられる。MRを除くギヤSH,M4,
M3,M2,M1は、それぞれカウンタシャフト32に
固設されたカウンタギヤCH,C4,C3,C2,C1
に常時噛合される。ギヤMRはアイドルリバースギヤI
Rに常時噛合され、アイドルリバースギヤIRはカウン
タシャフト32に固設されたカウンタギヤCRに常時噛
合される。
付けられた各ギヤSH,M4…に、当該ギヤを選択し得
るようスプライン36が一体的に設けられ、これらスプ
ライン36に隣接して入力軸15及びメインシャフト3
3に第1〜第4スプライン37〜40が固設される。第
1〜第4スプライン37〜40に常時係合して第1〜第
4スリーブ42〜45が前後スライド可能に設けられ
る。第1〜第4スリーブ42〜45を適宜選択してスラ
イド移動させ、ギヤ側スプライン36と係合・離脱させ
ることによりギヤ入れ・ギヤ抜きを行える。第1スリー
ブ42の移動をスプリッタアクチュエータ20で行い、
第2〜第4スリーブ43〜45の移動をメインアクチュ
エータ21で行う。
18とは各アクチュエータ20,21によって自動変速
され得る常時噛み合い式の構成とされる。特に、スプリ
ッタ17のスプライン部には通常の機械的なシンクロ機
構が存在するものの、メインギヤ18のスプライン部に
はシンクロ機構が存在しない。このため、シンクロ制御
なるものを行って同期を図り、シンクロ機構なしで変速
できるようになっている。ここではメインギヤ18以外
にスプリッタ17にもニュートラルポジションが設けら
れ、所謂ガラ音対策がなされている(特願平11-319915
号参照)。
ンジギヤ19は遊星歯車機構34を採用しており、ハイ
・ローいずれかのポジションに切り替えることができ
る。遊星歯車機構34は、メインシャフト33の最後端
に固設されたサンギヤ65と、その外周に噛合される複
数のプラネタリギヤ66と、プラネタリギヤ66の外周
に噛合される内歯を有したリングギヤ67とからなる。
各プラネタリギヤ66は共通のキャリア68に回転可能
に支持され、キャリア68は出力軸4に連結される。リ
ングギヤ67は管部69を一体的に有し、管部69は出
力軸4の外周に相対回転可能に嵌め込まれて出力軸4と
ともに二重軸を構成する。
設けられる。また第5スプライン41の後方に隣接し
て、出力軸4に出力軸スプライン70が一体的に設けら
れる。第5スプライン41の前方に隣接して、ミッショ
ンケース側に固定された固定スプライン71が設けられ
る。第5スプライン41に常時係合して第5スリーブ4
6が前後スライド可能に設けられる。第5スリーブ46
の移動がレンジアクチュエータ22で行われる。レンジ
ギヤ19のスプライン部には機械的なシンクロ機構が存
在する。
が固定スプライン71に係合し、第5スプライン41と
固定スプライン71とが連結される。これによりリング
ギヤ67がミッションケース側に固定され、出力軸4が
1より大きい減速比(ここでは4.5)で回転駆動され
るようになる。これがローのポジションである。
とこれが出力軸スプライン70に係合し、第5スプライ
ン41と出力軸スプライン70とが連結される。これに
よりリングギヤ67とキャリア68とが互いに固定さ
れ、出力軸4が1の減速比で直結駆動されるようにな
る。これがハイのポジションである。
おいて、スプリッタ17でハイ・ローの2段、メインギ
ヤ18で4段、レンジギヤ19でハイ・ローの2段に変
速可能であり、計2×4×2=16段に変速することが
できる。
が選択され、レンジギヤ19はロー固定となる。そして
スプリッタ17でハイ・ローが切り換えられ、リバース
段はハイ・ロー2段に切り換えることができる。
について説明する。これらアクチュエータはエアタンク
5の空圧で作動する空圧シリンダと、空圧シリンダへの
空圧の給排を切り替える電磁弁とで構成される。そして
これら電磁弁がTMCU9で選択的に切り替えられ、空
圧シリンダを選択的に作動させるようになっている。ス
プリッタアクチュエータ20は、ダブルピストンを有し
た空圧シリンダ47と三つの電磁弁MVH,MVF,M
VGとで構成される。スプリッタ17をニュートラルに
するときはMVH/ON,MVF/OFF,MVG/O
Nとされる。スプリッタ17をハイにするときはMVH
/OFF,MVF/OFF,MVG/ONとされる。ス
プリッタ17をローにするときはMVH/OFF,MV
F/ON,MVG/OFFとされる。
トンを有しセレクト側の動作を担当する空圧シリンダ4
8と、シングルピストンを有しシフト側の動作を担当す
る空圧シリンダ49とを備える。各空圧シリンダに対し
三つずつ電磁弁MVC,MVD,MVE及びMVB,M
VAが設けられる。
OFF,MVD/ON,MVE/OFFのとき図の下方
に移動し、メインギヤの3rd、4th又はN3を選択
可能とし、MVC/ON,MVD/OFF,MVE/O
Nのとき中立となり、メインギヤの1st、2nd又は
N2を選択可能とし、MVC/ON,MVD/OFF,
MVE/OFFのとき図の上方に移動し、メインギヤの
Rev又はN1を選択可能とする。
N,MVB/ONのとき中立となり、メインギヤのN
1、N2又はN3を選択可能とし、MVA/ON,MV
B/OFFのとき図の左側に移動し、メインギヤの2n
d,4th又はRevを選択可能とし、MVA/OF
F,MVB/ONのとき図の右側に移動し、メインギヤ
の1st又は3rdを選択可能とする。
ストンを有した空圧シリンダ50と二つの電磁弁MV
I,MVJとで構成される。空圧シリンダ50は、MV
I/ON,MVJ/OFFのとき図の右側に移動し、レ
ンジギヤをハイとし、MVI/OFF,MVJ/ONの
とき図の左側に移動し、レンジギヤをローとする。
ンタシャフト32を制動するため、カウンタシャフト3
2にはカウンタシャフトブレーキ27が設けられる。カ
ウンタシャフトブレーキ27は湿式多板ブレーキであっ
て、エアタンク5の空圧で作動する。この空圧の給排を
切り替えるため電磁弁MV BRKが設けられる。電磁
弁MV BRKがONのときカウンタシャフトブレーキ
27に空圧が供給され、カウンタシャフトブレーキ27
が作動状態となる。電磁弁MV BRKがOFFのとき
にはカウンタシャフトブレーキ27から空圧が排出さ
れ、カウンタシャフトブレーキ27が非作動となる。
MCU9には図5に示すシフトアップマップと図6に示
すシフトダウンマップとがメモリされており、TMCU
9は、自動変速モードのとき、これらマップに従って自
動変速を実行する。例えば図5のシフトアップマップに
おいて、ギヤ段n(nは1から15までの整数)からn
+1へのシフトアップ線図がアクセル開度(%)と出力
軸回転数(rpm )との関数で決められている。そしてマ
ップ上では現在のアクセル開度(%)と出力軸回転数
(rpm )とからただ1点が定まる。車両加速中は、車輪
に連結された出力軸4の回転数が次第に増加していく。
そこで通常の自動変速モードでは、現在の1点が各線図
を越える度に1段ずつシフトアップを行うこととなる。
具体的には、現在の1点が各線図を越える度にTMCU
9内部で変速要求が出され、これに従ってTMCU9が
所定の変速制御を実行することになる。なお、このとき
スキップモードであれば線図を交互に1本ずつ飛ばして
2段ずつシフトアップを行う。
に、ギヤ段n+1(nは1から15までの整数)からn
へのシフトダウン線図がアクセル開度(%)と出力軸回
転数(rpm )との関数で決められている。そしてマップ
上では現在のアクセル開度(%)と出力軸回転数(rpm
)とからただ1点が定まる。車両減速中は出力軸4の
回転数が次第に減少していくので、通常の自動変速モー
ドでは、現在の1点が各線図を越える度に1段ずつシフ
トダウンを行う。スキップモードであれば線図を交互に
1本ずつ飛ばして2段ずつシフトダウンする。
マップと無関係にドライバが自由にシフトアップ・ダウ
ンを行える。通常モードなら1回のシフトチェンジ操作
で1段変速でき、スキップモードなら1回のシフトチェ
ンジ操作で2段変速できる。現在のアクセル開度はアク
セル開度センサ8により検知され、現在の出力軸回転数
は出力軸回転センサ28により検知される。特に、TM
CU9は、現在の出力軸回転数の値から現在の車速を換
算し、これをスピードメータに表示する。つまり車速が
出力軸回転数から間接的に検知され、出力軸回転数と車
速とは比例関係にある。
ような問題が起こり得る。即ち、登坂加速走行中にシフ
トアップしたとき、シフトアップの過程でクラッチが切
られるので車両が失速する。するとシフトアップしたに
も拘らず、マップ上では1段低いギヤ段、つまり元のギ
ヤ段に戻すべきという変速要求が出され、シフトアップ
直後元のギヤ段にシフトダウンしてしまうという所謂シ
フトビジーの問題が発生する。この後、元のギヤ段に戻
して再加速したとしても、次のシフトアップでまた失速
して再度シフトダウンを繰り返すという問題が生ずる。
解決するため、本装置では以下の制御を実行するように
している。
を示すフローチャートである。なおこのフローはTMC
U9により所定の制御時間(ex.32ms )毎に繰り返し実
行される。
スイッチ24の出力に基づき現在マニュアルモードでな
く自動変速モードが選択されているか否かを判断する。
NOのときはステップ110に進んでタイマをクリアした
後、ステップ111で変速を許可する。つまり本制御は
自動変速モードのときのみ実質的に有効である。YESの
ときはステップ102に進む。
に基づき現在シフトレバー29aがD(ドライブ)レン
ジに入っているか否かを判断する。Dレンジ以外ならス
テップ110,111へと進み、Dレンジならステップ
103に進む。Dレンジなので、このときはドライバが
何等シフトレバーを操作せずとも車速等に応じて自動的
にシフトアップ・ダウンがなされる。ステップ103で
は現在の車速が0以外、即ち車両走行中か否かを判断す
る。車速0ならステップ110,111へと進み、0以
外ならステップ104に進む。
段とが一致しているか否かを判断している。ここでいう
目標ギヤ段とは、現在のアクセル開度と出力軸回転数と
から図5、図6のマップに従って決定されるギヤ段であ
り、現ギヤ段とはギヤポジションスイッチ23により検
知される実際の変速機のギヤ段である。よって目標ギヤ
段が現ギヤ段と一致しているとは、変速要求がなく変速
完了の状態にあることを意味し、逆にそれらが一致して
ないとはマップに従った変速要求があり現在変速中であ
る状態を意味する。変速中のときはステップ109に進
み、変速完了のときはステップ105に進む。
を判断している。つまり、前回以前のフロー実行でステ
ップ108を通過し、変速禁止となっているか否かを判
断している。YES ならステップ105に進み、NOならス
テップ110,111へと進む。
ト(加算)する。そして次のステップ106では、この
タイマ値を予め決められた時間tと比較し、タイマ値が
t未満か否かを判断する。ここでのtは5(s) である。
t以上ならステップ111に進み、t未満ならステップ
107に進む。
段とが2段以上異なるか否かを判断している。変速要求
があったとき、それが1段のシフトアップ又はシフトダ
ウンなら本ステップはNOとなり、2段以上のシフトアッ
プ又はシフトダウンなら本ステップはYES となる。ただ
し、ここでは登坂加速時におけるシフトアップ直後のシ
フトダウンを問題にしているので、実質的には後述する
ように、1段のシフトダウン要求が出されたかどうかを
判断していることとなる。YES のときはステップ111
に進んで変速を許可し、NOのときはステップ108に進
んで変速を禁止する。以上により本フローを終了する。
てみる。車両が自動変速モード、Dレンジ固定で十分な
時間(少なくともt以上)登坂加速走行をしている場
合、ステップ101〜104に至り、ステップ104で
YES となってステップ105に至る。そしてここでタイ
マがインクリメントされ、ステップ106でタイマ≧t
なのでNOに進み、ステップ111で変速許可となる。
回はステップ101〜104を経てステップ109に至
る。現時点では変速許可なのでNOに進み、ステップ11
0でタイマがクリアされた後ステップ111で変速許可
が維持される。このルートを繰り返していくうちにやが
てシフトアップが完了する。シフトアップに要する時間
はtに比べて極めて短時間である。
うになる。ステップ101〜104に至り、ステップ1
04でYES となってステップ105に至る。ステップ1
05でタイマが1単位カウントされるが、先のシフトア
ップ中のフローによってタイマがクリアされているの
で、ステップ106でタイマ<tが成立する。するとYE
S となり、ステップ107に進む。現在変速要求は出て
いないので、ステップ107はNOとなり、ステップ10
8で変速禁止となる。この状態は変速要求が出るか(ス
テップ104がNOとなる)、タイマ≧t(ステップ10
6がNO)となるまで維持される。
ップによって車両が失速し、1段のシフトダウン要求が
出されたとする。すると、ステップ101〜104から
ステップ109に至ったとき、既に変速禁止されている
のでYES に進む。この後ステップ105,106を経て
ステップ107に至る。ステップ107でNOとなるの
で、ステップ108で変速禁止が維持される。
経過する前は、元のギヤ段に戻すような1段のシフトダ
ウンが禁止され、シフトアップ後のギヤ段が保持され
る。シフトアップ後のギヤ段で一定時間粘らせるのであ
る。この間車両が加速されているので、通常はタイマ≧
tとなる前に先のシフトダウン要求が消失する。こうな
ればシフトダウンが実行されないまま時間tの経過を終
えることとなる。
ステップ104がYES となる。そしてステップ104か
らステップ105、106、107、108と進むルー
トを繰り返す。次いでステップ106がNOとなるとステ
ップ111で変速許可となり最初の状態に戻る。
ン要求が残っている場合があり、このときは時間tの経
過と同時に即1段のシフトダウンを実行する。この場
合、ステップ106からステップ111に進み変速許可
となり、即シフトダウンが実行される。
きく、シフトアップ完了時点で2段以上も低い変速要求
が出る場合も想定される。このときは時間tが経過する
前であっても直ちにシフトダウンを許可する。こうしな
いとやがて車両が止まってしまうからである。この場
合、ステップ107からステップ111に進み、変速許
可となる。
問題は解消される。そしてシフトアップ中の失速の程度
が大きいときは直ちにシフトダウンが実行されるので、
車両が止まってしまうようなこともない。なお、本制御
はスキップモードか否かの判断を行っておらず、スキッ
プモードでも実行されるが、スキップモードでは常に2
段のシフトダウンとなり、1段のシフトダウンはあり得
ないので、ステップ107で必ずYES となり、実質的に
意味を持たない。本制御はスキップモードでない通常モ
ードのときのみ実質的な意味を持つ。
は1段のシフトダウンのみである。本発明にいう「所定
段数内の変速」のうち、「所定段数」とは本実施形態で
は1段を意味し、変速とはシフトダウンを意味する。も
っとも1段より低い段数はないので1段内とは1段のこ
とである。応用例として、「所定段数」を2段、3段…
等と変更したり、「変速」をシフトアップとしたりする
ことも可能である。例えば「所定段数」を2段とした場
合、2段内即ち1段又は2段の変速は禁止され、2段を
越える3段、4段…の変速は許容される。
られない。時間tの値も5(s) に限らず、実際の車両運
転モードに応じて適宜変更可能である。
る。
し、シフトビジーの問題を解消できる。
が大きいときは即シフトダウンを許容できる。
すフローチャートである。
図である。
U) 17 スプリッタ 18 メインギヤ 19 レンジギヤ 20 スプリッタアクチュエータ 21 メインアクチュエータ 22 レンジアクチュエータ 23 ギヤポジションスイッチ 25 スキップスイッチ 29 シフトレバー装置 GSU ギヤシフトユニット
Claims (3)
- 【請求項1】 変速機と、該変速機の変速を制御するコ
ントロールユニットと、該コントロールユニットの信号
に基づき変速を実行するアクチュエータとを備え、所定
のマップに従って自動変速を実行する自動変速モードを
有した自動変速装置であって、上記自動変速モード中、
変速後所定時間が経過する前に、上記マップから所定段
数内の変速が必要と判断された場合は変速を禁止するよ
うにしたことを特徴とする車両の自動変速装置。 - 【請求項2】 上記所定段数内の変速が1段のシフトダ
ウンである請求項1記載の車両の自動変速装置。 - 【請求項3】 変速後、上記所定時間が経過する前であ
っても上記マップから上記所定段数を越えた変速が必要
と判断された場合は変速を許可する請求項1又は2記載
の車両の自動変速装置。
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