JP2001342269A - 樹脂基板の表面改質装置 - Google Patents

樹脂基板の表面改質装置

Info

Publication number
JP2001342269A
JP2001342269A JP2000166859A JP2000166859A JP2001342269A JP 2001342269 A JP2001342269 A JP 2001342269A JP 2000166859 A JP2000166859 A JP 2000166859A JP 2000166859 A JP2000166859 A JP 2000166859A JP 2001342269 A JP2001342269 A JP 2001342269A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
substrate holder
electrode plate
resin substrate
counter electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000166859A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahide Muto
正英 武藤
Yasushi Masaki
康史 正木
Eiji Kagawa
英司 香川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP2000166859A priority Critical patent/JP2001342269A/ja
Publication of JP2001342269A publication Critical patent/JP2001342269A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い改質効果を得ることができるものとす
る。 【解決手段】 表面改質すべき基板1を側面に保持する
とともに高周波が印加される基板ホルダー2と、この基
板ホルダー2の上記側面に対向する対向電極板3とをチ
ャンバー10内に配する。高周波放電が基板ホルダー2
とチャンバー10壁面との間ではなく、基板ホルダー2
とこれに対向する対向電極板3との間で生じさせること
でプラズマ発生領域を限定し、基板1付近でのプラズマ
密度を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラズマを利用した
樹脂基板の表面改質装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】成形回路基板(MID:Molded
Interconnect Device、立体回路基
板とも称されている)は、射出成形品上に銅スパッタリ
ング法によって形成した銅薄膜に対してたとえばレーザ
ー加工を行うことで回路として必要な部分と不必要な部
分とを分離し、電気めっきによって回路として必要な部
分にのみメッキを施すことで立体的な電気的配線パター
ンを形成したもので、近年、超小型化が要求されている
デバイスへの適用がすすんでいる。
【0003】この成形回路基板の製造にあたっては、銅
スパッタリング法によって基板表面に成膜される銅薄膜
の密着力を高めるために、銅スパッタリングの前段にお
いて、射出成形で形成された基板の表面を低温プラズマ
によって改質することが行われている。
【0004】図17は上記銅スパッタリングのためのイ
ンライン型スパッタ装置Sを示しており、取入室S1と
取出室S4との間にプラズマ室S2とスパッタ室S3と
を配置し、取入室S1から導入した基板の表面をプラズ
マ室S2において改質し、次いでスパッタ室S3におい
て銅スパッタリングを行い、取出室S4から取り出す。
【0005】ここにおいて、上記プラズマ室S2は、図
18に示すように、チャンバー10内の中央を走行する
とともに両側面に基板1が装着されている基板ホルダー
2に高周波電圧を印加して、接地されているチャンバー
10壁面との間で高周波(RF)放電を行わせることで
チャンバー10内にプラズマ(低温プラズマ)を発生さ
せて基板1の表面改質を行うものであり、プラズマ室S
2を通過した基板ホルダー2は、スパッタ室S3に入っ
て基板1への銅スパッタリングがなされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記構成であ
ると、プラズマ室内でのプラズマの発生領域は基板が面
している部分だけでなく、チャンバー内の全域であるこ
とから、プラズマ密度が低く、十分な改質効果を得にく
いものであり、このために後段の銅スパッタリングに際
して高密着力の銅薄膜を成膜することが困難であった。
【0007】本発明はこのような点に鑑みなされたもの
であって、その目的とするところは高い改質効果を得る
ことができる樹脂基板の表面改質装置を提供するにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】しかして本発明は、表面
改質すべき基板を側面に保持するとともに高周波が印加
される基板ホルダーと、この基板ホルダーの上記側面に
対向する対向電極板とをチャンバー内に配していること
に特徴を有している。高周波放電が基板ホルダーとチャ
ンバー壁面との間ではなく、基板ホルダーとこれに対向
する対向電極板との間で生じるようにすることで、プラ
ズマ発生領域を限定し、基板付近でのプラズマ密度を高
めたものである。
【0009】この時、対向電極板における基板ホルダー
との対向面の面積は、基板ホルダーより大とすること
で、基板ホルダーの端部付近と中央部付近でのプラズマ
密度の均一性を高くすることができる。
【0010】また、基板ホルダーと対向電極板との対向
間隔を10〜20mmとすることで、高いプラズマ密度
を得ることができる。そして、このような近距離では放
電開始電圧が高くなることから、放電の始動誘引用のト
リガー手段をチャンバー内に設けることで、放電始動を
容易にすることができる。
【0011】基板ホルダーに基板を装着していない側面
がある場合は、この側面に対向する対向電極板を設ける
とともに、この対向電極板と基板ホルダーとの対向間隔
を5mm以内とすると、基板ホルダーの上記側面はチャ
ンバー壁面はもちろん対向電極板との間でも放電を起こ
すことが殆どなくなるために、プラズマを発生させたい
領域でのプラズマ密度を高くすることができる。特に、
基板ホルダーにおける基板を装着していない側面に対向
する対向電極板として、基板ホルダーの外周縁を囲む周
壁を備えた箱型のものを用いれば、さらに不要な放電を
無くすことができる。
【0012】プラズマの電子閉じ込め用の磁界発生手段
を備えたものとするのも好ましい。局所的にプラズマ密
度を高めることができる。この磁界発生手段としては、
対向電極板における基板ホルダーとの対向面の反対側の
面に配した永久磁石を好適に用いることができ、この場
合の対向電極板は非磁性金属板で形成しておくのが好ま
しい。
【0013】また、磁界発生手段は強磁性体で形成した
対向電極板であってもよい。別部材を必要とすることな
くプラズマの閉じ込めを行うことができる。そして、こ
の場合、基板ホルダーを挟む位置にある2つの対向電極
板のうちの一方の対向電極板の基板ホルダーとの対向面
と、他方の対向電極板の基板ホルダーとの対向面とを異
極に磁化すると、基板ホルダー内で均一な磁力線密度を
得ることができる。
【0014】磁石を用いる場合、この磁石を冷却する冷
却手段を備えたものとするのが好ましい。
【0015】磁界発生手段は高周波を基板ホルダーに導
く高周波導入端子であってもよく、この場合の高周波導
入端子は、その基板ホルダー側が複数片に分岐して基板
ホルダーの複数箇所に接続されているもの、特に高周波
導入端子の各分岐片の長さ及び太さが同じであるものを
好適に用いることができる。
【0016】また本発明は、表面改質すべき基板を表面
に保持する基板ホルダーと、誘導結合型のプラズマ発生
手段もしくは電子サイクロトロン共鳴型のプラズマ発生
手段とをチャンバー内に配していることに他の特徴を有
している。高い密度のプラズマを発生させることができ
る。この時、基板ホルダーに負のバイアス電圧を印加し
ておけば、発生させたプラズマ内のイオンを加速させて
基板に衝突させることができる。
【0017】プラズマ発生手段が上記のどのようなもの
であれ、チャンバー内を満たすガスの導入手段として、
基板ホルダー上の基板に向けてガスを吐出するノズルを
備えたものとするとよい。ガス流でプラズマ内のイオン
を加速させて基板に衝突させることができる。
【0018】また、グランドもしくは負電圧に接続され
たグリッドを基板の前に配置するのも好ましい。この場
合、基板に衝突するイオンを減らすことができる。グリ
ッドの印加電圧を可変としておけば、基板に衝突するイ
オンの量を制御することができる。
【0019】基板ホルダーには、その全面よりも電極部
の面積が小さいものを好適に用いることができる。バイ
アス電圧が増大してイオンの加速エネルギーが大となる
からである。
【0020】電極部の面積を全面積よりも小さくしたも
のは、基板ホルダーをメッシュで形成したり、基板ホル
ダーの一部を絶縁物で覆うことで容易に得ることがで
き、上記絶縁物としてはセラミックス系無機物を好適に
用いることができる。絶縁物がプラズマ処理中にスパッ
タされてしまうことがないからである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施の形態の一例に
基づいて詳述すると、図1は前記インライン型スパッタ
装置用のプラズマ室に本願発明を適用した場合の一例の
断面を示しており、図中10は接地されているチャンバ
ー、2はチャンバー10内の中央を紙面と直交する方向
に走行する基板ホルダーであり、表面改質を施すべき基
板1を両側面に保持することができるものとなっている
とともに、マッチング回路20を介して高周波電源21
に接続されている。
【0022】そして、基板ホルダー2の基板1を保持し
ている両側面とチャンバー10の両側壁との間には、基
板ホルダー2と平行であって基板ホルダー2の上記側面
と対向する対向電極板3,3を夫々配置してある。両対
向電極板3,3は接地していることから、高周波電圧を
基板ホルダー2に印加した時、高周波放電が基板ホルダ
ー2とチャンバー10壁面との間ではなく、基板ホルダ
ー2とこれに対向する対向電極板3,3との間で生ずる
とともにプラズマはこの領域に発生するものであり、こ
のために基板1付近でのプラズマ密度が高く、プラズマ
による基板1表面の改質効果が高くなるものである。
【0023】なお、プラズマ密度を高くするという点に
おいて、対向電極板3と基板ホルダー2との対向間隔D
は10〜20mmの範囲内、特に15mm前後とするの
が好ましい。もっとも、このような近距離で対向させた
場合、放電開始電圧が高くなって放電がし難いことか
ら、チャンバー10内にはトリガー電極(図示せず)を
設置して、該トリガー電極で放電の始動誘引を行うとよ
い。放電始動を容易にすることができる。
【0024】また、基板1を保持させた基板ホルダー2
側面と対向電極板3との間で発生するプラズマは容量結
合型のものであり、上記両者で挟まれた空間のうちの周
縁部では乱れが生じやすいことから、対向電極板3の面
積は基板ホルダー2の面積よりも大きくして、好ましく
は1.5倍以上とすることで、基板1が存在する領域で
のプラズマ密度の均一性を保つことができるようにして
おく。
【0025】基板ホルダー2の一方の側面にだけ基板1
を保持しており、基板ホルダー2の他方の側面には基板
2を配していない場合においても、基板ホルダー2の一
方の側面に対向する対向電極板3と、基板ホルダー2の
他方の側面に対向する対向電極板3とを配置する。ただ
し、後者の対向電極板3については、図2に示すよう
に、基板ホルダー2との対向間隔Dが5mm以下、好ま
しくは2〜3mmとなるようにしておく。このような至
近距離で対向させた場合には放電がきわめて生じにくく
なることを利用して、基板1が存在する基板ホルダー2
の一側面とこの面に対向する対向電極板3との間だけで
放電がなされるようにするのである。なお、対向電極板
3が介在するために、基板1の上記他方の側面とチャン
バー10の内壁との間の放電も生じない。不必要な部分
での放電をなくすことができて、プラズマ発生領域での
プラズマ密度を向上させることができる。
【0026】基板ホルダー2における基板1を取り付け
ていない上記他側面に対向する対向電極板3は、図3に
示すように、箱形で基板ホルダー2の外周縁も至近間隔
で覆うものとすれば、基板ホルダー2の外周縁とチャン
バー10内壁との間の放電をほぼ完全に抑制することが
できるために、不必要な部分での放電をさらに無くすこ
とができる。
【0027】チャンバー10内の特定箇所、つまりは基
板1の近傍にプラズマの電子を閉じ込めてしまうことに
なる磁界発生手段を設けるようにしてもよい。図4はこ
の場合の一例を示しており、基板ホルダー1の両側面に
おいて基板1の近傍に図に示す磁力線が生じるように永
久磁石50を配置している。もっとも、この場合は永久
磁石50もプラズマに曝されてしまい、エッチングや反
応性ガスを用いたプラズマでは腐食の問題が生じること
から、永久磁石50を用いる場合は、図5に示すよう
に、対向電極板3における基板ホルダー2との対向面の
反対側の面に配するとよい。永久磁石50がプラズマに
曝されることがなく、永久磁石50表面にスパッタ膜が
生じることもない。ただし、この場合の対向電極板3は
その内部に磁路が生じてしまうことがないように非磁性
金属板で形成して、プラズマ発生領域に多くの磁力線が
漏れ出るようにしておく。
【0028】図6に示すように、対向電極板3そのもの
を強磁性体で形成して永久磁石50としてもよい。この
場合、別途永久磁石50を用意する必要がない上に、各
基板1毎に合わせて小さな永久磁石50を取り付ける必
要がなく、しかも永久磁石50の熱容量が増大するため
に、温度上昇による劣化を防ぐことができる。
【0029】さらに、対向電極板3そのものを永久磁石
50とする場合、図6に示すように磁力線が各対向電極
板3において個々に閉じるものでは、対向電極板3の端
部と中央部とで磁力線の密度が異なるために、基板ホル
ダー2付近でのプラズマ密度を均一にすることは困難で
あるが、図7に示すように、基板ホルダー2を挟む位置
にある2つの対向電極板3,3のうちの一方の対向電極
板3の基板ホルダー2との対向面と、他方の対向電極板
3の基板ホルダー2との対向面とを異極に磁化して、磁
力線Mが基板ホルダー2を通り抜けるようにすれば、対
向電極板3,3間で均一な磁力線密度を得ることができ
る。
【0030】そして、永久磁石50を磁界発生手段とす
る時には、上記のいずれの場合においても、永久磁石5
0を冷却する冷却手段を備えたものとするとよい。たと
えば、対向電極板3そのものを永久磁石50とする場合
には、対向電極板3内に冷却水の水路を形成するのであ
る。プラズマの温度上昇による永久磁石50の劣化、さ
らには永久磁石50のキュリー点を超えた温度上昇で磁
化が無くなってしまう事態を招くことがなくなる。
【0031】図8に磁界発生手段の他例を示す。これは
基板ホルダー2に接続された高周波導入端子25を通じ
て基板ホルダー2に流れる高周波を利用したもので、高
周波導入端子25を基板ホルダー2の外周縁にではな
く、基板ホルダー2における基板1を保持する面のほぼ
中央に接続している。高周波導入端子25を流れる高周
波が作り出す地場がプラズマを閉じ込めることになる磁
界を生じさせるようにしたものである。
【0032】なお、高周波導入端子25からの距離によ
ってプラズマ密度が変わってしまう点に対しては、図9
に示すように、高周波導入端子25の基板ホルダー2を
複数片25a,25bに分岐させて基板ホルダー2の複
数箇所に接続することによって解決することができる。
この時の高周波導入端子25の各分岐片25a,25b
の長さ及び太さを同じとして各分岐片25a,25bの
抵抗値を等しくしておくのが好ましいのはもちろんであ
る。
【0033】以上の各例では、容量結合型のプラズマ発
生手段を示したが、これに限定されるものではなく、図
10に示すように、高周波導入端子25が接続された螺
旋状コイル6に高周波を印加する誘導結合型のプラズマ
発生手段や、図11に示すように、導波管7を通じてコ
イルが巻かれたプラズマ発生室70にマイクロ波MWを
送り込む電子サイクロトロン共鳴型のプラズマ発生手段
(ECR)を用いてもよい。これらプラズマ発生手段
は、容量結合型のものよりも高い密度を持ったプラズマ
を発生させることができるものであり、また表面改質に
影響するラジカルの生成量が多くなる。
【0034】もっとも、上記両プラズマ発生手段を用い
た場合、基板1はプラズマに曝されるだけで、プラズマ
内のイオンを加速させて基板1に衝突させるということ
はできないことから、この点を補いたい場合は、基板ホ
ルダー2に高周波(RF)電圧を加えて、基板ホルダー
2に負のバイアス電圧を印加するとよい。これで、発生
させたプラズマ内のイオンを加速させて基板に衝突させ
ることができる。
【0035】なお、イオンを加速させて基板1に衝突さ
せるという点においては、チャンバー内を満たすガスの
導入手段として、図12に示すように、基板ホルダー2
上の基板1に向けてガスを吐出するノズル8を備えたも
のとするとよい。ガス流でプラズマ内のイオンを加速さ
せて基板1に衝突させることができる。図12では誘導
結合型のプラズマ発生手段を備えたものに適用している
が、他のプラズマ発生手段を備えたものにも適用するこ
とができる。
【0036】もっとも、イオンを基板1に衝突させるこ
とが常に好ましいわけではなく、たとえば酸素プラズマ
を用いると同時に酸素イオンによるエッチング現象を抑
えるために衝突させるイオンの量を減らしたい場合もあ
る。この場合は、図13に示すように、グランドもしく
は負電圧に接続されたグリッドGを基板1の前に配置す
ればよい。イオンをグリッドGに引き寄せて基板1に衝
突するイオンを減らすことができる。
【0037】また、グリッドGの印加電圧を可変として
おけば、基板1に衝突するイオンの量を制御することが
できることから、プラズマとして酸素プラズマを用いる
とともに、処理前半はグリッドGの電位を浮動にするこ
とで、不純物である有機物や無機物の除去を、処理後半
はグリッドGに負電圧等を印加してラジカルによる表面
改質を行うといったことが可能となる。なお、グリッド
Gの位置を可変としても、同様の作用を得ることができ
る。
【0038】ところで、基板ホルダー2であるが、高周
波電極として機能することになる金属部は図14に示す
ようにその一部を絶縁物28で形成したり、図15に示
すように基板ホルダー2の一部を絶縁物28で覆った
り、あるいは図16に示すように基板ホルダー2そのも
のをメッシュで形成したりすることで、電極となる部分
の表面積を基板ホルダー2の全面積よりも小さくしてお
くのがよい。高周波電圧を基板ホルダー2に印加した場
合、高周波電極(基板ホルダー2)と対向する電極との
面積比等で決定されるDCバイアス電圧(負電位)が生
じるが、高周波電極の面積を小さくすることで、バイア
ス電圧が増大し、イオンの加速エネルギーが増大するか
らである。
【0039】また、基板ホルダー2の電極となる部分の
面積を小さくすることは、上記のように様々な手段が考
えられるが、基板ホルダー2をメッシュで形成したり、
絶縁物28で一部を覆ったりするのが基板ホルダー2の
製作の容易さの点で好ましい。また、絶縁物28を使用
する場合、この絶縁物28はセラミックス系の無機物か
らなるものを用いるものとする。有機物あるいはスパッ
タされやすいものでは、プラズマ処理中にスパッタされ
て改質中の基板1の表面に付着し、改質に悪影響を及ぼ
してしまうからである。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明においては、表面改
質すべき基板を側面に保持するとともに高周波が印加さ
れる基板ホルダーと、この基板ホルダーの上記側面に対
向する対向電極板とをチャンバー内に配していることか
ら、高周波放電が基板ホルダーとチャンバー壁面との間
ではなく、基板ホルダーとこれに対向する対向電極板と
の間で生じるものであり、プラズマ発生領域を基板周辺
に限定することができるために、基板付近でのプラズマ
密度を高めることができ、基板の表面改質を的確に且つ
効率良く行うことができる。
【0041】この時、対向電極板における基板ホルダー
との対向面の面積は、基板ホルダーより大とすること
で、基板ホルダーの端部付近と中央部付近でのプラズマ
密度の均一性を高くすることができて、基板ホルダーで
保持した基板に対する表面改質効果が基板ホルダーへの
基板の装着位置で大きく変わってしまう事態を避けるこ
とができる。
【0042】また、基板ホルダーと対向電極板との対向
間隔を10〜20mmとすることで、高いプラズマ密度
を得ることができて、効率良く改質効果を得ることがで
きる。そして、このような近距離では放電開始電圧が高
くなるが、放電の始動誘引用のトリガー手段をチャンバ
ー内に設けることで、放電始動を容易にすることができ
て、対向電極板を近距離におくことによる弊害を避ける
ことができる。
【0043】基板ホルダーに基板を装着していない側面
がある場合は、この側面に対向する対向電極板を設ける
とともに、この対向電極板と基板ホルダーとの対向間隔
を5mm以内とすることで、基板ホルダーの上記側面が
チャンバー壁面や対向電極板との間で放電を起こすこと
が殆どなくなり、基板ホルダーにおける基板を装着して
いる側にだけプラズマを発生させることができるもので
あり、従ってプラズマ密度を高くすることができる。特
に、基板ホルダーにおける基板を装着していない側面に
対向する対向電極板として、基板ホルダーの外周縁を囲
む周壁を備えた箱型のものを用いれば、さらに不要な放
電を無くすことができる。
【0044】そして、プラズマの電子閉じ込め用の磁界
発生手段を備えたものとすることでもプラズマ密度を高
くすることができる。
【0045】この磁界発生手段として、対向電極板にお
ける基板ホルダーとの対向面の反対側の面に配した永久
磁石を用いると、永久磁石がプラズマに曝されることが
ないために、永久磁石の劣化の虞が少なくなる。また、
この場合の対向電極板は非磁性金属板で形成しておくこ
とで、永久磁石の磁力線を確実にプラズマ発生領域にま
で及ぼすことができる。
【0046】また、磁界発生手段が強磁性体で形成した
対向電極板であってもよく、この時には別部材を必要と
することなくプラズマの閉じ込めを行うことができる。
そして、対向電極板を強磁性体で形成する場合、基板ホ
ルダーを挟む位置にある2つの対向電極板のうちの一方
の対向電極板の基板ホルダーとの対向面と、他方の対向
電極板の基板ホルダーとの対向面とを異極に磁化する
と、基板ホルダー内で均一な磁力線密度を得ることがで
きて、プラズマ密度の均一性を高めることができる。
【0047】磁石を用いる場合、この磁石を冷却する冷
却手段を備えたものとすることで、熱による磁石の劣化
や磁石特性の消滅といった事態が生じるのを防ぐことが
できる。
【0048】磁界発生手段が高周波を基板ホルダーに導
く高周波導入端子であってもよい。磁石を設置すること
なく磁界を発生させてプラズマ密度を向上させることが
できる。
【0049】この場合の高周波導入端子は、その基板ホ
ルダー側が複数片に分岐して基板ホルダーの複数箇所に
接続されているもの、特に高周波導入端子の各分岐片の
長さ及び太さが同じであるものが、基板ホルダーの各部
におけるプラズマ密度の均一性の向上の点で好ましい結
果を得ることができる。
【0050】また、表面改質すべき基板を表面に保持す
る基板ホルダーと、誘導結合型のプラズマ発生手段もし
くは電子サイクロトロン共鳴型のプラズマ発生手段とを
チャンバー内に配したものにおいては、容量結合型のプ
ラズマに比して高い密度のプラズマを得ることができる
上に、後者においては表面改質に効果のあるラジカルの
生成量が高いことから、表面改質効果を高めることがで
きる。
【0051】この時、基板ホルダーに負のバイアス電圧
を印加しておけば、発生させたプラズマ内のイオンを加
速させて基板に衝突させることができる。
【0052】チャンバー内を満たすガスの導入手段とし
て、基板ホルダー上の基板に向けてガスを吐出するノズ
ルを備えたものとするのも好ましい。ガス流でプラズマ
内のイオンを加速させて基板に衝突させることができる
からである。
【0053】また、グランドもしくは負電圧に接続され
たグリッドを基板の前に配置すると、基板に衝突するイ
オンを減らすことができ、グリッドの印加電圧を可変と
しておけば、基板に衝突するイオンの量を制御すること
ができるために、エッチング作用をもたせた処理やラジ
カルによる表面改質処理といったことを切り換えること
ができる。
【0054】基板ホルダーには、その全面よりも電極部
の面積が小さいものを用いることで、バイアス電圧を増
大させてイオンの加速エネルギーを大きくすることがで
きる。
【0055】電極部の面積を全面積よりも小さくしたも
のは、基板ホルダーをメッシュで形成したり、基板ホル
ダーの一部を絶縁物で覆うことで容易に得ることができ
る。特に上記絶縁物としてはセラミックス系無機物を用
いると、絶縁物がプラズマ処理中にスパッタされてしま
うことがなく、スパッタが基板に悪影響を与えてしまう
ことを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図であ
る。
【図2】同上の他例の断面図である。
【図3】同上の更に他例の断面図である。
【図4】他の実施の形態の一例の部分断面図である。
【図5】同上の他例の断面図である。
【図6】同上の更に他例の部分断面図である。
【図7】同上の別の例の部分断面図である。
【図8】さらに他の実施の形態の一例を示しており、
(a)は断面図、(b)は斜視図である。
【図9】同上の他例の断面図である。
【図10】異なるプラズマ発生手段を用いた場合の一例
の断面図である。
【図11】さらに異なるプラズマ発生手段を用いた場合
の一例の断面図である。
【図12】イオン加速手段の他例を示す断面図である。
【図13】別の例の断面図である。
【図14】基板ホルダーの一例の正面図である。
【図15】基板ホルダーの他例の断面図である。
【図16】基板ホルダーのさらに他例の断面図である。
【図17】インライン型スパッタ装置のブロック図であ
る。
【図18】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 基板ホルダー 3 対向電極板 10 チャンバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05H 1/46 H05H 1/46 C (72)発明者 香川 英司 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4F073 AA01 BB02 BB09 CA01 CA04 CA05 CA06 CA07 CA08 DA01 4G075 AA30 AA42 BA05 BC02 BD14 CA03 CA15 CA25 CA42 CA65 DA01 DA18 EB01 EB42 EC01 EC21 EE36 FB04 FC15 FC20 4K029 AA11 CA05 FA05

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面改質すべき基板を側面に保持すると
    ともに高周波が印加される基板ホルダーと、この基板ホ
    ルダーの上記側面に対向する対向電極板とをチャンバー
    内に配していることを特徴とする樹脂基板の表面改質装
    置。
  2. 【請求項2】 対向電極板における基板ホルダーとの対
    向面の面積が基板ホルダーより大であることを特徴とす
    る請求項1記載の樹脂基板の表面改質装置。
  3. 【請求項3】 基板ホルダーと対向電極板との対向間隔
    を10〜20mmとしていることを特徴とする請求項1
    または2記載の樹脂基板の表面改質装置。
  4. 【請求項4】 放電の始動誘引用のトリガー手段をチャ
    ンバー内に設けていることを特徴とする請求項3記載の
    樹脂基板の表面改質装置。
  5. 【請求項5】 基板ホルダーにおける基板を装着してい
    ない側面に対向する対向電極板を設けるとともに、この
    対向電極板と基板ホルダーとの対向間隔を5mm以内と
    していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項
    に記載の樹脂基板の表面改質装置。
  6. 【請求項6】 基板ホルダーにおける基板を装着してい
    ない側面に対向する対向電極板は、基板ホルダーの外周
    縁を囲む周壁を備えた箱型となっていることを特徴とす
    る樹脂基板の表面改質装置。
  7. 【請求項7】 プラズマの電子閉じ込め用の磁界発生手
    段を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    かの項に記載の樹脂基板の表面改質装置。
  8. 【請求項8】 磁界発生手段は対向電極板における基板
    ホルダーとの対向面の反対側の面に配した永久磁石であ
    ることを特徴とする請求項7記載の樹脂基板の表面改質
    装置。
  9. 【請求項9】 対向電極板は非磁性金属板で形成されて
    いることを特徴とする請求項8記載の樹脂基板の表面改
    質装置。
  10. 【請求項10】 磁界発生手段は強磁性体で形成した対
    向電極板であることを特徴とする請求項7記載の樹脂基
    板の表面改質装置。
  11. 【請求項11】 基板ホルダーを挟む位置にある2つの
    対向電極板を共に磁石とするとともに、一方の対向電極
    板の基板ホルダーとの対向面と、他方の対向電極板の基
    板ホルダーとの対向面とを異極に磁化している事を特徴
    とする請求項10記載の樹脂基板の表面改質装置。
  12. 【請求項12】 磁石を冷却する冷却手段を備えている
    ことを特徴とする請求項8〜11のいずれかの項に記載
    の樹脂基板の表面改質装置。
  13. 【請求項13】 磁界発生手段は高周波を基板ホルダー
    に導く高周波導入端子であることを特徴とする請求項7
    記載の樹脂基板の表面改質装置。
  14. 【請求項14】 高周波導入端子はその基板ホルダー側
    が複数片に分岐して基板ホルダーの複数箇所に接続して
    いることを特徴とする請求項13記載の樹脂基板の表面
    改質装置。
  15. 【請求項15】 高周波導入端子の各分岐片の長さ及び
    太さが同じであることを特徴とする請求項14記載の樹
    脂基板の表面改質装置。
  16. 【請求項16】 表面改質すべき基板を表面に保持する
    基板ホルダーと、誘導結合型のプラズマ発生手段とをチ
    ャンバー内に配していることを特徴とする樹脂基板の表
    面改質装置。
  17. 【請求項17】 表面改質すべき基板を表面に保持する
    基板ホルダーと、電子サイクロトロン共鳴型のプラズマ
    発生手段とをチャンバー内に配していることを特徴とす
    る樹脂基板の表面改質装置。
  18. 【請求項18】 基板ホルダーに負のバイアス電圧を印
    加していることを特徴とする請求項16または17記載
    の樹脂基板の表面改質装置。
  19. 【請求項19】 チャンバー内を満たすガスの導入手段
    として、基板ホルダー上の基板に向けてガスを吐出する
    ノズルを備えていることを特徴とする請求項1〜18の
    いずれかの項に記載の樹脂基板の表面改質装置。
  20. 【請求項20】 グランドもしくは負電圧に接続された
    グリッドを基板の前に配置していることを特徴とする請
    求項1〜19のいずれかの項に記載の樹脂基板の表面改
    質装置。
  21. 【請求項21】 グリッドの印加電圧が可変となってい
    ることを特徴とする請求項20記載の樹脂基板の表面改
    質装置。
  22. 【請求項22】 基板ホルダーはその全面よりも電極部
    の面積を小さくしたものであることを特徴とする請求項
    1〜21のいずれかの項に記載の樹脂基板の表面改質装
    置。
  23. 【請求項23】 基板ホルダーをメッシュで形成してい
    ることを特徴とする請求項22記載の樹脂基板の表面改
    質装置。
  24. 【請求項24】 基板ホルダーはその一部が絶縁物で覆
    われたものであることを特徴とする請求項22または2
    3記載の樹脂基板の表面改質装置。
  25. 【請求項25】 絶縁物はセラミックス系無機物である
    ことを特徴とする請求項24記載の樹脂基板の表面改質
    装置。
JP2000166859A 2000-06-02 2000-06-02 樹脂基板の表面改質装置 Withdrawn JP2001342269A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000166859A JP2001342269A (ja) 2000-06-02 2000-06-02 樹脂基板の表面改質装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000166859A JP2001342269A (ja) 2000-06-02 2000-06-02 樹脂基板の表面改質装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001342269A true JP2001342269A (ja) 2001-12-11

Family

ID=18670111

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000166859A Withdrawn JP2001342269A (ja) 2000-06-02 2000-06-02 樹脂基板の表面改質装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001342269A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009263529A (ja) * 2008-04-25 2009-11-12 Nippon Valqua Ind Ltd フッ素樹脂系成形物の表面改質方法
WO2011024736A1 (ja) * 2009-08-26 2011-03-03 ダイハツ工業株式会社 プラズマアクチュエータ
JP2011047320A (ja) * 2009-08-26 2011-03-10 Daihatsu Motor Co Ltd プラズマアクチュエータ
JP2012172101A (ja) * 2011-02-23 2012-09-10 Toppan Printing Co Ltd ガスバリア性フィルムおよびその製造方法
CN110042348A (zh) * 2019-03-12 2019-07-23 深圳奥拦科技有限责任公司 等离子表面处理装置及方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009263529A (ja) * 2008-04-25 2009-11-12 Nippon Valqua Ind Ltd フッ素樹脂系成形物の表面改質方法
WO2011024736A1 (ja) * 2009-08-26 2011-03-03 ダイハツ工業株式会社 プラズマアクチュエータ
JP2011047320A (ja) * 2009-08-26 2011-03-10 Daihatsu Motor Co Ltd プラズマアクチュエータ
US8941291B2 (en) 2009-08-26 2015-01-27 Daihatsu Motor Co., Ltd. Plasma actuator
JP2012172101A (ja) * 2011-02-23 2012-09-10 Toppan Printing Co Ltd ガスバリア性フィルムおよびその製造方法
CN110042348A (zh) * 2019-03-12 2019-07-23 深圳奥拦科技有限责任公司 等离子表面处理装置及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100223394B1 (ko) 플라즈마 처리장치
KR100228534B1 (ko) 음극스퍼터링을 이용한 플라즈마 발생장치
US6849857B2 (en) Beam processing apparatus
EP0360534A2 (en) Microwave plasma treatment apparatus
US4891095A (en) Method and apparatus for plasma treatment
KR20020081156A (ko) 마그네트론 플라즈마 에칭장치
KR100835355B1 (ko) 플라즈마를 이용한 이온주입장치
KR20080056767A (ko) 시트 플라즈마 성막장치
JPH02132827A (ja) プラズマ処理装置、及びその方法
US6909086B2 (en) Neutral particle beam processing apparatus
KR101174146B1 (ko) 스퍼터링 장치
JP2001342269A (ja) 樹脂基板の表面改質装置
KR100751535B1 (ko) 다중 주파수 유도 코일을 갖는 페라이트 코어를 구비한플라즈마 발생기 및 이를 구비한 플라즈마 처리 장치
JP2010248576A (ja) マグネトロンスパッタリング装置
KR20160095865A (ko) Ecr 플라즈마 발생장치
JPS6187869A (ja) スパツタ装置
JPH1083894A (ja) 基板表面を改質するためのプラズマの処理装置および方法
KR101383166B1 (ko) 폴(Pole) 타입의 플라즈마 발생 안테나를 이용한 이온빔 소스 추출장치 및 가공물의 이온처리 장치
JP2007291477A (ja) スパッタリング装置
JP4056132B2 (ja) マグネトロンスパッタ方法及び装置
KR102617710B1 (ko) 기판 처리장치
JP4396069B2 (ja) 金属膜形成方法及び金属膜形成装置
JP4854283B2 (ja) プラズマ成膜方法及びプラズマ成膜装置
JPH0578849A (ja) 有磁場マイクロ波プラズマ処理装置
Baranov et al. How to Control Plasma Parameters

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070807