JP2001341310A

JP2001341310A - インクジェット記録ヘッド、該記録ヘッドを有する記録装置、およびインクジェット記録ヘッドの駆動方法

Info

Publication number: JP2001341310A
Application number: JP2001093332A
Authority: JP
Inventors: Hideyuki Sugioka; 秀行杉岡
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 2000-03-28
Filing date: 2001-03-28
Publication date: 2001-12-11

Abstract

(57)【要約】【課題】マトリクス型回路を有するインクジェット記
録ヘッドにおいて非選択点の畜熱を防止してクロストー
クの発生を抑制する。【解決手段】基板上に複数の走査信号線、複数の情報
信号線、走査信号線と情報信号線との各交点部分に設け
られた発熱素子を備えたマトリクス型回路を有するイン
クジェット記録ヘッドを駆動する際に、第１の駆動回路
により各走査信号線に第１の電位（１／２・Ｖ₀）を有
する走査信号Ｖ_y1〜Ｖ_y3を順次供給し、第２の駆動回路
により各情報信号線に第２の電位（−１／２・Ｖ₀）を
有する選択信号Ｖ_x1〜Ｖ_x4を記録データに従って供給
し、各走査信号および選択信号に、第１および第２の電
位を有する第１の期間ｔ１と、電位差が略ゼロの第２の
期間ｔ２とをそれぞれ設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
ヘッド、該記録ヘッドを有する記録装置、およびインク
ジェット記録ヘッドの駆動方法に関し、特に、発泡現象
を利用したバブルジェット（登録商標）プリンタなどに
用いられるインクジェット記録ヘッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】例えばワードプロセッサ、パーソナルコ
ンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置とし
て、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等
シート状の記録媒体に記録を行うプリンタがある。

【０００３】プリンタの記録方式としては様々な方式が
知られているが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能
である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理
由でインクジェット方式が近年特に注目されており、又
その構成としては所望される記録情報に応じてインクを
吐出する記録ヘッドを装着すると共に用紙等の記録媒体
の送り方向と直角な方向に往復走査しながら記録を行な
うシリアル記録方式が安価で小型化が容易などの点から
一般的に広く用いられている。

【０００４】インクジェット方式のうち、バブルジェッ
ト記録方式は、熱エネルギーを利用してインク滴を吐出
するものであり、発熱体によりインクを急激に加熱して
気化させ、発生した気泡の圧力によりインク滴をノズル
から吐出させる方式である。発熱に利用するエネルギー
としては電気エネルギーや光エネルギーがあり、それぞ
れ、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する電気−熱
エネルギー変換器（抵抗体）や、光エネルギーを熱エネ
ルギーに変換する光−熱エネルギー変換器を発熱体とし
て用いる。

【０００５】このバブルジェット記録方式に用いられる
記録ヘッドは、一般に微細な吐出口（ノズル）、液路お
よび該液路の一部に設けられる電気熱変換体としての発
熱体を備えている。従って、インクジェット方式によっ
て記録される画像を高精細化するためには、出来る限り
微小な液滴を高密度に吐出させる技術が要求され、記録
ヘッドの吐出口を高密度で配列し（高密度マルチノズル
化）、対応する液路と発熱源とを微細に形成することが
基本的に重要である。

【０００６】高精細記録を実現するために、バブルジェ
ット記録方式の記録ヘッドの構造が単純となることを活
かして、フォトリソグラフィー技術を駆使した高密度な
記録ヘッドの製造方法が提案がなされている（例えば、
特開平０８−１５６２６９号公報）。また、液滴の吐出
量を調整するために、端部に比べ中央部の発熱量が大き
い発熱体が提案されている（特開昭６２−２０１２５４
号公報）。

【０００７】また、記録ヘッドを高密度マルチノズル化
した際の電気配線の数を減らし実装コストを削減するた
めに、配線をマトリクス状としてその交点に整流素子と
抵抗体を直列接続し、抵抗体の発熱によって、液体を加
熱・発泡させて液滴を吐出させる記録ヘッド（マトリク
ス型バブルジェットヘッドと呼ぶ）が提案されている
（例えば、特開昭６４−２０１５０号公報及び特開平０
５−１８５５９４号公報）。また、同じ目的で、マトリ
クス回路の交点に整流素子を配置し、順電流導通による
整流素子の発熱によって、液体を加熱発泡させて液滴を
吐出させる方法が提案されている（例えば、特開昭６４
−２０１５１号公報）。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発熱体
を交点に配置したマトリクス型バブルジェットヘッド
は、電界の反転によって電気的なクロストークを抑制で
きる液晶素子のマトリクスとは本質的に異なり、駆動の
際に発生するクロストークによって吐出制御ができなく
なる可能性がある。特に、マトリクスの非選択点に熱が
蓄積されると、畜熱による温度上昇によって吐出の有無
を制御できなくなる場合がある。

【０００９】また、上述の従来例では、整流素子（具体
的にはｐ−ｎ接合型ダイオード）を用いて、電界の反転
によるクロストークを抑制する方法が提案がされている
が、マルチノズルの印字幅が増大するに従って、ｐ−ｎ
接合型ダイオードのような半導体製造技術を用いた整流
素子を形成すると、製造コストの増加を招く恐れがあ
る。

【００１０】本発明は以上のような状況に鑑みてなされ
たものであり、マトリクス型回路を有するインクジェッ
ト記録ヘッドにおいて非選択点の畜熱を防止してクロス
トークの発生を抑制できるインクジェット記録ヘッド、
該記録ヘッドを有する記録装置、およびインクジェット
記録ヘッドの駆動方法を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のインクジェット記録ヘッドは、基板と、前記
基板上に設けられた複数の走査信号線と、前記基板上に
前記走査信号線に交差するように設けられた複数の情報
信号線と、前記走査信号線と前記情報信号線との各交点
部分に設けられた発熱素子と、各走査信号線に第１の電
位を有する走査信号を順次供給する第１の駆動回路と、
各情報信号線に第２の電位を有する選択信号を記録デー
タに従って供給する第２の駆動回路とを備え、前記第１
および第２の電位の電位差により前記発熱素子から発生
される熱エネルギーを利用してインク滴を吐出するイン
クジェット記録ヘッドであって、前記走査信号および選
択信号は、前記第１および第２の電位によって前記交点
部分に電位差を生じさせる第１の期間と、互いの電位差
が略ゼロの第２の期間を前記第１の期間と前記第１の期
間の間に有することを特徴とする。

【００１２】上記目的は前記インクジェット記録ヘッド
を有し、該記録ヘッドによって記録媒体に記録を行う記
録装置によっても達成される。

【００１３】また、上記目的を達成する本発明のインク
ジェット記録ヘッドの駆動方法は、基板と、前記基板上
に設けられた複数の走査信号線と、前記基板上に前記走
査信号線に交差するように設けられた複数の情報信号線
と、前記走査信号線と前記情報信号線との各交点部分に
設けられた発熱素子と、各走査信号線に第１の電位を有
する走査信号を順次供給する第１の駆動回路と、各情報
信号線に第２の電位を有する選択信号を記録データに従
って供給する第２の駆動回路とを備え、前記第１および
第２の電位の電位差により前記発熱素子から発生される
熱エネルギーを利用してインク滴を吐出するインクジェ
ット記録ヘッドの駆動方法であって、前記走査信号およ
び選択信号に、前記第１および第２の電位によって前記
交点部分に電位差を生じさせる第１の期間と、互いの電
位差が略ゼロの第２の期間を前記第１の期間と前記第１
の期間の間に設けることを特徴とする。

【００１４】すなわち、基板上に複数の走査信号線と、
走査信号線に交差するように設けられた複数の情報信号
線と、走査信号線と情報信号線との各交点部分に設けら
れた発熱素子と、各走査信号線に第１の電位を有する走
査信号を順次供給する第１の駆動回路と、各情報信号線
に第２の電位を有する選択信号を記録データに従って供
給する第２の駆動回路とを備え、第１および第２の電位
の電位差により発熱素子から発生される熱エネルギーを
利用してインク滴を吐出するマトリクス型回路のインク
ジェット記録ヘッドを駆動する際に、走査信号および選
択信号に、第１および第２の電位によって交点部分に電
位差を生じさせる第１の期間と、互いの電位差が略ゼロ
の第２の期間を第１の期間と第１の期間の間に設けるこ
とを特徴とする。

【００１５】これによれば、発熱体素子の温度上昇によ
り近傍に蓄積された熱が放射・拡散され、畜熱を防止し
てクロストークの発生が抑制される。従って、記録素子
が高密度に集積された構造のインクジェット記録ヘッド
を、記録データに応じて正確に駆動することができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して本発明の
好適な実施形態について詳細に説明する。

【００１７】本明細書において、「記録」（「プリン
ト」という場合もある）とは、文字、図形等有意の情報
を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人
間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否
かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等
を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものと
する。

【００１８】また、「記録媒体」とは、一般的な記録装
置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック
・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮
革等、インクを受容可能なものも表すものとする。

【００１９】さらに、「インク」（「液体」と言う場合
もある）とは、上記「記録（プリント）」の定義と同様
広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されるこ
とによって、画像、模様、パターン等の形成または記録
媒体の加工、或いはインクの処理（例えば記録媒体に付
与されるインク中の色剤の凝固または不溶化）に供され
得る液体を表すものとする。

【００２０】はじめに、本発明のインクジェット記録ヘ
ッドを用いて記録を行う記録装置の構成を、インクジェ
ットプリンタを例に挙げて説明する。

【００２１】＜装置本体の概略説明＞図６は、本発明の
代表的な実施の形態であるインクジェットプリンタＩＪ
ＲＡの構成の概要を示す外観斜視図である。図６におい
て、駆動モータ５０１３の正逆回転に連動して駆動力伝
達ギア５００９〜５０１１を介して回転するリードスク
リュー５００５の螺旋溝５００４に対して係合するキャ
リッジＨＣはピン（不図示）を有し、ガイドレール５０
０３に支持されて矢印ａ，ｂ方向を往復移動する。キャ
リッジＨＣには、記録ヘッドＩＪＨとインクタンクＩＴ
とを内蔵した一体型インクジェットカートリッジＩＪＣ
が搭載されている。

【００２２】５００２は紙押え板であり、キャリッジＨ
Ｃの移動方向に亙って記録用紙Ｐをプラテン５０００に
対して押圧する。５００７，５００８はフォトカプラ
で、キャリッジのレバー５００６のこの域での存在を確
認して、モータ５０１３の回転方向切り換え等を行うた
めのホームポジション検知器である。

【００２３】５０１６は記録ヘッドＩＪＨの前面をキャ
ップするキャップ部材５０２２を支持する部材で、５０
１５はこのキャップ内を吸引する吸引器で、キャップ内
開口５０２３を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。５
０１７はクリーニングブレードで、５０１９はこのブレ
ードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持
板５０１８にこれらが支持されている。ブレードは、こ
の形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用
できることは言うまでもない。

【００２４】又、５０２１は、吸引回復の吸引を開始す
るためのレバーで、キャリッジと係合するカム５０２０
の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラ
ッチ切り換え等の公知の伝達機構で移動制御される。

【００２５】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジがホームポジション側の領域に来
た時にリードスクリュー５００５の作用によってそれら
の対応位置で所望の処理が行えるように構成されている
が、周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれ
ば、本例にはいずれも適用できる。

【００２６】＜制御構成の説明＞次に、上述した装置の
記録制御を実行するための制御構成について説明する。

【００２７】図７はインクジェットプリンタＩＪＲＡの
制御回路の構成を示すブロック図である。制御回路を示
す同図において、１７００は記録信号を入力するインタ
ーフェース、１７０１はＭＰＵ、１７０２はＭＰＵ１７
０１が実行する制御プログラムを格納するＲＯＭ、１７
０３は各種データ（上記記録信号やヘッドに供給される
記録データ等）を保存しておくＤＲＡＭである。１７０
４は記録ヘッドＩＪＨに対する記録データの供給制御を
行うゲートアレイ（Ｇ．Ａ．）であり、インターフェー
ス１７００、ＭＰＵ１７０１、ＲＡＭ１７０３間のデー
タ転送制御も行う。１７１０は記録ヘッドＩＪＨを搬送
するためのキャリアモータ、１７０９は記録紙搬送のた
めの搬送モータである。１７０５は記録ヘッドを駆動す
るヘッドドライバ、１７０６，１７０７はそれぞれ搬送
モータ１７０９、キャリアモータ１７１０を駆動するた
めのモータドライバである。

【００２８】上記制御構成の動作を説明すると、インタ
ーフェース１７００に記録信号が入るとゲートアレイ１
７０４とＭＰＵ１７０１との間で記録信号がプリント用
の記録データに変換される。そして、モータドライバ１
７０６、１７０７が駆動されると共に、ヘッドドライバ
１７０５に送られた記録データに従って記録ヘッドが駆
動され、記録が行われる。

【００２９】ここでは、ＭＰＵ１７０１が実行する制御
プログラムをＲＯＭ１７０２に格納するものとしたが、
ＥＥＰＲＯＭ等の消去／書き込みが可能な記憶媒体を更
に追加して、インクジェットプリンタＩＪＲＡと接続さ
れたホストコンピュータから制御プログラムを変更でき
るように構成することもできる。

【００３０】なお、上述のように、インクタンクＩＴと
記録ヘッドＩＪＨとは一体的に形成されて交換可能なイ
ンクカートリッジＩＪＣを構成しても良いが、これらイ
ンクタンクＩＴと記録ヘッドＩＪＨとを分離可能に構成
して、インクがなくなったときにインクタンクＩＴだけ
を交換できるようにしても良い。

【００３１】図８は、インクタンクとヘッドとが分離可
能なインクカートリッジＩＪＣの構成を示す外観斜視図
である。インクカートリッジＩＪＣは、図８に示すよう
に、境界線Ｋの位置でインクタンクＩＴと記録ヘッドＩ
ＪＨとが分離可能である。インクカートリッジＩＪＣに
はこれがキャリッジＨＣに搭載されたときには、キャリ
ッジＨＣ側から供給される電気信号を受け取るための電
極（不図示）が設けられており、この電気信号によっ
て、前述のように記録ヘッドＩＪＨが駆動されてインク
が吐出される。

【００３２】なお、図８において、５００はインク吐出
口列である。また、インクタンクＩＴにはインクを保持
するために繊維質状もしくは多孔質状のインク吸収体が
設けられている。

【００３３】以下、上記のようなプリンタに適用する本
発明のインクジェット記録ヘッドの実施形態について説
明する。

【００３４】［第１の実施形態］図１は本発明のインク
ジェット記録ヘッドの第１の実施形態の積層構造を示す
断面図である。同図において、１１は紙面と垂直な方向
に延在する情報電極であり、１２は情報電極と直交する
走査電極である。複数の情報電極１１と複数の走査電極
１２が直交するように配列されることによってマトリク
ス回路が構成される。

【００３５】１３は該マトリクス回路の交点に配置され
た発熱素子である。この発熱素子としては、抵抗発熱
体、非線形素子（ＭＩＭ、バリスタ、ダイオード等）発
熱体、及び、抵抗発熱体と非線形素子を直列接続した混
合発熱体等が用いられるが、ここでは、マトリクス回路
を構成する情報電極薄膜１１と走査電極薄膜１２で挟持
された薄膜状の発熱体を用いる。

【００３６】ここで、薄膜１３は、導電体薄膜、絶縁体
薄膜、半導体薄膜のような均質薄膜であっても、セラミ
ックス薄膜やガラス薄膜などの不均質薄膜であってもよ
く、情報電極薄膜と走査電極薄膜で挟持された薄膜状発
熱素子１３は、線形または非線形な電流電圧特性を持
つ。また、薄膜１３として絶縁体薄膜を用いる場合、そ
の膜厚は、プールフランケル電流が流れる程度の膜厚、
より好ましくはトンネル電流が流れる程度の膜厚とする
ことが望ましい。

【００３７】また、１４はマトリクス電極を形成する基
板であり、１５は吐出孔（ノズル）１６を有する上基板
であり、１７は壁、１８は液室であり非発泡時は吐出液
体（インク）で満たされている。また、１９はインク
室、２０はインク供給孔を示す。２１は液体の局所的加
熱によって発生する気泡を示し、２２は該気泡による圧
力によって吐出された液滴を示す。

【００３８】また、３および４は、情報電極１１と走査
電極１２に電位を付与する駆動回路であり、情報電極１
１に電位を付与する電圧源Ｖ_ｘ、走査電極に電位を付与
する電圧源Ｖ_ｙをそれぞれ有しており、後述する電圧波
形によって発熱素子１３を駆動する。

【００３９】図２は本実施形態を上面から見た状態を模
式的に示す図であり、ここでは４本の情報電極Ｘ₁、
Ｘ₂、Ｘ₃、Ｘ₄と、３本の走査電極Ｙ₁、Ｙ₂、Ｙ₃による
マトリクス電極を有する例が示されている。Ｖ_y1、
Ｖ_y2、Ｖ_y3はそれぞれの走査電極に電位を付与する走査
側電圧源を示し、Ｖ_x1、Ｖ_x2、Ｖ_x3、Ｖ_x4はそれぞれの
情報電極に電位を付与する情報側電圧源を示している。

【００４０】また、Ｃ₁₁、Ｃ₁₂、…、Ｃ₃₄はマトリクス
電極の交点の発熱位置を示す。図中においては情報側電
極１１の周囲に薄膜発熱素子１３があるように示されて
いるが、実際には図１に示したように情報電極１１は薄
膜発熱素子１３で皮膜されている。

【００４１】図３は本実施形態の駆動波形の例を示すタ
イミングチャートであり、（ａ）は走査電極Ｙ₁、Ｙ₂、
Ｙ₃に印加する電圧波形、（ｂ）は情報電極Ｘ₁、Ｘ₂、
Ｘ₃、Ｘ₄に印加する電圧波形、（ｃ）はマトリクスの交
点Ｃ₁₁、Ｃ₂₁、Ｃ₃₁に印加される電位差をそれぞれ示し
ている。

【００４２】図３（ａ）に示されるように、本実施形態
では走査電極Ｙ₁、Ｙ₂、Ｙ₃に順番に駆動電圧１／２・
Ｖ₀を供給する。ライン選択期間３１は走査電極Ｙ₁上に
ある発熱素子１３の交点Ｃ₁₁、Ｃ₁₂、Ｃ₁₃、Ｃ₁₄を、そ
れぞれの情報電極に印加される電圧との電位差に応じて
加熱する。同様に、ライン選択期間３２は走査電極Ｙ ₂
上にある発熱素子１３の交点Ｃ₂₁、Ｃ₂₂、Ｃ₂₃、Ｃ
₂₄を、ライン選択期間３３は走査電極Ｙ₃上にある発熱
素子１３の交点Ｃ₃₁、Ｃ₃₂、Ｃ₃₃、Ｃ₃₄を、それぞれの
情報電極に印加される電圧との電位差に応じて加熱す
る。

【００４３】一方、図３（ｂ）に示されるように、情報
電極Ｘ₁、Ｘ₂、Ｘ₃、Ｘ₄には、記録ヘッドに送信された
記録データに従って、選択電圧および非選択電圧が印加
される。本実施形態では、選択電圧は−１／２・Ｖ₀で
あり、非選択電圧は１／２・Ｖ₀である。

【００４４】従って、図３（ａ）および（ｂ）に示され
た電圧波形によって、第１のライン選択期間３１には発
熱素子１３の交点Ｃ₁₁およびＣ₁₂に位置する部分、第２
のライン選択期間３２には発熱素子１３の交点Ｃ₂₃およ
びＣ₂₄に位置する部分、第３のライン選択期間３３には
発熱素子１３の交点Ｃ₃₁およびＣ₃₃に位置する部分に、
Ｖ₀の電位差が発生し、発熱素子が加熱して発泡が生じ
て液滴が吐出される。

【００４５】図４は、図３の駆動波形によって、マトリ
クス電極の交点が駆動されるパターンを示す図であり、
図中「１」は発泡が生じ液滴が吐出される交点、「０」
は発泡が生じない交点を示す。

【００４６】図３（ｃ）は、（ａ）および（ｂ）に示し
た波形により交点Ｃ₁₁、Ｃ₂₁、Ｃ₃₁に発生する電位差を
示している。また、図中点線で示した４５〜４７はそれ
ぞれ交点Ｃ₁₁、Ｃ₂₁、Ｃ₃₁の温度プロファイルを示して
いる。時間４２は、非選択の発熱素子近傍の温度が、加
熱前の初期温度にほぼ戻るのに要する時間であり、時間
４１は、選択された発熱素子近傍の温度が加熱前の初期
温度にほぼ戻るのに要する時間である。

【００４７】本実施形態では、走査電極および情報電極
に印加される電圧波形は、各ライン選択期間３１、３
２、３３において、電圧が印加される第１の期間ｔ１
と、電圧がほとんど印加されない第２の期間ｔ２を有し
ている。この第２の期間ｔ２の間隔を上記時間４２より
も長く、より好ましくは時間４１よりも長く設定する。
このように設定することにより、発熱素子１３近傍に蓄
積された熱が放射・拡散され、非選択点の畜熱を防止し
てクロストークの発生が抑制される。

【００４８】特に、前記発熱素子が、熱良導体の上に設
けられた膜厚ｄ、熱拡散率ａの薄膜蓄熱層の上に形成さ
れている場合、第２の期間の長さｔ２が、０．２５×ｄ²／４ａ＜ｔ２＜４．０×ｄ²／４ａであるようにすると、非選択時の影響を抑制できる。

【００４９】上記ｔ２の条件は、ｔ２に対して定義でき
る蓄熱層の熱伝導距離Ｌ＝２（ａ×ｔ２）^1/2が、０．５ｄ＜Ｌ＜２．０ｄとなる条件であり、ここで、Ｌ＝０．５ｄは、発熱素子
で発生された熱が蓄熱層を通り抜け、温度上昇の抑制が
開始される下限時間であり、Ｌ＝２．０ｄは、発熱素子
で発生された熱が蓄熱層を通り抜けて熱良導体に熱が吸
収されて温度上昇の抑制がほぼ収束する上限時間を規定
している。なお、熱良導体としては、ＳｉやＡｌの基板
が好ましい。また、薄膜蓄熱層としてはＳｉＯ₂やＳｉ
Ｎが好ましい。

【００５０】具体的には、Ｓｉ基板の上に厚さｄ＝２．
７５μｍ、夏拡散率ａ＝０．８５×１０^-6ｍ²／ｓのＳ
ｉＯ₂の薄膜蓄熱層が形成され、その上に発熱素子とし
て抵抗発熱体が形成された場合、０．５５５＜ｔ２＜８．８８μｓとすれば、クロストーク特性の改善が期待できる。

【００５１】また、発熱素子が非線形素子である場合に
は、漏れ電流による発熱量は、通常、吐出に必要な発熱
量の１／１００以下となることが期待できるため、概
略、蓄熱層の膜厚が熱伝導距離と等しい、すなわちｄ＝
Ｌを満たす長さの休止期間があれば、十分となる。

【００５２】すなわち、発熱素子が非線形な電流電圧特
性を有し、かつ、熱良導体の上に設けられた膜厚ｄ、熱
拡散率ａの薄膜蓄熱層の上に形成されている場合、第２
の期間の長さｔ２が、０．２５×ｄ²／４ａ＜ｔ２＜１．０×ｄ²／４ａであるようにすると、非選択時の影響（昇温）を抑制で
きる。

【００５３】また、蓄熱層を有する発熱素子において、
第１の期間ｔ１を、ｄ〜２（ａ×ｔ１）^1/2 程度に選択すると、発泡時の発熱素子の昇温とその後の
冷却とが良好に行われるので好ましい。

【００５４】従って、前述のように、発熱素子が非線形
素子であり、膜厚ｄ、熱拡散率ａの薄膜蓄熱層の上に形
成されている場合には、第１の期間ｔ１と第２の期間ｔ
２の長さを等しくし、０．２５×ｄ²／４ａ＜ｔ２（＝ｔ１）＜１．０×
ｄ²／４ａとすると、駆動ドライバーの設計上も好ましい。

【００５５】なお、上記図３に示した電圧波形では、走
査電極に印加される電圧のピーク値（１／２・Ｖ₀）の
絶対値と、情報電極に印加される電圧のピーク値（１／
２・Ｖ₀あるいは−１／２・Ｖ₀）の絶対値が略等しくな
るように設定されているが、このようにすると、走査電
極および情報電極の２つの駆動回路の構成を同様とする
ことができるので好適である。

【００５６】この場合、発泡が生じる電位差である発泡
閾値が、液滴を吐出させるべき交点に生じる電位差（Ｖ
₀）と、液滴を吐出させない交点に生じる電位差（１／
２・Ｖ₀）との間、好ましくは略中間となるようにＶ₀の
値を設定する。

【００５７】［第２の実施形態］以下、本発明のインク
ジェット記録ヘッドの第２の実施形態について説明す
る。本実施形態は、上記第１の実施形態と略同様な構成
であるが、走査電極および情報電極に印加される電圧波
形が異なる。以下、異なる部分についてのみ説明する。

【００５８】図５は、第２の実施形態の走査電極および
情報電極に印加される電圧波形を図３と同様に示したタ
イミングチャートである。

【００５９】図示されたように、本実施形態では、走査
電極に印加される電圧のピーク値（２／３・Ｖ₀）の絶
対値と、情報電極に印加される電圧のピーク値（１／３
・Ｖ₀あるいは−１／３・Ｖ₀）の絶対値が、２対１の比
率に設定されている。すなわち、走査電極に印加される
電圧のピーク値が、情報電極に印加される電圧のピーク
値の略２倍となっている。

【００６０】このようにすると、３１〜３３の各ライン
選択期間において常に情報電極に印加される電圧を低く
することができるので、情報電極の駆動エネルギーを小
さくでき、消費電力を減少させることができる。

【００６１】［他の実施形態］以上の実施形態は、特に
インクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせ
るために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発
生する手段（例えば電気熱変換体やレーザ光等）を備
え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起さ
せる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化
が達成できる。

【００６２】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第４７２３１２９号明細書、同第４７４０
７９６号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体（インク）
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも１つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に１対１で対応した液体
（インク）内の気泡を形成できるので有効である。

【００６３】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体（インク）を吐出させて、少なくとも１つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に
優れた液体（インク）の吐出が達成でき、より好まし
い。

【００６４】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第４４６３３５９号明細書、同第４３４５２６２号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第４３１３１２４号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。

【００６５】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成（直線状液流路または直角液流路）の
他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第４５５８３３３号明細書、米国特許第
４４５９６００号明細書に記載された構成も本発明に含
まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対し
て、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構
成を開示する特開昭５９−１２３６７０号公報や熱エネ
ルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構
成を開示する特開昭５９−１３８４６１号公報に基づい
た構成としても良い。

【００６６】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された１個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。

【００６７】加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘ
ッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリ
ッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着さ
れることで、装置本体との電気的な接続や装置本体から
のインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの
記録ヘッドを用いてもよい。

【００６８】また、以上説明した記録装置の構成に、記
録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加する
ことは記録動作を一層安定にできるので好ましいもので
ある。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対して
のキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは
吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子
あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などが
ある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを
備えることも安定した記録を行うために有効である。

【００６９】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
も良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも１つを備えた装置とすることもで
きる。

【００７０】以上説明した実施の形態においては、イン
クが液体であることを前提として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化も
しくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジ
ェット方式ではインク自体を３０°Ｃ以上７０°Ｃ以下
の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範
囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、
使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば
よい。

【００７１】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、
またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し
加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒
体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。

【００７２】このような場合インクは、特開昭５４−５
６８４７号公報あるいは特開昭６０−７１２６０号公報
に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に
液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換
体に対して対向するような形態としてもよい。本発明に
おいては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。

【００７３】なお、本発明は、複数の機器（例えばホス
トコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリン
タなど）から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置（例えば、複写機、ファクシミリ装置
など）に適用してもよい。

【００７４】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体（または記録媒体）を、システムあるい
は装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュ
ータ（またはＣＰＵやＭＰＵ）が記憶媒体に格納された
プログラムコードを読み出し実行することによっても、
達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体
から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施
形態の機能を実現することになり、そのプログラムコー
ドを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実
行することにより、前述した実施形態の機能が実現され
るだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、
コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステ
ム（ＯＳ）などが実際の処理の一部または全部を行い、
その処理によって前述した実施形態の機能が実現される
場合も含まれることは言うまでもない。

【００７５】さらに、記憶媒体から読み出されたプログ
ラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カー
ドやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わ
るメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示
に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備
わるＣＰＵなどが実際の処理の一部または全部を行い、
その処理によって前述した実施形態の機能が実現される
場合も含まれることは言うまでもない。

【００７６】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、発
熱素子の温度上昇により近傍に蓄積された熱が放射・拡
散され、畜熱を防止してクロストークの発生が抑制され
る。

【００７７】従って、記録素子が高密度に集積された構
造のインクジェット記録ヘッドを、記録データに応じて
正確に駆動することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のインクジェット記録ヘッドの第１の実
施形態の構成を示す断面図である。

【図２】第１の実施形態のマトリクス回路の上面図であ
る。

【図３】第１の実施形態の駆動電圧波形を示すタイミン
グチャートである。

【図４】図３の駆動電圧波形による発泡パターンを示す
図である。

【図５】第２の実施形態の駆動電圧波形を示すタイミン
グチャートである。

【図６】本発明のインクジェット記録ヘッドを用いるの
に好適なプリンタの外観を示す図である。

【図７】図６のプリンタの制御構成を示すブロック図で
ある。

【図８】図６のプリンタのインクジェットカートリッジ
を示す図である。

【符号の説明】

３，４駆動回路１１情報電極１２走査電極１３薄膜発熱素子１４，１５基板１６ノズル１７壁１９インク室２０インク供給孔２１気泡２２吐出液滴３１〜３３ライン選択期間ｔ１第１の期間ｔ２第２の期間

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】基板と、前記基板上に設けられた複数の走査信号線と、前記基板上に前記走査信号線に交差するように設けられ
た複数の情報信号線と、前記走査信号線と前記情報信号線との各交点部分に設け
られた発熱素子と、各走査信号線に第１の電位を有する走査信号を順次供給
する第１の駆動回路と、各情報信号線に第２の電位を有する選択信号を記録デー
タに従って供給する第２の駆動回路とを備え、前記第１および第２の電位の電位差により前記発熱素子
から発生される熱エネルギーを利用してインク滴を吐出
するインクジェット記録ヘッドであって、前記走査信号および選択信号は、前記第１および第２の
電位によって前記交点部分に電位差を生じさせる第１の
期間と、互いの電位差が略ゼロの第２の期間を前記第１
の期間と前記第１の期間の間に有することを特徴とする
インクジェット記録ヘッド。
【請求項２】前記第２の駆動回路は、インク滴を吐出
させない発熱素子に対しても第３の電位を有する非選択
信号を供給し、前記第１および第３の電位の電位差は、
インク滴を吐出させるのに必要な電位差よりも小さいこ
とを特徴とする請求項１に記載のインクジェット記録ヘ
ッド。
【請求項３】前記第２の期間の長さが、前記第１およ
び第３の電位の電位差によって上昇した前記発熱素子の
温度が加熱前の初期温度にほぼ戻るのに要する時間より
も長いことを特徴とする請求項２に記載のインクジェッ
ト記録ヘッド。
【請求項４】前記第２の期間の長さが、前記第１およ
び第２の電位の電位差によって上昇した前記発熱素子の
温度が加熱前の初期温度にほぼ戻るのに要する時間より
も長いことを特徴とする請求項１から３のいずれかに記
載のインクジェット記録ヘッド。
【請求項５】前記第１および第２の電位の絶対値がほ
ぼ等しいことを特徴とする請求項１から４のいずれかに
記載のインクジェット記録ヘッド。
【請求項６】前記第１の電位の絶対値が前記第２の電
位の絶対値のほぼ２倍であることを特徴とする請求項１
から４のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
【請求項７】前記第１および第２の電位の極性が反対
であることを特徴とする請求項１から６のいずれかに記
載のインクジェット記録ヘッド。
【請求項８】請求項１から７のいずれかに記載のイン
クジェット記録ヘッドを有し、該記録ヘッドによって記
録媒体に記録を行うことを特徴とする記録装置。
【請求項９】基板と、前記基板上に設けられた複数の
走査信号線と、前記基板上に前記走査信号線に交差するように設けられ
た複数の情報信号線と、前記走査信号線と前記情報信号
線との各交点部分に設けられた発熱素子と、各走査信号
線に第１の電位を有する走査信号を順次供給する第１の
駆動回路と、各情報信号線に第２の電位を有する選択信
号を記録データに従って供給する第２の駆動回路とを備
え、前記第１および第２の電位の電位差により前記発熱
素子から発生される熱エネルギーを利用してインク滴を
吐出するインクジェット記録ヘッドの駆動方法であっ
て、前記走査信号および選択信号に、前記第１および第２の
電位によって前記交点部分に電位差を生じさせる第１の
期間と、互いの電位差が略ゼロの第２の期間を前記第１
の期間と前記第１の期間の間に設けることを特徴とする
インクジェット記録ヘッドの駆動方法。
【請求項１０】インク滴を吐出させない発熱素子に対
しても第３の電位を有する非選択信号を供給し、前記第
１および第３の電位の電位差を、インク滴を吐出させる
のに必要な電位差よりも小さくすることを特徴とする請
求項９に記載のインクジェット記録ヘッドの駆動方法。
【請求項１１】前記第２の期間の長さを、前記第１お
よび第３の電位の電位差によって上昇した前記発熱素子
の温度が加熱前の初期温度にほぼ戻るのに要する時間よ
りも長く設定することを特徴とする請求項１０に記載の
インクジェット記録ヘッドの駆動方法。
【請求項１２】前記第２の期間の長さを、前記第１お
よび第２の電位の電位差によって上昇した前記発熱素子
の温度が加熱前の初期温度にほぼ戻るのに要する時間よ
りも長く設定することを特徴とする請求項９から１１の
いずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの駆動方
法。
【請求項１３】前記第１および第２の電位の絶対値を
ほぼ等しくすることを特徴とする請求項９から１２のい
ずれかに記載のインクジェット記録ヘッドの駆動方法。
【請求項１４】前記第１の電位の絶対値を前記第２の
電位の絶対値のほぼ２倍とすることを特徴とする請求項
９から１２のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッ
ドの駆動方法。
【請求項１５】前記第１および第２の電位の極性を反
対とすることを特徴とする請求項９から１４のいずれか
に記載のインクジェット記録ヘッドの駆動方法。