JP2001337235A - 光回路 - Google Patents

光回路

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JP2001337235A
JP2001337235A JP2000159046A JP2000159046A JP2001337235A JP 2001337235 A JP2001337235 A JP 2001337235A JP 2000159046 A JP2000159046 A JP 2000159046A JP 2000159046 A JP2000159046 A JP 2000159046A JP 2001337235 A JP2001337235 A JP 2001337235A
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optical circuit
core
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optical waveguide
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Katsuhiro Kaneko
勝弘 金子
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光導波路の加工寸法の誤差等により、所望の
特性を有する光回路を作製することが困難であった。 【解決手段】 基板上に形成された光回路を構成するシ
ロキサン系ポリマから成る光導波路を具備し、光導波路
を形成後にコア部1の一部およびその周囲のクラッド部
2を局所的に加熱してこの加熱部におけるコア部1とク
ラッド部2との屈折率差を加熱部に隣接する部分におけ
る屈折率差より小さくしてある光回路である。加工寸法
の誤差等による特性のずれを調整して、所望の特性の光
回路を作製することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光通信システム等に
用いられる光回路に関し、特に光回路を構成する光導波
路の一部を加熱して光回路作製時の加工寸法の誤差等に
伴う光回路の特性のずれを補償した光回路に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信システム等に用いられる光導波路
型部品の中に、方向性結合器型の光カプラやマッハツェ
ンダ型光スイッチ・導波路型回折格子(AWG:Arraye
d Waveguide Grating)・光時分割多重化回路等の光回
路がある。
【0003】例えば、方向性結合器型の光カプラは、2
本の光導波路のコア部が近接した構造をしており、2本
のコア部が近接した領域で導波光が周期的に移行するこ
とを利用して所望の分岐比のカプラとするものである。
【0004】また、マッハツェンダ型光スイッチは、2
つの3dBカプラを2本の光導波路で結んだ構造をして
おり、入力ポートに入射した光は分岐部で2分岐されて
それぞれの経路を伝搬し、合部で干渉し、2つの出力ポ
ートから出力される。この合部で干渉する際に2つの経
路からの光に位相差を付けることによって、上下2つの
出力ポートからの光の出力比を制御することができ、光
のスイッチングができる。この位相差を生じさせる方法
としては、2分岐された経路(マッハツェンダ回路のア
ーム部)である光導波路の一方に薄膜ヒータを設けて加
熱し、温度により光導波路の屈折率が変化する効果(熱
光学効果)を利用して光路長差を生じさせる方法があ
る。
【0005】このようなスイッチング特性の例を図3に
線図で示す。図3において横軸は薄膜ヒータへの印加電
力としての駆動電力(単位:mW)を表わし、アーム部
の加熱温度に相当し、縦軸は出力ポートからの光出力パ
ワー(単位:dBm)を表わしている。また特性曲線の
うち太線は入力側の上ポートに光入力した場合に、出力
側の上ポートから出力される光のパワー(through)を
示し、細線は出力側の下ポートから出力される光出力パ
ワー(cross)を示す。図3より分かるように、駆動電
力の増加とともに、光出力パワーが周期的に変化する。
そのため、適当な電力を印加すれば、throughだけある
いはcrossだけから光を出力したり、光の出力比を制御
することができる。
【0006】このような光回路の作製方法としては、石
英ガラス基板やシリコン基板上にまず光導波路の下部ク
ラッド層を形成し、次いでその上に下部クラッド層より
も屈折率が高いコア層を形成する。その後、フォトリソ
グラフィやドライエッチング等の周知の薄膜微細加工技
術を用いてコア層を所望の光回路パターンのコア部に加
工した後、上部クラッド層を積層して3次元導波路形状
の光回路を形成する。その際、光導波路材料としては、
火炎堆積法やプラズマCVD法等により成膜したシリカ
膜や、PMMA(ポリメチルメタアクリレート)・ポリ
カーボネート・ポリイミド・ポリシロキサン・BCB
(ベンゾシクロブテン)・フッ素樹脂等の有機系材料が
用いられていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
薄膜微細加工技術を用いて作製した光導波路を具備する
光回路においては、加工寸法の誤差が生じることから、
所望の特性の光回路を正確にかつ安定して作製すること
が困難であるという問題点があった。このような加工寸
法の誤差が光回路の特性に与える影響について、マッハ
ツェンダ型光スイッチを例にとって説明する。
【0008】図3に示したようなスイッチング特性を示
すマッハツェンダ型光スイッチにおいては、駆動電力が
0mWの時にthroughの光出力パワーが極小値となり、
同時にcrossの光出力パワーが極大値となるはずである
が、加工寸法の誤差によってマッハツェンダ光回路に光
路長差が生じていたことに起因して、約1.5mW分の初
期位相オフセット(位相として約0.3π)が生じてい
る。このような初期位相オフセットがある場合には、実
際のスイッチングの際にそれを補償する分の電力が必要
となり、光回路の電力消費が多くなるという問題を招来
する結果となる。
【0009】このように、従来の薄膜微細加工技術を用
いて作製された光回路においては、加工寸法の誤差等に
よって、所望の特性の光回路を作製することが困難であ
るという問題点があった。
【0010】本発明は上記従来技術における問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的は、光導波路の加工
寸法の誤差等に伴う光回路の特性のずれを解決して所望
の特性を有した光回路を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の光回路は、基板
上に形成されたシロキサン系ポリマから成る光導波路を
具備し、この光導波路は、その形成後にコア部の一部お
よびその周囲のクラッド部を局所的に加熱して、この加
熱部における前記コア部と前記クラッド部との屈折率差
を前記加熱部に隣接する部分におけるコア部とクラッド
部との屈折率差より小さくしてあることを特徴とするも
のである。
【0012】また、本発明の光回路は、上記構成におい
て、前記光導波路は、少なくともコア部に金属が添加さ
れており、その添加量がクラッド部よりも多いことを特
徴とするものである。
【0013】本発明の光回路によれば、基板上に形成さ
れた光回路を構成するシロキサン系ポリマから成る光導
波路のコア部の一部およびその周囲のクラッド部を局所
的に加熱してこの加熱部におけるコア部およびクラッド
部の屈折率を変化させ、両者の屈折率差を変化させてこ
の加熱部に隣接する部分における屈折率差より小さくす
ることによって、光導波路の伝搬定数を所望の値に変化
させて調節することができるため、光回路作製時におけ
る光導波路の加工寸法の誤差等に伴う光回路の特性のず
れをこの加熱部によって補償して、所望通りの良好な光
学特性を有する光回路を作製することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光回路について図
面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の光回路の実
施の形態の一例を示した上面図である。
【0015】本発明の光回路は、図1に示すように、基
板上(図示せず)に形成された、コア部1を屈折率がコ
ア部1より小さいクラッド部2で覆った三次元導波路構
造の光導波路からなる光回路である。ここでは、光回路
としてマッハツェンダ型光回路を用いた熱光学効果によ
り生じる位相変化を利用する光スイッチを例に示してあ
る。3は光導波路の所定のコア部1上に形成した熱光学
効果を得るための薄膜ヒータである。
【0016】本発明の光回路において、光回路を構成す
る光導波路が形成される基板には、光集積回路基板や光
電子混在基板等の光信号を扱う基板として使用される種
々の基板、例えばシリコン基板やアルミナ基板・ガラス
セラミック基板・多層セラミック基板等が使用できる。
【0017】基板上に形成される光導波路は、クラッド
部2中にコア部1が形成された三次元導波路形状の光導
波路であり、その形成材料としては、本発明の光回路に
おいてはシロキサン系ポリマを用いる。ここで、クラッ
ド部2にシロキサン系ポリマを用い、コア部1に金属、
例えばチタン(Ti)を含有したシロキサン系ポリマを
用いた光導波路とすれば、両者の屈折率が加熱温度に応
じてそれぞれ異なる変化率で線形的に変化するため、コ
ア部1およびクラッド部2の屈折率をそれぞれ所望の値
に変化させ、両者の屈折率差を小さく変化させることが
でき、これによって光導波路の伝搬定数を変化させるこ
とができるため、光導波路の形成時の寸法誤差等に伴う
特性のずれを調整して光回路の特性を所望通りのものに
調節することができる。
【0018】このようなシロキサン系ポリマとしては、
ポリマの骨格にシロキサン結合が含まれている樹脂であ
ればよく、例えばポリフェニルシルセスキオキサン・ポ
リメチルフェニルシルセスキオキサン・ポリジフェニル
シルセスキオキサン等がある。また、コア部1およびク
ラッド部2に含有させる金属としてはチタンに限られる
ものではなく、ゲルマニウム(Ge)・アルミニウム
(Al)・エルビウム(Er)等も使用できる。これら
の金属を含有したコア部1を形成するには、その金属ア
ルコキシドを添加したシロキサン系ポリマ膜形成用溶液
を熱重合させて金属含有シロキサン系ポリマ層を形成
し、これを所望の形状・寸法に加工すればよい。なお、
クラッド部2に用いるシロキサン系ポリマにも上記と同
様の金属を含有させてもよく、その場合はコア部1との
含有量の差により屈折率差を設けるようにすればよい。
このようにコア部1とクラッド部2の両方に添加量を異
ならせて金属を添加させることによっても、形成後の加
熱によって所望の屈折率差に調整可能な光導波路とする
ことができる。
【0019】コア部1およびクラッド部2に用いるシロ
キサン系ポリマ、ならびに金属アルコキシドを添加した
シロキサン系ポリマ膜形成用溶液を熱重合させて形成さ
れた金属含有シロキサン系ポリマは、膜を形成する際の
熱処理による重合反応によってより多くのシロキサン結
合が生成されて強固な膜が形成されるものであるが、膜
を形成した後にも、十分な熱量で加熱を行なうと、さら
に重合が進んでより多くのシロキサン結合が生成され、
同時に有機官能基が分解除去されるため、膜の屈折率を
小さくすることができる。この屈折率が小さくなる変化
は、金属含有シロキサン系ポリマの方が、金属アルコキ
シドを添加しないものよりも大きく、また金属アルコキ
シドの添加量が多いシロキサン系ポリマの方が少ないも
のよりも大きいため、これらを組み合わせてコア部1お
よびクラッド部2を形成し、そのコア部1の一部および
その周囲のクラッド部2を局所的に加熱することによっ
て、この加熱部のコア部1とクラッド部2との屈折率差
を小さくなるように調整することができる。
【0020】具体的には、コア部1とクラッド部2の両
方を金属を含有しないシロキサン系ポリマで形成する、
コア部1を金属含有シロキサン系ポリマで、クラッド部
2を金属を含有しないシロキサン系ポリマで形成する、
コア部1とクラッド部2の両方を金属含有シロキサン系
ポリマで形成し、コア部1における金属含有量を多くす
る等の組合せとすればよい。このとき、コア部1に添加
する金属の添加量は、クラッド部2に対して金属の添加
量と屈折率との相関を予め把握しておき、所望の光導波
路のコア部1とクラッド部2との屈折率差となるように
金属の添加量を決定すればよい。例えば、光導波路のコ
ア部1とクラッド部2との屈折率差の典型的な値は約0.
3〜0.7%であるが、シロキサン系ポリマに金属としてT
iを添加する場合には、コア部1に添加するTiの添加
量は、クラッド部2に対して2〜5wt%程度にすれば
よい。また、コア部1を形成するシロキサン系ポリマと
クラッド部2を形成するシロキサン系ポリマとは、異な
る組成で異なる屈折率およびその変化を示すものを組み
合わせて用いてもよい。
【0021】そして、このようなシロキサン系ポリマ膜
形成後の加熱により屈折率が小さくなる変化は不可逆的
な反応であるため、光回路を形成した後に光導波路の一
部を局所的に加熱することによって光回路の光学特性の
調整が可能である。
【0022】このような局所的な加熱部としては、光回
路の光学特性調整するために光導波路の伝搬定数を変化
させたい部分を選択して設定するものであり、例えば、
方向性結合器型の光カプラであれば、方向性結合器の結
合係数を変化させて結合比を調整するため2本の光導波
路のコア部が近接した光結合部を加熱する。また、分岐
部と合部との間に複数の光路を有しているマッハツェン
ダ型光回路や光時分割多重化回路等は、それぞれの光路
長差を調整するために、複数の光路の1つずつを加熱す
る。
【0023】光回路を構成する光導波路の所望の一部分
を局所的に加熱するには、所望の領域を必要な温度に加
熱することができる加熱源であればこれを用いて行なう
ことができ、種々の光源あるいは熱源を用いることがで
きる。例えば、集光したハロゲンランプや赤外線レーザ
・可視光によるスポット加熱や、加熱部の大きさに合わ
せた薄膜ヒータ等による加熱を採用することができる。
例えば、図1に示した例の場合は、熱光学効果によって
生じる位相変化によりスイッチングを行なうものであ
り、マッハツエンダ型光回路のアーム部に熱光学効果に
よる位相変化を得るための薄膜ヒータ3が形成してある
が、光回路の特性を調整するために局所的に加熱する部
分としては、2本のアーム部のどちらか一方のコア部1
およびその周囲のクラッド部2が相当する。熱光学効果
を利用したスイッチングの場合には熱光学効果を得るた
めの薄膜ヒータ3が形成されているので、その薄膜ヒー
タ3を利用して薄膜ヒータ3が形成された領域を局所的
に加熱して光回路の特性を調整することができる。図1
に示す例において光回路の特性を調整するために局所的
に加熱する方法として薄膜ヒータ3を利用する場合に
は、どちらか一方の薄膜ヒータ3に通電して成膜時の温
度よりも高い温度で加熱することによって、薄膜ヒータ
3の下部に位置するコア部1およびその周囲のクラッド
部2を加熱する。これにより、屈折率および伝搬定数を
変化させて2つのアームの光路長差(位相差)を調整す
ることができて、マッハツェンダ型光回路の特性を調整
することができる。
【0024】そして、加熱温度の制御は、例えば赤外線
レーザ光を利用する場合であれば、その赤外線レーザ光
のパワーと照射時間とによって行なうことができる。ま
た、薄膜ヒータの場合には、印加電力と印加時間によっ
て制御できる。
【0025】なお、光回路の一部分を必要な温度に加熱
するための加熱量は、実際に光回路に光を伝搬させて光
信号の透過特性等をモニタしながら加熱し、加熱後に温
度が下がり定常状態に戻った状態で所望の光学特性とな
るように調節しながら与えればよい。
【0026】図1においてスイッチングの際に熱光学効
果による位相変化を得るために光導波路を局所的に加熱
する薄膜ヒータ3としては、Al、Cu、Ta、Au、
Ag、W、Ti、Cr、Ni等の金属抵抗体を用いるこ
とができる。スパッタリング法、CVD法等によりこれ
らの金属抵抗体膜を形成した後、周知の薄膜微細加工技
術を利用して、所望の形状・寸法の薄膜ヒータ3を形成
すればよい。
【0027】なお、ここでは熱光学効果を利用した光ス
イッチを例に示したため、薄膜ヒータ3を形成した例を
示したが、この例の他にも、マッハツェンダ型光回路の
位相制御部としては他の位相制御機能を有した材料や素
子、例えば非線形効果を有した半導体や有機材料等を用
いた非線形光導波路素子等であってもよく、光回路の特
性を調整するための局所的な加熱部について前述の他の
加熱方法を用いてもよい。
【0028】
【実施例】次に、本発明の光回路について具体例を説明
する。
【0029】〔例1〕本発明による効果を調べるため、
図1に示したマッハツェンダ型光スイッチを作製した。
【0030】まず、シリコン基板上に、クラッド部2が
シロキサン系ポリマ、コア部1がチタン含有シロキサン
系ポリマから成るステップインデックス型光導波路を具
備した、図1と同様な構成のマッハツェンダ型スイッチ
を形成した。このときコア部1およびクラッド部2の屈
折率をそれぞれ1.444および1.440として、コア部1の幅
を8μm、高さを8μmとし、コア部1の上面とその上
に形成されたクラッド部2の上面との間のクラッド部2
の厚さを12μmとした。また、基板とコア部1との間の
クラッド部2の厚さも12μmとした。また、2つのアー
ムの直線部を5mm、アーム間の距離を250μmとし
た。
【0031】次に、この光導波路の上面にタングステン
薄膜をスパッタリング法により形成した後、フォトリソ
グラフィおよびエッチングを行ない、2つのアームのそ
れぞれ直線部のコア部1上のクラッド部2表面上に、、
図1に示すようにタングステンからなる幅30μm、長さ
2mmの薄膜ヒータ(スイッチングを行なう際に熱光学
効果を得るためのヒータ)3を形成した。ここで、薄膜
ヒータ3の右端とアームの直線部の右端との距離が2m
mとなるようにした。
【0032】このようにして作製したマッハツェンダ型
光スイッチの入力側ポートの図1における上側のポート
にLD(レーザダイオード)光を入射し、出力側ポート
の図1における上側のポートから出力される出射光強度
(through光)をモニタしながらマッハツェンダ型光回
路の図1における上側のアームに形成した薄膜ヒータ3
に通電して、光スイッチング特性を評価した。
【0033】この結果、作製したマッハツェンダ型光ス
イッチは、図2の線図中に細線で示した特性曲線で表さ
れたスイッチング特性を示し、約1.5mW分の初期位相
オフセットが生じていた。なお、図2において横軸は薄
膜ヒータ3の駆動電力(単位:mW)を、縦軸はモニタ
した上側のポートからの出力光パワー(単位:dBm)
を表わす。
【0034】次に、薄膜ヒータ3に通電しない状態でth
rough光強度をモニタしながら、約100μm径に集光した
YAGレーザ光をマッハツェンダ型光回路の上側のアー
ム部の直線部上の薄膜ヒータ3の右端から右に1mm〜
1.5mmの間を走査しつつ照射してその部分のコア部1
およびその周囲のクラッド部2を局所的に加熱した後、
YAGレーザ光の照射を止め、十分冷却された状態での
光強度を測定し、これを繰り返してthrough光強度が最
も小さな値となるようにした。このようにして、マッハ
ツェンダ型光回路の初期位相オフセットが0になるよう
に調整した。調整後のマッハツェンダ型光回路のthroug
h光のスイッチング特性を図2の線図中に太線で示す。
これにより、マッハツェンダ型光回路の初期位相オフセ
ットが補償されたことが分かる。また、この局所加熱部
についてコア部1とその周囲のクラッド部2とを観察し
たところ、屈折率変化に伴う若干のコントラストの生成
によって局所加熱部領域の存在が確認できた。
【0035】以上のように、本発明の光回路によれば、
基板上に形成されたシロキサン系ポリマから成る光導波
路の一部を加熱して、その部分のコア部とその周囲のク
ラッド部の屈折率を小さくなるように変化させ、両者の
屈折率差をその加熱部に隣接する部分における屈折率差
よりも小さくすることによって、光回路作製時の加工寸
法の誤差等に伴う光回路の特性のずれを補償した光回路
を作製することができることが確認できた。
【0036】なお、以上はあくまで本発明の実施の形態
の例示であって、本発明はこれらに限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や改
良を加えることは何ら差し支えない。例えば、本発明は
マッハツェンダ型光スイッチだけではなく、方向性結合
器型の光カプラやマッハツェンダ型光スイッチ・導波路
型回折格子(AWG)・光時分割多重化回路等にも適用
できる。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明の光回路によれ
ば、基板上に形成された光回路を構成するシロキサン系
ポリマから成る光導波路のコア部の一部およびその周囲
のクラッド部を局所的に加熱してこの加熱部におけるコ
ア部およびクラッド部の屈折率を変化させ、両者の屈折
率差を変化させてこの加熱部に隣接する部分における屈
折率差より小さくしてあることから、この加熱部によっ
て光導波路の伝搬定数を所望の値に調節することがで
き、光回路作製時における光導波路の加工寸法の誤差等
に伴う光回路の特性のずれをこの加熱部によって補償し
て、所望通りの良好な光学特性を有する光回路を作製す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光回路の実施の形態の一例としてのマ
ッハツェンダ型光回路を示す上面図である。
【図2】本発明の実施例のマッハツェンダ型光回路のス
イッチング特性を示す線図である。
【図3】マッハツェンダ型光回路のスイッチング特性を
示す線図である。
【符号の説明】
1・・・光導波路のコア部 2・・・光導波路のクラッド部 3・・・薄膜ヒータ(スイッチングの際の熱光学効果に
よる位相変化を得るため、および光回路の特性改善調整
のための加熱部)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成されたシロキサン系ポリマ
    から成る光導波路を具備し、該光導波路は、その形成後
    にコア部の一部およびその周囲のクラッド部を局所的に
    加熱して、該加熱部における前記コア部と前記クラッド
    部との屈折率差を前記加熱部に隣接する部分におけるコ
    ア部とクラッド部との屈折率差より小さくしてあること
    を特徴とする光回路。
  2. 【請求項2】 前記光導波路は、少なくともコア部に金
    属が添加されており、その添加量がクラッド部よりも多
    いことを特徴とする請求項1記載の光回路。
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