JP2001334613A - 多層フィルム - Google Patents

多層フィルム

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JP2001334613A
JP2001334613A JP2000156881A JP2000156881A JP2001334613A JP 2001334613 A JP2001334613 A JP 2001334613A JP 2000156881 A JP2000156881 A JP 2000156881A JP 2000156881 A JP2000156881 A JP 2000156881A JP 2001334613 A JP2001334613 A JP 2001334613A
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ethylene
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Tomoki Kojima
伴樹 児島
Kiminari Nanbu
仁成 南部
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Sumika Plastech Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumika Plastech Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
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  • Greenhouses (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】農園芸用フィルムとして好適に用いることがで
きる柔軟性が良好で強靭性に優れた多層フィルムを提供
すること。 【解決手段】低密度ポリエチレンおよびエチレン/酢酸
ビニル共重合体から選択される樹脂を主成分とし、これ
に特定のエチレン/α−オレフィン共重合体をブレンド
してなる樹脂組成物からなる第一層および第三層と、前
記両層間にあってエチレン/酢酸ビニル共重合体と特定
のエチレン/α−オレフィン共重合体とを含んでなる樹
脂組成物からなる第二層とで多層フィルムを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は農園芸用途に好適に
用いることができる多層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、作物栽培用のハウスやトンネルな
どの被覆材料として、ポリ塩化ビニルフィルムとポリオ
レフィン系フィルムが主に用いられているが、近年では
特に廃棄処理の際の環境負荷が小さいことから後者が主
流となりつつある。ポリオレフィン系フィルムは、高圧
法低密度ポリエチレン、エチレン/α−オレフィン共重
合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体などの樹脂を適宜
用いて製造されている。高圧法低密度ポリエチレンは、
価格、展帳作業性、防塵性および廃棄処理の点でポリ塩
化ビニルに比べて利点はあるが、保温性、強靭性は劣
る。エチレン/α−オレフィン共重合体は、高圧法低密
度ポリエチレンと比較して機械的強度において優れてい
るが、加工性に劣る。またエチレン/α−オレフィン共
重合体は結晶化度が高いので、当該共重合体からなるフ
ィルムの剛性が高く、作業性に劣る。酢酸ビニル含有量
が高いエチレン/酢酸ビニル共重合体からなるフィルム
は、保温性が高く、剛性が低く、作業性に優れるもの
の、防塵性および価格において劣る。これらの事情を考
慮して、多層フィルムでは一般的に、酢酸ビニル含有量
の高いエチレン/酢酸ビニル共重合体を第二層に用い、
フィルムの両外層には、高圧法低密度ポリエチレン、エ
チレン/α−オレフィン共重合体もしくは酢酸ビニル含
有量の低いエチレン/酢酸ビニル共重合体を使用してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、農園
芸用フィルムとして好適に用いることができる柔軟性お
よび強靭性に優れた多層フィルムを提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、低密度ポリエチレンおよびエチレン/酢酸ビニ
ル共重合体から選択される樹脂を主成分とし、これに特
定のエチレン/α−オレフィン共重合体をブレンドして
なる樹脂組成物からなる第一層および第三層と、前記両
層の間にあり、エチレン/酢酸ビニル共重合体と特定の
エチレン/α−オレフィン共重合体とを含んでなる樹脂
組成物からなる第二層とを有する多層フィルムが柔軟性
と強靭性に優れることを見出し、本発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、下記第一層、第三層、
および該第一層と第三層との間にある第二層を有するこ
とを特徴とする多層フィルムを提供する。 第一層: 低密度ポリエチレンおよびエチレン/酢酸ビ
ニル共重合体から選択される樹脂100重量部当たり1
00〜30重量部のメルトフローレートが0.1〜10
g/10分、密度が0.915g/cm3以下のエチレ
ン/炭素数4〜12のα−オレフィン共重合体(A)を
含有してなる層 第二層: エチレン/酢酸ビニル共重合体(D)、およ
びメルトフローレートが0.1〜10g/10分、密度
が0.915g/cm3以下のエチレン/炭素数4〜1
2のα−オレフィン共重合体(B)を、重量比(D)/
(B)=100/0〜0/100の割合でブレンドして
なる層 第三層:低密度ポリエチレンおよびエチレン/酢酸ビニ
ル共重合体から選択される樹脂100重量部当たり10
0〜30重量部のメルトフローレートが0.1〜10g
/10分、密度が0.915g/cm3以下のエチレン
/炭素数4〜12のα−オレフィン共重合体(C)をか
らなる層
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、第一層および第
三層に用いられる低密度ポリエチレンのメルトフローレ
ート(以下、MFRと記すことがある)は、好ましくは
0.1〜10g/10分であり、より好ましくは0.1
〜2g/10分である。メルトフローレートがこのよう
な範囲にある低密度ポリエチレンを用いることにより、
強度に優れた多層フィルムを良好な加工性を以って得る
ことができる。また、JISK7112の規定により測
定した密度(以下、同様)は、好ましくは0.92〜
0.94g/cm3であり、より好ましくは0.92〜
0.93g/cm3である。第一層の低密度ポリエチレ
ンと第三層の低密度ポリエチレンは、同一であってもよ
いし異なっていてもよい。
【0007】本発明において、第一層、第二層および第
三層に用いられるエチレン/酢酸ビニル共重合体は、柔
軟性に優れ、フィルム展帳時の皺の発生が抑制されると
いう観点から、酢酸ビニル単位の含有量が30重量%以
下のエチレン/酢酸ビニル共重合体が好ましい。メルト
フローレートは、好ましくは0.1〜10g/10分で
あり、より好ましくは0.1〜2g/10分である。メ
ルトフローレートが過小であると多層フィルム製造時の
加工性に劣ることがあり、過大な場合には多層フィルム
の強度が劣ることがある。また、エチレン/酢酸ビニル
共重合体の密度は、好ましくは0.92〜0.94g/
cm3である。第一層、第二層および第三層のエチレン
/酢酸ビニル共重合体は、同一であってもよいし異なっ
ていてもよい。
【0008】本発明において、第一層、第二層および第
三層に用いられるエチレン/α−オレフィン共重合体に
おけるα−オレフィンは、4〜12個の炭素原子を有す
る。かかるα−オレフィンの例としては、プロピレン、
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル
−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデ
セン、1−シクロヘキセン、シクロヘキシルエチレンが
挙げられる。エチレン/α−オレフィン共重合体は、エ
チレンと一種類のα−オレフィンとの共重合体であって
もよいし、エチレンと二種類以上のα−オレフィンとの
共重合体でもよい。エチレン/α−オレフィン共重合体
中のα−オレフィンモノマー単位の含有量(二種類以上
のα−オレフィンを併用した場合にはその合計量)は、
好ましくは約0.5モル%〜約25モル%、より好まし
くは約0.5モル%〜約10モル%、更に好ましくは約
1モル%〜約7モル%である。
【0009】上記エチレン/α−オレフィン共重合体の
メルトフローレートは、0.1〜10g/10分であ
り、好ましくは0.1〜4g/10分である。メルトフ
ローレートが過小であると多層フィルム製造時の加工性
に劣ることがあり、過大な場合には多層フィルムの強度
が劣ることがある。また、フィルムの柔軟性の観点か
ら、エチレン/α−オレフィン共重合体の密度は、0.
915g/cm3以下であり、好ましくは0.910g
/cm3以下である。エチレン/α−オレフィン共重合
体の密度が低いほど、多層フィルムは柔軟性に優れる。
また、フィルムの強度の観点から、エチレン/α−オレ
フィン共重合体の密度は、0.88g/cm3以上が好
ましい。
【0010】上記エチレン/α−オレフィン共重合体
は、例えば、エチレンと炭素数4〜12のα−オレフィ
ンとを、パラジウムやニッケルなどの遷移金属の錯体触
媒やメタロセン系触媒などのいわゆるシングルサイト触
媒を使用して、溶媒の存在下または不存在下に、気相/
固相、液相/固相または均一液相で重合する方法によっ
て製造することができる。重合温度は、通常は約30℃
〜約300℃であり、重合圧力は、通常はほぼ大気圧〜
約3000kg/cm2である。例えば、特開平6−9
724号公報、特開平6−136195号公報、特開平
6−136196号公報、特開平6−207057号公
報等に記載されているメタロセン触媒成分を含むいわゆ
るメタロセン系オレフィン重合用触媒の存在下に、エチ
レンと炭素数4〜12のα−オレフィンとを共重合させ
ることによってエチレン/α−オレフィン共重合体を製
造することができる。
【0011】多層フィルムの第一層および第三層は、低
密度ポリエチレンおよびエチレン/酢酸ビニル共重合体
から選択される樹脂00重量部当たり100〜30重量
部のエチレン/α−オレフィン共重合体を含有する樹脂
組成物からなる層である。エチレン/α−オレフィン共
重合体の割合が低過ぎると、多層フィルムは柔軟性に劣
ることがあり、高過ぎると透明性および多層フィルム製
造時の加工性に劣ることがある。第一層と第三層の組成
はそれぞれの層に求められる性能に応じて互いに独立し
て決定することができ、両層の組成は同一でもよいし異
なってもよい。
【0012】多層フィルムの第二層は、エチレン/酢酸
ビニル共重合体(D)と、メルトフローレートが0.1
〜10g/10分、密度が0.915g/cm3以下の
エチレン/炭素数4〜12のα−オレフィン共重合体
(B)とを、重量比(D)/(B)=100/0〜0/
100の割合でブレンドしてなる層である。エチレン酢
酸ビニル共重合体(D)とエチレン/α−オレフィン共
重合体(B)の重量比は、好ましくは20/80〜80
/20であり、より好ましくは50/50〜80/20
である。エチレン/α−オレフィン共重合体の割合が高
ければ、積層フィルムの強度は向上するものの、多層フ
ィルム製造時の加工性に劣る。第一層および第三層中の
エチレン/α−オレフィン共重合体の割合が高い場合に
は、第二層中のエチレン/α−オレフィン共重合体の割
合が低くても良好な強靭性、柔軟性が得られる。
【0013】本発明の多層フィルムは、第一層および/
または第三層の表面に防曇性被膜を有することができ
る。防曇性被膜を有する多層フィルムは、防曇性被膜が
農園芸用ハウスの内側に向くように展張することによ
り、長期間に亘って優れた防曇性を発揮することができ
る。
【0014】防曇性被膜としては、例えば、コロイダル
シリカやコロイダルアルミナに代表される無機酸化ゾル
のコーティング膜、界面活性剤を主成分とする液のコー
ティング膜、親水性樹脂を主成分とする液のコーティン
グ膜等のコーティング膜や親水性樹脂を主成分とするキ
ャスト膜等が例示できる。親水性樹脂としては、ポリビ
ニルアルコール、多糖類、ポリアクリル酸などが挙げら
れる。防曇性被膜の形成方法は、被膜を形成させる表面
に防曇剤含有コーティング液を塗布してこれを乾燥させ
るコーティング法であってもよいし、キャスト法等によ
り予め防曇性薄膜を作成し、これを被膜を形成させる面
上に積層する方法でもよい。
【0015】本発明の多層フィルムの第一層には、多層
フィルムへのアンチブロッキング性、防塵性および耐摩
擦性の付与などの観点から、脂肪酸アミド化合物、有機
微粒子、および/または無機微粒子を含有することが好
ましい。
【0016】脂肪酸アミド化合物としては、例えば、融
点が約50〜約200℃の飽和脂肪酸アミド、不飽和脂
肪酸アミド、ビス脂肪酸アミドなどが例示できる。具体
例としては、ベヘニン酸アミド、ステアリン酸アミド、
パルミチン酸アミド、ラウリル酸アミド、エルカ酸アミ
ド、オレイン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミ
ド、メチレンビスベヘニン酸アミド、メチレンビスオレ
イン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチ
レンビスベヘニン酸アミド、エチレンビスオレイン酸ア
ミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサ
メチレンビスベヘニン酸アミド、ヘキサメチレンビスオ
レイン酸アミド、オクタメチレンビスエルカ酸アミドな
どが挙げられる。かかる脂肪酸アミドを配合する場合、
第一層中へのその配合量は、第一層中の樹脂成分(前述
の低密度ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合
体、エチレン/α−オレフィン共重合体など)の合計1
00重量部に対して約0.01重量部以上が好ましく、
約0.03重量部以上がより好ましい。また、経済性の
観点から、約1重量部以下が好ましく、約0.5重量部
以下がより好ましい。
【0017】多層フィルムの第一層が含有しうる有機微
粒子としては、粒径が約0.5μm〜約20μmの架橋
高分子粒子が例示でき、屈折率が第一層に含まれる樹脂
成分の屈折率に近いものが好ましい。例えば、ポリエチ
レンやポリメチルメタクリレートなどの架橋ビーズが好
ましく用いられる。かかる有機微粒子を配合する場合、
第一層中へのその配合量は、第一層中の樹脂成分の合計
100重量部に対して約0.1重量部以上が好ましく、
約0.3重量部以上がより好ましい。また、経済性の観
点から、約20重量部以下が好ましく、約10重量部以
下がより好ましく、約5重量部以下が特に好ましい。
【0018】多層フィルムの第一層が含有しうる無機微
粒子としては、後述する、無機赤外線吸収剤が例示で
き、その配合量は、第一層中の樹脂成分の合計100重
量部に対して約0.1重量部以上が好ましく、約0.3
重量部以上がより好ましい。また、約20重量部以下が
好ましく、約10重量部以下がより好ましく、約5重量
部以下が特に好ましい。
【0019】本発明の多層フィルムの各層は一種類以上
の赤外線吸収剤を含有することができる。赤外線吸収剤
とは、各層の樹脂材料よりも赤外線吸収能に優れている
ものであれば特に制限はなく、無機赤外線吸収剤であっ
ても有機赤外線吸収剤であってもよい。無機赤外線吸収
剤としては、リチウムアルミニウム複合水酸化物、ハイ
ドロタルサイト類化合物などの複合水酸化物、酸化マグ
ネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化珪
素、酸化チタンなどの金属の酸化物、水酸化リチウム、
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミ
ニウムなどの水酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシ
ウム、塩基性炭酸アルミニウム(例えば特開平9−27
9131号公報に記載の塩基性炭酸アルミニウム複塩)
などの炭酸塩類、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫
酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムなどの硫酸
塩類、燐酸リチウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、
燐酸カルシウム、燐酸ジルコニウム(例えば特開平8−
67774号公報記載のH型燐酸ジルコニウム)などの
燐酸塩類、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸ア
ルミニウム、珪酸チタンなどの珪酸塩類、アルミン酸ナ
トリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウム
などのアルミン酸塩類、アルミノ珪酸ナトリウム、アル
ミノ珪酸カリウム、アルミノ珪酸カルシウムなどのアル
ミノ珪酸塩類、カオリン、クレー、タルクなどの粘土鉱
物、複合酸化物などが挙げられる。有機赤外線吸収剤と
しては、ポリアセタール、ポリビニルアルコールおよび
その誘導体、エチレン/ビニルアルコール共重合体など
が挙げられる。これらの赤外線吸収剤の中でも、多層フ
ィルムのリサイクル効率の観点から、密度が約3g/c
3以下のものが好ましく、密度が約2.4g/cm3
下のものがより好ましい。また、赤外線吸収能の観点か
らは、無機系赤外線吸収剤が好ましい。
【0020】赤外線吸収剤が無機系赤外線吸収剤である
場合には、光線透過性の観点から、その屈折率は、使用
する樹脂材料の屈折率により近いこと、また、保温性の
観点から、幅広い波長域に吸収性能をもつことが好まし
い。これらの観点から、ハイドロタルサイト類化合物、
リチウムアルミニウム複合水酸化物、アルミノ珪酸塩
類、塩基性炭酸アルミニウム複塩などが好ましい。
【0021】ハイドロタルサイト類化合物とは、下記式
(I): M2+ 1-xAl3+ x(OH-2(A1 n-x/n・mH2O (I) (式中、M2+は2価金属イオンであり、A1 n-はn価の
アニオンであり、x、mおよびnは、0<x<0.5、
0≦m≦2、1≦nという条件を満たす。)で示される
化合物である。M2+としては、Mg2+、Ca2+、Zn2+
などが例示される。n価の陰イオンA1 n-は特に限定さ
れず、例えば、Cl-、Br-、I-、NO3 -、ClO4 -、S
4 2-、CO3 2-、SiO3 2-、HPO4 3-、HBO4 3-
PO4 3-、Fe(CN)6 3-、Fe(CN)6 4-、CH3
OO-、C64(OH)COO-、(COO)2 2-、テレ
フタル酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオンなどの陰
イオンや、特開平8−217912に記載されたポリ珪
酸イオンやポリ燐酸イオンが挙げられる。具体的には、
例えば、天然ハイドロタルサイトやアルカマイザーDH
T−4A(商品名、協和化学工業製)のような合成ハイ
ドロタルサイトを用いることができる。また、水酸化カ
ルシウム、または一般式: CaAlx(OH)2+3xで表
わされるカルシウム・アルミニウム複合水酸化物をハイ
ドロタルサイト類化合物と併用してもよい。
【0022】リチウムアルミニウム複合水酸化物として
は、例えば、特開平5−179052号公報に開示され
た下記式(II): Li+(Al3+2(OH-6・(A2 n-1/n・mH2O (II) (式中、A2 n-はn価の陰イオンであり、mおよびn
は、0≦m≦3、1≦nという条件を満たす)で示され
る化合物が挙げられる。n価の陰イオンA2 n-は特に限
定されず、例えば、式(I)の化合物におけるA1 n-
同様の陰イオンが挙げられる。
【0023】上記2種類以外の複合水酸化物としては、
例えば、アルカリ土類金属、遷移金属、ZnおよびSi
からなる群の中から選ばれた少なくとも一種の元素と、
LiおよびAlを含有し、かつ水酸基を有する複合水酸
化物が例示される。アルカリ土類金属の中では、マグネ
シウム、カルシウムが好ましい。また、遷移金属の中で
は、2価または3価の鉄、コバルト、ニッケル、マンガ
ンが好ましく、中でも鉄が特に好ましい。AlとLiの
モル比(Al/Li)は、通常1.5/1〜2.5/1
であり、好ましくは1.8/1〜2.5/1である。ま
た、アルカリ土類金属、遷移金属、ZnおよびSiから
なる群の中から選ばれた元素のLi元素1モルに対する
モル比(a)は、通常0<a<1.5であり、好ましく
は0.1≦a≦1.4、更に好ましくは0.2≦a≦
1.2である。かかる複合水酸化物の水酸基以外のアニ
オン部分は、例えば、ピロケイ酸イオン、シクロケイ酸
イオン、イソケイ酸イオン、フィロケイ酸イオン、テク
トケイ酸イオン等のポリケイ酸イオン、炭酸イオン、ハ
ロゲン化物イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、硝酸イ
オン、亜硝酸イオン、リン酸イオン、亜リン酸イオン、
次亜リン酸イオン、ポリリン酸イオン、アルミン酸イオ
ン、ケイ酸イオン、過塩素酸イオン、ホウ酸イオン等の
無機酸イオン、Fe(CN)6 3-、Fe(CN)6 4-等の
アニオン性遷移金属錯体、酢酸イオン、安息香酸イオ
ン、ギ酸イオン、テレフタル酸イオン、アルキルスルホ
ン酸イオン等の有機酸イオンなどが挙げられる。これら
の中でも、炭酸イオン、ハロゲン化物イオン、硫酸イオ
ン、リン酸イオン、ポリリン酸イオン、ケイ酸イオン、
ポリケイ酸イオン、過塩素酸イオンが好ましく、炭酸イ
オン、ポリリン酸イオン、ケイ酸イオン、ポリケイ酸イ
オンが特に好ましい。このような複合水酸化物の具体例
としては、Al、Li、Mgを含有し、かつAl/Li
/Mg=約2.3/1/0.28(モル比)である複合
水酸化物(商品名LMA、富士化学工業製)や、Al、
Li、Siを含有し、かつAl/Li/Si=約2/1
/1.2(モル比)である複合水酸化物(商品名フジレ
インLS、富士化学工業製)が挙げられる。
【0024】WO97/00828に開示された下記式
(III): [(Li+ (1-x)M2+ x)(Al3+)2(OH-)6]2(SiyO(2y+1) 2-)(1+x)・mH2O (III) (式中、M2+は2価の金属イオンであり、m、xおよび
yは、0≦m<5、0≦x<1、2≦y≦4という条件
を満たす)で表わされる化合物、および特開平8−21
7912号公報に開示された下記式(IV): [(Li+ (1-x)M2+ x)(Al3+)2(OH-)6]2(An-)2(1+x)/n・mH2O (IV) (式中、M2+は2価の金属イオンであり、An-はn価の
陰イオンであり、m、xおよびnは、0≦m<5、0.
01≦x<1、1≦nという条件を満たす)で表わされ
る化合物は、上記複合水酸化物の好ましい例である。式
(III)および(IV)におけるM2+としては、Mg2+
Ca2+、Zn2+などが例示される。
【0025】更に、下記式(V): mAl23・(n/p)M2/pO・X・kH2O (V) (式中、Xは炭酸根であり、Mはアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属、pは金属Mの価数に等しく、m、nお
よびkは、0.3≦m≦1、0.3≦n≦2、0.5≦
k≦4の条件を満たす)で示される塩基性炭酸アルミニ
ウム複塩も、好ましい赤外線吸収剤の一つである。上記
式(V)におけるXとして硫黄のオキシ酸(硫酸、亜硫
酸)、窒素のオキシ酸(硝酸、亜硝酸)、塩化水素酸、
塩素のオキシ酸(例えば、過塩素酸)、リンのオキシ酸
(リン酸、亜リン酸、メタリン酸)などに由来する無機
アニオンや、酢酸、プロピオン酸、アジピン酸、安息香
酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、
コハク酸、p−オキシ安息香酸、サリチル酸、ピクリン
酸、トルエンスルホン酸などに由来する有機アニオンを
含む複塩を、上記塩基性炭酸アルミニウム複塩と併用し
てもよい。これらの複塩は、特開平9−279131号
公報に開示された方法で製造することができる。
【0026】上記複合水酸化物または塩基性炭酸アルミ
ニウム複塩を赤外線吸収剤として使用する場合、その平
均粒子径は、約5μm以下が好ましく、約0.05〜約
3μmがより好ましく、約0.1〜約1μmが更に好ま
しい。また、BET法により測定した比表面積は1〜3
0m2/gが好ましく、約2〜約20m2/gがより好ま
しい。
【0027】本発明の多層フィルムを高度に透明性が要
求される用途に使用する場合は、赤外線吸収剤の屈折率
は、使用する樹脂材料の屈折率に近いことが好ましく、
JIS K0062記載の方法で測定した屈折率が1.
47〜1.55であることが好ましく、1.48〜1.
54がより好ましく、1.49〜1.53が特に好まし
い。
【0028】多層フィルム中での赤外線吸収剤の分散性
を向上させるために、高級脂肪酸や高級脂肪酸のアルカ
リ金属塩等により赤外線吸収剤に表面処理を施してもよ
い。多層フィルム中の上記赤外線吸収剤の量は、23℃
における多層フィルムの所望の輻射線透過指数、使用す
る赤外線吸収剤の種類や多層フィルムの層構成などを考
慮して適宜設定される。例えば、赤外線吸収剤として上
記の複合水酸化物を使用する場合、その配合量は、多層
フィルムの全重量に対して、約6重量%〜約13重量%
が好ましい。
【0029】多層フィルムの23℃における輻射線透過
指数は、該フィルムを農業用ハウスなどの被覆材として
用いた場合の保温性の尺度であり、作物生育性に影響を
与えるものであって、後述する測定方法によって求めら
れる。輻射線透過指数の値が小さいほど多層フィルムの
保温性が優れている。本発明において、多層フィルムの
23℃における輻射線透過指数は25以下であることが
好ましい。多層フィルムが25以下の輻射線透過指数を
有すると、従来のポリ塩化ビニルフィルムに比較して保
温性が同等若しくは優れ、また、加温ハウスに用いる
と、暖房費を節減することができ経済効率の向上に寄与
する。輻射線透過指数はゼロに近いほど好ましく、20
以下がより好ましく、15以下が更に好ましい。
【0030】23℃における輻射線透過指数は、以下の
方法により測定される。赤外分光光度計(パーキンエル
マー社製 1640型FT−IR)を用いて、波数40
00〜400cm-1の範囲で多層フィルムの赤外線吸収
スペクトル(透過法)を温度23℃にて測定し、波数νで
の透過率T(ν)%の値を得る。一方、プランクの法則か
ら得られる式(1)に従い、23℃における波数νでの
黒体輻射スペクトル強度e(ν)を計算する。ここで黒体
輻射スペクトル強度e(ν)に透過率T(ν)をかけたもの
が輻射線透過強度f(ν)となる(式(2))。輻射線透
過強度f(ν)を波数4000〜400cm-1の範囲で積
分したものを輻射線透過エネルギーF、黒体輻射スペク
トル強度e(ν)を波数4000〜400cm-1の範囲で
積分したものを黒体輻射エネルギーEとして、輻射線透
過指数G=100×F/Eと定義する。実際の積分にお
いては、波数間隔2cm-1ごとの区間に区切り、台形近
似にて各区間について計算し積算する。 e(ν)=(A/λ5)/{exp(B/(λ×T))-1} (1) A=2πhC2=3.74×10-16(W・m2) B=hC/k=0.01439(m・K) T(K)は絶対温度。λ(cm)は波長。(波数νは波長の逆数) (hはプランク定数、Cは光速、kはボルツマン定数。) f(ν)= e(ν)×T(ν)/100 (2)
【0031】本発明の多層フィルムは、一種類以上の光
安定剤を含有することができる。光安定剤としてはニッ
ケル錯体系光安定剤も使用できるが、ヒンダードアミン
系化合物が好ましく、特に、分子量が約1500以上の
ヒンダードアミン系化合物が好ましい。ヒンダードアミ
ン系化合物としては、特開平8−73667号公報に記
載された構造式を有するものが挙げられ、具体例として
は、商品名チヌビン622−LD、キマソーブ944−
LD、チヌビン123(以上チバスペシャリティケミカ
ルズ社製)、ホスタビンN30、VP Sanduvo
r PR−31(以上クラリアント社製)、サイヤソー
ブUV3529(サイテック社製)がある。ヒンダード
アミン系化合物含有安定化剤としては、特開昭63−2
86448号に記載された組成物(商品名 チヌビン
492、チヌビン 494、チバガイギー社製)が例示
される。光安定剤を使用する場合、その量は、耐候性改
良効果と光安定剤のブルーミングの抑制のバランスの観
点から、多層フィルムの全重量に対して約0.02〜約
5重量%の範囲が好ましく、約0.1〜約2重量%がよ
り好ましく、約0.5〜約2重量%が更に好ましい。耐
候性改良効果の観点から、光安定剤は下記の紫外線吸収
剤と併用することがより好ましい。
【0032】本発明の多層フィルムは一種類以上の紫外
線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤は、有
機化合物であっても無機化合物であってもよい。使用で
きる有機系紫外線吸収剤の例は、ベンゾフェノン系紫外
線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾ
エート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸
収剤等などである。無機系紫外線吸収剤は、酸化セリウ
ムや酸化チタンなどの金属酸化物を含有するものでよ
く、例えば、日本無機化学工業製で商品名:セリガード
として市販されている紫外線吸収剤を使用することがで
きる。紫外線吸収剤を使用する場合、その量は、耐候性
改良効果と紫外線吸収剤のブルーミング抑制のバランス
の観点から、多層フィルムの全重量に対して、約0.0
1〜約3重量%の範囲が好ましく、約0.05〜約1重
量%がより好ましい。
【0033】本発明の多層フィルムには、防曇性を付与
する目的で防曇剤を配合してもよい。防曇剤を配合する
場合、その配合量はフィルム重量に対して、0.1〜4
重量%の範囲が好ましく、0.5〜3重量%がより好ま
しく、1.5〜3重量%が更に好ましく、2.2〜2.
8重量%が特に好ましい。防曇剤はいずれの層に配合し
てもよく、2層以上に配合する場合その配合量は各層同
じでも異なっていてもよい。
【0034】防曇剤としては、常温(23℃)で固体状
のものと液体状のものとがあり、固体状の防曇剤として
は、非イオン性界面活性剤、例えば、ソルビタンモノス
テアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタン
モノベヘネート、ソルビタンモノモンタネートなどのソ
ルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤、グリセリンモノ
ラウレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリン
モノステアレート、ジグリセリンジステアレート、トリ
グリセリンモノステアレート、テトラグリセリンモノモ
ンタネートなどのグリセリン脂肪酸エステル系界面活性
剤、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエ
チレングリコールモノステアレートなどのポリエチレン
グリコール系界面活性剤、アルキルフェノールのアルキ
レンオキシド付加物、ソルビタン/グリセリン縮合物と
有機酸とのエステル;ポリオキシエチレン(2モル)ス
テアリルアミン、ポリオキシエチレン(2モル)ラウリ
ルアミン、ポリオキシエチレン(4モル)ステアリルア
ミン等のポリオキシエチレンアルキルアミン化合物、ポ
リオキシエチレン(2モル)ステアリルアミンモノステ
アレート、ポリオキシエチレン(2モル)ステアリルア
ミンジステアレート、ポリオキシエチレン(4モル)ス
テアリルアミンモノステアレート、ポリオキシエチレン
(4モル)ステアリルアミンジステアレート、ポリオキ
シエチレン(8モル)ステアリルアミンモノステアレー
ト、ポリオキシエチレン(2モル)ステアリルアミンモ
ノベヘネート、ポリオキシエチレン(2モル)ラウリル
アミンステアレート等のポリオキシエチレンアルキルア
ミン化合物の脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(2
モル)ステアリン酸アミド等のポリオキシエチレンアル
キルアミン化合物の脂肪酸アミド等のアミン系界面活性
剤などが挙げられる。
【0035】更に、多層フィルムに常温で液体状の防曇
剤を配合すると保管時および展張時の光線透過性の劣化
を回避することができることから、少なくとも1種類の
常温で液体状の防曇剤を配合することは有効である。常
温で液状の防曇剤としては、例えば、グリセリンモノオ
レエート、ジグリセリンモノオレエート、ジグリセリン
セスキオレエート、テトラグリセリンモノオレエート、
ヘキサグリセリンモノオレエート、テトラグリセリント
リオレエート、ヘキサグリセリンペンタオレエート、テ
トラグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンモノ
ラウレート等のグリセリン系脂肪酸エステルが、また、
ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート、
ソルビタンモノラウレートなどのソルビタン脂肪酸エス
テルが挙げられる。液状の防曇剤をフィルムに配合する
場合、その配合量は、フィルム重量に対して、0.2〜
3重量%の範囲が好ましく、0.5〜2重量%がより好
ましい。
【0036】本発明の多層フィルムは、防霧剤を含有す
ることができる。使用できる防霧剤としては、パーフル
オロアルキル基、ω−ヒドロフルオロアルキル基等を有
するフッ素化合物(特にフッ素系界面活性剤)、アルキ
ルシロキサン基を有するシリコン系化合物(特にシリコ
ン系界面活性剤)等が挙げられる。防霧剤を含有する場
合、その量は、フィルム重量に対して約0.01〜約3
重量%の範囲が好ましく、約0.02〜約1重量%がよ
り好ましい。
【0037】本発明の多層フィルムは、必要に応じて、
一般に使用されている安定剤(例えば酸化防止剤、熱安
定剤)、アンチブロッキング剤、滑剤、帯電防止剤、顔
料等の添加剤を含有することができる。
【0038】本発明の多層フィルムは、近赤外線遮断剤
を含有することができる。近赤外線遮断剤を含有する多
層フィルムを農業用ハウスの被覆材として用いると、暑
い時期の日中のハウス内部の温度低下を抑制することが
できる。近赤外線遮断剤としては、例えば、特開平10
−193522号公報に開示されている有機化合物(例
えば、ニトロソ化合物およびその金属錯塩、シアニン系
化合物、スクワリリウム系化合物、チオールニッケル錯
塩系化合物、フタロシアニン系化合物、トリアリルメタ
ン系化合物、イモニウム系化合物、ジイモニウム系化合
物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、
アミノ化合物、アミニウム塩系化合物)および無機化合
物(例えば、カーボンブラック、酸化アンチモン、酸化
インジウムがドープされた酸化錫、周期律表の4A、5
Aまたは6A族に属する金属の酸化物もしくは炭化物、
ホウ素化合物)が挙げられる。本発明の多層フィルムの
表面に近赤外線遮断剤を含む被膜を形成させてもよい。
該被膜の形成方法としては、例えば、近赤外線遮断剤と
水溶性樹脂バインダーを含む塗工液を多層フィルムに塗
布し乾燥する方法が挙げられる。
【0039】本発明の多層フィルムの厚さは、フィルム
強度とフィルムの中継ぎ加工性や被覆作業性の点で、約
0.02mm〜約0.3mmの範囲が好ましく、約0.05
mm〜約0.25mmがより好ましい。本発明の第一層およ
び第三層の厚みは、成形性、透明性、フィルム強度など
の点から、多層フィルムの厚みの約10%〜約30%が
好ましく、約15%〜約25%がより好ましい。
【0040】本発明の多層フィルムの製造方法は、特に
限定されない。本発明の多層フィルムは、以下に示す方
法によって製造することができる。各層用の樹脂材料
に、必要に応じて選択された添加剤を加え、リボンブレ
ンダー、スーパーミキサー、バンバリーミキサー、1軸
あるいは2軸押出機などの混合機によってこれらを混合
して樹脂組成物を得る。こうして得られた各層用の樹脂
組成物を用いて、多層Tダイフィルム成形法や多層イン
フレーションフィルム成形法などによって多層フィルム
を製造することができる。
【0041】本発明の多層フィルムは柔軟性および強靭
性に優れるので、農園芸用ハウスの被覆材などの農園芸
用フィルムとして好適に使用することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明により、柔軟性および強靭性に優
れた多層フィルムが提供される
【0043】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものでない。なお、実施例および比較例
中の試験方法は以下のとおりである。
【0044】(1)柔軟性 JIS K7161に規定された方法に従って、引張弾
性率(ヤング率、MPa)を測定した。 MD方向、T
D方向の平均値を示す。110MPa未満であれば、フ
ィルムの柔軟性が十分であり、問題なく使用可能であ
る。
【0045】(2)透明性 透明性の尺度であるHAZE(%)をデジタルヘイズメ
ーター(スガ試験機製)を用いて評価した。
【0046】(3)強靭性 JIS1号ダンベルで打抜いた試験片を、オートグラフ
DSS100(島津製作所製)を用いて、引張り試験を
行い、引張破断強度(MPa)を測定した。MD方向、
TD方向の平均値を示す。
【0047】実施例1乃至3および比較例1 [基材の作製]下記の要領で、第一層、第三層および前
記両層にある第二層からなる3層チューブ(基材)を作
製した。各層の組成は表1に記載された通りである。表
1において成分を示す記号の後の括弧内の数値は、その
成分が含まれる層の全成分の合計量に対するその成分の
量の百分率である。まず、各層に含まれる成分をバンバ
リーミキサーを用いて150℃で5分間混練した後、造
粒機により造粒して、各層を構成する樹脂組成物をペレ
ットの形で得た。各層用の樹脂組成物ペレットまたは樹
脂ペレットを用いて各層が表1に記載された厚みになる
ように3層インフレーションフィルム成形機によって3
層チューブを成形した。 [防曇層の形成]アルミナゾル(日産化学製;商品名:
アルミナゾル520;固形分:20%)、コロイダルシ
リカ(日産化学製;商品名:スノーテックス20;固形
分:20%)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
(花王製;商品名:ネオペレックスF25)、デカン酸
ナトリウム(ナカライテスク製)を、それぞれの固形分
濃度が1.6%、0.4%、0.08%および0.08
%となるように水を加えて混合して、コーティング液を
作製した。予めコロナ処理を施した基材の第一層の表面
に、固形分厚みが約0.2g/m2となるようにコーテ
ィング液を塗布し、室温で乾燥させて第一層の上に防曇
層を形成させた。
【0048】このようにして得られた多層フィルムの評
価結果を表1に示した。実施例1乃至3のフィルムは、
比較例1のフィルムに比べて、柔軟性、透明性、および
強靭性において優れていた。また、実施例のフィルム
は、保温性、透明性、防塵性およびアンチブロッキング
性にも優れていた。
【0049】
【表1】
【0050】なお、上記表1で記載した略号は以下のと
おりである。 A1:低密度ポリエチレン(商品名:スミカセンF20
8−1;MFR:1.4g/10分;密度:0.923
g/cm3;住友化学工業製) A2:エチレン/ヘキセン共重合体(商品名:スミカセ
ンE FV203;MFR:2.2g/10分;密度
0.913g/cm3;住友化学工業製) A3:エチレン/ヘキセン共重合体(商品名:スミカセ
ンE FV401;MFR:4.1g/10分;密度
0.904g/cm3;住友化学工業製) A4:エチレン/酢酸ビニル共重合体(商品名:エバテ
ートH2031;酢酸ビニル単位含有量:19重量%;
MFR:1.5g/10分;密度:0.940g/cm
3;住友化学工業製) E1:商品名:イルガノックスHP2225;チバガイ
ギー製 E2:商品名:イルガノックス1010;チバガイギー
製 F1:ヒンダードアミン系化合物(商品名:チヌビン7
83;チバガイギー製) F2:ヒンダードアミン系化合物(商品名:チヌビン4
62;チバガイギー製) F3:ヒンダードアミン系化合物(商品名:ホスタビン
N30;クラリアント製) G1:商品名:スミソーブ130;住友化学工業製 J1:リチウムアルミニウム複合水酸化物(商品名:ミズカラッ
ク;水沢化学工業製) K1:脂肪酸アミド化合物 オレイン酸アミド K2:脂肪酸アミド化合物 エチレンビスステアリン酸
アミド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/06 C08L 23/06 23/08 23/08 (72)発明者 南部 仁成 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住化プ ラステック株式会社内 Fターム(参考) 2B024 DA03 DA04 DA05 DB01 EA01 2B029 EB03 EC02 EC09 EC14 EC16 EC19 4F100 AK01D AK06A AK06C AK08A AK08B AK08C AK68A AK68B AK68C AL05A AL05B AL05C BA02 BA03 BA04 BA06 BA07 BA10A BA10C BA10D BA16 BA27 CA10D EH20 EJ37 GB01 JA06A JA06B JA06C JA13A JA13B JA13C JK01 JK13 JK17 JN01 YY00A YY00B YY00C 4J002 BB031 BB052 BB061 GA01 GF00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記第一層、第三層、および第一層と第三
    層との間にある第二層を有することを特徴とする多層フ
    ィルム。 第一層: 低密度ポリエチレンおよびエチレン/酢酸ビ
    ニル共重合体から選択される樹脂100重量部当たり1
    00〜30重量部のメルトフローレートが0.1〜10
    g/10分、密度が0.915g/cm3以下のエチレ
    ン/炭素数4〜12のα−オレフィン共重合体(A)を
    含有してなる層 第二層: エチレン/酢酸ビニル共重合体(D)、およ
    びメルトフローレートが0.1〜10g/10分、密度
    が0.915g/cm3以下のエチレン/炭素数4〜1
    2のα−オレフィン共重合体(B)を、重量比(D)/
    (B)=100/0〜0/100の割合で含有してなる
    層 第三層:低密度ポリエチレンおよびエチレン/酢酸ビニ
    ル共重合体から選択される樹脂100重量部当たり10
    0〜30重量部のメルトフローレートが0.1〜10g
    /10分、密度が0.915g/cm3以下のエチレン
    /炭素数4〜12のα−オレフィン共重合体(C)を含
    有してなる層
  2. 【請求項2】第二層とは反対側の第三層表面に防曇性被
    膜を有することを特徴とする請求項1に記載の多層フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】エチレン/α−オレフィン共重合体
    (A)、(B)および(C)の密度が0.910g/c
    3以下であることを特徴とする請求項1または2に記
    載の多層フィルム。
  4. 【請求項4】農園芸用フィルムであることを特徴とする
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の多層フィルム。
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