JP2001333476A - スピーカシステム - Google Patents

スピーカシステム

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JP2001333476A JP2000150970A JP2000150970A JP2001333476A JP 2001333476 A JP2001333476 A JP 2001333476A JP 2000150970 A JP2000150970 A JP 2000150970A JP 2000150970 A JP2000150970 A JP 2000150970A JP 2001333476 A JP2001333476 A JP 2001333476A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のダブルバスレフ方式では、1)バスレ
フ方式に比べて、中仕切板とポートが必要であり、大幅
にコストアップする、2)中仕切板のポートの機械抵抗
により、音圧の効果が小さい、との問題点を有してい
た。 【解決手段】 バスレフ方式スピーカシステムのエンク
ロージャー2の内部に、中仕切板4によりスピーカユニ
ット側とバスレフポート側に分割された2つのキャビテ
ィを備え、かつ、2つのキャビティを連結する開口部
を、中仕切板4の断面とエンクロージャー2の内壁面の
みで構成ことにより、開口部を開口端補正の効果により
ポートとして動作させることができるので、中仕切板4
の別ポートが不要になる。また、エンクロージャー2の
壁面をポートとして使用できるので、開口面積を大きく
することができ、機械抵抗を小さくすることが可能にな
る。その結果、コスト低減と、高音圧な低域再生ができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響再生機器など
に用いる高音圧な低域用スピーカシステム、いわゆるサ
ブウーハなどのスピーカシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】スピーカシステムの低域の音圧を高くす
る方式として、従来よりダブルバスレフ方式が広く知ら
れている。例えば、フォステクス株式会社から発行され
ているスピーカシステムの設計事例集である「CRAF
T HAND BOOK SPEAKER−CRAFT
−MANUAL VOL.3」の第26頁〜第29頁に
その実例が示されている。
【0003】同設計事例集に記載のスピーカシステム
は、バスレフ方式スピーカシステムのエンクロージャー
内部に、中仕切板によりスピーカユニット側とバスレフ
ポート側に分割された2つのキャビティを有し、さら
に、仕切板にもう一つのポートを有している。この2つ
のキャビティ、ポートによる共振を利用することによ
り、低域の音圧をバスレフ方式より高くすることができ
るというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成によれば以下に示す問題点が発生する。
【0005】1.ダブルバスレフ方式は、バスレフ方式
に比べて中仕切板とポートが必要であり、大幅にコスト
アップする。
【0006】2.中仕切板のポートの機械抵抗により、
音圧アップの効果が小さい。
【0007】本発明は、従来のこれらの課題を解決し、
大幅なコストアップを抑えるとともに、中仕切板ポート
の機械抵抗を小さくして低域の音圧向上を図ることを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明によ
るスピーカシステムは、バスレフ方式スピーカシステム
のエンクロージャー内部に、中仕切板によりスピーカユ
ニット側とバスレフポート側に分割された2つのキャビ
ティを具備し、かつ、前記2つのキャビティを連結する
開口部を、前記中仕切板断面とエンクロージャー内壁面
のみで構成しているものである。
【0009】この構成により、開口端補正による効果
で、開口孔だけでもポートとして働かせることができ
る。従って、中仕切板の一部に、エンクロージャー内壁
面と中仕切板断面による開口部を設けるだけで、従来の
ようなポートを設ける場合と同じ性能を得ることができ
る。
【0010】また一方、ポート内の空気の流通により、
機械抵抗が発生する。このポートの機械抵抗は、低域の
音圧を低下させる要因となる。一般的に、ポートの機械
抵抗を小さくするには、ポートの開口面積を大きくする
必要がある。さらに、ポートの開口面積を大きくして、
かつ、共振周波数を同じにするには、ポートを長くしな
ければならない。
【0011】従来のスピーカシステムにおいて、中仕切
板ポートの開口面積を大きく、また、長くするには構成
上限界がある。また、大きな中仕切板ポートを用いた場
合、エンクロージャーの実効内容積はポートの占める容
積分だけ小さくなるので、低域共振周波数が高くなって
しまう。
【0012】本発明の第2の発明によるスピーカシステ
ムでは、一般的に中仕切板に取り付けられるポートとし
ては十分に長いエンクロージャーの壁面をポートとして
機能させることができるので、従来の中仕切板ポートと
同じ共振周波数を得る場合、従来に比べて開口面積を大
きくすることができる。その結果、ポートの機械抵抗を
小さくすることが可能になり、音圧の高い低域再生を実
現できる。
【0013】また、本発明の第3の発明によるスピーカ
システムは、上記発明に加えて、開口部を構成するエン
クロージャー内壁面の全てが中仕切板と接合されている
ことを特徴とするものである。上記発明の構成では、ス
ピーカシステムの量産組み立て時に、中仕切板が接合さ
れていないエンクロージャー内壁面側へ移動した状態で
接合される可能性がある。この場合、中仕切板とエンク
ロージャー内壁部に不正規な僅かな隙間ができ、この僅
かな隙間への空気の流通により、機械抵抗の増加による
低域音圧の低下がおこると共に、風切り音が発生する。
しかしながら、本発明に示す構成にすることにより、低
域音圧低下を防ぐことができると共に、風切り音等の異
常音の発生を防止することができる。
【0014】また、本発明の第4の発明によるスピーカ
システムは、上記発明に加えて、スピーカユニットの界
磁部と中仕切板が接合されていることを特徴とするもの
である。
【0015】振動板が振動する場合、振動系の振動反作
用がスピーカユニットの界磁部に発生する。この界磁部
に発生した振動反作用により、界磁部が不要振動し、さ
らに、この振動はスピーカユニットの固定部分であるエ
ンクロージャーの前面バッフルへフレームを介して伝わ
る。その結果、前面バッフルが大きく振動し、スピーカ
ユニット以外から不要音が大きく発生する。しかしなが
ら、本発明に示す構成により、スピーカユニットの界磁
部を中仕切板にも固定することができるので、反作用に
よる振動の発生源である界磁部からの振動をエンクロー
ジャー内部の中仕切板へも伝えることができ、前面バッ
フルの不要振動を低減することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて説明する。
【0017】(実施の形態1)図1、2は実施の形態1
による低域再生用スピーカシステムの断面図である。こ
のスピーカシステムは、内寸法が幅175mm、高さ4
18mm、奥行き278mmである木製エンクロージャ
ー2に、口径17cmで直列接続された2個のスピーカ
ユニット1が取り付けられたものである。2個スピーカ
ユニットは同一仕様であり、それぞれの実効振動質量は
14g、実効振動半径は5.5cmである。また、スピ
ーカユニット1は、エンクロージャー前面下側寄りに取
り付けられている。
【0018】また、エンクロージャー背面下側には、内
径φ40、長さ50mmである第2ポート3が取り付け
られている。さらに、エンクロージャー内部には、木製
で厚み12mmである中仕切板4が配置されている。こ
の中仕切板4により総内容積19.5リットルが、スピ
ーカユニット側のキャビティ、すなわち、第1キャビテ
ィ5と、第2ポート側のキャビティ、すなわち、第2キ
ャビティ6に分割されている。また、スピーカユニット
1の取り付けバッフルの内壁面から中仕切板4の前面ま
での間隔は82mmであり、中仕切板4裏面からエンク
ロージャー背面の内壁面までの間隔は184mmであ
る。それぞれの内容積は、第1キャビティ5が6リット
ル、第2キャビティ6が13.5リットルである。ま
た、エンクロージャー上部の内壁と中仕切板4の上端断
面部により、開口面積113cm2 である開口部7が構
成されている。開口端補正の効果により開口部の実効ポ
ート長は約130mmである。中仕切板4の側面、底面
部はエンクロージャー内壁と密着しており空気の流通は
ない。なお、中仕切板4の取り付けられているエンクロ
ージャ内壁面によるエンクロージャー断面積は、732
cm2 である。
【0019】以上のように構成された本実施の形態のス
ピーカシステムの動作について説明する。図3に実施の
形態1のスピーカシステムの等価回路を示す。
【0020】また、図4、5に従来のスピーカシステム
を示す。すなわち、中仕切板14には上部に内径φ8
0、長さ30mmである第1ポート8が取り付けられて
いる。スピーカユニット1、エンクロージャー2、及
び、第2ポート3は実施の形態1によるスピーカシステ
ムと同一である。
【0021】実施の形態1によるスピーカシステムと従
来のスピーカシステムの実測音圧周波数特性とインピー
ダンス特性の比較を図6に示す。A,Cはそれぞれの音
圧周波数特性、また、B,Dはそれぞれのインピーダン
ス特性を示す。
【0022】音圧周波数特性について、本実施の形態1
の特性Aは、低域特性の平坦部の音圧は、89.5dB
であり、この音圧より−3dBである86.5dBの周
波数、すなわち、一般的にこの周波数をカットオフ周波
数と呼んでいるが、55Hzである。また一方、従来の
スピーカシステムの特性Cは、平坦部の音圧は88.5
dBで、これより−3dBの音圧の周波数、すなわち、
カットオフ周波数は55Hzで本実施の形態1のスピー
カシステムと同じである。
【0023】次に、インピーダンス特性B,Dについて
説明する。図6より、インピーダンス特性の頂点の周波
数は、低域側から、27Hz、75Hz、240Hzで
ある。これらをf1、f2、f3と呼ぶことにする。f
3/f2=3.2である。f1の共振は、第1キャビテ
ィと開口部もしくは第1ポート、スピーカユニット、お
よび、第2キャビティと第2ポートの共振によるもので
ある。また、f2の共振は、エンクロージャーのトータ
ル実効キャビティと、スピーカユニット、および、第2
ポートによる共振である。また、f3の共振は第1キャ
ビティと、スピーカユニット、および、開口部もしくは
第1ポートによる共振である。図より、それぞれの共振
周波数は同じであるが、インピーダンスの大きさが本実
施の形態によるスピーカシステムの方が大きくなってい
ることが確認できる。これは、実施の形態1に示すスピ
ーカシステムでは、エンクロージャーの壁面をポートと
して機能させることができ、開口端補正の効果により、
開口部の等価半径×2+中仕切の厚みがほぼ開口部の有
効ポート長となるので、共振周波数を高くすることなく
ポート開口面積を大きくでき、その結果、ポートの機械
抵抗が小さくなるためである。
【0024】以上のように、本実施の形態によるスピー
カシステムでは、カットオフ周波数が同じ場合でも、従
来より音圧を高くすることが可能である。
【0025】次に、本実施の形態1と同等の機械抵抗、
つまり、第1ポートの開口面積が実施の形態1と同じで
あるスピーカシステムについて述べる。
【0026】図7、8は実施の形態1によるスピーカシ
ステムと同じ開口面積である第1ポートをもつスピーカ
システムである。すなわち、内径φ120、長さは13
2mmで、厚み3mmの樹脂成形品である第1ポート1
8が中仕切板24に取り付けられている。その他の構成
は、実施の形態1によるスピーカシステムと同じであ
る。図9に実施の形態1との特性比較を示す。すなわ
ち、第1ポートの開口面積が大きいので、機械抵抗を小
さくすることができ、第1キャビティと第1ポートの共
振、すなわち、インピーダンス特性の240Hz付近の
レベルを実施の形態1によるスピーカシステムと同等に
することができる。従って、逆に実施の形態1によるス
ピーカシステムの構成の開口部は、内径φ120、長さ
は132mmのポートと等価になっていることが分か
る。このポート長さは、開口部の等価半径×2+中仕切
板の厚みに相当する。なお、他の実例においても、この
関係はほぼ同じであることが確認できている。
【0027】図7、8に示すスピーカシステムでは、大
きなポートを第2キャビティの中に設けているため、第
2キャビティの実効キャビティが小さくなる。その結
果、第2キャビティに関わる共振周波数が高くなり、7
0Hz以下の音圧が1dB程度低下し、カットオフ周波
数も58Hzと高くなる。このように、従来の構成にお
いて、第1ポートの機械抵抗を小さくして機械抵抗によ
る音圧低下を防ごうとしても、第2キャビティ、もしく
は、第1キャビティの実効容積が小さくなるので、カッ
トオフ周波数が高くなる。
【0028】次に実施の形態1によるスピーカシステム
において、第1キャビティと開口部による共振周波数の
最適範囲について説明する。
【0029】図10は、カットオフ周波数は55Hzで
同じ条件で、本発明によるスピーカシステム、及び、従
来のスピーカシステムの第1キャビティと第1ポートに
よる共振周波数f3が高い場合の実測特性の比較を示し
たものである。スピーカシステムの仕様は、いずれも、
スピーカユニット1の取り付けバッフルの内壁面から中
仕切板前面までの間隔は41mm、中仕切板裏面からエ
ンクロージャー背面の内壁面までの間隔は225mmで
ある。それぞれの内容積は、第1キャビティが3リット
ル、第2キャビティが16.5リットルである。その他
の仕様は実施の形態1によるスピーカシステムと同じで
ある。
【0030】実施の形態1によるスピーカシステムに比
べて第1キャビティの容積が小さくなることにより、第
1キャビティと開口部による共振周波数f3が高くな
る。インピーダンス特性の頂点の周波数、つまり共振周
波数は、低域側から27Hz、75Hz、390Hzで
あり、f3=390Hzである。また、f3/f2=
5.2である。
【0031】このときの音圧周波数特性G,Jである
が、本発明によるスピーカシステムと従来のスピーカシ
ステムとの差がほとんど認められない。また、インピー
ダンス特性H,Kについても、ほとんど差が認められな
くなっている。
【0032】この理由について説明する。前述のように
f3の共振周波数は、第1キャビティと開口部の大きさ
で決定される。また、f2の共振周波数は、エンクロー
ジャーのトータル実効キャビティと、スピーカユニッ
ト、および、第2ポートによる共振であり、中仕切板の
位置、開口部の形状には影響されない。ここで、f3が
高くなる条件としては、第1キャビティの容積が小さい
場合と開口部の大きさが大きい場合である。図3にダブ
ルバスレフ方式スピーカシステムの等価回路図を示す
が、前述の前者の状態は、図中のC1が小さく、かつ、
Rc1が大きくなる場合であり、また、後者の状態は、
(Sd/Sp1)2 ・Mp1が大きく、かつ、(Sd/
Sp1)2 ・Rp1が小さくなる場合である。いずれの
場合においても、C1,Rc1の部分、また、(Sd/
Sp1)2 ・Mp1,(Sd/Sp1)2 ・Rp1の部
分が無視できる状態、つまり、第1キャビティと開口部
による共振の効果が極めて小さくなるので、従来のスピ
ーカシステムに対する本発明によるスピーカシステムの
優位性がなくなる。
【0033】このように、第1キャビティと開口部によ
る共振周波数には適切な周波数範囲があることがわか
る。ここで、図3に示す等価回路により低域の音圧周波
数特性、インピーダンス特性のシミュレーションによ
り、共振周波数の適切な範囲を見出した。その結果、本
願の構成によるスピーカシステムのインピーダンスカー
ブのピーク周波数を低い方からf1、f2、f3とする
と、f3/f2≦5が適切な範囲であり、この条件から
はずれると、従来のダブルバスレフ方式のスピーカシス
テムと同等程度の性能になることが確認できた。
【0034】なお、本実施の形態1では、スピーカユニ
ットを同一仕様のものを2個使用しているが、仕様が異
なっていても、また、1個でも同等の性能が得られるこ
とは言うまでもないことである。さらに、中仕切として
厚み12mmの木材を使用しているが、厚みを変更して
も、中仕切開口面積などを変更することにより同等の性
能が得られることは言うまでもないことである。
【0035】(実施の形態2)図12は、実施の形態2
によるスピーカシステムの断面図である。すなわち、中
仕切板34は厚み12mmの木製で、上端のコーナーに
150mmのコーナーカットによる開口部17を具備し
ている。その他の仕様は実施の形態1によるスピーカシ
ステムと同じである。この構成により中仕切板34は開
口部を構成する全てのエンクロージャーの内壁面に接合
部をもつことになる。実施の形態1によるスピーカシス
テムではエンクロージャー内壁面のうち、上部内壁面に
接合部を持たないので、量産組み立て時に上方向にずれ
て固定される恐れがある。その結果、中仕切下部に僅か
な隙間ができ、この僅かな隙間に空気が流通することに
より機械抵抗が大きくなり音圧低下すると共に風切り音
等の異常音が発生する可能性がある。また、中仕切板の
ずれを防止するために、位置決め用の別部材を用いる方
法も考えられるが、部材追加と工数が増えることによる
コストアップが生じる。
【0036】しかしながら、実施の形態2によるスピー
カシステムでは、開口部を構成するエンクロージャーの
全ての内壁面に中仕切板が接合部をもつので、組み立て
時に中仕切板が不正規位置に固定されることがなく、ほ
とんどコストアップなく品質の向上ができる。
【0037】なお、実施の形態2によるスピーカシステ
ムでは、中仕切開口部を中仕切コーナーに具備している
が、図13に示すように中仕切板44上端の切り欠きに
よる開口部27をもつ構成でも同等の効果が得られるこ
とは言うまでもないことである。
【0038】(実施の形態3)図14は、実施の形態3
によるスピーカシステムの断面図である。すなわち、ス
ピーカユニット1の界磁部10と中仕切板4とは外径φ
70、厚み20mmの木製スペーサ9で接合されてい
る。その他の仕様は、実施の形態1によるスピーカシス
テムと同じである。この構成により、スピーカユニット
1はエンクロージャー前面バッフルのみでなく、エンク
ロージャー内の中仕切板にも固定される。
【0039】一般的に、振動板が振動する場合、振動系
の振動反作用が界磁部10に発生する。また、この反作
用により界磁部に不要振動が発生する。実施の形態1に
よるスピーカシステムでは、この振動系の反作用による
界磁部10の不要振動がスピーカユニットの固定部分で
あるエンクロージャーの前面バッフルへフレームを介し
て伝わる。その結果、前面バッフルが大きく振動し、ス
ピーカユニット以外から不要音が大きく発生する。しか
しながら、本実施の形態3によるスピーカユニットで
は、界磁部を中仕切板にも固定することができるので、
界磁部からの振動をエンクロージャー内部の中仕切板へ
も伝えることができ、前面バッフルの不要振動を低減す
ることが可能になる。
【0040】なお、本実施の形態3では、木製スペーサ
を使用しているが、アルミニウムなどの金属製スペーサ
を用いても同様の効果が得られることは言うまでもない
ことである。さらに、粘弾性材料によるスペーサを用い
ても同様、もしくは、更に大きな効果が得られることは
言うまでもないことである。また、スペーサを用いず、
スピーカユニット背面と中仕切板を直接固定しても同様
の効果が得られることは言うまでもないことである。
【0041】その他、本発明は、上記の例に限定される
ものではないことは言うまでもないことである。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明のスピーカシステ
ムによれば、バスレフ方式スピーカシステムのエンクロ
ージャー内部に、中仕切板によりスピーカユニット側と
バスレフポート側に分割された2つのキャビティを具備
し、かつ、前記2つのキャビティを連結する開口部を、
前記中仕切板断面とエンクロージャー内壁面のみで構成
することにより、従来のように中仕切板に別ポートを配
置した場合と同じ動作をさせることができ、中仕切板の
別ポートを省略することができる。その結果、ポート材
料費と組み立て工数の削減が可能になる。
【0043】さらに、上記の構成により、開口部の等価
半径×2+中仕切板の厚みがほぼ開口部の有効ポート長
として働き、すなわち、開口部の開口面積を大きくして
も、ポート長を長くすることができる。その結果、中仕
切板の開口部による共振周波数を高くすることなく、中
仕切板開口部の機械抵抗を小さくでき、機械抵抗による
ロスを極力小さくでき、音圧レベルを高くすることが可
能になる。
【0044】また、本発明のスピーカシステムによれ
ば、中仕切板が開口部を構成するエンクロージャーの全
ての内壁面の一部分に接合部をもつので、スピーカシス
テムの量産組み立て時に中仕切板が不正規位置に固定さ
れることがない。その結果、機械抵抗の増加による音圧
の低下や、風切り音等の異常音の発生がなく、品質の向
上が実現できる。
【0045】また、本発明のスピーカシステムによれ
ば、振動反作用の発生源であるスピーカユニットの界磁
部を直接中仕切板に固定することができるので、前面バ
ッフルの振動を抑えることができ、前面バッフルからの
不要音を低減することが可能になる。
【0046】このように、本発明のスピーカシステムは
工業的価値の大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるスピーカシステム
を示す断面図
【図2】本発明の実施の形態1によるスピーカシステム
を示すA−Aの断面図
【図3】ダブルバスレフ方式スピーカシステムの等価回
路図
【図4】従来のスピーカシステムを示す断面図
【図5】従来のスピーカシステムを示すB−Bの断面図
【図6】本発明の実施の形態1によるスピーカシステム
と従来のスピーカシステムの実測音圧周波数特性、なら
びに、インピーダンス特性を示す周波数特性図
【図7】同実施の形態1によるスピーカシステムの中仕
切板開口部と同じ開口面積のポートをもつ従来のスピー
カシステムの断面図
【図8】同実施の形態1によるスピーカシステムの中仕
切板開口部と同じ開口面積のポートをもつ従来のスピー
カシステムのC−Cの断面図
【図9】同実施の形態1によるスピーカシステムと図
7、8に示す従来のスピーカシステムの実測音圧周波数
特性、ならびに、インピーダンス特性を示す周波数特性
【図10】スピーカユニット側のキャビティが小さい場
合の本発明によるスピーカシステムと従来のスピーカシ
ステムの音圧周波数特性、ならびに、インピーダンス特
性を示す周波数特性図
【図11】本発明の実施の形態2によるスピーカシステ
ムを示す断面図
【図12】本発明の実施の形態2によるスピーカシステ
ムを示す断面図
【図13】本発明の実施の形態3によるスピーカシステ
ムを示す断面図
【符号の説明】
1 スピーカユニット 2 エンクロージャー 3 第2ポート 4、14、24、34、44 中仕切板 5 第1キャビティ 6 第2キャビティ 7、17、27 開口部 8、18 第1ポート 9 スペーサ 10 界磁部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バスレフ方式スピーカシステムのエンク
    ロージャー内部に、中仕切板によりスピーカユニット側
    とバスレフポート側に分割された2つのキャビティを具
    備し、かつ、前記2つのキャビティを連結する開口部
    を、前記中仕切板断面とエンクロージャー内壁面のみで
    構成することを特徴をするスピーカシステム。
  2. 【請求項2】 スピーカシステムのインピーダンスカー
    ブのピーク周波数を低い方からf1、f2、f3とした
    時、 エンクロージャーのトータル実効キャビティと、スピー
    カユニットと、第2ポートによりf2の共振が生じるよ
    うに構成され、 第1キャビティと、スピーカユニットと、開口部により
    f3の共振が生じるように構成され、 f3/f2≦5であることを特徴とする請求項1記載の
    スピーカシステム。
  3. 【請求項3】 開口部を構成するエンクロージャー内壁
    面は全て中仕切板と接合されていることを特徴とする請
    求項1または2記載のスピーカシステム。
  4. 【請求項4】 スピーカユニットの界磁部と中仕切板が
    接合されていることを特徴とする請求項1、2または3
    記載のスピーカシステム。
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JP2007166589A (ja) * 2005-11-15 2007-06-28 Victor Co Of Japan Ltd スピーカキャビネット及びスピーカシステム
KR101044222B1 (ko) * 2011-02-07 2011-06-23 오철환 스피커 시스템
CN110234057A (zh) * 2019-07-30 2019-09-13 深圳东原电子有限公司 一种变换扬声器内外辐射面积的方法及新型扬声器
CN110324755A (zh) * 2018-03-29 2019-10-11 深圳市国呐科技有限公司 双音腔限流压缩式音箱结构及音箱

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