JP2001329305A - 多孔質金属焼結体よりなる耐摩環 - Google Patents
多孔質金属焼結体よりなる耐摩環Info
- Publication number
- JP2001329305A JP2001329305A JP2001055320A JP2001055320A JP2001329305A JP 2001329305 A JP2001329305 A JP 2001329305A JP 2001055320 A JP2001055320 A JP 2001055320A JP 2001055320 A JP2001055320 A JP 2001055320A JP 2001329305 A JP2001329305 A JP 2001329305A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ring
- cooling cavity
- wear
- compacts
- cooling
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】エンジン用ピストンのピストンリング溝部に鋳
包まれる多孔質金属焼結体よりなる耐摩環であって、精
度が良好であって、製造コストの低減が可能なものを提
供する。 【解決手段】冷却空胴付き耐摩環(1)を、全体が冷却
空胴(3)とリング溝(4)において上下に分割された
形状の2つの圧粉体(5、6)を焼結により拡散接合し
て形成した。焼結時の圧粉体(5、6)同士のずれを防
止するため、冷却空胴(3)を形成する凹部(7、8)
に鋼管リング(9)を内装した。
包まれる多孔質金属焼結体よりなる耐摩環であって、精
度が良好であって、製造コストの低減が可能なものを提
供する。 【解決手段】冷却空胴付き耐摩環(1)を、全体が冷却
空胴(3)とリング溝(4)において上下に分割された
形状の2つの圧粉体(5、6)を焼結により拡散接合し
て形成した。焼結時の圧粉体(5、6)同士のずれを防
止するため、冷却空胴(3)を形成する凹部(7、8)
に鋼管リング(9)を内装した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピストンに鋳包ま
れる耐摩環に係り、特にディーゼルエンジン、高出力ガ
ソリンエンジンに好適な冷却空胴付き耐摩環に関する。
れる耐摩環に係り、特にディーゼルエンジン、高出力ガ
ソリンエンジンに好適な冷却空胴付き耐摩環に関する。
【0002】
【従来の技術】高速高出力のディーゼルエンジン及びガ
ソリンエンジンにはアルミ合金製ピストンが用いられる
が、アルミ合金材はピストンリング材よりも硬度が低
く、特に、燃焼圧が直接作用するトップリング溝をアル
ミ合金材で形成すると、ピストンリングとの摺動により
トップリング溝が摩耗して、アルミ合金がピストンリン
グに凝着するため、ピストンリングの動作に支障をきた
してエンジン出力が低下する等の問題が生じる。このた
め、アルミ合金製ピストンのトップリング溝部分にアル
ミ合金材とほぼ同じ熱膨張係数を有し、かつ強度の大き
な合金製耐摩環を鋳包むことが多い。
ソリンエンジンにはアルミ合金製ピストンが用いられる
が、アルミ合金材はピストンリング材よりも硬度が低
く、特に、燃焼圧が直接作用するトップリング溝をアル
ミ合金材で形成すると、ピストンリングとの摺動により
トップリング溝が摩耗して、アルミ合金がピストンリン
グに凝着するため、ピストンリングの動作に支障をきた
してエンジン出力が低下する等の問題が生じる。このた
め、アルミ合金製ピストンのトップリング溝部分にアル
ミ合金材とほぼ同じ熱膨張係数を有し、かつ強度の大き
な合金製耐摩環を鋳包むことが多い。
【0003】このような耐摩環として、特開昭64−4
1648号は、ニレジスト鋳鉄製又はステンレス鋼製の
ものを、特開平8−319504号は多孔質金属焼結体
と、その中に含浸して固化した軽金属とからなるものを
開示している。又、特開昭64−41648号は耐摩環
と冷却空胴を一体形成することを開示している。耐摩環
と冷却空胴の一体形成は、耐摩環となる部分と冷却空胴
となる部分をそれぞれ分割体として形成して両者を溶接
することにより、又は耐摩環と冷却空胴の一体化したも
のをリング溝において上下に2分割した形状の2つの分
割体を形成し、両分割体を溶接することによりなされ
る。
1648号は、ニレジスト鋳鉄製又はステンレス鋼製の
ものを、特開平8−319504号は多孔質金属焼結体
と、その中に含浸して固化した軽金属とからなるものを
開示している。又、特開昭64−41648号は耐摩環
と冷却空胴を一体形成することを開示している。耐摩環
と冷却空胴の一体形成は、耐摩環となる部分と冷却空胴
となる部分をそれぞれ分割体として形成して両者を溶接
することにより、又は耐摩環と冷却空胴の一体化したも
のをリング溝において上下に2分割した形状の2つの分
割体を形成し、両分割体を溶接することによりなされ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の分割体を溶接し
て合体した冷却空胴付き耐摩環は、溶接するときにずれ
が生じるため、精度が低いという問題があった。
て合体した冷却空胴付き耐摩環は、溶接するときにずれ
が生じるため、精度が低いという問題があった。
【0005】又、溶接は、相互に融合する溶け込み部の
境界にブローホールを形成することがあり、このブロー
ホールは鋳包み時にアルミ合金のピストンに浸入する
と、ピストンが不良鋳物となる。これを防止するため、
溶接により一体化した冷却空胴付き耐摩環は、ショット
ピーニング時のブローホールの封孔処理を施す必要があ
り、製造コストが高いという問題があった。更に、従来
の冷却空洞の冷却効果はトップリング溝にのみ有効であ
り、直ぐ下のセカンドリング溝には冷却効果が及ばない
ため、セカンドリング溝の耐摩耗性を向上することはで
きなかった。
境界にブローホールを形成することがあり、このブロー
ホールは鋳包み時にアルミ合金のピストンに浸入する
と、ピストンが不良鋳物となる。これを防止するため、
溶接により一体化した冷却空胴付き耐摩環は、ショット
ピーニング時のブローホールの封孔処理を施す必要があ
り、製造コストが高いという問題があった。更に、従来
の冷却空洞の冷却効果はトップリング溝にのみ有効であ
り、直ぐ下のセカンドリング溝には冷却効果が及ばない
ため、セカンドリング溝の耐摩耗性を向上することはで
きなかった。
【0006】本発明は上記問題を解決するためになされ
たものであって、2つ割り圧粉耐の半体を合体した後、
焼結して拡散接合により一体化した多孔質金属焼結体よ
りなる耐摩環、あるいは圧粉体を金属製冷却空胴に外嵌
した後、焼結して拡散接合により一体化した多孔質金属
焼結体よりなる冷却空胴付き耐摩環であって、精度が高
く、かつブローホールのないものを提供すること、及び
冷却効果が直ぐ下の別のリング溝にも及ぶものを提供す
ることを課題とするものである。
たものであって、2つ割り圧粉耐の半体を合体した後、
焼結して拡散接合により一体化した多孔質金属焼結体よ
りなる耐摩環、あるいは圧粉体を金属製冷却空胴に外嵌
した後、焼結して拡散接合により一体化した多孔質金属
焼結体よりなる冷却空胴付き耐摩環であって、精度が高
く、かつブローホールのないものを提供すること、及び
冷却効果が直ぐ下の別のリング溝にも及ぶものを提供す
ることを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するた
め、本発明が採用する第1の手段は、トップピストンリ
ングのリング溝において全体を上下に分割した形状の圧
粉体を合体した後、焼結して拡散接合により一体化した
多孔質金属焼結体よりなる耐摩環にしたことにある。更
にリング溝及び冷却空胴において全体を上下に分割した
形状の圧粉体を合体した後、焼結して拡散接合により一
体化した多孔質金属焼結体よりなる冷却空胴付き耐摩環
であり、又2つの分割形状圧粉体の冷却空胴を形成する
凹部に環状の金属管を内装して圧粉体を合体させると、
焼結時のずれが防止されるだけでなく、ピストン鋳包み
時の冷却空胴内への軽合金の流入も防止することができ
る。この金属管を内装しないときは、2つの分割形状圧
粉体の一方の接合面に凹部を他方の接合面にその凹部に
はまる凸部を形成し、焼結時のずれを防止することが好
ましい。
め、本発明が採用する第1の手段は、トップピストンリ
ングのリング溝において全体を上下に分割した形状の圧
粉体を合体した後、焼結して拡散接合により一体化した
多孔質金属焼結体よりなる耐摩環にしたことにある。更
にリング溝及び冷却空胴において全体を上下に分割した
形状の圧粉体を合体した後、焼結して拡散接合により一
体化した多孔質金属焼結体よりなる冷却空胴付き耐摩環
であり、又2つの分割形状圧粉体の冷却空胴を形成する
凹部に環状の金属管を内装して圧粉体を合体させると、
焼結時のずれが防止されるだけでなく、ピストン鋳包み
時の冷却空胴内への軽合金の流入も防止することができ
る。この金属管を内装しないときは、2つの分割形状圧
粉体の一方の接合面に凹部を他方の接合面にその凹部に
はまる凸部を形成し、焼結時のずれを防止することが好
ましい。
【0008】第2の手段は、圧粉体を環状又は溝形金属
製冷却空胴に外嵌した後、焼結して拡散接合により一体
化した多孔質金属焼結体よりなる冷却空胴付き耐摩環に
したことにある。更にリング溝において全体を上下に分
割した形状の圧粉体を合体した後、圧粉体を環状又は溝
形金属製冷却空胴に外嵌した後、焼結して拡散接合によ
り一体化した多孔質金属焼結体よりなる冷却空胴付き耐
摩環であり、冷却空胴としては、横断面が4角形の鋼管
リング又は横断面が溝形の鋼溝形リングあるいは接合面
がフラットであれば横断面が4角形以外の横断面形状リ
ングでも使用することができる。第3の手段は、冷却空
洞付き耐摩環の冷却空洞を直ぐ下の別のセカンドリング
溝の内側にまで延長したことにある。冷却空洞は、金属
管リング製として、耐摩環の強度を向上し、ピストンリ
ング溝と冷却空洞の間の距離を従来よりも短縮すること
が望ましい。耐摩環が溝切削を要しない2分割形状の圧
粉体の場合は、金属管リング製の冷却空洞を圧粉体に内
装して焼結することにより冷却空洞付き耐摩環とする。
耐摩環が溝切削を必要とする一体形状の圧粉体の場合
は、金属管リング製の冷却空洞に圧粉体を外嵌して焼結
し、両者を拡散接合させて冷却空洞付き耐摩環とする。
製冷却空胴に外嵌した後、焼結して拡散接合により一体
化した多孔質金属焼結体よりなる冷却空胴付き耐摩環に
したことにある。更にリング溝において全体を上下に分
割した形状の圧粉体を合体した後、圧粉体を環状又は溝
形金属製冷却空胴に外嵌した後、焼結して拡散接合によ
り一体化した多孔質金属焼結体よりなる冷却空胴付き耐
摩環であり、冷却空胴としては、横断面が4角形の鋼管
リング又は横断面が溝形の鋼溝形リングあるいは接合面
がフラットであれば横断面が4角形以外の横断面形状リ
ングでも使用することができる。第3の手段は、冷却空
洞付き耐摩環の冷却空洞を直ぐ下の別のセカンドリング
溝の内側にまで延長したことにある。冷却空洞は、金属
管リング製として、耐摩環の強度を向上し、ピストンリ
ング溝と冷却空洞の間の距離を従来よりも短縮すること
が望ましい。耐摩環が溝切削を要しない2分割形状の圧
粉体の場合は、金属管リング製の冷却空洞を圧粉体に内
装して焼結することにより冷却空洞付き耐摩環とする。
耐摩環が溝切削を必要とする一体形状の圧粉体の場合
は、金属管リング製の冷却空洞に圧粉体を外嵌して焼結
し、両者を拡散接合させて冷却空洞付き耐摩環とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明を図面に示す第1実施例に
基づいて説明する。
基づいて説明する。
【0010】図1は第1実施例の冷却空胴付き耐摩環の
横断面である。冷却空胴付き耐摩環は、多孔質金属焼結
体2と、円形断面の鋼管リング9からなる。焼結体2
は、冷却空胴3とリング溝4において上下に分割した形
状の圧粉体5、6からなり、2つの圧粉体5、6は冷却
空胴3を形成する空胴用凹部7、8を有する。冷却空胴
3に鋼管リング9をはめて2つの圧粉体5、6を合体し
て焼結し、拡散接合により2つの圧粉体5、6と冷却空
胴3の鋼管リング9が一体化した冷却空胴付き耐摩環1
を形成する。
横断面である。冷却空胴付き耐摩環は、多孔質金属焼結
体2と、円形断面の鋼管リング9からなる。焼結体2
は、冷却空胴3とリング溝4において上下に分割した形
状の圧粉体5、6からなり、2つの圧粉体5、6は冷却
空胴3を形成する空胴用凹部7、8を有する。冷却空胴
3に鋼管リング9をはめて2つの圧粉体5、6を合体し
て焼結し、拡散接合により2つの圧粉体5、6と冷却空
胴3の鋼管リング9が一体化した冷却空胴付き耐摩環1
を形成する。
【0011】焼結時に、鋼管リング9は、2つの圧粉体
5、6のずれを防止するから、冷却空胴付き耐摩環1の
精度は良好である。又、鋳包み時に軽合金が鋼管リング
9の内部に浸入することはないから、冷却空胴3が浸入
する軽合金によって閉塞するおそれは全くない。拡散接
合により形成した冷却空胴付き耐摩環1は、溶接により
形成したものとは異なり、ブローホールがないから、封
孔処理は不要となり、製造コストは低減する。
5、6のずれを防止するから、冷却空胴付き耐摩環1の
精度は良好である。又、鋳包み時に軽合金が鋼管リング
9の内部に浸入することはないから、冷却空胴3が浸入
する軽合金によって閉塞するおそれは全くない。拡散接
合により形成した冷却空胴付き耐摩環1は、溶接により
形成したものとは異なり、ブローホールがないから、封
孔処理は不要となり、製造コストは低減する。
【0012】
【実施例】次に、図面に示す他の実施例を説明する。
【0013】図2は第2実施例の横断面図であり、冷却
空胴付き耐摩環11は多孔質金属焼結体12のみからな
る。焼結体12は冷却空胴13とリング溝14において
上下に分割した形状の2つの圧粉体15、16を焼結し
て拡散接合したものである。2つの圧粉体15、16は
合体して冷却空胴13を形成する凹部17、18を有す
る。圧粉体15、16の一方は接合面に円弧状凹部19
を、他方はその円弧状凹部7と嵌合する円弧状凸部20
を有する。この円弧状凹部19と円弧状凸部20は焼結
時に嵌合して2つの圧粉体15、16のずれを防止する
から、焼結してなる冷却空胴付き耐摩環11の精度は良
好である。この冷却空胴付き耐摩環11もブローホール
を発生しないから、封孔処理は不要であり低コストで製
造することができる。なお、焼結体12は冷却空胴13
を省略することもできる。
空胴付き耐摩環11は多孔質金属焼結体12のみからな
る。焼結体12は冷却空胴13とリング溝14において
上下に分割した形状の2つの圧粉体15、16を焼結し
て拡散接合したものである。2つの圧粉体15、16は
合体して冷却空胴13を形成する凹部17、18を有す
る。圧粉体15、16の一方は接合面に円弧状凹部19
を、他方はその円弧状凹部7と嵌合する円弧状凸部20
を有する。この円弧状凹部19と円弧状凸部20は焼結
時に嵌合して2つの圧粉体15、16のずれを防止する
から、焼結してなる冷却空胴付き耐摩環11の精度は良
好である。この冷却空胴付き耐摩環11もブローホール
を発生しないから、封孔処理は不要であり低コストで製
造することができる。なお、焼結体12は冷却空胴13
を省略することもできる。
【0014】図3は第3実施例の横断面図である。第3
実施例の冷却空胴付き耐摩環21は、多孔質金属焼結体
22と鋼管製の冷却空胴23とからなる。焼結体22は
リング溝24において上下に分割した形状の圧粉体2
5、26からなり、圧粉体25の接合面にはV形凹部2
7が、圧粉体26の接合面にはV形凹部27にはまるV
形凸部28がそれぞれ形成されている。冷却空胴23は
4角形横断面の鋼管を環状に加工した鋼管リング29で
ある。V形凹部27とV形凸部28を嵌合させて圧粉体
25、26を合体し、合体した圧粉体25、26を鋼管
リング29の冷却空胴23に外嵌した状態で焼結し、3
者を一体に拡散接合して冷却空胴付き耐摩環21を形成
する。焼結時にV形凹部27とV形凸部28が圧粉体2
5、26のずれを規制するから、精度は良好である。鋼
管29の冷却空胴23は、鋳包み時に軽合金が内部に浸
入することを防止するから、冷却空胴23が浸入した軽
合金で閉塞するおそれはない。拡散接合であるから、ブ
ローホールの発生はなく、封孔処理も不要である。
実施例の冷却空胴付き耐摩環21は、多孔質金属焼結体
22と鋼管製の冷却空胴23とからなる。焼結体22は
リング溝24において上下に分割した形状の圧粉体2
5、26からなり、圧粉体25の接合面にはV形凹部2
7が、圧粉体26の接合面にはV形凹部27にはまるV
形凸部28がそれぞれ形成されている。冷却空胴23は
4角形横断面の鋼管を環状に加工した鋼管リング29で
ある。V形凹部27とV形凸部28を嵌合させて圧粉体
25、26を合体し、合体した圧粉体25、26を鋼管
リング29の冷却空胴23に外嵌した状態で焼結し、3
者を一体に拡散接合して冷却空胴付き耐摩環21を形成
する。焼結時にV形凹部27とV形凸部28が圧粉体2
5、26のずれを規制するから、精度は良好である。鋼
管29の冷却空胴23は、鋳包み時に軽合金が内部に浸
入することを防止するから、冷却空胴23が浸入した軽
合金で閉塞するおそれはない。拡散接合であるから、ブ
ローホールの発生はなく、封孔処理も不要である。
【0015】図4は第4実施例の横断面図である。第4
実施例の冷却空胴33は溝形鋼材を環状に加工した溝形
リング39であり、溝形の両側は対称ではなく、一方が
他方よりも少し長い。焼結体32はリング溝34におい
て上下に分割した形状の2つの圧粉体35、36からな
り、接合面には相互に嵌合する凹部37と凸部38を備
える。一方の圧粉体35は溝形リング39の短い側部に
当接し、他方の圧粉体36は溝形リング39の長い側部
の端がはまる段部10を有する。2つの圧粉体35、3
6と冷却空胴33は焼結により拡散接合して一体の冷却
空胴着き耐摩環31を形成する。冷却空胴33は一方が
焼結体32で三方が溝形リング39であるから、その一
方から鋳包み時に軽合金が内部に浸入しても、その量は
僅かであり、内部が閉塞するおそれはない。第4実施例
の他の効果は第3実施例と同じである。
実施例の冷却空胴33は溝形鋼材を環状に加工した溝形
リング39であり、溝形の両側は対称ではなく、一方が
他方よりも少し長い。焼結体32はリング溝34におい
て上下に分割した形状の2つの圧粉体35、36からな
り、接合面には相互に嵌合する凹部37と凸部38を備
える。一方の圧粉体35は溝形リング39の短い側部に
当接し、他方の圧粉体36は溝形リング39の長い側部
の端がはまる段部10を有する。2つの圧粉体35、3
6と冷却空胴33は焼結により拡散接合して一体の冷却
空胴着き耐摩環31を形成する。冷却空胴33は一方が
焼結体32で三方が溝形リング39であるから、その一
方から鋳包み時に軽合金が内部に浸入しても、その量は
僅かであり、内部が閉塞するおそれはない。第4実施例
の他の効果は第3実施例と同じである。
【0016】なお、焼結体22、32として、分割形状
の圧粉体25、26、35、36を用いる代わりに分割
形状でない一体形状のものを用いることもできる。一体
形状の場合はリング溝24、34を省略する。
の圧粉体25、26、35、36を用いる代わりに分割
形状でない一体形状のものを用いることもできる。一体
形状の場合はリング溝24、34を省略する。
【0017】図5は第5実施例の冷却空洞付き耐摩環の
横断面である。冷却空洞付き耐摩環41は、多孔質金属
焼結体42と、円形断面の鋼管リング49からなる。焼
結体42は、冷却空洞43とリング溝44において上下
に分割した形状の圧粉体45、56からなり、2つの圧
粉体45、56は下方に延長する冷却空洞43を形成す
る空洞用凹部47、48を有する。冷却空洞43に同じ
く下方に延長する鋼管リング49をはめて2つの圧粉体
45、46を合体して焼結し、拡散接合により一体化し
た冷却空洞付き耐摩環41を形成する。この冷却空洞4
3と、そこに内装された鋼管リング49は、直ぐ下のセ
カンドリング溝102の内側に達する横断面を有するか
ら、冷却効果はセカンドリング溝102にも及ぶ。その
結果、セカンドリング溝の耐摩耗性が向上する。上記以
外の構成及び効果は第1実施例と同じである。
横断面である。冷却空洞付き耐摩環41は、多孔質金属
焼結体42と、円形断面の鋼管リング49からなる。焼
結体42は、冷却空洞43とリング溝44において上下
に分割した形状の圧粉体45、56からなり、2つの圧
粉体45、56は下方に延長する冷却空洞43を形成す
る空洞用凹部47、48を有する。冷却空洞43に同じ
く下方に延長する鋼管リング49をはめて2つの圧粉体
45、46を合体して焼結し、拡散接合により一体化し
た冷却空洞付き耐摩環41を形成する。この冷却空洞4
3と、そこに内装された鋼管リング49は、直ぐ下のセ
カンドリング溝102の内側に達する横断面を有するか
ら、冷却効果はセカンドリング溝102にも及ぶ。その
結果、セカンドリング溝の耐摩耗性が向上する。上記以
外の構成及び効果は第1実施例と同じである。
【0018】図6は第6実施例の横断面図である。第6
実施例の冷却空洞付き対摩環51は、多孔質金属焼結体
52と鋼管製の冷却空洞53とからなる。焼結体52は
リング溝未加工の一体形状の圧粉体55からなる。冷却
空洞53は下方に長い4角形横断面の鋼管を環状に加工
した鋼管リング59である。圧粉体55を鋼管リング5
9の冷却空洞53に外嵌した状態で焼結し、両者を一体
に拡散接合して冷却空洞付き対摩環51を形成する。こ
の鋼管リング59は、図外のセカンドリング溝の内側に
まで延長し、その冷却効果はセカンドリング溝にまで及
ぶから、セカンドリング溝の耐摩耗性を向上させること
ができる。
実施例の冷却空洞付き対摩環51は、多孔質金属焼結体
52と鋼管製の冷却空洞53とからなる。焼結体52は
リング溝未加工の一体形状の圧粉体55からなる。冷却
空洞53は下方に長い4角形横断面の鋼管を環状に加工
した鋼管リング59である。圧粉体55を鋼管リング5
9の冷却空洞53に外嵌した状態で焼結し、両者を一体
に拡散接合して冷却空洞付き対摩環51を形成する。こ
の鋼管リング59は、図外のセカンドリング溝の内側に
まで延長し、その冷却効果はセカンドリング溝にまで及
ぶから、セカンドリング溝の耐摩耗性を向上させること
ができる。
【0019】
【発明の効果】上記のとおり、本発明の耐摩環は、リン
グ溝において全体を上下に2分した形状の圧粉体、又は
冷却空胴とリング溝において上下に2分した形状の2つ
の圧粉体、あるいは圧粉体と金属製冷却空胴とを拡散接
合してなり、更にはリング溝において上下に2分した形
状の2つの圧粉体と、冷却空胴を形成する金属管又は金
属溝形リングを拡散接合してなるから、従来の溶接接合
してなるものに比べると、精度が良好であり、溶接によ
るブローホールの発生がないため、封孔処理が不要にな
り、製造コストが低減するという優れた効果を奏する。
特に、圧粉体の接合面に凹凸係合を設けたもの、又は圧
粉体の冷却空胴を形成するための凹部に環状の金属管を
はめたものは、焼結時のずれが規制されて精度がさらに
向上するという格別の効果を奏する。又、冷却空洞をセ
カンドピストンリング溝の内側に延長したものは、冷却
効果がセカンドピストンリング溝にまで及ぶため、セカ
ンドピストンリング溝の耐摩耗性が向上するという効果
を奏する。
グ溝において全体を上下に2分した形状の圧粉体、又は
冷却空胴とリング溝において上下に2分した形状の2つ
の圧粉体、あるいは圧粉体と金属製冷却空胴とを拡散接
合してなり、更にはリング溝において上下に2分した形
状の2つの圧粉体と、冷却空胴を形成する金属管又は金
属溝形リングを拡散接合してなるから、従来の溶接接合
してなるものに比べると、精度が良好であり、溶接によ
るブローホールの発生がないため、封孔処理が不要にな
り、製造コストが低減するという優れた効果を奏する。
特に、圧粉体の接合面に凹凸係合を設けたもの、又は圧
粉体の冷却空胴を形成するための凹部に環状の金属管を
はめたものは、焼結時のずれが規制されて精度がさらに
向上するという格別の効果を奏する。又、冷却空洞をセ
カンドピストンリング溝の内側に延長したものは、冷却
効果がセカンドピストンリング溝にまで及ぶため、セカ
ンドピストンリング溝の耐摩耗性が向上するという効果
を奏する。
【図1】本発明第1実施例の冷却空胴付き耐摩環の横断
面図、
面図、
【図2】第2実施例の図1に相当する図、
【図3】第3実施例の図1に相当する図、
【図4】第4実施例の図1に相当する図、
【図5】第5実施例の図1に相当する図、
【図6】第6実施例の図1に相当する図、
1、11、21、31、41、51:冷却空胴付き耐摩
環 2、12、22、32、42、52:焼結体 3、13、23、33、43、53:冷却空胴 4、14、24、34、44:リング溝 5、6、15、16、25、26、35、36、45、
46、55:圧粉体 7、8、17、18、47、48:空胴用凹部 9、29、49,59:鋼管リング 10:段部 19:凹部 20:凸部 27、37:凹部 28、38:凸部 29、39:溝形リング 102:セカンドリング溝
環 2、12、22、32、42、52:焼結体 3、13、23、33、43、53:冷却空胴 4、14、24、34、44:リング溝 5、6、15、16、25、26、35、36、45、
46、55:圧粉体 7、8、17、18、47、48:空胴用凹部 9、29、49,59:鋼管リング 10:段部 19:凹部 20:凸部 27、37:凹部 28、38:凸部 29、39:溝形リング 102:セカンドリング溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02F 3/00 302 F02F 3/00 302Z 3/22 3/22 A F16J 1/01 F16J 1/01
Claims (10)
- 【請求項1】 リング溝において全体が上下に分割され
た形状の2つの圧粉体を合体して焼結し、拡散接合によ
り一体化したことを特徴とする多孔質金属焼結体よりな
る耐摩環。 - 【請求項2】 2つの圧粉体(5、6、15、16、4
5、46)はリング溝(4、14、44)及び冷却空胴
(3、13、43)において全体が上下に分割した形状
であり、前記圧粉体同士を焼結し、拡散接合して冷却空
胴を設けたことを特徴とする請求項1記載の耐摩環。 - 【請求項3】 2つの圧粉体(5、6、45、46)の
冷却空胴を形成する凹部(7、8、47、48)に環状
の金属管(9、49)が内装されたことを特徴とする請
求項2記載の耐摩環。 - 【請求項4】 圧粉体を環状又は溝形金属製冷却空胴に
外嵌した後、前記圧粉体及び冷却空胴を焼結して拡散接
合により一体化したことを特徴とする多孔質金属焼結体
よりなる冷却空胴付き耐摩環。 - 【請求項5】 多孔質金属焼結体(22、32)と、管
型又は溝型金属リング(29、39)からなる冷却空胴
(23、33)を備えた冷却空胴付き耐摩環(21、3
1)であって、前記焼結体はリング溝(24、34)に
おいて上下に分割された形状の2つの圧粉体(25、2
6、35、36)からなり、2つの前記圧粉体は前記冷
却空胴に外嵌され、前記圧粉体同士及び前記冷却空胴は
焼結により拡散接合することを特徴とする冷却空胴付き
耐摩環。 - 【請求項6】 2つの圧粉体(15、16、25、2
6、35、36)の一方の接合面に凹部(19、27、
37)が、他方の接合面に前記凹部に嵌合する凸部(2
0、28、38)がそれぞれ形成されたことを特徴とす
る請求項2又は5記載の冷却空胴付き耐摩環。 - 【請求項7】 冷却空胴(23)は横断面が4角形の鋼
管リング(29)であることを特徴とする請求項5記載
の冷却空胴付き耐摩環。 - 【請求項8】 冷却空洞(33)は横断面が両側部の一
方が他方よりも長い鋼製溝形リング(39)であり、圧
粉体の一方(36)に前記溝形リングの長い側部の端部
がはまる段部(10)が形成されたことを特徴とする請
求項5記載の冷却空胴付き耐摩環。 - 【請求項9】 冷却空洞(43)と環状の金属管(4
9)は直ぐ下の別のリング溝の内側まで延長する横断面
を有することを特徴とする請求項3記載の耐摩環。 - 【請求項10】 多孔質金属焼結体(52)と、環状の
金属管(59)からなる冷却空胴(53)とを備えた冷
却空胴付き耐摩環(51)であって、前記焼結体は一体
形状の圧粉体(55)からなり、前記圧粉体は前記冷却
空胴に外嵌され、前記圧粉体と環状の前記金属管は焼結
により拡散接合し、環状の前記金属管は直ぐ下の別のリ
ング溝の内側まで延長する横断面を有することを特徴と
する冷却空胴付き耐摩環。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001055320A JP2001329305A (ja) | 2000-02-29 | 2001-02-28 | 多孔質金属焼結体よりなる耐摩環 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000052807 | 2000-02-29 | ||
JP2000059859 | 2000-03-06 | ||
JP2000-52807 | 2000-03-06 | ||
JP2000-59859 | 2000-03-06 | ||
JP2001055320A JP2001329305A (ja) | 2000-02-29 | 2001-02-28 | 多孔質金属焼結体よりなる耐摩環 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001329305A true JP2001329305A (ja) | 2001-11-27 |
Family
ID=27342506
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001055320A Pending JP2001329305A (ja) | 2000-02-29 | 2001-02-28 | 多孔質金属焼結体よりなる耐摩環 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001329305A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102006043301A1 (de) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Mahle International Gmbh | Ringträger und Verfahren zu seiner Herstellung |
DE102006043302A1 (de) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Mahle International Gmbh | Ringträger und Verfahren zu seiner Herstellung |
KR100821056B1 (ko) | 2007-04-25 | 2008-04-08 | 대한소결금속 주식회사 | 이종소재의 마찰접합 방법 |
JP2008240853A (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-09 | Toyota Motor Corp | 軸連結構造体の製造方法及び軸連結構造体 |
-
2001
- 2001-02-28 JP JP2001055320A patent/JP2001329305A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102006043301A1 (de) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Mahle International Gmbh | Ringträger und Verfahren zu seiner Herstellung |
DE102006043302A1 (de) * | 2006-09-14 | 2008-03-27 | Mahle International Gmbh | Ringträger und Verfahren zu seiner Herstellung |
JP2008240853A (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-09 | Toyota Motor Corp | 軸連結構造体の製造方法及び軸連結構造体 |
KR100821056B1 (ko) | 2007-04-25 | 2008-04-08 | 대한소결금속 주식회사 | 이종소재의 마찰접합 방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7721431B2 (en) | Method of making a piston | |
US7421782B2 (en) | Method for manufacturing internal combustion engine piston | |
EP0261726B1 (en) | Pistons | |
US5755028A (en) | Process for producing engine cylinder blocks | |
JP2007270813A (ja) | 内燃機関用ピストン | |
EP2301691A2 (en) | Cylinder liner and engine | |
JP2007270812A (ja) | 内燃機関用ピストン | |
JPH0419345A (ja) | 内燃機関用のシリンダブロック、およびそれを製造する方法 | |
JPH09151782A (ja) | シリンダブロックの製造方法 | |
JP2016511367A (ja) | 溶接ピストンアセンブリ | |
JPH07189803A (ja) | 複合金属ピストンと複合の挿入体及びピストンを構成する方法 | |
US6499387B2 (en) | Unified multi-piece piston and method of manufacture | |
EP1052435B1 (en) | Piston ring carrier with cooling cavity and method of manufacturing the same | |
US20050150476A1 (en) | Combination of cylinder liners consisting of a light metal alloy | |
US4387627A (en) | Piston ring groove reinforcement | |
JP2001329305A (ja) | 多孔質金属焼結体よりなる耐摩環 | |
JP4746874B2 (ja) | 軽合金製シリンダライナの組成体 | |
JPH05240347A (ja) | エンジン用ピストン耐摩環 | |
JPS60166157A (ja) | ピストンヘツドの製作方法 | |
US20040060684A1 (en) | Process for producing a cylinder block with a sleeve | |
JP2005534498A (ja) | 軽金属合金からなる中空形材の鋳造結合体 | |
US7543556B2 (en) | Cylinder crankcase comprising a cylinder liner | |
JPH02301650A (ja) | 内燃機関用ピストン及びその製造方法 | |
JPH0610757A (ja) | セラミックライナを持つシリンダボディ及びその製造方法 | |
US20040194621A1 (en) | Lower part for a multi piece piston |