JP2001318085A - 肉盛管の検査方法 - Google Patents

肉盛管の検査方法

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JP2001318085A JP2000135051A JP2000135051A JP2001318085A JP 2001318085 A JP2001318085 A JP 2001318085A JP 2000135051 A JP2000135051 A JP 2000135051A JP 2000135051 A JP2000135051 A JP 2000135051A JP 2001318085 A JP2001318085 A JP 2001318085A
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Ryuzo Yamada
龍三 山田
Takao Hiyamizu
孝夫 冷水
Koji Horio
浩次 堀尾
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Daido Steel Co Ltd
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

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  • Length Measuring Devices Characterised By Use Of Acoustic Means (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 粗大結晶粒組織を有する金属管に異種金属を
肉盛りした肉盛管を超音波探傷法により検査する場合に
おいて、明確な反射エコーが得られる肉盛管の検査方法
を提供すること。また、肉盛管の接合界面における欠陥
の有無、あるいは、肉盛厚さを確実に検出することが可
能な肉盛管の検査方法を提供すること。 【解決手段】 粗大結晶粒組織を有する金属管12の外
面又は内面に異種金属14を肉盛りした肉盛管10に超
音波を入射し、反射エコーの大きさを検出する場合にお
いて、広帯域特性を有する縦波超音波、特に、周波数3
〜4MHzの広帯域特性を有する縦波超音波を用いる。
また、肉盛管10の接合面における欠陥の有無を検査す
る場合、金属管12の管厚に応じて、欠陥エコーを検出
するためのゲート位置を変化させる。また、肉盛り前に
測定された金属管12の管厚と、肉盛り後に測定された
肉盛管10の管厚の差から、肉盛厚さを求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肉盛管の検査方法
に関し、さらに詳しくは、プラント用鋼管、ラインパイ
プ、油井管等、金属管の外面又は内面に異種金属を肉盛
りした肉盛管の接合界面に発生した欠陥の有無の検査及
び肉盛り厚さの計測に好適な肉盛管の検査方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】過酷な条件下で使用される金属管には、
強度、耐食性、耐熱疲労性等、複数の特性を満足するこ
とが求められる。単一の材料からなる金属管でこのよう
な複数の特性を両立させるのは困難であることから、こ
のような場合には、金属管の外面又は内面に異種金属を
肉盛りした肉盛管が用いられる。例えば、強固な結晶組
織を有する遠心鋳造管の内面に、耐食性向上を目的とし
て厚さ数mmの異種金属を肉盛りした肉盛管は、耐食性
と耐熱疲労性を兼ね備えていることから、熱分解炉など
の化学プラントへの応用が期待されている。
【0003】肉盛管は、肉盛溶接法により製造される
が、高い要求特性を満足させるためには、金属管と異種
金属の接合界面に欠陥がないこと及び肉盛厚さが所定の
厚さ以上であることが求められる。従って、肉盛管の品
質を保証するためには、接合界面における欠陥の有無及
び肉盛厚さを非破壊で検査する必要がある。このような
検査には、一般に、周波数1〜15MHz程度の超音波
を用いた超音波探傷法が用いられる。
【0004】また、肉盛管の全面に渡って欠陥の有無を
検査する場合において、常時、反射エコーの大きさを監
視するのは、膨大なメモリーを必要とし、実用的ではな
い。そのため、通常は、超音波を入射させてから所定時
間が経過した後に所定時間間隔の監視領域(以下、これ
を「ゲート」という。)を設定し、ゲート内の最大出力
が、あるしきい値を超えたか否かによって、欠陥の有無
を判定する方法が採られる。このゲートの設定方式とし
ては、表面エコー同期方式と、ディレーゲート方式が知
られている。表面エコー同期方式は、表面エコーが観測
されてから一定時間が経過した後にゲートを設定する方
式である。一方、ディレーゲート方式は、超音波を送信
してから一定時間が経過した後にゲートを設定する方式
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、遠心鋳造管のように、金属管の結晶粒径が大きい場
合に超音波の周波数を高くすると、粒界における超音波
の散乱が大きくなり、反射エコーが得られないという問
題がある。一方、超音波の周波数を下げると、分解能が
低下し、測定精度が低下するという問題がある。
【0006】また、ゲートの設定方式として表面エコー
同期方式を採用する場合、金属管の管厚が一定であるこ
とが前提となる。そのため、金属管の管厚が一定してい
ない場合には、ゲートが接合界面からはずれ、欠陥エコ
ーが得られないという問題がある。一方、ディレーゲー
ト方式は、金属管と超音波探触子との間の距離が一定で
あることが前提となる。そのため、仮に金属管の管厚が
一定であっても、不可抗力により金属管と超音波探触子
との間の距離が変動すると、ゲートが接合界面からはず
れ、欠陥エコーが得られないという問題がある。
【0007】さらに、金属管と肉盛金属の間の音響イン
ピーダンスの差は一般に小さいので、肉盛管に対して超
音波を入射させても、接合状態が良好である接合界面か
らの反射エコーは得られない。そのため、超音波探傷法
を用いて、肉盛厚さを直接求めるのは困難である。
【0008】本発明が解決しようとする課題は、粗大結
晶粒組織を有する金属管に異種金属を肉盛りした肉盛管
を超音波探傷法により検査する場合において、明確な反
射エコーが得られる肉盛管の検査方法を提供することに
ある。
【0009】また、本発明が解決しようとする他の課題
は、金属管の管厚が一定していない場合、あるいは、肉
盛管と超音波探触子との間の距離が一定していない場合
であっても、接合界面における欠陥の有無を確実に検出
することが可能な肉盛管の検査方法を提供することにあ
る。
【0010】さらに、本発明が解決しようとする他の課
題は、金属管と肉盛金属との間の音響インピーダンスの
差が小さい場合であっても、肉盛厚さを正確に計測可能
な肉盛管の検査方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、金属管の外面又は内面に異種金属を肉盛
りした肉盛管に対して超音波を入射し、反射エコーの大
きさを検出する反射エコー検出工程を備えた肉盛管の検
査方法において、前記金属管は、粗大結晶粒組織を有
し、前記超音波として、広帯域特性を有する縦波超音波
を用いたことを要旨とするものである。この場合、前記
超音波は、その周波数が3〜4MHzであることが望ま
しい。
【0012】また、本発明の2番目は、金属管の外面又
は内面に異種金属を肉盛りした肉盛管に対して超音波を
入射し、反射エコーの大きさを検出する反射エコー検出
工程を備えた肉盛管の検査方法において、前記反射エコ
ー検出工程は、前記金属管と前記異種金属の界面に生成
した欠陥に起因する欠陥エコーを検出するものであり、
肉盛り前に測定された前記金属管の管厚に応じて、前記
欠陥エコーを検出するためのゲート位置を変化させるゲ
ート位置調節工程をさらに備えていることを要旨とする
ものである。
【0013】さらに、本発明の3番目は、金属管の外面
又は内面に異種金属を肉盛りした肉盛管に対して超音波
を入射し、反射エコーの大きさを検出する反射エコー検
出工程を備えた肉盛管の検査方法において、前記反射エ
コー検出工程は、前記肉盛管の表面反射に起因する表面
エコー及び底面反射に起因する底面エコーを検出するも
のであり、肉盛り前に測定された前記金属管の管厚と、
前記表面エコー及び前記底面エコーの到達時間の差から
求めた前記肉盛管の管厚との差から、前記肉盛管の肉盛
厚さを求める肉盛厚さ算出工程をさらに備えていること
を要旨とするものである。
【0014】粗大結晶粒組織を有する金属管の外面又は
内面に異種金属を肉盛りした肉盛管を超音波探傷法によ
り検査する場合において、広帯域特性を有する縦波超音
波、特に、周波数3〜4MHzの広帯域特性を有する縦
波超音波を使用すると、分解能を高く維持したまま、粒
界における超音波の散乱を抑制することができる。その
ため、明確な反射エコーが得られ、欠陥の有無及び肉盛
厚さを高い精度で検査することができる。
【0015】また、予め測定された金属管の管厚に応じ
て、ゲート位置を変化させると、金属管の管厚が一定し
ていない場合、あるいは、肉盛管と超音波探触子との間
の距離が変動する場合であっても、接合面に発生した欠
陥に起因する欠陥エコーを確実に検出することができ
る。
【0016】さらに、肉盛り後に前記肉盛管に超音波を
入射し、表面エコー及び底面エコーの到達時間の差から
前記肉盛管の管厚を測定し、肉盛り前の金属管の管厚
と、肉盛管の管厚との差を求めれば、金属管と異種金属
の間の音響インピーダンスの差が小さい場合であって
も、肉盛厚さを容易かつ正確に求めることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る肉盛管の検
査方法について詳細に説明する。本発明の第1の実施の
形態に係る肉盛管の検査方法は、粗大結晶粒組織を有す
る金属管の外面又は内面に異種金属を肉盛りした肉盛管
に超音波を入射し、反射エコーの大きさを検出する場合
において、広帯域特性を有する縦波超音波を用いたこと
を特徴とするものである。
【0018】この場合、使用する超音波の周波数は、3
〜4MHzが特に好適である。超音波の周波数が低周波
側、特に、3MHz未満であると、反射エコーの分解能
が低下していくので好ましくない。また、周波数が高周
波側、特に、4MHzを超えると、粒界における散乱に
よって超音波が大きく減衰する傾向を示し、明確な反射
エコーが得られないので好ましくない。さらに、周波数
が適正であっても、狭帯域特性を有する超音波を用いる
と、肉盛管の肉厚方向の分解能が低下するので好ましく
ない。
【0019】また、異種金属が肉盛られる金属管は、結
晶粒径が100〜1000μmであるもの(例えば、遠
心鋳造管など。)が好適である。このような粗大結晶粒
組織を有する金属管を備えた肉盛管に対して本発明を適
用すると、従来の方法に比して、反射エコーの検出精度
が向上するという利点がある。
【0020】図1に、粗大結晶粒組織を有する金属管に
対して超音波を入射したときの、超音波の周波数特性と
反射エコーの関係を示す。なお、図1において、「表面
エコー」とは、超音波の入射面から反射される反射エコ
ーをいい、「底面エコー」とは、超音波の入射面とは反
対側の面から反射される反射エコーをいう。また、「欠
陥エコー」とは、接合面に発生した欠陥から反射される
反射エコーをいう。
【0021】図1(a)に示すように、金属管が粗大結
晶粒組織を有する場合において、周波数が3MHz未満
の狭帯域特性を有する縦波超音波を使用すると、底面エ
コーは得られるが、底面エコーのパルス幅が広くなり、
分解能が低下する。そのため、このような金属管に異種
金属を肉盛りした場合において、肉盛厚さが薄いときに
は、欠陥エコーと底面エコーとを明確に分離するのが困
難となる。
【0022】一方、図1(b)に示すように、周波数が
4MHzを超える狭帯域特性を有する縦波超音波を使用
すると、超音波の減衰が大きくなり、底面エコーが明確
に得られない。そのため、特に、金属管と異種金属の接
合界面に発生した小さな欠陥に起因する欠陥エコーを検
出するのが困難となる。
【0023】これに対し、図1(c)に示すように、周
波数が3〜4MHzの広帯域特性を有する縦波超音波を
使用すると、分解能の高い底面エコーが得られる。ま
た、超音波の減衰が抑制されるので、多重反射に起因す
る底面エコーも検出することができる。そのため、金属
管が粗大結晶粒組織を有するものである場合、あるい
は、肉盛厚さが薄い場合であっても、欠陥エコーと底面
エコーを明確に分離できる。また、高感度が得られるの
で、欠陥の大きさが小さい場合であっても、欠陥の有無
を高精度で検出することができる。
【0024】次に、本発明の第2の実施の形態に係る検
査方法について説明する。本実施の形態に係る検査方法
は、金属管の外面又は内面に異種金属を肉盛りした肉盛
管に超音波を入射し、金属管と異種金属の接合界面に生
成した欠陥に起因する欠陥エコーを検出する場合におい
て、肉盛り前に測定された金属管の管厚に応じて、欠陥
エコーを検出するためのゲート位置を変化させることを
特徴とするものである。
【0025】まず、肉盛り前の金属管の管厚を、金属管
の円周方向及び長手方向について計測する。管厚の計測
方法は、特に限定されるものではないが、金属管に対し
て垂直に超音波を入射し、金属管の表面エコー及び底面
エコーの到達時間の差を計測し、その差から管厚を求め
ると良い。この場合、超音波は、金属管の外面側から入
射しても良く、あるいは、内面側から入射しても良い。
【0026】なお、金属管が粗大結晶粒組織を有するも
のである場合において、超音波を用いて金属管の管厚を
測定する時には、上述したように、広帯域特性を有する
縦波超音波、特に、周波数3〜4MHzの広帯域特性を
有する縦波超音波を用いるのが好ましい。また、金属管
の管厚は、その全面に渡って計測することが望ましい
が、長手方向の管厚変動が少ない場合には、円周方向の
みの管厚変化を計測しても良い。
【0027】次に、この金属管の外面又は内面に異種金
属を肉盛して肉盛管とする。この場合、肉盛条件が不適
切であると、金属管と異種金属の接合界面に欠陥が生成
することになる。また、肉盛条件あるいは金属管の管厚
変動によっては、肉盛厚さは、場所によって異なるもの
となる。
【0028】次に、図2(a)に示すように、得られた
肉盛管10の外面から所定の距離を離して超音波探触子
20を配置する。また、肉盛管10の外面と超音波探触
子20の間には、超音波の送受信を効率よく行うための
接触媒質を介在させる。接触媒質としては、通常、水が
用いられる。
【0029】なお、図2(a)に例示する肉盛管10
は、長手方向に管厚変動がある金属管12の内面に異種
金属14を肉盛りした内面肉盛管である。また、図2
(a)においては、金属管12と異種金属14の界面
に、欠陥16、16…が発生している状態が例示されて
いる。
【0030】次に、図示しない回転手段を用いて肉盛管
10を軸の周りに回転させながら、図示しない移動手段
を用いて超音波探触子20を長手方向に移動させ、接合
界面の全面に渡って、欠陥エコーの有無を検査する。こ
の場合も、金属管12が粗大結晶粒組織を有するもので
あるときには、広帯域特性を有する縦波超音波、特に、
周波数3〜4MHzの広帯域特性を有する縦波超音波を
使用するのが好ましい。
【0031】この時、図2(b)に示すように、所定の
時間間隔Dを有するゲートは、表面エコーが観測され
てから所定時間(以下、これを「ゲート位置」とい
う。)D が経過した後に設定されるが、ゲート位置D
を予め測定された金属管12の管厚に応じて変化させ
る。すなわち、(D+D/2)が、測定地点におけ
る金属管12の管厚の2倍の距離を音速で除した値(肉
盛り前の金属管12の表面エコー及び底面エコーの到達
時間の差に相当する。)にほぼ等しくなるように、ゲー
ト位置Dを変化させればよい。
【0032】金属管12が、例えば、遠心鋳造管である
場合、金属管12の円周方向の管厚変動が大きいことが
知られている。そのため、このような遠心鋳造管に異種
金属を肉盛りした肉盛管10に対して、表面エコー同期
方式を用いて超音波探傷を行うと、ゲートが接合界面か
ら外れ、欠陥16を検出できない場合がある。また、デ
ィレーゲート方式を用いると、金属管12の管厚変動が
ない場合であっても、肉盛りされた肉盛管10と超音波
探触子20の間の距離が変動すると、ゲートが接合界面
から外れ、欠陥を検出できない場合がある。
【0033】これに対し、肉盛り前の金属管12の管厚
変動に応じてゲート位置Dを変化させると、ゲートを
常に接合界面近傍に設定することができる。また、表面
エコーが観測された時刻をゲート位置の基準とすると、
肉盛管10と超音波探触子20との間の距離が変動する
場合であっても、ゲートが常に接合界面近傍に設定さ
れ、高い精度で欠陥を検出することが可能となる。
【0034】さらに、金属管12が粗大結晶粒組織を有
する場合において、広帯域特性を有する縦波超音波、特
に、周波数が3〜4MHzの広帯域特性を有する縦波超
音波を用いると、分解能の高い欠陥エコーが得られる。
そのため、接合界面における融合不良等の欠陥を良好に
検出することができる。
【0035】次に、本発明の第3の実施の形態に係る肉
盛管の検査方法について説明する。本実施の形態に係る
検査方法は、金属管の外面又は内面に異種金属を肉盛り
した肉盛管の肉盛厚さを測定する場合において、肉盛管
に対して超音波を入射し、表面エコーと底面エコーの到
達時間の差から肉盛管の管厚を測定し、これと、肉盛り
前に測定された金属管の管厚の差から肉盛厚さを求める
ことを特徴とするものである。
【0036】まず、前述と同様に、予め肉盛り前の金属
管の管厚を、金属管の円周方向及び長手方向について計
測し、次いで、金属管の外面又は内面に異種金属を肉盛
りする。この場合、金属管の管厚の計測方法は特に限定
されない点、金属管に対して垂直に超音波を入射し、金
属管の表面エコー及び底面エコーの到達時間の差を計測
し、その差から管厚を求める方法が好ましい点は、上述
した第2の実施の形態に係る検出方法と同様である。ま
た、金属管が粗大結晶粒組織を有するものである場合に
は、広帯域特性を有する縦波超音波、特に、周波数3〜
4MHzの広帯域特性を有する縦波超音波を用いるのが
好ましい点も、第2の実施の形態に係る検査方法と同様
である。
【0037】次に、得られた肉盛管に対して垂直に超音
波を入射し、肉盛管の表面エコー及び底面エコーの到達
時間の差を計測し、その差から、肉盛管の管厚を求め
る。また、この時、肉盛管を軸の周りに回転させなが
ら、超音波探触子を肉盛管の長手方向に移動させ、肉盛
管の管厚を円周方向及び長手方向に渡って求める。この
場合も、金属管が粗大結晶粒組織を有するものである時
には、広帯域特性を有する縦波超音波、特に、周波数3
〜4MHzの広帯域特性を有する縦波超音波を用いるの
が好ましい。次いで、肉盛管の管厚と、予め測定された
金属管の管厚との差を求めれば、肉盛管の肉盛厚さを求
めることができる。
【0038】金属管と異種金属の音響インピーダンスの
差が小さい場合、肉盛管に超音波を入射させても、接合
状態が良好である接合界面からの反射エコーは得られな
い。そのため、超音波探傷法を用いて、直接、肉盛厚さ
を計測するのは困難である。これに対し、肉盛り前の金
属管の管厚と肉盛管の管厚とを測定し、その差を求めれ
ば、金属管と異種金属の音響インピーダンスの差が小さ
い場合であっても、肉盛厚さを正確に計測することがで
きる。
【0039】
【実施例】遠心鋳造管の内面に、肉盛溶接法により異種
金属を肉盛りした肉盛管を作製し、本発明に係る方法を
用いて、接合界面における欠陥の有無を調べた。なお、
肉盛管を作製する際には、溶接途中で故意に溶接電流を
下げ、接合界面に融合不良を発生させた。また、欠陥の
測定に際しては、肉盛り前の遠心鋳造管の管厚変化を予
め測定し、管厚変化に応じて、ゲート位置を変化させ
た。さらに、超音波探触子には、周波数3.5MHzの
広帯域フォーカス型超音波探触子を用いた。結果を、図
3に示す。
【0040】図3より、肉盛管の端部からの距離(以
下、これを「長手方向位置」という。)が約150mm
までは、肉盛管の接合界面からの反射エコー高さ(以
下、これを「肉盛界面エコー高さ」という。)が小さ
く、良好な肉盛管が得られていることがわかる。これに
対し、長手方向位置が150mmを超えると、肉盛界面
エコー高さが増大していることがわかる。この領域は、
肉盛溶接の溶接電流を下げた領域に対応しており、接合
界面に発生した融合不良を本発明に係る方法によって検
出できたことを示している。
【0041】以上、本発明の実施の形態について詳細に
説明したが、本発明は、上記実施の形態に何ら限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種
々の改変が可能である。例えば、上記実施の形態では、
内面肉盛管に対して本発明を適用した例について主に説
明したが、本発明は、外面肉盛管に対しても同様に適用
することができる。この場合、外面肉盛管の外面側から
超音波を入射させても良く、あるいは、外面肉盛管の内
面側から超音波を入射させてもよい。
【0042】また、上記実施の形態では、1個の超音波
探触子を用いて、欠陥の有無あるいは管厚を測定する方
法について説明したが、2個以上の超音波探触子を用い
て、欠陥の有無あるいは管厚を同時に測定しても良い。
【0043】
【発明の効果】本発明は、粗大結晶粒組織を有する金属
管の外面又は内面に異種金属を肉盛りした肉盛管に超音
波を入射し、反射エコーの大きさを検出する場合におい
て、前記超音波として、周波数3〜4MHzの広帯域特
性を有する縦波超音波を用いたので、高い分解能が得ら
れ、欠陥の有無あるいは肉盛厚さを高い精度で検査でき
るという効果がある。
【0044】また、肉盛管の接合界面に発生した欠陥に
起因する欠陥エコーを検出する場合において、肉盛り前
に測定された前記金属管の管厚に基づき、欠陥エコーを
検出するためのゲート位置を変化させると、金属管の管
厚が一定していない場合、あるいは、肉盛管と超音波探
触子との間の距離が変動する場合であっても、欠陥エコ
ーを確実に検出できるという効果がある。
【0045】さらに、肉盛管の肉盛厚さを測定する場合
において、肉盛り前に前記金属管の管厚を測定すると共
に、肉盛り後に前記肉盛管に超音波を入射し、表面エコ
ー及び底面エコーの到達時間の差から前記肉盛管の管厚
を測定すれば、その差から肉盛厚さを容易かつ正確に求
めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 超音波の周波数特性と反射エコーとの関係を
示す図である。
【図2】 本発明に係る欠陥の検査方法を説明する図で
ある。
【図3】 肉盛管の接合面に発生した欠陥の検出例を示
す図である。
【符号の説明】
10 肉盛管 12 金属管 14 異種金属 16 欠陥
フロントページの続き Fターム(参考) 2F068 AA28 AA48 BB09 BB15 BB23 CC00 CC16 DD04 FF12 FF14 FF25 JJ12 JJ23 KK12 QQ02 2G047 AA07 AB01 BA03 BC07 BC18 CB01 GF11 GG02 GG30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属管の外面又は内面に異種金属を肉盛
    りした肉盛管に対して超音波を入射し、反射エコーの大
    きさを検出する反射エコー検出工程を備えた肉盛管の検
    査方法において、 前記金属管は、粗大結晶粒組織を有し、 前記超音波として、広帯域特性を有する縦波超音波を用
    いたことを特徴とする肉盛管の検査方法。
  2. 【請求項2】 前記超音波は、その周波数が3〜4MH
    zであることを特徴とする請求項1に記載の肉盛管の検
    査方法。
  3. 【請求項3】 前記金属管は、結晶粒径が100〜10
    00μmであることを特徴とする請求項1に記載の肉盛
    管の検査方法。
  4. 【請求項4】 金属管の外面又は内面に異種金属を肉盛
    りした肉盛管に対して超音波を入射し、反射エコーの大
    きさを検出する反射エコー検出工程を備えた肉盛管の検
    査方法において、 前記反射エコー検出工程は、前記金属管と前記異種金属
    の界面に生成した欠陥に起因する欠陥エコーを検出する
    ものであり、 肉盛り前に測定された前記金属管の管厚に応じて、前記
    欠陥エコーを検出するためのゲート位置を変化させるゲ
    ート位置調節工程をさらに備えていることを特徴とする
    肉盛管の検査方法。
  5. 【請求項5】 金属管の外面又は内面に異種金属を肉盛
    りした肉盛管に対して超音波を入射し、反射エコーの大
    きさを検出する反射エコー検出工程を備えた肉盛管の検
    査方法において、 前記反射エコー検出工程は、前記肉盛管の表面反射に起
    因する表面エコー及び底面反射に起因する底面エコーを
    検出するものであり、 肉盛り前に測定された前記金属管の管厚と、前記表面エ
    コー及び前記底面エコーの到達時間の差から求めた前記
    肉盛管の管厚との差から、前記肉盛管の肉盛厚さを求め
    る肉盛厚さ算出工程をさらに備えていることを特徴とす
    る肉盛管の検査方法。
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