JP2001315370A - サーマルプリントヘッド及びその製造方法 - Google Patents

サーマルプリントヘッド及びその製造方法

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JP2001315370A
JP2001315370A JP2000172758A JP2000172758A JP2001315370A JP 2001315370 A JP2001315370 A JP 2001315370A JP 2000172758 A JP2000172758 A JP 2000172758A JP 2000172758 A JP2000172758 A JP 2000172758A JP 2001315370 A JP2001315370 A JP 2001315370A
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Heiji Imai
平治 今井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度の発熱体を実装し、従来以上に小型低
電力、高解像度かつ低価格のサーマルプリントヘッドを
提供する。 【解決手段】 平面状でその一方の表面に金属薄膜22
を備えた高耐熱のガラス基材21を製造用基板20とし
て用い、その製造用基板20を基台として、金属薄膜2
2の表面に保護膜11を形成する第1工程と、保護膜1
1の表面に発熱素子12と配線電極13を設ける第2工
程と、熱伝導率の小さいガラス基板14を形成するとと
もにガラス基板14に複数のビア15を形成する第3工
程と、ガラス基板14にハンダバンプ17aを備えたド
ライバーIC17bを搭載する第4工程と、金属薄膜2
2をエッチングにより溶解して製造用基板20とサーマ
ルプリントヘッド10とを分離する第5工程を経て製造
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はサーマルプリントヘ
ッドに関する。
【0002】
【従来の技術】サーマルプリントヘッドを使用したプリ
ンターは機構が簡単で騒音が無く、また記録素子である
発熱素子を多数有するものが簡単に製造できることか
ら、一度の記録範囲を大きくすることが可能なため、高
速印字を可能とし、業務用に広く用いられている。さら
にプリンターを小型・軽量にすることが可能なため携帯
用にもその用途が広がっている。
【0003】図7は従来のサーマルプリントヘッドの一
例を示す断面図である。このサーマルプリントヘッドは
セラミック基板の上部全面に蓄熱層のガラスをグレーズ
したものを基板とし、このガラス上に発熱素子、配線電
極を形成し、ドライバーIC(半導体集積回路)を搭載
したものである。円筒形のプラテンは印字媒体を供給す
るものであり、サーマルプリントヘッドの発熱体以外は
プラテンに接触しないように部品が配置されている。こ
のためドライバーICは発熱素子から遠く離れた場所に
配置される必要があり、これがガラスをグレーズしたセ
ラミック基板の形状を大きくし、コストアップの要因と
なっていた。
【0004】近年、プリンターの需要が増え、特に民生
用小型カラープリンターの市場の伸びが著しい。この分
野の特徴として、印字品質の要求が高くかつ低価格の製
品が要求される。デジタルカメラの普及に伴って、デジ
タル写真のハードコピー用のプリンターとして、より小
型低価格でかつ高印字品質のカラープリンターの開発が
望まれている。
【0005】サーマルプリンター以外のプリンターでは
さらに高密度化が進んできており、インクジェットプリ
ンターでは1インチ当り600素子を実現し、さらにレ
ーザプリンターでは2400素子/インチを実現してい
る。しかしながらサーマルプリントヘッドではドライバ
ーICの出力端子ピッチが75μmのものが最小で、こ
れ以下のものでは容易に端子を接続することができな
い。よってこれが限界となり、一般的には300素子/
インチの密度のサーマルプリントヘッドが量産できる限
界となっている。特殊なものとしてドライバーICを発
熱素子の両側に配置することにより、倍密度の600d
piのサーマルプリントヘッドも開発されているが、上
述したようにガラスグレーズしたセラミック基板が通常
の倍以上の寸法となって大幅にコスト上昇となり、特殊
な用途に限定されている。最近になって、600dpi
対応のドライバーICが開発されているが、その出力端
子ピッチが狭小となることから配線の歩留まりが悪く、
高精細のパターニングが困難であることもあって、実用
化の障害となっている。
【0006】さらに、最近ではコンピュータ機器のモバ
イル化に伴い、携帯用プリンタの需要が増え、このため
バッテリーの低消費化が要求されている。図7に示した
ような従来のサーマルプリントヘッドでは、発熱素子近
傍のガラスに残った熱はセラミック基板に熱放散され、
さらにアルミの放熱器に逃がされるため、この熱が無効
エネルギーとなっている。これを改善するため、ガラス
を厚くし、セラミック基板に熱が逃げるのを減らしてい
る。さらには基板そのものをガラスにしたサーマルプリ
ントヘッドが商品化されているが、発熱素子近傍に溜ま
った熱が次の印字サイクルに影響して印字品質を損なう
ことことから、十分な印字品質を確保できていない。
【0007】このような問題点を解決するため、既に本
願発明者は図8に示すようなサーマルプリントヘッドを
開発している(特願平11−346614)。図9は、
図8のサーマルプリントヘッドに用いられる多層ガラス
基板に形成した発熱素子の周辺を示す拡大断面図であ
る。図9に示すように、多層ガラス基板に発熱素子、電
極を形成し、かつ電極の表面に絶縁層を設け、その絶縁
層に更に共通電極を設けて発熱素子近傍に電極の2層構
造の回路を構成している。
【0008】このサーマルプリントヘッドでは、厚みが
0.05mm以下のガラス基板を保護膜として機能させ
ることにより発熱素子近傍に2層構造の回路を設けるこ
とを可能とさせ、ガラス基板から外部に接続させるため
の端子のピッチを広くすることを可能とし、外部との接
続を容易にしている。また、ガラス基板の幅は印字長に
より決まるが、高さは5mmを実現している。
【0009】図8に示すように、発熱素子及び電極回路
を形成した多層ガラス基板は熱絶縁用のガラスに保持さ
れて支柱に取り付けられ、支柱の凹部の空隙が発熱素子
を取り囲むように構成されている。このようにして空隙
にて熱絶縁をおこなうことにより、サーマルプリントヘ
ッドの熱容量を小さくし、従来の図7に示す構造のサー
マルプリントヘッドと比較して1/3の発熱エネルギー
で同等の印字濃度を実現している。
【0010】また、高解像度を維持しつつ高印字濃度を
得るために、図10に示すような、1画素を構成する1
つの発熱抵抗体を2つに分割して主走査方向に並んだ2
つの電流路を形成し、2つの電流路それぞれに、副走査
方向の互いに異なる位置に幅狭部を形成することによ
り、1画素内に2つの発熱部を形成したサーマルヘッド
が提案されている(特開平10−181061)。同図
(A)は電極及び発熱素子の配列パターンを示す一部拡
大平面図であり、同図(B)は各発熱素子の印字ドット
の状態を示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8の
サーマルプリントヘッドでは、多層ガラス基板の絶縁層
として加工し易いエポキシ樹脂又はポリイミドが主に用
いられ、印字のときに必要な機械強度は保護膜としても
機能するガラス基板の強度に依存している。また、薄い
ガラス基板の加工は困難であることから、ガラス基板は
0.7mm程度の厚みで加工を進め、図8の構造に組み
上げた後、多層ガラス基板のガラス面を研磨して必要な
厚さに仕上げている。これらの事情により完成されたサ
ーマルプリントヘッドの保護膜として機能するガラス基
板の厚みは0.03〜0.05mm程度になっている。
このため、保護膜の厚みが5〜10μmのサーマルプリ
ントヘッドと比較し、同じ印字濃度を得るために発熱エ
ネルギーをより多く必要とする。また、多層ガラス基板
とドライバーICを搭載したフレキシブル基板を備えた
構造により、サーマルプリントヘッドの小型化は、印字
長4インチのもので5mm×120mm×10mm程度
を実現しているが、デジタルカメラ、携帯電話等さらに
は腕時計構造のものに内蔵させるためには、更なる小型
化・低電力化が要求されている。
【0012】また、発熱体を高密度に実装するため、図
10に示すような発熱体を形成した場合、発熱体の細長
い形状から印字ドットも細長いものとなり、さらに、各
電流路の発熱体に幅広部と幅狭部を設けたことから、高
電圧パルスによりトリミングする際幅狭部に電流が集中
して断線破壊を起こしやすいという問題があった。
【0013】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、従来以上の小型低電力化を実現し、
かつ低価格で高密度のサーマルプリントヘッドを提供す
ることを技術的課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のサーマルプリントヘッドは、一方の表面に
金属薄膜を備えた高耐熱のガラス基板を製造用基板と
し、その製造用基板の金属薄膜面に順次、保護膜、発熱
素子、電極、ガラス基板を形成して製造用基板の上面に
サーマルプリントヘッドを形成した後、金属薄膜をエッ
チングにより溶解して、製造用基板とサーマルプリント
ヘッドとを分離させる手段を講じたものである。また、
ガラス基板に発熱素子と発熱素子を電気駆動するドライ
バーICとを接続するビアを形成し、かつビアに硬い金
属を充填することにより、ドライバーICを基板上に搭
載するとともに、サーマルプリントヘッド全体の強度を
補強する手段を講じたものである。また、保護膜の上面
部に発熱素子を形成し、さらに発熱素子の上面部に電極
を形成することにより、発熱素子を電極より保護膜側に
配設する手段を講じたものである。さらに、一つの配線
電極を発熱体近傍にて二つに分岐電極に枝分かれさせ、
その2つの分岐電極に1画素を構成する2つの発熱素子
を副走査方向に位置をずらせて配置し、主走査方向には
2列となるよう発熱素子を等間隔に連続して多数配列す
るとともに、各発熱素子の形状を矩形状に形成する手段
を講じたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のサーマルプリントヘッド
は、平面状でその一方の表面に金属薄膜22を備えた高
耐熱のガラス基材21を製造用基板20として用い、そ
の製造用基板20を基台として、金属薄膜22の表面に
保護膜11を形成する第1工程と、保護膜11の表面に
発熱素子12と配線電極13を設ける第2工程と、熱伝
導率の小さいガラス基板14を形成するとともにガラス
基板14に複数のビア15を形成する第3工程と、ガラ
ス基板14にハンダバンプ17aを備えたドライバーI
C17bを搭載する第4工程と、金属薄膜22をエッチ
ングにより溶解して製造用基板20とサーマルプリント
ヘッド10とを分離する第5工程を経て製造されるもの
である。
【0016】上記のように構成することにより、第1工
程では金属薄膜22の表面に任意の厚さのガラス等の保
護膜11を高精度に形成することができる。次に、第2
工程では薄膜技術により、保護膜11の表面に発熱素子
12及び配線電極13を高密度に形成することができ
る。次に、第3工程においてガラス基板14に複数のビ
ア15を設けて各ビアにニッケル等の硬い金属を充填し
たことにより、サーマルプリントヘッド全体の強度を強
化することができる。次に、第4工程ではハンダバンプ
を備えたドライバーICをビア上に直接搭載することに
より、部品エリアを最小とし高集積化を可能とした。次
に、第5工程では金属薄膜22をエッチングにより溶解
して製造用基板20とサーマルプリントヘッド10とを
分離することにより、サーマルプリントヘッドを完成さ
せるとともに製造用基板20の再利用が可能となる。
【0017】上述のように製造用基板上に順次、保護
膜、発熱素子、電極、ガラス基板を形成してサーマルプ
リントヘッドを形成した後、金属薄膜をエッチングによ
り溶解して、製造用基板とサーマルプリントヘッドとを
分離させることにより、5μm程度の薄い保護膜を備え
ながら、強固な構造のサーマルプリントヘッドが製造さ
れる。
【0018】また、保護膜に接して発熱素子が配設され
ているので、薄い保護膜を通して発熱素子から印字媒体
への熱伝導が極めて良好となる。さらに、保護膜を形成
した後に保護膜の表面に発熱素子と電極を形成すること
から、保護膜自体は発熱素子及び電極のパターンの凹凸
に影響を受けず、第5工程を経て分離されたサーマルプ
リントヘッドの保護膜の外側表面は極めて平坦である。
また、発熱体近傍で一つの配線電極を二つに分岐し各分
岐電極に発熱素子を副走査方向にずらせて配設して2個
の発熱体により1画素を構成させ、かつ主走査方向には
2列となるように発熱素子を等間隔に連続して多数配列
したことにより、発熱素子を高密度に配設できる。ま
た、各発熱素子の形状を矩形状に形成したことにより発
熱素子による印字ドットの形状はほぼ丸点状となり、主
走査及び副走査の何れの方向にも印字ドットが均等化さ
れる。
【0019】
【実施例】本発明の代表的な実施例として、発熱ドット
密度が800ドット/インチ、印字長が2インチのカラ
ービデオプリンター用サーマルプリントヘッドについ
て、図を参照して説明する。図1は、本発明のサーマル
プリントヘッドの構造を示す断面図である。図1におい
てサーマルプリントヘッド10は、保護膜11の上部に
発熱素子12を形成し、発熱素子12の上部に電極13
を形成し、配線電極13の上部に耐熱性の絶縁薄膜19
を形成し、絶縁薄膜19の上部にガラス基板14及びビ
ア15及び共通電極16から成る積層回路を形成してい
る。ビア15は絶縁薄膜19及びガラス基板14に孔加
工を施し、ニッケル及び金メッキにて充填されている。
そして、ドライバーIC17aをビア15とハンダバン
プ17bの位置を合わせて搭載し、ケース18を搭載し
て、サーマルプリントヘッド10は上記のように製作さ
れる。
【0020】図2(A)はサーマルプリントヘッドを製
作するときに使用する製造用基板20の断面図である。
製造用基板20は平面状の耐熱性の高いガラス基材21
の一方の面の全面に金属薄膜22を形成したものであ
り、金属薄膜22は高耐熱性でエッチングし易い材質に
て形成する。本実施例では、金属薄膜22はニッケル1
0%・タングステン90%の合金をメッキにて1μm厚
に形成したものである。なお、本実施例では製造用基板
20にガラス基板21を使用した例を示したが、強度及
び耐熱性の点から、同図(B)に示したようにセラミッ
ク基材23にガラス24をグレーズしたものを使用して
もよい。
【0021】図3は、製造用基板20にサーマルプリン
トヘッド10を形成したときの断面図である。サーマル
プリントヘッド製造の第1工程として、製造用基板20
の金属薄膜22の表面に5〜10μmの保護膜11を形
成する。保護膜11の厚さは、耐磨耗性が重視される産
業用のカード印字用途の場合は厚く、逆にビデオプリン
ターのように印字媒体が滑らかで保護膜の摩耗が少な
く、また、印字品質が要求される場合は薄くする。本実
施例の場合はビデオプリンター用であるので、ガラスペ
ーストを塗布し焼成して、5μm厚のガラス膜を形成し
た。
【0022】第2工程では、保護膜11の表面に発熱素
子12及び配線電極13を形成する。本実施例では、高
密度を実現するために薄膜技術により発熱素子12及び
配線電極13を作成した。図5(A)は発熱素子12及
び電極13のパターンの一部拡大平面図である。配線電
極13は発熱素子の直近で分岐電極93と分岐電極94
に枝分かれし、副走査方向に位置をずらして配置した発
熱素子91と発熱素子92にそれぞれ接続されている。
そして、図のように各分岐電極に副走査方向に位置をず
らした2個の発熱素子を、主走査方向には2列となるよ
うに多数個配列し、配線電極13は63.5μmのピッ
チとなり、各発熱素子のピッチは31.75μmと倍密
度になっている。また、各発熱素子の形状を矩形に形成
したため、図5(B)に示したように印字ドットがほぼ
丸点状となり高精細の画像印字を得ることができるとと
もに、発熱素子の幅が一定であるのでトリミングに際し
て発熱素子の一部に電流が集中して断線破壊することが
ない。本実施例のサーマルプリントヘッドでは、一つの
大きさが約0.025mm×0.035mmの矩形の発
熱素子を主走査方向に2列に合計1536個を配列し、
5μm程度の薄い保護膜を通して印字したことにより、
一つの発熱素子による印字ドットの大きさは直径約0.
03mmの略円形の印字結果が得られた。
【0023】第3工程では、サーマルプリントヘッド基
板として、ビアを備えたガラス基板14を形成する。ビ
ア15は、ガラス基板14の両面に別れて配設された配
線電極13とドライバーIC17aを電気接続するとと
もに、プリントヘッド全体としての強度を高く維持する
よう作用する。まず、発熱素子及び電極の表面に薄膜技
術にて絶縁薄膜19を形成し、この絶縁薄膜19の表面
にガラスペーストを塗布し、ビア15を加工した後60
0℃程度にて燒結してガラス基板14を形成する。その
後、ドライエッチングにて絶縁薄膜19のビア15に当
接する部位に孔加工をおこない配線電極13の表面を露
出させる。絶縁薄膜19を先に形成したのは、高温で焼
成する際に発熱素子や電極の酸化を防止するためであ
る。絶縁薄膜19は、本実施例では薄膜技術によりSi
を2μmの厚さに形成した。次に、ビア15をメッ
キにてニッケルを充填させ、表面に金をメッキした。そ
して、共通電極としてガラス基板14上に導体ペースト
を塗布し、150℃にて乾燥させ共通電極14を形成し
た。上記のように形成したことにより、本実施例ではガ
ラス基板14の厚みは約0.10mm、ビア15は約
0.15mmの間隔で約4百個を実装している。
【0024】第4工程として、金メッキを施したビア1
5にドライバーIC17aのハンダバンプ17bの位置
を合わせ、高濃度のフラックスで仮固定して半田付けす
る。このようにして積層回路を構成し、また、配線エリ
アを必要としないハンダバンプ17bを備えたドライバ
ーIC17aを採用することにより高集積化を図ったこ
とにより、本実施例のサーマルプリントヘッドは、厚み
3mm、印字方向の幅55mm及び高さ1mmと従来の
ものと比べると飛躍的に小型化を実現した。
【0025】第5工程として、金属薄膜22をエッチン
グにより溶解して製造用基板20からサーマルプリント
ヘッド10を分離し、サーマルプリントヘッド10を完
成させる。本実施例のニッケル・タングステン合金によ
る金属薄膜に対しては、カセイソーダと過酸化水素水の
混合液をエッチング液として使用した。図4は、エッチ
ングにより金属薄膜22が溶解して取り除かれた後の、
サーマルプリントヘッド10と製造用基板20が分離さ
れた状態を示す断面図である。このとき分離された製造
用基板は再度金属薄膜を形成することにより、本発明の
サーマルプリントヘッドの製造用基板20として繰り返
し使用することができる。
【0026】上記実施例では、配線電極13を薄膜で形
成しており、ガラス基板を作成するときガラスペースト
を600℃の高温で焼結する際に薄膜の配線電極13が
酸化しないよう、配線電極13とガラス基板14の間に
絶縁薄膜19を設けた例を示したが、電極を厚膜で形成
し、600℃以上の高温で焼結した場合は絶縁薄膜19
は不要となる。また、上記実施例の保護膜11は厚膜ガ
ラスにより形成した場合を示したが、薄膜技術にて無機
膜を形成してもよい。同様に、製造用基板20の金属薄
膜22に代えて、高耐熱性でエッチング性のよい窒化シ
リコン等の無機膜を形成してもよい。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、予め金属薄膜をコーテ
ィングした高耐熱性のガラス基材をサーマルプリントヘ
ッドの製造用基板として用いたことにより、任意の厚さ
の保護膜を金属薄膜上に形成することができるので、保
護膜の厚さを5μm程度まで薄くすることができた。そ
のため、発熱体から薄い保護膜を通して印字媒体への熱
伝導が良く、エネルギー効率の良いサーマルプリントヘ
ッドを実現した。
【0028】また、予め金属薄膜をコーティングした製
造用基板上にサーマルプリントヘッドを保護膜から順次
組み上げていく各工程において、金属薄膜が製造用基板
のガラス基材とサーマルプリントヘッド部との接着部材
として有効に作用し、高精度高密度のサーマルプリント
ヘッドの作成を可能にした。さらに、サーマルプリント
ヘッドを製造用基板上に作成した後、金属薄膜をエッチ
ングにより溶解して製造用基板とサーマルプリンタヘッ
ド部とを分離することにより、製造用基板のガラス基材
を再利用可能にした。
【0029】サーマルプリントヘッドのガラス基板のビ
アを硬い金属にて充填したことによりガラス基板そのも
のを補強し、保護膜を薄くしながらサーマルプリントヘ
ッド全体の機械的強度を高めることができた。また、ガ
ラス基板にビアを備えたことにより、ガラス基板上にド
ライバーICを搭載することが可能となり、かつ、ハン
ダバンプを備えたドライバーICを採用することにより
配線エリアを不要として、サーマルプリントヘッドの寸
法を断面積にて3mm×1mmと小型化を実現した。こ
れは、定尺基板からの取り個数の増加になりコスト低減
に貢献している。
【0030】保護膜が薄く、かつ、保護膜に発熱体が直
接形成されているので、保護膜を通して印字媒体への熱
伝導が良く、エネルギー効率が高い。また、保護膜表面
の平坦性が良いためインクリボンのシワの発生を防止で
きることとなり、インクリボンの薄膜化も可能となっ
た。一例として、溶融型熱転写インクリボンでは従来ベ
ースフィルムの厚さ3.5μm・インクの厚さ1.2μ
mが最も薄かったが、それぞれ2.5μm、 0.5μ
m程度の薄膜化を実現し、より少ない発熱エネルギーで
の印字を可能にした。
【0031】一つの電極を発熱体近傍で二つに分岐さ
せ、一電極あたり副走査方向に位置をずらせた二個の発
熱素子を設け、かつ主走査方向に連続して多数配列した
ことにより、発熱素子の高密度配置が可能となった。ま
た、発熱素子の形状を矩形に形成したことにより印字ド
ットを極めて小さな丸点状にするとともに、トリミング
の際の断線破壊の問題を解決することができた。このよ
うな発熱素子及び電極構造により、デジタル写真等に要
求される高品位高精細印刷を実現するとともに、電極間
隔は従来のドライバーICの端子ピッチに合わせること
ができるので、部品コスト、製造コストを低く抑えるこ
とを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサーマルプリントヘッドの構造を示す
断面図である。
【図2】(A)はサーマルプリントヘッドの製造用基板
の構造を示す断面図である。(B)は請求項2記載の製
造用基板の構造を示す断面図である。
【図3】製造用基板上にサーマルプリントヘッドを形成
した状態を示す断面図である
【図4】サーマルプリントヘッドと製造用基板を分離し
た状態を示す断面図である。
【図5】(A)は発熱素子及び電極のパターンを示す拡
大平面図である。(B)は各発熱素子の印字ドットの状
態を示す図である。
【図6】本発明の発熱素子と電極の電気接続を示す回路
図である。
【図7】従来のサーマルプリントヘッドの構造の一例を
示す断面図である。
【図8】改良されたサーマルプリントヘッドの構造の一
例を示す断面図である。
【図9】図8のサーマルプリントヘッドの発熱素子周辺
を示す拡大断面図である
【図10】(A)は従来のサーマルヘッドの発熱素子の
配列を示す拡大平面図である。(B)は各発熱素子の印
字ドットの状態を示す図である。
【符号の説明】
10…サーマルプリントヘッド 11…保護膜 12…発熱素子 13…配線電極 14…ガラス基板 15…ビア 16…共通電極(導体ペースト) 17a…ドライバーIC 17b…ハンダバンプ 18…ケース 19…絶縁薄膜 20…製造用基板 21…ガラス基材 22…金属薄膜 23…セラミック基材 24…ガラス 91,92…分岐電極 93,94…発熱素子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の表面に金属薄膜(22)を備えた
    平面状のガラス基材(21)からなる製造用基板(2
    0)の金属薄膜(22)の表面に保護膜(11)を形成
    し、保護膜(11)の表面にサーマルプリントヘッド
    (10)を組み上げた後に金属薄膜(22)をエッチン
    グにより溶解して製造用基板(20)とサーマルプリン
    トヘッド(10)とを分離すること特徴とするサーマル
    プリントヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 製造用基板(20)は、平面状のセラミ
    ック基材(23)の一方の表面にガラス(24)をグレ
    ーズし、かつ、ガラス(24)の表面に金属薄膜(2
    2)を形成したものであることを特徴とする請求項1記
    載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のサーマルプリント
    ヘッドの製造方法であって、製造用基板(20)の金属
    薄膜(22)の表面に保護膜(11)を形成する第1工
    程と、保護膜(11)の表面に発熱素子(12)と配線
    電極(13)を設ける第2工程と、ガラス基板(14)
    を形成するとともにガラス基板(14)に複数のビア
    (15)を形成する第3工程と、ガラス基板(14)に
    ハンダバンプ(17b)を備えたドライバーIC(17
    b)を搭載する第4工程と、金属薄膜(22)をエッチ
    ングにより溶解して製造用基板(20)とサーマルプリ
    ントヘッド(10)とを分離する第5工程とを備えたこ
    と特徴とするサーマルプリントヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 1画素を構成する発熱素子を主走査方向
    に等間隔に複数個連続して配設してなるサーマルプリン
    トヘッドであって、1画素を構成する発熱素子が副走査
    方向に位置をずらせて配置した二つの発熱素子(91,
    92)からなり、かつ各発熱素子(91,92)は一つ
    の配線電極(13)を発熱素子近傍で二つに分岐した分
    岐電極(93,94)にそれぞれ接続されるとともに、
    各発熱素子の形状を矩形状に形成したことを特徴とする
    サーマルプリントヘッド。
  5. 【請求項5】 発熱素子(12)と配線電極(13)と
    ドライバーIC(17a)とガラス基板(14)を備え
    て成るサーマルプリントヘッドであって、ガラス基板
    (14)に複数のビア(15)を形成し、かつビア(1
    5)の孔に硬い金属を充填したことを特徴とするサーマ
    ルプリントヘッド。
  6. 【請求項6】請求項3記載の製造方法により製造された
    ことを特徴とする、請求項4若しくは5記載のサーマル
    プリントヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100418773C (zh) * 2004-07-16 2008-09-17 佳能株式会社 用于形成喷液元件基质的方法

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