JP3844155B2 - サーマルヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
サーマルヘッドは、インク等の補充が不要である感熱紙あるいは熱転写紙の利便性を活かし、低廉で簡易なプリンターに広く用いられている。これらのサーマルヘッドに用いるプリンターも、最近では高画質プリントと高速プリントが要請されている。また、熱転写方式によるカラープリンター方式や、高画質を重視する写真プリントの自動化ミニラボのインデックスプリンター等に用いるまでに微細化し、600dpiないし1200dpiのような高密度なサーマルヘッドも要求されてきている。
【0003】
しかしながら、サーマルヘッドにおいては、発熱抵抗体の発熱部を急速に加熱して瞬時に昇温させ、素早く放熱して滲みを起こさせないという昇温・放熱の配慮が必要になる。急速な昇温には、熱が発熱部に集中して回りに逃げず、急速な放熱には、発熱部の熱が素早く逃げるという、相反する熱応答特性が要求される。
【0004】
すなわち、サーマルヘッドには、基本的に次のような事項が要請される。
1)軽薄短小化
2)低廉化
3)A3等への大画面化
4)低消費電力化
5)高速化
6)高密度で鮮明な、いわゆる高精細な画像プリント
7)色むらのない均質な画面
8)汚れが残らないメンテナンスフリー
従来のサーマルヘッドは一般に図6に示すように構成されている。図6に示すように、放熱体(ヒートシンク)を兼ねるアルミナ基板31上に、その全面にわたって例えば1000℃程度の融点を有するガラスからなる蓄熱層32を設け、該蓄熱層32上に発熱抵抗体33を設ける。34は発熱部35を形成する電極であり、電極34と発熱抵抗体33の表面は、感熱紙36等による摩耗を防ぐ保護層としての耐摩耗層37が形成されている。38はローラ、39は基板31上に接着層40を介して固定した周辺回路を構成するIC、41は電極34とIC39とを接続するワイヤである。
【0005】
上述のように、蓄熱層32を形成する場合は、ガラス粉末をバインダーによりペースト状にしたものを基板31上に塗布して焼成するが、この蓄熱層32として高融点のガラスを使用する理由は、第1に、電極としてアルミニウムや銅等の電気抵抗の小さい金属を用いる場合、これらの酸化や発熱抵抗体の変質を防止するため、前もって焼成温度の高いガラスを焼成しておく必要があるためである。第2に、TCR(抵抗/温度係数)を改善するために熱処理を行う場合、発熱抵抗体33の熱処理温度より融点の高いガラスは前に形成しておく必要があるためである。蓄熱層32は、凹凸のある基板31の表面を平滑化する役目もある。
【0006】
このような従来構造のサーマルヘッドの場合、蓄熱層32としてガラスを用いているが、高速印字を目的として、蓄熱層32にポリイミド樹脂等の耐熱性樹脂を用いることにより、蓄熱層32における蓄熱効果を向上させて消費電力を少なくしたものが種々に提案されている。
【0007】
このようにポリイミド樹脂等を用いるものとして、特開平5−64905号公報においては、発熱抵抗体33上に間隔をおいて電極34を形成することにより発熱積層部42(この発熱積層部42は、前記蓄熱層32、発熱抵抗体33、電極34および保護層37からなる部分を指すこととする)の表面に生じる凹部43を解消し、感熱紙36の接触面の平滑度を得ると共に、発熱抵抗体33のTCRを改善するための熱処理を可能とすることを目的として、形成基材上に剥離のための犠牲層を介して保護層37、発熱抵抗体33、電極34、ポリイミド樹脂でなる蓄熱層32を順に形成し、その後、基板31を接着した後、形成基材と剥離層との界面で両者を剥離するサーマルヘッドの製造方法(以下これを転写方式と称す)が開示されている。
【0008】
この転写方式によれば、保護層37が仮の基板の平面上に形成されるので、感熱紙36に接触する面が平滑となり、感熱紙36との間に空間が生じないため、熱効率が向上する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記公報に記載のように、ポリイミド樹脂等の樹脂を蓄熱層32に用いたサーマルヘッドにおいては、発熱部35における発熱により樹脂が高温にさらされるため、軟化し、ローラ38と保護層37との間に砂等の硬質粒子を噛み込むと樹脂が変形するために、その噛み込んだ部分が凹む等の損傷を生じ易いという問題点があった。
【0010】
また、従来のように、蓄熱層32として高融点ガラスを用いたものにおいては、前記公報に記載のような転写方式を採用してサーマルヘッドを製造することができず、従って、感熱紙36との接触面に凹部43を生じることが避けられず、熱効率が悪くなるという問題点があった。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑み、発熱部の機械的強度が大であり、感熱紙等との平滑な接触面が得られるサーマルヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明のサーマルヘッドの製造方法は、発熱抵抗体を形成するステップと、
前記発熱抵抗体を形成する前または後に、前記発熱抵抗体に接続するアルミニウムからなる電極を形成するステップと、
前記発熱抵抗体をおよび電極の少なくとも一部を覆うように軟化点が300℃〜400℃の低融点ガラスからなる蓄熱層を、350℃〜400℃で焼成することにより形成するステップと、
前記仮の基板を除去または分離するステップとを含む
ことを特徴とする(請求項1)。
【0013】
また、本発明のサーマルヘッドの製造方法は、仮の基板上に保護層を形成するステップと、
前記保護層の上に発熱抵抗体を形成するステップと、
前記発熱抵抗体を形成する前または後に、前記発熱抵抗体に接続するアルミニウムからなる電極を形成するステップと、
前記発熱抵抗体と電極からなる発熱部に蓄熱層の含有物質の拡散を防止するバリア層を介在させるステップと、
前記バリア層上に軟化点が300℃〜400℃の低融点ガラスからなる蓄熱層を、350℃〜400℃で焼成することにより形成するステップと、
前記仮の基板を除去または分離するステップとを含む
ことを特徴とする(請求項2)。
【0014】
【作用】
本発明のサーマルヘッドの製造方法は、仮の保護層、発熱抵抗体、アルミニウムでなる電極、バリア層を形成した後に軟化点が300℃〜400℃の低融点ガラスでなる蓄熱層を、350℃〜400℃で焼成することにより形成する方法であるから、保護層の表面が平滑なものが得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1(A)は本発明によるサーマルヘッドの一実施例を発熱積層部について示す断面図、図1(B)は全体構成を示す断面図である。図1(A)に示すように、発熱積層部は、耐摩耗層として作用する保護層3と、発熱抵抗体4と、発熱抵抗体4上に間隔をおいて重ねて設けられる共通電極5aおよび個別電極5bと、蓄熱層7と、前記電極5a、5bと発熱抵抗体4により形成される発熱部6と前記蓄熱層7との間に介在させて蓄熱層7からの物質の拡散を防止するバリア層8とからなる。
【0016】
前記保護層3としては、SiC系化合物、SiB系化合物、SiO系化合物、SiON系化合物等が用いられる。特に表面層を、摩擦係数が小さく、硬度が高く、化学的に安定なSiBとし、発熱抵抗体4側の裏面層を電気抵抗が高いSiOとすることが、発熱抵抗体4との間の電気絶縁性を確保する意味で好ましい。この保護層3の成膜方法としては、プラズマCVD等、従来より用いられている各方法を採用することができる。
【0017】
前記発熱抵抗体4としては、Nb−SiO、Ni−Cr、Ta、あるいはTiO、BN等を用いることができる。発熱抵抗体4の成膜方法としては、LPCVD(低圧CVD)、プラズマCVD、スパッタリング等を用いることができる。
【0018】
また、各発熱抵抗体4は、発熱ドット毎に形成されるようにエッチングする必要があるが、このエッチング方法としては、RIE(反応性イオンエッチング)等のドライエッチングを用いることが好ましいが、ウェットエッチングを用いることも可能である。また、ドライエッチングのエッチャー(反応性ガス)としては、SF、CF、Cl、O等が一般的であり、これらを混合して用いることもできる。
【0019】
前記電極5a、5bはアルミニウム(Al)により形成する。Alは廉価であって、特別の層を介在させる必要なく他の層との密着性を容易に得ることができ、プロセスが簡単になり、さらに電気抵抗が低いので、微細パターンを得やすいという点において好ましい。また、成膜方法としては、蒸着やスパッタリング等が用いられる。
【0020】
これらの電極5a、5bのパターンを得るためのエッチング方法としては、ドライエッチングを用いることもできるが、ウェットエッチングを用いることが好ましい。ウェットエッチングのエッチャント(エッチング溶液)としては、HSO、HNO等が一般的である。特にAlのエッチングに際しては、HPO、C、HNOを混合した混合液を用いることもある。
【0021】
前記バリア層8にはSiOを用いる。成膜方法としては、LPCVD、プラズマCVD、スパッタリング等を用いることができる。エッチング方法としては、ウェットエッチング、ドライエッチングのいずれを用いてもよく、ウェットエッチングを行う場合は、エッチャントとしてHFあるいはHFとNHFとの混合液を用いるのが一般的である。
【0022】
前記蓄熱層7として、本発明においては低融点ガラスを用いる。この低融点ガラスは、電極としてAlを用いる場合、電極の劣化、反応を防ぐ意味において、軟化点が400℃以下であり、また、蓄熱層7の形成後の製造工程での加熱による軟化を防止する意味で軟化点が300℃以上、さらに好ましくは350℃である。すなわち、電極としてAlを用いる場合、低融点ガラスの軟化点は好ましくは300℃〜400℃、さらに好ましくは350℃〜400℃である。
【0023】
蓄熱層7の成膜方法としては、スクリーン印刷法やディスペンサを用い、これを350℃〜400℃で焼成する。また、この鉛ガラスの組成としては、例えばPbO−B系あるいはPbO−B−ZnO系のものを用いることが好ましい。
【0024】
図1(B)は図1(A)の基本構造の発熱積層部を踏襲したサーマルヘッドの一例を示す断面図である。図1(B)において、9は駆動IC、10は外部への配線、11は該配線10と駆動IC9とを接続する電極、12a〜12cは駆動ICや配線10と電極5a、5b、11との接続部、13はAlからなる放熱板であり、該放熱板13には駆動IC9を収容するための貫通穴13aが設けられている。14は該放熱板13を発熱積層部に固定するエポキシ樹脂やアクリル樹脂等からなる接着層である。
【0025】
このように、低融点ガラスを蓄熱層7として用いることにより、後述の図2に示す方法により発熱積層部を実現することができ、平滑な感熱紙接触面(印字面)を得ることができる。また、ガラスによって蓄熱層7を構成することにより、ポリイミド樹脂等の耐熱性樹脂により蓄熱層を構成する場合に比較し、発熱積層部2(保護層3、発熱抵抗体5、電極5a、5b、バリア層8、蓄熱層7からなる部分)の強度を向上させることができ、砂等の硬質粒子を噛み込んだ場合においても損傷を免れることができる。
【0026】
また、本実施例においては、駆動IC9および外部への配線10が印字面の反対側に配置されているので、駆動IC9およびその電気的接続部12a〜12cと感熱紙等との接触がなくなり、電気系の断線や短絡等の不具合が発生する危険性を無くすることが可能となる。
【0027】
また、駆動IC9が印字面の反対面にあるため、駆動IC9を印字部に近接させて配置することができ、サーマルヘッドの大きさを従来構造に比較して大幅に小型化することができる。また、この小型化により、1枚の集合基板から得られるサーマルヘッドの個数を増加させることができ、その結果、一度に多数分の成膜が可能となり、サーマルヘッドの製造効率の向上が達成でき、サーマルヘッドの低コスト化が可能となる。
【0028】
図2は図1の実施例のサーマルヘッドの製造方法を説明する工程図である。本実施例においては、まず図2(A)に示すように、仮の基板1上に保護層3を形成する。仮の基板1としては、安価で入手が容易な0.7mm厚のホウケイ酸ガラス板(日本電気硝子社製、商品名BLC)を用いた。
【0029】
保護層3として、SiB層およびSiO層をプラズマCVDにより400℃の雰囲気で順に形成した。SiB層の厚みは7μmとし、SiO層の厚みは3μmとした。
【0030】
保護層3を形成後、図2(B)に示すように、発熱抵抗体4となるNb−SiO層を、300℃〜350℃の温度において、スパッタリングにより0.1μmの厚みに形成し、RIEにより、個々の発熱抵抗体4に分離形成した。発熱抵抗体4のピッチは167μmとし、発熱抵抗体4同士の間隔を10μmとした。なお、Nb−SiO層とは、アモルファスのSiO層の中に金属NbやNbの珪化物、酸化物が混在したものである。このように発熱抵抗体4を設けた後、そのTCRを改善するために、400℃程度で熱処理を行ってもよい。
【0031】
次に図2(C)に示すように、電極5a、5bとしてのAl層を100℃の温度において蒸着により0.5μmの厚みに形成し、HPO、C、HNOを混合した混合液をエッチャントとして用い、共通電極5aと個別電極5bとを、これらの一部を発熱抵抗体4上に重ねて形成し、かつ別の位置に電極11を形成した。
【0032】
次に図2(D)に示すように、バリア層8としてのSiO層をプラズマCVDにより0.3μmの厚みに成膜した。そして成膜したSiO層を、HFをエッチャントとしてエッチングすることにより、図1(B)のように、保護層3の反対側に駆動IC9を設けるため、電極5b、11にフリップチップボンディングによって接続するための穴をバリア層8に設けた。
【0033】
次に、図2(E)に示すように、蓄熱層7を形成するため、低融点のガラスフリットをバインダーに混合したペーストをバリア層8にスクリーン印刷後、360℃、2時間で焼成した。ガラスペーストとしては、日本電気硝子社製、品名PLS−1301のものを用いた。
【0034】
次に駆動IC9および外部接続用配線10の底面の半田ボールを電極5b、11に融着して駆動IC9を発熱積層部に固定した。すなわちフリップチップボンディングにより駆動IC9や配線10を固定した。
【0035】
次に、駆動IC9の部分にAl板でなる放熱板13の穴13aを合わせ、上述のように形成された部分に放熱板13をエポキシ樹脂でなる接着剤14により接着し、150℃で加熱することに硬化し、一体に固定した。
【0036】
その後、仮の基板1より下の部分を、日化精工社製、品名ブラックマスクからなるエッチングレジスト(プロテクトワックスでもよい)により覆い、HF液に浸漬して仮の基板1を溶解させた。これにより、図2(F)に示すように、仮の基板1上に形成された平滑な面の保護層3を露出させることができる。
【0037】
なお、図2の実施例においては、仮の基板1として安価なガラス板を使用し、仮の基板上に保護層3を直接成膜し、仮の基板1上に各層の成膜や駆動IC9の搭載後、仮の基板1を溶解させることにより除去したが、仮の基板1として高価な板材を使用する場合には、仮の基板1上にMgO等の犠牲層を成膜し、前述のように各層の成膜、駆動ICの固定後、前記犠牲層をりん酸等により溶解して仮の基板1を発熱積層部2から分離し、仮の基板1を再使用するようにしてもよい。
【0038】
また、電極5a、5b、11は、発熱抵抗体4を形成した後に形成するのではなく、発熱抵抗体4の形成前に形成してもよい。
【0039】
図3(A)は本発明のサーマルヘッドの他の実施例を発熱積層部について示す断面図であり、本実施例は、発熱部6の真下の部分の限定された領域に、バリア層8を介して低融点ガラスからなる部分グレーズ層としての蓄熱層7を設けると共に、その下に例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性樹脂からなる蓄熱層16を設けたものである。
【0040】
本実施例によれば、発熱部6が樹脂層より強度の大きなガラスでなる蓄熱層7によって支持されるため、樹脂層のみでなる蓄熱層で構成する場合に比較して強度の大きなサーマルヘッドを提供することができる。また、樹脂でなる蓄熱層16をガラスでなる蓄熱層7に重ねることにより、蓄熱作用が増大し、低消費電力のサーマルヘッドが提供できる。
【0041】
図3(B)の例は、前記樹脂でなる蓄熱層16を前記駆動IC9の固定手段として兼用したものである。本実施例によれば、図1(B)の実施例による効果を奏することができる上、さらに、樹脂層16を蓄熱層と駆動IC9の固定に兼用できるため、部品点数、工程数が低減されるという効果が得られる。
【0042】
図4は図3の発熱積層部構造を実現するための製造工程図であり、図4(A)〜図4(D)の工程は図2(A)〜図2(D)の工程と同じである。図4(D)のようにバリア層8を形成した後、図4(E)に示すように、前記低融点ガラスからなる蓄熱層7を、発熱部6の紙面左右方向の長さよりやや広い範囲にわたって、ガラスペーストの印刷またはディスペンサによる塗布と、350℃〜400℃での焼成により形成した。
【0043】
次に、エポキシ樹脂でなる蓄熱層16を形成するため、図4(F)に示すように、前記低融点ガラスでなる蓄熱層7全体を覆うように、該樹脂を含むペーストを印刷し、150℃で加熱し硬化させた。
【0044】
なお、図3(B)に示すように、該樹脂でなる蓄熱層16を駆動IC9の固定に用いるため、駆動IC9を固定する場合は、予め低融点ガラスによる蓄熱層7を形成した後、駆動IC9を電極5b、11に半田により固定し、その後蓄熱層16を形成する。
【0045】
本実施例においては、樹脂でなる蓄熱層16を駆動IC9および配線10の固定に兼用したが、蓄熱層16と固定用接着剤を別にし、予め蓄熱層7を形成した後、蓄熱層16を駆動IC9の配置場所を避けた箇所に設け、駆動IC9を固定するようにしてもよい。また、熱応答特性を調整するため、樹脂でなる蓄熱層16中に金属粉若しくは熱伝導率の高いセラミック粉(例えばAlN、Al等)を適宜分散含有させることも可能である。
【0046】
図5は本発明の他の実施例であり、本実施例は、前記低融点ガラスからなる蓄熱層7とポリイミド樹脂等の耐熱性樹脂からなる耐熱層16により発熱積層部のみでなるサーマルヘッドチップ24を形成し、該チップ24は印字面より反対側にアルミナ等の絶縁性基板17との接続部が得られるように、チップ24に電極5a、5bから裏面に至る導体21、22を設け、該チップ24と駆動IC9とを別々に、絶縁性基板17上に設けた導体19、20に半田により固定したものである。18は絶縁性基板17に接着した放熱板、23は駆動IC19にモールドした樹脂である。
【0047】
前記チップ24に設ける導体21、22は、ポリイミド樹脂でなる耐熱層16にエキシマレーザ等の方法により穴を設け、この穴にNiや半田等の導電性を有する金属を充填することにより、形成することができる。
【0048】
このような構造においても、前記仮の基板を用いた製造方法を採用でき、平滑な印字面が形成できると共に、蓄熱層7として低融点ガラスを用いることにより、前記実施例と同様に強度の増大が図れる。また、印字面と反対側の面を基板17に電気的に接続することにより、従来のサーマルヘッドのように、配線接続箇所(ボンディングパッド)と発熱部との間の距離を、10mm程度まで長くする必要がなくなり、サーマルヘッドチップ24の幅を2mm程度にまで狭くすることができる。このため、従来のサーマルヘッドチップ24と比較して、同面積の集合基板から約5倍の数のサーマルヘッドチップを得ることが可能となり、製造コストを大幅に低減することが可能となる。
【0049】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、サーマルヘッドの蓄熱層を、軟化点が300℃〜400℃の低融点ガラスを用いて350℃〜400℃で焼成することにより形成したので、比較的廉価で融点の低いアルミニウム電極を用いても、低融点ガラスの焼成の際に電極が酸化を起こすことなく、また発熱抵抗体の熱処理も可能となる。このため、印字面が平滑なサーマルヘッドを得ることができる。
【0050】
また、耐熱性樹脂を蓄熱層に用いる場合に比較し、機械的強度が向上し、砂等の噛み込みによる損傷を防止することができる。
【0051】
請求項2のサーマルヘッドの製造方法によれば、請求項1の効果に加え、蓄熱層と発熱部との間にバリア層が形成されるため、蓄熱層を構成する低融点ガラスの含有物質が発熱部に拡散して特性を劣化させるおそれがないサーマルヘッドが得られるという効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本発明によるサーマルヘッドの一実施例を発熱積層部について示す断面図、(B)は(A)の基本構成を踏襲したサーマルヘッドの全体構成の一例を示す断面図である。
【図2】 (A)〜(F)は図1(A)の実施例の製造工程図である。
【図3】 (A)は本発明によるサーマルヘッドの他の実施例を発熱積層部について示す断面図、(B)は(A)の基本構成を踏襲したサーマルヘッドの全体構成の一例を示す断面図である。
【図4】 (A)〜(G)は図2(A)の実施例の製造工程図である。
【図5】 本発明によるサーマルヘッドの他の実施例を示す断面図である。
【図6】 従来のサーマルヘッドの他の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:仮の基板、3:保護層、4:発熱抵抗体、5a:共通電極、5b:個別電極、6:発熱部、7:低融点ガラスでなる蓄熱層、8:バリア層、9:駆動IC、10:外部への配線、11:電極、12a〜12c:接続部、13:放熱板、14:接着剤、16:樹脂でなる蓄熱層、17:絶縁性基板、18:放熱板、19、20:導体、21、22:導体、23:モールド樹脂、24:サーマルヘッドチップ

Claims (2)

  1. 仮の基板上に保護層を形成するステップと、
    前記保護層の上に発熱抵抗体を形成するステップと、
    前記発熱抵抗体を形成する前または後に、前記発熱抵抗体に接続するアルミニウムからなる電極を形成するステップと、
    前記発熱抵抗体をおよび電極の少なくとも一部を覆うように軟化点が300℃〜400℃の低融点ガラスからなる蓄熱層を、350℃〜400℃で焼成することにより形成するステップと、
    前記仮の基板を除去または分離するステップとを含む
    ことを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
  2. 仮の基板上に保護層を形成するステップと、
    前記保護層の上に発熱抵抗体を形成するステップと、
    前記発熱抵抗体を形成する前または後に、前記発熱抵抗体に接続するアルミニウムからなる電極を形成するステップと、
    前記発熱抵抗体と電極からなる発熱部に蓄熱層の含有物質の拡散を防止するバリア層を介在させるステップと、
    前記バリア層上に軟化点が300℃〜400℃の低融点ガラスからなる蓄熱層を、350℃〜400℃で焼成することにより形成するステップと、
    前記仮の基板を除去または分離するステップとを含む
    ことを特徴とするサーマルヘッドの製造方法。
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