JP2001310932A - 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 - Google Patents

封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置

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JP2001310932A
JP2001310932A JP2000132912A JP2000132912A JP2001310932A JP 2001310932 A JP2001310932 A JP 2001310932A JP 2000132912 A JP2000132912 A JP 2000132912A JP 2000132912 A JP2000132912 A JP 2000132912A JP 2001310932 A JP2001310932 A JP 2001310932A
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resin molding
sealing
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Kazuyoshi Tendou
一良 天童
Mitsuo Katayose
光雄 片寄
Seiichi Akagi
清一 赤城
Megumi Matsui
恵 松井
Ken Nanaumi
憲 七海
Teruki Aizawa
輝樹 相沢
Akira Matsui
章 松井
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ノンハロゲン、ノンアンチモンで難燃性が良好
で、成形性及び信頼性に優れた封止用エポキシ樹脂成形
材料、及びこれにより封止した素子を備えた電子部品装
置を提供する。 【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、
(C)硬化促進剤、(D)無機充填剤、(E)ハロゲン
及びアンチモンを含まない難燃剤を必須成分とし、
(B)成分の硬化剤が(F)下記一般式(I)で示され
るフェノール化合物を含むことを特徴とする封止用エポ
キシ樹脂成形材料、及びこの封止用エポキシ樹脂成形材
料により封止された素子を備えた電子部品装置。 【化1】 (ここで、R1は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル
基、R2は置換又は非置換の芳香族炭化水素基、mは1
〜10の整数、nは0〜10の整数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノンハロゲン、ノ
ンアンチモンで難燃性が良好で、成形性及び信頼性に優
れた封止用エポキシ樹脂成形材料及びこの封止用エポキ
シ樹脂成形材料により封止した素子を備えた電子部品装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、電子部品のプリント配線板へ
の高密度実装化に伴い、電子部品装置は従来のピン挿入
型から、表面実装型のパッケージが主流になってきてい
る。表面実装型のIC、LSIなどは、実装密度を高く
して実装高さを低くするために、薄型、小型のパッケー
ジになっており、素子のパッケージに対する占有体積が
大きくなり、パッケージの肉厚は非常に薄くなってき
た。さらに、これらのパッケージは従来のピン挿入型の
ものと実装方法が異なっている。即ち、ピン挿入型パッ
ケージはピンを配線板に挿入した後、配線板裏面からは
んだ付けを行うため、パッケージが直接高温にさらされ
ることがなかった。しかし、表面実装型パッケージは配
線板表面に仮止めを行い、はんだバスやリフロー装置な
どで処理されるため、直接はんだ付け温度にさらされ
る。この結果、パッケージが吸湿した場合、はんだ付け
時に吸湿水分が急激に膨張し、接着界面の剥離やパッケ
ージクラックが発生してしまう問題がある。従来から、
トランジスタ、IC等の電子部品装置の素子封止の分野
では生産性、コスト等の面から樹脂封止が主流となり、
エポキシ樹脂成形材料が広く用いられている。この理由
としては、エポキシ樹脂が電気特性、耐湿性、耐熱性、
機械特性、インサート品との接着性などの諸特性にバラ
ンスがとれているためである。特に、オルソクレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂とフェノールノボラック硬化
剤の組み合わせはこれらのバランスに優れており、封止
用成形材料のベース樹脂の主流になっている。しかしな
がら、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とフ
ェノールノボラック硬化剤を組み合わせたベース樹脂組
成で封止したICパッケージでは、上記パッケージクラ
ックの問題が避けられないため、ICを防湿梱包して出
荷したり、配線版に実装する前に予めICを十分乾燥し
て使用するなどの方法が取られており、手間及びコスト
の上昇が問題となっている。一方、これらの封止用エポ
キシ樹脂成形材料の難燃化は、主にテトラブロモビスフ
ェノールAのジグリシジルエーテル等のブロム化樹脂と
酸化アンチモンの組合せにより行われているが、最近で
は環境保護の観点からダイオキシン問題に端を発し、デ
カブロムをはじめとするハロゲン化樹脂やアンチモン化
合物に量規制の動きがあり、封止用エポキシ樹脂成形材
料についてもノンハロゲン化(ノンブロム化)、ノンア
ンチモン化の要求が出てきている。また、プラスチック
封止ICの高温放置特性にブロムイオンが悪影響を及ぼ
すことが知られており、この観点からもブロム化樹脂量
の低減が望まれている。そこで、ブロム化樹脂や酸化ア
ンチモンを用いずに難燃化を達成する手法としては、赤
燐を用いる方法(特開平9−227765号公報)、燐
酸エステル化合物を用いる方法(特開平9−23544
9号公報)、ホスファゼン化合物を用いる方法(特開平
8−225714号公報)、金属水酸化物を用いる方法
(特開平9−241483号公報)、金属水酸化物と金
属酸化物を併用する方法(特開平9−100337号公
報)等のハロゲン、アンチモンを含まない難燃剤を用い
る方法、充填剤の割合を高くする方法(特開平7−82
343号公報)等が試みられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、封止用
エポキシ樹脂成形材料に赤燐を用いた場合は耐湿信頼性
の低下や赤燐の打撃発火性に起因する安全性の問題、燐
酸エステル化合物やホスファゼン化合物を用いた場合は
可塑化による成形性の低下や耐湿信頼性の低下の問題、
金属水酸化物や金属酸化物を用いた場合や、充填剤の割
合を高くした場合は流動性の低下の問題がそれぞれあ
り、また、いずれの場合も接着性や吸湿性の低下によっ
て、耐リフロークラック性が低下する等、ブロム化樹脂
と酸化アンチモンを併用した封止用エポキシ樹脂成形材
料と同等の成形性、信頼性を得るに至っていない。特
に、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とフェ
ノールノボラック硬化剤を組み合わせたベース樹脂組成
は、難燃性が低く、ハロゲン及びアンチモンを含まない
難燃剤の大量添加を必要とするため、成形性の低下を引
き起こす。本発明はかかる状況に鑑みなされたもので、
ノンハロゲン、ノンアンチモンで難燃性が良好で、成形
性及び信頼性に優れた封止用エポキシ樹脂成形材料及び
これにより封止した素子を備えた電子部品装置を提供し
ようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ハロゲン及
びアンチモンを含まない難燃剤と硬化剤として特定のフ
ェノール化合物を併用することにより信頼性の優れた封
止用エポキシ樹脂成形材料が得られ、上記の目的を達成
しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、 (1)(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化
促進剤、(D)無機充填剤、(E)ハロゲン及びアンチ
モンを含まない難燃剤を必須成分とし、(B)成分の硬
化剤が(F)下記一般式(I)で示されるフェノール化
合物を含むことを特徴とする封止用エポキシ樹脂成形材
料、
【化5】 (ここで、R1は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル
基、R2は置換又は非置換の芳香族炭化水素基、mは1
〜10の整数、nは0〜10の整数を示す。) (2)(F)上記一般式(I)で示されるフェノール化
合物の150℃における溶融粘度が7p以下である上記
(1)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、 (3)(E)ハロゲン及びアンチモンを含まない難燃剤
が下記一般式(II)で示される縮合型リン酸エステルを
含有してなる上記(1)又は(2)記載の封止用エポキ
シ樹脂成形材料、
【化6】 (ここで、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、8個
のRは全てが同一でも異なっていてもよい。Arは芳香族
環を示す。) (4)(B)硬化剤がさらに(G)フェノール性水酸基
を有する化合物(a)とトリアジン誘導体(b)とアル
デヒド基を有する化合物(c)との重縮合物を含有して
なる上記(1)〜(3)のいずれかに記載の封止用エポ
キシ樹脂成形材料、 (5)(F)重縮合物に用いられるトリアジン誘導体
(b)がメラミン及び/又はベンゾグアナミンである上
記(4)記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、 (6)(G)重縮合物に用いられるフェノール性水酸基
を有する化合物(a)がフェノール・ノボラック樹脂で
ある上記(4)又は(5)記載の封止用エポキシ樹脂成
形材料、 (7)(G)重縮合物の数平均分子量が300〜150
0で、かつ重量平均分子量が650〜10000である
上記(4)〜(6)のいずれかに記載の封止用エポキシ
樹脂成形材料、 (8)(G)重縮合物の分子量分布(重量平均分子量/
数平均分子量)が1.6〜15である上記(7)記載の
封止用エポキシ樹脂成形材料、 (9)(A)エポキシ樹脂が結晶性エポキシ樹脂及び/
又はノボラック型エポキシ樹脂を含有してなる上記
(1)〜(8)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂
成形材料、 (10)結晶性エポキシ樹脂が下記一般式(III)で示
されるエポキシ樹脂である上記(9)記載の封止用エポ
キシ樹脂成形材料。
【化7】 (ここで、R1〜R4は水素原子及び炭素数1〜10の置
換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、すべてが
同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示
す。) (11)(C)硬化促進剤が第三ホスフィンとキノン化
合物との付加物を含有してなる上記(1)〜(10)の
いずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料及び (12)(C)硬化促進剤が下記一般式(IV)で示され
る第三ホスフィンとp−ベンゾキノンとの付加物を含有
してなる上記(11)記載の封止用エポキシ樹脂成形材
料並びに
【化8】 (ここで、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基及
び炭素数1〜4のアルコキシ基から選ばれ、mは1〜3
の整数を示し、mが2又は3の場合、Rは互いに同一で
も異なっていてもよい。) (13)上記(1)〜(12)のいずれかに記載の封止
用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備えた
電子部品装置に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる(A)
エポキシ樹脂としては特に制限はないが、例えば、封止
用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されている1分子
中に2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂で、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール、ク
レゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及
び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキ
シナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、ア
セトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデ
ヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化
合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノ
ボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置
換又は非置換のビフェノール等のジグリシジルエーテ
ル、スチルベン系フェノール類のジグリシジルエーテ
ル、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒ
ドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポ
キシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸
等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得ら
れるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタ
ジエンとフェノ−ル類の共縮合樹脂のエポキシ化物、ナ
フタレン環を有するエポキシ樹脂、ナフトールアラルキ
ル樹脂のエポキシ化物、トリメチロールプロパン型エポ
キシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、オレフィン結合
を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキ
シ樹脂、脂環族エポキシ樹脂などが挙げられ、これらを
単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも成形性と耐リフロークラック性の両立の観点から
は結晶性エポキシ樹脂及びノボラック型エポキシ樹脂が
好ましい。結晶性エポキシ樹脂としては下記一般式(II
I)で示されるスチルベン型エポキシ樹脂が好ましく、
ノボラック型エポキシ樹脂としては下記一般式(V)で
示されるノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。これら
のスチルベン型エポキシ樹脂とノボラック型エポキシ樹
脂を併用することがより好ましい。
【0007】
【化9】 (ここで、R1〜R4は水素原子及び炭素数1〜10の置
換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、すべてが
同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示
す。)
【化10】 (ここで、Rは水素原子及び炭素数1〜10の置換又は
非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、nは0〜5の整
数を示す。)
【0008】上記一般式(III)で示されるスチルベン
型エポキシ樹脂は、原料であるスチルベン系フェノール
類とエピクロルヒドリンとを塩基性物質の存在下で反応
させて得ることができる。この原料であるスチルベン系
フェノール類を例示すると、3−t−ブチル−4,4′
−ジヒドロキシ−3′,5,5′−トリメチルスチルベ
ン、3−t−ブチル−2,4′−ジヒドロキシ−3′,
5′,6−トリメチルスチルベン、3−t−ブチル−
4,4′−ジヒドロキシ−3′,5′,6−トリメチル
スチルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’,5,
5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−
5,5’−ジメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキ
シ−3,3’−ジ−t−ブチル−6,6’−ジメチルス
チルベン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t
−ブチル−6,6’−ジメチルスチルベン、2,4’−
ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−6,6’−
ジメチルスチルベン等が挙げられ、中でも3−t−ブチ
ル−4,4′−ジヒドロキシ−3′,5,5′−トリメ
チルスチルベン及び4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’,5,5’−テトラメチルスチルベンが好ましい。
これらのスチルベン系フェノール類は単独で用いても2
種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明で用
いられる上記一般式(III)で示されるスチルベン型エ
ポキシ樹脂は、単独で用いても2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0009】上記一般式(V)中のRとしては、例え
ば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、
ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハ
ロゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカ
プト基置換アルキル基などの炭素数1〜10の置換又は
非置換の一価の炭化水素基が挙げられ、中でもメチル
基、エチル基等のアルキル基が好ましく、メチル基がよ
り好ましい。上記一般式(V)で示されるノボラック型
エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げ
られ、中でも、オルソクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂が好ましい。
【0010】結晶性エポキシ樹脂及びノボラック型エポ
キシ樹脂の配合量は、特に制限はないが、耐リフローク
ラック性の観点から(A)エポキシ樹脂に対して合わせ
て60重量%以上とすることが好ましい。上記一般式
(III)で示されるスチルベン型エポキシ樹脂と一般式
(V)で示されるノボラック型エポキシ樹脂を併用する
場合、その併用割合は特に制限はないが、重量比で(II
I)/(V)=9/1〜1/9であることが好ましく、
9/1〜5/5がより好ましい。一般式(III)で示さ
れるスチルベン型エポキシ樹脂の割合が多くなりすぎる
と成形性が低下する傾向にあり、一般式(V)で示され
るノボラック型エポキシ樹脂の割合が多くなりすぎると
耐リフロークラック性が低下する傾向にある。
【0011】本発明において用いられる(B)硬化剤と
しては、少なくとも(F)一般式(I)で示されるフェ
ノール化合物を含んでいればよく、それ以外に封止用エ
ポキシ樹脂成形材料に一般に使用されている硬化剤を併
用することもできる。併用する硬化剤としては、例え
ば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコー
ル、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフ
ェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又
はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフ
タレン等のナフトール類とホルムアルデヒド等のアルデ
ヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合
させて得られる樹脂、フェノール類及び/又はナフトー
ル類とジメトキシパラキシレンやビス(メトキシメチ
ル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル
樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フ
ェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂などが挙げ
られ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0012】本発明において用いられる(B)硬化剤に
含まれる(F)成分のフェノール化合物は、下記一般式
(I)で示されるフェノール化合物である。(F)下記
一般式(I)で示されるフェノール化合物としては、m
個の構成単位(x)及びn個の構成単位(y)をランダ
ムに含むもの、交互に含むもの、規則的に含むもの、ブ
ロック状に含むもののいずれか1種又は2種以上の混合
物が挙げられるが、両末端又は片末端がフェノール骨格
以外の芳香族炭化水素のものを含んでいてもよい。中で
も、構成単位(x)のブロック重合体と構成単位(y)
のブロック重合体をランダムに含むものを主成分とする
フェノール化合物が好ましい。
【化11】
【化12】
【0013】上記一般式(I)中のR1は、水素原子又
は炭素数1〜6のメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチ
ル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
シクロヘキシル基等のアルキル基から選ばれ、中でも水
素原子及びメチル基が好ましい。また、R2は例えばフ
ェニレン基、メチルフェニレン基、ジメチルフェニレン
基、トリメチルフェニレン基、テトラメチルフェニレン
基、エチルフェニレン基、ジエチルフェニレン基、ナフ
チレン基、メチルナフチレン基、ジメチルナフチレン
基、エチルナフチレン基、ジエチルナフチレン基等の置
換又は非置換の芳香族炭化水素基から選ばれ、中でもア
ルキル置換芳香族炭化水素基が好ましく、メチル基置換
フェニレン基がより好ましく、ジメチルフェニレン基が
より好ましい。また、上記一般式(I)中のmは1〜1
0の整数を示し、1〜8が好ましく、1〜5がより好ま
しくい。nは0〜10の整数を示し、2〜8が好まし
い。nが0以外の場合は、上記一般式(I)で示される
フェノール化合物(F)はm個の構成単位(x)とn個
の構成単位(y)との共重合物であるが、その共重合モ
ル比m/nは特に制限はないが、エポキシ樹脂硬化物の
耐熱性や強度向上観点から1/0〜1/4が好ましく、
1/0.5〜1/2がより好ましい。
【0014】(F)上記一般式(I)で示されるフェノ
ール化合物の製造方法としては、特に制限はなく、例え
ば、ベンゼン、ナフタレン等の非置換芳香族炭化水素、
トルエン、キシレン、メシチレン、ジュレン等のアルキ
ルベンゼンなどの置換芳香族炭化水素の1種を単独で又
は2種以上を組み合わせて用いて、酸性触媒等の触媒存
在下でアルデヒド基を有する化合物と反応させて得られ
る置換又は非置換芳香族炭化水素−ホルムアルデヒド樹
脂と、フェノール性水酸基を有する化合物及び必要に応
じてアルデヒド基を有する化合物を酸性触媒等の触媒存
在下で60〜180℃、好ましくは80〜140℃で1
〜6時間、好ましくは2〜4時間反応させて得ることが
できる。(F)上記一般式(I)で示されるフェノール
化合物の両末端がフェノール性水酸基を有する化合物と
するためには、置換又は非置換芳香族炭化水素−ホルム
アルデヒド樹脂の両末端にフェノール性水酸基を有する
化合物と反応するメチロール基、メトキシ基がなるべく
多く結合していることが好ましい。フェノール性水酸基
を有する化合物としては、フェノール、カテコール、レ
ゾルシン、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレ
ゾール、エチルフェノール、tert−ブチルフェノー
ル、ハイドロキノン等が挙げられ、これらを単独で又は
2種以上を組み合わせて用いることができる。アルデヒ
ド基を有する化合物としては、ホルムアルデヒド、パラ
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒ
ド等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合
わせて用いることができる。また、触媒としては蓚酸、
硫酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸等の酸性触媒を用いることができる。
【0015】(F)上記一般式(I)で示されるフェノ
ール化合物の150℃における溶融粘度は特に制限はな
いが、流動性の観点から7p以下が好ましく、硬化性及
び流動性の観点から0.5〜6pがより好ましく、1〜
5pがさらに好ましい。ここで、150℃における溶融
粘度はICIコーンプレート法による粘度をいう。
【0016】(F)上記一般式(I)で示されるフェノ
ール化合物としては、例えば、下記一般式(VI)〜(I
X)で示されるフェノール樹脂等が挙げられる。
【化13】 上記一般式(VI)〜(IX)中のmは1〜10の整数を示
し、nは0〜10の整数を示す。上記一般式(VI)〜
(IX)で示されるフェノール樹脂としては、m個、n個
の構成単位をランダムに含むもの、交互に含むもの、規
則的に含むもの、ブロック状に含むもののいずれか1種
又は2種以上の混合物が挙げられるが、それぞれの構成
単位のブロック重合物をランダムに含むものを主成分と
するフェノール樹脂が好ましい。中でも、平均核体数が
2〜15、すなわちm+nの平均値が2〜15のものが
好ましく、2〜9のものがより好ましい。硬化性及び流
動性の観点からは、上記一般式(VII)で示されるフェ
ノール変性キシレン樹脂が好ましい。
【0017】(F)上記一般式(I)で示されるフェノ
ール化合物の配合量は、特に制限はないが、その性能を
発揮するために(B)硬化剤に対して40重量%以上が
好ましく、60重量%以上がより好ましく、70重量%
以上がさらに好ましい。
【0018】本発明において用いられる(B)硬化剤
は、(G)フェノール性水酸基を有する化合物(a)と
トリアジン誘導体(b)とアルデヒド基を有する化合物
(c)との重縮合物をさらに含有することが好ましい。
(G)重縮合物において原料として用いられるフェノー
ル性水酸基を有する化合物(a)としては特に制限はな
く、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、
エチルフェノール、ブチルフェノール、ノニルフェノー
ル、オクチルフェノール等のアルキルフェノール類、レ
ゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールF、ビスフェノールS等の多価フェノール類、α−
ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン
等のナフトール類、又は、フェニルフェノール、アミノ
フェノール等のフェノール誘導体などが挙げられ、さら
にこれらとホルムアルデヒド等のアルデヒド基を有する
化合物とを酸性触媒等の触媒存在下で縮合又は共縮合さ
せて得られる樹脂などが挙げられる。中でも、成形性の
観点からはフェノール、クレゾール、フェノール・ノボ
ラック樹脂が好ましい。これらのフェノール性水酸基を
有する化合物は単独で用いても2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0019】(G)重縮合物において原料として用いら
れるトリアジン誘導体(b)としては、分子中にトリア
ジン核を有する化合物であれば特に制限はなく、例え
ば、メラミン、ジアリルメラミン、ブチルメラミン、ジ
メチルメラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン
等のグアナミン誘導体、シアヌル酸、メチルシアヌレー
ト等のシアヌル酸誘導体などが挙げられ、これらを単独
で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。中
でも、成形性、信頼性の観点からはメラミン、ベンゾグ
アナミン等のグアナミン誘導体が好ましく、メラミンが
より好ましい。また、(G)重縮合物において原料とし
て用いられるアルデヒド基を有する化合物(c)として
は、例えば、ホルムアルデヒド、ホルマリン、パラホル
ムアルデヒド等が挙げられる。
【0020】(G)重縮合物の製造方法は特に制限はな
く、フェノール性水酸基を有する化合物(a)、トリア
ジン誘導体(b)及びアルデヒド基を有する化合物
(c)の各原料を反応させることにより製造できる。例
えば、フェノール性水酸基を有する化合物(a)、トリ
アジン誘導体(b)及びアルデヒド基を有する化合物
(c)とを、付加縮合重合反応等により重縮合させるな
どの一般的な方法で合成することができる。還流反応さ
せた後昇温脱水して重縮合させることもできる。
【0021】(G)重縮合物を合成する場合の反応温度
は、50〜250℃とすることが好ましく、より好まし
くは60〜220℃、さらに好ましくは80〜180℃
である。50℃未満では、反応が不十分となり、分子量
が上がらず、成形性、耐熱性、耐水性、難燃性、強度等
が低下する傾向があり、250℃を超えると(F)成分
を合成する際に、生産設備的に不利となる傾向がある。
反応時間は、1〜30時間とするのが好ましく、より好
ましくは1〜15時間、さらに好ましくは2〜10時間
である。1時間未満では反応が不十分となりがちで、分
子量が上がらず、成形性、耐熱性、耐水性、強度等が低
下する傾向があり、30時間を超えても収量的なメリッ
トが得られなくなるため、経済的に不利である。反応終
了後、必要に応じて、加熱減圧下等で未反応成分、水等
を除去することができるが、その条件は、温度が80〜
220℃、より好ましくは100〜180℃、圧力が1
00mmHg以下、より好ましくは60mmHg以下、
時間が0.5〜10時間とすることが好ましい。また、
反応には必要に応じてトリメチルアミン、トリエチルア
ミン等のアミン系触媒、蓚酸等の酸触媒を、反応触媒と
してフェノール性水酸基を有する化合物(a)1モルに
対して、0.00001〜0.01モル程度加えてもよ
い。反応系のpHは、1〜10程度とするのが好まし
い。
【0022】(G)重縮合物の製造原料として用いられ
るフェノール性水酸基を有する化合物(a)、トリアジ
ン誘導体(b)及びアルデヒド基を有する化合物(c)
の配合割合は、(G)重縮合物の窒素含有量が1〜20
重量%、より好ましくは1〜15重量%、さらに好まし
くは2〜10重量%となるように設定されることが好ま
しい。具体的には、フェノール性水酸基を有する化合物
(a)100g対して、トリアジン誘導体(b)を3〜
50gとすることが好ましく、4〜30gとすることが
より好ましい。また、アルデヒド基を有する化合物
(c)は、フェノール性水酸基を有する化合物(a)1
00g対して5〜100gとすることが好ましく、6〜
50gとすることがより好ましい。このような範囲とす
ることで、最終的に得られる(G)重縮合物の窒素含有
量、分子量分布等を所望の範囲に調整することができ
る。
【0023】(G)重縮合物の数平均分子量(Mn)
(ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定し、標準
ポリスチレン換算した値)は、300〜1500の範囲
内であることが好ましく、より好ましくは350〜12
00、さらに好ましくは380〜1000である。数平
均分子量が300未満であると成形性、耐リフロークラ
ック性が低下する傾向があり、1500を超えると流動
性が低下する傾向がある。(G)重縮合物の重量平均分
子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフで
測定し、標準ポリスチレン換算した値)は、650〜1
0000の範囲内であることが好ましく、より好ましく
は700〜8000、さらに好ましくは800〜900
0である。重量平均分子量が650未満であると耐リフ
ロークラック性が低下する傾向があり、10000を超
えると流動性が低下する傾向がある。(G)重縮合物の
分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)
は、1.6〜15の範囲内であることが好ましく、より
好ましくは1.8〜12である。分子量分布が1.6未
満であると耐リフロークラック性が低下する傾向があ
り、15を超えると流動性が低下する傾向がある。
【0024】(G)重縮合物は、フェノール誘導体の2
核体含有量が15〜40重量%であることが好ましく、
20〜40重量%であることがより好ましい。フェノー
ル誘導体の2核体含有量が15重量%未満では、軟化点
が高くなり、流動性や混練性が低下する傾向があり、4
0重量%を超えると成形性が低下する傾向がある。
(G)重縮合物の軟化点は、40〜150℃であること
が好ましく、60〜100℃であることがより好まし
い。40℃未満では、成形性が低下する傾向があり、1
50℃を超えると、流動性、混練性が低下する傾向があ
る。(G)重縮合物の窒素含有率は、接着性、信頼性の
観点から、上述したように、1〜20重量%であること
が好ましい。
【0025】本発明の(G)重縮合物を例示すると、例
えば、下記構造式(X)〜(XVII)で示される樹脂等が
挙げられる。
【化14】
【化15】
【化16】 上記式(X)〜(XVII)中のm、n、lは互いに独立に
1〜10の整数を示す。これらの式は、m個、n個、l
個の構成単位をランダムに含むもの、交互に含むもの、
規則的に含むもの、ブロック状に含むもののいずれかを
示している。中でも、平均核体数が2〜15、すなわ
ち、m+n+lの平均値が2〜15のものが好ましい。
【0026】(B)硬化剤に(G)重縮合物を用いる場
合、その配合量は特に制限はないが、(B)硬化剤に対
して0.5〜40重量%が好ましく、1〜30重量%が
より好ましく、2〜20重量%がさらに好ましい。
(G)重縮合物の配合量が0.5重量%未満では接着性
が低下する傾向があり、40重量%を超えると封止用エ
ポキシ樹脂成形材料のリフロー温度での弾性率が高くな
り耐リフロークラック性の改善効果が少なくなる傾向が
ある。
【0027】本発明における(A)エポキシ樹脂と
(B)硬化剤との配合比率は、それぞれの未反応分を少
なく抑えるために全エポキシ樹脂のエポキシ当量に対す
る全硬化剤の水酸基当量の比率(硬化剤中の水酸基数/
エポキシ樹脂中のエポキシ基数)が0.5〜2の範囲に
設定されることが好ましく、0.7〜1.3がより好ま
しい。特に成形性、耐リフロークラック性に優れる成形
材料を得るためにはこの比率が0.8〜1.2の範囲に
設定されることがさらに好ましい。
【0028】本発明において用いられる(C)硬化促進
剤は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されて
いるもので特に制限はないが、例えば、1,8−ジアザ
ビシクロ〔5.4.0〕ウンデセン−7、1,5−ジア
ザビシクロ〔4.3.0〕ノネン−5、5,6−ジブチ
ルアミノ−1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウン
デセン−7等のシクロアミジン化合物及びこれらの化合
物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−
トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチル
ベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3
−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、
2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル
−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェ
ニルメタン、フェノール樹脂などのπ結合をもつ化合物
を付加してなる分子内分極を有する化合物、ベンジルジ
メチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノ
エタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル等の3級アミン類及びこれらの誘導体、2−メチルイ
ミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル
−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類及びこれ
らの誘導体、トリブチルホスフィン、メチルジフェニル
ホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メ
チルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フ
ェニルホスフィン等の有機ホスフィン類及びこれらのホ
スフィン類に無水マレイン酸、上記キノン化合物、ジア
ゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化
合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物、テ
トラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、ト
リフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、2−エ
チル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレー
ト、N−メチルモリホリンテトラフェニルボレート等の
テトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体などが挙げ
られる。これらの硬化促進剤は、単独で用いても2種以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】中でも、硬化性及び流動性の観点からは第
三ホスフィンとキノン化合物との付加物が好ましく、そ
の配合量は(C)硬化促進剤に対して60重量%以上が
好ましく、80重量%以上がより好ましい。第三ホスフ
ィンとしては特に限定するものではないが、例えば、ジ
ブチルフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィ
ン、エチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフ
ィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリ
ス(4−エチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−プ
ロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4−ブチルフェ
ニル)ホスフィン、トリス(イソプロピルフェニル)ホ
スフィン、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフィン、
トリス(2,4−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリ
ス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス
(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス
(2,6−ジメチル−4−エトキシフェニル)ホスフィ
ン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリ
ス(4−エトキシフェニル)ホスフィンなどのアリール
基を有する第三ホスフィンが好ましく、成形性の点から
トリフェニルホスフィンが好ましい。キノン化合物とし
ては特に限定するものではないが、例えば、o−ベンゾ
キノン、p−ベンゾキノン、ジフェノキノン、1,4−
ナフトキノン、アントラキノンなどが挙げられ、中で
も、耐湿性及び保存安定性の観点からp−ベンゾキノン
が好ましい。
【0030】第三ホスフィンとキノン化合物との付加物
の製造方法としては、特に制限はないが、原料となる第
三ホスフィンとキノン化合物がともに溶解する溶媒中で
両者を撹拌混合する方法等が挙げられる。この場合の製
造条件としては、室温から80℃の範囲で、原料の溶解
度が高く生成した付加物の溶解度が低いメチルイソブチ
ルケトン、メチルエチルケトン、アセトンなどのケトン
類などの溶媒中で、1時間〜12時間撹拌し、付加反応
させることが好ましい。
【0031】成形性及び高温放置特性の観点からは、下
記一般式(IV)で示される第三ホスフィンとp−ベンゾ
キノンとの付加物を用いることがより好ましい。このよ
うな付加物としては下記一般式(XVIII)で示される構
造の化合物等が挙げられる。
【化17】 ここで、上記一般式(IV)及び一般式(XVIII)中のR
は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基及び炭素数1〜
4のアルコキシ基から選ばれ、mは1〜3の整数を示
し、mが2又は3の場合、Rは互いに同一でも異なって
いてもよい。
【0032】上記一般式(IV)で示される第三ホスフィ
ンとp−ベンゾキノンとの付加物を例示すると、トリス
(4−メチルフェニル)ホスフィンとp−ベンゾキノン
との付加物、トリス(4−エチルフェニル)ホスフィン
とp−ベンゾキノンとの付加物、トリス(4−プロピル
フェニル)ホスフィンとp−ベンゾキノンとの付加物、
トリス(4−ブチルフェニル)ホスフィンとp−ベンゾ
キノンとの付加物、トリス(イソプロピルフェニル)ホ
スフィンとp−ベンゾキノンとの付加物、トリス(t−
ブチルフェニル)ホスフィンとp−ベンゾキノンとの付
加物、トリス(2,4−ジメチルフェニル)ホスフィン
とp−ベンゾキノンとの付加物、トリス(2,6−ジメ
チルフェニル)ホスフィンとp−ベンゾキノンとの付加
物、トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィ
ンとp−ベンゾキノンとの付加物、トリス(2,6−ジ
メチル−4−エトキシフェニル)ホスフィンとp−ベン
ゾキノンとの付加物、トリス(4−メトキシフェニル)
ホスフィンとp−ベンゾキノンとの付加物、トリス(4
−エトキシフェニル)とp−ベンゾキノンとの付加物等
が挙げられ、中でも成形性及び流動性の観点からはトリ
フェニルホスフィンとp−ベンゾキノンとの付加物が好
ましい。これらは、単独で用いても2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0033】上記一般式(IV)で示される第三ホスフィ
ンとp−ベンゾキノンとの付加物の構造を例示すると、
下記一般式(XIX)〜(XXII)で示される付加物等が挙
げられ、中でも一般式(XIX)で示される付加物が好ま
しい。
【化18】
【0034】(C)硬化促進剤の配合量は、硬化促進効
果が達成される量であれば特に制限ないが、封止用エポ
キシ樹脂成形材料に対して0.005〜2重量%が好ま
しく、0.01〜0.5重量%がより好ましい。0.0
05重量%未満では短時間での硬化性に劣る傾向があ
り、2重量%を超えると硬化速度が速すぎて良好な成形
品を得ることが困難になる傾向がある。
【0035】本発明において用いられる(D)無機充填
剤は、吸湿性、線膨張係数低減、熱伝導性向上及び強度
向上のために封止用エポキシ樹脂成形材料に配合される
ものであり、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミ
ナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタ
ン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化
ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステラ
イト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等
の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維な
どが挙げられる。さらに、難燃効果のある無機充填剤と
しては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸
亜鉛、モリブデン酸亜鉛等が挙げられる。これらの無機
充填剤は単独で用いても2種類以上を組み合わせて用い
てもよい。上記の無機充填剤の中で、線膨張係数低減の
観点からは溶融シリカが、高熱伝導性の観点からはアル
ミナが好ましく、充填剤形状は成形時の流動性及び金型
摩耗性の点から球形が好ましい。(D)無機質充填剤の
配合量は、成形性、吸湿性、線膨張係数の低減及び強度
向上の観点から、封止用エポキシ樹脂成形材料に対して
70重量%以上が好ましく、80〜95重量%の範囲が
より好ましい。70重量%未満では耐リフロークラック
性が低下する傾向があり、95重量%を超えると流動性
が不足する傾向がある。
【0036】本発明において用いられる(E)ハロゲン
及びアンチモンを含まない難燃剤としては、ハロゲン及
び/アンチモンの両者を含むもの、いずれかを含むもの
でなければ特に制限はなく、封止用エポキシ樹脂成形材
料に一般に使用されている難燃剤を使用することができ
る。例えば、味の素株式会社製商品名レオフォスTP
P、大八化学株式会社製商品名CR−733S、PX−
200等のリン酸エステル、燐化学工業株式会社製商品
名ノーバエクセル140、日本化学工業株式会社製商品
名ヒシガードCP、ヒシガードTP等の赤燐、Hoechst
社製商品名Hostaflam AP462等のポリリン酸塩などの燐
含有化合物、メラミン、メラミン誘導体、トリアジン環
を有する化合物、シアヌル酸誘導体、日産化学株式会社
製商品名MC−610、MC−640等のイソシアヌル
酸誘導体などの窒素含有化合物、シクロホスファゼン等
の燐/窒素含有化合物、フェロセン、ジアセチルフェロ
セン、ジベンゾイルフェロセン等のメタロセン化合物、
酸化亜鉛、酸化モリブデン、水酸化アルミニウム、協和
化学工業株式会社製商品名キスマ5、タテホ化学工業株
式会社製商品名ファインマグSN等の水酸化マグネシウ
ム、堺化学工業株式会社製商品名HA−1等の硼酸亜
鉛、シャーウィンウイリアムズケミカルズ株式会社製K
EMGARD911等のモリブデン酸亜鉛などの金属化
合物などが挙げられ、これらをエポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂等の樹脂、酸化チタン、アルミナ等の金属酸化物
などで表面処理したものを用いてもよい。これらの難燃
剤は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0037】中でも、難燃性と耐リフロークラック性の
バランスの観点からは下記一般式(II)で示される縮合
型リン酸エステルが好ましい。
【化19】 (ここで、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、8個
のRは全てが同一でも異なっていてもよい。Arは芳香族
環を示す。)
【0038】上記一般式(II)で示される縮合型リン酸
エステルとしては、例えば、下記一般式(XXIII)〜(X
XVII)で示される化合物等が挙げられ、中でも一般式
(XXIV)で示される化合物が好ましい。
【化20】
【化21】
【0039】上記一般式(II)で示される縮合型リン酸
エステルの配合量は、他の難燃剤と合わせて難燃効果が
達成されれば特に制限はないが、上記一般式(II)で示
される縮合型リン酸エステルのみを難燃剤として用いる
場合は、(D)無機充填剤を除く他の全配合成分に対し
て、燐原子の量で0.2〜3重量%の範囲内であること
が好ましく、0.5〜2重量%がより好ましい。0.2
重量%未満では難燃効果が低い傾向があり、3重量%を
超えると成形性及び耐湿性の低下や、成形時の縮合型リ
ン酸エステルのしみ出しによる外観阻害の傾向がある。
他の難燃剤を併用する場合は、上記一般式(II)で示さ
れる縮合型リン酸エステルの配合量は、耐リフロークラ
ック性の観点から(E)ハロゲン及びアンチモンを含ま
ない難燃剤に対して20重量%以上が好ましい。(E)
ハロゲン及びアンチモンを含まない難燃剤の配合量は、
難燃効果が発揮されれば特に制限はなく、用いる難燃剤
の種類によっても異なるが、封止用エポキシ樹脂成形材
料に対して0.1〜20重量%が好ましい。(E)ハロ
ゲン及びアンチモンを含まない難燃剤として、燐含有化
合物を用いる場合、その配合量は(D)無機充填剤を除
く他の全配合成分に対して燐原子の量で0.2〜3重量
%が好ましく、窒素含有化合物を用いる場合、その配合
量は(D)無機充填剤を除く他の全配合成分に対して窒
素原子の量で0.1〜5重量%が好ましく、燐/窒素含
有化合物を用いる場合、その配合量は(D)無機充填剤
を除く他の全配合成分に対して燐原子の量で0.2〜3
重量%が好ましく、メタロセン化合物を用いる場合、そ
の配合量は封止用エポキシ樹脂成形材料に対して0.1
〜2重量%が好ましく、金属化合物を用いる場合、その
配合量は封止用エポキシ樹脂成形材料に対して3〜20
重量%が好ましい。
【0040】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に
は、ICの耐湿性、高温放置特性を向上させる目的で陰
イオン交換体を添加することができる。陰イオン交換体
としては特に制限はなく、従来公知のものを用いること
ができるが、例えば、ハイドロタルサイト類や、マグネ
シウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマ
スから選ばれる元素の含水酸化物等が挙げられ、これら
を単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよ
い。中でも、下記一般式(XXVIII)で示されるハイドロ
タルサイトが好ましい。
【化22】 Mg1-XAlX(OH)2(CO3X/2・mH2O ……(XXVIII) (0<X≦0.5、mは正の整数)
【0041】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料に
は、必要に応じて樹脂成分と無機充填剤との接着性を高
めるためのカップリング剤として、エポキシシラン、メ
ルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレ
イドシラン、ビニルシラン等のシラン系化合物、チタン
系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジ
ルコニウム系化合物等の公知の添加剤を用いることがで
きる。これらは単独で用いても2種類以上を組み合わせ
て用いてももよい。カップリング剤以外に、銅フレーム
と封止用エポキシ樹脂成形材料との接着性を向上させる
ために、必要に応じて接着促進剤を用いることができ
る。この接着促進剤としては、例えば、イミダゾール、
トリアゾール、テトラゾール、トリアジン等及びこれら
の誘導体、アントラニル酸、没食子酸、マロン酸、リン
ゴ酸、マレイン酸、アミノフェノール、キノリン等及び
これらの誘導体、脂肪族酸アミド化合物、ジチオカルバ
ミン酸塩、チアジアゾール誘導体などが挙げられ、これ
らを単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いても
もよい。また、その他の添加剤として、高級脂肪酸、高
級脂肪酸金属塩、エステル系ワックス、ポリオレフィン
系ワックス、ポリエチレン、酸化ポリエチレン等の離型
剤、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタ
ン、鉛丹、ベンガラ等の着色剤、シリコーンオイルやシ
リコーンゴム粉末等の応力緩和剤などを必要に応じて配
合することができる。
【0042】本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、
各種原材料を均一に分散混合できるのであれば、いかな
る手法を用いても調製できるが、一般的な手法として、
所定の配合量の原材料をミキサー等によって十分混合し
た後、ミキシングロール、押出機等によって溶融混練し
た後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。成形
条件に合うような寸法及び重量でタブレット化すると使
いやすい。
【0043】本発明で得られる封止用エポキシ樹脂成形
材料により封止した素子を備えた電子部品装置として
は、リードフレーム上に半導体素子を固定し、素子の端
子部(ボンディングパッド等)とリード部をワイヤボン
ディングやバンプ等で接続した後、封止用エポキシ樹脂
成形材料を用いてトランスファ成形法等により封止して
得られる一般的な樹脂封止型ICパッケージなどが挙げ
られる。これを例示すればDIP(Dual Inline Packag
e)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Ou
tline Package)、SOJ(Small Outline J-lead pack
age)、TSOP(Thin Small Outline Package)、T
QFP(Thin Quad Flat Package)等が挙げられる。特
に表面実装法により配線板に実装される電子部品装置に
適用した場合、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は
優れた信頼性を発揮できる。また、上記に示したリード
(外部接続端子)を有する樹脂封止型パッケージの形態
であれば、封止される素子はトランジスタ、サイリス
タ、IC、LSI、ダイオード等の半導体素子ばかりで
なく、抵抗体、抵抗アレイ、コンデンサ、ポリスイッチ
等のスイッチ類なども対象となり、本発明の封止用エポ
キシ樹脂成形材料はこれらの素子に対しても優れた信頼
性を提供できるとともに、各種素子や電子部品をセラミ
ック基板に搭載した後に全体を封止してなるハイブリッ
トICについても優れた信頼性を得ることができる。本
発明で得られる封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて、
電子部品装置を封止する方法としては、低圧トランスフ
ァー成形法が最も一般的であるが、インジェクション成
形法、圧縮成形法等を用いてもよい。
【0044】
【実施例】次に実施例により本発明を説明するが、本発
明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0045】硬化剤を以下のように合成した。 合成例1:フェノール化合物1〜3の合成 キシレン及びホルムアルデヒドを原料に、硫酸を触媒に
して合成したキシレンホルムアルデヒド樹脂(原料1〜
3)1500gに、フェノール2216g、p−トルエ
ンスルホン酸0.6gを加え、110℃で1時間反応さ
せた。その後80℃に冷却し、ホルマリン400g、蓚
酸12gを加えて105℃で2時間反応させた。次い
で、160℃で減圧濃縮してフェノール化合物1〜3を
得た。原料として使用したキシレンホルムアルデヒド樹
脂及び得られたフェノール化合物1〜3の粘度、軟化
点、水酸基当量を表1に示す。尚、表1中の硬化剤の粘
度はICIコーンプレート法による150℃における溶
融粘度(単位:p)、原料粘度は25℃における粘度
(単位:cps)を示す。
【0046】
【表1】
【0047】合成例2:重縮合物1の合成 撹拌機、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにフェ
ノール94g(1モル)、37重量%ホルマリン水3
2.4g(0.4モル)を入れ、トリエチルアミンを用
いてpHを9に調整後、還流脱水させながら140℃ま
で8時間で昇温させ、次いで140℃で6時間反応させ
た。その後、140℃にて60mmHgの減圧下で未反
応フェノール、未反応ホルムアルデヒド及び水を除去
し、フェノール樹脂21.7gを得た。更にメラミン
1.89g(0.015モル)、37重量%ホルマリン
水3.2g(0.04モル)を入れ、蓚酸を用いてpH
を2に調整後、100℃で8時間反応させた。その後、
140℃にて60mmHgの減圧下で未反応アルデヒド
及び水を除去して、下記一般式(X)で示される構成単
位を有する重縮合物1を得た。得られた重縮合物1の量
は18.5gであった。
【化23】
【0048】合成例3:重縮合物2の合成 撹拌機、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにフェ
ノール94g(1モル)、37重量%ホルマリン水48
g(0.6モル)を入れ、10重量%蓚酸を用いてpH
を2に調整後、還流脱水させながら140℃まで8時間
で昇温させ、次いで140℃で6時間反応させてフェノ
ール樹脂を得た後に、更にメラミン4.345g(0.
034モル)、37重量%ホルマリン水8.0g(0.
1モル)を入れ、還流脱水させながら140℃まで4時
間で昇温させ、次いで140℃で8時間反応させた。そ
の後、140℃にて60mmHgの減圧下で未反応アル
デヒド及び水を除去して、上記一般式(IV)で示される
構成単位を有する重縮合物2を得た。得られた重縮合物
2の量は72gであった。
【0049】合成例4:重縮合物3の合成 撹拌機、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにフェ
ノール94g(1モル)、37重量%ホルマリン水6
4.8g(0.8モル)を入れ、10重量%蓚酸を用い
てpHを2に調整後、還流脱水させながら140℃まで
8時間で昇温させ、次いで140℃で6時間反応させ
た。その後、140℃にて60mmHgの減圧下で未反
応フェノール、未反応ホルムアルデヒド及び水を除去
し、フェノール樹脂53.8gを得た。更にメラミン
2.9g(0.023モル)、ベンゾグアンミン4.3
g(0.023モル)、37重量%ホルマリン水16.
0g(0.2モル)を入れ、100℃で8時間反応させ
た。その後、140℃にて60mmHgの減圧下で未反
応アルデヒド及び水を除去して、下記一般式(XVI)で
示される構成単位を有する重縮合物4を得た。得られた
重縮合物4の量は88.6gであった。
【化24】
【0050】合成例5:重縮合物4の合成 撹拌機、還流冷却器及び温度計の付いたフラスコにフェ
ノール94g(1モル)、37重量%ホルマリン水2
5.1g(0.3モル)、メラミン4.34g(0.0
34モル)をいれ、トリエチルアミンを用いてPHを8
に調整後、還流脱水させながら140℃まで4時間で昇
温させ、次いで140℃で5時間反応させた。その後、
140℃にて60mmHgの減圧下で未反応アルデヒ
ド、未反応フェノール及び水を除去して、上記一般式
(IV)で示される構成単位を有する重縮合物4を得た。
得られた重縮合物4の量は40.8gであった。
【0051】上記合成例2〜5で得られた重縮合物1〜
4の数平均分子量、重量平均分子量、分子量分布(重量
平均分子量Mw/数平均分子量Mn)、フェノール2核
体含有量、軟化点及び窒素含有率を表2に示す。ここ
で、数平均分子量、重量平均分子量は、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーを用い、標準ポリスチレンを
使用した検量線により換算し算出した。分子量分布(重
量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)、フェノール2
核体含有量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ーを用い、面積法で算出した。また、窒素含有量は元素
分析法から算出した。なお、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィーは、以下の条件で行った。 カラム:ゲルパックGL R-420+R-430+R-440 (日立化成工業株式会社製商品名) カラム温度:40℃ 検出器:RI 溶離液:テトラヒドロフラン 流量:1.6ml/min 検量線は、分子量が186,000(品番F-20)、43,900(品
番F-4)、10,300(品番F-1)、2,800(品番A-2500)及
び平均456(品番A-300、分子量578、402、370、266、16
2の5個のフラクションを含む)の標準ポリスチレン
(トーソー株式会社製商品名TSK standard)を使用し
て、横軸に保持時間(分)、縦軸に分子量の対数をとり
作成した。
【0052】
【表2】
【0053】実施例1〜32、比較例1〜6 エポキシ樹脂として、エポキシ当量200、融点67℃
のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量
210、融点120℃のスチルベン型エポキシ樹脂(住
友化学工業株式会社製商品名ESLV−210)、硬化
剤として水酸基当量108、軟化点80℃のフェノール
ノボラック樹脂、(F)フェノール化合物として合成例
1で得られたフェノール化合物1〜3、(G)重縮合物
として合成例2〜5で得られた重縮合物1〜4、硬化促
進剤としてトリフェニルホスフィンとp−ベンゾキノン
との付加物(硬化促進剤1)、トリス(4−メチルフェ
ニル)ホスフィンとp−ベンゾキノンとの付加物(硬化
促進剤2)、(E)ハロゲン及びアンチモンを難燃剤と
して下記一般式(XXIV)で示される縮合型リン酸エステ
ル(難燃剤1)、赤燐(難燃剤2、燐化学工業株式会社
製商品名ノーバエクセル140)、水酸化マグネシウム
(難燃剤3、協和化学工業株式会社製商品名キスマ
5)、硼酸亜鉛(難燃剤4、堺化学工業株式会社製商品
名HA−1)、比較難燃剤としてエポキシ当量375、
軟化点80℃、臭素含量48重量%のビスフェノールA
型ブロム化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン、無機充填
剤として平均粒径17.5μm、比表面積3.8m2
gの球状溶融シリカ、その他の添加剤としてカルナバワ
ックス、カーボンブラックをそれぞれ表3及び表4に示
す重量部で配合し、混練温度80℃、混練時間10分の
条件でロール混練を行い、実施例1〜32及び比較例1
〜6の封止用エポキシ樹脂成形材料を作製した。尚、表
3及び表4中の燐濃度は、無機充填剤(D)を除く他の
全配合成分に対する燐原子の量(重量%)を示す。
【化25】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】実施例及び比較例の封止用エポキシ樹脂成
形材料を、次の各試験により評価した。 (1)スパイラルフロー(流動性の指標) EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用金
型を用いて成形し、流動距離(cm)を求めた。 (2)熱時硬度 封止用エポキシ樹脂成形材料をトランスファプレスを用
いて180±3℃、6.9±0.17MPa、90秒の
条件で直径50mm×厚さ3mmの円板に成形し、成形
後直ちにショアD型硬度計を用いて測定した。 (3)吸水率 封止用エポキシ樹脂成形材料をトランスファプレスを用
いて180±3℃、6.9±0.17MPa、90秒の
条件で直径50mm×厚さ3mmの円板に成形した後、
85℃/85%RHの条件下で168時間放置し、放置
前後の重量変化を測定して吸水率を評価した。 (4)難燃性 厚さ1/16インチの試験片を成形する金型を使用し、
トランスファプレスにて180±3℃、6.9±0.1
7MPa、90秒の条件で封止用エポキシ樹脂成形材料
を成形し、その後180±5℃、5時間後硬化を行い、
UL−94試験法に従って難燃性を評価した。表中のN
Gは、UL−94の規格外で難燃性が達成できないこと
を示す。 (5)耐リフロークラック性 銅リードフレーム上に8×10mmのシリコーンチップ
を搭載した外形寸法20×14×2mmの80ピンフラ
ットパッケージをトランスファ成形により作製し、85
℃/85%RHの条件で加湿して所定時間毎に215℃
/90秒の条件でリフロー処理を行い、クラックの有無
を観察し、不良パッケージ数/測定パッケージ数で評価
した。なお、フラットパッケージは、トランスファプレ
スにて180±3℃、6.9±0.17MPa、90秒
の条件で封止用エポキシ樹脂成形材料を成形し、その後
180±5℃、5時間後硬化を行って作製した。 (6)高温放置特性 外形サイズ5mm×9mmで5μmの酸化膜を有するシ
リコンサブストレート上にライン/スペースが10μm
のアルミ配線を形成したテスト素子を使用して、部分銀
メッキを施した42アロイのリードフレームに銀ペース
トで接続し、サーモニック型ワイヤボンダにより、20
0℃で素子のボンディングパッドとインナリードをAu
線にて接続した。その後、トランスファ成形により、1
6ピン型DIP(Dual Inline Package)を作製し、得
られた試験用ICを200℃の恒温槽に保管し、所定時
間毎に取り出して導通試験を行い、不良パッケージ数を
調べ、測定パッケージ数に占める割合で評価した。な
お、パッケージは、トランスファプレスにて180±3
℃、6.9±0.17MPa、90秒の条件で封止用エ
ポキシ樹脂成形材料を成形し、その後180±5℃、5
時間後硬化を行って作製した。評価結果を表5及び表6
に示す。
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】本発明における(B)硬化剤を含まない、
すなわち、(F)フェノール化合物を用いていない比較
例1、3,4及び6は、いずれも耐リフロークラック性
に著しく劣る。比較例3及び6は、本発明の(E)難燃
剤を用いているが(F)フェノール化合物を併用してい
ないために難燃性が達成できず、高温放置特性も不十分
である。本発明の(E)難燃剤を用いずにハロゲン及び
アンチモンを含む比較難燃剤を用いた比較例1、2、4
及び5は、難燃性に優れるものの高温放置特性に劣る。
これに対して、実施例1〜32は、いずれも難燃性に優
れ、熱時硬度、吸水率、耐リフロークラック性及び高温
放置特性のいずれも良好であり、(E)難燃剤として縮
合型リン酸エステルを用いた実施例1〜5、8〜13、
16〜21、24〜29及び32は耐リフロークラック
性に著しく優れる。また、(F)フェノール化合物とし
て粘度7p以下のフェノール化合物1及び2を用いた実
施例1〜30は流動性も良好である。
【0060】
【発明の効果】本発明になる封止用エポキシ樹脂成形材
料は、実施例で示したように実施例で示したようにノン
ハロゲン、ノンアンチモンで難燃化を達成でき、成形
性、吸水率においても良好な特性を示し、この封止用エ
ポキシ樹脂成形材料を用いて電子部品を封止すれば耐リ
フロークラック性、高温放置特性等の信頼性に優れた電
子部品装置を得ることができるので、その工業的価値は
大である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 63/00 C08L 63/00 A H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 (72)発明者 松井 恵 茨城県つくば市和台48 日立化成工業株式 会社総合研究所内 (72)発明者 七海 憲 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館事業所内 (72)発明者 相沢 輝樹 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館事業所内 (72)発明者 松井 章 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館事業所内 Fターム(参考) 4J002 CC27X CC28Y CD00W EW016 EW048 FD017 FD138 FD14X FD14Y FD156 GQ05 4J036 AA04 AD10 AF06 DA04 DD07 FA01 FA12 FB08 JA07 4M109 AA01 CA21 EA03 EA04 EB03 EB07 EC20

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、
    (C)硬化促進剤、(D)無機充填剤、(E)ハロゲン
    及びアンチモンを含まない難燃剤を必須成分とし、
    (B)成分の硬化剤が(F)下記一般式(I)で示され
    るフェノール化合物を含むことを特徴とする封止用エポ
    キシ樹脂成形材料。 【化1】 (ここで、R1は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル
    基、R2は置換又は非置換の芳香族炭化水素基、mは1
    〜10の整数、nは0〜10の整数を示す。)
  2. 【請求項2】(F)上記一般式(I)で示されるフェノ
    ール化合物の150℃における溶融粘度が7p以下であ
    る請求項1記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  3. 【請求項3】(E)ハロゲン及びアンチモンを含まない
    難燃剤が下記一般式(II)で示される縮合型リン酸エス
    テルを含有してなる請求項1又は請求項2記載の封止用
    エポキシ樹脂成形材料。 【化2】 (ここで、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示し、8個
    のRは全てが同一でも異なっていてもよい。Arは芳香族
    環を示す。)
  4. 【請求項4】(B)硬化剤がさらに(G)フェノール性
    水酸基を有する化合物(a)とトリアジン誘導体(b)
    とアルデヒド基を有する化合物(c)との重縮合物を含
    有してなる請求項1〜3のいずれかに記載の封止用エポ
    キシ樹脂成形材料。
  5. 【請求項5】(F)重縮合物に用いられるトリアジン誘
    導体(b)がメラミン及び/又はベンゾグアナミンであ
    る請求項4記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  6. 【請求項6】(G)重縮合物に用いられるフェノール性
    水酸基を有する化合物(a)がフェノール・ノボラック
    樹脂である請求項4又は請求項5記載の封止用エポキシ
    樹脂成形材料。
  7. 【請求項7】(G)重縮合物の数平均分子量が300〜
    1500で、かつ重量平均分子量が650〜10000
    である請求項4〜6のいずれかに記載の封止用エポキシ
    樹脂成形材料。
  8. 【請求項8】(G)重縮合物の分子量分布(重量平均分
    子量/数平均分子量)が1.6〜15である請求項7記
    載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  9. 【請求項9】(A)エポキシ樹脂が結晶性エポキシ樹脂
    及び/又はノボラック型エポキシ樹脂を含有してなる請
    求項1〜8のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形
    材料。
  10. 【請求項10】結晶性エポキシ樹脂が下記一般式(II
    I)で示されるエポキシ樹脂である請求項9記載の封止
    用エポキシ樹脂成形材料。 【化3】 (ここで、R1〜R4は水素原子及び炭素数1〜10の置
    換又は非置換の一価の炭化水素基から選ばれ、すべてが
    同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示
    す。)
  11. 【請求項11】(C)硬化促進剤が第三ホスフィンとキ
    ノン化合物との付加物を含有してなる請求項1〜10の
    いずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  12. 【請求項12】(C)硬化促進剤が下記一般式(IV)で
    示される第三ホスフィンとp−ベンゾキノンとの付加物
    を含有してなる請求項11記載の封止用エポキシ樹脂成
    形材料。 【化4】 (ここで、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基及
    び炭素数1〜4のアルコキシ基から選ばれ、mは1〜3
    の整数を示し、mが2又は3の場合、Rは互いに同一で
    も異なっていてもよい。)
  13. 【請求項13】請求項1〜12のいずれかに記載の封止
    用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備えた
    電子部品装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010080655A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Asahi Kasei Electronics Co Ltd 半導体素子

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