JP2001310770A - 大型バスのフレーム構造 - Google Patents

大型バスのフレーム構造

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JP2001310770A JP2000125941A JP2000125941A JP2001310770A JP 2001310770 A JP2001310770 A JP 2001310770A JP 2000125941 A JP2000125941 A JP 2000125941A JP 2000125941 A JP2000125941 A JP 2000125941A JP 2001310770 A JP2001310770 A JP 2001310770A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正面衝突時における運転席支持区間の圧縮変
形をより確実に抑制して運転者の安全性を従来以上に高
めると共に、燃料タンク支持区間の圧縮変形についても
同時に抑制して正面衝突時の燃料漏れを確実に回避し得
るようにする。 【解決手段】 大型バスのフレーム構造に関し、運転席
支持区間5から燃料タンク支持区間6に亘る範囲を車両
前後方向に延びる厚肉チャンネル材から成るサイドレー
ル19を採用して補強し、該サイドレール19の第二の
クロスメンバ2に対する貫通位置に、前記サイドレール
19の車幅方向外側面に対し背中合せで溶接されて逆向
きに溝形を成し且つその上下面を第二のクロスメンバ2
に対し溶接された第一のガセット21を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大型バスのフレー
ム構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図14及び図15は従来の大型バスにお
ける前方側のフレーム構造の一例を示すもので、ここに
図示している例では、第一のクロスメンバ1と第二のク
ロスメンバ2の間が運転席支持区間5を成し、第二のク
ロスメンバ2と第三のクロスメンバ3の間が燃料タンク
支持区間6を成し、第三のクロスメンバ3と第四のクロ
スメンバ4の間がフロントサスペンション区間7を成
し、第四のクロスメンバ4以降が座席支持区間8を成す
ようになっている。
【0003】第一のクロスメンバ1と第二のクロスメン
バ2との間は、複数本の角チューブを組み付けて成る左
右のトラス構造9により連結され、第二のクロスメンバ
2と第三のクロスメンバ3との間も左右のトラス構造1
0により連結されるようになっており、これらトラス構
造9,10の左右相互間は、前記の第一〜第三のクロス
メンバ1,2,3以外の連結材によっても連結されるよ
うになっている。
【0004】また、第三のクロスメンバ3と第四のクロ
スメンバ4との間は、複数本の角チューブを組み付けて
成る左右のトラス構造11と、独立懸架式のエアサスペ
ンションのサスペンションアーム12(図14参照:但
し図14中ではアッパ側のみを示している)を傾動自在
に支持するためのサスペンションアーム支持架構13
と、左右のエアスプリング14(図14参照)により支
えられるビーム15とにより連結されるようになってい
る。
【0005】ここで、第三のクロスメンバ3と第四のク
ロスメンバ4との間に配置されるトラス構造11の具体
的な構造につき補足して説明すると、このトラス構造1
1は、第三のクロスメンバ3と第四のクロスメンバ4と
の間を渡る水平材11aと、該水平材11aの長手方向
中央部から第三のクロスメンバ3及び第四のクロスメン
バ4の夫々の下側部に向け斜めに渡された斜材11b,
11cと、該各斜材11b,11cの中途部間を連結す
る水平材11dと、該水平材11dの長手方向中央部と
前記水平材11aの中央部との間を連結する垂直材11
eと、前記各斜材11b,11cの中途部と前記水平材
11aの長手歩行両端部との間を斜めに連結する斜材1
1f,11gとにより構成されている。
【0006】また、サスペンションアーム支持架構13
の具体的な構造につき補足して説明すると、このサスペ
ンションアーム支持架構13は、アッパ側のサスペンシ
ョンアーム12(図14参照)の基端部が枢着されるブ
ラケット13aを装備した上部構造13Aと、ロア側の
サスペンションアーム(図示せず)の基端部が枢着され
るブラケット13bを装備した下部構造13Bと、これ
ら上部構造13Aと下部構造13Bとを連結するサポー
ト部材13Cとにより構成されており、前記上部構造1
3Aは、その前後位置においてV字状に分岐して第三の
クロスメンバ3及び第四のクロスメンバ4の夫々に対し
二箇所ずつ連結されるようになっており、他方、前記下
部構造13Bは、車幅方向の中央を車両前後方向に延び
て第三のクロスメンバ3及び第四のクロスメンバ4の夫
々の下側部に対し連結されるようになっている。
【0007】尚、第四のクロスメンバ4以降の図示しな
いクロスメンバの相互間は、複数本の角チューブを組み
付けて成る左右のトラス構造や、図示しない上方位置に
架設される床支持骨格などにより連結されるようになっ
ており、該床支持骨格の上方に床部材や座席が設置され
且つその下方の床下スペースにはエアコンのサブエンジ
ン室や荷物室が形成されるようになっている。
【0008】図中16は乗客が乗り降りするためのステ
ップを補強するための補助クロスメンバ、17はパワー
ステアリングギヤボックス装着用ブラケット、18はフ
ロントタイヤを夫々示している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、斯かる
従来構造においては、運転席支持区間5から燃料タンク
支持区間6にかけての前方構造が、角チューブによるト
ラス構造9,10を主体としたものとなっていたため、
正面衝突時にフロントサスペンション区間7以降の全荷
重が作用した際に、比較的頑強なフロントサスペンショ
ン区間7と衝突対象物との間に挟まれた前記前方構造に
車両前後方向の圧縮変形(潰れ圧縮変形)が起こる虞れ
があり、運転席支持区間5の圧縮変形をより確実に抑制
し得るようにして運転者の安全性を従来以上に高めるこ
とが検討されているが、運転席支持区間5ばかりを補強
すると、その直後にある燃料タンク支持区間6に圧縮変
形が集中してしまうので、この燃料タンク支持区間6の
圧縮変形についても同時に抑制し得るようにして正面衝
突時の燃料漏れを確実に回避する必要がある。
【0010】本発明は上述の実情に鑑みてなしたもの
で、正面衝突時における運転席支持区間の圧縮変形をよ
り確実に抑制して運転者の安全性を従来以上に高めると
共に、燃料タンク支持区間の圧縮変形についても同時に
抑制して正面衝突時の燃料漏れを確実に回避し得るよう
にすることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、第一のクロス
メンバと第二のクロスメンバの間を運転席支持区間と
し、第二のクロスメンバと第三のクロスメンバの間を燃
料タンク支持区間とし、第三のクロスメンバと第四のク
ロスメンバの間をフロントサスペンション区間とし、第
四のクロスメンバ以降を座席支持区間とした大型バスの
フレーム構造において、運転席支持区間から燃料タンク
支持区間に亘る範囲を車両前後方向に延びる厚肉チャン
ネル材から成るサイドレールを採用して補強し、該サイ
ドレールの第二のクロスメンバに対する貫通位置に、前
記サイドレールの車幅方向外側面に対し背中合せで溶接
されて逆向きに溝形を成し且つその上下面を第二のクロ
スメンバに対し溶接された第一のガセットを設けたこと
を特徴とするものである。
【0012】従って、本発明では、運転席支持区間から
燃料タンク支持区間に亘る範囲がサイドレールで補強さ
れていることにより、この区間の正面衝突時における圧
縮変形が抑制され、特に第一のガセットにより衝突エネ
ルギが第二のクロスメンバにも効率良く伝達されて分担
されるので、第二のクロスメンバと第三のクロスメンバ
との間の燃料タンク支持区間が、この間のサイドレール
の突っ張り作用より確実に圧縮変形を抑制される。
【0013】また、本発明においては、サイドレールの
第三のクロスメンバに対する連結位置に、車両前後方向
から見て閉断面を成すボックス構造を有し且つサイドレ
ールの下面に対し自身の上面を溶接されて後端面を第三
のクロスメンバに対し溶接された第二のガセットを設
け、該第二のガセットの第三のクロスメンバを挟んだ後
方位置に、サスペンションアーム支持架構の上部構造を
連結すると良い。
【0014】このようにすれば、サイドレールとサスペ
ンションアーム支持架構の上部構造とが第三のクロスメ
ンバを挟んで段違いに配置せざるを得ない場合でも、第
二のガセットを介してサイドレールからの衝突エネルギ
が効率良くサスペンションアーム支持架構の上部構造へ
と伝達されるので、第三のクロスメンバに剪断応力が作
用することが回避される。
【0015】また、本発明においては、サイドレールの
第三のクロスメンバに対する連結位置に、サイドレール
の外側面に沿う平板状を成して後方へ向け拡張し且つサ
イドレールの車幅方向外側面に対し自身の内側面を溶接
されて後端面を第三のクロスメンバに対し溶接された第
三のガセットを設けると良い。
【0016】このようにすれば、正面衝突時にサイドレ
ールに入力された衝突エネルギが第三のガセットを介し
第三のクロスメンバに効率良く分散伝達されるので、こ
の部分に応力集中が起こることが未然に回避される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照しつつ説明する。
【0018】図1〜図13は本発明を実施する形態の一
例を示すもので、図14及び図15と同一の符号を付し
た部分は同一物を表わしている。
【0019】図1及び図2に示す如く、本形態例の大型
バスのフレーム構造においては、運転席支持区間5から
燃料タンク支持区間6に亘る範囲を、車両前後方向に延
びる厚肉チャンネル材から成る第一のサイドレール19
を採用して補強すると共に、フロントサスペンション区
間7を、前記第一のサイドレール19より車両前後方向
の座屈強度が低い厚肉チャンネル材から成る第二のサイ
ドレール20を採用して補強するようにしている。
【0020】即ち、第一のサイドレール19は、従来の
トラス構造9,10(図14及び図15参照)に替えて
配置され、第一のクロスメンバ1と第三のクロスメンバ
3との間を第二のクロスメンバ2を貫通して連結するよ
うになっており、より具体的には、図3に示す如く、第
二のクロスメンバ2の一部を構成している横梁2a,2
b間を通過し且つ該各横梁2a,2bに対しガセット2
1(第一のガセット)を介して溶接固定されるようにな
っている。
【0021】図4〜図6に示す如く、このガセット21
は、図4に示す如き栓溶接を行うための溶接孔21aを
四箇所に開口した垂直部21bの上下端に、図5に示す
如き平面形状を有する水平部21c,21dを屈曲形成
して成るもので、車両前後方向から見て図6に示す如き
溝形を成すようになっており、先の図3により明らかで
あるように、第一のサイドレール19の車幅方向外側面
に対し垂直部21bを背中合せで溶接されて逆向きに溝
形を成し且つその上下の水平部21c,21dを第二の
クロスメンバ2の横梁2a,2bに対し夫々溶接されて
いる。
【0022】また、図7に示す如く、第一のサイドレー
ル19の後端部は、第三のクロスメンバ3の一部を構成
している左右一対の縦柱3aの前面に対し夫々溶接され
ており、この第三のクロスメンバ3の後端部が溶接され
ている位置の直下には、以下に詳述する如きガセット2
2(第二のガセット)が溶接されている。
【0023】図8及び図9に示す如く、このガセット2
2は、車両前後方向から見て図9に示す如き閉断面を成
すボックス構造を有し、その前端面が前方に向け上り勾
配を成す閉塞板22aを溶接されて塞がれ且つその後端
面が開放された状態となっており、先の図7により明ら
かであるように、第一のサイドレール19の下面に対し
自身の上面を溶接されて後端面を前記縦柱3aの前面に
対し溶接されている。
【0024】ここで、このガセット22の第三のクロス
メンバ3を挟んだ後方位置には、サスペンションアーム
支持架構13のV字状に分岐した上部構造13Aの夫々
が連結されるようになっている。
【0025】尚、図2に図示している例では、ガセット
22の前端の閉塞板22aから第二のクロスメンバ2の
下側部に向け斜めに角チューブの斜材2cを渡して溶接
固定することにより更なる補強を施すようにしてある。
【0026】更に、第一のサイドレール19の後端部と
前記ガセット22の車幅方向外側面には、該各外側面に
沿う平板状を成して後方へ向け拡張し且つ前記第一のサ
イドレール19の後端部と前記ガセット22の各外側面
に対し自身の内側面を溶接されて後端面を前記縦柱3a
の前面に対し溶接されたガセット23(第三のガセッ
ト)が設けられている。
【0027】ここで、このガセット23の詳細な形状は
図10及び図11に示す通りであり、図10に示す如き
栓溶接を行うための溶接孔23a,23b,23cを計
六箇所に開口しており、第一のサイドレール19の後端
部外側面に対しては、溶接孔23aを介し栓溶接される
ようになっており、ガセット22に対しては、溶接孔2
3bを介し栓溶接されるようになっている。
【0028】尚、図2に図示している例では、第二のク
ロスメンバ2の下側部と第三のクロスメンバ3の下側部
との間を連結する角チューブの斜材2dが設けてあるの
で、この斜材2dの車幅方向外側面に対してもガセット
23の下端部が溶接孔23c(図10参照)を介して栓
溶接されるようにしてある。
【0029】また、特に図2に示されているように、第
二のサイドレール20は、前記第一のサイドレール19
に対し車両前後方向に略一直線状に連続し、しかも、従
来のトラス構造11における各斜材11b,11cの中
途部間を連結していた水平材11d(図15参照)を兼
用するように配置され、この水平材11dを除いたトラ
ス構造11と一体的に組み付けられて第三のクロスメン
バ3と第四のクロスメンバ4との間を連結するようにな
っている。
【0030】即ち、第二のサイドレール20の上面に対
し各斜材11f,11gと垂直材11eの下端が夫々溶
接されていると共に、各斜材11b,11cの第二のサ
イドレール20と重合する部分が分割構成されて第二の
サイドレール20の溝形内部にて溶接固定されるように
なっており、この第二のサイドレール20の溝形内部に
溶接された各斜材11b,11cの中間部分と略一直線
状に連続するように各斜材11b,11cの上側部分と
下側部分とが第二のサイドレール20の上下面に対し夫
々溶接されるようにしてある。
【0031】そして、図12に示す如く、第二のサイド
レール20の前端部は、第三のクロスメンバ3における
左右一対の縦柱3aの後面に対し夫々溶接されており、
この第三のクロスメンバ3の前端部の車幅方向外側面に
は、該外側面に沿う平板状を成して前方へ向け拡張し且
つ前記第二のサイドレール20の前端部の車幅方向外側
面に対し自身の内側面を溶接されて前端面を前記縦柱3
aの後面に対し溶接されたガセット24が設けられてい
る。
【0032】また、図13に示す如く、第二のサイドレ
ール20の後端部は、第四のクロスメンバ4の一部を構
成している左右一対の縦柱4aの前面に対し夫々溶接さ
れており、この第三のクロスメンバ3の後端部の車幅方
向外側面には、該外側面に沿う平板状を成して後方へ向
け拡張し且つ前記第二のサイドレール20の後端部の車
幅方向外側面に対し自身の内側面を溶接されて後端面を
前記縦柱4aの前面に対し溶接されたガセット25が設
けられている。
【0033】更に、図2及び図12に示す如く、第二の
サイドレール20の下方に配置されるサスペンションア
ーム支持架構13の上部構造13Aと前記第二のサイド
レール20の前端部下面との間がスペーサ26を介して
連結されており、該スペーサ26の前端面が前記第三の
クロスメンバ3の縦柱3aの後面に対し溶接されてい
る。
【0034】また、第三のクロスメンバ3の下部構造3
Aに対するサスペンションアーム支持架構13の下部構
造13Bの連結位置には、該下部構造13Bの上面と前
記下部構造3Aの後面とが成す隅部に対し傾斜状態で溶
接されて前記隅部に車幅方向へ横臥した三角柱空間を画
定するガセット27が設けられている。
【0035】尚、特に図1に示されている如く、本形態
例においては、第一のクロスメンバ1が第一のサイドレ
ール19の最前端に配設されており、運転席支持区間5
における第一のサイドレール19の夫々の車幅方向外側
には、これら第一のサイドレール19と平行に角チュー
ブから成る補助レール28が配設されていて、前記第一
のクロスメンバ1と第二のクロスメンバ2の横梁2aと
の間が連結されている。
【0036】ここで、車幅方向右側(図1中における上
側)の補助レール28は、先端部にパワーステアリング
ギヤボックス装着用ブラケット17を支持するようにし
たもので、車幅方向左側(図1中における下側)の補助
レール28は、補助クロスメンバ16と協働して乗客が
乗り降りするためのステップを補強するようにしたもの
であり、このような専用の補助レール28を夫々設ける
ことで、後方の通路幅(左右の座席により挟まれた通路
の幅)により規定される第二のサイドレール20の幅間
隔(相互間間隔)と同じ幅間隔での第一のサイドレール
19の配置と、該第一のサイドレール19の車両前後方
向に向けた平行配置とを夫々実現し得るようにしている
のである。
【0037】また、燃料タンク支持区間6における第一
のサイドレール19の夫々の直上位置にも角チューブか
ら成る補助レール29が配設されており、該各補助レー
ル29により第二のクロスメンバ2と第三のクロスメン
バ3との間が連結されて更なる補強が施されるようにし
てある。
【0038】而して、このような構成を採用すれば、運
転席支持区間5から燃料タンク支持区間6に亘る範囲
が、肉厚チャンネル材から成る第一のサイドレール19
で補強されていることにより、この区間の正面衝突時に
おける圧縮変形が抑制され、特にガセット21により衝
突エネルギが第二のクロスメンバ2にも効率良く伝達さ
れて分担されるので、第二のクロスメンバ2と第三のク
ロスメンバ3との間の燃料タンク支持区間6が、この間
の第一のサイドレール19の突っ張り作用より確実に圧
縮変形を抑制されることになる。
【0039】また、第一のサイドレール19の第三のク
ロスメンバ3に対する連結位置にガセット22を設け、
該ガセット22の第三のクロスメンバ3を挟んだ後方位
置にサスペンションアーム支持架構13の上部構造13
Aを連結するようにしているので、特に図2に図示され
ているように、第一のサイドレール19とサスペンショ
ンアーム支持架構13の上部構造13Aとが第三のクロ
スメンバ3を挟んで段違いに配置されている場合でも、
ガセット22を介して第一のサイドレール19からの衝
突エネルギが効率良くサスペンションアーム支持架構1
3の上部構造13Aへと伝達されるので、第三のクロス
メンバ3に剪断応力が作用することが回避される。
【0040】ここで、第一のサイドレール19とサスペ
ンションアーム支持架構13の上部構造13Aとの段違
いの配置につき補足説明しておくと、第一のサイドレー
ル19の高さ位置は、運転席付近の床高さにより規定さ
れるようになっているのに対し、サスペンションアーム
支持架構13の上部構造13Aの高さ位置は、独立懸架
式のエアサスペンションにおけるアッパ側のサスペンシ
ョンアーム12(図1参照)の基端部を枢着すべき高さ
位置に規定されるようになっており、しかも、第二のサ
イドレール20を第一のサイドレール19に対し車両前
後方向に略一直線状に連続するように配置することを強
度的な優先事項として考慮しなければならないという事
情があるので、これらの事情を勘案すると、自ずから図
2の如き段違いの配置にならざるを得なくなる。
【0041】また、第一のサイドレール19の第三のク
ロスメンバ3に対する連結位置にガセット23を設けて
いるので、正面衝突時に第一のサイドレール19に入力
された衝突エネルギがガセット23を介し第三のクロス
メンバ3に効率良く分散伝達されるので、この部分に応
力集中が起こることが未然に回避される。
【0042】尚、本形態例においては、フロントサスペ
ンション区間7も第二のサイドレール20により補強さ
れているので、この区間も正面衝突時における圧縮変形
が抑制されるが、この第二のサイドレール20は、第一
のサイドレール19より車両前後方向の座屈強度が低く
なっているので、運転席支持区間5から燃料タンク支持
区間6に亘る範囲の座屈強度が第一のサイドレール19
により強固に補強されていても、相対的に低い座屈強度
となる座席支持区間8との間に中間的な座屈強度のフロ
ントサスペンション区間7が介在することにより衝突エ
ネルギが効率良く後方へ伝達され、その衝突エネルギ
が、主として座席支持区間8の床下スペースが車両前後
方向に圧縮変形することで吸収されることになる。
【0043】従って、上記形態例によれば、運転席支持
区間5から燃料タンク支持区間6に亘る範囲を第一のサ
イドレール19により補強し、この第一のサイドレール
19を第二のクロスメンバ2に対しガセット21を介し
て溶接固定しているので、正面衝突時における運転席支
持区間5の圧縮変形をより確実に抑制し得て運転者の安
全性を従来以上に高めることができ、しかも、ガセット
21を介し衝突エネルギを第二のクロスメンバ2に効率
良く伝達させて分担させることにより、第二のクロスメ
ンバ2と第三のクロスメンバ3との間の第一のサイドレ
ール19の突っ張り作用で確実に燃料タンク支持区間6
の圧縮変形を抑制させることができるので、正面衝突時
の燃料漏れを確実に回避することができる。
【0044】また、特に本形態例においては、第一のサ
イドレール19とサスペンションアーム支持架構13の
上部構造13Aとを第三のクロスメンバ3を挟んで段違
いに配置せざるを得ない場合でも、ガセット22を介し
て第一のサイドレール19からの衝突エネルギを効率良
くサスペンションアーム支持架構13の上部構造13A
へと伝達させることができるので、第三のクロスメンバ
3に剪断応力が作用することを回避でき、更には、正面
衝突時に第一のサイドレール19に入力された衝突エネ
ルギをガセット23を介し第三のクロスメンバ3に効率
良く分散伝達させることができるので、この部分に応力
集中が起こることを未然に回避することができ、これら
のガセット22,23の相乗的な作用によって、より一
層確実な前方構造の圧縮変形抑制を実現することができ
る。
【0045】尚、本発明の大型バスのフレーム構造は、
上述の形態例にのみ限定されるものではなく、フロント
サスペンション区間の補強構造には図示以外の構造を採
用しても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない
範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0046】
【発明の効果】上記した本発明の大型バスのフレーム構
造によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0047】(I)本発明の請求項1に記載の発明によ
れば、運転席支持区間から燃料タンク支持区間に亘る範
囲をサイドレールにより補強し、このサイドレールを第
二のクロスメンバに対し第一のガセットを介して溶接固
定しているので、正面衝突時における運転席支持区間の
圧縮変形をより確実に抑制し得て運転者の安全性を従来
以上に高めることができ、しかも、第一のガセットを介
し衝突エネルギを第二のクロスメンバに効率良く伝達さ
せて分担させることにより、第二のクロスメンバと第三
のクロスメンバとの間のサイドレールの突っ張り作用で
確実に燃料タンク支持区間の圧縮変形を抑制させること
ができるので、正面衝突時の燃料漏れを確実に回避する
ことができる。
【0048】(II)本発明の請求項2に記載の発明に
よれば、サイドレールとサスペンションアーム支持架構
の上部構造とを第三のクロスメンバを挟んで段違いに配
置せざるを得ない場合でも、第二のガセットを介してサ
イドレールからの衝突エネルギを効率良くサスペンショ
ンアーム支持架構の上部構造へと伝達させることができ
るので、第三のクロスメンバに剪断応力が作用すること
を回避でき、より一層確実な前方構造の圧縮変形抑制を
実現することができる。
【0049】(III)本発明の請求項3に記載の発明
によれば、正面衝突時にサイドレールに入力された衝突
エネルギを第三のガセットを介し第三のクロスメンバに
効率良く分散伝達させることができるので、この部分に
応力集中が起こることを未然に回避することができ、よ
り一層確実な前方構造の圧縮変形抑制を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す平面図であ
る。
【図2】図1のII−II方向の矢視図である。
【図3】図2のIII−III方向の矢視図である。
【図4】第一のサイドレールと第二のクロスメンバとの
間に設けたガセットの側面図である。
【図5】図4のV−V方向の矢視図である。
【図6】図4のVI−VI方向の矢視図である。
【図7】図2のVII−VII方向の矢視図である。
【図8】第一のサイドレールと第三のクロスメンバとの
間に設けたガセットの側面図である。
【図9】図8のIX−IX方向の矢視図である。
【図10】図8のガセットの外側面に配置される別のガ
セットの側面図である。
【図11】図10のXI−XI方向の矢視図である。
【図12】図2のXII−XII方向の矢視図である。
【図13】図2のXIII−XIII方向の矢視図であ
る。
【図14】従来例を示す平面図である。
【図15】図14のXV−XV方向の矢視図である。
【符号の説明】
1 第一のクロスメンバ 2 第二のクロスメンバ 3 第三のクロスメンバ 4 第四のクロスメンバ 5 運転席支持区間 6 燃料タンク支持区間 7 フロントサスペンション区間 8 座席支持区間 13 サスペンションアーム支持架構 13A 上部構造 19 第一のサイドレール(サイドレール) 21 ガセット(第一のガセット) 22 ガセット(第二のガセット) 23 ガセット(第三のガセット)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅澤 敏明 東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3D003 AA01 AA05 BB10 CA09 CA14 DA07 DA19 DA29

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一のクロスメンバと第二のクロスメン
    バの間を運転席支持区間とし、第二のクロスメンバと第
    三のクロスメンバの間を燃料タンク支持区間とし、第三
    のクロスメンバと第四のクロスメンバの間をフロントサ
    スペンション区間とし、第四のクロスメンバ以降を座席
    支持区間とした大型バスのフレーム構造において、運転
    席支持区間から燃料タンク支持区間に亘る範囲を車両前
    後方向に延びる厚肉チャンネル材から成るサイドレール
    を採用して補強し、該サイドレールの第二のクロスメン
    バに対する貫通位置に、前記サイドレールの車幅方向外
    側面に対し背中合せで溶接されて逆向きに溝形を成し且
    つその上下面を第二のクロスメンバに対し溶接された第
    一のガセットを設けたことを特徴とする大型バスのフレ
    ーム構造。
  2. 【請求項2】 サイドレールの第三のクロスメンバに対
    する連結位置に、車両前後方向から見て閉断面を成すボ
    ックス構造を有し且つサイドレールの下面に対し自身の
    上面を溶接されて後端面を第三のクロスメンバに対し溶
    接された第二のガセットを設け、該第二のガセットの第
    三のクロスメンバを挟んだ後方位置に、サスペンション
    アーム支持架構の上部構造を連結したことを特徴とする
    請求項1に記載の大型バスのフレーム構造。
  3. 【請求項3】 サイドレールの第三のクロスメンバに対
    する連結位置に、サイドレールの外側面に沿う平板状を
    成して後方へ向け拡張し且つサイドレールの車幅方向外
    側面に対し自身の内側面を溶接されて後端面を第三のク
    ロスメンバに対し溶接された第三のガセットを設けたこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の大型バスのフレ
    ーム構造。
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CN107176212A (zh) * 2017-06-20 2017-09-19 安徽安凯汽车股份有限公司 一种客车后桥段总成支撑机构
CN110949511A (zh) * 2019-12-27 2020-04-03 衡阳智电客车有限责任公司 一种新型电动摆渡车车架结构

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