JP2001307967A - 電解コンデンサの安全装置、電解コンデンサ用ケース及び電解コンデンサ - Google Patents
電解コンデンサの安全装置、電解コンデンサ用ケース及び電解コンデンサInfo
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Abstract
制限させて安全性を高めた電解コンデンサの安全装置、
電解コンデンサ用ケース及び電解コンデンサを提供す
る。 【解決手段】 コンデンサ素子(20)を封入するケー
ス(2)の一部に厚肉部(8)を形成し、この厚肉部内
に選択的に薄肉部(10)を形成し、この薄肉部に平面
上の角度を異ならせた複数の線状溝(12〜16)を独
立して形成し、かつ、各線状溝の一端部側を隣接させた
ことにより、弁動作圧の高圧化とともに開弁時の開弁範
囲を制限させ、安全性を高めることができる。
Description
安全装置、電解コンデンサ用ケース及び電解コンデンサ
に係り、過電圧又は過電流による破裂防止に関する。
圧の印加等によってガスを発生する。このガスはケース
内に充満し、その内圧を上昇させる。内圧上昇がケース
の許容範囲を越えると、破裂を生じるおそれがある。ケ
ースに設けられる安全弁は、内圧上昇が許容範囲を越え
たとき、ケースを外気に開放させて破裂を防止し、電解
コンデンサの安全性を高めるものである。この安全弁の
形状としては、実公昭62−33309号が知られてい
る。
動作圧を低く設定すると、その分だけ許容する内圧上昇
が低くなり、安全弁の開口範囲は小さくなる。その結
果、開弁時の他の実装部品への影響回避、例えば、開弁
時の圧力作用による損傷等から実装部品を防護できる利
点がある。
がそれほど大きくない場合にも容易に開弁することとな
る。この開弁動作は電解コンデンサの使用可能時間、即
ち、寿命の目安となり、弁動作圧を低下させることは電
解コンデンサの使用可能時間が短くなるので、その寿命
特性を悪化させることになる。
ンデンサの寿命特性は向上するが、開弁時の不都合が問
題化するおそれがある。
とともに、開弁範囲を制限させて安全性を高めた電解コ
ンデンサの安全装置、電解コンデンサ用ケース及び電解
コンデンサを提供することを課題とする。
の安全装置、電解コンデンサ用ケース及び電解コンデン
サは、コンデンサ素子(20)を封入するケース(2)
の一部に厚肉部(8)を形成し、この厚肉部内に選択的
に薄肉部(10)を形成し、この薄肉部に平面上の角度
を異ならせた複数の線状溝(12〜16)を独立して形
成し、かつ、各線状溝の一端部側を隣接させたことによ
り、弁動作圧の高圧化とともに開弁時の開弁範囲を制限
させ、安全性を高めることができる。
安全装置は、コンデンサ素子(20)を封入するケース
の一部に厚肉部(8)を形成し、この厚肉部内に選択的
に薄肉部(10)を形成し、この薄肉部に平面上の角度
を異ならせた複数の線状溝(12〜16)を独立して形
成し、かつ、各線状溝の一端部側を隣接させてなること
を特徴とする。即ち、弁動作圧は線状溝の深さによって
調整できるが、各線状溝の一端部側を隣接させ、従来の
ように一点に各溝を集中させて連結させていない点、即
ち、各溝の分散化によって弁動作圧が高く設定される。
そして、薄肉部が厚肉部で包囲されているので、開弁範
囲の狭小化が図られている。この結果、弁動作圧の高圧
化とともに開弁範囲を制限させることにより、安全性の
高い安全装置が実現されている。
ケースは、平板部に一定の範囲で形成された厚肉部
(8)と、この厚肉部内に形成された薄肉部(10)
と、この薄肉部の任意の点を中心にして配置角度を異な
らせ、かつ、一端部側を隣接してなる複数の線状溝(1
2〜16)とを備えてなることを特徴とする。即ち、安
全弁を形成する平板部に一定の範囲で厚肉部を形成し、
この厚肉部の範囲内に薄肉部を形成し、薄肉部の任意の
点を中心に配置角度を異ならせ、かつ、一端部側を隣接
して複数の線状溝を形成している。このように構成する
と、各溝の分散化によって弁動作圧が高くなるととも
に、開弁可能な薄肉部が厚肉部で包囲されて開弁範囲の
狭小化が図られ、安全性の高い電解コンデンサ用ケース
が実現されている。
は、安全弁を形成したケースにコンデンサ素子を封入し
てなる電解コンデンサであって、前記ケースの底面部に
形成された厚肉部と、この厚肉部内に形成された薄肉部
と、この薄肉部の任意の点を中心にして配置角度を異な
らせ、かつ、一端部側を隣接させた複数の線状溝とから
なる安全弁を備えたことを特徴とする。即ち、各線状溝
が隣接して集合するものの、それらの孤立化及び分散化
によって弁動作圧が高くなるとともに、開弁可能な薄肉
部が厚肉部で包囲されて開弁範囲の狭小化が図られ、安
全性の高い電解コンデンサが実現されている。
前記薄肉部を前記ケースの内面側に形成し、前記線状溝
を前記ケースの外面側に形成してなることを特徴とす
る。即ち、開弁範囲の狭小化や弁動作圧の高圧化には、
薄肉部や線状溝をケースの内外の何れの面に形成しても
よいが、その一例としてケースの内面側に薄肉部、ケー
スの外面側に線状溝を形成すれば、その加工性が高めら
れる。
の安全装置、電解コンデンサ用ケース又は電解コンデン
サの実施の形態を示している。この電解コンデンサのケ
ース2には、安全装置として安全弁4が設けられてい
る。ケース2はこの実施形態の場合、アルミニウム板の
成形体であって、安全弁4は、ケース2の内圧上昇が、
許容範囲、即ち、その内圧が弁動作圧に到達したとき、
開弁動作を生じてケース2を速やかに外気に開放し、ケ
ース2の破裂を防止する。ケース2はアルミニウム以外
の金属ケース又は樹脂ケース等でもよい。
壁部6より厚く成形された厚肉部8が形成され、この厚
肉部8の範囲内に薄肉部10が形成されている。薄肉部
10は厚肉部8より狭く、例えば、円形の凹部で形成さ
れている。この実施形態では、ケース2の内面側に凹部
9を形成して薄肉部10とされている。即ち、薄肉部1
0が開弁可能範囲であり、厚肉部8が開弁阻止範囲であ
り、薄肉部10の形成範囲によって開弁範囲を調整でき
る。
0の範囲内に直線状でぼぼ同一長の複数の線状溝として
3本の線状溝12、14、16が形成されている。各線
状溝12〜16の長さは任意であり、同一化する必要も
なく、直線状である必要もない。また、線状溝の数は2
又は4以上に設定してもよい。各線状溝12〜16は、
例えば、図2に示すように、薄肉部10に平面上の角度
を異ならせ独立して形成されており、例えば任意の点、
この実施形態では底面部の中心から放射状に120度の
角度で形成され、かつ、各線状溝12〜16の一端部側
を一点に結合させることなくずらし、言い換えれば僅か
に離して隣接させてある。即ち、線状溝12〜16は独
立して形成され、分散化されており、各線状溝12〜1
6の隣接化が弁動作圧に密接に関係し、従来のように結
合ないし一点に集中させていない分だけ弁動作圧が高圧
化されている。
図3に示すように、薄肉部10の表面側の間隔aを広
く、その底面側を狭い間隔bとし、深さcを持つ台形状
の溝とすればよく、また、図示しないV字形状であって
もよい。なお、dは厚肉部8の厚さである。
成すコンデンサ素子20が収納され、その開口部には封
口板22が嵌め込まれ、ケース2の端部の湾曲成形、即
ち、加締め加工によって封止されている。封口板22に
は陽極側端子24、陰極側端子26が貫通固定されてお
り、その内端部側にはコンデンサ素子20から引き出さ
れた陽極側タブ28、陰極側タブ30がそれぞれ同極同
士で電気的に接続されている。この実施形態では、陽極
側端子24及び陰極側端子26の端部側のリベットを加
締めることにより、各タブ28、30が陽極側端子2
4、陰極側端子26に電気的に接続されるとともに、機
械的に固定されている。
溝12〜16の深さによって調整できるが、各線状溝1
2〜16の一端部側を隣接させ、従来のように一点に各
線状溝12〜16を集中させて連結させていない点、即
ち、各線状溝12〜16の分散化によって弁動作圧が高
く設定され、しかも、薄肉部10が厚肉部8で包囲され
ているので、開弁範囲の狭小化が図られている。この結
果、弁動作圧の高圧化とともに開弁範囲を制限させるこ
とにより、安全性の高いケース2、安全弁4又は電解コ
ンデンサを実現することができる。
サに用いられるケース2を用いた。 実施例1 ケース2の底部の厚さとして、厚肉部8の厚さ:0.6
8mm その薄肉部10の厚さ(中心より半径6.5mm部
分):0.40mm 安全弁4は薄肉部10のみに形成され、各線状溝12〜
16は、中心で一点に集中しないように僅かにずらして
配置されている。 比較例 ケース2の底部の厚さ:0.40mm 安全弁はケース2の底面全体に形成し、ケース2の底面
の中心に各線状溝を集中して結合させた。実施例では、
これらのケース2の弁動作圧を調査した。ケース2の内
部側より常温で油圧を加え、安全弁4が動作する圧力を
調べ、その結果は、次の通りである(但し、10個の平
均値)。 実施例 16.0kgf/cm2 比較例 11.5kgf/cm2 このように実施例のケース2では比較例のケース2に比
べ、弁動作圧が高くなった。
作成し、ケース2以外の電解コンデンサとしての仕様は
同一とした。 サイズ:φ35mm×45mmL 定格電圧:400V、定格静電容量:560μF
過電圧(425V)を印加し、寿命試験を行った。一定
時間経過毎に電解コンデンサの外観及び電気的特性の調
査を行った結果を表1に示す。
作は、3つの安全弁のうち、1つの安全弁のみが開き、
開弁の程度、即ち、弁動作時の薄肉部10の破断によっ
て生じる突出部は小さいことが確認できた。このような
現象は、安全弁4がケース2の底面の薄肉部10に形成
されているためであると推測される。
弁の全てが外側に変形するように開弁し、その開弁の程
度は、安全弁の溝の終端まで極めて大きく破断してい
た。
弁動作圧を高圧化でき、電解コンデンサの長寿命化とと
もに、開弁時の開弁範囲を制限でき、安全性を高めた安
全装置、電解コンデンサ用ケース又は電解コンデンサを
提供できる。
デンサ用ケース又は電解コンデンサの実施形態を一部を
省略して示した断面図である。
断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 コンデンサ素子を封入するケースの一部
に厚肉部を形成し、この厚肉部内に選択的に薄肉部を形
成し、この薄肉部に平面上の角度を異ならせた複数の線
状溝を独立して形成し、かつ、各線状溝の一端部側を隣
接させてなることを特徴とする電解コンデンサの安全装
置。 - 【請求項2】 平板部に一定の範囲で形成された厚肉部
と、 この厚肉部内に形成された薄肉部と、 この薄肉部の任意の点を中心に配置角度を異ならせ、か
つ、一端部側を隣接してなる複数の線状溝と、 を備えてなることを特徴とする電解コンデンサ用ケー
ス。 - 【請求項3】 安全弁を形成したケースにコンデンサ素
子を封入してなる電解コンデンサであって、 前記ケースの底面部に形成された厚肉部と、 この厚肉部内に形成された薄肉部と、 この薄肉部の任意の点を中心にして配置角度を異なら
せ、かつ、一端部側を隣接させた複数の線状溝と、 からなる安全弁を備えたことを特徴とする電解コンデン
サ。 - 【請求項4】 前記薄肉部を前記ケースの内面側に形成
し、前記線状溝を前記ケースの外面側に形成してなるこ
とを特徴とする請求項3記載の電解コンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000128137A JP2001307967A (ja) | 2000-04-27 | 2000-04-27 | 電解コンデンサの安全装置、電解コンデンサ用ケース及び電解コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000128137A JP2001307967A (ja) | 2000-04-27 | 2000-04-27 | 電解コンデンサの安全装置、電解コンデンサ用ケース及び電解コンデンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001307967A true JP2001307967A (ja) | 2001-11-02 |
Family
ID=18637624
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000128137A Pending JP2001307967A (ja) | 2000-04-27 | 2000-04-27 | 電解コンデンサの安全装置、電解コンデンサ用ケース及び電解コンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001307967A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102004037843A1 (de) * | 2004-08-04 | 2006-02-23 | Epcos Ag | Kondensatorgehäuse mit Berstsicherung, Verfahren und Stempel zu dessen Herstellung |
WO2013099686A1 (ja) | 2011-12-27 | 2013-07-04 | ニチコン株式会社 | コンデンサ |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2000021692A (ja) * | 1998-07-07 | 2000-01-21 | Nichicon Corp | 電解コンデンサ |
JP2000091168A (ja) * | 1998-09-16 | 2000-03-31 | Nippon Chemicon Corp | 電解コンデンサ |
-
2000
- 2000-04-27 JP JP2000128137A patent/JP2001307967A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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EP2800114A4 (en) * | 2011-12-27 | 2015-08-12 | Nichicon Corp | CAPACITOR |
US9496096B2 (en) | 2011-12-27 | 2016-11-15 | Nichicon Corporation | Capacitor |
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