JP2001305367A - 光学部品と光モジュールおよび光学部品の形成方法 - Google Patents

光学部品と光モジュールおよび光学部品の形成方法

Info

Publication number
JP2001305367A
JP2001305367A JP2000126549A JP2000126549A JP2001305367A JP 2001305367 A JP2001305367 A JP 2001305367A JP 2000126549 A JP2000126549 A JP 2000126549A JP 2000126549 A JP2000126549 A JP 2000126549A JP 2001305367 A JP2001305367 A JP 2001305367A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
substrate
light
thick film
mirror
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000126549A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriaki Okada
訓明 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2000126549A priority Critical patent/JP2001305367A/ja
Publication of JP2001305367A publication Critical patent/JP2001305367A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Optical Head (AREA)
  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学部品の組立に係る費用を下げ、簡単な構
成で加工面を回折格子等の複雑な形状に加工可能な光学
部品の形成方法を提供する。 【解決手段】 基板11上に、基板面に対して垂直な垂
直面15を有するポリイミド層13と、該ポリイミド層
13にレーザ光2を導くための45度ミラー14とを形
成する。上記45度ミラー14を介して、上記ポリイミ
ド層13の垂直面15に、レーザ光2を該垂直面15に
対して垂直に照射して該ポリイミド層13を加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に形成され
た光導波路等の光学厚膜の基板面に対して垂直な面ある
いは傾斜した面にレンズ、回折格子等の光学機能を有す
る光学素子が設けられた光学部品と光モジュールおよび
光学部品の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】基板上のポリイミド膜等の光学厚膜を平
面的にレーザ加工して、回折格子等の光学機能を有する
光学素子を形成すること、即ち上記光学厚膜の基板面と
略平行となる部分に対して、レーザ光を垂直に照射する
ことにより、回折格子等の複雑な形状の光学素子を形成
することは、近年多くの試みがなされている。
【0003】特に、紫外領域に発振波長を有するエキシ
マレーザ光は、炭酸ガスレーザ光やYAGレーザ光等と
比較して、波長が短いので微細加工に適している。ま
た、その加工メカニズムが熱加工でなく、高いフォトン
エネルギーを利用した非熱加工であるアブレーション加
工なので、加工形状が美しく、パルス発振のため加工量
の制御も容易で、任意の深さの加工が可能である。従っ
て、微細な溝加工等を必要とする回折格子には、このエ
キシマレーザ光による加工が好適である。
【0004】このようなエキシマレーザ光によるレーザ
加工装置は、一般的にはレーザ発振器からエキシマレー
ザ光を発振し、所定形状のマスクを透過させ、直接ない
しレンズ系で縮小または拡大した後に、マスク形状のエ
キシマレーザ光を被加工物に照射して加工するという構
成となっている。
【0005】また、レーザアブレーションにより立体加
工を行う方法として、特開平6−297168号公報に
開示されているものが知られている。これは、3つのミ
ラーを使ってレーザ光をX、Y、Zの三方向に走査する
ことで、被加工物の表面に立体的な加工を施すようにな
っている。
【0006】図9を用いて、上記公報に開示されたレー
ザアブレーションによる加工方法について説明する。ま
ず、図示しない光源から照射されたレーザ光Lを、Xミ
ラー131、Yミラー132で反射させる。さらに、こ
の反射させたレーザ光LをZミラー133で反射させ
て、被加工物134の表面135に照射する。3つのミ
ラーを回転させて被加工物134の表面135を走査し
ながら加工を行う。
【0007】このようにして、被加工物134の立体的
(三次元的)にレーザ光を表面135に照射することが
できるため三次元的な加工が可能となっている。なお、
レーザ光Lによる被加工物134の表面135への加工
深さは、照射パワー、スポット径、走査速度で調整す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のレーザ加工方法は、主に基板上のポリイミド膜を基
板と垂直な方向にエッチングする加工方法であり、作製
できる形状に限りがあった。特に、光を基板面と平行な
方向に伝搬させる光導波路の該基板面に平行でない面
を、レンズ、回折格子等の光学機能を有する光学素子等
の複雑な形状に加工することは困難であった。
【0009】そこで、従来では、光導波路に、該光導波
路とは別部材の光学素子を取りつけることで、光導波路
のコアに光を結合させることの可能な光学部品を提供し
ていた。
【0010】しかしながら、光導波路は、コアサイズが
わずか数μmのところに光を閉じ込めることによって、
種々の光学的な機能を実現させるようになっており、こ
の光導波路のコアに光を結合させるために、光導波路と
この光導波路と別部材の光学素子との位置合わせをミク
ロンオーダーで行わなければならず、光学部品の組立に
係る時間が長くなり、この結果、光学部品の組立に係る
費用を下げることが困難となっている。
【0011】従って、上記のような光学部品を備えた光
ピックアップ等の光モジュールの製造に係る費用を低減
させることができないという問題が生じる。
【0012】また、特開平6−297168号公報に
は、垂直面、傾斜面の加工方法が示されているが、レー
ザ光を被加工物の加工面に対して垂直でない方向から照
射して加工するようになっているので、該加工面を単純
な形状にしか加工できず、被加工物の基板面に対する垂
直面上にさらに回折格子等の複雑な形状の光学素子を形
成することができないという問題が生じる。
【0013】また、上記公報の加工方法では、レーザ光
の照射パワー、スポット径、走査速度を厳密に制御しな
ければ、加工面を所望する形状に形成することができな
いという問題が生じる。
【0014】本発明は、上記の各問題点を解決するため
になされたもので、その目的は、基板上に形成された光
学厚膜の基板面とは平行でない面に光学素子を該光学厚
膜と一体的に形成することにより、光学厚膜と光学素子
との位置合わせの必要性をなくす光学部品を提供すると
共に、光学部品の組立に係る費用を下げて、光学部品を
備えた光モジュールを安価に提供し、且つ、簡単な構成
で従来困難であった光学厚膜の基板面に対して平行でな
い面を回折格子等の複雑な形状に形成することが可能な
光学部品の形成方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の光学部品は、上
記の目的を達成するために、基板と、該基板上に形成さ
れ、基板面に対して略平行となる方向に光が進行し、且
つ上記基板面に対して平行でなく、上記光の出射あるい
は入射面となる光出入射面を有する光学厚膜とからな
り、上記光学厚膜の光出入射面を加工して、光学機能を
有する光学素子が形成されていることを特徴としてい
る。
【0016】上記構成によれば、光学厚膜の光出入射面
を加工して光学素子が形成されていることで、光学厚膜
に光学素子が一体化して形成されることになる。
【0017】これにより、例えば光学厚膜を光導波路と
考えた場合、光学素子が光導波路の光出入射面に該光導
波路と一体的に形成された状態となっているので、従来
のように、光導波路と別部材の光学素子と、該光導波路
との位置合わせをミクロンオーダーで行う必要がなくな
るので、光導波路を備えた光学部品の組立に係る時間を
大幅に短縮できる。
【0018】この結果、光学部品の組立に係る費用を低
減することが可能となり、上記のような光学部品を備え
た光ピックアップ等の光モジュールの製造に係る費用を
低減させることができる。
【0019】また、上記光学素子としては、例えばレン
ズ、回折格子等が考えられる。
【0020】また、光出入射面の少なくとも一面は、上
記基板の基板面に対して垂直を成し、この基板面に対し
て垂直を成す光出入射面を加工して上記光学素子が形成
されていてもよい。
【0021】この場合、光学厚膜を基板面に対して略平
行な方向に光が進行する光導波路であれば、上記基板面
と垂直となる面の光出入射面に形成された光学素子か
ら、基板面に略平行に光を出射することができる。
【0022】また、上記基板上の光学素子の近傍に、基
板面と所定の角度を成す光反射面を有し、この光反射面
が該光学素子に向くように配置されたミラーを設けても
よい。
【0023】この場合、基板面と垂直となる面の光出入
射面に形成された光学素子から、基板面に略平行に出射
された光は、上記ミラーの反射面により基板面に対して
(180°−(所定の角度×2))の角度で反射され
る。これにより、ミラーの反射面の基板面に対する角度
を適宜変更することにより、光学厚膜の光出入射面に形
成された光学素子から出射される光を基板面に対して所
望の角度で進行させることが可能となる。
【0024】例えば、ミラーの反射面の基板面に対する
角度を45°にした場合、光学素子から基板面に略平行
に出射される光を該ミラーで基板面に対して垂直(18
0°−(45°×2)=90°)な方向に反射させるこ
とができる。
【0025】上記の光学部品を適用して得られる光モジ
ュールとしては、例えば、基板と、上記基板上に形成さ
れ、基板面に対して略平行となる方向に光が進行し、且
つ上記基板面に対して垂直で、上記光の出射あるいは入
射面となる光出入射面を有する光学厚膜と、上記光学厚
膜の光出入射面を加工して形成された光学機能を有する
光学素子とを備え、上記基板上に、上記光学厚膜に対し
てレーザ光を照射し、上記光学素子から該レーザ光を出
射させるための半導体レーザが搭載されていることを特
徴とする光モジュールが考えられる。
【0026】上記構成によれば、半導体レーザが光学部
品と同一基板上に設けられているので、光モジュールの
集積化を容易に図ることができる。これにより、この光
モジュールを使用した光デバイス、例えばCD(compac
t disc)やMD(mini disc)等の光ディスクに対して
情報の記録再生するための光ピックアップの小型化を図
ることが可能となる。
【0027】上記基板上の上記光学素子の近傍に、基板
面と所定の角度を成す光反射面を有し、この光反射面が
該光学素子に向くように配置されたミラーを設けてもよ
い。
【0028】この場合、基板面と垂直となる面の光出入
射面に形成された光学素子から、基板面に略平行に出射
された光は、上記ミラーの反射面により基板面に対して
(180°−(所定の角度×2))の角度で反射され
る。これにより、ミラーの反射面の基板面に対する角度
を適宜変更することにより、光学厚膜の光出入射面に形
成された光学素子から出射される光を基板面に対して所
望の角度で進行させることが可能となる。
【0029】例えば、ミラーの反射面の基板面に対する
角度を45°にした場合、光学素子から基板面に略平行
に出射される光を該ミラーで基板面に対して垂直(18
0°−(45°×2)=90°)な方向に反射させるこ
とができる。
【0030】ここで、光モジュールを光ピックアップに
適用した場合、光モジュールは基板面法線方向にレーザ
光を出射するため、光ディスクの信号検出器と同一平面
上に配置することができ、実装に適した形態となってい
る。また、同一基板上にレーザ光を出射する光モジュー
ルと光ディスクの信号検出器を集積化することも可能で
ある。これによって、光ピックアップの発光受光ユニッ
トの小型化を図ることができる。
【0031】本発明の光学部品の形成方法は、基板上
に、基板面と平行でない面を有する光学厚膜と、該光学
厚膜にエキシマレーザ光を導くためのミラーとを形成
し、上記光学厚膜の基板面と平行でない面を加工面とし
たとき、上記ミラーを介して、エキシマレーザ光を上記
加工面に対して垂直に照射して該加工面を加工すること
を特徴としている。
【0032】この場合、光学厚膜が形成されている基板
上に設けられたミラーを介して、上記光学厚膜の基板面
と平行でない加工面に、エキシマレーザ光が該加工面に
対して垂直に照射されるようになっているので、光学厚
膜の加工面における加工制御を行いやすくなる。
【0033】これにより、光学厚膜の基板面と平行でな
い加工面を、エキシマレーザ光の照射により光学機能を
有する光学素子等の複雑な形状に加工することが可能と
なる。
【0034】つまり、加工面に対して垂直にレーザ光を
照射する場合、レーザ光の複雑な制御を行うこと無し
に、被加工物やマスクを回転させることで、容易に軸対
称な形の凸レンズ、凹レンズを形成することができる。
このように、軸対称の加工であるので、レンズ歪みは小
さく抑えられ、複雑な制御な不要なため加工面の面精度
も高くすることができる。
【0035】さらに、加工面に垂直な方向に異なる段差
をもつ回折格子を作成するには、加工面に垂直に照射さ
れるレーザ光を用いいる必要がある。
【0036】また、上記光学厚膜の加工面を、上記基板
面に対して垂直となるように加工し、この基板面に対し
て垂直となる加工面に、上記エキシマレーザ光を照射し
てもよい。
【0037】この場合、光学厚膜の加工面が基板面に対
して垂直を成しているので、基板面に対して垂直な面を
光学素子等の複雑な形状に加工することができる。これ
により、上記光学厚膜を、光を基板面に対して略平行に
進行させる光導波路とした場合、基板面に略平行に進行
した光を、光導波路の基板面に対して垂直な加工面から
該基板面に略平行な方向に光を出射させることができ
る。
【0038】また、光導波路は、コアサイズがわずか数
μmのところに光を閉じ込めることによって、種々の光
学的な機能を実現させるようになっており、この光導波
路のコアに光を結合させるために、従来では、光導波路
とこの光導波路と別部材の光学素子との位置合わせをミ
クロンオーダーで行わなければならなかったが、本願発
明では、光導波路の基板面に対して垂直をなす面をエキ
シマレーザ光により加工して光学素子を形成するように
なっているので、光導波路と光学素子との位置合わせを
行う必要がなくなる。
【0039】したがって、上記のように、光学厚膜を光
導波路とした場合、従来のようなミクロンオーダーの位
置合わせを必要としないので、光導波路を有する光学部
品の組立にかかる時間および費用を大幅に低減すること
ができる。
【0040】また、上記ミラーを支持するミラー支持部
材を、上記光学厚膜と同一の材料で形成してもよい。
【0041】この場合、ミラー支持部材を、光学厚膜と
同一の材料で形成することで、基板上に、ミラー支持部
材と光学厚膜とを同時に形成することができる。これに
より、光学部品の形成工程の一部を省略することができ
るので、該光学部品の形成にかかる時間を短縮すること
ができる。
【0042】さらに、上記ミラーを、上記光学厚膜のエ
キシマレーザ光が照射される加工面の近傍に配置しても
よい。
【0043】この場合、ミラーと光学厚膜のエキシマレ
ーザ光が照射される加工面との間隔が長いと、ミラー上
と加工面上とのエキシマレーザ光のビーム径が大きく変
化するために、光学厚膜の加工面上での加工可能な面積
が小さくなる。したがって、ミラーを光学厚膜の加工面
の近傍(加工可能な面積が適切な大きさとなる位置)に
配置することで、ミラーで反射されたエキシマレーザ光
を光学厚膜の加工面に効果的に照射することができる。
【0044】また、上記ミラーが誘電体多層膜で構成さ
れた反射膜であってもよい。
【0045】光学厚膜に対して、より複雑な形状で加工
するような加工時間が長くなる場合、エキシマレーザ光
のミラーへの照射時間も長くなる。このとき、ミラーを
構成する反射膜に金属を用いた場合には、金属がエキシ
マレーザ光を一部吸収してしまうので、エキシマレーザ
光の長時間の照射によりミラーを構成する金属が溶ける
虞がある。
【0046】そこで、エキシマレーザ光をほとんど吸収
しない誘電体多層膜を、ミラーを構成する反射膜に使用
して、エキシマレーザ光の長時間の照射が必要な加工を
行えばよい。このとき、ミラーでは、エキシマレーザ光
をほとんど吸収しないので、ミラー反射によるエキシマ
レーザ光を、エネルギー損失なく効果的に光学厚膜の加
工面に照射することができる。よって、ミラーに金属膜
を使用した場合に比べて、光学部品の形成時間を短縮す
ることができる。
【0047】また、上記エキシマレーザ光と上記加工面
との間の光路中に、透過率を部分的に変化させたマスク
を挿入し、このマスクを透過したエキシマレーザ光を上
記光学厚膜の加工面に照射してもよい。
【0048】この場合、透過率を部分的に変化させたマ
スクを透過したエキシマレーザ光を光学厚膜の加工面に
照射するようになっているので、マスクを透過して得ら
れる光のパターンの相似形の光のパターンを上記加工面
に照射することができる。
【0049】これにより、マスクにおける透過率の分布
を変更するだけで、所望する光のパターンを光学厚膜の
加工面に照射することができる。よって、エキシマレー
ザ光のレーザパワーや、スポット径等の調整を厳密に行
わなくても、所望の形状に簡単に光学厚膜の加工面を加
工することができる。
【0050】さらに、上記光学厚膜の加工面のエキシマ
レーザ光による加工後に、基板上に形成されたミラーを
除去してもよい。
【0051】この場合、ミラーを除去することで、形成
された光学部品において、光学厚膜の加工面に形成され
た光学素子からの出射光を基板面に略平行に進行させる
ことができる。
【0052】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について、
図1ないし図8に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0053】本実施の形態に係る光学部品の形成方法を
実現するための加工装置は、図1に示すように、加工用
光源であるレーザ発振器1、該レーザ発振器1から出射
されたエキシマレーザ光(以下、単にレーザ光と称す
る)2を部分的に透過させるマスク3と、該マスク3を
部分的に透過させて得られたレーザ光2のマスクパター
ンを縮小投影する縮小光学系4とを備えている。上記マ
スク3は、石英基板3aとその上に形成されたマスクパ
ターン3bとからなっている。
【0054】上記レーザ発振器1からは、ビーム形状が
約8×25mmの長方形断面形状で、波長248nmの
KrFのレーザ光2(エキシマレーザ)が出射され、こ
のレーザ光2はマスク3に入射される。
【0055】上記マスク3に入射されたレーザ光2は、
石英基板3aにより均一に透過された後、透明部分と不
透明部分とを有するマスクパターン3bの透明部分を透
過する。そして、マスクパターン3bを透過したレーザ
光2は、縮小光学系4に入射され縮小投影され、下方に
ある光学部品となる被加工物10に導かれる。
【0056】上記被加工物10は、基板11とその上の
一部に成膜された光学厚膜であるポリイミド層13と、
同じく基板11上に設置された45度ミラー14とから
なる。
【0057】上記ポリイミド層13は、基板11の基板
面に対して略平行となる方向に光が進行し、且つ上記基
板面に対して平行でなく上記光の出射あるいは入射面と
なる光出入射面、すなわち基板面に対して垂直となる垂
直面15を有する構成となっている。
【0058】上記45度ミラー14は、基板11上に形
成されたミラー支持部(ミラー支持部材)14aとその
45度面上に成膜された反射面となる金属膜からなる反
射膜14bとから成り、ポリイミド層13の基板11の
基板面に対して垂直な面となる垂直面(加工面、光出入
射面)15の近傍に、45度に傾斜した面がポリイミド
層13の垂直面15の方向を向くよう設置されている。
【0059】ここで、上記レーザ発振器1から出射され
るレーザ光2と被加工物10とは、該レーザ光2が45
度ミラー14を照射するように、位置合わせが行われて
いる。すなわち、縮小光学系4によって縮小投影された
レーザ光2は、45度ミラー14の反射膜14bで反射
されて光路が曲げられ、ポリイミド層13の垂直面15
に対して垂直方向に照射するようになっている。
【0060】上記ポリイミド層13の垂直面15では、
レーザ光2の照射された部分ではアブレーションが進
み、上記マスク3のマスクパターン3bと相似形の形状
の加工が進み、光学素子19を形成する。すなわち、上
記垂直面15では、マスクパターン3bにおける透明部
分に対応する部分がエッチングされ、不透明部分に対応
する部分が未加工状態となって、上記光学素子19を形
成するようになっている。
【0061】そして、ポリイミド層13の基板11の基
板面と垂直となる面である垂直面15に形成された光学
素子19から、基板面に略平行に出射された光は、上記
45度ミラー14の反射膜14bにより基板面に対して
(180°−(45°×2)=90°)の角度で反射さ
れる。
【0062】上述の加工方法では、基板11の基板面と
平行な方向へエッチング加工が進むため、従来、表面加
工で得られた形状と同様な形状の加工が、上記基板11
の基板面に垂直なポリイミド層13の垂直面15におい
ても可能となる。
【0063】ここで、上記光学部品の加工方法の詳細に
ついて図2(a)〜(f)を参照しながら以下に説明す
る。
【0064】まず、基板11上にスピンコート法、アプ
リケート法等の方法で、ポリアミック酸ワニスを塗布
し、基板11を加熱して溶媒を蒸発させて硬化させ、図
2(a)に示すように、基板11上にポリイミド層12
を積層する。
【0065】次に、図2(b)に示すように、反応性イ
オンエッチング(RIE: ReactionIon Etching)、レ
ーザアブレーション等の方法によって基板11上のポリ
イミド層12をエッチングし、基板面と垂直な面15を
もつ光学厚膜であるポリイミド層13を形成し、同時に
その近傍に該基板11の基板面に対して45度に傾斜さ
れた傾斜面16を持つミラー支持部14aを形成する。
【0066】上記傾斜面16は、レーザアブレーション
のスキャニング加工により形成できる。この形成方法を
図3を参照しながら説明する。ここでは、図3に示すよ
うに、三角形状の透明部分20を持つマスク33を用
い、被加工物10を矢印の方向に移動させて、アブレー
ション加工を行う。各点でのレーザ光の累積照射量が異
なるため、エッチング深さも異なり、傾斜面16をもつ
ような形でエッチングが進行する。エネルギー密度とス
キャニング速度の選択によって傾斜面16の角度は自由
に変えることができ、エネルギー密度とスキャニング速
度の最適化によって、45度に傾斜した傾斜面16を形
成する。
【0067】上記傾斜面16は、垂直面15の近傍に形
成する。これは、この間の間隔が長いと、傾斜面16上
と垂直面15上でのレーザ光2のビーム径が大きく変化
するため、垂直面15上での加工可能な面積が小さくな
るからである。
【0068】次に、図2(c)に示すように、基板11
上に反射膜17を成膜する。この反射膜17には、アル
ミニウム等の金属膜、あるいは誘電体多層膜を用い、ス
パッタ、蒸着、CVD等の方法で成膜する。ここで、金
属製の反射膜は、エキシマレーザ光を一部吸収するた
め、レーザ光の照射によって溶ける恐れがあるので、垂
直面の長時間の加工が必要な場合は、誘電体多層膜を用
いるとよい。この反射膜17上にレジスト18を塗布
し、露光、現像を行って、傾斜面16上以外のレジスト
18を除去する。
【0069】次に、図2(d)に示すように、反射膜1
7のエッチングを行って、傾斜面16上以外の反射膜を
除去し、さらにレジスト18を溶かして除去し、傾斜面
16上に反射面となる反射膜14bを形成する。なお、
反射膜14bの形成は、リフトオフ法で行ってもよい。
【0070】続いて、図2(e)に示すように、レーザ
光2(エキシマレーザ)を照射し、ポリイミド層13の
垂直面15の加工を行う。垂直面15には、図1に示す
加工装置のマスクパターン3bと相似形の形状の加工が
行われ、光学素子19が形成される。
【0071】最後に、必要ならば、図2(f)に示すよ
うに、45度ミラー14を除去する。この場合、反射膜
14bをエッチングし、ミラー支持部14aもRIE、
レーザアブレーション等の方法で除去する。
【0072】上記の光学部品のレーザアブレーション加
工に用いるマスク3は、ベリリウム銅に開口を開けた金
属マスク、あるいは石英にクロム等の金属薄膜や誘電体
多層膜を成膜し、パターニングして形成した石英マスク
を用いる。
【0073】上記石英マスクでは、マスク上の金属薄膜
の膜厚や誘電体多層膜の層厚を変えることで、部分的に
透過率を変化させることができ、透過率を段階的に変化
させることで加工速度も部分的に変化させることができ
る。図4は、石英基板3a上にマスクパターンとして誘
電体多層膜22を成膜して形成したマスク43の断面図
であり、誘電体多層膜22の透過率分布をハッチングで
示している。このマスク43を用いて加工を行えば、図
5に示すような段階的に加工された断面形状を持つ光学
部品23を作製することができる。
【0074】なお、直線的な透過率変化の分布をもつマ
スクを用いれば、傾斜面をもつ形状の加工ができる。
【0075】また、透明部分と不透明部分のみで構成さ
れたマスクを用いても、図3に示したような原理で、ス
キャニング加工により、傾斜面をもつ光学部品を作製す
ることができる。マスクあるいは被加工物の回転も利用
したスキャニング加工を行えば、凸レンズ、凹レンズ、
フレネルレンズ等の回転対称な形状の加工もできる。
【0076】ここで、図6に示すような透明部分20と
不透明部分21と有するマスクパターン24をもつマス
ク53を用いた光学部品の加工について、図7に示す加
工装置を参照しながら以下に説明する。
【0077】図7に示す加工装置は、図1に示す加工装
置のマスク3の代わりにマスク53を使用している点が
異なり、その他の構成部材であるレーザ発振器1、縮小
光学系4については図1に示す加工装置と同じである。
【0078】図7に示す加工装置では、被加工物10を
軸Aを中心にして回転させて加工するようになってい
る。これにより、被加工物10のポリイミド層13の垂
直面15に凸レンズ25を形成することができる。ま
た、上記マスクパターン24における透明部分20の形
状を変えることで、凹レンズ、フレネルレンズなども形
成することができる。
【0079】これらの技術を組み合わせることにより、
基板上に形成された光学厚膜の基板面に対して垂直の加
工面に凸レンズ、凹レンズ、フレネルレンズ、回折格子
等の複雑な形状の光学素子を形成することができるの
で、光学素子の作製の自由度が増える。上記加工面に形
成された光学素子は、光導波路型光学系や導光板型光学
系との組み合わせに有効である。
【0080】上述の光学厚膜の材料には、エキシマレー
ザ光での加工が可能な、ポリイミド、PET(ポリエチ
レンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレ
ート)などの高分子材料を用いるとよい。
【0081】図8には、上述の加工方法により形成され
た光学部品を利用した光モジュール27の構成を示す。
【0082】上記光モジュール27では、凸レンズ2
5、及び45度ミラー14が形成されたシリコンからな
る基板11上に半導体レーザ26が集積化された構成と
なっている。すなわち、凸レンズ25、45度ミラー1
4は、基板11上に形成された光学厚膜であるポリイミ
ド層13を加工して、前述の図7に示す加工装置により
作製され、所定の位置に半導体レーザ26をダイボンド
して光モジュール27を形成するようになっている。
【0083】上記構成の光モジュール27では、半導体
レーザ26からの出射光であるレーザ光(エキシマレー
ザ光)28は凸レンズ25で平行光に変換され、45度
ミラー14で基板面法線方向に出射される。
【0084】このため、従来このような構成、すなわち
半導体レーザの光を平行光に変換する凸レンズを有する
光モジュールでは、バルク型の数mmサイズのレンズが
必要であったが、基板上に形成された光学厚膜の基板面
と平行でない面を加工して光学素子が形成された光学部
品を備え、上記基板上に、上記光学部品の光学厚膜の光
学素子の形成面とは異なる面からレーザ光を照射し、該
レーザ光を上記光学素子から出射できる位置に半導体レ
ーザを設けた場合、半導体レーザとレンズとが集積化さ
れた状態となる。
【0085】従って、上記構成の光モジュールによれ
ば、半導体レーザが光学部品と同一基板上に設けられて
いるので、光モジュールの集積化を容易に図ることがで
きる。これにより、この光モジュールを使用した光デバ
イス、例えばCD(compact disc)やMD(mini dis
c)等の光ディスクに対して情報の記録再生するための
光ピックアップの小型化を図ることが可能となる。
【0086】そして、上記基板上の上記光学素子の近傍
に、基板面と所定の角度を成す光反射面を有し、この光
反射面が該光学素子に向くように配置されたミラーを設
けてもよい。
【0087】この場合、基板面と垂直となる面の光出入
射面に形成された光学素子から、基板面に略平行に出射
された光は、上記ミラーの反射面により基板面に対して
(180°−(所定の角度×2))の角度で反射され
る。これにより、ミラーの反射面の基板面に対する角度
を適宜変更することにより、光学厚膜の光出入射面に形
成された光学素子から出射される光を基板面に対して所
望の角度で進行させることが可能となる。
【0088】図8に示すように、45度ミラー14の反
射面である反射膜14bの基板面に対する角度を45°
にした場合、光学素子である凸レンズ25から基板面に
略平行に出射されるレーザ光28を該45度ミラー14
で基板面に対して垂直(180°−(45°×2)=9
0°)な方向に反射させることができる。つまり、基板
面法線方向にレーザ光28が出射するようになる。
【0089】ここで、光モジュールを光ピックアップに
適用した場合、光モジュールは基板面法線方向にレーザ
光を出射するため、光ディスクの信号検出器と同一平面
上に配置することができ、実装に適した形態となってい
る。また、同一基板上にレーザ光を出射する光モジュー
ルと光ディスクの信号検出器を集積化することも可能で
ある。これによって、光ピックアップの発光受光ユニッ
トの小型化を図ることができる。
【0090】なお、本実施の形態では、45度ミラー1
4の傾斜角を、基板面に対して45°傾斜した例を示し
たが、これに限定されるものではなく、光学厚膜の加工
面に対して垂直方向にエキシマレーザ光を照射するよう
にすれば、45度ミラー14の代わりに任意の傾斜角を
有するミラーを使用してもよい。
【0091】本発明の第1の光学部品は、基板と、該基
板上に形成された光学厚膜とからなり、基板面と平行で
ない面を備えるよう、該光学厚膜が加工され、その面上
に光学素子が形成されたことを特徴としている。
【0092】本発明の第2の光学部品は、前記光学厚膜
の、基板面と垂直を成す面上に光学素子が形成されたこ
とを特徴としている。
【0093】本発明の第3の光学部品は、前記光学素子
がレンズ、あるいは回折格子であることを特徴としてい
る。
【0094】本発明の第4の光学部品は、前記光学素子
の近傍に基板面と45度を成すミラーを配置したことを
特徴としている。
【0095】本発明の第1の光学部品の形成方法は、基
板と、該基板上に形成された光学厚膜と、該基板上に形
成されたミラーとを備え、該ミラーを介して、光学厚膜
の基板面と平行でない面にエキシマレーザ光を照射し加
工を行うことを特徴としている。
【0096】本発明の第2の光学部品の形成方法は、前
記光学厚膜の基板と垂直を成す面に、エキシマレーザ光
を照射し加工を行うことを特徴としている。
【0097】本発明の第3の光学部品の形成方法は、前
記ミラーを支持する構造が前記光学厚膜と同一の材料か
らなり、ミラーが光学厚膜のエキシマレーザ光が照射さ
れる面の近傍に配置されたことを特徴としている。
【0098】本発明の第4の光学部品の形成方法は、前
記ミラーが誘電体多層膜で構成された反射膜であること
を特徴としている。
【0099】本発明の第5の光学部品の形成方法は、前
記エキシマレーザ光の光路中に、透過率を部分的に変化
させたマスクを挿入したことを特徴としている。
【0100】本発明の第6の光学部品の形成方法は、前
記光学厚膜のエキシマレーザ光が照射される面の加工後
に、ミラーを除去したことを特徴としている。
【0101】本発明の光モジュールは、基板と、基板上
の光学厚膜を加工して形成された光学素子と、基板上に
搭載された半導体レーザからなり、該光学厚膜が基板と
垂直をなす面をもつよう加工され、その面上に光学素子
が形成されたことを特徴としている。
【0102】
【発明の効果】本発明の光学部品は、以上のように、基
板と、該基板上に形成され、基板面に対して略平行とな
る方向に光が進行し、且つ上記基板面に対して平行でな
く、上記光の出射あるいは入射面となる光出入射面を有
する光学厚膜とからなり、上記光学厚膜の光出入射面を
加工して、光学機能を有する光学素子が形成されている
構成である。
【0103】それゆえ、光学厚膜の光出入射面を加工し
て光学素子が形成されていることで、光学厚膜に光学素
子が一体化して形成されることになる。
【0104】これにより、例えば光学厚膜を光導波路と
考えた場合、光学素子が光導波路の光出入射面に該光導
波路と一体的に形成された状態となっているので、光導
波路と光学素子との位置合わせを不要としている。つま
り、上記構成によれば、従来のように、光導波路と別部
材の光学素子と、該光導波路との位置合わせをミクロン
オーダーで行う必要がなくなるので、光導波路を備えた
光学部品の組立に係る費用を大幅に低減させることがで
きるという効果を奏する。
【0105】また、上記光学素子としては、レンズ、回
折格子等が考えられる。
【0106】また、上記光出入射面の少なくとも一面
は、上記基板の基板面に対して垂直を成し、この基板面
に対して垂直を成す光出入射面を加工して上記光学素子
が形成されていてもよい。
【0107】この場合、光学厚膜を基板面に対して略平
行な方向に光が進行する光導波路であれば、上記基板面
と垂直となる面の光出入射面に形成された光学素子か
ら、基板面に略平行に光を出射することができるという
効果を奏する。
【0108】また、上記基板上の光学素子の近傍に、基
板面と所定の角度を成す光反射面を有し、この光反射面
が該光学素子に向くように配置されたミラーを設けても
よい。
【0109】この場合、基板面と垂直となる面の光出入
射面に形成された光学素子から、基板面に略平行に出射
された光は、上記ミラーの反射面により基板面に対して
(180°−(所定の角度×2))の角度で反射され
る。これにより、ミラーの反射面の基板面に対する角度
を適宜変更することにより、光学厚膜の光出入射面に形
成された光学素子から出射される光を基板面に対して所
望の角度で進行させることができるという効果を奏す
る。
【0110】上記の光学部品を適用して得られる光モジ
ュールは、基板と、上記基板上に形成され、基板面に対
して略平行となる方向に光が進行し、且つ上記基板面に
対して垂直で、上記光の出射あるいは入射面となる光出
入射面を有する光学厚膜と、上記光学厚膜の光出入射面
を加工して形成された光学機能を有する光学素子とを備
え、上記基板上に、上記光学厚膜に対してレーザ光を照
射し、上記光学素子から該レーザ光を出射させるための
半導体レーザが搭載されている構成である。
【0111】それゆえ、半導体レーザが光学部品と同一
基板上に設けられているので、光モジュールの集積化を
図ることができる。これにより、この光モジュールを使
用した光デバイス、例えばCD(compact disc)やMD
(mini disc)等の光ディスクに対して情報の記録再生
するための光ピックアップの小型化を図ることができる
という効果を奏する。
【0112】上記基板上の上記光学素子の近傍に、基板
面と所定の角度を成す光反射面を有し、この光反射面が
該光学素子に向くように配置されたミラーを設けてもよ
い。
【0113】この場合、基板面と垂直となる面の光出入
射面に形成された光学素子から、基板面に略平行に出射
された光は、上記ミラーの反射面により基板面に対して
(180°−(所定の角度×2))の角度で反射され
る。これにより、ミラーの反射面の基板面に対する角度
を適宜変更することにより、光学厚膜の光出入射面に形
成された光学素子から出射される光を基板面に対して所
望の角度で進行させることができるという効果を奏す
る。
【0114】本発明の光学部品の形成方法は、基板上
に、基板面と平行でない面を有する光学厚膜と、該光学
厚膜にエキシマレーザ光を導くためのミラーとを形成
し、上記ミラーを介して、上記光学厚膜の基板面と平行
でない面を加工面としたとき、この加工面に、エキシマ
レーザ光を該加工面に対して垂直に照射して該光学厚膜
を加工する構成である。
【0115】それゆえ、光学厚膜が形成されている基板
上に設けられたミラーを介して、上記光学厚膜の基板面
と平行でない加工面に、エキシマレーザ光が該加工面に
対して垂直に照射されるようになっているので、光学厚
膜の加工面における加工制御を行いやすくなる。これに
より、光学厚膜の基板面と平行でない加工面を、エキシ
マレーザ光の照射により光学機能を有する光学素子等の
複雑な形状に加工することができるという効果を奏す
る。
【0116】また、上記光学厚膜の加工面のうち、上記
基板面に対して垂直をなす加工面に、上記エキシマレー
ザ光を照射してもよい。
【0117】この場合、光学厚膜の加工面が基板面に対
して垂直を成しているので、基板面に対して垂直な面を
光学素子等の複雑な形状に加工することができる。これ
により、上記光学厚膜を、光を基板面に対して略平行に
進行させる光導波路とした場合、基板面に略平行に進行
した光を、光導波路の基板面に対して垂直な加工面から
該基板面に略平行な方向に光を出射させることができる
という効果を奏する。
【0118】また、光導波路は、コアサイズがわずか数
μmのところに光を閉じ込めることによって、種々の光
学的な機能を実現させるようになっており、この光導波
路のコアに光を結合させるために、従来では、光導波路
とこの光導波路と別部材の光学素子との位置合わせをミ
クロンオーダーで行わなければならなかったが、本願発
明では、光導波路の基板面に対して垂直をなす面を加工
して光学素子を形成するようになっているので、光導波
路と光学素子との位置合わせを行う必要がなくなる。
【0119】したがって、光学厚膜を光導波路とした場
合、従来のようなミクロンオーダーの位置合わせを必要
としないので、光導波路を有する光学部品の組立にかか
る時間および費用を大幅に低減することができるという
効果を奏する。
【0120】また、上記ミラーを支持する部材を、上記
光学厚膜と同一の材料で形成してもよい。
【0121】この場合、ミラーを支持する部材を、光学
厚膜と同一の材料で形成することで、基板上に、ミラー
を支持する部材と光学厚膜とを同時に形成することがで
きる。これにより、光学部品の形成工程の一部を省略す
ることができるので、該光学部品の形成にかかる時間を
短縮することができるという効果を奏する。
【0122】さらに、上記ミラーが上記光学厚膜のエキ
シマレーザ光が照射される加工面の近傍に配置されてい
てもよい。
【0123】この場合、ミラーと光学厚膜のエキシマレ
ーザ光が照射される加工面との間隔が長いと、ミラー上
と加工面上とのエキシマレーザ光のビーム径が大きく変
化するために、光学厚膜の加工面上での加工可能な面積
が小さくなる。したがって、ミラーを光学厚膜の加工面
の近傍(加工可能な面積が適切な大きさとなる位置)に
配置することで、ミラーで反射されたエキシマレーザ光
を光学厚膜の加工面に効果的に照射することができると
いう効果を奏する。
【0124】また、上記ミラーが誘電体多層膜で構成さ
れた反射膜であってもよい。
【0125】それゆえ、エキシマレーザ光をほとんど吸
収しない誘電体多層膜を、ミラーを構成する反射膜に使
用して、エキシマレーザ光の長時間の照射が必要な加工
を行えばよい。このとき、ミラーでは、エキシマレーザ
光をほとんど吸収しないので、ミラー反射によるエキシ
マレーザ光の損失なく効果的に光学厚膜の加工面にエキ
シマレーザ光を照射することができる。よって、光学部
品の形成時間を短縮することができるという効果を奏す
る。
【0126】また、上記エキシマレーザ光と上記光学厚
膜の加工面との間の光路中に、透過率を部分的に変化さ
せたマスクを挿入し、このマスクを透過したエキシマレ
ーザ光を上記光学厚膜の加工面に照射してもよい。
【0127】この場合、透過率を部分的に変化させたマ
スクを透過したエキシマレーザ光を光学厚膜の加工面に
照射するようになっているので、マスクを透過して得ら
れる光のパターンの相似形の光のパターンを上記加工面
に照射することができる。
【0128】これにより、マスクにおける透過率の分布
を変更するだけで、所望する光のパターンを光学厚膜の
加工面に照射することができる。よって、エキシマレー
ザ光のレーザパワーや、スポット径等の調整を厳密に行
わなくても、所望の形状に簡単に光学厚膜の加工面を加
工することができるという効果を奏する。
【0129】さらに、上記光学厚膜のエキシマレーザ光
が照射される加工面の加工後に、基板上に形成されたミ
ラーを除去してもよい。
【0130】この場合、光学厚膜を形成するときに必要
となるミラーを除去することで、形成された光学部品に
おいて、光学厚膜の加工面に形成された光学素子からの
出射光を基板面に略平行に進行させることができるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る加工装置の概略を
示す説明図である。
【図2】(a)〜(f)は、図1に示す加工装置による
光学部品の加工工程を示す説明図である。
【図3】レーザ光のスキャニング加工による傾斜面形成
を説明する斜視図である。
【図4】図1に示す加工装置に使用されるマスクの一例
を示す断面図である。
【図5】図4に示すマスクを使用して加工された光学部
品の断面図である。
【図6】図1に示す加工装置に使用されるマスクの他の
例を示す断面図である。
【図7】図6に示したマスクを使用して光学部品を加工
するための加工装置の概略構成図である。
【図8】図7に示す加工装置により加工された光学部品
を適用した光学モジュールの概略構成図である。
【図9】従来の加工方法を示す説明図である。
【符号の説明】 1 レーザ発振器 2 レーザ光(エキシマレーザ光) 3 マスク 10 被加工物(光学部品) 11 基板 13 ポリイミド層(光学厚膜) 14 45度ミラー(ミラー) 14a ミラー支持部(ミラー支持部材) 14b 反射膜(多層膜) 15 垂直面(加工面、光出入射面) 16 傾斜面(反射面) 19 光学素子 22 誘電体多層膜 23 光学部品 25 凸レンズ 26 半導体レーザ 27 光モジュール 28 レーザ光(エキシマレーザ光) 33 マスク 43 マスク 53 マスク
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 6/13 G11B 7/135 A G11B 7/125 7/22 7/135 11/105 551L 7/22 551Z 11/105 551 G02B 6/12 C M Fターム(参考) 2H047 KA15 LA01 LA09 MA01 MA03 PA02 PA28 QA05 TA05 TA43 TA44 2H049 AA03 AA13 AA37 AA43 AA57 AA62 AA63 4E068 AA00 CA01 CD10 CD12 DA00 5D075 CD16 CD17 CD18 CD20 5D119 AA03 AA38 AA40 FA05 JA02 JA03 JA13 JA43 JA57 NA05

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、該基板上に形成され、基板面に対
    して略平行となる方向に光が進行し、且つ上記基板面に
    対して平行でなく上記光の出射あるいは入射面となる光
    出入射面を有する光学厚膜とからなり、 上記光学厚膜の光出入射面を加工して、光学機能を有す
    る光学素子が形成されていることを特徴とする光学部
    品。
  2. 【請求項2】上記光学素子がレンズ、あるいは回折格子
    であることを特徴とする請求項1記載の光学部品。
  3. 【請求項3】上記光出入射面の少なくとも一面は、上記
    基板の基板面に対して垂直を成し、この基板面に対して
    垂直を成す光出入射面を加工して上記光学素子が形成さ
    れていることを特徴とする請求項1または2記載の光学
    部品。
  4. 【請求項4】上記基板上の光学素子の近傍に、基板面と
    所定の角度を成す光反射面を有し、この光反射面が該光
    学素子に向くように配置されたミラーが設けられている
    ことを特徴とする請求項3記載の光学部品。
  5. 【請求項5】基板と、 上記基板上に形成され、基板面に対して略平行となる方
    向に光が進行し、且つ上記基板面に対して垂直で、上記
    光の出射あるいは入射面となる光出入射面を有する光学
    厚膜と、 上記光学厚膜の光出入射面を加工して形成された光学機
    能を有する光学素子とを備え、 上記基板上に、上記光学厚膜に対してレーザ光を照射
    し、上記光学素子から該レーザ光を出射させるための半
    導体レーザが搭載されていることを特徴とする光モジュ
    ール。
  6. 【請求項6】上記基板上の光学素子の近傍に、基板面と
    所定の角度を成す光反射面を有し、この光反射面が該光
    学素子に向くように配置されたミラーが設けられている
    ことを特徴とする請求項5記載の光モジュール。
  7. 【請求項7】基板上に、基板面と平行でない面を有する
    光学厚膜と、該光学厚膜にエキシマレーザ光を導くため
    のミラーとを形成し、 上記光学厚膜の基板面と平行でない面を加工面としたと
    き、上記ミラーを介して、エキシマレーザ光を上記加工
    面に対して垂直に照射して該加工面を加工することを特
    徴とする光学部品の形成方法。
  8. 【請求項8】上記光学厚膜の加工面を、上記基板面に対
    して垂直となるように加工し、この基板面に対して垂直
    となる加工面に、上記エキシマレーザ光を照射すること
    を特徴とする請求項7記載の光学部品の形成方法。
  9. 【請求項9】上記ミラーを支持するミラー支持部材を、
    上記光学厚膜と同一の材料で形成することを特徴とする
    請求項7または8記載の光学部品の形成方法。
  10. 【請求項10】上記ミラーが上記光学厚膜のエキシマレ
    ーザ光が照射される加工面の近傍に配置されていること
    を特徴とする請求項7ないし9の何れかに記載の光学部
    品の形成方法。
  11. 【請求項11】上記ミラーが誘電体多層膜で構成された
    反射膜であることを特徴とする請求項7ないし10の何
    れかに記載の光学部品の形成方法。
  12. 【請求項12】上記エキシマレーザ光と上記光学厚膜の
    加工面との間の光路中に、透過率を部分的に変化させた
    マスクを挿入し、このマスクを透過したエキシマレーザ
    光を上記光学厚膜の加工面に照射することを特徴とする
    請求項7ないし11の何れかに記載の光学部品の形成方
    法。
  13. 【請求項13】上記光学厚膜の加工面のエキシマレーザ
    光による加工後に、基板上に形成されたミラーを除去す
    ることを特徴とする請求項7ないし12の何れかに記載
    の光学部品の形成方法。
JP2000126549A 2000-04-26 2000-04-26 光学部品と光モジュールおよび光学部品の形成方法 Pending JP2001305367A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000126549A JP2001305367A (ja) 2000-04-26 2000-04-26 光学部品と光モジュールおよび光学部品の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000126549A JP2001305367A (ja) 2000-04-26 2000-04-26 光学部品と光モジュールおよび光学部品の形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001305367A true JP2001305367A (ja) 2001-10-31

Family

ID=18636315

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000126549A Pending JP2001305367A (ja) 2000-04-26 2000-04-26 光学部品と光モジュールおよび光学部品の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001305367A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005008305A1 (ja) * 2003-07-18 2005-01-27 Nippon Sheet Glass Company, Limited フォトニック結晶導波路、均質媒体導波路、及び光学素子
JP2005284248A (ja) * 2003-10-06 2005-10-13 Mitsui Chemicals Inc レーザ加工によるマイクロミラーが形成された光導波路
JP2007148456A (ja) * 2002-09-20 2007-06-14 Toppan Printing Co Ltd 光導波路
JP2013514180A (ja) * 2009-12-18 2013-04-25 ボエグリ − グラビュル ソシエテ アノニム 微細構造を製造するレーザー設備のためのマスクを製造するための方法及び装置
JP2016126039A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 新光電気工業株式会社 光導波路装置の製造方法及びレーザ加工装置
CN113467172A (zh) * 2021-07-15 2021-10-01 青岛海信激光显示股份有限公司 一种激光器和投影***

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007148456A (ja) * 2002-09-20 2007-06-14 Toppan Printing Co Ltd 光導波路
WO2005008305A1 (ja) * 2003-07-18 2005-01-27 Nippon Sheet Glass Company, Limited フォトニック結晶導波路、均質媒体導波路、及び光学素子
US7310468B2 (en) 2003-07-18 2007-12-18 Nippon Sheet Glass Company Limited Photonic crystal waveguide, homogeneous medium waveguide, and optical device
JP2005284248A (ja) * 2003-10-06 2005-10-13 Mitsui Chemicals Inc レーザ加工によるマイクロミラーが形成された光導波路
JP4659422B2 (ja) * 2003-10-06 2011-03-30 三井化学株式会社 光導波路の製造方法
JP2013514180A (ja) * 2009-12-18 2013-04-25 ボエグリ − グラビュル ソシエテ アノニム 微細構造を製造するレーザー設備のためのマスクを製造するための方法及び装置
US9939725B2 (en) 2009-12-18 2018-04-10 Boegli-Gravures S.A. Method and device for producing masks for a laser installation
JP2016126039A (ja) * 2014-12-26 2016-07-11 新光電気工業株式会社 光導波路装置の製造方法及びレーザ加工装置
CN113467172A (zh) * 2021-07-15 2021-10-01 青岛海信激光显示股份有限公司 一种激光器和投影***
CN113467172B (zh) * 2021-07-15 2022-09-02 青岛海信激光显示股份有限公司 一种激光器和投影***

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6700856B2 (en) Optical head, magneto-optical head, disk apparatus and manufacturing method of optical head
JP4482485B2 (ja) ヘッドモジュール
JP2866565B2 (ja) ホログラム・システム及びその製造方法
US6487224B1 (en) Laser diode assembly
JPS62146444A (ja) 読取・書込ヘツド
US6292609B1 (en) Optical components including an optical element having a surface that is tapered
JPS59140420A (ja) 半導体レ−ザ−を用いた光源装置
JP4267834B2 (ja) 情報記録再生装置
US6525296B2 (en) Method of processing and optical components
JP2001305367A (ja) 光学部品と光モジュールおよび光学部品の形成方法
JP4368746B2 (ja) 電磁場照射装置、該電磁場照射装置を備えた電磁場加工装置、および該電磁場照射装置を備えた記録再生装置
US5852508A (en) Lens device, ultraviolet-ray emitting device, and optical disc recording device
JPH06337320A (ja) 光導波路作製法および装置
JP5320191B2 (ja) 光コネクタ及びその製造方法
US5896361A (en) Master disk exposure device using optical fiber
US5478701A (en) Method for fabricating a read only optical disc
JP2003203374A (ja) 光ピックアップ用対物レンズ、及びその製造方法、並びに光ピックアップモジュール、光ディスク装置、及び結露除去方法
JPH0567201B2 (ja)
JP2000084682A (ja) レーザテクスチャ装置
JP4245118B2 (ja) 情報記録再生装置
JPS6292144A (ja) 複数光スポツトを持つ光学的記録再生装置
JP2013254530A (ja) 光学素子の製造方法、光ヘッド、及び情報記録装置
JP2003329822A (ja) 集光型光スプリッタ及びその作製方法
KR100189891B1 (ko) 광파이버를 이용한 마스터 디스크 제조장치
JPH0338020A (ja) 微細パターン描画装置