JP2001303516A - 橋梁における移動制限装置 - Google Patents

橋梁における移動制限装置

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JP2001303516A
JP2001303516A JP2000118398A JP2000118398A JP2001303516A JP 2001303516 A JP2001303516 A JP 2001303516A JP 2000118398 A JP2000118398 A JP 2000118398A JP 2000118398 A JP2000118398 A JP 2000118398A JP 2001303516 A JP2001303516 A JP 2001303516A
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rubber bearing
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bridge
stranded wire
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Norio Murase
法雄 村瀬
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】橋梁における上部構造体の過度の浮上り変位及
び水平方向変位を防止する移動制限装置を簡単且つ安価
に構成できるようにする。 【解決手段】可撓性且つ高強度の撚り線から成るケーブ
ル22の下部を、橋梁におけるコンクリート製の下部構
造体10の内部に埋め込んで固着一体化する一方、上部
を上部構造体12に固定して、それら下部構造体10と
上部構造体12とをケーブル22を介して上下に連結
し、上部構造体12の過度の浮上り変位及び水平方向変
位を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は橋梁における上部
構造体が下部構造体に対して許容量以上に浮上り変位及
び水平方向変位するのを防止するための移動制限装置に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、橋梁における下部構造体と上部構造体との間にゴム
支承を介設し、そのゴム支承によって上部構造体を弾性
支持するといったことが行われている。図4はその橋梁
において上部構造体と下部構造体との間に介設したゴム
支承によって上部構造体を弾性支持した状態を示してい
る。
【0003】図中200A,200Bはそれぞれ橋脚,
橋台を、また204は橋桁を表しており、206はそれ
ら橋脚200A,橋台200Bを含む下部構造体と橋桁
204を含む上部構造体との間に介設されたゴム支承を
表している。
【0004】従来、かかるゴム支承として下端部と上端
部とがそれぞれ下部構造体と上部構造体とに取付固定さ
れ、下部構造体と上部構造体とをゴム支承を介して連結
状態とする所謂Bタイプと称されるゴム支承、及び単に
下部構造体と上部構造体との間に挟持状態で介設され、
それら下部構造体と上部構造体とを連結状態としないパ
ッド型ゴム支承(このゴム支承はAタイプに属する)が
それぞれ用いられている。
【0005】例えば橋梁において上部構造体は、荷重の
載荷,温度変化,コンクリートのクリープ,プレストレ
ス力等様々な要因で伸縮する外、上部構造体が架設後に
おいて収縮する。前者のBタイプのゴム支承の場合、上
部構造体の鉛直荷重を支持する外、上端部及び下端部を
それぞれ上部構造体と下部構造体と一体に移動させ、ゴ
ムの剪断弾性変形により上部構造体と下部構造体との間
の水平方向の相対変位を吸収するとともに、上部構造体
に対して上揚力が働いたときにも上部構造体と下部構造
体とを連結状態に保ち、上部構造体が一定以上に上方へ
相対変位するのを防止する機能を有するもので、専ら大
きな橋梁,長い橋梁等重要な橋梁に主として用いられて
いる。
【0006】他方後者のパッド型ゴム支承は、前者のB
タイプのゴム支承と同様に上部構造体の鉛直荷重を支持
する外、上部構造体と下部構造体との間の水平方向変位
が比較的小さいときには自身が一定範囲内で剪断弾性変
形し、それら上部構造体と下部構造体との間の水平方向
変位を吸収する。
【0007】尚、上部構造体は荷重の載荷によって撓み
を生じ、これによってゴム支承による支持部を中心とし
た回転運動を起こす。前者のBタイプのゴム支承及び後
者のパッド型ゴム支承何れもゴムの変形によってその回
転運動を吸収する機能を備えている。
【0008】ところで前者のBタイプのゴム支承、即ち
上部構造体と下部構造体とを上下及び水平方向に連結状
態とするゴム支承は、構造複雑且つ大型のものとならざ
るを得ず、このため重量が重く且つ価格も高いものとな
ってしまう問題があった。
【0009】図5は前者のBタイプのゴム支承の従来の
一例を示したものである。同図において208は橋桁等
を含む上部構造体、210は橋台,橋脚等を含む下部構
造体、206AはBタイプのゴム支承を表している。
【0010】ゴム支承206Aの下端部は、何れも鋼板
から成る下沓214及びベースプレート216を介して
下部構造体210に連結固定され、また上端部が何れも
鋼板から成る上沓218及びソールプレート220を介
して上部構造体208に連結固定されている。
【0011】ここでベースプレート216からは固定用
のアンカーバー221が延び出しており、このアンカー
バー221が下部構造体210内部に埋り込んでいる。
尚、図示は省略しているがソールプレート220からも
固定用のアンカーバーが上向きに延び出しており、その
上向きに延び出したアンカーバーが上部構造体208の
内部に埋り込んでいる。
【0012】同図において222は剪断キーであって、
下沓214,上沓218及び対応するベースプレート2
16,ソールプレート220間にまたがって配置されて
おり、これら剪断キー222によって剪断方向の大きな
力を受けるようになっている。尚224も剪断キーであ
って、ゴム支承206Aの下端部,上端部及び対応する
下沓214,上沓218間にまたがって配置されてい
る。
【0013】このBタイプのゴム支承206Aの場合、
上部構造体208と下部構造体210との間に水平方向
の相対変位が生じたとき、自身が同方向に剪断弾性変形
し、上部構造体208と下部構造体210との間の水平
方向の相対変位を吸収するとともに、自身の弾性変形抵
抗によって、上部構造体208と下部構造体210との
一定以上の水平方向変位を抑制する作用をなす。また上
部構造体208に対して上揚力が働いたときにも、自身
の弾性変形抵抗によって上部構造体208の上方への相
対変位(浮上り変位)を抑制する作用をなす。
【0014】その作用のためにこの種Bタイプのゴム支
承206Aは、ゴム支承206A内部の上下補強板の厚
みを厚くしたり、また上沓218,下沓214を介して
ソールプレート220,ベースプレート216にボルト
締結しなければならず、更にベースプレート216,ソ
ールプレート220から固定用のバーを延び出させてお
いたり、更には上記剪断キー222,224やそのため
の嵌込凹所を設けておいたり、更にはまたゴム支承20
6A本体の変形量を大きくしたりすることが必要で、そ
のためにゴム支承206Aが必然的に構造複雑且つ大型
化し、これによって206Aの価格が非常に高いものと
なってしまうのである。
【0015】これに対し上記パッド型ゴム支承の場合、
単に上部構造体と下部構造体との間に挟持状態にセット
されるだけのものであって、それら上部構造体及び下部
構造体をゴム支承を介して連結するといったものではな
く、このため構造も簡単であって重量も軽く、従って安
価にこれを構成することができる。
【0016】しかしながらこのパッド型ゴム支承の場
合、下部構造体と上部構造体とに対し非連結状態にある
ため、上部構造体に対して上揚力が働いたときにその浮
上りを防止できないといった問題を内包している。特に
その浮上りの程度が激しいときには、上揚力を抑制する
ことができる特別な落橋防止装置を設けておかないと落
橋の危険を招いてしまう。
【0017】更にまたこのパッド型ゴム支承の場合、図
示はしないがBタイプのゴム支承にみられるような水平
方向変位が一定以上大きくなったときの移動制限機能
を、ゴム支承自身に持たせることは困難である。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の橋梁における移
動制限装置はこのような課題を解決するために案出され
たものである。而して請求項1のものは、橋梁における
上部構造体を弾性支持する支承とは別に設けて成る移動
制限装置であって、可撓性且つ高強度の撚り線の下部を
橋梁におけるコンクリート製の下部構造体の内部に埋め
込んで固着一体化する一方、上部を前記上部構造体に固
定してそれら下部構造体と上部構造体とを該撚り線を介
して上下に連結し、該上部構造体が該下部構造体に対し
て許容量以上に浮上り変位及び水平方向変位するのを防
止するようになしたことを特徴とする。
【0019】請求項2のものは、請求項1において、前
記移動制限装置が前記上部構造体と前記下部構造体との
間に挟持状態且つ非連結状態に介装されたパッド型ゴム
支承と組み合せて用いられており、それらによって該上
部構造体の相対する移動制限を行いつつ弾性支持する変
位吸収装置が構成されていることを特徴とする。
【0020】請求項3のものは、請求項2において、前
記撚り線が前記上部構造体と前記下部構造体との間の部
分を撓ませた状態でそれら上部構造体と下部構造体とを
上下に連結しており、且つその撓み量が、前記パッド型
ゴム支承が有効に弾性変形でき且つ少なくとも有効弾性
域を超えた後に該撚り線が緊張状態となる量に設定して
あることを特徴とする。
【0021】請求項4のものは、請求項3において、前
記上部構造体の下面部と前記下部構造体の上面部とには
すり鉢状の凹部が形成されていて該凹部に、前記撚り線
を撓み状態に形状保持するとともに緊張時において自身
が弾性変形する弾性部材が該撚り線を取り囲む状態に充
填してあることを特徴とする。
【0022】
【作用及び発明の効果】上記のように本発明は、可撓性
且つ高強度の撚り線の下部を橋梁におけるコンクリート
製の下部構造体内部に埋め込んで固着一体化する一方、
その上部を上部構造体に固定してそれらを上下に連結し
たもので、この移動制限装置によれば、上部構造体に対
して上揚力が働いたときにも上部構造体が許容量を超え
て過度に浮き上るのを防止することができる。またこの
移動制限装置によれば、上部構造体が下部構造体に対し
て水平方向に過度に変位するのを防止することができ
る。
【0023】この移動制限装置は、可撓性且つ高強度の
撚り線の緊張力によって上部構造体の浮上りを防止する
ものであり、上部構造体の浮上りに対して十分な抵抗
力,阻止力を有している。従って従来設置されていた落
橋防止装置の働きをこの移動制限装置にて行わせること
ができる。即ち本発明の移動制限装置を用いれば従来の
落橋防止装置を省略することが可能となる。
【0024】ここで可撓性の高強度の撚り線は鋼線の撚
り線となすことができる。またその撚り線の上部につい
ては上部構造体に対してボルト,ナット等により乾式に
固定することもできるし、また場合によって上部構造体
の内部に埋め込むことによって湿式固定するようになす
こともできる。
【0025】尚従来、落橋防止装置としては長い鋼製の
アンカーバーをコンクリート製の下部構造体の内部に深
く埋め込んだものが用いられている。このように長いア
ンカーバーを用い且つこれを下部構造体の内部に深く埋
め込んでいるのは、そのアンカーバーと下部構造体との
間で十分な接着力を確保するためであるが、このように
長い鋼製のバーを用い且つこれを下部構造体の内部に深
く埋め込むとなるとその取扱いが難しいものとなってコ
スト的にも高いものとなってしまう。更にまた下部構造
体における鋼製のアンカーバーの埋込部分の上下寸法を
十分に確保できない場合がある。
【0026】これに対して本発明の移動制限装置は、下
部構造体と上部構造体との連結材として可撓性の撚り線
を用いているため、その下部を下部構造体の内部に埋め
込んで固着一体化するに際し、上記鋼製のアンカーバー
を埋め込む場合のようにこれを深く埋め込まなくても十
分な接着力を確保することができる。可撓性の撚り線の
場合、下部構造体との間の接触面積,密着面積を広く確
保することができ、従ってこれを深く埋め込まなくても
十分に必要な接着力を確保できるからである。
【0027】従って本発明によれば、下部構造体におけ
る埋込部分の上下方向寸法の制約を実質上受けることな
く下部構造体との固着一体化が可能であり、且つ強固に
互いを接合一体化することができ、また装置が軽量で作
業性が良く、装置に要する費用を低コスト化することが
できる。
【0028】本発明の移動制限装置は、前述したBタイ
プのゴム支承が有している上部構造体の浮上り抑制機能
を持つものであり、従って本発明の移動制限装置を用い
れば、ゴム支承として高価なBタイプのゴム支承を用い
る必要がなく、簡易で安価なパッド型ゴム支承で十分で
ある。
【0029】即ち本発明の移動制限装置を用いれば、パ
ッド型ゴム支承と組み合せることでBタイプのゴム支承
の機能を果たすことができ、且つ全体としてのコストも
Bタイプのゴム支承のそれに対して安価となすことがで
きる(請求項2)。
【0030】この場合において撚り線の上部構造体と下
部構造体との間の部分を撓ませておき、且つその撓み量
を、パッド型ゴム支承が有効に弾性変形でき且つ少なく
とも有効弾性域を超えた後にその撓み部分が緊張状態と
なる量に設定しておくことができる(請求項3)。この
ようにすれば、撚り線による下部構造体と上部構造体と
の連結によって、即ち移動制限装置を設けることによっ
てパッド型ゴム支承の機能が損なわれるといったことが
なく、相対変位が少ない領域においてはパッド型ゴム支
承を十分に働かせることができ、そしてそのパッド型ゴ
ム支承では及ばない機能を移動制限装置に発揮させるこ
とができる。
【0031】またこのように撚り線における上部構造体
と下部構造体との間の部分を撓ませておいた場合、ゴム
支承の取替えの必要が生じたとき、上部構造体を持ち上
げることによって簡単に設置状態のゴム支承を取り外し
て新たなゴム支承を設置することができる。即ちゴム支
承の取替えを簡単に行うことができ、その際のコストを
低減することができる。
【0032】本発明では、上部構造体の下面部と下部構
造体の上面部とにすり鉢状の凹部を形成し、撚り線を取
り囲むようにしてその凹部に弾性部材を充填し、その弾
性部材にて撚り線を上記撓み状態に形状保持するととも
にその緊張時において弾性部材を弾性変形させるように
なしておくことができる(請求項4)。
【0033】このようにしておけば下部構造体,上部構
造体における撚り線の埋込孔或いは挿入孔の孔エッジと
撚り線とが直接的に且つ局所的に強く当り或いは擦れ合
うことによって、撚り線ないし上,下部構造体が部分的
に損傷したりするのを防止できるとともに、撚り線にお
ける上部構造体と下部構造体との間の有効な可撓変形長
を長く確保できる利点が得られる。
【0034】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。図1において、10は橋脚,橋台等を含むコ
ンクリート製の下部構造体で、12は橋桁を含むコンク
リート製の上部構造体、14はそれらの間に介装された
パッド型ゴム支承である。16は下部構造体10と上部
構造体12とを連結して上部構造体12が一定を超えて
過大に浮上り変位し又水平方向変位するのを防止する移
動制限装置であり、パッド型ゴム支承14とともに変位
吸収装置を構成している。
【0035】図2はパッド型ゴム支承14介装部とその
周辺を拡大して示したもので、同図に示しているように
このパッド型ゴム支承14は、複数のゴム層18と内部
補強板(鋼板)20とを上下に交互に積層し且つそれら
を一体に加硫接着したものである。
【0036】このパッド型ゴム支承14は、その下面及
び上面が下部構造体10及び上部構造体12に対してそ
れぞれ非連結状態で(縁切りされた状態で)、それら下
部構造体10及び上部構造体12間に挟持される状態に
設置されている。
【0037】図3に上記移動制限装置16の具体的構成
が示してある。同図において22は移動制限装置16の
主体を成すPC鋼線のケーブル(撚り線)で、その下部
が一定長さに亘ってコンクリート製の下部構造体10内
に埋め込まれ、同部分において下部構造体10と一体化
されている。図3(A)においてDはその埋込部22A
の上下寸法を表している。
【0038】一方ケーブル22の上端部にはボルト24
が連結されており、上部構造体12の挿通孔26を挿通
した上で、そのボルト24及びこれにねじ込まれたナッ
ト28とプレート30にて上部構造体12に固定されて
いる。尚、ここではケーブル22の上部をボルト24,
ナット28等にて乾式に固定しているが、場合によって
上部をコンクリート製の上部構造体12内部に埋め込ん
で固着一体化することも可能である。
【0039】上部構造体12の下面部と下部構造体10
の上面部とにはそれぞれすり鉢状の凹部32が形成され
ており、それら凹部32がゴム等から成る弾性部材34
にて埋められている。ここで弾性部材34はケーブル2
2を取り囲む状態で埋められており、緊張時において自
身が弾性変形するようになっている。
【0040】本例において、ケーブル22は上部構造体
12と下部構造体10との間の部分、厳密にはそれぞれ
の凹部32の上端と下端との間の部分に撓みが持たせて
ある。そして弾性部材34が、ケーブル22における各
凹部32の上端と下端との間の部分をその撓んだ状態に
形状保持している。尚ケーブル22は、図3(B)に示
しているように埋込部22Aを除いた部分がゴム等の被
覆材36にて被覆されている。
【0041】本例の移動制限装置16の場合、上部構造
体12と下部構造体10との間の部分、厳密にはそれぞ
れの凹部32の上端と下端との間の部分が有効可撓部2
2Bとなり、その有効可撓部22B全体が、上部構造体
12の設置状態において予め所定量撓ませてある。その
撓み量は、上記パッド型ゴム支承14が有効に弾性変形
でき且つ少なくとも有効弾性域を超えた後に有効可撓部
22Bが緊張状態となる量に設定してある。
【0042】詳しくは、パッド型ゴム支承14は上部構
造体12の設置状態で上下に弾性圧縮変形しており、従
って上部構造体12に対して上揚力が働いたとき、ある
程度パッド型ゴム支承14が上下方向に形状復元するこ
とで上部構造体12の多少の上下方向変位に対し追従す
ることができる。更にまた水平方向の剪断弾性変形によ
って上部構造体12の水平方向変位に追従することがで
きる。そして本例ではパッド型ゴム支承14における上
記弾性変形が阻害されないように、予め有効可撓部22
Bの撓み量が定められている。
【0043】而して上部構造体12の上方への相対変位
及び左右方向の相対変位が許容量以上に大きくなろうと
したとき、その時点で有効可撓部22Bが緊張状態とな
って、それ以上の上部構造体12の変位を防止するよう
に作用する。
【0044】このように本例の移動制限装置16によれ
ば、上部構造体12の過度の浮上り変位及び水平方向変
位を防止でき、しかもそれら変位に対して十分な抵抗
力,阻止力を有している。従って従来の落橋防止装置を
省略することが可能である。
【0045】加えて本例では下部構造体10と上部構造
体12との連結材として可撓性且つ高強度のケーブル2
2を用いているため、下部構造体10との間の接触面
積,密着面積を広く確保し得て、これを下部構造体10
に深く埋め込まなくても十分な接着力を確保できる。
【0046】従って本例によれば、下部構造体10にお
ける埋込部の上下寸法の制約を実質上受けることなく下
部構造体10との固着一体化が可能であり、また装置が
軽量で作業性が良く、装置に要する費用を低コスト化す
ることができる。
【0047】また本例によれば、相対変位が少ない領域
においてはパッド型ゴム支承14を十分に働かせ、そし
てパッド型ゴム支承14では及ばない機能を移動制限装
置16にて発揮させることができる。
【0048】更にパッド型ゴム支承14の取替えの必要
が生じたとき、上部構造体12を持ち上げることによっ
て簡単にパッド型ゴム支承14の取替えを行うことがで
き、その際のコストを低減することができる。
【0049】更に本例では上部構造体12の下面部と下
部構造体10の上面部とに凹部32を形成してその凹部
32に弾性部材34を充填していることから、下部構造
体10,上部構造体12におけるケーブル22の埋込孔
或いは挿入孔における孔エッジとケーブル22とが局所
的に強く当り或いは擦れ合うことによって、ケーブル2
2ないし下部構造体10及び上部構造体12が部分的に
損傷するのを防止でき、またケーブル22における上部
構造体12と下部構造体10との間の有効な可撓変形長
(有効可撓部22Bの長さ)を長く確保できる。
【0050】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である移動制限装置をその周
辺部とともに示す図である。
【図2】図1におけるパッド型ゴム支承とその周辺部を
拡大して示す図である。
【図3】図1における移動制限装置とその周辺部を拡大
して示す図である。
【図4】橋梁における従来のゴム支承による支持装置を
示した図である。
【図5】図4におけるゴム支承の従来の一例を示す図で
ある。
【符号の説明】
10 下部構造体 12 上部構造体 14 パッド型ゴム支承 16 移動制限装置 22 ケーブル(撚り線) 22A 埋込部 22B 有効可撓部 32 凹部 34 弾性部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 橋梁における上部構造体を弾性支持する
    支承とは別に設けて成る移動制限装置であって、可撓性
    且つ高強度の撚り線の下部を橋梁におけるコンクリート
    製の下部構造体の内部に埋め込んで固着一体化する一
    方、上部を前記上部構造体に固定してそれら下部構造体
    と上部構造体とを該撚り線を介して上下に連結し、該上
    部構造体が該下部構造体に対して許容量以上に浮上り変
    位及び水平方向変位するのを防止するようになしたこと
    を特徴とする橋梁における移動制限装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記移動制限装置が
    前記上部構造体と前記下部構造体との間に挟持状態且つ
    非連結状態に介装されたパッド型ゴム支承と組み合せて
    用いられており、それらによって該上部構造体の相対す
    る移動制限を行いつつ弾性支持する変位吸収装置が構成
    されていることを特徴とする橋梁における移動制限装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記撚り線が前記上
    部構造体と前記下部構造体との間の部分を撓ませた状態
    でそれら上部構造体と下部構造体とを上下に連結してお
    り、且つその撓み量が、前記パッド型ゴム支承が有効に
    弾性変形でき且つ少なくとも有効弾性域を超えた後に該
    撚り線が緊張状態となる量に設定してあることを特徴と
    する橋梁における移動制限装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記上部構造体の下
    面部と前記下部構造体の上面部とにはすり鉢状の凹部が
    形成されていて該凹部に、前記撚り線を撓み状態に形状
    保持するとともに緊張時において自身が弾性変形する弾
    性部材が該撚り線を取り囲む状態に充填してあることを
    特徴とする橋梁における移動制限装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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