JP2001303089A - エイコサペンタエン酸またはそのエステルを分離精製する方法 - Google Patents

エイコサペンタエン酸またはそのエステルを分離精製する方法

Info

Publication number
JP2001303089A
JP2001303089A JP2001031922A JP2001031922A JP2001303089A JP 2001303089 A JP2001303089 A JP 2001303089A JP 2001031922 A JP2001031922 A JP 2001031922A JP 2001031922 A JP2001031922 A JP 2001031922A JP 2001303089 A JP2001303089 A JP 2001303089A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
effluent
column
ester
solvent
mixed solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001031922A
Other languages
English (en)
Inventor
Shiro Fujita
史朗 藤田
Yuji Asami
勇治 浅見
Toru Ikeda
亨 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Seifun Group Inc
Original Assignee
Nisshin Seifun Group Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Seifun Group Inc filed Critical Nisshin Seifun Group Inc
Priority to JP2001031922A priority Critical patent/JP2001303089A/ja
Publication of JP2001303089A publication Critical patent/JP2001303089A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fats And Perfumes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率的に且つ低コストにて、エイコサペンタ
エン酸またはそのエステルを選択的に分離・精製する方
法を提供する。 【解決手段】 高度不飽和脂肪酸またはそのエステルを
含有する混合物を、1〜100μmの粒径を有するシリ
カゲルを充填したカラムを用いてエーテル系溶媒と炭化
水素系溶媒の混合溶媒で展開することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高度不飽和脂肪酸
またはそのエステルの精製方法に関する。より詳細には
本発明は、高度不飽和脂肪酸またはそのエステルを含有
する混合物からシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
よりエイコサペンタン酸またはそのエステルを精製する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】イワシ等の魚油中に含まれるエイコサペ
ンタエン酸(以下「 EPA 」と称する)やドコサヘキ
サエン酸(以下「DHA」と称する)などの高度不飽和
脂肪酸またはそれらのエステルは、その生体内での薬
効、例えば閉塞性動脈硬化症や高脂血症などの疾患に有
効であることから医薬品分野または健康食品分野で使用
されている。これらの高度不飽和脂肪酸類を精製する方
法としては、従来から尿素付加法、精密蒸留法、カラム
クロマトグラフィー法、超臨界流体抽出法等が知られ、
これらの方法を単独でかまたは組合せて高度不飽和脂肪
酸類が精製されている。
【0003】上記の方法において、尿素付加法は、エイ
コサテトラエン酸(以下「ETA」と称する)またはそ
のエステルは尿素アダクト形成能がとぼしいために、こ
れらを除去するのには不十分な精製方法である。また精
密蒸留法は、高温度での操作を必要とし重合や異性化に
よる変性が生じやすく、しかもEPAまたはそのエステ
ルの精製の場合には、ETAとEPAの炭素数が同じで
沸点差が小さいことから、ETAまたはそのエステルを
除去することは極めて困難である。さらに超臨界流体抽
出法は高圧流体を取り扱うことから、装置の建設が困難
でありまた工業的規模での大量の分離精製には不向きで
ある。
【0004】カラムクロマトグラフィー法を用いた高度
不飽和脂肪酸類の精製方法として、特開平5−2223
92号公報には、精密蒸留法とオクタデシル基を保持し
たシリカゲル系の逆相分配クロマトグラフィーとの組合
せが開示されている。また、特開平9−151390号
公報には銀塩をシリカゲルに担持させた担体を用いた精
製法が開示されており、これらの精製法によって、高度
不飽和脂肪酸等の混合物からEPAとそのエステルを分
離・精製することは可能である。しかしながら、前者は
分離精製に関しては優れている一方で、シリカゲル表面
にオクタデシル基を保持するために充填材のコストが高
くなるという問題がある。後者は銀塩を使用するために
コスト高であることに加え、銀担持担体の調製方法が複
雑であること、攪拌と濾別をくりかえす抽出操作が繁雑
であること、特定の溶媒を用いた場合には銀化合物が混
入する可能性があるという問題点がある。通常EPAと
そのエステルの原料中にはETAとそのエステルが共存
しているが、EPAとそのエステルの精製にあたって
は、上述のようにETAとそのエステルは分離除去のき
わめて難しい不純物である。このため、上記の従来技術
の問題点を克服し、且つこれら不純物を選択的に除去す
ることによりETAとそのエステルの含有量の顕著に減
少されている、エイコサペンタン酸またはそのエステル
の精製方法が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、効率的に且つ低コストにて、エイコサペンタン酸ま
たはそのエステルを選択的に分離・精製する方法を提供
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、特定の条
件下におけるシリカゲルを用いた順相系カラムクロマト
グラフィーにより、ETAまたはそのエステルが選択的
に分離除去できることを見出し本発明を完成させた。
【0007】すなわち、本発明は、高度不飽和脂肪酸ま
たはそのエステルを含有する混合物を、1〜100μm
の粒径を有するシリカゲルを充填したカラムを用いてエ
ーテル系溶媒と炭化水素系溶媒の混合溶媒で展開するこ
とからなる、上記混合物からエイコサペンタエン酸また
はそのエステルを分離精製する方法に関する。
【0008】この方法において、カラムの充填剤として
使用するシリカゲルは、粒径が1〜100μmの範囲に
あることが必要である。粒径が小さいシリカゲルを使用
すると圧力損失は大きくなるが、表面積が増えるために
原料の負荷量と精製能力は向上する。一方、粒径が大き
いシリカゲルを使用すると圧力損失は小さくなるが、原
料の負荷量と精製能力は低下する。そこで、原料負荷量
と精製能力から適切な粒径のものを選択することが必要
である。ETAまたはそのエステルの選択的な分離のた
めには、圧力損失が小さく、できるだけ比表面積の大き
いシリカゲルを使用することが好ましい。本発明におい
て、上記粒径の範囲内であればシリカゲルの形状は球状
または破砕状であってもよいが、球状であるのが好まし
い。加えて、4×10-3μm以上の細孔径を有する多孔
性シリカゲルの使用が好ましい。このシリカゲルの使用
量は、処理すべき原料の量および/またはカラムの大き
さ等により異なるが、通常は原料の高度不飽和脂肪酸ま
たはそれらのエステルからなる混合物の重量1gに対し
て5〜50gの範囲であり、好ましくは10〜40gの
範囲である。
【0009】本発明の方法において、高度不飽和脂肪酸
またはそのエステルを含有する混合物はシリカゲルを充
填したカラムに負荷され、有機溶媒を展開溶媒として用
いて展開される。展開溶媒としては、有機溶媒の極性を
変化させて、最も精製能力が高い溶媒を選択することが
できる。本発明によれば、炭化水素系溶媒とエーテル系
溶媒の混合溶媒がエイコサペンタエン酸またはそのエス
テルの分離精製に有利である。
【0010】混合溶媒中の炭化水素系溶媒としては、炭
素数5〜8の炭化水素系溶媒、好ましくはアルカン系炭
化水素、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘ
プタン、n−オクタンを挙げることができる。エーテル
系溶媒としては、ジアルキルエーテル、例えばジイソプ
ロピルエーテル、ジエチルエーテル、メチル tert−ブ
チルエーテルを挙げられる。本発明の方法において展開
溶媒は、例えば上記炭化水素系溶媒とエーテル系溶媒の
任意の組合せを用いることができるが、特にn−ヘキサ
ン(以下「n−Hex」)とジイソプロピルエーテル
(以下「IPE」)の混合溶媒が好ましい。また、それ
ら溶媒の混合比率は、所望のEPAまたはそのエステル
の精製に至適な比率として適宜決定することができる
が、n−HexとIPEの混合溶媒の場合、その混合比
率はn−Hex:IPE=90〜99:10〜1の容積
比、好ましくは95〜99:5〜1の容積比である。
【0011】本発明の好ましい態様において、高度不飽
和脂肪酸またはそのエステルを含有する混合物を、粒径
1〜100μmのシリカゲルを充填したカラムを用い、
n−HexとIPEの混合溶媒を展開溶媒として用い、
カラム内線速度1〜10cm/分で展開するカラムクロマ
トグラフィーにより、上記混合物からエイコサペンタエ
ン酸またはそのエステルを分離することができる。ま
た、別の観点から、本発明は、エイコサテトラエン酸
(ETA)またはそのエステルを含有する高度不飽和脂
肪酸またはそのエステルを含有する混合物から、上記カ
ラムクロマトグラフィーによりETAまたはそのエステ
ルを選択的に除去する方法に関する。
【0012】本発明の方法で使用するカラムは、使用す
べきシリカゲルを有機溶媒中に懸濁してスラリー状に
し、これを中圧カラムに仕込み、次いでカラム体積の約
1〜10倍量の有機溶媒を流出させカラムを安定化させ
ることにより調製される。スラリー状のシリカゲルの充
填時に使用する有機溶媒はアセトンが好ましく、カラム
の安定化に使用する有機溶媒としては、精製に用いる展
開溶媒であるのが好ましい。
【0013】カラムに負荷すべき高度不飽和脂肪酸また
はそのエステルを含有する混合物の量は、原料中の各脂
肪酸組成比によって最適負荷量を変化させることができ
るが、カラムのシリカゲルの重量に対して2〜20重量
%、好ましくは3〜15重量%の範囲である。また、原
料の高度不飽和脂肪酸またはそのエステルを含有する混
合物は、その混合物重量の5倍量以下、例えば2倍量の
展開溶媒で溶解した後にカラムに流し込むのが好まし
い。
【0014】本発明の方法において用いるカラムとして
は、中圧カラムが好ましく、カラムの仕様は、塔長径比
が2以上、理論段数は15000段/m〜20000段
/mであればよい。カラムの耐圧は、カラム長さおよび
内線速度に依存するが1MPa〜6MPaの範囲であれ
ばよい。運転時の温度は、好ましくは10℃〜30℃の
範囲、例えば室温である。またETAまたはそれらのエ
ステルを分離するには、カラム内線速度を1〜10cm/
分になるように圧力をかけて原料の混合物を展開させる
のが好ましい。
【0015】本発明方法で原料として用いる高度不飽和
脂肪酸またはそのエステルを含有する混合物は、特に制
限されるものではないが、例えばサバ、イワシ、タラ等
から抽出された魚油から得ることができる。この原料混
合物にはETA、EPA、DHA、さらに炭素数が20
未満の脂肪酸等その他の成分が含まれている。
【0016】
【実施例】本発明を次の実施例および比較例により具体
的に説明する。 実施例1 (1) 平均粒径が20μmの球状シリカゲル(綜研化学
(株)製)39.2gをアセトンでスラリー化して、ステ
ンレス製の中圧カラム(内径20mm×長さ250mm)に
加圧充填した。次にカラム体積の3.4倍量の混合溶媒
(IPE:n−Hex=3.2:96.8の容積比)を流
してカラムを安定化した。 (2) 本実施例で原料として用いた高度不飽和脂肪酸
の主な組成を下記の表1に示す。なお、原料中の高度不
飽和脂肪酸は予めエチルエステル化した。この原料2.
0gを4mlの混合溶媒(IPE:n−Hex=3.2:
96.8の容積比)で溶解し、(1)にて調製したカラム
に流し込んだ。次に198mlの上記混合溶媒をカラム内
線速度7.0cm/分で展開し、得られた流出液をエバポ
レーターにおいて減圧下で濃縮し、第1流出分として
0.23gのオイルを得た。この流出分の組成を下記の
表2に示す。次に、7.4mlの上記混合溶媒をカラム内
線速度7.0cm/分で展開し、得られた流出液をエバポ
レーターにおいて減圧下で濃縮し、第2流出分として
0.24gのオイルを得た。この流出分の組成を下記の
表2に示す。更に、278.6mlの上記混合溶媒をカラ
ム内線速度7.0cm/分で展開し、得られた流出液をエ
バポレーターにおいて減圧下で濃縮し、第3流出分とし
て1.48gのオイルを得た。この流出分の組成を下記
の表2に示す。最後に、117.8mlのアセトンをカラ
ム内線速度7.0cm/分で展開し、得られた流出液をエ
バポレーターにおいて減圧下で濃縮し、第4流出分とし
て0.06gのオイルを得た。この流出分の組成を下記
の表2に示す。上述のようにして得られた第3流出分の
オイル1.48gを理論段数8段の充填塔式精密蒸留機
を用いて、塔頂真空度0.02mmHg以下、塔底真空度2.
0mmHg以下、平均蒸留温度165〜210℃で高真空精
密蒸留を行って、表3に示した組成を持つオイル1.1
8gを得た。
【0017】なお、分析に使用したガスクロマトグラフ
は、島津製作所製ガスクロマトグラフ装置GC−17A
である。カラム条件は以下の通りである。 カラム:ID 0.25mm×L30m(商品名:DB-WAX J&W社製) 検出器:FID カラム温度:210℃ 注入口温度:250℃ 検出器温度:260℃ キャリアガス:ヘリウム 流量:EPAエチルエステルの保持時間が約20分になるよ
うに調整
【0018】実施例1で用いた原料中の主な脂肪酸の組
成を次の表1に示す。
【表1】
【0019】実施例1のクロマトグラフィーの結果とし
て各流出分の収率および組成を次の表2に示す。
【表2】
【0020】実施例1の第3流出分の蒸留の結果得られ
たオイルの収率およびその組成を次の表3に示す。
【表3】
【0021】実施例1の結果から、本発明の方法により
精製前に含まれていたETAまたはそのエステルが大き
く軽減され、そして後の蒸留の精製工程でEPAを98
%以上の高純度にまで精製し得ることが示された。
【0022】比較例1 (1) 平均粒径110μmの球状シリカゲル(富士シリ
シア化学(株)製)39.2gをアセトンでスラリー化し
て、実施例1で用いたものと同じ中圧カラム(内径20
mm×長さ250mm)に加圧充填した。次にカラム体積の
3.4倍量の溶媒(IPE:n−Hex=3.2:96.
8の容積比)を流してカラムを安定化した。 (2) 実施例1で用いたものと同じ高度不飽和脂肪酸
混合物2.0gを4mlの上記混合溶媒(IPE:n−H
ex=3.2:96.8の容積比)で溶解し、(1)にて調
製したカラムに流し込んだ。次に198mlの上記混合溶
媒をカラム内線速度7.0cm/分で展開し、得られた流
出液をエバポレーターにおいて減圧下で濃縮し、第1流
出分として1.61gのオイルを得た。この流出分の組
成を下記の表4に示す。次に、7.4mlの上記混合溶媒
をカラム内線速度7.0cm/分で展開し、得られた流出
液をエバポレーターにおいて減圧下で濃縮し、第2流出
分として0.22gのオイルを得た。この流出分の組成
を下記の表4に示す。更に、278.6mlの上記混合溶
媒をカラム内線速度7.0cm/分で展開し、得られた流
出液をエバポレーターにおいて減圧下で濃縮し、第3流
出分として0.05gのオイルを得た。この流出分の組
成を下記の表4に示す。最後に、117.8mlのアセト
ンをカラム内線速度7.0cm/分で展開し、得られた流
出液をエバポレーターにおいて減圧下で濃縮し、第4流
出分として0.03gのオイルを得た。この流出分の組
成を下記の表4に示す。
【0023】
【表4】
【0024】比較例1の結果から、粒径の大きいシリカ
ゲルを使用した場合では、ETAまたはそのエステルの
分離が不十分であり、得られた第2、第3流出分の収率
も極めて低いことが示される。またこれら流出分のオイ
ルで高真空精密蒸留を行っても純度98%以上のEPA
を得ることはできなかった。
【0025】実施例2 (1) 平均粒径40μmの球状シリカゲル(綜研化学
(株)製)39.2gをアセトンでスラリー化して、実施
例1で用いたものと同じ中圧カラム(内径20mm×長さ
250mm)に加圧充填した。次にカラム体積の3.4倍
量の混合溶媒(IPE:n−Hex=2.0:98.0の
容積比)を流してカラムを安定化した。 (2) 本実施例にて用いた原料の主な高度不飽和脂肪
酸の組成を下記の表5で示す。なお、原料中の高度不飽
和脂肪酸は予めエチルエステル化した。この原料1.0
gを2mlの混合溶媒(IPE:n−Hex=2.0:9
8.0の容積比)で溶解し、(1)にて調製したカラムに
流し込んだ。次に118mlの上記混合溶媒をカラム内線
速度1.0cm/分で展開し、得られた流出液をエバポレ
ーターにおいて減圧下で濃縮し、第1流出分として0.
29gのオイルを得た。この流出分の組成を下記の表6
に示す。次に、23.6mlの上記混合溶媒をカラム内線
速度1.0cm/分で展開し、得られた流出液をエバポレ
ーターにおいて減圧下で濃縮し、第2流出分として0.
14gのオイルを得た。この流出分の組成を下記の表6
に示す。更に、240.2mlの上記混合溶媒をカラム内
線速度1.0cm/分で展開し、得られた流出液をエバポ
レーターにおいて減圧下で濃縮し、第3流出分として
0.48gのオイルを得た。この流出分の組成を下記の
表6に示す。最後に、78.5mlのアセトンをカラム内
線速度1.0cm/分で展開し、得られた流出液をエバポ
レーターにおいて減圧下で濃縮し、第4流出分として
0.03gのオイルを得た。この流出分の組成を下記の
表6に示す。上述のようにして得られた第3流出分のオ
イル0.48gを理論段数8段の充填塔式精密蒸留機を
用いて、塔頂真空度0.02mmHg以下、塔底真空度2.0
mmHg以下、平均蒸留温度165〜210℃で高真空精密
蒸留を行って、表7に示す組成を持つオイル0.40g
を得た。
【0026】実施例2で用いた原料中の主な脂肪酸の組
成を次の表5に示す。
【表5】
【0027】実施例2のクロマトグラフィーの結果とし
て各流出分の収率および組成を次の表6に示す。
【表6】
【0028】実施例2の第3流出分の蒸留の結果得られ
たオイルの収率およびその組成を次の表7に示す。
【表7】
【0029】実施例2の結果から、原料中のEPAが比
較的低濃度であっても、本発明のクロマトグラフィーよ
り効率よく分離精製され、ETAまたはそのエステルが
大きく軽減されることが示される。また、後の蒸留の精
製工程でEPAを98%以上の高純度にまで精製するこ
とができた。
【0030】実施例3 (1) 平均粒径が60μmの球状シリカゲル(綜研化学
(株)製)39.2gをアセトンでスラリー化して、ステ
ンレス製の中圧カラム(内径20mm×長さ250mm)に
加圧充填した。次にカラム体積の4.2倍量の混合溶媒
(IPE:n−Hex=3.2:96.8の容積比)を流
してカラムを安定化した (2) 本実施例にて用いた原料の主な高度不飽和脂肪
酸の組成を下記の表8で示す。なお、原料中の高度不飽
和脂肪酸は予めエチルエステル化した。この原料2.0
gを4mlの上記混合溶媒(IPE:n−Hex=3.
2:96.8の容積比)で溶解し、(1)にて調製したカ
ラムに流し込んだ。次に220mlの上記混合溶媒をカラ
ム内線速度7.0cm/分で展開し、得られた流出液をエ
バポレーターにおいて減圧下で濃縮し、第1流出分とし
て0.07gのオイルを得た。この流出分の組成を下記
の表9に示す。次に、7.4mlの上記混合溶媒をカラム
内線速度7.0cm/分で展開し、得られた流出液をエバ
ポレーターにおいて減圧下で濃縮し、第2流出分として
0.19gのオイルを得た。この流出分の組成を下記の
表9に示す。更に、322.6mlの上記混合溶媒をカラ
ム内線速度7.0cm/分で展開し、得られた流出液をエ
バポレーターにおいて減圧下で濃縮し、第3流出分とし
て1.73gのオイルを得た。この流出分の組成を下記
の表9に示す。最後に、154mlのアセトンをカラム内
線速度7.0cm/分で展開し、得られた流出液をエバポ
レーターにおいて減圧下で濃縮し、第4流出分として
0.02gのオイルを得た。この流出分の組成を下記の
表9に示す。
【0031】実施例3で用いた原料中の主な脂肪酸の組
成を次の表8に示す。
【表8】
【0032】実施例3のクロマトグラフィーの結果とし
て各流出分の収率および組成を次の表9に示す。
【表9】
【0033】実施例3の結果から、原料中のEPAが高
濃度であっても、本発明のクロマトグラフィーにより効
率よく分離精製され、ETAまたはそのエステルが大き
く軽減されることによりEPAを98%以上の高純度で
且つ収率85%以上で精製することができた。
【0034】実施例4 (1) 平均粒径が20μmの球状シリカゲル(綜研化学
(株)製)39.2gをアセトンでスラリー化して、ステ
ンレス製の中圧カラム(内径20mm×長さ250mm)に
加圧充填した。次にカラム体積の3.4倍量の混合溶媒
(IPE:n−Hex=3.2:96.8の容積比)を流
してカラムを安定化した。 (2) 実施例1で用いたものと同じ原料2.0gを4ml
の混合溶媒(IPE:n−Hex=3.2:96.8の容
積比)で溶解し、(1)にて調製したカラムに流し込ん
だ。次に227.6mlの上記混合溶媒をカラム内線速度
10cm/分で展開し、得られた流出液をエバポレーター
において減圧下で濃縮し、第1流出分として0.10g
のオイルを得た。この流出分の組成を下記の表10に示
す。次に、7.8mlの上記混合溶媒をカラム内線速度1
0cm/分で展開し、得られた流出液をエバポレーターに
おいて減圧下で濃縮し、第2流出分として0.18gの
オイルを得た。この流出分の組成を下記の表10に示
す。更に、455.4mlの上記混合溶媒をカラム内線速
度10cm/分で展開し、得られた流出液をエバポレータ
ーにおいて減圧下で濃縮し、第3流出分として1.59
gのオイルを得た。この流出分の組成を下記の表10に
示す。最後に、157mlのアセトンをカラム内線速度1
0cm/分で展開し、得られた流出液をエバポレーターに
おいて減圧下で濃縮し、第4流出分として0.05gの
オイルを得た。この流出分の組成を下記の表10に示
す。上述のようにして得られた第3流出分のオイル1.
59gを理論段数8段の充填塔式精密蒸留機を用いて、
塔頂真空度0.02mmHg以下、塔底真空度2.0mmHg以
下、平均蒸留温度165〜210℃で高真空精密蒸留を
行って、表11に示す組成を持つオイル1.28gを得
た。
【0035】実施例4のクロマトグラフィーの結果とし
て各流出分の収率および組成を次の表10に示す。
【表10】
【0036】実施例4の第3流出分の蒸留の結果得られ
たオイルの収率およびその組成を次の表11に示す。
【表11】
【0037】実施例4の結果から、展開させる際のカラ
ム内の線速度を速くしても本発明の方法によりEPAが
効率よく分離精製され、ETAまたはそのエステルが大
きく軽減されることが示される。また、後の蒸留の精製
工程でEPAを98%以上の高純度で且つ収率80%以
上で精製することができた。
【0038】比較例2 (1) 平均粒径20μmの球状シリカゲル(綜研化学
(株)製)39.2gをアセトンでスラリー化して、実施
例1と同じ中圧カラム(内径20mm×長さ250mm)に
加圧充填した。次にカラム体積の3.4倍量の混合溶媒
(酢酸エチル:n−Hex=1.5:98.5の容積比)
を流してカラムを安定化した。 (2) 実施例1と同じ高度不飽和脂肪酸混合物2.0g
を4mlの混合溶媒(酢酸エチル:n−Hex=1.5:
98.5の容積比)で溶解し、(1)にて調製したカラム
に流し込んだ。次に78.6mlの上記混合溶媒をカラム
内線速度7.0cm/分で展開し、得られた流出液をエバ
ポレーターにおいて減圧下で濃縮し、第1流出分として
0.13gのオイルを得た。この流出分の組成を下記の
表12に示す。次に、196.2mlの上記混合溶媒をカ
ラム内線速度7.0cm/分で展開し、得られた流出液を
エバポレーターにおいて減圧下で濃縮し、第2流出分と
して1.16gのオイルを得た。この流出分の組成を下
記の表12に示す。更に、94.2mlの上記混合溶媒を
カラム内線速度7.0cm/分で展開し、得られた流出液
をエバポレーターにおいて減圧下で濃縮し、第3流出分
として0.64gのオイルを得た。この流出分の組成を
下記の表12に示す。最後に、651.6mlの上記混合
溶媒と157.0mlのアセトンをカラム内線速度7.0cm
/分で展開し、得られた流出液をエバポレーターにおい
て減圧下で濃縮し、第4流出分として0.06gのオイ
ルを得た。この流出分の組成を下記の表12に示す。
【0039】
【表12】
【0040】比較例2の結果から、展開溶媒として用い
る混合溶媒中にエステル系の酢酸エチルを使用した場合
では、ETAまたはそのエステルの分離が不十分であ
り、また第3流出分におけるEPAの収率は著しく低い
ことが示された。ただし、第3流出分は、高真空精密蒸
留を行った場合、純度98%以上のEPAを得ることが
できた。
【0041】
【発明の効果】本発明にかかる高度不飽和脂肪酸の精製
法は、担体として1〜100μmの粒径をもつ球状のシ
リカゲルを充填した中圧カラムを使用し、展開溶媒とし
てn−Hex:IPE=90〜99:10〜1の容積
比、好ましくは95〜99:5〜1の容積比の混合溶媒
で展開することにより、EPAまたはそのエステルを効
率よく分離・精製し、且つETAまたはそのエステルを
選択的に除去しうるという特徴がある。また、本発明に
よれば、シリカゲルのみを充填材とすることで低コスト
のEPAまたはそのエステルの精製法が提供される。本
発明の精製法は、EPAまたはそのエステルの分離・精
製を工業的規模で実施する場合において初期コストおよ
びランニングコストの大幅な削減を可能とする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 亨 長野県上田市大字上塩尻751番地 日清製 粉株式会社上田工場内 Fターム(参考) 4H059 AA11 BA01 BA15 BA26 BA30 BB05 BB07 CA18 CA24 DA16 EA21

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高度不飽和脂肪酸またはそのエステルを
    含有する混合物を、1〜100μmの粒径を有するシリ
    カゲルを充填したカラムを用いてエーテル系溶媒と炭化
    水素系溶媒の混合溶媒で展開することからなる、上記混
    合物からエイコサペンタエン酸またはそのエステルを分
    離精製する方法。
  2. 【請求項2】 エーテル系溶媒がジアルキルエーテルで
    あり、そして炭化水素系溶媒が炭素数5〜8のアルカン
    系炭化水素である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 混合溶媒をカラム内線速度1〜10cm/
    分で展開する、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 混合溶媒で展開後、精密蒸留を行う、請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
JP2001031922A 2000-02-14 2001-02-08 エイコサペンタエン酸またはそのエステルを分離精製する方法 Pending JP2001303089A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001031922A JP2001303089A (ja) 2000-02-14 2001-02-08 エイコサペンタエン酸またはそのエステルを分離精製する方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-35140 2000-02-14
JP2000035140 2000-02-14
JP2001031922A JP2001303089A (ja) 2000-02-14 2001-02-08 エイコサペンタエン酸またはそのエステルを分離精製する方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001303089A true JP2001303089A (ja) 2001-10-31

Family

ID=26585295

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001031922A Pending JP2001303089A (ja) 2000-02-14 2001-02-08 エイコサペンタエン酸またはそのエステルを分離精製する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001303089A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016043251A1 (ja) * 2014-09-17 2016-03-24 日本水産株式会社 エイコサペンタエン酸アルキルエステルを含有する組成物及びその製造方法
US11330817B2 (en) 2013-12-04 2022-05-17 Nippon Suisan Kaisha, Ltd. Microbial oil, production method for microbial oil, concentrated microbial oil, and production method for concentrated microbial oil
JPWO2022196275A1 (ja) * 2021-03-17 2022-09-22

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11330817B2 (en) 2013-12-04 2022-05-17 Nippon Suisan Kaisha, Ltd. Microbial oil, production method for microbial oil, concentrated microbial oil, and production method for concentrated microbial oil
US11856952B2 (en) 2013-12-04 2024-01-02 Nippon Suisan Kaisha, Ltd. Microbial oil, production method for microbial oil, concentrated microbial oil, and production method for concentrated microbial oil
US9918953B2 (en) 2014-09-17 2018-03-20 Nippon Suisan Kaisha, Ltd. Composition containing eicosapentaenoic acid alkyl ester, and method for producing same
WO2016043251A1 (ja) * 2014-09-17 2016-03-24 日本水産株式会社 エイコサペンタエン酸アルキルエステルを含有する組成物及びその製造方法
US10105340B2 (en) 2014-09-17 2018-10-23 Nippon Suisan Kaisha, Ltd. Composition containing eicosapentaenoic acid alkyl ester, and method for producing same
US10576053B2 (en) 2014-09-17 2020-03-03 Nippon Suisan Kaisha, Ltd. Composition containing eicosapentaenoic acid alkyl ester, and method for producing same
JP2020073667A (ja) * 2014-09-17 2020-05-14 日本水産株式会社 エイコサペンタエン酸アルキルエステルを含有する組成物及びその製造方法
US10864185B2 (en) 2014-09-17 2020-12-15 Nippon Suisan Kaisha, Ltd. Composition containing eicosapentaenoic acid alkyl ester, and method for producing same
JP2022008611A (ja) * 2014-09-17 2022-01-13 日本水産株式会社 エイコサペンタエン酸アルキルエステルを含有する組成物及びその製造方法
JPWO2016043251A1 (ja) * 2014-09-17 2017-08-17 日本水産株式会社 エイコサペンタエン酸アルキルエステルを含有する組成物及びその製造方法
JP7190013B2 (ja) 2014-09-17 2022-12-14 日本水産株式会社 エイコサペンタエン酸アルキルエステルを含有する組成物及びその製造方法
US11648229B2 (en) 2014-09-17 2023-05-16 Nippon Suisan Kaisha, Ltd. Composition containing eicosapentaenoic acid alkyl ester, and method for producing same
CN106795452A (zh) * 2014-09-17 2017-05-31 日本水产株式会社 含有二十碳五烯酸烷基酯的组合物及其制造方法
JPWO2022196275A1 (ja) * 2021-03-17 2022-09-22
JP7289994B2 (ja) 2021-03-17 2023-06-12 株式会社ニッスイ 精製の方法および精製された製品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6433201B2 (en) Process for separating and purifying eicosapentaenoic acid or its ester
EP1065196B1 (en) Process of selectively separating and purifying eicosapentaenoic and docosahexaenoic acids or their esters
JP6684932B2 (ja) 高度不飽和脂肪酸アルキルエステル含有組成物の製造方法
JP4170542B2 (ja) 高度不飽和脂肪酸誘導体の製造方法及び高純度エイコサペンタエン酸誘導体
CN103221524B (zh) 用于浓缩omega-3脂肪酸的方法
JP2009530426A (ja) パーム油またはパーム油派生物から天然化合物の高度富化した画分を製造する方法
JPH08218091A (ja) 高純度の高度不飽和脂肪酸およびその誘導体の製造方法
JP2001303089A (ja) エイコサペンタエン酸またはそのエステルを分離精製する方法
JPS5888339A (ja) エイコサペンタエン酸又はそのエステルとドコサヘキサエン酸又はそのエステルの分離精製方法
AU2006313172B2 (en) Method of refining episesamin
JP2935555B2 (ja) 高度不飽和脂肪酸の分離精製法
JP3611222B2 (ja) 高度不飽和脂肪酸類含有油脂の過酸化物低減方法
JP2001072993A (ja) エイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸またはそれらのエステルを選択的に分離精製する方法
JPH09151390A (ja) 高度不飽和脂肪酸及びその誘導体の精製方法
JP6464144B2 (ja) ステアリドン酸の精製方法
JPS61291540A (ja) 長鎖高度不飽和脂肪酸またはその低級アルキルエステルの分離精製方法
JP2001240893A (ja) エイコサペンタエン酸又はその誘導体の精製方法
JPH04126798A (ja) 遊離脂肪酸を含むグリセリドからの遊離脂肪酸の分離方法
JPH0768169B2 (ja) エイコサペンタエン酸エステル及び/又はドコサヘキサエン酸エステルの分離方法
JPS63243061A (ja) 高度不飽和長鎖脂肪酸アルキルエステルの分離精製方法
JPWO2020138282A1 (ja) エイコサペンタエン酸アルキルエステル含有組成物及びその製造方法
JPH09143488A (ja) 高度不飽和脂肪酸エステルの精製方法
WO2020196749A1 (ja) エイコサペンタエン酸アルキルエステル含有組成物の製造方法
JPH06279781A (ja) 乳化液膜法による高度不飽和脂肪酸類の分離回収方法
CN114573454A (zh) 高纯epa乙酯的分离纯化方法