JP2001299116A - 養液栽培方法 - Google Patents

養液栽培方法

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JP2001299116A
JP2001299116A JP2000125911A JP2000125911A JP2001299116A JP 2001299116 A JP2001299116 A JP 2001299116A JP 2000125911 A JP2000125911 A JP 2000125911A JP 2000125911 A JP2000125911 A JP 2000125911A JP 2001299116 A JP2001299116 A JP 2001299116A
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cultivation
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ozone
pump
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JP2000125911A
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Makoto Iwane
真 岩根
Yoichi Kobayashi
洋一 小林
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Bio Oriented Technology Research Advancement Institution
Sasaki Co Ltd
Toshiba Plant Construction Corp
Original Assignee
Bio Oriented Technology Research Advancement Institution
Sasaki Co Ltd
Toshiba Plant Construction Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い収穫量で安定に植物を養液栽培するとと
もに、栽培に使用した養液排水を施設の外部に廃棄する
ことなく循環使用して環境汚染を防止する。 【解決手段】 原水を脱塩装置10で脱塩し、得られた
処理水を混合タンク1に供給し、そこで肥料成分を添加
して養液を調整する。その養液は栽培床5に供給され、
栽培床5からの余剰の養液排水は排液タンク15を経て
除菌装置14で除菌された後、混合タンク1に戻され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は栽培床に養液を供給
して野菜や花卉などの植物を栽培する養液栽培方法に関
し、特に養液を栽培床に循環使用して外部に廃棄しない
ようにした養液栽培方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】温室内に栽培床(栽培ベッド)を配置
し、その栽培床に植生した野菜や花卉などの植物に養液
を供給して効率的に栽培する方法、すなわち養液栽培方
法が広く普及している。栽培に使用する養液は地下水、
上水道水、雨水などの原水に肥料成分を添加して調整さ
れ、ポンプで栽培床に供給される。図5は従来から行わ
れている養液栽培方法のプロセスフロー図である。混合
タンク1の原水に肥料供給装置2から供給される肥料成
分が添加されて養液が調整される。養液中の肥料成分濃
度は電導度計3で測定し、それが所定濃度になるように
肥料供給装置2が制御される。調整された養液はポンプ
4でロックウール等を敷詰めた栽培床(いわゆるロック
ウールスラブ)5に移送され、複数のノズルから植物6
に散布される。そして栽培床5における余剰の養液は養
液排水として外部に廃棄されるが、通常この養液排水は
供給量の10〜30%程度になる。
【0003】その養液排水中には窒素やリンなど、湖沼
の不栄養化を起こす物質が含まれているので大量の廃棄
は好ましくない。そこで養液排水を外部に廃棄すること
なく循環して繰り返し使用する方法が提案されている。
しかしながら本発明者らの実験によると、養液排水を栽
培床に循環使用した場合には、植物に吸収されない成分
の濃度が次第に増加し、それが栽培床に蓄積して植物に
悪影響を及ぼすことが分かった。図6は図5のプロセス
フロー図において、栽培床であるロックウールスラブに
混合タンクで調整した養液を約4ヵ月間循環したとき
に、栽培床に含まれる各成分の比率推移を測定した結果
である。初期の養液は所定の肥料成分とともに国内にお
ける地下水の平均的塩分濃度の範囲内、すなわちナトリ
ウムイオン(Na+)が80mg/l程度になるように
塩分調整した。この図から明らかなように、時間の経過
とともに栽培床におけるナトリウムイオン(Na+ )、
塩素イオン(Cl- )の比率が高くなっていき、肥料成
分の比率は逆に小さくなっていく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように養液排水
を外部に廃棄することなく循環使用する方法は、養液中
の塩分比率が増加するため植物の育成に好ましくないこ
とが判明した。さらに別の問題として、養液中に細菌等
が次第に増加して植物に病気が蔓延するおそれもある。
そこで本発明はこのような養液循環における問題を解決
することを課題とし、そのための新しい養液栽培方法を
提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する請求
項1に記載の発明は、栽培床に養液を供給して植物を栽
培する養液栽培方法である。そして原水を脱塩装置で脱
塩し、得られた処理水に肥料成分を添加して養液を調整
し、その養液を栽培床に供給し、栽培床から排出する養
液排水を除菌装置で除菌して前記養液中に戻すことによ
り、養液を栽培床に循環使用するようにしたことを特徴
とするものである。上記方法によれば、原水を脱塩装置
で脱塩して養液を調整するので、栽培床に長期間養液を
循環しても塩分が蓄積して植物に悪影響を及ぼすことが
ない。また養液排水を除菌装置で除菌して前記養液中に
戻すようにしたので、栽培床に長期間養液を循環しても
栽培床が細菌類で汚染されるおそれも少ない。
【0006】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の養液栽培方法において、脱塩装置として逆浸透膜を使
用し、原水の脱塩と共に原水中に含まれる微粒子、細菌
などの不純物を除去することを特徴とするものである。
このようにすると栽培床をより一層菌抑制の状態に維持
することができると共に、肥料成分調整も、より精密に
制御することが可能になる。請求項3に記載の発明は、
請求項1または請求項2に記載の養液栽培方法におい
て、除菌装置として中空糸膜を使用することを特徴とす
るものである。このような除菌装置を使用すると保守管
理が容易で運転コストを低くできると共に、除菌操作を
より確実に行うことができる。
【0007】請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求
項3のいずれかに記載の養液栽培方法において、養液中
のpH値を植物生育に適した範囲に調整することを特徴
とするものである。このように養液中のpH値の調整を
すると、植物の育成ステージや季節要因などによって、
植物によるイオン成分の吸収比率が変化した場合におい
ても、栽培床のpH値が急激に変化して植物に悪影響を
及ぼすことを防止できる。請求項5に記載の発明は、請
求項1〜請求項4のいずれかに記載の養液栽培方法にお
いて、植物生育が不活発になる夜間において、養液中に
オゾンを含有させ、そのオゾンで養液が流れる配管類の
内部の殺菌をすることができる。このようにオゾンで配
管類の殺菌をすると、配管類の内壁にバイオフィルムが
形成して成長することを有効に抑制することができる。
しかも植物生育が不活発になる夜間は栽培床に循環する
養液流量は極て少なくてよく、養液調整も行わないので
その間を有効に利用してオゾン殺菌操作を行うことがで
きる。
【0008】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
により説明する。図1は本発明の養液栽培方法を実施す
るための模式的なプロセスフロー図である。図1におけ
る各符号は次のとおりである。即ち、1は混合タンク、
2は肥料供給装置、3は電導度計、4はポンプ、5は栽
培床、6は植物、10は脱塩装置、11は処理水タン
ク、12は水質調整装置、13はオゾン殺菌装置、14
は除菌装置、15は排液タンク、a〜qは配管である。
脱塩装置10は例えば電気電導度400μS/cm程度
の原水を電気電導度4μS/cm程度のレベルまで脱塩
するものであり、図示の装置は逆浸透膜を使用したもの
で、配管aからの原水を加圧する加圧ポンプ16とその
出口側に並列接続された複数の逆浸透膜モジュール17
を有する。
【0009】逆浸透膜モジュール17は容器内に多数の
逆浸透膜を収容したもので、加圧ポンプ16で加圧して
膜の一次側に供給された原水を逆浸透圧で膜の二次側に
浸透させ、塩分と共に微粒子、細菌類、コロイド状物質
などの不純物を分離除去し、その処理水が配管bにより
処理水タンク11に排出される。一方、逆浸透膜で浸透
されなかった一次側における残りの原水は不純物ととも
に配管cにより外部に排出される。このような逆浸透膜
モジュール17として、例えば東レ(株)より市販され
ているSUL−G10型のモジュールが使用できる。な
お原水から塩分だけを除去すればよいときには、イオン
交換樹脂を用いた脱塩装置10を使用することもでき
る。
【0010】水質調整装置12は養液のpH緩衝能力を
増加させることを目的として設けられ、流量積算計1
8、ダイヤフラムポンプ19および炭酸水もしくは炭酸
水素カリウム等のpH調整溶液を収容する溶液タンク2
0を有している。そして処理水タンク11から混合タン
ク3への配管dの処理水流量が設定された流量積算値に
達するごとに流量積算計18からパルスが出力され、そ
のパルスによりダイヤフラムポンプ19が作動して間欠
的にpH調整溶液を処理水中に注入する。なおpH調整
溶液として炭酸水素カリウム溶液を使用する場合には、
そのカリウム成分が養液中におけるカリ肥料の一部とな
る。
【0011】オゾン殺菌装置13は養液のオゾン殺菌用
として設けられ、高電圧により空気中の酸素からオゾン
を発生するオゾン発生器21とカスケードポンプ22を
有している。カスケードポンプ22の入口側は配管oを
経て前記処理水タンク11に接続され、カスケードポン
プ22の出口側は配管fを経てポンプ4の出口側に設け
た配管切換用の電動ボール弁23に接続される。さらに
カスケードポンプ22の入口側にはオゾン発生器21か
らのオゾンガス配管が接続される。そしてカスケードポ
ンプ22を運転すると処理水と共にオゾンガスが吸入さ
れ、そのオゾン含有処理水が配管fを経て電動ボール弁
23の下流側にある栽培床5に供給される。処理水に対
するオゾンガスの吸入割合は例えば10容量%程度とさ
れ、その割合はオゾンガス配管に設けた調整弁(図示せ
ず)などにより調整することができる。
【0012】肥料供給装置2はダイヤフラムポンプ等か
らなる複数の肥料供給ポンプ24と、それに接続される
複数の肥料溶液タンク25を有し、混合タンク1内の電
気電導度を測定する電導度計3からの測定値が予め設定
された値になるように、図示しない制御器が各肥料供給
ポンプ24を制御する。そして各肥料供給ポンプ24か
ら排出する濃厚な肥料溶液は配管gを経て混合タンク1
に供給され、そこで図示しない攪拌装置で攪拌混合して
希釈される。このような肥料供給装置2として、例えば
(株)新和水耕から「らくらく肥料管理機」として市販
されているものが使用できる。
【0013】除菌装置14は養液排水の除菌用として設
けられ、除菌時に配管切換用の電動ボール弁39、2
6、27、28、32、31、除菌時の配管閉鎖用の電
動ボール弁29、30、ポンプ34、フィルタ35、除
菌用の複数の中空糸膜モジュール36、中空糸膜モジュ
ール36の逆洗浄用の中空糸膜モジュール37、中空糸
膜モジュール37に洗浄液を供給するシリンダ型の洗浄
液供給部38を有している。上記電動ボール弁39のA
ポートは配管iを介して前記混合タンク1に接続され、
Bポートは配管jを介して排液タンク15に接続され
る。電動ボール弁39のCポートは電動ボール弁26の
Aポートに配管hを介して接続されている。また電動ボ
ール弁31は配管kを介して混合タンク1に接続され、
電動ボール弁27のAポート、30のBポート、は配管
lを介して排液タンク15に接続される。さらに前記電
動ボール弁26のBポートは配管mを介して処理水タン
ク11に接続され、Cポートはポンプ34に接続され
る。なお図1における各電動ボール弁は図示しないコン
ピュータ装置やシーケンサ等の制御装置により駆動制御
される。
【0014】次に図1のプロセスフロー図により植物を
養液栽培する方法を説明する。先ず配管aからの原水は
加圧ポンプ16で逆浸透に必要な圧力に加圧され、逆浸
透膜モジュール17の膜一次側に供給される。そこで逆
浸透により塩分と共に微粒子、細菌類、コロイド状物質
などの不純物を除去されて純水レベルまで処理された原
水は、処理水として配管bから処理水タンク11に排出
する。処理水タンク11に貯蔵された処理水は配管dか
ら混合タンク1に供給され、そこで所定の肥料成分と混
合されるが、配管dには水質調整装置12から間欠的に
pH調整溶液が注入されて養液のpHを所定の範囲に調
整する。例えばpH調整溶液として炭酸カリウムの溶液
を使用する場合は、混合タンク1に供給する処理水に対
して30〜50mg/l程度の範囲の濃度になるように
調整する。なお濃度を30mg/l以下にすると養液の
pH緩衝能力が不足しがちになり、50mg/lを越え
るとpH値が高くなり過ぎて植物の葉が黄変しやすくな
る。
【0015】肥料成分の量比は電導度計3からの電導度
測定信号を受けて肥料供給装置2が制御する。植物の育
成が活発な昼間はポンプ4が連続的に運転され、混合タ
ンク1の養液が配管e、ポンプ4,電動ボール弁23を
経て栽培床5に供給され、複数のノズルから植物に散布
される。栽培床5で植物に吸収されない余剰の養液は養
液排水として排液タンク15に排出されて一時的に貯蔵
されるが、ある程度貯蔵したとき除菌装置14で除菌さ
れて混合タンク1に戻される。すなわち排液タンク15
には図示しないレベル検出器が設けられ、所定の液レベ
ルまで上昇したときにその検出信号により電動ボール弁
39が図示しない制御装置により駆動され、そのBポー
トとCポートが連通する。それによって養液排水は配管
j、hを経て除去菌装置14に流入し、その電動ボール
弁26およびポンプ34を経て中空糸膜モジュール36
の一次側に供給される。そこで養液排水から細菌類が分
離され、清浄化した養液が膜二次側から配管kを経て混
合タンク1に戻る。
【0016】上記操作によって排液タンク15の液レベ
ルが一定以下に低下すると、その液レベルの検出信号に
より電動ボール弁39が駆動されAポートとCポートと
を連通する。すると排液タンク15の養液排水の排出が
停止し、混合タンク1の養液の除菌操作が開始される。
すなわち混合タンク1の養液は配管i,hをを経て除去
菌装置14に流入し、その電動ボール弁26からポンプ
34を経て中空糸膜モジュール36の一次側に供給さ
れ、そこで細菌類が分離されて清浄化した養液が膜二次
側から配管kを経て混合タンク1に戻る。この状態で排
液タンク15の養液排水の液レベルが一定以上再び上昇
すると、その液レベルの検出信号により電動ボール弁3
9が駆動し、BポートとCポートが連通して混合タンク
1からの養液の除菌操作が停止し、排液タンク15から
の養液排水の除菌操作に戻る。このようにして排液タン
ク15の養液排水の除菌操作の合間に混合タンク1の養
液の除菌操作を行うようにすると、除去菌装置14の稼
働率が向上するとともに、養液中の菌増加に対する抑制
効果も向上する。
【0017】除菌装置14は昼夜間を通して24時間連
続運転されることもある。その除菌用の中空糸膜モジュ
ール36は長時間使用すると次第に膜詰まりを生じてそ
の分離能力が低下する。そこで任意のインターバルで、
例えば1回/3時間のインターバルで、中空糸膜モジュ
ール36を逆洗浄してその分離能力の回復を図る。中空
糸膜モジュール36を逆洗浄するには、電動ボール弁2
6を駆動してそのBポートとCポートを連通した状態で
ポンプ34を運転する。すると処理水タンク11の処理
水が配管mー電動ボール弁26ーポンプ34ーフィルタ
35ー電動ボール弁29ー逆洗浄用の中空糸膜モジュー
ル37ー配管nー電動ボール弁31ー電動ボール弁32
を経て中空糸膜モジュール36の膜二次側に供給され
る。それによって中空糸膜モジュール36は逆洗浄さ
れ、汚れた処理水は電動ボール弁28−電動ボール弁2
7−配管p−配管lを経て排液タンク15に回収され
る。なお逆洗用中空糸膜モジュール37で洗浄された処
理水は中空糸膜モジュール36に供給されるが、その一
部はシリンダ型の洗浄液供給部38におけるピストン上
側にも供給され、そのピストンを最下部まで押し下げ
る。
【0018】一方、逆洗浄用の中空糸膜モジュール37
も繰り返し使用すると、次第に目詰まりしてその処理能
力が低下するので、同様に逆洗浄して処理能力を回復す
る。逆洗用中空糸膜モジュール37を逆洗浄するには、
電動ボール弁26を駆動してそのAポートとCポートを
連通した状態でポンプ34を運転し、さらに電動ボール
弁29を駆動してそのAポートとBポートを連通し、ポ
ンプ34の出口側とシリンダ型の洗浄液供給部38を連
通する。すると洗浄液供給部38の洗浄水が洗浄液供給
部38のピストン下側に供給され、それによってピスト
ンが上方に駆動され、前記のようにピストン上側に収容
されていた清浄な処理水が中空糸膜モジュール37の二
次側に供給されて逆洗浄が行われる。なお汚れた処理水
は電動ボール弁30ー配管lを経て排液タンク15に回
収される。このように全ての逆洗浄液が回収されて再使
用されるので、外部に養液を廃棄する必要は全くない。
【0019】植物の育成ステージや季節要因などによっ
て、植物によるイオン成分の吸収比率は変化する。その
ような吸収比率の変化は養液のpHや肥料成分のバラン
スを崩し、植物に悪影響を与えることになる。そこでこ
のようなイオン成分の吸収比率の変化に適合するよう
に、養液のpHや肥料成分の濃度を調整することが好ま
しい。栽培する植物の種類によって異なる育成ステージ
や季節要因などによるイオン成分の吸収比率の変化は、
実験により予め知ることができる。そこで実験により得
られたデータを基にして前記水質調整装置12によるp
H調整量や肥料供給装置2による肥料成分供給量を制御
することができる。なおこの制御は制御装置(図示せ
ず)によりプログラム制御することもできる。
【0020】植物の育成が不活発な夜間の時間帯はポン
プ4を停止してエネルギー消費を抑制する。すると、配
管qの各溶液供給孔から細菌がその配管q内に浸入し
て、いわゆる逆汚染がおこる。即ち、配管の内壁に肥料
成分やその他生物学的な不純物の薄層、すなわちバイオ
フィルムが形成されることが多い。そこで、その対策と
してポンプ4の停止期間を利用してオゾン殺菌装置13
を、夜間に2〜3回稼働させ、配管やタンク等の配管類
の内部をオゾン殺菌することが好ましい。そして配管や
タンクにオゾンを含有する液を流してそのバイオフィル
ムを除去する。
【0021】オゾン殺菌装置13を稼働するにはオゾン
発生器21とカスケードポンプ22を運転すると共に、
電動ボール弁23を駆動して配管fと栽培床5を連通す
る。オゾン殺菌装置13の稼働により、オゾンを含有す
る処理液が配管f、配管qから栽培床5に流入する。そ
の流量は例えばカスケードポンプ22の出口側に設けた
調整弁(図示せず)により行えるが、ポンプ4を運転し
ている昼間の養液流量に比べて極わずかな流量で足り
る。またそのオゾン含有量は植物にダメージを与えない
ように必要最小限に抑制する。そのために、処理水タン
ク11から配管oを介して導かれた清浄な処理水にオゾ
ンを混入させる。仮に、オゾンを混入する水に微生物等
の有機物が含まれると、それがオゾンを消費するため、
過剰にオゾンを混入させる必要があり、それが植物にダ
メージを与えからである。なお栽培床5に供給されたオ
ゾンを含有する処理液は、栽培床5に流入して、そこで
オゾンが完全に消費される。
【0022】
【実施例】次に、実施例により本発明の養液栽培方法を
さらに具体的に説明する。図1のプロセスフローにより
中玉トマトの養液栽培をした。 (栽培条件) 栽培品種:カネコ種苗の中玉トマト苗 播種日:7月1日、定植日:8月1日 (栽培床)次の3つの区域(各区域の栽培面積:11.
4坪)を設け、それぞれの区域に中玉トマト苗を64株
ずつ植栽した。なお各区域の間にはダミー区域を設け、
場所による採光条件の差をなくした。 実施例区(本発明の方法を実施する区域) 比較例区(脱塩、除菌操作なしで養液循環して栽培する
区域) 対照区(従来法のように養液排水を外部に廃棄して栽培
する区域)
【0023】(養液の肥料管理)表1のベース肥料組成
を基にし、各育成ステージごとに表2のような追肥肥料
の調整をした。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】(結果)図2は実施例区に循環使用した養
液のpHと電気電導度の変化(混合タンク1内で測定)
であり、図3は実施例区に循環使用した養液の肥料成分
組成比の変化(混合タンク1内で測定)である。また根
腐れ、萎ちょう病などの罹病率は比較例区がほぼ100
%であったのに対し、実施例区は3%であり、養液排水
を外部に廃棄して栽培した対照区の2%とほとんど差が
なかった。さらに図4(a)は実施例区におけるトマト
の果実収量の推移、図4(b)は対照区におけるトマト
の果実収量の推移であり、実施例区は対象区に比べて果
実収量が約17%増加した。これらの結果から、本発明
の養液循環方式による栽培方法によれば、塩害による被
害は見られず、養液の急激なpH変動や電気電導度の上
昇、肥料成分の偏りもなく、安定して栽培できることが
分かる。また罹病率も養液排水を外部に廃棄して栽培し
た場合と同様に極めて少なく、果実収量も増加する。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明の養液栽培方法によ
れば、原水を脱塩装置で脱塩して養液を調整するので、
栽培床に長期間養液を循環しても塩分が蓄積して植物に
悪影響を及ぼすことがない。また養液排水を除菌装置で
除菌して前記養液中に戻すようにしたので、栽培床に長
期間養液を循環しても栽培床が細菌類で汚染されるおそ
れも少ない。上記養液栽培方法において、脱塩装置とし
て逆浸透膜を使用し、原水の脱塩と共に原水中に含まれ
る微粒子、細菌などの不純物を除去することができる。
そのようにすると、栽培床をより一層菌抑制の状態に安
定して維持することができると共に、肥料成分調整もよ
り精密に制御することが可能になる。上記いずれかの養
液栽培方法において、除菌装置として中空糸膜を使用す
ることができる。このような除菌装置を使用すると保守
管理が容易で運転コストを低くできると共に、除菌操作
をより確実に行うことができる。
【0028】上記いずれかの養液栽培方法において、養
液中のpH値を植物生育に適した範囲に調整することが
できる。このように養液中のpH値を調整すると、植物
の育成ステージや季節要因などによって、植物のイオン
成分の吸収比率が変化した場合においても、栽培床のp
H値が急激に変化して植物に悪影響を及ぼすことを防止
できる。上記いずれかの養液栽培方法において、植物生
育が不活発になる夜間にオゾンで養液配管類の殺菌をす
ることができる。このようにオゾンで養液配管類の殺菌
をすると、配管類の内壁にバイオフィルムが形成して成
長することを有効に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の養液栽培方法を実施するための模式的
なプロセスフロー図。
【図2】実施例区に循環使用した養液のpHと電気電導
度の変化を示す図。
【図3】実施例区に循環使用した養液の肥料成分組成比
の変化を示す図。
【図4】実施例区および対照区におけるトマトの果実収
量の推移を示す図。
【図5】従来から行われている養液栽培方法のプロセス
フロー図。
【図6】図5における栽培床に混合タンクで調整した養
液を約4ヵ月間循環したとき、栽培床に含まれる各成分
の比率推移を測定した結果を示す図。
【符号の説明】
1 混合タンク 2 肥料供給装置 3 電導度計 4 ポンプ 5 栽培床 6 植物 10 脱塩装置 11 処理水タンク 12 水質調整装置 13 オゾン殺菌装置 14 除菌装置 15 排液タンク 16 加圧ポンプ 17 逆浸透膜モジュール 18 流量積算計 19 ダイヤフラムポンプ 20 溶液タンク 21 オゾン発生器 22 カスケードポンプ 23 電動ボール弁 24 肥料供給ポンプ 25 肥料溶液タンク 26〜33 電動ボール弁 34 ポンプ 35 フィルタ 36 中空糸膜モジュール 37 中空糸膜モジュール 38 洗浄液供給部 39 電動ボール弁 a〜q 配管
フロントページの続き (72)発明者 小林 洋一 東京都大田区蒲田五丁目37番1号 東芝プ ラント建設株式会社内 Fターム(参考) 2B314 MA18 MA45 MA48 ND07 PA03 PA05 PA06 PA13 PA17 PB08 PB64

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 栽培床5に養液を供給して植物を栽培す
    る養液栽培方法において、 原水を脱塩装置10で脱塩し、得られた処理水に肥料成
    分を添加して養液を調整し、その養液を栽培床5に供給
    し、栽培床5から排出する養液排水を除菌装置14で除
    菌して前記養液中に戻すことにより、養液を栽培床5に
    循環使用するようにしたことを特徴とする養液栽培方
    法。
  2. 【請求項2】 脱塩装置10が逆浸透膜を使用したもの
    であり、原水の脱塩と共に原水中に含まれる微粒子、細
    菌などの不純物を逆浸透膜で除去する請求項1に記載の
    養液栽培方法。
  3. 【請求項3】 除菌装置14が中空糸膜を使用したもの
    である請求項1または請求項2に記載の養液栽培方法。
  4. 【請求項4】 養液中のpH値を植物生育に適した範囲
    に調整する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の養液
    栽培方法。
  5. 【請求項5】 植物生育が不活発になる夜間において、
    養液が流れる配管類の内部にオゾンを含有させる請求項
    1〜請求項4のいずれかに記載の養液栽培方法。
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JP2008011814A (ja) * 2006-07-07 2008-01-24 Unicon Engineering Co Ltd 循環型再生水利用方法
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