JP2001297802A - 扁平形空気電池 - Google Patents
扁平形空気電池Info
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Abstract
る形状の扁平形空気電池の封口性を向上させる。 【解決手段】正極体を収納した正極容器7と、負極作用
物質を収納した負極容器1とを、封口ガスケット4を介
して正極容器の外壁部を内方へかしめることにより封口
してなり、かつ封口部分の電池外形が少なくとも一つの
直線部分を有する扁平形空気電池であって、負極容器の
側壁部の端部が外周方向へ伸びて平坦部を形成し、該平
坦部のほぼ中央に正極体と反対方向に突出した突出部1
bを形成させたことにより、かしめ加工の際の加圧力が
突出部1bの変形に吸収されて、弧の部分と直線部分で
の加圧力を均一化することができる。したがって従来の
この形状の扁平形空気電池の特に直線部分での封口性の
低下を、改善できる。
Description
平形空気電池に関するものである。
を正極とする空気電池は、正極活物質を電池内に詰め込
む必要がないために、同じ大きさの電池であれば負極活
物質をより多く詰め込むことが可能で、他のアルカリマ
ンガン電池や酸化銀電池に比較して大容量が得られると
いう特徴がある。特に、ボタン形の空気亜鉛電池は従来
のボタン形水銀電池の代替として補聴器に、コイン形の
空気亜鉛電池はページャー等の機器に使用され、需要が
拡大してきている。
る中で、携帯機器への対応が検討されている。この種の
機器へ対応するためには、電池容量の増大とともに、大
電流対応や薄型化等が必要とされる。また、一般的に携
帯電話等の携帯機器は本体形状が角形であるので、電池
形状としては角形や小判形等の形状が適しており、これ
らの形状の扁平形空気電池が検討されている。
池を、例えば角形化しようとした場合、次のような問題
が発生する。このことを図3を用いて説明する。図3は
従来の円形ボタン形電池の断面図であり、正極容器17
の底面は空気孔20を有する突出部17aとその外周に
ある平坦部17bとからなっている。この平坦部17b
の上面に、撥水膜(PTFE膜)18、正極体15及び
セパレータ13が載置されている。正極体15は正極触
媒粉を正極集電体16に圧着充填して一体化した正極触
媒シートからなっている。正極触媒シートの上にはセパ
レータ13が接着され、その反対面にPTFE膜が圧着
されている。19は空気拡散紙であり、空気孔20を覆
うように正極容器17の内側に載置されている。
解液とゲル化剤とを混合したものである。このゲル状亜
鉛負極を収納した負極容器11と正極容器17との間に
は、封口ガスケット14が設けられており、正極容器1
7の周辺をかしめ加工することにより封口されている。
負極容器11の周辺部は、その強度を向上させて封口性
を向上させるために、またゲル状亜鉛負極を収納した部
分から負極容器の終端部までの距離を稼ぐために、負極
容器周縁に折り返し部11aを設けている。
部との距離を稼ぐ理由は、ゲル状亜鉛負極内の電解液と
負極容器終端部との接触を防ぐためである。すなわち、
この種の電池は一般的に、局部反応による水素ガス発生
を防止するために、水素過電圧の高い金属、例えば、銅
などの金属で、鉄やステンレス鋼製の負極容器内表面を
覆っているが、負極容器の終端面は基材が露出するた
め、電解液と反応しやすくなる。したがって、かかる終
端面と電解液との接触を防ぐ必要がある。
返し部は均一に成形できるが、角形や小判形の負極容器
の場合、各角のR部と直線部とでは材料の伸びが異なる
ので、安定して成形することは不可能であった。
容器成形の簡略化と負極内容積の拡大を目的に、図4に
示す如き空気電池が用いられてはいる。図4において、
21は負極容器、22はゲル状亜鉛負極、23はセパレ
ータ、24は封口ガスケット、25は正極触媒シート、
26は正極集電体、27は正極容器、28は撥水膜、2
9は空気拡散紙、30は空気孔である。
がないという点が図3の空気電池と異なっているが、こ
のような形状にすると、角形や小判形の場合に負極容器
を成形することがより容易となる。また、このような構
成の場合、図4に示すように、封口ガスケット24の底
面部に前記負極容器終端面を食い込ませることで、負極
容器終端面と電解液との隔離を行い、電解液の侵入を防
止していた。
ガスケットで押さえ付けた場合、その下方に位置する正
極体へ局部的な加圧が生じ、正極体が潰れて正極体の反
りが生じることがある。円形の電池の場合、この正極体
の反りは円形状となり、全面で均等化するが、角形電池
の場合はこの反りが各角のR部近傍に集中し、局所的に
過度の変形が発生する。これにより正極体に亀裂が発生
し、漏液するといった問題があった。また、正極缶のか
しめ時に過度の加圧がかかった場合、封口ガスケットの
弾性範囲を超えて割れが発生し、漏液につながる場合も
あった。
すような構造の空気電池が提案されている。すなわち、
負極容器31の終端部は平坦になっていて、この部分が
封口ガスケット34によって挟持され、この封口ガスケ
ットを介して正極容器37の側壁部をかしめることによ
って、電池を密封口している。32はゲル状亜鉛負極、
33はセパレータ、35は正極触媒シート、36は正極
集電体、38は撥水膜、39は空気拡散紙、40は空気
孔である。
の過度の局部的変形は抑えることができるが、角形電池
の外形の直線部分に相当する箇所では、かしめ時のスプ
リングバックが生じやすく、各R部と比較して封口部の
加圧が不均一で不十分となり、封口性が悪化する。特に
高温高湿度下においては漏液が発生しており、用途の拡
大を図る場合に問題を生じていた。
になされたもので、その目的は、角形や小判形のような
少なくとも一部に直線部分を有する形状の扁平形空気電
池において、封口性を向上させることによって、安全で
信頼性の高い扁平形空気電池を提供することである。
した正極容器と、負極作用物質を収納した負極容器と
を、封口ガスケットを介して正極容器の外壁部を内方へ
かしめることにより封口してなり、かつ封口部分の電池
外形が少なくとも一つの直線部分を有する扁平形空気電
池において、負極容器の側壁部の端部が外周方向へ伸び
て平坦部を形成しており、該平坦部のほぼ中央に正極体
と反対方向に突出した突出部が形成されていることを特
徴とする。
開口部を内方へかしめて封口する時に、負極容器の突出
部が加圧力により適宜変形するので、各R部と直線部で
の加圧力を均一化することができる。したがって本発明
では、図4の電池の場合のような正極体の反りの発生
や、図5の電池の場合のような直線部分における封口性
の低下がなく、良好な封口性が得られる。
池の形状や、かしめ加圧力を勘案して、他の部分より薄
肉化することで、突出部の変形量や加圧力を調整するこ
とができる。
を参照して説明する。図1は本発明の一実施例である角
形空気電池の全体図であり、同図(A)は平面図、同図
(B)は側面図である。また、図2は、図1のX部分の
拡大断面図である。
池は、正極容器7の底面の外周平坦部の上面に、PTF
E膜からなる撥水膜8と正極体及びセパレータ3が載置
されている。正極体は、活性炭、マンガン酸化物、導電
材、PTFE粉からなる正極触媒粉をニッケルメッキさ
れたステンレスネット製の正極集電体6に圧着充填して
一体化した正極触媒シート5とし、さらに撥水膜8とは
別のPTFE膜をセパレータ3と反対面に圧着して構成
したものである。9は拡散紙であり、空気孔10を覆う
ように正極容器7の内側に載置されている。
ラッド材を成形加工した負極容器1は、その周縁が平坦
部となっており、この周縁平坦部のほぼ中央部には突出
部1bが形成されている。この周縁平坦部を断面L字型
のポリアミド樹脂からなる封口ガスケット4と嵌合する
ことによって負極容器1と封口ガスケット4とは一体化
している。この嵌合は次のようにして行なう。平坦部に
はポリアミド樹脂を基剤としたシール剤が予め塗布して
あり、封口ガスケット4にも予めシール剤を塗布乾燥し
てある。これらを120℃で加熱圧着してすることによ
って嵌合し、一体化する。
ル2を充填した後、前記正極容器内のセパレータ3に負
極亜鉛ゲル2が接するように負極容器1を載置する。そ
の後、正極容器7の側壁部を開口部内方へかしめること
で、電池を密封口している。正極体の周縁部は、負極容
器1の周縁平坦部の1a及び1cと正極容器底面の外周
平坦部とで挟持されている。
亜鉛合金粉、アルカリ電解液、ゲル化剤を混合攪拌した
ものである。ここで亜鉛合金粉は100〜300μm程
度の粒度でアルミニウム、ビスマス、インジウム、鉛等
を添加した汞化あるいは無汞化のもので、アルカリ電解
液は25〜40質量%程度の水酸化カリウム水溶液、ゲ
ル化剤はポリアクリル酸等を使用している。
底面厚さ0.5mmの封口ガスケット、板厚0.3mm
の負極容器及び正極容器を用いて、上記空気電池を作成
した。この電池は短辺25mm、長辺50mm、厚さ
4.5mmの角形空気亜鉛電池である。
してその周縁平坦部に突出部がないものを用い、それ以
外は実施例と同じ角形空気亜鉛電池を作製し、比較例と
した。
を、温度45℃で湿度93%の条件、温度60℃で湿度
93%の条件で、それぞれ40日間貯蔵し、漏液発生数
を調査した。表1に結果を示す。
での漏液の発生はなかったが、60℃で漏液が発生し
た。これに対し、実施例では漏液の発生は全くなく、封
口が保たれていた。
極容器の側壁部を開口部内方へかしめ密封する際、直線
部がスプリングバックを生じて直線部の加圧が不十分と
なり、封口性が低下したためである。なお、同じ構成で
かしめ時の加圧力を上げたものについて同様に調査した
が、比較例では各R部の加圧力が上昇し過ぎて、正極体
に局部的な加圧力がかかり、局部的な変形が生じた。ま
た、正極体及びPTFE膜に亀裂を生じ、漏液が発生し
た。
部1bが加圧力により適宜変形するので、各R部と直線
部での加圧力が均一化し、正極体の反りの発生がなく、
封口性も良好であった。
るものではない。例えば、前記負極容器の周縁平坦部の
板厚を、電池の形状や、かしめ加圧力を勘案して、他の
部分より薄肉化することで、突出部1bの変形量や加圧
力を調整することができる。また、上記実施例では角形
の扁平形空気電池について説明したが、例えば小判形で
も同様の効果が得られる。
扁平形空気電池において、封口性を高めて漏液発生を防
止し、信頼性を向上させることができる。
であり、(A)は正面図、(B)は側面図。
図。
2…ゲル状亜鉛負極、3,13,23,33…セパレー
タ、4,14,24,34…封口ガスケット、5,1
5,25,35…正極触媒層、6,16,26,36…
正極集電体、7,17,27,37…正極容器、8,1
8,28,38…撥水膜、9,19,29,39…空気
拡散紙、10,20,30,40…空気孔、1b…負極
容器周縁平坦部の突出部1b。
Claims (2)
- 【請求項1】 正極体を収納した正極容器と、負極作用
物質を収納した負極容器とを、封口ガスケットを介して
正極容器の外壁部を内方へかしめることにより封口して
なり、かつ封口部分の電池外形が少なくとも一つの直線
部分を有する扁平形空気電池において、負極容器の側壁
部の端部が外周方向へ伸びて平坦部を形成しており、該
平坦部のほぼ中央に正極体と反対方向に突出した突出部
が形成されていることを特徴とする扁平形空気電池。 - 【請求項2】 負極容器の外周方向へ伸びた平坦部の板
厚が、負極容器の他の部分の板厚より薄い請求項1記載
の扁平形空気電池。
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