JP2001294492A - 窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法 - Google Patents
窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法Info
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Abstract
く、さらに耐プラズマ特性に優れた窒化アルミニウム焼
結体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】焼結体の表面にθ−アルミナを有し、好ま
しくは、θ−アルミナ層の厚さが0.01〜2.0μm
である窒化アルミニウム焼結体であり、相対密度が97
%以上である窒化アルミニウム焼結体を、水蒸気分圧が
1.0kPa以下の酸素雰囲気下、800〜1000℃
の温度で0.5〜30時間熱処理することにより製造す
る。
Description
優れた耐プラズマ特性とを併せ有する窒化アルミニウム
焼結体に関する。
n Off Thyristor)サイリスタやIGBT(Insulated G
ate Bipolar Transistor)等の半導体素子の高出力化に
よる発熱量の増大に伴なって、高い熱伝導率を有する性
質を利用した半導体実装用基板をはじめとした各種放熱
材料や絶縁材料として利用範囲が益々広がっている。
の用途では、半導体を実装するために窒化アルミニウム
焼結体に銅等の薄板を接合したり、実装基板を更に別の
ヒートシンク材(放熱フィンなどの金属部材)に接着す
るなど、窒化アルミニウム自身に種々の大きな応力が掛
かる中で使用されることが多い。また、最近では、プラ
ズマエッチング装置、プラズマアッシング装置、プラズ
マCVD装置等の半導体製造装置に用いられる部品材料
として、CF4、ClF3、NF3、Cl2、HBr等の各
種ハロゲンガスやハロゲン化合物ガス条件下でも使用さ
れるようになった。
での高熱伝導性に加えて、従来よりさらに高い機械的強
度や優れた耐プラズマ特性を有する窒化アルミニウム焼
結体が必要とされるようになった。
ズマ特性を向上させるため、例えば、特開平9−232
409号公報や特開平11−214359号公報には、
焼結体の表面に所定の厚みのアルミナ層よりなる保護層
を設ける方法が、特開平11−209182号公報に
は、焼結体の表面粗さを制御する方法が開示されてい
る。
409号公報や特開平11−214359号公報の方法
では、昇降温の繰り返しで焼結体表面のアルミナ層と窒
化アルミニウム焼結体との熱膨張差により、該アルミナ
層にクラックが入りやすくなったり、或いはアルミナ層
が剥離しやすくなってしまうという傾向があり、該アル
ミナ層の密着性について改善の余地があった。また、特
開平11−209182号公報の方法では、焼結体の表
面研磨等が必要であり、加工コストがかかるという問題
を有していた。
えば、特開平3−228874号公報には、窒化アルミ
ニウム焼結体を水蒸気分圧1.0×10-2atm以下の
雰囲気において1050〜1150℃で0.1〜5時間
加熱処理する方法が開示されている。
公報の方法では、アルミナ層と下地窒化アルミニウム結
晶粒子との密着性が不十分で、ハロゲンプラズマ処理の
温度変化によってアルミナ層が剥離するため耐プラズマ
性について改善する余地があり、さらに、機械的強度に
ついても曲げ強度が低く改善する余地があった。
度を向上させるため、例えば、特開平4−50171号
公報には、焼成の昇温時の線収縮速度を制御する方法
が、特開平7−33531号公報には、焼結体の表面近
傍にアルミニウム酸窒化物層を形成させ粒界強化する方
法が、また、特開平7−172921号公報には、Si
成分、Al2O3等の添加により焼結体の粒度分布を制御
する方法が開示されている。
71号公報に記載されている昇温時の線収縮速度で制御
する方法では、熱膨張計を内装した焼成炉が必要である
等、特殊な装置が必要であり、実際の製造装置に適用す
るには困難が伴う。また、特開平7−33531号公報
に記載されている粒界強化方法では、アルミニウム酸窒
化物層を得る工程が複雑であり、特開平7−17292
1号公報に記載されている方法では、焼結体組織の1μ
mごとの粒子存在割合を厳密に制御しなければならず、
大きな焼結体や量産スケールでは制御するのが困難であ
るという問題点を有していた。
優れ、機械的強度とその信頼性が高く、さらに耐プラズ
マ特性に優れた窒化アルミニウム焼結体が望まれてい
た。
た結果、上記した方法で焼結体表層に形成されるアルミ
ナはα−アルミナであり、そのため、耐プラズマ性や曲
げ強度が不十分であったことが判明した。
行なってきた結果、窒化アルミニウム焼結体の表層に存
在するアルミナを、θ−アルミナとすることにより、窒
化アルミニウム焼結体の機械的強度が著しく向上し、し
かも耐プラズマ特性に優れることを見出し、本発明を提
案するに至った。
が存在しており、該アルミナが実質的にθ−アルミナで
構成されていることを特徴とする窒化アルミニウム焼結
体である。
は、該焼結体の表層にアルミナが存在しており、かつ、
該アルミナが実質的にθ−アルミナで構成されているこ
とが必要である。
ナが、θ−アルミナと異なるα−アルミナ等のアルミナ
で構成されている場合、本発明の効果を得ることができ
ないので好ましくない。
ミナで構成されている状態とは、表層に存在しているア
ルミナの99%以上、好ましくは99.9%以上がθ−
アルミナで構成されている状態をいう。
うな形態で該焼結体の表層に存在してもよいが、該焼結
体の機械的強度、耐プラズマ特性を勘案すると、該焼結
体の一部として存在していることが好ましく、また、該
焼結体の表面を被覆している状態が好ましい。
ミナの量は、特に限定されないが、機械的強度や耐プラ
ズマ特性を勘案すると、該焼結体の表層の90%以上、
より好ましくは95%以上であることが好適である。
が存在している層の厚さは、該焼結体の機械的強度や耐
プラズマ特性を勘案すると、0.01〜2.0μmであ
ることが好ましい。0.01μm未満の場合は、曲げ強
度が向上せず、しかも耐プラズマ層としての機能に乏し
く各種プラズマによる窒化アルミニウム結晶粒子との反
応や腐食が進行するため好ましくない。また、2.0μ
mを超える場合は、曲げ強度が低下してθ−アルミナ層
が剥離しやすくなるため、結果的に耐プラズマ特性を低
下させることになるため好ましくない。上記範囲の中で
も、上記θ−アルミナが存在している層の厚さが、0.
01〜1.5μmの場合、曲げ強度が著しく向上するた
め好適である。
焼結体表面の薄膜X線回析により同定した。また、上記
θ−アルミナが存在している層の厚さは、該焼結体破断
面の表面近傍の任意の5点をSEM観察し、それぞれの
SEM写真で該層の厚さを求め、その平均値を測定値と
した。
に存在しているアルミナがθ−アルミナで構成されてい
れば特に制限されないが、以下の性質を有していること
が、優れた機械的強度と耐プラズマ特性を勘案すると好
ましい。
体の相対密度は、機械的特性を勘案すると97%以上で
あることが好ましい。なお、ここで相対密度とは、焼結
体を構成する窒化アルミニウムおよび各種添加物のそれ
ぞれの理論密度から算出される焼結体の理論密度に対す
る該焼結体の実測密度の比をいう。
窒化アルミニウム結晶粒子の平均粒径は、焼結体の曲げ
強度を勘案すると、15μm以下、さらに10μm以下
が好ましい。
の曲げ強度は、耐プラズマ特性を勘案すると400MP
a以上であることが好ましい。
法は、本発明で規定する性質を有するように適宜条件を
選択して製造すればよく、その中でも以下に示す方法を
採用することにより、容易に本発明で規定する性質を有
する窒化アルミニウム焼結体を得ることができる。
度が97%以上の窒化アルミニウム焼結体(以下、未処
理窒化アルミニウム焼結体という)を、特定の条件下で
処理し、表層に存在する窒化アルミニウムを酸化してθ
−アルミナにする方法である。
焼結体は、相対密度が97%以上であれば、特に制限さ
れるものではなく、公知の未処理窒化アルミニウム焼結
体を採用することができる。上記未処理窒化アルミニウ
ム焼結体を用いることにより、十分に緻密化されて焼結
体組織にマイクロポアが残っていないため機械的強度が
高く、かつθ−アルミナの形成が容易となる。
化アルミニウム単独又は窒化アルミニウムを主成分と
し、各種添加物、例えば、CaOやMgO、SrOなど
のアルカリ土類化合物やY2O3、LaO3、CeO3、H
oO3、Yb2O3、Gd2O3、Nb2O3、Sm2O3、D
y2O3等の希土類化合物の焼結助剤やSiC、Zr
O2、TiO2、Si3N4等を含有するものであってもよ
い。
化アルミニウム焼結体においては、焼結助剤等により生
成する粒界相の濃度が9.0重量%以下であることが望
ましい。粒界相濃度が9.0重量%以下とすることによ
り、該焼結体の粒界相結晶粒子の集合体の生成などがな
いため、曲げ強度が低下せず、該焼結体の粒界相結晶粒
子がθ−アルミナの形成を阻害することがなくなる。
処理窒化アルミニウム焼結体の窒化アルミニウム結晶粒
子の平均粒径は、特に制限されないが、焼結体の曲げ強
度を勘案すると、15μm以下、さらに10μm以下が
好ましい。
造する方法として、窒化アルミニウム粉末を顆粒に造粒
した後、乾式プレスにより成形してプレス成形体を得、
焼成する方法やホットプレス法、或いは窒化アルミニウ
ム粉末を湿式成形してグリーンシートを得、その後、所
定の形状に打ち抜き加工した後、これを焼成する方法等
の公知の方法が広く採用される。また、上記焼成後、表
面研削等をおこなってもよい。
得るためには、上記未処理窒化アルミニウム焼結体を水
蒸気分圧が1.0kPa以下の酸素雰囲気下、800〜
1000℃の温度で、0.5〜30時間処理することが
重要である。
態であれば特に限定されず、空気でもかまわない。上記
酸素雰囲気の水蒸気分圧は1.0kPa以下であれば特
に限定されず、その範囲内で適宜設定すればよく、通常
は、0.1〜0.6kPaの範囲が好適に採用される。
上記酸素雰囲気の水蒸気分圧が1.0kPaより高い場
合は、緻密で密着性の良いθ−アルミナが得られないた
め好ましくない。
合は、θ−アルミナが形成されず、曲げ強度や耐プラズ
マ特性が改善されず好ましくない。1000℃より高い
場合は、形成したθ−アルミナがさらにα−アルミナに
変態してしまうことにより、周囲の窒化アルミニウム結
晶粒子による拘束力が低下して、曲げ強度の向上が小さ
くなり、さらに、窒化アルミニウム結晶粒子との密着性
が悪くなるため好ましくない。
い場合は、θ−アルミナの形成が不十分で、曲げ強度や
耐プラズマ特性が改善されず好ましくない。一方、30
時間より長くすると、θ−アルミナが存在する層が厚く
なりすぎて、逆に窒化アルミニウム結晶粒子による拘束
力が低下するため、曲げ強度の向上が小さくなり、さら
に、窒化アルミニウム結晶粒子との密着性が悪くなるた
め好ましくない。
気分圧が0.1〜0.6kPa、処理温度が830〜9
70℃、処理時間が1〜20時間であることが、機械的
強度と耐プラズマ特性の信頼性を勘案すると、さらに好
適である。また、上記処理の雰囲気は、空気が好適に採
用される。
焼結体の重量増加が、0.005〜0.080mg/c
m2の範囲にあることが、該焼結体の熱伝導率の低下を
ほとんど生じさせず、かつ、曲げ強度が向上し、しかも
効果的な耐プラズマ特性を付与できるため好適である。
の厚みのθ−アルミナが得られればよく、処理する未処
理窒化アルミニウム焼結体の表面粗さ等の表面状態に応
じて、上記範囲内で適宜調節すればよい。
下に実施例及び比較例を挙げるが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。
の物性の測定は次の方法により行なった。
メデス法により求めた焼結体密度と理論焼結体密度の相
対値を相対密度とした。
mm/分、スパン30mmで3点曲げ強度測定を行なっ
た。試験片は、あらかじめ焼結体を30×4×3mmに
切断、平面研削したものをそれぞれの熱処理条件で処理
して作製した。曲げ強度は、5サンプルの平均値を測定
値とした。
て、レーザーフラッシュ法により測定した。厚み補正は
検量線により行なった。
X線回析により、以下の条件で表層中のアルミナの同定
を行なった。 X線源:Cu−Kα 40kV−50mA 2θ走査範囲:30°〜140° 2θ走査速度:1°/分 2θ走査ステップ幅:0.05° θ固定角度:1° 発散スリット:0.2mm 高さ制限スリット:5mm 受光スリット:5mm モノクロメータ:Graphaite(002) モノクロメータ受光スリット:0.8mm 測定回数:2回/試料。
体破断面の任意の5ヶ所を倍率10000倍でSEM観
察し、SEM写真から、アルミナが存在している層の厚
みを測定し、その平均値を厚み測定値とした。
の測定 上記方法により得られたSEM写真から、窒化アルミニ
ウム結晶粒子を測定し、その平均値を平均粒子径とし
た。
後の焼結体重量から熱処理前の焼結体重量を減し、その
重量差を焼結体表面積で徐して単位面積あたりの焼結体
重量変化を求めた。
析 日本電子(株)製「JXA−8800M」X線マイクロ
アナリシス(EPMA)によって焼結体表面を元素分析
し、F相対強度(FとAlのX線強度比)を求めた。
を入れ、次いで、平均粒径1.5μm、比表面積2.6
m2/g、酸素濃度0.80重量%の窒化アルミニウム
粉末100重量部、表面活性剤としてヘキサグリセリン
モノオレート0.5重量部、n−ブチルメタクリレート
3重量部、トルエン溶媒100重量部を投入して、24
時間ボールミル混合した後、白色の泥しょうを得た。得
られた泥しょうをスプレードライヤー法により造粒し、
φ70〜100μmの大きさの窒化アルミニウム顆粒を
作製した。
プレス成形し、□40mm、厚さ4mmのプレス体を得
た。その後、空気中600℃で5時間脱脂し、次いで、
内面に窒化ホウ素を塗布したカーボン製るつぼに入れ、
窒素雰囲気中1850℃で8時間焼成し、未処理焼結体
を得た。その後、未処理焼結体は、□20mm、厚さ3
mmに切断、平面研削した。未処理焼結体の相対密度は
99.0%、曲げ強度は380MPa、熱伝導率は10
0W/m・Kで、表面粗さRaは0.40μmであっ
た。また未処理焼結体中の窒化アルミニウム粒子の平均
粒径は8.8μmであった。
0.61kPa(露点0℃)の大気中、950℃で15
時間熱処理した。得られた処理後の焼結体の、曲げ強
度、熱伝導率を測定した。また、処理後の焼結体の相対
密度は99.0%であり、焼結体中の窒化アルミニウム
粒子の平均粒子径は8.8μmであった。
定し、さらに破断面のSEM観察により、その厚みを測
定した。表層の99.9%以上がアルミナであり、該ア
ルミナの全てがθ−アルミナで構成されていた。また、
得られた焼結体を、サセプター上に並べ、W熱CVD装
置を用い475℃でWを成膜し、次いでClF3ガスを
250℃、圧力20Torrの条件下で12分間W除去
処理を行なった。このCVD成膜と除去処理を40回繰
り返し、焼結体表層や反応生成物であるフッ化膜(Al
F3)の剥がれの有無及びEPMAによるF相対強度
(FとAlのX線強度比)を調べた。測定結果を表1に
示した。
を入れ、次いで、平均粒径1.5μm、比表面積2.6
m2/g、酸素濃度0.80重量%の窒化アルミニウム
粉末100重量部、焼結助剤として酸化イットリム4重
量部、表面活性剤としてヘキサグリセリンモノオレート
0.5重量部、n−ブチルメタクリレート3重量部、ト
ルエン溶媒100重量部を投入して、24時間ボールミ
ル混合した後、白色の泥しょうを得た。得られた泥しょ
うをスプレードライヤー法により造粒し、φ70〜10
0μmの大きさの窒化アルミニウム顆粒を作製した。
プレス成形し、□40mm、厚さ4mmのプレス体を得
た。その後、空気中600℃で5時間脱脂し、次いで、
内面に窒化ホウ素を塗布したカーボン製るつぼに入れ、
窒素雰囲気中1820℃で5時間焼成し、未処理焼結体
を得た。その後、未処理焼結体は、□20mm、厚さ3
mmに切断、平面研削した。未処理焼結体の相対密度が
99.5%、曲げ強度が440MPa、熱伝導率が18
0W/m・Kで、表面粗さRaが0.40μmであっ
た。また未処理焼結体中の窒化アルミニウム粒子の平均
粒径は3.4μmであった。
0.61kPa(露点0℃)の大気中、950℃で15
時間熱処理した。得られた処理後の焼結体の、曲げ強
度、熱伝導率を測定した。また、処理後の焼結体の相対
密度は99.5%であり、焼結体中の窒化アルミニウム
粒子の平均粒子径は3.4μmであった。
定し、さらに破断面のSEM観察により、その厚みを測
定した。表層の96%がアルミナであり、該アルミナの
全てがθ−アルミナで構成されていた。また、得られた
焼結体を、サセプター上に並べ、W熱CVD装置を用い
475℃でWを成膜し、次いでClF3ガスを250
℃、圧力20Torrの条件下で12分間W除去処理を
行なった。このCVD成膜と除去処理を40回繰り返
し、焼結体表層や反応生成物であるフッ化膜(Al
F3)の剥がれの有無及びEPMAによるF相対強度
(FとAlのX線強度比)を調べた。表層の96%がア
ルミナであり、該アルミナの全てがθ−アルミナで構成
されていた。測定結果を表1に示した。
同様にして焼結体を得、評価を行なった。処理後の焼結
体の相対密度はいずれも99.0%であり、焼結体中の
窒化アルミニウム粒子の平均粒子径はいずれも8.8μ
mであった。また、実施例3、4では処理後の焼結体表
層の99%が、実施例5では処理後の焼結体表層の9
9.9%以上がアルミナであり、該アルミナの全てがθ
−アルミナで構成されていた。測定結果を表1に示し
た。
7.5%の未処理焼結体(曲げ強度350MPa、熱伝
導率90W/m・K、焼結体中の窒化アルミニウム結晶
平均粒子径7.6μm)を用いたこと以外は、実施例1
と同様にして熱処理し焼結体を得、評価を行なった。処
理後の焼結体の相対密度は97.599.0%であり、
焼結体中の窒化アルミニウム粒子の平均粒子径は7.6
μmであった。また、処理後の焼結体表層の99.9%
以上がアルミナであり、該アルミナの全てがθ−アルミ
ナで構成されていた。測定結果を表1に示した。
したこと以外は、実施例1と同様にして焼結体を得、評
価を行なった。表層がα−アルミナで構成されているた
め密着性が十分でなく、成膜−除去処理を5回繰り返し
た時点で焼結体表面の酸化膜が剥がれた。測定結果を表
1に示した。
実施例1と同様にして焼結体を得、評価を行なった。表
層がα−アルミナ、θ−アルミナの混在した層で、θ−
アルミナ量は10%しかないため、密着性が十分でなか
った。測定結果を表1に示した。
と同様にして焼結体を得(未処理焼結体)、評価を行な
った。測定結果を表1に示した。
をθ−アルミナで構成した窒化アルミニウム焼結体は、
機械的特性と耐プラズマ特性に優れたものであり、しか
も、緻密化した窒化アルミニウム焼結体を、特定の水蒸
気分圧の酸素雰囲気下、熱処理するという極めて簡単な
手段により、機械的強度と耐プラズマ特性に優れた窒化
アルミニウム焼結体を容易に製造することが可能であ
る。
のか定かではないが、本発明者等は、以下のように推定
している。通常、θ−アルミナは、結晶性の高い中間ア
ルミナで、より高温で処理するとα−アルミナに変態す
る。本発明の方法では、窒化アルミニウム結晶の(10
0)面が選択的に酸化されて、θ−アルミナが形成され
ているものと考えている。すなわち、本発明の方法で処
理することにより、焼結体表層の窒化アルミニウム結晶
の(100)面から侵入した酸素原子がAl−N結合を
切断して、θ−アルミナ核を形成し、このときの体積膨
張が周囲の窒化アルミニウム結晶粒子により拘束される
ため、冷却時に圧縮応力として残留し、機械的強度が向
上すると考えている。しかも、本発明の方法では、水や
種々の酸、アルカリ溶液及び各種プラズマガス等に対し
て腐食される可能性の高い窒化アルミニウム結晶の(1
00)面に選択的に酸素が取り込まれて、θ−アルミナ
が形成されるため、耐食性と密着性を兼ね備えるものと
考えている。
に加え、高い機械的強度と優れた耐プラズマ特性が付与
されるので、窒化アルミニウムの工業材料としての用途
がますます広げられ、その工業的価値は大である。
Claims (3)
- 【請求項1】焼結体の表層にアルミナが存在しており、
かつ、該アルミナが実質的にθ−アルミナで構成されて
いることを特徴とする窒化アルミニウム焼結体。 - 【請求項2】アルミナが存在している層の厚さが0.0
1〜2.0μmである請求項1記載の窒化アルミニウム
焼結体。 - 【請求項3】相対密度が97%以上である窒化アルミニ
ウム焼結体を、水蒸気分圧が1.0kPa以下の酸素雰
囲気下、800〜1000℃の温度で0.5〜30時間
処理することを特徴とする請求項1または2記載の窒化
アルミニウム焼結体の製造方法。
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JP2000104490A JP2001294492A (ja) | 2000-04-06 | 2000-04-06 | 窒化アルミニウム焼結体及びその製造方法 |
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