JP2001294489A - 結晶化ガラスと窒化アルミニウム焼結体との接合体 - Google Patents

結晶化ガラスと窒化アルミニウム焼結体との接合体

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JP2001294489A JP2000105873A JP2000105873A JP2001294489A JP 2001294489 A JP2001294489 A JP 2001294489A JP 2000105873 A JP2000105873 A JP 2000105873A JP 2000105873 A JP2000105873 A JP 2000105873A JP 2001294489 A JP2001294489 A JP 2001294489A
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健一郎 宮原
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Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 携帯電話などの無線通信、あるいは光通信な
どの分野で用いられる使用周波数が1GHz以上の高周
波帯用の電気回路として好適な、小型で、低電気抵抗、
高放熱性の電気回路基板を得る。 【解決手段】 コーディエライト結晶を含む結晶化ガラ
スと窒化アルミニウム焼結体とが接合されてなり、コー
ディエライト結晶を含む結晶化ガラスの表面又は内部に
電気回路が形成されてなり、又は、窒化アルミニウム焼
結体の表面に電気回路が形成されてなる接合体。コーデ
ィエライト結晶を析出しうるガラスと窒化アルミニウム
焼結体とを、該ガラスの軟化点以上且つコーディエライ
ト結晶の析出温度以上、例えば、600〜1100℃に
加熱して、接合すると共にコーディエライトの結晶を析
出させることにより製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コーディエライト
結晶を含む結晶化ガラスと窒化アルミニウム焼結体とが
接合されてなる接合体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話などの無線通信、あるい
は光通信などの分野において、高容量化のために使用周
波数が1GHz以上の高周波帯、いわゆるマイクロ波帯
・準ミリ波帯の使用が拡大化している。
【0003】このような高周波帯域で作動する半導体と
して従来からのSi以外に、高出力・高消費電力のGa
As系FET、Si−Ge系HBT、CMOSあるいは
GaN系レーザーダイオードなどが使用され始めてい
る。このような半導体を実装するための回路基板とし
て、1)回路パターン材料の電気抵抗が小さいこと、
2)小型化のため多層回路が形成できること、3)基板
絶縁材料の熱伝導率が高く、電気絶縁性が大きく、望ま
しくは誘電率が小さいこと、4)さらに回路基板材料に
よる環境汚染がないこと、などが条件となる。
【0004】しかしながら、これらの条件をすべて満た
す単一の絶縁性基板材料は存在しない。高熱伝導率の窒
化アルミニウム焼結体製多層回路基板は存在するが、そ
の電気回路導体は電気抵抗の高いタングステン、モリブ
デン系材料であり、高周波回路には不向きである。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】上記課題を解決する
ために、現実的に考えられることは窒化アルミニウム焼
結体とガラスとが接合された複合回路基板である。すな
わち、窒化アルミニウム焼結体に半導体からの放熱の役
割を担わせ、さらに該窒化アルミニウム焼結体に一部の
電気回路を形成し、ガラスはペースト印刷技術やシート
積層技術などを用いて単一層あるいは多層化し、その表
面あるいは内部にAu系、Ag系あるいはCu系などの
低抵抗材料で電気回路が形成された基板である。
【0006】このような回路基板を実現するためのガラ
ス材料としては、1)高い電気絶縁性と良好な誘電特
性、2)窒化アルミニウム焼結体に近い熱膨張率、3)
窒化アルミニウム焼結体と酸化皮膜を介すことなく直接
接合され得ること、4)繰り返し焼成を可能にするため
に結晶相を含むこと、5)窒化アルミニウム焼結体と該
ガラスとを接合する温度条件がAu系、Ag系、Cu系
などのメタライズ金属成分の融点以下、具体的には11
00℃以下と比較的低いこと、言い換えればガラスを軟
化させ窒化アルミニウム焼結体と十分緊密な接合を得る
ための作業温度は1100℃以下であるなどの特性が必
要である。
【0007】なお、低軟化点のガラスを得るには酸化鉛
を含むものが比較的容易に作製できる。しかし鉛を含む
ガラスは軟化点の低温度化は達成され易くても元来有毒
であり、地球環境に与える影響が大きい。さらに熱膨張
率も高くなり易く、高温では窒化アルミニウム焼結体と
反応し反応ガスがガラス中に残留する発泡現象を引き起
こし易いという欠点がある。
【0008】上記回路基板用ガラス材料としては、特開
平6−340443号、特公平7−68065号に記載
のものなどが知られている。特開平6−340443号
におけるガラス材料にはPbOが含まれるため、熱膨張
率が窒化アルミニウム焼結体の4.5×10-6/℃に比
べて大きいといった欠点が解決されておらず、また、基
板との接合強度も低い。特公平7−68065号に示さ
れたガラスにおいては熱膨張率や電気絶縁性の点では良
好であるが、窒化アルミニウム焼結体との接合において
1100℃未満の温度では粘性が高すぎて窒化アルミニ
ウム焼結体表面の凹部分を埋めることができないため、
1100℃以上の加熱温度が必要で、電気回路形成用低
抵抗導体が組み込めないという問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記に示したよ
うな課題を解決するためになされたものである。本発明
者は、コーディエライト(2MgO・2Al23・5S
iO2)焼結体が高い電気絶縁性(比抵抗≧1×1014
Ω・cm:25℃)と小さな誘電率(4.7:1MH
z、25℃)、及び窒化アルミニウム焼結体に近い低熱
膨張率(2.2×10-6/℃:150℃〜700℃)と
を有し、さらにH2などの還元雰囲気中での加熱に対し
ても安定であるという物性に着目し、鋭意研究を重ねた
結果、コーディエライト結晶を含む結晶化ガラスが熱安
定性が高く、1100℃以下の比較的低温で窒化アルミ
ニウム焼結体と良好な接合性を示すという現象を見出
し、その知見に基づいて発明したものである。
【0010】すなわち、本発明は、コーディエライト結
晶を含む結晶化ガラスと窒化アルミニウム焼結体とが接
合されてなる接合体である。
【0011】本発明においてコーディエライト結晶を含
む結晶化ガラスとは、結晶質部分と非晶質部分とよりな
る結晶化ガラスであって、結晶質部分がコーディエライ
ト結晶を含むものである。結晶質部分は、本発明の効果
を損なわないかぎり、コーディエライト結晶以外の結晶
成分を含んでいても良い。
【0012】本発明で用いる結晶化ガラスにはコーディ
エライト結晶が含まれている。本発明で用いる結晶化ガ
ラスは、コーディエライト結晶を含むことにより、電気
回路用としての良好な電気特性や対薬品性、耐熱性、温
度変化の繰返しに対する耐久性等を発現し、同時に、後
述する窒化アルミニウム焼結体に近い熱膨張率を有する
ものとなる。さらには、コーディエライトは窒化アルミ
ニウム焼結体との反応性がないため、反応腐食性が極め
て少ない。
【0013】コーディエライト結晶の結晶質部分のみよ
りなる化合物は、軟化温度が高すぎるため、電気回路を
構成する金属が溶融しない程度の低温で、窒化アルミニ
ウム焼結体と接合することは難しい。他方、コーディエ
ライト結晶を全く含まず、非晶質部分のみからなるガラ
スは、再加熱により軟化し易く電気特性等の点で十分な
効果を得ることができない。
【0014】本発明における、コーディエライト結晶を
含む結晶化ガラスは、X線回折により確認できる程度の
コーディエライト結晶を含有しておれば十分であるが、
熱膨張率、電気特性、軟化温度、耐久性等の点から、結
晶化ガラス中に1〜90質量%の範囲で含まれているこ
とが好ましく、3〜85質量%であることがより好まし
い。コーディエライト結晶が多くなるにつれ軟化温度が
高くなる傾向があり、逆に少なくなるにつれ、熱膨張率
が大きくなり、電気特性、耐久性等が低下する傾向があ
る。
【0015】なお、本発明における結晶化ガラス中のコ
ーディエライト結晶の量は次に述べるような方法で算出
できる。本発明における結晶化ガラス成分中のMgO、
Al 23、SiO2のうち、コーディエライトの組成で
あるMgO:Al23:SiO2=2:2:5(モル
比)と比較して最も少なく含まれる成分を基準とし、こ
の成分がすべてコーディエライトとして結晶化するため
に消費され、残りの2成分がMgO:Al23:SiO
2=2:2:5(モル比)で消費されたとした時のMg
O、Al23、SiO2量が本発明におけるコーディエ
ライト結晶の最大析出量である。例えば、MgO:19
質量%(29.07モル%)、Al23:25質量%
(15.12モル%)、SiO2:44質量%(45.
17モル%)、B23:12質量%(10.63モル
%)含まれるガラスの場合、MgO:9.88質量%
(15.12モル%)、Al23:25質量%(15.
12モル%)、SiO2:36.83質量%(37.8
1モル%)の合計71.71質量%がコーディエライト
結晶の最大析出量となる。
【0016】コーディエライト結晶が最大析出状態であ
るか否かは、粉末X線回折あるいは示差熱分析により特
定できる。非晶質状態のガラスを加熱し結晶が析出し始
めた後、それ以上結晶化が進まなくなる状態がコーディ
エライト結晶の最大析出状態である。本発明における結
晶化ガラス中のコーディエライト結晶の含有量は、粉末
X線回折により検出されたコーディエライト結晶特有の
最強線(CuKα線を使用した時、2θが10.3°〜
10.7°に現れる)が示すX線回折強度と、コーディ
エライト結晶の最大析出状態のX線回折強度との比から
求めることができる。例えば、上記成分の非晶質状態の
ガラスから出発して加熱温度を高めて行き、やがてコー
ディエライト結晶の最大析出状態に達した時、コーディ
エライト結晶特有の最強線が示す粉末X線回折強度(カ
ウント数)が1,223で、加熱途中のもののX線回折
強度(カウント数)が421であった場合、加熱途中の
結晶化ガラス中のコーディエライト結晶の含有量は2
4.69質量%と算出される。その組成は、MgO:
3.40質量%(5.20モル%)、Al23:8.6
0質量%(5.20モル%)、SiO2:12.67質
量%(13.02モル%)である。
【0017】コーディエライト結晶を含む結晶化ガラス
の非晶質部分の組成は、結晶質部分および非晶質部分を
併せた全体の組成から上記したコーディエライト結晶お
よびその他の結晶の組成を引くことにより求めることが
できる。例えば、上記したコーディエライト結晶の最大
析出状態における結晶化ガラスの非晶質部分は28.2
9質量%であり、その組成は、MgO:9.12質量%
(13.95モル%)、SiO2:7.17質量%
(7.36モル%)、B23:12質量%(10.63
モル%)、と算出される。また、上記加熱途中の結晶化
ガラスの非晶質部分は、 75.31質量%であり、
その組成は、MgO:15.60質量%(23.87モ
ル%)、Al23:16.40質量%(9.92モル
%)、SiO2:31.31質量%(32.15モル
%)、B23:12質量%(10.63モル%)と算出
される。
【0018】コーディエライト結晶を含む結晶化ガラス
は、高い電気抵抗率と小さな誘電率等の電気的特性を有
したものであり、通常、1×1012Ω・cm以上の電気
抵抗率と、1GHzで8以下の誘電率を有している。後
述するように結晶化ガラスや窒化アルミニウム焼結体に
形成される電気回路の特性を充分に発揮させるために
は、電気抵抗率は1×1013Ω・cm以上であることが
好ましく、1×1014Ω・cm以上であることがより好
ましい。また、誘電率は1GHzで7以下であることが
好ましく、6.5以下であることがより好ましい。特に
好ましいコーディエライト結晶を含む結晶化ガラスは、
電気抵抗率が1×1014Ω・cm以上で、且つ、1GH
zでの誘電率が6.5以下のものである。
【0019】次に、本発明の接合体における窒化アルミ
ニウム焼結体は、AlNの組成を主成分とする焼結体で
あれば、公知のものがなんら制限なく用いられる。Al
N以外の成分としては、焼結助剤としてのY23、Yb
23、Er23、Ho23やその他Sc、Y、Er、Y
b、Dy、Ho、Gd、Laなどを含む希土類元素化合
物、CaO、SrOなどのアルカリ土類金属化合物、焼
成温度低減化のためにLi2Oなどのアルカリ金属やS
iO2、Si34、SiCなどの珪素化合物、黒色化を
はかるためにMo、W、V、Nb、Ta、Tiなどを含
む金属及び金属化合物やカーボンを含んだものも用いる
ことができる。
【0020】窒化アルミニウム焼結体の表面は、焼成し
たままの状態のものや、その表面を洗浄やホーニングし
たもの、表面研削したもの、鏡面に研磨したものなどを
用いることができる。
【0021】窒化アルミニウム焼結体の熱伝導性や、対
薬品性、熱膨張率、電気的特性、光学特性、及び製造の
容易さ等を考慮すると、実質的に焼結助剤など他の成分
を含まない窒化アルミニウム焼結体、もしくは、Yある
いはEr化合物を酸化物(Y 23、Er23)換算で
0.1〜15質量%含有する窒化アルミニウム焼結体が
好ましい。より好ましくは、YあるいはEr化合物を酸
化物(Y23、Er23)換算で0.5〜10質量%含
有する窒化アルミニウム焼結体である。
【0022】前記した結晶化ガラスと窒化アルミニウム
焼結体との接合体の製造方法は、どのような方法であっ
ても良いが、次のような方法を採用することが好まし
い。即ち、コーディエライト結晶を析出しうるガラスと
窒化アルミニウム焼結体とを、該ガラスの軟化点以上且
つコーディエライト結晶の析出温度以上に加熱して、接
合すると共にコーディエライトの結晶を析出させる方法
である。
【0023】具体的には、コーディエライト結晶を析出
しうるガラスは、微粉末化し有機バインダー及び溶剤と
ともに混合、ペースト化したものを用いることが好まし
い。該ペーストを窒化アルミニウム焼結体の表面にスク
リーン印刷などの手法で塗布し、加熱することで有機成
分を揮散させ、さらに、ガラスの軟化点以上且つコーデ
ィエライト結晶の析出温度以上に加熱して、ガラスと窒
化アルミニウム焼結体とを接合すると共にコーディエラ
イトの結晶を析出させる。あるいは上記ガラスペースト
をドクターブレード法や押し出し法などによりシート化
し、窒化アルミニウム焼結体上に重ねた後加熱しガラス
と窒化アルミニウム焼結体とを接合すると共にコーディ
エライトの結晶を析出させる。
【0024】コーディエライト結晶を析出しうるガラス
は、公知の組成のものを使用できるが、コーディエライ
ト結晶の析出させやすさ、適度な軟化点、窒化アルミニ
ウム焼結体との接合性の良さ等の利点から、MgO−A
23−SiO2系のガラスであることが好適であり、
さらにB23やCaOを軟化点を下げるために配合し
た、MgO−Al23−SiO2−B23(−CaO)
系のガラスがより好適に用いられる。さらにこの様な組
成のガラスは、非晶質であっても酸やアルカリにおかさ
れ難く、優れた耐薬品性を示す。
【0025】上記の様な組成系において、MgO、Al
23及びSiO2はコーディエライト結晶を構成する成
分である。これらの成分は結晶化ガラス中ではコーディ
エライト結晶として存在する以外にも、非晶質部分の成
分としても存在しうる。
【0026】上記した組成系の場合、MgOの含有量
は、少なすぎると加熱時にコーディエライト結晶を析出
させにくく、逆に多すぎると窒化アルミニウム焼結体と
の接合時にクラックが生じるなど接合性が悪くなる傾向
があるため、5〜35質量%であることが好ましく、8
〜30質量%であることがより好ましい。
【0027】Al23及びSiO2の含有量は、少なす
ぎると製造時にコーディエライト結晶を析出させにく
く、多すぎる場合には窒化アルミニウム焼結体との接合
に高い温度が必要になる傾向があるので、Al23は1
0〜40質量%であることが好ましく、12〜35質量
%であることがより好ましく、SiO2は25〜65質
量%であることが好ましく、30〜55質量%であるこ
とがより好ましい。
【0028】上記したB23を含むガラスの場合、B2
3は軟化点を下げ、同時に、窒化アルミニウム焼結体
との接合性を上げる効果がある。但し、B23は多量に
含有されると、吸湿性が増加したり、対薬品性が低下す
るなどの好ましくない影響を及ぼすことがあるので、ガ
ラス中の含有量は30質量%以下であることが好まし
く、0.05〜25質量%であることがより好ましい。
23は結晶化ガラス中の非晶質部分に存在する。
【0029】CaOも非晶質部分に存在する成分であ
り、ガラスの軟化を促進し、また、窒化アルミニウム焼
結体との接合性を向上させるのに有効な成分であるが必
須成分ではない。CaOは多量に配合されすぎると、コ
ーディエライト結晶の析出を阻害する傾向があるので、
ガラス中の含有量は10質量%以下であることが好まし
く、8質量%以下であることがより好ましい。
【0030】この様な成分からなるMgO−Al23
SiO2−B23(−CaO)系のガラスの好ましい組
成としては、MgOが8〜30質量%、Al23が12
〜35質量%、SiO2が30〜55質量%、B23
0.05〜25質量%、CaOが8質量%以下である。
【0031】上記組成のガラスにおいて加熱条件の違い
などで結晶としてコーディエライト以外にエンスタタイ
ト(MgO・SiO2)、フォルステライト(2MgO
・SiO2)等が析出するが時があるが特性を損なわな
い限りこれらが混在しても構わない。
【0032】さらに本発明で用いるコーディエライト結
晶を析出しうるガラスとしては、ガラスの軟化性や窒化
アルミニウム焼結体との接合性を向上させる目的で、ア
ルカリ金属酸化物(Li2O、Na2O、K2O)やC
a、Mg以外のアルカリ土類金属酸化物(SrO、Ba
O)が含有されていたり、結晶化を促進するためZnO
や核形成剤としてTiO2やZrO2が含有されているも
のを用いてもよい。
【0033】但し、これらの成分が多量に配合される
と、結晶化ガラスの電気特性が悪くなったり(例えば、
誘電率や電気抵抗性)、熱膨張性が高くなるなど好まし
くない物性を発現する可能性があるので、アルカリ金属
酸化物及びアルカリ土類金属酸化物(CaO及びMgO
を除く)の含有量は5質量%以下であるのが好ましく、
同じく、ZnO、及びTiO2やZrO2の含有量は10
質量%以下であることが好ましい。
【0034】さらに上記以外の酸化物成分及びフッ素成
分を配合することもできる。
【0035】なお、各構成成分の割合は、最終的に得ら
れるコーディエライト結晶を含む結晶化ガラスの各種特
性と、製造或いは入手のしやすさ、原料の入手の難易等
を勘案して決定すればよい。
【0036】本発明で使用するコーディエライト結晶を
析出しうるガラスは、以下に説明する公知の方法で製造
されたものを用いることができる。
【0037】コーディエライト結晶を析出しうるガラス
を製造する方法としては、所定の化学組成に調合した原
料を一旦溶融後、急冷などの方法で一旦非晶質化してガ
ラスを製造する方法を好適に採用することができる。
【0038】上記の製造方法で用いられる原料として
は、目的とするガラス組成に対応する各種酸化物が挙げ
られる。酸化物は、単独酸化物に留まらず、複合酸化物
の使用も可能である。また、上記の方法で用いられる原
料としては、炭酸塩、水酸化物等、酸化物以外の化合物
の使用も好ましい。さらに塩化物、弗化物などのハロゲ
ン化物、硝酸塩、硫酸塩などの無機塩、蓚酸塩、酢酸
塩、クエン酸塩などの有機塩類、アルコキシド化合物類
などの有機金属化合物、上記化合物の水和物なども適宜
使用できる。
【0039】上記酸化物以外の化合物を具体的に例示す
ると、塩基性炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、C
aCO3、Ca(OH)2、Al(OH)3、H3BO3
テトラエチルシリケート、酢酸カルシウム、CaC
2、MgCl2、AlCl3、CaF2、MgF2、Al
3等を挙げることができる。またSiO2は珪砂のよう
な天然物も使用できる。
【0040】上記の方法をより詳しく述べれば、酸化物
換算で目的の組成になるように原料を秤量、混合し、1
200℃〜1700℃で融解する。融解した組成物を水
冷金属板上に流し出すなどの方法で急冷しガラス化させ
る。このガラスはX線回折による分析で非晶質であるこ
とが容易に確認できる。ガラスのX線回折図形はCuK
α線を使用した時、2θ:18°〜35°の範囲でブロ
ードであり、25°付近に緩やかなピークを有するパタ
ーンを示す。このガラスは適当な加熱条件下でコーディ
エライト結晶を析出する。
【0041】コーディエライト結晶を析出しうるガラス
のペースト化に際して、ガラス粉末の粒子の大きさはペ
ーストやシートの製造のし易さ、窒化アルミニウム焼結
体と接合するための焼成の後に形成されるガラス表面の
平滑性などの点から平均粒径で0.1〜20μmである
ことが好ましく、0.3〜10μmであることがさらに
好ましく、0.5〜6μmであることが最も好ましい。
【0042】また、結晶化ガラスと窒化アルミニウム焼
結体との熱膨張率をほぼ等しくするために、また低誘電
率化のために、あるいは脱バインダー性を向上させるた
めにAl23、SiO2、Si34、SiC、AlN、
ムライト、スピネル、コーディエライト、エンスタタイ
ト、フォルステライト、灰長石、ガーナイト、ウィレマ
イトなどのセラミック粉末を、コーディエライト結晶を
析出しうるガラスのペースト中にフィラーとして加える
ことは有効である。また鉄、コバルト、ニッケル、クロ
ムなどの遷移金属を含む顔料を特性に悪影響のない範
囲、例えば、遷移金属酸化物換算で5質量%以下を加
え、緑色、青色、褐色などに呈色させることもできる。
顔料は一般にスピネル系粉末が好ましい。
【0043】本発明におけるコーディエライト結晶を析
出しうるガラスと窒化アルミニウム焼結体とを接合する
ための加熱温度は、ガラスの軟化点以上且つコーディエ
ライト結晶の析出温度以上である。通常は、ガラスの軟
化を十分に行って窒化アルミニウム焼結体との接合を十
分に行うため、及び、後述するCu、Ag、Auなどの
電気回路形成用の低抵抗金属導体の形成を行うために、
600℃〜1100℃の範囲が好ましい。より好ましく
はガラスの軟化とコーディエライトの析出が始まる80
0℃から、Cu、Ag、Auなどの低抵抗金属導体が確
実に溶融しない1050℃の範囲である。
【0044】上記した方法で使用するコーディエライト
結晶を析出しうるガラスとして、コーディエライト結晶
の一部がすでに析出したものを使用し、軟化の際の加熱
で更にコーディエライト結晶を析出させてもよい。ま
た、コーディエライト結晶の析出を複数の工程に分ける
ことも可能である。さらに、複数回のガラスペースト塗
布あるいはガラスシート積層後、加熱軟化を繰り返した
後、最後にコーディエライト結晶を析出させるための加
熱を行うことも可能である。
【0045】本発明における、コーディエライト結晶を
含む結晶化ガラスと窒化アルミニウム焼結体からなる接
合体の、結晶化ガラスと窒化アルミニウム焼結体の接合
強度は、各種装置部品として使用する際の信頼性や耐久
性の点から、90゜垂直引張り試験で、平均接合強度が
25MPa以上であることが好ましく、40MPa以上
であることがより好ましい。
【0046】本発明の接合体において、コーディエライ
ト結晶を含む結晶化ガラスの表面若しくは内部に電気回
路が形成されていてもよく、また、窒化アルミニウム焼
結体の表面に電気回路が形成されていてもよい。
【0047】電気回路としては、導体、抵抗体材料、及
び誘電体材料等を含み、公知のものを何ら制限なく使用
できる。また、その形成方法も公知の方法を使用でき
る。
【0048】電気回路の形成には、Au、Ag、Cu等
の低抵抗・低融点金属、及び、タングステン、モリブデ
ンといった高融点金属、白金族、ニッケル、クロム、コ
バルト、チタン、ジルコニウム、タンタル、ニオブおよ
びそれらの合金といった各種金属材料、これら金属の窒
化物、炭化物、珪化物などが使用される。上記の各種材
料のなかでも、Au、Ag、Cu等の低抵抗の材料が汎
用される。これら金属成分の溶融を避けるため、製造時
には1100℃以上に加熱されないことが望ましい。
【0049】電気回路の形成方法としては、金属ペース
トを用いたスクリーン印刷法、電解或いは無電解メッキ
法、金属箔を接合するスパッタや蒸着などによる薄膜形
成法等の公知の方法を採用することができる。
【0050】電気回路を窒化アルミニウム焼結体の表面
に形成する場合、コーディエライト結晶を含む結晶化ガ
ラスと窒化アルミニウム焼結体との接合体を製造する前
に、あらかじめ窒化アルミニウム焼結体の一面又は複数
面(例えば、対向して存在する2つの面や、窒化アルミ
ニウム焼結体内部:例えばビアとしてこの2つの面の間
を電気的に結ぶ)に電気回路を形成させておくことが好
ましい。この場合、コーディエライト結晶を含む結晶化
ガラスは、窒化アルミニウム焼結体表面上の電気回路を
覆うように接合することも可能であるし、電気回路を覆
わずに接合することも可能であり、電気回路の一部分の
み覆うように接合することも可能である。さらに、コー
ディエライト結晶を含む結晶化ガラスは、窒化アルミニ
ウム焼結体の一つの面のみを覆うように接合することも
可能であるし、複数の面を覆うように接合することも可
能である。この場合には、窒化アルミニウム焼結体の複
数の面に電気回路を形成し、その一部の面の電気回路を
コーディエライト結晶を含む結晶化ガラスで覆い、他の
面は覆わない形態も好ましい。また、一つの面の全部で
はなく、一部分のみを覆うように接合することもでき
る。
【0051】また、電気回路を形成している材料の腐食
を防止するため、電気回路を形成している材料表面にハ
ンダを施す場合に融けたハンダが不必要な部分に流れ出
さないように止める等の目的で、電気回路とは接触しな
いように結晶化ガラスを接合することもできる。
【0052】コーディエライト結晶を含む結晶化ガラス
の表面に電気回路を形成させる場合も、上記の窒化アル
ミニウム焼結体表面に電気回路を形成させる方法と同様
に行えばよい。結晶化ガラスの内部に電気回路を形成さ
せる方法としては、まず、コーディエライト結晶を析出
しうるガラス表面上に電気回路を形成した後に、その電
気回路層を覆う様にさらにガラス層を形成し、加熱軟化
させてガラスを一体化させる方法を繰り返す方法を上げ
ることができる。このようにして製造されたガラスの積
層体は、その接合部分が溶融により継ぎ目が目視で確認
できない位に一体化されていることが好ましいが、場合
によっては、完全に一体化せず各ガラス層及びその接合
面が確認できる場合もあり、本発明はこの様な態様をも
含む。
【0053】さらに、この様にガラスを多段階で積層し
ていく際には、各層で異なる組成のガラスを用いること
も可能である。例えば、窒化アルミニウム焼結体と接触
する層は、接合性を高くした軟化点の低いガラスを用
い、大気等と接触する層は、対薬品性の高いガラスを用
いること等が可能である。また、本発明の効果を損なわ
ない範囲でコーディエライト結晶を含まないガラスを併
用することも可能である。この場合の例としては、後述
する図1におけるオーバーガラス4等が挙げられる。ま
た樹脂系材料、樹脂系回路基板との併用も可能である。
【0054】上記の電気回路及びコーディエライト結晶
を含む結晶化ガラスを多層に構成する場合には、結晶化
ガラスは各電気回路間の絶縁層として機能する。絶縁層
として機能する結晶化ガラス層の厚さは、良好な電気絶
縁性と各電気回路層間を電気的に結ぶビアホールの形成
や均質な厚みを形成することを容易にするために、1層
当たり1〜500μmであることが好ましく、3〜30
0μmであることがより好ましく、5〜200μmであ
ることが最も好ましい。
【0055】コーディエライト結晶を含む結晶化ガラス
の他の製造法としては、コーディエライト結晶微粉末と
非晶質ガラス微粉末を混合し、窒化アルミニウム焼結体
と接合する際に加熱により非晶質部分を溶融・一体化さ
せる方法も挙げられる。
【0056】本発明のコーディエライト結晶を含む結晶
化ガラスと窒化アルミニウム焼結体からなる接合体の好
ましい態様は、コーディエライト結晶を含む結晶化ガラ
スが1〜90質量%のコーディエライト結晶を含むMg
O−Al23−SiO2−B23(−CaO)系結晶化
ガラスであって、結晶化ガラスと窒化アルミニウム焼結
体との界面の90゜垂直引張り試験での平均接合強度が
25MPa以上であり、且つ、結晶化ガラスの表面及び
/又は内部に電気回路が多層で形成されている接合体で
ある。より好ましい態様は、コーディエライト結晶を含
む結晶化ガラスが10〜85質量%のコーディエライト
結晶を含むMgO−Al23−SiO2−B23(−C
aO)系結晶化ガラスであって、電気抵抗率が1×10
14Ω・cm以上、1GHzでの誘電率が6.5以下であ
り、結晶化ガラスと窒化アルミニウム焼結体との界面の
90゜垂直引張り試験での平均接合強度が40MPa以
上であり、且つ、結晶化ガラスの表面及び/又は内部に
電気回路が形成されている接合体である。
【0057】図1に、本発明の代表的な接合体を回路基
板として用いた例を示す。図1において窒化アルミニウ
ム焼結体基板2の上にコーディエライト結晶を含む結晶
化ガラス1が3層形成されている。結晶化ガラスの内
部、表面、及び窒化アルミニウム焼結体基板の表面には
配線導体3が形成されている。この配線導体はCu、A
g、Auを主体とする低抵抗の材料である。配線導体を
保護するためのオーバーガラス4、導通用ビア6などが
形成されている。この回路基板には半導体チップ5、抵
抗体やコンデンサーなどのチップ部品7が搭載される。
【0058】本発明の接合体は、図1に示したものに限
定されず、ガラス層が1及び2層、あるいは4層以上形
成されたものでも良い。また、半導体チップの取り付け
は放熱性の点から図1のように窒化アルミニウム焼結体
基板にガラス層を介することなく行われることが好まし
いが、回路の設計上から薄いガラス層を介して取り付け
ることは可能である。その場合のガラス層の厚みは10
0μm以下であることが好ましい。また半導体チップ
は、図1に示したようなガラス層側の面でなく反対側の
面に取り付けることもできる。
【0059】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0060】実施例1 MgO:19質量%、Al23:25質量%、Si
2:44質量%、B23:12質量%の組成になるよ
う原料を乾式でボールミル混合し、原料配合物60グラ
ムを調製した。これを白金るつぼに入れ1600℃で融
解した。なお、用いた原料は酸化物粉末である。融液を
水冷したステンレス板上に流し出し急冷してガラスを得
た。このガラスを粉末X線回折で調べたところ非晶質で
あった。
【0061】次にこのガラスをボールミルで平均粒径5
μmに粉砕し、その粉末をアルミナるつぼに入れ、80
0℃、900℃、1000℃の各温度で20分間保持し
た。冷却後、粉末X線回折で調べたところ、800℃加
熱のものは結晶化していないが、900℃及び1000
℃で加熱したものは、コーディエライト(2MgO・2
Al23・5SiO2)結晶の析出が確認され、結晶化
ガラスとなっていた。
【0062】1000℃で結晶化が完了する。結晶化の
完了は示差熱分析における結晶化点が970℃(昇温速
度:20℃/分)であるという測定結果からも裏付けら
れた。コーディエライト特有の最強の回折線(CuKα
線を用いた時、2θ=27.94〜28.01°に出現
する)のX線強度(カウント数)を測定した時、100
0℃加熱のものは1223であり、900℃加熱のもの
は421であった。
【0063】1000℃加熱の結晶化ガラス中のコーデ
ィエライト結晶量は、前述した方法を用いて71.71
質量%と算定され、残りは非晶質のガラスマトリックス
である。900℃加熱の結晶化ガラス中のコーディエラ
イト結晶量は同様な方法を用いて24.69質量%と算
定され、残りは非晶質のガラスマトリックスである。な
お、X線回折の条件は全てのサンプルにおいてPHIL
IPS社製PW1830型全自動粉末X線回折装置を用
い、対陰極にCuを用い印可電圧・電流が40KV、4
0mAで発生するKα線を用いた時のものである。X線
回折用サンプルは粉末化し、ガラス製ホルダーにあけら
れた15×20mmの長方形状のくぼみに緊密に充填し
た。
【0064】非晶質部分の組成は、コーディエライト結
晶が71.71質量%の結晶化ガラスでは、MgO:
9.12質量%(13.95モル%)、SiO2:7.
17質量%(7.36モル%)、B23:12質量%
(10.63モル%)であり、コーディエライト結晶が
24.69質量%の結晶化ガラスでは、MgO:15.
60質量%(23.87モル%)、Al23:16.4
0質量%(9.92モル%)、SiO2:31.31質
量%(32.15モル%)、B23:12質量%(1
0.63モル%)である。
【0065】上記急冷凝固後に平均粒径5μmに粉砕し
たガラス粉末を300kgf/cm 2の圧力でプレス成
形し、成形体を900℃で20分間大気中で加熱して結
晶化ガラスの成形体を作製した。成形体の形状は1×1
×60mmの角棒状、5×5×50mmの角柱状、直径
30mm×厚み2mmの円盤状の3種である。これらの
成形体を用いて20℃60Rh%の恒温恒湿条件の下、
高周波における誘電率と直流電気抵抗を測定した。誘電
率は1×1×60mmの試験片を用い摂動法により測定
し、その結果は1GHzで5.7、3GHzで5.7、
10GHzで5.5と、窒化アルミニウム焼結体に比べ
て小さかった。熱膨張係数は5×5×50mmの試験片
を用いて測定し、100〜300℃における熱膨張係数
は4.5×10-6/℃であった。直流電気抵抗は円盤状
の試験片を用い、500V、1分間の印加後、6.6×
1015Ω・cmと高い電気絶縁性を示した。
【0066】次に前記急冷凝固後、平均粒径5μmに粉
砕したガラス粉末10gを、溶剤としてα−テルピネオ
ール4g、結合剤としてエチルセルロース0.15gと
ともに混合しペーストを作製した。このペーストをスク
リーン印刷法で40×45×0.635mmの窒化アル
ミニウム焼結体基板(株式会社トクヤマ製:商品名SH
30)表面に塗布した。ガラスペーストを乾燥後、大気
中或いはN2雰囲気中で20℃/分の昇温速度にて90
0℃20分間焼成した。結晶化ガラスの厚みは40μm
であった。また、上記平均粒径5μmのガラス粉末10
0gに溶剤としてトルエン23g、イソプロピルアルコ
ール2g、分散剤としてメチルメタアクリレート系樹脂
(PMMA)3gを加えボールミルで12時間混合し
た。その後可塑剤としてジブチルフタレート(DBP)
2g、バインダーとして上記分散剤として使用したもの
と同じPMMA12g、追加のトルエン25gを加えた
ものをボールミルで24時間混合しペーストを得た。つ
いでこのペーストからドクターブレード法により厚さ2
20μmのグリーンシートを作製した。このグリーンシ
ートの片面にDBPを塗布しシートを十分可塑化した
後、窒化アルミニウム焼結体基板に密着させ、乾燥後、
大気中20℃/分の昇温速度にて900℃で20分間焼
成した。結晶化ガラスの厚みは150μmであった。
【0067】ガラスペースト塗布品、及びガラスシート
密着品とも、焼成後は結晶化ガラスと窒化アルミニウム
焼結体とは緊密に接合しており、クラック、剥離など見
られなかった。また接合体に反りは見られなかった。そ
の後4回同じ条件で焼成を繰り返したが接合の不具合は
生じなかった。
【0068】上記ガラスペースト及びガラスシートの乾
燥まで済ませた基板の残りを用い、ガラス上に固形分と
して99%Ag−1%Ptだけからなる導電性ペースト
をスクリーン印刷法で直径2.5mmの円形状に塗布し
乾燥した。これらを大気中でガラスペースト乾燥体とと
もに900℃で20分間焼成した。導電性ペーストは焼
結された金属となっており、厚みは13μmであった。
この金属上に直径1.2mmの42%Ni−Fe合金棒
をはんだ付けし、90°垂直引張り試験を行った。10
箇所の金属部分の測定結果平均で55MPaであった。
また最小値27MPa、最大値81MPaであった。こ
の強度試験における破壊モードを見ると強度の低いもの
は金属の部分が破壊されていた。強度の高いものは結晶
化ガラスの内部あるいは窒化アルミニウム焼結体内部が
破壊されていたが、すべての測定部分において結晶化ガ
ラスと窒化アルミニウム焼結体との界面付近で破壊が生
じたものはなく、結晶化ガラスと窒化アルミニウム焼結
体との接合性はかなり強固であることが確認された。
【0069】実施例2 直径0.2mmの基板の表裏を貫く貫通孔の開いた40
×45×0.635mmの窒化アルミニウム焼結体基板
(株式会社トクヤマ製:商品名SH30)を用意した。
市販の銅系ペースト(京都エレックス社製、商品名:D
D3200)をα−テルピネオールで粘度を低く調整
し、上記貫通孔に塗布、乾燥した。なお、この貫通孔と
そこに形成された導体は図1において窒化アルミニウム
基板2に形成されている導通用ビア6に相当する。さら
に基板の上下面にスクリーン印刷法で粘度を調整しない
ペーストを用いて所定の電気回路を塗布し、乾燥した。
この電気回路は図1において窒化アルミニウム基板面の
配線導体3に相当する。導体ペーストが印刷、乾燥され
た窒化アルミニウム焼結体製基板をN2雰囲気中900
℃で10分間焼成した。焼成後の窒化アルミニウム焼結
体基板表面のCu導体の厚みは13μmであった。
【0070】焼成した基板の表面に実施例1で作製した
ガラスペーストをスクリーン印刷法で塗布、乾燥し、N
2雰囲気中900℃で10分間焼成した。さらに焼成後
のガラス上に同じパターンでガラスペーストをスクリー
ン印刷、乾燥した。この上に固形分が純粋のCuからな
るペーストで所定の電気回路をスクリーン印刷、乾燥し
た。その後N2雰囲気中900℃で10分間焼成した。
2回に分けて塗布されたガラス層の焼成後の厚みはそれ
ぞれ40μmである。なお、この操作ではガラスペース
ト印刷時に所定の位置に空洞を形成しておき、この空洞
にCuペーストを埋め込み焼成することにより、形成さ
れたガラス中には導通ビアが形成されている。同様な操
作を繰り返し、図1に示すようなガラス層が3層形成さ
れた回路基板を得た。
【0071】この回路基板には必要に応じて表面のCu
導体の部分にオーバーガラス4あるいはAuめっきが施
される。その後半導体チップ5が取り付けられ半導体チ
ップと回路基板とがワイアボンディングなどにより電気
的に接続される。また適宜必要に応じてチップ部品7が
取り付けられる。
【0072】
【発明の効果】本発明におけるコーディエライト結晶を
含むガラスは、窒化アルミニウム焼結体の熱膨張係数と
近似する4.5×10-6/℃前後の熱膨張係数を有して
おり、さらに、優れた電気特性や低い軟化温度等を有
し、その上、1100℃以下において分解することなく
安定であり、また、同温度における窒化アルミニウム焼
結体との反応性も極めて小さく、窒化アルミニウム焼結
体と良好な接合性を示す。
【0073】したがって、本発明の接合体は、結晶化ガ
ラスと窒化アルミニウム焼結体との接合強度が強く、窒
化アルミニウム焼結体に基づく高放熱性を有し、金、
銀、銅といった低抵抗金属を導体とする低誘電率の回路
基板となり得る。さらに結晶化ガラスの内部及び/又は
表面に電気回路を形成することで回路基板を多層化でき
る。さらに、窒化アルミニウム焼結体上の上記結晶化ガ
ラスで被覆された部分は、窒化アルミニウム焼結体の高
温酸化やアルカリ腐食が防止される。
【0074】このような本発明の接合体は、ゲーム機用
やパソコンのマイクロプロセッサー、あるいは携帯電話
や衛星通信の高周波送信用半導体等、低抵抗体導体を有
し、低誘電率、高放熱性が要求される高出力半導体搭載
用として適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気回路の形成されたコーディエライト結晶を
含む結晶化ガラスと窒化アルミニウム焼結体からなる接
合体の例の模式図である。
【符号の説明】
1:コーディエライト結晶を含む結晶化ガラス 2:窒化アルミニウム焼結体 3:配線導体 4:オーバーガラス 5:半導体チップ 6:導通用ビア 7:チップ部品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G026 BA07 BB16 BF02 BF44 BG05 BH06 4G062 AA11 BB06 DA05 DB04 DC04 DD01 DE01 DF01 EA01 EB01 EC01 ED04 EE01 EF01 EG01 FA01 FA10 FB01 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM28 NN29 QQ16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コーディエライト結晶を含む結晶化ガラス
    と窒化アルミニウム焼結体とが接合されてなる接合体。
  2. 【請求項2】コーディエライト結晶を含む結晶化ガラス
    の表面若しくは内部に、又は、窒化アルミニウム焼結体
    の表面に電気回路が形成されてなる請求項1記載の接合
    体。
  3. 【請求項3】コーディエライト結晶を析出しうるガラス
    と窒化アルミニウム焼結体とを、該ガラスの軟化点以上
    且つコーディエライト結晶の析出温度以上に加熱して、
    接合すると共にコーディエライトの結晶を析出させるこ
    とを特徴とする請求項1記載の接合体の製造方法。
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