JP2001288534A - 溶接部および溶接熱影響部の材質劣化を防止した鋼板 - Google Patents
溶接部および溶接熱影響部の材質劣化を防止した鋼板Info
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Abstract
した鋼板を提供する。 【解決手段】 質量%で、C:0.0001〜0.20
%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.01〜3.
0%、P:0.001〜0.2%、S:0.0001〜
0.02%、Al:0.001〜0.05%、Mg:
0.0001〜0.6%、O:0.001〜0.10
%、N:0.001〜0.01%、かつ、Mgを含有し
た酸化物および/又は硫化物を含み、残部がFe及び不
可避的不純物から成り、溶接部および溶接熱影響部の最
大粒径と母材の平均粒径の比が3.0以下であることを
特徴とする溶接部および溶接熱影響部の材質劣化を防止
した鋼板。
Description
熱影響部の材質劣化を防止した鋼板に関するものであ
る。
性は年々高度になっている。特に自動車のフェンダーや
オイルパン等については、極めて過酷なプレス成形がな
されることから、深絞り性および延性についてはより一
層の向上が期待されてきた。折から、RHやDHなどの
真空脱ガス技術の発展にともない鋼中の固溶元素を低減
し成形性を向上させた極低炭素鋼が開発され、それまで
使用されてきた低炭素Alキルド鋼に代わって用いられ
るようになった。さらに最近ではTi、Nb等によって
鋼中の固溶C、Nをscavengingすることで飛
躍的に成形性を向上させた鋼として、特開平1−225
727号公報、特開平2−34722号公報等に開示さ
れているInterstitial Free ste
el(以下IF鋼)が、広く用いられるようになってい
る。
ール等の足廻り部品やサイドメンバー、クロスメンバー
等の内板構造部材においては、成形性、静的強度などに
加えて耐久性が強く求められるのは当然のことながら、
フロア、ダッシュ等の内板パネルおよびフードアウタ
ー、トランクリッドアウター等の外板部品についても、
走行時の振動によって外力が繰返し加えられるため、疲
労耐久性等が求められている。
溶接、部材間の接合にはレーザー溶接やアーク溶接が多
用され、例えば乗用車一台のスポット溶接の打点数は数
千点にも及ぶものもある。こうした溶接継手部分はその
形状から応力集中が起こりやすく、自動車走行時の振動
による疲労破壊の起点になる危険性がある。一般に疲労
特性は、材料の引張強度や降伏強度に比例しているが、
溶接部の疲労特性は、その形状および、溶接によって受
ける局部的な温度履歴のため、静的強度による整理が困
難であり、その材料設計には特別な配慮が必要である。
しかし、このような溶接継手部の疲労特性について述べ
られているものは極めて少ない。
は、スポット溶接前の原板中に未再結晶組織を5〜30
%残留させることでスポット溶接後の溶接継手部近傍の
硬度分布を最適化しスポット溶接継手部の疲労強度を向
上させる方法が開示されている。しかしながら、未再結
晶組織は、深絞り性および張出し性などの成形性には有
害であるため、高度なプレス成形性を要求される自動車
の内外板部品への適用には不適当である。
されている技術は、Ti、NbおよびBを複合添加しス
ポット溶接部を細粒化することで疲労強度の改善を狙っ
たものである。当該技術によれば、疲労限については従
来の低炭素鋼と同等以上の特性が得られているものの、
100万回以下の低サイクルにおける時間強度を向上さ
せるためには、さらにスキンパス圧延率を上げことが必
須とされている。しかしながら、そのように焼鈍後に過
度の冷間圧延を施すことは伸びなどの材質劣化をもたら
すので成形性にとって好ましくない。
されている技術は、O量およびAl(%)/N(%)の
値を規定し、特にAl/N≧30とすることで溶接部の
組織を改善し、疲労強度を向上させることを特徴として
いる。Al/N≧30を満たすためには、Nを少なくす
るか、Alの添加量を増やさなければならない。Nを極
端に少なくすることは、製鋼コストの増加につながる。
一方、Alの増加は、表面性状の劣化につながるのでい
ずれも好ましくない。
ついては、特開平11−279689号公報にあるよう
に、溶接継ぎ手の疲労強度がAlキルド鋼に比べ低い原
因が、両鋼種の間で疲労破壊の起点が異なる事になるこ
とが見出されている。溶接熱影響部(Heat Aff
ected Zone:以下HAZ)の金属組織が両者
で大きく異なり、IF鋼では疲労破壊の起点が粗粒化し
たHAZ部であるのに対し、低炭素Alキルド鋼では、
HAZ部は粗粒化せずにより強度の低い母材が疲労破壊
の起点となる。これに対して、MgとTiの酸化物およ
び/または複合酸化物を予め分散させておくとHAZの
フェライト粒の粒成長を抑制することを見出している。
しかしながら、これらは入熱の低いスポット溶接に限っ
た技術である。
ーズに伴い、各部位の一体成形(例えばハイドロフォー
ム 特開平10−175026号公報参照)や強度の異
なる鋼板同士の接合・成形(例えばテーラードブラン
ク、特開平10−180470号公報参照)などの成形
加工方法が実際に採用されつつある。これらの新しい成
形手法は、部品のモジュール化から、大入熱による連続
溶接が採用される。これによりスポット溶接以上に結晶
粒の粗大化が著しく促進されることで、溶接部での成形
性や疲労特性はさらに劣化する。このような比較的入熱
の大きい溶接時においても薄鋼板に於いて粒の粗大化を
抑制する技術はない。
な溶接継手の機械的特性を必要とする自動車部品等への
適用を目指すため、成形性を損なうことなく溶接継手の
材質劣化を防止した鋼板を提供することである。
の疲労特性等の機械的特性を向上させるための長年にわ
たる研究の成果として、溶接部または溶接熱影響部で生
じる金属組織の粗大化が材質劣化の主たる原因であるこ
とを見出し、これらをMgを活用することで抑制する手
法を見出すに至った。スポット溶接などの比較的入熱が
低い場合には、特開平11−279689号公報にある
ように、フェライト粒の粒成長を抑制することが重要で
ある。しかし、アークやレーザー溶接の様な比較的入熱
の大きい溶接時には、熱影響部のみならず溶接部も粗粒
化する。このような溶接に於いては、フェライト粒成長
の抑制のみを考慮するだけでは、溶接部および溶接熱影
響部双方の粗粒化を防止できない。すなわち、フェライ
ト粒成長に加えて、冷却時のオーステナイト粒径を小
さくすること、オーステナイトからフェライトへの変
態時の変態界面の移動の抑制および変態核生成の促進
の3項目を実施することで初めて溶接部および溶接熱影
響部双方での粗粒化防止が達成でき、Mgの酸化物およ
び/又は硫化物がこれに大きな効果を持つことを明らか
にした。
したもので、その要旨は、以下の通りである。 (1)質量%にて、C:0.0001〜0.20%、S
i:0.01〜2.5%、Mn:0.01〜3.0%、
P:0.001〜0.2%、S:0.0001〜0.0
2%、Al:0.001〜0.05%、Mg:0.00
01〜0.6%、O:0.001〜0.10%、N:
0.001〜0.01%を含有し、かつ、Mgを含有し
た酸化物および/又は硫化物を含み、残部がFe及び不
可避的不純物から成り、溶接部および溶接熱影響部の最
大粒径と母材の平均粒径の比が3.0以下であることを
特徴とする溶接部および溶接熱影響部の材質劣化を防止
した鋼板。
硫化物のそのサイズが0.0005〜0.05μmの粒
子を105 個/mm2 以上107 個/mm2 以下かつ
0.05μm超1μm以下の粒子を104 個/mm2 以
上107 個/mm2 以下を含む事を特徴とする前記
(1)記載の溶接部および溶接熱影響部の材質劣化を防
止した鋼板。 (3)Ti、Ta、Zr、V及びNbの1種又は2種以
上を合計で0.001〜0.5質量%含む事を特徴とし
た前記(1)又は(2)に記載の溶接部および溶接熱影
響部の材質劣化を防止した鋼板。
以下含むことを特徴とした前記(1)〜(3)の何れか
1項に記載の溶接部および溶接熱影響部の材質劣化を防
止した鋼板。 (5)Cr、Cu、Ni、Co、W及びMoの1種又は
2種以上を合計で0.001〜1.5質量%含む事を特
徴とした前記(1)〜(4)の何れか1項に記載の溶接
部および溶接熱影響部の材質劣化を防止した鋼板。 (6)Ca及び希土類元素の1種又は2種を合計で0.
0001〜0.5質量%含む事を特徴とした前記(1)
〜(5)の何れか1項に記載の溶接部および溶接熱影響
部の材質劣化を防止した鋼板である。 また、上記の本発明は、溶融亜鉛めっき鋼板にも適用可
能である。
説明する。まず、本発明の化学成分の限定理由について
説明する。 C:Cは冷延時に固溶状態で鋼中に存在していると、後
の焼鈍時に深絞り性にとって好ましくない方位が生成す
るため特に成形性を重要視するためには低いことが望ま
しい。また、強化元素であもある。このことから0.2
0%以下、成形性が特に必要な場合には質量%で0.0
03%以下がよい。一方では、極低炭素化は製鋼コスト
の上昇を伴うため、成形性に悪影響が無くなる範囲とし
て0.0001%以上とした。
%以上添加することとした。一方で過剰添加は、固溶硬
化が著しくなり加工用に不適当になるばかりでなく、ラ
ンクフォード値を劣化させかつ溶融亜鉛めっきの密着性
を悪くするため2.5%以下とした。また、特に成形性
が必要な場合には質量%で0.05%以下がよい。 Mn:Mnは3.0%超添加すると延性が著しく劣化
し、また成形性も低下するためこれを上限とした。一方
で、強化元素であり0.01%以上の添加とした。
二次加工割れの原因となる元素であるため0.2%以下
とした。一方では、成形性にあまり悪影響を及ぼさない
強化元素であり0.001%以上とした。 S:Sは多すぎると熱間圧延時の割れを引き起こすばか
りでなく、ランクフォード値の劣化を起こすので極力低
減させるべきであるが0.02%以下ならば許容できる
範囲である。一方では、Mgと硫化物を形成して、溶接
部及び溶接熱影響部の粗粒化防止に有効であるため0.
0001%以上の添加とした。
05%超添加するとMg添加の効果を阻害するために
0.05%以下とする。一方では、Mgとスピネル酸化
物を形成することで、溶接部及び溶接熱影響部の粗粒化
防止に寄与することから0.001%以上の添加とし
た。 Mg:Mgは、酸素及び/または硫黄と結合していろい
ろなサイズの酸化物及び/または硫化物を形成する。鋼
中に分散したこれらのMg含有の粒子はピニング効果に
よってオーステナイト及びフェライト域での結晶粒の粗
大化を抑制に寄与する。また、変態時の界面移動を抑制
し、変態の核生成サイトとしてのも有効な粒子を形成し
て、最終的な粒径の粗大化抑制に大きく寄与する。この
ために0.0001%以上の添加とした。しかし、0.
6%超添加してもその効果は飽和してしまうばかりでな
く、製鋼技術上非常に難しい。従ってMgの添加量は
0.0001%以上0.6%以下とする。
に結晶粒の粗大化を抑制するため、0.001%以上必
要である。しかし、0.10%超では、酸化物が粗大化
し、その効果が低下するばかりか、成形性に好ましくな
いC系介在物が増加する。従ってOの含有量は0.00
1%以上0.01%以下とする。 N:Nは、MgやTiとの酸化物および複合酸化物を形
成し、溶接熱影響部の粗粒化防止に有効であるため、
0.001%以上含有する必要がある。しかし、延性向
上やランクフォード値向上にとって好ましくない元素で
あるので、Nの含有量は0.001%以上0.01%以
下とする。
に応じて添加するTi、Ta、Zr、V、Nbは、炭化
物、窒化物もしくは炭窒化物を形成することによって鋼
材を高強度化する事が出来るうえ、Mg含有の酸化物又
は硫化物と溶接部および溶接熱影響部の粗粒化防止にも
特に効果的であるので合計の含有量として0.001質
量%以上添加する。また、一方、その合計が0.5%を
越えた場合には母相であるフェライト粒内もしくは粒界
に多量の炭化物、窒化物もしくは炭窒化物として析出し
て延性を劣化させる場合があり、上限を0.5質量%と
した。
界の強化や鋼材の高強度化に有効ではあるので0.00
01質量%以上添加する。一方、その添加量が0.01
質量%を越えるとその効果が飽和するばかりでなく、必
要以上に鋼板強度を上昇させ、加工性も低下させること
から、上限を0.01質量%とした。 Cr、Cu、Ni、Co、W、Mo:必要に応じて添加す
るCr、Cu、Ni、Co、WおよびMoは強化元素であ
り、溶接性の観点からCの添加量が制限される場合に
は、この様な強化元素を適量添加する。合計で0.00
1質量%以上添加とし、一方では、合計が1.5質量%
を越える場合には、母相であるフェライトの硬質化を招
くためこれを上限とした。
a,REMは介在物制御やMg含有の酸化物および硫化
物制御に有効な元素で、適量添加は熱間加工性を向上さ
せるうえ溶接部及び溶接熱影響部の粒粗大化防止にも寄
与するので合計で0.0001質量%以上添加するが、
過剰添加は逆に熱間脆化を助長させたりMgの酸化物及
び硫化物の生成を阻害しするため上限を0.5質量%と
とした。なお、本発明において上記以外の成分はFeと
なるがスクラップ等の溶製原料(CuやSn等)から混
入する不可避的不純物の含有は許容される。
酸化物および/又は硫化物の存在状態について説明す
る。ここで、Mg含有の酸化物および/又は硫化物とは
MgOやMgSのようなMg単独およびTi2 O3 のよ
うなTi単独の酸化物粒子およびそれらの複合酸化物粒
子だけでなく、それら以外の酸化物、複合酸化物(Mg
およびAlを含有したスピネル型酸化物など)、窒化物
(TiNなど)および硫化物(MnSなど)の析出物が
含まれるような複合粒子のことを指す。その粒子径が
0.05μm超であると冷却時のオーステナイト粒やフ
ェライト粒の細粒化および変態界面の移動速度の抑制に
よる溶接時の粗粒化を抑制することが不十分になり、溶
接継手の疲労特性や他の機械的特性の向上が望めない。
粒子ほど効果的である一方で、0.005μm未満の超
微細粒子になると再結晶焼鈍時の粒成長が過度に妨げら
れ良好な延性やランクフォード値が得られないので、
0.0005μm以上とする。これらの面密度は、10
5 個/mm2 未満では、これら粒子の数が少なく溶接時
のフェライト粒の粒成長を抑制することが不十分にな
り、107 個/mm2 超になると延性劣化を招くため、
これを上限とした。
イトを多く導入することで、溶接部および溶接熱影響部
の粗大粒防止を図った。変態核として粒子が作用するた
めには0.05μm以下では不十分な大きさであり、1
μm超では延性を劣化させるための粒子径を0.05μ
m超1μm以下とした。また、面密度については10 4
個/mm2 未満では細粒化に寄与するに十分な核生成サ
イトを確保できず、107 個/mm2 超では加工性を劣
化させるため、0.05μm超1μm以下の粒子を10
4 個/mm2 以上107 個/mm2 以下を含むこととし
た。
を用いる。1万倍から10万倍にて少なくとも1000
μm2 以上の範囲を測定することとする。また、粒子の
組成の同定は、主にEDS(Energy Dispe
rsive X−ray Spectroscopy)
やEELS(Electron Energy Los
s Spectroscopy)を用いて行う。また、
特に50nm以下の非常に微細な粒子に関しては電解放
射型電子銃を搭載した透過電子顕微鏡を用いて微細領域
を分析する必要がある。本発明に係るMgを含有する酸
化物及び/又は硫化物は製鋼〜焼鈍の各段階で生成・成
長する。また、溶接時の溶融部では、これらの製造工程
で生成したMg含有の酸化物および/又は硫化物が一旦
解けて冷却時に生成する事が考えられるが、上記溶接前
の鋼板に於いて粒子の大きさ及び面密度を満足すれば何
ら本発明の効果を損なうものではない。
影響部の材質劣化は粒の粗大化がその大きな原因であ
る。溶接部および溶接熱影響部の最大粒径と母材の粒径
の比が3.0を越えると継ぎ手の疲労耐久性や加工性等
が劣化するためこれを上限とした。また、下限は設けな
いが、母材よりも溶接部及び熱影響部が細粒になってし
まうと母材/溶接部間又は母材/熱影響部間での硬度差
等の特性が大きくなってしまいこれも継ぎ手材質として
好ましくなく、母材相当の粒径が溶接部および熱影響部
で得られること、すなわち、溶接部および最大粒径と母
材の平均粒径の比が0.8以上が継ぎ手材質として好ま
しい。粒径は光学顕微鏡により圧延方向および板面に垂
直な面(C断面)を100倍〜1000倍で観察して切
断法で平均粒径を求める。最大粒径は、10断面以上の
断面を観察して、画像解析により各々の円相当径を求め
て最大のものを最大径とする。
る。表1に示す成分の鋼を、実験室的規模で溶製して、
その鋳片を加熱温度1200℃で再加熱し、910℃〜
930℃の仕上げ圧延の温度範囲で6.0mmに圧延し
た後710℃で巻取った。酸洗後0.8mmまで冷間圧
延を施し、各鋼の再結晶温度を測定して、その再結晶温
度〜再結晶温度+50℃の範囲(概ね800〜1000
℃)で焼鈍し、スキンパス圧延を圧延率1%で行った。
その後、アーク溶接をビードオンプレートで板厚を貫通
する条件で行い、溶接部および溶接熱影響部の最大粒径
と母材の平均粒径を圧延方向に垂直な断面で光学顕微鏡
にて測定した。また、同じ断面から、透過電子顕微鏡用
のカーボン抽出レプリカを作製して、1万倍から10万
倍で観察をして、各粒子を各々100視野観察すること
で面密度を測定した。粒子の組成はTEMに付属のED
SおよびEELSにより分析した。また、機械的性質と
して継ぎ手の引張り試験を行い、評価した。その結果を
表2に示す。
部の最大粒径と母材の平均粒径の比が大きくとも3程度
におさまっており良好な継ぎ手引張り特性の強度延性バ
ランスを得ていることが判る。一方で、酸素および酸素
と結合力の強いMg,Al,Ti,Zr,CaおよびR
emの添加量が本発明の範囲を満たさないC2〜C6お
よびC9は、各粒子の面密度の低く、溶接部又は溶接熱
影響部に母材平均粒径よりも5倍以上大きい粒が認めら
れ、一部の鋼種(C9)は継ぎ手引張りの強度延性バラ
ンスも低い。また、面密度の大きな値をとるC1や高B
のC7、高MoのC8は、溶接部および溶接熱影響部の
最大粒径と母材の平均粒径の比は良好なものの、継ぎ手
引張りの強度延性バランスがTS×El<11000と
低い。
溶接熱影響部の粒の粗大かを抑制して継手特性および成
形性に優れた冷延鋼板を与えるもので、これらの鋼板を
用いることで、自動車の部品等における耐久性の大幅な
改善が期待できる。
Claims (6)
- 【請求項1】 質量%で、 C :0.0001〜0.20%、 Si:0.01〜2.5%、 Mn:0.01〜3.0%、 P :0.001〜0.2%、 S :0.0001〜0.02%、 Al:0.001〜0.05%、 Mg:0.0001〜0.6%、 O :0.001〜0.10%、 N :0.001〜0.01%、 を含有し、かつ、Mgを含有した酸化物および/又は硫
化物を含み、残部がFe及び不可避的不純物から成り、
溶接部および溶接熱影響部の最大粒径と母材の平均粒径
の比が3.0以下であることを特徴とする溶接部および
溶接熱影響部の材質劣化を防止した鋼板。 - 【請求項2】 Mgを含有した酸化物および/又は硫化
物のそのサイズが0.0005〜0.05μmの粒子を
105 個/mm2 以上107 個/mm2 以下かつ0.0
5μm超1μm以下の粒子を104 個/mm2 以上10
7 個/mm2以下含む事を特徴とする請求項1記載の溶
接部および溶接熱影響部の材質劣化を防止した鋼板。 - 【請求項3】 Ti、Ta、Zr、V及びNbの1種又
は2種以上を合計で0.001〜0.5質量%含む事を
特徴とした請求項1又は2に記載の溶接部および溶接熱
影響部の材質劣化を防止した鋼板。 - 【請求項4】 Bを0.0001〜0.01質量%含む
ことを特徴とした請求項1〜3の何れか1項に記載の溶
接部および溶接熱影響部の材質劣化を防止した鋼板。 - 【請求項5】 Cr、Cu、Ni、Co、W及びMoの
1種又は2種以上を合計で0.001〜1.5質量%含
む事を特徴とした請求項1〜4の何れか1項に記載の溶
接部および溶接熱影響部の材質劣化を防止した鋼板。 - 【請求項6】 Ca及び希土類元素の1種又は2種を合
計で0.0001〜0.5質量%含む事を特徴とした請
求項1〜5の何れか1項に記載の溶接部および溶接熱影
響部の材質劣化を防止した鋼板。
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JP4336020B2 (ja) | 2009-09-30 |
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