JP2001288110A6 - 腎細胞ガン処置 - Google Patents
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Abstract
【課題】RCCを有する患者を処置するための改善された治療の必要性を満たすこと。
【解決手段】少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすに充分な期間、治療的有効量で腎細胞ガン有する患者に投与される、このような患者を処置するための医薬の製造に関するPEG化インターフェロンαの使用。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすに充分な期間、治療的有効量で腎細胞ガン有する患者に投与される、このような患者を処置するための医薬の製造に関するPEG化インターフェロンαの使用。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、治療的に有効用量のPEG化インターフェロンαを、少なくとも部分的な腫瘍応答を達成するに充分な時間、投与することにより、腎細胞ガン(「RCC」)を有する患者を処置するための改善された治療に関する。
【0002】
【従来の技術】
転移性腎細胞ガンは、一般的に、単一の薬剤または組合せのいずれかを用いた化学療法に抵抗性である。免疫療法、特にインターロイキン2(「IL−2」)を使用して、より大きな成功が見られている。高用量の静脈内IL−2での治療は、約14%の患者において(いく人かにおいては長い持続期間を伴って)、目的の腫瘍応答をもたらしている。高用量のIL−2の投与は、毛細管漏出症候群と関連し、この症候群は、重篤で、そして時折致死的であり得る低血圧および低減した器官の灌流をもたらす。これらの毒性は、一般的に、その投与に顕著な経験を有する医師により投与される高度に選択された患者の群へのIL−2の使用を阻害してきた。IL−2単独または他の生物学的薬剤(インターフェロンαを含む)との組み合せによるより低い用量および皮下(SC)投与レジメンの使用は、この疾患のためのより広範に適用可能な療法を開発する努力のもとに調査されてきた。例えば、Atzpodien,J.,らは、J.Clin Oncol.,1995,13巻,497−501頁に、進行性の転移性RCCを有する患者に対する、インターフェロンα−2bおよびSCインターロイキン−2の皮下(SC)投与および低用量レジメンの組み合せ処置が、より低い毒性を伴なう腫瘍応答を生成することを開示した。その回答率が低いこと、および週に3回(「TIW」)インターフェロンα−2b、5百万IU/m2の注射が、これらの結果と達成するのに必要であったことに注意されなければならない。さらにインターフェロンα−2bは、相当数の患者が受容できないとする多くの副作用を有し、そしてインターフェロンα−2bのTIW注射の患者コンプライアンスが問題になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
RCCを有する患者を処置するための改善された治療についての必要性を満たすこと。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、腎細胞ガンを有する患者を処置するための医薬の製造のためのPEG化インターフェロンαの使用であって、該医薬が、少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすに充分な期間、治療的有効用量でこのような患者に投与されるものである、使用を提供する。
【0005】
他の実施態様において、上述のPEG化インターフェロンは、PEG化インターフェロンα−2aまたはPEG化インターフェロンα−2bである。
【0006】
好ましい実施態様において、上述の患者は未処置の患者である。
【0007】
さらに好ましい実施態様において、上述の未処置の患者は、新たに診断された腎細胞ガンを有する患者である。
【0008】
別の実施態様において、上述の患者は処置経験患者である。
【0009】
好ましい実施態様において、上述の処置経験患者がインターフェロンαに不耐性であるか、またはインターフェロンαに抵抗性である。
【0010】
なお別の実施態様において、上述の期間は少なくとも3ヶ月である。
【0011】
さらになお別の実施態様において、上述の腫瘍応答は完全な腫瘍応答である。
【0012】
本発明はまた、転移性腎細胞ガン有する患者を処置するための医薬の製造のためのPEG化インターフェロンαの使用であって、該医薬の治療的有効量が、週に一回、少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすに充分な期間、該患者に投与される使用を提供する。
【0013】
他の好ましい実施態様において、PEG化インターフェロンαは、PEG化インターフェロンα−2bであり、かつ該有効量のPEG化インターフェロンα−2bは、週に一回投与される約4.5マイクログラム/kg〜約9.0マイクログラム/kgのPEG化インターフェロンα−2bの範囲にある。
【0014】
別の実施態様において、PEG化インターフェロンαがPEG化α−2aであり、かつ前記有効量のPEG化インターフェロンα−2aは週に一回投与される約200マイクログラム〜250マイクログラムの範囲内である。
【0015】
なお別の実施態様において、上述の期間は少なくとも3ヶ月である。
【0016】
さらになお別の実施態様において、上述の期間は少なくとも6ヶ月である。
【0017】
よりさらになお別の実施態様において、有効量のフルオロウラシルを投与する工程をさらに包含する。
【0018】
本発明はさらに、転移性腎細胞ガンを有する患者を処置するための医薬の製造のためのPEG化インターフェロンαの使用であって、上述の医薬は、上述の患者に、週に一回、少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすに充分な期間、約4.5マイクログラム/kg〜約9.0マイクログラム/kgのPEG化インターフェロンα−2bで投与される使用を提供する。
【0019】
他の実施態様において、上述の期間がは少なくとも6ヶ月である。
【0020】
別の実施態様において、上述の期間が少なくとも12ヶ月である。
【0021】
なお別の実施態様において、約4.5〜約6.5マイクログラム/kgのPEG化インターフェロンα−2bが、週に一回投与される。
【0022】
さらになお別の実施態様において、完全な腫瘍応答がもたらされる。
【0023】
よりさらになお別の実施態様において、有効量のIL−2を投与する工程をさらに包含する。
【0024】
本発明はさらになお、転移性腎細胞ガンを有する患者を処置するための前記PEG化インターフェロンαの使用のためのPEG化インターフェロンαおよび使用説明書を含むキットを提供する。
【0025】
他の実施態様において、上述の使用説明書が、上述のPEG化インターフェロンαが、少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすに充分な期間、有効量が週に一回前記患者に投与されるべきであることを提供する。
【0026】
好ましい実施態様において、上述のPEG化インターフェロンαがPEG化インターフェロンα−2aまたはインターフェロンα−2bであり、かつ前記使用説明書にある有効量が、週に一回投与されるPEG化インターフェロンα−2aまたはPEG化インターフェロンα−2bの約4.5マイクログラム/kg〜約9.0マイクログラム/kgの範囲にある。
【0027】
他の好ましい実施態様において、上述のPEG化インターフェロンαがPEG化α−2aであり、かつ前記PEG化インターフェロンα−2aの有効量が週に一回投与される約200マイクログラム〜250マイクログラムの範囲にある。
【0028】
別の好ましい実施態様において、上述の期間は少なくとも約3ヶ月である。
【0029】
なお別の好ましい実施態様において、上述の期間は少なくとも約6ヶ月である。
【0030】
さらになお別の好ましい実施態様において、有効量のフルオロウラシルを投与する工程をさらに包含する、上述のキットの使用方法。
【0031】
本発明は、腎細胞ガンを有する患者を処置する方法を提供し、この方法は、このような患者に、少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすのに充分な期間、治療的有効用量のPEG化インターフェロンαを投与する工程を包含する。
【0032】
本発明はまた、転移性腎細胞ガンを有する患者を処置する方法を提供し、この方法は上述の患者に、有効量のPEG化インターフェロンαを、週に一回、少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすのに充分な期間、投与する工程を包含する。
【0033】
本発明はさらに、転移性腎細胞ガンを有する患者を処置する方法を提供し、この方法は、このような患者に、少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすに充分な期間、約4.5マイクログラム/kg〜約9.0マイクログラム/kgのPEG化インターフェロンα−2bを、週に一回投与する工程を包含する。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明は、RCC(とりわけ転移性RCCであるもの)を有する患者を処置するための改善された方法を提供する。この改善された方法は、PEG化インターフェロンαのみ、またはIL−2またはフルオロウラシル(「5−FU」)のような免疫療法薬剤と組合せての毎週の注射の使用により、より安全で、より効果的な、そして耐容性のあるRCCの処置を提供する。このRCC患者には、この疾患を新たに診断したこの患者、ならびにインターフェロンαに不耐性または抵抗性の患者が含まれる。本発明に従うPEG化インターフェロンαを用いる処置は、疾患の進行の臨床的証拠、受容不可能な毒性、または治療を中止するとの患者の要求が無い場合、最低でも6ヶ月間、そして好ましくは少なくとも12ヶ月間継続する。
【0035】
投与されるPEG化インターフェロンαが、PEG化インターフェロンα−2bである場合、投与される治療的有効量のPEG化インターフェロンα−2bは、週に一回(QW)投与されるPEG化インターフェロンα−2bの1キログラムあたり約4.5〜約9.0マイクログラムの範囲であり、好ましくはPEG化インターフェロンα−2b(QW)の1キログラムあたり約4.5〜約6.5マイクログラムの範囲、より好ましくはPEG化インターフェロンα−2b(QW)の1キログラムあたり約5.5〜約6.5マイクログラムの範囲、そして最も好ましくはQWで投与されるPEG化インターフェロンα−2bの1キログラムあたり約6.0マイクログラムである。
【0036】
投与されるPEG化インターフェロンαがPEG化インターフェロンα−2aである場合、投与される治療的有効量のPEG化インターフェロンα−2aは、週に一回(「QW」)約50マイクログラム〜約500マイクログラム、好ましくは約200マイクログラム〜約250マイクログラムQWの範囲である。
【0037】
本明細書で使用される用語「PEG化インターフェロンα」は、インターフェロンαのポリエチレングリコール修飾した結合体を意味し、好ましくはインターフェロンα−2aおよび2bを意味する。好ましいポリエチレングリコール−インターフェロンα−2b結合体は、PEG12000−インターフェロンα2bである。本明細書で使用される句「12,000分子量ポリエチレングリコール結合体化インターフェロンα」および「PEG12000−IFNα」は、国際出願第WO 95/13090号の方法に従って調製され、そしてインターフェロンα−2aまたは−2bのアミノ基と平均分子量12000を有するポリエチレングリコールとの間にウレタン結合を含むような結合体を意味する。
【0038】
好ましいPEG12000−インターフェロンα−2bは、PEGポリマーをIFNα−2b分子中のリジン残基のεアミノ基に結合させることにより調製される。単一のPEG12000分子は、ウレタン結合を介してIFNα−2b分子上のフリーのアミノ基に結合される。この結合体は、結合したPEG12000の分子量により特徴付けられる。PEG12000−IFNα−2b結合体は、注射用の凍結乾燥粉末として処方される。IFNαのPEGとの結合体化の目的は、その血漿半減期を有意に延長させることによりタンパク質の送達を改善することであり、それによりIFNαの長引いた活性を提供することである。
【0039】
本明細書中に使用される用語「インターフェロンα」は、ウイルス複製および細胞増殖を阻害し、そして免疫応答を調節する高度に相同な種特異的タンパク質のファミリーを意味する。代表的な適切なインターフェロンαには、以下が挙げられるが、これらに限定されない:Schering Corporation,Kenilworth,N.J.から入手可能なIntron−Aインターフェロンのような組換え体インターフェロンα−2b、Hoffmann−LaRoche,Nutley,N.J.から入手可能なRoferonインターフェロンのような組換え体インターフェロンα−2a、Boehringer Ingelheim Pharmaceutical,Inc.,Ridgefield,CT.から入手可能なBeroforα2インターフェロンのような組換え体インターフェロンα−2C、Sumitomo,Japanから入手可能なSumiferonまたはGlaxo−Wellcome Ltd.,London,Great Britainから入手可能なWellferon インターフェロンα−n1(INS)のような天然αインターフェロンの精製ブレンドであるインターフェロンα−n1、あるいは米国特許第4,897,471号および同第4,695,623号(特にその実施例7、8または9)に記載されるようなコンセンサスαインターフェロン、ならびにAmgen,Inc.,Newbury Park,CAから入手可能な特定の製品、またはInterferon Sciencesにより作製され、そしてAlferon TradenameのもとにPurdue Frederick Co.Norwalk,CT.から入手可能な天然αインターフェロンの混合物であるインターフェロンα−n3。インターフェロンα−2aまたはα−2bの使用が好ましい。全てのインターフェロンの中で、とりわけ、インターフェロンα−2bは、慢性C型肝炎感染を処置するための世界中で最も広い認証を有するので、最も好ましい。インターフェロンα−2bの製造は、米国特許第4,530,901号に記載されている。
【0040】
他のインターフェロンα結合体は、インターフェロンαを水溶性ポリマーとカップリングすることにより調製され得る。このようなポリマーの非限定的なリストには、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン化ポリオール、それらのコポリマー、およびそれらのブロックコポリマーのような他のポリアルキレンオキシドホモポリマーが含まれる。ポリアルキレンオキシドベースのポリマーに代わるものとして、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、および炭水化物ベースのポリマーなどのような事実上非抗原性の物質が使用され得る。このようなインターフェロンαポリマー結合体は、米国特許第4,766,106号、米国特許第4,917,888号、欧州特許出願第0,236,987号、欧州特許出願第0,510,356号、同第0,593,868号および同第0,809,996号(PEG化インターフェロンα−2a)、ならびに国際公開第WO 95/13090号に記載される。
【0041】
非経口投与に適切なPEG化インターフェロンαの薬学的組成物は、適当な緩衝液(例えば、Tris−HCl、アセテート、または第二リン酸ナトリウム/第一リン酸ナトリウムのようなリン酸緩衝液)、ならびに注射用の滅菌水中の薬学的に受容可能な賦形剤(例えば、ショ糖)、キャリア(例えば、ヒト血清アルブミン)、張性医薬(例えば、NaCl)、保存剤(例えば、チメロサール、クレゾール、またはフェニルアルコール(ベンジルアルコール))、および界面活性剤(例えば、tweenまたはポリソルベート)を用いて処方され得る。PEG化インターフェロンαは、2〜8℃での冷蔵下で凍結乾燥粉末として保存され得る。再構成した水溶液は、2〜8℃の間で保存した場合に安定であり、そして再構築の24時間内に使用される。例えば、米国特許第4,492,537号;同第5,762,923号および同第5,766,582号を参照のこと。この再構築した水溶液はまた、インスリンのような薬物の送達に有用な予備充填した多用量注射器中に保存され得る。代表的な適切な注射器には、Novo Nordiskから入手可能なNOVOLET Novo Penのようなペン型の注射器に取りつける予備充填したバイアル、ならびに使用者が容易に自分で注射できるようにする予備充填したペン型の注射器を備えるシステムが含まれる。他の注射器システムには、希釈剤および凍結乾燥したPEG化インターフェロンα粉末を含むガラスカートリッジを、別個の区画に備えるペン型注射器が含まれる。
【0042】
本明細書中で使用される用語「腫瘍応答」は、全ての測定可能な病巣の減少および排除意味する。
【0043】
腫瘍応答の判定基準は、WHO Reporting Criteria「WHO Offset Publication, 48−World Health Organization, Geneva, Switzerland,(1979)」に基づく。理想的には、全ての一次元または二次元に測定可能な病巣は、各評価において測定されるべきである。複数の病巣が任意の器官に存在する場合、このような測定は可能でないかもしれない、そしてこのような状況下では、利用可能であれば、6個までの代表的な病巣が選択されるべきである。
【0044】
本明細書中で使用される用語「完全な応答(「CR」)」は、4週間以上の間隔をあけた2回の観察により測定された全ての臨床的に検出可能な悪性疾患の完全な消失を意味する。予備的な評価は、2つの測定を用いてなされ得る。
【0045】
本明細書中で使用される用語「部分的な応答(「PR」)」は、(a)二次元的に測定可能な疾患に関しては、4週間以上の間隔での2回の観察により決定される、全ての測定可能な病巣の最大垂直直径の積和の少なくとも約50%の減少を意味し、そして(b)一次元的に測定可能な疾患に関しては、4週間以上の間隔での2回の観察により決定される、全ての病巣の最大直径の和の少なくとも約50%の減少を意味する。部分的な応答に適格であるために全ての病巣が後退している必要はないが、いかなる病巣も進行していてはならず、かついかなる新たな病巣も出現しているべきではない。多くの放射線撮影による研究により記録されるはっきりと感知できる変化の一連の証拠が、その後の検討のために入手されなければならず、そして、入手可能でなければならない。この評価は客観的であるべきである。
【0046】
本明細書中で使用される用語「安定な疾患」(「SD」)は、(a)二次元的に測定可能な疾患に関しては、全ての測定可能な病巣の最大垂直直径の積和の約50%未満の減少、または約25%未満の増加を意味し、そして(b)一次元的に測定可能な疾患に関しては、全ての病巣の直径の和における約50%未満の減少、または約25%未満の増加を意味する。いかなる新たな病巣も出現すべきでない。
【0047】
本明細書中に使用される用語「進行性の疾患」(「PD」)は、少なくとも1つの二次元的に(最大垂直直径の積)または一次元的に測定可能な病巣のサイズにおける約25%以上の増加、あるいは新たな病巣の出現を意味する。胸水または腹水の発生はまた、陽性の細胞学により実証される場合には、進行性疾患とみなされる。病理学的な骨折または骨の衰退は、必ずしも疾患進行の証拠と言う訳ではない。
【0048】
(全般的な被験体腫瘍応答)一次元的および二次元的に測定可能な疾患についての全般的な被験体の腫瘍応答の測定は、以下の表に従ってなされる:
【0049】
【表1】
【0050】
(測定不可能な疾患の存在下での応答の評価)測定不可能疾患は、以下の状況におけるものを除いて、全般的な被験体腫瘍応答の評価に使用されない。
a)全般的な完全な応答:測定不可能な疾患が存在する場合、それは完全に消失すべきである。さもなければ、被験体は、「全般的な完全な応答者」とはみなされ得ない。
b)全般的な進行:測定不可能な疾患のサイズが有意に増加する場合、または新たな病巣が出現する場合、この全体的な応答は進行性である。
【0051】
本明細書中で使用される用語「腎細胞ガンすなわちRCCを有する患者」は、RCCを有する任意の患者を意味し、そして未処置の患者、ならびに処置経験患者、ならびにRCCの転移期にある患者を含む。
【0052】
本明細書中で使用される用語「未処置の患者」は、放射線治療または任意の化学療法(例えば、フルオロウラシル(「5−FU」)、またはホルモン治療もしくは免疫療法(例えば、IL−2ならびに任意のインターフェロン(インターフェロンαまたはPEG化インターフェロンαを含むがこれらに限定されない))を用いた処置を一度も受けたことがないRCCを有する患者(新たに診断されたRCC患者を含む)を意味する。
【0053】
本明細書で使用される用語「処置経験患者」は、何らかの形態の放射線治療またはホルモン治療または化学療法(5FUを含むがこれらに限定されない)、または免疫療法(IL−2を含むがこれに限定されない)をすでに開始した患者を意味する。インターロイキン2は、商品名PROLEUKIN(登録商標)の下で、Chiron Corporation,Emeryville,CA 94608−3997から入手可能である。フルオロウラシルすなわち5−FUは、商品名ADRUCIL(登録商標)の下で、Pharmacia & Upjohn Co., Bridgewater, NJ 08807−12665から、注射可能な溶液として入手可能である。
【0054】
IL−2が使用される場合、その有効量は、週に3回(「TIW」)皮下に投与される体表面積の1平方メートル(m2)あたり、約5百万〜約2千万国際単位(「IU」)の範囲内にある。本発明の方法の好ましい実施態様において、PEG化インターフェロンαとの組み合せにおけるIL−2のSC投与についての投薬および投薬レジメンは、処置後の最初の週およびその後4週間毎に、約2千万IU/m2TIWであり、そして引き続く週(例えば、2、3、5、6、7、9、10、11など)には、約5百万IU/m2TIWである。
【0055】
5−FUが使用される場合、その有効量は、約12mg/kg/日IV(800mgを超えない)の範囲を5日間である。毒性が発生しない場合には、7、9、11、および13日目に、6mg/kg/日IVを投与する。維持のために、最初の過程に対する毒性が最小であった場合、最初の毒性からの回復が完了した後に、30日毎にこの過程を繰り返すか、または10〜15mg/kg(1gを超えない)を週に一回投与する。これらの用量は、その疾患の重篤度および患者の状態およびPEG化インターフェロンαに対する反応に依存して、医師により減少され得る。移植可能ポンプを用いた定常的な注入は、定期的なボーラス注射よりも効果的で、かつより毒性が少なくあり得る。
【0056】
PEG化インターフェロンα処方物は、経口的に投与した場合には効果的ではないので、PEG化インターフェロンαを投与する好ましい方法は、非経口的方法であり、好ましくは、皮下、IV、またはIM注射による。当然に、両方の医薬の投与の他の型(例えば、鼻スプレー、経皮的、坐剤、徐放投薬形態、および肺吸入による)は、利用可能となる場合には意図される。投与の任意の形態は、活性成分を破壊せずに適切な投薬が送達される限り、使用可能である。
【0057】
以下の臨床研究設計は、本発明の方法に従ってRCC患者を処置するために使用され得る。この臨床研究設計プロトコルの多くの改変は、熟練した臨床医に明らかであり、そして以下の研究設計は、本明細書に記載の特許請求の範囲により定義される本発明の方法の範囲を制限するものとしては解釈されるべきでない。
【0058】
【実施例】
(臨床研究設計)本発明の処置方法の好ましい実施態様において、転移性RCCを有する被験体は、週に一回皮下注射により1キログラムあたり6.0マイクログラムの用量でPEG化インターフェロンα2b、すなわちPEG12000インターフェロンα2bを受ける。
【0059】
(研究の持続期間および来診スケジュール)本研究の持続期間は治療応答を達成することに基づき、そして各被験体について個々に決定される。
【0060】
PEG Intronを用いた処置は、疾患の進行、受容不可能な毒性、または治療を中止するという被験体の要求の証明が無ければ、最低で6ヶ月間継続される。腫瘍応答は、研究処置の最初の年の間、8週目で始めて評価され、その後8週毎に評価される。集団薬物速度論は、本研究を通して種々の時点で行われる。さらに、生活の質および全般の生存データが、収集される。6ヶ月で完全なまたは部分的な腫瘍応答を達成する被験体は、さらに6ヶ月間処置を続ける。
【0061】
以下の臨床プロトコルを使用して、本発明のRCC治療を投与し得る。
【0062】
本研究母集団には、転移性RCCを有する男性または女性の患者が含まれ、以下の包含および排除の判定基準を満たす場合に包含される。
【0063】
(被験体包含判定基準)被験体は以下の場合、本研究に参加するに適格である:
a)組織学的に実証された転移性腎細胞ガンを有する。
b)0または1のECOGパーフォーマンスステータスを有する。
c)≧18かつ≦70未満の年齢である。
d)>8週の推定寿命を有する。
e)以下の実験値により示されるような、適切な末端器官機能(肝機能、腎機能、骨髄機能、心機能)を有する:
1)血液学:
−絶対好中球数(ANC)≧3,000細胞/μL
−血小板数≧100,000細胞/μL
−ヘモグロビン濃度≧9g/dL
2)腎機能および肝機能:
−血清クレアチニン≦1.8mg/dLまたは≧50mL/分のクレアチニンクリアランスの計算値
−疾患による浸潤に起因しない限り、血清ビリルビン≦正常の上限(ULN)の1.25倍
−疾患による浸潤に起因しない限り、AST/ALT(SGOT/SGPT)≦1.25倍ULN
−陰性HBs Ag
3)正常血漿カルシウム
f)研究加入前に書面による随意のインフォームドコンセントを提出しており、進んで本研究に参加し、そして全てのフォローアップ評価を完了する。
【0064】
(被験体排除判定基準)被験体は、以下の場合、本研究に参加するに適格ではない:
a)化学療法、アジュバント化学療法、免疫療法、放射線治療、またはホルモン治療を含む、任意のRCCの非外科的処置を以前に受けたことがある。
b)CNS転移の証拠を有する。
c)インターフェロンαに対する既知の過敏症を有する。
d)重篤な心臓血管疾患、すなわち慢性の処置を必要とする不整脈、またはうっ血性心不全(NYHA分類IIIまたはIV)を有する。
e)入院を必要とする神経精神医学的障害の病歴を有する。
f)発作障害の病歴を有する。
g)治療に応答性でない甲状腺機能不全を有する。
h)管理されていない糖尿病を有する。
i)生存を脅かす第2の活性悪性腫を有する。
j)抗生物質を必要とする進行中の活性な感染を有する。
k)全身性コルチコステロイドでの長期的な処置を必要とする。
l)HIVについてセロポジティブの病歴を有する。
m)妊娠している被験体、授乳している被験体、または出産能力があり、かつ避妊の有効な手段を実施していない被験体。
n)活性肝炎を有する。
o)積極的にアルコールまたは薬物を乱用していることが分っている。
p)本研究に登録する30日以内に任意の実験治療を受けたことがある。および、
q)任意の最近の外科的手術の影響から回復していない。
【0065】
(被験体中止判定基準)その健康または福祉が、本研究の継続により脅かされ得るいかなる被験体の処置をも中止することはこの臨床研究者の権利であり、かつ義務である。
【0066】
被験体は、以下である場合、本研究の完了前に中止され得る:
a)主任研究員により決定される、臨床的に有意な有害な事象を有する。
b)本研究から撤退することを要求する。
c)不慮の事情のために、研究評価/来診を完了することができない。
d)研究者の見解において、本研究から撤退することが被験体にとって最善の利益であるような他の状態を発症する。
e)入院を要求する重篤なうつ病または任意の他の精神医学的障害を発症する。
f)血管性水腫、気管支収縮、またはアナフィラキシーにより顕性となる本研究の薬物に対する重篤なアレルギー反応を経験する。
【0067】
(別の臨床研究設計)本発明の処置方法の別の好ましい実施態様において、転移性RCCを有する被験体は、PEG化インターフェロンα2b、すなわちPEG12000インターフェロンα2bを、1キログラムあたり6.0マイクログラムの用量で、皮下注射により週に一回、IL−2のSC投与と組み合せて以下のレジメンに従って受ける:第1週およびその後4週毎に2千万IUのIL−2/M2TIW、ならびに第2、3、5、6、7、9、10、11週などに5百万IU/IL−2/M2TIW。
【0068】
(一次および二次の終点の分析)一次の効力終点は、6ヶ月目の腫瘍応答である。一次分析は、層について調整したCochran Mantel−Haenszel試験を使用しての、処置群の、6ヶ月目の主要な腫瘍応答を有する被験体の割合に対する比較である。オッズ比、およびオッズ比の95%信頼区間が要約される。
【0069】
本研究の二次終点は、3、6、および12ヶ月目の再発無し生存、および全般的な生存である。再発無し生存、および全般的な生存は、log−順位統計値を使用して分析される。生存曲線のKaplan−Meier推定値が提供される。ハザード比およびハザード比についての95%信頼区間は、Cox比ハザードモデルを使用して得られる。
【0070】
少なくとも部分的な腫瘍応答を達成するために、RCCを有する未処置の患者ならびに処置経験患者を処置する方法であって、単独療法として、または治療的有効量のIL−2と組み合せて、治療的有効量のPEG化インターフェロンα(例えば、PEG化インターフェロンα−2b)を投与する工程を包含する方法を開示する。
【0071】
【発明の効果】
本発明により、RCCを有する患者を処置するための改善された治療についての必要性が満たされる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、治療的に有効用量のPEG化インターフェロンαを、少なくとも部分的な腫瘍応答を達成するに充分な時間、投与することにより、腎細胞ガン(「RCC」)を有する患者を処置するための改善された治療に関する。
【0002】
【従来の技術】
転移性腎細胞ガンは、一般的に、単一の薬剤または組合せのいずれかを用いた化学療法に抵抗性である。免疫療法、特にインターロイキン2(「IL−2」)を使用して、より大きな成功が見られている。高用量の静脈内IL−2での治療は、約14%の患者において(いく人かにおいては長い持続期間を伴って)、目的の腫瘍応答をもたらしている。高用量のIL−2の投与は、毛細管漏出症候群と関連し、この症候群は、重篤で、そして時折致死的であり得る低血圧および低減した器官の灌流をもたらす。これらの毒性は、一般的に、その投与に顕著な経験を有する医師により投与される高度に選択された患者の群へのIL−2の使用を阻害してきた。IL−2単独または他の生物学的薬剤(インターフェロンαを含む)との組み合せによるより低い用量および皮下(SC)投与レジメンの使用は、この疾患のためのより広範に適用可能な療法を開発する努力のもとに調査されてきた。例えば、Atzpodien,J.,らは、J.Clin Oncol.,1995,13巻,497−501頁に、進行性の転移性RCCを有する患者に対する、インターフェロンα−2bおよびSCインターロイキン−2の皮下(SC)投与および低用量レジメンの組み合せ処置が、より低い毒性を伴なう腫瘍応答を生成することを開示した。その回答率が低いこと、および週に3回(「TIW」)インターフェロンα−2b、5百万IU/m2の注射が、これらの結果と達成するのに必要であったことに注意されなければならない。さらにインターフェロンα−2bは、相当数の患者が受容できないとする多くの副作用を有し、そしてインターフェロンα−2bのTIW注射の患者コンプライアンスが問題になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
RCCを有する患者を処置するための改善された治療についての必要性を満たすこと。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、腎細胞ガンを有する患者を処置するための医薬の製造のためのPEG化インターフェロンαの使用であって、該医薬が、少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすに充分な期間、治療的有効用量でこのような患者に投与されるものである、使用を提供する。
【0005】
他の実施態様において、上述のPEG化インターフェロンは、PEG化インターフェロンα−2aまたはPEG化インターフェロンα−2bである。
【0006】
好ましい実施態様において、上述の患者は未処置の患者である。
【0007】
さらに好ましい実施態様において、上述の未処置の患者は、新たに診断された腎細胞ガンを有する患者である。
【0008】
別の実施態様において、上述の患者は処置経験患者である。
【0009】
好ましい実施態様において、上述の処置経験患者がインターフェロンαに不耐性であるか、またはインターフェロンαに抵抗性である。
【0010】
なお別の実施態様において、上述の期間は少なくとも3ヶ月である。
【0011】
さらになお別の実施態様において、上述の腫瘍応答は完全な腫瘍応答である。
【0012】
本発明はまた、転移性腎細胞ガン有する患者を処置するための医薬の製造のためのPEG化インターフェロンαの使用であって、該医薬の治療的有効量が、週に一回、少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすに充分な期間、該患者に投与される使用を提供する。
【0013】
他の好ましい実施態様において、PEG化インターフェロンαは、PEG化インターフェロンα−2bであり、かつ該有効量のPEG化インターフェロンα−2bは、週に一回投与される約4.5マイクログラム/kg〜約9.0マイクログラム/kgのPEG化インターフェロンα−2bの範囲にある。
【0014】
別の実施態様において、PEG化インターフェロンαがPEG化α−2aであり、かつ前記有効量のPEG化インターフェロンα−2aは週に一回投与される約200マイクログラム〜250マイクログラムの範囲内である。
【0015】
なお別の実施態様において、上述の期間は少なくとも3ヶ月である。
【0016】
さらになお別の実施態様において、上述の期間は少なくとも6ヶ月である。
【0017】
よりさらになお別の実施態様において、有効量のフルオロウラシルを投与する工程をさらに包含する。
【0018】
本発明はさらに、転移性腎細胞ガンを有する患者を処置するための医薬の製造のためのPEG化インターフェロンαの使用であって、上述の医薬は、上述の患者に、週に一回、少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすに充分な期間、約4.5マイクログラム/kg〜約9.0マイクログラム/kgのPEG化インターフェロンα−2bで投与される使用を提供する。
【0019】
他の実施態様において、上述の期間がは少なくとも6ヶ月である。
【0020】
別の実施態様において、上述の期間が少なくとも12ヶ月である。
【0021】
なお別の実施態様において、約4.5〜約6.5マイクログラム/kgのPEG化インターフェロンα−2bが、週に一回投与される。
【0022】
さらになお別の実施態様において、完全な腫瘍応答がもたらされる。
【0023】
よりさらになお別の実施態様において、有効量のIL−2を投与する工程をさらに包含する。
【0024】
本発明はさらになお、転移性腎細胞ガンを有する患者を処置するための前記PEG化インターフェロンαの使用のためのPEG化インターフェロンαおよび使用説明書を含むキットを提供する。
【0025】
他の実施態様において、上述の使用説明書が、上述のPEG化インターフェロンαが、少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすに充分な期間、有効量が週に一回前記患者に投与されるべきであることを提供する。
【0026】
好ましい実施態様において、上述のPEG化インターフェロンαがPEG化インターフェロンα−2aまたはインターフェロンα−2bであり、かつ前記使用説明書にある有効量が、週に一回投与されるPEG化インターフェロンα−2aまたはPEG化インターフェロンα−2bの約4.5マイクログラム/kg〜約9.0マイクログラム/kgの範囲にある。
【0027】
他の好ましい実施態様において、上述のPEG化インターフェロンαがPEG化α−2aであり、かつ前記PEG化インターフェロンα−2aの有効量が週に一回投与される約200マイクログラム〜250マイクログラムの範囲にある。
【0028】
別の好ましい実施態様において、上述の期間は少なくとも約3ヶ月である。
【0029】
なお別の好ましい実施態様において、上述の期間は少なくとも約6ヶ月である。
【0030】
さらになお別の好ましい実施態様において、有効量のフルオロウラシルを投与する工程をさらに包含する、上述のキットの使用方法。
【0031】
本発明は、腎細胞ガンを有する患者を処置する方法を提供し、この方法は、このような患者に、少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすのに充分な期間、治療的有効用量のPEG化インターフェロンαを投与する工程を包含する。
【0032】
本発明はまた、転移性腎細胞ガンを有する患者を処置する方法を提供し、この方法は上述の患者に、有効量のPEG化インターフェロンαを、週に一回、少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすのに充分な期間、投与する工程を包含する。
【0033】
本発明はさらに、転移性腎細胞ガンを有する患者を処置する方法を提供し、この方法は、このような患者に、少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすに充分な期間、約4.5マイクログラム/kg〜約9.0マイクログラム/kgのPEG化インターフェロンα−2bを、週に一回投与する工程を包含する。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明は、RCC(とりわけ転移性RCCであるもの)を有する患者を処置するための改善された方法を提供する。この改善された方法は、PEG化インターフェロンαのみ、またはIL−2またはフルオロウラシル(「5−FU」)のような免疫療法薬剤と組合せての毎週の注射の使用により、より安全で、より効果的な、そして耐容性のあるRCCの処置を提供する。このRCC患者には、この疾患を新たに診断したこの患者、ならびにインターフェロンαに不耐性または抵抗性の患者が含まれる。本発明に従うPEG化インターフェロンαを用いる処置は、疾患の進行の臨床的証拠、受容不可能な毒性、または治療を中止するとの患者の要求が無い場合、最低でも6ヶ月間、そして好ましくは少なくとも12ヶ月間継続する。
【0035】
投与されるPEG化インターフェロンαが、PEG化インターフェロンα−2bである場合、投与される治療的有効量のPEG化インターフェロンα−2bは、週に一回(QW)投与されるPEG化インターフェロンα−2bの1キログラムあたり約4.5〜約9.0マイクログラムの範囲であり、好ましくはPEG化インターフェロンα−2b(QW)の1キログラムあたり約4.5〜約6.5マイクログラムの範囲、より好ましくはPEG化インターフェロンα−2b(QW)の1キログラムあたり約5.5〜約6.5マイクログラムの範囲、そして最も好ましくはQWで投与されるPEG化インターフェロンα−2bの1キログラムあたり約6.0マイクログラムである。
【0036】
投与されるPEG化インターフェロンαがPEG化インターフェロンα−2aである場合、投与される治療的有効量のPEG化インターフェロンα−2aは、週に一回(「QW」)約50マイクログラム〜約500マイクログラム、好ましくは約200マイクログラム〜約250マイクログラムQWの範囲である。
【0037】
本明細書で使用される用語「PEG化インターフェロンα」は、インターフェロンαのポリエチレングリコール修飾した結合体を意味し、好ましくはインターフェロンα−2aおよび2bを意味する。好ましいポリエチレングリコール−インターフェロンα−2b結合体は、PEG12000−インターフェロンα2bである。本明細書で使用される句「12,000分子量ポリエチレングリコール結合体化インターフェロンα」および「PEG12000−IFNα」は、国際出願第WO 95/13090号の方法に従って調製され、そしてインターフェロンα−2aまたは−2bのアミノ基と平均分子量12000を有するポリエチレングリコールとの間にウレタン結合を含むような結合体を意味する。
【0038】
好ましいPEG12000−インターフェロンα−2bは、PEGポリマーをIFNα−2b分子中のリジン残基のεアミノ基に結合させることにより調製される。単一のPEG12000分子は、ウレタン結合を介してIFNα−2b分子上のフリーのアミノ基に結合される。この結合体は、結合したPEG12000の分子量により特徴付けられる。PEG12000−IFNα−2b結合体は、注射用の凍結乾燥粉末として処方される。IFNαのPEGとの結合体化の目的は、その血漿半減期を有意に延長させることによりタンパク質の送達を改善することであり、それによりIFNαの長引いた活性を提供することである。
【0039】
本明細書中に使用される用語「インターフェロンα」は、ウイルス複製および細胞増殖を阻害し、そして免疫応答を調節する高度に相同な種特異的タンパク質のファミリーを意味する。代表的な適切なインターフェロンαには、以下が挙げられるが、これらに限定されない:Schering Corporation,Kenilworth,N.J.から入手可能なIntron−Aインターフェロンのような組換え体インターフェロンα−2b、Hoffmann−LaRoche,Nutley,N.J.から入手可能なRoferonインターフェロンのような組換え体インターフェロンα−2a、Boehringer Ingelheim Pharmaceutical,Inc.,Ridgefield,CT.から入手可能なBeroforα2インターフェロンのような組換え体インターフェロンα−2C、Sumitomo,Japanから入手可能なSumiferonまたはGlaxo−Wellcome Ltd.,London,Great Britainから入手可能なWellferon インターフェロンα−n1(INS)のような天然αインターフェロンの精製ブレンドであるインターフェロンα−n1、あるいは米国特許第4,897,471号および同第4,695,623号(特にその実施例7、8または9)に記載されるようなコンセンサスαインターフェロン、ならびにAmgen,Inc.,Newbury Park,CAから入手可能な特定の製品、またはInterferon Sciencesにより作製され、そしてAlferon TradenameのもとにPurdue Frederick Co.Norwalk,CT.から入手可能な天然αインターフェロンの混合物であるインターフェロンα−n3。インターフェロンα−2aまたはα−2bの使用が好ましい。全てのインターフェロンの中で、とりわけ、インターフェロンα−2bは、慢性C型肝炎感染を処置するための世界中で最も広い認証を有するので、最も好ましい。インターフェロンα−2bの製造は、米国特許第4,530,901号に記載されている。
【0040】
他のインターフェロンα結合体は、インターフェロンαを水溶性ポリマーとカップリングすることにより調製され得る。このようなポリマーの非限定的なリストには、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン化ポリオール、それらのコポリマー、およびそれらのブロックコポリマーのような他のポリアルキレンオキシドホモポリマーが含まれる。ポリアルキレンオキシドベースのポリマーに代わるものとして、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、および炭水化物ベースのポリマーなどのような事実上非抗原性の物質が使用され得る。このようなインターフェロンαポリマー結合体は、米国特許第4,766,106号、米国特許第4,917,888号、欧州特許出願第0,236,987号、欧州特許出願第0,510,356号、同第0,593,868号および同第0,809,996号(PEG化インターフェロンα−2a)、ならびに国際公開第WO 95/13090号に記載される。
【0041】
非経口投与に適切なPEG化インターフェロンαの薬学的組成物は、適当な緩衝液(例えば、Tris−HCl、アセテート、または第二リン酸ナトリウム/第一リン酸ナトリウムのようなリン酸緩衝液)、ならびに注射用の滅菌水中の薬学的に受容可能な賦形剤(例えば、ショ糖)、キャリア(例えば、ヒト血清アルブミン)、張性医薬(例えば、NaCl)、保存剤(例えば、チメロサール、クレゾール、またはフェニルアルコール(ベンジルアルコール))、および界面活性剤(例えば、tweenまたはポリソルベート)を用いて処方され得る。PEG化インターフェロンαは、2〜8℃での冷蔵下で凍結乾燥粉末として保存され得る。再構成した水溶液は、2〜8℃の間で保存した場合に安定であり、そして再構築の24時間内に使用される。例えば、米国特許第4,492,537号;同第5,762,923号および同第5,766,582号を参照のこと。この再構築した水溶液はまた、インスリンのような薬物の送達に有用な予備充填した多用量注射器中に保存され得る。代表的な適切な注射器には、Novo Nordiskから入手可能なNOVOLET Novo Penのようなペン型の注射器に取りつける予備充填したバイアル、ならびに使用者が容易に自分で注射できるようにする予備充填したペン型の注射器を備えるシステムが含まれる。他の注射器システムには、希釈剤および凍結乾燥したPEG化インターフェロンα粉末を含むガラスカートリッジを、別個の区画に備えるペン型注射器が含まれる。
【0042】
本明細書中で使用される用語「腫瘍応答」は、全ての測定可能な病巣の減少および排除意味する。
【0043】
腫瘍応答の判定基準は、WHO Reporting Criteria「WHO Offset Publication, 48−World Health Organization, Geneva, Switzerland,(1979)」に基づく。理想的には、全ての一次元または二次元に測定可能な病巣は、各評価において測定されるべきである。複数の病巣が任意の器官に存在する場合、このような測定は可能でないかもしれない、そしてこのような状況下では、利用可能であれば、6個までの代表的な病巣が選択されるべきである。
【0044】
本明細書中で使用される用語「完全な応答(「CR」)」は、4週間以上の間隔をあけた2回の観察により測定された全ての臨床的に検出可能な悪性疾患の完全な消失を意味する。予備的な評価は、2つの測定を用いてなされ得る。
【0045】
本明細書中で使用される用語「部分的な応答(「PR」)」は、(a)二次元的に測定可能な疾患に関しては、4週間以上の間隔での2回の観察により決定される、全ての測定可能な病巣の最大垂直直径の積和の少なくとも約50%の減少を意味し、そして(b)一次元的に測定可能な疾患に関しては、4週間以上の間隔での2回の観察により決定される、全ての病巣の最大直径の和の少なくとも約50%の減少を意味する。部分的な応答に適格であるために全ての病巣が後退している必要はないが、いかなる病巣も進行していてはならず、かついかなる新たな病巣も出現しているべきではない。多くの放射線撮影による研究により記録されるはっきりと感知できる変化の一連の証拠が、その後の検討のために入手されなければならず、そして、入手可能でなければならない。この評価は客観的であるべきである。
【0046】
本明細書中で使用される用語「安定な疾患」(「SD」)は、(a)二次元的に測定可能な疾患に関しては、全ての測定可能な病巣の最大垂直直径の積和の約50%未満の減少、または約25%未満の増加を意味し、そして(b)一次元的に測定可能な疾患に関しては、全ての病巣の直径の和における約50%未満の減少、または約25%未満の増加を意味する。いかなる新たな病巣も出現すべきでない。
【0047】
本明細書中に使用される用語「進行性の疾患」(「PD」)は、少なくとも1つの二次元的に(最大垂直直径の積)または一次元的に測定可能な病巣のサイズにおける約25%以上の増加、あるいは新たな病巣の出現を意味する。胸水または腹水の発生はまた、陽性の細胞学により実証される場合には、進行性疾患とみなされる。病理学的な骨折または骨の衰退は、必ずしも疾患進行の証拠と言う訳ではない。
【0048】
(全般的な被験体腫瘍応答)一次元的および二次元的に測定可能な疾患についての全般的な被験体の腫瘍応答の測定は、以下の表に従ってなされる:
【0049】
【表1】
【0050】
(測定不可能な疾患の存在下での応答の評価)測定不可能疾患は、以下の状況におけるものを除いて、全般的な被験体腫瘍応答の評価に使用されない。
a)全般的な完全な応答:測定不可能な疾患が存在する場合、それは完全に消失すべきである。さもなければ、被験体は、「全般的な完全な応答者」とはみなされ得ない。
b)全般的な進行:測定不可能な疾患のサイズが有意に増加する場合、または新たな病巣が出現する場合、この全体的な応答は進行性である。
【0051】
本明細書中で使用される用語「腎細胞ガンすなわちRCCを有する患者」は、RCCを有する任意の患者を意味し、そして未処置の患者、ならびに処置経験患者、ならびにRCCの転移期にある患者を含む。
【0052】
本明細書中で使用される用語「未処置の患者」は、放射線治療または任意の化学療法(例えば、フルオロウラシル(「5−FU」)、またはホルモン治療もしくは免疫療法(例えば、IL−2ならびに任意のインターフェロン(インターフェロンαまたはPEG化インターフェロンαを含むがこれらに限定されない))を用いた処置を一度も受けたことがないRCCを有する患者(新たに診断されたRCC患者を含む)を意味する。
【0053】
本明細書で使用される用語「処置経験患者」は、何らかの形態の放射線治療またはホルモン治療または化学療法(5FUを含むがこれらに限定されない)、または免疫療法(IL−2を含むがこれに限定されない)をすでに開始した患者を意味する。インターロイキン2は、商品名PROLEUKIN(登録商標)の下で、Chiron Corporation,Emeryville,CA 94608−3997から入手可能である。フルオロウラシルすなわち5−FUは、商品名ADRUCIL(登録商標)の下で、Pharmacia & Upjohn Co., Bridgewater, NJ 08807−12665から、注射可能な溶液として入手可能である。
【0054】
IL−2が使用される場合、その有効量は、週に3回(「TIW」)皮下に投与される体表面積の1平方メートル(m2)あたり、約5百万〜約2千万国際単位(「IU」)の範囲内にある。本発明の方法の好ましい実施態様において、PEG化インターフェロンαとの組み合せにおけるIL−2のSC投与についての投薬および投薬レジメンは、処置後の最初の週およびその後4週間毎に、約2千万IU/m2TIWであり、そして引き続く週(例えば、2、3、5、6、7、9、10、11など)には、約5百万IU/m2TIWである。
【0055】
5−FUが使用される場合、その有効量は、約12mg/kg/日IV(800mgを超えない)の範囲を5日間である。毒性が発生しない場合には、7、9、11、および13日目に、6mg/kg/日IVを投与する。維持のために、最初の過程に対する毒性が最小であった場合、最初の毒性からの回復が完了した後に、30日毎にこの過程を繰り返すか、または10〜15mg/kg(1gを超えない)を週に一回投与する。これらの用量は、その疾患の重篤度および患者の状態およびPEG化インターフェロンαに対する反応に依存して、医師により減少され得る。移植可能ポンプを用いた定常的な注入は、定期的なボーラス注射よりも効果的で、かつより毒性が少なくあり得る。
【0056】
PEG化インターフェロンα処方物は、経口的に投与した場合には効果的ではないので、PEG化インターフェロンαを投与する好ましい方法は、非経口的方法であり、好ましくは、皮下、IV、またはIM注射による。当然に、両方の医薬の投与の他の型(例えば、鼻スプレー、経皮的、坐剤、徐放投薬形態、および肺吸入による)は、利用可能となる場合には意図される。投与の任意の形態は、活性成分を破壊せずに適切な投薬が送達される限り、使用可能である。
【0057】
以下の臨床研究設計は、本発明の方法に従ってRCC患者を処置するために使用され得る。この臨床研究設計プロトコルの多くの改変は、熟練した臨床医に明らかであり、そして以下の研究設計は、本明細書に記載の特許請求の範囲により定義される本発明の方法の範囲を制限するものとしては解釈されるべきでない。
【0058】
【実施例】
(臨床研究設計)本発明の処置方法の好ましい実施態様において、転移性RCCを有する被験体は、週に一回皮下注射により1キログラムあたり6.0マイクログラムの用量でPEG化インターフェロンα2b、すなわちPEG12000インターフェロンα2bを受ける。
【0059】
(研究の持続期間および来診スケジュール)本研究の持続期間は治療応答を達成することに基づき、そして各被験体について個々に決定される。
【0060】
PEG Intronを用いた処置は、疾患の進行、受容不可能な毒性、または治療を中止するという被験体の要求の証明が無ければ、最低で6ヶ月間継続される。腫瘍応答は、研究処置の最初の年の間、8週目で始めて評価され、その後8週毎に評価される。集団薬物速度論は、本研究を通して種々の時点で行われる。さらに、生活の質および全般の生存データが、収集される。6ヶ月で完全なまたは部分的な腫瘍応答を達成する被験体は、さらに6ヶ月間処置を続ける。
【0061】
以下の臨床プロトコルを使用して、本発明のRCC治療を投与し得る。
【0062】
本研究母集団には、転移性RCCを有する男性または女性の患者が含まれ、以下の包含および排除の判定基準を満たす場合に包含される。
【0063】
(被験体包含判定基準)被験体は以下の場合、本研究に参加するに適格である:
a)組織学的に実証された転移性腎細胞ガンを有する。
b)0または1のECOGパーフォーマンスステータスを有する。
c)≧18かつ≦70未満の年齢である。
d)>8週の推定寿命を有する。
e)以下の実験値により示されるような、適切な末端器官機能(肝機能、腎機能、骨髄機能、心機能)を有する:
1)血液学:
−絶対好中球数(ANC)≧3,000細胞/μL
−血小板数≧100,000細胞/μL
−ヘモグロビン濃度≧9g/dL
2)腎機能および肝機能:
−血清クレアチニン≦1.8mg/dLまたは≧50mL/分のクレアチニンクリアランスの計算値
−疾患による浸潤に起因しない限り、血清ビリルビン≦正常の上限(ULN)の1.25倍
−疾患による浸潤に起因しない限り、AST/ALT(SGOT/SGPT)≦1.25倍ULN
−陰性HBs Ag
3)正常血漿カルシウム
f)研究加入前に書面による随意のインフォームドコンセントを提出しており、進んで本研究に参加し、そして全てのフォローアップ評価を完了する。
【0064】
(被験体排除判定基準)被験体は、以下の場合、本研究に参加するに適格ではない:
a)化学療法、アジュバント化学療法、免疫療法、放射線治療、またはホルモン治療を含む、任意のRCCの非外科的処置を以前に受けたことがある。
b)CNS転移の証拠を有する。
c)インターフェロンαに対する既知の過敏症を有する。
d)重篤な心臓血管疾患、すなわち慢性の処置を必要とする不整脈、またはうっ血性心不全(NYHA分類IIIまたはIV)を有する。
e)入院を必要とする神経精神医学的障害の病歴を有する。
f)発作障害の病歴を有する。
g)治療に応答性でない甲状腺機能不全を有する。
h)管理されていない糖尿病を有する。
i)生存を脅かす第2の活性悪性腫を有する。
j)抗生物質を必要とする進行中の活性な感染を有する。
k)全身性コルチコステロイドでの長期的な処置を必要とする。
l)HIVについてセロポジティブの病歴を有する。
m)妊娠している被験体、授乳している被験体、または出産能力があり、かつ避妊の有効な手段を実施していない被験体。
n)活性肝炎を有する。
o)積極的にアルコールまたは薬物を乱用していることが分っている。
p)本研究に登録する30日以内に任意の実験治療を受けたことがある。および、
q)任意の最近の外科的手術の影響から回復していない。
【0065】
(被験体中止判定基準)その健康または福祉が、本研究の継続により脅かされ得るいかなる被験体の処置をも中止することはこの臨床研究者の権利であり、かつ義務である。
【0066】
被験体は、以下である場合、本研究の完了前に中止され得る:
a)主任研究員により決定される、臨床的に有意な有害な事象を有する。
b)本研究から撤退することを要求する。
c)不慮の事情のために、研究評価/来診を完了することができない。
d)研究者の見解において、本研究から撤退することが被験体にとって最善の利益であるような他の状態を発症する。
e)入院を要求する重篤なうつ病または任意の他の精神医学的障害を発症する。
f)血管性水腫、気管支収縮、またはアナフィラキシーにより顕性となる本研究の薬物に対する重篤なアレルギー反応を経験する。
【0067】
(別の臨床研究設計)本発明の処置方法の別の好ましい実施態様において、転移性RCCを有する被験体は、PEG化インターフェロンα2b、すなわちPEG12000インターフェロンα2bを、1キログラムあたり6.0マイクログラムの用量で、皮下注射により週に一回、IL−2のSC投与と組み合せて以下のレジメンに従って受ける:第1週およびその後4週毎に2千万IUのIL−2/M2TIW、ならびに第2、3、5、6、7、9、10、11週などに5百万IU/IL−2/M2TIW。
【0068】
(一次および二次の終点の分析)一次の効力終点は、6ヶ月目の腫瘍応答である。一次分析は、層について調整したCochran Mantel−Haenszel試験を使用しての、処置群の、6ヶ月目の主要な腫瘍応答を有する被験体の割合に対する比較である。オッズ比、およびオッズ比の95%信頼区間が要約される。
【0069】
本研究の二次終点は、3、6、および12ヶ月目の再発無し生存、および全般的な生存である。再発無し生存、および全般的な生存は、log−順位統計値を使用して分析される。生存曲線のKaplan−Meier推定値が提供される。ハザード比およびハザード比についての95%信頼区間は、Cox比ハザードモデルを使用して得られる。
【0070】
少なくとも部分的な腫瘍応答を達成するために、RCCを有する未処置の患者ならびに処置経験患者を処置する方法であって、単独療法として、または治療的有効量のIL−2と組み合せて、治療的有効量のPEG化インターフェロンα(例えば、PEG化インターフェロンα−2b)を投与する工程を包含する方法を開示する。
【0071】
【発明の効果】
本発明により、RCCを有する患者を処置するための改善された治療についての必要性が満たされる。
Claims (27)
- 腎細胞ガンを有する患者を処置するための医薬の製造のためのPEG化インターフェロンαの使用であって、該医薬が、少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすに充分な期間、治療的有効用量でこのような患者に投与される、使用。
- 前記PEG化インターフェロンαが、PEG化インターフェロンα−2aまたはPEG化インターフェロンα−2bである、請求項1に記載の使用。
- 前記患者が未処置の患者である、請求項2に記載の使用。
- 前記未処置の患者が、新たに診断された腎細胞ガンを有する患者である、請求項3に記載の使用。
- 前記患者が処置経験患者である、請求項1に記載の使用。
- 前記処置経験患者がインターフェロンαに不耐性であるか、またはインターフェロンαに抵抗性である、請求項5に記載の使用。
- 前記期間が少なくとも3ヶ月である、請求項1に記載の使用。
- 前記腫瘍応答が完全な腫瘍応答である、請求項1に記載の使用。
- 転移性腎細胞ガンを有する患者を処置するための医薬の製造のためのPEG化インターフェロンαの使用であって、該医薬は治療的有効量で、週に一回、少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすに充分な期間、該患者に投与される使用。
- 前記PEG化インターフェロンαが、PEG化インターフェロンα−2bであり、かつ該有効量のPEG化インターフェロンα−2bが、週に一回投与される約4.5マイクログラム/kg〜約9.0マイクログラム/kgのPEG化インターフェロンα−2bの範囲にある、請求項9に記載の使用。
- 前記PEG化インターフェロンαがPEG化α−2aであり、かつ前記有効量のPEG化インターフェロンα−2aが週に一回投与される約200マイクログラム〜250マイクログラムの範囲内である、請求項9に記載の使用。
- 前記期間が少なくとも3ヶ月である、請求項9に記載の使用。
- 前記期間が少なくとも6ヶ月である、請求項9に記載の使用。
- 有効量のフルオロウラシルを投与する工程をさらに包含する、請求項9に記載の使用。
- 転移性腎細胞ガンを有する患者を処置するための医薬の製造のためのPEG化インターフェロンαの使用であって、該医薬が、該患者に週に一回、少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすに充分な期間、約4.5マイクログラム/kg〜約9.0マイクログラム/kgのPEG化インターフェロンα−2bで投与される使用。
- 前記期間が少なくとも6ヶ月である、請求項15に記載の使用。
- 前記期間が少なくとも12ヶ月である、請求項15に記載の使用。
- 約4.5〜約6.5マイクログラム/kgのPEG化インターフェロンα−2bが、週に一回投与される、請求項15に記載の使用。
- 完全な腫瘍応答がもたらされる、請求項15に記載の使用。
- 有効量のIL−2を投与する工程をさらに包含する、請求項15に記載の使用。
- 転移性腎細胞ガンを有する患者を処置するための前記PEG化インターフェロンαの使用のためのPEG化インターフェロンαおよび使用説明書を含むキット。
- 前記使用説明書が、前記PEG化インターフェロンαは、少なくとも部分的な腫瘍応答をもたらすに充分な期間、週に一回有効量で前記患者に投与されるべきであることを提供する、請求項21に記載のキット。
- 前記PEG化インターフェロンαがPEG化インターフェロンα−2aまたはインターフェロンα−2bであり、かつ前記使用説明書にある有効量が、週に一回投与されるべきPEG化インターフェロンα−2aまたはPEG化インターフェロンα−2bの約4.5マイクログラム/kg〜約9.0マイクログラム/kgの範囲にある、請求項22に記載のキット。
- 前記PEG化インターフェロンαがPEG化α−2aであり、かつ前記PEG化インターフェロンα−2aの有効量が週に一回投与される約200マイクログラム〜250マイクログラムの範囲にある、請求項22に記載のキット。
- 前記期間は少なくとも約3ヶ月である、請求項22に記載のキット。
- 前記期間は少なくとも約6ヶ月である、請求項22に記載のキット。
- 有効量のフルオロウラシルを投与する工程をさらに包含する、請求項22に記載のキット。
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