JP2001280939A - 物体表面異常状態の評価方法 - Google Patents

物体表面異常状態の評価方法

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JP2001280939A
JP2001280939A JP2000090601A JP2000090601A JP2001280939A JP 2001280939 A JP2001280939 A JP 2001280939A JP 2000090601 A JP2000090601 A JP 2000090601A JP 2000090601 A JP2000090601 A JP 2000090601A JP 2001280939 A JP2001280939 A JP 2001280939A
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Masaaki Kito
正章 木藤
Shuichi Maeda
修一 前田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック成形品の表面に発生する風合い
の変化や色むらなどを、動画像計測処理技術を用いて物
体表面全域にわたり連続的に、かつ、効率的に検査して
物体表面の異常を判別する。 【解決手段】 二次元画像の座標を決定した後、前記座
標に入る反射光がサンプルの表面上のどの位置の微小領
域から反射した光であるかを計算し、該サンプル3の特
定位置の表面状態を表す輝度として記憶するといった処
理を行ない、複数枚の二次元画像に取り込まれた該サン
プル3の表面の特定位置の表面状態を表す輝度を積算し
て平均化する。そして、サンプル3の特定位置を変え
て、この処理を繰り返す事によって、サンプル3全体に
わたっての輝度分布を求めることができ、その結果得ら
れた輝度の分布を見ることによってウェルドラインやフ
ローマークの検出を行なうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえばプラステ
ィック成形品の表面に部分的に生じる異常状態を測定し
評価する物体表面の異常状態評価方法に係り、特に動画
像計測処理技術を用いて物体表面全域にわたり連続的
に、かつ、効率的に異常状態を検査する物体表面の異常
状態評価方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】工業用プラスチック製品は成形時に種々の
形状異常が不可避的に発生するが、特に代表的な表面形
状異常として、ウエルドラインやフローマークなどが知
られている。従来から、これらの表面形状異常は人間の
眼により識別され、その程度が判定されていたが、近年
の検査技術の向上や検査自動化技術の発展に伴ない、最
近では画像処理技術が検査分野へ応用されるようになっ
た。
【0003】従来の画像処理による表面形状の異常状態
評価方法として、例えば特開平8−94339号公報で
開示される技術が知られている。この評価方法は物体の
表面に点光源またはスリット光源を投射してその反射像
をカメラで撮影して画像処理する装置において、該物体
を該光源や該カメラに対して相対運動させるとともに、
該相対運動中得られた反射像を連続的に前記画像処理装
置に入力して動画像処理し、該物体表面に存在する凹凸
やうねりに起因する異常状態を該物体表面における入射
光に対する偏差として補足する方法であり、予め区画分
割された微小領域毎の傾斜角度の分布を算定して、該反
射像と理想的な鏡面を保有する理想平面における反射像
との偏差を求めることにより、物体表面の異常状態を評
価しようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の方法は、異常状態の定量化に光源より入射した入射
光の反射角度の偏差を利用してプラスチック成形品が有
するうねりや微小な凹凸を測定することができるもの
の、プラスチック成形品の表面に発生する風合い(反射
率、透明度等)の変化や色むらなどを判別することがで
きず、風合い(反射率、透明度等)の変化や色むら等に
よって変化する輝度の影響についてはなんら考慮されて
いなかった。
【0005】前述したウエルドラインやフローマーク
は、物体表面が有する微小な凹凸等にも関係するもの
の、プラスチック成形品の表面に発生する風合い(反射
率、透明度等)の変化や色むらなどにも関係し、人間の
眼による目視検査はそれらのことを総合的に勘案してそ
の程度が判定されていた。そのため、プラスチック成形
品の表面に発生する風合い(反射率、透明度等)の変化
や色むらが判別できない従来の方法によってウエルドラ
インやフローマークを評価した結果は、前記人間の眼に
よる目視検査と一部異なった結果となるという難点があ
った。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、 (1) 第一の発明による物体表面異常状態の評価方法
は,物体の表面にスリット光源を投射してその反射光を
カメラで撮影する際において、該物体を該光源や該カメ
ラに対して相対運動させるとともに、画像処理装置に該
相対運動中得られた反射光を画像として連続的に入力し
処理することにより、該物体表面の異常を検出する物体
表面異常状態の評価方法において、前記入力した反射光
が反射した物体表面の位置を計算し、該位置による該反
射光の輝度を該反射光が入力された複数枚の画像におい
て積算して平均化することにより、該物体表面の異常を
検出することを構成とする。
【0007】(2) 第二の発明による物体表面異常状
態の評価方法は,第一の発明において前記連続的に入力
した画像を二値化して反射光の反射角度の正常値に対す
る偏差を捕捉することにより前記物体表面のうねりによ
る傾斜角度を算出し、前記連続的に入力した画像の輝度
を傾斜角度により補正して積算することを構成とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の実施
形態の詳細について説明する。図1〜図10は本発明の
実施形態に係り、図1は物体表面の異常状態評価方法に
おける測定機器の概略構成図であり、図2は物体表面の
傾斜による反射角度補正の原理説明図であり、図3は物
体表面の異常状態評価方法の概略を説明するフローチャ
ートである。図4はスリット光像の入力状態を説明する
ための説明図であって、図4(1)はスリット光像の連
続入力状態を説明するための概念図であり、図4(2)
は理想平面を有する物体表面に反射したスリット光像と
傾斜した物体表面に反射したスリット光像の違いを説明
するための概念図である。
【0009】図5は二次元画像を説明するための概念図
である。図6は本発明の実施形態により測定した物体表
面の輝度分布を示す測定結果である。図7はスリット光
像の二値化を説明するための説明図である。図8は物体
表面の傾斜による反射角度の算出方法の原理説明図であ
り、図9は物体表面のスリット光像より傾斜角分布を算
出する方法の概略を説明するフローチャートである。図
10は物体表面のそれぞれの位置よる反射光の輝度をそ
れぞれ積算して平均化する方法を概念的に説明した説明
図である。
【0010】図1において、1は光源、2はスリット
板、3は物体表面の異常を測定するサンプル(被検体と
称することもある)、5はカメラ(3CCDカラービデ
オカメラ・型式KY−F57:ビクター社製)、6はモ
ニタテレビ、7は画像処理装置(型式MT98−CL:
マイクロテクニカ社製)、8は汎用コンピュータであ
る。図1の測定機器は、光源1からの光をスリット板2
を介してサンプル3の表面に照射し、反射したスリット
光像をカメラ5で撮影して画像処理装置7へ入力し、画
像処理装置7にて画像処理を行ない、これにより二次元
画像Pの画像データを作成して、該画像データをコンピ
ュータ8に転送する。
【0011】図4(1)にサンプル3の入力画像による
二次元画像P(P1、P2、…、Pn、…)の取り込み
状況を示す。図1に示したような測定装置において、物
体であるサンプル3がX方向に移動するごとにカメラで
撮影することによって、サンプル3の表面のX方向距離
(Lx)地点でのサンプルの表面状態により歪められ、
減衰したスリット光像をカメラ5により撮影して、画像
処置装置7に入力する。
【0012】画像処理装置7においては、前記撮影して
入力したデータを処理し、輝度による画像データ(輝度
データと称することもある)に変換して二次元画像P
(P1、P2、…、Pn、…)としコンピュータ8に転
送する。そしてコンピュータ8は、予めプログラムされ
た演算式により二次元画像P(P1、P2、…、Pn、
…)の輝度データを演算処理する。
【0013】なお、本実施の形態において、サンプル3
の大きさは長手方向であるX方向の長さが200mm、
Y方向の長さが45mmの長方形の平板であり、該平板
は黒色に近似した色であってその表面が略平坦である。
また、本実施の形態において使用したカメラ5の撮影速
度である画像入力速度は15枚/秒であって、カメラ5
により最大1秒間に60枚の二次元画像Pを取り込む事
ができる。
【0014】ここで、二次元画像Pは、図5に示すよう
に各々の画像データをY方向(スリットの縦方向である
長手方向)に等分に分割し、またX方向(サンプル3の
移動方向)に等分分割した微小な矩形(長方形または正
方形の微小領域)の画素の集合体として構成される。
【0015】画像処理装置7では入力された二次元画像
Pの各々の画素の濃淡データを輝度として0〜255ま
での256階調の数値にデジタル化する。なお、輝度は
完全な白色を255とし、完全な黒色を0とする。
【0016】以下、本発明の実施の形態における二次元
画像Pの画像データ計算方法を説明する。まず、第一の
計算方法として、前記色むら等の風合いによって変化す
るサンプル3の輝度の変化についての算出計算方法につ
いて以下に説明する。図1に示したような測定装置にお
いて、物体であるサンプル3をX方向に移動させつつカ
メラ5で撮影することによりサンプル3の表面のX方向
距離(Lx)地点でのサンプル表面により歪められ、減
衰し反射したスリット光像をカメラ5により撮影し、画
像処置装置7にて二次元画像P(P1、P2、…、P
n、…)を作成する。
【0017】ここで、サンプル3の表面の任意のある部
分についての領域を微小領域L(n)として定義する
と、微小領域L(n)で反射したスリット光(反射光L
と称することもある)は、スリット板2のスリット幅
と、スリット光を撮影するカメラ5の撮影速度と、サン
プル3の移動速度の関係とによって決まる複数枚の二次
元画像Pに重複して入力される。
【0018】ここで、本実施の形態において測定機器の
装置定数等よって、うねりを有しない理想平面3aを有
する物体の表面のX方向の幅10mmの部分より反射し
た反射光が二次元画像PのX方向に97ピクセルの幅の
反射像を形成するように測定機器を配置しており、測定
機器の装置定数は0.1031mm/ピクセルとなる。
従って、前記特定部分L(n)のX方向の長さ0.10
31mmの部分より反射した反射光Lは二次元画像P上
にX方向の幅1ピクセルのスリット光像を形成すること
になる。
【0019】ここで、本実施の形態においてはスリット
光像全体のX方向の幅(スリット光像幅TPと称するこ
ともある)が16ピクセルであることから、一枚の二次
元画像Pに取り込まれるサンプル3のX方向の幅は16
(ピクセル)に装置定数を乗した値(16×0.103
1=1.6496)として計算でき、サンプル表面上で
は約1.6mmの幅であると換算することができる。つ
まり、サンプル3の表面のX方向の幅1.6mmによっ
て反射されたスリット光が、カメラ5にX方向に16ピ
クセルの幅をもつスリット光像として入力される。従っ
て、サンプル3の表面のX方向の長さ0.1031m
m、すなわち1ピクセル分の幅の領域より反射した反射
光Lは、サンプル3が16ピクセル分の距離を通過する
に要する時間の間、カメラ5に取り込まれている。
【0020】ここで、本実施形態におけるサンプル3の
移動速度Vsは1mm/秒であり、カメラ5の撮影速度
は15枚/秒である。従って、前記サンプル3の幅1.
6mmによる反射のデータは約1.6秒間の間カメラ5
に撮影されることとなり、サンプル3の微小領域L
(n)よって反射した1ピクセルの幅の反射光Lは1,
6秒間の間カメラ5に取り込まれている。カメラ5の撮
影速度は15枚/秒であるため、1.6秒間の間に24
枚(カメラ5の画像入力速度である15枚/秒を乗した
値である)の二次元画像Pに取り込まれることとなる。
なお、ここでサンプル3の微小領域L(n)によって反
射した反射光Lが、カメラ5によって撮影される枚数を
画像枚数Gとして定義する。本実施形態においては、2
4枚の二次元画像Pに取り込まれので画像枚数Gは24
である。
【0021】ここで、サンプル3の微小領域L(n)か
ら反射した反射光Lが二次元画像P上に入力された座標
の位置と装置配置の幾何学的と関係から、サンプル3上
のどの位置の反射像であるかを計算して割り出しコンピ
ュータ8に記憶する。また、画像入力開始直後の最初の
二次元画像Pについては、サンプル3の微小領域L
(n)によって反射した反射光Lが二次元画像P上のど
の座標の入力されるか装置配置の幾何学的な関係から計
算して割り出せないので、サンプル3上にけがき線等の
マーカを施し、該二次元画像Pに表れるマーカの位置に
よって、サンプル3の微小領域L(n)によって反射し
た反射光Lが二次元画像P上に入力された座標を割り出
し、サンプル3の微小領域L(n)の位置と、この位置
で反射した反射光Lが二次元画像P上に入力される位置
との対応づけを行なう。
【0022】なお、二次元画像Pに取り込まれる際に、
サンプル3の微小領域L(n)の反射光Lは二次元画像
P上の位置を徐々に反X方向側に移動しながら24枚の
画像に取り込まれる。つまり、図10に示すように反射
光Lが、まず最初に画像データとして二次元画像P
(n)のX方向の位置Y(n)X(n)の位置に取り込
まれたとすると、2枚目から24枚目まで画像データ上
を徐々に反X方向に移動して、最後の24枚目の画像で
ある二次元画像P(n+23)には、Y(n)X(n−
15)の位置に取り込まれることとなる。
【0023】本実施形態においては図10に示すように
反射光Lが、X方向の幅16ピクセルの画像を24枚の
二次元画像P上にて移動する。そのため、二次元画像P
(n)からP(n+1)と一枚進むにつれて、反射光L
は16を24で除した値分だけのピクセル数だけ画像デ
ータ上を反X方向に移動する。なお、本実施形態おいて
は16を24で除した値が約0.667と整数にならな
いため、16を24で除した値に進んだ画像の枚数を乗
した値を求め、それを四捨五入して得られた値のピクセ
ル数だけ画像データ上を反X方向に移動するとして計算
した。
【0024】そして、それぞれの二次元画像P上におい
て、サンプル3の微小領域L(n)により反射した反射
光Lが移動しながら取り込まれた各部分においての輝度
を積算して輝度合計TL(n)を求める。前記求めた輝
度合計TL(n)を24で除して平均化することによっ
て、サンプル3の微小領域L(n)に反射した反射光L
の平均輝度データSL(n)として算出する。
【0025】換言すると、サンプル3の微小領域L
(n)により反射した反射光Lが、画像データとして最
初に二次元画像P(n)の位置Y(n)X(n)のに取
り込まれた場合、画像枚数G枚の二次元画像Pを進に連
れて徐々に反X方向に移動する。そして、最後の二次元
画像であるG枚目の二次元画像P(n+G−1)におい
てはY(n)X(n−T+1)の位置に取り込まれるこ
ととなる。
【0026】ここにおいて、微小領域L(n)により反
射した反射光Lは、X方向に幅TPピクセルの画像とし
てG枚の二次元画像上にて移動しつつ記録される。従っ
て、二次元画像P(n)からP(n+1)と一枚進むに
つれて、微小領域L(n)により反射した反射光Lは、
画像枚数Gをスリット光像幅TPで除した値である係数
Mを四捨五入した値のピクセル数だけ画像データ上を反
X方向に移動するとして考え、それぞれ二次元画像P上
で移動した位置にあたる各部分の輝度を積算して輝度合
計TL(n)を求める。そして、前記求めた輝度合計T
L(n)を積算した画像枚数Gで除して平均化すること
によって、サンプル3の微小領域L(n)に反射した反
射光Lの平均輝度データSL(n)として算出する。
【0027】なお、本実施形態においては前記した画像
枚数Gが24枚で、スリット光像幅TPが16ピクセル
であるため前述した係数Mが整数とならないため、係数
Mに進んだ画像の枚数をかけた値を四捨五入することに
よって、進んだ画像の枚数により反X方向に移動した反
射光Lの位置を割り出した。
【0028】以上の測定原理を使用して、微小領域L
(n)によって反射した1ピクセル分の幅の反射光Lの
平均輝度データSL(n)として演算して求め、前記微
小領域L(n)の位置を順次変えて物体全面にわたり測
定して行けば、物体表面全体にわたる微小領域の輝度分
布を得ることができる。
【0029】なお、サンプル3にうねりが少ない平坦な
形状のサンプル3を測定した場合においては、うねりに
よる輝度の誤差の影響が少なく、ウェルドラインやフロ
ーマークや風合いの変化は輝度分布に表われことが多い
ので、前記輝度の分布を見ることによってフローマーク
の検出を行なうことができる。
【0030】ここで、サンプル3の表面は平坦となって
おらずうねりを有していた場合は、たとえば、図4
(2)のに示すようなスリット光像となり異常状態を
呈することになる。すなわち、スリット光像は図4
(2)ののように真直状態とはならず本来の真直の位
置からその程度に応じて少しずれた所に観測される。そ
のため、前述した方法によって求めた輝度分布を傾斜角
により補正する必要がある。
【0031】従って、サンプル3のうねりによって発生
した傾斜角によって反射光の位置がずれる可能性にある
場合において必要な第二の計算方法として前記輝度を補
正するために必要な傾斜角の算出方法と、該傾斜角によ
る輝度補正方法を以下に説明する。
【0032】まず、第一の計算方法において前述したよ
うな方法によって、二次元画像P(P1、P2、…、P
n、…)を作成する。ここで、サンプル3の表面で反射
されたスリット光像は、周辺部に比べて格段に明るく、
画像処理装置7により変換された輝度データにおいても
前記スリット光像の部分の輝度データは極端に大きくな
っている。
【0033】従って、二次元画像Pにしきい値を設定し
て二値化処理による画像処理の手法を適用することによ
り、スリット光像が写った部分とそうでない部分を認識
して、スリット光像が写った部分の座標を容易に算出す
ることができる。本実施の形態においては、サンプル3
は反射の度合いが大きく、しきい値65を用いて二値化
しスリット光像が写った部分とそうでない部分とを認識
できた。なお、しきい値による二値化とは、しきい値と
しての輝度を設定し、該しきい値より輝度が小さいもの
は全て0として評価し、該しきい値より輝度が大きいも
のは全て1として評価する方法である。
【0034】具体的には、前述した方法によってサンプ
ル3により反射したスリット光像を二次元画像P(P
1、P2、…、Pn、…)として連続的に取り込んだ
後、二次元画像Pを所望の輝度によって二値化すること
によって、二次元画像P上にあるスリット光像を二値化
したスリット光像(4a、4b、…)として取出し、ス
リット光像(4a、4b、…)の幅方向であるX方向の
中心線の位置を求める。
【0035】ここで、うねりや色むらの全くない理想平
面を有する基準反射面3aによって得られる二次元画像
P上にのスリット光像の中心線の位置を、予め指定座標
位置として算出して記憶しておき、前記サンプル3の表
面で反射されたスリット光像(4a、4b、…)の中心
線位置と比較して、そのX方向の偏差を図4(2)の
に示すようにそれぞれのY方向位置により偏差dx1〜
dxnとして算出する。
【0036】ここで、図8に示すような基準反射面3a
においては、スリット光を反射角α1で反射させ、該反
射角α1で反射したスリット光がカメラ5に撮影され
る。しかし、傾斜平面3bにおいては、スリット光を反
射角α2で反射させ、該反射角α2で反射したスリット
光がカメラ5に撮影される。そのため、カメラの焦点距
離5aにおいて傾斜平面3bによって反射したスリット
光像は、規準反斜面3aにおけるスリット光像に偏差d
xを有して結像する。これら幾何学的な関係より傾斜角
をβとした場合、偏差dxは傾斜角βに定数fを乗した
値でき近似され、dx≒f×βの関係が成り立つ。従っ
て、偏差dxをfで除することによって傾斜角βを求め
ることができ、図4(2)のに示すような形で得られ
た偏差dx1〜dxnをそれぞれfで除することによっ
てそれぞれの部分における傾斜角βを求める。
【0037】ここで、前記定数fは、カメラ5の焦点距
離5a、カメラ5とサンプル3の距離、光源1とサンプ
ル3の距離によって定まる定数であり、一定の傾斜角度
と水平面をもつ簡単な標準サンプルをサンプル3とし
て、反射像間の間隔を画像処理により測定すれば容易に
求めることができる。
【0038】以上の測定原理を使用して、二値化したス
リット光像(4a、4b、…)の偏差を測定し、微小領
域の傾斜角度βを上述した式により演算して求めて行け
ば、物体表面全体に亘り微小領域の傾斜角度β分布を得
ることができる。
【0039】そして、求めた傾斜角度βの分布によっ
て、前記輝度分布を補正してより正確な輝度分布を算出
することができる。
【0040】前記輝度分布の補正方法として、例えば図
2に示す傾斜角βと、三次元空間への光の拡散による光
の減衰との関係を幾何学的な位置関係から求め、サンプ
ル反斜面が水平面であるとき入射するであろう反射光の
輝度を推算し補正し、該位置にあたる各部分の輝度とし
て積算し、輝度合計TL(n)を求める。そして、前記
求めた輝度合計TL(n)を画像枚数Gで除して平均化
することによって、サンプル3の微小領域L(n)に反
射したスリット光の平均輝度データSL(n)として算
出する。
【0041】次に、本発明における物体表面の異常状態
評価方法の操作手順について説明する。図3は操作手順
のフローチャートを示すもので、まず、サンプル3のタ
テ、ヨコ寸法などのサンプル情報や測定距離などの情報
(光源〜サンプル、サンプル〜カメラの距離や焦点距
離)やサンプル3の移動速度などをあらかじめ設定し入
力した後、光源1を設定し、基準反射面位置に鏡面を置
いてスリット光像を反射させ物体平面が理想平面となる
場合の影像をカメラ5で撮影し、画像処理装置7を介し
てコンピュータ8に入力し、指定座標位置情報を得るた
めの理想平面画像として記憶させる。
【0042】次に、試料となるサンプル3を、たとえ
ば、図1の端部のスリット光像が測定の開始位置で反射
されるように設定した後、サンプル3がX方向に移動す
るごとにカメラで撮影することによりサンプル3のX方
向距離(Lx)地点毎ごとに異なる表面状態を反映して
反射したスリット光像をカメラ5により撮影して、二次
元画像P(P1、P2、…、Pn、…)として画像処置
装置7に入力する。
【0043】該入力画像のデータとして画像処理装置7
に取りこまれた画像データは、画像処理装置7で処理を
受け、輝度データに変換された後、コンピュータ8に入
力される。
【0044】ここで、コンピュータ8に入力されたサン
プル3の画像データの一枚を二次元画像P1として取出
す。そして、取出した二次元画像Pの座標Y(1)X
(1)を決定した後、前記座標Y(1)X(1)に入る
反射光がサンプル3の表面上のどの位置から反射した光
であるかをサンプル3の移動速度と画像入力速度とから
計算し、該サンプル3のある部分の表面状態を表す輝度
として記憶するといった処理を行なう。サンプル3にう
ねりがある場合においては、傾斜角分布を前述した方法
で予め計算して算出しておき、該傾斜角による反射光の
減衰量を求め、画像輝度補正する。
【0045】以上の処理を、座標Y(1)X(1)の座
標の画素から順次おこなっていき、二次元画像P1上の
全ての画素についてこの処理を行なう。そして、前記処
理を二次元画像P1から取り込んだ最後の二次元画像ま
で行なうことにより、サンプル3の表面上の微小領域L
(n)からの反射光Lの位置を計算し、その位置の輝度
として記憶する。そして同一の微小領域L(n)から反
射し複数枚の二次元画像Pに取り込まれた反射光Lの輝
度を積算して平均化することにより、微小領域L(n)
に反射した反射光の平均輝度データSL(n)として算
出する。
【0046】図6にサンプル3を輝度分布を測定した結
果を示す。図6(1)、図6(2)、及び図6(3)
は、それぞれサンプル3のY方向の位置が異なる部分の
輝度分布である。フローマークを有したサンプル3を測
定した結果、図6(1)から(3)の輝度分布は、いず
れも波状の波形となっており、サンプル3のフローマー
クの表われかたと前記波形はよく一致した。
【0047】また、本実施の形態においては、光源1や
カメラ5に対してサンプル3を移動したが、サンプル3
を静止し、光源1やカメラ5を単独あるいは同時に移動
して測定することもできる。
【0048】以上述べたように、本発明では二次元画像
の座標を決定した後、前記座標に入る反射光Lがサンプ
ルの表面上のどの位置の微小領域から反射した光である
かを計算し、該サンプル3の特定位置の表面状態を表す
輝度として記憶するといった処理を行ない、複数枚の二
次元画像Pに取り込まれた該サンプル3の表面の特定位
置の表面状態を表す輝度を積算して平均化する。そし
て、サンプル3の特定位置を変えて、この処理を繰り返
す事によって、サンプル3全体にわたっての輝度分布を
求めることができ、その結果得られた輝度の分布を見る
ことによってウェルドラインやフローマークの検出を行
なうことができる。また、サンプル3にうねりが発生し
た場合においても、あらかじめ物体表面全体のうねり状
況を測定結果の分布として把握し、前記輝度分布を補正
することができるものである。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法にお
いては、プラスチック成形品の表面に発生する風合い
(反射率、透明度等)の変化や色むらなどを判別して、
人間の眼による目視判定に近い精度の高い判定を行なう
ことができ、その結果を製造工程にフィードバックすれ
ば、成形品の品質を安定化し向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態による物体表面の異常状態評価方
法における測定機器の概略構成図である。
【図2】本実施の形態による物体表面の傾斜による反射
角度補正の原理説明図である。
【図3】本実施の形態による物体表面の異常状態評価方
法の概略を説明するフローチャートである。
【図4】本実施の形態によるスリット光像の入力状態を
説明するための説明図である。
【図5】本実施の形態による二次元画像を説明するため
の概念図である。
【図6】本発明の実施形態により測定した物体表面の輝
度分布を示す測定結果である。
【図7】本実施の形態によるスリット光像の二値化を説
明するための説明図である。
【図8】本実施の形態による物体表面の傾斜による反射
角度の算出方法の原理説明図である
【図9】本実施の形態による物体表面のスリット光像を
傾斜角分布を算出する方法の概略を説明するフローチャ
ートである。
【図10】本実施の形態による物体表面のそれぞれの位
置よる反射光の輝度をそれぞれ積算して平均化する方法
を概念的に説明した説明図である。
【符号の説明】
1 光源 2 スリット板 3 サンプル 3a 基準反射面(理想平面) 3b サンプル表面(傾斜平面) 5 カメラ(CCDカメラ) 5a 焦点距離 6 モニタテレビ 7 画像処理装置(画像入力ボード) 8 コンピュータ(パソコン) P 二次元画像 α 反射角度 α1 反射角度 α2 反射角度 α3 反射角度 β 傾斜角度 dx 偏差 d スリット光源とビデオカメラの水平距離 h 物体表面の基準反射面からの高さ H1 スリット光源の基準反射面からの高さ H2 ビデオカメラの基準反射面からの高さ
フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA01 AA15 AA17 AA35 AA49 BB13 BB15 BB27 CC00 CC15 DD06 EE03 FF42 FF44 FF61 FF64 HH05 HH12 JJ03 JJ08 JJ26 LL28 MM03 QQ03 QQ04 QQ05 QQ17 QQ23 QQ24 QQ26 QQ27 QQ28 QQ41 QQ42 SS02 SS13 2G051 AA32 AB12 BB07 CA04 CB01 EA12 EA17 EC10 FA01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体の表面にスリット光源を投射してその
    反射光をカメラで撮影する際において、該物体を該光源
    や該カメラに対して相対運動させるとともに、画像処理
    装置に該相対運動中得られた反射光を画像として連続的
    に入力し処理することにより、該物体表面の異常を検出
    する物体表面異常状態の評価方法において、 前記入力した反射光が反射した物体表面の位置を計算
    し、該位置による該反射光の輝度を該反射光が入力され
    た複数枚の画像において積算して平均化することによ
    り、該物体表面の異常を検出することを特徴とする物体
    表面異常状態の評価方法。
  2. 【請求項2】前記連続的に入力した画像を二値化して反
    射光の反射角度の正常値に対する偏差を捕捉することに
    より前記物体表面のうねりによる傾斜角度を算出し、前
    記連続的に入力した画像の輝度を傾斜角度により補正し
    て積算することを特徴とする請求項1に記載の物体表面
    異常状態の評価方法。
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