JP2001280920A - 膜厚測定方法及びその装置 - Google Patents
膜厚測定方法及びその装置Info
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Abstract
トルから対象外薄膜の成分を除去することにより、測定
領域より狭い線幅を有する目的薄膜の膜厚を正確に測定
することができる。 【解決手段】 膜厚測定の対象である目的薄膜と、膜厚
測定の対象外である対象外薄膜とを含む測定領域内から
の分光反射スペクトルを測定するステップS1と、分光
反射スペクトルから目的薄膜の成分だけを抽出分光反射
スペクトルとして抽出するステップS4と、抽出分光反
射スペクトルに基づき目的薄膜の膜厚を算出するステッ
プS5とを実施する。対象外薄膜の成分を除去した抽出
分光反射スペクトルに基づき目的薄膜だけの膜厚を算出
することにより、測定領域よりも狭い線幅である目的薄
膜だけの膜厚を求めることができる。
Description
ハやガラス基板(以下、単に基板と称する)に対して光
を照射し、基板からの反射光に基づき基板上に形成され
た薄膜の膜厚を測定する膜厚測定方法及びその装置に関
する。
ターンの微細化が進み、例えば、0.1μm台の線幅で
薄膜のパターンが形成され始めている。プロセスにおい
ては膜厚管理も重要視されているが、現状の光干渉式膜
厚測定装置では、0.5μm以下のパターンについて
は、その測定領域の大きさよりも線幅が極めて狭いので
パターンを形成している薄膜の膜厚を測定できていな
い。
いた断面検査を行って膜厚を測定することも行われてい
るが、測定のために基板を破壊する必要がある。そこ
で、現在は、基板に形成されているTEG(テストエレ
メントグループ)パターン内に、光干渉式膜厚測定装置
の測定領域と少なくとも同等の面積を有する膜厚測定用
の領域を形成しておき、この部分の膜厚を測定して、こ
れを製品パターンにおける目的薄膜の膜厚とすることが
行われている。
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、実際に測定したいのは製品パターン内
にある目的薄膜の膜厚であって、TEGパターン内のも
のではない。
の領域は、同一基板上であっても製品パターンとは異な
る位置にあることや、異なるパターンが形成されている
ので、特にCMP(化学機械研磨)工程で発生している
ディッシングやエロージョンなどの影響を大きく受け、
TEGパターン内の膜厚をもって製品パターンにおける
目的薄膜の膜厚とすると不正確になるという問題があ
る。
その間隔(Line & Spaceを略してL&S と称する)の影響
を大きく受ける。例えば、パターンが密な領域と粗な領
域とでは一般的に粗な領域の方が密な領域に比較して研
磨が早く進むことになって研磨度合いが大きく異なる。
そのため製品パターンとTEGパターンとでは全くパタ
ーンが異なるので、TEGパターンから製品パターンに
おける目的薄膜の膜厚を推定することは正確さに欠ける
のである。
たものであって、目的薄膜を含んだ測定領域内の分光反
射スペクトルから対象外薄膜の成分を除去することによ
り、測定領域より狭い線幅を有する目的薄膜の膜厚を正
確に測定することができる膜厚測定方法及びその装置を
提供することを目的とする。
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の膜厚測定方法は、薄膜が形成され
た基板からの反射光に基づき膜厚を測定する膜厚測定方
法であって、膜厚測定の対象である目的薄膜と、膜厚測
定の対象外である対象外薄膜とを含む測定領域内からの
分光反射スペクトルを測定する測光過程と、を含んだ測
定領域内からの分光反射スペクトルを測定する測光過程
と、前記分光反射スペクトルから目的薄膜の成分だけを
抽出分光反射スペクトルとして抽出する抽出過程と、前
記抽出分光反射スペクトルに基づき前記目的薄膜の膜厚
を算出する算出過程と、を実施することを特徴とするも
のである。
膜厚測定の対象である目的薄膜が形成された基板の表面
を覆う膜厚測定の対象外である対象外薄膜を所定量だけ
除去して、基板上に目的薄膜および対象外薄膜とを含む
層を露出させる過程で、基板上の目的薄膜の膜厚を測定
する膜厚測定方法において、前記層内の目的薄膜および
対象外薄膜を含む大きさを有する測定領域内からの分光
反射スペクトルを測定する測定過程と、測定領域内の分
光反射スペクトルと、対象外薄膜の分光反射スペクトル
とを比較する比較過程と、比較過程で測定領域内の分光
反射スペクトルと対象外薄膜の分光反射スペクトルとが
不一致である場合に、測定領域内からの分光反射スペク
トルから目的薄膜の成分だけを抽出分光反射スペクトル
として抽出する抽出過程と、抽出分光反射スペクトルに
基づき目的薄膜の膜厚を算出する算出過程と、を実施す
ることを特徴とするものである。
請求項1または2に記載の膜厚測定方法において、前記
抽出過程では、対象外薄膜の分光反射スペクトルに対し
て、目的薄膜と対象外薄膜との線幅比に応じた補正係数
を乗じるとともに、前記対象外薄膜の分光反射スペクト
ルに付加されているオフセットを加算し、この成分を前
記目的薄膜の分光反射スペクトルから減算することに基
づき前記抽出分光反射スペクトルを抽出するようにした
ことを特徴とするものである。
薄膜が形成された基板からの反射光に基づき膜厚を測定
する膜厚測定装置において、膜厚測定の対象である目的
薄膜と、膜厚測定の対象外である対象外薄膜とを含む測
定領域内からの分光反射スペクトルを測定する測光手段
と、前記分光反射スペクトルから目的薄膜の成分だけを
抽出分光反射スペクトルとして抽出する抽出手段と、前
記抽出分光反射スペクトルに基づき前記目的薄膜の膜厚
を算出する算出手段と、を備えたことを特徴とするもの
である。
膜厚測定の対象である目的薄膜が形成された基板の表面
を覆う膜厚測定の対象外である対象外薄膜を所定量だけ
除去して、基板上に目的薄膜および対象外薄膜とを含む
層を露出させる過程で、基板上の目的薄膜の膜厚を測定
する膜厚測定装置において、前記層内の目的薄膜および
対象外薄膜を含む大きさを有する測定領域内からの分光
反射スペクトルを測定する測光手段と、測定領域内の分
光反射スペクトルと、対象外薄膜の分光反射スペクトル
とを比較する比較手段と、比較過程で測定領域内の分光
反射スペクトルと対象外薄膜の分光反射スペクトルとが
不一致である場合に、測定領域内からの分光反射スペク
トルから目的薄膜の成分だけを抽出分光反射スペクトル
として抽出する抽出手段と、抽出分光反射スペクトルに
基づき目的薄膜の膜厚を算出する算出手段と、を備えた
ことを特徴とするものである。
請求項4または5に記載の膜厚測定装置において、前記
抽出手段では、対象外薄膜の分光反射スペクトルに対し
て、目的薄膜と対象外薄膜との線幅比に応じた補正係数
を乗じるとともに、前記対象外薄膜の分光反射スペクト
ルに付加されているオフセットを加算し、この成分を前
記目的薄膜の分光反射スペクトルから減算することに基
づき前記抽出分光反射スペクトルを抽出するようにした
ことを特徴とするものである。
る。まず、膜厚測定の対象である目的薄膜と対象外薄膜
とを含む測定領域内からの分光反射スペクトルを測定
し、次いで目的薄膜の成分だけを抽出分光反射スペクト
ルとして抽出する。このようにして対象外薄膜の成分を
除去した抽出分光反射スペクトルに基づき目的薄膜だけ
の膜厚を算出する。
厚測定の対象である目的薄膜が形成された基板の表面を
覆う膜厚測定の対象外である対象外薄膜を所定量だけ除
去して、基板上に目的薄膜および対象外薄膜とを含む層
を露出させる過程で、基板上の目的薄膜の膜厚を測定す
る場合には、対象外薄膜が除去できているか否かを、対
象外薄膜の分光反射スペクトルのプロファイルと比較す
ることで判断することができる。その比較の結果、プロ
ファイルが一致しなかった場合には対象外薄膜が除去さ
れていると判断されるので、抽出過程へと移行する。
0に示すように対象外薄膜が目的薄膜上に薄く残ってい
る状態と、対象外薄膜が完全に除去されて目的薄膜が露
出した状態の両方を含む。
出分光反射スペクトルは、線幅比に応じた補正係数を対
象外薄膜の分光反射スペクトルに乗じ、さらにオフセッ
トを加算し、この成分を測定領域内の分光反射スペクト
ルから減算することに基づき求められる。
ず、測光手段が目的薄膜と対象外薄膜とを含む測定領域
内からの分光反射スペクトルを測定し、次いで抽出手段
が目的薄膜の成分だけを抽出分光反射スペクトルとして
抽出する。このようにして目的薄膜以外の対象外薄膜成
分を除去した抽出分光反射スペクトルに基づいて、算出
手段が目的薄膜だけの膜厚を算出することができる。
厚測定の対象である目的薄膜が形成された基板の表面を
覆う膜厚測定の対象外である対象外薄膜を所定量だけ除
去して、基板上に目的薄膜および対象外薄膜とを含む層
を露出させる過程で、基板上の目的薄膜の膜厚を測定す
る場合には、対象外薄膜の分光反射スペクトルのプロフ
ァイルと測光手段で測定された分光反射プロファイルと
を比較手段が比較することにより、不要な対象外薄膜が
除去できているか否かを判断することができる。その比
較の結果、プロファイルが一致しなかった場合には対象
外薄膜が除去されていると判断されるので、抽出手段に
よる抽出へと移行する。
出手段は、線幅比に応じた補正係数を対象外薄膜の分光
反射スペクトルに乗じ、さらにオフセットを加算し、こ
の成分を測定領域の分光反射スペクトルから減算するこ
とに基づき抽出分光反射スペクトルを求める。
実施例を説明する。図1は本発明に係る光干渉式膜厚測
定装置の概略構成を示したブロック図である。
た基板Wは、図示しない移動機構により水平面内で移動
可能に構成されたステージ1に載置されている。このス
テージ1の上方には、光源部3が配備されており、この
光源部3から横向きに射出された光はビームスプリッタ
5により下方に反射されて対物レンズ7を通り、基板W
に対して照射される。対物レンズ7を通して基板Wに光
が照射される範囲内の所定範囲が本発明における測定領
域に相当し、その大きさは、対物レンズ7の倍率と後述
のプレート11aに形成されたピンホールの大きさによ
り決定されるもので、概ね数十μm径である。
ンランプ及び重水素ランプを備えたランプ3aと、複数
個のレンズ3bとを備えており、可視光または紫外光を
含んだ可視光を射出する。なお、測定対象の目的薄膜の
膜厚や膜種によってはランプ3aを重水素ランプだけで
構成して紫外光だけを射出するようにしてもよい。
ンズ7を通るとともに、その上方の光軸上に配備された
ビームスプリッタ5を透過し、その上方に配備されてい
るチューブレンズ9により集光されて分光ユニット11
に入射される。
9の間には、プリズム13が配備されており、基板Wか
らの反射光の一部を取り出すようになっている。取り出
された反射光の一部は撮像ユニット15に導かれ、レン
ズ15aを介して所定位置に集光される。集光位置には
撮像素子15bが配設されており、測定領域に対応した
画像信号が画像処理部17に出力される。
所定の処理を施してI/O21に出力する。出力された
画像信号は、CPUやメモリを内蔵した制御部23の制
御の下でディスプレイ装置25に出力される。測定者
は、このようにして表示される画像を見ながら、操作部
27を操作してステージ1を移動させ、基板W表面の所
望の位置に測定領域を設定して膜厚測定を行うようにな
っている。
ピンホールが形成されたプレート11aと、このプレー
ト11aの上方に配備されて反射光を分光する凹面回折
格子11bと、この凹面回折格子11bによって分光さ
れた回折光の分光光強度を検出する光検出器11cとを
備えている。光検出器11cは、例えば、フォトダイオ
ードアレイやCCDなどにより構成されており、プレー
ト11aに形成されているピンホールと共役な関係に配
置されている。したがって、分光ユニット11に入射し
た反射光は、凹面回折格子11bで分光され、この光の
分光光強度に対応した信号が光検出11cから分光反射
スペクトルとしてデータ処理部19に出力される。
測光手段に相当する。
操作部27を介しての測定者の指示に基づく制御部23
からの制御信号に応じて処理を行う。具体的には、分光
反射スペクトルに基づき基板Wに被着された目的薄膜の
分光反射スペクトルだけを抽出するとともに、この抽出
分光反射スペクトルに基づいて目的薄膜の膜厚を算出す
る等の処理を行う。このようにして求められた目的薄膜
の膜厚は、ディスプレイ装置25に表示される。
異なる対象外薄膜の分光反射スペクトルを記憶してお
り、このプロファイルと、測定した分光反射スペクトル
のプロファイルとを比較して、ほぼ同じであった場合に
は目的薄膜の膜厚測定ができない状態であると判断し
て、データ処理を中断するとともにディスプレイ装置2
5にその旨を表示するようにもなっている。または、対
象外薄膜だけの分光反射スペクトルと分光反射スペクト
ルとのプロファイルを比較して、これらが一致しない場
合には、対象外薄膜が目的薄膜を覆っていない状態であ
ると判断して膜厚測定のためのデータ処理を実施する。
上記の比較の対象となる対象外薄膜の分光反射スペクト
ルは、予め実際に測定しておいてもよく、理論的な計算
から求められたスペクトルを用いてもよい。
る抽出手段及び算出手段に相当するとともに比較手段に
も相当する。
ら説明する。なお、図2は、本発明に係る膜厚測定方法
の流れを示したフローチャートである。
る薄膜の状態を示した平面図及び縦断面図に示すよう
に、一例としてシリコン基板Waの上に目的薄膜である
酸化膜F1が形成され、その上にタンタルナイトライド
(TaN) などのバリアメタル膜F2が被着され、さらにそ
の上に銅配線用の対象外薄膜である銅膜F3が被着され
ているものとする。そして、基本的には、図3(b)に
示すように銅膜F3をバリアメタル膜F2とともに研磨
処理し、図3(c)に示すような状態まで研磨処理を施
した後に酸化膜F1の膜厚測定を行うようになってい
る。但し、場合によっては図3(c)の状態にまで至っ
ていない場合もありうる。
磨処理後の膜厚測定において、対象外薄膜を銅膜F3と
してこの成分を分光反射スペクトルから除去するが、バ
リアメタル膜F2の成分は除去しない。これは、バリア
メタル膜F2の線幅d3が酸化膜F1の線幅d1や銅膜
F3の線幅(d2−d3×2)と比較して極めて細く影
響が少ないためである。
載置し、ディスプレイ装置25に映し出される測定領域
Rの画像を見ながら、操作部27を操作してステージ1
を移動させることにより所望の位置に測定領域Rを位置
させる。
操作部27を介して測定開始の指示を行う。すると、測
定領域Rからの分光反射スペクトルが分光ユニット11
からデータ処理部19に与えられる。図4は、このよう
にして測定された分光反射スペクトルの一例を示したグ
ラフである。なお、この図4の分光反射スペクトルは、
図3(a)に示した酸化膜F1の幅d1と、酸化膜F1
同士の間隔d2との線幅比(L&S )が1μm:1μm等
の50:50の基板Wから得られたものである。
予め記憶しておいた対象外薄膜である銅膜F3の分光反
射スペクトルとを比較し、この結果に応じて処理を分岐
する。
(b)の状態から研磨処理が進み、図3(c)のように
研磨処理が完了して目的薄膜である酸化膜F1が表面に
露出した状態であるか否かを判断するのである。研磨処
理が完了していない場合には、測定した分光反射スペク
トルが対象外薄膜F3の分光反射スペクトル(図5)と
一致するので、ステップS3に戻って研磨処理を行った
後にステップS2に戻り、処理が完了している場合には
それらが不一致となるので、次のステップS4に移行す
る。
は、図5に示すように、長波長側に向かうにつれて徐々
に反射比率が上昇するとともに550nm付近で急激に
上昇し、その後、600nm付近で緩やかな上昇カーブ
を描くようになっている。本実施例では、処理の簡略化
を図るために、波長400〜550nmまでの分光反射
スペクトルのプロファイルと、測定した分光反射スペク
トルのプロファイルとを比較するようにしている。ま
た、後述する抽出処理においてもこの波長範囲だけを対
象にして処理を行っているが、比較処理や抽出処理にお
いて全波長範囲を対象に処理を行うようにしてもよい。
覆った後に酸化膜F1の膜厚を測定する場合には、不要
な銅膜F3が除去できているか否かを、銅膜F3の分光
反射スペクトルのプロファイルと比較することで判断す
ることができる。その比較の結果、プロファイルが一致
しなかった場合には銅膜F3が除去されていると判断さ
れるので抽出処理へと移行することで、酸化膜F1の膜
厚測定を適切に行うことができるようになっている。
ペクトルから対象外薄膜である銅膜F3による成分を除
去して目的薄膜である酸化膜F1の成分だけを抽出す
る。
光反射スペクトルF(λ)を算出する。なお、式中の記
号λは400〜550(あるいは800)nmであり、
M(λ)は測定領域における分光反射スペクトルであ
り、N(λ)は対象外薄膜の分光反射スペクトルを表し
ている。また、kは目的薄膜のL&S に応じた補正係数で
あり、f(offset) は反射比率オフセットを表している。
した分光反射スペクトルM(λ)から、対象外薄膜であ
る銅膜F3の分光反射スペクトルN(λ)を差し引いて
抽出分光反射スペクトルF(λ)とするのである(イメ
ージ的には、図4から図5を引く)。但し、目的薄膜の
線幅比であるL&S によって銅膜F3の影響が異なるの
で、その分を補正係数kで補う。因みに、補正係数k
は、材料が銅の場合であって線幅比が50:50の場合
は発明者等の種々の実験により『0.7』程度が好まし
いことが判っている。なお、本実施例における分光反射
スペクトルM(λ),N(λ)は、シリコン基板Waに
対する相対反射率である。
率スペクトルから銅膜F3の成分を除去するが、発明者
等が実験を繰り返した結果、差分をとると全体的に分光
反射比率方向(上下方向)にシフトする傾向があること
がわかった。そこで、銅膜F3の分光反射スペクトルに
付加されている成分を補償するために、経験的な値であ
るオフセットf(offset) を加えることにした。なお、本
実施例では、波長に係わらず補正係数kもオフセットf
(offset) も一定としているが、波長に応じて変えるよ
うにしてもよい。
4から図5の成分を除去して求めた抽出分光反射スペク
トルである。なお、上述した理由から、この場合に有効
なのは二点鎖線で示した波長550nm以下である。ま
た、図7は、上記のようにして測定対象とした基板Wに
形成されている酸化膜F1と同じ膜厚を有し、測定領域
Rよりも十分に幅の広い酸化膜を対象にして測定した分
光反射スペクトルの一例である。この図6と図7とを波
長400〜550nmの範囲内で比較すると、プロファ
イルがほぼ一致していることが判る。
(λ)に基づいて酸化膜F1の膜厚を算出する。
(λ)のプロファイルと、膜厚が既知である種々の膜厚
の酸化膜が被着された基板を対象に膜厚測定を行い、そ
の結果得られた各膜厚に対応する分光反射スペクトルの
プロファイルとを比較することによって膜厚を決定す
る。分光反射スペクトルは、膜種が同一であって厚さが
異なると、図8に示すように膜厚に応じてプロファイル
が変わる。なお、図8(a)は最も膜厚が薄く、図8
(c)は最も膜厚が厚く、図8(b)はそれらの間の膜
厚の例を示している。つまり、膜厚が厚くなるにしたが
って干渉が増加して分光反射スペクトル中の周期が増加
するという特性を有する。換言すると、膜厚が厚くなる
につれて山と谷の数が増加する特性を有しているのであ
る。
により測定するかあるいは理論的に求めておいて予めデ
ータ処理部19に格納しておき、抽出分光反射スペクト
ルF(λ)のプロファイルとそれらのプロファイルとに
基づいてカーブフィット法を用いて正確な膜厚を算出す
る。
おける各波長毎の分光反射比率と、抽出分光反射スペク
トルにおける各波長毎の分光反射比率とで同じ波長同士
の差分をとって二乗するとともに、各波長毎に加算する
ことで得られる誤差平方和を求める。そして、各膜厚毎
に誤差平方和をプロットすると、図9に示すようにな
る。そして、誤差平方和が最小となった膜厚が、その抽
出分光反射スペクトルF(λ)の膜厚である。
であるか否かを判定するために、誤差平方和に対して閾
値を設定しておくことが好ましい。つまり、誤差平方和
が最小となっても、その値がある閾値を越える場合には
不適切であると判断し、膜厚を表示せずにその旨をディ
スプレイ装置25に表示し、その値が閾値以下である場
合にのみ求まった膜厚を表示することが好ましい。
ば、目的薄膜である酸化膜F1と対象外薄膜である銅膜
F3とを含んだ測定領域R内からの分光反射スペクトル
M(λ)を測定した後、酸化膜F1の成分だけを抽出分
光反射スペクトルF(λ)として抽出する。そして、銅
膜F3の成分を除去した抽出分光反射スペクトルF
(λ)に基づき酸化膜F1だけの膜厚を算出することに
より、測定領域Rよりも狭い線幅である酸化膜F1だけ
の膜厚を求めることができる。したがって、基板W上の
製品パターン内で酸化膜F1の膜厚を測定することがで
きるので、CMP工程などによる悪影響を受けることが
ない。その結果、酸化膜F1の膜厚を正確に測定するこ
とができるようになっている。
能である。
かな基板を対象にして測定を行う場合には、上述したス
テップS2,S3を実施する必要はない。また、銅膜F
3などの対象外薄膜を除去する処理は研磨処理に限定さ
れず、例えば、エッチングにより対象外薄膜を除去して
もよい。
膜厚測定が可能なように、上述した膜厚測定装置を研磨
処理装置に組み込んだ構成としてもよい。
法は、上述した(1)式だけに限定されるものではなく
種々の数式を利用することができる。
カーブフィット法を用いたが、これに代えて、図8に示
すように膜厚に応じてプロファイルが変わり、プロファ
イルと山と谷の数が増減することを利用したピーク&バ
レイ法により膜厚を算出してもよい。
対象外薄膜を銅膜だけとして、バリアメタル膜の影響を
無視しているが、この分光反射スペクトルをも考慮して
抽出反射分光スペクトルを算出するようにしてもよい。
板の分光反射スペクトルに基づき目的薄膜の膜厚を求め
たが、研磨処理中の基板の分光反射スペクトルに基づき
目的薄膜の膜厚を求めても良い。図10は、図3(b)
に示す状態と図3(c)に示す状態との間の状態を示
し、銅膜F3/バリアメタル膜F2/酸化膜F1からな
る層を所定量だけ研磨し、銅膜F3を一部除去して酸化
膜F1上のバリアメタル膜F2に銅膜F3が厚さd4で
形成されている状態である。銅膜F3の厚さd4が例え
ば50nm以下になると銅膜F3中を光が透過するの
で、酸化膜F1およびバリアメタル膜F2の分光反射ス
ペクトルを測定することが可能となる。この測定した分
光反射スペクトルから対象外薄膜である銅膜F3および
バリアメタル膜F2の成分を除去して目的薄膜である酸
化膜F1の成分だけを抽出してもよい。図10の状態か
らさらに研磨処理が進み、酸化膜F1上にバリアメタル
膜F2のみが残っている状態においても、上述と同様に
測定した分光反射スペクトルから銅膜F3およびバリア
メタル膜F2の成分を除去して酸化膜F1の成分だけを
抽出することができる。
膜と、対象外薄膜を銅膜としたが、本発明はこれらに限
定されないことは言うまでもない。例えば、測定波長に
対する透明膜を目的薄膜とし、金属膜などの測定波長に
対する不透明膜を対象外薄膜としてもよい。また、測定
領域内に複数種の透明膜が存在する場合、その中の一つ
を目的薄膜とし、他の透明膜を対象外薄膜とすることも
可能である。
1に記載の方法発明によれば、目的薄膜と対象外薄膜と
を含んだ測定領域内からの分光反射スペクトルを測定し
た後、目的薄膜の成分だけを抽出分光反射スペクトルと
して抽出する。そして、対象外薄膜の成分を除去した抽
出分光反射スペクトルに基づき目的薄膜だけの膜厚を算
出することにより、測定領域よりも狭い線幅である目的
薄膜だけの膜厚を求めることができる。したがって、基
板上の製品パターン内で目的薄膜の膜厚を測定すること
ができるので、CMP工程などによる悪影響を受けるこ
とがない。その結果、目的薄膜の膜厚を正確に測定する
ことができる。
ば、膜厚測定の対象である目的薄膜が形成された基板の
表面を覆う膜厚測定の対象外である対象外薄膜を所定量
だけ除去して、基板上に目的薄膜および対象外薄膜とを
含む層を露出させる過程で、基板上の目的薄膜の膜厚を
測定する場合には、不要な対象外薄膜が除去できている
か否かを、対象外薄膜の分光反射スペクトルのプロファ
イルと比較することで判断することができる。その比較
の結果、プロファイルが一致しなかった場合には対象外
薄膜が除去されていると判断されるので抽出過程へと移
行することで、目的薄膜の膜厚測定を適切に行うことが
できる。
ば、線幅比に応じた補正係数を対象外薄膜の分光反射ス
ペクトルに乗じ、さらにオフセットを加算し、この成分
を測定領域の分光反射スペクトルから減算することに基
づき抽出分光反射スペクトルを求めることができる。こ
れにより分光反射スペクトルから対象外薄膜の成分を適
切に除去することができ、抽出分光反射スペクトルの精
度を高めて膜厚測定精度を高めることができる。
ば、請求項1に記載の方法発明を好適に実施することが
できる。
ば、請求項2に記載の方法発明を好適に実施することが
できる。
ば、請求項3に記載の方法発明を好適に実施することが
できる。
したブロック図である。
る。
平面図及び縦断面図である。
グラフである。
ラフである。
トルを示したグラフである。
たグラフである。
毎の分光反射スペクトルを示すグラフである。
膜厚を求める手法の説明に供する図である。
た縦断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 薄膜が形成された基板からの反射光に基
づき膜厚を測定する膜厚測定方法であって、 膜厚測定の対象である目的薄膜と、膜厚測定の対象外で
ある対象外薄膜とを含む測定領域内からの分光反射スペ
クトルを測定する測光過程と、 前記分光反射スペクトルから目的薄膜の成分だけを抽出
分光反射スペクトルとして抽出する抽出過程と、 前記抽出分光反射スペクトルに基づき前記目的薄膜の膜
厚を算出する算出過程と、 を実施することを特徴とする膜厚測定方法。 - 【請求項2】 膜厚測定の対象である目的薄膜が形成さ
れた基板の表面を覆う膜厚測定の対象外である対象外薄
膜を所定量だけ除去して、基板上に目的薄膜および対象
外薄膜とを含む層を露出させる過程で、基板上の目的薄
膜の膜厚を測定する膜厚測定方法において、 前記層内の目的薄膜および対象外薄膜を含む大きさを有
する測定領域内からの分光反射スペクトルを測定する測
定過程と、 測定領域内の分光反射スペクトルと、対象外薄膜の分光
反射スペクトルとを比較する比較過程と、 比較過程で測定領域内の分光反射スペクトルと対象外薄
膜の分光反射スペクトルとが不一致である場合に、測定
領域内からの分光反射スペクトルから目的薄膜の成分だ
けを抽出分光反射スペクトルとして抽出する抽出過程
と、 抽出分光反射スペクトルに基づき目的薄膜の膜厚を算出
する算出過程と、 を実施することを特徴とする膜厚測定方法。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の膜厚測定方法
において、 前記抽出過程では、対象外薄膜の分光反射スペクトルに
対して、目的薄膜と対象外薄膜との線幅比に応じた補正
係数を乗じるとともに、前記対象外薄膜の分光反射スペ
クトルに付加されているオフセットを加算し、この成分
を前記目的薄膜の分光反射スペクトルから減算すること
に基づき前記抽出分光反射スペクトルを抽出するように
したことを特徴とする膜厚測定方法。 - 【請求項4】 薄膜が形成された基板からの反射光に基
づき膜厚を測定する膜厚測定装置において、 膜厚測定の対象である目的薄膜と、膜厚測定の対象外で
ある対象外薄膜とを含む測定領域内からの分光反射スペ
クトルを測定する測光手段と、 前記分光反射スペクトルから目的薄膜の成分だけを抽出
分光反射スペクトルとして抽出する抽出手段と、 前記抽出分光反射スペクトルに基づき前記目的薄膜の膜
厚を算出する算出手段と、 を備えたことを特徴とする膜厚測定装置。 - 【請求項5】 膜厚測定の対象である目的薄膜が形成さ
れた基板の表面を覆う膜厚測定の対象外である対象外薄
膜を所定量だけ除去して、基板上に目的薄膜および対象
外薄膜とを含む層を露出させる過程で、基板上の目的薄
膜の膜厚を測定する膜厚測定装置において、 前記層内の目的薄膜および対象外薄膜を含む大きさを有
する測定領域内からの分光反射スペクトルを測定する測
光手段と、 測定領域内の分光反射スペクトルと、対象外薄膜の分光
反射スペクトルとを比較する比較手段と、 比較過程で測定領域内の分光反射スペクトルと対象外薄
膜の分光反射スペクトルとが不一致である場合に、測定
領域内からの分光反射スペクトルから目的薄膜の成分だ
けを抽出分光反射スペクトルとして抽出する抽出手段
と、 抽出分光反射スペクトルに基づき目的薄膜の膜厚を算出
する算出手段と、 を備えたことを特徴とする膜厚測定装置。 - 【請求項6】 請求項4または5に記載の膜厚測定装置
において、 前記抽出手段では、対象外薄膜の分光反射スペクトルに
対して、目的薄膜と対象外薄膜との線幅比に応じた補正
係数を乗じるとともに、前記対象外薄膜の分光反射スペ
クトルに付加されているオフセットを加算し、この成分
を前記目的薄膜の分光反射スペクトルから減算すること
に基づき前記抽出分光反射スペクトルを抽出するように
したことを特徴とする膜厚測定装置。
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