JP2001280441A - 動力伝達機構 - Google Patents

動力伝達機構

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JP2001280441A
JP2001280441A JP2000090297A JP2000090297A JP2001280441A JP 2001280441 A JP2001280441 A JP 2001280441A JP 2000090297 A JP2000090297 A JP 2000090297A JP 2000090297 A JP2000090297 A JP 2000090297A JP 2001280441 A JP2001280441 A JP 2001280441A
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power transmission
hub
spring
coupling piece
pulley
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JP2000090297A
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English (en)
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Kazuya Kimura
一哉 木村
Akihito Uryu
明史 瓜生
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
Satoshi Umemura
聡 梅村
Masaki Ota
太田  雅樹
Hiroshi Ataya
拓 安谷屋
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D7/00Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock
    • F16D7/02Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock of the friction type
    • F16D7/021Slip couplings, e.g. slipping on overload, for absorbing shock of the friction type with radially applied torque-limiting friction surfaces
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D43/00Automatic clutches
    • F16D43/02Automatic clutches actuated entirely mechanically
    • F16D43/20Automatic clutches actuated entirely mechanically controlled by torque, e.g. overload-release clutches, slip-clutches with means by which torque varies the clutching pressure
    • F16D43/21Automatic clutches actuated entirely mechanically controlled by torque, e.g. overload-release clutches, slip-clutches with means by which torque varies the clutching pressure with friction members
    • F16D43/211Automatic clutches actuated entirely mechanically controlled by torque, e.g. overload-release clutches, slip-clutches with means by which torque varies the clutching pressure with friction members with radially applied torque-limiting friction surfaces

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Transmission Devices (AREA)
  • Pulleys (AREA)
  • One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝達動力負荷(限界トルク)の大きさに基づ
いて動力伝達経路を遮断するとともに、動力遮断状態を
維持する機構が簡素な構成の動力伝達機構を提供する。 【解決手段】 プーリ33に動力伝達バネ44を設け、
ハブ38に溝部41を設ける。結合片51を動力伝達バ
ネ44と溝部41とに係合させてプーリ33からの動力
をハブ38に伝達できるようにする。結合片51には再
係合防止バネ58を設け、結合片51を溝部41との係
合が解除される方向に付勢させる。再係合防止バネ58
は、プーリ33とハブ38との間の伝達動力負荷が所定
値を超えたとき動力伝達バネ44から離脱した結合片5
1を、前記付勢力により溝部41から離脱させるととも
に外側リング状部36の内周面に当接させる。その結
果、プーリ33とハブ38との動力遮断状態が保持され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第1回転体と、第
2回転体と、前記両回転体を動力伝達可能に連結すると
ともに前記両回転体間の伝達動力負荷が所定値を超えた
とき動力伝達を解除することが可能な動力伝達機構に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジン又はモータ等の駆動源から圧縮
機等の被動機器への動力伝達経路において、被動機器に
異常事態(例えばデッドロック)が生じたときにその反
動として過大な負荷トルクが駆動源に波及するのを阻止
するために、両者間の作動連結を強制解除可能な動力伝
達機構を設けることがある。この動力伝達機構として
は、該動力伝達機構に過大な負荷トルクが作用した場合
に動力伝達経路上にある部材同士の係合を解除すること
で動力伝達を強制的に遮断する構成などがある。例え
ば、特開平10−267048号公報に開示された動力
伝達機構は、プーリと、シャフトに固定されたボスとの
間にU字状板バネを介在させる構成を採用している。前
記U字状板バネに設けられた折り返し部は前記プーリに
形成された溝に係合し、該U字状板バネの両側部は前記
ボスに設けられた凹部に係合するようになっている。前
記プーリと前記ボスとの間に過大な負荷トルクが発生す
ると、前記U字状板バネが弾性変形し前記溝から離脱し
て前記プーリと前記ボスとの動力伝達経路が遮断される
ようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記構成(動力伝達経
路上にある部材同士の係合を解除することで動力伝達を
強制的に遮断する構成)では、一度動力の伝達遮断が完
了した後にその状態を維持する手段が必要となる。前述
の公報に開示された構成では、前記ボスに設けられた係
止溝に、前記U字状板バネの一側部に設けられたインタ
ーロック爪が係止されることで動力伝達遮断状態が維持
されるようになっている。
【0004】しかしながら、前記公報に開示された動力
伝達機構では、複数の複雑な形状のU字状板バネが備え
られ、前記ボスには前記U字状板バネと同数の複雑な形
状の溝が形成されており、部品加工及び管理が困難な構
成であった。
【0005】本発明の目的は、伝達動力負荷(限界トル
ク)の大きさに基づいて動力伝達経路を遮断するととも
に、動力遮断状態を維持する機構が簡素な構成の動力伝
達機構を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、第1係合部を有する第
1回転体と、第2係合部を有する第2回転体と、前記第
1係合部と前記第2係合部とに係合することで前記両回
転体を動力伝達可能に連結する動力伝達部材とを備え、
前記動力伝達部材は、前記第1及び第2係合部に係合離
脱可能な少なくとも1つの結合片と、該結合片に連結形
成されるとともに前記両回転体の一方の外周に沿うよう
に配置される連結部とで略環状に形成され、前記連結部
は、前記両係合部に係合している状態の前記結合片を前
記両係合部のうちの一方との係合が解除される方向に付
勢するためのエネルギを蓄え、伝達動力負荷が所定値を
超えて前記結合片と前記両係合部との係合が解除された
後には該解除状態を保持することを要旨とする。
【0007】この発明によれば、両係合部に係合するこ
とで両回転体を動力伝達可能に連結する結合片は、他方
の係合部との係合が解除されると、連結部に蓄えられて
いたエネルギにより一方の係合部から強制的に離脱させ
られる。このような一方の係合部からの強制離脱を可能
にする動力伝達部材は、前記両回転体の動力遮断をより
確実なものにする。また、前記動力伝達部材は、前記エ
ネルギにより前記両係合部のうちの一方との係合が解除
された後、係合解除状態に保持されるため前記両回転体
の動力伝達経路が継続的に断たれる。
【0008】また、動力伝達部材は略環状に一体形成さ
れているため部品点数も少なく簡素な構成になるととも
に回転体に収めやすく(組立性がよい)、複数の結合片
を点在させた場合に比べ、係合解除後に分散することが
なく扱いやすいものになっている。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の動力伝達機構において、前記結合片は、前記連結部が
弾性変形した状態で前記両係合部に係合していることを
要旨とする。
【0010】この発明によれば、前記両係合部に係合し
ている状態の前記結合片を前記両係合部のうちの一方と
の係合が解除される方向に付勢するためのエネルギは、
前記結合片に連結形成された前記連結部の弾性変形によ
って得られる。したがって、前記エネルギを蓄えるため
の部材を特段に設ける必要がなく、さらに簡素な構成を
実現できる。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の動力伝達機構において、前記両回転体は同心に配置さ
れており、前記結合片は、前記連結部によって前記両回
転体の径方向に付勢されていることを要旨とする。
【0012】この発明によれば、前記結合片は、前記両
係合部のうちの少なくとも一方から、前記両回転体の径
方向に移動することで離脱する。この移動のために必要
なスペースは、前記両回転体の回転軸方向に確保される
ものではなく、当然に径方向に確保される。また、前記
離脱の瞬間や前記移動時に発生する力及び衝撃は、前記
回転軸方向には殆ど作用しない。したがって、動力伝達
機構が前記両回転体の回転軸方向に大型化することを防
ぐとともに、前記離脱時に発生する力が前記回転軸方向
に作用することを防ぐことができる。特に、前記動力伝
達機構を収容するための空間の前記回転軸方向の制限が
厳しい場合や、該動力伝達機構が直接組み付けられる機
器が前記回転軸方向の外力に対して不利な性質を持つも
のである場合などには有効である。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の動力伝達機構において、前記結合片は、前記連結部に
よって両回転体の中心から外側に向かって付勢されてい
ることを要旨とする。
【0014】この発明によれば、前記結合片の前記離脱
及び係合解除状態の保持のためには、前記連結部の付勢
力のみならず、該結合片に作用する遠心力をも利用する
ことができる。したがって、前記両回転体の動力遮断状
態をより確実に保持することができる。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の動力伝達機構において、前記両回転体の一方は他方よ
りも大径に形成され、前記両係合部に対する係合が解除
された前記結合片は、前記大径側の回転体の内周側に当
接することにより解除状態を保持するを要旨とする。
【0016】この発明によれば、前記結合片は、前記両
係合部との係合が解除されると、前記大径側の回転体の
内周側に、前記連結部によって押し付けられる。これに
より、前記結合片と前記両係合部との再係合の防止が、
前記結合片がフリーな状態である場合に比べてより確実
になる。更に、前記結合片や前記連結部が固定されて、
他部品に衝突することが防止される。
【0017】請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の
うちいずれか一項に記載の動力伝達機構において、前記
動力伝達部材は合成樹脂からなることを要旨とする。こ
の発明によれば、加工性が向上しコスト低減が可能にな
るとともに、軽量化が可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明を、車両空調装置に適用さ
れて冷媒ガスの圧縮を行なう圧縮機と、それを駆動する
車両エンジンとを動力伝達可能に連結する動力伝達装置
において具体化した一実施形態について説明する。
【0019】先ず、被動機器側の圧縮機Cについて説明
する。なお、図1では、図面左方を前方、右方を後方と
している。図1に示すように、フロントハウジング11
は、シリンダブロック12の前端部に接合固定されてい
る。リヤハウジング13は、シリンダブロック12の後
端部に接合固定されている。これらフロントハウジング
11、シリンダブロック12及びリヤハウジング13
が、圧縮機Cのハウジングを構成する。クランク室14
は、フロントハウジング11とシリンダブロック12と
により囲まれて区画形成されている。吸入室15及び吐
出室16は、シリンダブロック12とリヤハウジング1
3とにより囲まれてそれぞれ区画形成されている。
【0020】回転軸17は、クランク室14を挿通する
ようにしてフロントハウジング11とシリンダブロック
12との間で回転可能に架設支持されている。回転軸1
7の前端部は、フロントハウジング11の前壁を貫通し
て外部へ突出している。リップシールよりなる軸封装置
18は、回転軸17を封止する。そして、回転軸17
は、後述する動力伝達装置31を介して、外部駆動源側
の車両エンジンEgに、電磁クラッチ等のクラッチ機構
を介することなく直結されている。従って、回転軸17
は、車両エンジンEgの稼動時には、動力伝達装置31
を介して回転駆動される。
【0021】斜板19は、クランク室14において回転
軸17にヒンジ機構19Aを介して一体回転可能に連結
されている。シリンダボア20はシリンダブロック12
に貫設形成されている。片頭型のピストン21はシリン
ダボア20に収容されている。ピストン21は、シュー
22を介して斜板19の外周部に係留されている。回転
軸17の回転運動は、斜板19及びシュー22を介し
て、シリンダボア20でのピストン21の往復運動に変
換される。このピストン21の往復運動によって、吸入
室15からシリンダボア20への冷媒ガスの吸入、この
吸入冷媒ガスの圧縮、及び圧縮済み冷媒ガスのシリンダ
ボア20から吐出室16への吐出の圧縮サイクルが繰り
返される。
【0022】次に、動力伝達装置31について詳述す
る。図1及び図2(b)に示すように、フロントハウジ
ング11の前側外壁面には、回転軸17の前端部を囲む
ように支持筒部23が設けられている。支持筒部23の
外周面上には、アンギュラベアリング32を介して第1
回転体としてのプーリ33が回転可能に支持されてい
る。このプーリ33は、Vベルト等の動力伝達ベルト3
4を介して前記車両エンジンEgに作動連結される。
【0023】プーリ33は、アンギュラベアリング32
の外輪に取着される内側筒部35と、動力伝達ベルト3
4が掛装される外側リング状部36と、内側筒部35と
外側リング状部36とを連結するフランジ部37とを有
している。
【0024】また、回転軸17の前端部には、第2回転
体としてのハブ38がボルト39によって一体回転可能
に固定されている。ハブ38の外周には、外側リング状
部36の内周面に沿う外周面を有する外輪部40が後方
に向けて延設されている。外輪部40には、図2(a)
に示すように、第2係合部としての4箇所の溝部41が
90°毎に設けられている。各溝部41の両側面42,
43は互いに平行な平面からなっており、両側面42,
43のちょうど中間に位置するとともに両側面42,4
3に平行な仮想平面がハブ38の中心を通過するように
配置されている。なお、前方側から動力伝達装置31を
見たときの外側リング状部36の内周及び外輪部40の
外周は共に真円状であり、両円の中心は共に回転軸17
の回転中心に一致する。
【0025】プーリ33の外側リング状部36には、外
輪部40との間の空間に、第1係合部としての4個の動
力伝達バネ44が90°毎に設けられている。動力伝達
バネ44は、プーリ33の回転方向側(図2(a)では
時計回り方向側)の前端が外側リング状部36に固定さ
れた片持板バネであり、プーリ33の径方向にうねりを
持つように波状に形成されている。
【0026】動力伝達バネ44は、前記外側リング状部
36に固定された基端部45側が、外側リング状部36
側に対向するゴムダンパ収容部46を有するようにほぼ
円弧状に窪むように湾曲形成されている。更に、動力伝
達バネ44は、先端部47側が外側リング状部36側に
向けて突出する山部48を有するように、即ち、ハブ3
8側に対向する凹部49を有するようにほぼ円弧状に湾
曲形成されている。プーリ33の中心から外側へ向けて
先端部47を力点として荷重を与えたとき、動力伝達バ
ネ44には、先ず、基端部45を支点とした弾性変形が
主に生じるようになっている。この弾性変形によって山
部48が外側リング状部36の内周面に当接した後、こ
の弾性変形に加えて、前記荷重の継続付与によって、前
記当接点を支点とした、この当接点よりも先端部47側
の部分での弾性変形が生じるようになっている(図6参
照)。なお、前記力点を先端部47としたが、前記当接
点と先端部47との間の部分であればどの箇所を力点と
しても同様の弾性変形を発生させることができる。
【0027】また、動力伝達バネ44は、凹部49を形
成する曲面の曲率が、前記当接点から先端部47までの
範囲内で、前記当接点側(即ち基端部45側)に比べて
先端部47側の方が大きくなるように設定されている。
【0028】ゴムダンパ収容部46には、動力伝達バネ
44と外側リング状部36とに挟まれるようにゴムダン
パ50が収められている。ゴムダンパ50は、動力伝達
バネ44と外側リング状部36との両方に当接してい
る。
【0029】各動力伝達バネ44とハブ38との間に
は、合成樹脂製の環状の動力伝達部材59が配設されて
いる。動力伝達部材59は、複数(この実施形態では4
個)の結合片51と、連結部としての複数(この実施形
態では4個)の再係合防止バネ58とが交互に連結され
て一体形成されている。結合片51は、ほぼ立方体形状
を呈しており、動力伝達バネ44に対向する頂部として
の頂面52側は凹部49内に、反対側のハブ38の中心
部に対向する底面53側は溝部41内に収められるよう
になっている。再係合防止バネ58は、板バネ状に形成
され、各結合片51間の側面54と側面55とを連結す
るように結合片51と一体形成されている。
【0030】頂面52は、外側リング状部36の内周面
に等しい曲率の直円柱の一部であり、外側リング状部3
6の周方向における該頂面52の中心部が両端部よりも
外側リング状部36側に膨らむように形成されている。
なお、頂面52の前記曲率は、凹部49を形成する曲面
のどの部分の曲率よりも小さい。底面53は、外輪部4
0の内周面に等しい曲率の直円柱の一部であり、外輪部
40の周方向における該底面53の中心部が両端部より
も頂面52側に凹むように形成されている。なお、結合
片51が溝部41に収められた状態(係合状態)では、
結合片51に設けられた後述する再係合防止バネ58の
基端部が外輪部40に当接してハブ38の中心側への結
合片51の移動を規制するようになっており、このと
き、底面53は外輪部40の内周面からハブ38の中心
側に突出しないように形成されている。また、頂面52
と底面53との最大間隔、即ち、ハブ38の径方向にお
ける結合片51の最大外形寸法は、外側リング状部36
の内周面と外輪部40の外周面との間隔よりも小さく設
定されている。
【0031】結合片51の両側面54,55は、結合片
51がハブ38に係合した状態で溝部41の両側面4
2,43に平行になるように形成されるとともに両側面
42,43と同間隔に設定された平面からなっている。
つまり、結合片51は、溝部41との間にハブ38の周
方向の隙間がない状態で、ハブ38に該ハブ38の径方
向に係脱可能に係合している。
【0032】両側面54,55と頂面52の両端部との
間には、コーナー部56,57が形成されている。コー
ナー部56,57は、凹部49を形成する曲面のどの部
分よりも曲率の大きい直円柱の一部からなっている。つ
まり、プーリ33とハブ38との間に伝達動力負荷が全
くない中立状態では、両コーナー部56,57が共に凹
部49に当接した状態で動力伝達バネ44と結合片51
とが係合するようになっている。また、結合片51が凹
部49に収まった状態では、頂面52は動力伝達バネ4
4に当接せず、頂面52と動力伝達バネ44との間には
隙間が形成される。つまり、結合片51には、頂面52
と両コーナー部56,57とで凸部が形成され、凹部4
9を形成する曲面には、頂面52は当接せず、両コーナ
ー部56,57が当接するようになっている。
【0033】プーリ33とハブ38との間に伝達動力負
荷が発生してプーリ33とハブ38とが相対回転した場
合、この相対回転が所定角度範囲内のとき結合片51が
凹部49を形成する曲面上を摺動して、結合片51と凹
部49とが互いに係合したまま相対移動できるようにな
っている。つまり、凹部49を形成する曲面は、前記所
定角度範囲内での結合片51と動力伝達バネ44との摺
動面になっている。両回転体の間に伝達動力負荷が発生
している状態では、結合片51がプーリ33の周方向に
相対移動することにより結合片51の両コーナー部5
6,57のうちのいずれか一方のみが前記摺動面に当接
して動力伝達バネ44を押圧するようになっている。前
記摺動面の結合片51との当接箇所はプーリ33の周方
向に対して傾斜しているため、結合片51は動力伝達バ
ネ44をプーリ33の中心から外側へ押し出して弾性変
形させるようになっている。
【0034】上述のように、結合片51がハブ38の溝
部41とプーリ33の動力伝達バネ44とに係合するこ
とで、両回転体(プーリ33及びハブ38)は動力伝達
可能に、かつ、相対回転可能に連結されている。
【0035】図3には、再係合防止バネ58が自然状態
にある動力伝達部材59が図示されている。自然状態で
は、再係合防止バネ58はほぼ円弧状になっている。こ
の状態から、動力伝達部材59を動力伝達バネ44及び
ハブ38に係合させる場合には、図2(a)に示すよう
に、再係合防止バネ58の弾性力に抗して各結合片51
がハブ38の中心側に押し込まれるため、再係合防止バ
ネ58は外側に膨らむように弾性変形する。このとき再
係合防止バネ58が自然状態に戻ろうとする弾性エネル
ギは、各結合片51をハブ38の中心から外側に向けて
径方向に、即ち、ハブ38に対する係合を解除する方向
に付勢するためのエネルギとして再係合防止バネ58に
蓄積される。但し、この付勢力は、動力伝達バネ44が
結合片51に対してハブ38の中心側に向けて付加して
いる弾性力に比べて小さくなるように設定されている。
再係合防止バネ58の前記付勢力と動力伝達バネ44の
前記弾性力との差は、結合片51をハブ38の中心に向
けて押さえつける力として働く。この力と、再係合防止
バネ58基端部(再係合防止バネ58と結合片51との
連結部分)と外輪部40との当接部分に生じる反力とが
釣り合って、結合片51とハブ38との係合状態が保た
れる。
【0036】図7には、両回転体(プーリ33及びハブ
38)との係合が解除された状態の動力伝達部材59が
図示されている。該係合解除状態では、再係合防止バネ
58の弾性力によって、結合片51の頂面52が外側リ
ング状部36の内周面に密着当接するようになってい
る。つまり、再係合防止バネ58は結合片51をプーリ
33に一体化させる。このとき、再係合防止バネ58に
は、結合片51を外側リング状部36に押さえつけ得る
だけのエネルギが残されている。また、底面53とハブ
38の外輪部40の外周面との間に隙間ができ、結合片
51がハブ38に接触しないようになっている。したが
って、再係合防止バネ58は、結合片51と両回転体と
の係合解除(離脱)状態を保持するようになっている。
【0037】次に、前記のように構成された動力伝達機
構の作用を説明する。車両エンジンEgの動力は、動力
伝達ベルト34を介してプーリ33に伝達される。そし
て、プーリ33に伝達された動力は、外側リング状部3
6に固定された動力伝達バネ44を介して結合片51に
伝達されると、ハブ38を介して回転軸17に伝えられ
る。これらの動力伝達により、駆動源側のプーリ33と
被動機器側のハブ38との間に伝達動力負荷が生じる。
この伝達動力負荷は、動力伝達バネ44と結合片51と
の相対移動によるプーリ33とハブ38との相対回転を
発生させる。
【0038】図4に示すように、プーリ33が時計回り
方向に回転した場合、前記伝達動力負荷によりハブ38
は結合片51とともに反時計回り方向に相対回転する。
すると、プーリ33の周方向への結合片51の相対移動
が、コーナー部56と凹部49の摺動面との摺動によ
り、動力伝達バネ44の基端部45を支点としたプーリ
33の径方向への弾性変形に変換される。このとき、前
記伝達動力負荷が生じていない中立状態で結合片51が
凹部49内に収まっていたときに凹部49の摺動面に当
接していたコーナー部57は該摺動面から離間し、コー
ナー部56が該摺動面に当接した状態となる。通常の伝
達動力負荷量下では、この状態で動力伝達が行われる。
【0039】また、プーリ33とハブ38との相対回転
角度が大きくなるほどコーナー部56と前記摺動面との
当接点は先端部47側に移動する。前記摺動面のプーリ
33に対する傾斜角度は、前記当接点側(即ち基端部4
5側)に比べて先端部47側の方が大きくなるように設
定されているため、該当接点が先端部47側に移動する
ほど、該当接点の単位移動量に対する前記弾性変形量
(ここでは、基端部45を支点とした先端部47の移動
量)は増加する。
【0040】圧縮機Cの異常などにより、前記伝達動力
負荷が増加してプーリ33とハブ38との相対回転角度
が増すと、動力伝達バネ44の先端部47側が基端部4
5を支点としてさらにプーリ33の径方向に弾性変形さ
せられて、山部48が外側リング状部36の内周面に当
接するまでに至る(図5参照)。
【0041】そして、基端部45を支点としたこれまで
の弾性変形を第1の弾性変形とすると、さらに前記伝達
動力負荷が増加した場合、この第1の弾性変形に加え、
山部48と外側リング状部36の内周面との当接点を支
点とした第2の弾性変形が発生する。この第2の弾性変
形は、山部48と外側リング状部36との前記当接点よ
りも先端部47側において、結合片51と凹部49の摺
動面との当接点が力点となって引き起こされる弾性変形
である。つまり、該力点と前記支点(山部48と外側リ
ング状部36との当接点)との間隔は、前記第1の弾性
変形のそれに比較して充分に短い。したがって、この第
2の弾性変形が始まると、動力伝達バネ44の結合片5
1に対する押圧力は急上昇し、プーリ33とハブ38と
の相対回転角度がさらに増加しにくくなる。
【0042】第1及び第2の弾性変形による前記押圧力
に抗して、プーリ33とハブ38との相対回転角度が増
加し続けると、図6に示すように、コーナー部56が凹
部49の摺動面を乗り越え、先端部47と頂面52とが
当接して摺動を始める。そして、さらなる前記相対回転
角度の増加により、結合片51が前記摺動面を乗り越
え、遂には、結合片51と動力伝達バネ44との係合が
解除される。
【0043】図7に示すように、前記係合が解除された
結合片51は、再係合防止バネ58の付勢力によってハ
ブ38の中心から外側に向けて径方向に移動させられ
る。そして、結合片51がハブ38の溝部41から離脱
して、結合片51とハブ38との係合が解除される。前
記付勢力によって結合片51は外側リング状部36の内
周面に当接し、プーリ33に一体化されて回転する。再
係合防止バネ58によってプーリ33に押さえつけられ
た結合片51とハブ38との間には隙間が確保されるた
め、プーリ33の回転はハブ38には伝えられず、プー
リ33とハブ38との動力伝達経路が遮断される。
【0044】また、実際に圧縮機Cを駆動する際には、
圧縮機Cの圧縮反力の増減や、車両エンジンEgの駆動
軸の脈動により、プーリ33とハブ38との間には、常
に伝達動力負荷の変動(トルク変動)が発生する。この
ような状況下では、ハブ38が、プーリ33に対して、
時計回り方向と反時計回り方向との相対回転運動を交互
に繰り返す現象が起きる。
【0045】図4に示されるような、前記第1の弾性変
形のみが生じている状態では、この現象によって、該弾
性変形の力点が凹部49の摺動面上でプーリ33の周方
向に繰り返し往復移動するため、該力点と支点(ここで
は基端部45)との距離が常に変化する。片持板バネで
ある動力伝達バネ44は、この距離の変化により、弾性
係数が常に変化していることになる。この弾性係数の継
続的変化は、プーリ33とハブ38との共振を抑さえ
る。
【0046】また、図5に示されるような、前記第1及
び第2の弾性変形が生じている状態においても、力点
と、支点である山部48と外側リング状部36との当接
点との距離が常に変化するため、弾性係数が継続的に変
化して前記共振が抑えられる。つまり、結合片51と動
力伝達バネ44とが係合してプーリ33とハブ38とが
動力伝達状態にあるとき、プーリ33とハブ38との共
振が抑止される。
【0047】また、結合片51と凹部49との当接点の
前記繰り返し往復移動は、両者間に摺動摩擦抵抗を発生
させる。この摩擦抵抗は、プーリ33とハブ38との相
対振動を減衰させ、前記伝達動力負荷の変動幅を減少さ
せる。更に、ゴムダンパ50が動力伝達バネ44の基端
部45を支点とした振動を吸収するため、プーリ33と
ハブ38との相対振動が減衰させられ、前記伝達動力負
荷の変動幅が減少する。
【0048】本実施形態では、以下のような効果を得る
ことができる。 (1) プーリ33とハブ38との間の伝達動力負荷が
所定値を超えたとき、プーリ33とハブ38との動力伝
達経路が遮断されるため、過大な伝達動力負荷から車両
エンジンEgを守ることができる。
【0049】(2) 結合片51がプーリ33とハブ3
8との両方から離脱するため動力伝達経路の遮断を確実
にすることができる。 (3) プーリ33側の動力伝達バネ44から離脱した
結合片51が再係合防止バネ58の付勢力によってハブ
38から強制的に離脱させられるため、より確実に動力
伝達経路を遮断することができる。
【0050】(4) 結合片51は再係合防止バネ58
に連結されて一体の部材(動力伝達部材59)を構成し
ている。これにより、組立時や、プーリ33及びハブ3
8からの離脱後にも結合片51が分散せず取り扱いやす
くなる。
【0051】(5) 再係合防止バネ58は結合片51
と連結することで閉じた環状の部材(動力伝達部材5
9)を形成している。これにより、閉じていない部材を
形成した場合に比較して、結合片51に対する付勢力を
増強することができる。従って、同じ材質で形成した場
合、再係合防止バネ58の軽量化が可能になる。
【0052】(6) ハブ38と結合片51との係合の
解除は、結合片51がハブ38の径方向に移動して離脱
することにより行われる。したがって、回転軸17の軸
方向に結合片51が離脱可能になるように結合片51の
移動やこの移動のための必要部材の収容のためのスペー
スを前記軸方向に確保する必要がないため、プーリ33
及びハブ38の前記軸方向への大型化を防止できる。圧
縮機Cが収容される車両エンジンルーム内などでは、回
転軸17の径方向よりも比較的前記軸方向の収容スペー
スの制限度合いが大きいため、有用である。また、結合
片51の前記径方向への離脱は、回転軸17の軸方向へ
の反力の発生を伴わないものであるため、圧縮機Cに有
害な前記軸方向への外力の発生を抑えることができる。
【0053】(7) 結合片51は再係合防止バネ58
によってハブ38の中心から外側に向かって付勢され
る。つまり、結合片51はハブ38からの離脱時に、回
転するハブ38の遠心力によっても加勢される。したが
って、より確実な前記離脱が可能になるとともに、プー
リ33とハブ38との係合解除状態のより確実な保持が
可能になる。
【0054】(8) 再係合防止バネ58が結合片51
をプーリ33に一体化し、その状態を保持して結合片5
1の動力伝達バネ44及びハブ38への再係合を防止す
るため、より確実に動力伝達経路の遮断状態を維持する
ことができる。更に、動力伝達バネ44及びハブ38か
ら離脱した結合片51が外側リング状部36とハブ38
との間の空間で暴れることを防止するので、異常音や部
品破損を抑えることができる。また、結合片51の頂面
52が外側リング状部36の内周面に面接触してプーリ
33に一体化するため、結合片51は安定した一体化状
態を保つことができる。
【0055】(9) 結合片51のハブ38からの前記
強制離脱と、結合片51のプーリ33への前記一体化と
が、再係合防止バネ58の兼用によって実現されてい
る。つまり、部品点数の削減及び構造の単純化が可能に
なる。
【0056】(10) 動力伝達部材59は合成樹脂か
らなる一体形成部材であるため、加工性が向上しコスト
低減が可能になるとともに、軽量化が可能になる。この
軽量化により、プーリ33及びハブ38に係合している
状態での動力伝達バネ44に対する遠心力の影響を軽減
し、前記係合が解除される瞬間の伝達動力負荷値の、プ
ーリ33の回転速度の変化によるバラツキを抑えること
ができる。また、動力伝達バネ44の表面硬度が結合片
51のそれよりも高い(硬い)場合には、結合片51の
ほうが摩耗するため、摩耗した部品の交換が必要なとき
は、その交換作業がしやすい。
【0057】(11) 再係合防止バネ58は板バネ状
であるため、形状の自由度が増し、設計が容易になり、
開発コストを低減することができる。また、同時に合成
樹脂製であることから、射出成型などによる量産化が容
易になるとともに軽量化にも貢献する。
【0058】(12) ハブ38と係合状態にあると
き、結合片51の底面53は外輪部40の内周面からハ
ブ38の中心側に突出しない。したがって、ハブ38の
小型化によるプーリ33の小型化が可能になる。
【0059】(13) プーリ33とハブ38との動力
伝達経路の遮断が行われる際の伝達動力負荷の大きさ
は、動力伝達バネ44や動力伝達部材59の形状を変更
することで比較的容易に調整可能である。したがって、
開発コストを抑えることができる。動力伝達バネ44の
前記形状変更点としては、例えば、プーリ33の径方向
についての凹部49の摺動面の寸法(摺動面高さ)、回
転軸17の回転軸方向についての動力伝達バネ44の寸
法(バネ幅)、バネ材の厚さ等があげられる。動力伝達
部材59の前記形状変更点としては、例えば、プーリ3
3の径方向についての結合片51の外寸(結合片高
さ)、回転軸17の回転軸方向についての再係合防止バ
ネ58の寸法(バネ幅)、再係合防止バネ58のバネ厚
さ等があげられる。
【0060】(14) 結合片51が係合当接する凹部
49の摺動面は、一端がプーリ33に固定された板バネ
である動力伝達バネ44そのものを湾曲形成したもので
ある。つまり、前記摺動面の設けられた部材と、この部
材に弾性力を与える弾性部材とが共通部材によって形成
されているため、部品点数の削減及び構造の単純化が可
能になる。
【0061】(15) 互いに係合した状態で相対移動
可能な結合片51と動力伝達バネ44との摩擦により、
プーリ33に伝えられるハブ38からの伝達動力負荷の
変動幅を減少させることができる。したがって、不快な
振動を軽減することができると共に、共振による騒音や
圧縮機Cのダメージを軽減することができる。
【0062】(16) ゴムダンパ50によっても(1
5)に記載の効果と同様の効果を得ることができる。
(17) 動力伝達バネ44は、該動力伝達バネ44と
結合片51との当接点が移動することで弾性係数が変化
するため、プーリ33とハブ38との共振を抑えること
ができる。
【0063】(18) 動力伝達バネ44は、プーリ3
3の周方向に対して傾斜した凹部49の摺動面を有し、
プーリ33とハブ38との相対回転角度が増加して結合
片51と該摺動面との当接点が先端部47に近づくほ
ど、プーリ33とハブ38との相対回転負荷が大きくな
る。そのため、プーリ33とハブ38との動力伝達経路
の遮断が行われる際の伝達動力負荷の値のバラツキによ
って、運転に支障のない程度の比較的低い伝達動力負荷
状態で前記遮断が行われることを防止できる。また、前
記摺動面は、ほぼ円弧状に湾曲形成されているため、前
記当接点が先端部47に近づくほど、前記相対回転負荷
の上昇率(前記相対回転角度当たりの前記相対回転負荷
の増加量)が徐々に上がるとともにその上昇はスムーズ
なものである。よって、更に効果的に前記比較的低い伝
達動力負荷状態での遮断を防止できるとともに、前記遮
断に至るまでのショックを和らげることができる。
【0064】(19) 凹部49の摺動面は、その先端
部47側の断面が基端部45側よりも曲率の大きい曲面
形状を呈するため、更に効果的に前記比較的低い伝達動
力負荷状態での遮断を防止できる。
【0065】(20) プーリ33とハブ38との間の
伝達動力負荷に基づき、結合片51が凹部49の摺動面
を乗り越え先端部47を超えたとき、結合片51と動力
伝達バネ44との係合が解除される。つまり、結合片5
1は前記摺動面上を移動する途中では動力伝達バネ44
から離脱しない。したがって、プーリ33とハブ38と
の動力伝達経路の遮断が行われる際の伝達動力負荷の値
がより安定する。
【0066】(21) 結合片51と凹部49との係合
状態では、頂面52が動力伝達バネ44に接触すること
なく、両コーナー部56,57のうちの少なくとも一方
が動力伝達バネ44に接触する。つまり、この係合状態
での結合片51と動力伝達バネ44との摩擦によって結
合片51が摩耗しても、頂面52は摩耗しないため結合
片51が動力伝達バネ44を超えて係合離脱するための
動力伝達バネ44の弾性変形量は変わらない。したがっ
て、プーリ33とハブ38との動力伝達経路の遮断が行
われる際の伝達動力負荷の値は変わらず安定し、耐用時
間を延ばすとともにメンテナンスなどの手間を減らすこ
とができる。
【0067】(22) 動力伝達バネ44は、結合片5
1に押圧されて山部48が外側リング状部36の内周面
に当接すると、弾性変形支点を、それまでの基端部45
から、前記山部48と外側リング状部36との当接点に
移す。つまり、動力伝達バネ44は、プーリ33とハブ
38との相対回転角度が所定値に達すると、弾性係数が
大きくなるように変化する。このため、プーリ33とハ
ブ38との伝達動力経路の遮断が、運転に支障のない程
度の比較的低い伝達動力負荷状態で行われることをより
確実に防止できる。
【0068】(23) 動力伝達バネ44が板バネで形
成されているため、(18),(19)及び(22)に
記載の作用及び効果を発揮するように構成することが容
易になる。
【0069】(24)結合片51と動力伝達バネ44と
の摩擦抵抗の大きさを変更することで、(15)に記載
の効果の程度を容易に調節することができる。したがっ
て、開発コストを抑えることができる。前記摩擦抵抗の
大きさの変更は、例えば、凹部49の摺動面にふっ素樹
脂等の低摩擦抵抗素材を貼付またはコーティングした
り、潤滑剤を塗布したり、動力伝達バネ44と結合片5
1とを面接触させてその面積を調節したり、動力伝達バ
ネ44と結合片51との圧接力を調節したりすることで
実現できる。また、結合片51にコロを設けて、このコ
ロと動力伝達バネ44とを接触させるようにしても前記
摩擦抵抗の大きさを変更できる。
【0070】実施の形態は前記に限定されるものではな
く、例えば、以下の様態でも実施できる。 ○ 前記実施形態では、ハブ38の外輪部40に溝部4
1が設けられ、結合片51がこの溝部41に係合するよ
うに構成したが、ハブ38側に設けた係合突起60を、
結合片51に形成した結合片凹部61に係合させてもよ
い(図8、図9参照)。これによれば、ハブ38に溝形
状部分を設ける必要がないため、比較的大きな力が掛か
るハブ38の構造を強度の高いものにすることができ
る。なお、係合突起60には、ハブ38の径方向に延び
た規制片60Aが設けられている。これにより、動力伝
達時に結合片51がハブ38の軸方向に大きく移動する
ことを防止することができる。また、図9に示すよう
に、結合片51とハブ38との係合が解除されると、結
合片51が動力伝達バネ44の取付部(図9では、取付
ネジ62近傍)に当接することで、該結合片51は安定
した状態でプーリ33側に固定される。この係合解除状
態では、動力伝達バネ44の先端が再係合防止バネ58
を押さえることで結合片51のプーリ33への保持力が
増大するように構成されている。
【0071】○ 前記実施形態では、4個の結合片51
が設けられたが、個数は限定されず、例えば、2個でも
1個でもよい。図10に示すように、1個のときは、再
係合防止バネ58が外側リング状部36に当接して結合
片51に付勢力を与える。この結合片51の個数を変更
することで、プーリ33からハブ38に伝達可能な動力
量を調整することが可能である。また、前記個数が減少
すれば、当然、動力伝達バネ44やゴムダンパ50の個
数も減らすことができるため、組立性の向上やコストダ
ウンが可能になる。
【0072】○ 前記実施形態では、動力伝達部材59
の結合片51に凸部を形成し、この凸部をプーリ33側
の動力伝達バネ44に係合させたが、動力伝達部材59
側に動力伝達バネ44を設けて、この動力伝達バネ44
を、プーリ33側に設けた係合突起63に係合させても
よい(図11参照)。図11に示す構成では、再係合防
止バネ58及びハブ38にそれぞれハブ38の回転軸に
沿って延びる断面矩形状の多数の歯部64,65を設け
て互いに係合させている。プーリ33とハブ38との相
対回転角度が増加して係合突起63と動力伝達バネ44
との係合が解除されると、両歯部64,65の係合が解
除される。
【0073】○ 動力伝達部材59に付勢されハブ38
との係合が解除された結合片51がプーリ33に当接し
ている状態では、再係合防止バネ58の弾性エネルギは
残されていなくてもよい。即ち、再係合防止バネ58は
結合片51をプーリ33に押し付けていなくてもよい。
また、結合片51とハブ38との係合が解除された状態
では、結合片51はプーリ33と一体回転していなくて
もよい。つまり、前記係合解除状態では、動力伝達部材
59は、プーリ33及びハブ38の何れにも一体化され
ずフリーな状態であってもよい。この状態でも、結合片
51が動力伝達バネ44及び溝部41から離脱していれ
ば、プーリ33とハブ38との動力伝達経路は遮断され
る。
【0074】○ 前記動力伝達部材は、前記両回転体の
中心に向かって付勢されてもよい。例えば、図12及び
図13に示すように、動力伝達部材としての動力伝達環
状バネ66が、第1及び第2回転体の径方向であって外
側から中心に向かって該動力伝達環状バネ66を付勢す
るエネルギを蓄える構成とする。図12は、動力伝達状
態を示す。第1回転体としてのハブ67は、90°毎に
中心から外側に向かって延設された台座部68を備えて
いる。台座部68の先端部には動力伝達環状バネ66と
の第1の係合部としての凹部69が設けられている。凹
部69は断面が略円弧状に形成されている。一方、第2
回転体としてのプーリ70には、その内周面に第2係合
部としての凹部71が90°毎に設けられている。動力
伝達環状バネ66は、自然状態から自身の弾性力に抗し
て、動力伝達環状バネ66に設けられた第1連結部72
を外側に押し出すことで、前記両回転体と係合可能にな
る。凹部69とは第1連結部72が、凹部71とは動力
伝達環状バネ66に設けられた第2連結部73が係合す
る。この状態で前記両回転体は動力伝達が可能になる。
また、第1連結部72は、その先端部が断面が凹部69
の曲率よりも大きな略円弧状に形成され、動力伝達時に
は、凹部69に対して摺動可能になっている。つまりダ
ンパ作用を行うようになっている。図13は、動力遮断
状態を示す。動力伝達状態において前記両回転体間に所
定値以上の伝達動力負荷が生じると、前記両回転体の相
対回転により、先ず、凹部69から第1連結部72が離
脱する。すると弾性エネルギを蓄えていた動力伝達環状
バネ66が中心に向かって収縮する。図13に示されて
いる動力伝達環状バネ66は、図12のそれと比較して
自然状態に近いものである。第1連結部72はより中心
に近い台座部68の基端部近傍に当接し、動力伝達環状
バネ66はハブ67に一体化する。動力伝達環状バネ6
6の前記収縮により、凹部71と第2連結部73との係
合が解除される。但し、動力伝達環状バネ66は前記両
凹部69,71との係合が解除されていれば、ハブ67
に一体化していなくてもよい。
【0075】○ 動力伝達部材59は、完全な環状に限
らず、図11に示すように、一部が切断されたほぼ環状
であってもよい。 ○ 結合片51と再係合防止バネ58とを合成樹脂で一
体形成する構成に限らず、結合片51及び再係合防止バ
ネ58の一方を金属製として他方を合成樹脂製とした
り、結合片51及び再係合防止バネ58を金属製として
もよい。
【0076】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜6に記
載の発明によれば、動力伝達機構において、伝達動力負
荷(限界トルク)の大きさに基づいて動力伝達経路を遮
断するとともに、動力遮断状態を維持する機構を簡素な
構成にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の動力伝達機構を備えた圧縮機の概
要を示す断面図。
【図2】(a)図1の動力伝達機構の正面図。(b)図
2(a)のb−b線断面図。
【図3】自然状態の動力伝達部材を示す概要図。
【図4】動力伝達機構の作用を示す部分拡大図。
【図5】動力伝達機構の作用を示す部分拡大図。
【図6】動力伝達機構の作用を示す部分拡大図。
【図7】結合片がハブから離脱した状態の動力伝達機構
の正面図。
【図8】別例の動力伝達機構を示す正面図(動力伝達が
可能な状態)。
【図9】同じく動力伝達経路が遮断された状態の正面
図。
【図10】別例の動力伝達機構を示す正面図。
【図11】別例の動力伝達機構を示す正面図。
【図12】別例の動力伝達機構を示す正面図。
【図13】同じく動力伝達経路が遮断された状態の正面
図。
【符号の説明】
33…第1回転体としてのプーリ、38…第2回転体と
してのハブ、41…第2係合部としての溝部、44…第
1係合部としての動力伝達バネ、51…結合片、58…
連結部としての再係合防止バネ、59…動力伝達部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 真広 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 梅村 聡 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 太田 雅樹 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 安谷屋 拓 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1係合部を有する第1回転体と、第2
    係合部を有する第2回転体と、前記第1係合部と前記第
    2係合部とに係合することで前記両回転体を動力伝達可
    能に連結する動力伝達部材とを備え、 前記動力伝達部材は、前記第1及び第2係合部に係合離
    脱可能な少なくとも1つの結合片と、該結合片に連結形
    成されるとともに前記両回転体の一方の外周に沿うよう
    に配置される連結部とで略環状に形成され、前記連結部
    は、前記両係合部に係合している状態の前記結合片を前
    記両係合部のうちの一方との係合が解除される方向に付
    勢するためのエネルギを蓄え、伝達動力負荷が所定値を
    超えて前記結合片と前記両係合部との係合が解除された
    後には該解除状態を保持する動力伝達機構。
  2. 【請求項2】 前記結合片は、前記連結部が弾性変形し
    た状態で前記両係合部に係合している請求項1に記載の
    動力伝達機構。
  3. 【請求項3】 前記両回転体は同心に配置されており、
    前記結合片は、前記連結部によって前記両回転体の径方
    向に付勢されている請求項2に記載の動力伝達機構。
  4. 【請求項4】 前記結合片は、前記連結部によって両回
    転体の中心から外側に向かって付勢されている請求項3
    に記載の動力伝達機構。
  5. 【請求項5】 前記両回転体の一方は他方よりも大径に
    形成され、前記両係合部に対する係合が解除された前記
    結合片は、前記大径側の回転体の内周側に当接するによ
    り解除状態を保持する請求項4に記載の動力伝達機構。
  6. 【請求項6】 前記動力伝達部材は合成樹脂からなる請
    求項1〜5のうちいずれか一項に記載の動力伝達機構。
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