JP2001276564A

JP2001276564A - ボイラの脱硝装置

Info

Publication number: JP2001276564A
Application number: JP2000092582A
Authority: JP
Inventors: Akira Wakasa; 暁若狭; Noboru Takubo; 昇田窪; Yukihiro Isshiki; 幸博一色; Koichi Masuda; 幸一増田; Nobuyuki Ishizaki; 信行石▲崎▼
Original assignee: Miura Co Ltd; Miura Institute of Research and Development Co Ltd
Current assignee: Miura Co Ltd; Miura Institute of Research and Development Co Ltd
Priority date: 2000-03-30
Filing date: 2000-03-30
Publication date: 2001-10-09
Also published as: CA2339456A1; US7223372B2; US20050106082A1; US20010051115A1

Abstract

(57)【要約】【課題】特別な保温手段や加温手段を不要にしたボイ
ラの脱硝装置を提供する。【解決手段】ボイラ１のガス通路５または煙道６にア
ンモニアの噴出ノズル７を設け、この噴出ノズル７と接
続したアンモニア生成手段８を前記煙道６内に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ＮＯｘを低減す
るためのボイラの脱硝装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、ボイラについても一層の低ＮＯｘ
化が要望されている。その対策の１つとして、ボイラに
脱硝装置を設け、排ガスへ還元剤としてのアンモニアを
供給してＮＯｘを低減する方法がとられている。このア
ンモニアは、尿素水を加熱して生成するようにしている
が、そのアンモニア生成手段からアンモニアの噴出ノズ
ルへ至る配管には、断熱材等の保温手段や電気ヒータ等
の加温手段が設けられている。これは、前記配管中を流
通する間にアンモニアの温度が低下すると、不要な中間
生成物が発生したり、結晶化により配管が詰まることが
あるためである。このような不具合は、特に前記配管の
長さが長い場合に生じやすい。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しよう
とする課題は、特別な保温手段や加温手段を不要にした
ボイラの脱硝装置を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するためになされたもので、請求項１に記載の発明
は、ボイラのガス通路または煙道にアンモニアの噴出ノ
ズルを設け、この噴出ノズルと接続したアンモニア生成
手段を前記煙道内に設けたことを特徴としている。

【０００５】

【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態に
ついて説明する。この発明は、ボイラ，たとえば多管式
ボイラの脱硝装置として好適に実施される。前記ボイラ
の缶体は、たとえば環状伝熱管列の内側に燃焼室を形成
し、前記環状伝熱管列の外側に燃焼ガスが流通する環状
のガス通路を設けた構成になっている。そして、このガ
ス通路の出口部に、アンモニアの噴出ノズルが設けられ
ており、燃焼ガス中へアンモニアを噴出させて、アンモ
ニアにより燃焼ガス中のＮＯｘを還元する構成になって
いる。

【０００６】また、前記ボイラには、前記ガス通路と連
通した状態で煙道が設けられており、この煙道内に前記
噴出ノズルと接続したアンモニア生成手段が設けられて
いる。前記アンモニア生成手段は、電気ヒータ等の加熱
手段と、尿素水が流通する流通路を備え、前記加熱手段
により前記流通路内の尿素水を加熱してアンモニアを発
生させるようになっている。また、前記流通路の一部
は、螺旋状に配置されており、この螺旋状部の内側に前
記加熱手段が設けられている。したがって、前記螺旋状
部を流通する尿素水は、内側から前記加熱手段により加
熱されるとともに、外側から前記煙道を流通する排ガス
により加温される構成になっている。ここで、前記アン
モニア生成手段へ尿素水を供給するにあたっては、空気
も合わせて供給するようにしており、この空気は、尿素
水およびアンモニアを運ぶとともに、前記噴出ノズルか
らアンモニアを噴出させる作用をなす。

【０００７】また、前記アンモニア生成手段と前記噴出
ノズルとは、アンモニア供給管で接続されており、この
アンモニア供給管も、前記煙道内に設けられている。し
たがって、前記アンモニア供給管中を流通するアンモニ
アは、外側から排ガスにより加温される構成になってい
る。

【０００８】さらに、前記煙道内において、前記アンモ
ニア生成手段の下流側には、脱硝触媒が設けられてい
る。この脱硝触媒は、ＮＯｘの還元反応を促進させる作
用をなす。したがって、前記ガス通路の出口部で混合さ
れたアンモニアと燃焼ガスは、前記脱硝触媒へ至り、前
記脱硝触媒により、ＮＯｘとアンモニアの反応が促進さ
れ、燃焼ガス中のＮＯｘが還元されて大幅に減少する。

【０００９】ところで、前記噴出ノズルは、前記ガス通
路の途中に設けることもできる。そうすることにより、
アンモニアを比較的高温の燃焼ガスと混合させて、ＮＯ
ｘとアンモニアの反応を促進させることができるととも
に、前記脱硝触媒までの混合距離を長くすることができ
る。また、前記噴出ノズルは、前記煙道内に設けること
もできる。そうすることにより、前記アンモニア供給管
の長さを短くすることができる。

【００１０】また、前記ボイラの缶体は、燃焼ガスが流
通する直線状のガス通路に複数本の伝熱管を配置し、こ
のガス通路の一端にバーナを設けるとともに、他端に前
記煙道を設けた構成とすることもできる。

【００１１】さらに、前記構成においては、尿素水を加
熱することによってアンモニアを発生させる構成とした
が、そのほかに、加熱などによって分解し、アンモニア
を発生するような化合物，たとえばシアヌル酸，メラミ
ン，ビウレットなども用いることができる。

【００１２】以上のように、前記構成によれば、特別な
保温手段や加温手段を不要とすることができる。すなわ
ち、排ガスの熱により、前記アンモニア供給管を所定の
温度に維持することができ、前記アンモニア供給管に特
別な保温手段や加温手段を設けない構成とすることがで
き、また前記アンモニア生成手段においても、排ガスの
熱により外側から加温されるので、特別な保温手段を設
けない構成とすることができる。さらに、前記アンモニ
ア供給管を非常に短くすることができるとともに、実施
に応じては、前記噴出ノズルを前記アンモニア生成手段
に直結して、前記アンモニア供給管を省略することがで
きる。

【００１３】

【実施例】以下、この発明の具体的実施例を図面に基づ
いて詳細に説明する。図１に、この発明の一実施例を示
すが、ボイラ１は、上部管寄せ（図示省略）および下部
管寄せ（図示省略）を備え、これら両管寄せ間に、複数
の伝熱管２，２，…が環状に配置されている。これらの
各伝熱管２は、環状伝熱管列を形成しており、前記各伝
熱管２の上端および下端は、前記上部管寄せおよび前記
下部管寄せにそれぞれ接続されている。そして、前記ボ
イラ１の上部には、バーナ３が取り付けられており、前
記環状伝熱管列の内側が燃焼室４となっている。また、
前記環状伝熱管列の外側には、環状のガス通路５が設け
られている。さらに、前記ボイラ１の側壁には、煙道６
が、前記ガス通路５と連通した状態で接続されている。

【００１４】また、前記ガス通路５の出口部には、複数
個のアンモニアの噴出ノズル７，７，…が設けられてい
る。図示した実施例においては、前記各噴出ノズル７
は、前記ガス通路５の上流側へ向かって、前記各伝熱管
４の軸方向に沿って５個配置してある。すなわち、前記
各噴出ノズル７は、アンモニアを前記ガス通路５におけ
る燃焼ガスの流通方向と対向する方向へ噴出するように
配置してある。

【００１５】また、前記煙道６内には、尿素水を加熱し
てアンモニアを生成するアンモニア生成手段８が設けら
れている。このアンモニア生成手段８は、前記煙道６の
頂壁に固定された状態で、前記煙道６内へ挿入されてい
る。また、前記各噴出ノズル７と前記アンモニア生成手
段８とが、アンモニア供給管９で接続されている。すな
わち、前記アンモニア生成手段８で生成されたアンモニ
アは、前記アンモニア供給管９を介して、前記各噴出ノ
ズル７へ供給されるようになっている。ここで、前記ア
ンモニア供給管９も、前記煙道６内に配置されている。

【００１６】さらに、前記煙道６内において、前記アン
モニア生成手段８の下流側には、脱硝触媒１０が設けら
れている。この脱硝触媒１０は、ＮＯｘとアンモニアの
反応を促進させる作用をなす。

【００１７】つぎに、前記アンモニア生成手段８の詳細
を図２に基づいて説明する。図２に示すように、筒状部
材１１の内側に、ネジ状部材１２が挿入され、螺旋状の
流通路１３が形成されている。すなわち、前記ネジ状部
材１２は、いわゆる台形ネジとなっており、その外周面
に、断面が台形状のネジ山が設けられており、このネジ
山の頂部が前記筒状部材１１の内周面に接触し、ネジ溝
が前記流通路１３となっている。また、前記ネジ状部材
１２の内側には、加熱手段としての電気ヒータ１４が設
けられており、尿素水が、前記流通路１３を流通する間
に、電気ヒータ１４により加熱，分解されて、ガス状の
アンモニアが連続的に生成されるようになっている。

【００１８】また、前記筒状部材１１の上端部には、第
一フランジ１５が設けられており、一方前記ネジ状部材
１２の上端部には、第二フランジ１６が設けられてい
る。したがって、前記筒状部材１１内に前記ネジ状部材
１２を挿入固定する際、前記両フランジ１５，１６をガ
スケット１７を介して重ね合わせ、ボルト，ナット等の
適宜の締結手段（図示省略）により締結する構成になっ
ている。

【００１９】また、前記第一フランジ１５には、尿素水
導入管１８が、前記流通路１３と連通した状態で接続さ
れている。この尿素水導入管１８の大径部には、尿素水
導入ノズル１９が同軸状に設けられている。そして、前
記尿素水導入管１８の上流側端部には、送風機２０が接
続されている。この送風機２０からの空気は、尿素水お
よびアンモニアを運ぶ作用をなすとともに、前記噴出ノ
ズル７からアンモニアを噴出させる作用をなす。また、
前記尿素水導入ノズル１９には、尿素水タンクおよび尿
素水供給ポンプ（ともに図示省略）が接続されている。
たとえば、前記尿素水導入ノズル１９からは、流量約１
０ミリリットル／分，濃度約２０％の尿素水が導入さ
れ、前記送風機２０からは、流量約３０リットル／分の
空気が供給されるようになっている。ここで、尿素水の
導入量は、前記ボイラ１におけるＮＯｘの発生量に応じ
て調整されるようになっている。

【００２０】また、前記筒状部材１１の側壁における下
端部には、前記アンモニア供給管９が、前記流通路１３
と連通した状態で接続されている。

【００２１】さらに、前記ネジ状部材１２には、その表
面温度を検出する温度センサ２１が設けられており、こ
の温度センサ２１および前記電気ヒータ１４は、電気配
線２２，２２を介して制御器２３に接続されている。し
たがって、前記温度センサ２１により前記ネジ状部材１
２の表面温度を検出して、前記ネジ状部材１２の表面温
度が約５００℃になるように、前記制御器２３により前
記電気ヒータ１４へ供給する電力量を制御するようにな
っている。

【００２２】以上のような構成において、その作用を説
明する。前記バーナ３を作動させると、前記燃焼室４内
には、燃焼反応中のガス，すなわち火炎状態の燃焼ガス
が発生する。この火炎状態の燃焼ガスは、前記燃焼室４
内で燃焼反応がほぼ完了し、前記ガス通路５へ流入す
る。そして、この燃焼ガスは、前記ガス通路５を流れた
後、排ガスとして前記煙道６を通って外部へ排出され
る。

【００２３】そして、前記バーナ３の作動中において、
前記アンモニア生成手段８を作動させると、アンモニア
が、前記アンモニア供給管９を介して前記各噴出ノズル
７から噴出する。前記各噴出ノズル７から噴出したアン
モニアは、前記ガス通路５の出口部において、燃焼ガス
と混合される。このとき、アンモニアは、燃焼ガスの流
通方向と対向する方向へ噴出するので、アンモニアと燃
焼ガスとの混合が促進される。そして、混合されたアン
モニアと燃焼ガスは、前記脱硝触媒１０へ至り、前記脱
硝触媒１０により、ＮＯｘとアンモニアとの反応が促進
され、燃焼ガス中のＮＯｘが還元されて大幅に減少す
る。

【００２４】ここにおいて、前記アンモニア生成手段８
は、前記煙道６内に設けられているので、前記バーナ３
の作動中、排ガス（約３００℃）の熱により外側から加
温される。したがって、前記アンモニア生成手段８の外
周に、断熱材等の特別な保温手段を設けない構成とする
ことができる。そして、前記流通路１３を流れる尿素水
は、外側から排ガスの熱を受けるので、前記電気ヒータ
１４の消費電力を節約することができる。

【００２５】また、前記アンモニア生成手段８が前記煙
道６内に設けられているので、前記アンモニア供給管９
の長さを非常に短くすることができる。そして、前記ア
ンモニア供給管９も、外側から排ガスの熱を受けて加温
されるので、前記アンモニア供給管９に断熱材等の特別
な保温手段や電気ヒータ等の特別の加温手段を設けない
構成とすることができる。また、前記アンモニア供給管
９において、不要な中間生成物の発生や結晶化による詰
まりを確実に防止することができる。

【００２６】さらに、前記アンモニア生成手段８におい
ては、前記筒状部材１１内に前記ネジ状部材１２を挿入
して固定するのみで前記流通路１３が形成されるので、
組立てが容易な構造になっている。また、前記流通路１
３内において、尿素水の結晶化により詰まりが生じて
も、前記ネジ状部材１２を引き抜いて外し、前記ネジ状
部材１２の外周面および前記筒状部材１１の内周面を極
めて容易に洗浄することができる。

【００２７】

【発明の効果】この発明によれば、ボイラの脱硝装置に
おいて、特別な保温手段や加温手段を不要とすることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す縦断面説明図であ
る。

【図２】図１におけるアンモニア生成手段の詳細を拡大
して示す縦断面説明図である。

【符号の説明】

１ボイラ５ガス通路６煙道７噴出ノズル８アンモニア生成手段

フロントページの続き (72)発明者一色幸博愛媛県松山市堀江町７番地株式会社三浦研究所内 (72)発明者増田幸一愛媛県松山市堀江町７番地株式会社三浦研究所内 (72)発明者石▲崎▼ 信行愛媛県松山市堀江町７番地三浦工業株式会社内Ｆターム(参考） 3K070 DA02 DA14 DA22 DA25 4D002 AA12 AC01 BA06 CA01 DA07 DA57 HA08 4D048 AA06 AB02 AC04 CA01 CC61 DA01 DA02 DA06

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ボイラ１のガス通路５または煙道６にア
ンモニアの噴出ノズル７を設け、この噴出ノズル７と接
続したアンモニア生成手段８を前記煙道６内に設けたこ
とを特徴とするボイラの脱硝装置。