JP2001272086A - 空気調和装置、空気調和方法 - Google Patents

空気調和装置、空気調和方法

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JP2001272086A
JP2001272086A JP2000091072A JP2000091072A JP2001272086A JP 2001272086 A JP2001272086 A JP 2001272086A JP 2000091072 A JP2000091072 A JP 2000091072A JP 2000091072 A JP2000091072 A JP 2000091072A JP 2001272086 A JP2001272086 A JP 2001272086A
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humidity
room
indoor
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So Nomoto
宗 野本
Fumio Matsuoka
文雄 松岡
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 空気調和装置と換気扇を同時に運転させる場
合、効果的な省エネルギ運転を可能とする。 【解決手段】 室外から室内に外気を導入する換気手段
と、換気手段から導入される外気の温度を検出する外気
温度検出手段と、換気手段から導入される外気の湿度を
検出する外気湿度検出手段と、空気調和手段へ室内から
吸込む空気の温度を検出する吸込み温度検出手段と、空
気調和手段へ室内から吸込む空気の湿度を検出する吸込
み湿度検出手段と、室内に循環する空気の温度を検出す
る室内温度検出手段と、室内に循環する空気の湿度を検
出する室内湿度検出手段よりなり、各検出手段の検出し
た温度および湿度により空気調和手段および換気手段を
制御する制御手段、を備え、室内空気の温度と湿度を目
標値である温度と湿度に接近させるようにするので、外
気を有効に活用して健康的な空気調和が、エネルギーの
少ない状態で得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空調装置の省エ
ネルギー運転の技術に関するもので、例えば室内の空調
に外気を積極的に導入して、外気の状態に応じて最適な
運転を行い、新鮮外気による健康と、外気の温度と湿度
を利用したエネルギー消費の低減を図る技術に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図32は例えば特開平8−145432
号に記載の従来の空気調和機の技術を示すものであり、
111は空気調和機であり、1は部屋2の天井に取り付
けられた室内ユニット1を有する。3はチューブの内部
を流れる冷媒と室内ファン5により送風されるチューブ
の外部を流れる空気との熱交換を行う室内熱交換器、1
00は室内ユニット1の内部へ直接空気を導入する換気
扇の換気ファン、7は室外ユニット8の内部に収納され
た室外熱交換器25と室内熱交換器3との間に冷媒を循
環させる冷媒配管、18は室外ユニット8の中に収納さ
れ室外温度を計測する外気温センサー、19は室内を循
環してきた空気を吸込む吸込みグリル35の近傍に設け
られ吸込み温度である室内空気温度を計測する室温セン
サー、21は床面とともに部屋を形成する壁面、34は
室内ユニット1から空気を吹出す吹出しグリル、110
はダクトダンパーにより開閉され室内ユニットへの換気
を行うダクトである。
【0003】図32の構成では天井埋め込み型空気調和
機の室内ユニット1が天井などに埋設してあり、この内
部には横流ファンなどの室内ファン5と熱交換器3が取
り付けられ、部屋2に面した部分に設けられた化粧パネ
ルの室内熱交換器3の上流側と下流側において吸込みグ
リル35と吹出しグリル34をそれぞれ開口している。
室内ファン5の回転により室内には循環風が形成され
る。室内熱交換器3の上流側通風路には換気ファン10
0が設けられたダクト110が屋外と連通可能に接続さ
れており、この換気ファンのオンオフ制御とこれに連動
して開閉するダクトダンパーにより外気を選択的に導入
している。
【0004】従来の天井埋め込み式の空気調和機の室内
ユニット1は、その内部に室温を検出する室温センサー
19と、マイコンなどの制御装置を内蔵した室内制御器
を取り付けてある。室内制御器では室温センサー19に
より検出された室温検出値と、あらかじめリモコンなど
の室温設定器により設定された室温設定値とをそれぞれ
読み込み、この室温検出値を室温設定値にするために必
要な運転周波数信号を室外ユニット8へ与えられる。室
外ユニット8の中では例えばマイクロプロセッサなどに
よりなる室外制御器にこの信号が与えられ、同様に内蔵
された圧縮機の運転がこの室外制御器により制御されて
行われ室外熱交換器25から冷媒が配管7を介して室内
熱交換器3へ送られる。また室内制御器はリモコンなど
により換気運転が選択されたときにオン信号を換気ファ
ン31とダクトダンパーに与えて動作させて新鮮な外気
を室内ユニット1の中に導入させている。
【0005】導入する外気の温度は外気温センサー18
により計測しており、この外気温センサー18の検出し
た外気温に応じて室温検出センサー19の検出した値を
補正する。空気調和機の暖房や冷房などの運転は検出し
た室温により行われるので外気により補正された室温を
使用することにより外気温度の変動に応じた運転が行え
る。この温度補正は室内送風量に室温検出値を乗じ、こ
れに外気導入量に外気温度の検出値を乗じたものを各風
量の合計で除したもの補正した温度としている。
【0006】一方、外気の温度と湿度、室内の温度と湿
度を計測して空調を行う従来の技術として特開昭60−
232445号公報のような技術が知られている。これ
はエアコンと換気扇をそれぞれ別個に設けておいて、ま
ず室内の温度が設定値より高いかで判断して、すなわち
室温制御が必要かを判断してエアコンを冷房運転する。
但し室内の温度が設定値より高い状態の場合、エアコン
で除湿運転させるか、あるいは、室内の絶対湿度が外気
の湿度より高ければエアコンは運転させずに換気扇を動
作させる。絶対湿度は入力された湿度センサーからの相
対湿度を検出された温度とともに空気線図上で換算して
絶対湿度を得ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、空気調
和例えば加熱加湿を行う場合、温度のみを上げようとす
る顕熱に対する処理と湿度のみを上げようとする潜熱に
対する処理が同時に行われる。これに付いては例えば上
記の文献養賢堂から昭和62年4月20日発行の著書、
冷凍および空気調和第17版210頁、に加熱加湿の前
と後の状態を線図上に示す図が顕熱潜熱とともに記載さ
れている。従って、換気の導入の制御が空気温度だけで
行われる場合、室内温度より外気温度が低いが室内湿度
よりも外気湿度が低い場合には、室内の湿度が上がって
しまい、その湿度を下げるために冷凍サイクルが室内の
水蒸気成分を減らそうとして空気調和機で無駄な仕事が
行われると言う問題を生ずる。叉温度と湿度を検出して
空気調和機と換気扇を個別に検出値に応じて制御する場
合、すなわち、温度は室内の温度と設定値との比較でエ
アコンで調整し、湿度は外部と内部を比較し湿度制御だ
けは換気扇で行うことは、新鮮な外気の取り入れに大幅
な制限を受けるとともに外気のエネルギーを効果的に生
かすことができずエアコンに無駄な動作をさせるという
問題があった。また、換気ファンの風量を固定したり、
絶対湿度だけの比較で運転するとすると冷凍サイクルの
運転にたいし、上記と同様に無駄な仕事が行われると言
う問題があった。さらに従来のごとく結果として生ずる
温度や湿度の個別の数字をフォローしていく制御では使
用機器が特定されたものだけにとどまり、他の種類の冷
熱温熱加湿徐湿等を調整する他の機器の制御とは全く関
係無くなり様々な特性を有する他の機器の影響を考慮で
きず、また、多くの部屋を同時に空気調和を行ったり、
さらに、エネルギー効率を考えて空気の質を改善するこ
とが出来ないと言う問題があった。
【0008】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので換気により新鮮な外気を導入しつ
つ快適な空気調和を行うものである。またこの発明はエ
ネルギー効率を考えて空気の質を向上する装置および方
法に関するものである。さらにまたこの発明は温度と湿
度を一体に制御する簡単な制御方法に関するものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るこの発明
は、室内に吸込み口と吹出し口を有し、送風機により室
内空気を前記吸込み口から吸込んで吹出し口から吹出し
て循環させる室内空気の温度および湿度を変化させて空
気調和を行う空気調和手段と、室外から室内に外気を導
入または室内から室外へ空気を排気する開口およびこの
開口を開閉する開閉手段または通風量を調整する通風調
整手段を有する換気手段と、換気手段から導入される外
気の温度を検出する外気温度検出手段と、換気手段から
導入される外気の湿度を検出する外気湿度検出手段と、
空気調和手段へ室内から吸込む空気の温度を検出する吸
込み温度検出手段と、空気調和手段の室内熱交換器温度
を検出する室内熱交換器温度検出手段及び室内に循環す
る空気の温度を検出する室内温度検出手段の少なくとも
どちらかと、外気温度検出手段、外気湿度検出手段、吸
込み温度検出手段、及び、室内熱交換器温度検出手段と
室内温度検出手段の少なくともいずれか、から検出した
温度および湿度により空気調和手段および換気手段を制
御する制御手段と、を備え、室内空気の温度を目標値で
ある温度に接近させるようにするものである。
【0010】請求項2に係るこの発明は、室内に吸込み
口と吹出し口を有し、送風機により室内空気を前記吸込
み口から吸込んで前記吹出し口から吹出して循環させる
室内空気の温度および湿度を変化させて空気調和を行う
空気調和手段と、室外から室内に外気を導入または室内
から室外へ空気を排気する開口およびこの開口を開閉す
る開閉手段または通風量を調整する通風調整手段を有す
る換気手段と、換気手段から導入される外気の温度を検
出する外気温度検出手段と、換気手段から導入される外
気の湿度を検出する外気湿度検出手段と、空気調和手段
へ室内から吸込む空気の温度を検出する吸込み温度検出
手段と、空気調和手段へ室内から吸込む空気の湿度を検
出する吸込み湿度検出手段と、室内に循環する空気の温
度を検出する室内温度検出手段と、室内に循環する空気
の湿度を検出する室内湿度検出手段と、外気温度検出手
段、外気湿度検出手段、吸込み温度検出手段、吸込み湿
度検出手段、室内温度検出手段、および室内湿度検出手
段の検出した温度および湿度により空気調和手段および
換気手段を制御する制御手段、を備え、室内空気の温度
と湿度を目標値である温度と湿度に接近させるようにす
るものである。
【0011】請求項3に係るこの発明の制御手段は検出
した各空気の温度と湿度を関連させながら、制御するも
のである。
【0012】請求項4に係るこの発明の、室内に循環す
る空気の温度を検出する室内温度検出手段と、および、
室内に循環する空気の湿度を検出する室内湿度検出手段
と、の少なくとも一方は、吹出し口近傍にて室内に循環
する空気の温度および湿度の少なくとも一方を検出する
ものである。
【0013】請求項5に係るこの発明の、室内にを循環
する空気の温度を検出する室内温度検出手段と、およ
び、室内にを循環する空気の湿度を検出する室内湿度検
出手段と、の少なくとも一方は、換気手段から導入され
る空気と吹出し口から吹出される空気との混合した空気
の温度および湿度の少なくとも一方を検出するものであ
る。
【0014】請求項6に係るこの発明の換気手段は、室
外から室内への換気および室内から室外への排気の両方
が可能な送風手段を備えているものである。
【0015】請求項7に係るこの発明の換気手段は、熱
交換可能な換気扇である。
【0016】請求項8に係るこの発明は、室内に吸入口
と吹出し口を有し、送風機により室内空気を吸入口から
吸込んで吹出し口から吹出させる空気調和装置にて室内
空気を循環させて室内の温度および湿度を変化させて空
気調和を行うステップと、室外から室内に外気を導入ま
たは室内から室外へ空気を排気する開口およびこの開口
を開閉する開閉手段またはこの開口を通風する通風量を
調整する通風調整手段とを有する換気手段にて室外と室
内間の換気を行うステップと、外気の温度と外気の湿度
と前記空気調和装置へ室内から吸込む空気の温度と、及
び、空気調和装置の室内熱交換器の温度または室内に循
環する空気の温度と、を検出するステップと、を備え、
検出した温度および湿度により空気調和手段および換気
手段を制御して、室内空気の温度および湿度を目標値で
ある温度および湿度に接近させるように、温度と湿度を
一体で変化させるものである。
【0017】請求項9に係るこの発明は、外気のエンタ
ルピと空気調和装置へ室内から吸込む空気のエンタルピ
を求め両方のエンタルピを比較するステップと、外気の
エンタルピが空気調和装置へ室内から吸込む空気のエン
タルピより低い場合は換気手段にて外気を室内に導入す
るとともに冷凍サイクルを所定の条件で運転させるステ
ップと、を備えたものである。
【0018】請求項10に係るこの発明は、室内に循環
する空気のエンタルピと空気調和装置へ室内から吸込む
空気のエンタルピを求め両方のエンタルピから室内負荷
を求めるステップと、この室内負荷と室内空気の温度と
湿度の目標値と空気調和装置へ室内から吸込む空気の温
度と湿度から、目標とする室内に循環する空気の温度と
湿度を求めるステップと、換気手段にて外気を室内に導
入するとともに冷凍サイクルを所定の条件で運転させる
ステップと、を備えたものである。
【0019】請求項11に係るこの発明は、室内に吸入
口有し、送風機により室内空気を前記吸入口から吸込ん
で空気調和を行う空調機の吸込んだ空気の温度と湿度を
検出するステップと、空調機の室内への吹出し口から吹
出させ室内に循環させる空気の温度と湿度を検出するス
テップと、室外から室内に外気を導入する外気の温度と
湿度を検出するステップと、室内空気の目標値である温
度と湿度を設定するステップと、室内空気の目標値を達
成させ、且つ、冷凍サイクルのエネルギーを小さくする
ため、室内熱交換器に直接吸込む室内空気と外気が混合
された空気の温湿度の目標値を設定するステップと、を
備えたものである。
【0020】請求項12に係るこの発明は、室内に吸入
口有し、送風機により室内空気を前記吸入口から吸込ん
で空気調和を行う空調機の吸込んだ空気の温度と湿度を
検出するステップと、空調機の室内への吹出し口から吹
出させ室内に循環させる空気の温度と湿度と風量を検出
するステップと、室外から室内に外気を導入する外気の
温度と湿度と風量を検出するステップと、室内空気の目
標値である温度と湿度を設定するステップと、室内空気
の目標値を達成させ、且つ、冷凍サイクルのエネルギー
を小さくするため、室内熱交換器から直接吹出す空気の
温湿度の目標値を設定するステップと、を備えたもので
ある。
【0021】請求項13に係るこの発明は、冷凍サイク
ルの蒸発温度を所定の値に設定してまたは、顕熱比を所
定の値に設定して、空気調和装置を運転させるステップ
と、を備えたものである。
【0022】請求項14に係るこの発明は、室内熱交換
器に直接吸込まれる空気の温湿度と室内熱交換器から直
接吹出される空気の温湿度の両者のエンタルピーの差が
小さくなるように冷凍サイクルを運転するものである。
【0023】請求項15に係るこの発明は、室内に吸入
口と吹出し口を有し、送風機により室内空気を吸入口か
ら吸込んで吹出し口から吹出して循環させる室内空気の
温度および湿度を変化させて室内熱交換器により空気調
和を行う空気調和手段と、室外から室内に外気を導入ま
たは室内から室外へ空気を排気する開口およびこの開口
を開閉する開閉手段またはこの開口を通風する通風量を
調整する通風調整手段を有する換気手段と、換気手段か
ら導入される外気の温度を検出する外気温度検出手段
と、換気手段から導入される外気の湿度を検出する外気
湿度検出手段と、空気調和手段へ室内から吸込まれる空
気の温度を検出する吸込み温度検出手段と、室内空気の
温度目標値を設定する室内吸い込み温度設定手段と、室
内空気の湿度目標値を設定する室内吸い込み湿度設定手
段と、外気及び吸い込み空気の温湿度からエンタルピを
演算するとともに演算されたエンタルピにより空気調和
手段および換気手段を制御する制御手段と、を備え、室
内空気の温度を目標値である温度に接近させるものであ
る。
【0024】請求項16に係るこの発明は、室内に吸入
口と吹出し口を有し、送風機の回転により室内空気を吸
入口から吸込んで吹出し口から吹出させ、室内の温度お
よび湿度を熱交換器の能力により変化させて冷房や暖房
などの運転を行う空気調和手段と、空気調和手段に接続
され、送風機の回転および前記熱交換器の能力を調整し
て室内の温度および湿度を目標値である温度および湿度
の少なくとも一つに接近させるように設定する目標値設
定手段と、目標値設定手段の設定する目標値を複数の帯
域からなるゾーンとし、空気調和手段の運転の状態に応
じて目標値の複数の帯域からゾーンの幅を選択可能とす
るものである。
【0025】請求項17に係るこの発明は、室内に吸入
口と吹出し口を有し、送風機の回転により室内空気を前
記吸入口から吸込んで吹出し口から吹出させ、室内の温
度および湿度を熱交換器の能力により変化させて冷房や
暖房などの運転を行う空気調和手段と、室内と室外の間
を通風可能な開口およびこの通風を行う換気ファンを有
し室内の換気を行う換気手段と、空気調和手段および換
気手段に接続され、送風機の回転および熱交換器の能力
および換気ファンの回転を調整して室内の温度および湿
度を目標値である温度および湿度に接近させるように制
御する制御手段と、を備え、空気調和手段または前記換
気手段からダクトを介して他の個所または他の部屋へ送
風可能にするとともに、送風手段および換気手段を制御
手段にて温度と湿度を一体に制御するものである。
【0026】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明の実
施の形態1による空気調和装置および空気調和方法につ
いて説明する。図1は本発明の実施の形態1に係る空気
調和装置を示す全体構成図であり、図2は、冷熱または
温熱を得るための既存のエネルギー効率の高い蒸気圧縮
式冷凍サイクルの構成の一例を示す冷媒回路図である。
本発明は、室内空気の温度または湿度を、目標値である
温度および湿度に接近するように空気調和を行って室内
空気を冷房または暖房する空気調和装置で、新鮮な室外
空気を導入しこれを効果的に利用して快適な室内空間が
得られるように空気調和を行うものである。特に、外気
を積極的に利用する際の空気調和装置の動作および制御
に際し、空気温度と共に空気湿度を考慮することを特徴
としている。この空気温度と空気湿度を関連させながら
制御する際の基本となるものは、一般によく知られてい
る湿り空気線図である。以下、この湿り空気線図につい
て簡単に記載する。図3は、文献(「冷凍および空気調
和」第17版、昭和62年4月20日、養賢堂発行)の
第199頁に記載されている湿り空気線図の骨子を示す
図である。湿り空気線図は一般の空気である湿り空気の
状態を示す図で、湿り空気のエンタルピiと絶対湿度x
を斜交軸にとり、温度などの関連するデータを、大気圧
が760mmHg一定としてまとめたものものである。
乾球温度を一定とすればiとxとは直線関係で表すこと
ができ、等温度線(t線)は直線となる。等エンタルピ
ー線(i線)がx線となす角度は、iとxとのメモリを
適当に選んでt=0℃の線がx線に直交するように定め
てある。絶対湿度と相対湿度の関係や、顕熱と潜熱の関
係、等も記載されている。なお横軸は温度を取り、縦軸
の絶対湿度とはほぼ直交する関係にある。曲線Hは飽和
線と称するもので、相対湿度が100%のときの絶対湿
度と温度を示している。この飽和線から右の領域では水
蒸気は過熱蒸気の状態にあり、空気の温度が下がって過
熱蒸気が冷却されると、飽和線にいたって凝縮をはじめ
ることが解る。このように湿り空気線図では湿り空気の
状態変化を簡単に知ることができるので、これに基づい
て実際に検知した外気状態と室内空気状態から、外気を
積極的に室内に導入して室内の空気調和に効果的に利用
する。
【0027】図1において、1は部屋の壁面に取り付け
られた空気調和装置の室内ユニット、2は空調の対象と
なる部屋で以下では室内と称する。また、3は室内熱交
換器、4は加熱手段、5は室内ファン、6は外気を室内
の例えば室内ユニット1内に導入する外気導入手段であ
り、例えば部屋の壁面に貫通された開口に取り付けら
れ、外気を吸入するファン31と外気導入口開閉機構と
してダンパ67を有する。室内ユニット1には室内熱交
換器3、加熱手段4、室内ファン5、外気導入手段6を
内蔵している。加熱手段4は、本実施の形態では例えば
ヒータであり、図1に示すように室内熱交換器3の出口
と室内ファン5の入口の間の空気流路に配設されてい
る。室内熱交換器3の下流側の空気流路に設けられたヒ
ータ4によって、室内熱交換器3で熱交換された空気の
温度が低すぎる場合にその空気を加熱する。また外気導
入手段6は、所定の時間間隔でダンパ67の開閉を行っ
たり、電気的にダンパ67の開度を段階的または連続的
に変えて調節したり、ファン31の回転数を変化させて
ファンの速度を変えることで、外気導入量を可変に調整
制御できる。
【0028】また、7は冷媒配管、8は室外ユニット
で、室外ユニット8で得た冷熱または温熱を冷媒配管7
で室内熱交換器3に輸送する。ここでは例えば冷媒配管
7、室外ユニット8、室内熱交換器3を含めて蒸気圧縮
式冷凍サイクルで構成している。
【0029】図2に示すように、室外ユニット8には、
圧縮機22、流路切換手段である四方弁23、室外熱交
換器25、室外ファン41、減圧手段である膨張弁26
などが格納され、室外ユニット8と室内熱交換器3は冷
媒配管7で接続されている。冷媒としては例えばHCF
C冷媒であるR22を冷媒配管内に循環させる。以下、
この蒸気圧縮式冷凍サイクルで室内熱交換器3において
室内の冷房を行う場合の冷媒流通の動作について説明す
る。室内を冷房する場合には室外熱交換器25を凝縮
器、室内熱交換器3を蒸発器として動作させ、四方弁2
3は実線のように接続する。圧縮機22で圧縮された高
圧ガス冷媒は、圧縮機71の吐出口から四方弁23を介
して室外熱交換器25へ流通し、ここで室外ファン41
で吹きつけられる外気に放熱する。そして冷媒は凝縮
し、高圧液冷媒となって室外熱交換器25から流出す
る。その後膨張弁26へ流通して断熱膨張され、低圧二
相冷媒となる。さらに低圧二相冷媒は冷媒配管7を循環
して室内熱交換器3へ流通し、ここで採熱して蒸発する
際に室内空気と熱交換することによって室内を冷房す
る。そして冷媒は、室内熱交換器3から低圧ガス冷媒と
なって流出した後、冷媒配管7を通って室外ユニット8
に流通し、四方弁23を介して圧縮機22の吸入口へと
戻る。このような動作によって室内熱交換器3では冷熱
が得られる。この室内熱交換器3での冷媒の蒸発温度と
室内空気の温度および湿度によって、室内空気の温度お
よび湿度変化量が決まるのであるが、空気調和装置それ
ぞれの構成や冷凍サイクルの能力によって、冷媒の蒸発
温度には実現し得る温度の許容範囲がある。一般的に空
気調和を行うための冷凍サイクルでは各機器の耐熱性や
露対策などから蒸発温度の下限を10℃程度とし、この
温度以上で信頼性のよい運転を行う。
【0030】また、室内熱交換器3によって室内の暖房
を行う場合の運転時の冷媒流通の動作について説明す
る。室内を暖房する場合には室外熱交換器25を蒸発
器、室内熱交換器3を凝縮器として動作させ、四方弁2
3は冷房運転での冷媒回路を切換えて点線のように接続
する。圧縮機22で圧縮された高圧ガス冷媒は、圧縮機
22の吐出口から四方弁23を介して冷媒配管7を通っ
て室内ユニット1の室内熱交換器3へ流通し、ここで放
熱して凝縮する際に室内空気と熱交換することによって
室内を暖房する。そして冷媒は、室内熱交換器3から高
圧液冷媒となって流出し、室外ユニット8の膨張弁26
で断熱膨張されて低圧二相冷媒となり室外熱交換器25
へ流入する。さらに冷媒は室外熱交換器25で室外ファ
ン41によって吹きつけられる外気から採熱して蒸発
し、低圧ガス冷媒となって流出した後、四方弁23を介
して圧縮機22の吸入口へと戻る。このような動作によ
って室内熱交換器3で温熱が得られる。
【0031】また、図1に示した空気調和装置には、外
気、室内空気の空気状態を検知する手段が設けられてい
る。9は吸込み温度検知手段である室内空気温度検知手
段、10は吸込み湿度検知手段である室内空気湿度検知
手段で、それぞれ例えば室内ユニット1での室内空気の
取込口に設けられており、室内2から室内ユニット1に
取込まれた室内空気であるリターン空気の温度を室内空
気温度検知手段9で検知し、室内2から室内ユニット1
に取込まれた室内空気であるリターン空気の湿度を室内
空気湿度検知手段10で検知する。11は外気温度検知
手段、12は外気湿度検知手段で、それぞれ例えば室外
で外気導入手段6への吸気口周辺に設けられており、外
気温度検知手段11で室内ユニット1に取込まれる外気
の温度を検知し、外気湿度検知手段12で室内ユニット
1に取込まれる外気の湿度を検知する。13は空調装置
から吹出され室内に循環する空気の温度を検知する吹出
し空気温度検知手段、14は同様に室内に循環する空気
の湿度を検知する吹出し空気湿度検知手段で、それぞれ
例えば室内ユニット1から室内への空気吹出口に設けら
れており、吹出し空気温度検知手段13で室内ユニット
1から室内2へ吹出す空気の温度を検知し、吹出し空気
湿度検知手段14で室内ユニット1から室内2へ吹出す
空気の湿度を検知する。また、室内熱交換器3の冷媒配
管に設けた室内熱交換器配管温度検知手段18によって
室内熱交換器温度、即ち冷媒の蒸発温度を計測してい
る。また、32は室内ユニット1内に設けた室内制御装
置である電子箱で、例えば1つまたは複数のマイクロプ
ロセッサが格納され、室内空調負荷検知手段と運転動作
設定手段と外気量制御手段と運転動作制御手段の動作を
行う。この動作については後で詳しく述べる。
【0032】図4は本発明の一実施例であるシステム系
統の冷媒の流れと空気の流れの関係を説明する図で、1
は室内2の壁面21に取り付けられた空気調和を行うエ
アコンの室内ユニットで、室内熱交換器3、加熱手段で
あるヒーター4、室内ファン5を内蔵している。32は
図示されていないリモコン装置の指令により運転開始や
停止、温度調整や設定値の変更などとともに室外制御装
置33との情報伝達他を行う室内制御装置である。34
は吹出しグリル、35は吸込みグリル、39は室内フィ
ルターである。6は壁面21に貫通された開口より外気
を取り入れる外気導入手段で、換気ファン31、室外フ
ィルター40、シャッター15より構成されている。8
は冷媒配管7により室内熱交換器3と接続されている室
外ユニットで、冷凍サイクルを構成する圧縮機22、四
方弁23、室外熱交換器25、膨張弁26、アキュムレ
ーター24、室外ファン41を内蔵している。33は冷
媒配管7の中を流れる冷媒16の物理状態を圧縮機2の
回転数、四方弁23の切り替え、室外ファン41の回転
数、膨張弁26の開度調整などを組み合わせて調整する
制御装置である。9は吸込み口温度検知手段、10は吸
込み口湿度検知手段、11は外気温度検知手段、12は
外気湿度検知手段、13は吹出し口温度検知手段、14
は吹出し口湿度検知手段である。
【0033】この構成において室外から外気である新鮮
外気量x*Voを室内ユニット1の吸気側に換気扇である外
気導入手段6の換気ファン31により取り入れている。
この外気量x*Voと室内を循環して室内ユニット1の室内
ファン5により吸込みグリル35に吸込まれるリターン
される空気であるリターンエアの室内リターンエア風量
VRが室内ユニット1の吸気された空気の量である。吸
気された空気は室内熱交換器3で冷却される。すなわち
冷凍サイクルの圧縮機22で圧縮された冷媒が室外熱交
換器25で凝縮して外部の空気で冷却され膨張弁26に
より圧力を下げられ室内熱交換器3により冷媒が蒸発し
て熱交換器のチューブを低温にする。この冷媒は再び圧
縮機に戻されると言う冷凍サイクルを循環する。蒸発器
である室内熱交換器はこれを通過する外気量x*Voと室内
リターンエア風量VRとを冷却することにより室内を冷
房することが出来る。なお冷凍サイクルに設けた四方弁
23を切り替えて室内を暖房にすることも可能である。
加熱手段4は暖房時など必要なときに動作させるもの
で、電気入力によるヒーターを示すが別の方式例えば冷
媒再熱により空気を加熱しても良い。室外フィルター4
0は外気を処理するフィルターで塵埃などの除去のみな
らず花粉やNOX等の有害なガスも除去できる。これによ
り新鮮な、かつ、清浄な外気を取り入れることが出来
る。室内フィルター39は室内からリターンする空気の
汚れを除去するもので、塵埃やウィルス、煙草の匂いな
ど、室内で発生する汚れを除去可能である。
【0034】なお図中に示すTo,Xo等のTやXの記号は図
に記載されているように温度や湿度を示すものである。
但し湿度は絶対湿度で表している。Qeは冷却と除湿を含
めた室内熱交換器の冷房能力、ETは蒸発器である室内熱
交換器のチューブの温度である蒸発温度である。温度の
計測は温度センサーで直接計測する構造を示している
が、特に室内温度と吹出し温度に付いてはいずれか一方
を直接計測し他方は冷房能力や風量すなわち回転数等か
ら演算して求める形でも良いことは当然である。湿度に
関しては湿度センサーで計測するが、この場合はたいて
い相対湿度を計測することになる。従って、相対湿度を
計測した値と温度とで絶対湿度に制御装置に設けたマイ
コンで換算する必要がある。また室内や吹出しの温度、
湿度を室内ユニットの内部に設けたセンサーで計測する
説明をしているが室内ユニットの外部でもその役割が果
たせる位置なら良いし、特に吹出し温度は室内に配置し
た別の温度計からデータを取ってもよい。
【0035】目標温度T*はゾーンとして設定する。但し
目標温度のゾーン幅は使用するマイコンの分解能力から
決まる±0.3−0.5゜C程度の領域を複数連続して
設けたゾーンとして、±1−3゜Cぐらいの幅とする。
すなわち一般に人の場合は外気温度が低くなると室内が
同じ温度でもより温度が低いと感じるので、目標温度帯
幅を切り替えられる様にする。あるいは目標値を広い幅
のゾーンとする。これは、女性は男性より同じ温度でも
低く感ずるし、年齢が高くなると同じ温度でも低く感ず
る。この温度差の感覚は場合によっては3゜Cぐらいの
差が存在するので、例えばこの目標温度帯に入ることで
直ちにエネルギーをあまり要しない温度を維持する動作
に圧縮機やファンなどの動作を切り替えることにより様
々な人に対し快適感を与えながら効率の良い運転を行う
ことが出来る。あるいは常に目標温度帯のうちでの高い
温度に到達してから温度を維持する動作に圧縮機などの
動作を切り替えることにより特に女性や老人などの多い
家庭内の空気調和に対し快適感を与える運転を行うこと
が出来る。このような温度帯幅を切り替えたり、温度帯
幅に到達したときに冷凍サイクルや室内ファンの動作を
切り替えることは、リモコンで設定を行う構成でも良い
し、室内および室外のいずれかまたは両方の制御装置に
設けたマイコンに記憶させ運転パターンや運転モードに
より切り替えさせる。
【0036】目標湿度X*も同様にゾーンとして設定す
る。但し目標湿度のゾーン幅は使用するセンサーなどの
精度から決まる範囲で区分けした複数の領域を連続させ
たゾーンとする。ここの例では相対湿度50−65%と
して設定する。すなわち季節により、例えば外気の湿度
が非常に高い梅雨時期などでは外部との差を極端に大き
くしなくとも快適に感じるので、目標ゾーンに到達した
ときに除湿動作を停止し効率の良い装置とすることが出
来る。なお後で詳細に説明するごとく冷房動作との関係
で温度と湿度を目標値にいれる運転の制御を一体で行う
ため相対湿度が65%に到達したからといって冷房動作
が停止しない場合はさらに湿度は低下する。さらにこの
湿度目標帯の幅を切り替えて使用するようにしても良
い。例えば室内で洗濯物を乾燥させるときや冬場の露点
対策などの時はさらに低い設定が出来るようにしたり、
あるいは幅を小さくしても良いことは当然である。この
ような湿度目標ゾーン幅を切り替えたり、湿度目標帯幅
に到達したときに冷凍サイクルや室内ファンの動作を切
り替えることは、リモコン他の設定や室内および室外の
いずれかまたは両方の制御装置に設けたマイコンに記憶
させた運転パターンで容易に実施できる。
【0037】なお湿度センサーとして絶対湿度信号を出
力する湿度センサーも存在するが一般には相対湿度を計
測する。有機高分子タイプ湿度センサーは雰囲気の湿分
が増加すると電離作用が容易と成り、可動イオン濃度が
増大する。従って電圧を加える事により可動イオンの動
きをインピーダンスの変化量として捉え湿度を検出す
る。セラミックスタイプの湿度センサーは水分子が表面
に化学吸着しこの表面状態の変化を捉える。サーミスタ
素子を湿度センサーとする場合は空気中の水蒸気の量に
対応して湿り空気の熱伝導度が変化し、それによって加
熱状態にあるサーミスタが冷却される度合いが変化しこ
れを利用して湿度を測定する。
【0038】図5は、本実施の形態による空気調和装置
に係わる室内熱交換器3付近の空気の流れを示す説明図
である。ここで、Tは温度[℃]、Xは絶対湿度[kg
/kg’]、Vは風量[m3 /h]を表している。外気
OA(温度TOA、湿度XOA、風量VOA)が室内ユニット
1の吸込み側に導入され、室内空気である吸い込み空気
のリターン空気RA(温度TRA、湿度XRA、風量VRA)
と混合されて混合空気KA(温度TKA、湿度XKA、風量
VRA+VOA)として室内熱交換器3に流入している。室
内熱交換器3には熱輸送手段である冷媒配管7を通る冷
媒によって、温熱または冷熱が輸送され、室内熱交換器
3内の冷媒配管の周囲を空気が流れる際に熱交換され
る。室内熱交換器3で蒸発温度ET[℃]の冷媒と熱交
換した混合された吸込み空気KAは、その温度または湿
度の少なくともどちらか一方が変化し、場合によっては
ヒータ4で加熱されてまたはそのままの温度で室内ユニ
ット1から吹出し空気SA(温度TSA、湿度XSA、風量
VRA+VOA)として室内に流出する。この吹出し空気S
Aは室内2を循環する間に室内負荷の顕熱SH[kca
l/h]、即ち温度を変化させるものと、潜熱LH[k
cal/h]、即ち絶対湿度を変化させるものとによっ
て、負荷を受けて再びリターン空気RAとなり、外気O
Aと混ざって室内熱交換器3に流入する。
【0039】即ち図5は外気を室内ユニットの吸気側に
導入する換気をエアコン内部に導入する構造でエアコン
の室内ユニットと換気扇を一体にした構造の空調装置に
おける温度と湿度を一体で制御して目標値に近づける制
御の内容を説明する図で、まず室内の温度と湿度である
吸込み口に吸込まれる温度と湿度に対する目標ゾーンと
して温度を26゜C±1゜C、湿度を50−65%とし、
梅雨の時期を想定して上限値は温度26゜C、湿度65%
に設定する。この設定は事前に季節カレンダーを記憶さ
せておいて制御装置内のタイマーで切り替えても良い
し、リモコンの設定で行っても良い。例えばこの制御装
置に記憶させたカレンダー機能と検出した外気温度によ
りマイコンにて既設の区分けを判断する。この1ポイン
トをねらう恒温恒湿制御を説明する。ヒーター4は冷や
しすぎが無い限り動作しておらず、湿度は相対湿度を換
算して絶対湿度で表す。室内から空調機へのリターンエ
アRAの温度TRAと湿度XRA,外気OAの温度TOA
と湿度XOA,空調機から室内へのサプライエアSAの
温度TSAと湿度XSAは各温度と湿度の検出手段によ
り求める。今まで各温度、湿度の検出は各センサーによ
り説明を行って来たが、ほかの量から間接的に、例えば
一部の温度に付いては冷凍サイクル等のデータなどから
演算で間接的に求めても良いし、データを固定、例えば
季節による天候が比較的一定している地方に採用する場
合は、季節カレンダーを内蔵したマイコンを使う場合外
気の温度と湿度の一方はその季節と他方のデータから、
例えば乾燥した高温の時期に計測した湿度があがれば雨
が降っているとして温度をマイコンに記憶されている平
均温度より3゜C下げた値を検出値とするなど、推定し
て間接的にマイコンで演算した求めかたを検出手段とし
ても良い。
【0040】図5で示すように、室内から空調機へのリ
ターンエアRAの温度TRAと湿度XRA,外気OAの温
度TOAと湿度XOA,混合空気KAの温度TKAと湿
度XKA、空調機から室内へのサプライエアSAの温度
TSAと湿度XSAの各温度と湿度の8データが必要で
あるが、外気の温度と湿度、吸込み、即ちリターンエア
ーの温度と湿度、吹出し、即ち室内へのサプライエアー
であって室内空気の温度と湿度を検出する検出手段のよ
うにセンサー6個で計測する事により、混合エアーの温
度TKAと相対湿度ΦKAはリターンエアの風量VRA
と外気風量VOAから計算で求めることが出来る。また
これとは逆に混合エアーの温度TKAと湿度XKAを計
測し、リターンエアの風量VRAと外気風量VOAから
外気OAの温度TOAと湿度XOAを求める方法も存在
するが、後者より前者が望ましい。前者は、即ち外気を
計測する方が、外気導入を判断する際に直接検出したデ
ータを使用出来る。後者は一旦外気を導入し運転した後
で外気の温度と湿度を求める形になる。しかも外気の温
度の計測は例えば室外機に設けるケースがあり、この外
気温度センサーで求めた検出値を使うことになる。サプ
ライエアー温度TSAは室内熱交換器温度ETとほぼ同
一とみなせる。従って、室内熱交換器温度を計測してい
る場合はサプライエアー温度の計測はそれで代用する
し、また、逆も言えることになる。更にサプライエアー
湿度XSAにたいし、100%と仮定しても良い。日本
の場合、これより下がることはより良い方向に向かうの
でこの仮定を設けることにより計測を省くことが出来
る。吸込み空気、即ちリターンエアーの湿度XRAは目
標値を40−65%とすればこの数値を家庭することに
より計測を省いても良い。しかしながら外気湿度XOA
はこの発明では必ず必要になる。従って、マイコンなど
に数字を記憶させるなどにより、最小必要な計測センサ
ーはリターンエアー温度TRA、外気温度TOA、室内
熱交換器温度Eまたはサプライエアー温度TSA、外気
湿度センサーΦOAの4つのデータを必要とする。
【0041】ここで、室内熱交換器3で熱交換して流出
してくる空気を出口側空気と称し、吹出し空気とは室内
ユニット1から室内2に吹出される空気のことで、例え
ばヒータ4を備えこれで加熱している場合には出口側空
気と吹出し空気の温度は異なる。また、室内は通常密閉
されているわけではなく、余分な室内空気は部屋の隙間
や排気口などから自然に室外へ流出する。その場合には
室内2は加圧となるため、隣接している他の部屋からの
匂いや塵埃などが流入するのを防止できる。また、外気
を導入すると共に室内空気を換気扇などで機械的に排出
するように部屋2を構成してもよい。その場合には室内
圧のバランスを保つことができ、外気の導入もスムーズ
かつ確実に行うことができる。
【0042】図6は制御装置を説明する図であり、電子
箱15のマイクロプロセッサには図6のブロック図に示
すように、室内空調負荷検知手段81と運転動作設定手
段82と外気量制御手段83と運転動作制御手段84が
ソフトウェアプログラムとして格納されている。室内空
調負荷検知手段81は室内空調負荷QLを検知するもの
で、例えばリターン空気の温度TRAとリターン空気の湿
度XRAからリターン空気のエンタルピーiRAを求め、同
様に吹出し空気の温度TSAと吹出し空気の湿度XSAから
吹出し空気のエンタルピーiSAを求め、下記に示す式1
に基づいて、室内空調負荷QL(SH、LH)、QL=
SH+LHを検知する。例えば冷房時には室内空調負荷
QLは式1によって演算で求められる。 QL=(VRA+VOA)・ρ・(iRA−iSA) …(1) VRA:リターン空気風量 VOA:外気風量 ρ:密度 iRA:リターン空気のエンタルピ− iSA:吹出し空気のエンタルピー
【0043】運転動作設定手段82は外気温度検知手段
11および外気湿度検知手段12で検知した外気状態と
して外気温度および外気湿度(TOA、XOA)、室内空気
温度検知手段9および室内空気湿度検知手段10で検知
した室内空気状態としてリターン空気温度およびリター
ン空気湿度(TRA、XRA)、室内のリモートコントロー
ルスイッチなどで設定されている目標室内空気状態とし
て目標室内空気温度および目標室内空気湿度(Tt、X
t)、室内空調負荷検知手段81で検知した室内空調負
荷QLなどを入力し、外気導入量VOAと空調能力Qeお
よび蒸発温度ET、必要に応じて加熱手段であるヒータ
4の加熱量W、室内熱交換器3を通過する空気の総風量
VRA+VOAなどの情報を設定する。外気導入量VOAは、
例えばリターン空気の風量VRAと外気の風量VOAの混合
比x:y(x+y=1)を考慮して設定する。このとき
の設定の仕方は、後でフローチャートを基に詳しく記載
する。また、吸込み空気と吹出し空気との温度および湿
度の変化を示す空気線図上の制御ベクトルから室内熱交
換器3を流れる冷媒の蒸発温度ETと空調能力Qeが設
定される。
【0044】外気量制御手段83は、運転動作設定手段
82で設定された外気導入量VOAになるように外気導入
手段6の動作を制御する。具体的には、外気導入口開閉
機構として例えばダンパ67の開閉制御、開度制御、ま
たは外気導入手段6に備えられているファン31の回転
数を制御することで外気導入量を可変にできる。外気導
入量は、例えばリターン空気RAと外気OAの給気量の
比率x:yとして設定され、この比率になるように外気
導入手段6での外気導入量VOAと室内ユニット1からの
総風量VRA+VOAとを制御する。このとき、外気を総風
量の100%、即ち外気のみを室内ユニット1に吸込む
場合には、例えば外気導入手段のファン31を最大の高
速運転、室内ファン5を超微風の低速運転とすること
で、外気を100%の割合で室内に取り込むことができ
る。外気の取り込み量が100%以下の時には、外気導
入量と室内ユニットから吹出す総風量を調整すること
で、余分な室内空気は部屋の隙間から自然に室外へ流出
し、総風量に対する外気の割合を制御できる。室内ユニ
ット1から吹出す総風量は、室内ファン5の回転数を変
化させて制御できる。
【0045】運転動作制御手段84は、運転動作設定手
段82で設定された空調能力Qeと蒸発温度ETになる
ように熱輸送手段である冷凍サイクルの動作を制御し
て、室内熱交換器3での所望の冷媒温度ETと空調能力
Qeを得る。冷凍サイクルの動作は、具体的には室内側
では室内ファン5の回転数制御であり、室外側では膨張
弁75の開度制御や圧縮機71の周波数制御や室外ファ
ン74の回転数制御などである。さらに設定された運転
動作がヒータ4による加熱を含むとき、ヒータ4のオン
/オフ制御を行う。下記に示す式2は冷凍サイクルの動
作を制御する方法の一例として、冷凍サイクルの目標空
調能力変更量ΔQe*と冷媒の目標蒸発温度変更量ΔE
T*から、圧縮機周波数変更量Δfzと室内ファン5の
回転数変更量ΔNiを求める式である。この式の係数
a,b,c,dは、実験データや理論値を加味して予め
シミュレーションで求めてデータとして記憶させておけ
ばよい。この制御は一般に行われているVPM(vec
tor pattern maching)制御であ
り、圧縮機71の周波数fz、室内ファン5回転数N
i、空調能力Qe、蒸発温度ETの増加または減少の関
係を示している。例えば周波数を上げると(Δfz>
0)、空調能力は増加し(ΔQe*>0)、蒸発温度は
下がる(ΔET*<0)。また、例えば冷房運転時に室
内ファンの回転数を上げると(ΔNi>0)、空調能力
は増加し(ΔQe*>0)、蒸発温度は上がる(ΔET
*>0)。
【0046】
【数1】
【0047】上記説明を定性的に表現すると、下記に示
す式3で表され、A>0,B>0,C>0,D>0とな
る。このA,B,C,Dの定量的な値は実験やシミュレ
ーションで求められ、求めた後で式3を式2のように変
形することにより、係数a,b,c,dの値が得られ
る。
【0048】
【数2】
【0049】上記の室内空調負荷検知手段81、運転動
作設定手段82、外気量制御手段83、運転動作制御手
段は84のそれぞれは、コンピュータプログラムとして
全て1つのマイクロプロセッサに内蔵されていてもよい
し、それぞれ別のマイクロプロセッサに内蔵されていて
もよい。
【0050】本発明の特徴は、外気と室内空気の温度お
よび湿度を検知し、湿り空気線図上に描いた温湿度をベ
クトルの状態として把握し、室内の空気温度や湿度を目
標である温度や湿度に接近させる様に、冷凍サイクルや
室内ファン等の空調装置、ヒーター、循環送風装置や換
気装置を制御することにある。例えば外気を室内の空気
調和に利用できる場合には外気導入手段6によって積極
的に外気を室内に導入したりすることにある。
【0051】図7は、湿り空気線図上において、空気調
和装置で室内空気の冷却および除湿を行った場合の室内
空気の空気状態の変化の一例を示す説明図である。この
図7前記の一般的な湿り空気線図を示すもので、縦軸は
絶対湿度X[kg/kg´]、横軸は乾球温度T[℃]
を示す。空気状態は、温度と湿度から湿り空気線図上で
は1点で表わされるが、ここではこの空気状態をその空
気の温湿度と称する。外気温度検知手段11と外気湿度
検知手段12で検知した外気温度と外気湿度から外気エ
ンタルピーを算出し、室内温度検知手段9と室内湿度検
知手段10で検知したリターン空気温度とリターン空気
湿度からリターン空気エンタルピーを算出する。そし
て、外気エンタルピーとリターン空気エンタルピーとを
比較し、外気エンタルピーの方がリターン空気エンタル
ピーよりも小さい場合には、外気導入手段6から外気
(外気温湿度OA)を導入する。なお、本実施の形態に
おいて外気を導入するかどうかは、エンタルピーと利用
者の換気要求によって決まるのであるが、ここでは外気
を導入した場合の基本的な室内空気の温湿度の変化の様
子について図5とともに説明する。
【0052】室内2から室内ユニット1に導入されるリ
ターン空気(リターン空気温湿度RA)と外気(外気温
湿度OA)が混合する混合空気である吸込み空気温湿度
KAは、リターン空気温湿度RAと外気温湿度OAを結
ぶ直線上の温湿度となり、外気の導入量に応じてその温
湿度は変化する。リターン空気の給気量:外気の給気量
=x:yとなるように外気を導入して吸込み空気温湿度
KAとなった混合空気は、室内熱交換器3で冷媒と熱交
換することにより冷却除湿される。室内熱交換器3の蒸
発温度(室内熱交換器配管温度検知手段68で計測され
る冷媒配管の温度即ち管温)がETであるときには吸込
み空気温湿度KAと蒸発温度ETを結ぶ直線上にある温
湿度の空気である空気温湿度が室内熱交換器3の出口側
空気として流出される。本実施の形態では室内熱交換器
3の空気の出口側の空気流路にヒータ4を設けており、
室内熱交換器3で除湿を行うために空気を冷却しすぎた
場合には、このヒータ4で暖めることができる。ヒータ
4を通過した空気は、吹出し空気(吹出し空気温湿度S
A)となって室内ユニット1から室内へ吹出される。こ
の後、室内ユニット1から吹出した空気には室内空調負
荷QL(SH、LH)が加わり、再び室内ユニット1に
リターン空気(リターン空気温湿度RA)として取り込
まれる。なお、このリターン空気温湿度RAは初めのリ
ターン空気温湿度とは多少状態が変化し、目標室内空気
温湿度tに近づいているはずである。
【0053】ここで、初期運転で外気を導入せずにリタ
ーン空気のみを吸込み空気とし、冷媒の蒸発温度ETで
運転したとき、吹出し空気温度と吹出し空気湿度から算
出される吹出し空気エンタルピーと、リターン空気温度
とリターン空気湿度から算出されるリターン空気のエン
タルピー、即ち吸込み側のリターン空気エンタルピーと
から室内空調負荷QLが推定される。この室内負荷の横
軸方向変化分が顕熱負荷SHであり、縦軸方向変化分が
潜熱負荷LHである。
【0054】最終的には、リターン空気温湿度RAを図
7の目標室内空気温湿度tとするために、目標室内空気
温湿度tと室内空調負荷QLから目標吹出し空気温湿度
SA*が算出される。そして、空調能力Qeをできるだ
け小さくしながら、この目標吹出し温湿度SA*を実現
するように、吸込み空気温湿度KA、目標蒸発温度ET
*を決定する。吸込み空気温湿度KAが決定されること
で、室内2から室内ユニット1に取り込まれるリターン
空気温湿度RAと外気温湿度OAの混合比が決定され、
外気導入量が決定される。この外気導入量の制御は、外
気導入手段6にて外気導入量を制御する。例えば蒸発温
度ET*で目標吹出し温湿度SA*を実現するために、
外気温湿度OAとリターン空気温湿度RAを混合して吸
込み空気温湿度KAとする場合、室内熱交換器3への吸
込み空気の総量(室内ユニットから室内へ吹出す総風量
と一致)に対する外気導入量の割合は、 |KA―RA|/|OA−RA|=y/(x+y) =VOA/(VOA+VRA) で得られる。またこのときの蒸発温度ET*、空調能力
Qeに従って冷凍サイクルを運転制御する。ここで、空
調能力Qeをできるだけ小さくしているので、空気調和
装置への入力を最小にでき、省エネルギーとなる。
【0055】ここで室内熱交換器3前後の空気状態を考
え、吸込み空気温湿度KAの吸込み空気が室内熱交換器
3に流入し、室内熱交換器3内で冷媒配管の外部を流れ
るあいだに、冷媒配管内を流れる蒸発温度ET*の冷媒
と熱交換して、出口側空気温湿度SAとして室内熱交換
器3から流出する。湿り空気線図上では、温湿度KAの
点と飽和線上の温度ET*である点とを結ぶ直線上の点
の温湿度SAの空気が室内熱交換器3の出口側空気とし
て流出する。逆に言えば、温湿度KAの吸込み空気を室
内熱交換器3に流入して温湿度SAの出口側空気を流出
させたい場合には、湿り空気線図上で温湿度KAから温
湿度SAへ変化するように、制御ベクトルの長さである
空調能力Qeと、制御ベクトルを延長した直線と飽和線
が交わる点の温度の冷媒を室内熱交換器3に循環させれ
ばよい。本発明では室内熱交換器3での運転動作を制御
しやすくするため、目標室内空気温湿度tと室内空調負
荷QLから吹出し空気の目標である目標吹出し空気温湿
度SA*を設定し、室内熱交換器3からの吹出し空気温
湿度が目標吹出し空気温湿度SA*に接近するように制
御する。
【0056】ただし、実現できる制御ベクトルの傾きに
は限界があり、冷凍サイクルの顕熱比(SHF)の許容
範囲内、SHFmin≦SHF≦SHFmax(最大
1)でなければならない。ここで、顕熱比(SHF)と
は、式4で表わされ、空気の温度を下げるために使われ
る全熱量Q[kcal/h](顕熱+潜熱)のうち、気
体のH2Oを液体H2Oに凝縮させるのに使われる熱量Q
LH[kcal/h](潜熱)を差し引いたものの割合で
ある。 SHF=(Q−QLH)/Q =顕熱/(顕熱+潜熱) …(4) 従って、SHFmaxでの運転は高顕熱運転、SHFm
inでの運転は最大除湿運転となる。例えば、除湿量が
0ならSHF=1(高顕熱運転)であり、室温を全く下
げないで除湿だけできればSHF=0(最大除湿運転)
である。実際には除湿能力には限界があり、湿り空気線
図で言えば、制御ベクトルの延長線と飽和線とが交わら
ない場合、除湿能力の限界を越えており、実現できない
状態である。即ち、湿り空気線図上で室内熱交換器3へ
の吸込み空気温湿度KAと出口側空気温湿度SAとを結
ぶ直線を延長したとき、この直線と飽和線とが交差しな
い。このときには冷媒と熱交換しても室内熱交換器3の
出口側では温湿度SAの空気は得られないことになる。
また前にも記載したが一般的に空気調和を行うための冷
凍サイクルでは各機器の耐熱性や露対策などから蒸発温
度の下限を10℃程度とすることで、SHFの下限が制
限されることもある。
【0057】以上のように空気の流れはリターンエアR
Aの風量VRAと外気OAの風量VOAが混合し、この
混合比x:y(x+y=1)である混合エアの温湿度K
Aとなり、この混合エアの温湿度KAが蒸発器である室
内熱交換器で冷却及び除湿されてサプライエアの温湿度
SAとなる。この温度と湿度はエアコン吹出し口の吹出
しグリル34付近に設けた吹出し口温度検出手段と吹出
し口湿度検出手段にて計測できる。この現象の状態を空
気線図の上で説明したものが図7の現象説明図である。
図7においてリターンエアの温湿度RAと外気の温湿度
OAとサプライエアの温湿度SAの状態を、横軸が温
度、縦軸が絶対湿度として線図の上に取ることが出来
る。図3の空気線図にエンタルピiの軸が記載されてい
るように、温度と絶対湿度とは次の関係でエンタルピi
の斜交軸が一義的に決められている。すなわち、i=0.
24*温度+(597.5+0.441*温度)*絶対
湿度である。従って温度と湿度を検出すればマイコンに
てエンタルピやエネルギーである負荷の大きさを演算す
ることが出来る。逆に電算機室の様に負荷がコンピュー
タと照明が主体であれば、負荷の消費電力からマイコン
に記憶させたデータを使用してエンタルピーを計算し温
度とすることも出来る。この様に室内空気のエンタルピ
が外部空気のエンタルピより大きいこの例では、外気導
入手段6から外気を導入する。
【0058】図7ではエンタルピは図示していないがリ
ターンエアの温湿度RAとサプライエアの温湿度SAの間は
室内の負荷の顕熱SH、すなわち温度を変化させるもの
と、潜熱LH、すなわち絶対湿度を変化させるものによ
り、言い換えるとエネルギーであるエンタルピの成分に
より図のように表されるとともに演算にて求めることが
出来る。なお図7において空気線図のデータは相関性の
ある物理量であり、図表としてまたは式としてデータが
記憶されているためこれらの演算はマイコンを使用した
制御装置で簡単に行われる。この状態から換気手段や冷
凍サイクル他を調整して室内温度と湿度を目標温湿度t
にしなければならない。この目標温湿度の点をtとする
と、リターンエアの温湿度RAを目標値の温湿度tにしな
ければならないので、図7の様に顕熱と潜熱で形成され
る破線で形成された形状を目標に合わせて並行移動する
ことにより、目標サプライ温湿度SA*が得られる。
【0059】本発明の空気調和装置において、外気を積
極的に導入して効果的に利用し、快適な室内空間を得る
ための運転方法の基本的な考え方についてここで記載す
る。リターン空気温湿度RAと外気温湿度OAを混合し
た混合空気である吸込み空気温湿度KAは、吸込み空気
温湿度KAと目標吹出し空気温湿度SA*のエンタルピ
ー差が小さくなるように選ぶ。吸込み空気温湿度KAか
ら目標吹出し空気温湿度SA*への制御ベクトルの傾き
が、冷凍サイクルの顕熱比(SHF)の許容範囲内で、
上記1.のエンタルピー差の小さいものを選ぶ。冷凍サ
イクルの最大除湿運転SHFminでも除湿が足りず制
御ベクトルを実現できない時には、目標吹出し空気の温
度を下げて湿度は満足するように運転し、室内熱交換器
3から流出する出口側空気を加熱手段で加熱して目標吹
出し空気温湿度SA*になるように制御する。即ち、目
標吹出し空気の湿度となるように室内熱交換器3の冷媒
温度を設定し、室内熱交換器3でその温度の冷媒と熱交
換した出口側空気が目標吹出し空気の温度よりも低温で
ある場合に目標吹出し空気の温度まで加熱する。
【0060】上記の考え方の1.でエンタルピー差がで
きるだけ小さくなるように設定しているので、空気調和
装置の圧縮機71や室外ファン74や室内ファン5など
への入力の総和を最小にでき、無駄な動作を行うことな
く省エネルギーとなる。さらに、上記の考え方の3.で
加熱手段を用いる場合には、室内熱交換器で熱交換した
空気を加熱手段で加熱する場合、室内熱交換器3での冷
媒温度を得るための熱輸送能力と加熱量とのエネルギー
総量が小さくなるように外気導入量を設定し、省エネル
ギーを図って運転制御を行う。即ち、空調能力Qeとヒ
ータ4での入力エネルギーの総量が小さくなるように運
転制御する。
【0061】このために、外気を室内の空気調和に利用
できるかどうかの判断や、その判断に基づいて運転動作
を設定するものが運転動作設定手段82で行う運転動作
設定動作であり、この設定に従い、外気導入量制御手段
83と運転動作制御手段84で行う運転制御動作によっ
て実際に空気調和装置の各機器を動作させる。湿り空気
線図上で外気状態に応じて3つの領域に分け、それぞれ
の領域に対して処理し、外気導入量と空調能力と加熱量
を設定する。図8は湿り空気線図での各ゾーンの領域を
示す説明図、図9は外気状態による外気利用方法のゾー
ン分けの部分の処理手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、リターン空気温湿度RAと、目標吹
出し空気温湿度SA*と、外気温湿度OAx(x=1〜
3)の状態により外気をどう使うかについて、空気線図
が3つのゾーンに分けられる。ゾーンは、リターン空
気温湿度RAを通る等エンタルピー線(直線A)よりも
上の領域で、外気温湿度OA1がリターン空気温湿度R
Aより高エンタルピーのときである。ゾーンは、外気
温湿度OA2がリターン空気温湿度RAより低エンタル
ピー、かつ、外気温度がリターン空気温度より低い領域
で、リターン空気温湿度RAと目標吹き出し温湿度SA
*を結ぶ線(直線B)より低温側の領域である。ゾーン
は、外気温湿度OA3がリターン空気温湿度RAより
低エンタルピー、かつ、外気湿度がリターン空気湿度よ
り低い領域で、RAとSA*を結ぶ線(直線B)より低
湿側の領域である。
【0062】図9のフローチャートでは、室内温度であ
る吸込み検知手段9と室内湿度である吸込み湿度検知手
段10で検知したリターン空気の温度と湿度からリター
ン空気温湿度RAとリターン空気エンタルピーを算出し
(ST1、ST2:室内空気温湿度検知ステップ)、外
気温度検知手段11と外気湿度検知手段12で検知した
外気の温度と湿度から外気温湿度OAと外気エンタルピ
ーを算出する(ST3、ST4:外気温湿度検知ステッ
プ)。次に目標温度および目標湿度から目標室内空気温
湿度を算出する(ST5:目標室内空気温湿度設定ステ
ップ)。次にST6(室内空調負荷検知ステップ)で
は、リターン空気温湿度RAと予め検知した室内空調負
荷QLとから目標吹出し空気温湿度SA*を設定する。
室内空調負荷は先に説明したように吹出し温湿度とリタ
ーン温湿度から簡単に求めることが出来る。ST7で外
気エンタルピーとリターン空気エンタルピーとを比較
し、外気エンタルピーの方がリターン空気エンタルピー
よりも大きい場合には、ゾーンの運転となる(ST
9)。ST7で外気エンタルピーとリターン空気エンタ
ルピーとを比較した結果、外気エンタルピーの方がリタ
ーン空気エンタルピーよりも小さいまたは同じ場合に
は、リターン空気温湿度RAと目標吹出し空気温湿度S
A*を結ぶベクトルである直線Bを引き、外気温湿度O
Aがこの直線Bの上側か下側になるかを判断する(ST
8)。外気温湿度OAが、直線Bの上側即ちリターン空
気温湿度RAより低温側の領域にあるときにはゾーン
(ST10)、直線Bの下側即ちリターン空気温湿度R
Aより低湿側の領域にあるときにはゾーン(ST1
1)とする。
【0063】実際には例えば平面上で2つの点の位置関
係を知るにはその2点の外積を計算してその結果の符合
で判断できる。外積とは、2つのベクトル、C(c1,
c2)、D(d1、d2)において、 C x D = c1xd2 − d1xc2 の式で算出できる。これを利用して、外気温湿度OAが
3つのどのゾーンに位置しているかを簡単に知ることが
できる。なお、C,Dはベクトルであり、大きさと方向
を有する量である。なお、C*D>0の時はCがDより
右回りに存在している。
【0064】次に、3つの領域のそれぞれにおける外気
導入量と空調能力と加熱量を設定する処理について説明
する。図10は図7の外気温湿度OA1がゾーンの領
域、即ち外気温湿度OA1がリターン空気温湿度RAよ
り高エンタルピーであるときの処理手順を示すフローチ
ャートである。この場合には、外気を導入することによ
り、空調負荷が増加してしまうため、省エネルギー効果
を重視する場合は外気を導入しない。例えばダンパ67
を閉止し、ファン31を停止することで、外気導入手段
6を閉止して室内からのリターン空気のみを循環させ
る。ただし、利用者の要求などにより換気が必要な場合
には外気を導入してもよい。また、外気を導入しないよ
うに設定しても、実際には壁の隙間などで外気導入量が
0にならない場合もあり、外気導入手段6で外気導入量
が最小になるように運転すればよい。
【0065】処理フローでは、ST21で換気が要求さ
れているかどうかを判断し、換気が要求されている場合
には、外気導入量を換気のための所定量、例えば外気導
入手段6のダンパ17を全開としたりファン16の回転
を高速にする(ST22)。そして室内熱交換器3の吸
込み空気温湿度KAはリターン空気と外気が混合された
混合空気の温湿度を設定する(ST23)。一方、換気
が要求されていない場合には、外気導入手段6を閉とし
て外気導入量を0とし(ST24)、室内熱交換器3の
吸込み空気温湿度KAはリターン空気温湿度RAを設定
する(ST25)。ST26では、制御ベクトルが実現
できるかどうか、即ち冷凍サイクルのSHFの許容範囲
かどうかを判断している。吸込み空気温湿度KAと目標
吹出し空気温湿度SA*への制御ベクトルの延長線が飽
和線と交差し蒸発温度の許容範囲内であれば、ST27
の処理を行う。ST27では、湿り空気線図上で、吸込
み空気温湿度KAと目標吹出し空気温湿度SA*から空
調能力を決定する制御ベクトルを設定する。即ち吸込み
空気温湿度KAと目標吹出し空気温湿度SA*を結ぶベ
クトルを設定すると共に、このベクトルの延長線と飽和
線の交点の温度を室内熱交換器3の冷媒温度とする。S
T26の判断で、制御ベクトルの延長線が飽和線と交差
しない場合には許容範囲外であり、ST28でSHFm
in運転で室内熱交換器3から目標湿度と同レベルの湿
度の出口側空気を流出し、ヒータ4で目標温度にまで加
熱して目標吹出し空気温湿度SA*を得るように空調能
力や冷媒温度やヒータの加熱量を設定する。ST61
(運転制御ステップ)は、外気量制御手段83によって
設定された外気量の外気を室内ユニット1に導入し、運
転動作制御手段84によって設定された制御ベクトルに
基づいて冷凍サイクルを運転する。また必要に応じてヒ
ータ4を動作させる。実際には、圧縮機71の運転周波
数、膨張弁75の開度、室内ファン5および室外ファン
24の回転数、ヒータ4、外気導入手段6など、空気調
和装置を構成する各機器部品が運転される。ST21〜
ST28、ST61を一定時間、例えば1分程度のサイ
クルで繰り返すことで、室内の空気状態は徐々に目標室
内空気温湿度tになり、室内2の空気調和が行われる。
【0066】ゾーンは、リターン空気温湿度RAより
低エンタルピー、かつ、リターン空気温湿度RAと目標
吹出し空気温湿度SA*を結ぶ線Bより低温側の領域、
即ち直線Bより上側の領域であり、外気温湿度OA2が
このゾーンに存在するときの制御について説明する。
このゾーンの領域は言いかえれば、外気エンタルピー
がリターン空気エンタルピーよりも小さく、かつ外気の
温度がリターン空気の温度よりも低い領域のうちで、外
気とリターン空気の温度差に対する湿度差の変化率が、
目標吹出し空気とリターン空気の温度差に対する湿度差
の変化率よりも大きくなる外気温湿度を除く領域であ
る。外気がゾーンにあるときには外気の低温特性を利
用して、外気を導入して主に室内空気の温度低下に利用
し、冷凍サイクルを用いて室内熱交換器3での冷媒との
熱交換によって主に室内空気の湿度を低下させる制御を
行う。外気で下げる温度が足りない場合には、冷凍サイ
クルで温度を下げる。
【0067】図11は外気温湿度OA2がゾーンの領
域にあるときの処理手順を示すフローチャートであり、
図12と図13はそれぞれ制御ベクトルの決め方を示す
説明図である。ST31で、リターン空気温湿度RAと
目標吹出し空気温湿度SA*とを結んで延長した線が飽
和線と交わるかどうか、即ちこの延長線が許容範囲の冷
媒温度を示す飽和線に至るかどうかを判断し、交わる場
合の制御ベクトルの決め方をST32、ST33、図1
2で示している。交わる場合には除湿能力が最大である
顕熱比SHFminで運転するように飽和線Hと延長線
が接する点、或いは冷凍サイクルの許容範囲の下限値で
あるETを探し、この点に対応する延長線上で混合空気
の温湿度KA2を設定し、吸込み空気温湿度KAとする
(ST32)。外気を導入して室内空気と混合した吸込
み空気の温湿度は、外気温湿度OA2とリターン空気温
湿度RA間で外気の導入量に応じて温度と湿度とが関連
して変化し、図12に示すように湿り空気線図でOA2
とRAとを結ぶ直線上の温湿度になる。そこでこのOA
2−RA上の点と、目標吹出し空気温湿度SA*と、飽
和線上の許容範囲内の蒸発温度とを結ぶ制御ベクトルを
考慮し、室内熱交換器温度が許す範囲で低い温度になる
ように、除湿能力が最大、即ち温度の変化に対する湿度
の変化の大きい制御ベクトル、即ち飽和線Hと延長線が
接する方向である延長線を選択すると、吸込み空気温湿
度はKA2となる。このとき、RAとOA2の内分点K
A2の比率で外気導入量を設定し(ST33)、その後
ST39の処理を行う。
【0068】ここで、温度の変化量に対する湿度の変化
量の大きい制御ベクトルを選択するということは、吸込
み空気の温度が目標吹出し空気の温度に接近するよう
に、または制御ベクトルの傾斜が大きくなるように選択
することで、このとき外気の低温特性を最大限に利用す
ることになる。
【0069】ST31で飽和線と交わらなかった場合の
制御ベクトルの決め方を、ST34〜ST38、図13
で示している。この場合にはリターン空気温湿度RAか
ら目標吹出し空気温湿度SA*への延長線が許容範囲の
冷媒温度を示す飽和線から外れた場合であり、リターン
空気温湿度RAから目標吹出し空気温湿度SA*へ直接
冷却除湿することができないため、冷凍サイクルのSH
Fの許容範囲内で冷却除湿を行なう。即ちOA2とRA
を含むOA2−RA上の点と、目標吹出し空気温湿度S
A*の湿度と同レベルの湿度(SA*を通り、横軸に平
行な線上)と、飽和線上の許容範囲内の蒸発温度とを結
んで制御ベクトルとして冷凍サイクルを運転し、冷却し
すぎた場合にヒータ4によって室内熱交換器3から流出
する出口側空気を加熱し、目標吹出し空気温湿度SA*
を得る。このとき省エネルギーを重視する場合には、リ
ターン空気温湿度RAを冷却して再熱するときと、外気
温湿度OA2を冷却して再熱するときにおいて、空気調
和装置への入力である空調能力と再熱時のヒータ4への
入力の和を比較して、入力エネルギー総量が少ない方で
運転する。ここで外気導入量が吸込み空気量の0%また
は100%に設定されることになるが、例えば外気導入
量を0%または100%に設定しても実際には外気導入
手段6の構成または設置状態によって完全に0%または
100%にならないこともある。この場合には、外気導
入手段6で外気を導入できる最小または最大になるよう
に運転すればよい。
【0070】処理フローではST34でリターン空気温
湿度RAを冷却除湿して再熱し目標吹出し空気温湿度S
A*とするときの空調能力とヒータ4への入力エネルギ
ーを計算してE(RA)とし、ST35で外気OA2を
冷却除湿して再熱し目標吹出し空気温湿度SA*とする
ときの空調能力とヒータ4への入力エネルギーを計算し
てE(OA2)とする。ST36でE(RA)とE(O
A2)を比較して、ST37、ST38で入力エネルギ
ー総量の小さい方を選択し、外気導入量(0または10
0%:最小または最大)を設定すると共に、吸込み空気
温湿度KA、ヒータ入力量などを設定する。
【0071】ST39では吸込み空気温湿度KAと目標
吹出し温湿度SA*から運転制御を決定する制御ベクト
ルを得る。ST61(運転制御ステップ)は、外気量制
御手段83と運転動作制御手段84で、決定した制御ベ
クトルに基づいて冷凍サイクルを運転する。また、必要
に応じて加熱を行う。実際には、圧縮機の運転周波数、
室内および室外ファンの回転数、ヒータ4の入力、外気
導入量に応じて、空気調和装置を構成する各機器部品が
運転される。ST31〜ST39、ST61を一定時
間、例えば1分程度のサイクルで繰り返すことで、室内
の空気状態は徐々に目標室内空気温湿度tになり、室内
2の空気調和が行われる。
【0072】ゾーンは、リターン空気温湿度RAより
低エンタルピーで低湿度、かつ、リターン空気温湿度R
Aと目標吹出し空気温湿度SA*を結ぶ線Bより低湿側
の領域、即ち直線Bより下側の領域であり、外気温湿度
OA3がこのゾーンに存在するときの制御について説
明する。このゾーンの領域は言いかえれば、外気エン
タルピーがリターン空気エンタルピーよりも小さく、か
つ外気の湿度がリターン空気の湿度よりも低い領域のう
ちで、外気とリターン空気の温度に対する湿度の変化率
が、目標吹出し空気とリターン空気の温度に対する湿度
の変化率よりも小さくなる外気温湿度を除く領域であ
る。外気がゾーンにあるときには外気の低湿特性を利
用して、外気を導入して主に室内空気の湿度低下に利用
し、冷凍サイクルを用いて室内熱交換器3での冷媒との
熱交換によって主に室内空気の温度を低下させる制御を
行う。外気で下げる湿度が足りない場合には、冷凍サイ
クルで湿度を下げる。
【0073】図14は外気温湿度OA3がゾーンの領
域にあるときの処理手順を示すフローチャートであり、
図15と図16と図17はそれぞれ制御ベクトルの決め
方を示す説明図である。この場合に吸込み空気温湿度K
Aは外気温湿度OA3と同一の時が最もエンタルピーが
小さい。そこでST41で、外気温湿度OA3と目標吹
出し空気温湿度SA*とを結んで延長した線が飽和線と
交わるかどうか、即ちこの延長線が許容範囲の冷媒温度
を示す飽和線に至るかどうかを判断し、交わる場合の制
御ベクトルの決め方をST42〜ST45、図15、図
16で示している。この場合には外気の低湿特性を利用
し、冷凍サイクルは顕熱比SHFmaxで運転するよう
に設定する。外気を導入して室内空気と混合した吸込み
空気の温湿度は、外気温湿度OA3とリターン空気温湿
度RA間で外気の導入量に応じて温度と湿度とが関連し
て変化し、図15,図16に示す湿り空気線図でOA3
とRAとを結ぶ直線上の温湿度になる。そこでこのOA
3−RA上の点と、目標吹出し空気温湿度SA*と、飽
和線上の許容範囲内の蒸発温度とを結ぶ制御ベクトルを
考慮し、除湿能力が最小、即ち温度の変化に対する湿度
の変化の小さい制御ベクトルを選択すると、図15の場
合にはOA3、図16の場合にはSA*と同じ湿度であ
るKA3が吸込み空気温湿度KAとなる。
【0074】処理フローでは、ST42で外気の絶対湿
度と目標吹出し空気の絶対湿度とを比較し、外気の絶対
湿度の方が大きい場合には、図15に示すように外気導
入量を100%とし、吸込み空気温湿度KAに外気温湿
度OA3を設定する(ST43)。このとき外気導入量
を実際に100%にできない場合には、外気導入手段6
で導入できる最大導入量とする。即ち出来るだけ多くの
外気を導入する。ST42の比較で目標吹出し空気の絶
対湿度のほうが外気よりも大きい場合には、図16に示
すように、顕熱比SHFmax、この場合には湿り空気
線図上で規定されているほぼ1となる温湿度KA3を吸
込み空気温湿度KAに設定する(ST44)。このとき
RAとOA3の内分点KA3の比率で外気導入量を設定
し(ST45)、その後ST51の処理を行う。
【0075】ここで、温度の変化量に対する湿度の変化
量の小さい制御ベクトルを選択するということは、吸込
み空気の湿度が目標吹出し空気の湿度に接近するよう
に、または制御ベクトルの傾斜が小さくなるように選択
することで、このとき外気の低湿特性を最大限に利用す
ることになる。
【0076】ST41で飽和線と交わらなかった場合の
制御ベクトルの決め方を、ST46〜ST50、図17
で示している。この場合には外気温湿度OA3から目標
吹出し空気温湿度SA*への延長線が許容範囲の冷媒温
度を示す飽和線から外れた場合であり、外気温湿度OA
3から目標吹出し空気温湿度SA*へ直接冷却除湿する
ことができないため、冷凍サイクルのSHFの許容範囲
内で冷却除湿を行なう。即ちOA3とRAを含むOA3
−RA上の点と、目標吹出し空気温湿度SA*の湿度と
同レベルの湿度(SA*を通り、横軸に平行な線上)
と、飽和線上の許容範囲内の蒸発温度とを結んで制御ベ
クトルとして冷凍サイクルを運転し、冷却しすぎた場合
にヒータ4によって室内熱交換器3から流出する出口側
空気を加熱し、目標吹出し空気温湿度SA*を得る。こ
のとき省エネルギーを重視する場合には、リターン空気
温湿度RAを冷却して再熱するときと、外気温湿度OA
3を冷却して再熱するときにおいて、空気調和装置への
入力である空調能力と再熱時のヒータ4への入力の和を
比較して、入力エネルギー総量が少ない方で運転する。
【0077】処理フローではST46でリターン空気温
湿度RAを冷却除湿して再熱し目標吹出し空気温湿度S
A*とするときの空調能力とヒータ4への入力エネルギ
ーを計算してE(RA)とし、ST47で外気OA3を
冷却除湿して再熱し目標吹出し空気温湿度SA*とする
ときの空調能力とヒータ4への入力エネルギーを計算し
てE(OA3)とする。ST48でE(RA)とE(O
A3)を比較して、ST49、ST50で入力エネルギ
ー総量の小さい方を選択し、外気導入量(0または10
0%:最小または最大)を設定すると共に、吸込み空気
温湿度KA、ヒータ入力量などを設定する。
【0078】ST51では吸込み空気温湿度KAと目標
吹出し温湿度SA*から運転制御を決定する制御ベクト
ルを得る。ST61(運転制御ステップ)は、外気量制
御手段83と運転動作制御手段84で、決定した制御ベ
クトルに基づいて冷凍サイクルを運転する。また必要に
応じて加熱を行う。実際には、圧縮機の運転周波数、室
内および室外ファンの回転数、ヒータ4の入力、外気導
入量に応じて、空気調和装置を構成する各機器部品が運
転される。ST41〜ST51、ST61を一定時間、
例えば1分程度のサイクルで繰り返すことで、室内の空
気状態は徐々に目標室内空気温湿度tになり、室内2の
空気調和が行われる。
【0079】上記では、ゾーンとそれ以外のゾーン
、ゾーンとで外気を導入するかしないかに分けられ
る。一方のゾーンの場合には外気エンタルピーがリタ
ーン空気エンタルピーよりも大きいので、外気を導入し
ないで冷凍サイクルで空調を行い、他方のゾーン、
の場合には外気エンタルピーがリターン空気エンタルピ
ーよりも小さいので、外気をできるだけ導入して室内空
調に利用している。また、ゾーンとゾーンとで冷凍
サイクルの空調能力で除湿能力の大きい運転を行うか高
顕熱運転を行うかに分けられる。一方のゾーンの場合
には外気の低温特性を利用して冷凍サイクルは除湿能力
の大きい運転を行う。他方のゾーンの場合には外気の
低湿特性を利用して冷凍サイクルは高顕熱運転を行う。
このように室内空気の温湿度状態に対する外気の温湿度
状態でゾーンに分け、それぞれに適した制御を設定する
ことで、外気導入量を空調目標に最適な量とし、無駄な
仕事をすることなく、外気を最大限に利用し、省エネル
ギー化を図ることができる。
【0080】以上のように、室内の空気状態に対する室
外の空気状態に応じて外気を積極的に導入して効果的に
空気調和に利用し、かつ、空気調和装置が熱処理する空
気のエネルギーを最小限に制御するため、新鮮外気を導
入しつつ、省エネルギーを実現することができる。特に
外気や室内空気の温度だけでなく湿度も共に考慮して細
かい制御を行っているので、さらに快適な室内空間を得
ることができる。また、温度と湿度を関連して変化させ
ながら制御しつつ目標の室内空気状態に接近させるの
で、より速く目標の室内空間が得られ、省エネルギー化
を図ることができる。また、新鮮な外気で室内の空気を
新鮮に保つことで、質的にも良好な室内空気を確保で
き、室内の人または動植物の健康状態にも良い影響をも
たらすと期待できる。
【0081】上記までの説明は部屋2の室内を中心とし
て屋外である室外との換気を主体に説明して来た。また
換気には吸気と排気と言う2つの作用がありこれを自然
流によるか送風機によるかで分類するが主として室外か
らの外気をファンによる、即ち機械換気、或いは強制換
気とし排気は自然に排気される構成で説明して来てい
る。この発明ではどこに焦点を当てて制御するかの都合
上以上の説明をして来たが、屋外でない室外、例えばサ
ニタリールームや地下室のように別の部屋で温湿度状態
が異なる部屋や、複数のへ夜間の温湿度状態を合わせる
場合等にこの発明の制御を使用しても良いことは当然で
ある。更に換気の種類として吸気、排気を強制的に行っ
ても良いし、また特定の温湿度環境、例えば常に外気導
入量が決まった値の環境では換気用のファン31を設け
ずに換気用の開口を設け室内ファンで換気するなどの構
成でも良い。また本発明では空気線図上で説明して来た
が、これらはマイコンに記載させた空気線図上のベクト
ル演算で簡単に求めることが出来る。或いは先に述べた
ごとく空気線図は物理量相互の関係を図面にまとめたも
ので各物理量の間は演算で求めることが出来る。例えば
設定された目標温湿度t*を得るために冷凍サイクルや送
風機、換気扇等をどのように運転すればよいかの制御内
容において、現状のリターンエア温湿度RAの状態で現状
の能力のままではサプライエアの温度と湿度SAが維持さ
れ、この状態での室内の負荷の大きさであるQL[Kcal/
h]の絶対値は、風量*密度*サプライエアとリターンエ
アの間のエンタルピの差、で表される。すなわち、|QL
|=(VRA+VOA)*ρa*(iRA-iSA)である。この負荷状態に対
する潜熱と顕熱の負荷比率は、LH[g]/SH[゜C]=(Xra-Xsa)
/(Tra-Tsa)であり、この様に負荷の状態等、この発明の
演算は空気線図を全く使わないで演算式の組み合せでも
把握することが出来る。
【0082】エアコンの使用は春から秋にかけての冷房
と、主として冬に暖房として使用されるが、能力一杯の
負荷を掛けることは例えば夜は温度が下がるなどのため
あまり無いのが実状である。例えば関東地区では平均負
荷率は13.3%との報告がある。図18に外気温湿度
分布説明図を示す。冷房を主体に運転を行う5月から9
月までの昼と夜のすべての時間での東京の外気の温度と
湿度の状況で、横軸に温度、縦軸に絶対湿度をとり、基
準値である温度26度、湿度50%で区分けした時間数
が記載してある。aは5月分の744時間のうち基準値
よりも温度と湿度が低い時間が595時間、温度が低く
湿度が高い時間が140時間であることを示している。
bは6月で温度が低く湿度が高い時間が458時間、温
度湿度共低い時間が203時間、温度湿度とも高い時間
が59時間を示している。cは7月で温度が低く湿度が
高い時間が420時間、温度湿度とも高い時間が280
時間、温度湿度とも低い時間が40時間を示している。
dは8月で温度湿度とも高い時間が430時間、温度が
低く湿度が高い時間が312時間を示している。eは9
月で温度が低く湿度が高い時間が363時間、温度湿度
とも高い時間が187時間、温度湿度とも低い時間が1
70時間を示している。fは5月から9月までの総計の
時間を示している。
【0083】5月から9月までの5ヶ月の範囲で温度湿
度とも室内温度と湿度の目標値より高い外気は26%に
すぎないことが分かる。さらに温度が低くとも湿度が高
い時間が非常に多いことも分かる。当然ながらエアコン
では室内で発生する熱の負荷や湿気を除去する必要があ
り、外気の低い温度の利用が非常に有効であることがこ
の図からも大まかに判断できる。更に室内負荷は所定の
係数*室内面積*温度差で求めることが出来、この負荷
量を上述した各温度分布で求めて平均化するとエアコン
の平均年間負荷率は冷房最大能力のわずか13.3%に
過ぎないので外気による換気を有効に利用して冷房能力
と再加熱能力を出来るだけ小さくすることが出来る。も
ちろん地域性や気象の変動によりこの関係は変化する
が、外気の湿度などを計測して外気を利用しすなわち年
間の換気を有効に利用して換気、冷却、除湿、冷えすぎ
防止を少ないエネルギーで行うことが出来る。これによ
りエアコン夜間冷房等の小容量負荷のオンとオフの繰り
返しを外気導入で避けることが出来、エネルギーの低減
だけでなく、騒音を減らし、かつ、体にも冷えすぎを起
こさせないなどの効果が得られる。春秋などの中間期の
冷房ニーズにも同様に有効に対応できる。従来換気扇は
室内汚染空気の換気を主体に考えられていたが導入する
外気の温度と湿度を正確に活用してエネルギーの低減が
得られる。
【0084】上記に述べたように空気線図はエンタルピ
差の大小や温度と湿度の位置関係を求めるときにわかり
やすいため採用したもので特に空気線図を使わなくとも
良く、各物理量はそれぞれ相関関係があるので演算によ
り求められるが、温度と湿度の関係を図表としてマイコ
ン内に記憶させてもよい。この発明は、以上のように外
気を導入して温度と湿度を調整するが、ディジタル制御
を使えば連続的に同時処理も可能である。また室内の温
度の熱時定数による遅れを考慮して間欠的な処理により
演算や操作を行っても良い。また、この処理のために検
出された温度と湿度を一つのパラメータとして取り扱っ
て目標値の設定や能力などの操作量を求め、このデータ
により機器を操作するものを説明したが、温度と湿度を
別々のパラメータとして個々のパラメータを組み合わせ
る演算も可能である。即ち温湿度状態を把握しながら湿
度は所定の範囲に或場合は制御せずに冷凍サイクルや換
気装置を温度制御だけで行っても良いことは、湿度が大
きく変わらない時などには既に述べているように有効な
ことは当然である。この発明は以上のように、室内に吸
込み口と吹出し口を有するエアコン室内ユニットの室内
ファンにより室内空気を吸込み口から吸込んで吹出し口
から吹出して循環させる室内空気の温度および湿度の少
なくとも一方を変化させて空気調和を行う構造に関する
もので、この室内ユニットの吸い込み側に換気用のファ
ンと室外から室内に外気を導入または室内から室外へ空
気を排気する開口およびこの開口を開閉するシャッター
や、通風量を調整する装置、例えばファンの回転数を調
整するか、あるいはシャッターの角度を変えて通風調整
をしても良い、を設けている。これによりエアコンの室
内熱交換器では吸込み口から吸込まれた室内からの戻り
の空気と換気用のファンにて導入される外気の両方が冷
却または加熱される。この外気の温度と湿度が検出され
るとともに、エアコンへ室内から吸込む空気の温度と湿
度、および、エアコンから吹出され室内に循環する空気
の温度と湿度も検出されて、室内空気の温度および湿
度、すなわちエアコンに戻される温度と湿度を目標値で
ある温度および湿度に接近させるように、エアコンの冷
凍サイクルを調整したり、室内ファンの回転数を変えた
り、換気ファンの回転数やシャッターを調整している。
【0085】またこの発明は各部の温度と湿度を検出す
るが、温度は室内の負荷量や風量とも関係しており、直
接計測しても良いが間接的に求めることも出来る。また
湿度も季節や天候などに左右されるし、室内の空気調和
に対し厳密な計測を必ずしも必要としない場合もあるこ
とから記憶されたデータや外気の温度などのパラメータ
により間接的に検出しても良い。あるいは、遠方から検
出するデータを電話線や電灯線に乗せて情報として送
り、この情報に基づき機器の運転停止のみならず温度湿
度の制御に関する動作を行うことも可能である。
【0086】この発明の装置により夏の温度と湿度の両
方が高い時は外気による換気がほとんど行われないが、
温度が比較的低く湿度が低い時、温度も湿度も低い時、
温度は高いが湿度が低い時は、換気量が空調に使用する
エネルギーが少なくなるように設定される。省エネルギ
ー効果の一例として、外気温湿度がゾーンで低温高湿
の場合、外気の低温を利用して室内を冷却し、冷凍サイ
クルで最大除湿運転を行うとしたときの負荷について概
算してみる。通常6月に頻度が高く現れる外気温21
℃、絶対湿度12g/kg(相対湿度77%程度)の場
合で、8畳程度の室内の目標室内温湿度を26℃、1
2.8g/kg(相対湿度60%程度)でこの室内に人
が2名いるとする。顕熱比SHFminとなるのは、リ
ターン空気と外気の導入比率が0.65:0.35の時
で、エンタルピーによる負荷比率(吸込み空気と目標吹
出し空気のエンタルピー差)/(リターン空気と目標吹
出し空気のエンタルピー差)は、0.5となる。即ち、
本実施の形態のように外気を積極的に導入、例えば室内
ユニットの総風量の35%の分だけ外気を導入して空気
調和を行った場合、従来のように外気を導入しないで室
内からのリターン空気のみを吸込み空気として循環させ
て空気調和を行う場合の半分のエネルギーで空気調和で
きる。
【0087】上記では、省エネルギー重視運転の場合の
制御を説明したが、所定の換気量が必要な場合には、そ
の換気量を確保した上で、同様の制御を行うことも可能
である。また、ヒータ4は必ずしも必要ではなく、特に
備えていなくてもよい。この場合冷凍サイクルの最大除
湿運転SHFminでも除湿が足りず制御ベクトルを実
現できない時には、目標吹出し空気の湿度を上げて温度
は満足するように運転し、室内熱交換器3から流出する
出口側空気を除湿する除湿手段を設けて目標吹出し空気
温湿度SA*になるように制御することもできる。さら
に加熱手段4は室内ユニット1の内部に設けていなくて
もよく、室内熱交換器3の下流側の空気流路、即ち室内
熱交換器3から流出する空気の出口と目標室内空気温湿
度としたい領域、例えば人の居住領域の間の空気流路を
流れる空気を加熱する位置にあればよい。
【0088】また、外気導入手段6の外気導入口の全面
に外気処理フィルターを設けて、外気に混入している花
粉やちりやほこりなどが室内に取り込まれるのを防止す
ると、室内空間をさらに健康的で快適に保つことができ
る。また、この外気処理フィルターとして、その少なく
とも一部を悪臭などを吸着させる材料で構成すると、ご
み収集日などに外気に混ざっている悪臭が室内に入り込
むのを防止できる。
【0089】既に述べたように、室内を空気調和する際
に制御に関与する空気状態は、室内空気であるリターン
空気(RA)、外気(OA)、吸込みである混合空気
(KA)、室内に循環する空気である吹出し空気(S
A)のそれぞれの温度と湿度であるが、これらの空気状
態には互いに関連性がある。このため、これら全ての値
を実際に検知しなくても演算で求めてもよい。また他の
方法、例えば圧縮機の周波数や蒸発温度や管温やファン
の回転速度などの情報から演算によって求めてもよい。
例えば室内空気状態としてリターン空気、吹出し空気、
外気の温度と湿度を計測によって検知し、混合空気の温
度と湿度は演算する。また、外気の温度と湿度を計測に
よって検知する代わりに、外気とリターン空気とが混合
した吸込み空気の温度と湿度を計測して検知し、この検
知値と外気風量VOAとリターン空気風量VRAから外気の
温度と湿度を演算してもよい。さらに、温度は室内の負
荷量や風量とも関係しており、これらから間接的に求め
ることもできる。また、湿度は季節や天候などに左右さ
れたり、室内の空気調和を行う際にそれほど厳密な計測
を必要としないこともあり、予め季節の平均湿度を記憶
しておいてこのデータを使用したり、他のパラメータか
ら間接的に推測や計算によって検出してもよい。また、
リターン空気と吹出し空気の状態はどちらも計測するよ
うに構成すると、室内空調負荷を正確に把握できるので
あるが、この室内空調負荷が冷凍サイクルの動作状態な
どの他の情報から推測できる場合には、リターン空気と
吹出し空気のどちらか一方の空気状態を計測によって検
知し、他方を推測するようにしてもよい。また、室内空
気状態として、リターン空気の温度と湿度を検知した
が、リターン空気に限るものではなく吹出し空気や他の
室内空間の空気、例えば室内の所定の場所に設けたセン
サーでその場所の温度と湿度を検知し、これを用いても
よい。室内の所定の場所の場合には、室内空調負荷を受
けている途中の空気状態を検知することになるが、その
計測場所からの室内空調負荷を把握していれば、同様に
制御できる。
【0090】実施の形態2.実施の形態1では外気導入
手段6を室内ユニット1と一体に構成し、これによって
外気を室内ユニット1内に導入し、室内空気が循環して
室内ユニット1内に取り込まれたリターン空気と混合し
て室内熱交換器3への吸込み空気となる構成であった。
本実施の形態では外気導入手段6を室内ユニット1と一
体ではなく分離して別々に配設し、外気を室内2に取込
む構成としたものである。但し、空気調和装置、冷凍サ
イクル、換気装置の運転を室外や室内の空気の温湿度状
態を検出し、空気線図上、または空気線図に示される各
物理量の相関関係を利用して温湿度状態をベクトル的に
取り扱い、エンタルピーなどを演算し、使用するエネル
ギーを少なくする制御を行うことは実施の形態1と同様
で、更にこのような構成、動作のみならず同様な効果が
得られることも実施の形態1と同様である。
【0091】図19は、本実施の形態による空気調和装
置の室内に配置された室内ユニット1近傍の構成を示す
部分構成図である。実施の形態1で説明した図面に記載
されている符号と同一の符号は同一のものを示す。外気
導入手段6は室内の例えば壁面に取り付けられており、
室外の新鮮な空気を室内に取込むことができる。この外
気導入手段6には、外気導入口開閉機構として例えばダ
ンパ67、および外気を吸込むためのファン31を有
し、ダンパ67の開閉、または開度を調節、またはファ
ン31の回転速を変化させることで、室内への外気導入
量を制御することができる。また、69は制御信号線で
あり、室内ユニット1内に設置されている電子箱32内
のマイクロプロセッサに接続されている。例えばマイク
ロプロセッサ内の外気量制御手段83からの制御信号が
外気導入手段6に送信され、実際にダンパ67の開閉制
御や開度制御やファン31の回転数制御を行う。
【0092】図19、図20は本発明の別の形態の空調
装置の構成および動作を説明する図であり、実施の形態
1とは外気を取り入れる換気扇6をエアコンの室内機す
なわち室内ユニット1とは一体とせずに別の位置に設け
たもので、上記説明と同一符号は同一のものを示す。図
20は室内ユニットと換気扇を別体にした構造の空調装
置における温度と湿度を一体で制御して目標値に近づけ
る制御の内容を説明する図である。図19、図20に示
すごとく、室内ユニット1の中の室内熱交換器3に戻る
室内空気である吸込み空気、即ちリターンエアは、冷凍
サイクルを循環する冷媒により熱交換器3の中で冷却及
び除湿されて、室内ファン5の回転により吹出し空気即
ちサプライエアとして室内へ供給される。リターンエア
とサプライエアの風量は同一でVRAである。この室内
ユニットとは別の位置例えばエアコンの吹出し口がある
下部の壁面でエアコンに隣接して設けられた外気導入手
段である換気扇6は同じ室内へ外気を供給する。サプラ
イエアと外気の各風量は加算されて、すなわちリターン
エア風量VRAと外気風量VOAがVRA+VOAであ
る混合エアとなり室内を循環するが、実施の形態1の説
明と同様に自然または強制的に排気される分があり、室
内ファンの回転数が一定の場合はほぼ一定のリターンエ
アーが確保される。マイコンのメモリーにファンの回転
数と風量の関係を記憶させておけば、風量比に於ける各
風量や式1で負荷を計算する時の風量は簡単に演算出来
る。この室内に循環する混合エアの温湿度KAは負荷Q
Lの顕熱分SHと潜熱分LHにより昇温増湿等されてリ
ターンエア温湿度RAの温湿度状態となる。
【0093】図中に示すTOA,XOA等のTやXの記
号は先の説明のように温度や湿度を示すもので湿度は絶
対値である。温度と湿度を計測する検出手段おいて、吸
込み口温度検出手段9、吸込み口湿度検出手段10は図
1のごとくエアコンの吸込みグリル35の位置に取り付
けられる。また、図1に記載されているように換気扇で
ある外気導入手段6は図1とは異なる位置であるが、外
気温度検出手段11、外気湿度検出手段12は図1と同
様に換気ファン31の側の室内側に取り付けられる。ま
た吹出し口温度検出手段13と吹出し湿度検出手段14
も図1のごとくエアコンの吹出し口に設けられる。但し
図1の構成では、吹出し口温度検出手段13と吹出し湿
度検出手段14は、エアコンの吹出しグリル34の内側
に混合エアの温度を計測するように取り付けられていた
が、この実施の形態での吹出し口からの空気はリターン
エアであって、混合エア、すなわち室内に循環する空気
の温度と湿度は、吹出し口のグリル近傍で計測された温
度と湿度と、換気ファンの出口で計測された温度と湿度
にたいし、それぞれの位置での風量を室内ファン及び換
気ファンの回転数から求め、風量比に応じた平均値とし
て求めている。もちろん吹出し口温度検出手段13と吹
出し口湿度検出手段14を、エアコン室内ユニットと換
気扇を隣接して配置し室内ユニットから下側に吹出す構
造にすれば室内ユニット1の下部の外側の両方の空気が
混合する位置に配置して、混合エアの温度と湿度を検出
する検出器52および53で直接計測しても良い。もし
エアコンの室内ユニット1と換気扇が離れた位置にあっ
たとしても、混合される位置に混合エアの温度と湿度を
計測する検出器を設ければ良い。
【0094】実施の形態1では外気とリターン空気の混
合空気が室内に循環して室内熱交換器3への吸込み空気
となって、室内熱交換器3を流れる冷媒と熱交換する。
吹出し空気の温湿度SAが室内に循環して室内で熱負荷
を受けて帰ってくるリターンエアの温湿度RAとなり、
温湿度SAとRAにより負荷QLを知ることが出来る。
即ち空気線図において温湿度SAに負荷QLのベクトル
を加えたものが温湿度RAとなる。この負荷QLベクト
ルが分かったのでリターンエアーの温湿度RAが目標点
の温湿度tへ重なるように負荷QLベクトルを平行移動
させて目標吹出し空気の温湿度SA*を得ることができ
る。サプライエアーの温湿度SAは検出されるか、或い
は室内負荷より分かっている。この状態で混合エアーの
温湿度KAが外気温湿度OAとリターンエアー温湿度R
Aの線分上のどこにあれば混合エアーの温湿度KAのエ
ンタルピとサプライエアーの温湿度SAのエンタルピの
差が最小になるかと言う判断、即ちi(KA*−SA
*)minimumを得ればエネルギーの最も小さいKA*が
えられる。一方、本実施の形態2では、リターン空気の
みが吸込み空気となって冷媒と熱交換され、室内ユニッ
ト1からの吹出し空気と外気とが混合されることにな
る。従って本実施の形態2は、外気の温湿度OAと風量
VOA、吹出し空気の温湿度SAと風量VSAが検出さ
れ、或いは検出された値から求めることが出来る。同様
に空気線図上で外気の温湿度OAと吹出し空気の温湿度
SAを結ぶ線上で、且つ、風量比で案分された点に混合
エア、即ち室内に循環する循環空気の温湿度KAが求め
られる。この混合エアの温湿度KAが室内を循環して負
荷QLを受けてリターンエアRAとして空調装置に帰っ
てくる。即ち空気線図において演算された或いは計測さ
れて得られた温湿度KAに負荷QLのベクトルを加えた
ものが温湿度RAとなる。この負荷QLベクトルが分か
ったのでリターンエアーの温湿度RAが目標点の温湿度
tへ重なるように負荷QLベクトルを平行移動させて目
標混合エアの温湿度KA*を得ることができる。この状
態で吹出し空気の温湿度SAが外気温湿度OAと室内に
循環する混合エアー温湿度KA*の線分上でどこにあれ
ばリターンエアの温湿度RAのエンタルピとサプライエ
アーの温湿度SAのエンタルピの差が最小になるかと言
う判断、即ちi(RA−SA*)minimumを得ればエネ
ルギーの最も小さいSA*がえられる。
【0095】実施の形態1ではi(KA*−SA*)mi
nimumの求め方として、KAはOAとRAの内分点のど
こかにある、冷却除湿負荷=蒸発器能力=i(KA*−
SA*)×風量である、ことから、KA*がRAとOA
の線分上でi(KA*−SA*)が小さいほど能力は小
さくなる。但し外気OAがいろいろな場合があり、図8
のゾーンではRA=KAの時、KA*−SA*が最小
になり、外気を導入しない方がエネルギーが小さくな
る。また図8のゾーンではOAとRAの内分点上にあ
るKAとSA*を通るベクトル線が飽和線Hと接する交
点をもつ混合エアの温湿度KA*が、KA*−SA*は
最小になる。また図8のゾーンではOAとRAの内分
点上にあるKAとSA*を通るベクトル線が飽和線Hと
交点を有するがSHF=1となる混合エアの温湿度KA*
が、KA*−SA*は最小になる。一方、本実施の形態
2では、リターン空気の温湿度RAが冷却除湿されて吹
出し空気の温湿度SAになり、吹出し空気の温湿度SA
と外気の温湿度OAが混合して室内に循環する循環空気
の温湿度KAになり、混合エアの温湿度KAに室内負荷
QLが加わりリターンエアの温湿度RAとなるので、実
施の形態2ではi(RA−SA*)minimumの求め方と
して、混合エアKAは外気OAと吹出し空気SA*の内
分点のどこかにある、冷却除湿負荷=蒸発器能力=i
(RA−SA*)×風量である、ことから、混合エアの
温湿度KA*は外気の温湿度OAとサプライエアの温湿
度SA*の線分上でi(RA−SA*)が小さいほど能
力は小さくなる。但し分かっているものはリターンエア
と混合エアであり、外気OAがいろいろな場合がある。
【0096】本実施の形態2のi(RA−SA*)mini
mumの求め方を図21、図22、図23の空気線図に示
す。図21はゾーンの説明図であって、図のハッチン
グの部分がゾーンの範囲を示す。図においてリターン
エア温湿度RAと目標混合エア温湿度KA*によって分
類されるゾーンによって、新鮮外気の利用方法が異な
る。図21の外気の温湿度OA1が目標混合エアの温湿
度KA*よりも高エンタルピ側外気は利用しない方が望
ましい。目標混合エアの温湿度KA*と挟んで外気の温
湿度OA1と反対側に空気調和装置の吹出し空気の温湿
度SAを作らねばならず、冷凍サイクルのエネルギーを
増やすことになる。冷凍サイクルのエンタルピ差i(R
A−SA*)minimumはSA*=KA*のとき最小とな
る。図22はゾーンの説明図であって、図のハッチン
グの部分がゾーンの範囲を示す。外気の温湿度OA2
がKA*のエネルギーより低く、ベクトルRA−KA*
より温度が低い状態にあるゾーンの範囲では外気の低
温特性を最大限利用し冷凍サイクルは除湿能力をフル運
転させる。これにより省エネルギーを計るが除湿能力に
限界があり、例えばベクトルRA−SA*の延長線が飽
和線Hに接する事が出来なかったり、室内熱交換器温度
ETが許容範囲より小さくなる場合には可能な顕熱比の
最小値、即ちベクトルRA−SA*の傾きの限界である
SHFRminimumを選択する。ゾーンでは目標混合エ
アの温湿度KA*と挟んで外気の温湿度OA1と反対側
に空気調和装置の吹出し空気の温湿度SAがくるので、
ベクトルRA−SA*の延長線が飽和線Hに接する点を
有する目標吹出し空気の温湿度SAを選択すれば冷凍サ
イクルのエンタルピ差RA−SA*が最も小さくなる目
標サプライエア温湿度SA*が求まる。
【0097】図23はゾーンの説明図であって、図の
ハッチングの部分がゾーンの範囲を示す。外気の温湿
度OA3がKA*よりエネルギーが低く、且つ、低い湿
度で、ベクトルRA−KA*より湿度が低い状態にある
ゾーンの範囲では外気の低湿特性を利用し冷凍サイク
ルは高顕熱運転を行う。目標混合エアの温湿度KA*と
挟んで外気の温湿度OA1と反対側に設定する空気調和
装置の吹出し空気の温湿度SAはリターンエアの温湿度
RAとこの吹出し空気の温湿度SA*が空気線図で水平
になるところ、即ちSHF=1が冷凍サイクルのエンタ
ルピ差RA−SA*が最も小さくなる。実施の形態2の
構成によるゾーンの外気利用が望ましくない範囲は実
施の形態1の一体の構成に比べ増加する。以上の実施の
形態2の構成の場合の制御動作を図24でまとめて説明
する。、負荷の大きさはQL=(VRA+VOA)×密
度×エンタルピ差で得られ、この負荷はリターンエアの
温湿度RAと混合エアの温湿度KAのエンタルピ差で、
顕熱負荷SHと潜熱負荷LHに分けられる。室内を目標
温湿度tにするにはリターンエアの温湿度RAを目標温
湿度tにしなければならず、負荷を平行移動させて目標
混合エアKA*が決まる。この目標混合エアの温湿度K
A*に対し外気の温湿度状態によりエネルギーが少な
い、即ちリターンエアの温湿度と目標サプライエアの温
湿度のエンタルピー差が最小になる条件を図21、図2
2、図23のように選ぶことになる。図24の外気の温
湿度がベクトルRA−KA*より湿度が低い状態にある
ゾーンの範囲では外気の低湿特性を利用し冷凍サイク
ルは高顕熱運転即ちSHF=1の運転を行う。この様に
各空気の温湿度の状態が決まることにより、顕熱比が許
容範囲内の室内熱交換器温度ET*が求められる。更に
冷凍サイクル能力Qe即ちベクトルRA・SA*が決定
される。また温湿度OAとKA*の線分上でSA*が決
まりこの案分比率x*とy*でサプライエアと外気の風
量比率も決定される。この様に冷凍サイクルのSHFの
許容範囲等を考慮しながら温湿度の変化のエンタルピー
差をできるだけ最少とする基本的な考え方は実施の形態
1と同様で、空気調和装置の省エネルギー運転が可能に
なる。
【0098】図3の空気線図にエンタルピiの軸が記載
されているように、温度と絶対湿度とは次の関係でエン
タルピiの斜交軸が一義的に決められている。すなわ
ち、i=0.24*温度+(597.5+0.441*温度)*絶対湿度であ
る。従って温度と湿度を検出すればマイコンにてエネル
ギーである室内負荷の大きさと潜熱・件熱の負荷比率を
演算することが出来る。室内の負荷の大きさであるQl[K
cal/h]の絶対値は、風量*密度*混合エアとリターンエ
アの間のエンタルピの差、で表される。この負荷状態に
対する潜熱と顕熱の負荷比率は、LH[g]/SH[゜C]=(Xra-Xk
a)/(Tra-Tka)、であり、負荷の状態は演算で把握するこ
とが出来る。なおx:yの風量比の算定は、例えばファン
の回転数と風量の関係が制御装置のマイコンに記憶させ
てあるので決められており、サプライエアの温湿度SAは
外気温湿度OAと混合エアの温湿度KAと風量比からOAとKA
の延長線上に得られる。リターンエアの温湿度RAと得ら
れたサプライエアの温湿度SAを直線で結ぶ間のエンタル
ピが空調機の能力Qeである。さらに、この延長線が相対
湿度100%の飽和線と交わる点が蒸発温度ETとみなさ
れる。空気線図のデータが記憶されているためこれらの
演算は制御装置のマイコンで簡単に行われる。
【0099】空調能力Qeの増加にたいし圧縮機の周波
数を増加させる考えは式2などで詳細を説明している
が、空調能力Qeがベクトル(RA,SA)より決まる
のでその増加分ΔQeは(Qe+ΔQe)/Qe=[i
(RA−SA*)]/[i(RA−SA)]で求められ
る。これに対し現在の周波数をfzとすると、周波数の
増分は空調能力の増加分に対応した(fz+Δfz)/
fzというように得られる。本実施の形態のように、外
気導入手段6を室内ユニット1と分離して独立に設けた
場合には、省エネルギーとなる外気利用範囲は、一体に
設けた場合よりも狭くなるが、やはり外気を積極的に利
用しない従来の場合と比べて、省エネルギー効果はあ
り、新鮮な外気を導入することによる健康上への効果も
大きい。また、このような構成では、現在広く用いられ
ている室内ユニットからの構成変更が少なく、例えば外
気導入手段6へ信号線69によって制御信号を送信する
ように変更すればよいので、比較的簡単に実現できる。
さらに一体ではないので外気導入手段6の部分だけの清
掃やメンテナンスなども手軽に行うことができる。
【0100】さらに、外気導入手段6として室内ユニッ
ト1とは独立しているので、この外気導入手段6として
従来の換気扇のような作用も兼ね備えたものとすること
もできる。即ち、例えばファンを反転させるなどして室
内空気を室外へ導出できるように構成すれば、換気機能
の大きい空気調和を行うことができる。この例を図25
にて説明する。図25は室内ユニット1の中の室内熱交
換器3や室内ファン5と、外気導入手段である換気扇6
を設ける構成は同一であり、31は換気ファン、32は
室内制御装置である。リターンエア、サプライエアなど
各空気の温湿度を基にエンタルピー差のか少ない運転を
設定する内容は上記説明と同一であるが外気導入手段6
は換気ファン31により室内空気を排気することが異な
り、したがってリターンエアの温湿度は室内空気から排
気がベクトル的に減算された形になる。換気ファン31
の運転は室内制御装置32からの信号により制御され
る。別の構成の例を図26に示す。図26も空調装置と
外気導入手段6とは別体に設ける構成であるが、外気導
入手段6に全熱熱交換器と給気用ファン44、排気用フ
ァン43を設け、外気を導入する吸気に室内空気を排気
する際の熱を伝達して室内の熱エネルギーを無駄にしな
い構成である。給気用ファン44、排気用ファン43の
運転は室内制御装置32からの信号により制御される。
この構成に対しても外気導入手段6の給気とは域の温湿
度を含めたベクトル演算を必要とするが、上述の様に温
湿度のエンタルピー差を利用した低エネルギーの運転設
定が可能であり、より一層の省エネルギーが計れること
になる。図25、図26では外気導入手段の運転などは
室内制御装置の中のマイコンにて制御する例を示したが
リモコンなど別の制御装置により運転を制御しても良い
ことは当然であるし、この信号は信号線を設け伝達する
構成にしてあるが、電力とともに電灯線にて信号を搬送
したり、電波などの信号線無しの構成でも良い。
【0101】一体型の構成にしろ、別体型の構成にし
ろ、蒸発温度である室内熱交換器温度ETに付いては、
許容範囲が存在することと、例として下限値として10
゜Cで説明してきた。この下限値を空調装置の性能の面
から求めた例を、図27および図28に示す。図27は
室内熱交換器温度ETを空気線図上で設定する説明図
で、Pは室内熱交換器3へ吸込まれる空気の温湿度で、
温度24゜C、相対湿度50%とする。これは一体構造
では目標混合エアの温湿度KA*であり、別体構造では
リターン空気の温湿度RAである。顕熱比SHFが異な
る直線と飽和線Hの交点をそれぞれET=1゜C、5゜
C、10゜Cとする。図28は横軸に蒸発温度を取り、
図28の縦軸として、(a)は顕熱比、(b)は空調装
置の成績係数COPである。図28の(a)からは室内
熱交換器温度が低下するに伴いあの値以下では顕熱比は
差が出ないことになる。一方(b)からは室内熱交換器
温度ETを下げていけば比例して成績係数COPが低下し
能力が低下する。従って図のように室内熱交換器温度E
Tの下限値を5゜C程度より下げてもエネルギー低減を
得る効果がなくなるのでETの下限値としてこの飽和す
る約5゜Cを採用する。すなわち、図27のP点からE
Tに引く直線はET=1の点で接点となり、それより下
がるとSHFは上昇してしまう。本発明では第1に室内
負荷を求めて室内に循環する空気、例えば一体型では空
調装置の吹出し空気、また別体装置では室内に循環する
空調装置と外気との混合エアの温湿度の目標値を設定し
た。更に第2に外気を含めた各空気の温湿度を基に、室
内熱交換器に直接吸込まれる空気と吹出す空気のエンタ
ルピー差が小さくなるように、即ち冷凍サイクルのエネ
ルギーを少なくする蒸発温度ETを求めている。但しこ
の時、外気の温度が室内の各空気の温度との関係にたい
しどのゾーンにあるかで制御を行う説明をしてきた。ゾ
ーンやの様にSFHminを求める演算ではでは最初
から上記で説明した飽和値、例えば5゜Cの様なこの固
定された下限値を使用すれば飽和線Hと接する点を求め
る必要がなく、制御がより簡単になる。この制御は一体
型換気制御にしろ、別置き型換気制御にしろ、空調装置
のおかれた地域や室内の条件、或いは運転の要求により
除湿運転が必要であれば換気する風量の比率に関らず先
ず室内熱交換器で目一杯除湿する、即ち、SFHmin運
転を行うと言う考えで、そのため性能低下を考慮した蒸
発温度下限値である固定置5゜Cで固定された条件で運
転することが制御が簡単で効率の良い運転が行えること
になる。mailto:w@
【0102】更にこのような空調装置と換気装置の組み
合せに対し、一体型換気制御にしろ、別置き型換気制御
にしろ高温多湿状態が存在する場合は除湿が必要であ
り、もっと簡単な固定値を使用した制御を行うことが出
来る。既に説明したように一体型換気制御の場合はリタ
ーンエアのエンタルピiRAよりも外気のエンタルピi
OAが小なら外気導入手段にて外気を導入する。別置き
型換気制御の場合は空調装置からの吹出し空気と外気を
混合した混合エアのエンタルピiKAより外気のエンタ
ルピiOAが小なら外気導入手段にて外気を導入する。
この外気の導入にあたりエンタルピー差を算出する場合
厳密な数値でなくとも、効果的な除湿が行える。すなわ
ち空調装置と換気装置の組み合せに関係なく、空調装置
に戻るリターンエアの室内空気の温湿度iRAと外気の
エンタルピiOAとの関係を、iRA−iOA<αとす
る。この説明を図29に示す。図29の空気線図におい
て、Φは各温度に於ける相対湿度を示す。室内空気の温
湿度をRA、外気の温湿度をOAとし、このエンタルピ
ー差をもとめ、図のようにiRA−iOA<αとなり、
若干の差が存在することを検出する。これによりファン
回転数が一定である換気扇を運転して、この時の外気の
風量と室内空気の風量の関係から、室内空気の温湿度と
外気の温湿度の線分に風量比から熱交換器に直接吸込ま
れる空気の温湿度Kが設定される。このK点と固定され
た蒸発温度5゜Cを結ぶ線と、目標とする室内温度Tt
との交点が目標温湿度tとなって、この値に制御され
る。この結果、室内温湿度のエンタルピーiRAと目標
温湿度tのエンタルピーitの差より、K点でのエンタ
ルピーiKと目標温湿度tのエンタルピーitの差の方
が小さく、冷却除湿すべき負荷が小さく省エネルギーと
なる。この様にiRA−iOA<αという条件で換気扇
を動作させるだけで目標温度に到達する時には除湿も行
われると言う簡単な制御になる。
【0103】上記の説明では、加熱手段4としてヒータ
を有する構成としたが、この加熱手段4は例えば空気を
数℃〜20℃程度加熱できるものであればよく、ヒータ
に限るものではない。図30は加熱手段として一般に再
熱方式と称されているものであり、冷媒との熱交換によ
って空気を加熱するものの、構成の一例を示す説明図で
ある。図において、3a、3bは2台の室内熱交換器、
26bは冷凍サイクルの室外ユニット8に置かれた膨張
弁とは異なる減圧手段である膨張弁である。
【0104】図において、例えば実施の形態1の冷房運
転の時で外気温湿度がゾーンまたはの領域にあり、
リターン空気温湿度RAから目標吹出し空気温湿度SA
*へのベクトルの延長線が飽和線と交差しない時、また
は外気温湿度がゾーンの領域にあり、外気温湿度OA
3から目標吹出し空気温湿度SA*へのベクトルの延長
線が飽和線と交差しない時、冷凍サイクルで目標吹出し
空気温湿度SA*を実現するのは不可能であった。この
とき冷凍サイクルによって湿度は目標と一致させて温度
の低い出口側空気とし、この空気を加熱して目標吹出し
空気温湿度SA*を実現出来る。図30のように2台の
室内熱交換器3a、3bを備え、一方の室内熱交換器3
aを凝縮器、他方の室内熱交換器3bを蒸発器として動
作させる。蒸発器として動作する室内熱交換器3bを例
えば空気流路の上流側に配置し、凝縮器として動作する
室内熱交換器3aを例えば空気流路の下流側に配置す
る。この2台の室内熱交換器3a、3bの間には、膨張
弁26bを設けている。
【0105】以下、図30に示した冷凍サイクルの冷房
運転時の動作について説明する。圧縮機で圧縮された高
圧ガス冷媒は、圧縮機の吐出口から四方弁を介して室外
熱交換器へ流通し、ここで室外ファンで吹きつけられる
外気に放熱する。そして冷媒は凝縮し、高圧液冷媒とな
って室外熱交換器から流出する。その後室外機に設けら
れた膨張弁26で中間圧まで減圧し、一部ガスとなって
冷媒配管を流通して室内ユニット1の室内熱交換器3a
へ流入する。この室内熱交換器3aで冷媒はさらに凝縮
すると共に室内熱交換器3aの冷媒配管の周囲を流れる
空気を加熱する。その後室内熱交換器3aから流出した
冷媒は膨張弁26bで低圧にまで減圧され、低圧二相冷
媒となる。さらに低圧二相冷媒は室内熱交換器3bへ流
通し、ここで採熱して蒸発する際に周囲を流れる空気と
熱交換することによって室内空気を冷却除湿する。そし
て冷媒は、室内熱交換器3bから低圧ガス冷媒となって
流出した後、冷媒配管7を通って室外ユニット8に流通
し、四方弁22を介して圧縮機の吸入口へと戻る。この
ような動作によって室内熱交換器3aは加熱手段とな
り、室内熱交換器3bでは冷熱が得られる。
【0106】このような再熱方式の加熱手段を用いるこ
とで、空気調和装置の冷媒に例えば炭化水素やR290
などの可燃性冷媒を用いても、冷媒が燃焼することがな
く、安全な空気調和装置とすることができる。近年、地
球環境保全の観点から、オゾン層を破壊せず、温暖化係
数も0である冷媒を用いる要求が高まっている。R29
0はこの条件を満足するものであるが、問題点はその性
質が可燃性を有することである。本実施の形態のように
構成すれば、新鮮な外気を積極的に効果的に利用でき、
省エネルギーであり、健康にも良好で、さらに可燃性を
有する冷媒でも安全に使用することができる空気調和装
置が得られる。またこの発明において、送風機により循
環する空気に加熱または冷却または加湿または除湿を行
う熱交換器は、既に説明してきたように冷媒を循環させ
る冷媒サイクルに設けられ空気の温度および空気中の水
蒸気成分量を変化可能な熱交換器であっても良いし、空
気の温度だけをを変化させることが出来るオイルヒータ
のような単なるヒータでも良いし、主として空気中の水
蒸気成分を変化させることが出来る吸着式の除湿機、或
いはこれらの組み合せでも室内を循環させる空気の温湿
度に影響を与える複数の種類の装置を設けた場合でも本
発明が成り立つことは明らかである。
【0107】図31は空調装置を説明する図であって、
天井20には吸込みグリル35から吸込んだ空気をダク
ト48を介して別の個所へ補助グリルの吹出しグリル3
4を設けた室内の空気を空調する空調機1とダクト36
で外気を吸気する天井埋め込み換気扇46が設けられて
いる。この様に空調機にダクトを介して補助グリルや循
環送風機等を設け、室内の他の場所や穂かの部屋へ一つ
の空調機により空調された空気を送風することも出き
る。室内に温調された空気を循環させる方法としては空
調機の存在する部屋の中で扇風機を運転する方法等があ
るが部屋の部分的空気を利用しての循環にとどまり冷房
や暖房の効果が限定され、かつ、あまり広い範囲では効
果がなくなったり別の部屋を一緒に行うことも出来ない
が、本発明の装置ではダクトを介して循環送風機等で必
要な場所に温調された空気を効果的にしかも低騒音で循
環させることが出来る。ダクトを通じて別の部屋の空調
や、複数の部屋や廊下などの調温を簡単な設備で行うこ
とが出来る。各部屋の空調は本発明の湿度調整する装置
を設け湿度調整された空気調和を行ってもよいことは当
然である。更に室内には、室内の空気の温湿度に影響す
る加湿器50やヒーター51が設けられていても検出し
たり制御する空気の温湿度の数が増えるだけでエンタル
ピーなどによる制御は本発明の制御で行うことが出来
る。
【0108】この発明は、空気調和装置で室内空気を冷
房または暖房することで室内空気の温度または湿度を関
連して変化させ、目標値である温度および湿度に接近す
るように室内の空気調和を行い、外気の導入量を調整し
得る外気導入手段で外気を室内に導入し、外気の温度お
よび湿度、室内空気の温度および湿度、並びに室内空気
の目標値である温度および湿度に基づいて、外気の導入
量を変えることにより、室外の空気状態に応じて外気を
導入しこれを効果的に利用して快適な室内空間を得るよ
うに空気調和を行うことができる。。
【0109】またこの発明は、外気のエンタルピーが室
内空気のエンタルピーよりも大きい場合に外気導入手段
を閉止して外気の導入量を最小にすることにより、室外
の空気状態に応じて外気を導入しこれを効果的に利用し
て快適な室内空間を得るように空気調和を行うことがで
き、さらに無駄な仕事をすることなく省エネルギー化を
実現できる。
【0110】またこの発明は、外気のエンタルピーが室
内空気のエンタルピーよりも小さく、かつ外気の温度と
湿度が前記室内空気の温度と湿度から目標値である温度
と湿度への変化の延長線よりも低温側である場合に、外
気と室内空気を混合した混合空気の温度と湿度から目標
値である温度と湿度へ接近させる際の、温度の変化量に
対する湿度の変化量が大きくなるように外気の導入量を
調整することにより、室外の空気状態に応じて外気を導
入しこれを効果的に利用して快適な室内空間を得るよう
に空気調和を行うことができ、さらに無駄な仕事をする
ことなく省エネルギー化を実現できる。
【0111】またこの発明は、外気のエンタルピーが室
内空気のエンタルピーよりも小さく、かつ外気の温度と
湿度が室内空気の温度と湿度から目標値である温度と湿
度への変化の延長線よりも低湿側である場合に、外気と
室内空気を混合した混合空気の温度と湿度から目標値で
ある温度と湿度へ接近させる際の、温度の変化量に対す
る湿度の変化量が小さくなるように外気の導入量を調整
することにより、室外の空気状態に応じて外気を導入し
これを効果的に利用して快適な室内空間を得るように空
気調和を行うことができ、さらに無駄な仕事をすること
なく省エネルギー化を実現できる。
【0112】またこの発明は、熱輸送手段によって輸送
された温熱または冷熱と吸込み空気とを熱交換して吸込
み空気の温度と湿度の少なくともどちらか一方を変化さ
せる室内熱交換器と、この室内熱交換器による熱交換後
の空気を吹出し空気として室内に吹出す室内ファンと、
室外から外気を導入する外気導入手段と、外気の温度を
検知する外気温度検知手段と、外気の湿度を検知する外
気湿度検知手段と、室内空気の温度を検知する室内温度
検知手段と、室内空気の湿度を検知する室内湿度検知手
段と、室内の空調負荷を検知する室内空調負荷検知手段
と、外気の温度と湿度から得られた外気状態、室内空気
の温度と湿度から得られた室内空気状態、室内空調負荷
検知手段で得られた室内空調負荷、目標室内空気温度と
目標室内空気湿度とから得られた目標室内空気状態、の
外気状態、室内空気状態、室内空調負荷、目標室内空気
状態に基づいて外気を室内に取り込む外気導入量並びに
室内熱交換器での吸込み空気から吹出し空気への間の温
度および湿度の変化量を設定する運転動作設定手段と、
運転動作設定手段で設定した外気導入量になるように外
気導入手段を運転制御する外気量制御手段と、運転動作
設定手段で設定した吸込み空気から吹出し空気への間の
温度および湿度の変化量を得るように熱輸送手段の運転
動作を制御する運転動作制御手段を備えたことにより、
室外の空気状態に応じて外気を導入しこれを効果的に利
用して快適な室内空間を得るように空気調和を行うこと
ができる。
【0113】またこの発明は、運転動作設定手段で、外
気温度検知手段で検知した外気温度と外気湿度検知手段
で検知した外気湿度とから求める外気エンタルピーが、
室内空気温度検知手段で検知した室内空気温度と室内空
気湿度検知手段で検知した室内空気湿度とから求める室
内空気エンタルピーよりも小さいときに、外気を導入す
るように設定することにより、室外の空気状態に応じて
外気を導入しこれを効果的に利用して快適な室内空間を
得るように空気調和を行うことができ、さらに無駄な仕
事をすることなく省エネルギー化を実現できる空気調和
装置が得られる
【0114】またこの発明は、運転動作設定手段で、湿
り空気線図において、外気の温湿度が、室内空気温湿度
と目標室内空気温湿度を結ぶ線よりも低温側のとき、外
気を導入して主に室内空気の温度を低下させ、室内熱交
換器での冷媒との熱交換よって主に室内空気の湿度を低
下させるように設定することにより、室外の空気状態に
応じて外気を導入しこれを効果的に利用して快適な室内
空間を得るように空気調和を行うことができ、さらに無
駄な仕事をすることなく省エネルギー化を実現できる空
気調和装置が得られる
【0115】またこの発明は、運転動作設定手段で、湿
り空気線図において、外気の温湿度が、室内空気温湿度
と目標室内温湿度を結ぶ線よりも低湿側のとき、外気を
導入して主に室内空気の湿度を低下させ、室内熱交換器
での冷媒との熱交換よって主に前記室内空気の温度を低
下させるように設定することにより、室外の空気状態に
応じて外気を導入しこれを効果的に利用して快適な室内
空間を得るように空気調和を行うことができ、さらに無
駄な仕事をすることなく省エネルギー化を実現できる。
【0116】またこの発明は、室内熱交換器の下流側の
空気流路に設けられ、前記室内熱交換器から流出した空
気を加熱する加熱手段を備えたことにより、室外の空気
状態に応じて外気を導入しこれを効果的に利用して快適
な室内空間を得るように空気調和を行うことができ、さ
らに無駄な仕事をすることなく省エネルギー化を実現で
きる空気調和装置が得られる。
【0117】またこの発明は、加熱手段を、ヒータ、ま
たは冷媒との熱交換によって空気を加熱するものとした
ことにより、室外の空気状態に応じて外気を導入しこれ
を効果的に利用して快適な室内空間を得るように空気調
和を行うことができ、さらに無駄な仕事をすることなく
省エネルギー化を実現できる。
【0118】またこの発明は、外気導入手段を少なくと
も外気導入口開閉機構を有するものとし、外気導入口開
閉機構を開閉することにより、または外気導入口開閉機
構の開度を調節することにより、外気導入量を可変にし
たので、室外の空気状態に応じて外気を導入しこれを効
果的に利用して快適な室内空間を得るように空気調和を
行うことができ、さらに細かく制御を行って省エネルギ
ー化を実現できる。
【0119】またこの発明は、熱輸送手段を、圧縮機と
熱源側熱交換器と減圧手段と利用側熱交換器とを冷媒配
管によって連結し冷媒を循環させる冷凍サイクルを備
え、室内熱交換器を前記利用側熱交換器で構成して冷媒
配管を流れる冷媒によって室内熱交換器に冷熱または温
熱を輸送するものとしたことにより、もしくは室内熱交
換器を利用側熱交換器とは別の熱交換器で構成して利用
側熱交換器での冷熱または温熱を前記別の熱交換器に輸
送する循環路を有するものとしたことにより、既存のエ
ネルギー効率の高い冷凍サイクルを利用して、室外の空
気状態に応じて外気を導入しこれを効果的に利用して快
適な室内空間を得るように空気調和を行うことができ
る。
【0120】またこの発明は、湿り空気線図上で、外気
の温湿度と室内空気の温湿度間で前記外気の導入量に応
じて変化する温湿度の空気を吸込み空気とし、目標吹出
し空気として設定された温湿度の空気を吹出し空気と
し、吸込み空気から吹出し空気への温湿度の変化を制御
ベクトルとし、制御ベクトルの延長が冷媒温度の許容範
囲から制限される範囲の飽和線の温湿度に至るように吸
込み空気の温湿度と許容範囲内の冷媒温度とを設定する
ことにより、室外の空気状態に応じて外気を導入しこれ
を効果的に利用でき、さらに外気を積極的に利用する際
の空気調和装置の制御に際し、空気温度と共に空気湿度
を関連させて快適な室内空間を得るように空気調和を行
うことができる空気調和装置の制御方法が得られる。
【0121】またこの発明は、制御ベクトルの延長が冷
媒温度の許容範囲から制限される範囲の飽和線の温湿度
に至るように、かつ空気調和装置の入力が最小となるよ
うに、吸込み空気の温湿度と許容範囲内の冷媒温度とを
設定することにより、室外の空気状態に応じて外気を導
入しこれを効果的に利用でき、さらに省エネルギー化を
実現できる。
【0122】またこの発明は、吸込み空気のエンタルピ
ーが室内空気のエンタルピー以下となるように吸込み空
気の温湿度を設定して外気の導入量を制御することによ
り、室外の空気状態に応じて外気を導入しこれを効果的
に利用して快適な室内空間を得るように空気調和を行う
ことができ、さらに無駄な仕事をすることなく省エネル
ギー化を実現できる。
【0123】またこの発明は、外気の温湿度が、室内空
気から目標吹出し空気への温湿度の変化の延長線よりも
低温側の領域の場合、吸込み空気の温度が目標吹出し空
気の温度に接近するように、または制御ベクトルの傾斜
が大きくなるように、外気の導入量を制御することによ
り、室外の空気状態に応じて外気を導入しこれを効果的
に利用して快適な室内空間を得るように空気調和を行う
ことができ、さらに無駄な仕事をすることなく省エネル
ギー化を実現できる。
【0124】またこの発明は、外気の温湿度が、室内空
気から目標吹出し空気への温湿度の変化の延長線よりも
低湿側の領域の場合、吸込み空気の湿度が目標吹出し空
気の湿度に接近するように、または制御ベクトルの傾斜
が小さくなるように、外気の導入量を制御することによ
り、室外の空気状態に応じて外気を導入しこれを効果的
に利用して快適な室内空間を得るように空気調和を行う
ことができ、さらに無駄な仕事をすることなく省エネル
ギー化を実現できる。
【0125】またこの発明は、湿り空気線図上で、外気
の温湿度と室内空気の温湿度間で外気の導入量に応じて
変化する温湿度の空気を吸込み空気とし、目標吹出し空
気として設定された温湿度の空気を吹出し空気としたと
きの、吸込み空気から吹出し空気への温湿度の変化の延
長が冷媒温度の許容範囲から制限される範囲の飽和線の
温湿度から外れる場合、吹出し空気の湿度の目標値と同
レベルの湿度の空気を吹出し空気としたときの、吸込み
空気から吹出し空気への温湿度の変化を制御ベクトルと
し、制御ベクトルの延長が冷媒温度の許容範囲から制限
される範囲の飽和線の温湿度に至るように吸込み空気の
温湿度と許容範囲内の冷媒温度とを設定し、吹出し空気
の温度が目標吹出し空気の温度よりも低い場合に加熱し
て目標吹出し空気の温度とするように加熱量を設定する
ことにより、室外の空気状態に応じて外気を導入しこれ
を効果的に利用でき、さらに外気を積極的に利用する際
の空気調和装置の制御に際し、空気温度と共に空気湿度
を関連させて快適な室内空間を得るように空気調和を行
うことができる。
【0126】またこの発明は、制御ベクトルの延長が冷
媒温度の許容範囲から制限される範囲の飽和線の温湿度
に至るように、かつ空気調和装置の入力が最小となるよ
うに、吸込み空気の温湿度と許容範囲内の冷媒温度とを
設定することにより、室外の空気状態に応じて外気を導
入しこれを効果的に利用でき、さらに省エネルギー化を
実現できる。
【0127】またこの発明は、外気の温湿度と室内空気
の温湿度間で吸込み空気の温湿度を変更し、または、目
標吹出し空気の湿度と同レベルである湿度で吹出し空気
の温度を変更し、制御ベクトルの長さである空調能力と
加熱量とのエネルギー総量が小さくなるように制御ベク
トルを設定することにより、室外の空気状態に応じて外
気を導入しこれを効果的に利用でき、無駄な仕事をする
ことなく省エネルギー化を実現できる。
【0128】またこの発明は、外気のエンタルピーが室
内空気のエンタルピーよりも大きい外気の領域と、外気
のエンタルピーが室内空気のエンタルピーよりも小さい
外気の領域と、の領域に応じて外気の導入量を設定する
ことにより、室外の空気状態に応じて外気を導入しこれ
を効果的に利用でき、さらに外気を積極的に利用する際
の空気調和装置の制御に際し、空気温度と共に空気湿度
を関連させて快適な室内空間を得るように空気調和を行
うことができ、制御しやすい。
【0129】またこの発明は、外気の温湿度が室内空気
から目標吹出し空気への温湿度の変化の延長線よりも低
温側である領域と、外気の温湿度が室内空気から目標吹
出し空気への温湿度の変化の延長線よりも低湿側である
領域と、の領域に応じて、冷凍サイクルの空調能力を設
定することにより、室外の空気状態に応じて外気を導入
しこれを効果的に利用して快適な室内空間を得るように
空気調和を行うことができ、さらに無駄な仕事をするこ
となく省エネルギー化を実現できる。
【0130】またこの発明は、外気のエンタルピーが室
内空気のエンタルピーよりも大きい外気の領域と、外気
のエンタルピーが室内空気のエンタルピーよりも小さ
く、かつ外気の温湿度が室内空気から目標吹出し空気へ
の温湿度の変化の延長線よりも低温側である領域と、外
気のエンタルピーが室内空気のエンタルピーよりも小さ
く、かつ外気の温湿度が室内空気から目標吹出し空気へ
の温湿度の変化の延長線よりも低湿側である領域と、の
3つの領域に応じて、外気の導入量並びに冷凍サイクル
の空調能力および冷媒温度を設定することにより、室外
の空気状態に応じて外気を導入しこれを効果的に利用し
て快適な室内空間を得るように空気調和を行うことがで
き、さらに無駄な仕事をすることなく省エネルギー化を
実現できる。
【0131】またこの発明は上記のように再熱をヒータ
ーや冷凍サイクルの熱交換器を利用して行う説明をして
きたが、図29で説明した運転方法に検出値をさらに簡
略させて設定温度を若干、たとえば−2゜C程度下げて
除湿を有効に行うことができる。まずセンサーとして、
外気温度TOAとリターンエアーの吸い込み温度TRA
の2点を実際に計測する。外気の温湿度におけるエンタ
ルピーiOAを得るためには、外気の湿度が必要である
が、外気湿度検出手段としてこれは演算にて求められ
る。たとえば年間気象データ頻度表から、平均相対湿度
をマイコンに記憶させることができる。さらに湿度の値
の精度を上げるため、標準気象データの温湿度データを
利用し外気湿度として、φOA=φ(TOA)としても
よい。すなわち検出した外気温度に応じて外気湿度の平
均値を変えて求めた値を外気湿度として、外気の温湿度
を得て、外気のエンタルピiOA=f(TOA,φO
A)が演算できる。
【0132】次に吸い込み空気の湿度は目標湿度、たと
えば相対湿度60%とする。検出された吸い込み温度T
RAと目標湿度を吸い込み空気の検出湿度に置き換える
演算により吸い込み空気の温湿度が演算されて、吸い込
み空気のエンタルピiRA=f(TRA,60%)が演
算できる。このように外気温度センサー、吸い込み空気
温度センサー、外気湿度演算手段、吸い込み空気湿度演
算手段殻得たデータにより、外気エンタルピ演算手段、
吸い込み空気エンタルピ演算手段で各エンタルピを求
め、図29で説明した、iRA−iOA<αという判定
手段にて、この条件を満足するときに換気扇を動作させ
る信号が発せられる。この結果簡単な検出センサーを用
いるだけで、目標温度と目標湿度を設定し、外気及び吸
い込み空気の温湿度からエンタルピを演算するとともに
このエンタルピにより前記空気調和手段および前記換気
手段を制御する制御手段により、設定された温度への空
調装置の運転が行われ、目標温度に到達するときに図2
9で説明したように温湿度データを基にした除湿が行え
る。さらに、外気を利用した効果的な除湿も一緒に行う
ことができて、温度と湿度の空調をエアコンと換気扇を
利用して少ないエネルギーで行うことができ、快適な室
内空気の状態を簡単な装置と簡単な制御で効率よく行う
ことができる。
【0133】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る発明によ
れば、室内に吸込み口と吹出し口を有し、送風機により
室内空気を吸込み口から吸込んで前記吹出し口から吹出
して循環させる室内空気の温度および湿度を変化させて
空気調和を行う空気調和手段と、室外から室内に外気を
導入または室内から室外へ空気を排気する開口およびこ
の開口を開閉する開閉手段または通風量を調整する通風
調整手段を有する換気手段と、換気手段から導入される
外気の温度を検出する外気温度検出手段と、換気手段か
ら導入される外気の湿度を検出する外気湿度検出手段
と、空気調和手段へ室内から吸込む空気の温度を検出す
る吸込み温度検出手段と、空気調和手段の室内熱交換器
温度を検出する室内熱交換器温度検出手段及び室内に循
環する空気の温度を検出する室内温度検出手段の少なく
ともどちらかと、外気温度検出手段、外気湿度検出手
段、吸込み温度検出手段、及び、室内熱交換器温度検出
手段と室内温度検出手段の少なくともいずれか、から検
出した温度および湿度により空気調和手段および換気手
段を制御する制御手段と、を備え、室内空気の温度を目
標値である温度に接近させるようにするので、外気を有
効に活用出来、運転時のエネルギーを押さえた空気調和
装置が得られる。
【0134】また、請求項2に係る発明によれば、室内
に吸込み口と吹出し口を有し、送風機により室内空気を
前記吸込み口から吸込んで前記吹出し口から吹出して循
環させる室内空気の温度および湿度を変化させて空気調
和を行う空気調和手段と、室外から室内に外気を導入ま
たは室内から室外へ空気を排気する開口およびこの開口
を開閉する開閉手段または通風量を調整する通風調整手
段を有する換気手段と、換気手段から導入される外気の
温度を検出する外気温度検出手段と、換気手段から導入
される外気の湿度を検出する外気湿度検出手段と、空気
調和手段へ室内から吸込む空気の温度を検出する吸込み
温度検出手段と、空気調和手段へ室内から吸込む空気の
湿度を検出する吸込み湿度検出手段と、室内に循環する
空気の温度を検出する室内温度検出手段と、室内に循環
する空気の湿度を検出する室内湿度検出手段と、外気温
度検出手段、外気湿度検出手段、吸込み温度検出手段、
吸込み湿度検出手段、室内温度検出手段、および室内湿
度検出手段の検出した温度および湿度により空気調和手
段および換気手段を制御する制御手段、を備え、室内空
気の温度と湿度を目標値である温度と湿度に接近させる
ようにするので、外気を有効に活用して健康的な空気調
和が、エネルギーの少ない状態で得られる。
【0135】また、請求項3に係る発明によれば、制御
手段は検出した各空気の温度と湿度を関連させながら、
制御するので、温度と湿度を同時に効率よく制御出来る
空気調和装置が得られる。
【0136】また、請求項4に係る発明によれば、室内
に循環する空気の温度を検出する室内温度検出手段と、
および、室内に循環する空気の湿度を検出する室内湿度
検出手段と、の少なくとも一方は、吹出し口近傍にて室
内に循環する空気の温度および湿度の少なくとも一方を
検出するので、確実な制御が可能な空気調和装置が得ら
れる。
【0137】また、請求項5に係る発明によれば、室内
にを循環する空気の温度を検出する室内温度検出手段
と、および、室内にを循環する空気の湿度を検出する室
内湿度検出手段と、の少なくとも一方は、換気手段から
導入される空気と吹出し口から吹出される空気との混合
した空気の温度および湿度の少なくとも一方を検出する
ので、確実な制御が可能な空気調和装置が得られる。
【0138】また、請求項6に係る発明によれば、室外
から室内への換気および室内から室外への排気の両方が
可能な送風手段を備えているので、室内の良好な環境を
維持し易い空気調和装置が得られる。
【0139】また、請求項7に係る発明によれば、換気
手段は、熱交換可能な換気扇であるので、更に省エネル
ギーを達成出来る空気調和装置が得られる。
【0140】また、請求項8に係る発明によれば、室内
に吸入口と吹出し口を有し、送風機により室内空気を吸
入口から吸込んで吹出し口から吹出させる空気調和装置
にて室内空気を循環させて室内の温度および湿度を変化
させて空気調和を行うステップと、室外から室内に外気
を導入または室内から室外へ空気を排気する開口および
この開口を開閉する開閉手段またはこの開口を通風する
通風量を調整する通風調整手段とを有する換気手段にて
室外と室内間の換気を行うステップと、外気の温度と外
気の湿度と前記空気調和装置へ室内から吸込む空気の温
度と、及び、空気調和装置の室内熱交換器の温度または
室内に循環する空気の温度と、を検出するステップと、
を備え、検出した温度および湿度により空気調和手段お
よび換気手段を制御して、室内空気の温度および湿度を
目標値である温度および湿度に接近させるように、温度
と湿度を一体で変化させるので外気を有効に活用出来、
運転時のエネルギーの少ない空気調和方法が得られる。
【0141】また、請求項9に係る発明によれば、外気
のエンタルピと空気調和装置へ室内から吸込む空気のエ
ンタルピを求め両方のエンタルピを比較するステップ
と、外気のエンタルピが空気調和装置へ室内から吸込む
空気のエンタルピより低い場合は換気手段にて外気を室
内に導入するとともに冷凍サイクルを所定の条件で運転
させるステップと、を備えたので、簡単な方法でエネル
ギーの少ない空気調和方法が得られる。
【0142】また、請求項10に係る発明によれば、室
内に循環する空気のエンタルピと空気調和装置へ室内か
ら吸込む空気のエンタルピを求め両方のエンタルピから
室内負荷を求めるステップと、この室内負荷と室内空気
の温度と湿度の目標値と空気調和装置へ室内から吸込む
空気の温度と湿度から、目標とする室内に循環する空気
の温度と湿度を求めるステップと、換気手段にて外気を
室内に導入するとともに冷凍サイクルを所定の条件で運
転させるステップと、を備えたので、外気を利用して効
果的な省エネルギー運転が可能な空気調和方法が得られ
る。
【0143】また、請求項11に係る発明によれば、室
内に吸入口有し、送風機により室内空気を前記吸入口か
ら吸込んで空気調和を行う空調機の吸込んだ空気の温度
と湿度を検出するステップと、空調機の室内への吹出し
口から吹出させ室内に循環させる空気の温度と湿度を検
出するステップと、室外から室内に外気を導入する外気
の温度と湿度を検出するステップと、室内空気の目標値
である温度と湿度を設定するステップと、室内空気の目
標値を達成させ、且つ、冷凍サイクルのエネルギーを小
さくするため、室内熱交換器に直接吸込む室内空気と外
気が混合された空気の温湿度の目標値を設定するステッ
プと、を備えたので、信頼性が高く、且つ、エネルギー
の少ない空気調和方法が得られる。
【0144】また、請求項12に係る発明によれば、室
内に吸入口有し、送風機により室内空気を前記吸入口か
ら吸込んで空気調和を行う空調機の吸込んだ空気の温度
と湿度を検出するステップと、空調機の室内への吹出し
口から吹出させ室内に循環させる空気の温度と湿度と風
量を検出するステップと、室外から室内に外気を導入す
る外気の温度と湿度と風量を検出するステップと、室内
空気の目標値である温度と湿度を設定するステップと、
室内空気の目標値を達成させ、且つ、冷凍サイクルのエ
ネルギーを小さくするため、室内熱交換器から直接吹出
す空気の温湿度の目標値を設定するステップと、を備え
たので、使い勝手が良く無駄なエネルギーを利用しない
空気調和方法が得られる。
【0145】また、請求項13に係る発明によれば、冷
凍サイクルの蒸発温度を所定の値に設定して、または、
顕熱比を所定の値に設定して、空気調和装置を運転させ
るステップと、を備えたので、確実な制御が可能で、省
エネルギーを確実に達成出来る空気調和方法が得られ
る。
【0146】また、請求項14に係る発明によれば、室
内熱交換器に直接吸込まれる空気の温湿度と室内熱交換
器から直接吹出される空気の温湿度の両者のエンタルピ
ーの差が小さくなるように冷凍サイクルを運転するの
で、省エネルギーを確実に達成出来る空気調和方法が得
られる。。
【0147】また、請求項15に係る発明によれば、室
内に吸入口と吹出し口を有し、送風機により室内空気を
吸入口から吸込んで吹出し口から吹出して循環させる室
内空気の温度および湿度を変化させて室内熱交換器によ
り空気調和を行う空気調和手段と、室外から室内に外気
を導入または室内から室外へ空気を排気する開口および
この開口を開閉する開閉手段またはこの開口を通風する
通風量を調整する通風調整手段を有する換気手段と、換
気手段から導入される外気の温度を検出する外気温度検
出手段と、換気手段から導入される外気の湿度を検出す
る外気湿度検出手段と、空気調和手段へ室内から吸込ま
れる空気の温度を検出する吸込み温度検出手段と、室内
空気の温度目標値を設定する室内吸い込み温度設定手段
と、室内空気の湿度目標値を設定する室内吸い込み湿度
設定手段と、外気及び吸い込み空気の温湿度からエンタ
ルピを演算するとともに演算されたエンタルピにより空
気調和手段および換気手段を制御する制御手段と、を備
え、室内空気の温度を目標値である温度に接近させるの
で、簡単な装置で快適な空調と、省エネルギーを達成で
きる空気調和装置が得られる。
【0148】また、請求項16に係る発明によれば、室
内に吸入口と吹出し口を有し、送風機の回転により室内
空気を吸入口から吸込んで吹出し口から吹出させ、室内
の温度および湿度を熱交換器の能力により変化させて冷
房や暖房などの運転を行う空気調和手段と、空気調和手
段に接続され、送風機の回転および熱交換器の能力を調
整して室内の温度および湿度を目標値である温度および
湿度の少なくとも一つに接近させるように設定する目標
値設定手段と、目標値設定手段の設定する目標値を複数
の帯域からなるゾーンとし、空気調和手段の運転の状態
に応じて目標値の複数の帯域からゾーンの幅を選択可能
とするので、快適な室内の空気調和が得られる。
【0149】また、請求項17に係る発明によれば、室
内に吸入口と吹出し口を有し、送風機の回転により室内
空気を前記吸入口から吸込んで吹出し口から吹出させ、
室内の温度および湿度を熱交換器の能力により変化させ
て冷房や暖房などの運転を行う空気調和手段と、室内と
室外の間を通風可能な開口およびこの通風を行う換気フ
ァンを有し室内の換気を行う換気手段と、空気調和手段
および換気手段に接続され、送風機の回転および熱交換
器の能力および換気ファンの回転を調整して室内の温度
および湿度を目標値である温度および湿度に接近させる
ように制御する制御手段と、を備え、空気調和手段また
は前記換気手段からダクトを介して他の個所または他の
部屋へ送風可能にするとともに、送風手段および換気手
段を制御手段にて温度と湿度を一体に制御するので、多
くの個所やお奥の部屋を一括して効率の良い空気調和を
可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による空気調和装置を
示す全体構成図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係わる冷凍サイクル
を示す冷媒回路図である。
【図3】 本発明の一般的な湿り空気線図を示す説明図
である。
【図4】 本発明の実施の形態1による空気調和装置を
示す全体構成図である。
【図5】 本発明の実施の形態1に係わる室内の空気の
流れを示す説明図である。
【図6】 本発明の実施の形態1に係わる制御の流れを
示すブロック図である。
【図7】 本発明の実施の形態1に係わる湿り空気線図
で空気状態の変化を示す説明図である。
【図8】 本発明の実施の形態1に係わり、湿り空気線
図上での外気状態による外気利用方法のゾーン分けを説
明する説明図である。
【図9】 本発明の実施の形態1に係わり、外気状態に
よる外気利用方法のゾーン分け処理の手順を示すフロー
チャートである。
【図10】 本発明の実施の形態1に係わる外気状態が
ゾーンである場合の処理手順を示すフローチャートで
ある。
【図11】 本発明の実施の形態1に係わる外気状態が
ゾーンである場合の処理手順を示すフローチャートで
ある。
【図12】 本発明の実施の形態1に係わり、外気状態
がゾーンである場合の湿り空気線図上での制御ベクト
ルを説明する説明図である。
【図13】 本発明の実施の形態1に係わり、外気状態
がゾーンであり、ヒータを用いる場合の湿り空気線図
上での制御ベクトルを説明する説明図である。
【図14】 本発明の実施の形態1に係わる外気状態が
ゾーンである場合の処理手順を示すフローチャートで
ある。
【図15】 本発明の実施の形態1に係わり、外気状態
がゾーンである場合の湿り空気線図上での制御ベクト
ルを説明する説明図である。
【図16】 本発明の実施の形態1に係わり、外気状態
がゾーンである場合の湿り空気線図上での制御ベクト
ルを説明する説明図である。
【図17】 本発明の実施の形態1に係わり、外気状態
がゾーンであり、ヒータを用いる場合の湿り空気線図
上での制御ベクトルを説明する説明図である。
【図18】 本発明の実施の形態1における外気温湿度
分布説明図である。
【図19】 本発明の実施の形態2による空気調和装置
に係わる室内ユニット近傍の構成を示す説明図である。
【図20】 本発明の実施の形態2に係わる室内の空気
の流れを示す説明図である。
【図21】 本発明の実施の形態2に係わり、湿り空気
線図で空気状態の変化を示す説明図である。
【図22】 本発明の実施の形態2に係わり、湿り空気
線図で空気状態の変化を示す説明図である。
【図23】 本発明の実施の形態2に係わり、湿り空気
線図で空気状態の変化を示す説明図である。
【図24】 本発明の実施の形態2に係わり、湿り空気
線図で空気状態の変化を示す説明図である。
【図25】 本発明の実施の形態2による空気調和装置
に係わる室内ユニット近傍の構成を示す説明図である。
【図26】 本発明の実施の形態2による空気調和装置
に係わる室内ユニット近傍の構成を示す説明図である。
【図27】 本発明の実施の形態2による空気調和装置
に係わる湿り空気線図で空気状態の変化を示す説明図で
ある。
【図28】 本発明の実施の形態2による空気調和装置
に係わる室内熱交換器温度に対する特性図である。
【図29】 本発明の実施の形態2による空気調和装置
に係わる湿り空気線図で空気状態の変化を示す説明図で
ある。
【図30】 本発明の実施の形態2による空気調和装置
に係わる室内ユニット近傍の構成を示す説明図である。
【図31】 本発明の実施の形態2に係わる室内の配置
を示す説明図である。
【図32】 従来の空気調和装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 室内ユニット、2 部屋、3、3a、3b 室内熱
交換器、4 加熱手段、5 室内ファン、6 外気導入
手段、7 冷媒配管、8 室外ユニット、9吸込み空気
である室内空気温度検知手段、10 吸込み空気である
室内空気湿度検知手段、11 外気温度検知手段、12
外気湿度検知手段、13 吹出し空気温度検知手段、
14 吹出し空気湿度検知手段、 20 天井、 21
壁面、 22 圧縮機、23 流路切換手段、25
室外熱交換器、 26、26b減圧手段、 31 換気
ファン、 32 室内制御装置、 33 室外制御装
置、 34 吹出しグリル、 35 吸込みグリル、
36 ダクト、 39室内フィルター、 40 室外フ
ィルター、 41 室外ファン、 46 天井埋め込み
換気扇、 47 床面、 50 加湿器、 51 ヒー
ター、 52混合エア温度検出器、 53 混合エア湿
度検出器、 67 外気導入手段のダンパー、 68
室内熱交換器配管温度検知手段、 81 室内空調負荷
検知手段、 82 運転動作設定手段、83 外気量制
御手段、84 運転動作制御手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3L056 BD02 BD03 BE01 BE07 BF06 3L060 AA06 AA07 CC01 CC02 CC03 CC04 CC06 CC07 DD02 EE01 EE45

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内に吸入口と吹出し口を有し、送風機
    により室内空気を前記吸入口から吸込んで前記吹出し口
    から吹出して循環させる室内空気の温度および湿度を変
    化させて室内熱交換器により空気調和を行う空気調和手
    段と、室外から前記室内に外気を導入または前記室内か
    ら室外へ空気を排気する開口およびこの開口を開閉する
    開閉手段またはこの開口を通風する通風量を調整する通
    風調整手段を有する換気手段と、前記換気手段から導入
    される外気の温度を検出する外気温度検出手段と、前記
    換気手段から導入される外気の湿度を検出する外気湿度
    検出手段と、前記空気調和手段へ室内から吸込まれる空
    気の温度を検出する吸込み温度検出手段と、前記空気調
    和手段の室内熱交換器温度を検出する室内熱交換器温度
    検出手段及び前記室内に循環する空気の温度を検出する
    循環空気温度検出手段の少なくともどちらかと、前記外
    気温度検出手段、前記外気湿度検出手段、前記吸込み温
    度検出手段、及び、前記室内熱交換器温度検出手段と前
    記循環空気温度検出手段の少なくともどちらか、とから
    検出した温度および湿度により前記空気調和手段および
    前記換気手段を制御する制御手段と、を備え、室内空気
    の温度を目標値である温度に接近させるようにすること
    を特徴とする空気調和装置。
  2. 【請求項2】 室内に吸入口と吹出し口を有し、送風機
    により室内空気を前記吸入口から吸込んで前記吹出し口
    から吹出して循環させる室内空気の温度および湿度を変
    化させて熱交換器により空気調和を行う空気調和手段
    と、ファンと室外から前記室内に外気を導入または前記
    室内から室外へ空気を排気する開口およびこの開口を開
    閉する開閉手段またはこの開口を通風する通風量を調整
    する通風調整手段を有する換気手段と、前記換気手段か
    ら導入される外気の温度を検出する外気温度検出手段
    と、前記換気手段から導入される外気の湿度を検出する
    外気湿度検出手段と、前記空気調和手段へ室内から吸込
    まれる空気の温度を検出する吸込み温度検出手段と、前
    記空気調和手段へ室内から吸込まれる空気の湿度を検出
    する吸込み湿度検出手段と、前記室内に循環する空気の
    温度を検出する循環空気温度検出手段と、前記室内に循
    環する空気の湿度を検出する循環空気湿度検出手段と、
    前記外気温度検出手段、前記外気湿度検出手段、前記吸
    込み温度検出手段、前記吸込み湿度検出手段、前記循環
    空気温度検出手段、および前記循環空気湿度検出手段の
    検出した温度および湿度により前記空気調和手段および
    前記換気手段を制御する制御手段と、を備え、室内空気
    の温度および湿度を目標値である温度および湿度に接近
    させるようにすることを特徴とする空気調和装置。
  3. 【請求項3】 制御手段は検出した各空気の温度と湿度
    を関連させながら制御することを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の空気調和装置。
  4. 【請求項4】 室内に循環する空気の温度を検出する循
    環空気温度検出手段と、および、室内に循環する空気の
    湿度を検出する循環空気湿度検出手段と、の少なくとも
    一方は、空気調和手段の吹出し口近傍にて室内に循環す
    る空気の温度および湿度の少なくとも一方を検出するこ
    とを特徴とする請求項1または2または3記載の空気調
    和装置。
  5. 【請求項5】 室内に循環する空気の温度を検出する循
    環空気温度検出手段と、および、室内に循環する空気の
    湿度を検出する循環空気湿度検出手段と、の少なくとも
    一方は、換気手段から導入される空気と吹出し口から吹
    出される空気との混合した空気の温度および湿度の少な
    くとも一方を検出することを特徴とする請求項1または
    2または3記載の空気調和装置。
  6. 【請求項6】 換気手段は、室外から室内への換気また
    は室内から室外への排気が可能な送風手段を備えている
    ことを特徴とする請求項1乃至5のうちの少なくとも1
    記載の空気調和装置。
  7. 【請求項7】 換気手段は、外気の吸気と室内からの排
    気の間で熱交換可能な熱交換手段を有することを特徴と
    する請求項1乃至6のうちの少なくとも1記載の空気調
    和装置。
  8. 【請求項8】 室内に吸入口と吹出し口を有し、送風機
    により室内空気を前記吸入口から吸込んで前記吹出し口
    から吹出させる空気調和装置にて室内空気を循環させて
    室内の温度および湿度を変化させて空気調和を行うステ
    ップと、室外から室内に外気を導入または室内から室外
    へ空気を排気する開口およびこの開口を開閉する開閉手
    段またはこの開口を通風する通風量を調整する通風調整
    手段とを有する換気手段にて室外と室内間の換気を行う
    ステップと、外気の温度と外気の湿度と前記空気調和装
    置へ室内から吸込む空気の温度と、及び、前記空気調和
    装置の室内熱交換器の温度または前記室内に循環する空
    気の温度と、を検出するステップと、を備え、検出した
    温度および湿度により前記空気調和手段および前記換気
    手段を制御して、室内空気の温度および湿度を目標値で
    ある温度および湿度に接近させるように、温度と湿度を
    一体で変化させることを特徴とする空気調和方法。
  9. 【請求項9】 外気のエンタルピと空気調和装置へ室内
    から吸込む空気のエンタルピを求め両方のエンタルピを
    比較するステップと、外気のエンタルピが空気調和装置
    へ室内から吸込む空気のエンタルピより低い場合は換気
    手段にて外気を室内に導入するとともに冷凍サイクルを
    所定の条件で運転させるステップと、を備えたことを特
    徴とする空気調和方法。
  10. 【請求項10】 室内に循環する空気のエンタルピと空
    気調和装置へ室内から吸込む空気のエンタルピを求め両
    方のエンタルピから室内負荷を求めるステップと、この
    室内負荷と室内空気の温度と湿度の目標値と空気調和装
    置へ室内から吸込む空気の温度と湿度から、目標とする
    室内に循環する空気の温度と湿度を求めるステップと、
    換気手段にて外気を室内に導入するとともに冷凍サイク
    ルを所定の条件で運転させるステップと、を備えたこと
    を特徴とする空気調和方法。
  11. 【請求項11】 室内に吸入口有し、送風機により室内
    空気を前記吸入口から吸込んで空気調和を行う空調機の
    吸込んだ空気の温度と湿度を検出するステップと、前記
    空調機の室内への吹出し口から吹出させ室内に循環させ
    る空気の温度と湿度を検出するステップと、室外から室
    内に外気を導入する外気の温度と湿度を検出するステッ
    プと、室内空気の目標値である温度と湿度を設定するス
    テップと、前記室内空気の目標値を達成させ、且つ、冷
    凍サイクルのエネルギーを小さくするため、室内熱交換
    器に直接吸込む室内空気と外気が混合された空気の温湿
    度の目標値を設定するステップと、を備えたことを特徴
    とする空気調和方法。
  12. 【請求項12】 室内に吸入口有し、送風機により室内
    空気を前記吸入口から吸込んで空気調和を行う空調機の
    吸込んだ空気の温度と湿度を検出するステップと、前記
    空調機の室内への吹出し口から吹出させ室内に循環させ
    る空気の温度と湿度と風量を検出するステップと、室外
    から室内に外気を導入する外気の温度と湿度と風量を検
    出するステップと、室内空気の目標値である温度と湿度
    を設定するステップと、前記室内空気の目標値を達成さ
    せ、且つ、冷凍サイクルのエネルギーを小さくするた
    め、室内熱交換器から直接吹出す空気の温湿度の目標値
    を設定するステップと、を備えたことを特徴とする空気
    調和方法。
  13. 【請求項13】 冷凍サイクルの蒸発温度を所定の値に
    設定して、または顕熱比を所定の値に設定して空気調和
    装置を運転させるステップと、を備えたことを特徴とす
    る請求項8乃至12の少なくとも1記載の空気調和方
    法。
  14. 【請求項14】 室内熱交換器に直接吸込まれる空気の
    温湿度と前記室内熱交換器から直接吹出される空気の温
    湿度の両者のエンタルピーの差が小さくなるように冷凍
    サイクルを運転することを特徴とする請求項8乃至12
    の少なくとも1記載の空気調和方法。
  15. 【請求項15】 室内に吸入口と吹出し口を有し、送風
    機により室内空気を前記吸入口から吸込んで前記吹出し
    口から吹出して循環させる室内空気の温度および湿度を
    変化させて室内熱交換器により空気調和を行う空気調和
    手段と、室外から前記室内に外気を導入または前記室内
    から室外へ空気を排気する開口およびこの開口を開閉す
    る開閉手段またはこの開口を通風する通風量を調整する
    通風調整手段を有する換気手段と、前記換気手段から導
    入される外気の温度を検出する外気温度検出手段と、前
    記換気手段から導入される外気の湿度を検出する外気湿
    度検出手段と、前記空気調和手段へ室内から吸込まれる
    空気の温度を検出する吸込み温度検出手段と、室内空気
    の温度目標値を設定する室内吸い込み温度設定手段と、
    室内空気の湿度目標値を設定する室内吸い込み湿度設定
    手段と、外気及び吸い込み空気の温湿度からエンタルピ
    を演算するとともに演算されたエンタルピにより前記空
    気調和手段および前記換気手段を制御する制御手段と、
    を備え、室内空気の温度を目標値である温度に接近させ
    るようにすることを特徴とする空気調和装置。
  16. 【請求項16】 室内に吸入口と吹出し口を有し、送風
    機の回転により室内空気を前記吸入口から吸込んで前記
    吹出し口から吹出させ、室内の温度および湿度を熱交換
    器の能力により変化させて冷房や暖房などの運転を行う
    空気調和手段と、前記空気調和手段に接続され、前記送
    風機の回転および前記熱交換器の能力を調整して室内の
    温度および湿度を目標値である温度および湿度の少なく
    とも一つに接近させるように設定する目標値設定手段
    と、前記目標値設定手段の設定する目標値を複数の帯域
    からなるゾーンとし、前記空気調和手段の運転の状態に
    応じて前記目標値の複数の帯域からゾーンの幅を選択可
    能とすることを特徴とする空気調和装置。
  17. 【請求項17】 室内に吸入口と吹出し口を有し、送風
    機の回転により室内空気を前記吸入口から吸込んで前記
    吹出し口から吹出させ、室内の温度および湿度を熱交換
    器の能力により変化させて冷房や暖房などの運転を行う
    空気調和手段と、室内と室外の間を通風可能な開口およ
    びこの通風を行う換気ファンを有し室内の換気を行う換
    気手段と、前記空気調和手段および前記換気手段に接続
    され、前記送風機の回転および前記熱交換器の能力およ
    び前記換気ファンの回転を調整して室内の温度および湿
    度を目標値である温度および湿度に接近させるように制
    御する制御手段と、を備え、前記空気調和手段または前
    記換気手段からダクトを介して他の個所または他の部屋
    へ送風可能にするとともに、前記送風手段および前記換
    気手段を前記制御手段にて温度と湿度を一体に制御する
    ことを特徴とする空気調和装置。
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