JP2001271699A - 直噴型内燃機関の制御装置 - Google Patents

直噴型内燃機関の制御装置

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JP2001271699A
JP2001271699A JP2000091606A JP2000091606A JP2001271699A JP 2001271699 A JP2001271699 A JP 2001271699A JP 2000091606 A JP2000091606 A JP 2000091606A JP 2000091606 A JP2000091606 A JP 2000091606A JP 2001271699 A JP2001271699 A JP 2001271699A
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smoldering
internal combustion
combustion engine
fuel
fuel injection
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JP2000091606A
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Tatsunori Yamada
達範 山田
Yasushi Sakakura
靖 坂倉
Takahiro Suzuki
隆博 鈴木
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/02Circuit arrangements for generating control signals
    • F02D41/14Introducing closed-loop corrections
    • F02D41/1401Introducing closed-loop corrections characterised by the control or regulation method
    • F02D41/1408Dithering techniques

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  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 失火に至る前の段階にくすぶり汚損を検出す
ると共に、その段階にてくすぶり汚損の進行の抑制を図
ることにより、失火の発生による直噴型内燃機関の運転
性能の低下を抑制可能な直噴型内燃機関の制御装置を提
供する。 【解決手段】 本実施例の直噴型内燃機関制御装置1
は、点火プラグ17に直列接続された検出抵抗19によ
って検出される火花放電発生時の放電電流(二次電流i
2)を用いて放電電流積分値Iiを算出する。そして、
放電電流積分値Iiに基づいて失火に至る前のくすぶり
汚損を検出すると、燃焼形態,点火時期,燃料噴射時期
および燃料噴射量をくすぶり汚損が解消するように変化
させている。このため、失火に至る前に点火プラグの清
浄化を実行でき、失火の発生を抑制できるため、円滑で
安定した状態で直噴型内燃機関を運転できるとともに、
排気ガス中における有害物質の発生を抑えることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、点火プラグのくす
ぶり汚損を検出する機能を備え、その検出結果に基づい
て、燃料を気筒内に直接噴射する直噴型内燃機関の運転
条件を制御する直噴型内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関は、空気と燃料とからなる混合
気を、気筒に装着された点火プラグの火花放電によって
燃焼させている。図4に示すように、通常の点火プラグ
17は、筒状の取付金具17dと、その取付金具17d
の内側に先端部が突出するように保持された絶縁体17
cと、その絶縁体17cの内側に先端部が突出するよう
に保持された中心電極17aと、一端が取付金具17d
に固着されると共に他端が中心電極17aに対し火花放
電ギャップgを隔てて対向する接地電極17bと、によ
り構成されている。この種の点火プラグ17では、中心
電極17aと接地電極17bとの電極間(図4に模式的
に電圧計Vを記して示した部分)の絶縁抵抗が十分大き
くなるように構成されている。
【0003】一方、内燃機関においては、燃料噴射ノズ
ルを気筒内に臨ませて配設した燃料噴射弁から、圧縮行
程中に燃料を直接噴射して、点火プラグの火花放電ギャ
ップ近傍に濃混合気を、その周囲に希薄混合気を層状に
形成させて混合気を燃焼させる、所謂成層燃焼を行う直
噴型内燃機関が知られている。この直噴型内燃機関は、
全体の平均空燃比がかなり薄い場合でも混合気への着火
が可能であるため、燃費に優れる利点がある。しかし、
この直噴型内燃機関では、火花放電ギャップ近傍に濃混
合気が誘導される訳だが、混合気は濃くなる程燃料(液
体燃料)が十分に霧化されにくい性質を有するために、
液体状態の燃料が点火プラグの絶縁体表面に付着し易
く、その付着した燃料が完全燃焼することなくカーボン
となって絶縁体表面に付着する、所謂“くすぶり(くす
ぶり汚損)”を生じ易い問題がある。そして、このくす
ぶり汚損が進行すると、点火プラグの電極間の絶縁抵抗
が低下し、点火コイルからの点火用高電圧がカーボン付
着物を通じてリーク電流(漏洩電流)として流れ、火花
放電ギャップにて飛火せずに失火を招いてしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、点火プラグの
くすぶり汚損を検出する手法として、例えば特開平11
−13620号公報や特開平11−336649号公報
に記載されたものが提案されている。これら公報技術
は、点火プラグの火花放電によって混合気が燃焼したと
きに発生するイオンをイオン電流として検出する技術を
利用してなるものである。詳細にいうと、点火プラグの
くすぶり汚損により流れるリーク電流がイオン電流の検
出時に重畳する点、さらにはくすぶり汚損の程度に応じ
てリーク電流値が変化する点を考慮し、イオン電流検出
回路により検出される電流の挙動(詳細には、イオン電
流収束後の電流の挙動)をモニタすることで、くすぶり
汚損の状態を検出している。
【0005】ところで、図4を援用して示すように、絶
縁体17c表面におけるカーボンCの付着状態が点火プ
ラグ17の電極間が短絡する前の段階にある場合には、
くすぶり汚損がみられるものの電極間の絶縁抵抗は問題
ない程度の大きさに保たれている。但し、この状態で点
火コイルから点火用高電圧が点火プラグ17に印加され
ると、火花放電ギャップgにて火花放電が起こらずに、
カーボンCを通じて電流が流れ、カーボンCの端部と取
付金具17d内壁面との間で飛火する、所謂“奥飛び”
が発生することがある。この奥飛びでは、火炎核近傍に
混合気が存在すれば着火は可能なものの、奥飛び位置が
混合気に晒されにくい位置であることから、火花放電ギ
ャップgでの火花放電と比較して燃焼効率は低下する傾
向にある。
【0006】ここで、上述の公報技術では、点火プラグ
のくすぶり汚損の進行度合を検出してはいるものの、そ
の検出はリーク電流に基づいて行われている。一般に、
このリーク電流は、点火プラグの電極間が短絡する程度
にまでくすぶり汚損が進行し、電極間の絶縁抵抗が低下
したときに流れるものである。そのことから、上述の公
報技術では点火プラグの電極が短絡する程度にまでくす
ぶり汚損が進行し、かなり高い確率で失火し得る状態に
までなって初めてくすぶり汚損を検出することができる
ものであって、点火プラグの電極間が短絡するよりも前
の段階でくすぶり汚損を、即ち奥飛びが発生し得る状態
にあるようなくすぶり汚損を検出することができなかっ
た。
【0007】そのために、点火プラグでのくすぶり汚損
を検出し、点火プラグのくすぶり汚損の進行を抑制すべ
く内燃機関(直噴型内燃機関)の運転条件の制御を行う
際に、上述の公報技術を用いたのでは、かなり高い確率
で失火し得る状態になってからくすぶり汚損の進行の抑
制を開始することになる。しかし、かなり高い確率で失
火し得る状態になってからくすぶり汚損の進行の抑制を
始めたのでは、くすぶり汚損による内燃機関運転中の失
火の発生を十分に抑えることができず、内燃機関の運転
性能が低下すると共に、未燃焼ガスの排出を招き環境に
影響を与える虞がある。
【0008】そこで、本発明は、直噴型の内燃機関が失
火に至る前の段階にくすぶり汚損を検出すると共に、そ
の段階にてくすぶり汚損の進行の抑制を図ることによ
り、失火の発生による直噴型内燃機関の運転性能の低下
を抑制可能な直噴型内燃機関の制御装置を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の直噴型内燃機関の制御装
置は、燃料を気筒内に直接噴射する直噴型の内燃機関に
装着された点火プラグに点火用高電圧を印加したとき
に、該点火プラグの電極間に流れる放電電流を検出する
放電電流検出手段と、放電電流に基づいて点火プラグの
くすぶり汚損の有無を判定するくすぶり汚損判定手段
と、該くすぶり汚損判定手段にてくすぶり汚損が有りと
判定されたときに、少なくとも気筒内に噴射する燃料の
噴射時期を変化させて、点火プラグのくすぶり汚損の進
行を抑制するくすぶり汚損抑制手段と、を有することを
特徴とする。
【0010】直噴型の内燃機関の気筒に装着される点火
プラグでは、点火コイルにより発生した点火用高電圧が
印加されて火花放電が発生した際に、点火プラグの電極
間に放電電流(二次電流)が流れる。ところで、点火プ
ラグにて発生する火花放電には、正規の火花放電ギャッ
プにて火花放電する(以下、「正常放電」という)場合
と、絶縁体表面に付着したカーボンを通じて火花放電す
る、所謂“奥飛び”の場合とが考えられる。ここで、奥
飛び時は、その放電経路として絶縁体表面に付着した比
較的抵抗の大きなカーボンを通過する。そのために、奥
飛び時に点火プラグの電極間を流れる放電電流は、正常
放電時に電極間を流れる放電電流とは電流値が異なる値
を示す。それより、火花放電時の放電電流を検出するこ
とで点火プラグにて正常放電が発生したか奥飛びが発生
したかを検出することができる。
【0011】ところで、上記奥飛びは、点火プラグの電
極間がカーボンの付着によって短絡される前の段階に発
生するものである。それにより、奥飛びの発生を検出す
ることは、点火プラグの電極間がカーボンの付着によっ
て短絡される前の段階にて、くすぶり汚損を検出するこ
とを意味する。
【0012】そこで、本発明では、放電電流検出手段が
点火プラグの電極間の放電電流を検出し、さらにくすぶ
り汚損判定手段がその放電電流に基づき、正常放電が発
生したか奥飛びが発生したかを検出することによって、
くすぶり汚損が発生しているか否かを検出している。そ
の結果、点火プラグの電極間が短絡する程度にまでくす
ぶりが進行して失火が多発する前の段階にて、くすぶり
汚損の発生を検出することができるのである。
【0013】そして、本発明では、放電電流に基づき点
火プラグのくすぶり汚損が有りと判定されたときには、
くすぶり汚損抑制手段にて少なくとも燃料噴射時期を変
化させることにより、くすぶり汚損の進行の抑制を図る
のである。つまり、燃料噴射時期は、混合気(燃料)の
燃焼状態に大きく影響していることから、くすぶり汚損
の進行が抑制される燃焼状態となるように、くすぶり汚
損抑制手段が燃料噴射時期を制御するのである。
【0014】燃料噴射時期を変化させるにあたっては、
例えば、燃料噴射時期を進角させることで、気筒内で燃
料が攪拌される時間を十分に確保して、燃料の霧化を促
進させて、燃料を完全燃焼させることにより、液体状態
の燃料から生成されるカーボンの発生を抑えることがで
きる。
【0015】あるいは、各燃焼サイクル毎に図示平均有
効圧力を算出すると共に、燃料噴射時期を一定量進角さ
せることによる図示平均有効圧力の変化量を算出して、
図示平均有効圧力が大きくなるように燃料噴射時期を変
化させてもよい。つまり、燃料噴射時期を進角させた後
の燃焼サイクルにおける図示平均有効圧力が、進角させ
る前の燃焼サイクルにおける図示平均有効圧力よりも大
きくなる場合には、次の燃焼サイクルにおいて設定する
燃料噴射時期をさらに進角させるのである。また、反対
に燃料噴射時期を進角させた後の図示平均有効圧力が、
進角させる前の燃焼サイクルにおける図示平均有効圧力
以下となる場合には、次の燃焼サイクルにおいて設定す
る燃料噴射時期を遅角させるのである。このように、図
示平均有効圧力を大きくするように燃料噴射時期を制御
することは、混合気の燃焼状態を良好にすることにな
り、燃料が完全燃焼されてカーボンの発生を抑制するこ
とにつながる。
【0016】なお、くすぶり汚損抑制手段により燃料噴
射時期を制御し燃料の完全燃焼を図ることは、点火プラ
グの自己清浄作用を有効に発揮させることにつながるの
で、やがては点火プラグの自己清浄作用によりカーボン
は焼き切られることになり、くすぶり汚損は解消される
方向に進むことになる。
【0017】したがって、本発明(請求項1)によれ
ば、くすぶり汚損を奥飛びが発生し得る段階で早期に検
出すると共に、くすぶり汚損の進行抑制の処理(少なく
とも燃料噴射時期を制御する処理のこと)を早期に開始
することで、くすぶり汚損による失火の発生を抑え、内
燃機関の運転性能を低下させることなく、かつ未燃焼ガ
スの排出を抑えることが可能な直噴型内燃機関の制御装
置を提供することができる。
【0018】なお、点火プラグの電極間に流れる放電電
流を検出する方法としては、例えば、点火コイルの二次
コイルと点火プラグとで形成される放電電流経路上に、
放電電流を検出するための検出抵抗を直列に設けて、こ
の検出抵抗の両端電圧と検出抵抗の抵抗値から放電電流
の電流値を検出(算出)する方法がある。
【0019】さらに、くすぶり汚損判定手段にて、放電
電流に基づいてくすぶり汚損の有無を判定するにあたっ
ては、以下の幾つかの手法が考えられる。まず、請求項
5に記載のように、点火プラグの電極間にて火花放電期
間中に流れる放電電流を積分し、その放電電流の積分値
と所定の積分判定基準値との比較結果を用いて、くすぶ
り汚損の有無を判定する手法が挙げられる。具体的に例
示すると、1燃焼サイクル毎に火花放電発生期間中に流
れる放電電流を積分し、この放電電流積分値が正常放電
と奥飛びとを識別するための所定の積分判定基準値より
も大きいか否かを判定し、積分値が積分判定基準値以下
であるときに奥飛びが発生したとして、くすぶり汚損有
りと判定する手法がある。また、1燃焼サイクル毎に算
出される放電電流積分値と上記積分判定基準値とを比較
して正常放電か奥飛びかを検出すると共にこの検出結果
を記憶しておき、現在の燃焼サイクルの検出結果から遡
って所定個数分(例えば100回分の燃焼サイクル)の
累積検出結果において、奥飛びが検出された燃焼サイク
ルの割合が所定割合(しきい値)より大きいか否かを判
定して、大きいと判定されたときにくすぶり汚損有りと
判定する手法もある。なお、上記放電電流積分値を用い
て正常放電と奥飛びとを識別する処理を行うにあたって
は、上述のように1燃焼サイクルに1回の割合で実行し
てもよく、あるいは、数回の燃焼サイクルに1回の割合
で実行するようにしてもよい。
【0020】また、別のくすぶり汚損の有無を判定する
手法としては、請求項6に記載のように、点火プラグの
電極間にて火花放電期間中に流れる放電電流の電流値が
予め定められた検出基準値以上となる電流検出時間を算
出し、この電流検出時間と所定の検出時間判定基準値と
の比較結果を用いて、くすぶり汚損の有無を判定する手
法が挙げられる。具体的に例示すると、1燃焼サイクル
毎に火花放電発生期間中に流れる放電電流が予め定めら
れた検出基準値以上となる電流検出時間を算出し、この
電流検出時間が正常放電と奥飛びとを識別するための所
定の検出時間判定基準値よりも大きいか否かを判定し、
電流検出時間が検出時間判定基準値以下であるときに奥
飛びが発生したとして、くすぶり汚損有りと判定する手
法がある。あるいは、1燃焼サイクル毎に上記電流検出
時間と上記検出時間判定基準値とを比較して正常放電か
奥飛びかを検出すると共にこの検出結果を記憶してお
き、現在の燃焼サイクルの検出結果から溯って所定個数
分(例えば100回分の燃焼サイクル)の累積検出結果
において、奥飛びが検出された燃焼サイクルの割合が所
定割合(しきい値)より大きいか否かを判定して、大き
いと判定されたときにくすぶり汚損有りと判定すること
もできる。なお、上記電流検出時間を用いて正常放電と
奥飛びとを識別するにあたっては、上述のように1燃焼
サイクルに1回の割合で実行してもよく、あるいは、数
回の燃焼サイクルに1回の割合で実行するようにしても
良い。
【0021】このように、請求項5または請求項6に記
載の手法を用いた内燃機関の制御装置によれば、放電電
流に万が一ノイズが重畳した等の場合にも、奥飛びの発
生を精度良く検出することができる。その結果、点火プ
ラグの電極間がカーボンの付着によって短絡されるより
も前の段階にて、精度良くくすぶり汚損の検出を行うこ
とができるのである。
【0022】ところで、点火プラグのくすぶり汚損の進
行を抑制するくすぶり汚損抑制手段においては、燃料噴
射時期を制御する処理に加えて、請求項2に記載のよう
に、放電電流に基づき点火プラグのくすぶり汚損が有り
と判定されたときに、点火プラグの火花放電による内燃
機関の点火時期を変化させるようにするとよい。
【0023】つまり、点火時期は、混合気(燃料)の燃
焼状態に大きく影響することから、放電電流に基づき点
火プラグのくすぶり汚損が有りと判定されたときに、点
火時期を変化させることにより、燃料を完全燃焼させて
カーボンの発生を抑え、くすぶりの進行を抑制するので
ある。そして、点火時期を変化させて燃料の完全燃焼を
図ることで、点火プラグの自己清浄作用を有効に発揮さ
せ、やがてカーボンは点火プラグの自己清浄作用により
焼き切られることになる。
【0024】なお、点火時期を変化させるにあたって
は、例えば各燃焼サイクル毎に図示平均有効圧力を算出
して、点火時期を一定量進角させることによる図示平均
有効圧力の変化量を算出して、図示平均有効圧力が大き
くなるように点火時期を変化させるとよい。詳細に説明
すると、点火時期を進角させた後の燃焼サイクルにおけ
る図示平均有効圧力が、進角させる前の燃焼サイクルに
おける図示平均有効圧力よりも大きくなる場合には、次
の燃焼サイクルにおける点火時期をさらに進角させるの
である。また、反対に、点火時期を進角させた後の燃焼
サイクルにおける図示平均有効圧力が、進角させる前の
燃焼サイクルにおける図示平均有効圧力以下となる場合
には、次の燃焼サイクルにおける点火時期を遅角させる
のである。このように、図示平均平均有効圧力を大きく
するように点火時期を制御することは、混合気の燃焼状
態を良好にすることにつながり、燃料を完全燃焼させて
カーボンの発生を抑えることができる。
【0025】また、点火プラグのくすぶり汚損の進行を
抑制するくすぶり汚損抑制手段においては、請求項3に
記載のように、くすぶり汚損が有りと判定されたとき
に、内燃機関の燃焼形態を成層燃焼から均質燃焼に変化
させるよう内燃機関を制御するとよい。
【0026】ここで、成層燃焼は、例えば、1燃焼サイ
クルにおける圧縮行程の後半時に燃料を気筒内に直接噴
射し、点火プラグの火花放電ギャップ近傍に濃混合気
を、その周囲に希薄混合気を層状に形成させて混合気を
燃焼させる燃焼を行う燃焼形態である。一方、均質燃焼
は、例えば、1燃焼サイクルにおける吸気行程時に気筒
内に燃料を直接噴射し、気筒内全体に燃料を略均質に攪
拌させて燃焼を行う燃焼形態である。このため、成層燃
焼と均質燃焼との切り換えは、燃料噴射時期を圧縮行程
と吸気行程との行程別に変化させることで実行できる。
なお、請求項1に記載の燃料噴射時期を変化させる制御
については、複数の行程(吸気行程、圧縮行程)にわた
り燃料噴射時期を変化させて燃焼形態を変化させること
はもとより、燃焼形態は変化させることなく、同一行程
の期間内において燃料噴射時期を一定量変化させるもの
も含まれることはいうまでもない。
【0027】そして、燃焼形態を成層燃焼から均質燃焼
に変化させて、気筒内での燃料の攪拌を十分に行い燃料
の霧化を促進させることにより、燃料を完全燃焼させて
カーボンの発生を抑え、くすぶりの進行を抑制するので
ある。そして、燃焼形態を変化させて燃料の完全燃焼を
図ることで、点火プラグの自己清浄作用を有効に発揮さ
せ、やがてカーボンは点火プラグの自己清浄作用により
焼き切られることになる。
【0028】さらに、点火プラグのくすぶり汚損の進行
を抑制するくすぶり汚損抑制手段においては、燃料噴射
時期を制御する処理に加えて、請求項4に記載のよう
に、放電電流に基づき点火プラグのくすぶり汚損が有り
と判定されたときに、前記気筒内に噴射する燃料噴射量
を変化させるようにするとよい。
【0029】つまり、燃料噴射量(燃料供給量)は、混
合気の空燃比を決定する要素の一つであり、混合気(燃
料)の燃焼状態に大きく影響することから、放電電流に
基づき点火プラグのくすぶり汚損が有りと判定されたと
きに、燃料噴射量(空燃比)を変化させることにより、
余剰な液体状態の燃料が点火プラグに付着することを抑
え、くすぶり汚損の進行を抑制するのである。具体的に
は、燃料噴射量を減少させて空燃比を高く(燃料を希薄
化)することにより、余剰な液体状態の燃料を少なくし
てくすぶり汚損の進行を抑制するのである。そして、燃
料噴射量を変化させて余剰な液体状態の燃料の点火プラ
グへの付着を抑え、もって燃料の完全燃焼を図ること
で、点火プラグの自己清浄作用を有効に発揮させ、やが
ては点火プラグの自己清浄作用によりカーボンは焼き切
られることになる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を図面と
ともに説明する。まず、図1は、燃料を気筒内に直接噴
射する直噴型内燃機関に備えられた実施例の直噴型内燃
機関の制御装置の概略構成を表す構成図である。
【0031】図1に示すように、実施例の直噴型内燃機
関制御装置1は、直噴型内燃機関の運転状態に基づいて
各部の制御量を算出し、制御量に応じた指令信号を各部
に出力することで直噴型内燃機関を総合的に制御するた
めのマイクロコンピュータからなる電子制御装置(EC
U)21と、ECU21からの指令信号に基づいて液体
状態の燃料を気筒内に供給する燃料制御部25と、EC
U21からの指令信号に基づいて混合気に着火するため
の火花放電を発生する点火制御部31と、を備えてい
る。
【0032】なお、燃料制御部25および点火制御部3
1は、複数の気筒を備えた内燃機関では各気筒ごとに備
えてられているが、図1では図面を見易くするために、
1気筒分のみを記している。そして、点火制御部31
は、電源装置23と接続された一次巻線L1と二次巻線
L2とからなる点火コイル13と、内燃機関の気筒に設
けられるとともに、二次巻線L2と直列接続されて中心
電極17aと接地電極17bとの間(火花放電ギャップ
g)に火花放電を発生する点火プラグ17と、二次巻線
L2および点火プラグ17にて形成される放電電流経路
に直列接続される検出抵抗19と、ECU21から入力
される指令信号(IG信号)に基づいて点火コイル13
の一次巻線L1への通電・遮断を制御し、二次巻線L2
に点火用高電圧を発生させる点火コイル制御部33と、
を備えている。
【0033】このうち、点火コイル制御部33は、EC
U21が出力するIG信号が入力されており、例えば、
IG信号がローレベル(一般にグランド電位)であると
きには一次巻線L1に電流(一次電流i1)を流さず、
IG信号がハイレベル(例えば、定電圧電源からの供給
電圧5[v])であるときには一次巻線L1に電流(一
次電流i1)を流すように、一次巻線L1への通電・遮
断を行う。なお、点火コイル制御部33は、例えば、一
次電流i1の通電・遮断を行う半導体素子からなるスイ
ッチング素子(例えば、パワートランジスタなど)など
を用いて構成することができる。
【0034】このため、ECU21から出力されるIG
信号がハイレベルとなり一次巻線L1に一次電流i1が
流れている時に、IG信号がローレベルになると、点火
コイル制御部33が一次巻線L1への一次電流i1の通
電を停止(遮断)することになる。すると、点火コイル
13に蓄積されている磁束密度が急激に変化して、点火
コイル13の二次巻線L2に誘導起電力である点火用高
電圧が発生し、この点火用高電圧が点火プラグ17に印
加されることで、点火プラグ17の電極17a−17b
間に火花放電が発生する。
【0035】そして、火花放電の発生に伴い、点火プラ
グ17、二次巻線L2および検出抵抗19からなる放電
電流経路に放電電流(二次電流i2)が流れることにな
り、検出抵抗19の両端には、検出抵抗19の抵抗値と
二次電流i2の電流値により決定される電圧値である検
出電圧Vrが発生する。ここで、検出抵抗19の抵抗値
は固定値であることから、検出電圧Vrは二次電流i2
に比例した値を示す。そして、検出抵抗19の両端に発
生する検出電圧Vrは、ECU21に入力されている。
【0036】なお、検出抵抗19の抵抗値としては、1
[Ω]以上10[KΩ]以下の値となるようにするとよ
い。このような抵抗値とすることで、ノイズの影響を受
けない大きさの電位差を検出抵抗19の両端に発生する
ことができる。ここで、くすぶり汚損により放電電流
(二次電流)i2がどのように変化するかを確認するた
め、火花放電の形態の違い((a)正常放電、(b)点
火プラグの電極間が短絡される前の段階にあるくすぶり
汚損時)による二次電流i2の変化を測定した結果を以
下に示す。
【0037】なお、(a)の正常放電とは、点火プラグ
の中心電極を内側に保持してなる絶縁体表面にカーボン
がほとんど付着していない状態で、正規の火花放電ギャ
ップにて発生する火花放電のことを表す。また、(b)
のくすぶり汚損時とは、図4を援用して示すように、絶
縁体17c表面における中心電極17a側の先端部か
ら、絶縁体17cと接地電極17bが固着された取付金
具17d内壁面との接触点a(実際には金属製の板パッ
キンを介して接触している)までの略中間位置までカー
ボンCが付着している状態で、カーボンCの端部と取付
金具17d内壁面との間で発生する火花放電、即ち奥飛
びのことを表す。
【0038】そして、測定結果として、図1に示す回路
図におけるIG信号、点火プラグ17の中心電極17a
の電位Vp、検出抵抗19における二次巻線L2との接
続端の電位Vr(二次電流i2)の各状態を表すタイム
チャートを図5に示す。なお、図5において、(a)、
(b)は、上述したように(a)正常放電、(b)点火
プラグの電極間が短絡される前の段階にあるくすぶり汚
損時、のそれぞれの測定結果を表している。また、図5
において、電位Vpを放電電圧波形と称して、電位Vr
を放電電流(二次電流i2)波形と称して表す。
【0039】まず、図5(a)において、時刻t1で
は、IG信号をローからハイレベルに切り換え、点火コ
イル13の一次巻線L1に一次電流i1を流す。その
後、予め設定された通電時間が経過した時刻t2にて、
IG信号をハイからローレベルに切り換え、点火コイル
13の一次巻線L1への一次電流i1の通電を遮断す
る。すると、二次巻線L2に点火用高電圧が誘起され、
点火プラグ17の中心電極17aに負の点火用高電圧が
印加されて、中心電極17aの電位Vpが急峻に低下し
てピーク値を示し、点火プラグ17の電極17a−17
b間に火花放電が発生すると共に、放電電流(二次電流
i2)が流れ始める。
【0040】そして、火花放電発生直後における放電電
圧(Vp)のグランドレベル(0〔v〕)に対する電位
差は、ピーク値から電位差VL となるまで急激に減少
し、その後この電位差は徐々に大きくなる方向に変化す
る。このとき、放電電流(二次電流i2)は徐々に値が
減少していき、時刻t3となったときに0〔A〕となり
火花放電が終了する。
【0041】次に、図5(b)において、時刻t1から
時刻t2までの推移は、図5(a)と同様である。そし
て、火花放電発生直後における放電電圧(電位Vp)の
グランドレベル(0〔V〕)に対する電位差は、ピーク
値から電位差VL となるまで急激に減少し、その後この
電位差は徐々に小さくなる方向に変化する。ここで、図
5(b)における電位差VL の値は、図5(a)におけ
る電位差VL の値よりも大きくなっている。このとき、
放電電流(二次電流i2)は徐々に値が減少していき、
時刻t3よりも早い時刻t4となったときに、0〔A〕
となり火花放電が終了する。
【0042】これらのことから、火花放電の継続時間に
関して比較すると、(a)正常放電の方が、(b)点火
プラグの電極間が短絡される前の段階にあるくすぶり汚
損時よりも長くなることが判る。また、図5上での放電
電流(二次電流i2)の波形から算出される面積、即ち
放電電流の積分値に関して比較すると、(a)正常放電
の方が、(b)点火プラグの電極間が短絡される前の段
階にあるくすぶり汚損時よりも大きくなることが判る。
【0043】よって、火花放電の継続時間、あるいは放
電電流の積分値を用いることにより、そのときに発生し
た火花放電が正常放電であるか、奥飛びであるかを判定
することができる。そして、奥飛びが検出できることに
より、点火プラグ17の電極間がカーボンの付着によっ
て短絡される前のくすぶり汚損が検出可能となる。な
お、放電電流に基づきくすぶり汚損の有無を判定する処
理については、ECU21にて実行されており、その具
体的な処理内容については後述する。
【0044】次に、燃料制御部25は、例えば、内燃機
関の気筒に設けられて、混合気を生成するための燃料を
気筒内に直接噴射する燃料噴射弁として備えらえる。そ
して、燃料制御部25は、ECU21が出力する燃料指
令信号が入力されており、例えば、燃料指令信号がロー
レベル(一般にグランド電位)であるときには燃料の噴
射を行わず、燃料指令信号がハイレベル(例えば、定電
圧電源からの供給電圧5[v])であるときには、燃料
を噴射するように動作する。なお、燃料制御部25は、
燃料を噴射する際には、単位時間あたりの燃料噴射量が
一定量となるように構成されており、燃料指令信号がハ
イレベルである時間が長いほど、気筒内に供給される燃
料噴射量が多くなる。
【0045】したがって、燃料制御部25は、ECU2
1が燃料指令信号をハイレベルに変化させると燃料の供
給を開始し、ECU21が燃料指令信号をローレベルに
変化させると燃料の供給を停止するように動作する。そ
して、燃料指令信号がローレベルからハイレベルに変化
する時期が内燃機関の燃料噴射時期であり、燃料指令信
号のハイレベル継続時間が燃料噴射量に比例した長さと
なる。
【0046】次に、ECU21の内部で実行される処理
について説明する。なお、ECU21は、内燃機関の火
花放電発生時期、燃料噴射量、アイドル回転速度等を総
合的に制御するためのものであり、以下に説明するくす
ぶり汚損抑制処理の他に、点火時期で点火プラグに火花
放電を発生させるための点火制御処理や、燃料噴射時期
で燃料を気筒内に噴射するための燃料制御処理や、内燃
機関の吸入空気量(吸気管圧力),回転速度,スロット
ル開度,冷却水温,吸気温等、機関各部の運転状態を検
出する運転状態検出処理等を行っている。
【0047】まず、点火制御処理で実行される処理につ
いて説明する。なお、点火制御処理は、内燃機関が始動
した後、例えば、内燃機関の回転角度(クランク角)を
検出するクランク角センサからの信号に基づき、内燃機
関が、吸気,圧縮,燃焼,排気を行う1燃焼サイクルに
1回の割合で実行される。
【0048】そして、内燃機関が始動されて点火制御処
理が開始されると、まず、第2くすぶり検出フラグEb
の状態を判定する。なお、第2くすぶり検出フラグEb
は、点火時期を、くすぶり汚損を解消するために設定す
るか否かを示す指標である。そして、第2くすぶり検出
フラグEbは、後述するくすぶり汚損抑制処理において
状態が設定されており、「くすぶり汚損が有りと判定さ
れ、かつ、燃料噴射時期が制限範囲内ではないと判定さ
れる」とセット状態に設定され、「くすぶり汚損無しと
判定される」とリセット状態に設定される。
【0049】このとき、第2くすぶり検出フラグEbが
リセット状態であれば、別途実行される運転状態検出処
理にて検出された内燃機関の運転状態を読込み、読み込
んだ運転状態に基づいてマップあるいは計算式を用い
て、内燃機関の運転状態に適した点火時期を算出し、今
回の燃焼サイクルにおける点火時期として設定する。な
お、点火時期を算出するためのマップあるいは計算式
は、例えば、内燃機関のエンジン回転速度やエンジン負
荷などの運転状態をパラメータとして、内燃機関の運転
状態に応じた点火時期を算出するように構成するとよ
い。
【0050】また、第2くすぶり検出フラグEbがセッ
ト状態であれば、本点火制御処理では、点火時期の更新
は行わず、後述するくすぶり汚損抑制処理によって設定
される点火時期を用いて以下の処理を行う。続いて、最
終的に設定されている点火時期を基準として、この点火
時期よりも所定時間だけ早い時刻でIG信号をハイレベ
ルに変化させて点火コイル制御部33を動作させ、一次
巻線L1への一次電流i1の通電を開始する。ここで、
所定時間とは、火花放電前の一次電流通電時間のことで
あり、着火性の劣る運転条件においても確実に混合気へ
着火できる高い点火用高電圧による火花放電を発生させ
るために、一次電流通電時間には、点火コイルに十分な
磁束を蓄積できる時間が予め設定されている。これによ
り、火花放電が発生してから終了するまでの火花放電継
続時間も十分長くなり、例えば、低負荷低回転などの着
火性の劣る運転状態においても、火炎核の成長を助けて
混合気を確実に燃焼させることができるようになる。
【0051】そのあと、点火制御処理は、IG信号をハ
イレベルに変化させてから一次電流通電時間が経過した
点火時期にて、IG信号をローレベルに変化させて点火
コイル制御部33を動作させることで一次電流i1を急
激に遮断し、誘導起電力である点火用高電圧を二次巻線
L2に発生させて、点火プラグ17に火花放電を発生さ
せる。
【0052】よって、点火制御処理は、内燃機関の状態
に応じて設定された点火時期で火花放電が発生するよう
にIG信号を制御することで、内燃機関の運転状態に適
した点火時期に点火プラグ17の電極間に火花放電を発
生させて、混合気を燃焼させるように処理を行う。
【0053】次に、燃料制御処理で実行される処理につ
いて説明する。なお、燃料制御処理は、内燃機関が始動
した後、例えば、内燃機関の回転角度(クランク角)を
検出するクランク角センサからの信号に基づき、内燃機
関が、吸気,圧縮,燃焼,排気を行う1燃焼サイクルに
1回の割合で実行される。
【0054】そして、内燃機関が始動されて燃料制御処
理が開始されると、まず、第4くすぶり検出フラグEd
の状態を判定する。なお、第4くすぶり検出フラグEd
は、燃焼形態を、成層燃焼および均質燃焼のいずれに設
定するかを示す指標である。そして、第4くすぶり検出
フラグEdは、後述するくすぶり汚損抑制処理において
状態が設定されており、「くすぶり汚損無しと判定され
る」とリセット状態に設定され、「くすぶり汚損が有り
と判定され、かつ、燃料噴射時期,点火時期および燃料
噴射量がそれぞれ制限範囲内でないと判定される」とセ
ット状態に設定される。
【0055】このとき、第4くすぶり検出フラグEdが
セット状態であれば、均質燃焼を行うため、別途実行さ
れる運転状態検出処理にて検出された内燃機関の運転状
態を読込み、読み込んだ運転状態に基づいてマップある
いは計算式を用いて、吸気行程の範囲内で、内燃機関の
運転状態に適した燃料噴射時期を算出し、今回の燃焼サ
イクルにおける燃料噴射時期として設定する。なお、燃
料噴射時期を算出するためのマップあるいは計算式は、
例えば、内燃機関におけるエンジン回転速度やエンジン
負荷などの運転状態をパラメータとして、内燃機関の運
転状態に適した燃料噴射時期を算出するものを使用する
とよい。
【0056】また、第4くすぶり検出フラグEdがリセ
ット状態である場合には、第1くすぶり検出フラグEa
の状態を判定する。なお、第1くすぶり検出フラグEa
は、燃料噴射時期を、くすぶり汚損の進行を抑制するた
めに設定するか否かを示す指標である。そして、第1く
すぶり検出フラグEaは、後述するくすぶり汚損抑制処
理において状態が設定されており、くすぶり汚損有りと
判定されるとセット状態に設定され、くすぶり汚損無し
と判定されるとリセット状態に設定される。
【0057】そして、第4くすぶり検出フラグEdがリ
セット状態であり、かつ、第1くすぶり検出フラグEa
がリセット状態であれば、成層燃焼を行うため、別途実
行される運転状態検出処理にて検出された内燃機関の運
転状態を読込み、読み込んだ運転状態に基づいてマップ
あるいは計算式を用いて、圧縮行程の範囲内で、内燃機
関の運転状態に適した燃料噴射時期を算出し、今回の燃
焼サイクルにおける燃料噴射時期として設定する。な
お、燃料噴射時期を算出するためのマップあるいは計算
式は、例えば、内燃機関のエンジン回転速度やエンジン
負荷などの運転状態をパラメータとして、内燃機関の運
転状態に適した燃料噴射時期を算出するものを使用する
とよい。
【0058】さらに、第4くすぶり検出フラグEdがリ
セット状態であり、かつ、第1くすぶり検出フラグEa
がセット状態であれば、成層燃焼を行うものの、本燃料
制御処理では燃料噴射時期の更新は行わず、後述するく
すぶり汚損抑制処理によって圧縮行程の範囲内で設定さ
れる燃料噴射時期を用いて、以下の処理を行う。
【0059】燃料制御処理におけるここまでの処理で
は、第1くすぶり検出フラグEaおよび第4くすぶり検
出フラグEdの状態に応じて、燃焼形態および燃料噴射
時期を設定している。そして、燃料制御処理における次
の処理では、第4くすぶり検出フラグEdおよび第3く
すぶり検出フラグEcの状態を判定する。なお、第3く
すぶり検出フラグEcは、燃料噴射量を、くすぶり汚損
の進行を抑制するために設定するか否かを示す指標であ
る。そして、第3くすぶり検出フラグEcは、後述する
くすぶり汚損抑制処理において状態が設定されており、
「くすぶり汚損が有りと判定され、かつ、燃料噴射時期
および点火時期がそれぞれ制限範囲内ではないと判定さ
れる」とセット状態に設定され、「くすぶり汚損無しと
判定される」とリセット状態に設定される。
【0060】このとき、「第4くすぶり検出フラグEd
がセット状態である時」、あるいは、「第4くすぶり検
出フラグEdがリセット状態であり、かつ、第3くすぶ
り検出フラグEcがリセット状態である時」、のいずれ
かの場合には、別途実行される運転状態検出処理にて検
出された内燃機関の運転状態を読込み、読み込んだ運転
状態に基づいてマップあるいは計算式を用いて、内燃機
関の運転状態に適した燃料噴射量を算出し、今回の燃焼
サイクルにおける燃料噴射量として設定する。なお、燃
料噴射量を算出するためのマップあるいは計算式は、例
えば、内燃機関のエンジン回転速度やエンジン負荷など
の運転状態をパラメータとして、内燃機関の運転状態に
適した燃料噴射量を算出するものを使用するとよい。
【0061】また、「第4くすぶり検出フラグEdがリ
セット状態であり、かつ、第3くすぶり検出フラグEc
がセット状態である時」の場合には、燃料制御処理で
は、燃料噴射量の更新は行わず、後述するくすぶり汚損
抑制処理によって設定される燃料噴射量を用いて以下の
処理を行う。
【0062】燃料制御処理において、燃料噴射時期を設
定してからここまでに実行される処理では、第3くすぶ
り検出フラグEcおよび第4くすぶり検出フラグEdの
状態に応じて、燃料噴射量を設定している。このあと、
上述した処理によって最終的に設定されている燃料噴射
時期となると、燃料指令信号をハイレベルに変化させて
燃料制御部25を動作させることにより、内燃機関の気
筒内への燃料の噴射を開始する。そして、燃料指令信号
をハイレベルに変化させてから、最終的に設定されてい
る燃料噴射量の燃料を供給するのに要する時間(換言す
れば、燃料指令信号ハイレベル継続時間)が経過する
と、燃料指令信号をローレベルに変化させて燃料制御部
25の動作を停止させ、燃料の噴射を停止させる。
【0063】よって、燃料制御処理は、内燃機関の運転
状態に応じて設定された燃料噴射時期に、内燃機関の運
転状態に応じて設定された燃料噴射量の燃料を気筒内に
噴射するように燃料指令信号を制御することで、燃料制
御部25を動作させて燃料を気筒内に噴射し、内燃機関
の運転状態に適した燃焼形態の混合気を生成するように
処理を行う。
【0064】続いて、ECU21の内部で実行される奥
飛び判定処理を、図2に示すフローチャートに沿って説
明する。なお、奥飛び判定処理は、例えば、内燃機関の
回転角度(クランク角)を検出するクランク角センサか
らの信号に基づき、内燃機関が、吸気,圧縮,燃焼,排
気を行う1燃焼サイクルに1回の割合で起動されて処理
を実行する。
【0065】そして、奥飛び判定処理が、点火タイミン
グを迎えると同時に起動されると、まずS210(Sは
ステップを表す)では、火花放電発生時に検出抵抗19
にて検出される放電電流の電流値を積分して放電電流積
分値Iiを算出する。このとき、放電電流積分値Iiの
算出方法としては、一定時間毎あるいは一定クランク角
毎に放電電流の電流値を積算する方法を用いている。な
お、算出方法としては、例えば、放電電流の大きさに比
例した電流値の電流をコンデンサに通電し、蓄積された
電荷量を放電電流積分値として算出する方法などを用い
ても良い。
【0066】続くS220では、S210で算出した放
電電流積分値Iiが、電流積分平均値Ibに判定係数K
を乗じた値よりも小さいか否かを判定しており、肯定判
定されるとS230に移行し、否定判定されるとS24
0に移行する。ここで、電流積分平均値Ibは、火花放
電が点火プラグの火花放電ギャップgで発生したとき
(正常放電時)に放電電流経路に流れる放電電流積分値
の平均値である。なお、電流積分平均値Ibは、後述す
るS240で更新されており、内燃機関の経時変化に応
じて値が更新される。
【0067】また、カーボンが付着することにより発生
する奥飛び時の放電電流は、その放電電流経路として絶
縁体表面に付着した比較的抵抗の大きなカーボンを通過
するため、正常放電時に比べて、奥飛び時における放電
電流経路の抵抗値は大きくなる。このため、奥飛び時に
点火プラグの電極間を流れる放電電流は、正常放電時に
点火プラグの電極間を流れる放電電流よりも小さい電流
値を示すことになる。よって、判定係数Kには、正常放
電時の放電電流積分値を1とした場合に、正常放電時の
放電電流積分値と奥飛び時の放電電流積分値との境界と
なる値(例えば0.7)が予め設定されている。
【0068】従って、S220では、S210で算出し
た放電電流積分値Iiが、電流積分平均値Ibに判定係
数Kを乗じた値よりも小さいか否かを判定することによ
り、奥飛びの発生を検出している。そして、S220で
肯定判定されてS230に移行すると、S230では、
このときの燃焼サイクルにおける火花放電を奥飛びであ
ると判定する。
【0069】また、S220で否定判定されてS240
に移行すると、S240では、このときの燃焼サイクル
における火花放電を正常放電であると判定し、また、電
流積分平均値Ibの更新を行う。ここで、S240での
電流積分平均値Ibの更新は、例えば、移動平均による
算出方法を用いて、現在の燃焼サイクルにおけるS21
0で算出された放電電流積分値Iiから遡って、正常放
電と判定された最新の過去複数回分(例えば10回分)
の放電電流積分値Iiにおける平均値を、電流積分平均
値Ibに代入することで行う。これにより、正常放電と
判定された最新の放電電流積分値Iiを電流積分平均値
Ibに反映させることができ、内燃機関の経時変化によ
る放電電流の変化に応じて、電流積分平均値Ibを更新
することができる。なお、放電電流積分値Iiの平均値
の算出は、移動平均による方法に限ることはなく、指数
平均による方法を用いても良い。
【0070】そして、S230あるいはS240の処理
が実行されると、本奥飛び判定処理を終了する。なお、
電流積分平均値Ibは、S240で更新された際に、例
えば、不揮発性の記憶素子(メモリ)に常に記憶されて
おり、内燃機関が始動された直後に実行される初回の奥
飛び判定処理では、前回の運転時の最後に記憶された電
流積分平均値Ibをメモリから読み出して、初回のS2
20での判定処理に用いる。
【0071】また、正常放電と判定された最新の過去複
数回分の放電電流積分値Iiについても、S240にお
いて、例えば、不揮発性の記憶素子(メモリ)に常に記
憶されている。そして、内燃機関の始動後、数回分の奥
飛び判定処理においては、前回の運転時において最後に
記憶された複数回分の放電電流積分値Iiをメモリから
読み出して、電流積分平均値Ibの更新処理に利用して
いる。つまり、内燃機関の始動後、数回分の奥飛び判定
処理については、前回運転時の放電電流積分値Iiと、
今回運転時の放電電流積分値Iiとを含めて平均を算出
して、電流積分平均値Ibを更新するのである。このよ
うにして、前回の運転時において記憶された放電電流積
分値Iiを用いて電流積分平均値Ibを更新すること
で、電流積分平均値Ibは、内燃機関の経時変化による
放電電流の変化に応じて更新されることになる。
【0072】そして、奥飛び判定処理による火花放電の
判定結果は、例えば、奥飛び発生頻度Fを算出するため
に、ECU21にて別途実行される奥飛び発生頻度算出
処理などに利用される。この奥飛び発生頻度算出処理
は、内燃機関の始動後、所定時間(例えば、冷却水の温
度が50℃を超えるまでの時間)が経過すると処理を開
始し、最新の過去複数回分(例えば、100回分)の全
燃焼サイクルにおける奥飛びの発生割合(%)を、奥飛
び発生頻度Fとして算出している。
【0073】次に、ECU21の内部で実行されるくす
ぶり汚損抑制処理を、図3に示すフローチャートに沿っ
て説明する。なお、くすぶり汚損抑制処理は、内燃機関
が始動した後、所定時間(例えば、冷却水の温度が50
℃を超えるまでの時間)が経過すると処理を開始する。
また、本くすぶり汚損抑制処理において状態を設定する
くすぶり検出フラグEa,Eb,Ec,Edについて
は、内燃機関が始動された直後に、すべてリセット状態
に設定されて初期化されている。
【0074】そして、くすぶり汚損抑制処理が開始され
ると、まずS310(Sはステップを表す)では、別途
実行される運転状態検出処理で検出された内燃機関の運
転状態に基づき、運転状態をパラメータとするマップあ
るいは計算式を用いて、奥飛び発生頻度Fが、内燃機関
を安定した状態で運転できる範囲を逸脱したか否かを判
別するためのくすぶり判定基準値Aを読み出す。なお、
このマップあるいは計算式は、例えば、予め実施した測
定結果に基づいて設定し、内燃機関の運転状態をパラメ
ータとして、内燃機関の運転状態に応じたくすぶり判定
基準値Aを算出するものを使用すると良い。
【0075】次のS320では、運転中の内燃機関にお
ける奥飛び発生頻度Fが、S310で読み出したくすぶ
り判定基準値Aよりも大きいか否かを判断しており、肯
定判定されるとS340に移行し、否定判定されるとS
330に移行する。つまり、S320では、奥飛び発生
頻度Fに基づいて、くすぶり汚損の状態が内燃機関を安
定した状態で運転できない状態であるか否かを判定して
いる。換言すれば、S320では、くすぶり汚損の進行
を抑制するための処理を行うか否かを判定している。な
お、奥飛び発生頻度Fは、前述した奥飛び発生頻度算出
処理にて算出され、運転中の内燃機関における最新の奥
飛び発生割合(%)を表している。
【0076】そして、S320で否定判定されてS33
0に移行すると、S330では、すべてのくすぶり検出
フラグEa,Eb,Ec,Edをリセット状態に設定す
る。このように各くすぶり検出フラグをリセット状態に
設定することにより、前述した点火制御処理および燃料
制御処理によって、くすぶり汚損が発生していない通常
運転時における内燃機関の運転状態に適した燃焼形態、
点火時期、燃料噴射時期および燃料噴射量が設定され
る。そしてS330での処理が行われると、S310に
移行する。
【0077】また、S320で肯定判定されてS340
に移行すると、S340では、この時点で設定されてい
る燃料噴射時期が、内燃機関を安定した状態で運転でき
るよう予め定められた制限範囲内であるか否かを判断し
ており、肯定判定されるとS350に移行し、否定判定
されるとS360に移行する。なお、この時の燃料噴射
時期は、前回の燃焼サイクルにおける燃料噴射時期に相
当する。
【0078】そして、S340で肯定判定されてS35
0に移行すると、S350では第1くすぶり検出フラグ
Eaをセット状態に設定する。このように第1くすぶり
検出フラグEaをセット状態に設定することにより、前
述した燃料制御処理において燃料噴射時期を設定するの
ではなく、本くすぶり汚損抑制処理にて、燃料噴射時期
を設定することになる。
【0079】さらに、S350では、くすぶり汚損の進
行が抑制されるように燃料噴射時期を一定量変化させ
る。このとき、燃料噴射時期を一定量変化させるにあた
っては、例えば、燃料噴射時期を進角させるとよい。つ
まり、燃料噴射時期を進角させることで、気筒内で圧縮
行程において供給される燃料が撹拌する時間を十分に確
保して燃料の霧化を促進させて、燃料を完全燃焼させる
ことにより、液体状態の燃料から生成されるカーボンの
発生を抑えることができる。
【0080】あるいは、各燃焼サイクルごとに図示平均
有効圧力を算出して、燃料噴射時期を一定量進角させる
ことによる図示平均有効圧力の変化量を算出して、図示
平均有効圧力が大きくなるように燃料噴射時期を変化さ
せても良い。つまり、例えば、燃料噴射時期を進角させ
た後の図示平均有効圧力が、進角させる前の燃焼サイク
ルにおける図示平均有効圧力よりも大きくなる場合に
は、次の燃焼サイクルにおいて設定する燃料噴射時期を
さらに進角させるのである。また、反対に、燃料噴射時
期を進角させた後の燃焼サイクルにおける図示平均有効
圧力が、進角させる前の燃焼サイクルにおける図示平均
有効圧力以下となる場合には、次の燃焼サイクルにおい
て設定する燃料噴射時期を遅角させるのである。
【0081】そして、実際に図示平均有効圧力を用いて
燃料噴射時期を変化させる際には、前回および前々回の
燃焼サイクルにおけるそれぞれの図示平均有効圧力を比
較して、前回の図示平均有効圧力が大きくなる場合に
は、前回の燃料噴射時期を基準として、前々回から前回
にかけて燃料噴射時期を変化させた方向と同じ方向に変
化させた燃料噴射時期を、今回の燃料噴射時期として設
定するのである。反対に、前回の図示平均有効圧力が前
々回の図示平均有効圧力以下である場合には、前回の燃
料噴射時期を基準として、前々回から前回にかけて燃料
噴射時期を変化させた方向の反対方向に変化させた燃料
噴射時期を、今回の燃料噴射時期として設定するのであ
る。
【0082】このように、図示平均有効圧力を大きくす
るように燃料噴射時期を制御することは、混合気の燃焼
状態を良好にすることになるため、燃料が完全燃焼され
てカーボンの発生を抑制することができる。このように
燃料噴射時期を変化させて燃料を完全燃焼させることに
より、点火プラグのくすぶり汚損の進行を抑制して、や
がては、点火プラグの自己清浄作用によって絶縁体表面
に付着したカーボンを焼き切り、清浄化させることが可
能となる。
【0083】そして、S350の処理が行われると、S
310に移行する。また、S340で否定判定される
と、S360に移行し、S360では、この時点で設定
されている点火時期が、内燃機関を安定した状態で運転
できるよう定められた制限範囲内であるか否かを判断し
ており、肯定判定されるとS370に移行し、否定判定
されるとS380に移行する。なお、この時の点火時期
は、前回の燃焼サイクルにおける点火時期に相当する。
【0084】そして、S360で肯定判定されてS37
0に移行すると、S370では第2くすぶり検出フラグ
Ebをセット状態に設定する。このように第2くすぶり
検出フラグEbをセット状態に設定することにより、前
述した点火制御処理において点火時期を設定するのでは
なく、本くすぶり汚損抑制処理にて、点火時期を設定す
ることになる。
【0085】さらに、S370では、くすぶり汚損の進
行が抑制されるように点火時期を一定量変化させる。こ
のとき、点火時期を一定量変化させるにあたっては、例
えば、点火時期を遅角させるとよい。つまり、点火時期
を遅角させることで、気筒内で燃料が撹拌する時間を十
分に確保して燃料の霧化を促進させて、燃料を完全燃焼
させることにより、液体状態の燃料から生成されるカー
ボンの発生を抑えることができる。
【0086】あるいは、各燃焼サイクルごとに図示平均
有効圧力を算出して、点火時期を一定量進角させること
による図示平均有効圧力の変化量を算出して、図示平均
有効圧力が大きくなるように点火時期を変化させても良
い。つまり、例えば、点火時期を進角させた後の燃焼サ
イクルにおける図示平均有効圧力が、進角させる前の燃
焼サイクルにおける図示平均有効圧力よりも大きくなる
場合には、次の燃焼サイクルにおいて設定する点火時期
をさらに進角させるのである。また、反対に、点火時期
を進角させた後の燃焼サイクルにおける図示平均有効圧
力が、進角させる前の燃焼サイクルにおける図示平均有
効圧力以下となる場合には、次の燃焼サイクルにおいて
設定する点火時期を遅角させるのである。
【0087】そして、実際に図示平均有効圧力を用いて
点火時期を変化させる際には、前回および前々回の燃焼
サイクルにおけるそれぞれの図示平均有効圧力を比較し
て、前回の図示平均有効圧力が大きくなる場合には、前
回の点火時期を基準として、前々回から前回にかけて点
火時期を変化させた方向と同じ方向に変化させた点火時
期を、今回の点火時期として設定するのである。反対
に、前回の図示平均有効圧力が前々回の図示平均有効圧
力以下である場合には、前回の点火時期を基準として、
前々回から前回にかけて点火時期を変化させた方向の反
対方向に変化させた点火時期を、今回の点火時期として
設定するのである。
【0088】このように、図示平均有効圧力を大きくす
るように点火時期を制御することは、混合気の燃焼状態
を良好にすることになるため、燃料が完全燃焼されてカ
ーボンの発生を抑制することができる。このように点火
時期を変化させて燃料を完全燃焼させることにより、点
火プラグのくすぶり汚損の進行を抑制して、やがては点
火プラグの自己清浄作用によって絶縁体表面に付着した
カーボンを焼き切り、清浄化させることが可能となる。
【0089】そして、S370の処理が行われるとS3
10に移行する。また、S360で否定判定されると、
S380に移行し、S380では、この時点で設定され
ている燃料噴射量が、内燃機関を安定した状態で運転で
きるよう定められた制限範囲内であるか否かを判断して
おり、肯定判定されるとS390に移行し、否定判定さ
れるとS400に移行する。なお、この時の燃料噴射量
は、前回の燃焼サイクルにおける燃料噴射量に相当す
る。
【0090】そして、S380で肯定判定されてS39
0に移行すると、S390では、第3くすぶり検出フラ
グEcをセット状態に設定する。このように第3くすぶ
り検出フラグEcをセット状態に設定することにより、
前述した燃料制御処理において燃料噴射量を設定するの
ではなく、本くすぶり汚損抑制処理にて、燃料噴射量を
設定することになる。
【0091】さらに、S390では、くすぶり汚損の進
行が抑制されるように燃料噴射量を一定量変化させる。
このとき、燃料噴射量を変化させるにあたっては、例え
ば、燃料噴射量を減少させると良い。つまり、燃料噴射
量を減少させることにより、点火プラグの電極近傍の空
燃比を高く(燃料を希薄化)して余剰な液体状態の燃料
を減少させ、液体状態の燃料から生成されるカーボンの
発生を抑えることができる。また、燃料噴射量を減少さ
せることにより、点火プラグのくすぶり汚損の進行を抑
制して、やがては点火プラグの自己清浄作用によって絶
縁体表面に付着したカーボンを焼き切り、清浄化させる
ことが可能となる。
【0092】そして、S390の処理が行われるとS3
10に移行する。また、S380で否定判定されると、
S400に移行し、S400では、第4くすぶり検出フ
ラグEdをセット状態に設定する。このように第4くす
ぶり検出フラグEdをセット状態に設定することによ
り、前述した燃料制御処理において設定される混合気の
燃焼形態を、成層燃焼ではなく均質燃焼に変更してい
る。
【0093】そして、燃焼形態を成層燃焼から均質燃焼
に変化させることで、気筒内での燃料の撹拌を十分に行
い燃料の霧化を促進させて、燃料を完全燃焼させること
により、液体状態の燃料から生成されるカーボンの発生
を抑えることができる。そして、S400の処理が行わ
れると、本くすぶり汚損抑制処理は終了する。
【0094】以上説明したように、本くすぶり汚損抑制
処理は、くすぶり汚損無しと判定される(S320で否
定判定される)と、すべてのくすぶり検出フラグをリセ
ットして(S330)、点火制御処理および燃料制御処
理において、内燃機関の運転状態に基づいて、燃焼形
態、点火時期、燃料噴射時期および燃料噴射量がそれぞ
れ設定されるように処理を行う。このため、くすぶり汚
損が無いと判定された場合には、通常運転時における内
燃機関の運転状態に適した燃焼形態、点火時期、燃料噴
射時期および燃料噴射量(空燃比)で、内燃機関を運転
する事ができる。
【0095】また、くすぶり汚損有りと判定される(S
320で肯定判定される)と、まずは、第1くすぶり検
出フラグEaをセット状態に設定して(S350)、燃
料制御処理ではなく、本くすぶり汚損抑制処理において
燃料噴射時期を設定する処理を行う。そして、本くすぶ
り汚損抑制処理では、燃料制御処理において最後に設定
された(即ち、くすぶり汚損有りと判定される直前に設
定されていた)燃料噴射時期を初期値として、くすぶり
汚損の進行を抑制するように燃料噴射時期を一定量変化
させている。また、一度くすぶり汚損が検出されると、
くすぶり汚損が解消されるまでS320で肯定判定され
るため、くすぶり汚損抑制処理による燃料噴射時期の更
新が一度開始されると、くすぶり汚損無しと判定される
までの間、燃料噴射時期は、繰り返し一定量ずつ変化し
ていくことになる。このため、燃料噴射時期の変化(制
御)により、内燃機関の運転条件は点火プラグの自己清
浄作用がより発揮され易い状態となっていき、くすぶり
汚損の進行を抑制しつつ、くすぶり汚損の解消をより効
果的に行うことが可能になる。
【0096】ただし、燃料噴射時期を無制限に変化させ
た場合、内燃機関を安定して運転することができなくな
る虞がある。このため、燃料噴射時期が、内燃機関を安
定した状態で運転できる制限範囲内であることを、S3
40で判定した上で、燃料噴射時期を一定量変化させる
ようにしている。
【0097】そして、燃料噴射時期を繰り返し変化させ
た結果、燃料噴射時期が制限範囲内では無くなった場合
には、続いて、第2くすぶり検出フラグEbをセット状
態に設定して(S370)、点火制御処理ではなく、本
くすぶり汚損抑制処理において点火時期を設定する処理
を行う。
【0098】このとき、本くすぶり汚損抑制処理では、
点火制御処理において最後に設定された点火時期を初期
値として、くすぶり汚損の進行が抑制するように点火時
期を一定量変化させている。また、一度くすぶり汚損が
検出されると、くすぶり汚損が解消されるまでS320
で肯定判定されるため、くすぶり汚損抑制処理による点
火時期の更新が一度開始されると、くすぶり汚損無しと
判定されるまでの間、点火時期は、繰り返し一定量ずつ
変化していくことになる。このため、点火時期の変化
(制御)により、内燃機関の運転条件は、点火プラグの
自己清浄作用がより発揮され易い状態となっていき、く
すぶり汚損の進行を抑制しつつ、くすぶり汚損の解消を
より効果的に行うことが可能になる。
【0099】ただし、点火時期を無制限に変化させた場
合、ノッキングの発生などにより、内燃機関を安定して
運転することができなくなる虞などがある。このため、
点火時期が、内燃機関を安定した状態で運転できる制限
範囲内であることを、S360で判定した上で、点火時
期を一定量変化させるようにしている。
【0100】そして、点火時期を繰り返し変化させた結
果、点火時期が制限範囲内では無くなった場合には、続
いて、第3くすぶり検出フラグEcをセット状態に設定
して(S390)、燃料制御処理ではなく、本くすぶり
汚損抑制処理において燃料噴射量を設定する処理を行
う。
【0101】このとき、本くすぶり汚損抑制処理では、
燃料制御処理において最後に設定された燃料噴射量を初
期値として、くすぶり汚損が解消するように燃料噴射量
を一定量変化させている。また、一度くすぶり汚損が検
出されると、くすぶり汚損が解消されるまでS320で
肯定判定されるため、くすぶり汚損抑制処理による燃料
噴射量の更新が一度開始されると、くすぶり汚損無しと
判定されるまでの間、燃料噴射量は、繰り返し一定量ず
つ変化していくことになる。このため、燃料噴射量の変
化(制御)により、内燃機関の運転条件は点火プラグの
自己清浄作用がより発揮され易い状態となっていき、く
すぶり汚損の進行を抑制しつつ、くすぶり汚損の解消を
より効果的に行うことが可能になる。
【0102】ただし、燃料噴射量を無制限に変化させた
場合、燃料が過度に希薄になり失火が発生するなどによ
り、内燃機関を安定して運転することができなくなる虞
などがある。このため、燃料噴射量が、内燃機関を安定
した状態で運転できる制限範囲内であることを、S38
0で判定した上で、一定量変化させるようにしている。
【0103】そして、燃料噴射量を繰り返し変化させた
結果、燃料噴射量が制限範囲内では無くなった場合に
は、続いて、第4くすぶり検出フラグEdをセット状態
に設定して(S400)、前述した燃料制御処理におい
て設定される混合気の燃焼形態を、成層燃焼ではなく均
質燃焼に変更している。そして、くすぶり汚損抑制処理
は終了する。
【0104】また、くすぶり汚損有りと判定(S320
で肯定判定)されて、くすぶり汚損抑制処理において、
燃料噴射時期、点火時期および燃料噴射量を更新してい
る間(S340からS380の処理を実行中)に、くす
ぶり汚損無しと判定される(S320で否定判定され
る)と、すべてのくすぶり検出フラグEa,Eb,E
c,Edをリセット状態に設定する(S330)。これ
により、点火制御処理および燃料制御処理において、燃
焼形態、点火時期、燃料噴射時期および燃料噴射量がそ
れぞれ設定され、通常運転時における内燃機関の運転状
態に適した制御を行うようにする。
【0105】そして、くすぶり汚損抑制処理は、終了す
る前に、燃焼形態を成層燃焼から均質燃焼に変更するた
めの第4くすぶり検出フラグEdをセット状態に設定し
ている。よって、くすぶり汚損抑制処理の終了後、燃料
制御処理が、燃焼形態を成層燃焼から均質燃焼に変化さ
せて内燃機関の運転を行うため、気筒内での燃料の撹拌
を十分に行い燃料の霧化を促進させて、燃料を完全燃焼
させることにより、液体状態の燃料から生成されるカー
ボンの発生を抑えることができる。そして、均質燃焼で
運転を継続することでくすぶり汚損が解消されると、E
CU21内で別途実行される燃焼形態変更処理によっ
て、第4くすぶり検出フラグEdがリセット状態に設定
されて、燃焼形態が再び成層燃焼に変更される。これに
伴い、くすぶり汚損抑制処理も再び開始される。
【0106】以上説明したように、本実施例の内燃機関
用制御装置では、火花放電発生時の放電電流に基づいて
失火に至る前にくすぶり汚損を検出し、くすぶり汚損を
検出すると、燃焼形態、点火時期、燃料噴射時期および
燃料噴射量をくすぶり汚損の進行を抑制するように変化
させて内燃機関を制御している。
【0107】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、
種々の態様を採ることができる。例えば、本実施例にお
ける奥飛び判定処理では、放電電流の電流値の積分値を
用いて奥飛び検出を行っているが、火花放電発生期間中
の放電電流の電流値が予め定められた検出基準値以上と
なる電流検出時間を算出し、この電流検出時間を火花放
電継続時間とみなして、火花放電継続時間に基づいて奥
飛び検出を行うようにしても良い。つまり、電流検出時
間が、正常放電と奥飛びとを判別するための検出時間判
定基準値よりも小さくなるときに、奥飛びが発生してい
ると判定するのである。
【0108】ここで、電流検出時間を用いた奥飛び判定
処理を図7に示す。そして、図7に示す奥飛び判定処理
が、点火タイミングを迎えると同時に起動されると、ま
ずS610(Sはステップを表す)では、電位Vrおよ
び検出抵抗19により検出された放電電流Iが、予め設
定された検出基準電流値Ith以上であるか否かを判断
しており、肯定判定されるとS620に移行し、否定判
定されると同ステップを繰り返し実行することで待機す
る。
【0109】そして、検出された放電電流Iが検出基準
電流値Ith以上の値となると、S610にて肯定判定
されてS620に移行し、S620では、この時の時刻
を記憶して、放電電流の電流検出時間Tの積算を開始す
る。続くS630では、放電電流Iが検出基準電流値I
thよりも小さいか否かを判断しており、肯定判定され
るとS640に移行し、否定判定されると同ステップを
繰り返し実行することにより待機する。
【0110】そして、放電電流Iが検出基準電流値It
hよりも小さくなり、S630にて肯定判定されると、
S640に移行し、S640では、この時点の時刻から
S620で記憶した時刻を差し引くことにより、放電電
流の電流検出時間Tを算出し、検出時間の積算を終了す
る。
【0111】続くS650では、S640にて算出した
放電電流の電流検出時間Tが、正常放電と奥飛びとを識
別するために予め設定された検出時間判定基準値Tth
以上であるか否かを判断しており、肯定判定されるとS
660に移行し、否定判定されるとS670に移行す
る。
【0112】そして、S650で肯定判定されてS66
0に移行すると、S660では、この時の燃焼サイクル
における火花放電を正常放電であると判定する。また、
S650で否定判定されてS670に移行すると、S6
70では、この時の燃焼サイクルにおける火花放電を奥
飛びであると判定する。
【0113】そして、S660あるいはS670の処理
が実行されると、本奥飛び判定処理は終了する。このよ
うにして、図7に示す奥飛び判定処理は、電流検出時間
を用いて、正常放電あるいは奥飛びを判定している。そ
して、図7に示す奥飛び判定処理による火花放電の判定
結果は、上述の実施例(図2に示す奥飛び判定処理)と
同様に、奥飛び発生頻度算出処理などの処理に用いられ
る。
【0114】また、図2に示す奥飛び判定処理において
使用される判定係数Kは、予め定められた固定値ではな
く、内燃機関の運転状態に基づいて、マップあるいは計
算式を用いて内燃機関の運転状態に応じた値を設定する
ようにしてもよい。これにより、内燃機関の運転状態に
適した判定係数Kで、正常放電と奥飛び放電とをより精
度良く識別することができる。
【0115】さらに、奥飛び判定処理は、1燃焼サイク
ルに1回の割合で実行するのではなく、数回の燃焼サイ
クルに1回の割合で実行するようにしても良い。これに
より、ECUの処理負荷の上昇を抑えることができる。
そして、くすぶり汚損抑制処理において使用される点火
時期の制限範囲、燃料噴射時期の制限範囲および燃料噴
射量の制限範囲は、予め定められた固定値ではなく、内
燃機関の運転状態に基づいて、マップあるいは計算式を
用いて内燃機関の運転状態に応じた制限範囲を設定する
ようにしてもよい。これにより、内燃機関の運転状態に
適した制限範囲で、点火時期、燃料噴射時期および燃料
噴射量を設定することができる。
【0116】また、上記実施例では、くすぶり汚損を検
出した際に、1燃焼サイクルにおいて変化させる内燃機
関の制御量の順序は、燃料噴射時期、点火時期、燃料噴
射量の順であるが、変化させる制御量は順序に限ること
はなく、例えば、点火時期を最初に変化させて、続いて
燃料噴射時期、燃料噴射量という順に変化させてもよ
い。また、1種類の制御量を変化させることで、くすぶ
り汚損の進行の抑制が可能な内燃機関については、1種
類の制御量のみを変化させるように制御装置を構成して
も良い。
【0117】このように、1燃焼サイクルにおいて変化
させる制御量を1種類にすることで、1燃焼サイクルあ
たりに実行する処理を減少させることができ、くすぶり
汚損の進行を抑制するための処理によるECUの処理負
荷の上昇を最小限に抑制することができる。
【0118】ここで、くすぶり汚損を検出した際に、燃
料噴射時期と燃焼形態を変化させるよう構成された第2
実施例の内燃機関制御装置におけるくすぶり汚損抑制処
理のフローチャートを図6に示す。なお、第2実施例の
内燃機関制御装置では、点火制御処理は第2くすぶり検
出フラグEbの状態によらず、常に点火時期を更新して
おり、また、燃料制御処理は、第3くすぶり検出フラグ
Ecの状態によらず、常に燃料噴射量を更新している。
そして、第2実施例の内燃機関制御装置は、くすぶり汚
損抑制処理、点火制御処理および燃料制御処理以外につ
いては、前述の実施例(以下、第1実施例という)と同
様に構成されている。
【0119】そして、図6に示す第2実施例のくすぶり
汚損抑制処理は、図3に示す第1実施例のくすぶり汚損
抑制処理におけるS360からS390までのステップ
を省略して構成されており、S340で否定判定される
とS400に移行する。また、第2実施例のS330で
の処理では、4個のくすぶり検出フラグではなく、2個
のくすぶり検出フラグEa,Edの状態をリセット状態
に設定している点が、第1実施例と異なっている。そし
て、第2実施例におけるS330以外のステップでの処
理内容は、第1実施例と同様である。
【0120】このように、くすぶり汚損を検出した際に
変化させる制御量を削減することにより、第2実施例の
内燃機関制御装置は、第1実施例の内燃機関制御装置に
比べて、ECUでの処理内容を簡略化することができ
る。さらに、上記実施例では、くすぶり汚損を検出した
際に同一の燃焼サイクルにおいて変化させる内燃機関の
制御量としては、点火時期、燃料噴射時期および燃料噴
射量のうちいずれか1種類の制御量を順に変化させるよ
うにしているが、同一の燃焼サイクルにおいて複数の制
御量を同時に変化させるようにしてもよい。例えば、同
一燃焼サイクルにおいて、点火時期および燃料噴射時期
をそれぞれくすぶり汚損の進行を抑制するように変化さ
せるのである。このように制御量を変化させることによ
り、より効果的にくすぶり汚損の進行を抑制することが
可能になる。
【0121】さらに、複数の気筒を備える内燃機関につ
いては、各気筒ごとに独立してくすぶり汚損の進行を抑
制するための処理を実行するようにしても良い。これに
より、くすぶり汚損が発生した気筒については、確実に
くすぶり汚損の進行を抑制するようにしつつ、くすぶり
汚損が発生していない気筒については、通常運転時に適
した制御量で混合気を燃焼させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の内燃機関用制御装置の概略構成を表
す構成図である。
【図2】 ECU21で実行される奥飛び判定処理のフ
ローチャートである。
【図3】 第1実施例のECU21で実行されるくすぶ
り汚損抑制処理のフローチャートである。
【図4】 カーボンが付着した状態の点火プラグを表す
説明図である。
【図5】 (a)正常放電、(b)点火プラグの電極間
が短絡される前の段階にあるくすぶり汚損時、のそれぞ
れの場合における各部の状態を表すタイムチャートであ
る。
【図6】 第2実施例のECU21で実行されるくすぶ
り汚損抑制処理のフローチャートである。
【図7】 電流検出時間を用いた奥飛び判定処理のフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1…直噴型内燃機関制御装置、13…点火コイル、17
…点火プラグ、17a…中心電極、17b…接地電極、
17c…絶縁体、17d…取付金具、19…検出抵抗、
25…燃料制御部、31…点火制御部、33…点火コイ
ル制御部、C…カーボン、a…接触点、g…火花放電ギ
ャップ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/22 335 F02D 41/22 335A 43/00 301 43/00 301B 301H 301J F02P 5/15 F02P 15/00 F 15/00 5/15 L 17/12 17/00 E (72)発明者 鈴木 隆博 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 3G019 AA08 AA09 AB01 BA01 CA01 DA01 DA02 DB04 DB07 GA00 3G022 AA07 CA00 DA01 DA02 EA00 FA02 FA03 FA06 GA01 GA05 3G084 AA04 BA13 BA15 BA17 DA28 EA11 EB08 EB22 FA00 FA02 FA10 FA11 FA20 FA33 FA38 3G301 HA01 HA04 HA16 JA23 LA00 LB04 MA13 MA18 MA19 NA08 NC02 NC08 PA07Z PA10Z PA11Z PC02Z PE00Z PE01Z PE03Z PE08Z PF16Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料を気筒内に直接噴射する直噴型の内
    燃機関に装着された点火プラグに点火用高電圧を印加し
    たときに、該点火プラグの電極間に流れる放電電流を検
    出する放電電流検出手段と、 前記放電電流に基づいて、前記点火プラグのくすぶり汚
    損の有無を判定するくすぶり汚損判定手段と、 該くすぶり汚損判定手段にてくすぶり汚損が有りと判定
    されたときに、少なくとも前記気筒内に噴射する燃料の
    噴射時期を変化させて、前記点火プラグのくすぶり汚損
    の進行を抑制するくすぶり汚損抑制手段と、を有するこ
    と、を特徴とする直噴型内燃機関の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記くすぶり汚損抑制手段は、くすぶり
    汚損が有りと判定されたときに、前記点火プラグの火花
    放電による内燃機関の点火時期を変化させること、を特
    徴とする請求項1に記載の直噴型内燃機関の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記くすぶり汚損抑制手段は、くすぶり
    汚損が有りと判定されたときに、内燃機関の燃焼形態を
    成層燃焼から均質燃焼に変化させること、を特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の直噴型内燃機関の制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記くすぶり汚損抑制手段は、くすぶり
    汚損が有りと判定されたときに、前記気筒内に噴射する
    燃料噴射量を変化させること、を特徴とする請求項1か
    ら請求項3のいずれかに記載の直噴型内燃機関の制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記くすぶり汚損判定手段は、前記点火
    プラグの電極間にて火花放電期間中に流れる放電電流を
    積分し、該放電電流の積分値と所定の積分判定基準値と
    の比較結果を用いて、前記点火プラグのくすぶり汚損の
    有無を判定すること、を特徴とする請求項1から請求項
    4のいずれかに記載の直噴型内燃機関の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記くすぶり汚損判定手段は、前記点火
    プラグの電極間にて火花放電期間中に流れる放電電流の
    電流値が予め定められた検出基準値以上となる電流検出
    時間を算出し、該電流検出時間と所定の検出時間判定基
    準値との比較結果を用いて、前記点火プラグのくすぶり
    汚損の有無を判定すること、を特徴とする請求項1から
    請求項4のいずれかに記載の直噴型内燃機関の制御装
    置。
JP2000091606A 2000-03-29 2000-03-29 直噴型内燃機関の制御装置 Pending JP2001271699A (ja)

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