JP2001269581A - 光触媒活性及び耐光性に優れた光触媒被覆複合部材及びその製造方法 - Google Patents

光触媒活性及び耐光性に優れた光触媒被覆複合部材及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光触媒活性を高めると共に、バインダとして
使用されている塗膜の分解を抑制し、耐光性に優れた光
触媒被覆複合部材を提供する。 【構成】 ゼオライトで被覆された光触媒粒子が分散し
た光触媒塗膜3が基材1に直接,或いはプライマ層2を
介して形成されている。ゼオライト膜5で被覆された光
触媒粒子4としては、たとえば膜厚5nm〜5μmのゼ
オライト皮膜で覆われた光触媒粒子が使用され、好まし
くは5〜80質量%の割合で光触媒塗膜3に分散させ
る。基材1には、金属,ガラス,タイル,合成樹脂,パ
ーティクルボード,石膏,コンクリート等が使用され
る。光触媒塗膜3は、ゼオライト膜5で被覆された光触
媒粒子4を含む有機樹脂塗料をプライマ塗膜の上に塗布
し、熱処理により形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機物,SOx,NO
x等を分解し、抗菌にも有効な光触媒作用をもち、有機
樹脂との組合せでも耐光性に優れた複合部材に関する。
【0002】
【従来の技術】TiO2を初めとする光触媒は、光照射
で活性化し、有機物,SOx,NOx等を分解する作用
を呈する。この作用を活用し、光触媒粒子を配合した塗
膜を基材表面に設けることにより,各種材料に光触媒活
性を付与することが検討されている。光触媒活性が付与
された複合部材は,大都市周辺,工場地帯等の煤煙,排
ガス等で汚染された大気に起因する表面汚れを分解し、
長期にわたって美観を保持する。この種の光触媒被覆複
合部材において、光触媒粒子を分散させる塗膜のバイン
ダに有機物を使用すると、光触媒反応で生成したO2 -
・OH等の活性酸素で有機塗膜が分解され、チョーキン
グによる塗膜剥離が生じる虞がある。
【0003】有機塗膜の分解を抑えるため、光触媒粒子
の配合量を減らしても、満足できる耐光性及び光触媒活
性が得られない。そのため、シリカ系等の無機材料がベ
ース樹脂として一般的に使用されている(特開平7−1
13272号公報、特開平8−164334号公報、W
O96/29375号等参照)。また、有機系塗膜でも
比較的安定なフッ素樹脂をベースとするとき塗膜の分解
が抑制されるため、フッ素樹脂をベースとしてアナター
ゼ型TiO2粒子を分散させた塗膜が知られている(特
開平7−171408号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】無機材料をバインダと
する光触媒塗膜をもつ複合部材は、長期間にわたって光
照射に曝される建材等として使用されてもチョーキング
を発生せず、美観が長期間維持される。しかし、光触媒
粒子を担持する樹脂や要分解成分との接触を促進させ、
或いは光触媒粒子周囲に要分解成分の濃度を高めるもの
でなく、要分解成分と光触媒粒子が接触したときに始め
て光触媒反応が生じるため、使用すると分解能が低く濃
度の低いホルムアルデヒドの分解,脱SOx,脱NOx
等では改善の余地がある。
【0005】活性炭,ゼオライト等の吸着剤と共に光触
媒粒子を難分解性バインダで基体に担持させるとき、雰
囲気中の要分解成分が吸着剤で優先的に補集され、光触
媒粒子の分解能が向上する。しかし、光触媒粒子及び吸
着剤を塗膜に均一分散させることが難しく、しかも両者
がバインダで覆われてしまうと触媒作用及び吸着作用が
著しく低下する。更には、光触媒粒子を分散させた無機
塗膜が形成された金属板等では、加工性に劣ることも難
点である。たとえば、無機塗膜に光触媒粒子を分散させ
て光触媒活性を付与した塗装鋼板に曲げ加工を施すと、
クラックが発生しやすく、塗膜も鋼板表面から剥離しや
すい。他方、フッ素樹脂に光触媒粒子を分散させた塗膜
は、耐光性が不足しがちである。耐光性及び光触媒活性
の双方を満足させるために、光触媒粒子の周囲をシリカ
でコーティングすることにより光触媒粒子と有機塗膜と
の直接接触を防止する方法も考えられるが、この場合に
は光触媒粒子の光触媒活性が低下する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような問
題を解消すべく案出されたものであり、ゼオライトで被
覆した光触媒粒子を塗膜に分散させることにより、光触
媒活性を高めると共に、バインダとして使用されている
塗膜の分解を抑制し、耐光性に優れた光触媒被覆複合部
材を提供することを目的とする。本発明の光触媒被覆複
合部材は、その目的を達成するため、ゼオライトで被覆
された光触媒粒子が分散した無機又は有機の光触媒塗膜
が基材表面に形成されていることを特徴とする。
【0007】ゼオライトで被覆された光触媒粒子として
は、たとえば膜厚5nm〜5μmのゼオライト皮膜で覆
われた光触媒粒子が使用され、5〜80質量%の割合で
光触媒塗膜に分散させることが好ましい。基材には、金
属,ガラス,タイル,合成樹脂,パーティクルボード,
石膏,コンクリート等が使用される。金属性基体として
は、普通鋼板,めっき鋼板,ステンレス鋼板,アルミニ
ウム板,アルミニウム合金板等がある。ゼオライトで被
覆された光触媒粒子が分散した光触媒塗膜は、顔料を含
むプライマ塗膜を基材表面に形成した後、ゼオライトで
被覆された光触媒粒子を含む有機樹脂塗料をプライマ塗
膜の上に塗布し、熱処理により形成される。或いは、プ
ライマ層を省略し,基材表面に光触媒塗膜を直接形成し
てもよい。
【0008】
【作用】光触媒粒子は,紫外線照射によって励起され、
有機物を分解する光触媒活性を呈する。そのため、有機
樹脂を用いて塗膜を形成すると、樹脂自体が酸化分解さ
れ、チョーキングが発生する。本発明者等は、光触媒反
応に起因したチョーキングを抑制する方法を検討する過
程で、ゼオライトで被覆された光触媒粒子を有機樹脂塗
膜に分散させると、光触媒活性を維持したまま有機樹脂
の分解が抑制されることを見出した。これは、次のよう
に推察される。
【0009】ゼオライトは、一般式Mx/mAlxSi
(1-x)2・nH2O(Mは陽イオン,mは陽イオンMの価
数,nは空孔中に吸着された水分子の個数)で表される
アルミノケイ酸塩の結晶であり、ガス状成分を選択的に
吸着透過させる分子サイズ(5〜13Å)の空孔を結晶
内部にもつモレキュラーシーブとして知られている。そ
のため、光触媒粒子の表面にゼオライト膜を設けても、
雰囲気中のホルムアルデヒド,SOx,NOx等はゼオ
ライト膜を透過し、光触媒粒子の表面に到達する。むし
ろ、ホルムアルデヒド,SOx,NOx等が雰囲気中か
ら優先的にゼオライト膜に吸着され、光触媒粒子に接触
する機会が増加し、光触媒活性が向上する。
【0010】ゼオライト膜を設けることにより光触媒活
性が向上する作用は、無機塗膜及び有機塗膜の何れでも
有効に機能する。有機塗膜では、更にゼオライト膜の形
成によって耐チョーキング性が改善される。すなわち、
光触媒粒子の表面で発生したラジカルは、移動可能距離
が非常に短く、光触媒粒子の表面がゼオライト膜で覆わ
れているため、塗膜を構成する有機樹脂まで到達しな
い。この点、シリカで被覆した光触媒粒子を分散させた
塗膜では、光触媒粒子と要分解成分との接触がシリカで
妨げられ、光触媒活性が低下する。
【0011】
【実施の形態】本発明に従った光触媒被覆複合部材は、
たとえば図1に示すように、金属,ガラス,タイル,合
成樹脂,パーティクルボード,石膏,コンクリート等の
基材1の表面に、必要に応じてプライマ層2を介して光
触媒塗膜3を設けている。プライマ層2は光触媒塗膜3
の密着性を向上させるために設けられるが、光触媒反応
の影響を受けにくい金属製等の無機質基材1ではプライ
マ層2を省略することも可能である(図2)。
【0012】基材1として使用される金属製基板には、
普通鋼板,亜鉛めっき鋼板,アルミめっき鋼板等の各種
めっき鋼板,ステンレス鋼板,アルミニウム板,アルミ
ニウム合金板等がある。金属製基板を使用する場合、必
要に応じてアルカリ脱脂,クロメート処理,リン酸塩処
理等の前処理が施される。プライマ層2は、防錆顔料,
体質顔料,白色顔料等を有機樹脂に分散させた塗料を基
材1に塗布し,焼き付けることにより形成される。プラ
イマ層2は,光触媒塗膜3の密着性及び耐食性を改善す
る。有機樹脂としては、ポリエステル樹脂,アクリル樹
脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂等が使用される。な
お、耐食性に優れ且つ光触媒塗膜3との密着性も良好な
金属製基板を使用する場合には、プライマ層2を省略す
ることもできる。
【0013】光触媒塗膜3は、ゼオライト膜5で被覆さ
れた光触媒粒子4を分散させた塗料を静電吹付けやロー
ルコート等により塗布し、焼き付けることにより形成さ
れる。シリカ,アルミナ等の無機バインダを使用する場
合には400℃以下で焼き付けられ、有機バインダを使
用する場合には200℃以下の低温焼付けも可能であ
る。有機バインダには、ポリエステル樹脂,アクリル樹
脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂,フッ化ビニリデン樹
脂,シリコーン樹脂等がある。光触媒粒子4としては、
TiO2,ZnO,WO3,FeTiO3,SrTiO3
1種又は2種以上が使用される。なかでも、化学的安定
性に優れ安価で活性度の高い微粒子(粒径:5〜200
nm)が得られることから、アナターゼ型のTiO2
好ましい。光触媒粒子4は、粒径が小さいほど活性度が
高くなるが、あまり細かな粒径では塗料への分散が困難
になる。
【0014】アルミニウムアルコキシド,アルコキシシ
ラン、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属アルコ
キシド,アミン類及び水を有機溶媒に溶解して調製した
溶液に光触媒粒子を分散させた後、粉末を濾過して10
0〜400℃で乾燥すると、溶液に含まれているアルコ
キシドが加水分解した状態で光触媒粒子4の表面に付着
し、加熱工程で脱水及び縮重合反応してゼオライト膜5
が形成される。このとき、アミン類が存在していると加
水分解後の白濁化が防止され、均質なゼオライト膜5が
生成すると共にゲル化が防止される。その結果、光触媒
粒子4の表面が均一なゼオライト膜5で覆われる。
【0015】ゼオライト膜5で被覆された光触媒粒子4
は、5〜80質量%の割合で光触媒塗膜3に分散され
る。光触媒粒子4の分散量が5質量%未満では光触媒反
応による有機物,SOx,NOx等の分解効率が十分で
なく、逆に80質量%を超える配合量では光触媒塗膜3
の形成が困難になる。ゼオライト膜5は、5nm〜5μ
mの膜厚で光触媒粒子4の表面に形成することが好まし
い。5nm未満の膜厚では、ガスに対する吸着能が不足
すると共に、バインダとして有機樹脂を用いた場合に光
触媒粒子4と有機樹脂との接触を完全には防止できなく
なる。逆に、5μmを超える膜厚では、ゼオライト膜5
にクラックが発生しやすくなる。なお、ゼオライト膜5
の膜厚は、溶液の濃度,粘度及び光触媒粒子4との接触
時間等によって調整される。
【0016】有機樹脂をバインダに使用する場合、光触
媒塗膜3形成時の焼付け温度は、使用する樹脂の種類に
応じた最適温度に定められる。一般の樹脂では150〜
300℃の焼付け温度で十分であるが、耐熱樹脂を使用
する場合には450℃まで焼付け温度を拡げることがで
きる。150℃未満の焼付け温度では、高分子間の架橋
が十分に進行せず、密着不良や塗膜剥離を生じやすい。
逆に高すぎる焼付け温度では、樹脂の分解による塗膜剥
離が生じ、加工性が低下する。焼付け温度を適正に設定
することにより、プライマ層2と光触媒塗膜3との間に
強固な結合が得られ、プライマ層2に対する光触媒塗膜
3の密着性が向上する。なお、フッ化ビニリデン樹脂及
びアクリル樹脂の混合物をベースにした塗料では、焼付
け後に塗膜の結晶化を抑制するため制御冷却することが
好ましい。
【0017】
【実施例1】アルミニウムイソプロポキシド1.0モ
ル,テトラエトキシシラン2.5モル,ナトリウムメト
キシド1.0モル,モノイソプロパノールアミン5.0
モル,水7.0モルをブチルセロソルブ15.0モルに
溶解することにより、ゼオライトのゾル−ゲル基本浴を
調製した。ゾルゲル浴にブチルセロソルブを加えて粘度
を低下させたもの,及びヒドロキシプロピルセルロース
を0.2〜2.0%添加して粘度を増大させた浴を準備
した。
【0018】各ゾルゲル浴1リットルに粒径20nmの
アナターゼ型TiO2粒子をそれぞれ1kg添加し、攪
拌して十分に分散させた後、フィルタで濾過し、300
℃の乾燥炉で10分間加熱した。TiO2粒子4の表面
に形成されたゼオライト膜5は、5.0nm〜5.0μ
mの膜厚をもっていた。基材1にコンクリート板及び板
厚0.5mmのアルミニウムめっき鋼板を使用し、防錆
顔料及び体質顔料を分散させたエポキシ樹脂塗料を塗布
し、200℃×20分で焼き付けてプライマ層2を形成
した。
【0019】コンクリート板に対しては、ゼオライト膜
5で被覆した粒径20nmのアナターゼ型TiO2粒子
5を分散させた光触媒塗料をプライマ層2に塗布し、2
00℃×20分の焼付けで光触媒塗膜3を形成した。ア
ルミニウムめっき鋼板に対しては、粒径7nmのアナタ
ーゼ型TiO2粒子4を分散させた光触媒塗料を用いて
同様に光触媒塗膜3を形成した。
【0020】比較のため、ゼオライト膜5で被覆してい
ない粒径20nmのアナターゼ型TiO2粒子を含む光
触媒塗膜3を形成したコンクリート板,粒径20nmの
アナターゼ型TiO2粒子4及び粒径2μmのゼオライ
ト粉末を含む光触媒塗膜3を形成したコンクリート板,
ゼオライト膜5で被覆していない粒径7nmのアナター
ゼ型TiO2粒子4を含む光触媒塗膜3を形成したアル
ミニウムめっき鋼板,粒径7nmのアナターゼ型TiO
2粒子4及び粒径2μmのゼオライト粉末を含む光触媒
塗膜3を形成したアルミニウムめっき鋼板を用意した。
【0021】光触媒塗膜3が形成された各複合部材をN
Ox分解能試験及び耐光性試験に供した。NOx分解能
試験では、光触媒被覆複合部材をサイズ210mm×3
00mmの試験片に切り出し、ガラス容器に入れた。蛍
光灯で照射しながら、濃度1ppmのNOガスを含む高
純度空気を流量0.5リットル/分で連続的にガラス容
器に送り込み、ガラス容器のガス出側でNO濃度及びN
2濃度をNOxメータで測定した。測定値から次式に
従ってNOx除去率を算出し、得られたNOx除去率か
ら各試験片のNOx分解能を評価した。 NOx除去率=〔A1−(A2+B2)/A1〕×100(%) ただし、A1:初期NO濃度 A2:分解後のNO濃度 B2:分解後のNO2濃度
【0022】耐光性試験では、光触媒被覆複合部材をサ
イズ100mm×100mmの試験片に切り出し、10
センチ離れた位置に配置した20Wのブラックライト
(UV強度: 5.0mW/cm2)で照射した。照射を
24時間継続した後、試験片の表面を指でこすり、塗膜
が指に付着したものを×,指に付着することはないが光
沢保持率が80%未満のものを△,指に付着せず光沢保
持率が80%以上を○として耐光性を評価した。
【0023】表1及び表2の調査結果にみられるよう
に、ゼオライト膜5で被覆したTiO 2粒子4を分散さ
せた光触媒塗膜3は、TiO2粒子4を単独で分散させ
た光触媒塗膜3やTiO2粒子及びゼオライト粉末を分
散させた光触媒塗膜3に比較して高いNOx分解能を示
した。また、紫外線照射によっても塗膜の有機成分が分
解されることなく、耐光性も良好であった。
【0024】
【0025】
【0026】
【実施例2】基材1に板厚0.5mmの亜鉛めっき鋼板
及びアルミニウムめっき鋼板を使用し、アルカリ脱脂,
リン酸塩処理を施した後、水洗,乾燥した。次いで、防
錆顔料及び体質顔料を分散させたポリエステル樹脂塗料
を塗布し、215℃×40秒で焼き付けてプライマ層2
を形成した。亜鉛めっき鋼板に対してはゼオライト膜で
被覆した粒径20nmのアナターゼ型TiO2を各種有
機樹脂に分散させた光触媒塗料をプライマ層2に塗布
し、アルミニウムめっき鋼板に対しては粒径7nmのア
ナターゼ型TiO2を各種有機樹脂に分散させた光触媒
塗料を用いて同様に光触媒塗膜3を形成した。ゼオライ
ト膜5で被覆した光触媒粒子4としては、実施例1と同
様に調製したものを使用した。ポリエステル樹脂をベー
スとする光触媒塗膜3では200〜250℃×1分間、
フッ化ビニリデン−アクリル混合樹脂をベースとする光
触媒塗膜3では250℃×1分間で焼き付けた。
【0027】比較のため、ゼオライト膜5で被覆してい
ない粒径20nmのアナターゼ型TiO2粒子4を含む
光触媒塗膜3を形成した亜鉛めっき鋼板,粒径20nm
のアナターゼ型TiO2粒子4及び粒径2μmのゼオラ
イト粉末を含む光触媒塗膜3を形成した亜鉛めっき鋼
板,ゼオライト膜5で被覆していない粒径7nmのアナ
ターゼ型TiO2粒子4を含む光触媒塗膜3を形成した
アルミニウムめっき鋼板,粒径7nmのアナターゼ型T
iO2粒子4及び粒径2μmのゼオライト粉末を含む光
触媒塗膜3を形成したアルミニウムめっき鋼板を用意し
た。
【0028】光触媒塗膜3が形成された各複合部材につ
いて、実施例1と同様な試験でNOx分解能及び耐光性
を調査すると共に、加工性も評価した。加工性試験で
は、25mm×50mmの試験片を2t曲げし、曲げ部
に粘着テープを貼り付けて瞬時に引き剥がした後、曲げ
部の塗膜剥離状況を目視観察し、塗膜剥離が検出された
ものを×,塗膜剥離が生じなかったものを○として加工
性を評価した。表3及び表4の調査結果にみられるよう
に、ゼオライト膜5で被覆したTiO 2粒子4を分散さ
せた光触媒塗膜3は、高いNOx分解能を示すと共に、
耐光性及び加工性も良好であった。これに対し、TiO
2粒子4を単独で分散させた光触媒塗膜3やTiO2粒子
4及びゼオライト粉末を分散させた光触媒塗膜3は,紫
外線照射で塗膜の有機成分が分解しチョーキングが発生
した。
【0029】
【0030】
【0031】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の光触媒
被覆複合部材は,ゼオライト膜で被覆された光触媒粒子
を分散させた光触媒塗膜を形成しているので、雰囲気中
のホルムアルデヒド,SOx,NOx等の有害成分がゼ
オライト膜で吸着され,光触媒粒子の至近距離に維持さ
れる。そのため、光触媒反応が有害成分の分解に効率よ
く利用され、高い分解能が示される。また、光触媒粒子
を被覆するゼオライト膜は、塗膜を構成する有機成分と
光触媒粒子との直接接触を防止するため、光照射で励起
された光触媒粒子が発生するラジカルによって塗膜の有
機成分が分解されることがない。したがって、耐光性に
優れた光触媒塗膜となる。更に、基材に金属製基板を使
用するとき、加工性にも優れた塗装金属板が得られるの
で、光触媒活性を利用した各種内装建材,家電機器外板
等として広範な分野で使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 プライマ層を介して光触媒塗膜を形成した光
触媒被覆複合部材の表面層を示す断面図
【図2】 基材に光触媒塗膜を直接形成した光触媒被覆
複合部材の表面層を示す断面図
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 35/02 311 B01D 53/36 J B32B 9/00 104Z (72)発明者 中村 浩茂 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼 株式会社技術研究所内 (72)発明者 坂戸 健二 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼 株式会社技術研究所内 (72)発明者 安藤 彰啓 千葉県市川市高谷新町7番1号 日新製鋼 株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4D048 AA02 AA06 AA17 AB03 AB05 BA03Y BA07Y BA12Y BB03 CC04 CC38 EA01 EA08 4F100 AA20 AA21 AB01 AB03 AB10 AC04 AC04A AE01 AE06 AG00 AK01A AK17 AK25 AK41 AK52 AP03 AR00C AT00B BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B CC00 CC00A DE01A EH46 EH462 EH71 EJ422 EJ65 EJ65C GB07 GB08 GB48 JA20A JL01 JL08 JL08A JM02A JN02 JN30 YY00A 4G069 AA03 AA08 AA11 BA04A BA04B BA07A BA07B BA17 BA22A BA22B BA48A BB02A BB02B BC16B BC50A BC50B CA02 CA03 CA10 CA11 CA12 CA13 DA06 EA07 EA08 EA14 EB15X EB15Y EE01 EE06 FA03 FB23 FB30 FC05 FC08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼオライトで被覆された光触媒粒子が分
    散した光触媒塗膜が基材表面に形成されていることを特
    徴とする光触媒活性及び耐光性に優れた光触媒被覆複合
    部材。
  2. 【請求項2】 ゼオライトで被覆された光触媒粒子が5
    〜80質量%の割合で光触媒塗膜に分散している請求項
    1記載の光触媒被覆複合部材。
  3. 【請求項3】 膜厚5nm〜5μmのゼオライト皮膜で
    覆われた光触媒粒子が光触媒塗膜に分散している請求項
    1記載の光触媒被覆複合部材。
  4. 【請求項4】 ゼオライトで被覆された光触媒粒子を含
    む有機樹脂塗料をプライマ塗膜の上に塗布し、熱処理に
    よりゼオライトで被覆された光触媒粒子が分散した光触
    媒塗膜を形成することを特徴とする光触媒活性及び耐光
    性に優れた光触媒被覆複合部材の製造方法。
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