JP2001267730A - 半田ボール - Google Patents

半田ボール

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JP2001267730A JP2000070534A JP2000070534A JP2001267730A JP 2001267730 A JP2001267730 A JP 2001267730A JP 2000070534 A JP2000070534 A JP 2000070534A JP 2000070534 A JP2000070534 A JP 2000070534A JP 2001267730 A JP2001267730 A JP 2001267730A
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光司 佐藤
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  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、半導体装置などにおけるマイクロ
ソルダリングに用いられる半田ボールを真球度が高く、
かつ損傷、変形なく提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、るつぼ内の溶湯に圧力と振動
を付与して前記るつぼの底部に設けたオリフィスから溶
湯を押出し、前記オリフィスから滴下した溶湯をガス雰
囲気中で冷却凝固させた直径1.2mm以下、直径分布
のバラツキが3%以内、真球度0.95以上の半田ボー
ルであって、表面の炭素濃化層の厚さが1nm以下であ
り且つ酸素濃化層の厚さが5nm以下である半田ボール
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置などに
おけるマイクロソルダリング用半田ボールに関し、特に
真球度が高く、狭い直径分布と良好な表面状態(濡れ
性、残留不純物)を持つ半田ボールに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の組立に用いられる半田ボー
ルは、真球に近いものが要求される。半導体デバイス実
装技術のBGA(ボール・グリッド・アレイ)は広く用
いられている。BGAは、キャリアにバンプを設けて半
田パッドを形成し、最終的に基板との接続を行うために
は、キャリア上のアレイ当たり、数百、多くの場合数千
もの半田ボールを、精度高くしかも同一平面に取り付け
ることが必要となる。また、半導体装置の実装では、相
互接続の階層化が必要である。このチップと基板(また
はチップ・キャリヤ)の間の相互接続レベルでは、3種
類の相互接続技術、即ちテープ自動ボンディング(TA
B)、ワイヤ・ボンディング、エリア・アレイが広く使
用される。エリア・アレイはしばしばフリップチップ接
続またはC4と呼ばれる。このC4技術は、チップの表
面積全体に配置できる半田バンプのアレイを使用するた
め、相互接続がチップの周囲に限定されるワイヤ・ボン
ディングやTABよりも高密度の入出力相互接続と良好
な電力の放散が達成できる。
【0003】そして、半田ボールの工業的な製造方法と
して油中造球法が一般的である。この方法は、微細に切
断した半田を油中で加熱溶解し、次いで冷却して得るも
のである。より詳しく述べる。まず装置は定量切断装置
とチャンバーから基本的に構成されている。まず、極細
線のシャー切断や極薄箔の打抜きにより定量切断された
個片を作成する。この個片を油で満たされたチャンバー
内に投入する。このチャンバーの上部には加熱用のヒー
ターが設けられており、この部分の油の温度は半田の融
点以上に加熱されている。供給される定量切断された半
田の個片は油中で加熱され、溶融し、半田自身の表面張
力で球形となり、チャンバー中を落下し、半田の融点以
下に保持されている低温部に達して固化する。油はヤシ
油や大豆油などの植物油、シリコーン油などの合成油が
用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】半田ボールへの要求
は、半導体装置の微細化、高信頼性の要求が高まる中、
真球度、直径分布への課題が増加している。また、環境
問題の面からも問題点が出てきている。
【0005】(1)真球度、直径分布 近年においては半導体装置の電極の数が多量になってき
たことに伴い、半田を球形にして所定位置まで転がし実
装して加熱,溶融させる方法が多用されている。しかし
この方法においては、機器の小型化,高密度化によりチ
ップや抵抗等の被固着部材の寸法が小さくなるにつれて
球形半田も小さくなり、球形半田の真球度が悪くなると
半田の転がり移動が円滑に行なわれないため半田の供給
性が悪くなり、作業能率が著しく低下するという問題点
が生じる。このため、真球度に優れた半田ボールが求め
られている。さらに、前記被固着部材の基板への固着を
確実なものにするためには、半田粒子の大きさが均一で
あることが必要である。
【0006】また、油中造球法は、出発材料として冷間
加工材の機械的切断による個片を用いているため、切断
刃物の摩耗により出発材料の大きさが均一にできないこ
とに起因して半田ボールの大きさを均一にすることがで
きないという問題点を有する。更に、半田ボールそれぞ
れの高さのバラツキがより少ない物が要求されてきてい
る。BGAの場合、非常に多数の半田ボールが縦横に直
交するアレイ配列で設けられる。この際、半田ボールの
高さ、即ち半田ボールの直径、にバラツキがあると、リ
フロー半田の際に半田ボールの中にはマザーボードのラ
ンドとの間に大きな隙間を生じ、充分な半田付けがなさ
れず接続不良の原因となる問題点があった。その為、B
GAで半導体装置を組立てる場合にはレーザ光線等で半
田ボールの全数測定が必要とされ、半導体組立の能率を
著しく低下させるという問題点があった。
【0007】(2)表面状態 まず、半田ボールの表面に残留する不純物の問題があ
る。油中造球法では油として大豆油,シリコン油,グリ
セリン等を用いた場合、良好な球形度と良好な表面状態
を維持できる液状熱媒体の寿命が短いことに加えて、油
脂類が半田ボールに付着しこれらの脱脂が困難であると
いう問題点を有する。即ち、脱脂には一般にはアルカリ
水溶液を用いたアルカリ脱脂,トリクロルエチレン等の
有機溶剤による溶剤脱脂が知られている。しかし、アル
カリ脱脂方法は、半導体装置用材料に対してはアルカリ
イオンが混入し半導体装置の誤動作のもとになるという
問題点がある。またトリクロルエチレン等の溶剤脱脂
は、人体への安全面からの問題点が生じていた。この
為、従来からトリクロロエタンを脱脂液として用いるこ
とが有効な方法として採用されてきたが、トリクロロエ
タンはフロンやハロン等と共にオゾン層破壊物質として
国際的にその使用が規制されており、未だ有効な代替脱
脂方法が確立されていない。しかも従来、トリクロロエ
タンを用いて脱脂した場合においても、半田ボールの濡
れ広がり性が悪いという問題点を有している。
【0008】脱脂工程は、生産性を落とすだけではな
く、表面に残留した炭素により、ICチツプへの搭載不
良など信頼性を下げることが多かった。また、半田ボー
ルの表面が酸化していると、半導体装置を搭載したBG
A用の基板とマザーボードとの接合工程で半田ボールを
溶融させたときに、半田ボールの酸化物が接合面にスカ
ム(滓)として残り、接合信頼性を低下させるという問
題点が生じていた。また、油中造球法では、冷却速度が
遅く、組織が粗大になる。これは、ボールの硬さ低下に
つながり、ボール搭載時の摩耗、変形、酸化を生じさせ
やすい。
【0009】(3)環境問題 鉛は人体に有毒なので、半田ボールは無鉛のものへ置き
換えられる傾向が出てきた。また、廃棄物処理も大きな
問題点である。鉛含有廃棄物は、再利用および処分のた
め有害廃棄物として特別に処理しなければならない。野
ざらしで放置された電気製品から半田に含まれる鉛が酸
性雨などにより溶出して地下水に溶け込み人体に悪影響
を及ぼすなどの環境問題がクローズアップされてきたか
らである。場合によっては、鉛を含有する半田合金は、
法的規制を受けることも予想される。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、オリフィス
から押し出す溶湯に単純な形状の加振ロッドで振動を加
え、且つ押し出された溶滴を、シリコン油等への急冷で
はなく、ガス雰囲気中で冷却して凝固させることによ
り、極めて良質の半田ボールが得られることを見いだし
た。
【0011】すなわち、本発明は、るつぼ内の溶湯に圧
力と振動を付与して前記るつぼの底部に設けたオリフィ
スから溶湯を押出し、前記オリフィスから滴下した溶湯
をガス雰囲気中で冷却凝固させた直径1.2mm以下、
直径分布のバラツキが3%以内、真球度0.95以上の
半田ボールであって、表面の炭素濃化層の厚さが1nm
以下であり且つ酸素濃化層の厚さが5nm以下である半
田ボールである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の数値限定理由を述べる。
直径1.2mmを超え、直径分布のバラツキが3%超
過、真球度0.95未満の半田ボールは従来の油中造球
法で製造できる。そして、表面の炭素濃化層の厚さが1
nmを超え且つ酸素濃化層の厚さが5nmを超える半田
ボールという制約の元では、従来の油中造球法では工業
上の利用性を欠くからである。そして、本発明によると
近年急速に需要が増えつつある無鉛半田ボールをも直径
のバラツキ無く大量に供給できる利点がある。
【0013】本発明において、半田合金としては、Pb
−Sn共晶半田など従来電子工業やその他の用途に用い
られている公知の半田合金がいずれも用いることができ
る。また、人体に対しての毒性のあるPbを含まないS
n−Zn,Sn−Zn−Bi半田など、好ましくは、S
n−3.5Ag、Sn−5Bi、Sn−5Sb、Sn−
3.5Ag−0.75Cu、Sn−5Bi−1Cu、S
n−5Sb−1Cu、Sn−3.5Ag−2In、Sn
−3.5Ag−1Zn、Sn−5Bi−2In、Sn−
5Bi−2Ag、Sn−5Sb−2In、Sn−5Bi
−2Ag、Sn−5Sb−1Zn、Sn−3.5Ag−
2In−1Cu、Sn−3.5Ag−2In−1Ni、
Sn−5Bi−2In−1Ag、Sn−5Bi−2In
−1Cu、Sn−5Bi−2In−1Ni、Sn−5B
i−0.05Ge、Sn−5Sb−2Ag−2In、S
n−5Sb−2Ag−1Cu、およびSn−5Sb−2
Ag−1Niからなる群から選択された金属合金を含む
ものにも好適である。
【0014】その他半田合金としては、例えば100%
Sn、Pb−Sn系の37Pb−63Sn、40Pb−60S
n、50Pb−50Sn、44Pb−56Sn等、Pb−I
n系、Sn−In系の49Sn−51In、48Sn−52I
n、65Sn−35In等、Sn−Bi系の43Sn−57B
i、42Sn−58BI等、Sn−Ag系の98Sn−2A
g、96.5Sn−3.5Ag、96Sn−4Ag、95Sn
−5Ag等、Sn−Zn系の91Sn−9Zn、30Sn−7
0Zn等、Sn−Cu系の99.3Sn−0.7Cu等、Cd
−Zn系の70Cd−30Zn等、Sn−Sb系の95Sn−
5Sb等、Ag−In系の3Ag−97In等、Au−Sn系
の80Au−20Sn等、Sn−Cd−Ag系の10Sn−8
5Cd−5Ag等、Sn−Ag−In系の95.5Sn−3.
5Ag−1In等、Sn−Zn−In系の86Sn−9Zn−
5In、81Sn−9Zn−10In等、Sn−Cu−Ag系
の95.5Sn−4Cu−0.5Ag等、Sn−Pb−Bi系
のSn−32Pb−52Bi、19Sn−31Pb−50、34
Sn−20Pb−46Bi、43Sn−43Pb−14Bi
等、Sn−Pb−Sb系の35Sn−64.5Pb−0.5
Sb、32Sn−66Pb−2Sb等、Sn−Bi−In系の
17Sn−57Bi−26In等、Pb−Ag系の97.5
Pb−2.5Ag、Sn−Bi−Ag系の90.5Sn−7.
5Bi−2Ag等などの組成を有する半田が例示される。
半田ボールを用いるプリント基板、半導体などの材質に
応じて鉛の使用を許される用途には従来通りPb主体
で、融点などを考慮して選択すればよい。
【0015】本発明に係る半田ボールの製造方法を図1
により説明する。溶湯1は加振ロッド6により振動を付
与され、るつぼ3の底部に設けられたオリフィス2から
るつぼ3内の雰囲気の圧力で押出される。加振ロッド6
を振動させる振動子4は磁歪振動子、電磁ソレノイド
等、何でも使えるが、好ましくは、ピエゾ振動子が適切
である。高周波発生の観点から一般に共振周波数が高
く、従って振動子の振動数と同数の金属球が生産できる
からである。更に好ましくは、前記ピエゾ振動子が積層
型であることが好ましい。小型で大きな振動が得られる
からである。ピエゾ振動子は高温(約370K程度)に
なると、ピエゾ素子としての機能が損なわれるので、る
つぼの放熱の影響を少なくするために離隔距離を大きく
取ったり、冷却を行う必要がある。
【0016】更に、オリフィスから押し出された溶滴
は、チャンバー内を移動させ、凝固させることがより好
ましい。チャンバー7内の雰囲気は、不活性ガス、また
は不活性ガスである窒素ガスと水素ガス(8体積%程
度)の混合ガスを用いる。水素ガスを用いた場合には、
不活性ガス中の不純物である水分、酸素を捕捉できる利
点がある。水分、酸素は溶湯が凝固するまでの間に、金
属球の表面を酸化するので極力低くすることが好まし
い。また、水素ガスには還元力もあるため、その点から
も半田ボールの酸化防止に効果的である。
【0017】ここで、雰囲気の圧力をゲージ圧で0.0
1〜0.3MPaに加圧すると良い。0.01MPa未
満の場合には、外部に対するチャンバー内の雰囲気保持
が不十分であり、0.3MPaを超える場合は圧力容器
の安全設計がコスト高になるからである。従って、より
好ましくは0.02〜0.15MPa、更に好ましくは
0.05〜0.12MPaに加圧することが望ましい。
このように、チャンバー7内を加圧すると、気密性の向
上したチャンバー内での溶滴は良好な実質的に層流状態
での移動を保証され、且つ凝固速度も向上するためチャ
ンバーの高さを減少できる。るつぼ3の雰囲気も、溶湯
1の酸化防止のために、不活性ガスとするか、不活性ガ
スと若干の(約8体積%程度の)水素ガスを混合しても
良い。また、前記雰囲気の圧力は、チャンバー内の圧力
よりも正圧であることが、溶湯1の押し出しに必要とな
る。通常、溶湯を押出す時のゲージ圧はチャンバー内の
圧力よりも最大0.2MPaの正圧とする。
【0018】加振ロッド5は、図1に示すように加振デ
ィスクを伴わない単純な加振ロッドが最適である。加振
ディスクを伴うとピエゾの高い振動数がオリフィス前面
で正しく伝わらなくなるためである。ここで、溶湯1の
押出しはるつぼ3の雰囲気の圧力により、付加した振動
は押出された溶滴の均一な分離を覆審する。また、加振
ロッド6の材質は、溶湯1と反応を起こさないものであ
れば良く、通常、ステンレス鋼を用いるが、窒化珪素、
窒化アルミ等のセラミックスを用いると加振ロッド6の
共振点が高くなり振動子4の高周波振動が効率的に伝達
されると共に低比重の為に慣性モーメントが小さくなり
大振幅が得やすいという利点がある。
【0019】チャンバー7を用いる場合には、溶湯1に
はチャンバー7に対して正の差圧が加えられ、この差圧
が溶湯1を流れとしてオリフィス2を通して押出す。溶
湯1には、所定の振動が加えられる。振動と、溶湯1の
表面張力とにより、溶湯1がオリフィス2から流出する
につれて、溶湯1の流れは、連続した滴下溶滴8から、
破砕して均一な直径の独立した溶滴9を形成して、凝固
して均一な半田ボール10を生成する。
【0020】好適実施例においては、チャンバー7内の
作業環境は不活性雰囲気である。また、溶湯1を入れた
るつぼ3から溶湯1を0.01〜0.2MPaで押出す
ためにガス制御した装置を使用してもよい。作動におい
て、必要に応じ、作業環境は酸素レベルを制限するため
に不活性ガスを導入することにより繰り返し作業するこ
とが可能である。適当な最低酸素レベルは種々の汚染レ
ベルに露出される最終製品の特性を測定することにより
決めれる。
【0021】図1においてチャンバー7の底部に金属球
回収口(図示しない)を設けておいて、製造中は閉じて
チャンバー7内の気密を図ることができる。バッチ生産
の場合には、溶滴製造が終了した後、金属球回収口を開
けて、チャンバーの外に設けた金属球回収容器に移す。
あるいは、原料供給、溶湯押し出し、溶滴の移動凝固、
回収の全工程を全て気密に連通させた製造装置の中で本
発明を適用すれば、半田ボールの連続生産が可能とな
る。
【0022】るつぼ3に連通した溶湯供給部(図示しな
い)を設ければ、滴下する溶湯の補充を行って、溶湯供
給部の溶湯供給速度と、前記オリフィス2からの溶湯流
出速度が装置運転中に実質的に同一であって、溶湯の供
給と吐出され滴下、凝固する半田ボールの製造が連続す
る様にすると、バッチ処理ではなく、連続鋳造装置のよ
うに連続的に大量の半田ボールを製造できる。溶湯供給
手段への金属の供給は、液状でも、インゴット等の固体
状で供給した後、図示しないヒータで溶融しても良い。
【0023】溶湯供給部を設け、この溶湯供給部からの
溶湯1の供給とオリフィス2からの溶湯の押し出しとの
バランスを取れば、半田ボールの連続製造が可能とな
る。溶湯供給は、るつぼ3内の溶湯1に乱れを生じない
ように行う必要がある。従って、その条件を満たせば、
原料供給口からインゴットで供給しても良いし、別に設
けたるつぼで溶解した溶湯を補給しても良い。なお、溶
湯供給部を付加せずに、るつぼ3に初期に投入した溶湯
1だけでバッチ生産する場合には、るつぼ3の底部とオ
リフィス2の間に、凹部ないしは段差部を設けると、オ
リフィス付近の溶湯1の流れを実質的に層流に保つと共
に、押湯効果も期待できる。
【0024】本発明において分離独立した溶滴9を高電
圧プレート(図示しない)を通過させて荷電した場合に
は、溶滴同士の電気的な反発力が溶滴同士の合体をより
効果的に阻止できる。溶滴は同じ極性の電荷が与えられ
るので、相互に反発して弾き合い再合体せずに個別の独
立した状態に留まり、そのため元の直径を保つ。
【0025】(実施例1)本発明の半田ボール製造方法
を用いて、直径400μmの62Sn−Pb(mass
%)半田を製造した。るつぼ3は1.2MPaの窒素ガ
スを充填して操業した。ピエゾ振動子4は、日立金属
(株)製の積層型ピエゾ素子(最大変位量15μm、周
波数特性1.8MHz)を用いて溶湯1に振動を付与し
て、オリフィス2から押出した。チャンバー7は8体積
%の水素ガスを混合した窒素ガスで充填して、溶滴の移
動経路を取り巻いて螺旋状に設けた冷却管に液化窒素を
流した。チャンバー内の温度は、ほぼ3〜5℃に分布し
ていた。
【0026】この場合の分析は、SEM像を5視野で画
像分析を行ない、投影面積を円と仮定した場合の直径分
布(円相当径)を求めた。真球度分布は、5視野のSE
M像の各々の粒について画像処理を行ない、真球度=円
相当径/最大径としてその分布を求めた。図1に本発明
の製造方法による半田ボールの回収ままの粒径分布と真
球度分布を示す。その結果、表面に傷、損傷、変形の無
い良好な粒度分布と真球度0.95以上の半田ボールが
得られた。また半田ボールをオージェ電子分光分析した
ところ表面の炭素濃化層の厚さは0.6nm、酸素濃化
層の厚さは2.4nmであった。
【0027】第1比較例として、従来の油中造球法(直
径100μmの細線を定量切断した個片を上部を高温加
圧した大豆油中で溶融球状化し、その後下部低温域の油
中で自重沈降時に冷却、固化)で製造してヘキサンで脱
脂した同組成の半田ボールでは、真球度、直径分布共に
劣るものであった。また、半田ボール表面の金属光沢
も、本発明によるものに比べて鈍かった。
【0028】第2比較例として、液滴の製造までを本発
明の製造方法と同様にし、その後、チャンバー内に設置
した上部を高温加圧したシリコンオイルを充填した回収
缶中で第1比較例同様の冷却、固化と脱脂作業を行なっ
た。この場合、半田ボールが2つないし3つ凝集して生
じる粗大ボールの発生頻度が非常に高かった。また同様
に測定した表面の炭素濃化層の厚さは10.5nm、酸
素濃化層の厚さは0.7nmであった。
【0029】第3比較例として、第2比較例と同様の実
験を第2比較例のボールの凝集防止を目的としてシリコ
ンオイル上部を高温加熱せずに使用した。この場合、確
かに凝集粗大ボールの発生確率は低下したものの、依然
その頻度は高く、さらに油への衝突時の衝撃による偏平
粉の発生が多く見られた。炭素濃化層の厚さは3.5n
m、酸素濃化層の厚さは4.2nmであった。
【0030】(実施例2)(実施例1)と同様に本発明
と第1比較例の油中アトマイズ法で直径800μmの5
8Bi−42Sn(mass%)の無鉛の半田ボールを
製造した。製造された半田ボールのロツトから150個
の半田ボールを抜き取り検査して直径を測定した分布を
図3に示す。本発明の半田ボールの直径分布が第1比較
例のものに比べて優れいてることがわかる。
【0031】更に、本発明に係る製造方法で下記組成の
無鉛はんだボールを製造した。いずれも真球度が0.9
5以上の表面状態の良好な半田ボールの得られることが
実証できた。検討した組成は、mass%でSn−3.
5Ag、Sn−5Bi、Sn−5Sb、Sn−3.5A
g−0.75Cu、Sn−5Bi−1Cu、Sn−5S
b−1Cu、Sn−3.5Ag−2In、Sn−3.5
Ag−1Zn、Sn−5Bi−2In、Sn−5Bi−
2Ag、Sn−5Sb−2In、Sn−5Bi−2A
g、Sn−5Sb−1Zn、Sn−3.5Ag−2In
−1Cu、Sn−3.5Ag−2In−1Ni、Sn−
5Bi−2In−1Ag、Sn−5Bi−2In−1C
u、Sn−5Bi−2In−1Ni、Sn−5Bi−
0.05Ge、Sn−5Sb−2Ag−2In、Sn−
5Sb−2Ag−1Cu、およびSn−5Sb−2Ag
−1Niである。
【0032】
【発明の効果】本発明によると、るつぼ内の溶湯に圧力
と振動を付与して前記るつぼの底部に設けたオリフィス
から溶湯を押出し、前記オリフィスから滴下した溶湯を
ガス雰囲気中で冷却凝固させた直径1.2mm以下、直
径分布のバラツキが3%以内、真球度0.95以上の半
田ボールであって、表面の炭素含有量が20%以下であ
り且つ酸素含有量が15%以下である半田ボールなの
で、損傷、変形が無く、炭素、酸素による表面汚染が実
質的に無く、さらに真球度が高く且つ均一で狭い直径分
布を具備した半田ボールの工業的な提供が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示す図である。
【図2】本発明で製造したSn−Pb共晶半田ボールの
直径分布と真球度分布を示す図である。
【図3】本発明で製造したの無鉛半田ボールの直径分布
と比較例を示す図である。
【符号の説明】
1 溶湯、2 オリフィス、3 るつぼ、4 振動子、
5 伝達部材、6 加振ロッド、7 チャンバー、8
連続した溶滴、9 分離独立した溶滴、10微細半田ボ
ール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 るつぼ内の溶湯に圧力と振動を付与して
    前記るつぼの底部に設けたオリフィスから溶湯を押出
    し、前記オリフィスから滴下した溶湯をガス雰囲気中で
    冷却凝固させた直径1.2mm以下、直径分布のバラツ
    キが3%以内、真球度0.95以上の半田ボールであっ
    て、表面の炭素濃化層の厚さが1nm以下であり且つ酸
    素濃化層の厚さが5nm以下である半田ボール。
  2. 【請求項2】 前記半田ボールの材質が無鉛半田である
    請求項1記載の半田ボール。
JP2000070534A 2000-03-14 2000-03-14 半田ボール Pending JP2001267730A (ja)

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