JP2001264771A - 液晶配向剤および液晶配向膜の製造方法 - Google Patents

液晶配向剤および液晶配向膜の製造方法

Info

Publication number
JP2001264771A
JP2001264771A JP2001017846A JP2001017846A JP2001264771A JP 2001264771 A JP2001264771 A JP 2001264771A JP 2001017846 A JP2001017846 A JP 2001017846A JP 2001017846 A JP2001017846 A JP 2001017846A JP 2001264771 A JP2001264771 A JP 2001264771A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
dianhydride
aligning agent
film
alignment film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001017846A
Other languages
English (en)
Inventor
Michinori Nishikawa
通則 西川
Takeshi Miyamoto
宮本  剛
Yusuke Tsuda
祐輔 津田
Nobuo Bessho
信夫 別所
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2001017846A priority Critical patent/JP2001264771A/ja
Publication of JP2001264771A publication Critical patent/JP2001264771A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷時の膜厚ムラの少ない液晶配向剤および
厚みムラのない液晶配向膜を得ること。 【解決手段】 テトラカルボン酸二無水物とジアミンと
の反応生成物であるポリアミック酸および/または可溶
性ポリイミドの溶媒として、γ−ブチロラクトンおよび
N−メチル−2−ピロリドンを含有することを特徴とす
る印刷塗布用液晶配向剤並びにそれを用いて液晶配向膜
を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は液晶配向剤および液
晶配向膜の製造方法に関する。さらに詳しくは印刷時の
塗布性が良好な液晶配向剤およびこの液晶配向剤から液
晶配向膜を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、正の誘電異方性を有するネマチッ
ク型液晶を、ポリイミドなどからなる液晶配向膜を有す
る透明電極付き基板でサンドイッチ構造にし、液晶分子
の長軸が基板間で90〜270度連続的に捻れるように
してなるTN、STN型液晶セルを有する液晶表示素子
(TN、STN型表示素子)が知られている。このT
N、STN型液晶表示素子における液晶の配向は、ラビ
ング処理が施された液晶配向膜により形成されている。
この液晶配向膜は印刷法を用いて塗布されるが、印刷時
の膜厚ムラが大きいと、具体的には膜厚として±50Å
以上のバラツキがあると、表示特性、電気特性に影響を
及ぼすという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は新規組
成の液晶配向剤を提供することにある。本発明の他の目
的は、前記従来の問題点を解決して、印刷時の膜厚ムラ
の小さい液晶配向剤を提供することにある。本発明のさ
らに他の目的は、本発明の上記液晶配向剤を用いて液晶
配向膜を製造する方法を提供することにある。本発明の
さらに他の目的および利点は以下の説明から明らかとな
ろう。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本発明
の上記目的および利点は、第1に、(A)テトラカルボ
ン酸二無水物とジアミンの反応生成物であるポリアミッ
ク酸および可溶性ポリイミドから選ばれる少なくとも1
種のポリマー、および(B)γ−ブチロラクトンとN−
メチル−2−ピロリドンを含有し且つN−メチル−2−
ピロリドンの含有率が0.1〜50重量%の範囲にある
混合溶媒、からなることを特徴とする印刷塗布用液晶配
向剤によって達成される。また、本発明によれば、本発
明の上記目的および利点は、第2に、本発明の上記液晶
配向剤を印刷により基板に塗布しそして加熱して塗膜を
形成することを特徴とする液晶配向膜の製造方法によっ
て達成される。
【0005】本発明の液晶配向剤は特定のポリマー
(A)と特定の混合溶媒(B)とからなる。ポリマー
(A)のポリアミック酸はテトラカルボン酸二無水物と
ジアミンを溶媒中で反応させることにより得られる。か
かるテトラカルボン酸二無水物としては、例えばブタン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタ
ンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペ
ンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカル
ボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカ
ルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,
5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、
1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−テトラヒ
ドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,
2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオ
キソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,
2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカル
ボン酸二無水物などの脂肪族および脂環族テトラカルボ
ン酸二無水物;ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二
無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラ
カルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフ
ェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,
4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、
4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフ
ェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、
4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフ
ェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフル
オロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス
(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、
p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水
物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二
無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジ
フェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル
酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物などの芳香
族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
【0006】これらのうちではブタンテトラカルボン酸
二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン
酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル
酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフ
ラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジ
カルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサ
ヒドロ−5−テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フ
ラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオ
ンが好ましい。
【0007】また、ジアミン化合物としては、例えばp
−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,
4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスル
フィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノ
ナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフ
ェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−
ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベン
ゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,
4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキ
サフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3
−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−ア
ミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、9,9−
ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メ
チレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,
5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、
2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジ
メトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−
ジアミノビフェニルなどの芳香族ジアミン;ジアミノテ
トラフェニルチオフェンなどのヘテロ原子を有する芳香
族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−
プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチ
レンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレン
ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロ
ンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジ
アミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジ
メチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウ
ンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス
(シクロヘキシルアミン)などの脂肪族または脂環族ジ
アミン;下記式(1)
【0008】
【化1】
【0009】(式中、Rはメチル基、エチル基、プロピ
ル基などの鎖状アルキル基、シクロヘキシル基などのシ
クロアルキル基またはフェニル基などのアリール基のよ
うな炭素数1〜12の炭化水素基を示し、pは1〜3、
qは1〜20のそれぞれ整数を示す)
【0010】などで表わされるジアミノオルガノシロキ
サンが挙げられる。これらのうち、p−フェニレンジア
ミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−
ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビ
ス(4−アミノフェニル)フルオレン 、2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフル
オロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘ
キサフルオロプロパンが好ましい。これらは単独でまた
は2種以上を組み合わせて使用できる。また、これらジ
アミンは市販品をそのまま使用しても、再還元して使用
してもよい。
【0011】反応に用いられる上記有機溶媒としては、
反応で生成するポリアミック酸を溶解しうるものであれ
ば特に制限はない。例えばγ−ブチロラクトン、N−メ
チル−2−ピロリドンが好ましく用いられる。有機溶媒
の使用量は、テトラカルボン酸二無水物および全ジアミ
ン化合物の総量が、反応溶液の全量に対して0.1〜3
0重量%になるようにするのが好ましい。また、この際
の反応温度は、好ましくは0〜150℃、より好ましく
は0〜100℃の反応温度で行われる。
【0012】テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合
物の使用割合は、ジアミン化合物中のアミノ基1当量に
対してテトラカルボン酸二無水物の酸無水物基を0.2
〜2当量とするのが好ましく、より好ましくは0.3〜
1.2当量である。
【0013】本発明に用いられる可溶性ポリイミドは、
上記したポリアミック酸を、加熱して、または脱水剤お
よびイミド化触媒の存在下でイミド化することにより得
られる。加熱によりイミド化する場合の反応温度は、好
ましくは60〜200℃、より好ましくは100〜17
0℃である。反応温度が60℃未満では反応の進行が遅
れ易く、また200℃を越えると可溶性ポリイミドの分
子量が大きく低下することがある。また、脱水剤および
イミド化触媒の存在下でイミド化する場合の反応は、前
記した有機溶媒中で行うことができる。反応温度は、好
ましくは常0〜180℃、より好ましくは60〜150
℃である。脱水剤としては、無水酢酸、無水プロピオン
酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いること
ができる。また、イミド化触媒としては、例えばピリジ
ン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンなどの3級
アミンを用いることができるが、これらに限定されるも
のではない。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰り
返し単位1モルに対して1.6〜20モルとするのが好
ましい。また、イミド化触媒の使用量は使用する脱水剤
1モルに対し、0.5〜10モルとするのが好ましい。
【0014】このようにして得られるポリアミック酸、
可溶性ポリイミドの固有粘度[ηin h=(ln ηrel
/C、C=0.5g/dl、30℃、N−メチル−2−
ピロリドン中、以下同条件にて固有粘度を測定]は、好
ましくは0.05〜10dl/g、より好ましくは0.0
5〜5dl/gである。
【0015】なお、反応媒体としての前記有機溶媒に
は、貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステル
類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類を
生成する重合体が析出しない程度に併用することができ
る。かかる貧溶媒としては、例えばメチルアルコール、
エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘ
キサノール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコー
ル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、ジ
エチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチ
レングリコール−i−プロピルエーテル、ブチルセロソ
ルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレン
グリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロ
ロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブ
タン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロ
ルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどを挙げることができる。
【0016】本発明の液晶配向剤は、γ−ブチロラクト
ンとN−メチル−2−ピロリドンを含有し且つN−メチ
ル−2−ピロリドンの含有率が0.1〜50重量%、好
ましくは1〜40重量%の範囲にある混合溶媒(B)を
含有する。N−メチル−2−ピロリドンの含有率が0.
1重量%未満では、膜厚のバラツキが±50・を超えて
しまい、また、N−メチル−2−ピロリドンの含有率が
50重量%を超えると膜白化による膜厚ムラが逆に大き
くなってしまう。
【0017】本発明における混合溶媒(B)は、γ−ブ
チロラクトンとN−メチル−2−ピロリドンの他に、必
要に応じ、他の溶媒を含有することができる。かかる他
の溶媒の含有率は混合溶媒(B)全体の約80重量%以
下とするのが好ましい。
【0018】かかる他の溶媒としては、例えばN,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサ
メチルホスホルアミドなどの非プロトン系極性溶媒;m
−クレゾール、キシレノール、フェノール、ハロゲン化
フェノールなどのフェノール系溶媒;前述のアルコール
類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ハロゲン化炭
化水素類、炭化水素類を挙げることができる。
【0019】また、本発明の液晶配向剤は、ポリアミッ
ク酸および/または可溶性ポリイミドと基板との接着性
を改善する目的で、官能性シラン含有化合物を含有する
ことができる。
【0020】官能性シラン含有化合物としては、例えば
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプ
ロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリ
エトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル
−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエ
トキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−ト
リメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、1
0−トリメトキシイシリル−1,4,7−トリアザデカ
ン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデ
カン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニル
アセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザ
ノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレ
ン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビ
ス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキ
シシランなどが挙げられる。
【0021】本発明の液晶配向剤を用いて得られる液晶
表示素子は、例えば次の方法によって製造することがで
きる。まず、透明導電膜が設けられた基板の透明導電膜
側に、本発明の液晶配向剤を印刷により塗布し、好まし
くは80〜200℃、より好ましくは120〜200℃
の温度で加熱して塗膜を形成させる。この塗膜は、通
常、0.001〜1μm、好ましくは0.005〜0.5
μmである。
【0022】上記の様に形成された塗膜は、ナイロンな
どの合成繊維からなる布を巻き付けたロールでラビング
処理を行うことにより、液晶配向膜とされる。上記基板
としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどの
ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネー
トなどのプラスチックフィルムなどからなる透明基板を
用いることができる。
【0023】上記透明導電膜としては、SnO2からな
るNESA膜、In23−SnO2からなるITO膜な
どを用いることができ、これらの透明導電膜のパターニ
ングには、フォト・エッチング法、予めマスクを用いる
方法などが用いられる。液晶配向剤の塗布に際しては、
基板および透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好に
するために、基板および透明導電膜上に、予め官能性シ
ラン含有化合物、チタネートなどを塗布することもでき
る。
【0024】液晶配向膜が形成された基板は、その2枚
を液晶配向膜をラビング方向が直交または逆平行となる
よう対向させ、基板の間の周辺部をシール剤でシール
し、液晶を充填し、充填孔を封止して液晶セルとし、そ
の両面に偏光方向がそれぞれ基板の液晶配向膜のラビン
グ方向と一致または直交するように張り合わせることに
より液晶表示素子とされる。
【0025】上記シール剤としては、例えば硬化剤およ
びスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有したエ
ポキシ樹脂などを用いることができる。上記液晶として
は、ネマティック型液晶、スメクティック型液晶、その
中でもネマティック型液晶を形成させるものが好まし
く、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフ
ェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステ
ル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキ
サン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビ
シクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などが用いられ
る。また、これらの液晶に、例えばコレステリルクロラ
イド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネ
ートなどのコレステリック液晶や商品名C−15、CB
−15(Merck Ltd.)として販売されている
ようなカイラル剤などを添加して使用することもでき
る。さらに、p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ
−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶も
使用することができる。
【0026】液晶セルの外側に使用される偏光板として
は、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ
素を吸収させたH膜と呼ばれる偏光膜を酢酸セルロース
保護膜で挟んだ偏光板、またはH膜そのものからなる偏
光板などを挙げることができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるも
のではない。なお、液晶配向膜の膜厚は、触針式の膜厚
計(アルファステップ)を用いて測定し、液晶配向膜塗
布面での膜厚とそのバラツキを評価した。
【0028】合成例1 2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
44.8gおよびp−フェニレンジアミン21.6gをγ
−ブチロラクトン/N−メチル−2−ピロリドン=50
/50(重量比)988gに溶解させ、室温で6時間反
応させた。次いで、反応混合物を大過剰のメタノールに
注ぎ、反応生成物を沈澱させた。その後、メタノールで
洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させて、固有粘度
1.44dl/gのポリアミック酸Ia60.2gを得
た。
【0029】合成例2 合成例1で得られたポリアミック酸Ia30.0gを5
70gのγ−ブチロラクトンに溶解し、21.6gのピ
リジンと16.74gの無水酢酸を添加し、120℃で
3時間イミド化反応反応をさせた。次いで、反応生成液
を合成例1と同様に沈澱させ、固有粘度1.35dl/
gのポリイミドIIa24.0gを得た。
【0030】合成例3 合成例1において、ジアミンを4,4’−ジアミノジフ
ェニルメタン39.6gとした以外は、合成例1と同様
にしてポリアミック酸Ibを得、さらにこのポリアミッ
ク酸Ibを用いて合成例2と同様にしてイミド化反応を
行い、固有粘度1.16dl/gのポリイミドIIb2
2.2gを得た。
【0031】合成例4 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物をシクロ
ブタンテトラカルボン酸二無水物39.22gとした以
外は合成例1と同様にして、固有粘度1.26dl/g
ポリアミック酸Ic50.5gを得た。
【0032】合成例5 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物を1,3,
3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ
−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−
c]フラン−1,3−ジオン60.0gとした以外は合成
例1と同様にしてポリアミック酸Idを得、さらにこの
ポリアミック酸Idを用いて合成例2と同様にしてイミ
ド化反応を行い、固有粘度1.16dl/gのポリイミ
ドIId22.2gを得た。
【0033】合成例6 合成例1において、テトラカルボン酸二無水物をピロメ
リット酸二無水物43.6gとした以外は合成例1と同
様にして、固有粘度1.66dl/gポリアミック酸I
e60.5gを得た。
【0034】実施例1 合成例1で得られた重合体Iaをγ−ブチロラクトン/
N−メチル−2−ピロリドン(=95/5、重量比)に
溶解させて、固形分濃度5重量%の溶液とし、この溶液
を孔径1μmのフィルターで濾過し、液晶配向剤溶液を
調製した。この溶液を、液晶配向膜塗布用印刷機を用い
て、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の上に透
明電極面に塗布し、180℃で1時間乾燥した。触針式
膜厚計を用いて、面内の膜厚を測定したところ、平均値
は600Å、バラツキは±25Åと均一な膜厚が得られ
た。
【0035】実施例2〜8 実施例1において、合成例2〜6で得られたポリアミッ
ク酸および可溶性ポリイミドを用い、表1に示す溶剤組
成の液晶配向剤を調製した以外は、実施例1と同様にし
て印刷を行った。面内の膜厚を測定し、結果を表1に示
した。
【0036】
【表1】
【0037】比較例1 合成例2で得られた可溶性ポリイミドIIaを用い、溶
媒をγ−ブチロラクトンとした以外は、実施例1と同様
にして印刷を行ったところ、面内の膜厚の平均値は61
0・、バラツキは±80Åと大きいものであった。
【0038】比較例2 合成例2で得られた可溶性ポリイミドIIaを用い、溶
媒をN−メチル−2−ピロリドンとした以外は、実施例
1と同様にして印刷を行ったところ、面内の膜厚の平均
値は600Å、バラツキは±120Åと大きいものであ
った。
【0039】
【発明の効果】本発明の印刷塗布用液晶配向剤によれ
ば、印刷時の膜厚ムラの少ない、特にTN、STN型液
晶表示素子用として好適な液晶配向膜が得られる。ま
た、本発明の印刷塗布用液晶配向剤を用いて形成した液
晶配向膜を有する液晶表示素子は、使用する液晶を選択
することにより、SH(Super Homeotropic)、強誘電
性、反強誘電性液晶表示素子にも好適に使用することが
できる。さらに、本発明の印刷塗布用液晶配向剤を用い
て形成した配向膜を有する液晶表示素子は、液晶の配向
性および信頼性に優れ、種々の装置に有効に使用でき、
例えば卓上計算機、腕時計、置時計、係数表示板、ワー
ドプロセッサ、パーソナルコンピューター、液晶テレビ
などの表示装置に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津田 祐輔 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 別所 信夫 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)テトラカルボン酸二無水物とジア
    ミンとの反応生成物であるポリアミック酸および可溶性
    ポリイミドから選ばれる少なくとも1種のポリマー、お
    よび(B)γ−ブチロラクトンとN−メチル−2−ピロ
    リドンを含有し且つN−メチル−2−ピロリドンの含有
    率が0.1〜50重量%の範囲にある混合溶媒、からな
    ることを特徴とする印刷塗布用液晶配向剤。
  2. 【請求項2】 請求項1の液晶配向剤を印刷により基板
    に塗布しそして加熱して塗膜を形成することを特徴とす
    る液晶配向膜の製造方法。
JP2001017846A 2001-01-26 2001-01-26 液晶配向剤および液晶配向膜の製造方法 Pending JP2001264771A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001017846A JP2001264771A (ja) 2001-01-26 2001-01-26 液晶配向剤および液晶配向膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001017846A JP2001264771A (ja) 2001-01-26 2001-01-26 液晶配向剤および液晶配向膜の製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28910292A Division JP3267347B2 (ja) 1992-10-27 1992-10-27 液晶配向剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001264771A true JP2001264771A (ja) 2001-09-26

Family

ID=18883963

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001017846A Pending JP2001264771A (ja) 2001-01-26 2001-01-26 液晶配向剤および液晶配向膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001264771A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006035495A1 (ja) * 2004-09-28 2006-04-06 Hitachi Chemical Co., Ltd. 耐熱性樹脂ペースト及びその製造方法
WO2012144563A1 (ja) * 2011-04-20 2012-10-26 株式会社カネカ ポリアミドイミド溶液およびポリアミドイミド膜

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006035495A1 (ja) * 2004-09-28 2006-04-06 Hitachi Chemical Co., Ltd. 耐熱性樹脂ペースト及びその製造方法
JPWO2006035495A1 (ja) * 2004-09-28 2008-05-15 日立化成工業株式会社 耐熱性樹脂ペースト及びその製造方法
JP4710831B2 (ja) * 2004-09-28 2011-06-29 日立化成工業株式会社 耐熱性樹脂ペースト及びその製造方法
US8765867B2 (en) 2004-09-28 2014-07-01 Hitachi Chemical Company, Ltd. Heat-resistant resin paste and method for producing same
WO2012144563A1 (ja) * 2011-04-20 2012-10-26 株式会社カネカ ポリアミドイミド溶液およびポリアミドイミド膜
CN103502314A (zh) * 2011-04-20 2014-01-08 株式会社钟化 聚酰胺酰亚胺溶液以及聚酰胺酰亚胺膜
CN103502314B (zh) * 2011-04-20 2016-02-03 株式会社钟化 聚酰胺酰亚胺溶液以及聚酰胺酰亚胺膜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5120047B2 (ja) 垂直配向型液晶配向剤および液晶表示素子
JPH10104633A (ja) 液晶配向剤
JPH10333153A (ja) 液晶配向剤
KR100827167B1 (ko) 액정 배향제 및 횡전계 방식 액정 표시 소자
JP3584457B2 (ja) ジアミン化合物、ポリアミック酸、ポリイミド、液晶配向剤および液晶表示素子
JPH07234410A (ja) 液晶配向剤
JP3889077B2 (ja) 液晶表示素子
JP5041157B2 (ja) 垂直配向型液晶配向剤および垂直配向型液晶表示素子
JP2001228481A (ja) 液晶配向膜および液晶表示素子
JP3211664B2 (ja) 液晶配向剤および液晶表示素子
JP3267347B2 (ja) 液晶配向剤
JP3191535B2 (ja) 液晶配向剤および液晶表示素子
JPH06308503A (ja) 液晶配向剤
JP5041124B2 (ja) 液晶配向剤および液晶表示素子
JP2006154048A (ja) 液晶配向剤および横電界方式液晶表示素子
JP3593684B2 (ja) 液晶配向剤および液晶表示素子
JPH09265096A (ja) 液晶配向剤
JPH1060275A (ja) 液晶配向剤
JPH1130779A (ja) 液晶配向剤
JP4858686B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜および液晶表示素子
JPH05263077A (ja) 液晶配向剤
JPH07305065A (ja) 液晶配向剤
JP2001264771A (ja) 液晶配向剤および液晶配向膜の製造方法
JP2004109311A (ja) 液晶配向剤および液晶表示素子
JPH10168314A (ja) 液晶配向剤

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020225