JP2001264533A - 波長選択機能を有する光学部品及び光ピックアップ装置 - Google Patents

波長選択機能を有する光学部品及び光ピックアップ装置

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JP2001264533A JP2000070571A JP2000070571A JP2001264533A JP 2001264533 A JP2001264533 A JP 2001264533A JP 2000070571 A JP2000070571 A JP 2000070571A JP 2000070571 A JP2000070571 A JP 2000070571A JP 2001264533 A JP2001264533 A JP 2001264533A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイクロイックフィルタを構成する特定の層
に波長に対する所望の透過率特性を維持したまま位相の
調整を行うことができる位相調整層を設けることにより
設計の自由度を向上させることができるようにしたダイ
クロイックフィルタと反射防止膜とを同一光学面上に有
する光学部品及び光ピックアップ装置を提供することを
目的とする。 【解決手段】 この光学部品は、基体10と、基体に光
学面に対し一方の波長の光をより多く透過させ他方の波
長の光をより多く反射させる波長選択機能を有する複数
の光学層からなる光学多層膜12を備える。波長選択機
能を有する光学多層膜のうち基体と接するかまたは基体
に最も近い光学層の屈折率と基体の屈折率との差が0.
3以内である。また、基体に形成された波長選択機能を
有さない部分11が2つの使用波長に対して反射防止機
能を有するように屈折率と膜厚とが調整された1層以上
の光学層からなる反射防止膜であり、この反射防止膜と
ほぼ同等の構成の層13が光学多層膜12の空気側に配
置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ、プリズ
ム、フィルタ板等の波長選択機能を有する光学部品及び
光ピックアップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、短波長赤色半導体レーザの実用化
に伴い、従来の光情報記録媒体であるコンパクトディス
ク(CD)と同程度の大きさで大容量化させた高密度の
情報記録媒体であるDVDが市販されている。CDでは
780nmの半導体レーザを使用し、対物レンズの開口
数0.45程度とし、透明基材の厚さを1.2mmとし
ているのに対し、DVDではより小さい記録ピットの情
報を読み込むことができるように650nmの半導体レ
ーザを使用し、対物レンズの開口数NAを0.6とし、
透明基材の厚さを0.6mmとしている。
【0003】このように、使用波長、基材厚、記録密度
などが種々異なる光ディスクを同一の光ピックアップ装
置を用いて記録・再生することに対応するため、波長の
異なる2つの光源を備え、1つの集光光学系によって複
数の光ディスクを再生/記録する光ピックアップ装置が
種々提案されている。
【0004】かかる光ピックアップ装置の1つの方式と
して、光学素子面に2つの異なるレーザ波長に対し透過
する光束の大きさを自動的に切り替える機能を付加する
ことにより、異なる仕様の光情報記録媒体を再生する方
法が提案されている。光束の大きさを波長毎に自動的に
切り替える手段として、波長選択機能を有する光学多層
膜(以下、ダイクロイックフィルタ)を用いて透過率の
波長選択機能を使ったもの(650nmの光をほとんど
透過させ、780nmの光は反射光量を増加させること
で透過光量を低下させる)、回折格子を用いて透過率の
波長選択機能を付加したものなどが提案されている。
(例えば、特開平9−204683号公報参照。)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ダイクロイ
ックフィルタを用いて使用する2つの波長に対し透過す
る光束を自動的に切り替えを行う場合、ダイクロイック
フィルタ部を透過した光とダイクロイックフィルタがな
い部分を透過した光との位相差が2nπ(n=0,1,
2,・・・)である必要がある。これは、ダイクロイッ
クフィルタ部とそれ以外の部分を透過した光の位相差が
2nπからずれてしまうと、レンズの波面収差特性が変
化してしまいレンズの結像性能が劣化してしまうからで
ある。所望のダイクロイックフィルタ膜の反射特性、透
過特性を保ったまま位相差を調整する方法が困難であ
り、これまで具体的な提案がなされていない。また、同
一光学面上にダイクロイックフィルタを有する部分とそ
れ以外の部分とを形成するための手法も、従来方法の場
合境界部において膜厚が傾斜膜になる部分が生じてしま
う等の不具合があった。
【0006】本発明は、上述のような従来技術の問題に
鑑み、ダイクロイックフィルタを構成する特定の層に波
長に対する所望の透過率特性を維持したまま位相の調整
を行うことができる位相調整層を設けることにより設計
の自由度を向上させることができるようにしたダイクロ
イックフィルタと反射防止膜とを同一光学面上に有する
光学部品、及びこの光学部品を光ピックアップレンズと
して含む光ピックアップ装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による光学部品
は、波長の異なる少なくとも2つの光を透過させて用い
ることのできる波長選択機能を有する光学部品であっ
て、基体と、前記基体の少なくとも1部分に、少なくと
も1つの光学面に対し一方の波長の光をより多く透過さ
せ、他方の波長の光をより多く反射させる波長選択機能
を有するように形成された複数の光学層からなる光学多
層膜とを備え、前記波長選択機能を有する光学多層膜の
うち前記基体と接するかまたは前記基体に最も近い前記
光学層の屈折率と前記基体の屈折率との差が0.3以内
であることを特徴とする。ここで、波長選択機能を有す
るとは、一方の波長の光透過率と、他方の波長の光透過
率との差が少なくとも10%以上あることを意味する。
【0008】本発明は、ダイクロイックフィルタの膜構
成に関し、基体と接するかまたは基体に最も近い層の屈
折率と基体の屈折率の差を0.3以下とすることによ
り、この層の膜厚を任意に調整することでダイクロイッ
クフィルタ部を透過した光とダイクロイックフィルタ部
以外の部分を透過した光との位相差を2πの整数倍にな
るように調整できるとともに、ダイクロイックフィルタ
の所望の反射率及び透過率の特性を維持できる。
【0009】また、所望のダイクロイックフィルタの反
射率と透過率の特性を得るためには、ダイクロイックフ
ィルタを構成する層の層数とそれぞれの層の屈折率と膜
厚を最適化する必要がある。さらに、ダイクロイックフ
ィルタ部を透過した光と、ダイクロイックフィルタ部以
外を透過した光の位相差を2π(rad)だけ正確にず
らすためには、それぞれの層の厚さと屈折率を最適化す
る必要がある。ここで、ダイクロイックフィルタの反射
率,透過率を最適化するための各層の屈折率,膜厚が必
ずしも透過位相差を最適化する値と一致しないことが普
通である。このため、透過率及び反射率をフィッティン
グしながら位相差調整をすることになるが、この場合設
計の自由度を極端に制限することになる。そこで、透過
率及び反射率に関する感度が極端に悪い層(位相調整
層)をダイクロイックフィルタに設けることで、透過率
及び反射率のフィッティングは位相調整層を除いた層で
行い、透過位相の調整は位相調整層のみの膜厚を調整す
ることにより行い、設計の自由度を増やすようしてい
る。反射率と透過率に関する感度が悪い層を実現するこ
とは、基体に最も近い層または基体と接する層に対し
て、基材との屈折率差を0.3以下とすることで達成可
能である。屈折率差が0.3以下であると、この層の膜
厚により反射率特性がさほど変化しない。
【0010】また、本発明による別の光学部品は、波長
の異なる少なくとも2つの光を透過させて用いることの
できる光学部品であって、基体と、前記基体の少なくと
も1部分に、少なくとも1つの光学面に対し一方の波長
の光をより多く透過させ、他方の波長の光をより多く反
射させる波長選択機能を有するように形成された複数の
光学層からなる光学多層膜と、前記基体の少なくとも1
部分に形成された波長選択機能を有さない部分とを備
え、前記波長選択機能を有さない部分が、使用する2つ
の波長に対して反射防止機能を有するように屈折率と膜
厚とが調整された1層以上の光学層からなる反射防止膜
であり、前記反射防止膜は前記波長選択機能を有する前
記光学多層膜の前記基体とは反対側にも配置されている
ことを特徴とする。ここで、反射防止機能を有すると
は、基体の反射率より低い反射率を有することを意味す
る。
【0011】この光学部品によれば、同一光学面上にダ
イクロイックフィルタとして機能する部分と、機能しな
い部分をパターン形成する場合、ダイクロイックフィル
タとして機能しない部分に対しては使用する波長の光の
透過率を向上させるために反射防止膜(AR膜)を付加
することにより、光の有効利用の観点から有利となる。
この反射防止膜は、ダイクロイックフィルタの空気側の
構成と同一であることが望ましいため、1層または2層
の反射防止膜とすることが望ましい。反射防止膜の層数
を3層以上にした場合、ダイクロイックフィルタの反射
防止膜と同一構成以外の層の屈折率と膜厚をフィッティ
ングしても所望の光学性能を得難くなるためである。
【0012】また、ダイクロイックフィルタ部を透過し
た光とダイクロイックフィルタ部以外を透過した光の位
相差を2nπ(n=1,2,3,・・・)とするために
は、ダイクロイックフィルタ部の光学膜厚の合計(Σn
d)と膜厚の合計(Σd)が以下の式(1)、(2)を
満たすことが必要である。 2πのとき 7λ/8<Σ(nidi)−Σdi<9λ/8 (1) 4πのとき 15λ/16<Σ(nidi)−Σdi<17λ/16 (2)
【0013】ここで、λは使用している短い方のレーザ
光の波長である。正確には上式がレーザ波長と同等にな
ることが望ましい。ダイクロイックフィルタ部とそれ以
外の部分を透過する光の透過位相がλからずれた場合、
レンズの波面収差特性を劣化させることになり、結像性
能を劣化させる。実使用上、λ/8までの差であれば影
響が少ないことが確認されているので、レーザの波長を
650nmとしたとき、膜厚に関して次の式(3)、
(4)を満足していればよいことになる。 2πのとき 570nm<Σ(nidi)−Σdi<730nm (3) 4πのとき 1220nm<Σ(nidi)−Σdi<1381nm (4)
【0014】更に、一般的に膜厚に関し、光学多層膜に
おける各光学層(i=1,2,3,・・・)の光学膜厚
(ni1・di1=屈折率ni1×膜厚di1)の合計Σ(ni1
i1)と、反射防止膜(j=1,2,3,・・・)の光
学膜厚(nj2・dj2)の合計Σ(nj2・dj2)とすると、
次の式(5)、(6)を満足していればよい。
【0015】 7λ/8≦Σ(ni1・di1)−Σ(nj2・dj2)−(Σdi1−Σdj2)≦9λ/8 (5)
【0016】 15λ/8≦Σ(ni1・di1)−Σ(nj2・dj2)−(Σdi1−Σdj2)≦17λ/8(6) 但し、λ(nm)は使用波長のうちの短い方の波長であ
り、各膜厚の単位はnmである。
【0017】具体的には、上記反射防止膜が前記光学部
品の表面の空気側から第1の層及び第2の層に構成さ
れ、前記第1の層及び前記第2の層の各屈折率と各光学
膜厚(nd=屈折率×膜厚)が以下の範囲内であること
が好ましい。
【0018】 屈折率 光学膜厚nd(nm) 第1の層 1.35≦n≦1.50 170≦nd≦270 第2の層 1.80≦n≦2.40 nd≦70
【0019】また、上記反射防止膜が一層から構成され
る場合、この層の屈折率と光学膜厚(nd=屈折率×膜
厚)が以下の範囲内であることが好ましい。
【0020】 屈折率 光学膜厚nd(nm) 1.35≦n≦1.50 44≦nd≦286
【0021】更に、前記波長選択機能を有する光学多層
膜が前記光学部品の表面の空気側から順に第1の層〜第
9の層まで構成され、前記第1の層〜前記第8の層がそ
れぞれ以下に示す屈折率と光学膜厚の範囲内であること
が好ましい。
【0022】 屈折率 光学膜厚nd(nm ) 第1の層 1.35≦n≦1.50 172≦nd≦265 第2の層 1.80≦n≦2.40 nd≦70 第3の層 1.35≦n≦1.50 10≦nd≦370 第4の層 1.80≦n≦2.40 150≦nd≦250 第5の層 1.35≦n≦1.50 240≦nd≦300 第6の層 1.80≦n≦2.40 170≦nd≦240 第7の層 1.35≦n≦1.50 210≦nd≦300 第8の層 1.80≦n≦2.40 110≦nd≦330
【0023】また、本発明の光学部品は、プラスチック
またはガラスからなる光ピックアップレンズとすること
ができる。また、波長選択性を有する光学多層膜と基体
との間に下地層を設けてもよい。この下地層により次の
製膜工程が容易となる。
【0024】また、ダイクロイックフィルタを形成する
部分と、反射防止膜を形成する部分とをそれぞれ独立に
パターン形成させようとすると、その境界において傾斜
膜になるという問題があった。光学面上にダイクロイッ
クフィルタや反射防止膜を形成するとき、真空蒸着法や
スパッタリング法を用いる場合が一般的であるが、これ
らの方法は蒸発又はスパッタされた粒子の指向性が強い
ために、光学面の有効径より小さい部分にこれらの膜を
形成させた場合この光学部品を保持している支持体の影
になり傾斜膜(周辺部にいくに従い薄くなってくる。)
になってしまうのである(図9参照)。
【0025】この解決のために、反射防止膜を形成して
いる層の構成と全く同等の構成を、ダイクロイックフィ
ルタを形成している膜の空気側に配置してやることで、
光学部品の有効径よりも小さい開口の蒸着マスクまたは
スパッタリングマスクを用いないでも、同一光学面上に
ダイクロイックフィルタ機能を有する部分と反射防止機
能を有する部分を形成するとともに、その境界部におけ
る傾斜膜を全くなくすことが可能である。このようにし
て、同一光学面上にダイクロイックフィルタ部と、使用
する2つの波長を両方透過させるための反射防止膜(A
R膜)とを比較的簡易に、しかもその境界部の輪郭をき
れいに仕上げることができる。
【0026】また、本発明による光ピックアップ装置
は、波長λ1の第1の光源と、波長λ2(λ1≠λ2)
の第2の光源と、それぞれの光源からの光束を光情報記
録媒体の情報記録面に集光させるレンズと、前記第1の
光源及び第2の光源からの出射光束の光情報記録媒体か
らの反射光を受光する光検出器とを備え、前記レンズ
は、少なくとも2つの波長λ1,λ2の光を透過させる
ことができ、基体と、前記基体の少なくとも1部分に、
少なくとも1つの光学面に対し一方の波長λ1またはλ
2の光をより多く透過させ、他方の波長λ2またはλ1
の光をより多く反射させる波長選択機能を有するように
形成された複数の光学層からなる光学多層膜と、を備
え、前記波長選択機能を有する光学多層膜のうち前記基
体と接するかまたは前記基体に最も近い前記光学層の屈
折率と前記基体の屈折率との差が0.3以内であること
を特徴とする。
【0027】また、本発明による別の光ピックアップ装
置は、波長λ1の第1の光源と、波長λ2(λ1≠λ
2)の第2の光源と、それぞれの光源からの光束を光情
報記録媒体の情報記録面に集光させるレンズと、前記第
1の光源及び第2の光源からの出射光束の光情報記録媒
体からの反射光を受光する光検出器とを備え、前記レン
ズは、少なくとも2つの波長λ1,λ2の光を透過させ
ることができ、基体と、前記基体の少なくとも1部分
に、少なくとも1つの光学面に対し一方の波長λ1また
はλ2の光をより多く透過させ、他方の波長λ2または
λ1の光をより多く反射させる波長選択機能を有するよ
うに形成された複数の光学層からなる光学多層膜と、前
記基体の少なくとも1部分に形成された波長選択機能を
有さない部分とを備え、前記波長選択機能を有さない部
分が、使用する2つの波長λ1またはλ2に対して反射
防止機能を有するように屈折率と膜厚とが調整された1
層以上の光学層からなる反射防止膜であり、前記反射防
止膜は前記波長選択機能を有する前記光学多層膜の前記
基体側とは反対側にも配置されていることを特徴とす
る。
【0028】上述の各光ピックアップ装置によれば、2
つの波長λ1とλ2とを自動的に切り替えながら異なる
光情報記録媒体についての記録または再生を行うことが
できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態に
ついて図面を用いて説明する。本実施の形態は、プラス
チック製の光ピックアップ用のレンズの片方の面につい
てダイクロイックフィルタ機能を有する部分と反射防止
機能を有する部分にパターン化したものである。
【0030】図1は、本発明の実施の形態を示す光ピッ
クアップレンズの要部断面図である。この光ピックアッ
プレンズは、ダイクロイックフィルタ機能を有する光学
膜と反射防止機能を有する光学膜とが基材の同一面上に
形成されたものである。即ち、図1の光ピックアップレ
ンズは、基材10の中心部分に形成された反射防止機能
を有する光学多層膜11と、その周囲のドーナッツ状の
部分に形成されたダイクロイックフィルタ機能を有する
光学多層膜12とを備える。光学多層膜12の上には光
学多層膜11と同様の層構成で反射防止機能を有する光
学多層膜13が形成されている。光学多層膜11が波長
選択機能を有せずかつ反射防止機能を有する部分1を構
成し、光学多層膜12及び光学多層膜13が波長選択機
能を有する部分2を構成する。
【0031】なお、図1の例は、波長選択機能を有しな
い部分1及び波長選択機能を有する部分2をレンズの片
面に設けたが、光ピックアップレンズの両方の面に対し
て同様のパターニング処理を実施し、両面に設けてもよ
い。
【0032】
【実施例】次に、図1の光ピックアップレンズについて
具体的な実施例により説明する。図1の光学多層膜1
2、13(ダイクロイックフィルタ部)は、次の表1に
示すような層構成で、空気側から順に第1の層〜第9の
層まで真空蒸着法により形成した。また、分光エリプソ
メーター(J.A.WOOLLAM社製、V-VASE)を用いて各層の
屈折率と膜厚が所望の値に一致していることを確認し
た。
【0033】
【表1】
【0034】ここで、図1の基材10と接する光学多層
膜11の第9の層は、SiO2を主成分とした膜より構
成されておりその屈折率はほぼ1.46である。この第
9の層の膜厚は、中心部に製膜された反射防止の光学多
層膜の構成(屈折率と厚さ)により調整すべき厚さであ
るのでここでは仮に0としている。
【0035】以上の表1の層構成を有する図1の光学多
層膜12,13(ダイクロイックフィルタ部)は、図2
のカーブ(a)のような分光反射率特性を有し、透過さ
せるべき短い波長を650nmとし、遮蔽(反射)させ
るべき長い光の波長を780nmとして設計されてお
り、650nmでの反射率0%,780nmでの反射率
55%となっている。
【0036】また、中心部に形成された反射防止機能を
有する図1の光学多層膜11は、次の表2に示す2層よ
りなる。表2の光学多層膜11は、650nmと780
nmで反射率が極力少なくなるように設計されている。
表2の光学多層膜11の分光反射率特性を図3に示す。
【0037】
【表2】
【0038】ここで、ダイクロイックフィルタ機能を有
する光学多層膜12を透過した光と、反射防止機能を有
する光学多層膜11を透過した光との位相差が2π(ra
d)となるように調整を実施する。ここで、光の波長を
650nmとする。
【0039】まず、光学多層膜12(ダイクロイックフ
ィルタ部)を透過した光の位相を以下の通り計算する。
各層の屈折率と膜厚を掛け合わせた値を合計し(ΣN
D)、この合計値を光の波長で割った値に2πを掛けた
値が、光学多層膜12を透過したときの透過位相(δ
1)である。
【0040】一方、反射防止機能を有する光学多層膜1
1を透過したときの位相の計算はダイクロイックフィル
タ部を透過したときの計算方法と基本的には同じである
が、ダイクロイックフィルタ機能を有する光学多層膜1
2と、反射防止機能を有する光学多層膜11との厚さの
差分は、空気中を光が進んでいるものとして考える。こ
のようにして考えた反射防止機能を有する光学多層膜1
1を透過した光の透過位相をδ2とする。
【0041】このとき、(δ1−δ2)が2π(rad)
の整数倍になるようにすれば位相調整ができる。本実施
例の場合、ダイクロイックフィルタ機能を有する光学多
層膜12の第9の層の光学膜厚を364nmにすれば
(δ1−δ2)が2π(rad)となり、位相調整が行わ
れ、レンズの波面収差特性を劣化させることがなくな
る。このように、基材と接する第9の層の光学膜厚を3
64nmとしたときの分光反射率特性を図2のカーブ
(b)に示す。
【0042】図2のカーブ(b)から分かるように、基
材と接する第9の層の膜厚を0としたカーブ(a)とほ
ぼ同等の曲線が得られることがわかる。これは、基材と
して用いた素材の屈折率と基材と接する第9の層の屈折
率との屈折率差が、本実施例の場合0.07と小さいた
めに達成できたことである。
【0043】この屈折率差が0.3を超える場合は第9
の層の厚さによって分光反射率特性の変化が大きくな
る。比較例として、屈折率1.85である膜を第9の層
の材料とし、屈折率差を0.31とし、光学膜厚を0
(a’)と250nm(b’)としたときの分光反射率
特性を図4に示す。膜厚により反射率が大きく変化する
ことがわかる。このため、基材と第9の層の屈折率差が
0.3を超えた場合、反射率特性をフィティングしなが
ら、かつ同時に位相調整を行わなければならず、この作
業は非常に煩雑になってしまう。
【0044】次に、図1に示すような光ピックアップレ
ンズの製造工程を図5〜図9により説明する。図1に示
したように、光学面の中心部に780nmと650nm
の光の反射を防止するための反射防止機能を有する光学
多層膜を形成し、光学多層膜11の外側へリング状に7
80nmの光を遮断し、650nmの光を透過させるよ
うなダイクロイックフィルタ機能を有する光学多層膜を
形成した。
【0045】まず、第1の工程として、図5のように、
反射防止機能を有する光学多層膜を形成する光学面の中
心部にマスク21となるパターンを形成した。このマス
ク21は、金属膜(Ag)を真空蒸着法により200n
m蒸着することで形成した。この場合、反射防止機能を
有する光学多層膜を形成すべき中心部分を開口とした蒸
着ヤトイを用い、金属膜を蒸着することでパターンを形
成することが可能である。
【0046】次に、第2の工程として、レンズ全面に製
膜可能な蒸着ヤトイにレンズを移し、図6のように、ダ
イクロイック機能を有する光学多層膜のうち反射防止機
能を有する光学多層膜と同等の部分を除いた層22を形
成する。
【0047】次に、第3の工程として、図7に示すよう
に、反射防止機能を有する光学多層膜を形成する光学面
の中心部において、パターン化されたマスク21のAg
膜を適当な濃度の硝酸中に浸漬することにより溶かすと
ともに、Ag膜上に形成されたダイクロイックフィルタ
機能を有する光学多層膜も同時に剥離し、光学多層膜2
3の部分を残す。
【0048】次に、第4の工程として、レンズ全面に製
膜可能な蒸着ヤトイにレンズをセットし、図8のように
反射防止機能を有する光学多層膜24,25をレンズ全
面に形成する。
【0049】以上の各製造工程により、図8のように、
光学面(レンズ面)の中心部分には、使用する2つの波
長で有効な反射防止機能を有する光学膜24が形成さ
れ、その外周部に780nmの波長の光を反射させ65
0nmの波長の光を透過させるようなダイクロイックフ
ィルタ機能を有する光学多層膜23,25が完成する。
【0050】この場合、図8に示すように、反射防止機
能を有する光学膜24とダイクロイックフィルタ機能を
有する光学多層膜23との境界部26において、シャー
プなエッジが比較的簡易に得られる。これは、反射防止
機能を有する光学膜24と同等の構成を持つ光学膜25
をダイクロイックフィルタ機能を有する光学多層膜23
の空気側に配することで境界部26のエッジをシャープ
にできるのである。
【0051】ここで、比較のために、反射防止機能を有
する光学膜とダイクロイックフィルタ機能を有する光学
多層膜とをそれぞれ独立な膜として形成したときの問題
点について述べる。この場合には、反射防止機能を有す
る光学膜をレンズの中心にのみ製膜する必要があるため
に、レンズの中心部に開口を持つ蒸着ヤトイにレンズを
セットし、反射防止機能を有する光学膜を形成する必要
がある。更に、反射防止機能を有する光学膜上に金属の
剥離層を形成し、レンズ全面にダイクロイック機能を持
つ光学多層膜を形成した後、硝酸等の酸の中に浸漬する
ことで金属を溶かすとともに金属膜の上に製膜されたダ
イクロイック機能を有する光学多層膜を除去することに
より、反射防止機能を有する光学膜とダイクロイックフ
ィルタ機能を有する光学多層膜とを同一光学面上に形成
することは可能である。しかし、図7のように、反射防
止機能を有する光学膜24’をレンズ中心の中心部に形
成するとき、中心部に開口をもつ蒸着ヤトイの影の影響
で、ダイクロイックフィルタ機能を有する光学多層膜2
3’との間の境界部に膜厚が傾斜となってしまう傾斜部
分29が発生してしまう。これは、光学膜を形成する方
法として真空蒸着やスパッタリング法を用いたとき、蒸
発又はスパッタされた粒子の直進性に起因するものであ
り避けられない現象である。
【0052】これに対し、本実施の形態の構成では、図
1のように、反射防止機能を有する光学膜と同等の構成
を持つ光学膜をダイクロイックフィルタ機能を有する光
学多層膜の空気側にも形成するような層構成を実現する
ことにより、傾斜部分が発生せずに図8のようにそれら
の境界部26のエッジをシャープに形成できるのであ
る。
【0053】なお、本実施の形態においては、ダイクロ
イックフィルタ機能を有する光学多層膜と反射防止機能
を有する光学多層膜を形成する手段として真空蒸着法を
用いているが、スパッタリング等の他の薄膜形成技術を
用いても同等の効果を有する薄膜を形成できる。
【0054】次に、上述の図1の光ピックアップレンズ
を光ピックアップ装置に用いた例を説明する。図10は
光ピックアップ装置の概略的な構成を示す図である。こ
の光ピックアップ装置は、第1の光情報記録媒体に対し
て記録または再生を行う第1の半導体レーザ41と、第
2の光情報記録媒体に対して記録または再生を行う第1
の半導体レーザ41とは波長の異なる第2の半導体レー
ザ42と、各半導体レーザ41,42から射出される発
散光束の発散角を所望の発散角に変換するカップリング
レンズ31と、各半導体レーザ41,42からの光束を
ほぼ一つの方向に進ませるビームスプリッタ20と、カ
ップリングレンズ31と1/4波長板35を通過した光
束を光情報記録媒体39の情報記録面に集光する光ピッ
クアップレンズ32と、光情報記録媒体からの反射光を
受光する光検出器51と、光情報記録媒体39からの反
射光を光検出器51に向けるビームスプリッタ40とを
備えている。
【0055】また、図10の光ピックアップ装置は、更
に、光ピックアップレンズ32に前置された絞り36
と、光検出器51に前置されたシリンドリカルレンズ5
2と、第2の半導体レーザ12からの発散光束の発散度
を変換するための発散角変更レンズ60とを備える。
【0056】図10の光ピックアップ装置は、例えば第
1の半導体レーザ41により基準波長780nmの光で
CDを記録または再生し、第2の半導体レーザ42によ
り基準波長650nmの光でDVDを記録または再生す
るようにできる。そして、光ピックアップレンズ32
は、図1のように、その光学面32a(図10)の中心
部に780nmと650nmの光の反射を防止するため
の反射防止機能を有する光学多層膜11(波長選択機能
を有せずかつ反射防止機能を有する部分1)が形成さ
れ、光学多層膜11の外側にリング状に780nmの光
を遮断し、650nmの光を透過させる光学多層膜1
2,13(波長選択機能を有する部分2)が形成されて
いる。このため、図10の光ピックアップ装置は、DV
Dの記録または再生時に光ピックアップレンズ32の図
1の部分1,2全体を利用することができるとともに、
CDの記録または再生時に光ピックアップレンズ32の
図1の部分1のみを利用できる。このように、図10の
光ピックアップ装置では、2つの異なるレーザ波長に対
し透過する光束の大きさを自動的に切り替えながら異な
る光情報記録媒体について記録または再生を行うことが
できる。なお、図10では、光ピックアップレンズ32
の光情報記録媒体39側の光学面32aに光学多層膜1
1,12,13を設けたが、光源側の光学面に設けても
よく、また両光学面に設けてもよい。
【0057】以上のように本発明を実施の形態及び実施
例により説明したが、本発明はこれらに限定されるもの
ではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が
可能である。例えば、本発明の光学部品は、光ピックア
ップレンズ以外のレンズであってもよく、また、プリズ
ムやフィルタ板等の光学部品でもよく、同様の効果が得
られる。
【0058】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、光ピッ
クアップレンズ等の光学部品の光学面上に、波長選択機
能を有する光学多層膜と反射防止機能を有する光学多層
膜を形成することにより、2つの機能を有する光学膜を
透過する光の位相差が2nπ(n=0,1,2…)であると
ともに所望の反射率特性を容易に得ることができる。ま
た、2つの異なる機能を有する光学膜の境界部のエッジ
をシャープに形成できる。また、2つの異なる波長に対
し透過する光束の大きさを自動的に切り替えながら異な
る光情報記録媒体について記録または再生を行うことが
できる光ピックアップ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態のレンズの要部断面図
である。
【図2】本発明による実施例の層構成(表1)を有する
光学多層膜(ダイクロイックフィルタ部)の第9の層の
膜厚が0の場合(a)と、364nmの場合(b)の分
光反射率特性を示す図である。
【図3】本発明による実施例の光学多層膜(表2)の分
光反射率特性を示すずである。
【図4】比較例として、屈折率1.85である膜を第9
の層の材料とし光学膜厚を0(a’)と250nm
(b’)としたときの分光反射率特性を示す図である。
【図5】本発明による実施例の光学多層膜を形成する第
1の製造工程を説明するための図である。
【図6】実施例の光学多層膜を形成する第2の製造工程
を説明するための図である。
【図7】実施例の光学多層膜を形成する第3の製造工程
を説明するための図である。
【図8】実施例の光学多層膜を形成する第4の製造工程
を説明するための図である。
【図9】図5〜図8の製造工程の効果を説明するため
に、従来方法による問題点を説明するための図である。
【図10】本発明による実施の形態の光ピックアップ装
置の概略的構成を示す図である。
【符号の説明】
10 基材 11 反射防止機能を有する光学多層膜 12 波長選択機能を有する光学多層膜 13 光学多層膜11と同様の層構成の光
学多層膜 26 境界部 32 光ピックアップレンズ(光学部品) 41 第1の半導体レーザ(第1の光源) 42 第2の半導体レーザ(第2の光源)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H048 GA07 GA09 GA12 GA22 GA24 GA33 GA36 GA61 2K009 AA05 BB02 BB11 CC03 CC42 DD03 5D119 AA05 AA41 BA01 EC47 FA08 JA18 JA26 JA64 JA65 JB03

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長の異なる少なくとも2つの光を透過
    させて用いることのできる光学部品であって、 基体と、 前記基体の少なくとも1部分に、少なくとも1つの光学
    面に対し一方の波長の光をより多く透過させ、他方の波
    長の光をより多く反射させる波長選択機能を有するよう
    に形成された複数の光学層からなる光学多層膜と、を備
    え、 前記波長選択機能を有する光学多層膜のうち前記基体と
    接するかまたは前記基体に最も近い前記光学層の屈折率
    と前記基体の屈折率との差が0.3以内であることを特
    徴とする波長選択機能を有する光学部品。
  2. 【請求項2】 波長選択機能を有さない部分を更に有
    し、この波長選択機能を有さない部分が、使用する2つ
    の波長の光に対して反射防止機能を有するように屈折率
    と膜厚とが調整された1層以上の光学層からなる反射防
    止膜であることを特徴とする請求項1に記載の光学部
    品。
  3. 【請求項3】 波長の異なる少なくとも2つの光を透過
    させて用いることのできる光学部品であって、 基体と、 前記基体の少なくとも1部分に、少なくとも1つの光学
    面に対し一方の波長の光をより多く透過させ、他方の波
    長の光をより多く反射させる波長選択機能を有するよう
    に形成された複数の光学層からなる光学多層膜と、 前記基体の少なくとも1部分に形成された波長選択機能
    を有さない部分と、を備え、 前記波長選択機能を有さない部分が、使用する少なくと
    も2つの波長に対して反射防止機能を有するように屈折
    率と膜厚とが調整された1層以上の光学層からなる反射
    防止膜であり、 前記反射防止膜は前記波長選択機能を有する前記光学多
    層膜の前記基体側とは反対側にも配置されていることを
    特徴とする光学部品。
  4. 【請求項4】 前記光学多層膜における各光学層(i=
    1,2,3,・・・)の光学膜厚(ni1・di1=屈折率
    i1×膜厚di1)の合計Σ(ni1・di1)と、前記反射
    防止膜(j=1,2,3,・・・)の光学膜厚(nj2
    j2)の合計Σ(nj2・dj2)とが、以下の式を満たす
    ことを特徴とする請求項3に記載の光学部品。 7λ/8≦Σ(ni1・di1)−Σ(nj2・dj2)−(Σdi1
    Σdj2)≦9λ/8 但し、λは、使用波長のうちの短い方の波長である。
  5. 【請求項5】 前記光学多層膜における各光学層(i=
    1,2,3,・・・)の光学膜厚(ni1・di1=屈折率
    i1×膜厚di1)の合計Σ(ni1・di1)と、前記反射
    防止膜(j=1,2,3,・・・)の光学膜厚(nj2
    j2)の合計Σ(nj2・dj2)とが、以下の式を満たす
    ことを特徴とする請求項3に記載の光学部品。 15λ/8≦Σ(ni1・di1)−Σ(nj2・dj2)−(Σdi1
    −Σdj2)≦17λ/8 但し、λ(nm)は使用波長のうちの短い方の波長であ
    り、各膜厚の単位はnmである。
  6. 【請求項6】 前記光学多層膜のうちの前記基体と接す
    るかまたは最も近い前記光学層の光学膜厚(nd=屈折
    率n×膜厚d)が請求項4または5に記載の式を満足す
    るように調整されていることを特徴とする請求項4また
    は5に記載の光学部品。
  7. 【請求項7】 上記反射防止膜が前記光学部品の表面の
    空気側から第1の層及び第2の層に構成され、前記第1
    の層及び前記第2の層の各屈折率と各光学膜厚(nd=
    屈折率×膜厚)が以下の範囲内であることを特徴とする
    請求項2または3に記載の光学部品。 屈折率 光学膜厚nd(nm) 第1の層 1.35≦n≦1.50 170≦nd≦270 第2の層 1.80≦n≦2.40 nd≦70
  8. 【請求項8】 上記反射防止膜が一層から構成され、こ
    の層の屈折率と光学膜厚(nd=屈折率×膜厚)が以下
    の範囲内であることを特徴とする請求項2または3に記
    載の光学部品。 屈折率 光学膜厚nd(nm) 1.35≦n≦1.50 44≦nd≦286
  9. 【請求項9】 前記波長選択機能を有する光学多層膜が
    前記光学部品の表面の空気側から順に第1の層〜第9の
    層まで構成され、前記第1の層〜前記第8の層がそれぞ
    れ以下に示す屈折率と光学膜厚の範囲内であることを特
    徴とする請求項1,2または3に記載の光学部品。 屈折率 光学膜厚nd(nm) 第1の層 1.35≦n≦1.50 172≦nd≦265 第2の層 1.80≦n≦2.40 nd≦70 第3の層 1.35≦n≦1.50 10≦nd≦370 第4の層 1.80≦n≦2.40 150≦nd≦250 第5の層 1.35≦n≦1.50 240≦nd≦300 第6の層 1.80≦n≦2.40 170≦nd≦240 第7の層 1.35≦n≦1.50 210≦nd≦300 第8の層 1.80≦n≦2.40 110≦nd≦330
  10. 【請求項10】 前記光学部品が、プラスチックまたは
    ガラスからなる光ピックアップレンズであることを特徴
    とする請求項1,2または3に記載の光学部品。
  11. 【請求項11】 前記波長選択性を有する光学多層膜と
    前記基体との間に下地層を有することを特徴とする請求
    項1,2または3に記載の光学部品。
  12. 【請求項12】 波長λ1の第1の光源と、 波長λ2(λ1≠λ2)の第2の光源と、 それぞれの光源からの光束を光情報記録媒体の情報記録
    面に集光させるレンズと、 前記第1の光源及び第2の光源からの出射光束の光情報
    記録媒体からの反射光を受光する光検出器と、を備え、 前記レンズは、少なくとも2つの波長λ1,λ2の光を
    透過させることができ、 基体と、 前記基体の少なくとも1部分に、少なくとも1つの光学
    面に対し一方の波長λ1またはλ2の光をより多く透過
    させ、他方の波長λ2またはλ1の光をより多く反射さ
    せる波長選択機能を有するように形成された複数の光学
    層からなる光学多層膜と、を備え、 前記波長選択機能を有する光学多層膜のうち前記基体と
    接するかまたは前記基体に最も近い前記光学層の屈折率
    と前記基体の屈折率との差が0.3以内であることを特
    徴とする光ピックアップ装置。
  13. 【請求項13】 前記レンズが波長選択機能を有さない
    部分を更に有し、この波長選択機能を有さない部分が、
    使用する2つの波長の光に対して反射防止機能を有する
    ように屈折率と膜厚とが調整された1層以上の光学層か
    らなる反射防止膜であることを特徴とする請求項12に
    記載の光ピックアップ装置。
  14. 【請求項14】 波長λ1の第1の光源と、 波長λ2(λ1≠λ2)の第2の光源と、 それぞれの光源からの光束を光情報記録媒体の情報記録
    面に集光させるレンズと、 前記第1の光源及び第2の光源からの出射光束の光情報
    記録媒体からの反射光を受光する光検出器と、を備え、 前記レンズは、少なくとも2つの波長λ1,λ2の光を
    透過させることができ、 基体と、 前記基体の少なくとも1部分に、少なくとも1つの光学
    面に対し一方の波長λ1またはλ2の光をより多く透過
    させ、他方の波長λ2またはλ1の光をより多く反射さ
    せる波長選択機能を有するように形成された複数の光学
    層からなる光学多層膜と、 前記基体の少なくとも1部分に形成された波長選択機能
    を有さない部分と、を備え、 前記波長選択機能を有さない部分が、使用する少なくと
    も2つの波長λ1またはλ2に対して反射防止機能を有
    するように屈折率と膜厚とが調整された1層以上の光学
    層からなる反射防止膜であり、 前記反射防止膜は前記波長選択機能を有する前記光学多
    層膜の前記基体とは反対側にも配置されていることを特
    徴とする光ピックアップ装置。
  15. 【請求項15】 前記レンズの前記光学多層膜における
    各光学層(i=1,2,3,・・・)の光学膜厚(ni1
    ・di1=屈折率ni1×膜厚di1)の合計Σ(ni1・di1
    と、前記反射防止膜(j=1,2,3,・・・)の光学
    膜厚(nj2・dj2)の合計Σ(nj2・dj2)とが、以下の
    式を満たすことを特徴とする請求項14に記載の光ピッ
    クアップ装置。 7λ/8≦Σ(ni1・di1)−Σ(nj2・dj2)−(Σdi1
    Σdj2)≦9λ/8 但し、λは、使用波長λ1またはλ2のうちの短い方の
    波長である。
  16. 【請求項16】 前記レンズの前記光学多層膜における
    各光学層(i=1,2,3,・・・)の光学膜厚(ni1
    ・di1=屈折率ni1×膜厚di1)の合計Σ(ni1・di1
    と、前記反射防止膜(j=1,2,3,・・・)の光学
    膜厚(nj2・dj2)の合計Σ(nj2・dj2)とが、以下の
    式を満たすことを特徴とする請求項14に記載の光ピッ
    クアップ装置。 15λ/8≦Σ(ni1・di1)−Σ(nj2・dj2)−(Σdi1
    −Σdj2)≦17λ/8 但し、λ(nm)は使用波長λ1またはλ2のうちの短
    い方の波長であり、各膜厚の単位はnmである。
  17. 【請求項17】 前記レンズの前記光学多層膜のうちの
    前記基体と接するかまたは最も近い前記光学層の光学膜
    厚(nd=屈折率n×膜厚d)が請求項15または16
    に記載の式を満足するように調整されていることを特徴
    とする請求項15または16に記載の光ピックアップ装
    置。
  18. 【請求項18】 上記反射防止膜が前記光学部品の表面
    の空気側から第1の層及び第2の層に構成され、前記第
    1の層及び前記第2の層の各屈折率と各光学膜厚(nd
    =屈折率×膜厚)が以下の範囲内であることを特徴とす
    る請求項2または3に記載の光学部品。 屈折率 光学膜厚nd(nm) 第1の層 1.35≦n≦1.50 170≦nd≦270 第2の層 1.80≦n≦2.40 nd≦70
  19. 【請求項19】 前記レンズの前記反射防止膜が一層か
    ら構成され、この層の屈折率と光学膜厚(nd=屈折率
    ×膜厚)が以下の範囲内であることを特徴とする請求項
    13または14に記載の光ピックアップ装置。 屈折率 光学膜厚nd(nm) 1.35≦n≦1.50 44≦nd≦286
  20. 【請求項20】 前記レンズの前記波長選択機能を有す
    る光学多層膜が前記光学部品の表面の空気側から順に第
    1の層〜第9の層まで構成され、前記第1の層〜前記第
    8の層がそれぞれ以下に示す屈折率と光学膜厚の範囲内
    であることを特徴とする請求項13,14または15に
    記載の光ピックアップ装置。 屈折率 光学膜厚nd(nm) 第1の層 1.35≦n≦1.50 172≦nd≦265 第2の層 1.80≦n≦2.40 nd≦70 第3の層 1.35≦n≦1.50 10≦nd≦370 第4の層 1.80≦n≦2.40 150≦nd≦250 第5の層 1.35≦n≦1.50 240≦nd≦300 第6の層 1.80≦n≦2.40 170≦nd≦240 第7の層 1.35≦n≦1.50 210≦nd≦300 第8の層 1.80≦n≦2.40 110≦nd≦330
  21. 【請求項21】 前記レンズが、プラスチックまたはガ
    ラスからなる光ピックアップレンズであることを特徴と
    する請求項13,14または15に記載の光ピックアッ
    プ装置。
  22. 【請求項22】 前記レンズが前記波長選択性を有する
    光学多層膜と前記基体との間に下地層を有することを特
    徴とする請求項13,14または15に記載の光ピック
    アップ装置。
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