JP2001263926A - 有機多孔体の製造方法および断熱パネルと断熱箱体 - Google Patents

有機多孔体の製造方法および断熱パネルと断熱箱体

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JP2001263926A
JP2001263926A JP2000076214A JP2000076214A JP2001263926A JP 2001263926 A JP2001263926 A JP 2001263926A JP 2000076214 A JP2000076214 A JP 2000076214A JP 2000076214 A JP2000076214 A JP 2000076214A JP 2001263926 A JP2001263926 A JP 2001263926A
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organic solvent
porous material
organic
gel
solvent
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English (en)
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Akiko Yuasa
明子 湯淺
Masaaki Suzuki
正明 鈴木
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Refrigeration Co
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ポリイソシアネートと活性水素化
合物とからなる湿潤ゲルを安定に製造し、さらに、いか
なるインデックスにおいても乾燥ステップにおける収縮
を抑制し、断熱性能に優れた低密度有機系多孔体を提供
することを目的とする。 【解決手段】 2つ以上の活性水素基を有する活性水素
化合物,ポリイソシアネート,ウレタン触媒、および、
溶解度パラメーターが8から13の範囲である有機溶媒
を混合して湿潤ゲルを得るゲル化ステップと、前記湿潤
ゲルを静置し、その際、架橋反応を促進するための触媒
がさらに追加されるエージングステップと、有機溶媒が
第2の有機溶媒と置換される溶媒置換ステップと、前記
湿潤ゲルを多孔化して乾燥ゲルを得る乾燥ステップとを
有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷蔵庫,冷凍庫,
建材等に用いられる有機多孔体断熱材の製造方法およ
び、断熱パネル,断熱箱体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境問題である温暖化を防止
することの重要性から、省エネルギー化が望まれてお
り、民生用機器に対しても省エネルギーの推進が行われ
ている。特に温冷熱利用の機器や住宅に関しては、熱を
効率的に利用するという。観点から、優れた断熱性を有
する断熱材が求められている。
【0003】一般的な断熱材としては、グラスウールな
どの繊維体やウレタンフォームなどの発泡体が用いられ
ている。しかし、これらの断熱材の断熱性を向上するた
めには断熱材の厚さを増す必要があり、断熱材を充填で
きる空間に制限があって省スペースや空間の有効利用が
必要な場合には適用することができない。
【0004】そこで、たとえば特開平7−138375
号公報においては、アルコキシシランを原料とするゲル
状化合物を超臨界乾燥して得られるシリカの多孔体が開
示されており、その空孔の孔径が100nm以下であ
り、高い断熱性が得られることが知られている。この方
法は、孔径を基体の平均自由行程レベルまで小さくする
と、気体の熱伝導率が低減するという現象を用いたもの
である。
【0005】上記の技術により得られる断熱材は、グラ
スウールやウレタンフォームなどの汎用断熱材に比べて
低い熱伝導率を有しており、同じ厚さでも高い断熱性を
示すものである。
【0006】また、USP5,478,867において
は、ポリイソシアネートと、ポリアミン化合物と、三量
化触媒を含む触媒とから合成される有機系多孔体が開示
されている。
【0007】また、特表平9−501455において
は、ポリイソシアネート単独、またはポリイソシアネー
トと多官能のイソシアネート反応性化合物と三量化触媒
を含む触媒とから合成される有機多孔体が開示されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シリカ
多孔体は脆性が高く、原料も高価であるため、汎用の断
熱材には適さない。
【0009】一方、有機多孔体は、脆性に関して改善が
見られ、原料も安価であるが、湿潤ゲル形成ステップに
おける溶媒が不適切であると、ゲルが形成されない。
【0010】また、樹脂骨格の強度が低いため、乾燥工
程における収縮が大きく、乾燥後の多孔体密度は理論密
度の2倍から5倍にまでになっている。
【0011】また、ポリイソシアネートとイソシアネー
ト反応性化合物を三量化触媒によって重合して得られる
有機多孔体の樹脂骨格は、ポリイソシアネートが三量化
したヌレート環によって架橋されている。したがって、
ポリイソシアネートとイソシアネート反応性化合物との
インデックス、すなわち、イソシアネート基のイソシア
ネート反応性官能基である活性水素基に対する比が、1
付近から4未満の範囲ではヌレート環の存在割合が少な
くなるため、骨格強度がより低下し、乾燥工程における
収縮が非常に大きくなる。
【0012】上記の問題点に鑑み、本発明の目的は、ポ
リイソシアネートと活性水素化合物とからなる湿潤ゲル
を安定に製造し、さらに、いかなるインデックスにおい
ても乾燥ステップにおける収縮を抑制し、断熱性能に優
れた低密度有機系多孔体を提供することを目的とするも
のである。また、それらを適用した断熱材、および、断
熱箱体を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の乾燥ゲルからな
る有機多孔体の製造方法は、少なくとも2つ以上の活性
水素基を有する活性水素化合物,ポリイソシアネート,
ウレタン触媒、および、溶解度パラメーターが8から1
3の範囲である有機溶媒を混合して湿潤ゲルを得るゲル
化ステップと、前記湿潤ゲルを多孔化して乾燥ゲルを得
る乾燥ステップとを含むことを特徴とするものである。
【0014】活性水素化合物が、ポリオール組成物であ
ることを特徴とするものである。
【0015】また、有機溶媒の溶解度パラメーターが、
9.5以上から10.5以下の範囲であることを特徴と
するものである。
【0016】また、有機溶媒の溶解度パラメーターが、
9以上9.5未満、または10.5以上12未満の範囲
であり、かつ、有機溶媒のドナー数が、12.5以上で
あることを特徴とするものである。
【0017】また、有機溶媒の溶解度パラメーターが、
9以上9.5未満、または10.5以上12未満の範囲
であり、かつ、有機溶媒のアクセプター数が、13以上
であることを特徴とするものである。
【0018】また、有機溶媒の溶解度パラメーターが、
12以上13未満の範囲であり、かつ、有機溶媒のドナ
ー数が、29以上であることを特徴とするものである。
【0019】また、有機溶媒の溶解度パラメーターが、
12以上13未満の範囲であり、かつ、有機溶媒のアク
セプター数が、19以上であることを特徴とするもので
ある。
【0020】また、有機溶媒がメチルエチルケトンであ
ることを特徴とするものである。
【0021】また、ウレタン触媒が、樹脂化強触媒であ
ることを特徴とするものである。
【0022】また、ゲル化ステップの後に、ゲルを静置
するエージングステップを含むことを特徴とするもので
ある。
【0023】また、エージングステップの温度が、30
℃以上、120℃以下であることを特徴とするものであ
る。
【0024】また、エージングステップの際に、さらに
ウレタン触媒を追加することを特徴とするものである。
【0025】また、乾燥ステップの前に、有機溶媒が第
2の有機溶媒と置換される溶媒置換ステップを含むこと
を特徴とするものである。
【0026】また、第2の有機溶媒がアセトンであるこ
とを特徴とするものである。
【0027】また、有機多孔体の密度が30〜800k
g/m3 であり、有機多孔体の平均孔径が1〜100n
mであることを特徴とするものである。
【0028】本発明の断熱パネルは、密度が30〜80
0kg/m3 であり、平均孔径が1〜100nmの乾燥
ゲルからなる有機多孔体を充填してなることを特徴とす
るものである。
【0029】本発明の断熱箱体は、密度が30〜800
kg/m3 であり、平均孔径が1〜100nmの乾燥ゲ
ルからなる有機多孔体を充填してなることを特徴とする
ものである。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の有機多
孔体の製造方法は、少なくとも2つ以上の活性水素基を
有する活性水素化合物,ポリイソシアネート,ウレタン
触媒、および、溶解度パラメーターが8から13の範囲
である有機溶媒を混合して湿潤ゲルを得るゲル化ステッ
プと、前記湿潤ゲルを多孔化して乾燥ゲルを得る乾燥ス
テップとを含むことを特徴とするものであり、ポリイソ
シアネートと活性水素化合物とからなる湿潤ゲルを安定
に製造し、さらに、いかなるインデックスにおいても乾
燥ステップにおける収縮を抑制し、断熱性能に優れた低
密度有機系多孔体を提供することが可能である。
【0031】本発明の請求項2に記載の有機多孔体の製
造方法は、活性水素化合物が、ポリオール組成物である
ことを特徴とするものであり、ポリイソシアネートと活
性水素化合物とからなる湿潤ゲルを安定に製造し、さら
に、いかなるインデックスにおいても乾燥ステップにお
ける収縮を抑制し、断熱性能に優れた低密度有機多孔体
を提供することが可能である。
【0032】また、活性水素化合物がポリオール組成物
であるため、溶解度パラメーターが8から13の範囲で
ある有機溶媒との相互溶解性が高く、イソシアネート成
分との反応性も良好である。
【0033】本発明の請求項3に記載の有機多孔体の製
造方法は、有機溶媒の溶解度パラメーターが、9.5以
上から10.5以下の範囲であることを特徴とするもの
であり、ポリイソシアネートと活性水素化合物とからな
る湿潤ゲルを安定に製造し、さらに、いかなるインデッ
クスにおいても乾燥ステップにおける収縮を抑制し、断
熱性能に優れた低密度有機多孔体を提供することが可能
である。
【0034】また、有機溶媒の溶解度パラメーターが
9.5以上から10.5以下の範囲であるため、活性水
素化合物および、イソシアネート,ウレタン触媒の全て
を可溶であることから、有機溶媒相を反応場としてゾル
粒子形成反応が進行する。
【0035】また、有機溶媒の溶解度パラメーターが
9.5以上から10.5以下の範囲であるため、ゾル粒
子を形成するウレタン組成物と有機溶媒との親和性が高
く、ゾル粒子が均一に分散した状態にてゲル化が進行す
るため、透明な湿潤ゲルが安定して得られる。
【0036】本発明の請求項4に記載の有機多孔体の製
造方法は、有機溶媒の溶解度パラメーターが、9以上
9.5未満、または10.5以上12未満の範囲であ
り、かつ、有機溶媒のドナー数が、12.5以上である
ことを特徴とするものであり、ポリイソシアネートと活
性水素化合物とからなる湿潤ゲルを安定に製造し、さら
に、いかなるインデックスにおいても乾燥ステップにお
ける収縮を抑制し、断熱性能に優れた低密度有機多孔体
を提供することが可能である。
【0037】また、有機溶媒の溶解度パラメーターが9
以上9.5未満、または10.5以上12未満の範囲で
あり、かつ、有機溶媒のドナー数が、12.5以上の範
囲であるため、活性水素化合物および、イソシアネー
ト,ウレタン触媒の全てを可溶であることから、有機溶
媒相を反応場としたゾル粒子形成反応が進行する。
【0038】また、有機溶媒の溶解度パラメーターが9
以上9.5未満、または10.5以上12未満の範囲で
あり、かつ、有機溶媒のドナー数が、12.5以上の範
囲であるため、ゾル粒子を形成するウレタン組成物と有
機溶媒との親和性が高く、ゾル粒子が均一に分散した状
態にてゲル化が進行するため、湿潤ゲルが安定して得ら
れる。
【0039】本発明の請求項5に記載の有機多孔体の製
造方法は、有機溶媒の溶解度パラメーターが、9以上
9.5未満、または10.5以上12未満の範囲であ
り、かつ、有機溶媒のアクセプター数が、13以上であ
ることを特徴とするものであり、ポリイソシアネートと
活性水素化合物とからなる湿潤ゲルを安定に製造し、さ
らに、いかなるインデックスにおいても乾燥ステップに
おける収縮を抑制し、断熱性能に優れた低密度有機多孔
体を提供することが可能である。
【0040】また、有機溶媒の溶解度パラメーターが9
以上9.5未満、または10.5以上12未満の範囲で
あり、かつ、有機溶媒のアクセプター数が、13以上の
範囲であるため、活性水素化合物および、イソシアネー
ト,ウレタン触媒の全てを可溶であることから、有機溶
媒相を反応場としたゾル粒子形成反応が進行する。
【0041】また、有機溶媒の溶解度パラメーターが9
以上9.5未満、または10.5以上12未満の範囲で
あり、かつ、有機溶媒のアクセプター数が、13以上の
範囲であるため、ゾル粒子を形成するウレタン組成物と
有機溶媒との親和性が高く、ゾル粒子が均一に分散した
状態にてゲル化が進行するため、湿潤ゲルが安定して得
られる。
【0042】本発明の請求項6に記載の有機多孔体の製
造方法は、有機溶媒の溶解度パラメーターが、12以上
13未満の範囲であり、かつ、有機溶媒のドナー数が、
29以上であることを特徴とするものであり、ポリイソ
シアネートと活性水素化合物とからなる湿潤ゲルを安定
に製造し、さらに、いかなるインデックスにおいても乾
燥ステップにおける収縮を抑制し、断熱性能に優れた低
密度有機多孔体を提供することが可能である。
【0043】また、有機溶媒の溶解度パラメーターが1
2以上13未満の範囲であり、かつ、有機溶媒のドナー
数が、29以上の範囲であるため、活性水素化合物およ
び、イソシアネート,ウレタン触媒の全てを可溶である
ことから、有機溶媒相を反応場としたゾル粒子形成反応
が進行する。
【0044】また、有機溶媒の溶解度パラメーターが1
2以上13未満の範囲であり、かつ、有機溶媒のドナー
数が、29以上の範囲であるため、ゾル粒子を形成する
ウレタン組成物と有機溶媒との親和性が高く、ゾル粒子
が均一に分散した状態にてゲル化が進行するため、湿潤
ゲルが安定して得られる。
【0045】本発明の請求項7に記載の有機多孔体の製
造方法は、有機溶媒の溶解度パラメーターが、12以上
13未満の範囲であり、かつ、有機溶媒のアクセプター
数が、19以上であることを特徴とするものであり、ポ
リイソシアネートと活性水素化合物とからなる湿潤ゲル
を安定に製造し、さらに、いかなるインデックスにおい
ても乾燥ステップにおける収縮を抑制し、断熱性能に優
れた低密度有機多孔体を提供することが可能である。
【0046】また、有機溶媒の溶解度パラメーターが1
2以上13未満の範囲であり、かつ、有機溶媒のアクセ
プター数が、19以上の範囲であるため、活性水素化合
物および、イソシアネート,ウレタン触媒の全てを可溶
であることから、有機溶媒相を反応場としたゾル粒子形
成反応が進行する。
【0047】また、有機溶媒の溶解度パラメーターが1
2以上13未満の範囲であり、かつ、有機溶媒のアクセ
プター数が、19以上の範囲であるため、ゾル粒子を形
成するウレタン組成物と有機溶媒との親和性が高く、ゾ
ル粒子が均一に分散した状態にてゲル化が進行するた
め、透明な湿潤ゲルが安定して得られる。
【0048】本発明の請求項8に記載の有機多孔体の製
造方法は、有機溶媒がメチルエチルケトンであることを
特徴とするものであり、ポリイソシアネートと活性水素
化合物とからなる湿潤ゲルを安定に製造し、さらに、い
かなるインデックスにおいても乾燥ステップにおける収
縮を抑制し、断熱性能に優れた低密度有機多孔体を提供
することが可能である。
【0049】また、有機溶媒がメチルエチルケトンであ
るため、活性水素化合物および、イソシアネート,ウレ
タン触媒の全てを可溶であり、有機溶媒相を反応場とし
たゾル粒子形成反応が進行する。
【0050】また、ゾル粒子を形成するウレタン組成物
と有機溶媒との親和性が高く、ゾル粒子が均一に分散し
た状態にてゲル化が進行するため、不透明な湿潤ゲルが
安定して得られる。
【0051】また、おそらく、ゾル粒子径が不均一であ
るために、ゲル化に際して、ゾル粒子が最密充填され、
ゲルが不透明化するとともに樹脂強度が増し、乾燥ステ
ップにおける収縮がさらに抑制されている。
【0052】本発明の請求項9に記載の有機多孔体の製
造方法は、ウレタン触媒が、樹脂化強触媒であることを
特徴とするものであり、ポリイソシアネートと活性水素
化合物とからなる湿潤ゲルを安定に製造し、さらに、い
かなるインデックスにおいても乾燥ステップにおける収
縮を抑制し、断熱性能に優れた低密度有機多孔体を提供
することが可能である。
【0053】また、ウレタン触媒が樹脂化強触媒である
ため、ポリイソシアネートと活性水素化合物との反応活
性が高く、湿潤ゲル形成時間が短縮される。
【0054】また、反応率が向上するため、ポリイソシ
アネートと活性水素化合物との重合架橋反応がより進行
し、乾燥ステップにおける収縮がさらに抑制される。
【0055】本発明の請求項10に記載の有機多孔体の
製造方法は、ゲル化ステップの後に、ゲルを静置する、
エージングステップを含むことを特徴とするものであ
り、ポリイソシアネートと活性水素化合物とからなる湿
潤ゲルを安定に製造し、さらに、いかなるインデックス
においても乾燥ステップにおける収縮を抑制し、断熱性
能に優れた低密度有機多孔体を提供することが可能であ
る。
【0056】また、エージングステップを含むことによ
り、ゲル樹脂骨格の架橋反応がより進行するので、乾燥
ステップにおける収縮がさらに抑制される。
【0057】本発明の請求項11に記載の有機多孔体の
製造方法は、エージングステップの温度が、30℃以
上、120℃以下であることを特徴とするものであり、
ポリイソシアネートと活性水素化合物とからなる湿潤ゲ
ルを安定に製造し、さらに、いかなるインデックスにお
いても乾燥ステップにおける収縮を抑制し、断熱性能に
優れた低密度有機多孔体を提供することが可能である。
【0058】また、エージング温度が、30℃以上、1
20℃以下であるため、室温よりも効果的に、また、高
温による樹脂の劣化を生じることなく、樹脂骨格の架橋
反応を促進するため、乾燥ステップにおける収縮を抑制
することが可能となる。
【0059】本発明の請求項12に記載の有機多孔体の
製造方法は、エージングステップの際に、さらにウレタ
ン触媒を追加することを特徴とするものであり、ポリイ
ソシアネートと活性水素化合物とからなる湿潤ゲルを安
定に製造し、さらに、いかなるインデックスにおいても
乾燥ステップにおける収縮を抑制し、断熱性能に優れた
低密度有機多孔体を提供することが可能である。
【0060】また、エージングステップにおいて触媒を
追加することにより、さらに架橋反応が進行するため、
乾燥ステップにおける収縮を抑制することが可能とな
る。
【0061】本発明の請求項13に記載の有機多孔体の
製造方法は、乾燥ステップの前に、有機溶媒が第2の有
機溶媒と置換される溶媒置換ステップを含むことを特徴
とするものであり、ポリイソシアネートと活性水素化合
物とからなる湿潤ゲルを安定に製造し、さらに、いかな
るインデックスにおいても乾燥ステップにおける収縮を
抑制し、断熱性能に優れた低密度有機多孔体を提供する
ことが可能である。
【0062】また、溶媒置換ステップにおいて、より乾
燥効率の良い溶媒に置換することにより、乾燥効率が向
上できるため、乾燥時間を短縮することができる。
【0063】また、触媒成分などの乾燥装置に対して腐
食性を持つ物質をあらかじめ除去することができる。
【0064】本発明の請求項14に記載の有機多孔体の
製造方法は、第2の有機溶媒がアセトンであることを特
徴とするものであり、ポリイソシアネートと活性水素化
合物とからなる湿潤ゲルを安定に製造し、さらに、いか
なるインデックスにおいても乾燥ステップにおける収縮
を抑制し、断熱性能に優れた低密度有機多孔体を提供す
ることが可能である。
【0065】また、第2の溶媒がアセトンであるため、
溶解度パラメーターが8から13の範囲である有機溶媒
との親和性が高く、溶媒置換を容易に行うことができ
る。
【0066】また、乾燥時には、アセトンは二酸化炭素
と親和性が高いため、超臨界二酸化炭素の溶媒抽出性が
改善し、乾燥性が向上する。
【0067】本発明の請求項15に記載の有機多孔体の
製造方法は、有機多孔体の密度が30〜800kg/m
3 であり、有機多孔体の平均孔径が1〜100nmであ
ることを特徴とするものであり、ポリイソシアネートと
活性水素化合物とからなる湿潤ゲルを安定に製造し、さ
らに、いかなるインデックスにおいても乾燥ステップに
おける収縮を抑制し、断熱性能に優れた低密度有機多孔
体を提供することが可能である。
【0068】本発明の請求項16に記載の断熱パネル
は、密度が30〜800kg/m3 であり、平均孔径が
1〜100nmの乾燥ゲルからなる有機多孔体を充填し
てなることを特徴とするものであり、ポリイソシアネー
トと活性水素化合物とからなる湿潤ゲルが安定に製造さ
れ、さらに、いかなるインデックスにおいても乾燥ステ
ップにおける収縮を抑制された、断熱性能に優れた低密
度有機多孔体を充填した断熱パネルである。
【0069】本発明の請求項17に記載の断熱箱体は、
密度が30〜800kg/m3 であり、平均孔径が1〜
100nmの乾燥ゲルからなる有機多孔体を充填してな
ることを特徴とするものであり、ポリイソシアネートと
活性水素化合物とからなる湿潤ゲルが安定に製造され、
さらに、いかなるインデックスにおいても乾燥ステップ
における収縮を抑制された、断熱性能に優れた低密度有
機多孔体を充填した断熱箱体である。
【0070】本発明に記しているアクセプター数(A
N)とは、溶媒分子の電子の受け入れやすさを示すパラ
メーターであり、数値が大きいほど他分子の電子を受け
入れやすい。
【0071】本発明に記しているドナー数(DN)と
は、溶媒分子の電子供与性を示すパラメーターであり、
数値が大きいほど他分子の電子を供与しやすい。
【0072】本発明に記しているインデックスとは、イ
ソシアネートと活性水素化合物とが当量反応する際の理
論上のイソシアネート必要重量に対する、実際に使用す
るイソシアネート重量の比を示すパラメーターであっ
て、次の式1で示される。
【0073】
【数1】
【0074】以下、実施の形態について、図1から図5
を用いて説明する。
【0075】(実施の形態1)図1は、本発明の有機多
孔体の製造方法であり、2つ以上の活性水素基を有する
活性水素化合物,ポリイソシアネート,ウレタン触媒、
および、溶解度パラメーターが8から13の範囲である
有機溶媒を混合して湿潤ゲルを得るゲル化ステップと、
前記湿潤ゲルから有機溶媒を除去して乾燥ゲルを得る乾
燥ステップとを有するものである。
【0076】(実施の形態2)図2は、本発明の有機多
孔体の製造方法であり、2つ以上の活性水素基を有する
活性水素化合物,ポリイソシアネート,ウレタン触媒、
および、溶解度パラメーターが8から13の範囲である
有機溶媒を混合して湿潤ゲルを得るゲル化ステップと、
前記湿潤ゲルを静置し、架橋反応を進行させるエージン
グステップと、前記湿潤ゲルから有機溶媒を除去して乾
燥ゲルを得る乾燥ステップとを有するものである。
【0077】(実施の形態3)図3は、本発明の有機多
孔体の製造方法であり、2つ以上の活性水素基を有する
活性水素化合物,ポリイソシアネート,ウレタン触媒、
および、溶解度パラメーターが8から13の範囲である
有機溶媒を混合して湿潤ゲルを得るゲル化ステップと、
有機溶媒が第2の有機溶媒と置換される溶媒置換ステッ
プと、前記湿潤ゲルから有機溶媒を除去して乾燥ゲルを
得る乾燥ステップとを有するものである。
【0078】(実施の形態4)図4は、本発明の有機多
孔体の製造方法であり、2つ以上の活性水素基を有する
活性水素化合物,ポリイソシアネート,ウレタン触媒、
および、溶解度パラメーターが8から13の範囲である
有機溶媒を混合して湿潤ゲルを得るゲル化ステップと、
前記湿潤ゲルを静置し、架橋反応を進行させるエージン
グステップと、有機溶媒が第2の有機溶媒と置換される
溶媒置換ステップと、前記湿潤ゲルから有機溶媒を除去
して乾燥ゲルを得る乾燥ステップとを有するものであ
る。
【0079】(実施の形態5)図5は、本発明の有機多
孔体の製造方法であり、2つ以上の活性水素基を有する
活性水素化合物,ポリイソシアネート,ウレタン触媒、
および、溶解度パラメーターが8から13の範囲である
有機溶媒を混合して湿潤ゲルを得るゲル化ステップと、
前記湿潤ゲルを静置し、その際、架橋反応を促進するた
めの触媒がさらに追加されるエージングステップと、有
機溶媒が第2の有機溶媒と置換される溶媒置換ステップ
と、前記湿潤ゲルを多孔化して乾燥ゲルを得る乾燥ステ
ップとを有するものである。
【0080】本発明の活性水素化合物としては、活性水
素基を2つ以上の有する活性水素化合物が利用できる。
たとえば、活性水素基を2つ以上の有するポリオール,
アミン系化合物,カルボン酸系化合物などである。
【0081】本発明の活性水素化合物の1つであるポリ
オール組成物としては、ヒドロキシル基を2つ以上有す
る直鎖状、または環状の物質が利用できる。たとえば、
グリセリン,ジエチレングリコール,トリメチロールプ
ロパン,ペンタエリスルトール,レゾルシノール,フロ
ログルシノール,ポリエーテルポリオール,ポリエステ
ルポリオールなどが適用できる。また、2種以上のポリ
オール組成物の混合物であっても良い。
【0082】本発明のポリイソシアネートとしては、工
業用として一般に用いられている脂肪族、芳香脂肪族、
芳香族ポリイソシアネートが利用できる。本願発明にお
いては、芳香族ポリイソシアネートを好ましく用いるこ
とができる。例えば、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト,トリレンジイソシアネート、または、それらの混合
物などがある。
【0083】本発明のウレタン触媒としては、活性水素
基とイソシアネート基の縮合反応を促進可能な化合物で
あり、3級アミン、有機金属化合物,アルカリ金属塩な
どが利用できる。例えば、テトラメチルヘキサメチレン
ジアミンや、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン,
テトラメチルプロピレンジアミン,オクタン酸第一スズ
などが適用できる。
【0084】本発明の樹脂化強触媒としては、活性水素
基とイソシアネート基の反応速度を顕著に増加させ、ま
た、その反応率を向上させることの可能な化合物であ
り、3級アミン,有機金属化合物,アルカリ金属塩など
が利用できる。たとえば、トリエチレンジアミン,ジブ
チルスズジラウレートなどが利用できる。
【0085】本発明の有機溶媒としては、溶解度パラメ
ーターが8から13の範囲の有機系液体であり、かつ活
性水素化合物および、ポリイソシアネート、触媒に対し
て不活性な物質が利用できる。また、これらは、活性水
素化合物および、ポリイソシアネート,ウレタン触媒の
すべてを可溶な物質であり、有機溶媒相を反応場とし
て、活性水素化合物とポリイソシアネートとがゾル粒子
を形成することができる。また、これらは、ゾル粒子を
形成するウレタン組成物と親和性が高く、ゾル粒子を均
一に分散した状態に保ち、ゲル化反応を進行させること
ができるものである。
【0086】溶解度パラメーターが9.5以上10.5
以下の範囲では、たはえば、1,4−ジオキサン,ニト
ロベンゼン,テトラヒドロフラン,N−メチル−2−ピ
ロリドン、メチルエチルケトンなどが使用できる。
【0087】また、溶解度パラメーターが、9以上9.
5未満、または10.5以上12未満の範囲であり、か
つ、有機溶媒のドナー数が、12.5以上の範囲では、
たとえば、アセトン,ピリジン,酢酸エチル,N,N−
ジメチルアセトアミド(DMA),N,N−ジメチルホ
ルムアミド(DMF)などが利用できる。
【0088】また、有機溶媒の溶解度パラメーターが、
9以上9.5未満、または10.5以上12未満の範囲
であり、かつ、有機溶媒のアクセプター数が、13以上
の範囲では、たとえば、クロロホルム,ピリジン,N,
N−ジメチルアセトアミド(DMA),N,N−ジメチ
ルホルムアミド(DMF)などが利用できる。
【0089】また、有機溶媒の溶解度パラメーターが、
12以上13未満の範囲であり、かつ、有機溶媒のドナ
ー数が、29以上の範囲では、たとえば、ジメチルスル
ホキシド(DMSO),へキサメチルホスホルアミド
(HMPA)などが利用できる。
【0090】また、有機溶媒の溶解度パラメーターが、
12以上13未満の範囲であり、かつ、有機溶媒のアク
セプター数が、19以上の範囲では、たとえば、アセト
ニトリル,ニトロメタン,ジメチルスルホキシド(DM
SO)などが利用できる。
【0091】本発明の第2の有機溶媒としては、溶解度
パラメーターが8から13の範囲である有機溶媒との親
和性が高く、溶媒置換を容易に行うことができ、かつ、
二酸化炭素とも親和性が高く、超臨界二酸化炭素の溶媒
抽出性の良好なものが使用できる。例えば、エタノー
ル,メタノール,イソプロパノール,アセトンなどであ
る。特に、未反応で残存しているポリイソシアネートと
反応するおそれのないアセトンが好ましく用いることが
できる。
【0092】なお、本発明に適したインデックスとして
は、0.9から10の範囲である。0.9未満では、未
反応の活性水素基の残存が多く、ゲル骨格強度が低下
し、収縮が生じる。また、10以上では、全てのイソシ
アネート基を完全に三量化反応させるのが困難となり、
残存したイソシアネート基が増加すると、樹脂の脆性が
増す。特に、1から8の範囲が好ましい。
【0093】
【実施例】以下に実施例を用いて、本発明を具体的に説
明する。本発明はこれらのみに限定されるものではな
い。
【0094】(実施例1)ポリオールは芳香族アミン系
ポリエーテルポリオールで水酸基価465mgKOH/
gである武田薬品工業製GR46を、触媒は汎用ウレタ
ン触媒である花王(株)製カオライザーNo.1を、ポ
リイソシアネートはアミン当量135のクルードMDI
を使用した。これらの原料をインデックス6、固形分濃
度10wt%となるよう有機溶媒であるテトラヒドロフ
ラン(THF)中に溶解・混合し、湿潤ゲル形成まで静
置した。なお、固形分濃度とはポリオールとポリイソシ
アネートの重量の和が、全重量に占める割合を示してい
る。その後、得られた湿潤ゲルを耐圧容器へ移し、室
温、12MPaにて30分間、液体二酸化炭素のフロー
に曝した後、温度を50℃まで上昇させ、超臨界二酸化
炭素による溶媒抽出により、乾燥を行った。乾燥中は排
出側のガス分析を連続的に行い、有機溶媒成分が検出さ
れなくなった時点で乾燥を終了し、乾燥ゲルを得た。な
お、THFの溶解度パラメーターは9.9である。
【0095】(実施例2)ポリオール,触媒,ポリイソ
シアネートは実施例1と同様のものを使用した。これら
の原料をインデックス1、固形分濃度10wt%となる
よう有機溶媒であるTHF中に溶解・混合し、湿潤ゲル
形成まで静置した。その後、実施例1と同様の手法にて
溶媒を乾燥し、乾燥ゲルを得た。
【0096】(実施例3)ポリオール,触媒,ポリイソ
シアネートは実施例1と同様のものを使用した。これら
の原料をインデックス1、固形分濃度10wt%となる
よう有機溶媒であるTHF中に溶解・混合し、湿潤ゲル
形成まで静置した。その後、60度にて7日間のエージ
ングを行った。エージング後のサンプルは、実施例1と
同様の手法にて溶媒を乾燥し、乾燥ゲルを得た。
【0097】(実施例4)ポリオール,触媒,ポリイソ
シアネートは実施例1と同様のものを使用した。これら
の原料をインデックス1、固形分濃度10wt%となる
よう有機溶媒であるTHF中に溶解・混合し、湿潤ゲル
形成まで静置した。次に、湿潤ゲルを60℃にて7日間
保持後、アセトンにより溶媒置換を行った。その後、実
施例1と同様の手法にて溶媒を乾燥し、乾燥ゲルを得
た。
【0098】(実施例5)ポリオール,ポリイソシアネ
ートは実施例1と同様のものを使用した。触媒は、樹脂
化の強触媒である花王(株)製カオライザーNo.31
を使用した。これらの原料をインデックス1、固形分濃
度10wt%となるよう有機溶媒であるTHF中に溶解
・混合し、湿潤ゲル形成まで静置した。次に、湿潤ゲル
を60℃にて7日間保持後、アセトンにより溶媒置換を
行った。さらに、実施例1と同様の手法にて溶媒を乾燥
し、乾燥ゲルを得た。
【0099】(実施例6)ポリオール,触媒,ポリイソ
シアネートは実施例5と同様のものを使用した。これら
の原料をインデックス1、固形分濃度10wt%となる
よう有機溶媒であるTHF中に溶解・混合し、湿潤ゲル
形成まで静置した。次に、湿潤ゲルを60℃にて7日間
保持、その際、カオライザーNo.31をTHFにて1
0倍希釈した溶液を追加添加した。その後、アセトンに
より溶媒置換を行った。さらに、実施例1と同様の手法
にて溶媒を乾燥し、乾燥ゲルを得た。
【0100】(実施例7)ポリオール,触媒,ポリイソ
シアネートは実施例5と同様のものを使用した。これら
の原料をインデックス1、固形分濃度10wt%となる
よう有機溶媒であるメチルエチルケトン(MEK)中に
溶解・混合し、湿潤ゲル形成まで静置した。その後、湿
潤ゲルを60℃にて7日間保持後、アセトンにより溶媒
置換を行った。さらに、実施例1と同様の手法にて溶媒
を乾燥し、乾燥ゲルを得た。なお、MEKの溶解度パラ
メーターは9.3、DNは15.5である。
【0101】(実施例8)ポリオール,触媒,ポリイソ
シアネートは実施例5と同様のものを使用した。これら
の原料をインデックス1、固形分濃度10wt%となる
よう有機溶媒であるN,N−ジメチルアセトアミド(D
MA)中に溶解・混合し、湿潤ゲル形成まで静置した。
次に、湿潤ゲルを60℃にて7日間保持後、アセトンに
より溶媒置換を行った。さらに、実施例1と同様の手法
にて溶媒を乾燥し、乾燥ゲルを得た。なお、DMAの溶
解度パラメーターは11.1、DMは27.8である。
【0102】(実施例9)ポリオール,触媒,ポリイソ
シアネートは実施例5と同様のものを使用した。これら
の原料をインデックス1、固形分濃度10wt%となる
よう有機溶媒であるクロロホルム中に溶解・混合し、湿
潤ゲル形成まで静置した。次に、湿潤ゲルを60℃にて
7日間保持後、アセトンにより溶媒置換を行った。さら
に、実施例1と同様の手法にて溶媒を乾燥し、乾燥ゲル
を得た。なお、クロロホルムの溶解度パラメーターは
9.3、ANは23.1である。
【0103】(実施例10)ポリオール,触媒,ポリイ
ソシアネートは実施例5と同様のものを使用した。これ
らの原料をインデックス1、固形分濃度10wt%とな
るよう有機溶媒であるジメチルスルホキシド(DMS
O)中に溶解・混合し、湿潤ゲル形成まで静置した。次
に、湿潤ゲルを60℃にて7日間保持後、アセトンによ
り溶媒置換を行った。さらに、実施例1と同様の手法に
て溶媒を乾燥し、乾燥ゲルを得た。なお、DMSOの溶
解度パラメーターは12.97、DNは29.8であ
る。
【0104】(実施例11)ポリオール,触媒,ポリイ
ソシアネートは実施例5と同様のものを使用した。これ
らの原料をインデックス1、固形分濃度10wt%とな
るよう有機溶媒であるニトロメタン中に溶解・混合し、
湿潤ゲル形成まで静置した。次に、湿潤ゲルを60℃に
て7日間保持後、アセトンにより溶媒置換を行った。さ
らに、実施例1と同様の手法にて溶媒を乾燥し、乾燥ゲ
ルを得た。なお、ニトロメタンの溶解度パラメーターは
12.9、ANは20.5である。
【0105】(比較例1)ポリオール,触媒,ポリイソ
シアネートは実施例5と同様のものを使用した。これら
の原料をインデックス1、固形分濃度10wt%となる
よう有機溶媒であるヘキサン中に混合したが、溶解せ
ず、湿潤ゲルは形成されなかった。なお、ヘキサンの溶
解度パラメーターは7.3である。
【0106】(比較例2)ポリオール,触媒,ポリイソ
シアネートは実施例5と同様のものを使用した。これら
の原料をインデックス1、固形分濃度10wt%となる
よう有機溶媒であるホルムアミド中に混合したが、溶解
せず、湿潤ゲルは形成されなかった。なお、ホルムアミ
ドの溶解度パラメーターは17.8である。
【0107】(比較例3)ポリオール,触媒,ポリイソ
シアネートは実施例5と同様のものを使用した。これら
の原料をインデックス1、固形分濃度10wt%となる
よう有機溶媒であるベンゼン中に溶解・混合し、静置し
た。1日後、重合物が溶媒中に沈殿し、これを、実施例
1と同様の手法にて溶媒を乾燥し、乾燥品を得た。な
お、ベンゼンの溶解度パラメーターは9.2、DNは
0.1である。
【0108】(比較例4)ポリオール,触媒,ポリイソ
シアネートは実施例5と同様のものを使用した。これら
の原料をインデックス1、固形分濃度10wt%となる
よう有機溶媒であるベンゼン中に溶解・混合し、静置し
た。1日後、重合物が溶媒中に沈殿し、これを、実施例
1と同様の手法にて溶媒を乾燥し、乾燥品を得た。な
お、ベンゼンの溶解度パラメーターは9.2、ANは
8.2である。
【0109】(比較例5)ポリオール,触媒,ポリイソ
シアネートは実施例5と同様のものを使用した。これら
の原料をインデックス1、固形分濃度10wt%となる
よう有機溶媒であるベンゾニトリル中に溶解・混合し、
静置した。1日後、重合物が溶媒中に沈殿し、これを、
実施例1と同様の手法にて溶媒を乾燥し、乾燥品を得
た。なお、ベンゾニトリルの溶解度パラメーターは1
2.1、DNは11.9である。
【0110】(比較例6)ポリオール,触媒,ポリイソ
シアネートは実施例5と同様のものを使用した。これら
の原料をインデックス1、固形分濃度10wt%となる
よう有機溶媒であるベンゾニトリル中に溶解・混合し、
静置した。1日後、重合物が溶媒中に沈殿し、これを、
実施例1と同様の手法にて溶媒を乾燥し、乾燥品を得
た。なお、ベンゾニトリルの溶解度パラメーターは1
2.1、ANは15.5である。
【0111】(比較例7)ポリオール,触媒,ポリイソ
シアネートは実施例5と同様のものを使用した。これら
の原料をインデックス1、固形分濃度10wt%となる
よう有機溶媒であるTHF中に溶解・混合し、湿潤ゲル
形成まで静置した。次に、湿潤ゲルを160℃にて7日
間保持後、アセトンにより溶媒置換を行った。さらに、
実施例1と同様の手法にて溶媒を乾燥し、乾燥ゲルを得
た。
【0112】以上の実施例1から実施例11、比較例1
から比較例7の処方にてゲル形成を試みた。乾燥後の生
成物で密度の測定、および一部ブルナウアー・エメット
・テラー窒素吸着(BET)により測定を行った。これ
らの結果について、実施例1から実施例11は表1に、
比較例1から比較例7については表2に示した。
【0113】
【表1】
【0114】
【表2】
【0115】本発明における実施例1では、有機溶媒と
してTHFを用いることによって、ポリイソシアネート
とポリオールとからなる湿潤ゲルを安定に製造し、さら
に、乾燥ステップにおける収縮を抑制した断熱性能に優
れた低密度多孔体を得た。
【0116】さらに、実施例1では、有機溶媒としてT
HFを用いることによって、有機溶媒と、ポリオールお
よび、ポリイソシアネート,ウレタン触媒とが副反応を
生じることはない。
【0117】また、有機溶媒のTHFの溶媒度パラメー
ターが9.9であるために、ポリオールおよび、ポリイ
ソシアネート,ウレタン触媒に対して良好な溶解性を示
し、かつ、生成するポリウレタン組成物とも良好な親和
性を示すために、安定な透明湿潤ゲルが得られる。
【0118】乾燥ゲルの密度は、0.150g/cm3
であり、理論密度の約1.5倍に収縮が抑制されてい
る。
【0119】溶媒がTHFであるために、汎用のウレタ
ン触媒の使用にて、収縮の抑制された乾燥ゲルが得られ
た。
【0120】本発明における実施例2では、有機溶媒と
してTHFを用いることによって、ポリイソシアネート
とポリオールとからなる湿潤ゲルを安定に製造し、さら
に、乾燥ステップにおける収縮を抑制した断熱性能に優
れた低密度多孔体を得た。
【0121】さらに、実施例2では、有機溶媒としてT
HFを用いることによって、有機溶媒と、ポリオールお
よび、ポリイソシアネート,ウレタン触媒とが副反応を
生じることはない。
【0122】また、有機溶媒のTHFの溶解度パラメー
ターが9.9であるために、ポリオールおよび、ポリイ
ソシアネート,ウレタン触媒に対して良好な溶解性を示
し、かつ、生成するポリウレタン組成物とも良好な親和
性を示すために、インデックスが1であっても、インデ
ックス6と変わらず、安定な透明湿潤ゲルが得られる。
【0123】乾燥ゲルの密度は、0.148g/cm3
であり、理論密度の約1.5倍に収縮が抑制されてい
る。
【0124】溶媒がTHFであるために、3量化触媒を
使用することなく、収縮の抑制された乾燥ゲルが得られ
た。
【0125】また、平均孔径は26nmであり、微細孔
を有する多孔体が得られている。
【0126】本発明における実施例3では、有機溶媒と
してTHFを用いることによって、ポリイソシアネート
とポリオールとからなる湿潤ゲルを安定に製造し、さら
に、乾燥ステップにおける収縮を抑制した断熱性能に優
れた低密度多孔体を得た。
【0127】さらに、実施例3では、有機溶媒としてT
HFを用いることによってポリオールおよび、ポリイソ
シアネート,ウレタン触媒と副反応を生じることはな
い。
【0128】また、有機溶媒のTHFの溶解度パラメー
ターが9.9であるために、ポリオールおよび、ポリイ
ソシアネート,ウレタン触媒に対して良好な溶解性を示
し、かつ、生成するポリウレタン組成物とも良好な親和
性を示すために、インデックスが1であっても、安定な
透明湿潤ゲルが得られる。
【0129】また、60℃にて7日間のエージングを行
っているため、樹脂骨格の架橋反応が進行し、さらに副
収縮性が向上している。
【0130】その結果、乾燥ゲルの密度は、0.140
g/cm3 であり、理論密度の約1.4倍に収縮が抑制
されている。
【0131】溶媒がTHFであるために、3量化触媒を
使用することなく、収縮の抑制された乾燥ゲルが得られ
た。
【0132】また、平均孔径は20nmであり、より微
細化されている。
【0133】本発明における実施例4では、有機溶媒と
してTHFを用いることによって、ポリイソシアネート
とポリオールとからなる湿潤ゲルを安定に製造し、さら
に、乾燥ステップにおける収縮を抑制した断熱性能に優
れた低密度多孔体を得た。
【0134】さらに、実施例4では、有機溶媒としてT
HFを用いることによってポリオールおよび、ポリイソ
シアネート,ウレタン触媒と副反応を生じることはな
い。
【0135】また、有機溶媒のTHFの溶解度パラメー
ターが9.9であるために、ポリオールおよび、ポリイ
ソシアネート,ウレタン触媒に対して良好な溶解性を示
し、かつ、生成するポリウレタン組成物とも良好な親和
性を示すために、インデックスが1であっても安定な透
明湿潤ゲルが得られる。
【0136】また、60℃にて7日間のエージングを行
っているため、樹脂骨格の架橋反応が進行したため、さ
らに副収縮性が向上している。
【0137】その結果、乾燥ゲルの密度は、0.139
g/cm3 であり、理論密度の約1.3倍に収縮が抑制
されている。
【0138】溶媒がTHFであるために、3量化触媒を
使用することなく、収縮の抑制された乾燥ゲルが得られ
た。
【0139】また、アセトンによる溶媒置換を行ってい
るため、乾燥性が向上し、乾燥時間が短縮された。
【0140】本発明における実施例5では、有機溶媒と
してTHFを用いることによって、ポリイソシアネート
とポリオールとからなる湿潤ゲルを安定に製造し、さら
に、乾燥ステップにおける収縮を抑制した断熱性能に優
れた低密度多孔体を得た。
【0141】さらに、実施例5では、有機溶媒としてT
HFを用いることによってポリオールおよび、ポリイソ
シアネート,ウレタン触媒と副反応を生じることはな
い。
【0142】また、有機溶媒のTHFの溶解度パラメー
ターが9.9であるために、ポリオールおよび、ポリイ
ソシアネート,ウレタン触媒に対して良好な溶解性を示
し、かつ、生成するポリウレタン組成物とも良好な親和
性を示すために、インデックスが1であっても安定な透
明湿潤ゲルが得られる。
【0143】また、60℃にて7日間のエージングを行
っているため、樹脂骨格の架橋反応が進行し、さらに耐
収縮性が向上している。
【0144】また、触媒として樹脂化強触媒を使用して
いるため、ゲル形成に要する時間が短縮され、かつ、さ
らに耐収縮性が向上している。
【0145】その結果、乾燥ゲルの密度は、0.131
g/cm3 であり、理論密度の約1.3倍に収縮が抑制
されている。
【0146】溶媒がTHFであるために、3量化触媒を
使用することなく、収縮の抑制された乾燥ゲルが得られ
た。
【0147】また、平均孔径は18nmであり、より微
細化されている。
【0148】また、アセトンによる溶媒置換を行ってい
るため、乾燥性が向上し、乾燥時間が短縮された。
【0149】本発明における実施例6では、有機溶媒と
してTHFを用いることによって、ポリイソシアネート
とポリオールとからなる湿潤ゲルを安定に製造し、さら
に、乾燥ステップにおける収縮を抑制した断熱性能に優
れた低密度多孔体を得た。
【0150】さらに、実施例6では、有機溶媒としてT
HFを用いることによってポリオールおよび、ポリイソ
シアネート,ウレタン触媒と副反応を生じることはな
い。
【0151】また、有機溶媒のTHFの溶解度パラメー
ターが9.9であるために、ポリオールおよび、ポリイ
ソシアネート,ウレタン触媒に対して良好な溶解性を示
し、かつ、生成するポリウレタン組成物とも良好な親和
性を示すために、インデックスが1であっても安定な透
明湿潤ゲルが得られる。
【0152】また、60℃にて7日間のエージングを行
っているため、樹脂骨格の架橋反応が進行したため、さ
らに耐収縮性が向上している。
【0153】また、触媒として樹脂化強触媒を使用して
いるため、さらに耐収縮性が向上している。
【0154】また、エージング時、樹脂化強触媒をTH
Fにて10倍希釈した溶液を添加しているため、さらに
耐収縮性が向上している。
【0155】その結果、乾燥ゲルの密度は、0.122
g/cm3 であり、理論密度の約1.2倍に収縮が抑制
されている。
【0156】溶媒がTHFであるために、3量化触媒を
使用することなく、収縮の抑制された乾燥ゲルが得られ
た。
【0157】また、平均孔径は16nmであり、より微
細化されている。
【0158】また、アセトンによる溶媒置換を行ってい
るため、乾燥性が向上し、乾燥時間が短縮された。
【0159】本発明における実施例7では、有機溶媒と
してMEKを用いることによって、ポリイソシアネート
とポリオールとからなる湿潤ゲルを安定に製造し、さら
に、乾燥ステップにおける収縮を抑制した断熱性能に優
れた低密度多孔体を得た。
【0160】また、実施例7では、有機溶媒としてME
Kを用いることによってポリオールおよび、ポリイソシ
アネート,ウレタン触媒と副反応を生じることはない。
【0161】また、有機溶媒のMEKの溶解度パラメー
ターが9.3であるために、ポリオールおよび、ポリイ
ソシアネート,ウレタン触媒に対して良好な溶解性を示
し、かつ、生成するポリウレタン組成物とも良好な親和
性を示すために、インデックスが1であっても安定な不
透明湿潤ゲルが得られる。
【0162】また、有機溶媒がMEKであるため、ゲル
が不透明化し、有機溶媒がTHFの際より耐収縮性が向
上している。
【0163】その結果、乾燥ゲルの密度は、0.123
g/cm3 であり、理論密度の約1.2倍に収縮が抑制
されている。
【0164】溶媒がMEKであるために、3量化触媒を
使用することなく、収縮の抑制された乾燥ゲルが得られ
た。
【0165】本発明における実施例8では、有機溶媒と
してDMAを用いることによって、ポリイソシアネート
とポリオールとからなる湿潤ゲルを安定に製造し、さら
に、乾燥ステップにおける収縮を抑制した断熱性能に優
れた低密度多孔体を得た。
【0166】また、実施例8では、有機溶媒としてDM
Aを用いることによって、有機溶媒とポリオールおよ
び、ポリイソシアネート,ウレタン触媒とが副反応を生
じることはない。
【0167】また、有機溶媒のDMAの溶解度パラメー
ターが11.1、DNが27.8であるために、ポリオ
ールおよび、ポリイソシアネート,ウレタン触媒に対し
て良好な溶解性を示し、かつ、生成するポリウレタン組
成物とも良好な親和性を示すために、安定な透明湿潤ゲ
ルが得られる。
【0168】乾燥ゲルの密度は、0.138g/cm3
であり、理論密度の約1.4倍に収縮が抑制されてい
る。
【0169】溶媒がDMAであるために、3量化触媒を
使用することなく、収縮の抑制された乾燥ゲルが得られ
た。
【0170】本発明における実施例9では、有機溶媒と
してクロロホルムを用いることによって、ポリイソシア
ネートとポリオールとからなる湿潤ゲルを安定に製造
し、さらに、乾燥ステップにおける収縮を抑制した断熱
性能に優れた低密度多孔体を得た。
【0171】また、実施例9では、有機溶媒としてクロ
ロホルムを用いることによって、有機溶媒とポリオール
および、ポリイソシアネート,ウレタン触媒とが副反応
を生じることはない。
【0172】また、有機溶媒のクロロホルムの溶解度パ
ラメーターが9.3、ANが23.1であるために、ポ
リオールおよび、ポリイソシアネート,ウレタン触媒に
対して良好な溶解性を示し、かつ、生成するポリウレタ
ン組成物とも良好な親和性を示すために、安定な透明湿
潤ゲルが得られる。
【0173】その結果、乾燥ゲルの密度は、0.234
g/cm3 であり、理論密度の約1.4倍に収縮が抑制
されている。
【0174】溶媒がクロロホルムであるために、3量化
触媒を使用することなく、収縮の抑制された乾燥ゲルが
得られた。
【0175】本発明における実施例10では、有機溶媒
としてDMSOを用いることによって、ポリイソシアネ
ートとポリオールとからなる湿潤ゲルを安定に製造し、
さらに、乾燥ステップにおける収縮を抑制した断熱性能
に優れた低密度多孔体を得た。
【0176】また、実施例10では、有機溶媒としてD
MSOを用いることによって、有機溶媒とポリオールお
よび、ポリイソシアネート,ウレタン触媒とが副反応を
生じることはない。
【0177】また、有機溶媒のDMSOの溶解度パラメ
ーターが12.97、DNが29.8であるために、ポ
リオールおよび、ポリイソシアネート,ウレタン触媒に
対して良好な溶解性を示し、かつ、生成するポリウレタ
ン組成物とも良好な親和性を示すために、安定な透明湿
潤ゲルが得られる。
【0178】乾燥ゲルの密度は、0.169g/cm3
であり、理論密度の約1.4倍に収縮が抑制されてい
る。
【0179】溶媒がDMSOであるために、3量化触媒
を使用することなく、収縮の抑制された乾燥ゲルが得ら
れた。
【0180】本発明における実施例11では、有機溶媒
としてニトロメタンを用いることによって、ポリイソシ
アネートとポリオールとからなる湿潤ゲルを安定に製造
し、さらに、乾燥ステップにおける収縮を抑制した断熱
性能に優れた低密度多孔体を得た。
【0181】また、実施例11では、有機溶媒としてニ
トロメタンを用いることによって、有機溶媒とポリオー
ルおよび、ポリイソシアネート,ウレタン触媒とが副反
応を生じることはない。
【0182】また、有機溶媒のニトロメタンの溶解度パ
ラメーターが12.9、ANが20.5であるために、
ポリオールおよび、ポリイソシアネート,ウレタン触媒
に対して良好な溶解性を示し、かつ、生成するポリウレ
タン組成物とも良好な親和性を示すために、安定な透明
湿潤ゲルが得られる。
【0183】乾燥ゲルの密度は、0.180g/cm3
であり、理論密度の約1.4倍に収縮が抑制されてい
る。
【0184】溶媒がニトロメタンであるために、3量化
触媒を使用することなく、収縮の抑制された乾燥ゲルが
得られた。
【0185】比較例1では、有機溶媒であるヘキサンの
溶解度パラメーターが7.3であり、ポリオール,触
媒,ポリイソシアネートが溶解しなかったため、湿潤ゲ
ルが形成されなかった。
【0186】比較例2では、有機溶媒であるホルムアミ
ドの溶解度パラメーターが17.8であり、ポリオー
ル,触媒,ポリイソシアネートが溶解しなかったため、
湿潤ゲルが形成されなかった。
【0187】比較例3では、湿潤ゲルが形成されず、溶
媒中に沈殿した不透明な重合物が生成した。また、生成
した重合物を乾燥したが、その密度は理論密度の約4倍
大きく、良好な断熱性能を示す低密度多孔体構造は得ら
れなかった。これは、有機溶媒であるベンゼンの溶解度
パラメーターが9.2、DNが0.1であり、有機溶媒
とウレタン組成物との親和性が低いため、生成物は有機
溶媒がウレタン組成物中に均等に含まれた湿潤ゲルでは
なく、有機溶媒とウレタン組成物とが分離した重合物と
なったためである。
【0188】比較例4では、湿潤ゲルが形成されず、溶
媒中に沈殿した不透明な重合物が生成した。また、生成
した重合物を乾燥したが、その密度は理論密度の約4倍
大きく、良好な断熱性能を示す低密度多孔体構造は得ら
れなかった。これは、有機溶媒であるベンゼンの溶解度
パラメーターが9.2、ANが8.2であり、有機溶媒
とウレタン組成物との親和性が低いため、生成物は有機
溶媒がウレタン組成物中に均等に含まれた湿潤ゲルでは
なく、有機溶媒とウレタン組成物とが分離した重合物と
なったためである。
【0189】比較例5では、湿潤ゲルが形成されず、溶
媒中に沈殿した不透明な重合物が生成した。また、生成
した重合物を乾燥したが、その密度は理論密度の約5倍
大きく、良好な断熱性能を示す低密度多孔体構造は得ら
れなかった。これは、有機溶媒であるベンゾニトリルの
溶解度パラメーターが12.1、DNが11.9であ
り、有機溶媒とウレタン組成物との親和性が低いため、
生成物は有機溶媒がウレタン組成物中に均等に含まれた
湿潤ゲルではなく、有機溶媒とウレタン組成物とが分離
した重合物となったためである。
【0190】比較例6では、湿潤ゲルが形成されず、溶
媒中に沈殿した不透明な重合物が生成した。また、生成
した重合物を乾燥したが、その密度は理論密度の約5倍
大きく、良好な断熱性能を示す低密度多孔体構造は得ら
れなかった。これは、有機溶媒であるベンゾニトリルの
溶解度パラメーターが12.1、ANが15.5であ
り、有機溶媒とウレタン組成物との親和性が低いため、
生成物は有機溶媒がウレタン組成物中に均等に含まれた
湿潤ゲルではなく、有機溶媒とウレタン組成物とが分離
した重合物となったためである。
【0191】比較例7では、湿潤ゲルが形成され、その
湿潤ゲルを乾燥したが、密度は理論密度の約4倍大き
く、良好な断熱性能を示す低密度多孔体構造は得られな
かった。これは、エージングステップの温度が150℃
であったため、エージングステップにおいて湿潤ゲルの
樹脂が劣化し、ゲルの微細構造が破壊されたためであ
る。
【0192】(実施例12)実施例3と同様の有機多孔
体をパネル状に成形し、断熱パネルを作製した。そのパ
ネルの熱伝導率は、ウレタンフォームパネルと比較し
て、30%改善された。
【0193】(実施例13)第1の壁部材と、第2の壁
部材と、前記第1の壁部材、および、前記第2の壁部材
によって形成される空間部に、実施例3と同様の有機多
孔体を充填し、断熱箱体を作成し、冷蔵庫を製造した。
その結果、吸熱負荷は従来のウレタンフォームと比較
し、30%改善された。
【0194】この結果、ポリイソシアネートと活性水素
化合物とからなる湿潤ゲルを安定に製造し、さらに、乾
燥ステップにおける収縮を抑制し、断熱性能に優れた低
密度有機多孔体および断熱パネル,断熱箱体を提供する
ことが可能である。
【0195】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ポリイソ
シアネートとポリオールとからなる湿潤ゲルを安定に製
造し,さらに乾燥ステップにおける収縮を抑制し、断熱
性能に優れた低密度有機多孔体を提供することが可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の断熱材の製造方法を示す図
【図2】本発明の断熱材の製造方法を示す図
【図3】本発明の断熱材の製造方法を示す図
【図4】本発明の断熱材の製造方法を示す図
【図5】本発明の断熱材の製造方法を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 101:00) C08G 101:00) (72)発明者 鈴木 正明 大阪府東大阪市高井田本通4丁目2番5号 松下冷機株式会社内 Fターム(参考) 3H036 AA01 AA08 AA09 AB12 AC01 AC06 3L102 JA01 JA02 MB01 MB14 MB17 4J034 CA03 CA04 CA05 CB03 CB04 CB05 CB07 CC02 CC08 CC12 CC61 CC65 DA01 DB03 DB07 DF01 DG00 HA01 HA07 HC12 HC61 HC64 HC67 HC71 JA14 KA01 KB02 KC17 KD02 KD12 KE02 LA26 QB01 QC01 RA10 RA14

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2つ以上の活性水素基を有す
    る活性水素化合物,ポリイソシアネート,ウレタン触
    媒、および、溶解度パラメーターが8から13の範囲で
    ある有機溶媒を混合して湿潤ゲルを得るゲル化ステップ
    と、前記湿潤ゲルから有機溶媒を除去して乾燥ゲルを得
    る乾燥ステップとを含むことを特徴とする乾燥ゲルから
    なる有機多孔体の製造方法。
  2. 【請求項2】 活性水素化合物が、ポリオール組成物で
    あることを特徴とする請求項1記載の有機多孔体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 有機溶媒の溶解度パラメーターが、9.
    5以上から10.5以下の範囲であることを特徴とする
    請求項1記載の有機多孔体の製造方法。
  4. 【請求項4】 有機溶媒の溶解度パラメーターが、9以
    上9.5未満、または10.5以上12未満の範囲であ
    り、かつ、有機溶媒のドナー数が、12.5以上である
    ことを特徴とする請求項1記載の有機多孔体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 有機溶媒の溶解度パラメーターが、9以
    上9.5未満、または10.5以上12未満の範囲であ
    り、かつ、有機溶媒のアクセプター数が、13以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載の有機多孔体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 有機溶媒の溶解度パラメーターが、12
    以上13未満の範囲であり、かつ、有機溶媒のドナー数
    が、29以上であることを特徴とする請求項1記載の有
    機多孔体の製造方法。
  7. 【請求項7】 有機溶媒の溶解度パラメーターが、12
    以上13未満の範囲であり、かつ、有機溶媒のアクセプ
    ター数が、19以上であることを特徴とする請求項1記
    載の有機多孔体の製造方法。
  8. 【請求項8】 有機溶媒がメチルエチルケトンであるこ
    とを特徴とする請求項3記載の有機多孔体の製造方法。
  9. 【請求項9】 ウレタン触媒が、樹脂化強触媒であるこ
    とを特徴とする請求項1から請求項8記載の有機多孔体
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 ゲル化ステップの後に、ゲルを静置す
    るエージングステップを含むことを特徴とする請求項1
    から請求項9記載の有機多孔体の製造方法。
  11. 【請求項11】 エージングステップの温度が、30℃
    以上、120℃以下である請求項10記載の有機多孔体
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 エージングステップの際に、さらにウ
    レタン触媒を追加する請求項10から請求項11記載の
    有機多孔体の製造方法。
  13. 【請求項13】 乾燥ステップの前に、有機溶媒が第2
    の有機溶媒と置換される溶媒置換ステップを含むことを
    特徴とする請求項1から請求項12記載の有機多孔体の
    製造方法。
  14. 【請求項14】 第2の有機溶媒がアセトンであること
    を特徴とする請求項13記載の有機多孔体の製造方法。
  15. 【請求項15】 有機多孔体の密度が30〜800kg
    /m3 であり、有機多孔体の平均孔径が1〜100nm
    であることを特徴とする請求項1から請求項14記載の
    有機多孔体の製造方法。
  16. 【請求項16】 密度が30〜800kg/m3 で、平
    均孔径が1〜100nmの乾燥ゲルからなる有機多孔体
    を充填してなる断熱パネル。
  17. 【請求項17】 密度が30〜800kg/m3 で、平
    均孔径が1〜100nmの乾燥ゲルからなる有機多孔体
    を充填してなる断熱箱体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008542490A (ja) * 2005-06-03 2008-11-27 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 多孔質ポリイソシアネート重付加生成物
JP2010123581A (ja) * 2001-04-06 2010-06-03 Changs Ascending Enterprise Co Ltd リチウムイオンポリマー電池
JP2013501834A (ja) * 2009-08-13 2013-01-17 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 芳香族及び脂環式アミンの基づく多孔性ゲル
JP2013543034A (ja) * 2010-11-04 2013-11-28 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア エアロゲル又はキセロゲルの製造方法

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